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Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR FORMING TRANSPARENT CONDUCTIVE FILM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/028372
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for forming a transparent conductive film, wherein a transparent conductive film containing ZnO as a main constitutional element is formed on a substrate by performing a sputtering process by generating a horizontal magnetic field on the surface of a target containing a material for forming the transparent conductive film, while applying a sputtering voltage to the target. This method for forming a transparent conductive film is characterized in that the sputtering process is performed while setting the sputtering voltage to 340 V or less.

Inventors:
TAKAHASHI, Hirohisa (ULVAC Inc., 523, Yokota, Sanmu-sh, Chiba 97, 2891297, JP)
高橋 明久 (〒97 千葉県山武市横田523 株式会社アルバック 千葉超材料研究所内 Chiba, 2891297, JP)
ISHIBASHI, Satoru (ULVAC Inc., 523, Yokota, Sanmu-sh, Chiba 97, 2891297, JP)
石橋 暁 (〒97 千葉県山武市横田523 株式会社アルバック 千葉超材料研究所内 Chiba, 2891297, JP)
Application Number:
JP2008/064829
Publication Date:
March 05, 2009
Filing Date:
August 20, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ULVAC, Inc. (2500, Hagisono Chigasaki-sh, Kanagawa 43, 2538543, JP)
株式会社アルバック (〒43 神奈川県茅ヶ崎市萩園2500 Kanagawa, 2538543, JP)
TAKAHASHI, Hirohisa (ULVAC Inc., 523, Yokota, Sanmu-sh, Chiba 97, 2891297, JP)
高橋 明久 (〒97 千葉県山武市横田523 株式会社アルバック 千葉超材料研究所内 Chiba, 2891297, JP)
ISHIBASHI, Satoru (ULVAC Inc., 523, Yokota, Sanmu-sh, Chiba 97, 2891297, JP)
International Classes:
C23C14/08; C23C14/34; H01B13/00; H01L31/04
Attorney, Agent or Firm:
SHIGA, Masatake et al. (1-9-2, MarunouchiChiyoda-k, Tokyo 20, 1006620, JP)
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Claims:
 透明導電膜の形成材料を備えたターゲットにスパッタ電圧を印加しつつ、前記ターゲットの表面に水平磁界を発生させてスパッタを行い、基板上にZnOを基本構成元素とする透明導電膜を形成する方法であって、
 前記スパッタ電圧を340V以下にして前記スパッタを行う
ことを特徴とする透明導電膜の形成方法。
 請求項1に記載の透明導電膜の形成方法であって、
 前記ターゲットの表面における水平磁界強度の最大値を600ガウス以上にして、前記スパッタを行う。
 請求項1に記載の透明導電膜の形成方法であって、
 前記ターゲットの前記透明導電膜の形成材料として、Alを含む物質をZnOに添加した材料を用いる。
 請求項1に記載の透明導電膜の形成方法であって、
 酸素ガスを導入しつつ前記スパッタを行う。
 請求項1に記載の透明導電膜の形成方法であって、
 前記水平磁界を発生させる磁界発生手段が、前記ターゲットの裏面に沿って配置された第1極性の第1磁石および第2極性の第2磁石を備え;
 前記第2磁石が、前記第1磁石を包囲するように配置されている。
 請求項1に記載の透明導電膜の形成方法であって、
 前記水平磁界を発生させる磁界発生手段と前記ターゲットとの相対位置を変化させつつ前記スパッタを行う。
 請求項1に記載の透明導電膜の形成方法であって、
 前記基板と前記ターゲットとの相対位置を変化させつつ前記スパッタを行う。
 請求項1に記載の透明導電膜の形成方法であって、
 前記スパッタ電圧の印加を、DC電源およびRF電源を併用して行う。
Description:
透明導電膜の形成方法

 本発明は、透明導電膜の形成方法に関する
 本出願は、特願2007-218296号を基礎出願とし その内容をここに取り込む。

 太陽電池や発光ダイオードの電極として、 明導電材料であるITO(In 2 O 3 -SnO 2 )が利用されている。しかしながら、ITOの原 となるインジウム(In)は希少金属であり、今 は入手困難によるコスト上昇が予想される そこで、ITOに代わる透明導電材料として、 富かつ安価なZnO系材料が注目されている(例 えば、下記特許文献1参照)。ZnO系材料は、大 基板への均一成膜が可能なスパッタリング 適しており、In 2 O 3 系材料のターゲットを変更することで簡単に 成膜することが可能である。また、ZnO系材料 は、In 2 O 3 系材料のように絶縁性の高い低級酸化物(InO) 含まない。

