蘇 宇航 (〒44 大阪府吹田市南金田2丁目12番12号 三星ダイヤモンド工業株式会社内 Osaka, 5640044, JP)
SHIMIZU, Seiji (LTD. 2-12-12 Minami-Kaneden, Suita-cit, Osaka 44, 5640044, JP)
清水 政二 (〒44 大阪府吹田市南金田2丁目12番12号 三星ダイヤモンド工業株式会社内 Osaka, 5640044, JP)
三星ダイヤモンド工業株式会社 (〒44 大阪府吹田市南金田2丁目12番12号 Osaka, 5640044, JP)
SU, Yuhang (LTD. 2-12-12 Minami-Kaneden, Suita-cit, Osaka 44, 5640044, JP)
蘇 宇航 (〒44 大阪府吹田市南金田2丁目12番12号 三星ダイヤモンド工業株式会社内 Osaka, 5640044, JP)
SHIMIZU, Seiji (LTD. 2-12-12 Minami-Kaneden, Suita-cit, Osaka 44, 5640044, JP)
| 脆性材料基板にレーザビームを照射してビームスポットを形成し、前記ビームスポットを相対移動させて前記基板が軟化する温度以下で加熱し、次いで前記ビームスポットが通過した軌跡に沿って前記基板を冷却するレーザスクライブ加工によりクラックを形成する脆性材料基板のクラック形成方法であって、 第一のレーザスクライブ加工により第一クラックを形成し、 前記第一クラックの亀裂内に摩擦係数を下げる摩擦係数降下剤を付着させてから、第二のレーザスクライブ加工により第二クラックを前記第一クラックと交差する方向に第一クラックとの交差点まで形成し、 前記第一クラックとの交差点で第二クラックの進行を停止させることを特徴とする脆性材料基板のクラック形成方法。 |
| 前記摩擦係数降下剤は、潤滑オイルを含有する請求項1に記載のクラック形成方法。 |
| 前記摩擦係数降下剤は、シリコーンオイルを含有する請求項2に記載のクラック形成方法。 |
| 前記摩擦係数降下剤は、アルキルアルコール、アルキルエーテル、脂肪酸アルキルエステルのいずれかを含有する請求項1に記載のクラック形成方法。 |
| 前記摩擦係数降下剤は、第一のレーザスクライブ加工で基板を冷却する際に、冷媒とともに吹き付けられる請求項1に記載のクラック形成方法。 |
| 前記冷媒として、シリコーンオイルを含有した水を用いる請求項5に記載のクラック形成方法。 |
| 前記摩擦係数降下剤は、第一のレーザスクライブ加工で基板を冷却した直後に、前記交差点近傍に塗布または吹き付けられる請求項1に記載のクラック形成方法。 |
本発明は、レーザスクライブ加工によっ 脆性材料基板にクラックを形成する方法に し、さらに詳細には第一のクラックを形成 た後に、第一のクラックと交差する第二の ラックを、第一のクラックとの交差点まで 成する方法に関する。
ここで、「レーザスクライブ加工」とは、
板にレーザビームを照射してビームスポッ
を形成するとともに、このビームスポット
基板に対して相対移動するようにして基板
軟化点以下の温度で局所加熱し、次いでビ
ムスポットが通過した軌跡に沿って前記基
を冷却することにより発生させた熱応力を
用してクラックを形成する加工をいう。
また、「クラック」は、基板を完全に分断
るブレイク処理を実行する前に、基板上の
断予定の位置に予め形成しておく線状の亀
をいう。クラックは、基板の裏面まで到達
ていない亀裂からなり、クラックに沿って
さ方向に曲げモーメントを与えるブレイク
理を実行することによって、クラックが基
の厚さ方向に進展し、クラック先端が裏面
到達した段階で完全に分断された分断ライ
となる。
また、「脆性材料」には、ガラス基板の他
、セラミックス、単結晶シリコン、半導体
