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Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR FABRICATING PIEZOELEDCTRIC VIBRATOR, PIEZOELEDCTRIC VIBRATOR, OSCILLATOR, ELECTRONIC APPARATUS AND RADIO-CONTROLLED CLOCK
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/104314
Kind Code:
A1
Abstract:
A piezoelectric vibrator comprises a base substrate having polished facing sides; a lid substrate, which has a recess for cavity and is bonded to the base substrate so that the recess faces the base substrate; a piezoelectric vibrating reed bonded to the upper surface of the base substrate in a state where the piezoelectric vibrating read is contained in the cavity formed between the base substrate and the lid substrate by utilizing the recess; an external electrode formed on the lower surface of the base substrate; a through electrode, which is formed to penetrate the base substrate, maintains airtightness in the cavity and is connected electrically with the external electrode; and a connecting electrode, which is formed on the upper surface of the base substrate for connecting the through electrode electrically with the piezoelectric vibrating-reed thus bonded. The through electrode is formed by hardening a paste containing a plurality of kinds of metal fine particles.

Inventors:
ARATAKE KIYOSHI (JP)
NUMATA MASASHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/070941
Publication Date:
August 27, 2009
Filing Date:
November 18, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SEIKO INSTR INC (JP)
ARATAKE KIYOSHI (JP)
NUMATA MASASHI (JP)
International Classes:
H03H9/02; H03B5/32; H03H3/02
Foreign References:
JP2007013628A2007-01-18
JP2005353420A2005-12-22
JPH07328315A1995-12-19
JP2004158705A2004-06-03
JP2007267101A2007-10-11
JPS60154403A1985-08-14
Attorney, Agent or Firm:
MATSUSHITA, YOSHIHARU (JP)
Matsushita Yoshiharu (JP)
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Claims:
 互いに接合されたベース基板とリッド基板との間に形成されたキャビティ内に圧電振動片が封止された圧電振動子を、ベース基板用ウエハとリッド基板用ウエハとを利用して一度に複数製造する方法であって、
 前記リッド基板用ウエハに、両ウエハが重ね合わされたときに前記キャビティを形成するキャビティ用の凹部を複数形成する凹部形成工程と;
 前記ベース基板用ウエハに、複数の金属微粒子を含んだペーストを利用して、ウエハを貫通する貫通電極を複数形成する貫通電極形成工程と;
 前記ベース基板用ウエハの上面に、前記貫通電極に対して電気的に接続された引き回し電極を複数形成する引き回し電極形成工程と;
 複数の前記圧電振動片を、前記引き回し電極を介して前記ベース基板用ウエハの上面に接合するマウント工程と;
 前記ベース基板用ウエハと前記リッド基板用ウエハとを重ね合わせて、前記凹部と両ウエハとで囲まれる前記キャビティ内に圧電振動片を収納する重ね合わせ工程と;
 前記ベース基板用ウエハと前記リッド基板用ウエハとを接合し、前記圧電振動片を前記キャビティ内に封止する接合工程と;
 前記ベース基板用ウエハの下面に、前記貫通電極に電気的に接続された外部電極を複数形成する外部電極形成工程と;
 接合された前記両ウエハを切断して、複数の前記圧電振動子に小片化する切断工程と;を備え、
 前記貫通電極形成工程は、前記ペーストを保持するための保持孔を前記ベース基板用ウエハに複数形成する保持孔形成工程と;これら複数の保持孔内に前記ペーストを埋め込んで保持孔を塞ぐ充填工程と;埋め込んだペーストを仮焼成した後に本焼成して硬化させる焼成工程と;仮焼成或いは本焼成した後に、ベース基板用ウエハの両面をそれぞれ所定の厚み研磨する研磨工程と;を有し、
 前記研磨工程を本焼成後に行う場合には、前記焼成工程時に、仮焼成で減少したペースト量に相当する新たなペーストを仮焼成後のペーストに補充して、ペースト全体を再度仮焼成した後に本焼成することを特徴とする圧電振動子の製造方法。
 請求項1に記載の圧電振動子の製造方法であって、
 前記充填工程の際、前記ペーストを脱泡処理した後に前記保持孔内に埋め込む。
 請求項1に記載の圧電振動子の製造方法であって、
 前記保持孔形成工程の際、前記ベース基板用ウエハの上面側から、前記保持孔を有底穴状に形成し;
 前記研磨工程は、前記ベース基板用ウエハの上面を所定の厚みだけ研磨する上面研磨工程と;前記保持孔が貫通して硬化したペーストが少なくとも露出するまで前記ベース基板用ウエハの下面を研磨する下面研磨工程と;を備える。
 互いに接合されたベース基板とリッド基板との間に形成されたキャビティ内に圧電振動片が封止された圧電振動子を、ベース基板用ウエハとリッド基板用ウエハとを利用して一度に複数製造する方法であって、
 前記リッド基板用ウエハに、両ウエハが重ね合わされたときに前記キャビティを形成するキャビティ用の凹部を複数形成する凹部形成工程と;
 前記ベース基板用ウエハに、複数の金属微粒子を含んだペーストを利用して、ウエハを貫通する貫通電極を複数形成する貫通電極形成工程と;
 前記ベース基板用ウエハの上面に、前記貫通電極に対して電気的に接続された引き回し電極を複数形成する引き回し電極形成工程と;
 複数の前記圧電振動片を、前記引き回し電極を介して前記ベース基板用ウエハの上面に接合するマウント工程と;
 前記ベース基板用ウエハと前記リッド基板用ウエハとを重ね合わせて、前記凹部と両ウエハとで囲まれる前記キャビティ内に圧電振動片を収納する重ね合わせ工程と;
 前記ベース基板用ウエハと前記リッド基板用ウエハとを接合し、前記圧電振動片を前記キャビティ内に封止する接合工程と;
 前記ベース基板用ウエハの下面に、前記貫通電極に電気的に接続された外部電極を複数形成する外部電極形成工程と;
 接合された前記両ウエハを切断して、複数の前記圧電振動子に小片化する切断工程と;を備え、
 前記貫通電極形成工程は、前記ベース基板用ウエハの上面に穴部を複数形成する穴部形成工程と;これら複数の穴部内に前記ペーストを埋め込んで穴部を塞ぐ充填工程と、埋め込んだペーストを所定の温度で焼成して硬化させる焼成工程と;焼成後にベース基板用ウエハの上面を所定の厚みだけ研磨する上面研磨工程と;穴部が貫通して硬化したペーストが少なくとも露出するまで、焼成後にベース基板用ウエハの下面を研磨する下面研磨工程と;を備えていることを特徴とする圧電振動子の製造方法。
 請求項4に記載の圧電振動子の製造方法であって、
 前記充填工程の際、前記ペーストを脱泡処理した後に前記穴部内に埋め込む。
 互いに接合されたベース基板とリッド基板との間に形成されたキャビティ内に圧電振動片が封止された圧電振動子を、ベース基板用ウエハとリッド基板用ウエハとを利用して一度に複数製造する方法であって、
 前記リッド基板用ウエハに、両ウエハが重ね合わされたときに前記キャビティを形成するキャビティ用の凹部を複数形成する凹部形成工程と;
 前記ベース基板用ウエハに、複数の金属微粒子を含んだペーストを利用して、ウエハを貫通する貫通電極を複数形成する貫通電極形成工程と;
 前記ベース基板用ウエハの上面に、前記貫通電極に対して電気的に接続された引き回し電極を複数形成する引き回し電極形成工程と;
 複数の前記圧電振動片を、前記引き回し電極を介して前記ベース基板用ウエハの上面に接合するマウント工程と;
 前記ベース基板用ウエハと前記リッド基板用ウエハとを重ね合わせて、前記凹部と両ウエハとで囲まれる前記キャビティ内に圧電振動片を収納する重ね合わせ工程と;
 前記ベース基板用ウエハと前記リッド基板用ウエハとを接合し、前記圧電振動片を前記キャビティ内に封止する接合工程と;
 前記ベース基板用ウエハの下面に、前記貫通電極に電気的に接続された外部電極を複数形成する外部電極形成工程と;
 接合された前記両ウエハを切断して、複数の前記圧電振動子に小片化する切断工程と;を備え、
 前記貫通電極形成工程は、前記ベース基板用ウエハにこのウエハを貫通する貫通孔を複数形成する貫通孔形成工程と;これら複数の貫通孔内に前記ペーストを埋め込んで貫通孔を塞ぐ充填工程と;埋め込んだペーストを所定の温度で焼成して硬化させる焼成工程と;焼成後にベース基板用ウエハの両面をそれぞれ所定の厚みだけ研磨する研磨工程と;を備えていることを特徴とする圧電振動子の製造方法。
 請求項6に記載の圧電振動子の製造方法であって、
 前記充填工程の際、前記ペーストを脱泡処理した後に前記貫通孔内に埋め込む。
 請求項1から7のいずれか1項に記載の圧電振動子の製造方法であって、
 前記マウント工程前に、前記ベース基板用ウエハと前記リッド基板用ウエハとを重ね合わせたときに、前記凹部の周囲を囲む接合膜をベース基板用ウエハの上面に形成する接合膜形成工程を備え;
 前記接合工程の際、前記接合膜を介して前記両ウエハを陽極接合する。
 請求項1から7のいずれか1項に記載の圧電振動子の製造方法であって、
 前記マウント工程の際、導電性のバンプを利用して前記圧電振動片をバンプ接合する。
 請求項1から7のいずれか1項に記載の圧電振動子の製造方法であって、
 前記充填工程の際、非球形形状の金属微粒子を含んだペーストを埋め込む。
 請求項1から7のいずれか1項に記載の圧電振動子の製造方法であって、
 前記充填工程の際、前記ベース基板用ウエアと熱膨張率が略同一の粒体が混合されたペーストを埋め込む。
 両面が研磨加工されたベース基板と;
 キャビティ用の凹部が形成され、凹部を前記ベース基板に対向させた状態でベース基板に接合されたリッド基板と;
 前記凹部を利用して前記ベース基板と前記リッド基板との間に形成されたキャビティ内に収納された状態で、ベース基板の上面に接合された圧電振動片と;
 前記ベース基板の下面に形成された外部電極と;
 前記ベース基板を貫通するように形成され、前記キャビティ内の気密を維持すると共に、前記外部電極に対して電気的に接続された貫通電極と;
 前記ベース基板の上面に形成され、接合された前記圧電振動片に対して前記貫通電極を電気的に接続させる引き回し電極と;を備え、
 前記貫通電極は、複数の金属微粒子を含んだペーストの硬化により形成されている;ことを特徴とする圧電振動子。
 請求項12に記載の圧電振動子であって、
 前記ベース基板及び前記リッド基板は、前記凹部の周囲を囲むように両基板の間に形成された接合膜を介して陽極接合されている。
 請求項12に記載の圧電振動子であって、
 前記圧電振動片は、導電性のバンプによりバンプ接合されている。
 請求項12に記載の圧電振動子であって、
 前記金属微粒子は、非球形形状とされている。
 請求項12に記載の圧電振動子であって、
 前記ペーストには、前記ベース基板と熱膨張率が略同一の粒体が混合されている。
 請求項12から16のいずれか1項に記載の圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されている;ことを特徴とする発振器。
 請求項12から16のいずれか1項に記載の圧電振動子が、計時部に電気的に接続されている;ことを特徴とする電子機器。
 請求項12から16のいずれか1項に記載の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されている;ことを特徴とする電波時計。
Description:
圧電振動子の製造方法、圧電振 子、発振器、電子機器及び電波時計

 本発明は、接合された2枚の基板の間に形成 されたキャビティ内に圧電振動片が封止され た表面実装型(SMD)の圧電振動子、この圧電振 子を製造する圧電振動子の製造方法、圧電 動子を有する発振器、電子機器及び電波時 に関する。
 本出願は、特願2008-35508号と、特願2008-36419 と、特願2008-35511号と、を基礎出願とし、そ 内容を取り込むものとする。

 近年、携帯電話や携帯情報端末機器には 時刻源や制御信号等のタイミング源、リフ レンス信号源等として水晶等を利用した圧 振動子が用いられている。この種の圧電振 子は、様々なものが知られているが、その1 つとして、表面実装型の圧電振動子が知られ ている。この種の圧電振動子としては、一般 的に圧電振動片が形成された圧電基板を、ベ ース基板とリッド基板とで上下から挟み込む ように接合した3層構造タイプのものが知ら ている。この場合、圧電振動子は、ベース 板とリッド基板との間に形成されたキャビ ィ(密閉室)内に収納されている。また、近年 では、上述した3層構造タイプのものではな 、2層構造タイプのものも開発されている。

 このタイプの圧電振動子は、ベース基板 リッド基板とが直接接合されることで2層構 造になっており、両基板の間に形成されたキ ャビティ内に圧電振動片が収納されている。 2層構造タイプの圧電振動子は、3層構造のも に比べて薄型化を図ることができる等の点 おいて優れており、好適に使用されている このような2層構造タイプの圧電振動子の1 として、ベース基板を貫通するように形成 れた導電部材を利用して、圧電振動片とベ ス基板に形成された外部電極とを導通させ 圧電振動子が知られている(特許文献1及び特 許文献2参照)。

 圧電振動子600は、図70及び図71に示すよう に、接合膜607を介して互いに陽極接合された ベース基板601及びリッド基板602と、両基板601 、602の間に形成されたキャビティC内に封止 れた圧電振動片603と、を備えている。

 圧電振動片603は、例えば、音叉型の振動片 あって、キャビティC内においてベース基板 601の上面に導電性接着剤Eを介してマウント れている。ベース基板601及びリッド基板602 、例えば、セラミックやガラス等からなる 縁基板である。両基板601、602のうちベース 板601には、この基板601を貫通するスルーホ ル604が形成されている。そして、スルーホ ル604内には、このスルーホール604を塞ぐよ に導電部材605が埋め込まれている。導電部 605は、ベース基板601の下面に形成された外 電極606に電気的に接続されていると共に、 ャビティC内にマウントされている圧電振動 603に電気的に接続されている。

特開2002-124845号公報

特開2006-279872号公報

 ところで、上述した2層構造タイプの圧電 振動子において、導電部材605は、スルーホー ル604を塞いでキャビティC内の気密を維持す と共に、圧電振動片603と外部電極606とを導 させるという2つの大きな役割を担っている 特に、スルーホール604との密着が不十分で ると、キャビティC内の気密が損なわれてし まう恐れがあり、また、導電性接着剤E或い 外部電極606との接触が不十分であると、圧 振動片603の作動不良を招いてしまう。従っ 、このような不具合をなくす為にも、スル ホール604の内面に強固に密着した状態でス ーホール604を完全に塞ぎ、しかも、表面に み等がない状態で導電部材605を形成する必 がある。

 しかしながら、特許文献1及び特許文献2 は、導電部材605を導電ペースト(Agペースト Au-Snペースト等)にて形成する点は記載され いるものの、実際にどのように形成するか の具体的な製造方法については何ら記載さ ていない。

 一般的に導電ペーストを使用する場合には 焼成して硬化させる必要がある。つまり、 ルーホール604内に導電ペーストを埋め込ん 後、焼成を行って硬化させる必要がある。 ころが、焼成を行うと、導電ペーストに含 れる有機物が蒸発により消失してしまうの 、通常、焼成後の体積が焼成前に比べて減 してしまう(例えば、導電ペーストとしてAg ーストを用いた場合には、体積が略20%程度 少してしまう)。そのため、導電ペーストを 利用して導電部材605を形成したとしても、表 面に凹みが発生してしまったり、酷い場合に は貫通孔が中心に開いてしまったりする恐れ がある。
 その結果、キャビティC内の気密が損なわれ たり、圧電振動片603と外部電極606との導通性 が損なわれたりする可能性があった。

 本発明は、このような事情に考慮してな れたもので、その目的は、キャビティ内の 密を確実に維持すると共に、圧電振動片と 部電極との安定した導通性を確保した高品 な2層構造式表面実装型の圧電振動子を提供 することである。また、この圧電振動子を、 一度に効率良く製造する圧電振動子の製造方 法、圧電振動子を有する発振器、電子機器、 電波時計を提供することである。

 本発明は、前記課題を解決して係る目的を 成するために以下の手段を提供する。
(1)本発明に係る圧電振動子の製造方法は、互 いに接合されたベース基板とリッド基板との 間に形成されたキャビティ内に圧電振動片が 封止された圧電振動子を、ベース基板用ウエ ハとリッド基板用ウエハとを利用して一度に 複数製造する方法であって、前記リッド基板 用ウエハに、両ウエハが重ね合わされたとき に前記キャビティを形成するキャビティ用の 凹部を複数形成する凹部形成工程と;前記ベ ス基板用ウエハに、複数の金属微粒子を含 だペーストを利用して、ウエハを貫通する 通電極を複数形成する貫通電極形成工程と; 記ベース基板用ウエハの上面に、前記貫通 極に対して電気的に接続された引き回し電 を複数形成する引き回し電極形成工程と;複 数の前記圧電振動片を、前記引き回し電極を 介して前記ベース基板用ウエハの上面に接合 するマウント工程と;前記ベース基板用ウエ と前記リッド基板用ウエハとを重ね合わせ 、前記凹部と両ウエハとで囲まれる前記キ ビティ内に圧電振動片を収納する重ね合わ 工程と;前記ベース基板用ウエハと前記リッ 基板用ウエハとを接合し、前記圧電振動片 前記キャビティ内に封止する接合工程と;前 記ベース基板用ウエハの下面に、前記貫通電 極に電気的に接続された外部電極を複数形成 する外部電極形成工程と;接合された前記両 エハを切断して、複数の前記圧電振動子に 片化する切断工程と;を備え、前記貫通電極 成工程が、前記ペーストを保持するための 持孔を前記ベース基板用ウエハに複数形成 る保持孔形成工程と;これら複数の保持孔内 に前記ペーストを埋め込んで保持孔を塞ぐ充 填工程と;埋め込んだペーストを仮焼成した に本焼成して硬化させる焼成工程と;仮焼成 いは本焼成した後に、ベース基板用ウエハ 両面をそれぞれ所定の厚み研磨する研磨工 と;を有し、前記研磨工程を本焼成後に行う 場合には、前記焼成工程時に、仮焼成で減少 したペースト量に相当する新たなペーストを 仮焼成後のペーストに補充して、ペースト全 体を再度仮焼成した後に本焼成する。

