Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
METHOD OF MANUFACTURING PIEZOELECTRIC OSCILLATOR, PIEZOELECTRIC OSCILLATOR, OSCILLATOR, ELECTRONIC APPARATUS, AND RADIO CONTROLLED CLOCK
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/104310
Kind Code:
A1
Abstract:
A piezoelectric oscillator comprises a base substrate, a lid substrate having a recess portion forming a cavity, joined to the base substrate, and facing the base substrate, piezoelectric oscillating pieces which are joined to the top face of the base substrate and received in the cavity formed between the base substrate and the lid substrate using the recess portion, external electrodes formed on the bottom face of the base substrate, through electrodes which are extended through the base substrate, electrically connected to the respective external electrodes and adapted to keep the airtightness of the cavity, and a roundabout routing electrode which is formed on the top face of the base substrate and electrically connects the through electrodes to the respective piezoelectric oscillating pieces. The through electrodes are formed by curing a paste containing multiple metal small particles and multiple glass beads.

Inventors:
NUMATA MASASHI (JP)
ARATAKE KIYOSHI (JP)
SUGAMA KAZUYOSHI (JP)
KURITA SUMIHIKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/069851
Publication Date:
August 27, 2009
Filing Date:
October 31, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
SEIKO INSTR INC (JP)
NUMATA MASASHI (JP)
ARATAKE KIYOSHI (JP)
SUGAMA KAZUYOSHI (JP)
KURITA SUMIHIKO (JP)
International Classes:
H03H9/02; H01L23/02; H03B5/32; H03H3/02; H03H9/10
Foreign References:
JP2002124845A2002-04-26
JPH07118616A1995-05-09
JP2006331788A2006-12-07
JP2007267101A2007-10-11
JP2007269959A2007-10-18
JP2001345555A2001-12-14
JPH08316644A1996-11-29
Attorney, Agent or Firm:
MATSUSHITA, YOSHIHARU (JP)
Matsushita Yoshiharu (JP)
Download PDF:
Claims:
 ベース基板と、
 キャビティ用の凹部が形成され、前記凹部を前記ベース基板に対向させた状態で前記ベース基板に接合されたリッド基板と、
 前記凹部を利用して前記ベース基板と前記リッド基板との間に形成されたキャビティ内に収納された状態で、ベース基板の上面に接合された圧電振動片と、
 前記ベース基板の下面に形成された外部電極と、
 前記ベース基板を貫通するように形成され、前記キャビティ内の気密を維持するとともに、前記外部電極に対してそれぞれ電気的に接続された貫通電極と、
 前記ベース基板の上面に形成され、接合された前記圧電振動片に対して前記貫通電極をそれぞれ電気的に接続させる引き回し電極と、を備え、
 前記貫通電極は、複数の金属微粒子および複数のガラスビーズを含んだペースト材の硬化により形成されていることを特徴とする圧電振動子。
 ベース基板と、
 キャビティ用の凹部が形成され、前記凹部を前記ベース基板に対向させた状態で前記ベース基板に接合されたリッド基板と、
 前記凹部を利用して前記ベース基板と前記リッド基板との間に形成されたキャビティ内に収納された状態で、ベース基板の上面に接合された圧電振動片と、
 前記ベース基板の下面に形成された外部電極と、
 前記ベース基板を貫通するように形成され、前記キャビティ内の気密を維持するとともに、前記外部電極に対してそれぞれ電気的に接続された貫通電極と、
 前記ベース基板の上面に形成され、接合された前記圧電振動片に対して前記貫通電極をそれぞれ電気的に接続させる引き回し電極と、を備え、
 前記貫通電極は、複数の金属微粒子および複数のガラスビーズを含んだガラスフリットの硬化により形成されていることを特徴とする圧電振動子。
 前記ガラスビーズは、熱膨張係数が前記ベース基板と略等しいことを特徴とする請求項1または2に記載の圧電振動子。
 前記ガラスビーズは、球状であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の圧電振動子。
 前記ベース基板および前記リッド基板は、前記凹部の周囲を囲むように両基板の間に形成された接合膜を介して陽極接合されていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の圧電振動子。
 前記圧電振動片は、導電性のバンプによりバンプ接合されていることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の圧電振動子。
 前記金属微粒子は、非球形形状であることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の圧電振動子。
 互いに接合されたベース基板とリッド基板との間に形成されたキャビティ内に圧電振動片が封止された圧電振動子を、ベース基板用ウエハとリッド基板用ウエハとを利用して一度に複数製造する方法であって、
 前記リッド基板用ウエハに、両ウエハが重ね合わされたときに前記キャビティを形成するキャビティ用の凹部を複数形成する凹部形成工程と、
 前記ベース基板用ウエハに、複数の金属微粒子および複数のガラスビーズを含んだペースト材を利用して、前記ウエハを貫通する貫通電極を複数形成する貫通電極形成工程と、
 前記ベース基板用ウエハの上面に、前記貫通電極に対してそれぞれ電気的に接続された引き回し電極を複数形成する引き回し電極形成工程と、
 複数の前記圧電振動片を、前記引き回し電極を介して前記ベース基板用ウエハの上面に接合するマウント工程と、
 前記ベース基板用ウエハと前記リッド基板用ウエハとを重ね合わせて、前記凹部と両ウエハとで囲まれる前記キャビティ内に圧電振動片を収納する重ね合わせ工程と、
 前記ベース基板用ウエハと前記リッド基板用ウエハとを接合し、前記圧電振動片を前記キャビティ内に封止する接合工程と、
 前記ベース基板用ウエハの下面に、前記貫通電極にそれぞれ電気的に接続された外部電極を複数形成する外部電極形成工程と、
 接合された前記両ウエハを切断して、複数の前記圧電振動子に小片化する切断工程と、を備え、
 前記貫通電極形成工程は、前記ベース基板用ウエハに前記ウエハを貫通する貫通孔を複数形成する貫通孔形成工程と、これら複数の貫通孔内に前記ペースト材を埋め込んで前記貫通孔を塞ぐ充填工程と、埋め込んだペースト材を所定の温度で焼成して硬化させる焼成工程と、を備えていることを特徴とする圧電振動子の製造方法。
 互いに接合されたベース基板とリッド基板との間に形成されたキャビティ内に圧電振動片が封止された圧電振動子を、ベース基板用ウエハとリッド基板用ウエハとを利用して一度に複数製造する方法であって、
 前記リッド基板用ウエハに、両ウエハが重ね合わされたときに前記キャビティを形成するキャビティ用の凹部を複数形成する凹部形成工程と、
 前記ベース基板用ウエハに、複数の金属微粒子および複数のガラスビーズを含んだガラスフリットを利用して、前記ウエハを貫通する貫通電極を複数形成する貫通電極形成工程と、
 前記ベース基板用ウエハの上面に、前記貫通電極に対してそれぞれ電気的に接続された引き回し電極を複数形成する引き回し電極形成工程と、
 複数の前記圧電振動片を、前記引き回し電極を介して前記ベース基板用ウエハの上面に接合するマウント工程と、
 前記ベース基板用ウエハと前記リッド基板用ウエハとを重ね合わせて、前記凹部と両ウエハとで囲まれる前記キャビティ内に圧電振動片を収納する重ね合わせ工程と、
 前記ベース基板用ウエハと前記リッド基板用ウエハとを接合し、前記圧電振動片を前記キャビティ内に封止する接合工程と、
 前記ベース基板用ウエハの下面に、前記貫通電極にそれぞれ電気的に接続された外部電極を複数形成する外部電極形成工程と、
 接合された前記両ウエハを切断して、複数の前記圧電振動子に小片化する切断工程と、を備え、
 前記貫通電極形成工程は、前記ベース基板用ウエハに前記ウエハを貫通する貫通孔を複数形成する貫通孔形成工程と、これら複数の貫通孔内に前記ガラスフリットを埋め込んで前記貫通孔を塞ぐ充填工程と、埋め込んだガラスフリットを所定の温度で焼成して硬化させる焼成工程と、を備えていることを特徴とする圧電振動子の製造方法。
