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Patent Searching and Data


Title:
METHOD OF IMPROVING THE QUALITIES OF SEED PLANT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/133223
Kind Code:
A1
Abstract:
It is intended to provide a method of constructing a GCA hybrid having a low caffeine content and taste and flavor favorable as a drink, which can be hardly obtained hitherto, by using a method of constructing a GCA hybrid comprising: the step of crossing C. eugenioides with C. canephora to give a GC hybrid; the step of doubling the chromosome number of the above-described GC hybrid to give a tetraploid GC hybrid; and the step of crossing the above-described tetraploid GC hybrid with C. arabica to give a GCA hybrid; and the GCA hybrid. It is also intended to provide foods and drinks such as a coffee drink having a low caffeine content and taste and flavor favorable as a drink which can be hardly obtained hitherto.

Inventors:
KAWASHIMA YOSHIAKI (JP)
NAGAI CHIFUMI (US)
RAKOTO MALALA JEAN JACQUES ROLLAND (MG)
Application Number:
PCT/JP2008/057653
Publication Date:
November 06, 2008
Filing Date:
April 21, 2008
Export Citation:
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Assignee:
UESHIMA COFFEE (JP)
NAT RES CT FOR RURAL DEV (MG)
KAWASHIMA YOSHIAKI (JP)
NAGAI CHIFUMI (US)
RAKOTO MALALA JEAN JACQUES ROLLAND (MG)
International Classes:
A01H1/02; A01H5/10; A01H6/76; A23F5/20
Domestic Patent References:
WO2004006658A12004-01-22
Foreign References:
JP2003304879A2003-10-28
Other References:
MAZZAFERA P. ET AL.: "Caffeine metabolism in Coffea arabica and other species of coffee", PHYTOCHEMISTRY, vol. 30, no. 12, 1991, pages 3913 - 3916
Attorney, Agent or Firm:
UNIUS PATENT ATTORNEYS OFFICE (13-9 Nishinakajima 5-chome,Yodogawa-ku, Osaka-shi, Osaka 11, JP)
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Claims:
 ユージノイド種とカネフォラ種を交配してGCハイブリッド種を生産する工程、
 前記GCハイブリッド種の染色体数を倍化して4倍体GCハイブリッド種を生産する工程、および、
 前記4倍体GCハイブリッド種とアラビカ種を交配してGCAハイブリッド種を生産する工程、
を含むGCAハイブリッド種の作出方法。
 前記ユージノイド種の種子のカフェイン含有量が0.21~0.76(乾燥重量%)である請求項1に記載のGCAハイブリッド種の作出方法。
 コルヒチンで染色体数を倍化する請求項1または2に記載のGCAハイブリッド種の作出方法。
 前記GCAハイブリッド種に、さらにアラビカ種または前記GCAハイブリッド種を1回以上交配してGCAハイブリッド種を生産する工程を含む請求項1~3のいずれかに記載のGCAハイブリッド種の作出方法。
 得られたGCAハイブリッド種の種子のカフェイン含有量が0.275~1.97(乾燥重量%)である請求項1~4のいずれかに記載のGCAハイブリッド種の作出方法。
 ユージノイド種とカネフォラ種を交配してGCハイブリッド種を生産し、次いで前記GCハイブリッド種の染色体数を倍化して4倍体GCハイブリッド種を生産し、さらに前記4倍体GCハイブリッド種とアラビカ種を交配して作出されるGCAハイブリッド種。
 前記ユージノイド種の種子のカフェイン含有量が0.21~0.76(乾燥重量%)である請求項6に記載のGCAハイブリッド種。
 コルヒチンで染色体数を倍化する請求項6または7に記載のGCAハイブリッド種。
 前記GCAハイブリッド種に、さらにアラビカ種または前記GCAハイブリッド種を1回以上交配して作出された請求項6~8のいずれかに記載のGCAハイブリッド種。
 得られたGCAハイブリッド種の種子のカフェイン含有量が0.275~1.97(乾燥重量%)である請求項6~9のいずれかに記載のGCAハイブリッド種。
 請求項1~5のいずれかに記載の作出方法で得られるGCAハイブリッド種を用いることによって得られる食品。
 請求項1~5のいずれかに記載の作出方法で得られるGCAハイブリッド種を用いることによって得られるコーヒー飲料。
Description:
種子植物の品質改良方法

 本発明は、種子植物の品質改良方法、よ 詳細には、低カフェイン含量でかつ高品質 味覚を有するGCAハイブリッド種およびその 出方法に関する。また、本発明は、上記GCA イブリッド種を用いた低カフェイン含量で つ高品質な味覚を有するコーヒー飲料など 食品類に関する。

 茶、コーヒー、ココア、ガラナ、マテ、 の他60種類近くの天然植物にカフェインが まれているといわれており、たとえば、茶 コーヒー、ココアはその抽出物を飲料とし 広く用いられている。

 カフェインは中枢神経興奮作用、強心作 、利尿作用等の生理活性を有しており、頭 、感冒等の医薬品に汎用されている。とこ が、摂取量や個人差によってはカフェイン もつ強い生理活性作用により、排尿、下痢 不眠症、不安感、胸焼け、心悸亢進、悪心 いらいら等が起こり、カフェイン過敏症の 々にとっては飲食物中のカフェイン含有量 重大な問題となる。このような理由から、 フェインが含有していない食品あるいは飲 が望まれている。