特開平9-87833号公報

 ZnO系材料は、ITOに次いで抵抗が低い材料で るものの、その一般的な比抵抗は500μωcm~100 0μωcmであり、ITOの2.5倍~5倍の値になっている 。そのため、ZnO系材料のさらなる低抵抗化が 望まれている。
 また、ZnO系材料は、高温のまま大気中に放 されると、酸化して比抵抗が上昇する性質 有する。このように、ZnO系材料は耐熱性が いので、真空中で加熱成膜したZnO膜を大気 に取出す前に、冷却が必要になるという問 がある。

 本発明は、上記課題を解決するためにな れたものであって、比抵抗が低く、耐熱性 優れた、ZnO系材料からなる透明導電膜の形 方法の提供を目的とする。

 本願の発明者は、成膜時のスパッタ電圧 よび磁場強度が、ZnO系膜の比抵抗に影響を えることを見出した。ZnO系膜の比抵抗が膜 や酸化度によって大きく変化することは従 から知られていたが、この膜厚や酸化度の らつきによるノイズが大きいため、比抵抗 スパッタ電圧依存性および磁場強度依存性 確認されていなかった。本願発明者は、太 電池用の透明電極として厚膜のZnO系膜の形 方法を開発するにあたり、初めて比抵抗の パッタ電圧依存性および磁場強度依存性を 出したのである。

 本発明は、透明導電膜の形成材料を備えた ーゲットにスパッタ電圧を印加しつつ、前 ターゲットの表面に水平磁界を発生させて パッタを行い、基板上にZnOを基本構成元素 する透明導電膜を形成する方法であって、 記スパッタ電圧を放電可能な電圧以上かつ3 40V以下にして前記スパッタを行う。
 なお、この透明導電膜の形成方法では、前 ターゲットの表面における水平磁界強度の 大値を600ガウス以上にして、前記スパッタ 行う。
 上記の透明導電膜を形成する方法によれば 結晶格子の整ったZnO系膜を形成することが 能になり、比抵抗が低い透明導電膜を得る とができる。また、結晶格子の整ったZnO系 が形成されるので、高温に加熱しても酸化 にくくなり、耐熱性に優れた透明導電膜を ることができる。

 なお、前記ターゲットの前記透明導電膜の 成材料として、Alを含む物質をZnOに添加し 材料を用いてもよい。
 この場合、ZnO系膜の中でも特に比抵抗が低 透明導電膜を得ることができる。

 また、酸素ガスを導入しつつ前記スパッタ 行ってもよい。
 この場合、酸素リッチなZnO系膜が形成され ので、光透過率が高い透明導電膜を得るこ ができる。

 また、前記水平磁界を発生させる磁界発生 段が、前記ターゲットの裏面に沿って配置 れた第1極性の第1磁石および第2極性の第2磁 石を備え;前記第2磁石が、前記第1磁石を包囲 するように配置されている;構成を採用して よい。
 この場合、ターゲットの表面に強い水平磁 を発生させることができるので、結晶格子 整ったZnO系膜を形成することが可能になる したがって、比抵抗が低く耐熱性に優れた 明導電膜を得ることができる。

 また、前記水平磁界を発生させる磁界発生 段と前記ターゲットとの相対位置を変化さ つつ前記スパッタを行うようにしてもよい
 この場合、ターゲットのエロージョン領域 分散させることが可能になり、ターゲット 耐久性を向上させることができる。

 また、前記基板と前記ターゲットとの相対 置を変化させつつ前記スパッタを行うよう してもよい。
 この場合、基板全体に対して均質な透明導 膜を得ることができる。

 また、前記スパッタ電圧の印加を、DC電源 よびRF電源を併用して行うようにしてもよい 。
 この場合、スパッタ電圧を低下させること 可能になる。これにより、結晶格子の整っ ZnO系膜を形成することが可能になり、比抵 が低い透明導電膜を得ることができる。

