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Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR MANUFACTURING A PHOTOELECTRIC CONVERSION ELEMENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/157462
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for manufacturing a photoelectric conversion element capable of painting different pigments conveniently.  In a process for a pigment adsorbing treatment: a tool (21) having partitions of a predetermined shape is disposed over semiconductor electrodes (121 to 123) which are titanium oxide electrodes, and are adhered with an UV-curable adhesive; in the sections divided by the partitions, respectively, there are fitted pigment solutions (S1 to S3) which are prepared by dissolving three kinds of pigments such as N719, Black dye and D149 into a mixed solution of CH3CN/t-BuOH; and the tool (21) is turned upside down and left to stand for 24 hours.  After lapse of 24 hours, the adhesive is peeled off to produce the semiconductor electrodes (121 to 123), in which the regions corresponding to the aforementioned sections are differently painted with the pigments of the three kinds.  The photoelectric conversion element manufacturing method can be applied to a method for manufacturing a pigment-sensitized solar cell.

Inventors:
SUZUKI YUSUKE (JP)
MOROOKA MASAHIRO (JP)
TADA KEISHI (JP)
NAGANO YASUNORI (JP)
YONEYA REIKO (JP)
ORIHASHI MASAKI (JP)
TAKADA HARUMI (JP)
ZHU CHENG (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/061450
Publication Date:
December 30, 2009
Filing Date:
June 24, 2009
Export Citation:
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Assignee:
SONY CORP (JP)
SUZUKI YUSUKE (JP)
MOROOKA MASAHIRO (JP)
TADA KEISHI (JP)
NAGANO YASUNORI (JP)
YONEYA REIKO (JP)
ORIHASHI MASAKI (JP)
TAKADA HARUMI (JP)
ZHU CHENG (JP)
International Classes:
H01M14/00; H01L31/04
Foreign References:
JP2000268891A2000-09-29
JP2002299678A2002-10-11
JP2005259548A2005-09-22
Other References:
See also references of EP 2306584A4
Attorney, Agent or Firm:
INAMOTO YOSHIO (JP)
Yoshio Inemoto (JP)
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Claims:
 光電変換素子用の半導体電極上に、所定の形状からなる隔壁を有する仕切部材を設置し、前記隔壁により仕切られた区画ごとに異なる色素溶液を入れて所定の色素を吸着させる工程と、
 所定の時間が経過した後、前記区画に対応する所定の領域に前記色素が吸着された前記半導体電極を前記仕切部材からはがす工程と
 を備える光電変換素子の製造方法。
 前記仕切部材は、底部を持つ容器型の形状を有しており、
 前記色素を吸着させる工程において、前記仕切部材の前記区画に前記色素溶液を入れた後、前記仕切部材の開口側に前記半導体電極を設置して容器型の前記仕切部材を密閉し、その状態で密閉された前記仕切部材の上下を反転させて、前記区画に対応する前記半導体電極上の所定の領域に色素を吸着させる
 請求項1に記載の光電変換素子の製造方法。
 前記仕切部材は、中空の形状を有しており、
 前記色素を吸着させる工程において、前記仕切部材を前記半導体電極上に設置し、前記仕切部材の底部が前記半導体電極となっている状態で、前記仕切部材の開口側から前記色素溶液を入れて、前記区画に対応する前記半導体電極上の所定の領域に色素を吸着させる 請求項1に記載の光電変換素子の製造方法。
 前記仕切部材は、第1の区画を有する第1の仕切部材と、前記第1の区画とは異なる第2の区画を有する前記第2の仕切部材からなり、
 前記色素を吸着させる工程において、前記第1の仕切部材によって、前記第1の区画に対応する前記半導体電極上の第1の領域に色素を吸着させた後、前記第2の仕切部材によって、前記第2の区画に対応する前記半導体電極上の前記第1の領域とは異なる第2の領域に色素を吸着させる
 請求項1に記載の光電変換素子の製造方法。
 前記半導体電極と前記仕切部材とは、接着剤により接着されるか、あるいはガスケットにより圧着される
 請求項1に記載の光電変換素子の製造方法。
 前記仕切部材が密閉された状態で、その内部空間を真空ポンプにより減圧させることによって、前記仕切部材と前記半導体電極とを接着させる
 請求項2に記載の光電変換素子の製造方法。
 前記光電変換素子は、色素増感型太陽電池である
 請求項1に記載の光電変換素子の製造方法。
Description:
光電変換素子の製造方法

