Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR MANAGEMENT OF WAX FRACTION STORAGE TANK
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/078332
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for the management of a wax fraction storage tank, which enables the management of a tank for storing a wax fraction produced by Fischer-Tropsch synthesis until the wax fraction is subjected to hydrogenolysis. The method is characterized by keeping the temperature in the tank at a temperature ranging from 90 to 130˚C and maintaining the inside of the tank in an inert gas atmosphere.

Inventors:
NAKASHIZU SHIGENORI (JP)
MIYATA YUTAKA (JP)
SATO KAZUHITO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/072520
Publication Date:
June 25, 2009
Filing Date:
December 11, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
JAPAN OIL GAS & METALS JOGMEC (JP)
INPEX CORP (JP)
NIPPON OIL CORP (JP)
JAPAN PETROLEUM EXPLORATION CO (JP)
COSMO OIL CO LTD (JP)
NIPPON STEEL ENG CO LTD (JP)
NAKASHIZU SHIGENORI (JP)
MIYATA YUTAKA (JP)
SATO KAZUHITO (JP)
International Classes:
C10G2/00
Foreign References:
JP2002523554A2002-07-30
JP2004534881A2004-11-18
JP2005510582A2005-04-21
JP2007091983A2007-04-12
JP2005502739A2005-01-27
JP2004534881A2004-11-18
Other References:
See also references of EP 2233549A4
Attorney, Agent or Firm:
SHIGA, Masatake et al. (Marunouchi Chiyoda-ku, Tokyo 20, JP)
Download PDF:
Claims:
 フィッシャートロプッシュ合成によって生成したワックス留分を水素化分解するまでの間貯蔵するタンクの管理方法であって、
 前記タンク内を温度90~130℃に維持するとともに、タンク内の雰囲気を不活性ガス雰囲気下に維持することを特徴とするワックス留分貯蔵タンクの管理方法。
 前記タンク内を温度100~130℃に維持することを特徴とする請求項1記載のワックス留分貯蔵タンクの管理方法。
 前記タンク内を温度105~130℃に維持することを特徴とする請求項1記載のワックス留分貯蔵タンクの管理方法。
 窒素、ヘリウム、アルゴン及び二酸化炭素からなる群から選択される少なくとも一種の不活性ガスを用いることにより、前記タンク内の雰囲気を不活性ガス雰囲気下に維持することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のワックス留分貯蔵タンクの管理方法。
 前記タンク内の雰囲気を窒素雰囲気下に維持することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のワックス留分貯蔵タンクの管理方法。
 前記タンク内の雰囲気をヘリウム雰囲気下に維持することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のワックス留分貯蔵タンクの管理方法。
Description:
ワックス留分貯蔵タンクの管理 法

 本発明は、GTL(Gas to Liquids)プロセスにお るFT反応器と水素化分解反応器の間に設け れているワックス留分貯蔵タンクの管理方 に関する。より詳しくは、スタートアップ や運転条件の変更時などに対応するために 水素化分解の原料であるワックス留分を貯 するために設けられているワックス留分貯 タンク内を、特定の雰囲気下に維持するこ により、水素化分解工程で使用する触媒の 性低下の原因となる物質が生成するのを抑 する方法を提供するものである。

 FT合成は、一般に、一酸化炭素と水素か なる混合ガス(合成ガス)を原料としてガスか ら固体までの炭化水素類を生成するもので、 その生成物はノルマルパラフィンを主成分と するものであり、硫黄分、窒素分、芳香族分 が含まれず、クリーンな燃料油を製造するこ とが可能である。FT生成物は炭素数1から100程 度までの広い分布を持つノルマルパラフィン が主成分のため、例えばディーゼル燃料油を 製造するためには、炭素数10~21程度の中間留 の水素化異性化処理や、常温では固体の炭 数22以上のワックス留分を水素化分解処理 て中間留分とし、ディーゼル燃料油を得る このように、FT合成で得られた生成物は、一 般的には水素化異性化や水素化分解といった アップグレーディング工程を経てクリーンで 低温流動性に優れた燃料油に変換される。

