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Title:
METHOD FOR FORMING CARBON FILM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/026395
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for forming a carbon film wherein a carbon film is formed on a base by a plasma CVD method. This method for forming a carbon film is characterized in that a carbon film is formed on a base by transforming a gas containing an adamantane compound into a plasma by direct current discharge.

Inventors:
UMENO, Masayoshi (1200 Matsumoto-cho, Kasugai-sh, Aichi 01, 4788501, JP)
梅野 正義 (〒01 愛知県春日井市松本町1200番地学校法人中部大学内 Aichi, 4788501, JP)
KAWAHARA, Yashichi (21-2-1101, Tonya Nishi Biwajima-cho, Kiyosu-sh, Aichi 35, 4520035, JP)
Application Number:
JP2007/064176
Publication Date:
March 06, 2008
Filing Date:
July 18, 2007
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON OIL CORPORATION (3-12, Nishi-shimbashi 1-chome Minato-k, Tokyo 12, 1058412, JP)
新日本石油株式会社 (〒12 東京都港区西新橋一丁目3番12号 Tokyo, 1058412, JP)
UMENO, Masayoshi (1200 Matsumoto-cho, Kasugai-sh, Aichi 01, 4788501, JP)
梅野 正義 (〒01 愛知県春日井市松本町1200番地学校法人中部大学内 Aichi, 4788501, JP)
International Classes:
C23C16/26; C01B31/02; C23C16/503
Attorney, Agent or Firm:
HASEGAWA, Yoshiki et al. (SOEI PATENT AND LAW FIRM, Ginza First Bldg. 10-6Ginza 1-chome, Chuo-k, Tokyo 61, 1040061, JP)
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Claims:
 プラズマCVD法により基材上に炭素膜を形成する方法であって、
 アダマンタン化合物が含まれるガスを直流放電によりプラズマ化して前記基材上に炭素膜を形成することを特徴とする炭素膜形成方法。
 前記ガスがハロゲン化合物を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の炭素膜形成方法。
 前記ハロゲン化合物がヨウ素であることを特徴とする請求項2に記載の炭素膜形成方法。
 前記アダマンタン化合物が、セラミックスからなる支持体上に配されたアダマンタン化合物から供給されるものであり、且つ、前記基材が、セラミックスからなる支持体上に配されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の炭素膜形成方法。
Description:
炭素膜形成方法

 本発明は、炭素膜形成方法に関する。

 近年のエネルギー、地球環境問題への社 的要請の高まりから、クリーンなエネルギ である太陽エネルギーを直接電力に変換で る太陽電池に大きな期待が寄せられている 現在実用化されている太陽電池はシリコン 太陽電池が主流であるが、今後、太陽電池 生産や普及が進むとシリコンの材料不足が 想されることから、資源的に豊富な材料を いた太陽電池の作製が切望されている。

 最近、シリコンに変わる半導体材料とし 、ダイヤモンド構造を含む炭素材料である イヤモンドライクカーボン(以下、「DLC」と 略称する)が注目されている。炭素膜を所定 基材上に成膜する場合、化学的気相成長(CVD) 法が一般に広く用いられているが、中でも、 より低温で緻密な膜を形成できることからプ ラズマCVD法が太陽電池や半導体デバイスの製 造に適していると考えられている。しかし、 プラズマCVD法によってDLCのような炭素膜を成 膜する技術は十分に確立されておらず、炭素 系太陽電池の実用化を促進するうえで成膜速 度の向上が課題となっている。

 ところで、炭素膜の成膜速度を高めるた の検討は従来よりなされており、例えば、 記特許文献1には、CVD法によりダイヤモンド を含む炭素材料を作製する際に、炭素原子を 含む材料として特定のアダマンタン化合物を 用いる方法が開示されている。