 前記ガラスビーズとして、熱膨張係数が前記ベース基板用ウエハと略等しいガラスビーズを用いることを特徴とする請求項8または9に記載の圧電振動子の製造方法。
 前記ガラスビーズとして、球状のガラスビーズを用いることを特徴とする請求項8~10のいずれかに記載の圧電振動子の製造方法。
 前記マウント工程前に、前記ベース基板用ウエハと前記リッド基板用ウエハとを重ね合わせたときに、前記凹部の周囲を囲む接合膜をベース基板用ウエハの上面に形成する接合膜形成工程を備え、
 前記接合工程の際、前記接合膜を介して前記両ウエハを陽極接合することを特徴とする請求項8~11のいずれかに記載の圧電振動子の製造方法。
 前記マウント工程の際、導電性のバンプを利用して前記圧電振動片をバンプ接合することを特徴とする請求項8~12のいずれかに記載の圧電振動子の製造方法。
 前記充填工程の際、非球形形状の金属微粒子を含んだ前記ペースト材を埋め込むことを特徴とする請求項8,10~13のいずれかに記載の圧電振動子の製造方法。
 前記充填工程の際、前記ペースト材を脱泡処理した後に、前記ペースト材を前記貫通孔内に埋め込むことを特徴とする請求項8,10~14のいずれかに記載の圧電振動子の製造方法。
 前記充填工程の際、非球形形状の金属微粒子を含んだ前記ガラスフリットを埋め込むことを特徴とする請求項9~13のいずれかに記載の圧電振動子の製造方法。
 前記充填工程の際、前記ガラスフリットを脱泡処理した後に、前記ガラスフリットを前記貫通孔内に埋め込むことを特徴とする請求項9~13,16のいずれかに記載の圧電振動子の製造方法。
 ベース基板と、
 キャビティ用の凹部が形成され、前記凹部を前記ベース基板に対向させた状態で前記ベース基板に接合されるリッド基板と、
 前記ベース基板と前記リッド基板との間に形成された前記キャビティ内に収納され、前記ベース基板の上面に接合された圧電振動片と、
 前記ベース基板の下面に形成された外部電極と、
 前記ベース基板に形成された貫通孔に、前記キャビティ内の気密を維持するとともに、前記外部電極に対して電気的に接続するように形成された貫通電極と、
 前記圧電振動片と前記貫通電極とを電気的に接続させるために前記ベース基板の上面に形成された引き回し電極と、を備えた圧電振動子において、
 前記貫通電極が、
  前記貫通孔内に挿入された導電性の芯材部と、
  ガラスフリットと前記ガラスフリットよりも硬度の高い粒状体とが混合され、前記貫通孔と前記芯材部との隙間に充填された筒体と、で構成されていることを特徴とする圧電振動子。
 ベース基板と、
 キャビティ用の凹部が形成され、前記凹部を前記ベース基板に対向させた状態で前記ベース基板に接合されるリッド基板と、
 前記ベース基板と前記リッド基板との間に形成された前記キャビティ内に収納され、前記ベース基板の上面に接合された圧電振動片と、
 前記ベース基板の下面に形成された外部電極と、
 前記ベース基板に形成された貫通孔に、前記キャビティ内の気密を維持するとともに、前記外部電極に対して電気的に接続するように形成された貫通電極と、
 前記圧電振動片と前記貫通電極とを電気的に接続させるために前記ベース基板の上面に形成された引き回し電極と、を備えた圧電振動子において、
 前記貫通電極が、
  前記貫通孔内に挿入された導電性の芯材部と、
  ペースト材と前記ペースト材よりも硬度の高い粒状体とが混合され、前記貫通孔と前記芯材部との隙間に充填された筒体と、で構成されていることを特徴とする圧電振動子。
 前記粒状体が、ガラスビーズであることを特徴とする請求項18または19に記載の圧電振動子。
 前記筒体の硬度が、前記ベース基板の硬度と略同一であることを特徴とする請求項18~20のいずれかに記載の圧電振動子。
 互いに接合されたベース基板とリッド基板との間に形成されたキャビティ内に圧電振動片が封止された圧電振動子の製造方法において、
 平板状の土台部と、前記土台部の表面に直交する方向に沿って前記ベース基板と略同じ厚みだけ延在し、その先端が平坦に形成された芯材部と、を有する導電性の鋲体の芯材部を前記ベース基板の貫通孔内に挿入し、前記ベース基板の第1面に鋲体の土台部を当接させる工程と、
 前記ベース基板の第2面に、充填材を塗布し、前記充填材を前記貫通孔内に充填する工程と、
 前記充填材を焼成して硬化させる工程と、
 前記ベース基板の第1面および第2面を研磨して芯材部を露出させる工程と、を有し、
 前記充填材は、ペースト状のガラスフリットに、硬化後のガラスフリットよりも硬度の高い粒状体を混合したものであることを特徴とする圧電振動子の製造方法。
 前記圧電振動子を、ベース基板用ウエハとリッド基板用ウエハとを利用して製造する圧電振動子の製造方法において、
 前記リッド基板用ウエハに、両ウエハが重ね合わされたときに前記キャビティを形成するキャビティ用の凹部を形成する凹部形成工程と、
 前記ベース基板用ウエハに、平板状の土台部と、前記土台部の表面に直交する方向に沿って前記ベース基板用ウエハと略同じ厚みだけ延在し、その先端が平坦に形成された芯材部と、を有する導電性の鋲体を利用して、前記ウエハを貫通する貫通電極を形成する貫通電極形成工程と、
 前記ベース基板用ウエハの上面に、前記貫通電極に対して電気的に接続された引き回し電極を形成する引き回し電極形成工程と、
 前記圧電振動片を、前記引き回し電極を介して前記ベース基板用ウエハの上面に接合するマウント工程と、
 前記ベース基板用ウエハと前記リッド基板用ウエハとを重ね合わせて、前記凹部と両ウエハとで囲まれる前記キャビティ内に圧電振動片を収納する重ね合わせ工程と、
 前記ベース基板用ウエハと前記リッド基板用ウエハとを接合し、前記圧電振動片を前記キャビティ内に封止する接合工程と、
 前記ベース基板用ウエハの下面に、前記貫通電極に電気的に接続された外部電極を形成する外部電極形成工程と、
 接合された前記両ウエハを切断して、複数の圧電振動子に小片化する切断工程と、を備え、
 前記貫通電極形成工程が、
  前記ベース基板用ウエハに貫通電極を配置させるための貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
  前記ベース基板用ウエハの貫通孔に、前記鋲体を配置するとともに、前記貫通孔と前記鋲体の芯材部との間隙に、ペースト状のガラスフリットと前記ガラスフリットよりも硬度の高い粒状体とが混合された充填材を充填する貫通電極配置工程と、
  前記充填材を所定の温度で焼成して筒体を形成するとともに、前記貫通孔と前記筒体と前記鋲体の芯材部とを一体的に固定させる焼成工程と、
  前記鋲体の土台部および該土台部が配置された前記ベース基板用ウエハの上面を研削・研磨して、前記芯材部が露出するようにする研削・研磨工程と、を有していることを特徴とする請求項22に記載の圧電振動子の製造方法。
 互いに接合されたベース基板とリッド基板との間に形成されたキャビティ内に圧電振動片が封止された圧電振動子の製造方法において、
 平板状の土台部と、前記土台部の表面に直交する方向に沿って前記ベース基板と略同じ厚みだけ延在し、その先端が平坦に形成された芯材部と、を有する導電性の鋲体の芯材部を前記ベース基板の貫通孔内に挿入し、前記ベース基板の第1面に鋲体の土台部を当接させる工程と、
 前記ベース基板の第2面に、充填材を塗布し、前記充填材を前記貫通孔内に充填する工程と、
 前記充填材を焼成して硬化させる工程と、
 前記ベース基板の第1面および第2面を研磨して芯材部を露出させる工程と、を有し、
 前記充填材は、ペースト材に、硬化後のペースト材よりも硬度の高い粒状体を混合したものであることを特徴とする圧電振動子の製造方法。
 前記圧電振動子を、ベース基板用ウエハとリッド基板用ウエハとを利用して製造する圧電振動子の製造方法において、
 前記リッド基板用ウエハに、両ウエハが重ね合わされたときに前記キャビティを形成するキャビティ用の凹部を形成する凹部形成工程と、
 前記ベース基板用ウエハに、平板状の土台部と、前記土台部の表面に直交する方向に沿って前記ベース基板用ウエハと略同じ厚みだけ延在し、その先端が平坦に形成された芯材部と、を有する導電性の鋲体を利用して、前記ウエハを貫通する貫通電極を形成する貫通電極形成工程と、
 前記ベース基板用ウエハの上面に、前記貫通電極に対して電気的に接続された引き回し電極を形成する引き回し電極形成工程と、
 前記圧電振動片を、前記引き回し電極を介して前記ベース基板用ウエハの上面に接合するマウント工程と、
 前記ベース基板用ウエハと前記リッド基板用ウエハとを重ね合わせて、前記凹部と両ウエハとで囲まれる前記キャビティ内に圧電振動片を収納する重ね合わせ工程と、
 前記ベース基板用ウエハと前記リッド基板用ウエハとを接合し、前記圧電振動片を前記キャビティ内に封止する接合工程と、
 前記ベース基板用ウエハの下面に、前記貫通電極に電気的に接続された外部電極を形成する外部電極形成工程と、
 接合された前記両ウエハを切断して、複数の圧電振動子に小片化する切断工程と、を備え、
 前記貫通電極形成工程が、
  前記ベース基板用ウエハに貫通電極を配置させるための貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
  前記ベース基板用ウエハの貫通孔に、前記鋲体を配置するとともに、前記貫通孔と前記鋲体の芯材部との間隙に、ペースト材と前記ペースト材よりも硬度の高い粒状体とが混合された充填材を充填する貫通電極配置工程と、
  前記充填材を所定の温度で焼成して筒体を形成するとともに、前記貫通孔と前記筒体と前記鋲体の芯材部とを一体的に固定させる焼成工程と、
  前記鋲体の土台部および該土台部が配置された前記ベース基板用ウエハの上面を研削・研磨して、前記芯材部が露出するようにする研削・研磨工程と、を有していることを特徴とする請求項24に記載の圧電振動子の製造方法。
 請求項1~7および請求項18~21のいずれかに記載の圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
 請求項1~7および請求項18~21のいずれかに記載の圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする電子機器。
 請求項1~7および請求項18~21のいずれかに記載の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする電波時計。
Description:
圧電振動子の製造方法、圧電振 子、発振器、電子機器および電波時計