 上記圧電振動子の製造方法によれば、まず リッド基板用ウエハに、キャビティ用の凹 を複数形成する凹部形成工程を行う。これ 凹部は、後に両ウエハを重ね合わせた際に キャビティとなる凹部である。この工程と 時或いは前後のタイミングで、ベース基板 ウエハに貫通電極を複数形成する貫通電極 成工程を行う。この際、後に両ウエハを重 合わせたときに、リッド基板用ウエハに形 した凹部内に収まるように貫通電極を複数 成する。
 この貫通電極形成工程は、ベース基板用ウ ハを研磨する研磨工程のタイミングに依存 て大きく二通りの作業順序に分かれる。こ では、まず、複数の金属微粒子を含んだペ ストを本焼成した後に研磨工程を行う場合 ついて説明する。

 まず、ペーストを保持するための保持孔 ベース基板用ウエハに複数形成する保持孔 成工程を行う。続いて、これら複数の保持 内にペーストを隙間なく埋め込んで保持孔 塞ぐ充填工程を行う。続いて、充填したペ ストを仮焼成した後に本焼成して硬化させ 焼成工程を行う。具体的には、まず、埋め まれたペーストを仮焼成する。ところで、 焼成によって硬化したペーストは、仮焼成 にペースト内の大半の有機物が蒸発してし うので、充填工程時に比べて体積が減少し しまう。そのため、ペーストの表面には、 うしても凹みが生じてしまう。そこで、仮 成で減少したペースト量に相当する新たな ーストを仮焼成後のペーストに補充する。 れにより、凹んだ部分に新たなペーストが 填されるので、表面が平坦となる。

 そして、ペーストの補充が終了した後に 補充されたペースト内部の有機物が本焼成 に急激に蒸発することを防止するために、 ースト全体を再度仮焼成する。この仮焼成 終了した後に、ペースト全体の本焼成を行 。これにより、充填工程で埋め込まれたペ スト及び新たに補充されたペーストが完全 硬化して一体化した状態になると共に、保 孔の内面に強固に固着した状態となる。ペ ストの仮焼成及び本焼成を行うことで、焼 工程が終了する。

 ところで、本焼成されたペーストの内、 填工程で埋め込まれたペーストは、最初の 焼成時に既に大半の有機物が蒸発している で、ペースト補充後の仮焼成及び本焼成時 体積がほとんど減少しない。一方、最初の 焼成の後に補充された新たなペーストは、 ースト補充後の仮焼成及び本焼成により体 が減少するものの、ペーストの量自体が保 孔内のペーストの全体量と比較するとごく 量である。よって、新たなペーストを仮焼 及び本焼成することで減少する体積が全体 ペーストの体積に与える影響は、無視でき ほど小さい。従って、新たに補充したペー トの体積減少を考慮したとしても、本焼成 硬化した後のペーストの表面が大きく凹む とはない。即ち、ベース基板用ウエハの表 と本焼成で硬化したペーストの表面とは、 ぼ面一な状態となる。

 そして、焼成工程後に、ベース基板用ウ ハの両面をそれぞれ所定の厚み研磨する研 工程を行う。この工程を行うことで、本焼 によって硬化したペーストの両面も同時に 磨できるので、わずかに凹んでいる部分の 囲をも削り取ることができる。つまり、硬 したペーストの表面をより平坦にすること できる。これにより、ベース基板用ウエハ 表面と硬化したペーストの表面とがより面 な状態となる。この研磨工程を行うことで 本焼成後に研磨工程を行う場合における貫 電極形成工程が終了する。なお、ペースト 含まれる複数の金属微粒子が互いに接触し っていることで、貫通電極としての電気導 性が確保されている。また、上述した貫通 極形成工程においては、研磨工程での研磨 がごくわずかなので、研磨工程に要する時 を短縮できる。

 一方、本焼成前に研磨工程を行う場合の貫 電極形成工程について、続いて説明する。
 充填工程で埋め込まれたペーストを仮焼成 るまでは上記した場合と同様に行う。充填 程で埋め込まれたペーストを仮焼成した後 は、上記したように、ペーストの表面に凹 が生じる。そこで、この仮焼成を行った直 に、ベース基板用ウエハの両面をそれぞれ 定の厚み研磨する研磨工程を行う。これに り、凹んでいる部分の周囲を削ることがで るので、ベース基板用ウエハの表面と仮焼 後のペーストの表面とがほぼ面一な状態と る。
 また、この仮焼成におけるペーストの体積 減少量は、仮焼成せずに一回で本焼成する 合に比べると小さい。従って、仮焼成によ て生じるペースト表面の凹みは、同量のペ ストを仮焼成せずに1度に本焼成する際に生 じる凹みに比べて小さい。よって、ペースト を仮焼成した直後に研磨工程を行うことで研 磨量を抑えることができ、研磨工程に要する 時間を短くすることができる。

 そして、研磨工程を行った後、本焼成を うことでペーストを完全に硬化させる。こ により、保持孔の内面にペーストが強固に 着した状態になり、ペーストは貫通電極と て機能する。また、仮焼成時に既にペース 内の大半の有機物が蒸発しているので、本 成における体積の減少はごくわずかである 従って、ベース基板用ウエハの表面と硬化 たペーストの表面とは、本焼成を行う前と 様にほぼ面一な状態を維持している。この 焼成を行うことで、貫通電極形成工程が終 する。

 以上が本発明に係る貫通電極形成工程で るが、上述のように、いずれのタイミング 研磨工程を実施したとしても、ベース基板 ウエハの表面と硬化したペーストの表面と ほぼ面一な状態となる。

 次に、ベース基板用ウエハの上面に導電性 料をパターニングして、貫通電極に対して 気的に接続された引き回し電極を複数形成 る引き回し電極形成工程を行う。この際、 に両ウエハを重ね合わせたときに、リッド 板用ウエハに形成した凹部内に収まるよう 引き回し電極を形成する。
 特に、貫通電極は、上述したようにベース 板用ウエハの上面に対してほぼ面一な状態 なっている。そのため、ベース基板用ウエ の上面にパターニングされた引き回し電極 、間に隙間等を発生させることなく貫通電 に対して密着した状態で接する。これによ 、引き回し電極と貫通電極との導通性を確 なものにすることができる。

 次に、複数の圧電振動片を、引き回し電 を介してベース基板用ウエハの上面に接合 るマウント工程を行う。これにより、接合 れた各圧電振動片は、引き回し電極を介し 貫通電極に対して導通した状態となる。マ ント終了後、ベース基板用ウエハとリッド 板用ウエハとを重ね合わせる重ね合わせ工 を行う。これにより、接合された複数の圧 振動片は、凹部と両ウエハとで囲まれるキ ビティ内に収納された状態となる。次に、 ね合わせた両ウエハを接合する接合工程を う。これにより、両ウエハが強固に密着す ので、圧電振動片をキャビティ内に封止す ことができる。

 次に、ベース基板用ウエハの下面に導電性 料をパターニングして、貫通電極に電気的 接続された外部電極を複数形成する外部電 形成工程を行う。この場合も引き回し電極 形成時と同様に、ベース基板用ウエハの下 に対して貫通電極がほぼ面一な状態となっ いるので、パターニングされた外部電極は 間に隙間等を発生させることなく貫通電極 対して密着した状態で接する。これにより 外部電極と貫通電極との導通性を確実なも にすることができる。この工程により、外 電極を利用して、キャビティ内に封止され 圧電振動片を作動させることができる。
 最後に、接合されたベース基板用ウエハ及 リッド基板用ウエハを切断して、複数の圧 振動子に小片化する切断工程を行う。

 その結果、互いに接合されたベース基板と ッド基板との間に形成されたキャビティ内 圧電振動片が封止された2層構造式表面実装 型の圧電振動子を一度に複数製造することが できる。
 特に、ベース基板に対してほぼ面一な状態 貫通電極を形成できるので、貫通電極を、 き回し電極及び外部電極に対して確実に密 させることができる。その結果、圧電振動 と外部電極との安定した導通性を確保する とができ、作動性能の信頼性を向上して、 品質化を図ることができる。また、キャビ ィ内の気密に関しても確実に維持すること できるので、この点においても高品質化を ることができる。加えて、ペーストを利用 た簡単な方法で貫通電極を形成できるので 工程の簡素化を図ることができる。

(2)前記充填工程の際、前記ペーストを脱泡 処理した後に前記保持孔内に埋め込んでも良 い。

 この場合、事前にペーストを脱泡処理す ので、気泡等が極力含まれていないペース を充填することができる。よって、焼成工 を行ったとしても、ペーストの体積減少を きるだけ抑えることができる。従って、そ 後に行う研磨工程時での研磨量を少なくす ことができ、この工程にかかる時間を削減 き、より効率良く圧電振動子を製造するこ ができる。

(3)前記保持孔形成工程の際、前記ベース基 板用ウエハの上面側から、前記保持孔を有底 穴状に形成し;前記研磨工程が、前記ベース 板用ウエハの上面を所定の厚みだけ研磨す 上面研磨工程と;前記保持孔が貫通して硬化 たペーストが少なくとも露出するまで前記 ース基板用ウエハの下面を研磨する下面研 工程と;を備えても良い。

 この場合、保持孔形成工程の際、ベース基 用ウエハの上面側から、保持孔を有底穴状 形成する。これにより、充填工程において ペーストの埋め込み作業が容易であり、工 の簡素化を図ることができる。加えて、ペ ストを無駄に使用する恐れが無い。
 また、研磨工程は、上面研磨工程と下面研 工程とを備えている。特に、下面研磨工程 おいては、焼成時に減少するペーストの体 に依存することなく、ベース基板用ウエハ 厚みと保持孔の深さとに基づいて研磨量を 定することができる。従って、下面研磨工 に関しては、ペーストの状態を確認した上 研磨を行うといったことが必要なく、予め められた量を研磨すればよい。従って、研 不足や過度の研磨を防ぐことができる。

(4)また、本発明に係る圧電振動子の製造方 法は、互いに接合されたベース基板とリッド 基板との間に形成されたキャビティ内に圧電 振動片が封止された圧電振動子を、ベース基 板用ウエハとリッド基板用ウエハとを利用し て一度に複数製造する方法であって、前記リ ッド基板用ウエハに、両ウエハが重ね合わさ れたときに前記キャビティを形成するキャビ ティ用の凹部を複数形成する凹部形成工程と ;前記ベース基板用ウエハに、複数の金属微 子を含んだペーストを利用して、ウエハを 通する貫通電極を複数形成する貫通電極形 工程と;前記ベース基板用ウエハの上面に、 記貫通電極に対して電気的に接続された引 回し電極を複数形成する引き回し電極形成 程と;複数の前記圧電振動片を、前記引き回 し電極を介して前記ベース基板用ウエハの上 面に接合するマウント工程と;前記ベース基 用ウエハと前記リッド基板用ウエハとを重 合わせて、前記凹部と両ウエハとで囲まれ 前記キャビティ内に圧電振動片を収納する ね合わせ工程と;前記ベース基板用ウエハと 記リッド基板用ウエハとを接合し、前記圧 振動片を前記キャビティ内に封止する接合 程と;前記ベース基板用ウエハの下面に、前 記貫通電極に電気的に接続された外部電極を 複数形成する外部電極形成工程と;接合され 前記両ウエハを切断して、複数の前記圧電 動子に小片化する切断工程と;を備え、前記 通電極形成工程が、前記ベース基板用ウエ の上面に穴部を複数形成する穴部形成工程 ;これら複数の穴部内に前記ペーストを埋め 込んで穴部を塞ぐ充填工程と、埋め込んだペ ーストを所定の温度で焼成して硬化させる焼 成工程と;焼成後にベース基板用ウエハの上 を所定の厚みだけ研磨する上面研磨工程と; 部が貫通して硬化したペーストが少なくと 露出するまで、焼成後にベース基板用ウエ の下面を研磨する下面研磨工程と;を備えて いる。

 この発明に係る圧電振動子の製造方法に れば、まず、リッド基板用ウエハに、キャ ティ用の凹部を複数形成する凹部形成工程 行う。これら凹部は、後に両ウエハを重ね わせた際に、キャビティとなる凹部である また、この工程と同時或いは前後のタイミ グで、ベース基板用ウエハに貫通電極を複 形成する貫通電極形成工程を行う。この際 後に両ウエハを重ね合わせたときに、リッ 基板用ウエハに形成した凹部内に収まるよ に貫通電極を複数形成する。

 この貫通電極形成工程について、詳細に 明すると、まず、ベース基板用ウエハの上 に穴部を複数形成する穴部形成工程を行う 続いて、これら複数の穴部内に金属微粒子 含んだペーストを隙間なく埋め込んで穴部 塞ぐ充填工程を行う。続いて、充填したペ ストを所定の温度で焼成して硬化させる焼 工程を行う。これにより、穴部の内面にペ ストが強固に固着した状態となる。

 ところで、硬化したペーストは、焼成時 ペースト内の有機物が蒸発してしまうので 充填工程時に比べて体積が減少してしまう そのため、ペーストの表面には、どうして 凹みが生じてしまう。そこで、焼成後に、 ース基板用ウエハの上面を所定の厚みだけ 磨する上面研磨工程を行う。この工程を行 ことで、ベース基板用ウエハの上面におい 、焼成によって硬化したペーストも同時に 磨できるので、凹んでしまった部分の周囲 削り取ることができる。つまり、硬化した ーストの表面を平坦にすることができる。 って、ベース基板用ウエハの上面において ベース基板用ウエハの表面と硬化したペー トの表面とが、ほぼ面一な状態となる。

 また、上面研磨工程と同時或いは前後のタ ミングで、穴部が貫通して硬化したペース が少なくとも露出するまで、焼成後にベー 基板用ウエハの下面を研磨する下面研磨工 を実施する。これにより、穴部内で硬化し ペーストが下面に露出する。この下面研磨 程を行うことで、ベース基板用ウエハに形 された穴部が、これ以降ベース基板用ウエ を貫通した貫通孔になると共に、硬化した ーストが貫通電極となる。加えて、上面研 工程と同様に、ベース基板用ウエハの下面 おいても、ベース基板用ウエハの表面と硬 したペーストの表面とが、ほぼ面一な状態 なる。
 これら上面研磨工程及び下面研磨工程を行 ことで、貫通電極形成工程が終了する。な 、ペーストに含まれる複数の金属微粒子が いに接触し合っていることで、貫通電極の 気導通性が確保されている。

 次に、ベース基板用ウエハの上面に導電性 料をパターニングして、貫通電極に対して 気的に接続された引き回し電極を複数形成 る引き回し電極形成工程を行う。この際、 に両ウエハを重ね合わせたときに、リッド 板用ウエハに形成した凹部内に収まるよう 引き回し電極を形成する。
 特に、貫通電極は、上述したように表面に みがなく、ベース基板用ウエハの上面に対 てほぼ面一な状態となっている。そのため ベース基板用ウエハの上面にパターニング れた引き回し電極は、間に隙間等を発生さ ることなく貫通電極に対して密着した状態 接する。これにより、引き回し電極と貫通 極との導通性を確実なものにすることがで る。

 次に、複数の圧電振動片を、それぞれ引き し電極を介してベース基板用ウエハの上面 接合するマウント工程を行う。これにより 接合された各圧電振動片は、引き回し電極 介して貫通電極に対して導通した状態とな 。マウント終了後、ベース基板用ウエハと ッド基板用ウエハとを重ね合わせる重ね合 せ工程を行う。これにより、接合された複 の圧電振動片は、凹部と両ウエハとで囲ま るキャビティ内に収納された状態となる。
 次に、重ね合わせた両ウエハを接合する接 工程を行う。これにより、両ウエハが強固 密着するので、圧電振動片をキャビティ内 封止することができる。この際、ベース基 用ウエハに形成された貫通孔は、貫通電極 よって塞がれているので、キャビティ内の 密が貫通孔を通じて損なわれることがない 特に、貫通電極を構成するペーストは、貫 孔の内面に強固に密着しているので、キャ ティ内の気密を確実に維持することができ 。

 次に、ベース基板用ウエハの下面に導電性 料をパターニングして、貫通電極に電気的 接続された外部電極を複数形成する外部電 形成工程を行う。この場合も引き回し電極 形成時と同様に、ベース基板用ウエハの下 に対して貫通電極がほぼ面一な状態となっ いるので、パターニングされた外部電極は 間に隙間等を発生させることなく貫通電極 対して密着した状態で接する。これにより 外部電極と貫通電極との導通性を確実なも にすることができる。この工程により、外 電極を利用して、キャビティ内に封止され 圧電振動片を作動させることができる。
 最後に、接合されたベース基板用ウエハ及 リッド基板用ウエハを切断して、複数の圧 振動子に小片化する切断工程を行う。

 その結果、互いに接合されたベース基板と ッド基板との間に形成されたキャビティ内 圧電振動片が封止された2層構造式表面実装 型の圧電振動子を一度に複数製造することが できる。
 特に、表面に凹みがなく、ベース基板に対 てほぼ面一な状態で貫通電極を形成できる で、貫通電極を、引き回し電極及び外部電 に対して確実に密着させることができる。 の結果、圧電振動片と外部電極との安定し 導通性を確保することができ、作動性能の 頼性を向上して、高品質化を図ることがで る。また、キャビティ内の気密に関しても 実に維持することができるので、この点に いても高品質化を図ることができる。

