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Patent Searching and Data


Title:
METHOD OF INSPECTING OIL-FILLED ELECTRICAL APPARATUS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/054155
Kind Code:
A1
Abstract:
A method by which an abnormality in an oil-filled electrical apparatus caused by the generation of copper sulfide can be detected with satisfactory precision even when the insulating oil is used in a slight amount. This method of inspecting an oil-filled electrical apparatus is for detecting an abnormality in an oil-filled electrical apparatus having a copper part disposed in an insulating oil. The method comprises determining either of bibenzyl and dibenzyl sulfide contained in the oil of the oil-filled electrical apparatus and judging the degree of an abnormality in the oil-filled electrical apparatus based on the amount of the compound determined. Thus, the abnormality in an oil-filled electrical apparatus caused by the generation of copper sulfide can be detected by determining a specific substance. The abnormality can hence be detected with satisfactory precision even when the insulating oil is used in a slight amount.

Inventors:
TOYAMA, Satoru (7-3 Marunouchi 2-chome, Chiyoda-k, Tokyo 10, 1008310, JP)
外山 悟 (〒10 東京都千代田区丸の内二丁目7番3号 三菱電機株式会社内 Tokyo, 1008310, JP)
TANIMURA, Junji (7-3 Marunouchi 2-chome, Chiyoda-k, Tokyo 10, 1008310, JP)
谷村 純二 (〒10 東京都千代田区丸の内二丁目7番3号 三菱電機株式会社内 Tokyo, 1008310, JP)
Application Number:
JP2008/057400
Publication Date:
April 30, 2009
Filing Date:
April 16, 2008
Export Citation:
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Assignee:
Mitsubishi Electric Corporation (7-3 Marunouchi 2-chome, Chiyoda-ku Tokyo, 10, 1008310, JP)
三菱電機株式会社 (〒10 東京都千代田区丸の内二丁目7番3号 Tokyo, 1008310, JP)
TOYAMA, Satoru (7-3 Marunouchi 2-chome, Chiyoda-k, Tokyo 10, 1008310, JP)
外山 悟 (〒10 東京都千代田区丸の内二丁目7番3号 三菱電機株式会社内 Tokyo, 1008310, JP)
TANIMURA, Junji (7-3 Marunouchi 2-chome, Chiyoda-k, Tokyo 10, 1008310, JP)
International Classes:
H01F41/00; H01F27/00; H01F41/00; H01F27/00
Attorney, Agent or Firm:
TAKAHASHI, Shogo et al. (Corporate Intellectual PropertyDivision, 7-3, Marunouchi 2-chom, Chiyoda-ku Tokyo 10, 1008310, JP)
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Claims:
絶縁油中に銅部品が設置された油入電気機器の異常を診断する油入電気機器の診断方法であって、前記絶縁油中にビベンジルおよびジベンジルスルフィドのいずれかの化合物を検出し、前記化合物の検出量に応じて前記油入電気機器の異常を診断する油入電気機器の診断方法。
絶縁油中に銅部品が設置された油入電気機器の異常を診断する油入電気機器の診断方法であって、前記絶縁油中にベンジル基に硫黄が結合した硫黄化合物を検出し、前記硫黄化合物の検出量に応じて前記油入電気機器の異常を診断する油入電気機器の診断方法。
絶縁油中に銅部品が設置された油入電気機器の異常を診断する油入電気機器の診断方法であって、前記絶縁油中にビベンジルと、前記絶縁油中にベンジル基に硫黄が結合した硫黄化合物とを検出し、ビベンジルと前記硫黄化合物との検出量に応じて前記油入電気機器の異常を診断する油入電気機器の診断方法。
絶縁油中に銅部品が設置された油入電気機器の異常を診断する油入電気機器の診断方法であって、絶縁油とアルミナまたはシリカゲルとを接触させる工程と、前記絶縁油と接触後の前記アルミナまたは前記シリカゲルを溶媒に浸漬する工程と、前記アルミナまたは前記シリカゲルを浸漬した前記溶媒を分析してビベンジルまたはベンジル基に硫黄が結合した硫黄化合物を検出し、ビベンジルまたは前記硫黄化合物の検出量に応じて前記油入電気機器の異常を診断する工程とを有することを特徴とする油入電気機器の診断方法。
化合物の検出方法がガスクロマトグラフ質量分析法によることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の油入電気機器の診断方法。
Description:
油入電気機器の診断方法