 本発明は、接合された2枚の基板の間に形 成されたキャビティ内に圧電振動片が封止さ れた表面実装型(SMD)の圧電振動子、該圧電振 子を製造する圧電振動子の製造方法、圧電 動子を有する発振器、電子機器および電波 計に関するものである。

 近年、携帯電話や携帯情報端末には、時 源や制御信号などのタイミング源、リファ ンス信号源などとして水晶などを利用した 電振動子が用いられている。この種の圧電 動子は、様々なものが知られているが、そ 一つとして、表面実装型の圧電振動子が知 れている。この種の圧電振動子としては、 般的に圧電振動片が形成された圧電基板を ース基板とリッド基板とで上下から挟み込 ように接合した3層構造タイプのものが知ら れている。この場合、圧電振動子は、ベース 基板とリッド基板との間に形成されたキャビ ティ(密閉室)内に収納されている。また、近 では、上述した3層構造タイプのものではな く、2層構造タイプのものも開発されている

 このタイプの圧電振動子は、ベース基板 リッド基板とが直接接合されることで2層構 造になっており、両基板の間に形成されたキ ャビティ内に圧電振動片が収納されている。 この2層構造タイプの圧電振動子は、3層構造 ものに比べて薄型化を図ることができるな の点において優れており、好適に使用され いる。このような2層構造タイプの圧電振動 子の一つとして、ベース基板を貫通するよう に形成された導電部材を利用して、圧電振動 片とベース基板に形成された外部電極とを導 通させた圧電振動子が知られている(例えば 特許文献1~特許文献4参照)。

 この圧電振動子300は、図30、図31に示すよう に、接合膜307を介して互いに陽極接合された ベース基板301およびリッド基板302と、両基板 301、302の間に形成されたキャビティC内に封 された圧電振動片303と、を備えている。圧 振動片303は、例えば音叉型の振動片であっ 、キャビティC内においてベース基板301の上 に導電性接着剤Eを介してマウントされてい る。
 ベース基板301およびリッド基板302は、例え セラミックやガラスなどからなる絶縁基板 ある。両基板301、302のうちベース基板301に 、ベース基板301を貫通するスルーホール304 形成されている。そして、このスルーホー 304内には、スルーホール304を塞ぐように導 部材305が埋め込まれている。この導電部材3 05は、ベース基板301の下面に形成された外部 極306に電気的に接続されているとともに、 ャビティC内にマウントされている圧電振動 片303に電気的に接続されている。

特開2001-267190号公報

特開2007-328941号公報

特開2002-124845号公報

特開2006-279872号公報

 ところで、上述した2層構造タイプの圧電 振動子において、導電部材305は、スルーホー ル304を塞いでキャビティC内の気密を維持す とともに、圧電振動片303と外部電極306とを 通させるという2つの大きな役割を担ってい 。特に、スルーホール304との密着が不十分 あると、キャビティC内の気密が損なわれて しまう虞があり、また、導電性接着剤Eある は外部電極306との接触が不十分であると、 電振動片303の作動不良を招いてしまう。し がって、このような不具合をなくすために 、スルーホール304の内面に強固に密着した 態でスルーホール304を完全に塞ぎ、しかも 表面に凹みなどがない状態で導電部材305を 成する必要がある。

 しかしながら、特許文献1~特許文献4には、 電部材305を導電ペースト(AgペーストやAu-Sn ーストなど)にて形成する点は記載されてい ものの、実際にどのように形成するかなど 具体的な製造方法については何ら記載され いない。
 一般的に導電ペーストを使用する場合には 焼成して硬化させる必要がある。つまり、 ルーホール304内に導電ペーストを埋め込ん 後、焼成を行って硬化させる必要がある。 ころが、焼成を行うと、導電ペーストに含 れる有機物が蒸発により消失してしまうた 、通常、焼成後の体積が焼成前に比べて減 してしまう(例えば、導電ペーストとしてAg ーストを用いた場合には、体積が略20%程度 少してしまう)。そのため、導電ペーストを 利用して導電部材305を形成したとしても、表 面に凹みが発生してしまったり、酷い場合に は貫通孔が中心に開いてしまったりする虞が ある。
 その結果、キャビティC内の気密が損なわれ たり、圧電振動片303と外部電極306との導通性 が損なわれたりする可能性があった。

 そこで、本発明は、上述の事情に鑑みて されたものであり、キャビティ内の気密を 実に維持するとともに、圧電振動片と外部 極との安定した導通性を確保した高品質な2 層構造式表面実装型の圧電振動子、および圧 電振動子の製造方法、圧電振動子を有する発 振器、電子機器、電波時計を提供することを 目的とする。

 本発明は、前記課題を解決するために以下 手段を提供する。
 本発明に係る圧電振動子は、ベース基板と キャビティ用の凹部が形成され、前記凹部 前記ベース基板に対向させた状態で前記ベ ス基板に接合されたリッド基板と、前記凹 を利用して前記ベース基板と前記リッド基 との間に形成されたキャビティ内に収納さ た状態で、ベース基板の上面に接合された 電振動片と、前記ベース基板の下面に形成 れた外部電極と、前記ベース基板を貫通す ように形成され、前記キャビティ内の気密 維持するとともに、前記外部電極に対して れぞれ電気的に接続された貫通電極と、前 ベース基板の上面に形成され、接合された 記圧電振動片に対して前記貫通電極をそれ れ電気的に接続させる引き回し電極と、を え、前記貫通電極は、複数の金属微粒子お び複数のガラスビーズを含んだペースト材 硬化により形成されていることを特徴とし いる。

 または、本発明に係る圧電振動子は、ベ ス基板と、キャビティ用の凹部が形成され 前記凹部を前記ベース基板に対向させた状 で前記ベース基板に接合されたリッド基板 、前記凹部を利用して前記ベース基板と前 リッド基板との間に形成されたキャビティ に収納された状態で、ベース基板の上面に 合された圧電振動片と、前記ベース基板の 面に形成された外部電極と、前記ベース基 を貫通するように形成され、前記キャビテ 内の気密を維持するとともに、前記外部電 に対してそれぞれ電気的に接続された貫通 極と、前記ベース基板の上面に形成され、 合された前記圧電振動片に対して前記貫通 極をそれぞれ電気的に接続させる引き回し 極と、を備え、前記貫通電極は、複数の金 微粒子および複数のガラスビーズを含んだ ラスフリットの硬化により形成されている とを特徴としている。