 更に、下面研磨工程においては、焼成時に 少するペーストの体積に依存することなく ベース基板用ウエハの厚みと穴部の深さと 基づいて研磨量を設定することができる。 って、下面研磨工程に関しては、ペースト 状態を確認した上で研磨を行うといったこ が必要なく、予め決められた量を研磨すれ よい。従って、研磨不足や過度の研磨を防 ことができる。
 また、ペーストを利用した簡単な方法で貫 電極を形成できるので、工程の簡素化を図 ことができる。更に、ペーストを埋め込む に有底穴である穴部を用いているので、ペ ストの埋め込み作業が容易であり、工程の 素化を図ることができる。加えて、ペース を無駄に使用する恐れが無い。

(5)前記充填工程の際、前記ペーストを脱泡 処理した後に前記穴部内に埋め込んでも良い 。

 この場合、事前にペーストを脱泡処理す ので、気泡等が極力含まれていないペース を充填することができる。よって、焼成工 を行ったとしても、ペーストの体積減少を きるだけ抑えることができる。従って、そ 後に行う研磨工程時での研磨量を少なくす ことができ、この工程にかかる時間を削減 き、より効率良く圧電振動子を製造するこ ができる。

(6)また、本発明に係る圧電振動子の製造方 法は、互いに接合されたベース基板とリッド 基板との間に形成されたキャビティ内に圧電 振動片が封止された圧電振動子を、ベース基 板用ウエハとリッド基板用ウエハとを利用し て一度に複数製造する方法であって、前記リ ッド基板用ウエハに、両ウエハが重ね合わさ れたときに前記キャビティを形成するキャビ ティ用の凹部を複数形成する凹部形成工程と ;前記ベース基板用ウエハに、複数の金属微 子を含んだペーストを利用して、ウエハを 通する貫通電極を複数形成する貫通電極形 工程と;前記ベース基板用ウエハの上面に、 記貫通電極に対して電気的に接続された引 回し電極を複数形成する引き回し電極形成 程と;複数の前記圧電振動片を、前記引き回 し電極を介して前記ベース基板用ウエハの上 面に接合するマウント工程と;前記ベース基 用ウエハと前記リッド基板用ウエハとを重 合わせて、前記凹部と両ウエハとで囲まれ 前記キャビティ内に圧電振動片を収納する ね合わせ工程と;前記ベース基板用ウエハと 記リッド基板用ウエハとを接合し、前記圧 振動片を前記キャビティ内に封止する接合 程と;前記ベース基板用ウエハの下面に、前 記貫通電極に電気的に接続された外部電極を 複数形成する外部電極形成工程と;接合され 前記両ウエハを切断して、複数の前記圧電 動子に小片化する切断工程と;を備え、前記 通電極形成工程が、前記ベース基板用ウエ にこのウエハを貫通する貫通孔を複数形成 る貫通孔形成工程と;これら複数の貫通孔内 に前記ペーストを埋め込んで貫通孔を塞ぐ充 填工程と;埋め込んだペーストを所定の温度 焼成して硬化させる焼成工程と;焼成後にベ ス基板用ウエハの両面をそれぞれ所定の厚 だけ研磨する研磨工程と;を備えている。

 この発明に係る圧電振動子の製造方法に れば、まず、リッド基板用ウエハに、キャ ティ用の凹部を複数形成する凹部形成工程 行う。これら凹部は、後に両ウエハを重ね わせた際に、キャビティとなる凹部である また、この工程と同時或いは前後のタイミ グで、ベース基板用ウエハに貫通電極を複 形成する貫通電極形成工程を行う。この際 後に両ウエハを重ね合わせたときに、リッ 基板用ウエハに形成した凹部内に収まるよ に貫通電極を複数形成する。

 この貫通電極形成工程について、詳細に 明すると、まず、ベース基板用ウエハにウ ハを貫通する貫通孔を複数形成する貫通孔 成工程を行う。続いて、これら複数の貫通 内に金属微粒子を含んだペーストを隙間な 埋め込んで貫通孔を塞ぐ充填工程を行う。 いて、充填したペーストを所定の温度で焼 して硬化させる焼成工程を行う。これによ 、貫通孔の内面にペーストが強固に固着し 状態となる。ところで、硬化したペースト 、焼成時にペースト内の有機物が蒸発して まうので、充填工程時に比べて体積が減少 てしまう。そのためペーストの表面には、 うしても凹みが生じてしまう。

 そこで、焼成後に、ベース基板用ウエハ 両面をそれぞれ所定の厚みだけ研磨する研 工程を行う。この工程を行うことで、焼成 よって硬化したペーストの両面も同時に研 できるので、凹んでしまった部分の周囲を り取ることができる。つまり、硬化したペ ストの表面を平坦にすることができる。よ て、ベース基板用ウエハの表面と貫通電極 表面とが、ほぼ面一な状態となる。この研 工程を行うことで、貫通電極形成工程が終 する。なお、ペーストに含まれる複数の金 微粒子が互いに接触し合っていることで、 通電極の電気導通性が確保されている。

 次に、ベース基板用ウエハの上面に導電性 料をパターニングして、各貫通電極に対し 電気的に接続された引き回し電極を複数形 する引き回し電極形成工程を行う。この際 後に両ウエハを重ね合わせたときに、リッ 基板用ウエハに形成した凹部内に収まるよ に引き回し電極を形成する。
 特に、貫通電極は、上述したように表面に みがなく、ベース基板用ウエハの上面に対 てほぼ面一な状態となっている。そのため ベース基板用ウエハの上面にパターニング れた引き回し電極は、間に隙間等を発生さ ることなく貫通電極に対して密着した状態 接する。これにより、引き回し電極と貫通 極との導通性を確実なものにすることがで る。

 次に、複数の圧電振動片を、それぞれ引 回し電極を介してベース基板用ウエハの上 に接合するマウント工程を行う。これによ 、接合された各圧電振動片は、引き回し電 を介して貫通電極に対して導通した状態と る。マウント終了後、ベース基板用ウエハ リッド基板用ウエハとを重ね合わせる重ね わせ工程を行う。これにより、接合された 数の圧電振動片は、凹部と両ウエハとで囲 れるキャビティ内に収納された状態となる

 次に、重ね合わせた両ウエハを接合する 合工程を行う。これにより、両ウエハが強 に密着するので、圧電振動片をキャビティ に封止することができる。この際、ベース 板用ウエハに形成された貫通孔は、貫通電 によって塞がれているので、キャビティ内 気密が貫通孔を通じて損なわれることがな 。特に、貫通電極を構成するペーストは、 通孔の内面に強固に密着しているので、キ ビティ内の気密を確実に維持することがで る。

 次に、ベース基板用ウエハの下面に導電性 料をパターニングして、各貫通電極に電気 に接続された外部電極を複数形成する外部 極形成工程を行う。この場合も引き回し電 の形成時と同様に、ベース基板用ウエハの 面に対して貫通電極がほぼ面一な状態とな ているので、パターニングされた外部電極 、間に隙間等を発生させることなく貫通電 に対して密着した状態で接する。これによ 、外部電極と貫通電極との導通性を確実な のにすることができる。この工程により、 部電極を利用して、キャビティ内に封止さ た圧電振動片を作動させることができる。
 最後に、接合されたベース基板用ウエハ及 リッド基板用ウエハを切断して、複数の圧 振動子に小片化する切断工程を行う。

 その結果、互いに接合されたベース基板と ッド基板との間に形成されたキャビティ内 圧電振動片が封止された2層構造式表面実装 型の圧電振動子を一度に複数製造することが できる。
 特に、表面に凹みがなく、ベース基板に対 てほぼ面一な状態で貫通電極を形成できる で、貫通電極を、引き回し電極及び外部電 に対して確実に密着させることができる。 の結果、圧電振動片と外部電極との安定し 導通性を確保することができ、作動性能の 頼性を向上して、高品質化を図ることがで る。また、キャビティ内の気密に関しても 実に維持することができるので、この点に いても高品質化を図ることができる。加え 、ペーストを利用した簡単な方法で貫通電 を形成できるので、工程の簡素化を図るこ ができる。

(7)前記充填工程の際、前記ペーストを脱泡 処理した後に前記貫通孔内に埋め込んでも良 い。

 この場合、事前にペーストを脱泡処理す ので、気泡等が極力含まれていないペース を充填することができる。よって、焼成工 を行ったとしても、ペーストの体積減少を きるだけ抑えることができる。従って、そ 後に行う研磨工程時での研磨量を少なくす ことができ、この工程にかかる時間を削減 き、より効率良く圧電振動子を製造するこ ができる。

(8)前記マウント工程前に、前記ベース基板 用ウエハと前記リッド基板用ウエハとを重ね 合わせたときに、前記凹部の周囲を囲む接合 膜をベース基板用ウエハの上面に形成する接 合膜形成工程を備え;前記接合工程の際、前 接合膜を介して前記両ウエハを陽極接合し も良い。

 この場合、接合膜を介してベース基板用 エハとリッド基板用ウエハとを陽極接合で るので、両ウエハをより強固に接合してキ ビティ内の気密性を高めることができる。 って、圧電振動片をさらに高精度に振動さ ることができ、さらなる高品質化を図るこ ができる。

(9)前記マウント工程の際、導電性のバンプ を利用して前記圧電振動片をバンプ接合して も良い。

 この場合、圧電振動片をバンプ接合する で、バンプの厚み分だけ圧電振動片をベー 基板の上面から浮かすことができる。その め、圧電振動片の振動に必要な最低限の振 ギャップを自然と確保することができる。 って、圧電振動子の作動性能の信頼性をさ に向上することができる。

(10)前記充填工程の際、非球形形状の金属 粒子を含んだペーストを埋め込んでも良い

 この場合、ペーストに含まれる金属微粒 が球形ではなく、非球形、例えば、細長い 維状或いは断面星型状に形成されているの 、互いに接触し合ったときに、点接触では く、線接触になり易い。よって、貫通電極 電気的な導通性をさらに高めることができ 。

(11)前記充填工程の際、前記ベース基板用 エアと熱膨張率が略同一の粒体が混合され ペーストを埋め込んでも良い。

 この場合、ペーストにベース基板用ウエ と熱膨張率が略同一の粒体が混合されてい ので、焼成時、ペーストの熱膨張をベース 板用ウエハの熱膨張に近づけることができ 。そのため、両者の間に熱膨張差に起因す 隙間等が生じ難く、両者をより密着させた 態にすることができる。その結果、気密性 より高めた貫通電極を形成することができ 長期的な気密の信頼性を向上することがで る。

(12)また、本発明に係る圧電振動子は、両 が研磨加工されたベース基板と;キャビティ の凹部が形成され、凹部を前記ベース基板 対向させた状態でベース基板に接合された ッド基板と;前記凹部を利用して前記ベース 基板と前記リッド基板との間に形成されたキ ャビティ内に収納された状態で、ベース基板 の上面に接合された圧電振動片と;前記ベー 基板の下面に形成された外部電極と;前記ベ ス基板を貫通するように形成され、前記キ ビティ内の気密を維持すると共に、前記外 電極に対して電気的に接続された貫通電極 ;前記ベース基板の上面に形成され、接合さ れた前記圧電振動片に対して前記貫通電極を 電気的に接続させる引き回し電極と;を備え 前記貫通電が、複数の金属微粒子を含んだ ーストの硬化により形成されている。

 この発明に係る圧電振動子によれば、キ ビティ内の気密を確実に維持することがで ると共に、圧電振動片と外部電極との安定 た導通性を確保した高品質な2層構造式表面 実装型の圧電振動子とすることができる。

(13)前記ベース基板及び前記リッド基板が 前記凹部の周囲を囲むように両基板の間に 成された接合膜を介して陽極接合されてい も良い。

 この場合、上記(8)に記載の圧電振動子の 造方法と同様の作用効果を奏することがで る。

(14)前記圧電振動片が、導電性のバンプに りバンプ接合されていても良い。

 この場合、上記(9)に記載の圧電振動子の 造方法と同様の作用効果を奏することがで る。

(15)前記金属微粒子が、非球形形状であっ も良い。

 この場合、上記(10)に記載の圧電振動子の 製造方法と同様の作用効果を奏することがで きる。

(16)前記ペーストに、前記ベース基板と熱 張率が略同一の粒体が混合されていても良 。

 この場合、(11)に記載の圧電振動子の製造 方法と同様の作用効果を奏することができる 。

(17)また、本発明に係る発振器は、上記(12)か (16)のいずれか1項に記載の圧電振動子が、 振子として集積回路に電気的に接続されて る。
(18)また、本発明に係る電子機器は、上記(12) ら(16)のいずれか1項に記載の圧電振動子が 計時部に電気的に接続されている。
(19)また、本発明に係る電波時計は、上記(12) ら(16)のいずれか1項に記載の圧電振動子が フィルタ部に電気的に接続されている。

 この発明に係る発振器、電子機器及び電 時計によれば、キャビティ内の気密が確実 、作動の信頼性が向上した高品質な圧電振 子を備えているので、同様に作動の信頼性 高めて高品質化を図ることができる。

 本発明に係る圧電振動子によれば、キャ ティ内の気密を確実に維持することができ と共に、圧電振動片と外部電極との安定し 導通性を確保した高品質な2層構造式表面実 装型の圧電振動子とすることができる。