 この発明は、油入電気機器の硫化腐食に づく不良発生を診断する方法に関する。

 油入変圧器などの油入電気機器は、その 縁油として硫黄成分を含むものがある。そ 場合、硫黄成分と油中の銅部品とが反応し 導電性の硫化銅が生成し、絶縁破壊を生じ などの問題があることが知られている。し しながら、この硫化銅の生成メカニズムの 細はわかっていない。また、既設機器を停 せずに硫化銅の生成による油入電気機器の 常を診断することは難しい。そこで硫化腐 が生じにくい絶縁油の選定や硫黄化合物の 去技術によって硫化銅の生成を生じにくく ることが行われている。

 例えば、絶縁油ついて下記の日本特許文 1に硫化腐食が発生しにくい絶縁油の選定方 法が示されている。一定量の絶縁油と所定の 表面積を有する銅板とを容器に封入して、所 定の温度で所定の時間加熱した後、絶縁油中 に含まれる油中溶解銅及び硫酸イオンの含有 率を測定し、それぞれの含有率の和により絶 縁油の硫化腐食性を診断する。

 また、ある種の物質を検出すること油入電 機器の異常を診断方法する方法が知られて る。例えば、下記の日本特許文献2には、運 転中の平常油入電気機器からは検出されず、 過熱や放電異常時のみに検出されやすい酢酸 [CH 3 COOH]、3ペンタノン[CH 3 CH 2 COCH 2 CH 3 ]、2.5ジメチルフラン[C 6 H 8 O]、ブチルアルデヒド[CH 3 CHCHCHO]、2メトキシエタノール[C 3 H 8 O 2 ]、メタンチオール[CH 3 SH]、ジメチルサルファイド[(CH 3 )S 2 ]、アンモニア[NH 3 ]、1.3ジアジン[C 4 H 4 N 2 ]、メチルビニルアセチレン[C 5 H 6 ]、2メチル1.3ブタジエン[C 5 H 8 ]の検出の有無から、機器内部の過熱異常又 放電異常を診断する方法が示されている。

 また、下記の日本特許文献3には、油中に含 まれる二酸化炭素[CO 2 ]、一酸化炭素[CO]、メタン[CH 4 ]、水素[H 2 ]、エタン[C 2 H 6 ]、エチレン[C 2 H 4 ]、アセチレン[C 2 H 2 ]などの各種ガス量を、油入変圧器やリアク ル、自動電圧調整器等の油入電気機器、油 ケーブル等の劣化や異常の状況を示すバロ ータとする診断方法が示されている。

 また、下記の日本特許文献4や下記の日本 特許文献5には、ヒドロキシメチルフルフラ ルやフルフラールを検出して絶縁紙の劣化 標とする油入変圧器の診断方法が示されて る。

 また、下記の日本特許文献6には、油入電 気機器の流動帯電を診断するために、油中の 硫黄化合物やその生成物を検出する方法が示 されている。

特開平7-335446号公報

特開平9-72892号公報

特開2000-241401号公報

特開平5-315147号公報

特開平8-124751号公報

特開2005-223104号公報

 油入電気機器の絶縁油に含まれる硫黄成 と油中の銅部品とが硫化銅を生成すること よる油入電気機器の異常を診断するには、 許文献1のように銅板と絶縁油とを加熱する 処理が必要であり手間や時間がかかった。ま た銅板と絶縁油とを反応させるために、診断 の精度を向上するためには、十分な量の絶縁 油を必要とした。また、特許文献2~6のように 種々の物質を検出して油入変圧器の診断方法 が示されているが、これらによって硫化銅を 生成することによる油入電気機器の異常を診 断することはできなかった。