 また、本発明に係る圧電振動子の製造方 は、互いに接合されたベース基板とリッド 板との間に形成されたキャビティ内に圧電 動片が封止された圧電振動子を、ベース基 用ウエハとリッド基板用ウエハとを利用し 一度に複数製造する方法であって、前記リ ド基板用ウエハに、両ウエハが重ね合わさ たときに前記キャビティを形成するキャビ ィ用の凹部を複数形成する凹部形成工程と 前記ベース基板用ウエハに、複数の金属微 子および複数のガラスビーズを含んだペー ト材を利用して、前記ウエハを貫通する貫 電極を複数形成する貫通電極形成工程と、 記ベース基板用ウエハの上面に、前記貫通 極に対してそれぞれ電気的に接続された引 回し電極を複数形成する引き回し電極形成 程と、複数の前記圧電振動片を、前記引き し電極を介して前記ベース基板用ウエハの 面に接合するマウント工程と、前記ベース 板用ウエハと前記リッド基板用ウエハとを ね合わせて、前記凹部と両ウエハとで囲ま る前記キャビティ内に圧電振動片を収納す 重ね合わせ工程と、前記ベース基板用ウエ と前記リッド基板用ウエハとを接合し、前 圧電振動片を前記キャビティ内に封止する 合工程と、前記ベース基板用ウエハの下面 、前記貫通電極にそれぞれ電気的に接続さ た外部電極を複数形成する外部電極形成工 と、接合された前記両ウエハを切断して、 数の前記圧電振動子に小片化する切断工程 、を備え、前記貫通電極形成工程は、前記 ース基板用ウエハに前記ウエハを貫通する 通孔を複数形成する貫通孔形成工程と、こ ら複数の貫通孔内に前記ペースト材を埋め んで前記貫通孔を塞ぐ充填工程と、埋め込 だペースト材を所定の温度で焼成して硬化 せる焼成工程と、を備えていることを特徴 している。

 または、本発明に係る圧電振動子の製造 法は、互いに接合されたベース基板とリッ 基板との間に形成されたキャビティ内に圧 振動片が封止された圧電振動子を、ベース 板用ウエハとリッド基板用ウエハとを利用 て一度に複数製造する方法であって、前記 ッド基板用ウエハに、両ウエハが重ね合わ れたときに前記キャビティを形成するキャ ティ用の凹部を複数形成する凹部形成工程 、前記ベース基板用ウエハに、複数の金属 粒子および複数のガラスビーズを含んだガ スフリットを利用して、前記ウエハを貫通 る貫通電極を複数形成する貫通電極形成工 と、前記ベース基板用ウエハの上面に、前 貫通電極に対してそれぞれ電気的に接続さ た引き回し電極を複数形成する引き回し電 形成工程と、複数の前記圧電振動片を、前 引き回し電極を介して前記ベース基板用ウ ハの上面に接合するマウント工程と、前記 ース基板用ウエハと前記リッド基板用ウエ とを重ね合わせて、前記凹部と両ウエハと 囲まれる前記キャビティ内に圧電振動片を 納する重ね合わせ工程と、前記ベース基板 ウエハと前記リッド基板用ウエハとを接合 、前記圧電振動片を前記キャビティ内に封 する接合工程と、前記ベース基板用ウエハ 下面に、前記貫通電極にそれぞれ電気的に 続された外部電極を複数形成する外部電極 成工程と、接合された前記両ウエハを切断 て、複数の前記圧電振動子に小片化する切 工程と、を備え、前記貫通電極形成工程は 前記ベース基板用ウエハに前記ウエハを貫 する貫通孔を複数形成する貫通孔形成工程 、これら複数の貫通孔内に前記ガラスフリ トを埋め込んで前記貫通孔を塞ぐ充填工程 、埋め込んだガラスフリットを所定の温度 焼成して硬化させる焼成工程と、を備えて ることを特徴としている。

 この発明に係る圧電振動子および圧電振動 の製造方法においては、まずリッド基板用 エハに、キャビティ用の凹部を複数形成す 凹部形成工程を行う。これら凹部は、後に ウエハを重ね合わせた際に、キャビティと る凹部である。
 また、上記工程と同時或いは前後のタイミ グで、ベース基板用ウエハに、複数の金属 粒子および複数のガラスビーズを含んだペ スト材またはガラスフリットを利用して、 通電極を複数形成する貫通電極形成工程を う。この際、後に両ウエハを重ね合わせた きに、リッド基板用ウエハに形成した凹部 に収まるように貫通電極を複数形成する。

 この貫通電極形成工程について、詳細に 明すると、まずベース基板用ウエハにこの エハを貫通する貫通孔を複数形成する貫通 形成工程を行う。続いて、これら複数の貫 孔内にペースト材またはガラスフリットを 間なく埋め込んでこの貫通孔を塞ぐ充填工 を行う。続いて、充填したペースト材また ガラスフリットを所定の温度で焼成して硬 させる焼成工程を行う。これにより、貫通 の内面にペースト材またはガラスフリット 強固に固着した状態となる。

 ところで、ペースト材またはガラスフリッ 内には有機物が含まれており、この有機物 焼成することで蒸発してしまう。したがっ 、ペースト材またはガラスフリットを焼成 ると、焼成前に比べて体積が減少してしま 。そのため、仮にガラスビーズが含まれて ない単なるペースト材またはガラスフリッ を貫通孔内に埋め込んだ後に焼成した場合 は、ペースト材またはガラスフリットの表 に大きな凹みが生じてしまう。
 しかしながら、本発明では複数のガラスビ ズが含まれたペースト材またはガラスフリ トを利用している。したがって、充填工程 後、貫通孔内にはペースト材またはガラス リットとともにガラスビーズも複数埋め込 れた状態となっている。よって、ペースト またはガラスフリットだけで貫通孔内を埋 る場合と比べて、ガラスビーズの分だけペ スト材またはガラスフリットの量を少なく ることができる。つまり、使用するペース 材またはガラスフリットの量をできるだけ なくすることができる。そのため、焼成工 によってペースト材またはガラスフリット の有機物が蒸発したとしても、ペースト材 たはガラスフリットの量そのものが従来よ 遥かに少ないので、ペースト材またはガラ フリットの体積減少の影響はわずかである よって、ペースト材またはガラスフリット 硬化後に現れる表面の凹みは無視できるほ 小さい。したがって、ベース基板用ウエハ 表面と硬化したペースト材またはガラスフ ットの表面とが、ほぼ面一な状態となる。
 この焼成工程を行うことで、貫通電極形成 程が終了する。なお、ペースト材またはガ スフリットに含まれる複数の金属微粒子が いに接触し合っていることで、貫通電極の 気導通性が確保されている。

 次に、ベース基板用ウエハの上面に導電性 料をパターニングして、各貫通電極に対し それぞれ電気的に接続された引き回し電極 複数形成する引き回し電極形成工程を行う この際、後に両ウエハを重ね合わせたとき 、リッド基板用ウエハに形成した凹部内に まるように引き回し電極を形成する。
 特に貫通電極は、上述したように、ベース 板用ウエハの上面に対してほぼ面一な状態 なっている。そのため、ベース基板用ウエ の上面にパターニングされた引き回し電極 、間に隙間等を発生させることなく貫通電 に対して密着した状態で接する。これによ 、引き回し電極と貫通電極との導通性を確 なものにすることができる。

 次に、複数の圧電振動片を、それぞれ引き し電極を介してベース基板用ウエハの上面 接合するマウント工程を行う。これにより 接合された各圧電振動片は、引き回し電極 介して貫通電極に対して導通した状態とな 。マウント終了後、ベース基板用ウエハと ッド基板用ウエハとを重ね合わせる重ね合 せ工程を行う。これにより、接合された複 の圧電振動片は、凹部と両ウエハとで囲ま るキャビティ内に収納された状態となる。
 次に、重ね合わせた両ウエハを接合する接 工程を行う。これにより、両ウエハが強固 密着するので、圧電振動片をキャビティ内 封止することができる。この際、ベース基 用ウエハに形成された貫通孔は、貫通電極 よって塞がれているので、キャビティ内の 密が貫通孔を通じて損なわれることがない 特に、貫通電極を構成するペースト材また ガラスフリットは、貫通孔の内面に強固に 着しているため、キャビティ内の気密を確 に維持することができる。

 次に、ベース基板用ウエハの下面に導電性 料をパターニングして、各貫通電極にそれ れ電気的に接続された外部電極を複数形成 る外部電極形成工程を行う。
 この場合も引き回し電極の形成時と同様に ベース基板用ウエハの下面に対して貫通電 がほぼ面一な状態となっているため、パタ ニングされた外部電極は、間に隙間などを 生させることなく貫通電極に対して密着し 状態で接する。これにより、外部電極と貫 電極との導通性を確実なものにすることが きる。この工程により、外部電極を利用し 、キャビティ内に封止された圧電振動片を 動させることができる。
 最後に、接合されたベース基板用ウエハお びリッド基板用ウエハを切断して、複数の 電振動子に小片化する切断工程を行う。