特開平5-43393号公報

 しかしながら、上記特許文献1に記載の方 法であっても、炭素膜の成膜速度は未だ十分 とはいえず、更に高速の成膜速度を達成する には更なる改善の余地がある。

 本発明は、上記事情に鑑みてなされたも であり、プラズマCVD法による炭素膜の形成 おける成膜速度の向上を可能とする炭素膜 成方法を提供することを目的とする。

 本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭 研究を重ねた結果、炭素膜の原料としてア マンタン化合物を用い、特定の放電形式に るプラズマCVD法を適用することにより、炭 膜の成膜速度を飛躍的に高めることができ ことを見出し、本発明を完成させた。

 すなわち、本発明の炭素膜形成方法は、 ラズマCVD法により基材上に炭素膜を形成す 方法であって、アダマンタン化合物が含ま るガスを直流放電によりプラズマ化して基 上に炭素膜を形成することを特徴とする。

 本発明の炭素膜形成方法によれば、原料 してアダマンタン化合物を用いて直流放電 よりプラズマを形成させることにより、ガ 圧力を高めた場合であっても炭素膜の形成 可能となり、DLC膜などのダイヤモンド構造 含む炭素膜の成膜速度を十分高めることが きる。

 また、本発明の炭素膜形成方法によれば 基材に対する密着性に優れた高品質の炭素 を形成することができる。

 更に、本発明の炭素膜形成方法によれば 直流放電を用いることから炭素膜形成装置 簡素化を図ることが可能であり、より安価 炭素膜を形成することができる。

 本発明の炭素膜形成方法において、炭素 を形成すべき基材は直流放電により形成さ るプラズマ形成領域或いはその近傍に配さ ることが好ましい。

 本発明の炭素膜形成方法において、上記 ダマンタン化合物が、直流放電により形成 れるプラズマ形成領域或いはその近傍に配 れた固体のアダマンタン化合物から供給さ るものであることが好ましい。この場合、 料としてのアダマンタン化合物を効率よく 効に利用することができる。

 本発明の炭素膜形成方法においては、炭 膜の成膜速度を更に向上させ、炭素膜の膜 を改善する見地から、上記ガスがハロゲン 合物を更に含むことが好ましい。

 また、上記ハロゲン化合物がヨウ素であ ことが好ましい。この場合、本発明の炭素 形成方法が実施される炭素膜形成装置の部 が腐食されるなどの不都合を十分少なくで るとともに、炭素膜の成膜速度を更に高め ことが可能となる。また、上記の方法によ ば、ヨウ素がドープされた炭素膜を形成す ことができる。これにより、炭素膜におけ アモルファス構造の増加や炭素膜のバンド ャップの調整及び電導度の向上が可能とな 。

 また、ハロゲン化合物としてヨウ素を用 る上記の方法によれば、太陽電池として好 なエネルギーギャップ及びP型半導体の特性 を有する炭素膜を高い成膜速度で形成するこ とが可能となる。これにより、太陽電池を構 成するP型半導体層として好適な炭素膜を高 成膜速度で形成することができる。

 本発明の炭素膜形成方法においては、上 アダマンタン化合物が、セラミックスから る支持体上に配されたアダマンタン化合物 ら供給されるものであり、且つ、上記基材 、セラミックスからなる支持体上に配され いることが好ましい。これにより、炭素膜 形成すべき基材及び炭素原子を含む原料材 としてのアダマンタン化合物を直流放電に り形成されるプラズマ形成領域或いはその 傍に配した場合であっても、より安定した ラズマ状態を維持することが可能となり、 品質の炭素膜を更に高い成膜速度で基材上 形成することができる。このような効果が られる理由としては以下の通り本発明者ら 推察する。すなわち、プラズマ状態を不安 化させる要因は、異常放電の発生や反応系 で発生する不純物イオンにあると考えられ セラミックスからなる支持体を使用するこ により金属などの導体を支持体として使用 る場合に比べて異常放電や不純物イオンの 生を低減できることから、上記の効果が得 れたものと考えられる。