 本発明は、光電変換素子の製造方法に関 、特に、簡便に色素の塗り分けをできるよ にした光電変換素子の製造方法に関する。

 近年、シリコン(Si)系などに替わる次世代 の太陽電池として、色素増感型太陽電池につ いての研究が広く行われている。

 この色素増感型太陽電池は、その特徴と て、製造プロセスが簡便であることや、デ イン性の付与が可能であることが挙げられ 。デザイン性の一例としては、複数の色を する太陽電池であれば、設置する装置、建 等の外観を損なうことなく、設置すること でき、太陽電池の一層の普及につながるも と考えられる。

 アプリケーションとしては、たとえば、 ータブル充電器、携帯音楽プレーヤ、パー ナルコンピュータ、電子カメラ、レコーダ 携帯電話機など、様々なエレクトロニクス 器の電源や、従来から、シリコンなどの太 電池が用いられてきた、時計や電卓、さら は、窓ガラスや壁、その他、屋外に設置さ た看板、標識等への適用が考えられる。

 本出願人は、この種の色素増感型太陽電 の製造方法として、たとえば、特許文献1を 先に提案している。

 また、色素増感型太陽電池において、色 決定する要素は色素であり、その製造工程 は、ナノポーラス半導体電極上の任意の場 に、任意の色素を吸着させる、いわゆる塗 分け技術が必要となる。

 複数色の太陽電池を作製する方法として 、インクジェットプリンタを利用する方法 提案されている。

特開2005-259548号公報

 しかしながら、特許文献1を含む従来の技 術では、半導体電極に色素を吸着させる際に 、色素の塗り分けを行うのが困難であったた め、簡便に色素の塗り分けを行いたいという 要求が高まっている。

 また、上記のインクジェットプリンタを 用する提案によれば、絵画のような精細な り分けが可能であることが報告されている 、実用的な太陽電池の半導体電極は5μm~30μm の厚みを有することから、その内部にまで十 分な量の色素を塗布するためには、繰り返し 塗布を行うなどの方法が必要であると考えら れ、それにより装置の占有時間が非常に長く なる恐れがある。

 本発明はこのような状況に鑑みてなされ ものであり、色素増感型太陽電池等の光学 換素子の製造において、半導体電極に色素 吸着させる際に、簡便に色素の塗り分けを ることができるようにするものである。

 本発明の一側面の光電変換素子の製造方 は、光電変換素子用の半導体電極上に、所 の形状からなる隔壁を有する仕切部材を設 し、前記隔壁により仕切られた区画ごとに なる色素溶液を入れて所定の色素を吸着さ る工程と、所定の時間が経過した後、前記 画に対応する所定の領域に前記色素が吸着 れた前記半導体電極を前記仕切部材からは す工程とを備える。

 前記仕切部材は、底部を持つ容器型の形 を有しており、前記色素を吸着させる工程 おいて、前記仕切部材の前記区画に前記色 溶液を入れた後、前記仕切部材の開口側に 記半導体電極を設置して容器型の前記仕切 材を密閉し、その状態で密閉された前記仕 部材の上下を反転させて、前記区画に対応 る前記半導体電極上の所定の領域に色素を 着させる。

 前記仕切部材は、中空の形状を有してお 、前記色素を吸着させる工程において、前 仕切部材を前記半導体電極上に設置し、前 仕切部材の底部が前記半導体電極となって る状態で、前記仕切部材の開口側から前記 素溶液を入れて、前記区画に対応する前記 導体電極上の所定の領域に色素を吸着させ 。

 前記仕切部材は、第1の区画を有する第1 仕切部材と、前記第1の区画とは異なる第2の 区画を有する前記第2の仕切部材からなり、 記色素を吸着させる工程において、前記第1 仕切部材によって、前記第1の区画に対応す る前記半導体電極上の第1の領域に色素を吸 させた後、前記第2の仕切部材によって、前 第2の区画に対応する前記半導体電極上の前 記第1の領域とは異なる第2の領域に色素を吸 させる。