 その結果、互いに接合されたベース基板と ッド基板との間に形成されたキャビティ内 圧電振動片が封止された2層構造式表面実装 型の圧電振動子を一度に複数製造することが できる。
 特に、ベース基板に対してほぼ面一な状態 貫通電極を形成できるので、この貫通電極 、引き回し電極および外部電極に対して確 に密着させることができる。その結果、圧 振動片と外部電極との安定した導通性を確 することができ、作動性能の信頼性を向上 て、高品質化を図ることができる。また、 ャビティ内の気密に関しても確実に維持す ことができるので、この点においても高品 化を図ることができる。加えて、ペースト またはガラスフリットを利用した簡単な方 で貫通電極を形成できるので、工程の簡素 を図ることができる。

 また、本発明に係る圧電振動子は、上記 発明の圧電振動子において、前記ガラスビ ズは、熱膨張係数が前記ベース基板と略等 いことを特徴とするものである。

 また、本発明に係る圧電振動子の製造方 は、上記本発明の圧電振動子の製造方法に いて、前記ガラスビーズとして、熱膨張係 が前記ベース基板用ウエハと略等しいガラ ビーズを用いることを特徴とするものであ 。

 この発明に係る圧電振動子および圧電振 子の製造方法においては、ペースト材また ガラスフリットに含まれるガラスビーズの 膨張係数が、ベース基板用ウエハの該係数 略等しい。即ち、焼成工程の際に、ペース 材またはガラスフリット内のガラスビーズ ベース基板用ウエハとの膨張量が略等しく る。これにより、ベース基板用ウエハにク ックなどが発生することを防止でき、圧電 動子の高品質化を図ることが可能になる。

 また、本発明に係る圧電振動子は、上記 発明の圧電振動子において、前記ガラスビ ズは、球状であることを特徴とするもので る。

 また、本発明に係る圧電振動子の製造方 は、上記本発明の圧電振動子の製造方法に いて、前記ガラスビーズとして、球状のガ スビーズを用いることを特徴とするもので る。

 この発明に係る圧電振動子および圧電振 子の製造方法においては、ペースト材また ガラスフリットに含まれるガラスビーズが 状である。したがって、ガラスビーズ同士 、点接触で接触することになる。よって、 ラスビーズ同士を接触させた上で、ガラス ーズの間に隙間を確保することができる。 のため、貫通孔内にガラスビーズが可能な り充填されていたとしても、ガラスビーズ に確保された隙間を利用することでベース 板の一面側から他面側へ金属微粒子が含ま たペースト材またはガラスフリットを行き らせることが可能になる。このため、導電 を有する金属微粒子同士がペースト材また ガラスフリット内で接触し合うことで確保 れる貫通電極の電気導通性が、絶縁体のガ スビーズ同士の接触によって阻害されるこ がない。これにより、貫通電極の電気導通 をより安定に確保することができる。

 また、本発明に係る圧電振動子は、上記 発明の圧電振動子において、前記ベース基 および前記リッド基板が、前記凹部の周囲 囲むように両基板の間に形成された接合膜 介して陽極接合されていることを特徴とす ものである。

 また、本発明に係る圧電振動子の製造方 は、上記本発明の圧電振動子の製造方法に いて、前記マウント工程前に、前記ベース 板用ウエハと前記リッド基板用ウエハとを ね合わせたときに、前記凹部の周囲を囲む 合膜をベース基板用ウエハの上面に形成す 接合膜形成工程を備え、前記接合工程の際 前記接合膜を介して前記両ウエハを陽極接 することを特徴とするものである。

 この発明に係る圧電振動子および圧電振 子の製造方法においては、接合膜を介して ース基板用ウエハとリッド基板用ウエハと 陽極接合できるため、両ウエハをより強固 接合してキャビティ内の気密性を高めるこ ができる。したがって、圧電振動片をさら 高精度に振動させることができ、さらなる 品質化を図ることができる。

 また、本発明に係る圧電振動子は、上記 発明の圧電振動子において、前記圧電振動 が、導電性のバンプによりバンプ接合され いることを特徴とするものである。

 また、本発明に係る圧電振動子の製造方 は、上記本発明の圧電振動子の製造方法に いて、前記マウント工程の際、導電性のバ プを利用して前記圧電振動片をバンプ接合 ることを特徴とするものである。

 この発明に係る圧電振動子および圧電振 子の製造方法においては、圧電振動片をバ プ接合するので、バンプの厚み分だけ圧電 動片をベース基板の上面から浮かすことが きる。そのため、圧電振動片の振動に必要 最低限の振動ギャップを自然と確保するこ ができる。よって、圧電振動子の作動性能 信頼性をさらに向上することができる。

 また、本発明に係る圧電振動子は、上記 発明の圧電振動子において、前記金属微粒 が、非球形形状であることを特徴とするも である。

 また、本発明に係る圧電振動子の製造方 は、上記本発明の圧電振動子の製造方法に いて、前記充填工程の際、非球形形状の金 微粒子を含んだペースト材またはガラスフ ットを埋め込むことを特徴とするものであ 。

 この発明に係る圧電振動子および圧電振 子の製造方法においては、ペースト材また ガラスフリットに含まれる金属微粒子が球 ではなく、非球形、例えば、細長い繊維状 いは断面星型状に形成されているので、互 に接触し合ったときに、点接触ではなく、 接触になり易い。よって、貫通電極の電気 な導通性をさらに高めることができる。

 また、本発明に係る圧電振動子の製造方 は、上記本発明の圧電振動子の製造方法に いて、前記充填工程の際、前記ペースト材 たはガラスフリットを脱泡処理した後に、 記ペースト材またはガラスフリットを前記 通孔内に埋め込むことを特徴とするもので る。

 この発明に係る圧電振動子の製造方法にお ては、事前にペースト材またはガラスフリ トを脱泡処理するため、気泡等が極力含ま ていないペースト材またはガラスフリット 充填することができる。よって、焼成工程 行ったとしても、ペースト材またはガラス リットの体積減少をできるだけ抑えること できる。したがって、焼成工程後のベース 板用ウエハの表面と硬化したペースト材ま はガラスフリットの表面とが、より面一な 態になる。
 これにより、圧電振動片と外部電極とのよ 安定した導通性を確保することができ、一 の高品質化を図ることができる。

 また、本発明に係る圧電振動子は、ベー 基板と、キャビティ用の凹部が形成され、 凹部を前記ベース基板に対向させた状態で ベース基板に接合されるリッド基板と、前 ベース基板と前記リッド基板との間に形成 れた前記キャビティ内に収納され、前記ベ ス基板の上面に接合された圧電振動片と、 記ベース基板の下面に形成された外部電極 、前記ベース基板に形成された貫通孔に、 記キャビティ内の気密を維持するとともに 前記外部電極に対して電気的に接続するよ に形成された貫通電極と、前記圧電振動片 前記貫通電極とを電気的に接続させるため 前記ベース基板の上面に形成された引き回 電極と、を備えた圧電振動子において、前 貫通電極が、前記貫通孔内に挿入された導 性の芯材部と、ガラスフリットと該ガラス リットよりも硬度の高い粒状体とが混合さ 、前記貫通孔と前記芯材部との隙間に充填 れた筒体と、で構成されていることを特徴 している。

 または、本発明に係る圧電振動子は、ベ ス基板と、キャビティ用の凹部が形成され 前記凹部を前記ベース基板に対向させた状 で前記ベース基板に接合されるリッド基板 、前記ベース基板と前記リッド基板との間 形成された前記キャビティ内に収納され、 記ベース基板の上面に接合された圧電振動 と、前記ベース基板の下面に形成された外 電極と、前記ベース基板に形成された貫通 に、前記キャビティ内の気密を維持すると もに、前記外部電極に対して電気的に接続 るように形成された貫通電極と、前記圧電 動片と前記貫通電極とを電気的に接続させ ために前記ベース基板の上面に形成された き回し電極と、を備えた圧電振動子におい 、前記貫通電極が、前記貫通孔内に挿入さ た導電性の芯材部と、ペースト材と前記ペ スト材よりも硬度の高い粒状体とが混合さ 、前記貫通孔と前記芯材部との隙間に充填 れた筒体と、で構成されていることを特徴 している。