エハ、サファイア等の材料が含まれる。
ガラス基板等の脆性材料基板は、適宜の大
さや形状に分断することにより、種々の製
に使用されている。
脆性材料基板を分断する方法として、レー
加熱と加熱直後の冷却とによってクラック
形成するレーザスクライブ加工と、レーザ
クライブ加工で形成したクラックに沿って
げモーメントを加えるブレイク処理とを実
することにより分断する方法が実用化され
いる。レーザスクライブ加工とブレイク処
とによる分断を行うことにより、優れた品
の分断面を得ることができる。
レーザスクライブ加工は、互いに交差す 複数の直線クラックを基板上に形成すると (クロススクライブという)に利用されるこ がある。例えば大型基板から、製品となる 数の小型方形基板を切り出す際に、基板を 横に分断するクロスカットが実行されるが このときレーザスクライブ加工によるクロ スクライブが行われる。
一般に、レーザスクライブ加工では、加 幅を狭く、かつ、加熱効率を高めるために ビームスポットの形状を楕円形、長円形等 長軸を有する形状にして、長軸方向を走査 向に向けるようにしている。さらに加熱直 に冷却を行う冷却領域(冷却スポットという )を、ビームスポットに追随して移動するよ にしている(特許文献1参照)。
また、レーザスクライブ加工において、加
直後に冷媒を噴射して冷却する際に、気体
媒よりも液体冷媒を用いることにより、基
の切断速度を向上することが開示されてい
(特許文献2参照)。
これによれば、急速加熱された基板に液体
媒として、水(純水)を用いることが好まし
、また、エタノール、エチレングリコール
メタノール、アセトン、界面活性剤のいず
かと水とを混合した液体冷媒を用いること
より、気体の物理的特性を有する冷媒を用
たときに比べて、早い切断速度で切断でき
ことが開示されている。さらに、気体の物
的性質を有する冷媒であるシリコンオイル(
熱がフレオンガスと同程度に小さい)を用い
ると、切断速度が低下し、冷媒として好まし
くないことが開示されている。
一方、ガラス基板を閉曲線に沿って切り出
加工も行われている。例えば、円形太陽電
装置を製造する工程において、矩形の大型
板上に間隔をあけて配置される複数の円形
亀裂外周線(亀裂外周線の内側に円形太陽電
池装置が形成される)が形成され、隣接する
形亀裂外周線の間、および、大形基板の外
と円形亀裂外周線との間に、線状の亀裂を
成することにより円形基板を加工する方法
開示されている(特許文献3参照)。
これによれば、CO 2
レーザを用いて円形の亀裂外周線を形成する
。続いて、円形基板(太陽電池装置)の上はCO 2
レーザのビームスポットが遮断されるように
しつつ、CO 2
レーザを直線状に走査し、大型基板の外周か
ら近接する亀裂外周線に至る線状の亀裂を形
成し、隣接する亀裂外周線間にも線状の亀裂
を形成する。以上の工程により、円形基板を
容易に分離することができるようにしている
。
図1は、レーザスクライブ加工を利用して、
方形のガラス基板Gから円形部材10をくり抜く
ときの典型的な加工手順を示す模式図である
。図1(a)に示すように、円形部材10の外周をな
す円形クラック(R-1)を形成するとともに、複
の直線クラック(X-1、X-2、Y-1、Y-2)が形成さ
る。この直線クラックは「捨て切り」と呼
れ、円形部材10を分離しやすくするために必
要な本数が形成される。
この場合、図1(b)に加工順を丸数字で示すよ
うに、最初に円形クラック(R-1)(第一クラック
)を形成し、続いて円形クラック(R-1)と交差す
る位置まで、それぞれの直線クラック(X-1、Y-
1、X-2、Y-2)(第二クラック)を形成することに
る。