 また、本発明に係る圧電振動子の製造方 によれば、上述した圧電振動子を一度に効 良く製造することができ、低コスト化を図 ことができる。

 また、本発明に係る発振器、電子機器及 電波時計によれば、上述した圧電振動子を えているので、同様に作動の信頼性を高め 高品質化を図ることができる。

図1は、本発明に係る圧電振動子の第1 施形態を示す外観斜視図である。 図2は、図1に示す圧電振動子の内部構 図であって、リッド基板を取り外した状態 圧電振動片を上方から見た図である。 図3は、図2に示すA-A線に沿った圧電振 子の断面図である。 図4は、図1に示す圧電振動子の分解斜 図である。 図5は、図1に示す圧電振動子を構成す 圧電振動片の上面図である。 図6は、図5に示す圧電振動片の下面図 ある。 図7は、図5に示す断面矢視B-B図である 図8は、図3に示す貫通電極の拡大図で って、複数の金属微粒子を含むペーストを す図である。 図9は、図1に示す圧電振動子を製造す 際の流れを示すフローチャートである。 図10は、図9に示すフローチャートに沿 って圧電振動子を製造する際の一工程を示す 図であって、リッド基板の元となるリッド基 板用ウエハに複数の凹部を形成した状態を示 す図である。 図11は、図9に示すフローチャートに沿 って圧電振動子を製造する際の一工程を示す 図であって、ベース基板の元となるベース基 板用ウエハに複数の保持孔を形成した状態を 示す図である。 図12は、図11に示す状態をベース基板 ウエハの断面から見た図である。 図13は、図9に示すフローチャートに沿 って圧電振動子を製造する際の一工程を示す 図であって、図12に示す状態の後、保持孔内 ペーストを充填させた状態を示す図である 図14は、図9に示すフローチャートに沿 って圧電振動子を製造する際の一工程を示す 図であって、図13に示す状態の後、ペースト 仮焼成した状態を示す図である。 図15は、図9に示すフローチャートに沿 って圧電振動子を製造する際の一工程を示す 図であって、図14に示す状態の後、保持孔内 ペーストを補充した状態を示す図である。 図16は、図9に示すフローチャートに沿 って圧電振動子を製造する際の一工程を示す 図であって、図15に示す状態の後、ペースト 本焼成した状態を示す図である。 図17は、図9に示すフローチャートに沿 って圧電振動子を製造する際の一工程を示す 図であって、図16に示す状態の後、ベース基 用ウエハの両面を研磨している状態を示す である。 図18は、図9に示すフローチャートに沿 って圧電振動子を製造する際の一工程を示す 図であって、図17に示す状態の後、凹みがな なりベース基板用ウエハの表面に面一とな た貫通電極を示す図である。 図19は、図9に示すフローチャートに沿 って圧電振動子を製造する際の一工程を示す 図であって、図18に示す状態の後、ベース基 用ウエハの上面に接合膜及び引き回し電極 パターニングした状態を示す図である。 図20は、図19に示す状態のベース基板 ウエハの全体図である。 図21は、図9に示すフローチャートに沿 って圧電振動子を製造する際の一工程を示す 図であって、圧電振動片をキャビティ内に収 容した状態でベース基板用ウエハとリッド基 板用ウエハとが陽極接合されたウエハ体の分 解斜視図である。 図22は、本発明に係る第2実施形態にお いて、図1に示す圧電振動子を製造する際の れを示すフローチャートである。 図23は、図22に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、図14に示す状態の後、ベース基 板用ウエハの両面を研磨している状態を示す 図である。 図24は、図22に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、図23に示す状態の後の状態を示 す図である。 図25は、図22に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、図24に示す状態の後、ペースト を本焼成した状態を示す図である。 図26は、本発明に係る圧電振動子の第3 実施形態を示す外観斜視図である。 図27は、図26に示す圧電振動子の内部 成図であって、リッド基板を取り外した状 で圧電振動片を上方から見た図である。 図28は、図27に示すA-A線に沿った圧電 動子の断面図である。 図29は、図26に示す圧電振動子の分解 視図である。 図30は、図26に示す圧電振動子を構成 る圧電振動片の上面図である。 図31は、図30に示す圧電振動片の下面 である。 図32は、図30に示す断面矢視B-B図であ 。 図33は、図28に示す貫通電極の拡大図 あって、複数の金属微粒子を含むペースト 示す図である。 図34は、図26に示す圧電振動子を製造 る際の流れを示すフローチャートである。 図35は、図34に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、リッド基板の元となるリッド 板用ウエハに複数の凹部を形成した状態を す図である。 図36は、図34に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、ベース基板の元となるベース 板用ウエハに複数の穴部を形成した状態を す図である。 図37は、図36に示す状態をベース基板 ウエハの断面から見た図である。 図38は、図34に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、図37に示す状態の後、穴部内に ペーストを充填させた状態を示す図である。 図39は、図34に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、図38に示す状態の後、ペースト を焼成により硬化させた状態を示す図である 。 図40は、図34に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、図39に示す状態の後、ベース基 板用ウエハの両面を研磨している状態を示す 図である。 図41は、図34に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、図40に示す状態の後、凹みがな くなりベース基板用ウエハの表面に面一とな った貫通電極を示す図である。 図42は、図34に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、図41に示す状態の後、ベース基 板用ウエハの上面に接合膜及び引き回し電極 をパターニングした状態を示す図である。 図43は、図42に示す状態のベース基板 ウエハの全体図である。 図44は、図34に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、圧電振動片をキャビティ内に 容した状態でベース基板用ウエハとリッド 板用ウエハとが陽極接合されたウエハ体の 解斜視図である。 図45は、本発明に係る圧電振動子の第4 実施形態を示す外観斜視図である。 図46は、図45に示す圧電振動子の内部 成図であって、リッド基板を取り外した状 で圧電振動片を上方から見た図である。 図47は、図46に示すA-A線に沿った圧電 動子の断面図である。 図48は、図45に示す圧電振動子の分解 視図である。 図49は、図45に示す圧電振動子を構成 る圧電振動片の上面図である。 図50は、図49に示す圧電振動片の下面 である。 図51は、図49に示す断面矢視B-B図であ 。 図52は、図47に示す貫通電極の拡大図 あって、複数の金属微粒子を含むペースト 示す図である。 図53は、図45に示す圧電振動子を製造 る際の流れを示すフローチャートである。 図54は、図53に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、リッド基板の元となるリッド 板用ウエハに複数の凹部を形成した状態を す図である。 図55は、図53に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、ベース基板の元となるベース 板用ウエハに一対のスルーホールを形成し 状態を示す図である。 図56は、図55に示す状態をベース基板 ウエハの断面から見た図である。 図57は、図53に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、図56に示す状態の後、スルーホ ール内にペーストを充填させた状態を示す図 である。 図58は、図53に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、図57に示す状態の後、ペースト を焼成により硬化させ、貫通電極を形成した 状態を示す図である。 図59は、図53に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、図58に示す状態の後、ベース基 板用ウエハの両面を研磨している状態を示す 図である。 図60は、図53に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、図59に示す状態の後、凹みがな くなりベース基板用ウエハの表面に面一とな った貫通電極を示す図である。 図61は、図53に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、図60に示す状態の後、ベース基 板用ウエハの上面に接合膜及び引き回し電極 をパターニングした状態を示す図である。 図62は、図61に示す状態のベース基板 ウエハの全体図である。 図63は、図53に示すフローチャートに って圧電振動子を製造する際の一工程を示 図であって、圧電振動片をキャビティ内に 容した状態でベース基板用ウエハとリッド 板用ウエハとが陽極接合されたウエハ体の 解斜視図である。 図64は、本発明に係る発振器の一実施 態を示す構成図である。 図65は、本発明に係る電子機器の一実 形態を示す構成図である。 図66は、本発明に係る電波時計の一実 形態を示す構成図である。 図67は、本発明に係るペーストの変形 を示す拡大図である。 図68Aは、本発明に係る金属微粒子の 形例を示す図であって、短冊状に形成され 金属微粒子を示す図である。 図68Bは、本発明に係る金属微粒子の 形例を示す図であって、波型状に形成され 金属微粒子を示す図である。 図68Cは、本発明に係る金属微粒子の 形例を示す図であって、断面星型に形成さ た金属微粒子を示す図である。 図68Dは、本発明に係る金属微粒子の 形例を示す図であって、断面十字型に形成 れた微粒子を示す図である。 図69は、本発明に係る圧電振動子の変 例を示す断面図である。 図70は、従来の圧電振動子の内部構造 であって、リッド基板を取り外した状態で 電振動片を上方から見た図である。 図71は、図70に示す圧電振動子の断面 である。

符号の説明

 B バンプ
 C キャビティ
 G ガラスフリット(粒体)
 P ペースト
 P1 金属微粒子
 1、101、201 圧電振動子
 2、102、202 ベース基板
 3、103、203 リッド基板
 3a、103a、203a キャビティ用の凹部
 4、104、204 圧電振動片
 30a、31a 保持孔
 35、135、235 接合膜
 36、37、136、137、236、237 引き回し電極
 38、39、138、139、238、239 外部電極
 40、140、240 ベース基板用ウエハ
 50、150、250 リッド基板用ウエハ
 130a、131a  穴部
 230、231  スルーホール(貫通孔)
 500 発振器
 501…発振器の集積回路
 510…携帯情報機器(電子機器)
 513…電子機器の計時部
 530…電波時計
 531…電波時計のフィルタ部

(第1実施形態)
 以下、本発明に係る第1実施形態を、図1か 図21を参照して説明する。
 本実施形態の圧電振動子1は、図1から図4に すように、ベース基板2とリッド基板3とで2 に積層された箱状に形成されており、内部 キャビティC内に圧電振動片4が収納された 面実装型の圧電振動子1である。
 なお、図4においては、図面を見易くするた めに後述する励振電極15、引き出し電極19、20 、マウント電極16、17及び重り金属膜21の図示 を省略している。

 圧電振動片4は、図5から図7に示すように、 晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウ 等の圧電材料から形成された音叉型の振動 であり、所定の電圧が印加されたときに振 するものである。
 この圧電振動片4は、平行に配置された一対 の振動腕部10、11と、この一対の振動腕部10、 11の基端側を一体的に固定する基部12と、一 の振動腕部10、11の外表面上に形成されて一 の振動腕部10、11を振動させる第1の励振電 13と第2の励振電極14とからなる励振電極15と 第1の励振電極13及び第2の励振電極14に電気 に接続されたマウント電極16、17とを有して いる。
 また、本実施形態の圧電振動片4は、一対の 振動腕部10、11の両主面上に、振動腕部10、11 長手方向に沿ってそれぞれ形成された溝部1 8を備えている。この溝部18は、振動腕部10、1 1の基端側から略中間付近まで形成されてい 。

 第1の励振電極13と第2の励振電極14とから る励振電極15は、一対の振動腕部10、11を互 に接近又は離間する方向に所定の共振周波 で振動させる電極であり、一対の振動腕部1 0、11の外表面に、それぞれ電気的に切り離さ れた状態でパターニングされて形成されてい る。具体的には、図7に示すように、第1の励 電極13が、一方の振動腕部10の溝部18上と他 の振動腕部11の両側面上とに主に形成され 第2の励振電極14が、一方の振動腕部10の両側 面上と他方の振動腕部11の溝部18上とに主に 成されている。

 第1の励振電極13及び第2の励振電極14は、図5 及び図6に示すように、基部12の両主面上にお いて、それぞれ引き出し電極19、20を介して ウント電極16、17に電気的に接続されている そして圧電振動片4は、このマウント電極16 17を介して電圧が印加されるようになって る。
 なお、上述した励振電極15、マウント電極16 、17及び引き出し電極19、20は、例えば、クロ ム(Cr)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)やチタ ン(Ti)等の導電性膜の被膜により形成された のである。

 一対の振動腕部10、11の先端には、自身の 振動状態を所定の周波数の範囲内で振動する ように調整(周波数調整)を行うための重り金 膜21が被膜されている。なお、この重り金 膜21は、周波数を粗く調整する際に使用され る粗調膜21aと、微小に調整する際に使用され る微調膜21bとに分かれている。これら粗調膜 21a及び微調膜21bを利用して周波数調整を行う ことで、一対の振動腕部10、11の周波数をデ イスの公称周波数の範囲内に収めることが きる。

 このように構成された圧電振動片4は、図 3から図4に示すように、金等のバンプBを利用 して、ベース基板2の上面にバンプ接合され いる。より具体的には、ベース基板2の上面 パターニングされた引き回し電極36、37上に 形成された2つのバンプB上に、一対のマウン 電極16、17がそれぞれ接触した状態でバンプ 接合されている。これにより、圧電振動片4 、ベース基板2の上面から浮いた状態で支持 れると共に、マウント電極16、17と引き回し 電極36、37とがそれぞれ電気的に接続された 態となっている。

 上記リッド基板3は、ガラス材料、例えば 、ソーダ石灰ガラスからなる透明の絶縁基板 であり、図1、図3及び図4に示すように、板状 に形成されている。そして、ベース基板2が 合される接合面側には、圧電振動片4が収ま 矩形状の凹部3aが形成されている。この凹 3aは、両基板2、3が重ね合わされたときに、 電振動片4を収容するキャビティCとなるキ ビティ用の凹部3aである。そして、リッド基 板3は、この凹部3aをベース基板2側に対向さ た状態でベース基板2に対して陽極接合され いる。

 上記ベース基板2は、リッド基板3と同様に ラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからな 透明な絶縁基板であり、図1から図4に示すよ うに、リッド基板3に対して重ね合わせ可能 大きさで板状に形成されている。
 このベース基板2には、ベース基板2を貫通 る一対のスルーホール30、31が形成されてい 。この際、一対のスルーホール30、31は、キ ャビティC内に収まるように形成されている より詳しく説明すると、本実施形態のスル ホール30、31は、マウントされた圧電振動片4 の基部12側に一方のスルーホール30が位置し 振動腕部10、11の先端側に他方のスルーホー 31が位置するように形成されている。また 本実施形態では、ベース基板2の下面に向か て漸次径が縮径した断面テーパ状のスルー ールを例に挙げて説明するが、この場合に られず、ベース基板2を真っ直ぐに貫通する スルーホールでも構わない。いずれにしても 、ベース基板2を貫通していれば良い。

 そして、これら一対のスルーホール30、31に は、スルーホール30、31を埋めるように形成 れた一対の貫通電極32、33が形成されている これら貫通電極32、33は、図8に示すように 複数の金属微粒子P1を含んだペーストPの硬 によって形成されたものであり、スルーホ ル30、31を完全に塞いでキャビティC内の気密 を維持していると共に、後述する外部電極38 39と引き回し電極36、37とを導通させる役割 担っている。
 なお、貫通電極32、33は、ペーストPに含ま る複数の金属微粒子P1が互いに接触し合って いることで、電気導通性が確保されている。 また、本実施形態の金属微粒子P1は、銅等に り細長い繊維状(非球形形状)に形成されて る場合を例に挙げて説明する。

 ベース基板2の上面側(リッド基板3が接合 れる接合面側)には、図1から図4に示すよう 、導電性材料(例えば、アルミニウム)によ 、陽極接合用の接合膜35と、一対の引き回し 電極36、37とがパターニングされている。こ うち接合膜35は、リッド基板3に形成された 部3aの周囲を囲むようにベース基板2の周縁 沿って形成されている。

 一対の引き回し電極36、37は、一対の貫通 電極32、33のうち、一方の貫通電極32と圧電振 動片4の一方のマウント電極16とを電気的に接 続すると共に、他方の貫通電極33と圧電振動 4の他方のマウント電極17とを電気的に接続 るようにパターニングされている。より詳 く説明すると、一方の引き回し電極36は、 電振動片4の基部12の真下に位置するように 方の貫通電極32の真上に形成されている。ま た、他方の引き回し電極37は、一方の引き回 電極36に隣接した位置から、振動腕部10、11 沿って振動腕部10、11の先端側に引き回しさ れた後、他方の貫通電極33の真上に位置する うに形成されている。

 そして、これら一対の引き回し電極36、37 上にそれぞれバンプBが形成されており、こ バンプBを利用して圧電振動片4がマウントさ れている。これにより、圧電振動片4の一方 マウント電極16が、一方の引き回し電極36を して一方の貫通電極32に導通し、他方のマ ント電極17が、他方の引き回し電極37を介し 他方の貫通電極33に導通するようになって る。

 ベース基板2の下面には、図1、図3及び図4 に示すように、一対の貫通電極32、33に対し それぞれ電気的に接続される外部電極38、39 形成されている。つまり、一方の外部電極3 8は、一方の貫通電極32及び一方の引き回し電 極36を介して圧電振動片4の第1の励振電極13に 電気的に接続されている。また、他方の外部 電極39は、他方の貫通電極33及び他方の引き し電極37を介して、圧電振動片4の第2の励振 極14に電気的に接続されている。

 このように構成された圧電振動子1を作動 させる場合には、ベース基板2に形成された 部電極38、39に対して、所定の駆動電圧を印 する。これにより、圧電振動片4の第1の励 電極13及び第2の励振電極14からなる励振電極 15に電流を流すことができ、一対の振動腕部1 0、11を接近・離間させる方向に所定の周波数 で振動させることができる。そして、この一 対の振動腕部10、11の振動を利用して、時刻 、制御信号のタイミング源やリファレンス 号源等として利用することができる。

 次に、上述した圧電振動子1を、図9に示 フローチャートを参照しながら、ベース基 用ウエハ40とリッド基板用ウエハ50とを利用 て一度に複数製造する製造方法について以 に説明する。

 初めに、圧電振動片作製工程を行って図5 から図7に示す圧電振動片4を作製する(S10)。 体的には、まず水晶のランバート原石を所 の角度でスライスして一定の厚みのウエハ する。続いて、このウエハをラッピングし 粗加工した後、加工変質層をエッチングで り除き、その後ポリッシュ等の鏡面研磨加 を行って、所定の厚みのウエハとする。続 て、ウエハに洗浄等の適切な処理を施した 、ウエハをフォトリソグラフィ技術によっ 圧電振動片4の外形形状でパターニングする 共に、金属膜の成膜及びパターニングを行 て、励振電極15、引き出し電極19、20、マウ ト電極16、17、重り金属膜21を形成する。こ により、複数の圧電振動片4を作製すること ができる。

 また、圧電振動片4を作製した後、共振周 波数の粗調を行っておく。これは、重り金属 膜21の粗調膜21aにレーザ光を照射して一部を 発させ、重量を変化させることで行う。な 、共振周波数をより高精度に調整する微調 関しては、マウント後に行う。これについ は、後に説明する。

 次に、後にリッド基板3となるリッド基板 用ウエハ50を、陽極接合を行う直前の状態ま 作製する第1のウエハ作製工程を行う(S20)。 ず、ソーダ石灰ガラスを所定の厚みまで研 加工して洗浄した後に、図10に示すように エッチング等により最表面の加工変質層を 去した円板状のリッド基板用ウエハ50を形成 する(S21)。次いで、リッド基板用ウエハ50の 合面に、エッチング等により行列方向にキ ビティ用の凹部3aを複数形成する凹部形成工 程を行う(S22)。この時点で、第1のウエハ作製 工程が終了する。

 次に、上記工程と同時或いは前後のタイ ングで、後にベース基板2となるベース基板 用ウエハ40を、陽極接合を行う直前の状態ま 作製する第2のウエハ作製工程を行う(S30)。 ず、ソーダ石灰ガラスを所定の厚みまで研 加工して洗浄した後に、エッチング等によ 最表面の加工変質層を除去した円板状のベ ス基板用ウエハ40を形成する(S31)。次いで、 ベース基板用ウエハ40に、複数の金属微粒子P 1を含んだペーストPを利用して、一対の貫通 極32、33を複数形成する貫通電極形成工程を 行う(S30A)。ここで、この貫通電極形成工程に ついて、詳細に説明する。

 まず、図11に示すように、ペーストPを保 するため、有底穴状の一対の保持孔30a、31a ベース基板用ウエハ40の上面側に複数形成 る保持孔形成工程(S32)を行う。なお、図11に す点線Mは、後に行う切断工程で切断する切 断線を図示している。この工程を行う際、ベ ース基板用ウエハ40の上面側から、例えばサ ドブラスト法で行う。これにより、図12に すように、ベース基板用ウエハ40の下面に向 かって漸次径が縮径する断面テーパ状で、下 面側に底がある有底穴状の保持孔30a、31aを形 成することができる。また、後に両ウエハ40 50を重ね合わせたときに、リッド基板用ウ ハ50に形成された凹部3a内に収まるように一 の保持孔30a、31aを複数形成する。しかも、 方の保持孔30aが圧電振動片4の基部12側に位 し、他方の保持孔31aが振動腕部10、11の先端 側に位置するように形成する。

 なお、本実施形態では、ベース基板用ウ ハ40の下面に向かって漸次径が縮径した断 テーパ状の保持孔を例に挙げて説明するが この場合に限られず、径が均一に設けられ 保持孔でも構わない。いずれにしても、ベ ス基板用ウエハ40の下面側に底を有している 有定状の保持孔であれば良い。

 続いて、図13に示すように、これら複数 保持孔30a、31a内にペーストを隙間なく埋め んで保持孔30a、31aを塞ぐ充填工程を行う(S33) 。この際、保持孔30a、31aが有底穴状に形成さ れているので、ペーストPの埋め込み作業が 易であり、工程の簡素化を図ることができ 。加えて、ペーストPを無駄に使用する恐れ 無い。続いて、充填したペーストPを仮焼成 した後に本焼成して硬化させる焼成工程を行 う。具体的には、まず埋め込まれたペースト Pを仮焼成する(S34)。仮焼成における加熱条件 は、例えば80℃で30分間程度が好ましい。