 このように構成することで、芯材部は導 ペーストではなく棒状部材であるため、焼 時に体積減少することはない。また、芯材 と、筒体を構成するガラスフリットまたは ースト材と、このガラスフリットまたはペ スト材よりも硬度の高い粒状体とが混合さ た充填材と、を貫通孔に配置してもガラス リットまたはペースト材に気泡が発生する を抑制でき、体積減少を抑制することがで る。また、筒体をガラスフリットまたはペ スト材単体ではなく、ガラスフリットまた ペースト材とこのガラスフリットまたはペ スト材よりも硬度の高い粒状体とを混合し ものを採用したため、筒体の硬度が高くな 、筒体が過剰に研磨されるのを抑制するこ ができる。したがって、貫通孔内に気密性 確保した貫通電極を形成することができる つまり、キャビティ内の気密を確実に維持 るとともに、圧電振動片と外部電極との安 した導通性を確保した高品質な2層構造式表 面実装型の圧電振動子を提供することができ る。

 また、本発明に係る圧電振動子は、前記粒 体が、ガラスビーズであることを特徴とし いる。
 このように、筒体を構成するガラスフリッ またはペースト材に容易に入手可能なガラ ビーズを混合させるだけで、充填材を安価 構成することができるとともに、筒体とし の機能を確実に発揮することができ、貫通 内に気密性を確保した貫通電極を形成する とができる。

 また、本発明に係る圧電振動子は、前記筒 の硬度が、前記ベース基板の硬度と略同一 あることを特徴としている。
 このように構成することで、芯材部と、筒 を構成するガラスフリットまたはペースト と、このガラスフリットまたはペースト材 りも硬度の高い粒状体とが混合された充填 と、を貫通孔に配置し、焼成した後に、ベ ス基板および貫通電極の表面に研磨を施し も、筒体の硬度がベース基板の硬度と略同 になっているため、筒体が余分に研磨され ことを抑制することができる。つまり、そ 後圧電振動片と貫通電極とを電気的に接続 るために引き回し電極をベース基板の上面 形成する際に、精度良く引き回し電極を形 することができ、断線などの発生を抑制す ことができる。したがって、圧電振動片と 部電極との安定した導通性を確保した高品 な2層構造式表面実装型の圧電振動子を提供 することができる。

 また、本発明に係る圧電振動子の製造方 は、互いに接合されたベース基板とリッド 板との間に形成されたキャビティ内に圧電 動片が封止された圧電振動子の製造方法に いて、平板状の土台部と、該土台部の表面 直交する方向に沿って前記ベース基板と略 じ厚みだけ延在し、その先端が平坦に形成 れた芯材部と、を有する導電性の鋲体の芯 部を前記ベース基板の貫通孔内に挿入し、 記ベース基板の第1面に鋲体の土台部を当接 させる工程と、前記ベース基板の第2面に、 填材を塗布し、該充填材を前記貫通孔内に 填する工程と、前記充填材を焼成して硬化 せる工程と、前記ベース基板の第1面および 2面を研磨して芯材部を露出させる工程と、 を有し、前記充填材は、ペースト状のガラス フリットに、硬化後のガラスフリットよりも 硬度の高い粒状体を混合したものであること を特徴としている。

 または、本発明に係る圧電振動子の製造 法は、互いに接合されたベース基板とリッ 基板との間に形成されたキャビティ内に圧 振動片が封止された圧電振動子の製造方法 おいて、平板状の土台部と、前記土台部の 面に直交する方向に沿って前記ベース基板 略同じ厚みだけ延在し、その先端が平坦に 成された芯材部と、を有する導電性の鋲体 芯材部を前記ベース基板の貫通孔内に挿入 、前記ベース基板の第1面に鋲体の土台部を 当接させる工程と、前記ベース基板の第2面 、充填材を塗布し、前記充填材を前記貫通 内に充填する工程と、前記充填材を焼成し 硬化させる工程と、前記ベース基板の第1面 よび第2面を研磨して芯材部を露出させる工 程と、を有し、前記充填材は、ペースト材に 、硬化後のペースト材よりも硬度の高い粒状 体を混合したものであることを特徴としてい る。

 本発明に係る圧電振動子の製造方法によれ 、充填材を所定の温度で焼成して筒体を形 するとともに、貫通孔と筒体と鋲体の芯材 とを一体的に固定させることができる。こ 焼成を行う際に、土台部ごと焼成するため 筒体および芯材部の両端を、ともにベース 板の表面に対して略面一な状態にしたまま 両者を一体的に固定することができる。ま 、充填材は、ペースト状のガラスフリット たはペースト材と、このガラスフリットま はペースト材よりも硬度の高い粒状体とが 合されたものであるため、充填材を焼成し 硬化させると、ベース基板の硬度に近づけ ことができる。例えば、粒状体にベース基 と同じ材質のガラスビーズを採用すること 、筒体の硬度をベース基板の硬度に近づけ ことができる。
 また、焼成後に鋲体の土台部およびこの土 部が配置されたベース基板の第1面を研削・ 研磨して、鋲体の芯材部が露出するようにす る研削・研磨することにより、充填材(筒体) よび芯材部を位置決めする役割を果たして た土台部を除去することができ、芯材部の を筒体の内部に残すことができる。また、 体の硬度が、ベース基板の硬度に近づくよ に構成されているため、研磨時に筒体が余 に研磨されるのを抑制することができる。 の結果、筒体と芯材部とが一体的に固定さ た貫通電極を得ることができる。つまり、 ャビティ内の気密を確実に維持するととも 、圧電振動片と外部電極との安定した導通 を確保した高品質な2層構造式表面実装型の 圧電振動子を製造することができる。

 また、本発明に係る圧電振動子の製造方 は、前記圧電振動子を、ベース基板用ウエ とリッド基板用ウエハとを利用して製造す 圧電振動子の製造方法において、前記リッ 基板用ウエハに、両ウエハが重ね合わされ ときに前記キャビティを形成するキャビテ 用の凹部を形成する凹部形成工程と、前記 ース基板用ウエハに、平板状の土台部と、 土台部の表面に直交する方向に沿って前記 ース基板用ウエハと略同じ厚みだけ延在し その先端が平坦に形成された芯材部と、を する導電性の鋲体を利用して、該ウエハを 通する貫通電極を形成する貫通電極形成工 と、前記ベース基板用ウエハの上面に、前 貫通電極に対して電気的に接続された引き し電極を形成する引き回し電極形成工程と 前記圧電振動片を、前記引き回し電極を介 て前記ベース基板用ウエハの上面に接合す マウント工程と、前記ベース基板用ウエハ 前記リッド基板用ウエハとを重ね合わせて 前記凹部と両ウエハとで囲まれる前記キャ ティ内に圧電振動片を収納する重ね合わせ 程と、前記ベース基板用ウエハと前記リッ 基板用ウエハとを接合し、前記圧電振動片 前記キャビティ内に封止する接合工程と、 記ベース基板用ウエハの下面に、前記貫通 極に電気的に接続された外部電極を形成す 外部電極形成工程と、接合された前記両ウ ハを切断して、複数の圧電振動子に小片化 る切断工程と、を備え、前記貫通電極形成 程が、前記ベース基板用ウエハに貫通電極 配置させるための貫通孔を形成する貫通孔 成工程と、前記ベース基板用ウエハの貫通 に、前記鋲体を配置するとともに、前記貫 孔と前記鋲体の芯材部との間隙に、ペース 状のガラスフリットと該ガラスフリットよ も硬度の高い粒状体とが混合された充填材 充填する貫通電極配置工程と、前記充填材 所定の温度で焼成して筒体を形成するとと に、前記貫通孔と前記筒体と前記鋲体の芯 部とを一体的に固定させる焼成工程と、前 鋲体の土台部および該土台部が配置された 記ベース基板用ウエハの上面を研削・研磨 て、前記芯材部が露出するようにする研削 研磨工程と、を有していることを特徴とし いる。

