内田 和宏 (〒41 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 Osaka, 5410041, JP)
KAWAKAMI, Tadashi (5-33, Kitahama 4-chome, Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 41, 5410041, JP)
河上 忠司 (〒41 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 Osaka, 5410041, JP)
住友金属工業株式会社 (〒41 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 Osaka, 5410041, JP)
UCHIDA, Kazuhiro (5-33, Kitahama 4-chome, Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 41, 5410041, JP)
内田 和宏 (〒41 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 Osaka, 5410041, JP)
KAWAKAMI, Tadashi (5-33, Kitahama 4-chome, Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 41, 5410041, JP)
| 第1のダイスと、前記第1のダイスの後ろに配置され、かつ、式(1)で定められる外径加工度が0.14~1.0%である第2のダイスとを備えた冷間引抜装置を準備する工程と、 素管の先端部を前記第1及び第2のダイスに挿入する工程と、 素管の後端から素管内にプラグを挿入する工程と、 前記プラグを挿入後、前記素管を引き抜く工程とを備えることを特徴とする金属管の製造方法。 外径加工度=(D1-D2)/D1×100 (1) ここで、D1は前記第1のダイスのダイス径であり、D2は前記第2のダイスのダイス径である。 |
| 請求項1に記載の金属管の製造方法であって、 前記素管を引き抜く工程では、前記挿入されたプラグを第1のダイス内で固定し、かつ、前記第2のダイス内にプラグを挿入せずに前記素管を引き抜くことを特徴とする金属管の製造方法。 |
| 請求項2に記載の金属管の製造方法であって、 前記外径加工度は、0.23~0.35%であることを特徴とする金属管の製造方法。 |
本発明は、金属管の製造方法に関し、さ に詳しくは、ダイスとプラグを用いて素管 冷間で引き抜いて金属管とする金属管の製 方法に関する。
高い寸法精度を有する金属管の製造方法 して、内部にプラグを挿入した素管をダイ で引き抜く冷間引抜加工が知られている。 間引抜加工では、ダイスが素管外面を拘束 、プラグが素管内面を拘束する。そのため 金属管の外径及び内径の寸法精度が向上す 。
最近では、作業効率の向上を目的として プラグを挿入することなく素管を引き抜く いわゆる空引き加工も行われている。空引 加工では、寸法精度が問題となるため、寸 精度を向上するための技術が、特開昭54-8366 6号公報や特開2005-118799号公報に開示されてい る。
しかしながら、上述のような冷間引抜加 では、引抜後の金属管の外面の周方向に引 残留応力が生じることが多い。金属管の外 に凹み疵があれば、その凹み疵と引張残留 力との相互作用により、冷間加工後に実施 れる熱処理時に、金属管の外面に割れが発 する場合がある。したがって、冷間引抜後 金属管の外面の引張残留応力は低い方が好 しい。
冷間引抜後の金属管の残留応力を低減す 方法は特開平10-103188号公報に開示されてい 。この文献では、素管に対して冷間引抜加 を複数回実施して金属管とする。このとき 最終の冷間引抜加工前に、素管を焼鈍する とで、製造後の金属管の残留応力が低減す としている。