 従来より行われている植物性物質からの フェイン除去の代表的な方法には、塩素系 媒により抽出除去する方法(たとえば、特許 文献1~2参照)、超臨界二酸化炭素により抽出 去する方法(たとえば、特許文献3~4参照)、活 性炭等により吸着除去する方法(たとえば、 許文献5参照)、酸水溶液により抽出除去する 方法(たとえば、特許文献6参照)などがある。

 しかしながら、これらの方法のうち塩素 溶媒を用いる方法は、含塩素溶媒を使用す 点で安全上および残留性の問題がある上、 境上も好ましくなく、超臨界二酸化炭素に り抽出除去する方法は、大規模な設備を要 ため、イニシアルコストが高く、かつ生産 が低いという問題がある。活性炭等により 着除去する方法は、除去すべきカフェイン ともにポリフェノール類も吸着され、ポリ ェノール類の損失が大きいという欠点があ 。また、酸水溶液により抽出除去する方法 、酢酸エチル等の有機溶媒を必要とする上 ポリフェノール類の回収率が低いという問 がある。

 また一方で、より根本的に汚染物質を発 させない化学プロセスが求められており、 学物質の製造の際に、原料から副生成物に るまで汚染原因となる危険化学物質を使用 ない、発生させないことで環境汚染を未然 防止しようとする「グリーンケミストリー という考えが急速に広まってきており、化 物質を得るプロセスにおいて、微生物の働 を利用することも積極的に行われようとし いる。

 事実、カフェインを分解する微生物とし は、シュードモナス属細菌、アスペルギル 属およびペニシリウム属等の真菌類が知ら ており、真菌類の中にはカフェインを唯一 窒素源として生育可能な真菌が存在するこ も報告されている(たとえば、非特許文献1 照)。

 しかしながら、現在用いられている方法 は、カフェインの分解能力は必ずしも十分 ないことから、被処理物のカフェイン含量 低く押さえる必要があり、カフェイン耐性 の低い微生物は、その働きが阻害されると う問題もある。

 またシュードモナス属細菌においては、P seudomonas putidaのカフェイン資化能力を利用し て脱メチル化物のテオブロミンへ変換させる 方法(たとえば、特許文献7参照)がある。

 しかし、この方法では、微生物変換作用 あるため、培養中に微生物細胞外へ多量の オブロミンが放出される。テオブロミンは フェインより興奮作用等々の生理作用は弱 が、構造が変化するのみでいわゆるプリン ルカロイドの除去はできない。

 また、その他微生物を用いた実用的なカ ェインの分解方法としては、コーヒー抽出 滓、茶抽出残滓等のカフェイン含有物を早 に土壌代替物、土壌改良資材、有機質肥料 の有機質資材へ変換させる方法(たとえば、 特許文献8参照)がある。しかしながら、上記 法においてはカフェインの分解能力が低く 含有させるカフェインの濃度は、0.2重量%を 超えることは不可能であり、工業的規模で行 うには問題点があった。

 さらに、上記カフェイン除去方法では、 フェインの他の成分も除去されてしまい、 ーヒー飲料などにおいて必要な味覚や風味 損ねてしまうという大きな問題もあった。

 上述のように、コーヒー飲料などにおい 必要な味覚や風味を兼ね備え、かつカフェ ンを十分に低減した品種や作出方法、さら はカフェイン除去方法は今まで得られてい い。

特公平2-22755号公報

特公平2-12474号公報

特開昭48-4692号公報

特開平1-289448号公報

特公平1-45345号公報

特願平5-344744号公報

特許公開平5-95781号

特許公開2001-46057号 (Hakil, M., et al, Degradation and product anal ysis of caffeine and ralated dimethylxanthines by fil amentous fungi. Enzyme and Microbial Technology、22(5) 335-359、1998)。

 そこで、本発明の目的は、従来困難であ た、低カフェインでかつ飲料としての味覚 風味を兼ね備えたGCAハイブリッド種の作出 法を提供することである。

 また、本発明の目的は、従来困難であっ 、低カフェインでかつ飲料としての味覚や 味を兼ね備えたGCAハイブリッド種を提供す ことである。

 さらに、本発明の目的は、上記作出方法 より得られたGCAハイブリッド種を用いるこ により、従来困難であった、低カフェイン かつ飲料としての味覚や風味を兼ね備えた ーヒー飲料などの食品を提供することであ 。

 本発明者らは、上記目的を達成すべく、 意検討した結果、本発明を完成するに至っ 。

 すなわち、本発明のGCAハイブリッド種の作 方法は、
 ユージノイド種とカネフォラ種を交配してG Cハイブリッド種を生産する工程、
 前記GCハイブリッド種の染色体数を倍化し 4倍体GCハイブリッド種を生産する工程、お び、
 前記4倍体GCハイブリッド種とアラビカ種を 配してGCAハイブリッド種を生産する工程、
を含む。

 上記作出方法において、上記ユージノイ 種の種子のカフェイン含有量が0.21~0.76(乾燥 重量%)であり得る。

 上記作出方法において、染色体数の倍化 法は、コルヒチンを用いる方法であり得る

 上記作出方法においては、前記GCAハイブ ッド種に、さらにアラビカ種または前記GCA イブリッド種を1回以上交配してGCAハイブリ ッド種を生産する工程を含むことができる。