 または、本発明に係る圧電振動子の製造 法は、前記圧電振動子を、ベース基板用ウ ハとリッド基板用ウエハとを利用して製造 る圧電振動子の製造方法において、前記リ ド基板用ウエハに、両ウエハが重ね合わさ たときに前記キャビティを形成するキャビ ィ用の凹部を形成する凹部形成工程と、前 ベース基板用ウエハに、平板状の土台部と 前記土台部の表面に直交する方向に沿って 記ベース基板用ウエハと略同じ厚みだけ延 し、その先端が平坦に形成された芯材部と を有する導電性の鋲体を利用して、前記ウ ハを貫通する貫通電極を形成する貫通電極 成工程と、前記ベース基板用ウエハの上面 、前記貫通電極に対して電気的に接続され 引き回し電極を形成する引き回し電極形成 程と、前記圧電振動片を、前記引き回し電 を介して前記ベース基板用ウエハの上面に 合するマウント工程と、前記ベース基板用 エハと前記リッド基板用ウエハとを重ね合 せて、前記凹部と両ウエハとで囲まれる前 キャビティ内に圧電振動片を収納する重ね わせ工程と、前記ベース基板用ウエハと前 リッド基板用ウエハとを接合し、前記圧電 動片を前記キャビティ内に封止する接合工 と、前記ベース基板用ウエハの下面に、前 貫通電極に電気的に接続された外部電極を 成する外部電極形成工程と、接合された前 両ウエハを切断して、複数の圧電振動子に 片化する切断工程と、を備え、前記貫通電 形成工程が、前記ベース基板用ウエハに貫 電極を配置させるための貫通孔を形成する 通孔形成工程と、前記ベース基板用ウエハ 貫通孔に、前記鋲体を配置するとともに、 記貫通孔と前記鋲体の芯材部との間隙に、 ースト材と前記ペースト材よりも硬度の高 粒状体とが混合された充填材を充填する貫 電極配置工程と、前記充填材を所定の温度 焼成して筒体を形成するとともに、前記貫 孔と前記筒体と前記鋲体の芯材部とを一体 に固定させる焼成工程と、前記鋲体の土台 および該土台部が配置された前記ベース基 用ウエハの上面を研削・研磨して、前記芯 部が露出するようにする研削・研磨工程と を有していることを特徴としている。

 この貫通電極形成工程について、詳細に 明すると、まずベース基板用ウエハに貫通 極を配置させるための貫通孔を形成する貫 孔形成工程を行う。続いて、貫通孔に、鋲 を配置するとともに、貫通孔と鋲体の芯材 との間隙に、ペースト状のガラスフリット たはペースト材と、このガラスフリットま はペースト材よりも硬度の高い粒状体とが 合された充填材を充填する貫通電極配置工 を行う。この際、鋲体の土台部がベース基 用ウエハに接触するまで、芯材部を貫通孔 挿入する。そのため、芯材部の両端をベー 基板用ウエハの表面に対して略面一な状態 することができる。

 仮に、土台部が無い単なる芯材部を貫通 に挿入する場合には、芯材部の両端がベー 基板用ウエハの表面に対して面一になるよ に位置調整することが困難である。しかし がら、土台部に芯材部が形成された鋲体を いることで、土台部をベース基板用ウエハ 接触させるように配置するだけの簡単な作 で、芯材部の両端をベース基板用ウエハの 面に対して容易、かつ、確実に面一にする とができる。したがって、貫通電極配置工 時における作業性を向上することができる

 さらに、土台部は、平板状に形成されて るため、貫通電極配置工程後、次に行う焼 工程までの間に、ベース基板用ウエハを机 などの平面上に載置したとしても、がたつ などがなく、安定する。この点においても 作業性の向上を図ることができる。

 続いて、充填材を所定の温度で焼成して 体を形成するとともに、貫通孔と筒体と鋲 の芯材部とを一体的に固定させる焼成工程 行う。この焼成を行う際に、土台部ごと焼 するため、筒体および芯材部の両端を、と にベース基板用ウエハの表面に対して略面 な状態にしたまま、両者を一体的に固定す ことができる。また、充填材は、ペースト のガラスフリットまたはペースト材と、こ ガラスフリットまたはペースト材よりも硬 の高い粒状体とが混合されたものであるた 、充填材を焼成して硬化させると、ベース 板用ウエハの硬度に近づけることができ、 えば、粒状体にベース基板用ウエハと同じ 質のガラスビーズを採用することで、筒体 硬度をベース基板用ウエハの硬度に近づけ ことができる。

 続いて、焼成後に鋲体の土台部およびこの 台部が配置されたベース基板用ウエハの上 を研削・研磨して、鋲体の芯材部が露出す ようにする研削・研磨工程を行う。これに り、充填材(筒体)および芯材部を位置決め せる役割を果たしていた土台部を除去する とができ、芯材部のみを筒体の内部に残す とができる。また、筒体の硬度が、ベース 板用ウエハの硬度に近づくように構成され いるため、研削・研磨時に筒体が余分に研 ・研磨されるのを抑制することができる。
 この結果、筒体と芯材部とが一体的に固定 れた貫通電極を得ることができる。

 なお、貫通電極を、ガラスフリットまた ペースト材と、導電性の芯材部とで形成し 場合、つまり、ガラスビーズを充填しない 合には、焼成時にガラスフリットまたはペ スト材に気泡や凹部が発生する。また、ガ スフリットを焼成しても、一般的にガラス リット内にはビスマスなどが混合されてい ため柔らかく、ベース基板用ウエハの硬度 りも低くなる。したがって、その後の研削 研磨工程において、ガラスフリットの部分 余分に研削・研磨されてしまい、表面に凹 が生じてしまう。

 しかしながら、上述したようにガラスフ ットまたはペースト材に、このガラスフリ トまたはペースト材よりも硬度の高い粒状 が混合された充填材を用いて筒体を形成す ようにしたため、焼成後にベース基板用ウ ハの表面に大きな凹みが現れる虞がない。 お、焼成によって筒体は若干体積が減少す 可能性があるが、目立つ凹みとなって現れ ほど顕著なものではなく無視できる範囲で る。

 したがって、上述したように、ベース基 用ウエハの表面と、筒体および芯材部の両 とは、略面一な状態となる。つまり、ベー 基板用ウエハの表面と貫通電極の表面とを 略面一な状態とすることができる。

 結果として、貫通電極を貫通孔に一体化 定することで、キャビティ内の気密を確実 維持するとともに、圧電振動片と外部電極 の安定した導通性を確保した高品質な2層構 造式表面実装型の圧電振動子を提供すること ができる。

 また、本発明に係る発振器は、上述した圧 振動子が、発振子として集積回路に電気的 接続されていることを特徴としている。
 さらに、本発明に係る電子機器は、上述し 圧電振動子が、計時部に電気的に接続され いることを特徴としている。
 そして、本発明に係る電波時計は、上述し 圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続 れていることを特徴としている。

 本発明に係る発振器、電子機器および電 時計においては、キャビティ内の気密が確 に確保され、作動の信頼性が向上した高品 な圧電振動子を備えているため、同様に作 の信頼性を高めて高品質化を図ることがで る。

 本発明に係る圧電振動子によれば、キャビ ィ内の気密を確実に維持することができる 共に、圧電振動片と外部電極との安定した 通性を確保した高品質な2層構造式表面実装 型の圧電振動子とすることができる。
 また、本発明に係る圧電振動子の製造方法 よれば、上述した圧電振動子を一度に効率 く製造することができ、低コスト化を図る とができる。
 また、本発明に係る発振器、電子機器およ 電波時計によれば、上述した圧電振動子を えているので、同様に作動の信頼性を高め 高品質化を図ることができる。
 さらに、本発明に係る圧電振動子によれば 芯材部と、筒体を構成するガラスフリット たはペースト材と、このガラスフリットま はペースト材よりも硬度の高い粒状体とが 合された充填材と、を貫通孔に配置した後 焼成しても充填材に気泡などが発生せず、 積減少を抑制することができる。また、芯 部は導電ペーストではなく棒状部材である め、焼成時に体積減少することはない。し がって、貫通孔内に気密性を確保した貫通 極を形成することができる。つまり、キャ ティ内の気密を確実に維持するとともに、 電振動片と外部電極との安定した導通性を 保した高品質な2層構造式表面実装型の圧電 振動子を提供することができる。