 そこで、本発明は硫化銅を生成すること よる油入電気機器の異常を微量の絶縁油を いても精度よく診断できる方法を実現する

 本発明の油入電気機器の診断方法は、絶 油中に銅部品が設置された油入電気機器の 常を診断する油入電気機器の診断方法であ て、絶縁油中にビベンジルおよびジベンジ スルフィドのいずれかの化合物を検出し、 の化合物の検出量に応じて前記油入電気機 の異常を診断する油入電気機器の診断方法 した。

 硫化銅を生成することによる油入電気機 の異常を特定の物質の検出により診断でき ようにしたため、微量の絶縁油を用いても 度よく異常を診断できる。このため、既設 油入電気機器から微量の絶縁油を抜き取っ 診断できるようになり、油入電気機器を停 せずに診断することが容易となる。

本実施の形態1の油入電気機器の診断方 法の検出物質の一部の構造式である。 本実施の形態1の油入電気機器の診断方 法を決定するために行った実験結果を示す表 である。 本実施の形態1の油入電気機器の診断方 法の一例を示すグラフである。 本実施の形態2の油入電気機器の診断方 法の実験結果を示すグラフである。 本実施の形態2の油入電気機器の診断方 法の実験結果を示すグラフである。 本実施の形態2の油入電気機器の診断方 法の実験結果を示すグラフである。 本実施の形態3の油入電気機器の診断方 法の実験結果を示すグラフである。 本実施の形態3の油入電気機器の診断方 法の実験結果を示すグラフである。

 実施の形態1.
 本発明の診断方法が対象とする油入電気機 は、絶縁油を入れた容器と、その絶縁油中 浸漬された銅や銅合金を有する銅部品を備 るものである。例えば、銅からなるコイル 、そのコイルに巻かれた絶縁紙とを有する 圧器である。また絶縁油は例えば日本工業 格JIS C 2320で示されるような絶縁油である

 本実施の形態1の油入電気機器の診断方法 はジベンジルジスルフィドなどのベンジル基 に硫黄が結合した硫黄化合物を検出すること によって油入電気機器が異常であることを診 断する診断方法である。図1は本実施の形態1 油入電気機器の診断方法の検出物質である 黄化合物に結合したベンジル基の部分を示 構造式である。以下に詳細を説明する。

 油入電気機器の絶縁油に硫黄を含む成分 あると銅と反応して導電性の硫化銅が生じ 絶縁不良を生じる問題が知られている。し し、絶縁油中のどのような硫黄物質が硫化 の生成に影響が大きいかは知られてなかっ 。そこで、硫化銅の生成に影響が大きい物 が特定できれば、その物質の存在のみを検 して、硫化銅の生成に基づく油入電気機器 異常が診断できると考え下記のような実験 行った。

 絶縁油に含まれる硫化化合物は種々である 、ヘキシルメルカプタン、ジヘキシルスル ィド、ジヘキシルジスルフィド、ヘキシル オフェン、ベンジルメルカプタン、ジベン ルスルフィド、ジベンジルジスルフィド、 ベンジルスルホキシド、を選定してこれら 硫化化合物と銅との反応性を調べた。まず これらの化合物をそれぞれJIS C 2320の2種3 油の絶縁油であるアルキルベンゼン油に溶 した試料油を作成する。各化合物を溶解さ る量は溶解した時点で硫黄の質量濃度が30ppm となるように量を調整した。次に各試料油を 4g秤量し、10cm 3 のサンプル瓶に封入した。各試料油とともに サンプル瓶に封入される気相部分は空気とし た。さらに、このサンプル瓶に銅板(15mm×20mm 厚さ0.2mm、約0.5g)を入れ、銅板を試料油に浸 漬した。このサンプル瓶を135℃で72時間加熱 、銅板の変色により銅との反応性を評価し 。なお、この変色は硫化銅の生成によるも であり、変色が強いものほど銅との反応性 高く、硫化銅が多く生成することを示す。