 FT合成反応器と各アップグレーディング 程との反応器との間には、スタートアップ や原料投入量の増減などの運転変更、プロ ス異常時に対応するため、FT合成工程で得ら れアップグレーディング工程での原料となる 中間留分やワックス留分を貯蔵するバッファ ータンクが設置されている。

 FT合成生成物の内、ワックス留分は、前 の通り炭素数20付近から100のノルマルパラフ ィンが主であり、常温では固体状態で流動性 がない。そのため、ワックス留分が流れるプ ロセスラインは、通常スチームトレースによ るラインやタンクヒーティングが行われ、流 動性が保たれている。

 しかし、ワックス留分中には、FT反応条件 FT触媒種で変動はあるものの、微量ではある が含酸素化合物やオレフィン分などの不純物 が含まれている。そのため、ワックス留分を 一定期間タンクで貯蔵しようとする場合、そ の貯蔵条件によっては、過酸化物やガム分な どの重合物等が生成し、その生成物が水素化 分解工程での触媒活性に影響を与える場合が ある。一方、ワックス留分中の不純物の除去 手段やFT製品の酸化抑制に関する技術が検討 れている(例えば特許文献1および2)。

特表2005-502739号公報

特表2004-534881号公報

 しかしながら、過酸化物等の生成を、ワ クス留分貯蔵タンク内で抑制する手段につ ては未だ検討されていない。すなわち従来 術では、通常、FT反応器より低圧で運転さ るワックス留分貯蔵タンクにおいて発生す ガス成分を、外部に逃す為の圧力調節弁お びラインが設けられている。しかし、この 法では、運転負荷の変更等によりワックス 分貯蔵タンクの液面が変動する際、外部よ 空気の進入を招く場合がある。また、ワッ ス留分貯蔵タンク内の温度が低すぎればワ クスが固化し流動性が保てず、また、その 度が高温になれば前述の空気進入と相まっ 、貯蔵タンク内ワックス留分に、過酸化物 の不純物の生成を助長するという問題があ た。そこで、このような状況下、水素化分 工程で触媒に悪影響を及ぼさず安定的な運 を可能とすべく、水素化分解の原料となる ックス留分を貯蔵するタンクにおいて、触 活性低下の原因となる物質が生成するのを 制する、ワックス留分貯蔵タンクの的確な 理方法が必要とされている。

 本発明は、上記事情に鑑みてなされたも であり、FT合成で得られたワックス留分を 料とする水素化分解工程において、水素化 解触媒の活性低下の原因となる物質が生成 るのを抑制し、安定的な水素化分解工程の 転を可能とする、水素化分解工程の原料を 蔵するワックス留分貯蔵タンクの管理方法 提供することを目的とする。

 本発明者らは、上記目的を達成するために 意研究を行った結果、ワックス留分貯蔵タ ク内の温度と雰囲気を特定の条件下とする とにより、ワックス留分の流動性を保ちつ 、かつ過酸化物等、触媒活性低下の原因と る物質が発生するのを抑制できることを見 し、本発明を完成するに至った。すなわち 発明は、以下に示すワックス留分貯蔵タン の管理方法、に関する。
 本発明の態様は、フィッシャートロプッシ 合成によって生成したワックス留分を水素 分解するまでの間貯蔵するタンクの管理方 であって、
 前記タンク内を温度90~130℃に維持するとと に、タンク内の雰囲気を不活性ガス雰囲気 に維持することを特徴とするワックス留分 蔵タンクの管理方法である。
 本発明の態様において、前記タンク内温度 、100~130℃に維持することが好ましく、さら に105~130℃に維持することがより好ましい。
 また、前記タンク内の雰囲気を不活性ガス 囲気下に維持するために、窒素、ヘリウム アルゴン及び二酸化炭素からなる群から選 される少なくとも一種の不活性ガスを用い ことが好ましい。
 さらに、前記タンク内の雰囲気を窒素又は リウム雰囲気下に維持することがより好ま い。

 本発明によれば、水素化分解工程の原料 なるワックス留分の貯蔵タンク内において 水素化分解工程での触媒活性低下の原因と る過酸化物等の生成を抑制することができ 。これにより、安定的な水素化分解工程の 転が可能となる。