 本発明によれば、結晶格子の整ったZnO系 を形成することが可能になり、比抵抗が低 耐熱性に優れた透明導電膜を得ることがで る。

図1は、本発明の一実施形態に係るマグ ネトロンスパッタ装置の概略構成図である。 図2は、成膜室の平断面図である。 図3は、スパッタカソード機構の正面図 である。 図4は、マグネトロンスパッタ装置の変 形例である。 図5は、水平磁界強度とスパッタ電圧と の関係を示すグラフである。 図6は、ZnO系膜の膜厚と比抵抗との関係 を示すグラフである。 図7Aは、アニール処理温度と比抵抗と 関係を示すグラフである。 図7Bは、アニール処理温度と比抵抗と 関係を示すグラフである。 図8は、スパッタ電圧と比抵抗との関係 を示すグラフである。

符号の説明

 5  基板
 10 マグネトロンスパッタ装置
 22 ターゲット
 26 DC電源(電圧印加手段)
 30 磁気回路(磁界発生手段)
 31 第1磁石
 32 第2磁石

 本発明の一実施形態に係る透明導電膜の形 方法につき、図面を用いて以下に説明する
(マグネトロンスパッタ装置)
 図1は、マグネトロンスパッタ装置の概略構 成図である。本実施形態のスパッタ装置10は インターバック式のスパッタ装置であって 基板(不図示)の仕込み/取出し室12と、前記 板に対する成膜室14とを備えている。仕込み /取出し室12には、ロータリーポンプ等の粗引 き排気手段12pが接続され、成膜室14には、タ ボ分子ポンプ等の高真空排気手段14pが接続 れている。本実施形態のスパッタ装置10で 、前記基板を縦型支持して仕込み/取出し室1 2に搬入し、粗引き排気手段12pで仕込み/取出 室12内を排気する。次に、高真空排気手段14 pで高真空排気した成膜室14内に前記基板を搬 送し、成膜処理を行う。成膜後の前記基板は 、仕込み/取出し室12を介して外部に搬出され る。

 成膜室14には、Ar等のスパッタガスを供給す るガス供給手段17が接続されている。このガ 供給手段17からは、O 2 等の反応ガスを供給することも可能である。 成膜室14内には、スパッタカソード機構20が 置きに配置されている。
 図2は、成膜室の平断面図である。スパッタ カソード機構20は、成膜室14の幅方向におけ 一方側面に配置されている。成膜室14の他方 側面には、基板5を加熱するヒータ18が配置さ れている。

 スパッタカソード機構20は、主に、ターゲ ト22、背面プレート24および磁気回路30を備 ている。背面プレート24は、DC電源26に接続 れ、負電位に保持されている。背面プレー 24の表面には、ZnO系膜の形成材料をロウ材で ボンディングしたターゲット22が配置されて る。ZnO系膜の形成材料は、ZnOのみでもよく ZnOに所定材料を添加したものでもよい。
 ガス供給手段17から成膜室14にスパッタガス を供給し、DC電源26により背面プレート24にス パッタ電圧を印加する。成膜室14内でプラズ により励起されたスパッタガスのイオンが ターゲット22に衝突してZnO系膜の形成材料 原子を飛び出させる。飛び出した原子を基 5に付着させることにより、基板5にZnO系膜が 形成される。

 背面プレート24の裏面に沿って、ターゲッ 22の表面に水平磁界を発生させる磁気回路30 配置されている。磁気回路30は、背面プレ ト24側の表面の極性が相互に異なる第1磁石31 および第2磁石32を備えている。なお、これら 第1磁石31および第2磁石32は共に永久磁石であ る。
 図3は、スパッタカソード機構の背面図であ る。第1磁石31は直線形状をなし、第2磁石32は 第1磁石31の周縁部から所定距離を置いて囲む 額縁形状をなしている。これら第1磁石31およ び第2磁石32がヨーク34に装着されて、磁気回 ユニット30aが形成されている。また、複数( 本実施形態では2個)の磁気回路ユニット30a,30b がブラケット35により連結されて、磁気回路3 0が構成されている。