 図2は本実施の形態1の油入電気機器の診 方法を決定するために行った実験結果を示 表である。ベンジルメルカプタンとジベン ルジスルフィドがもっとも変色が強く、従 て硫化銅の生成量が多い。また、ジベンジ スルフィドとジベンジルスルホキシドでも 色が生じて、硫化銅の生成が見られた。一 、ヘキシルメルカプタン、ジヘキシルスル ィド、ジヘキシルジスルフィド、ヘキシル オフェンは変色がほとんどなく、硫化銅の 成への影響が小さいことがわかった。

 ヘキシルメルカプタン、ジヘキシルスル ィド、ジヘキシルジスルフィド、ヘキシル オフェンはアルキル基に硫黄が結合した硫 化合物であり、これらは硫化銅の生成への 響が小さい。一方、ベンジルメルカプタン ジベンジルスルフィド、ジベンジルジスル ィド、ジベンジルスルホキシドはベンジル に硫黄が結合した硫黄化合物であり、銅と 反応性が高いことがわかった。

 従って、絶縁油中のベンジル基に硫黄が 合した硫黄化合物を検出すれば、その絶縁 が入った油入電気機器は硫化銅による絶縁 良が生じやすいと判断できる。そこで、本 施の形態1の油入電気機器はベンジル基に硫 黄が結合した硫黄化合物を検出し、その化合 物の検出量に応じて前記油入電気機器の油入 電気機器の異常を診断する。

 絶縁油中の硫黄化合物の検出方法は、た えば、ガスクロマトグフラフ質量分析法GC-M S(Gas Chromatograph-Mass. Spectrometry)を用いること より可能である。検出する物質が特定され いるので、少量の絶縁油であっても検出が 能である。

 図3は本実施の形態1の油入電気機器の診 方法の硫黄化合物の検出手段の一例であるGC -MSの測定結果を示すグラフである。図はJIS C  2320の1種4号油の鉱油からなる絶縁油にジベ ジルジスルフィド(以下ではDBDSと省略する )が含まれていた場合にGC-MSで測定されるマ クロマトグラムを示している。図において 横軸はガスクロマトグフラフのカラムに導 してからの経過時間であり、縦軸は検出信 強度である。縦軸は最も信号強度の強い値 100とした任意単位で示してある。図に示さ るように絶縁油中にジベンジルジスルフィ が入っている場合は絶縁油をカラムに導入 てから特定の時間Tの経過後に、ベンジル基 質量電荷比の検出信号強度にピークが現れ 。特定の時間Tは物質によって異なる時間で あり、また測定機や測定条件にも依存する時 間である。なお、図においてDBDSのピークよ 早い時間にピークQが表れているが、硫黄化 物ではなく本発明に関係しない物質による のである。また、ピークQやDBDSのピークに なってブロードな信号は、鉱油に含まれる 分によるノイズであり、これらも硫黄化合 によるものではない。

 既設の油入電気機器よりその絶縁油を少 抜き取り、上で述べたような検出方法によ 、その絶縁油中のベンジル基に硫黄が結合 た硫黄化合物を検出し、その化合物の検出 に応じてその油入電気機器が異常であるか または異常を生じる可能性が高いことを診 できる。

 異常の判断は、ベンジル基に硫黄が結合 た硫黄化合物を検出したことによってもよ し、それらの化合物が特定の濃度以上含有 ることによってもよい。ベンジル基に硫黄 結合した硫黄化合物の濃度が非常に低い場 、油入電気機器の構成によっては硫化銅が 縁不良を生じるまで影響しないことが考え れる。つまり、それらの硫黄化合物の絶縁 中の許容濃度は変圧器の絶縁構造に依存す ので、特定の濃度以上含有すると診断がよ 正確となる。

 本実施の形態1の診断方法によれば、あら かじめ油入電気機器に入れる絶縁油中の硫黄 化合物を測定したり、その硫黄化合物量の時 間的変化を計測したりする必要がない。この ため、既設の油入電気機器に対する診断が容 易である。