 前記半導体電極と前記仕切部材とは、接 剤により接着されるか、あるいはガスケッ により圧着される。

 前記仕切部材が密閉された状態で、その 部空間を真空ポンプにより減圧させること よって、前記仕切部材と前記半導体電極と 接着させる。

 前記光電変換素子は、色素増感型太陽電 である。

 本発明の一側面の光電変換素子の製造方 においては、光電変換素子用の半導体電極 に、所定の形状からなる隔壁を有する仕切 材が設置され、隔壁により仕切られた区画 とに異なる色素溶液が入れられて所定の色 が吸着され、所定の時間が経過した後、区 に対応する所定の領域に色素が吸着された 導体電極が仕切部材からはがされる。

 以上のように、本発明の一側面によれば 簡便に色素の塗り分けをすることができる

本発明を適用した色素吸着処理の工程 説明するための断面図である。 本発明を適用した色素吸着処理の工程 説明するための図である。 本発明を適用した色素吸着処理の工程 説明するための図である。

 以下、図面を参照しながら本発明の実施 形態について説明する。

 ところで、色素増感型太陽電池の製造プ セスであるが、たとえば、下記の(1)ないし( 7)の工程に沿って行われる。

(1)レーザスクライブ加工処理
(2)スクリーン印刷処理
(3)アニール処理
(4)色素吸着処理
(5)貼り合せ処理
(6)電解液注液処理
(7)注液口の封止処理

 簡単に説明すると、かかる製造プロセス は、まず、(1)レーザスクライブ加工処理に って、導電性ガラス等の透明基板をレーザ 工することで、パターン化された透明基板 得られる。次に、(2)スクリーン印刷処理で 、スクリーン印刷法により所定のペースト 透明基板上に塗布し、続いて、(3)アニール 理によって、たとえば、電気炉において100 ~600℃での加熱焼成を約1時間行うことで、 導体電極が得られる。

 そして、(4)色素吸着処理において、半導 電極に所定の色素が吸着され、(5)対極との り合せや反射防止フィルム等が行われた後 (6)電解液注液処理によって、所定の電解溶 が注液され、(7)注液口を封止することで、 素増感型太陽電池が得られる。

 以上のような製造プロセスを経ることで 素増感型太陽電池が製造されるが、(4)色素 着処理の工程において、半導体電極に色素 吸着させる際に、色素の塗り分けを行うの 困難であったのは、[発明が解決しようとす る課題]で上述した通りである。そこで、本 明が適用される製造プロセスにおいては、 かる問題を解決可能な色素吸着処理が行わ る。以下、かかる色素吸着処理について、[ 施例1]ないし[実施例5]によって具体例を挙 ながら説明する。

 (4)色素吸着処理の前段の工程(1),(2),(3)によ て、市販のFTOガラス(15ω/□)上に、市販のTiO 2  ペーストがスクリーン印刷法によって塗布 れ、500℃で1時間焼成されることにより、短 冊状のパターンを有する酸化チタン電極(平 膜厚20μm)が得られる。

 次に、工程は、(4)色素吸着処理に進み、図1 の(4)色素吸着処理の工程の断面図に示す処理 が行われる。なお、図1においては、(1)ない (3)の工程により得られる短冊状の酸化チタ 電極を、半導体電極12 1 ないし12 3 として記述している。

 図1のAに示すように、器具21は、底部を持つ 容器状(トレイ状)の形状からなる。また、器 21は、所定の形状の隔壁を有しており、そ 隔壁で仕切られた区画ごとにそれぞれ異な 色素溶液を入れることできる。たとえば、 1のAにおいては、器具21は3つの区画に分けら れており、それらの区画には、異なる3種の 素溶液が入れられる。すなわち、たとえば N719,Black dye,D149の3種類の色素をそれぞれ、CH 3CN/t-BuOH混合溶液に溶解させることで、0.3mMの 色素溶液(色素溶液S 1 ,S 2 ,S 3 )が得られるので、この色素溶液を、図1の器 21の3つの区画にそれぞれ注ぐことができる

 そして、図1のBに示すように、異なる3種の 素溶液S 1 ないしS 3 がそれぞれ入れられた器具21の隔壁による上 部(開口上縁部側)に透明基板11を、半導体電 極12 1 ないし12 3 (酸化チタン電極)の形成された面が下側(器具 21側)となるように設置することで、器具21を 閉する。このとき、図中の黒色の丸印で示 接着剤22によって、透明基板11と器具21とを 着することで貼り合せて固定する。

 なお、かかる貼り合せの手法としては、U V硬化接着剤等の接着剤22を用いる手法の他、 たとえば、シリコンゴムのようなガスケット として機能するような材料を用いて圧着する 手法を用いることもできる。この場合、シリ コンゴムは器具21と接着されていても構わな し、シート状のものを用いても構わない。 た、透明基板11としては、たとえば、導電 ガラス等のガラス基板、透明プラスチック 板、金属板などが用いられる。