このときクラックは加熱領域(ビームスポ ット)と冷却領域(冷却スポット)との境界付近 で形成されるが、加熱領域と冷却領域との微 妙なバランスによってクラックの発生位置が 微妙に変化する。また基板の内部状態によっ て応力分布が微妙に変化することによっても クラックの発生位置が変化する。したがって 、直線クラックを円形クラックとの交差点で 正確に停止させることは非常に困難である。 その結果、図1(c)に示すように、クラックの 止位置がずれて、直線クラック(X-1、Y-1、X-2) が円形クラックとの交差点を越えて進行して しまったり、直線クラック(Y-1)が円形クラッ に到達しなかったりすることがある。
このような不具合を防ぐための一つの方 として、上述した特許文献3に記載されてい るように、円形部材10の上はビームスポット 遮断されるようにしておき、直線クラック 形成する際に、ビームスポットの一部が交 点を超えて円形部材10に到達しても、円形 材10自体は直接加熱されないようにすること が考えられる。
しかしながら、この方法を採用するとな と、予めレーザ遮断用の被膜を円形部材10 上に形成しておくか、円形クラックを形成 た後に円形部材10の上にマスク部材を位置決 めしながら取り付ける必要がある。前者の場 合は直線クラックを形成した後、被膜を除去 する工程が必要になる。後者の場合は位置決 め工程が必要になり、いずれも工程が増え、 手間がかかる。
その上、たとえ被膜形成やマスク部材の り付けによって円形部材10自体は直接加熱 れないようにした場合でも、後方の冷却領 (冷却スポット)で発生した引張応力が前方に 伝達され、直線クラックの先端が、円形クラ ックとの交差点を越えて進行する現象(詳細 後述する)が発生する場合があり、直線クラ クを確実に停止させることはできなかった
同様の不具合は、直線状のレーザスクライ
加工を行う場合でも生じる。図2はレーザス
クライブ加工を利用して、ガラス基板Gから
数の短冊部材11を切り出すときの典型的な加
工手順を示す模式図である。ガラス基板Gの
きさと短冊部材11の大きさとの関係により端
材部12が形成される場合に、端材部12を他の
的で有効利用したいとき、図2(a)に示すよう
、ガラス基板Gに対し、第一方向に直線状の
第一クラック(X-1)と、第一方向と直交する第
方向に複数の第二クラック(Y-1~Y-5)が形成さ
る。
この場合、図2(b)に加工順を丸数字で示すよ
うに、最初に第一クラック(X-1)を形成し、続
て第二クラック(Y-1~Y-5)を第一クラック(X-1)
交差する位置まで形成することになる。
このときも第二クラック(Y-1~Y-5)の先端を 第一クラック(X-1)との交差点で正確に停止 せることは非常に困難である。その結果、 2(c)に示すように、第二クラック(Y-1~Y-4)の停 位置がずれ、第一クラック(X-1)との交差点 越えて進行してしまったり、第二クラック(Y -5)が第一クラックとの交差点に到達しなかっ たりすることになる。
そこで、本発明はレーザスクライブ加工 利用して、第一のクラックを形成し、続い 第一クラックと交差する方向に第一クラッ との交差点まで第二のクラックを形成する に、第二クラックを確実に交差点で停止さ ることができる脆性材料基板のクラック形 方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発 のクラック形成方法は、第一のレーザスク イブ加工により第一クラックを形成する。 いて、第一クラックの亀裂内に摩擦係数を げる摩擦係数降下剤を付着させてから、第 のレーザスクライブ加工により第二クラッ を前記第一クラックと交差する方向に第一 ラックとの交差点まで形成する。