 本発明よれば、プラズマCVD法による炭素 の形成における成膜速度の向上を可能とす 炭素膜形成方法を提供することができる。 た、かかる炭素膜形成方法によれば、所望 バンドギャップを有する高品質の炭素膜を 材上に高速で成膜できることから、従来の リコン系太陽電池に比べ、耐摩耗性、耐久 を有し、電気的特性に優れた太陽電池をよ 安価に提供することも可能となる。また、 発明の炭素膜形成方法によれば、カーボン 材料の中で最高のバンドギャップを有する イヤモンドの製造も可能となる。

本発明の炭素膜形成方法を実施するた の炭素膜形成装置の一例を示す概略構成図 ある。 実施例1で形成された炭素膜のラマンス ペクトルを示すグラフである。 実施例2で形成された炭素膜のラマンス ペクトルを示すグラフである。

符号の説明

 1…炭素膜形成装置、10…反応室、12…カ ード電極、13…電源、14…アノード電極、16,1 8…冷却水導入装置、20…基材、22…支持体、2 4…熱電対、30…原料、32…支持体、40…排気 ロータリーポンプ、42…排気バルブ、50…水 ガス導入装置、52…水素供給源、54…マスフ ローコントローラー、56,58…水素ガス導入バ ブ、60…プラズマ形成領域。

 以下、添付図面を参照しながら、本発明 好適な実施形態について詳細に説明する。 お、図面の説明において、同一または相当 素には同一の符号を付し、重複する説明は 略する。また、各図面の寸法比率は、必ず も実際の寸法比率とは一致していない。

 本発明の炭素膜形成方法において、直流放 によりプラズマ化されるガスに含まれるア マンタン化合物としては、アダマンタン、 びその誘導体が挙げられる。アダマンタン 誘導体としては、例えば、ジアマンタン(C 14 H 20 )、トリアマンタン(C 18 H 24 )などの昇華性を有している化合物が好まし 。

 直流放電によりプラズマ化されるガスに ハロゲン化合物が更に含まれることが好ま く、ハロゲン化合物としては、フッ素、塩 、ヨウ素などが挙げられる。これらのうち ヨウ素がより好ましい。プラズマ化される スにヨウ素が含まれることにより、本発明 炭素膜形成方法が実施される炭素膜形成装 の部品が腐食されるなどの不都合を十分少 くできるとともに、炭素膜の成膜速度を更 高めることが可能となる。また、この場合 ヨウ素がドープされた炭素膜を形成するこ ができ、炭素膜におけるアモルファス構造 増加や炭素膜のバンドギャップの調整及び 導度の向上が可能となる。更に、ヨウ素が ープされることにより、P型半導体の特性を 有する炭素膜を得ることが可能となる。

 次に、本発明の炭素膜形成方法を実施す ための炭素膜形成装置について説明する。 1は、本発明の炭素膜形成方法を実施するた めの炭素膜形成装置の一実施形態を示す概略 構成図である。図1に示される炭素膜形成装 1は、反応室10と、この反応室10内に設けられ た、一対の電極(カソード電極12及びアノード 電極14)、カソード電極12を冷却するための冷 水導入装置16、アノード電極14を冷却するた めの冷却水導入装置18、炭素膜が形成される 材20が配される支持体22、基材20の温度を測 するための熱電対24、及び、原料30が配され る支持体32と、を備えて構成されている。炭 膜形成装置1においては、アノード電極14が 変の直流電源13に接続されており、カソー 電極12が炭素膜形成装置の金属部分に接続さ れアースされている。これにより、カソード 電極12及びアノード電極14間には直流電圧が 加される。このように炭素膜形成装置1は冷 極型の直流放電形式となっている。さらに 炭素膜形成装置1は、反応室10にプラズマ源 スとしての水素を供給するための水素供給 52、マスフローコントローラー54及び水素ガ ス導入バルブ56,58からなる水素導入装置50と 反応室10に排気バルブ42を介して接続された 気用ロータリーポンプ40とを備えている。 れらにより、反応室10内のガス圧力が調整可 能となっている。

 カソード電極12及びアノード電極14は、タ ングステン、モリブデンなどの材質から構成 される。本実施形態の炭素膜形成装置におい ては、耐熱性の観点から、カソード電極12及 アノード電極14がモリブデンから構成され いることが好ましい。