しかしながら、最終の冷間引抜加工前に 処理工程を加えれば、生産効率が低下する したがって、残留応力を除去するための熱 理工程を加えることなく、金属管を製造で る方が好ましい。
また、特開2001-353516号公報では、線や棒 生じる残留応力を低減する引抜加工方法が 示されている。しかしながら、この文献は あくまでも線材や棒鋼材を対象としており 金属管の場合のようにプラグを用いて引抜 ものではない。
さらに、製造された金属管の外面周方向 は、引張残留応力だけでなく、圧縮残留応 も発生する。残留応力は、曲がりの原因と ったり、その後の加工工程において、寸法 度を低下させる原因となる。したがって、 属管の引張残留応力だけでなく、圧縮残留 力も低減できる方がさらに好ましい。
本発明の目的は、製造後の金属管の外面 方向の引張残留応力を低減できる金属管の 造方法を提供することである。
本発明の他の目的は、製造後の金属管の 面周方向の引張残留応力及び圧縮残留応力 低減できる金属管の製造方法を提供するこ である。
本発明者らは、冷間引抜後の金属管の外 周方向の引張残留応力を低減するために、 イスの段数、及びダイスの外径加工度に注 して、種々の実験を行った。その結果、以 の新たな知見を得た。
(A)素管を冷間引抜する場合、ダイスを連 して2段設ける。具体的には、図1に示すよ に、冷間引抜装置1の入り側に前段ダイス10 設け、冷間引抜装置1の出側に、前段ダイス1 0と同じ軸心CAを有する後段ダイス11を設ける このように、ダイスを連続して2段設けるこ とにより、冷間引抜中の素管のうち、前段ダ イス10と後段ダイス11との間を通過中の素管 分にバックテンションがかかる。それが影 して、後段ダイスでの冷間引抜時に引張残 応力が発生するのを抑制できる。
(B)2段のダイスのうち、後段のダイスの外 径加工度RD(%)を0.14~1.0%とする。外径加工度RD(% )は以下の式(1)により求められる。
外径加工度RD=(D1-D2)/D1×100 (1)
ここで、図1に示すように、D1は前段ダイス
ダイス径であり、D2は後段ダイスのダイス
である。
図2は、外径加工度の異なる複数の後段ダ イスを用いて冷間引抜加工された金属管の外 面周方向の残留応力を示す図である。横軸は 、後段ダイスの外径加工度RD(%)を示す。また 縦軸は、冷間引抜後の金属管外面周方向の 留応力σθ(MPa)を、冷間引抜前の素管の降伏 力YS(MPa)で除した値である残留応力比RS(=σθ/ YS)を示す。残留応力比RSが負の値を示す場合 金属管外面に圧縮残留応力が生じている。 留応力比RSが正の値を示す場合、金属管外 に引張残留応力が生じている。図2を得るた の試験方法の詳細は、後述の実施例1に示す 。
図2中の「■」印は、1つのダイスのみを いて素管を引き抜いた場合の残留応力比RSを 示す。また、「○」印及び「▲」印は、前段 ダイス及び後段ダイスを用いて引き抜いた場 合の残留応力比RSを示す。より具体的には、 ○」印は、図5に示すように、冷間引抜中、 前段ダイス内のみにプラグを挿入して固定し 、後段ダイスにはプラグを挿入せず、いわゆ る空引きを行った場合の残留応力比RSである 一方、「▲」印は、図6に示すように、冷間 引抜中、前段及び後段ダイスのいずれにもプ ラグを挿入し、前段ダイスだけでなく後段ダ イスでも、いわゆるプラグ引きをした場合の 残留応力比RSである。
図2を参照して、2つのダイスを用い、か 、後段ダイスの外径加工度RDが0.14~1.0%の場合 (「○」及び「▲」印)、1つのダイス(前段ダ ス)のみを用いた場合(「■」印)よりも残留 力比RSが低く、引張残留応力が低減される。