 上記作出方法においては、さらに、得ら たGCAハイブリッド種の種子のカフェイン含 量が0.275~1.97(乾燥重量%)であり得る。

 本発明のGCAハイブリッド種は、
 ユージノイド種とカネフォラ種を交配してG Cハイブリッド種を生産し、次いで前記GCハイ ブリッド種の染色体数を倍化して4倍体GCハイ ブリッド種を生産し、さらに前記4倍体GCハイ ブリッド種とアラビカ種を交配して作出され る。

 上記GCAハイブリッド種において、ユージ イド種の種子のカフェイン含有量が0.21~0.76( 乾燥重量%)であり得る。

 上記GCAハイブリッド種において、4倍体へ の工程がコルヒチンで染色体数を倍化するこ とであり得る。

 さらに、上記GCAハイブリッド種は、前記G CAハイブリッド種に、さらにアラビカ種また 前記GCAハイブリッド種を1回以上交配して作 出され得る。

 さらに、上記得られたGCAハイブリッド種 種子のカフェイン含有量が0.275~1.97(乾燥重 %)であり得る。

 本発明はまた、上記いずれかに記載の作 方法で得られるGCAハイブリッド種を用いた 品に関する。

 また、本発明は、上記いずれかに記載の 出方法で得られるGCAハイブリッド種を用い コーヒー飲料に関する。

 本発明のGCAハイブリッド種の作出方法を いることにより、工業的な手法でカフェイ を除去する方法を用いることなく、従来困 であった、低カフェインでかつ飲料として 味覚や風味を兼ね備えたGCAハイブリッド種 得ることができる。

 さらに、本発明においては、上記作出方 により得られたGCAハイブリッド種を用いる とにより、従来困難であった、低カフェイ でかつ飲料としての味覚や風味を兼ね備え コーヒー飲料などの食品を容易に得る事が 能となる。

 本発明の作出方法は、これまでのブラジ での低カフェインコーヒーのための品種改 時に問題であった不稔性、およびそのこと 次世代のコーヒーが得られず、商業的栽培 つなげることができなかったことにとらわ ずに、アラビカ種の祖先である2つの2倍体 を使うことによって、商業的栽培に適する の性質、すなわち増産が可能で、かつ、良 な味覚を持つ種子の性質を備え、かつ、低 フェインであるコーヒーの木を作り出すこ ができる。

コーヒーのカフェイン生合成経路を示 図である。 実施例における薄層クロマトグラフィ による分離の後の定量値(葉)に関するグラ である。 実施例における薄層クロマトグラフィ による分離の後の定量値(果実)に関するグ フである。 カフェイン含有量と検体数の関係に関 るグラフである。

 以下、本発明の実施の形態について詳細 説明する。

 本発明のGCAハイブリッド種の作出方法は、
 ユージノイド種とカネフォラ種を交配してG Cハイブリッド種を生産する工程、
 前記GCハイブリッド種の染色体数を倍化し 4倍体GCハイブリッド種を生産する工程、お び、
 前記4倍体GCハイブリッド種とアラビカ種を 配してGCAハイブリッド種を生産する工程、
を含む。

 また、本発明のGCAハイブリッド種は、
 ユージノイド種とカネフォラ種を交配してG Cハイブリッド種を生産し、次いで前記GCハイ ブリッド種の染色体数を倍化して4倍体GCハイ ブリッド種を生産し、さらに前記4倍体GCハイ ブリッド種とアラビカ種を交配して作出され る。

 本発明のGCAハイブリッド種の作出方法は まず、ユージノイド種とカネフォラ種を交 してGCハイブリッド種を生産する工程を含 。この先さらにアラビカ種にもどし交配す か、F2,F3を作ってカフェインの低い木を選抜 していくこともできる。

 なお、本発明において、GCAハイブリッド の雑種第1代目をF1、上記F1同士をかけあわ たものをF2、上記F2同士をかけあわせたもの F3とよぶものとする。

 ユージノイド種とカネフォラ種を交配す 方法は、具体的には、この両方の親を使っ 人工交配によって行われ得る。なお、コー ーにおける人工交配は世界的に使われてい (たとえば、van der Vossen H. ,1985. Coffee sele ction and Breeding.In:Coffee:Botany,Biochemistry and Pro duction of Beans and Beverage.(eds)M.N.Clifford and K. C.Willson.AVI PublishingCo.Inc.Westport.CT USA参照)。 の方法は、当業者に公知の方法を用いるこ ができ、特に限定はされないが、例えば、 発明においては、以下の方法を用いること できる。すなわち、カネフォラ種を雌株と て使い、開花の花から雄ずいと葯を取り除 、交配用の紙製の袋を被せる。次の日にユ ジノイド種の開花したばかりの花の葯をカ フォラ種の雌ずいに丁寧に塗りつけること より人工受粉させる。交配用の袋は受粉後3- 7日に取り除く。交配後、果実の成長を確認 て7ヶ月後、成熟した果実(果実の表皮が緑か ら赤に変わった時点)を収穫する。このよう して交配種子(C1-C37)が得られる。

 具体的には、低カフェイン含有量のコー ー原種(染色体数2n=22)のユージノイド(C.Eugeno ides)種とカネフォラ(C.canephora)種で行い、GCハ ブリッド種(染色体数2n=22)を人工交配させて 行う手法をあげることができる。