このように、第一クラックを形成した後 、第一クラックの亀裂内に摩擦係数降下剤 付着させておくことにより、第一クラック 亀裂内で両側の面が滑るようになる。この 態で第二のレーザスクライブ加工を行った きに、第二クラックが第一クラックとの交 点に到達すると、交差点の手前側において 第二クラックの亀裂が交差点まで進行する 、交差点で第一クラックの亀裂に交差する 、引張応力によって第二クラックの亀裂が がる方向が、第一クラックの亀裂面の滑る 向に一致するため、第二クラックの亀裂の 行が滑り作用によって途切れることになる その結果、交差点で第二クラックの亀裂の 行が停止することになる。その後、交差点 り前方に、多少の加熱や冷却がなされたと ても、この部分に初期亀裂が形成されない り、第二クラックが前方に進行することは い。
本発明によれば、第一クラックの亀裂内 摩擦係数を下げる摩擦係数降下剤を付着さ たことにより、亀裂内で亀裂両側の面が滑 ようになり、その結果、第二クラックの進 が第一クラックとの交差点で停止され、第 クラックを確実に停止させることができる
(その他の課題を解決するための手段及び効
)
摩擦係数降下剤は、潤滑オイルを含有する
が好ましい。特にシリコーンオイルを含有
るようにするのが好ましい。
摩擦係数降下剤は、第一クラックの亀裂内
亀裂両側面の摩擦係数を下げることができ
材料であればよいが、例えば、潤滑剤を含
させればよい。好ましくはシリコーンオイ
を適当に含有させれば、摩擦係数降下剤と
て利用することができる。
ここでシリコーンオイルでも多くの種類が
るが、水溶性(冷媒としての水とともに吹き
付ける場合)、浸透性(亀裂内への浸透しやす
)、潤滑性(摩擦係数の下げやすさ)を考慮し
、クラックに入りやすく、摩擦係数を下げ
すい材料を選択する方がより好ましい。具
的にはシリコーンオイルの中でも、潤滑性
高めた変性シリコーンオイルが好ましい。
シリコーンオイル等の潤滑オイル以外の 料では、例えば、アルキル基を持つ材料、 体的にはアルキルアルコール、アルキルエ テル、脂肪酸アルキルエステルをアルコー 添加により溶液にした材料を、摩擦係数降 剤として利用することができる。なかでも ルキル基を持つ材料が、炭素数1~30の直鎖又 は分岐アルキル基をもつアルキルアルコール 、アルキルエーテル、脂肪酸アルキルエステ ルであれば、摩擦係数降下剤として優れてお り好ましい。
また、摩擦係数降下剤は、第一のレーザス
ライブ加工で基板を冷却する際に、冷媒と
もに吹き付けるようにしてもよい。
レーザスクライブ加工では、加熱後の冷却
および冷却直後に大きな引張応力が働き、
ラックの亀裂が広がるので、基板を冷却す
際に冷媒とともに吹き付けることで、確実
亀裂内に摩擦係数降下剤を付着させること
でき、しかも冷媒吹き付けと同時に付着さ
ることができるので、新たな工程を追加す
必要もなくなる。
冷媒として、シリコーンオイルを含有した
を用いるようにしてもよい。
従来から冷却剤として窒素ガスや圧縮空気
ともに噴射させていた水(水蒸気)、アルコ
ル等の冷媒は、単独では摩擦係数降下剤と
ては機能しない。これらの液体にシリコー
オイルを含有させることにより、噴射可能
摩擦係数降下剤として利用することができ
。
摩擦係数降下剤は、第一のレーザスクライ
加工で基板を冷却した直後に、交差点近傍
塗布または吹き付けるようにしてもよい。
冷却直後に、冷却剤とは別途に、塗布また
吹き付けることにより、第一クラック全体
うち、必要な交差点近傍のみに摩擦係数降
剤を付着させることができる。これにより
摩擦係数降下剤の使用量を減らすことがで
、また、不要な箇所に摩擦係数降下剤が付
することを抑制することができる。
10 円形部材
11 短冊部材
BS ビームスポット
CS 冷却スポット
L0 分断予定ライン
L1 太いクラック
L2 細いクラック
L3 ブラインドクラック
F 交差点
X-1 第一クラック
Y-1 第二クラック
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて
明する。説明の便宜上、初めに一般的なレ
ザスクライブ加工により形成されるクラッ
について説明しておく。
図3はレーザスクライブ加工中のガラス基板
Gの状態を示す図であり、図3(a)は斜視図、図3
(b)は基板表面の一部を拡大した平面図である
。図3(c)は図4の各断面位置を示す図である。
た図4は図3(c)に示した位置のクラックの発
状態を示す断面図である。
ガラス基板G上に分断予定ラインL0を定め、
ーザビームを照射して楕円形のビームスポ
トBSを形成し、その長軸方向を分断予定ラ
ンL0に向けて走査する。また図示しないノズ
ルからビームスポットBSの後方に向けて、冷
(例えば水を含む圧縮空気)を噴射すること
よって冷却スポットCSを形成し、ビームスポ
ットBSを追随するように走査する。
具体的には、ビームスポットBSを形成する
ーザビーム、および、冷却スポットCSを形成
するノズルの位置を固定しておき、基板Gを
断予定ラインL0に沿って手前方向(図中矢印
向)に相対移動させることにより、ビームス
ットBSおよび冷却スポットCSを分断予定ライ
ンL0方向に沿って初期亀裂TRから走査する。
このとき基板表面近傍に発生する圧縮応力
よび引張応力を図3(b)に示す。図では圧縮応
力の大きさを破線矢印で示すとともに、引張
応力の大きさを実線矢印で示す。
ビームスポットBSが通過するにつれて、圧
応力が強くなっていく。続いて、ビームス
ットBSの直後を冷却スポットCSが通過すると
圧縮応力から引張応力に一挙に反転する。
の後は少しずつ引張応力が緩和するように
り、また、内部の熱が表面に伝導して再び
い圧縮力に反転するようになり、亀裂が閉
る。
図4(a)は、ビームスポットBSが通過した直 の断面A-A’(図3(c)参照。以下に説明する各 面についても同じ)を示す図である。圧縮応 が働いているため、クラックは発生してい い。図4(b)は冷却スポットCSが通過し、引張 力に反転した断面B-B’を示す図である。強 引張応力により太いクラックL1が発生し、 かも大きな引張応力により亀裂が広がろう する状態になっている。図4(c)は冷却スポッ が通過した後、引張応力が弱まっていく領 の断面C-C’を示す図である。弱い引張応力 よって太いクラックL1よりは亀裂の幅が狭 なった細いクラックL2が残っている。図4(d) さらに時間が経過し、引張応力が消失して 再び弱い圧縮応力に反転したときの断面D-D を示す図である。この領域では弱い圧縮応 により、これまで見えていた細いクラックL2 は眼に見えないクラックL3(ブラインドクラッ クという)になる。
次に、本発明のクラック形成方法につい 説明する。図5は本発明の一実施形態である クラック形成方法の各工程を示す図である。 本実施形態では、第一クラック形成工程、摩 擦係数降下剤の付着工程、第二クラック形成 の各工程を実行するが、第一クラック形成と 摩擦係数降下剤の付着とを同時に行うように している。
図5(a)は、第一クラック形成工程および摩擦
係数降下剤の付着工程を示す図である。第一
クラック形成工程(および摩擦係数降下剤の
着工程)では、図3、図4で説明したレーザス
ライブ加工を実行する。ただし、冷媒に摩
係数降下剤である微量のシリコーンオイル
含めた点だけが異なる。
すなわち、レーザビームLBを基板Gに照射し
楕円のビームスポットBSを形成する。また
冷却ノズルCNから冷媒を噴射して冷却スポッ
トCSを形成する。ビームスポットBSと冷却ス
ットCSとの位置は固定し、基板Gを載置する
ーブル(不図示)を駆動して、基板GをX方向に
いた分断予定ラインL0に沿って移動するこ
により、ビームスポットBSおよび冷却スポッ
トCSを、初期亀裂TRから基板Gを横断するよう
走査する。これにより第一クラック(X-1)を
成する。