(C)2つのダイスを用い、かつ、後段ダイス の外径加工度RDが0.14~1.0%の場合、後段ダイス は、プラグ引きをするよりも、空引きをす 方が好ましい。図2を参照して、外径加工度 が0.14~1.0%の範囲では、後段ダイスで空引き( 2中「○」印)をした方が、プラグ引き(図2中 ▲」)をする場合よりも残留応力比RSの変動 小さい。具体的には、上記外径加工度の範 において、プラグ引き(図2中「▲」)では残 応力比RSが-0.80~0.53の範囲を変動し、その残 応力比RSの絶対値の平均が0.51であるのに対 て、空引き(図2中「○」印)では、残留応力 RSの変動が-0.16~0.55の範囲で抑えられ、残留 力比RSの絶対値の平均も0.22と低い。つまり 後段ダイスで空引きすれば、引張残留応力 び圧縮残留応力ともに低く抑えることがで る。
一方、後段ダイスでプラグ引きした場合 特に、外径加工度RDが0.5%以下となるときに 残留応力比RSは負に大きくなり、圧縮残留 力が大きくなる。圧縮残留応力は、引張残 応力のように、熱処理時に割れの発生原因 なる可能性は低い。しかしながら、残留応 は、曲がりの発生原因となったり、製造さ た金属管に対して切削加工等のさらなる加 を施す場合に、寸法精度を低下したりする そのため、製造された金属管では、引張残 応力の低減は必須であるが、圧縮残留応力 低い方が好ましい。したがって、引張残留 力だけでなく、圧縮残留応力も低減する場 、後段ダイスで空引きをする方が好ましい
以上の新たな知見に基づいて、本発明者 は、以下の発明を完成した。
本発明の金属管の製造方法は、第1のダイ スと、第1のダイスの後ろに配置され、かつ 式(1)で定められる外径加工度が0.14~1.0%であ 第2のダイスとを備えた冷間引抜装置を準備 る工程と、素管の先端部を第1及び第2のダ スに挿入する工程と、素管の後端から素管 にプラグを挿入する工程と、プラグを挿入 、素管を引き抜く工程とを備える。
外径加工度=(D1-D2)/D1×100 (1)
ここで、D1は前記第1のダイスのダイス径で
り、D2は前記第2のダイスのダイス径である
ダイス径とは、ダイスのベアリング部の内
である。
ここで、素管を引き抜く工程では、プラ を第1のダイスにのみ挿入し、第2のダイス プラグを挿入しなくてもよいし、第1及び第2 のダイスにプラグを挿入してもよい。
この場合、上述のとおり、製造後の金属 の外面周方向の引張残留応力が低くなる。 のため、製造された金属管に対して熱処理 施しても、引張残留応力に起因したきずが 生しにくい。
好ましくは、素管を引き抜く工程では、 入されたプラグを第1のダイス内で固定し、 かつ、第2のダイス内にプラグを挿入せずに 管を引き抜く。
この場合、製造後の金属管の外面周方向 引張残留応力が低くなるだけでなく、外面 方向の圧縮残留応力も低くなる。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形 を詳しく説明する。図中同一又は相当部分 は同一符号を付してその説明は繰り返さな 。
[冷間引抜装置]
図1を参照して、本発明の実施の形態による
冷間引抜装置1は、前段ダイス10と、後段ダイ
ス11と、プラグ20と、プラグを支える棹21とを
備える。
前段ダイス10は、冷間引抜装置1の入り側 配設される。前段ダイス10の内面は、ダイ の入り側から出側に向かって順に、アプロ チ部A1、ベアリング部A2、レリーフ部A3で連 的に構成される。なお、アプローチ部A1より も入り側にベル部を設けてもよい。
アプローチ部A1は、入り側から出側に向 って内径が徐々に小さくなる、いわゆるテ パ形状を有する。アプローチ部A1は、素管を 縮径する役割を有する。ベアリング部A2の内 (つまり、ダイス径)は一定である。ベアリ グ部A2は、素管を拘束して素管の外径を一定 にする。