 図1に示す炭素膜形成装置1においては、 持体22が、カソード電極12及びアノード電極1 4間のプラズマ形成領域60の下方に位置してお り、基材20をプラズマ形成領域60或いはその 傍に配置させることが可能となっている。 方、支持体32は、カソード電極12の下方に位 している。この支持体32上に原料30として昇 華性を有するアダマンタン化合物を配するこ とにより、プラズマ源ガス中にアダマンタン 化合物を供給することができる。すなわち、 反応室10内の圧力が下げられると支持体32上 固体状のアダマンタン化合物が昇華し、気 となったアダマンタン化合物がプラズマ形 領域60に供給される。

 支持体22,32は、平板状の部材から構成さ ている。本実施形態の炭素膜形成装置にお ては、かかる部材は絶縁性の材料から構成 れていることが好ましく、その中でもセラ ックスから構成されていることがより好ま い。これにより、炭素膜を形成すべき基材20 及び原料30を直流放電により形成されるプラ マ形成領域60或いはその近傍に配した場合 あっても、より安定したプラズマ状態を維 することが可能となり、高品質の炭素膜を に高い成膜速度で基材上に形成することが きる。

 図1に示す炭素膜形成装置1においては、 華性を有するアダマンタン化合物が支持体32 上に配されるようになっているが、例えば、 アダマンタン化合物をセラミックスからなる 容器内に充填し、ここから気体のアダマンタ ン化合物を供給するようにしてもよい。

 基材20は、炭素膜形成の目的に応じて適 選択されるものであるが、例えば、半導体 石英、金属などが使用される。本発明によ ば、石英のような絶縁性材料の表面であっ も、密着性に優れた炭素膜を形成すること できる。

 カソード電極12及びアノード電極14は、図1 形状に限定されず、炭素膜を形成する基材 面積、ガス圧力、ガス流量等の条件に応じ 適宜変更することが可能である。基材20の大 きさが、例えば、20mm×20mm(面積:400mm 2 )、厚み1mmである場合には、カソード電極12と アノード電極14との電極間距離Lを10~30mmの範 に設定することが好ましく、アノード電極14 と基材20との距離D 1 を20~40mmの範囲に設定することが好ましく、 ソード電極12と原料30との距離D 2 を10~30mmの範囲に設定することが好ましい。 に、Lを20mm、D 1 を30mm、D 2 を20mmに設定することにより良質な炭素膜を 成することができることから、これらの値 関係に基づいて、基材の面積に応じたL、D 1 、及びD 2 を適宜設定することが好ましい。

 炭素膜形成装置1においては、炭素膜形成 時、反応室10内のガス圧力が30~70Torrの範囲に 定されることが好ましい。高速成膜を達成 る見地からは、ガス圧力を50~200Torrの範囲に 設定することが好ましく、成膜速度を維持し つつ大面積化を図り且つ膜質の良好な炭素膜 を形成する見地からは、ガス圧力を50~100Torr 範囲に設定することが好ましい。

 次に、本発明の炭素膜形成方法の実施形 について説明する。なお、本発明は、以下 実施例に限定されるものではない。

(実施例)
<炭素膜の形成>
 上述した炭素膜形成装置1を用いて所定の基 材上に炭素膜の形成を行った。

(実施例1)
 原料30としてアダマンタン、カソード電極12 及びアノード電極14として図1に示されるもの と同様の形状を有するモリブデンから作製し た電極、支持体22,32として陶製のプレート(サ イズ:30mm×30mm×3mm)を用い、下記に示す条件で 石英(SiO 2 )製の基材(サイズ:2cm×2cm×2mm)上に炭素膜を形 した。
ガス圧力:40~42(Torr)
基材温度:150℃
印加電圧:1000V
電極間距離 L:20mm
アノード電極-基材間距離 D 1 :25mm
カソード電極-原料間距離 D 2 :25mm
アダマンタン量:2.5g
水素ガス流量:約50sccm
成膜時間(放電開始時を成膜開始時とした):3