冷媒には、摩擦係数降下剤であるシリコ ンオイルを1%以下、たとえば0.4%として水(本 来の冷却剤)に含有させておき、圧縮空気と もにノズルから吹き付け可能な状態にして く。シリコーンオイルの濃度を高くすると ノズルから噴射できなくなるため、含有濃 はかなり薄くしてある。
このようにして、冷媒とともに摩擦係数 下剤を噴射させる。冷媒が噴射された直後 は、太いクラックL1が形成される。図4(b)で 明したように、太いクラックL1では大きな 張応力によって亀裂が広がっており、亀裂 にシリコーンオイルが付着しやすい。その 、時間経過につれて、細いクラックL2を経て 、眼に見えないクラックL3(ブラインドクラッ ク)となるが、亀裂内の摩擦係数は、付着し シリコーンオイルにより低下している。続 て、第二クラック形成工程を実行する。
図5(b)は、第二クラック形成工程を示す図 である。第二クラック形成工程では、基板G 走査方向をY方向に向けて、図3、図4で説明 たレーザスクライブ加工を実行する。この きの冷媒には摩擦係数降下剤を含める必要 ないので、水と圧縮空気だけの冷媒を用い ばよいが、シリコーンオイル(摩擦係数降下 )による悪影響がない限り、第一クラック形 成工程(および摩擦係数降下剤の付着工程))で 用いた冷媒をそのまま用いればよい。第二ク ラック形成工程では、第一クラック(X-1)との 差点Fに冷却スポットCSが到達し、さらに第 クラックを超えるまで走査を続ける。
図6は冷却スポットCSの先端が第一クラック(
X-1)に到達した状態を示す図であり、図6(a)は
視図、図6(b)は平面図である。また、図6(c)~
6(d)はそれぞれ図6(b)の領域Sについての異な
状態の拡大図である。このうち図6(c)は冷却
スポットCSが領域Sに到達する前の領域Sの状
、図6(d)は第一クラック(X-1)にシリコーンオ
ルが付着しているときの図6(b)の領域S、図6(e
)は比較例として、第一クラック(X-1)にシリコ
ーンオイルが付着していないときの図6(b)の
域Sである。
図6(c)~図6(e)には、4つのマーカP1~P4を図示し
ある。これらは第二クラック形成工程によ
基板の位置変化を、マーカの移動によって
明するために、便宜上付されたマーカであ
。
このとき第一クラック(X-1)は、眼に見えな
クラックL3(ブラインドクラック)になってい
が、亀裂内にはシリコーンオイル(摩擦係数
降下剤)が付着している。
図6(c)に示すように、冷却スポットCSが領域S
に到達する前は、Y方向の分断予定ライン(L0)
は、クラックが発生していない。このとき
4つのマーカP1~P4は、第一クラック(X-1)と分
予定ライン(L0)との交差点Fから等距離に付さ
れている。
その後、冷却スポットCSが領域Sに到達す と、図6(d)に示すように、分断予定ライン(L0 )に沿って第二クラック(Y-1)が形成される。冷 却スポットCSが通過した直後は強い引張応力 発生し、第二クラック(Y-1)は太いクラックL1 となっている。このとき第二クラック(Y-1)の 端は交差点Fで停止する。これは第一クラッ ク(X-1)の亀裂内の摩擦係数がシリコーンオイ の付着によって低下しており、P1側(P2側)に 生している引張応力が交差点Fを越えてP4側( P3側)に伝達されないためである。このときP1 (P2側)の亀裂面がP4側(P3側)の亀裂面に対し矢 印方向に滑ることにより、クラックの進行が 停止される。
このときビームスポットBSは交差点Fを越 て前方(P3,P4側)に到達しているが圧縮応力を 与えているだけでクラックを進行させること はない。交差点Fに初期亀裂TRが形成されてい ない限り、P4側(P3側)に多少の加熱が行われて もクラックは進行できない。
図6(e)は比較例として、第一クラック(X-1)の
裂内にシリコーンオイルを付着させなかっ