 ところで、仮焼成によって硬化したペー トPは、仮焼成時に図示しないペーストP内 大半の有機物が蒸発してしまうので、図14に 示すように、充填工程時に比べて体積が減少 してしまう。そのため、ペーストPの表面に 、どうしても凹みが生じてしまう。そこで 本焼成を行う前に、仮焼成時に減少したペ スト量に相当する新たなペーストPを仮焼成 のペーストPに補充する(S35)。これにより、 んだ部分に新たなペーストPが充填されるの で、図15に示すように、表面が平坦となる。

 そして、ペーストPの補充が終了した後に 、補充されたペーストP内部の有機物が本焼 時に急激に蒸発することを防止するために ペーストP全体を再度仮焼成する(S36)。この 焼成が終了した後に、ペーストP全体の本焼 を行う(S37)。本焼成の加熱温度は、例えば40 0℃~500℃程度が好ましい。これにより、仮焼 されたペーストP及び新たに補充されたペー ストPが完全に硬化して一体化した状態にな と共に、保持孔30a、31aの内面に強固に固着 た状態となる。ペーストPの仮焼成及び本焼 を行うことで、焼成工程が終了する。

 ところで、本焼成されたペーストPの内、 充填工程で埋め込まれたペーストPは、最初 仮焼成時に既に大半の有機物が蒸発してい ので、ペーストP補充後の仮焼成及び本焼成 に体積がほとんど減少しない。一方、最初 仮焼成の後に補充された新たなペーストPは 、ペーストP補充後の仮焼成及び本焼成によ 体積が減少するものの、ペーストPの量自体 保持孔30a、31a内のペーストPの全体量と比較 するとごく微量である。よって、新たなペー ストPを仮焼成及び本焼成することで減少す 体積が全体のペーストPの体積に与える影響 、無視できるほど小さい。従って、新たに 充したペーストPの体積減少を考慮したとし ても、本焼成で硬化した後のペーストPの表 が大きく凹むことはない。即ち、ベース基 用ウエハ40の上面において、ベース基板用ウ エハ40の表面と硬化したペーストPの表面とは 、図16に示すように、ほぼ面一な状態となる

 そして、焼成工程後に、ベース基板用ウ ハ40の両面をそれぞれ所定の厚み研磨する 磨工程を行う。より具体的には、図17に示す ように、ベース基板用ウエハ40の上面を所定 厚みだけ研磨する上面研磨工程を行う(S38) この工程を行うことで、ベース基板用ウエ 40の上面において、本焼成によって硬化した ペーストPも同時に研磨できる。従って、ペ ストPのわずかに凹んでいる部分の周囲をも り取ることができる。つまり、図18に示す うに、硬化したペーストPの表面をより平坦 することができる。これにより、ベース基 用ウエハ40の表面と硬化したペーストPの表 とがより面一な状態となる。

 更に、上面研磨工程と同時或いは前後の イミングで、図17に示すように、ベース基 用ウエハ40の下面を、保持孔30a、31aの底に達 するまで研磨する下面研磨工程を実施する(S3 9)。これにより、図18に示すように、保持孔30 a、31a内で硬化したペーストPが下面に露出さ る。この下面研磨工程を行うことで、ベー 基板用ウエハ40に形成された一対の保持孔30 a、31aが、これ以降ベース基板用ウエハ40を貫 通したスルーホール30、31になると共に、硬 したペーストPが一対の貫通電極32、33となる 。加えて、ベース基板用ウエハ40の下面にお ても、ベース基板用ウエハ40の表面と硬化 たペーストPの表面とが、ほぼ面一な状態と る。これら上面研磨工程及び下面研磨工程 行うことで、研磨工程が終了する。そして 研磨工程を行うことで、貫通電極形成工程 終了する。

 次に、ベース基板用ウエハ40の上面に導電 材料をパターニングして、図19及び図20に示 ように、接合膜35を形成する接合膜形成工 を行う(S40)と共に、各一対の貫通電極32、33 それぞれ電気的に接続された引き回し電極36 、37を複数形成する引き回し電極形成工程を う(S41)。なお、図19及び図20に示す点線Mは、 後に行う切断工程で切断する切断線を図示し ている。
 特に、貫通電極32、33は上述したように、ベ ース基板用ウエハ40の上面に対してほぼ面一 状態となっている。そのため、ベース基板 ウエハ40の上面にパターニングされた引き し電極36、37は、間に隙間等を発生させるこ なく貫通電極32、33に対して密着した状態で 接する。これにより、一方の引き回し電極36 一方の貫通電極32との導通性、並びに、他 の引き回し電極37と他方の貫通電極33との導 性を確実なものにすることができる。この 点で第2のウエハ作製工程が終了する。

 ところで、図9では、接合膜形成工程(S40) 後に、引き回し電極形成工程(S41)を行う工 順序としているが、これとは逆に、引き回 電極形成工程(S41)の後に、接合膜形成工程(S4 0)を行っても構わないし、両工程を同時に行 ても構わない。いずれの工程順序であって 、同一の作用効果を奏することができる。 って、必要に応じて適宜、工程順序を変更 て構わない。

 次に、作製した複数の圧電振動片4を、それ ぞれ引き回し電極36、37を介してベース基板 ウエハ40の上面に接合するマウント工程を行 う(S50)。まず、一対の引き回し電極36、37上に それぞれ金等のバンプBを形成する。そして 圧電振動片4の基部12をバンプB上に載置した 、バンプBを所定温度に加熱しながら圧電振 動片4をバンプBに押し付ける。これにより、 電振動片4は、バンプBに機械的に支持され と共に、マウント電極16、17と引き回し電極3 6、37とが電気的に接続された状態となる。よ って、この時点で圧電振動片4の一対の励振 極15は、一対の貫通電極32、33に対してそれ れ導通した状態となる。
 特に、圧電振動片4は、バンプ接合されるの で、ベース基板用ウエハ40の上面から浮いた 態で支持される。

 圧電振動片4のマウントが終了した後、ベ ース基板用ウエハ40に対してリッド基板用ウ ハ50を重ね合わせる重ね合わせ工程を行う(S 60)。具体的には、図示しない基準マーク等を 指標としながら、両ウエハ40、50を正しい位 にアライメントする。これにより、マウン された圧電振動片4が、ベース基板用ウエハ4 0に形成された凹部3aと両ウエハ40、50とで囲 れるキャビティC内に収容された状態となる

 重ね合わせ工程後、重ね合わせた2枚のウエ ハ40、50を図示しない陽極接合装置に入れ、 定の温度雰囲気で所定の電圧を印加して陽 接合する接合工程を行う(S70)。具体的には、 接合膜35とリッド基板用ウエハ50との間に所 の電圧を印加する。すると、接合膜35とリッ ド基板用ウエハ50との界面に電気化学的な反 が生じ、両者がそれぞれ強固に密着して陽 接合される。これにより、圧電振動片4をキ ャビティC内に封止することができ、ベース 板用ウエハ40とリッド基板用ウエハ50とが接 した図21に示すウエハ体60を得ることができ る。なお、図21においては、図面を見易くす ために、ウエハ体60を分解した状態を図示 ており、ベース基板用ウエハ40から接合膜35 図示を省略している。また、図21に示す点 Mは、後に行う切断工程で切断する切断線を 示している。
 ところで、陽極接合を行う際、ベース基板 ウエハ40に形成されたスルーホール30、31は 貫通電極32、33によって完全に塞がれている ので、キャビティC内の気密がスルーホール30 、31を通じて損なわれることがない。特に、 通電極32、33を構成するペーストPは、スル ホール30、31の内面に強固に密着しているの 、キャビティC内の気密を確実に維持するこ とができる。

 そして、上述した陽極接合が終了した後、 ース基板用ウエハ40の下面に導電性材料を ターニングして、一対の貫通電極32、33にそ ぞれ電気的に接続された一対の外部電極38 39を複数形成する外部電極形成工程を行う(S8 0)。この工程により、外部電極38、39を利用し てキャビティC内に封止された圧電振動片4を 動させることができる。
 特に、この工程を行う場合も引き回し電極3 6、37の形成時と同様に、ベース基板用ウエハ 40の下面に対して貫通電極32、33がほぼ面一な 状態となっているので、パターニングされた 外部電極38、39は、間に隙間等を発生させる となく貫通電極32、33に対して密着した状態 接する。これにより、外部電極38、39と貫通 電極32、33との導通性を確実なものにするこ ができる。

 次に、ウエハ体60の状態で、キャビティC に封止された個々の圧電振動子1の周波数を 微調整して所定の範囲内に収める微調工程を 行う(S90)。具体的に説明すると、ベース基板 ウエハ40の下面に形成された一対の外部電 38、39に電圧を印加して圧電振動片4を振動さ せる。そして、周波数を計測しながらリッド 基板用ウエハ50を通して外部からレーザ光を 射し、重り金属膜21の微調膜21bを蒸発させ 。これにより、一対の振動腕部10、11の先端 の重量が変化するので、圧電振動片4の周波 数を、公称周波数の所定範囲内に収まるよう に微調整することができる。

 周波数の微調が終了後、接合されたウエハ 60を図21に示す切断線Mに沿って切断して小 化する切断工程を行う(S100)。その結果、互 に接合されたベース基板2とリッド基板3との 間に形成されたキャビティC内に圧電振動片4 封止された、図1に示す2層構造式表面実装 の圧電振動子1を一度に複数製造することが きる。
 なお、切断工程(S100)を行って個々の圧電振 子1に小片化した後に、微調工程(S90)を行う 程順序でも構わない。但し、上述したよう 、微調工程(S90)を先に行うことで、ウエハ 60の状態で微調を行うことができるので、複 数の圧電振動子1をより効率よく微調するこ ができる。よって、スループットの向上化 図ることができるので好ましい。

 その後、内部の電気特性検査を行う(S110) 即ち、圧電振動片4の共振周波数、共振抵抗 値、ドライブレベル特性(共振周波数及び共 抵抗値の励振電力依存性)等を測定してチェ クする。また、絶縁抵抗特性等を併せてチ ックする。そして、最後に圧電振動子1の外 観検査を行って、寸法や品質等を最終的にチ ェックする。これをもって圧電振動子1の製 が終了する。

 特に、本実施形態の圧電振動子1は、ベー ス基板2に対してほぼ面一な状態で貫通電極32 、33を形成できるので、貫通電極32、33を、引 き回し電極36、37及び外部電極38、39に対して 実に密着させることができる。その結果、 電振動片4と外部電極38、39との安定した導 性を確保することができ、作動性能の信頼 を向上して高性能化を図ることができる。 た、キャビティC内の気密に関しても確実に 持することができるので、この点において 高品質化を図ることができる。加えて、ペ ストPを利用した簡単な方法で貫通電極32、3 3を形成できるので、工程の簡素化を図るこ ができる。

 また、本実施形態の製造方法によれば、上 圧電振動子1を一度に複数製造することがで きるので、低コスト化を図ることができる。
 更に、研磨工程において、特に下面研磨工 の際、焼成時に減少するペーストPの体積に 依存することなく、ベース基板用ウエハ40の みと保持孔30a、31aの深さとに基づいて研磨 を設定することができる。つまり、保持孔3 0a、31aの底に達するまで研磨すればよい。従 て、ペーストPの状態を確認した上で研磨を 行うといったことが必要なく、予め決められ た量を研磨すればよい。これにより、研磨不 足や過度の研磨を防ぐことができる。

 また、仮焼成した後にペーストPを補充して から本焼成を行うことで、ペーストPの表面 凹みを小さく抑えることができる。従って 研磨工程において、特に上面研磨工程の際 ベース基板用ウエハ40の研磨量がごくわずか で済む。これにより、研磨工程に要する時間 を短縮し、圧電振動子1の製造工程の高効率 を図ることができる。
 加えて、上記本焼成後に研磨工程を実施す ことで、硬化したペーストPの表面とほぼ面 一な状態にあるベース基板用ウエハ40の表面 、更に研磨することになる。これにより、 ース基板用ウエハ40の表面と硬化したペー トPの表面とをより面一な状態にすることが きる。

(第2実施形態)
 次に、本発明に係る第2実施形態を、図22か 図25を参照して説明する。なお、この第2実 形態においては、第1実施形態における構成 要素と同一の部分については、同一の符号を 付しその説明を省略する。

 第2実施形態と第1実施形態とは、製造方 における貫通電極形成工程の作業順序につ て異なる。即ち、第1実施形態は、充填工程 埋め込まれたペーストPを仮焼成した直後に 新たなペーストPを補充して再度仮焼成をし その後、本焼成の後に研磨工程を実施した 、第2実施形態は、充填工程で埋め込まれた ーストPを仮焼成した直後に研磨工程を実施 し、その後本焼成を行う。以下、図22に示す 発明に係る第2実施形態の製造方法を表すフ ローチャートを参照しながら、特に本実施形 態の貫通電極形成工程(S30B)について説明する 。

 本実施形態の貫通電極形成工程において、 填工程で埋め込まれたペーストPを仮焼成す るまでは第1実施形態と同様に行う。
 充填工程で埋め込まれたペーストPを仮焼成 した後には、ペーストPの表面に凹みが生じ 。そこで、この仮焼成を行った直後に、ベ ス基板用ウエハ40の両面をそれぞれ所定の厚 み研磨する研磨工程を行う。即ち、図23に示 ように、ベース基板用ウエハ40の上面を所 の厚みだけ研磨する上面研磨工程と、保持 30a、31aの底に達するまでベース基板用ウエ 40の下面を研磨する下面研磨工程とを行う。 これにより、図24に示すように、保持孔30a、3 1aがスルーホール30、31となる。加えて、ペー ストPの凹んでいる部分の周囲を削りとるこ ができるので、ベース基板用ウエハ40の表面 と仮焼成後のペーストPの表面とがほぼ面一 状態となる。

 また、この仮焼成におけるペーストPの体積 の減少量は、仮焼成せず1回で本焼成する場 と比べると小さい。従って、仮焼成によっ 生じるペーストP表面の凹みは、同量のペー トPを仮焼成せずに1度に本焼成する際に生 る凹みに比べて小さい。よって、ペーストP 仮焼成した直後に研磨工程を行うことで研 量を抑えることができ、特に上面研磨に要 る時間が短くなる。
 これら上面研磨工程及び下面研磨工程を行 ことで、研磨工程が終了する。

 そして、研磨工程を行った後、本焼成を うことでペーストPを完全に硬化させる。こ れにより、スルーホール30、31の内面にペー トPが強固に固着した状態になり、ペーストP は貫通電極32、33として機能する。また、仮 成時に既にペーストP内の大半の有機物が蒸 しているので、本焼成における体積の減少 ごくわずかである。従って、ベース基板用 エハ40の表面と硬化したペーストPの表面と 、本焼成を行う前と同様にほぼ面一な状態 維持している。この本焼成を行うことで、 通電極形成工程が終了する。

 本実施形態の製造方法によれば、第1実施 形態に示した作用効果を奏する上に、充填工 程で埋め込まれたペーストPを仮焼成した直 に上面研磨工程を行うことで、仮焼成せず 1度に本焼成した直後に研磨工程を行う場合 比べて、研磨工程に要する時間を短くする とができる。

(第3実施形態)
 以下、本発明に係る第3実施形態を、図26か 図44を参照して説明する。
 本実施形態の圧電振動子101は、図26から図29 に示すように、ベース基板102とリッド基板103 とで2層に積層された箱状に形成されており 内部のキャビティC内に圧電振動片104が収納 れた表面実装型の圧電振動子101である。
 なお、図29においては、図面を見易くする めに後述する励振電極115、引き出し電極119 120、マウント電極116、117及び重り金属膜121 図示を省略している。

 圧電振動片104は、図30から図32に示すように 、水晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチ ウム等の圧電材料から形成された音叉型の振 動片であり、所定の電圧が印加されたときに 振動するものである。
 この圧電振動片104は、平行に配置された一 の振動腕部110、111と、一対の振動腕部110、1 11の基端側を一体的に固定する基部112と、一 の振動腕部110、111の外表面上に形成されて 対の振動腕部110、111を振動させる第1の励振 電極113と第2の励振電極114とからなる励振電 115と、第1の励振電極113及び第2の励振電極114 に電気的に接続されたマウント電極116、117と を有している。
 また、本実施形態の圧電振動片104は、一対 振動腕部110、111の両主面上に、振動腕部110 111の長手方向に沿ってそれぞれ形成された 部118を備えている。この溝部118は、振動腕 110、111の基端側から略中間付近まで形成さ ている。

 第1の励振電極113と第2の励振電極114とか なる励振電極115は、一対の振動腕部110、111 互いに接近又は離間する方向に所定の共振 波数で振動させる電極であり、一対の振動 部110、111の外表面に、それぞれ電気的に切 離された状態でパターニングされて形成さ ている。具体的には、図32に示すように、第 1の励振電極113が、一方の振動腕部110の溝部11 8上と他方の振動腕部111の両側面上とに主に 成され、第2の励振電極114が、一方の振動腕 110の両側面上と他方の振動腕部111の溝部118 とに主に形成されている。

 第1の励振電極113及び第2の励振電極114は、 30及び図31に示すように、基部112の両主面上 おいて、それぞれ引き出し電極119、120を介 てマウント電極116、117に電気的に接続され いる。そして圧電振動片104は、このマウン 電極116、117を介して電圧が印加されるよう なっている。
 なお、上述した励振電極115、マウント電極1 16、117及び引き出し電極119、120は、例えば、 ロム(Cr)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)や タン(Ti)等の導電性膜の被膜により形成され たものである。

 一対の振動腕部110、111の先端には、自身 振動状態を所定の周波数の範囲内で振動す ように調整(周波数調整)を行うための重り 属膜121が被膜されている。なお、この重り 属膜121は、周波数を粗く調整する際に使用 れる粗調膜121aと、微小に調整する際に使用 れる微調膜121bとに分かれている。これら粗 調膜121a及び微調膜121bを利用して周波数調整 行うことで、一対の振動腕部110、111の周波 をデバイスの公称周波数の範囲内に収める とができる。