 上記の方法により形成された実施例1の炭 素膜は、2cm×2cmの範囲で均一な薄膜となって ることが確認された。更に、実施例1の炭素 膜について、以下の方法により膜厚及びバン ドギャップを求めた。

[膜厚]
 炭素膜の膜厚は、紫外可視分光装置(日本分 光社製、「JASCO V-570」)により200~2000nmに対す 試料の反射率を測定し、反射率ピークを示 光波長の値から下記式(1)により膜厚d(nm)を 出して求めた。その結果、実施例1の炭素膜 膜厚は120nmであった。
式(1)中、nは基材の屈折率を示し、θは試料へ の入射角(°)を示し、λ R1 及びλ R2 はそれぞれ、試料の反射率ピークを示す光波 長(nm)を表わす。本実施例においては、n=2.417 θ=5とした。

[バンドギャップ]
 膜厚dの物質の吸収係数αは、下記式(2)で表 すことができる。
α=-(1/d)ln[T/(1-R) 2 ]   …(2)
(式中、dは物質の膜厚を、Tは物質の透過率を 、Rは物質の反射率をそれぞれ示す。)

 一方、アモルファス半導体のバンドギャッ Egの定義は、下記式(3)で表わすことができ 。
αhν∝(hν-Eg) 2    …(3)
(式中、αは物質の吸収係数を、hはプランク 数を、νは入射光振動数をそれぞれ示す。)

 得られた炭素膜について、紫外可視分光装 (日本分光社製、「JASCO V-570」)により200~2000 nmに対する炭素膜の透過率T及び反射率Rを測 し、これらの値、上記で算出された膜厚dを い、上記式(2)及び上記式(3)の関係から求め れる、
から光学的バンドギャップEgを求め、これを 素膜のバンドギャップとした。その結果、 施例1の炭素膜のバンドギャップは2.85eVであ った。

 また、実施例1の炭素膜についてラマン分光 分析を行い、膜質を調べた。図2は、実施例1 炭素膜のラマンスペクトルを示すグラフで る。ところで、完全な構造を持つグラファ トは、ラマンスペクトルにおいて、一般に1 580[cm -1 ]に比較的シャープなG(Graphite)ピークが観察さ れ、ダイヤモンドでは、520cm -1 付近と1333cm -1 付近に単一でシャープなD(Diamond)ピークが観 される。グラファイト構造が乱れる(結晶性 よくない)と、1580[cm -1 ]のラマンバンドの他に1380[cm -1 ]及び1620[cm -1 ]付近にD(Disorder)ピークが見られるようになる 。そして構造の乱れが大きくなるとともに、 これらのピークの1580[cm -1 ]ピークに対する相対強度が増し、全体的に ロードなバンド形状となっていく。つまり アモルファスカーボンやDLCの薄膜ではブロ ドなピークのスペクトルが得られる。Dピー 及びGピークの二つのピークの相対強度比は グラファイト化度の評価などで用いられる。

 図2に示されるように、実施例1の炭素膜の マンスペクトルのピークはいずれもダイヤ ンドであるsp 3 結合に起因する1330cm -1 付近のピークの他にグラファイトであるsp 2 結合に起因する1580cm -1 付近のブロードなピークが相対的に大きくな っている。このため、実施例1では、DLCに近 炭素膜が形成されたものと考えられる。

 以上のことから、実施例1の炭素膜形成方 法によれば、比較的高いガス圧力条件であっ てもDLC膜を短時間で広範囲にわたって形成で きることが確認された。

(実施例2)
 原料30としてアダマンタンとヨウ素とを質 比1:1で混合した混合物を用い、カソード電 12及びアノード電極14として図1に示されるも のと同様の形状を有するモリブデンから作製 した電極、支持体22,32として陶製のプレート( サイズ:30mm×30mm×3mm)を用い、下記に示す条件 、石英(SiO 2 )製の基材(サイズ:2cm×2cm×2mm)上に炭素膜をそ ぞれ形成した。
ガス圧力:40~53(Torr)
基材温度:160℃
印加電圧:1000V
電極間距離 L:20mm
アノード電極-基材間距離 D 1 :30mm
カソード電極-原料間距離 D 2 :20mm
混合物量:2g(アダマンタン1g、ヨウ素1g)
水素ガス流量:約50sccm
成膜時間(放電開始時を成膜開始時とした):3 30秒