 次に、本発明のGCAハイブリッド種の作出 法は、前記GCハイブリッド種の染色体数を 化して4倍体GCハイブリッド種を生産する工 を含む。

 前記GCハイブリッド種の染色体数を倍化 て4倍体GCハイブリッド種を生産する方法は 限定はされないが、細胞分裂時にコルヒチ などの有糸分裂阻害物質を添加することで 複製された染色体の娘細胞への分配を阻害 、細胞内の染色体数を倍加させる方法が挙 られる。具体的には、GCハイブリッド種の中 で2種を選抜しコルヒチンを用いて染色体数 倍化を行い、アラビカ種と同じ染色体数(2n=4 4)にする手法をあげることができる。コルヒ ンによる染色体の倍化方法は特に限定され いが、たとえば、2倍体GCハイブリッドの幹 カットした部位に、滅菌濾過したコルヒチ 溶液(0.2%Colchicine、2%DMSO)を塗布し、数時間か ら数十時間処理することが挙げられる。その 他に、たとえば、2倍体GCハイブリッドの幹を カットした部位に、コルヒチン1部、ラノリ 50部、ココナッツウオーター50部の配合割合 ペーストを塗布し、その後、約1週間から1 月後に生育してきた4倍体の新しい葉を得る 法があげられる。ただし、4倍体を得る確率 は100%ではない。4倍体GCハイブリッド種を生 する方法としては、コルヒチンによる染色 の倍化を用いることが好ましい。

 また、本発明のGCAハイブリッド種の作出 法は、前記4倍体GCハイブリッド種とアラビ 種を交配してGCAハイブリッド種を生産する 程を含む。

 前記4倍体GCハイブリッド種(GC(2n=44)種)と ラビカ種を交配する方法は、この両方の親 使った人工交配によって行われ、その手法 特に限定はされない。例えば、本発明にお ては、以下の方法を採用することができる すなわち、CG種を雌株として使い、開花の花 から雄ずいと葯を取り除き、交配用の紙製の 袋を被せる。次の日にアラビカ種の開花した ばかりの花の葯をGC(2n=44)種ずいに丁寧に塗り つけることにより人工受粉させる。交配用の 袋は受粉後3-7日に取り除く。交配後、果実の 成長を確認して9~12ヶ月後、成熟した果実(果 の表皮が緑から赤に変わった時点)を収穫す る。GCAハイブリッド種子は、この果実から得 られる。

 具体的には、上記倍化を行った染色体数2 n=44のGCハイブリッド種とC.arabica種を掛け合わ せGCAハイブリッド種を得る手法を用いる。

 また、本発明のGCAハイブリッド種の作出 法は、前記GCAハイブリッド種に、さらにア ビカ種または前記GCAハイブリッド種を1回以 上交配してGCAハイブリッド種を生産する工程 を含むことが好ましい。

 より具体的には、GCAハイブリッド種のF1( 種第1代目)よりF2(自家受粉およびGCAハイブ ッド種同士のかけあわせSib Cross)とBack Cross( 戻し交配)によってGCAハイブリッド種(GCA Proge ncy)を得ることができる。

 また、上記F1同士をかけあわせたものをF2 、上記F2同士をかけあわせたものをF3とする き、GCAハイブリッド種のF2とF3の木から採取 れた葉と生豆(成熟した果実)のカフェイン 含有量をHPLC法で測定して低カフェインGCAハ ブリッド種を選別する。

 低カフェインGCAハイブリッド種グループ( カフェイン含有量<0.8%)より、さらにカフェ イン含有量の低い子孫を得るために、低いカ フェイン同士、アラビカとしてカフェインの 低い親と交配する手法を用いることができる 。また、より具体的には、上記交配を繰り返 し1000本以上の遺伝子型の違うGCAハイブリッ 種を作成しその中から選抜によってカフェ ン含有量がごく少なくアラビカタイプのコ ヒーを選抜する。

 また、低カフェインGCAハイブリッド種は 木によって栽培用に増殖することが可能で る。なお、コーヒーにおいては接木によっ コーヒーの味覚等に影響がないことが知ら ている。

 なお、先に述べた2倍体コーヒー原種のC.E ugenoides種を用いた例はなく、C.canephora種と交 し、ここまで2倍体であるところにコルヒチ ンを用い、4倍体にして、アラビカ種と交配 ている例は、コーヒーでは見当たらない。

 また、マスカロコフィア属にカフェイン 含まれていないことも知られていたが、こ マスカロコフィア属と他の種、あるいはア ビカ種をかけても飲料となる品質を持つ品 としては、使えないことも知られている。

 また、上記ユージノイド種の種子のカフ イン含有量が0~1(乾燥重量%)であるものを用 ることができ、好ましくは0.21~0.76(乾燥重量 %)であるものを用いることができ、より好ま くは0.35~0.62(乾燥重量%)であるものを用いる とができる。

 また、得られたGCAハイブリッド種の種子 カフェイン含有量が0.6(乾燥重量%)以下であ ものを用いることができ、好ましくは0.45( 燥重量%)以下であるものを用いることができ 、より好ましくは0.3(乾燥重量%)以下であるも のを用いることができる。