 このように構成された圧電振動片104は、 27から図29に示すように、金等のバンプBを 用して、ベース基板102の上面にバンプ接合 れている。より具体的には、ベース基板102 上面にパターニングされた引き回し電極136 137上に形成された2つのバンプB上に、一対の マウント電極116、117がそれぞれ接触した状態 でバンプ接合されている。これにより、圧電 振動片104は、ベース基板102の上面から浮いた 状態で支持されると共に、マウント電極116、 117と引き回し電極136、137とがそれぞれ電気的 に接続された状態となっている。

 上記リッド基板103は、ガラス材料、例え ソーダ石灰ガラスからなる透明の絶縁基板 あり、図26、図28及び図29に示すように、板 に形成されている。そして、ベース基板102 接合される接合面側には、圧電振動片104が まる矩形状の凹部103aが形成されている。こ の凹部103aは、両基板102、103が重ね合わされ ときに、圧電振動片104を収容するキャビテ Cとなるキャビティ用の凹部である。そして リッド基板103は、この凹部103aをベース基板 102側に対向させた状態でベース基板102に対し て陽極接合されている。

 上記ベース基板102は、リッド基板103と同様 ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスから る透明な絶縁基板であり、図26から図29に示 すように、リッド基板103に対して重ね合わせ 可能な大きさで板状に形成されている。
 このベース基板102には、ベース基板102を貫 する一対のスルーホール130、131が形成され いる。この際、一対のスルーホール130、131 、キャビティC内に収まるように形成されて いる。より詳しく説明すると、本実施形態の スルーホール130、131は、マウントされた圧電 振動片104の基部112側に一方のスルーホール130 が位置し、振動腕部110、111の先端側に他方の スルーホール131が位置するように形成されて いる。

 また、本実施形態では、ベース基板102の 面に向かって漸次径が縮径した断面テーパ のスルーホールを例に挙げて説明するが、 の場合に限られず、ベース基板102を真っ直 に貫通するスルーホールでも構わない。い れにしても、ベース基板102を貫通していれ 良い。

 そして、これら一対のスルーホール130、131 は、スルーホール130、131を埋めるように形 された一対の貫通電極132、133が形成されて る。これら貫通電極132、133は、図33に示す うに、複数の金属微粒子P1を含んだペースト Pの硬化によって形成されたものであり、ス ーホール130、131を完全に塞いでキャビティC の気密を維持していると共に、後述する外 電極138、139と引き回し電極136、137とを導通 せる役割を担っている。
 なお、貫通電極132、133は、ペーストPに含ま れる複数の金属微粒子P1が互いに接触し合っ いることで、電気導通性が確保されている また、本実施形態の金属微粒子P1は、銅等 より細長い繊維状(非球形形状)に形成されて いる場合を例に挙げて説明する。

 ベース基板102の上面側(リッド基板103が接 合される接合面側)には、図26から図29に示す うに、導電性材料(例えば、アルミニウム) より、陽極接合用の接合膜135と、一対の引 回し電極136、137とがパターニングされてい 。このうち接合膜135は、リッド基板103に形 された凹部103aの周囲を囲むようにベース基 102の周縁に沿って形成されている。

 一対の引き回し電極136、137は、一対の貫 電極132、133のうち、一方の貫通電極132と圧 振動片104の一方のマウント電極116とを電気 に接続すると共に、他方の貫通電極133と圧 振動片104の他方のマウント電極117とを電気 に接続するようにパターニングされている より詳しく説明すると、一方の引き回し電 136は、圧電振動片104の基部112の真下に位置 るように一方の貫通電極132の真上に形成さ ている。また、他方の引き回し電極137は、 方の引き回し電極136に隣接した位置から、 動腕部110、111に沿って振動腕部110、111の先 側に引き回しされた後、他方の貫通電極133 真上に位置するように形成されている。

 そして、これら一対の引き回し電極136、1 37上にそれぞれバンプBが形成されており、バ ンプBを利用して圧電振動片104がマウントさ ている。これにより、圧電振動片104の一方 マウント電極116が、一方の引き回し電極136 介して一方の貫通電極132に導通し、他方の ウント電極117が、他方の引き回し電極137を して他方の貫通電極133に導通するようにな ている。

 ベース基板102の下面には、図26、図28及び 図29に示すように、一対の貫通電極132、133に してそれぞれ電気的に接続される外部電極1 38、139が形成されている。つまり、一方の外 電極138は、一方の貫通電極132及び一方の引 回し電極136を介して圧電振動片104の第1の励 振電極113に電気的に接続されている。また、 他方の外部電極139は、他方の貫通電極133及び 他方の引き回し電極137を介して、圧電振動片 104の第2の励振電極114に電気的に接続されて る。

 このように構成された圧電振動子101を作 させる場合には、ベース基板102に形成され 外部電極138、139に対して、所定の駆動電圧 印加する。これにより、圧電振動片104の第1 の励振電極113及び第2の励振電極114からなる 振電極115に電流を流すことができ、一対の 動腕部110、111を接近・離間させる方向に所 の周波数で振動させることができる。そし 、この一対の振動腕部110、111の振動を利用 て、時刻源、制御信号のタイミング源やリ ァレンス信号源等として利用することがで る。

 次に、上述した圧電振動子101を、図34に すフローチャートを参照しながら、ベース 板用ウエハ140とリッド基板用ウエハ150とを 用して一度に複数製造する製造方法につい 以下に説明する。

 初めに、圧電振動片作製工程を行って図3 0から図32に示す圧電振動片104を作製する(S110) 。具体的には、まず水晶のランバート原石を 所定の角度でスライスして一定の厚みのウエ ハとする。続いて、このウエハをラッピング して粗加工した後、加工変質層をエッチング で取り除き、その後、ポリッシュ等の鏡面研 磨加工を行って、所定の厚みのウエハとする 。続いて、ウエハに洗浄等の適切な処理を施 した後、ウエハをフォトリソグラフィ技術に よって圧電振動片104の外形形状でパターニン グすると共に、金属膜の成膜及びパターニン グを行って、励振電極115、引き出し電極119、 120、マウント電極116、117、重り金属膜121を形 成する。これにより、複数の圧電振動片104を 作製することができる。

 また、圧電振動片104を作製した後、共振 波数の粗調を行っておく。これは、重り金 膜121の粗調膜121aにレーザ光を照射して一部 を蒸発させ、重量を変化させることで行う。 なお、共振周波数をより高精度に調整する微 調に関しては、マウント後に行う。これにつ いては、後に説明する。

 次に、後にリッド基板103となるリッド基 用ウエハ150を、陽極接合を行う直前の状態 で作製する第1のウエハ作製工程を行う(S120) 。まず、ソーダ石灰ガラスを所定の厚みまで 研磨加工して洗浄した後に、図35に示すよう 、エッチング等により最表面の加工変質層 除去した円板状のリッド基板用ウエハ150を 成する(S121)。次いで、リッド基板用ウエハ1 50の接合面に、エッチング等により行列方向 キャビティ用の凹部103aを複数形成する凹部 形成工程を行う(S122)。この時点で、第1のウ ハ作製工程が終了する。

 次に、上記工程と同時或いは前後のタイ ングで、後にベース基板102となるベース基 用ウエハ140を、陽極接合を行う直前の状態 で作製する第2のウエハ作製工程を行う(S130) 。まず、ソーダ石灰ガラスを所定の厚みまで 研磨加工して洗浄した後に、エッチング等に より最表面の加工変質層を除去した円板状の ベース基板用ウエハ140を形成する(S131)。次い で、ベース基板用ウエハ140に、複数の金属微 粒子P1を含んだペーストPを利用して、一対の 貫通電極132、133を複数形成する貫通電極形成 工程を行う(S130A)。ここで、この貫通電極形 工程について、詳細に説明する。

 まず、図36に示すように、ベース基板用 エハ140の上面に一対の穴部130a、131aを複数形 成する穴部形成工程(S132)を行う。なお、図36 示す点線Mは、後に行う切断工程で切断する 切断線を図示している。この工程を行う際、 ベース基板用ウエハ140の上面側から、例えば サンドブラスト法で行う。これにより、図37 示すように、ベース基板用ウエハ140の下面 向かって漸次径が縮径する断面テーパ状で 下面側に底がある穴部130a、131aを形成する とができる。また、後に両ウエハ140、150を ね合わせたときに、リッド基板用ウエハ150 形成された凹部103a内に収まるように一対の 部130a、131aを複数形成する。しかも、一方 穴部130aが圧電振動片104の基部112側に位置し 他方の穴部131aが振動腕部110、111の先端側に 位置するように形成する。

 なお、本実施形態では、ベース基板用ウ ハ140の下面に向かって漸次径が縮径した断 テーパ状の穴部を例に挙げて説明するが、 の場合に限られず、径が均一に設けられた 部でも構わない。いずれにしても、ベース 板用ウエハ140の下面側に底を有している有 状の穴部であれば良い。

 続いて、図38に示すように、これら複数の 部130a、131a内にペーストPを隙間なく埋め込 で穴部130a、131aを塞ぐ充填工程を行う(S133)。 なお、図38から図41では、金属微粒子P1の図示 を省略している。
 続いて、充填したペーストPを所定の温度で 焼成して、硬化させる焼成工程を行う(S134)。 これにより、穴部130a、131aの内面にペーストP が強固に固着した状態となる。ところで、硬 化したペーストPは、焼成時に図示しないペ ストP内の有機物が蒸発してしまうので、図3 9に示すように、充填工程時に比べて体積が 少してしまう。そのため、ペーストPの表面 は、どうしても凹みが生じてしまう。

 そこで、焼成後に、図40に示すように、 ース基板用ウエハ140の上面を所定の厚みだ 研磨する上面研磨工程(S135)を行う。この工 を行うことで、ベース基板用ウエハ140の上 において、焼成によって硬化したペーストP 同時に研磨できるので、凹んでしまった部 の周囲を削り取ることができる。つまり、 化したペーストPの表面を平坦にすることが できる。よって、図41に示すように、ベース 板用ウエハ140の上面において、ベース基板 ウエハ140の表面と硬化したペーストPの表面 とが、ほぼ面一な状態にすることができる。

 また、上面研磨工程と同時或いは前後のタ ミングで、図40に示すように、穴部130a、131a が貫通して硬化したペーストPが少なくとも 出するまで、ベース基板用ウエハ140の下面 研磨する下面研磨工程を実施する(S136)。な 、本実施形態の下面研磨工程では、穴部130a 131aの底に達するまで研磨している。これに より、図41に示すように、穴部130a、131a内で 化したペーストPが下面に露出される。この 面研磨工程を行うことで、ベース基板用ウ ハ140に形成された一対の穴部130a、131aが、 れ以降ベース基板用ウエハ140を貫通したス ーホール130、131になると共に、硬化したペ ストPが一対の貫通電極132、133となる。加え 、上面研磨工程と同様に、ベース基板用ウ ハ140の下面においても、ベース基板用ウエ 140の表面と硬化したペーストPの表面とが、 ほぼ面一な状態にすることができる。
 これら上面研磨工程及び下面研磨工程を行 ことで、貫通電極形成工程が終了する。

 次に、ベース基板用ウエハ140の上面に導電 材料をパターニングして、図42及び図43に示 すように、接合膜135を形成する接合膜形成工 程を行う(S137)と共に、各一対の貫通電極132、 133にそれぞれ電気的に接続された引き回し電 極136、137を複数形成する引き回し電極形成工 程を行う(S138)。なお、図42及び図43に示す点 Mは、後に行う切断工程で切断する切断線を 示している。
 特に、貫通電極132、133は上述したように、 面に凹みがなく、ベース基板用ウエハ140の 面に対してほぼ面一な状態となっている。 のため、ベース基板用ウエハ140の上面にパ ーニングされた引き回し電極136、137は、間 隙間等を発生させることなく貫通電極132、1 33に対して密着した状態で接する。これによ 、一方の引き回し電極136と一方の貫通電極1 32との導通性、並びに、他方の引き回し電極1 37と他方の貫通電極133との導通性を確実なも にすることができる。この時点で第2のウエ ハ作製工程が終了する。

 ところで、図34では、接合膜形成工程(S137 )の後に、引き回し電極形成工程(S138)を行う 程順序としているが、これとは逆に、引き し電極形成工程(S138)の後に、接合膜形成工 (S137)を行っても構わないし、両工程を同時 行っても構わない。いずれの工程順序であ ても、同一の作用効果を奏することができ 。よって、必要に応じて適宜、工程順序を 更して構わない。

 次に、作製した複数の圧電振動片104を、そ ぞれ引き回し電極136、137を介してベース基 用ウエハ140の上面に接合するマウント工程 行う(S140)。まず、一対の引き回し電極136、1 37上にそれぞれ金等のバンプBを形成する。そ して、圧電振動片104の基部112をバンプB上に 置した後、バンプBを所定温度に加熱しなが 圧電振動片104をバンプBに押し付ける。これ により、圧電振動片104は、バンプBに機械的 支持されると共に、マウント電極116、117と き回し電極136、137とが電気的に接続された 態となる。よって、この時点で圧電振動片10 4の一対の励振電極115は、一対の貫通電極132 133に対してそれぞれ導通した状態となる。
 特に、圧電振動片104は、バンプ接合される で、ベース基板用ウエハ140の上面から浮い 状態で支持される。

 圧電振動片104のマウントが終了した後、 ース基板用ウエハ140に対してリッド基板用 エハ150を重ね合わせる重ね合わせ工程を行 (S150)。具体的には、図示しない基準マーク を指標としながら、両ウエハ140、150を正し 位置にアライメントする。これにより、マ ントされた圧電振動片104が、ベース基板用 エハ140に形成された凹部103aと両ウエハ140、 150とで囲まれるキャビティC内に収容された 態となる。

 重ね合わせ工程後、重ね合わせた2枚のウ エハ140、150を図示しない陽極接合装置に入れ 、所定の温度雰囲気で所定の電圧を印加して 陽極接合する接合工程を行う(S160)。具体的に は、接合膜135とリッド基板用ウエハ150との間 に所定の電圧を印加する。すると、接合膜135 とリッド基板用ウエハ150との界面に電気化学 的な反応が生じ、両者がそれぞれ強固に密着 して陽極接合される。これにより、圧電振動 片104をキャビティC内に封止することができ ベース基板用ウエハ140とリッド基板用ウエ 150とが接合した図44に示すウエハ体160を得る ことができる。なお、図44においては、図面 見易くするために、ウエハ体160を分解した 態を図示しており、ベース基板用ウエハ140 ら接合膜135の図示を省略している。また、 44に示す点線Mは、後に行う切断工程で切断 る切断線を図示している。

 ところで、陽極接合を行う際、ベース基 用ウエハ140に形成されたスルーホール130、1 31は、貫通電極132、133によって完全に塞がれ いるので、キャビティC内の気密がスルーホ ール130、131を通じて損なわれることがない。 特に、貫通電極132、133を構成するペーストP 、スルーホール130、131の内面に強固に密着 ているので、キャビティC内の気密を確実に 持することができる。

 そして、上述した陽極接合が終了した後、 ース基板用ウエハ140の下面に導電性材料を ターニングして、一対の貫通電極132、133に れぞれ電気的に接続された一対の外部電極1 38、139を複数形成する外部電極形成工程を行 (S170)。この工程により、外部電極138、139を 用してキャビティC内に封止された圧電振動 片104を作動させることができる。
 特に、この工程を行う場合も引き回し電極1 36、137の形成時と同様に、ベース基板用ウエ 140の下面に対して貫通電極132、133がほぼ面 な状態となっているので、パターニングさ た外部電極138、139は、間に隙間等を発生さ ることなく貫通電極132、133に対して密着し 状態で接する。これにより、外部電極138、1 39と貫通電極132、133との導通性を確実なもの することができる。

 次に、ウエハ体160の状態で、キャビティC 内に封止された個々の圧電振動子101の周波数 を微調整して所定の範囲内に収める微調工程 を行う(S180)。具体的に説明すると、ベース基 板用ウエハ140の下面に形成された一対の外部 電極138、139に電圧を印加して圧電振動片104を 振動させる。そして、周波数を計測しながら リッド基板用ウエハ150を通して外部からレー ザ光を照射し、重り金属膜121の微調膜121bを 発させる。これにより、一対の振動腕部110 111の先端側の重量が変化するので、圧電振 片104の周波数を、公称周波数の所定範囲内 収まるように微調整することができる。

 周波数の微調が終了後、接合されたウエハ 160を図44に示す切断線Mに沿って切断して小 化する切断工程を行う(S190)。その結果、互 に接合されたベース基板102とリッド基板103 の間に形成されたキャビティC内に圧電振動 片104が封止された、図26に示す2層構造式表面 実装型の圧電振動子101を一度に複数製造する ことができる。
 なお、切断工程(S190)を行って個々の圧電振 子101に小片化した後に、微調工程(S180)を行 工程順序でも構わない。但し、上述したよ に、微調工程(S180)を先に行うことで、ウエ 体160の状態で微調を行うことができるので 複数の圧電振動子101をより効率よく微調す ことができる。よって、スループットの向 化を図ることができるので好ましい。

 その後、内部の電気特性検査を行う(S195) 即ち、圧電振動片104の共振周波数、共振抵 値、ドライブレベル特性(共振周波数及び共 振抵抗値の励振電力依存性)等を測定してチ ックする。また、絶縁抵抗特性等を併せて ェックする。そして、最後に圧電振動子101 外観検査を行って、寸法や品質等を最終的 チェックする。これをもって圧電振動子101 製造が終了する。