 一方、油入電気機器に入れる前の未使用 絶縁油中のベンジル基に硫黄が結合した硫 化合物の濃度を測定したり、その硫黄化合 の濃度の時間的変化を計測したりしてもよ 。これらの硫黄化合物は油入電気機器に絶 油を入れる時点で混入しているものと考え れる。油入電気機器に入れる前にこれらの 黄化合物を検出すれば、そのような絶縁油 油入電気機器に入れることを事前に防止で る。また、後述するように、これらの硫黄 合物は銅と反応すると考えられる。硫化銅 生成に伴い、これらの硫黄化合物は減少す と考えられるので、初期の硫黄化合物の濃 と、使用中の硫黄化合物の濃度とから、生 した硫化銅を推定して異常を診断すること 可能である。

 実施の形態2.
 本実施の形態2の油入電気機器の診断方法は 絶縁油中にビベンジルおよびジベンジルスル フィドのいずれかの化合物を検出し、その化 合物の検出量に応じて油入電気機器の異常を 診断する診断方法である。以下に詳細を説明 する。

 絶縁油中にジベンジルジスルフィドなど ベンジル基に硫黄が結合した硫黄化合物が 在した場合、銅との反応によって硫化銅の 成が起こる。この反応によって硫化銅の生 の際に生じる化合物を検出すれば、間接的 硫化銅の生成を知ることができる。しかし がら、従来、硫化銅が生成するメカニズム 詳細が不明であったため実現されなかった

 銅とベンジル基に硫黄が結合した硫黄化 物との反応による生成物の研究をすすめる ちに、その反応によってビベンジルおよび ベンジルスルフィドが生じることが判明し 。その反応メカニズムは、まず第1段階とし てベンジル基に硫黄が結合した硫黄化合物が 銅板に吸着する反応が起こり、次いで第2段 として硫黄化合物が銅と反応して硫化銅が じるとともにベンジルラジカル及びベンジ スルフェニルラジカルが生成する反応が起 ると考えられる。

 第2段階で生成したベンジルラジカルは、 ベンジルラジカル同士が反応し、ビベンジル を生成する。ベンジルスルフェニルラジカル は水素ラジカルと反応しベンジルメルカプタ ンを、ベンジルラジカルと反応しジベンジル スルフィドを、またベンジルスルフェニルラ ジカル同士と反応しジベンジルジスルフィド を生成する。

 これらの化合物でベンジルメルカプタン 変圧器内のように銅が共存する環境下では 易にジベンジルジスルフィドに酸化され、 の化合物と見分けがつかなくなるために診 には適さない。同様にジベンジルジスルフ ドも既に変圧器内に生成した硫化銅の診断 は適さない。よって、ビベンジルおよびジ ンジルスルフィドが診断には好適である。

 これらの硫化銅が生成する際に生成され ビベンジルおよびジベンジルスルフィドは GC-MSによって検出することが可能である。

 次に、ベンジル基に硫黄が結合した硫黄 合物と銅とが反応してビベンジルおよびジ ンジルスルフィドが生成することについて 験した結果についてさらに詳細を述べる。

 まず、銅と反応性の高い硫黄化合物を含 する絶縁油としてDBDSをJIS C 2320の2種3号の 縁油であるアルキルベンゼン油に溶解して 料油を作製した。DBDSは和光純薬製の試薬を 用いて、試料油中の硫黄の質量濃度が30ppmと るようにした。

 次に、この試料油を5gと銅板(厚さ0.2mm)を約0 .5gとを10cm 3 のサンプル瓶に密封する。このサンプル瓶を 150℃で所定の時間加熱をした。加熱によって 硫化銅の生成が加速される。生成した硫化銅 は銅板の表面に付着しているので、加熱前後 の銅板の重量変化から生成した硫化銅量を求 めることができる。

 次に、ビベンジルおよびジベンジルスルフ ドの絶縁油中濃度をGC-MS装置により求める 以下では、ビベンジルを例にとって手順の 細を述べる。加熱後の試料油を秤量し、さ にヘキサンでGC-MS分析において適度な信号強 度が得られるように希釈する。ここではヘキ サンを用いたが、アルキルベンゼン、ビベン ジル及びDBDSが容易に溶解するならば他の溶 でも構わない。この溶液1mm 3 をガスクロマトグラフに注入する。