 図2に示すように、背面プレート24側の極 が異なる第1磁石31および第2磁石32により、 力線36で表される磁界が発生する。これに り、第1磁石31と第2磁石32との間におけるタ ゲット22の表面において、垂直磁界が0(水平 界が最大)となる位置37が発生する。この位 37に高密度プラズマが生成することで、成 速度を向上させることができる。

 この位置37では、ターゲット22が最も深く エロージョンする。この位置37が固定されな ようにしてターゲットの利用効率(寿命)を 上させるため、またターゲットおよびカソ ドの冷却効率を上げてアーキング等を改善 るため、磁気回路30は水平方向に揺動可能に 形成されている。また、ターゲット22の上下 ではエロージョンが矩形や半円形となるた 、磁気回路30が垂直方向にも揺動可能とさ ている。具体的には、磁気回路30のブラケッ ト35を水平方向および垂直方向に独立して往 運動させる一対のアクチュエータ(不図示) 備えている。これらの水平方向アクチュエ タおよび垂直方向アクチュエータを異なる 期で駆動することにより、磁気回路30がター ゲット22と平行な面内でジグザグ運動する。

(変形例)
 図4は、マグネトロンスパッタ装置の変形例 である。このスパッタ装置100は、インライン 式のスパッタ装置であって、仕込み室12、成 室14および取出し室16をこの順に備えている 。このスパッタ装置100では、基板5を縦置き 支持して仕込み室12に搬入し、粗引き排気手 段12pで仕込み室12内を排気する。次に、高真 排気手段14pで高真空排気した成膜室14内に 記基板を搬送し、成膜処理を行う。成膜後 基板5は、粗引き排気手段16pで排気した取出 室16から外部に搬出する。

 成膜室14には、複数(本変形例では3個)の パッタカソード機構20が、基板5の搬送方向 並んで配置されている。各スパッタカソー 機構20は、上記実施形態と同様に構成されて いる。本変形例では、複数のスパッタカソー ド機構20の前を基板5が通過する過程で、各ス パッタカソード機構20により基板5の表面にZnO 系膜を形成する。これにより、均質なZnO系膜 を形成することが可能になり、また、成膜処 理のスループットを向上させることもできる 。

(第1実施形態)
 本実施形態では、図1ないし図3に示すスパ タ装置を用いて、Alが添加されたZnO(AZO)膜を 成する。ZnO系膜は、結晶中に酸素空孔が形 されて自由電子が放出されることで、導電 を示す。このZnO系膜は非常に酸化されやす ので、脱ガスにより酸化源の影響を低減さ るため、加熱成膜を行うことが望ましい。 た、ZnO系膜は、BやAl、Gaなどが結晶中のZnの 位置に入り込み、イオンとなって自由電子を 放出することで、導電性が向上する性質を有 する。この観点からも、マイグレーションの 発生しやすい加熱成膜が有利である。

 図2に示すターゲット22には、透明導電膜の 成材料として、Al 2 O 3 が0.5wt%~10.0wt%(本実施形態では2.0wt%)添加され ZnOを採用する。成膜室14に無アルカリガラス 基板5を搬入し、ヒータ18により基板5を100℃~6 00℃(本実施形態では200℃)に加熱する。高真 排気手段により成膜室14を高真空排気し、ガ ス供給手段からスパッタガスとしてArガスを 入し、成膜室14の圧力を2mTorr~10mTorr(本実施 態では5mTorr)に維持する。磁気回路30を揺動 せつつ、DC電源26により背面プレート24に電 密度1W/cm 2 ~8W/cm 2 (本実施形態では4W/cm 2 )の電力を投入する。なお、加熱成膜を行う め成膜後のアニール処理を行わないが、成 後にアニール処理を行ってもよい。

 上述したように、ZnO系膜は、BやAl、Gaなど 結晶中のZnの位置に入り込み、イオンとなっ て自由電子を放出することで、導電性が向上 する性質を有する。そこで、Al 2 O 3 を添加したZnOターゲットを採用してスパッタ を行い、Alが添加されたZnO(AZO)膜を形成する とで、ZnO系膜の中でも特に比抵抗が低い透 導電膜を得ることができる。