 そして、透明基板11と器具21とが接着されて いる状態で、その密閉された器具21の上下を 転させると、図1のCに示すような状態とな 。すなわち、器具21の上下が反転されること で、器具21の底部側にあった色素溶液S 1 ないしS 3 が、透明基板11側に流れ込むと同時に、半導 電極12 1 ないし12 3 が色素溶液S 1 ないしS 3 でそれぞれ満たされることになる。これによ り、半導体電極12 1 ないし12 3 には、それぞれ色素が吸着される。このとき 、半導体電極12 1 は色素溶液S 1 により色素が吸着され、半導体電極12 2 は色素溶液S 2 により色素が吸着され、半導体電極12 3 は色素溶液S 3 により色素が吸着される。このことは、言い 換えれば、半導体電極上の任意の位置に、任 意の色素を吸着させていると言え、さらに、 器具21を用意するだけで色素の塗り分けが可 となるため、簡便であるとも言える。

 その後、図1のCの状態のまま24時間静置した 後、器具21を透明基板11からはがすことによ て、図1のDに示すように、透明基板11上には 色素溶液S 1 ないしS 3 による色素で塗り分けられた半導体電極12 1 ないし12 3 が得られる。

 なお、(4)色素吸着処理の工程で用いられ 、器具21の形状であるが、隔壁の高さとし は少なくとも3mm以上必要である。これは、 れ以下であると、半導体電極12に注がれる色 素溶液に含まれる色素の量が不十分となるた めである。隔壁の高さの上限は3mm以上であれ ば特にない。また、隔壁の幅についても特に 制限はないが、実用上は10mm以下であること 望ましい。それ以上である場合には、太陽 池面積のうち、発電に寄与する面積が減少 るため、実用に耐えうるレベルではないか である。

 また、図1のCの状態で静置しておく時間で るが、これは半導体電極12 1 ないし12 3 の膜厚で変わるものであって、膜厚が薄けれ ばたとえば、10分,15分,30分などの短時間での 着が可能となるし、逆に、膜厚が厚いと、 とえば、48時間やそれ以上の時間を吸着に すこととなる。また、静置しておく時間は 度にも影響を受けるため、膜厚と作業を行 場所の温度の両方を考慮して、かかる時間 決めると好適である。また、加熱、攪拌と った操作を必要に応じて用いても構わない

 そして、(4)色素吸着処理が終了すると、 の後段の工程(5),(6),(7)が行われることで、(4 )の工程により得られた色素付半導体電極が 白金スパッタ対極とUV硬化接着剤を用いて貼 り合せられ、そこに電解溶液が注入されるこ とで、色素増感型太陽電池が得られる。した がって、これにより、所定の位置に、所定の 色素が吸着された色素増感型太陽電池が得ら れたことになる。

 なお、この[実施例1]の手法を用いて、異 る色を塗り分けるだけでなく、1色(1種類)の 色素の濃淡を塗り分けることも可能である。 この場合、吸着時間、色素溶液の濃度、溶媒 の種類などを各ユニットごとに変更すること で、濃淡を制御することが可能となる。また 、器具21によって異なる色を塗り分けること 、たとえば、文字、数字、記号、若しくは 形又はこれらの任意の組み合わせを表す色 を半導体電極上に吸着させることが可能と る。これらについては、後述する他の実施 においても同様である。

 上記の[実施例1]では、器具21の貼り合せ 手法として、接着剤22を用いる例の他、ガス ケットにより圧着させる例について説明した が、圧着手法としては、機械的に圧着させる 手法の他、真空中で貼り合わせた上で大気中 に戻すなどの、大気圧を利用して圧着させる 手法を採用することも可能である。

 具体的には、[実施例1]と同様の3種類の色素 溶液S 1 ないしS 3 が注液された隔壁を有し、その外周にシリコ ンゴム層を設けた器具21を、[実施例1]と同様 手法(工程(1)ないし(3))で作製された半導体 極12 1 ないし12 3 に対し機械的に貼り合わせる。その後、貼り 合わされたることで密閉状態となった器具21 内部空間を、真空ポンプを用いて減圧する とにより十分に接着させ、これを[実施例1] 同様にして、その状態で上下を反転させた 、24時間静置した。