 上述のGCAハイブリッド種の作出方法によ 得られた、カフェインおよびテオブロミン 低減されたGCAハイブリッド種は、低カフェ ンでかつ飲料としての味覚や風味を兼ね備 ているために、上述したカフェインのもつ メリット、(たとえば、排尿、下痢、不眠症 、不安感、胸焼け、心悸亢進、悪心、いらい ら等)を懸念することなく、健康増進食品、 康維持食品、健康回復食品などの食品とし 簡便に利用できる。

 抽出液としてのコーヒーには、嗜好があ が、何らかの理由、たとえば妊娠中の女性 、一般的に言われるカフェインの覚醒効果 好ましくない場面(たとえば、深夜就寝前に コーヒーを飲用したい場合)などにも、通常 抽出液のコーヒーと味覚的に差異が少ない で、カフェインの弊害の低減または解消を 能にするものである。

 なかでも、本発明のGCAハイブリッド種は 同種の種子が低カフェインであることの特 、効果を活かしたレギュラーコーヒーやコ ヒー飲料などに好適なものである。

 品種改良においては、F6からF10までかけ 取り込みたい形質を持った品種を選抜して くのが、従来の方法であるが、コーヒーの 合においても、さび病対抗性のために、F8く らいから選抜され、まだ品質に問題のあるカ ティモール種などが作られている。一方、本 発明の作出方法は、これまでのブラジルでの 低カフェインコーヒーのための品種改良時に 問題であった不稔性、およびそのことで次世 代のコーヒーが得られず、商業的栽培につな げることができなかったことにとらわれずに 、アラビカ種の祖先である2つの2倍体種を使 ことによって、商業的栽培に適する木の性 、すなわち増産が可能で、かつ、良好な味 を持つ種子の性質を備え、かつ、低カフェ ンであるコーヒーの木を作り出したことに 異性がある。つまり、アラビカコーヒーが2 倍体の祖先から4倍体の種になった自然での 化(Evolution)の過程を人工的な染色体倍化によ って可能にし、かつ、育種交配と選抜で、低 カフェインのものを得ることを可能にした。 その結果、後述する官能試験におけるアラビ カと変わらない味覚のコーヒーを、F2、F3の 階で得ることができたことにつながる。

 以下、実施例によって本発明を具体的に 明する。当業者は本明細書の記載に基づい 容易に本発明に修飾、変更を加えることが き、それらは本発明の技術的範囲に含まれ 。

 ここで、本発明のGCAハイブリッド種は、 下の方法で得た。

 まず、低カフェイン含有量のコーヒー原 (染色体数2n=22)のユージノイド(C.Eugenoides)種 カネフォラ(C.canephora)種を交配に用いた。こ れらの2種を用いて、GCハイブリッド種(染色 数2n=22)を人工交配させて行う手法を採用し 。カネフォラ種を雌株として使い、開花の から雄ずいと葯を取り除き、交配用の紙製 袋を被せた。次の日にユージノイド種の開 したばかりの花の葯をカネフォラ種の雌ず に丁寧に塗りつけることにより人工受粉さ た。交配用の袋は受粉後3-7日に取り除いた 交配後、果実の成長を確認して7ヶ月後、成 した果実(果実の表皮が緑から赤に変わった 時点)を収穫した。37の交配種子(C1-C37)が得ら た。

 次に、このようにして得られたGCハイブ ッド種の染色体数を倍化して4倍体GCハイブ ッド種を生産した。

 上述のようにして得られたGCハイブリッ 種の染色体数を倍化して4倍体GCハイブリッ 種を生産する方法として、コルヒチンによ 染色体の倍化方法を用いた。2倍体GCハイブ ッドの幹をカットした部位に、コルヒチン1 量部、ラノリン50重量部、ココナッツウオ ター50重量部の配合割合のペーストを塗布し 、その後、約1週間から1ヶ月後に生育してき 4倍体の新しい葉を得た。これにより、100% はないが、GCハイブリッド種の中で2種を選 しコルヒチンを用いて染色体数の倍化を行 、アラビカ種と同じ染色体数(2n=44)の品種を ることができた。

 次に、前記4倍体GCハイブリッド種とアラ カ種を交配してGCAハイブリッド種を生産し 。

 前記4倍体GCハイブリッド種(GC(2n=44)種)と ラビカ種を交配する方法は、この両方の親 使った人工交配によって行われた。より詳 には、CG種を雌株として使い、開花の花から 雄ずいと葯を取り除き、交配用の紙製の袋を 被せた。次の日にアラビカ種の開花したばか りの花の葯をGC(2n=44)種ずいに丁寧に塗りつけ ることにより人工受粉させた。交配用の袋は 受粉後3-7日に取り除いた。交配後、果実の成 長を確認して9~12ヶ月後、成熟した果実(果実 表皮が緑から赤に変わった時点)を収穫した 。GCAハイブリッド種子は、この果実から得ら れた。

 具体的には、上記倍化を行った染色体数2 n=44のGCハイブリッド種とC.arabica種を掛け合わ せGCAハイブリッド種を得る手法を使った。

 GCAハイブリッド種の作出方法では、前記G CAハイブリッド種に、さらにアラビカ種また 前記GCAハイブリッド種を1回以上交配してGCA ハイブリッド種を生産する工程を随意取り入 れた。

 より具体的には、GCAハイブリッド種のF1( 種第1代目)よりF2(自家受粉およびGCAハイブ ッド種同士のかけあわせSib Cross)とBack Cross( 戻し交配)によってGCAハイブリッド種(GCA Proge ncy)を得た。