 上記の方法により形成された実施例2の炭 素膜は、2cm×2cmの範囲で均一な薄膜となって ることが確認された。更に、実施例2の炭素 膜について、上記と同様にして膜厚及びバン ドギャップを求めた。その結果、実施例2の 素膜の膜厚は、140nmであった。また、実施例 2の炭素膜のバンドギャップは1.3eVであり、太 陽電池のPN接合の光電変換に適したバンドギ ップ値である1.5eVに近い値を有しているこ が確認された。これは、ヨウ素が炭素膜中 ドーピングされたことにより、炭素膜のバ ドギャップが小さくなったものと考えられ 。

 また、実施例2の炭素膜について、熱起電 力効果を測定したところ、120~200℃での熱起 力は0.24~0.4mV/Kと温度差に対し正の起電力を し、さらに温度が高くなるとともにその値 増加した。これらのことにより形成された 素膜はP型の特性を有していることが確認さ た。

 更に、実施例2の炭素膜についてラマン分 光分析を行い、膜質を調べた。なお、膜質の 比較のため、原料30として上記混合物の代わ にアダマンタン2gを用い、ガス圧力を40~48(To rr)、基材温度を30℃に変更したこと以外は実 例2と同様にして作製した参考例1の炭素膜 ついてのラマン分光分析も行った。図3に、 れらの炭素膜のラマンスペクトルを示す。

 図3に示されるように、実施例2の炭素膜の マンスペクトルのピークはダイヤモンドで るsp 3 結合に起因する1330cm -1 付近のピークの他にグラファイトであるsp 2 結合に起因する1580cm -1 付近のブロードなピークが相対的に大きくな っている。また、1330cm -1 付近のピークは、参考例1の炭素膜のラマン ペクトルのそれに比べてよりブロードにな ており、このことは、ヨウ素を用いた実施 2ではDLCにより近い炭素膜が形成されたこと 示していると考えられる。

 以上述べたように、本発明の炭素膜形成 法によれば、プラズマ源であるガスの圧力 高く設定した場合であっても良好な炭素膜 短時間で形成できることから、プラズマCVD による炭素膜の形成における成膜速度の向 を図ることができる。

 また、本発明の炭素膜形成方法によれば 太陽電池の光電変換材料として好適なDLC膜 十分高い成膜速度で形成することができる とから、資源的に豊富な炭素材料を用いた 陽電池の作製が有効に実現可能となる。

 なお、本発明は上記した実施形態及び実 例に限定されることなく、種々の変更が可 である。例えば、上記した実施例では、DLC より近い炭素膜の形成方法について説明し が、系内のガス圧力を上げる、基材温度を げる、印加電圧を上げるなどして、各条件 おける投入エネルギーを増加することによ 、ダイヤモンドに近い炭素膜(バンドギャッ プが5eVに近いもの)を形成することが可能と る。また、ダイヤモンド(バンドキャップ5.5e Vに近いもの)を作製するには、上記の投入エ ルギーを更に増加することにより可能とな 。

 本発明よれば、プラズマCVD法による炭素 の形成における成膜速度の向上を可能とす 炭素膜形成方法を提供することができる。 た、かかる炭素膜形成方法によれば、所望 バンドギャップを有する高品質の炭素膜を 材上に高速で成膜できることから、従来の リコン系太陽電池に比べ、耐摩耗性、耐久 を有し、電気的特性に優れた太陽電池をよ 安価に提供することも可能となる。また、 発明の炭素膜形成方法によれば、カーボン 材料の中で最高のバンドギャップを有する イヤモンドの製造も可能となる。