後段ダイス11は、前段ダイスの後ろに配 される。つまり、後段ダイスは冷間引抜装 1の出側に配設される。後段ダイス11は前段 イス10と同じ軸心CAを有する。後段ダイス11 、前段ダイス10と同様に、アプローチ部A1、 アリング部A2、レリーフ部A3で連続的に構成 される。
プラグ20は、円柱型のプラグであり、そ 後端は棹21に固定される。プラグ20は、前段 イス10及び後段ダイス11の軸心CAに沿って移 できるが、冷間引抜中は所定の場所で固定 れる。図1では、プラグ20を円柱型のプラグ したが、プラグ20は玉型であってもよいし テーパ型であってもよい。
後段ダイス11はさらに、0.14~1.0%の外径加 度RD(%)を有する。外径加工度RDは以下の式(1) 求められる。
外径加工度RD=(D1-D2)/D1×100 (1)
ここで、図1に示すように、D1は前段ダイス1
0のダイス径であり、D2は後段ダイス11のダイ
径である。
[金属管の製造方法]
冷間引抜装置1を用いた金属管の製造方法は
以下のとおりである。初めに、素管を準備す
る。素管は、たとえば、熱間加工により製造
される。より具体的には、素管は、穿孔圧延
により製造されてもよいし、熱間押出や熱間
鍛造により製造されてもよい。素管の化学組
成は金属であれば特に限定されない。
準備された素管に対して、冷間引抜加工 実施する。初めに、素管の先端部を口絞り 工する。続いて、図3に示すように、素管50 先端部51を、冷間引抜装置1内の前段ダイス1 0及び後段ダイス11に挿入し、先端部51を後段 イス11の後端から抜き出す。そして、抜き された先端部51をチャック60で掴む。チャッ 60は、図示しないキャリッジに固定されて る。キャリッジはフックを備え、回転移動 るチェーンにキャリッジのフックを掛ける とにより、素管50が引き抜かれる。
先端部51をチャック60で掴んだ後、素管50 引き抜く前に、図4に示すように、プラグ20 素管50の後端から素管50内に挿入する。
プラグ20を挿入後、チャック60で固定され た素管50を引き抜き方向(図4中の右方向)に引 。このとき、プラグ20を引き抜き方向に押 進めて、図5に示すように、プラグ20を、前 ダイス10のベアリング部A2内で固定する。プ グ20を固定した後、素管50を引き抜いて金属 管を製造する。
図1に示すように2つのダイス(前段ダイス1 0及び後段ダイス11)を前後に配置し、かつ、 段ダイス11の外径加工度を0.14~1.0%の範囲内と して、上述の製造方法で金属管を製造すれば 、金属管の外面周方向の引張残留応力を従来 よりも低減できる。
外径加工度を0.14~1.0%の範囲内とすれば、 段ダイス11が素管外面に適切なひずみを与 、素管の外面側と内面側とで変形の程度に が生じる。このような変形差が金属管の外 側で圧縮方向の応力を発生させ、引張残留 力が低減すると推定される。さらに、外径 工度が上記範囲内であれば、後段ダイス11に プラグを挿入することなく引き抜いても、製 造後の金属管の内径寸法精度は維持される。 また上述の製造方法により、金属管の横断面 の寸法精度は向上する。特に、金属管の真円 度は高くなる。
一方、後段ダイス11の外径加工度が0.14%未 満である場合、後段ダイス11が素管外面に与 るひずみが小さい。そのため、素管の外面 と内面側との変形差は小さく、引張残留応 が低減しないものと推定される。また、後 ダイス11の外径加工度が1.0%を超える場合、 段ダイス11が素管外面に与えるひずみが大 すぎるため、素管の外面側と内面側とが同 に変形される。そのため、変形差が生じず 引張残留応力が低減しないものと推定され 。
さらに、2つのダイス(前段ダイス10及び後 段ダイス11)を用いることにより、前段ダイス 10と後段ダイス11との間を通過する素管にバ クテンションを与えることができる。その め、製造後の金属管外面の周方向の引張残 応力を低減できる。