 ビベンジル等の定量にはガスクロマトグ ムのピーク面積値を用いて定法により求め 。データ解析はトータルイオンクロマトグ ムより求めても構わないし、選択的イオン ニタリング法により得られたピーク面積を いても構わない。

 図4および図5は本実施の形態2の油入電気 器の診断方法の実験結果を示すグラフであ 。図4および図5はGC-MSのガスクロマトグラム である。図5は図4の点線の四角部分の範囲を 大した図である。図4では添加したDBDSのピ クが見られる。図5ではビベンジルのピークB iBzが見られる。このピーク面積と試料油重量 から油中のビベンジル濃度を算出できる。な お、このビベンジルのピークは未使用のアル キルベンゼン油や、DBDSを添加せずに銅を入 て加熱したアルキルベンゼン油には見られ いことから、DBDSと銅との反応で生成したも と推定される。

 図6は本実施の形態2の油入電気機器の診 方法の実験結果を示すグラフであり、上記 法により求めた絶縁油中ビベンジル量と銅 の質量変化から求めた硫化銅生成量の関係 示すものである。この図より、絶縁油中の ベンジル濃度と硫化銅の生成量とがおおよ 比例していることがわかる。従って、絶縁 中のビベンジルを定量することで生成した 化銅量を推定することができる。

 ビベンジルは通常、未使用の絶縁油には っていない物質であるので、既設の油入電 機器から絶縁油を少量抜き取り、ビベンジ を検出することにより硫化銅が生成してい と推定して、油入電気機器の異常を診断す ことができる。また、ジベンジルスルフィ についてもビベンジルと同様にして油入電 機器の異常を診断に用いることができる。

 ビベンジルとジベンジルスルフィドは、 常、未使用の絶縁油には入っていないので これらの物質とベンジル基に硫黄が結合し 硫黄化合物と同時に検出することによって 油入電気機器の異常を診断してもよい。両 が検出されれば、硫化銅が生成している可 性がさらに高いと推定されるので信頼度の い診断ができる。

 本実施の形態2の診断方法によれば、あら かじめ油入電気機器に入れる絶縁油中の化合 物を検出したり、その化合物量の時間的変化 を計測したりする必要がない。このため、既 設の油入電気機器に対する診断が容易である 。

 一方、油入電気機器に入れる前の未使用 絶縁油中のビベンジルやジベンジルスルフ ドの濃度の時間的変化を計測して、その時 的変化から油入電気機器の異常を診断して よい。これらの化合物は硫黄化合物は銅と 反応の際に生成すると考えられるで、硫化 の生成量が増えるのに伴って増加すると考 られる。従ってその濃度変化量から生成し 硫化銅を推定して異常を診断することも可 である。

 実施の形態3.
 本実施の形態3も、上記の実施の形態のよう にベンジル基に硫黄が結合した硫黄化合物や ビベンジルおよびジベンジルスルフィドのい ずれかの化合物を検出することにより異常を 診断する油入電気機器の診断方法である。本 実施の形態3の油入電気機器の診断方法は、 縁油とアルミナまたはシリカゲルとを接触 せる工程と、絶縁油と接触後のアルミナま はシリカゲルを溶媒に浸漬する工程と、ア ミナまたはシリカゲルを浸漬した溶媒をGC-MS 法により分析してビベンジル、またはベンジ ル基に硫黄が結合した硫黄化合物のいずれか を検出し、ビベンジル、または硫黄化合物の 検出量に応じて異常を診断する工程とを有す る。ビベンジルの検出量と硫黄化合物の検出 量とに応じて異常を診断してもよい。

 実施の形態1の図3のように、絶縁油とし JIS C 2320の1種4号油を用いた場合、GC-MS分析 、DBDSなどベンジル基に硫黄が結合した硫黄 化合物のピークの位置と絶縁油に含まれる硫 化銅の生成に関与しない成分からの信号とが 重なる。また、ビベンジルの検出されるピー ク位置にも信号が重なり、これらの物質の濃 度が低いと検出できない問題が生ずる。