 本願の発明者は、ZnO系膜の比抵抗の磁場 度依存性を評価した。そのため、ターゲッ 表面の水平磁界強度が300ガウスとなるよう 磁気回路30を調整した第1水準と、ターゲッ 表面の水平磁界強度が1500ガウスとなるよう に磁気回路30を調整した第2水準とで、ZnO系膜 を形成した。ZnO系膜の膜厚は、各水準につき 、2000Å、5000Å、10000Åおよび15000Åとして、 比抵抗を測定した。

 図5は、水平磁界強度とスパッタ電圧との 関係を示すグラフである。同図に示すように 、水平磁界強度が高いほどスパッタ電圧が低 くなる関係にある。一般にスパッタ電圧は放 電インピーダンス(=ターゲット電圧/ターゲッ ト電流)の影響を受け、放電インピーダンス ターゲット表面の磁界強度の影響を受ける 磁界強度を増加させるとプラズマ密度が大 くなり、その結果、スパッタ電圧が低下す 。上述した第1水準(水平磁界強度が300ガウス )のスパッタ電圧は450V程度に、第2水準(水平 界強度が1500ガウス)のスパッタ電圧は300V程 になる。

 図6は、ZnO系膜の膜厚と比抵抗との関係を示 すグラフである。ZnO系材料の比抵抗は膜厚依 存性を有するため、膜厚の増加に伴って比抵 抗が減少している。
 第2水準(1500ガウス、300V)で成膜したZnO系膜 比抵抗は、第1水準(300ガウス、435V)より小さ なっている。この理由は、以下のように考 られる。比抵抗が膜厚依存性を有するため ZnO系材料は結晶格子が整いにくい性質を有 る。高いスパッタ電圧(弱い磁場)で形成し ZnO系膜は、結晶格子が乱れているため比抵 が高くなる。この場合でも、膜厚を厚くす ことで結晶格子が整って、比抵抗が低下す 傾向が見られる。しかしながら、結晶格子 整い方が十分でないため、低いスパッタ電 (強い磁場)で形成された膜厚の薄いZnO系膜に 比べて、比抵抗が高くなる。

 図8は、基板を200℃に加熱し、膜厚が2000Å ZnO系膜を形成した場合の、スパッタ電圧と 抵抗との関係を示すグラフである(スパッタ 圧は負電位のまま記載している)。スパッタ 電圧の絶対値が340V以下の範囲では比抵抗が40 0μωcm前後であるが、スパッタ電圧の絶対値 340Vを超えると比抵抗が急激に増加すること わかる。
 したがって、スパッタ電圧を340V以下とし、 ターゲット表面における水平磁界強度の最大 値を600ガウス以上(図5参照)としてスパッタを 行い、ZnO系膜を形成することが望ましい。こ れにより、結晶格子の整ったZnO系膜を形成す ることが可能になり、比抵抗が低い(膜厚が くても比抵抗が500μωcm以下の)ZnO系膜を得る とができる。また、340V以下の低電圧でスパ ッタを行うことにより、プラズマにより励起 された負イオンが加速されて基板に突入し下 地膜等にダメージが発生するのを抑制するこ とができる。
 なお、スパッタ電圧の下限としては、スパ タが可能な放電電圧である。また、水平磁 強度の最大値は、上述のように600ガウス以 であることが好ましい。水平磁界強度の最 値は、大きければ大きいほど放電電圧を下 られるので好ましいが、通常磁界形成のた には、永久磁石が使用されるため、用いる 久磁石の性能により上限値が決まる。

 また、本願の発明者は、ZnO系膜の耐熱性 磁場強度依存性を評価した。具体的には、 1水準および第2水準で5000ÅのZnO系膜を形成 、成膜後にアニール処理を様々な温度で行 て、比抵抗を測定した。アニール処理は、1 50℃~600℃(50℃ごと)の温度にて、大気中で1時 行った。

 図7A及び図7Bは、アニール処理温度と比抵 抗との関係を示すグラフであり、図7Aは、350 以下のグラフであり、図7Bは350℃以上のグ フである。アニール温度が450℃以下の場合 は、第1水準および第2水準とも比抵抗の大幅 な増加が見られない。これに対して、図7Bに すようにアニール温度が500℃以上の場合に 、第2水準(1500ガウス、300V)のZnO系膜の比抵 が、第1水準(300ガウス、435V)よりも小さくな ている。