図5では、後段ダイス11内にプラグを挿入 ることなく、いわゆる空引きで素管50を引 抜いた。しかしながら、図6に示すように、 段ダイス10内だけでなく、後段ダイス11内に もプラグ20を配置して冷間引抜を実施しても い。この場合であっても、上述と同じ理由 より、製造された金属管の外面周方向の引 残留応力は低減される。図6では、2つのプ グ20を準備し、各々のプラグ20を前段ダイス1 0及び後段ダイス11に挿入して固定したが、軸 方向に長い1つのプラグ20を前段ダイス10から 段ダイス11にわたって挿入して固定しても い。
ただし、製造後の金属管の外面周方向の 張残留応力だけでなく、圧縮残留応力も低 する場合、図5に示すように、前段ダイス10 にプラグ20を固定し、後段ダイス11内にはプ ラグ20を挿入することなく、いわゆる空引き 素管50を引き抜くのが好ましい。図2に示す おり、外径加工度が0.14~1.0の範囲において 後段ダイスで空引き(図5、及び、図2中「○ 印)をした方が、プラグ引き(図6、及び、図2 「▲」印)をするよりも金属管外面の残留応 力の変動が小さく、かつ、圧縮残留応力(図2 の縦軸における負の値)も小さいからである 。プラグ引きの場合に軽加工度域で圧縮応力 が増大する理由については定かではないが、 プラグ引きの場合、ダイスとプラグにより肉 厚方向に圧縮ひずみが与えられ、空引きの場 合と比較して半径方向の変形が大きくなる。 そのため、後段ダイスで空引きした場合と比 較して、半径方向に大きな応力分布が発生す る。その結果、圧縮残留応力が発生するもの と推定される。
好ましくは、後段ダイスで空引きを実施 、かつ、後段ダイスの外径加工度を0.2~0.9% する。この場合、図2に示すとおり、残留応 比RSが、-0.16~0.26の範囲内となり、引張残留 力及び圧縮残留応力が大幅に低下する。さ に好ましくは、後段ダイスの外径加工度を0 .3~0.8%とする。この場合、残留応力比RSは、-0. 16~0の範囲内となり、引張残留応力及び圧縮 留応力がほぼ発生しなくなる。
なお、前段ダイス10及び後段ダイス11は、 レリーフ部A3を有してなくてもよい。また、 段ダイス10及び後段ダイス11のアプローチ部 A1の縦断形状は、図1に示すように直線状であ ってもよいし、入り側から出側に向かって内 径が徐々に小さくなる曲線であってもよい。
種々の外径加工度の後段ダイスを準備し 、冷間引抜加工後の金属管外面の周方向の 張残留応力を有限要素法にて調査した。具 的には、二次元軸対称弾塑性解析に基づい シミュレーションを行い、冷間引抜加工後 金属管の外面周方向の引張残留応力σθ(MPa) 計算した。
被加工材となる素管の外径は58.5mmとし、 厚は11.75mmとした。また、冷間引抜加工前の 素管の降伏応力YSは284MPaとした。
表1に示すとおり、試験番号1は、1つのダイ
のみ用いて、いわゆるプラグ引きを行った
試験番号2~試験番号10では、図5に示すよう
、前段ダイスと後段ダイスとを用いて、前
ダイスではプラグ引きを行い、後段ダイス
は空引きを行った。試験番号11~試験番号19で
は、図6に示すように、前段ダイス及び後段
イスを用いて、各ダイスでプラグ引きを行
た。
外径加工度RD0=(素管外径-ダイス径D1)/素管外
径×100 (2)
また、各試験番号の後段ダイスのダイス径D
2(mm)、ダイス両角α2(deg)、ベアリング長LB2(mm)
び外径加工度RD(%)は表1に示すとおりとした
ここで、外径加工度RD(%)は、式(1)により求
た。
各試験番号で用いたプラグはいずれも円 型とした。プラグの外径は表1に示すとおり 、31mmとした。試験番号11~試験番号19について は、前段ダイス及び後段ダイスともに同じ形 状のプラグを挿入した。
表1中の各試験番号の条件で冷間引抜加工 をシミュレートし、冷間引抜加工後の金属管 の外面周方向の引張残留応力σθ(MPa)を計算し た。そして、素管の降伏応力YS(=284MPa)を用い 、残留応力比RS(=σθ/YS)を求めた。