 また、上記F1同士をかけあわせたものをF2 、上記F2同士をかけあわせたものをF3とする き、GCAハイブリッド種のF2とF3の木から採取 れた葉と生豆(成熟した果実)のカフェイン 含有量をHPLC法で測定して低カフェインGCAハ ブリッド種を選別した。

 低カフェインGCAハイブリッド種グループ( カフェイン含有量<0.8%)より、さらにカフェ イン含有量の低い子孫を得るために、低いカ フェイン同士、アラビカとしてカフェインの 低い親と交配する手法を用いた。より具体的 には、上記交配を繰り返し1000本以上の遺伝 型の違うGCAハイブリッド種を作成しその中 ら選抜によってカフェイン含有量がごく少 くアラビカタイプのコーヒーを選抜した。 お、以下の実施例におけるGCAハイブリッド はいずれもF2である。

 〔実施例1〕
 GCAハイブリッド種の官能試験の結果を下記 1に示す。下表に示すような評価基準で、8 目について行なった。なお、評価基準は、 項目とも、良(5)~普通(3)~悪(1)とした。

 この味覚評価サンプルは、マダガスカル シャンバビ試験場より、2006年3月に日本に送 られたハイブリッド種サンプルで、それらの 収穫時期は、2005年8~10月の間であった。また カフェイン含有量は、0.52%であった。

 〔実施例2〕
 実施例1と同様に、別タイプのハイブリッド 種の味覚評価の結果を下記表2に示す。なお 各項目の評価基準は、先に示したとおりで る。

 この味覚評価サンプルも、マダガスカル シャンバビ試験場より、2006年3月に日本に送 られたハイブリッド種サンプルで、それらの 収穫時期は、2005年8~10月の間であった。また カフェイン含有量は、上記実施例1のサンプ ル同様、0.52%であった。

 〔実施例3〕
 実施例1と同様に、別タイプのハイブリッド 種の味覚評価の結果を下記表3に示す。なお 各項目の評価基準は、先に示したとおりで る。

 この味覚評価サンプルも、マダガスカル シャンバビ試験場より、2006年11月に日本に られたGCAハイブリッド種サンプルで、それ の収穫時期は、2006年8~10月の間であった。ま た、カフェイン含有量は、0.68%であった。さ に、この味覚評価に用いた液のpHは、5.14で った。

 〔実施例4〕
 実施例1と同様に、別タイプのハイブリッド 種の味覚評価の結果を下記表4に示す。なお 各項目の評価基準は、先に示したとおりで る。

 この味覚評価サンプルも、マダガスカル シャンバビ試験場より、2006年11月に日本に られたハイブリッド種サンプルで、それら 収穫時期は、2006年8~10月の間であった。また 、カフェイン含有量は、0.52%であった。さら 、この味覚評価に用いた液のpHは、5.23であ た。

 〔実施例5〕
 実施例1と同様に、別タイプのハイブリッド 種の味覚評価の結果を下記表5に示す。なお 各項目の評価基準は、先に示したとおりで る。

 この味覚評価サンプルも、マダガスカル イラカ試験場より、2006年11月に日本に送ら たハイブリッド種サンプルで、それらの収 時期は、2006年8~10月の間であった。また、カ フェイン含有量は、0.45%であった。さらに、 の味覚評価に用いた液のpHは、5.15であった

 〔比較例1〕
 アラビカ種と交配する前の段階のGCを構成 るそれぞれ(ユージノイド種とカネフォラ種) について、味覚評価を行なった結果を下記表 6に示す。なお、各項目の評価基準は、先に したとおりである。

 この味覚評価サンプルについて、ユージ イドとしては「A16 C.Eugenoides」(2006年 7月 4 日 Madagascar Kianjavato試験場にて、パーチメン トを入手、現地でハリングしたサンプリング )を、カネフォラ種としては「インドネシア  AP-1」(ロット:15/1126/97C)を用いた。

 〔比較例2〕
 アラビカ種と交配する前の段階の2倍体GCに いて、味覚評価を行なった結果を下記表7に 示す。なお、各項目の評価基準は、先に示し たとおりである。

 味覚評価サンプルとしては、2006年11月に Madagascar Kianjavato試験場から入手したサンプ ルを用いた。さらに、この味覚評価に用いた 液のpHは、5.65であった。

 〔比較例3〕
 エチオピア産のコーヒーの味覚評価を行な た結果を下記表8に示す。なお、各項目の評 価基準は、先に示したとおりである。

 〔比較例4〕
 グアテマラ産のコーヒーの味覚評価を行な た結果を下記表9に示す。なお、各項目の評 価基準は、先に示したとおりである。

 〔比較例5〕
 コロンビア産のコーヒーの味覚評価を行な た結果を下記表10に示す。なお、各項目の 価基準は、先に示したとおりである。

 さらに、この味覚評価に用いた液のpHは 5.03であった。

 上記味覚評価の結果、アラビカ種との交 前のGC種や、GC種を構成するユージノイド種 、カネフォラ種との比較において、アラビカ 種交配後の実施例1~5は、いずれにおいても味 覚の向上が認められた。