 この理由は、以下のように考えられる。Z nO系膜は、酸素空孔が結晶中に形成されて自 電子が放出されることで、導電性を示す。 述したように、高いスパッタ電圧(弱い磁場 )で形成したZnO系膜の結晶格子は乱れている 、結晶格子が乱れているほど酸素と結合し すくなっている。そのため、高いスパッタ 圧(弱い磁場)で形成したZnO系膜は、成膜後の 高温アニールにより酸化されやすく、低いス パッタ電圧(強い磁場)で形成したZnO系膜に比 て比抵抗が高くなる。

 したがって、上記のようにスパッタ電圧を3 40V以下(または340V未満)とし、ターゲット表面 における水平磁界強度の最大値を600ガウス以 上としてスパッタを行い、ZnO系膜を形成する ことが望ましい。これにより、結晶格子の整 ったZnO系膜が形成されるので、成膜後に高温 でアニール処理を行っても酸化されにくくな り、比抵抗の増加を抑制することができる。 すなわち、耐熱性に優れたZnO系膜を得ること ができる。
 これに伴って、加熱成膜後の基板を大気中 取出す場合でも、基板の冷却を廃止または 易化することが可能になり、製造コストを 減することができる。

(第2実施形態)
 第2実施形態では、酸素リッチなZnO膜を形成 する。
 図2に示すターゲット22には、透明導電膜の 成材料としてZnOを採用する。成膜室14に無 ルカリガラス基板5を搬入し、ヒータ18によ 基板5を100℃~600℃に加熱する。高真空排気手 段により成膜室14を高真空排気し、ガス供給 段からスパッタガスとしてArガスを50sccm~400s ccm供給し、反応ガスとしてO 2 ガスを0sccm~20sccm供給する。なお、成膜室14の 力は2mTorr~10mTorrに維持する。磁気回路30を揺 動させつつ、DC電源26により背面プレート24に 電力密度1W/cm 2 ~8W/cm 2 の電力を投入する。

 このように、O 2 ガスを供給しつつスパッタを行うことで、酸 素リッチなZnO膜を形成することができる。酸 素リッチなZnO膜は、比抵抗が大きいものの、 光透過率が高くなる。これにより、光学特性 に優れた透明導電膜を得ることができる。

 なお、本発明の技術範囲は、上述した各実 形態に限定されるものではなく、本発明の 旨を逸脱しない範囲において、上述した各 施形態に種々の変更を加えたものを含む。
 すなわち、各実施形態で挙げた具体的な材 や構成などはほんの一例に過ぎず、適宜変 が可能である。
 例えば、上記実施形態のスパッタ装置では 基板を縦置きに支持してスパッタを行うが 基板を水平支持するスパッタ装置で本発明 実施することも可能である。
 また、上記実施形態の磁気回路ユニットは 第1極性の第1磁石の周囲に第2極性の第2磁石 を配置していたが、これに加えて、第2磁石 周囲に第1極性の第3磁石を配置して磁気回路 ユニットを構成してもよい。

 また、上記実施形態のスパッタカソード機 ではDC電源を採用したが、DC電源およびRF電 を併用することも可能である。DC電源のみ 採用した場合には、図8に示すように、スパ タ電圧300Vで成膜したZnO系膜(膜厚2000Å)の比 抵抗が436.6μωcmであった。これに対して、例 ば低電流4A設定のDC電源と350WのRF電源とを併 用した場合には、ZnO-2wt%Al 2 O 3 ターゲットに対するスパッタ電圧を100V程度 して成膜したZnO系膜(膜厚2000Å)の比抵抗が38 9.4μωcmであった。このように、DC電源にRF電 を併用することでスパッタ電圧が低下し、 パッタ電圧の低下に伴ってZnO系膜の比抵抗 低下する。すなわち、磁場強度だけでなく 源面からスパッタ電圧を低下させることに っても、ZnO系膜の低抵抗化が可能になる。

 本発明によれば、比抵抗が低く、耐熱性 優れた、ZnO系材料からなる透明導電膜の形 方法を提供することができる。