 その後、反転されて器具21の下側に位置し いる半導体電極12 1 ないし12 3 を再度上側に戻し、さらに、その内部を大気 圧に戻して透明基板11をはがすことにより、3 種類の色素で塗り分けられた半導体電極12 1 ないし12 3 が得られる。その後、[実施例1]と同様の手法 (工程(5),(6),(7))にて、この色素付半導体電極 白金スパッタ対極とUV硬化接着剤を用いて貼 り合せ、電解溶液を注入することで、色素増 感型太陽電池が得られる。

 上記の[実施例1]では、図1の器具21の上下を 転させることで、半導体電極12 1 ないし12 3 に色素を吸着させる構成について説明したが 、図2の治具31を用いることで、部材を反転さ せなくとも、色素を吸着させることが可能と なる。なお、図2において、下側の図は治具31 の斜視図を表し、上側の図はシリコンゴム32 上面図を表している。

 具体的には、[実施例1]と同様の手法(工程(1) ないし(3))で作製した半導体電極12 1 ないし12 3 に対して、中空の形状を有する治具31を、そ 中空部H 1 ないしH 3 に対応する形状の穴部h 1 ないしh 3 を有するシリコンゴム32を介して機械的に圧 させる。すなわち、このとき、半導体電極1 2 1 ないし12 3 は、中空の形状を有する治具31の底部に位置 ることになる。その後、[実施例1]と同様の3 種類の色素溶液S 1 ないしS 3 を、それぞれ治具31に設けられた3つの中空部 H 1 ないしH 3 のそれぞれに注液すると、治具31の底部とし シリコンゴム32を介して圧着されている半 体電極12 1 ないし12 3 に色素が吸着される。

 そして、そのままの状態で24時間静置する とにより、治具31の中空の形状に対応する3 類の色素で塗り分けられた半導体電極12 1 ないし12 3 が得られる。そして、[実施例1]と同様の手法 (工程(5),(6),(7))にて、この色素付半導体電極 白金スパッタ対極とUV硬化接着剤を用いて貼 り合せ、電解溶液を注入することで、色素増 感型太陽電池が得られる。

 上記の[実施例1]では色素の吸着のすべて 一度に行っていたが、それらを複数回に分 て行うことも可能である。ここでは、図3を 参照して、たとえば、[実施例1]と同様の手法 により、5cm×5cmの一面に、酸化チタン電極が られた場合を例に挙げて説明する。

 なお、図3においては、[実施例1]と同様の 工程(1)ないし(3)により得られた酸化チタン電 極を、その大きさである5cm×5cmに対応させた5 ×5個の格子状のマス目(1つのマス目が1cm四方) からなる半導体電極12として記述している。 た、図3には、治具41及び治具42、並びに半 体電極12の上面図が示されており、図中の矢 印で示すように、半導体電極12は、図中左上 ら図中右下に向かう方向に時系列で並んで る。そこで、図3では、図中左上から図中右 下に向かって時系列で並んでいる3つの半導 電極12の状態を、それぞれ、図中左上から順 に、状態1,状態2,状態3と称して説明する。

 ここでは、図3に示すように、パターン1(図3 では穴部H 4 及び穴部H 5 )の形状を有する治具41と、パターン1とは異 るパターン2(図3では穴部H 6 )の形状を有する治具42のうち、はじめに、治 具41を、状態1の半導体電極12上に設置する。

 そして、工程(1)ないし(3)によって得られた 態1の半導体電極12上の5×5のマス目のうち、 治具41に設けられた穴部H 4 及び穴部H 5 に対応する位置にある図中左から1,2列目のマ ス目と、図中左から4,5列目のマス目に、それ ぞれ色素溶液S 1 ,S 2 を注液する。より具体的には、治具41を半導 電極12に貼り合わせた後、N719とBlack dyeの色 素溶液S 1 ,S 2 をそれぞれ穴部H 4 及び穴部H 5 に注液し、そのまま24時間静置することによ 、半導体電極12には治具41の穴部H 4 及び穴部H 5 に対応する形状の色素が吸着される。

 そして、治具41をはがすことで、図3の状態2 の半導体電極12に示すように、1,2列目のマス には色素溶液S 1 により色素が吸着され(図中右下がり斜線で すマス目上の領域)、4,5列目のマス目には色 溶液S 2 により色素が吸着される(図中左下がり斜線 表すマス目上の領域)。このとき、状態2の半 導体電極12からも分かるように、真ん中の3列 目のマス目は、色素が吸着されていない状態 となる。