 また、実施例1~5は、通常のアラビカタイ 3種と比較した場合、2種のアラビカ種より 、高い評価を得た。すなわち、アラビカ種 味覚にも、評価の高低において、いくつか タイプがあるが、全タイプではないが、ア ビカ種並の味覚水準まで大幅に向上してい ことを確認した。特に、数値化は難しいが アラビカ種交配後の実施例1~5は、ロブスタ 特有の香り、味覚がなくなっていることが 認できており、低カフェインでかつ飲料と ての味覚や風味を兼ね備えたGCAハイブリッ 種が得られることがわかる。

 さらに、上記実施例・比較例で用いたサ プルの液性の分析(液性試験)結果を以下、 11に示す。

 なお、上記液性試験の各項目の詳細は以 のとおりである。なお、中細挽焙煎コーヒ 8gに対し、熱湯155gを加えて、15分浸漬した の上澄み液を分析用試料とした。なお、カ ピングに用いたものと同様の方法での抽出 ある。

 (Brix:示度)
 溶液中に合まれでいるコーヒーの可溶性固 分(濃度)を測定した値である。結晶性の物 が溶液中で光を屈折する性質を利用し、そ 屈折率によりその合量を測定した。使用し 装置は、ATAGO社製RX-5000である。なお、Brixの が大きいことは、抽出溶液中に多くの可溶 固形分が含まれることを意味し、コーヒー 濃厚感が強い(濃い)ことを表す指標になる

 (pH)
 一般的に酸味を持つ成成分(無機酸、有機酸 、酸性塩など)は、水中で解離して水素イオ を生じる。コーヒー抽出液のpHは7以下とな 酸性を示すが、コーヒー抽出液のpHを測定す ることで酸味を測る指標となる。測定は、HOR IBA社製F-54を用いて行った。なお、pH値が低い ことは酸味が強いことを示す。

 (酸度:citric.w/v%)
 一般に滴定酸度といわれるが、食品中の遊 酸の含有量を測定した値である。0.1N水酸化 ナトリウム水溶液で滴定し、中和に要した添 加量より計算した。コーヒーの酸味の指標と なる。酸度は、KEM社製ATF-500を用いて行った

 (濁度:O.D.at720nm)
 コーヒー抽出液の濁りの程度を測定した値 ある。分光光度計(SHIMADZU社製UV-1200)を用い 、特定波長(720nm)の光のエネルギーを試料(コ ーヒー抽出液)が吸収する強度を測定した。 た、濁度の測定においては、もともとの試 の色度の影響を考慮して、720nmの波長に設定 している。なお、濁度(O.D.at720nm)の値が大き ことは、コーヒー抽出液の濁りの度合いが いことを意味する。

 (吸光度:O.D.at420nm)
 コーヒー抽出液の褐色の強さを測定した値 ある。濁度と同様に、分光光度計(SHIMADZU  製UV-1200)を用いて、特定波長(420nm)の光のエ ルギーを試料(コーヒー抽出液)が吸収する強 度を測定した。なお、吸光度(O.D.at420nm)の値 大きいことは、コーヒー抽出液の褐色度が くなることを意味する。

 上記液性試験の結果、アラビカ種との交 後の、SB163、SB204およびIE1229は、それぞれpH 、5.23、5.14、5.15を示しており、前述のGC種 値より低くなっており、この3タイプの味覚 カネフォラ特有の味覚(いわゆるロブスタ臭 )がない傾向と合致していた。

 〔実施例6〕
 GCAハイブリッド種のカフェイン代謝実験を 記のような方法で行った。

 具体的には、2006年12月にマダガスカル  ラカ試験場で栽培されたGCAハイブリッド種 らびにその親のアラビカ種、ユージノイド 、カネフォラ種それぞれの、葉および若い 実を採集し、室温にて輸送し、48時間後に代 謝実験を開始した。なお、用いたサンプルは 下記表12に示す。

 (実験方法)
 Koshiro et al.(Yukiko Koshiro、Chifumi Nagai、Hirosh i Ashiharaら:Plant Science 171、242~250(2006))の方法 に基づいて 14 Cで標識したアデノシンを18時間投与し、 14 Cのテオブロミン、カフェインへのとりこみ から、プリンアルカロイドの生合成能を算 した。

 標識化合物、[8- 14 C]アデノシンは、市販(Moravek Biochemical社製)の ものを用いた。また、メタノール可溶性物質 を濃縮後、薄層クロマトグラフィーにより分 離後、バイオイメージアナライザー(富士フ ルム社製)で放射活性を定量化した。

 コーヒーのカフェイン生合成経路を図1に 示した。

 カフェインの生合成の主要経路は、AMP(ア デノシン-リン酸)から開始するが、ここでは AMPの前駆体であるアデノシンを投与した。 デノシンはコーヒーの細胞内で、AMPに変換 れ、テオブロミンを経由してカフェインに る。

 (結果)
 葉のカフェイン合成能を示す相対的生合成 性を比較すると、表13に示す通り、アラビ 種とカネフォラ種の葉でカフェインの生合 が見られたが、ユージノイド種では、見ら なかった。また、低カフェインのGCAハイブ ッド5検体では、それぞれ少量の合成能しか められなかった。

 薄層クロマトグラフィーによる分離の後の 量値の相対的生合成活性は、アラビカ種が 20.3%、カネフォラ種が、12.6%、ユージノイド 種が0.0%であった。
低カフェインのGCAハイブリッド種(IE37-a)からG CAハイブリッド種(IE37-e)が、それぞれ3.6%、8.3% 、11.4%、2.8%、3.4%であった。GCAハイブリッド 5検体の平均は、5.90%、標準誤差(SE)は、1.691 あった。