以下、本発明の内容をさらに詳しく説明する 。
 フィッシャートロプシュ(以下「FT」ともい 。)合成は当業者にとって周知の方法で行わ れ、Fe、Co、Ni、RuなどのFT反応に活性な金属 を含む触媒を用い、H 2 およびCOからなる合成ガスから炭化水素類が 成される。一般的には反応温度は200~400℃、 反応圧力は0.1~4MPaで行われる。

 FT合成によって得られる生成物のほとん がノルマルパラフィンであるが、これ以外 、オレフィンや含酸素化合物(アルコール、 ルデヒド、酸、エステルなど)等が不純物と して含まれる。これらオレフィンや含酸素化 合物は中間留分以下(例えば炭素数で5~20のノ マルパラフィン)での含有量が多く、FT反応 件やFT触媒種によって異なるがオレフィン 数%から数十%、含酸素化合物で数%程度含ま る場合がある。炭素数で20以上が主な成分と なるワックス留分中にはこれら不純物の含有 量は少なくなる傾向にあるが、場合によって は%レベルで含まれる可能性がある。

 FT合成で生成するワックス留分は、水素化 解処理によって低温流動性に優れるディー ル燃料油へと変換される。ワックス留分の 素化分解に用いられる触媒は一般的には貴 属やVI族、VIII族金属などをゼオライトや無 酸化物担体に担持した触媒が用いられ、反 温度200~400℃、反応圧力1~10MPa、H 2 /Oil比100~1000L/L、LHSV=0.1~3h-1の条件で行われる 貴金属としてはPt、Pd、Rhが挙げられ、VI族や VIII族金属としてはMoやCo、Niなどが挙げられ 。また、ゼオライト担体としてはUSY、Y、モ デナイト、βなどが上げられ、無機酸化物 体としては例えば、シリカ、アルミナ、ボ ア、マグネシア、チタニアまたはそれらの 合体などの金属酸化物や、モンモリロナイ 、カオリナイト、ベントナイトなどの粘土 物が挙げられる。

 FT合成反応で生成するワックス留分を水 化分解処理する工程において、通常のプラ トでは、水素化分解の原料であるワックス 分を貯蔵するための中間タンクを設置して る。これは、プラントスタートアップ時に 素化分解工程をスムーズに立ち上げるため 、ある程度の原料ワックス留分をため込む めに用いたり、FT合成工程や水素化分解工程 の反応条件変更時やトラブル発生時にともな うワックス留分の流量変動を吸収するための バッファーとしての役割を持つ。

 このようなワックス留分の貯蔵タンクの 模は、プロセス規模や流量変動範囲を勘案 て変動を充分吸収可能なサイズであること 望ましい。また、タンクの形状に関しては 筒型、円錐屋根型、丸屋根型、浮屋根型、 型などがあるが特に制限はない。

 ワックス留分は前述のとおり、20以上の 素数のノルマルパラフィンが主成分である め、常温では固体状であり流動性がない。FT 合成で得られるワックス留分の融点は蒸留に よる留分分画の違いや、FT反応条件によって 異なるが、一般的に70~100℃程度であり、こ 温度以上で流動性が確保可能となる。よっ 、FT合成工程から水素化分解工程間の中間 ンクを含めたプロセスラインは、少なくと ワックス留分が流動性を示す温度以上に加 する必要がある。

 しかし、ワックス留分を必要以上に酸素 囲気下で加熱すると、先に述べたワックス 分中に含まれるオレフィンや含酸素化合物 酸化劣化し過酸化物価が上昇すると共に、 のようなワックス留分を原料油に用いた水 化分解反応において反応活性が低下する現 が認められた。

 このような中で、ワックス留分の貯蔵に ける加熱温度を制御し、不活性ガス雰囲気 とすることで水素化分解工程における活性 下を抑えられることが明らかとなった。

 ワックス留分貯蔵タンク内の温度は90~130 、好ましくは100~130℃、より好ましくは105~13 0℃に維持する。貯蔵温度が90℃を下回るとワ ックス留分の流動性が低下し、固化による配 管閉塞などの不具合が発生するおそれがある ため、90℃以上に保つことが望ましい。また 130℃以下に保つことにより、過酸化物など 生成を抑制し、結果として、ワックス留分 酸化劣化することを抑制することができる