 続いて、治具42を用いて、半導体電極12のう ち、残った真ん中の3列目に所定の色素を吸 させる。具体的には、アセトニトリルを用 てリンスした後、治具42を半導体電極12に貼 合わせて、D149の色素溶液S 3 を穴部H 6 に注液し、そのまま24時間静置することで、 導体電極12には治具42の穴部H 6 に対応する形状の色素が吸着される。

 そして、治具42をはがすことで、図3の状態3 の半導体電極12に示すように、3列目のマス目 には、色素溶液S 3 により色素が吸着される(図中幅広の右下が 斜線で表すマス目上の領域)。すなわち、治 41と、治具42を用いた2段階での色素の塗り けによって、3種類の色素で塗り分けられた 導体電極12が得られたことになる。

 その後、[実施例1]と同様の手法(工程(5),(6 ),(7))にて、この色素付半導体電極を白金スパ ッタ対極とUV硬化接着剤を用いて貼り合せ、 解溶液を注入することで、色素増感型太陽 池が得られる。

 このように、色素の吸着を行う際、全体 一度に吸着させる他に、部分ごとに何段階 に分けて吸着させることができるので、た えば、塗り分けの区間同士が隣接している あるいは隔壁を設けるのに十分なだけ離れ いないといった場合にも、[実施例4]のよう して数段階に分けて吸着させることにより 簡便に色素の塗り分けを行うことが可能と る。

 上記の[実施例1]ないし[実施例4]において 、[実施例1]で説明した工程(1)ないし(3)によ て作製された酸化チタン電極に対し、(4)色 吸着処理の工程を行う例について説明した 、酸化チタン電極は他の手法により作製し もよい。

 すなわち、(4)色素吸着処理の前段の工程 ある工程(1)ないし(3)において、市販の酸化 タンP25を、ガンマブチロラクトンに対して2 0wt%分散させ、さらに酸化チタンに対して30wt% のPVDF-HFP(ポリフッカビニリデン-ヘキサフル ロプロピレン)共重合体を加え、約60℃に加 しながら、攪拌することにより、均一な溶 が得られる。これをITOつきのPEN基板上にブ ードコーティング法により塗布し、120℃で1 間乾燥させ、さらに、この基板を、ロール レス機を用いてプレスすることにより、PEN 板上に、5cm×5cmの酸化チタン電極が得られ 。

 そして、これを、たとえば、上記の[実施 例4]と同様の手法により処理することで、3種 類の色素で塗り分けられた酸化チタン電極が 得られ、その後、[実施例1]と同様の手法(工 (5),(6),(7))により処理することで、色素増感 太陽電池が得られる。すなわち、この[実施 5]では、たとえばPEN基板等のフレキシブル 基板上に酸化チタン電極が形成されるので より柔軟性の高い色素増感型太陽電池を作 できる。

 以上のようにして、色素増感型太陽電池 製造プロセスの工程(1)ないし(7)のうち、(4) 素吸着処理において、上記の[実施例1]ない [実施例5]で説明した処理のいずれかが行わ 、それらの工程を経ることで、色素増感型 陽電池が製造される。

 このように、本発明によれば、色素増感 太陽電池等の光学変換素子の製造において 半導体電極に色素を吸着させる際に、簡便 色素の塗り分けをすることができる。

 なお、本発明の実施の形態は、上述した 施の形態に限定されるものではなく、本発 の要旨を逸脱しない範囲において種々の変 が可能である。たとえば、本実施の形態に いて挙げた、数値、構造、形状、材料、原 、プロセス等は、あくまでも一例に過ぎず 必要に応じてこれらと異なる数値、構造、 状、材料、原料、プロセスを用いてもよい

 また、本実施の形態においては、光電変 素子として、色素増感型太陽電池を例に挙 て説明したが、本発明は、色素増感型以外 太陽電池や、太陽電池以外の光電変換素子 ついても適用可能である。

 11 透明基板, 12 1 ないし12 3 及び12 半導体電極, 21 器具, 22 接着剤, 31 治具, 32 シリコンゴム, 41 治具, 42 治具, S 1 ないしS 3  色素溶液, H 1 ないしH 3  中空部, h 1 ないしh 3  穴部, H 4 ないしH 6  穴部




 
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