ときに、冷却スポットCSが領域Sに到達した
合である。
第一クラック(X-1)の亀裂面には圧縮応力が
じているため摩擦により、P1側(P2側)の亀裂
が第一クラックの方向に沿って移動すると
P4側(P3側)の亀裂面は摩擦力で引きずられる
うに移動する。すなわち、P1側の動きに連動
してP4側が移動し、P2側の動きに連動してP3側
が移動する。
したがって、第二クラック形成工程で、冷
スポットCSが通過した直後に強い引張応力
発生し、第二クラック(Y-1)が太いクラックL1
なって広がると、交差点Fを超えて太いクラ
ックL1が伝達され、クラックL1と同じ亀裂幅
広がる太いクラックL4が形成される。すなわ
ち、交差点で停止することなく、クラックが
前方に進行してしまう。
(実験)
冷媒に摩擦係数降下剤としてシリコーン
イルを含有させた場合と、含有させなかっ
場合との比較実験を行った。
実験条件を以下に示す。
ガラス基板 無アルカリガラス(コーニング
製 ♯1737)
レーザ出力 160W
走査速度 200mm/sec
冷媒噴射量 2ml/min
亀裂深さ 125μm
冷媒 水99.6%
シリコーンオイル0.4%(信越化学工
株式会社製KF-643)
上記混合比で圧縮空気とともに噴
させる
以上の条件下で、レーザスクライブ加工を
った。まず、X方向に第一クラックを形成し
、その後Y方向に第二クラックを形成し、第
クラックを形成する際に、ビームスポットBS
および冷却スポットCSが第一クラックとの交
点を越えるまで走査するようにした。
その結果、第二クラックは交差点で完全に
止し、第一クラックを超えて前方に進行す
ことはなかった。
比較例として、冷媒を100%水(シリコーンオ
ル0%)に変えて同様のレーザスクライブ加工
行った結果、第二クラックは交差点で停止
ることなく第一クラックを超えて前方に進
した。
以上の結果から、微量のシリコーンオイル(
摩擦係数降下剤)を第一クラックの亀裂内に
着させることにより、交差点でクラックの
行を抑えることができることがわかった。
また、シリコーンオイル以外の材料につ ても、摩擦係数降下剤として作用する材料 検討を行った。その結果、アルキル基を持 材料であるアルキルアルコール、アルキル ーテル、脂肪酸アルキルエステル(炭素数1~3 0の直鎖又は分岐アルキル基をもつもの)をア コール添加により溶液にした材料を、摩擦 数降下剤として冷媒に含有させた場合も、 裂の進行を停止させる効果が得られた。
(変形実施形態)
上記実施形態では、冷却ノズルを利用して
冷媒とともにシリコーンオイル(摩擦係数降
下剤)を噴射させたが、冷却ノズルの後方に
第二のノズルを設けて、シリコーンオイル(
擦係数降下剤)を必要な箇所だけに噴射する
ようにしてもよい。すなわち、交差点Fの近
だけにシリコーンオイルを付着させるよう
する。このようにすることで、シリコーン
イルの付着が気になる用途の場合に、シリ
ーンオイルの影響を最小限に抑えることが
きる。
また、上記実施形態ではノズルからの噴 によりシリコーンオイルを付着させたが、 布によって付着させてもよい。その場合で っても、冷却直後に塗布する方が亀裂内に りやすい。
また、第二クラック形成工程で、ビーム ポットが第一クラックとの交差点に到達し ときに、レーザ照射を停止してビームスポ トを消去すれば、クラックの進行を停止す 以外に、加熱による基板への悪影響を抑え こともできる。その場合は、交差点まで冷 スポットを移動させてから冷却スポットの 動を停止することにより、第二クラックは 実に交差点まで形成するようにする。
本発明のクラック形成方法は、ガラス基 等の脆性材料基板の分断に利用することが きる。
Next Patent: PROCESS FOR MAKING PHOTOSENSITIVE LITHOGRAPHIC FORM PLATES