 貯蔵タンク内の温度を維持するには、ス ームトレースによる加熱や、電気トレース バーナーによる加熱が挙げられるが、スチ ムトレースによる加熱が一般的である。ス ームトレースでは可燃物を扱うプロセスに いて安全性が高いと共に、スチームの圧力 調整することによって加熱温度を容易に変 することが可能であるため好ましい。

 さらに、貯蔵タンク内雰囲気を不活性ガ 雰囲気下に維持する。不活性ガス雰囲気下 は、基本的には酸素が存在しない雰囲気下 指し、不活性ガスによるパージ率が95%以上 好ましくはパージ率が98%以上、より好まし はパージ率99%以上である。

 また、不活性ガスによるパージは、ワッ ス留分が加熱貯蔵されているタンク中の気 部分に存在する酸素を置換するためであり 気相部分へ直接吹き付けることで可能であ 。このとき、パージガスの流量や圧力は、 ンクの形状や設計による圧力以内になるよ 制御する。

 不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、 ルゴン、二酸化炭素など、ワックス留分の 化劣化を抑制可能なガスであれば特に制限 れるものでもない。これら不活性ガスのう 一種又は二種以上を組合せて用いることが 能であるが、ワックス留分の酸化劣化を効 的に抑制できる点で、窒素又はヘリウムガ を用いることが好ましい。特に、前記貯蔵 ンク内雰囲気を窒素又はヘリウム雰囲気下 した場合には、ワックス留分の酸化劣化を 果的に防止することができる。また、一般 なプラント等でも不活性パージガスとして いられるとともに、コスト面からも最適で ることから、窒素を用いることが最も好ま い。

 以下、実施例および比較例によりさらに 体的に本発明を説明するが、本発明は以下 実施例に限定されるものではない。

(実施例1~2、比較例1~3)
 表1にフィッシャートロプシュワックス留分 (WAX-aと記す)の組成、密度、融点、過酸化物 を示す。なお、本ワックス留分を80℃に加熱 してもほとんど溶融せず、80℃以下の温度で 流動性は確保できなかった。

[実施例1]
 WAX-a 100gを500mlのビーカーに採り、窒素気流 中(100ml/min)でパージしながら110℃で3時間マグ ネチックスターラーで加熱撹拌処理を行った (WAX-bとする)。処理後の過酸化物価を表2に示 。
 なお、過酸化物価は石油学会規格の「灯油 過酸化物価試験方法」やASTM D1832「石油ワ クスの過酸化物価試験方法」を参考にして めた。測定法の概要は以下の通りである。 料にトルエンを加えて、60℃~65℃に加熱し溶 解した。これに、酢酸溶液を加え窒素ガスを 吹き込みながらヨウ化カリウム溶液を加えて 撹拌し、指示薬を加えた後、チオ硫酸ナトリ ウム標準液で滴定し、過酸化物価を求めた( 下同様)。

[実施例2]
 WAX-aをヘリウム気流中130℃で処理する以外 、実施例1と同様の処理を行ったワックス留 (WAX-c)の過酸化物価を表2に示す。

[比較例1]
 WAX-aを特段のパージをせずに空気中150℃で 理する以外は、実施例1と同様の処理を行っ ワックス留分(WAX-d)の過酸化物価を表2に示 。

[比較例2]
 WAX-aを特段のパージをせずに空気中130℃で 理する以外は、実施例1と同様の処理を行っ ワックス留分(WAX-e)の過酸化物価を表2に示 。

[比較例3]
 WAX-aを窒素気流中150℃で処理する以外は、 施例1と同様の処理を行った。ワックス留分( WAX-f)の過酸化物価を表2に示す。

 表2の結果から、実施例1および実施例2の 法で貯蔵した場合、貯蔵後のワックス留分 過酸化物価は貯蔵前(WAX-a)の値とほとんど変 化が無かった。一方、比較例1~比較例3では過 酸化物価の値は貯蔵前(WAX-a)に比較して増加 た。特に加熱温度が高い比較例1では増加が 著であった。