 特に、本実施形態の圧電振動子101は、表 に凹みがなく、ベース基板102に対してほぼ 一な状態で貫通電極132、133を形成できるの 、貫通電極132、133を、引き回し電極136、137 び外部電極138、139に対して確実に密着させ ことができる。その結果、圧電振動片104と 部電極138、139との安定した導通性を確保す ことができ、作動性能の信頼性を向上して 性能化を図ることができる。また、キャビ ィC内の気密に関しても確実に維持すること ができるので、この点においても高品質化を 図ることができる。

 更に、下面研磨工程においては、焼成時に 少するペーストPの体積に依存することなく 、ベース基板用ウエハ140の厚みと穴部130a、13 1aの深さとに基づいて研磨量を設定すること できる。つまり、図40に示すように、ベー 基板用ウエハ140の厚みT1と、穴部130a、131aの さT2とから、研磨量T3を容易に設定できる。 従って、下面研磨工程に関しては、ペースト Pの状態を確認した上で研磨を行うといった とが必要なく、予め決められた量を研磨す ばよい。従って、研磨不足や過度の研磨を ぐことができる。
 また、ペーストPを利用した簡単な方法で貫 通電極132、133を形成できるので、工程の簡素 化を図ることができる。更に、ペーストPを め込む際に有底穴である穴部130a、131aを用い ているので、ペーストPの埋め込み作業が容 であり、工程の簡素化を図ることができる 加えて、ペーストPを無駄に使用する恐れが い。
 そして、本実施形態の製造方法によれば、 記圧電振動子101を一度に複数製造すること できるので、低コスト化を図ることができ 。

(第4実施形態)
 以下、本発明に係る第4実施形態を、図45か 図63を参照して説明する。
 本実施形態の圧電振動子201は、図45から図48 に示すように、ベース基板202とリッド基板203 とで2層に積層された箱状に形成されており 内部のキャビティC内に圧電振動片204が収納 れた表面実装型の圧電振動子である。
 なお、図48においては、図面を見易くする めに後述する励振電極215、引き出し電極219 220、マウント電極216、217及び重り金属膜221 図示を省略している。

 圧電振動片204は、図49から図51に示すように 、水晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチ ウム等の圧電材料から形成された音叉型の振 動片であり、所定の電圧が印加されたときに 振動するものである。
 この圧電振動片204は、平行に配置された一 の振動腕部210、211と、一対の振動腕部210、2 11の基端側を一体的に固定する基部212と、一 の振動腕部210、211の外表面上に形成されて 対の振動腕部210、211を振動させる第1の励振 電極213と第2の励振電極214とからなる励振電 215と、第1の励振電極213及び第2の励振電極214 に電気的に接続されたマウント電極216、217と を有している。

 また、本実施形態の圧電振動片204は、一 の振動腕部210、211の両主面上に、振動腕部2 10、211の長手方向に沿ってそれぞれ形成され 溝部218を備えている。この溝部218は、振動 部210、211の基端側から略中間付近まで形成 れている。

 第1の励振電極213と第2の励振電極214とか なる励振電極215は、一対の振動腕部210、211 互いに接近又は離間する方向に所定の共振 波数で振動させる電極であり、一対の振動 部210、211の外表面に、それぞれ電気的に切 離された状態でパターニングされて形成さ ている。具体的には、図51に示すように、第 1の励振電極213が、一方の振動腕部210の溝部21 8上と他方の振動腕部211の両側面上とに主に 成され、第2の励振電極214が、一方の振動腕 210の両側面上と他方の振動腕部211の溝部218 とに主に形成されている。

 第1の励振電極213及び第2の励振電極214は、 49及び図50に示すように、基部212の両主面上 おいて、それぞれ引き出し電極219、220を介 てマウント電極216、217に電気的に接続され いる。そして圧電振動片204は、このマウン 電極216、217を介して電圧が印加されるよう なっている。
 なお、上述した励振電極215、マウント電極2 16、217及び引き出し電極219、220は、例えば、 ロム(Cr)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)や タン(Ti)等の導電性膜の被膜により形成され たものである。

 一対の振動腕部210、211の先端には、自身 振動状態を所定の周波数の範囲内で振動す ように調整(周波数調整)を行うための重り 属膜221が被膜されている。なお、この重り 属膜221は、周波数を粗く調整する際に使用 れる粗調膜221aと、微小に調整する際に使用 れる微調膜221bとに分かれている。これら粗 調膜221a及び微調膜221bを利用して周波数調整 行うことで、一対の振動腕部210、211の周波 をデバイスの公称周波数の範囲内に収める とができる。

 このように構成された圧電振動片204は、 46から図48に示すように、金等のバンプBを 用して、ベース基板202の上面にバンプ接合 れている。より具体的には、ベース基板202 上面にパターニングされた後述する引き回 電極236、237上に形成された2つのバンプB上に 、一対のマウント電極216、217がそれぞれ接触 した状態でバンプ接合されている。これによ り、圧電振動片204は、ベース基板202の上面か ら浮いた状態で支持されると共に、マウント 電極216、217と引き回し電極236、237とがそれぞ れ電気的に接続された状態となっている。

 上記リッド基板203は、ガラス材料、例え ソーダ石灰ガラスからなる透明の絶縁基板 あり、図45、図47及び図48に示すように、板 に形成されている。そして、ベース基板202 接合される接合面側には、圧電振動片204が まる矩形状の凹部203aが形成されている。こ の凹部203aは、両基板202、203が重ね合わされ ときに、圧電振動片204を収容するキャビテ Cとなるキャビティ用の凹部である。そして リッド基板203は、この凹部203aをベース基板 202側に対向させた状態でベース基板202に対し て陽極接合されている。

 上記ベース基板202は、リッド基板203と同様 ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスから る透明な絶縁基板であり、図45から図48に示 すように、リッド基板203に対して重ね合わせ 可能な大きさで板状に形成されている。
 このベース基板202には、ベース基板202を貫 する一対のスルーホール(貫通孔)230、231が 成されている。この際、一対のスルーホー 230、231は、キャビティC内に収まるように形 されている。より詳しく説明すると、本実 形態のスルーホール230、231は、マウントさ た圧電振動片204の基部212側に一方のスルー ール230が位置し、振動腕部210、211の先端側 他方のスルーホール231が位置するように形 されている。また、本実施形態では、ベー 基板202の下面に向かって漸次径が縮径した 面テーパ状のスルーホールを例に挙げて説 するが、この場合に限られず、ベース基板2 02を真っ直ぐに貫通するスルーホールでも構 ない。いずれにしても、ベース基板202を貫 していれば良い。

 そして、これら一対のスルーホール230、231 は、スルーホール230、231を埋めるように形 された一対の貫通電極232、233が形成されて る。これら貫通電極232、233は、図52に示す うに、複数の金属微粒子P1を含んだペースト Pの硬化によって形成されたものであり、ス ーホール230、231を完全に塞いでキャビティC の気密を維持していると共に、後述する外 電極238、239と引き回し電極236、237とを導通 せる役割を担っている。
 なお、貫通電極232、233は、ペーストPに含ま れる複数の金属微粒子P1が互いに接触し合っ いることで、電気導通性が確保されている また、本実施形態の金属微粒子P1は、銅等 より細長い繊維状(非球形形状)に形成されて いる場合を例に挙げて説明する。

 ベース基板202の上面側(リッド基板203が接 合される接合面側)には、図45から図48に示す うに、導電性材料(例えば、アルミニウム) より、陽極接合用の接合膜235と、一対の引 回し電極236、237とがパターニングされてい 。このうち接合膜235は、リッド基板203に形 された凹部203aの周囲を囲むようにベース基 202の周縁に沿って形成されている。

 一対の引き回し電極236、237は、一対の貫 電極232、233のうち、一方の貫通電極232と圧 振動片204の一方のマウント電極216とを電気 に接続すると共に、他方の貫通電極233と圧 振動片204の他方のマウント電極217とを電気 に接続するようにパターニングされている より詳しく説明すると、一方の引き回し電 236は、圧電振動片204の基部212の真下に位置 るように一方の貫通電極232の真上に形成さ ている。また、他方の引き回し電極237は、 方の引き回し電極236に隣接した位置から、 動腕部210、211に沿って振動腕部210、211の先 側に引き回しされた後、他方の貫通電極233 真上に位置するように形成されている。

 そして、これら一対の引き回し電極236、2 37上にそれぞれバンプBが形成されており、バ ンプBを利用して圧電振動片204がマウントさ ている。これにより、圧電振動片204の一方 マウント電極216が、一方の引き回し電極236 介して一方の貫通電極232に導通し、他方の ウント電極217が、他方の引き回し電極237を して他方の貫通電極233に導通するようにな ている。

 ベース基板202の下面には、図45、図47及び 図48に示すように、一対の貫通電極232、233に してそれぞれ電気的に接続される外部電極2 38、239が形成されている。つまり、一方の外 電極238は、一方の貫通電極232及び一方の引 回し電極236を介して圧電振動片204の第1の励 振電極213に電気的に接続されている。また、 他方の外部電極239は、他方の貫通電極233及び 他方の引き回し電極237を介して、圧電振動片 204の第2の励振電極214に電気的に接続されて る。

 このように構成された圧電振動子201を作 させる場合には、ベース基板202に形成され 外部電極238、239に対して、所定の駆動電圧 印加する。これにより、圧電振動片204の第1 の励振電極213及び第2の励振電極214からなる 振電極215に電流を流すことができ、一対の 動腕部210、211を接近・離間させる方向に所 の周波数で振動させることができる。そし 、この一対の振動腕部210、211の振動を利用 て、時刻源、制御信号のタイミング源やリ ァレンス信号源等として利用することがで る。

 次に、上述した圧電振動子201を、図53に すフローチャートを参照しながら、ベース 板用ウエハ240とリッド基板用ウエハ250とを 用して一度に複数製造する製造方法につい 以下に説明する。

 初めに、圧電振動片作製工程を行って図4 9から図51に示す圧電振動片204を作製する(S210) 。具体的には、まず、水晶のランバート原石 を所定の角度でスライスして一定の厚みのウ エハとする。続いて、このウエハをラッピン グして粗加工した後、加工変質層をエッチン グで取り除き、その後、ポリッシュ等の鏡面 研磨加工を行って、所定の厚みのウエハとす る。続いて、ウエハに洗浄等の適切な処理を 施した後、ウエハをフォトリソグラフィ技術 によって圧電振動片204の外形形状でパターニ ングすると共に、金属膜の成膜及びパターニ ングを行って、励振電極215、引き出し電極219 、220、マウント電極216、217、重り金属膜221を 形成する。これにより、複数の圧電振動片204 を作製することができる。

 また、圧電振動片204を作製した後、共振 波数の粗調を行っておく。これは、重り金 膜221の粗調膜221aにレーザ光を照射して一部 を蒸発させ、重量を変化させることで行う。 なお、共振周波数をより高精度に調整する微 調に関しては、マウント後に行う。これにつ いては、後に説明する。

 次に、後にリッド基板203となるリッド基 用ウエハ250を、陽極接合を行う直前の状態 で作製する第1のウエハ作製工程を行う(S220) 。まず、ソーダ石灰ガラスを所定の厚さまで 研磨加工して洗浄した後に、図54に示すよう 、エッチング等により最表面の加工変質層 除去した円板状のリッド基板用ウエハ250を 成する(S221)。次いで、リッド基板用ウエハ2 50の接合面に、エッチング等により行列方向 キャビティ用の凹部203aを複数形成する凹部 形成工程を行う(S222)。この時点で、第1のウ ハ作製工程が終了する。

 次に、上記工程と同時或いは前後のタイ ングで、後にベース基板202となるベース基 用ウエハ240を、陽極接合を行う直前の状態 で作製する第2のウエハ作製工程を行う(S230) 。まず、ソーダ石灰ガラスを所定の厚さまで 研磨加工して洗浄した後に、エッチング等に より最表面の加工変質層を除去した円板状の ベース基板用ウエハ240を形成する(S231)。次い で、ベース基板用ウエハ240に一対の貫通電極 232、233を複数形成する貫通電極形成工程を行 う(S232)。ここで、この貫通電極形成工程につ いて、詳細に説明する。

 まず、図55に示すように、ベース基板用 エハ240を貫通する一対のスルーホール230、23 1を複数形成する貫通孔形成工程(S233)を行う なお、図55に示す点線Mは、後に行う切断工 で切断する切断線を図示している。この工 を行う際、ベース基板用ウエハ240の上面側 ら、例えばサンドブラスト法で行う。これ より、図56に示すように、ベース基板用ウエ ハ240の下面に向かって漸次径が縮径する断面 テーパ状のスルーホール230、231を形成するこ とができる。また、後に両ウエハ240、250を重 ね合わせたときに、リッド基板用ウエハ250に 形成された凹部203a内に収まるように一対の ルーホール230、231を複数形成する。しかも 一方のスルーホール230が圧電振動片204の基 212側に位置し、他方のスルーホール231が振 腕部210、211の先端側に位置するように形成 る。

 続いて、図57に示すように、これら複数の ルーホール230、231内に金属微粒子P1を含んだ ペーストPを隙間なく埋め込んでスルーホー 230、231を塞ぐ充填工程を行う(S234)。なお、 57から図60では、金属微粒子P1の図示を省略 ている。
 続いて、充填したペーストPを所定の温度で 焼成して、硬化させる焼成工程を行う(S235)。 これにより、スルーホール230、231の内面にペ ーストPが強固に固着した状態となる。とこ で、硬化したペーストPは、焼成時に図示し いペーストP内の有機物が蒸発してしまうの で、図58に示すように、充填工程時に比べて 積が減少してしまう。そのため、ペーストP の表面には、どうしても凹みが生じてしまう 。

 そこで、焼成後に、図59に示すように、ベ ス基板用ウエハ240の両面をそれぞれ所定の みだけ研磨する研磨工程を行う(S236)。この 程を行うことで、焼成によって硬化したペ ストPの両面も同時に研磨できるので、凹ん しまった部分の周囲を削り取ることができ 。つまり、ペーストPの表面を平坦にするこ とができる。
 よって、図60に示すように、ベース基板用 エハ240の表面と、貫通電極232、233の表面と ほぼ面一の状態にすることができる。この 磨工程を行うことで、貫通電極形成工程が 了する。

 次に、ベース基板用ウエハ240の上面に導電 材料をパターニングして、図61及び図62に示 すように、接合膜235を形成する接合膜形成工 程を行う(S237)と共に、各一対の貫通電極232、 233にそれぞれ電気的に接続された引き回し電 極236、237を複数形成する引き回し電極形成工 程を行う(S238)。なお、図61及び図62に示す点 Mは、後に行う切断工程で切断する切断線を 示している。
 特に、貫通電極232、233は上述したように、 面に凹みがなく、ベース基板用ウエハ240の 面に対してほぼ面一な状態となっている。 のため、ベース基板用ウエハ240の上面にパ ーニングされた引き回し電極236、237は、間 隙間等を発生させることなく貫通電極232、2 33に対して密着した状態で接する。これによ 、一方の引き回し電極236と一方の貫通電極2 32との導通性、並びに、他方の引き回し電極2 37と他方の貫通電極233との導通性を確実なも にすることができる。この時点で第2のウエ ハ作製工程が終了する。

 ところで、図53では、接合膜形成工程(S237 )の後に、引き回し電極形成工程(S238)を行う 程順序としているが、これとは逆に、引き し電極形成工程(S238)の後に、接合膜形成工 (S237)を行っても構わないし、両工程を同時 行っても構わない。いずれの工程順序であ ても、同一の作用効果を奏することができ 。よって、必要に応じて適宜、工程順序を 更して構わない。

 次に、作製した複数の圧電振動片204を、そ ぞれ引き回し電極236、237を介してベース基 用ウエハ240の上面に接合するマウント工程 行う(S240)。まず、一対の引き回し電極236、2 37上にそれぞれ金等のバンプBを形成する。そ して、圧電振動片204の基部212をバンプB上に 置した後、バンプBを所定温度に加熱しなが 圧電振動片204をバンプBに押し付ける。これ により、圧電振動片204は、バンプBに機械的 支持されると共に、マウント電極216、217と き回し電極236、237とが電気的に接続された 態となる。よって、この時点で圧電振動片20 4の一対の励振電極215は、一対の貫通電極232 233に対してそれぞれ導通した状態となる。
 特に、圧電振動片204は、バンプ接合される で、ベース基板用ウエハ240の上面から浮い 状態で支持される。

 圧電振動片204のマウントが終了した後、 ース基板用ウエハ240に対してリッド基板用 エハ250を重ね合わせる重ね合わせ工程を行 (S250)。具体的には、図示しない基準マーク を指標としながら、両ウエハ240、250を正し 位置にアライメントする。これにより、マ ントされた圧電振動片204が、ベース基板用 エハ240に形成された凹部203aと両ウエハ240、 250とで囲まれるキャビティC内に収容された 態となる。

 重ね合わせ工程後、重ね合わせた2枚のウ エハ240、250を図示しない陽極接合装置に入れ 、所定の温度雰囲気で所定の電圧を印加して 陽極接合する接合工程を行う(S260)。具体的に は、接合膜235とリッド基板用ウエハ250との間 に所定の電圧を印加する。すると、接合膜235 とリッド基板用ウエハ250との界面に電気化学 的な反応が生じ、両者がそれぞれ強固に密着 して陽極接合される。これにより、圧電振動 片204をキャビティC内に封止することができ ベース基板用ウエハ240とリッド基板用ウエ 250とが接合した図63に示すウエハ体260を得る ことができる。なお、図63においては、図面 見易くするために、ウエハ体260を分解した 態を図示しており、ベース基板用ウエハ240 ら接合膜235の図示を省略している。なお、 63に示す点線Mは、後に行う切断工程で切断 る切断線を図示している。