シミュレート結果を表1及び図2に示す。 1及び図2を参照して、試験番号2~8、11~17は、 ずれも後段ダイスの外径加工度RDが0.14~1.0% 範囲内であった。そのため、残留応力比RSが いずれも0.55以下となり、金属管外面周方向 引張残留応力が低かった。
一方、試験番号1は、1つのダイスのみを 段ダイスとして用いて、後段ダイスを用い かった。そのため、残留応力比RSが0.55を超 、高い引張残留応力を示した。また、試験 号9、10、18及び19は、いずれも後段ダイスの 径加工度RDが1.0を超えた。そのため、残留 力比RSが0.55を超え、高い引張残留応力を示 た。
さらに、後段ダイスで空引きをした試験 号2~8の残留応力比RSの絶対値の平均は、0.22 あり、後段ダイスでプラグ引きをした試験 号11~17の残留応力比RSの絶対値の平均(=0.51) りも小さかった。つまり、後段ダイスの外 加工度RDが0.14~1.0%の範囲においては、後段ダ イスで空引きをした方が、プラグ引きをした 場合よりも引張残応力及び圧縮残留応力の発 生をより抑制できた。特に、圧縮残留応力の 発生をより抑制できた。
さらに、外径加工度RDが0.2~0.9%の範囲内に おける試験番号3~7の残留応力比RSは、-0.16~0.26 の範囲内となり、引張残留応力及び圧縮残留 応力が大幅に低下した。また、外径加工度RD 0.3~0.8%の範囲内における試験番号4~6の残留 力比RSは、-0.16~0の範囲内となり、引張残留 力及び圧縮残留応力がほぼ発生しなかった
実機による冷間引抜加工試験を表2に示す試
験番号20~24の条件で実施した。
上述のダイス及びプラグを用いて、素管 対して冷間引抜を行い、金属管とした。製 された金属管の外面の円周方向の引張残留 力σθをX線にて測定した。さらに冷間引抜 の素管の降伏応力YS(=284MPa)を用いて、残留応 力比RS(=σθ/YS)を求めた。
測定結果を表2に示す。金属管の外面周方 向の引張残留応力及び残留応力比RSは、試験 号20及び23よりも、試験番号21、22及び24の方 が顕著に小さかった。
実機による冷間引抜加工試験を表3に示す試
験番号25~29の条件で実施し、製造された金属
の寸法精度(真円度)を調査した。
一方、試験番号27~29では、前段ダイスの を用い、後段ダイスは用いなかった。つま 、1つのダイスのみを用いてプラグ引きを実 した。
各試験番号ごとに、表3に記載された寸法 の素管10本に対して冷間引抜を実施し、金属 を製造した。製造された金属管の外径及び 厚の平均値(mm)を表3に示す。
製造された金属管の真円度(楕円量)を以 の方法で測定した。金属管を中央で切断し 切断面の外径を周方向に等間隔で10箇所測定 した。測定された外径から、その金属管の真 円度(mm)を以下の式(3)により求めた。
真円度=最大外径寸法-最小外径寸法 (3)
各試験番号において、製造された各金属管
真円度を求め、製造された10本の金属管の
円度の平均値を、その試験番号の真円度と
義した。各試験番号で得られた金属管の真
度を表3に示す。
表3を参照して、試験番号25及び26では、 円度はいずれも0.04mmであった。つまり、本 明による製造方法では、製造された金属管 寸法精度が高かった。一方、試験番号27~29で は、真円度がいずれも0.08mm以上であり、金属 管の寸法精度が低かった。
以上、本発明の実施の形態を説明したが 上述した実施の形態は本発明を実施するた の例示に過ぎない。よって、本発明は上述 た実施の形態に限定されることなく、その 旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形 を適宜変形して実施することが可能である