 そこで、特に鉱油の絶縁油を用いる場合 、予めビベンジルやベンジル基に硫黄が結 した硫黄化合物を吸着剤によって絶縁油に まれる硫化銅の生成に関与しない成分と分 し、その後にガスクロマトグラフ/質量分析 法により分析をするとよい。その場合の吸着 剤として、アルミナ吸着剤またはシリカゲル を用いることができる。以下ではアルミナ吸 着剤を用いた例について説明する。

 まず、JIS C 2320の1種4号鉱油であり硫化銅 原因となる硫黄を含有しない絶縁油に、硫 の質量濃度が30ppmとなるようにDBDSを混合し 料油を作製する。DBDSは和光純薬製の試薬を いた。この試料油を5gと銅板(厚さ0.2mm、質 約0.5g)とを10cm 3 のサンプル瓶に密封する。このサンプル瓶を 150℃で所定の時間加熱をした。この加熱によ り硫化銅が生成し、加熱前後での銅板の質量 変化から生成した硫化銅量を求めることがで きる。

 加熱後の鉱油200mm 3 とヘキサン200mm 3 とを混合し、この混合液をアルミナ吸着剤が 充填されカラムに通液する。充填されたアル ミナ吸着剤は市販されているもので、粒径が 10~100ミクロン程度のものである。カラムには 定法により活性化したアルミナ吸着剤約100mg 充填されている。

 ビベンジルおよびジベンジルスルフィド アルミナに吸着されカラム内に残留し、鉱 の主成分であるパラフィンやナフテンは吸 されること無くカラムから流出する。しか ながら、パラフィンやナフテンも残留する のがあり、この場合はさらにヘキサンでカ ムを洗浄することにより除去することがで る。

 ヘキサンによる洗浄は十分にすべきでは るが、過剰であると目的とするビベンジル ども流出することがあるために、洗浄に適 たヘキサン量をアルミナの乾燥度などアル ナの質に応じて事前に決定しておく事が望 しい。

 次に、トルエンなどの溶媒をカラム内に 液する事により、この溶媒中に目的とする 分を回収することができる。溶出に用いる のはトルエンに限らない。ジクロロメタン メタノール等の単一の液体を用いることも きるし、トルエン/ヘキサン溶液のような混 合溶剤も用いることができる。

 以上の手順を経て得られたビベンジルな を含む溶剤をGC-MS分析することにより、ビ ンジルやベンジル基に硫黄が結合した硫黄 合物の少なくともいずれかを検出して、油 電気機器の異常を診断する。

 図7および図8は本実施の形態3の油入電気 器の診断方法の実験結果を示すグラフであ 、トルエン溶液のクロマトグラムを示して る。図8は図7の点線で囲まれた領域を拡大 たものである。図7を図3と比較すると鉱油に 含まれる硫化銅の生成に関与しない成分の信 号が減少し、DBDSの信号が明確に検出できる とが分かる。また、図8ではビベンジルのピ クBiBzが明瞭である。図3のように鉱油に含 れるその他の成分のピークが大きい場合に このビベンジルのピークBiBzは検出できない

 上記の手順では吸着剤にアルミナを使用 たが、シリカゲルを用いても検出精度が向 する同様の効果がある。また、ビベンジル DBDSに関して検出精度が向上することを述べ たが、ジベンジルスルフィドをはじめ他のベ ンジル基に硫黄が結合した硫黄化合物に対し ても検出精度を向上させることができる。

 以上のことから、絶縁油とアルミナまた シリカゲルとを接触させ、絶縁油と接触後 アルミナまたはシリカゲルを溶媒に浸漬し アルミナまたはシリカゲルを浸漬した溶媒 GC-MS法により分析してビベンジル、または ンジル基に硫黄が結合した硫黄化合物のい れかを検出すれば、ビベンジルや硫黄化合 の検出精度が向上するので油入電気機器の 常を精度よく診断することができる。