 ところで、陽極接合を行う際、ベース基 用ウエハ240に形成されたスルーホール230、2 31は、貫通電極232、233によって完全に塞がれ いるので、キャビティC内の気密がスルーホ ール230、231を通じて損なわれることがない。 特に、貫通電極232、233を構成するペーストP 、スルーホール230、231の内面に強固に密着 ているので、キャビティC内の気密を確実に 持することができる。

 そして、上述した陽極接合が終了した後、 ース基板用ウエハ240の下面に導電性材料を ターニングして、一対の貫通電極232、233に れぞれ電気的に接続された一対の外部電極2 38、239を複数形成する外部電極形成工程を行 (S270)。この工程により、外部電極238、239を 用してキャビティC内に封止された圧電振動 片204を作動させることができる。
 特に、この工程を行う場合も引き回し電極2 36、237の形成時と同様に、ベース基板用ウエ 240の下面に対して貫通電極232、233がほぼ面 な状態となっているので、パターニングさ た外部電極238、239は、間に隙間等を発生さ ることなく貫通電極232、233に対して密着し 状態で接する。これにより、外部電極238、2 39と貫通電極232、233との導通性を確実なもの することができる。

 次に、ウエハ体260の状態で、キャビティC 内に封止された個々の圧電振動子201の周波数 を微調整して所定の範囲内に収める微調工程 を行う(S280)。具体的に説明すると、ベース基 板用ウエハ240の下面に形成された一対の外部 電極238、239に電圧を印加して圧電振動片204を 振動させる。そして、周波数を計測しながら リッド基板用ウエハ250を通して外部からレー ザ光を照射し、重り金属膜221の微調膜221bを 発させる。これにより、一対の振動腕部210 211の先端側の重量が変化するので、圧電振 片204の周波数を、公称周波数の所定範囲内 収まるように微調整することができる。

 周波数の微調が終了後、接合されたウエハ 260を図63に示す切断線Mに沿って切断して小 化する切断工程を行う(S290)。その結果、互 に陽極接合されたベース基板202とリッド基 203との間に形成されたキャビティC内に圧電 振動片204が封止された、図45に示す2層構造式 表面実装型の圧電振動子201を一度に複数製造 することができる。
 なお、切断工程(290)を行って個々の圧電振 子201に小片化した後に、微調工程(S280)を行 工程順序でも構わない。但し、上述したよ に、微調工程(S280)を先に行うことで、ウエ 体260の状態で微調を行うことができるので 複数の圧電振動子201をより効率良く微調す ことができる。よって、スループットの向 化を図ることができるので好ましい。

 その後、内部の電気特性検査を行う(S295) 即ち、圧電振動片204の共振周波数、共振抵 値、ドライブレベル特性(共振周波数及び共 振抵抗値の励振電力依存性)等を測定してチ ックする。また、絶縁抵抗特性等を併せて ェックする。そして、最後に圧電振動子201 外観検査を行って、寸法や品質等を最終的 チェックする。これをもって圧電振動子201 製造が終了する。

 特に、本実施形態の圧電振動子201は、表面 凹みがなく、ベース基板202に対してほぼ面 な状態で貫通電極232、233を形成できるので 貫通電極232、233を、引き回し電極236、237及 外部電極238、239に対して確実に密着させる とができる。その結果、圧電振動片204と外 電極238、239との安定した導通性を確保する とができ、作動性能の信頼性を向上して高 能化を図ることができる。また、キャビテ C内の気密に関しても確実に維持することが できるので、この点においても高品質化を図 ることができる。加えて、ペーストPを利用 た簡単な方法で貫通電極232、233を形成でき ので、工程の簡素化を図ることができる。
 また、本実施形態の製造方法によれば、上 圧電振動子201を一度に複数製造することが きるので、低コスト化を図ることができる

 次に、本発明に係る発振器の一実施形態に いて、図64を参照しながら説明する。なお 本実施形態では、第1実施形態の圧電振動子1 を備えている発振器を例に挙げて説明する。
 本実施形態の発振器500は、図64に示すよう 、圧電振動子1を、集積回路501に電気的に接 された発振子として構成したものである。 の発振器500は、コンデンサ等の電子部品502 実装された基板503を備えている。基板503に 、発振器用の上記集積回路501が実装されて り、この集積回路501の近傍に、圧電振動子1 が実装されている。これら電子部品502、集積 回路501及び圧電振動子1は、図示しない配線 ターンによってそれぞれ電気的に接続され いる。なお、各構成部品は、図示しない樹 によりモールドされている。

 このように構成された発振器500において、 電振動子1に電圧を印加すると、圧電振動子 1内の圧電振動片4が振動する。この振動は、 電振動片4が有する圧電特性により電気信号 に変換されて、集積回路501に電気信号として 入力される。入力された電気信号は、集積回 路501によって各種処理がなされ、周波数信号 として出力される。これにより、圧電振動子 1が発振子として機能する。
 また、集積回路501の構成を、例えば、RTC(リ アルタイムクロック)モジュール等を要求に じて選択的に設定することで、時計用単機 発振器等の他、当該機器や外部機器の動作 や時刻を制御したり、時刻やカレンダー等 提供したりする機能を付加することができ 。

 本実施形態の発振器500によれば、キャビテ C内の気密が確実で、作動の信頼性が向上し た高品質な圧電振動子1を備えているので、 振器500自体も同様に作動の信頼性を高めて 品質化を図ることができる。さらにこれに え、長期にわたって安定した高精度な周波 信号を得ることができる。
 なお、第1実施形態の圧電振動子1を備えて る場合を例に挙げて説明したが、その他の 施形態の圧電振動子であっても同様の作用 果を奏することができる。

 次に、本発明に係る電子機器の一実施形態 ついて、図65を参照して説明する。なお、 子機器として、第1実施形態の圧電振動子1を 有する携帯情報機器110を例にして説明する。
 はじめに、本実施形態の携帯情報機器510は 例えば、携帯電話に代表されるものであり 従来技術における腕時計を発展、改良した のである。外観は腕時計に類似し、文字盤 相当する部分に液晶ディスプレイを配し、 の画面上に現在の時刻等を表示させること できるものである。また、通信機として利 する場合には、手首から外し、バンドの内 部分に内蔵されたスピーカ及びマイクロフ ンによって、従来技術の携帯電話と同様の 信を行うことが可能である。しかしながら 従来の携帯電話と比較して、格段に小型化 び軽量化されている。

 次に、本実施形態の携帯情報機器510の構 について説明する。この携帯情報機器510は 図65に示すように、圧電振動子1と、電力を 給するための電源部511とを備えている。電 部511は、例えば、リチウム二次電池からな ている。この電源部511には、各種制御を行 制御部512と、時刻等のカウントを行う計時 513と、外部との通信を行う通信部514と、各 情報を表示する表示部515と、それぞれの機 部の電圧を検出する電圧検出部516とが並列 接続されている。そして、電源部511によっ 、各機能部に電力が供給されるようになっ いる。

 制御部512は、各機能部を制御して音声デ タの送信及び受信、現在時刻の計測や表示 、システム全体の動作制御を行う。また、 御部512は、予めプログラムが書き込まれたR OMと、ROMに書き込まれたプログラムを読み出 て実行するCPUと、CPUのワークエリアとして 用されるRAM等とを備えている。

 計時部513は、発振回路、レジスタ回路、 ウンタ回路及びインターフェース回路等を 蔵する集積回路と、圧電振動子1とを備えて いる。圧電振動子1に電圧を印加すると圧電 動片4が振動し、この振動が水晶の有する圧 特性により電気信号に変換されて、発振回 に電気信号として入力される。発振回路の 力は二値化され、レジスタ回路とカウンタ 路とにより計数される。そして、インター ェース回路を介して、制御部512と信号の送 信が行われ、表示部515に、現在時刻や現在 付或いはカレンダー情報等が表示される。

 通信部514は、従来の携帯電話と同様の機能 有し、無線部517、音声処理部518、切替部519 増幅部520、音声入出力部521、電話番号入力 522、着信音発生部523及び呼制御メモリ部524 備えている。
 無線部517は、音声データ等の各種データを アンテナ525を介して基地局と送受信のやり りを行う。音声処理部518は、無線部517又は 幅部520から入力された音声信号を符号化及 複号化する。増幅部520は、音声処理部518又 音声入出力部521から入力された信号を、所 のレベルまで増幅する。音声入出力部521は スピーカやマイクロフォン等からなり、着 音や受話音声を拡声したり、音声を集音し りする。

 着信音発生部523は、基地局からの呼び出し 応じて着信音を生成する。切替部519は、着 時に限って、音声処理部518に接続されてい 増幅部520を着信音発生部523に切り替えるこ によって、着信音発生部523において生成さ た着信音が増幅部520を介して音声入出力部5 21に出力される。
 なお、呼制御メモリ部524は、通信の発着呼 御に係るプログラムを格納する。また、電 番号入力部522は、例えば、0から9の番号キ 及びその他のキーを備えており、これら番 キー等を押下することにより、通話先の電 番号等が入力される。

 電圧検出部516は、電源部511によって制御 512等の各機能部に対して加えられている電 が、所定の値を下回った場合に、その電圧 下を検出して制御部512に通知する。このと の所定の電圧値は、通信部514を安定して動 させるために必要な最低限の電圧として予 設定されている値であり、例えば、3V程度 なる。電圧検出部516から電圧降下の通知を けた制御部512は、無線部517、音声処理部518 切替部519及び着信音発生部523の動作を禁止 る。特に、消費電力の大きな無線部517の動 停止は、必須となる。更に、表示部515に、 信部514が電池残量の不足により使用不能に った旨が表示される。

 即ち、電圧検出部516と制御部512とによって 通信部514の動作を禁止し、その旨を表示部5 15に表示することができる。この表示は、文 メッセージであっても良いが、より直感的 表示として、表示部515の表示面の上部に表 された電話アイコンに、×(バツ)印を付ける ようにしても良い。
 なお、通信部514の機能に係る部分の電源を 選択的に遮断することができる電源遮断部5 26を備えることで、通信部514の機能をより確 に停止することができる。

 本実施形態の携帯情報機器510によれば、キ ビティC内の気密が確実で、作動の信頼性が 向上した高品質な圧電振動子1を備えている で、携帯情報機器自体も同様に作動の信頼 を高めて高品質化を図ることができる。さ にこれに加え、長期にわたって安定した高 度な時計情報を表示することができる。
 なお、第1実施形態の圧電振動子1を備えて る場合を例に挙げて説明したが、その他の 施形態の圧電振動子であっても同様の作用 果を奏することができる。

 次に、本発明に係る電波時計の一実施形態 ついて、図66を参照して説明する。なお、 実施形態では、第1実施形態の圧電振動子1を 備えている電波時計を例に挙げて説明する。
 本実施形態の電波時計530は、図66に示すよ に、フィルタ部531に電気的に接続された圧 振動子1を備えたものであり、時計情報を含 標準の電波を受信して、正確な時刻に自動 正して表示する機能を備えた時計である。
 日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz) に、標準の電波を送信する送信所(送信局)が あり、それぞれ標準電波を送信している。40k Hz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播 る性質と、電離層と地表とを反射しながら 播する性質とを併せもつため、伝播範囲が く、上述した2つの送信所で日本国内を全て 羅している。

 以下、電波時計530の機能的構成について詳 に説明する。
 アンテナ532は、40kHz若しくは60kHzの長波の標 準電波を受信する。長波の標準電波は、タイ ムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しく 60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。 受信された長波の標準電波は、アンプ533によ って増幅され、複数の圧電振動子1を有する ィルタ部531によって濾波、同調される。
 本実施形態における圧電振動子1は、上記搬 送周波数と同一の40kHz及び60kHzの共振周波数 有する水晶振動子部538、539をそれぞれ備え いる。

 更に、濾波された所定周波数の信号は、検 、整流回路534により検波復調される。続い 、波形整形回路535を介してタイムコードが り出され、CPU536でカウントされる。CPU536で 、現在の年、積算日、曜日、時刻等の情報 読み取る。読み取られた情報は、RTC537に反 され、正確な時刻情報が表示される。
 搬送波は、40kHz若しくは60kHzであるから、水 晶振動子部538、539は、上述した音叉型の構造 を持つ振動子が好適である。

 なお、上述の説明は、日本国内の例で示 たが、長波の標準電波の周波数は、海外で 異なっている。例えば、ドイツでは77.5KHzの 標準電波が用いられている。従って、海外で も対応可能な電波時計530を携帯機器に組み込 む場合には、さらに日本の場合とは異なる周 波数の圧電振動子1を必要とする。

 本実施形態の電波時計530によれば、キャビ ィC内の気密が確実で、作動の信頼性が向上 した高品質な圧電振動子1を備えているので 電波時計自体も同様に作動の信頼性を高め 高品質化を図ることができる。さらにこれ 加え、長期にわたって安定して高精度に時 をカウントすることができる。
 なお、第1実施形態の圧電振動子1を備えて る場合を例に挙げて説明したが、その他の 施形態の圧電振動子であっても同様の作用 果を奏することができる。

 なお、本発明の技術範囲は上記実施の形 に限定されるものではなく、本発明の趣旨 逸脱しない範囲において種々の変更を加え ことが可能である。

 例えば、上記各実施形態では、圧電振動片 一例として振動腕部の両面に溝部が形成さ た溝付きの圧電振動片を例に挙げて説明し が、溝部がないタイプの圧電振動片でも構 ない。但し、溝部を形成することで、一対 励振電極に所定の電圧を印加させたときに 一対の励振電極間における電界効率を上げ ことができるので、振動損失をより抑えて 動特性をさらに向上することができる。つ り、CI値(Crystal Impedance)をさらに低くするこ とができ、圧電振動片のさらなる高性能化を 図ることができる。この点において、溝部を 形成する方が好ましい。
 また、上記各実施形態では、音叉型の圧電 動片を例に挙げて説明したが、音叉型に限 れるものではない。例えば、厚み滑り振動 としても構わない。

 また、上記各実施形態では、ベース基板と ッド基板とを接合膜を介して陽極接合した 、陽極接合に限定されるものではない。但 、陽極接合することで、両基板を強固に接 できるので好ましい。
 また、上記各実施形態では、圧電振動片を ンプ接合したが、バンプ接合に限定される のではない。例えば、導電性接着剤により 電振動片を接合しても構わない。但し、バ プ接合することで、圧電振動片をベース基 の上面から浮かすことができ、振動に必要 最低限の振動ギャップを自然と確保するこ ができる。よって、バンプ接合することが ましい。
 また、上記各実施形態では、貫通電極を一 として説明したが、1つでも構わないし、3 以上設けても構わない。

 また、上記各実施形態において充填工程 行う際に、ペーストを脱泡処理(例えば、遠 心脱泡や真空引き等)した後に埋め込んでも わない。このように、事前にペーストを脱 処理することで、気泡等が極力含まれてい いペーストを充填することができる。よっ 、焼成工程を行ったとしても、ペーストの 積減少をできるだけ抑えることができる。 って、その後に行う研磨量を少なくするこ ができ、研磨に費やす時間を削減してより 率良く圧電振動子を製造することができる

 また、上記各実施形態において、図67に すように、ベース基板(ベース基板用ウエハ) と熱膨張率が同一のガラスフリット(粒体)Gを 混合させたペーストPを用いても構わない。 うすることで、焼成時、ペーストPの熱膨張 ベース基板用ウエハの熱膨張に近づけるこ ができる。そのため、両者の間に熱膨張差 起因する隙間等が生じ難く、両者をより密 させた状態にすることができる。その結果 より気密性を高めた貫通電極を形成するこ ができ、長期的な気密の信頼性を向上する とができる。なお、ガラスフリットGを混合 させる割合としては、金属微粒子P1の導電性 阻害しない程度の範囲で、できるだけ多く れることが好ましい。

 また、上記各実施形態では、細長い繊維状 金属微粒子を含むペーストを用いた場合を に挙げたが、金属微粒子の形状は他の形状 も構わない。例えば、球形でも構わない。 の場合であっても、金属微粒子が互いに接 し合ったときに、点接触するので同様に電 的な導通性を確保することができる。但し 細長い繊維状のように非球形形状の金属微 子を用いることで、互いに接触し合ったと に点接触ではなく、線接触になり易い。従 て、貫通電極の電気的な導通性をより高め ことができるので、球形よりも非球形の金 微粒子を含むペーストを用いることが好ま い。
 なお、金属微粒子P1を非球形とする場合に 、例えば、図68Aに示す短冊状や、図68Bに示 波型状にしても構わないし、図68Cに示す断 星型や、図68Dに示す断面十字型でも構わな 。

 また、上記各実施形態では、外部電極に かうにしたがって漸次径が大きくなるよう 貫通電極を設けた構成にしたが、これとは に、図69に示すように、外部電極38、39に向 うにしたがって漸次径が小さくなるように 通電極32、33を設けても構わない。この場合 であっても、同様の作用効果を奏することが できる。

 また、上記第1及び第2実施形態では、下面 磨工程の際に、ベース基板用ウエハの下面 、保持孔の底に達するまで研磨したが、こ 場合に限られず、ベース基板用ウエハのよ 上面側まで研磨してもかまわない。
 また、上記第1及び第2実施形態では、保持 形成工程の際、保持孔を、ベース基板用ウ ハの下面側が底になるような有底穴状に形 したが、他の形状でも構わない。例えばベ ス基板用ウエハの厚み方向に形成した貫通 状でも構わない。但し、この場合は、下面 磨工程において、研磨量を、焼成時に減少 るペーストの体積に依存して変化させる必 がある上に、充填工程において、ペースト 埋め込み作業が煩雑になるため、保持孔は 底状であることが好ましい。

 また、上記第3実施形態では、下面研磨工 程の際に、ベース基板用ウエハの下面を、穴 部の底に達する位置まで研磨したが、この場 合に限られず、研磨量T3以上に研磨しても構 ない。




 
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