 アラビカ種、カネフォラ種の検体数はそ ぞれ1であるが、GCAハイブリッド5検体の平 値のばらつきを考慮(95%の確率で、平均値は2 .518~9.282%の幅の中にある)しても、GCAハイブリ ッド種5検体の方が、アラビカ種、カネフォ 種と比較した場合、低カフェイン合成能で った。

 カフェインの代謝データの中で、分解能 調査したが、その結果は、いずれのサンプ も、分解能が認められなかった。つまり、 サンプルの最終的なカフェイン含有量は、 回の実験データから、合成能に依存してい と考えられる。最終的なカフェイン含有量 少ないのは。合成能が低いことと相関があ ことがわかる。

 〔実施例7〕
 実施例6のようにして行った若い果実でのカ フェイン合成能の比較においても、表13に示 通り、傾向は、同じであった。アラビカ種 は、26.7%のカフェイン合成能が認められた 、GCA(IE37-a)からGCA(IE37-d)においては、それぞ 、6.3%、12.2%、8.9%、4.9%であった。また、GCA イブリッド種4検体の平均は、8.08%、標準誤 (SE)は、1.604であった。

 アラビカ種、カネフォラ種の検体数はそ ぞれ1であるが、GCAハイブリッド種5検体の 均値のばらつきを考慮(95%の確率で、平均値 4.872~11.288%の幅の中にある。)すると、GCA4検 の方が、アラビカ種と比較した場合、低カ ェイン合成能であった。

 〔実施例8〕
 表13に示す通り、採集した葉でのカフェイ とテオブロミンの相対的生合成の活性の定 値は、アラビカ種とカネフォラ種のそれぞ で、合計36.6%、27.0%なのに比べ、低カフェイ のGCAハイブリッド種5検体では、GCA(IE37-a)か GCA(IE37-e)で、それぞれ7.6%、17.5%、20.7%、8.0% 6.6%であった。GCAハイブリッド種5検体の平均 は、12.08%、標準誤差(SE)は、2.919であった。

 アラビカ種、カネフォラ種の検体数はそ ぞれ1であるが、GCAハイブリッド種5検体の 均値のばらつきを考慮(95%の確率で、平均値 6.242~17.918%の幅の中にある。)しても、GCAハ ブリッド種5検体の方が、アラビカ種、カネ ォラ種と比較した場合、カフェインとテオ ロミンの合計の定量値は低かった。

 低カフェインのGCAハイブリッド種5検体は 、95%の確率の分布幅があるが、平均値で比較 すると、アラビカ種、カネフォラ種のそれぞ れ、約33%、約45%のカフェイン、テオブロミン 合成能しか見られなかった。

 〔実施例9〕
 表13に示す通り、採集した若い果実での、 フェイン、テオブロミンの相対的活性の定 値は、アラビカ種、カネフォラ種がそれぞ 、43.2%、42.6%なのに比べて、低カフェインのG CAハイブリッド種4検体では、GCA(IE37-a)からGCA( IE37-d)で、それぞれ16.0%、31.8%、27.5%、19.5%であ った。GCA4検体の平均は、23.70%、標準誤差(SE) 、3.621であった。

 アラビカ種、カネフォラ種の検体数はそ ぞれ1であるが、GCA5検体の平均値のばらつ を考慮(95%の確率で、平均値は16.458~30.942%の の中にある。)しても、GCAハイブリッド種4検 体の方が、アラビカ種、カネフォラ種と比較 した場合、カフェインとテオブロミンの合計 の定量値は低かった。

 低カフェインのGCAハイブリッド種全体で 、アラビカ種、カネフォラ種と比較して、 60%のカフェイン、テオブロミン合成能しか られなかった。

 低カフェインのGCAハイブリッド種4検体は 、95%の確率の分布幅があるが、平均値で比較 すると、アラビカ種、カネフォラ種のそれぞ れ、約55%約56%のカフェイン、テオブロミン合 成能しか見られなかった。

 (作出例)
 このカフェイン含有量の分布の内訳を以下 示す。2001年から2007年にかけて総数2670本のG CAが低カフェインGCAの選抜に使われた。この ち、581本、22%(=581í2670)の木より収穫して得 生豆(種子)に含まれるカフェイン含有量を 析した結果、平均は0,96%のカフェイン含有量 (乾物重量%)で、最低値のそれは、0.275%、最高 値のそれは1.97%であった。

 以下、表14~16とグラフ(図4)で、カフェイ の含有量と検体数の関係を示す。

 カフェイン含有量0.6%以下のGCAが得られた 確率は、5.7%(=0.17+0.52+2.1+2.7%)で、その他の多 のGCAは、目標の低い値のカフェイン含有量 はなく、その割合は、全体の約94.3%であった 。

 また、次の2つの表15および16に、カフェ ン分析を行ったGCA300本のカフェイン含有量 示した。(これらの表は、GCAの世代とカフェ ン含量の分布状況を示す。)この表で示す300 本のカフェイン含量のデータは、先に述べた 581本の木のうち、Generationが、はっきりして る木が300本あり、その木からのカフェイン 量のデータである。

 これらの表から、カフェイン含有量0.6%以下 のGCAの選択率は、F2において17.2%~40%であるが F3、F4では、6.1~9.1%とであった。