(実施例3、比較例4~6)
 続いて、ワックス留分の水素化分解処理を 施した。
 分解処理についての評価方法としては「水 化分解反応においてワックス留分の分解率 50%を示すために必要な反応温度」を指標と た。一般に、水素化分解反応において同一 解率を得るための反応温度が低いほど、触 活性は高い。一方、反応温度が高すぎると 解生成物の過分解が進行し、目的の中間留 の収率を低下させる要因となる。更には、 常、水素化分解反応の長期運転における触 活性の低下は反応温度によって補償する運 を行うこととなる。こうした要因から、初 の反応温度が低いほど、温度補償の余裕代 多くなり、触媒寿命の向上、触媒交換コス の低減に繋がるため好ましい。

 ここで、ワックス留分の分解率は、原料ワ クス留分中の炭素数22以上の留分割合(質量% )をA、生成物中の炭素数22以上の留分割合(質 %)をBとし、次のように定義したものである
  ワックス留分の分解率(%)=(A-B)/A×100
 原料ワックス留分中の炭素数22以上の留分 合A(質量%)は、原料ワックス留分についてガ クロマトグラフで分析して求めたものであ 。
 生成物中の炭素数22以上の留分割合B(質量%) 、分解反応後の生成物を、液状生成物は高 気液分離器および氷冷トラップに回収し、 ス生成物はサンプリングバックに捕集し、 れぞれガスクロマトグラフで分析して求め ものである。

 上記のようにしてワックス留分の分解率( %)を算出し、その値が50%となった時の反応温 を測定し、水素化分解処理についての評価 標とした。

[実施例3]
 WAX-aを実施例1と同等の加熱温度、雰囲気下 なるように原料油タンク(20L)の温度を110℃ 保持し、窒素パージを行ったワックス留分 原料油として、USYゼオライト担体(Si/Al≒3 mo l/mol)に、触媒基準、金属換算で、白金0 .5  量% を含有した白金族系触媒を用い、反応 力3.0MPa、LHSV=1h-1、H 2 /Oil=587L/Lの条件で、水素化分解処理を実施し 。ここで、原料ワックス留分は固定床流通 反応装置にその頂部から下向きに供給した 反応管のサイズは、内径23mmで、触媒150mlを 填した。なお、分解反応に先立って、水素 通下、300℃、2時間の触媒還元処理を施した 。結果を表3に示す。ワックス留分の分解率 50%を示すために必要な反応温度は約245℃で った。

[比較例4]
 WAX-aを比較例1と同等の加熱温度、雰囲気下 なるように原料油タンクの温度を150℃に保 し、特段のパージを行わなかったワックス 分を原料油とする以外は実施例3と同様の評 価を行った。結果を表3に示す。このときの ックス留分の分解率が50%を示すために必要 反応温度は約288℃であった。

[比較例5]
 WAX-aを比較例2と同等の加熱温度、雰囲気下 なるように原料油タンクの温度を130℃に保 し、特段のパージを行わなかったワックス 分を原料油とする以外は実施例3と同様の評 価を行った。結果を表3に示す。このときの ックス留分の分解率が50%を示すために必要 反応温度は約267℃であった。

[比較例6]
 WAX-aを比較例3と同等の加熱温度、雰囲気下 なるように原料油タンクの温度を150℃に保 した以外は実施例3と同様の評価を行った。 結果を表3に示す。このときのワックス留分 分解率が50%を示すために必要な反応温度は 266℃であった。

 以上の結果より、ワックス留分を適正な 度で維持するとともに、不活性ガス雰囲気 を維持することで、酸化劣化による過酸化 の生成を抑制することができる。ワックス 分中の過酸化物は水素化分解工程における 媒活性の低下を引き起こす要因になってい ことが推察され、本発明のワックス留分の 蔵方法において適正な管理を行うことによ 、水素化分解活性を高いレベルで維持する とが可能となることが分かる。

 本発明は、GTL(Gas to Liquids)プロセスにお るFT反応器と水素化分解反応器の間に設け れているワックス留分貯蔵タンクの管理方 に関し、安定的な水素化分解工程の運転が 能となる。したがって、本発明は、GTL(Gas to  Liquid)・石油精製等の産業分野で高い産業上 の利用可能性を有する。