本発明に係る圧電振動子の一実施形態 示す外観斜視図である。 図1に示す圧電振動子の内部構成図であ って、リッド基板を取り外した状態で圧電振 動片を上方から見た図である。 本発明の第一実施形態における圧電振 子の断面図(図2のA-A線に沿う断面図)である 図1に示す圧電振動子の分解斜視図であ る。 図1に示す圧電振動子を構成する圧電振 動片の上面図である。 図5に示す圧電振動片の下面図である。 図5に示す断面矢視B-B図である。 図3に示す貫通電極の拡大図であって、 複数の金属微粒子を含むペースト材を示す図 である。 図1に示す圧電振動子を製造する際の流 れを示すフローチャートである。 図9に示すフローチャートに沿って圧 振動子を製造する際の一工程を示す図であ て、リッド基板の元となるリッド基板用ウ ハに複数の凹部を形成した状態を示す図で る。 図9に示すフローチャートに沿って圧 振動子を製造する際の一工程を示す図であ て、ベース基板の元となるベース基板用ウ ハに複数のスルーホールを形成した状態を す図である。 図11に示す状態をベース基板用ウエハ 断面から見た図である。 図9に示すフローチャートに沿って圧 振動子を製造する際の一工程を示す図であ て、図12に示す状態の後、スルーホール内に ペーストを充填させた状態を示す図である。 図9に示すフローチャートに沿って圧 振動子を製造する際の一工程を示す図であ て、図13に示す状態の後、ペーストを焼成し て硬化させた状態を示す図である。 図9に示すフローチャートに沿って圧 振動子を製造する際の一工程を示す図であ て、図14に示す状態の後、ベース基板用ウエ ハの上面に接合膜および引き回し電極をパタ ーニングした状態を示す図である。 図15に示す状態のベース基板用ウエハ 全体図である。 図9に示すフローチャートに沿って圧 振動子を製造する際の一工程を示す図であ て、圧電振動片をキャビティ内に収容した 態でベース基板用ウエハとリッド基板用ウ ハとが陽極接合されたウエハ体の分解斜視 である。 図8に示す金属微粒子の変形例を示す であって、(a)は短冊状に形成された金属微 子、(b)は波型状に形成された金属微粒子、(c )は断面星型に形成された金属微粒子、(d)は 面十字型に形成された微粒子を示す図であ 。 本発明の第二実施形態における圧電振 動子の断面図(図2のA-A線に沿う断面図に相当) である。 図19に示す貫通電極を構成する筒体の 視図である。 本発明の第二実施形態における圧電振 動子を製造する際の流れを示すフローチャー トである。 本発明の第二実施形態におけるスルー ホール形成時のベース基板用ウエハの断面か ら見た図である。 図21に示すフローチャートに沿って圧 振動子を製造する際に利用する鋲体の斜視 である。 図21に示すフローチャートに沿って圧 振動子を製造する際の一工程を示す図であ て、スルーホール内に充填材を充填すると に、鋲体を配置した状態を示す図である。 図21に示すフローチャートに沿って圧 振動子を製造する際の一工程を示す図であ て、図24に示す状態の後、ガラスフリット 焼成した状態を示す図である。 図21に示すフローチャートに沿って圧 振動子を製造する際の一工程を示す図であ て、図25に示す状態の後、鋲体の土台部を 磨した状態を示す図である。 本発明に係る発振器の一実施形態を示 す構成図である。 本発明に係る電子機器の一実施形態を 示す構成図である。 本発明に係る電波時計の一実施形態を 示す構成図である。 従来の圧電振動子の内部構造図であっ て、リッド基板を取り外した状態で圧電振動 片を上方から見た図である。 図30に示す圧電振動子の断面図である

符号の説明

 1 圧電振動子
 2 ベース基板
 3 リッド基板
 3a キャビティ用の凹部
 4 圧電振動片
 30 スルーホール(貫通孔)
 31 スルーホール(貫通孔)
 35 接合膜
 36 引き回し電極
 37 引き回し電極
 38 外部電極
 39 外部電極
 40 ベース基板用ウエハ
 50 リッド基板用ウエハ
 100 発振器
 101 発振器の集積回路
 110 携帯情報機器(電子機器)
 113 電子機器の計時部
 130 電波時計
 131 電波時計のフィルタ部
 206 筒体
 206a ガラスフリット
 206b ガラスビーズ
 206c 筒体の中心孔
 207 芯材
 230 スルーホール(貫通孔)
 231 スルーホール(貫通孔)
 232 貫通電極
 233 貫通電極
 B バンプ
 C キャビティ
 P ペースト
 P1 ガラスビーズ
 P2 金属微粒子

(第一実施形態)
 以下、本発明に係る圧電振動子の第一実施 態を、図1~図18を参照して説明する。
 図1~図4に示すように、本実施形態の圧電振 子1は、ベース基板2とリッド基板3とで2層に 積層された箱状に形成されており、内部のキ ャビティC内に圧電振動片4が収納された表面 装型の圧電振動子1である。なお、図4にお ては、図面を見易くするために後述する励 電極15、引き出し電極19,20、マウント電極16,1 7および重り金属膜21の図示を省略している。

 図5~図7に示すように、圧電振動片4は、水晶 、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウムな どの圧電材料から形成された音叉型の振動片 であり、所定の電圧が印加されたときに振動 するものである。
 この圧電振動片4は、平行に配置された一対 の振動腕部10,11と、この一対の振動腕部10,11 基端側を一体的に固定する基部12と、一対の 振動腕部10,11の外表面上に形成されて一対の 動腕部10,11を振動させる第1の励振電極13と 2の励振電極14とからなる励振電極15と、第1 励振電極13および第2の励振電極14に電気的に 接続されたマウント電極16,17とを有している
 また、本実施形態の圧電振動片4は、一対の 振動腕部10,11の両主面上に、この振動腕部10,1 1の長手方向に沿ってそれぞれ形成された溝 18を備えている。この溝部18は、振動腕部10,1 1の基端側から略中間付近まで形成されてい 。

 第1の励振電極13と第2の励振電極14とから る励振電極15は、一対の振動腕部10,11を互い に接近又は離間する方向に所定の共振周波数 で振動させる電極であり、一対の振動腕部10, 11の外表面に、それぞれ電気的に切り離され 状態でパターニングされて形成されている 具体的には、第1の励振電極13が、一方の振 腕部10の溝部18上と他方の振動腕部11の両側 上とに主に形成され、第2の励振電極14が、 方の振動腕部10の両側面上と他方の振動腕 11の溝部18上とに主に形成されている。

 また、第1の励振電極13および第2の励振電極 14は、基部12の両主面上において、それぞれ き出し電極19,20を介してマウント電極16,17に 気的に接続されている。そして圧電振動片4 は、このマウント電極16,17を介して電圧が印 されるようになっている。
 なお、上述した励振電極15、マウント電極16 ,17および引き出し電極19,20は、例えば、クロ (Cr)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)やチタ (Ti)などの導電性膜の被膜により形成された ものである。

 また、一対の振動腕部10,11の先端には、 身の振動状態を所定の周波数の範囲内で振 するように調整(周波数調整)を行うための重 り金属膜21が被膜されている。なお、この重 金属膜21は、周波数を粗く調整する際に使 される粗調膜21aと、微小に調整する際に使 される微調膜21bとに分かれている。これら 調膜21aおよび微調膜21bを利用して周波数調 を行うことで、一対の振動腕部10,11の周波数 をデバイスの公称周波数の範囲内に収めるこ とができる。

 このように構成された圧電振動片4は、図 3、図4に示すように、金などのバンプBを利用 して、ベース基板2の上面にバンプ接合され いる。より具体的には、ベース基板2の上面 パターニングされた引き回し電極36,37上に 成された2つのバンプB上に、一対のマウント 電極16,17がそれぞれ接触した状態でバンプ接 されている。これにより、圧電振動片4は、 ベース基板2の上面から浮いた状態で支持さ るとともに、マウント電極16,17と引き回し電 極36,37とがそれぞれ電気的に接続された状態 なっている。

 上記リッド基板3は、ガラス材料、例えば ソーダ石灰ガラスからなる透明の絶縁基板で あり、図1、図3および図4に示すように、板状 に形成されている。そして、ベース基板2が 合される接合面側には、圧電振動片4が収ま 矩形状の凹部3aが形成されている。この凹 3aは、両基板2,3が重ね合わされたときに、圧 電振動片4を収容するキャビティCとなるキャ ティ用の凹部3aである。そして、リッド基 3は、この凹部3aをベース基板2側に対向させ 状態でこのベース基板2に対して陽極接合さ れている。

 上記ベース基板2は、リッド基板3と同様に ラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからな 透明な絶縁基板であり、図1~図4に示すよう 、リッド基板3に対して重ね合わせ可能な大 さで板状に形成されている。
 ベース基板2には、このベース基板2を貫通 る一対のスルーホール(貫通孔)30,31が形成さ ている。この際、一対のスルーホール30,31 、キャビティC内に収まるように形成されて る。より詳しく説明すると、本実施形態の ルーホール30,31は、マウントされた圧電振 片4の基部12側に対応した位置に一方のスル ホール30が形成され、振動腕部10,11の先端側 対応した位置に他方のスルーホール31が形 されている。また、本実施形態では、ベー 基板2の下面に向かって漸次径が2段階に分か れて縮径する断面テーパ状のスルーホールを 例に挙げて説明するが、この場合に限られず 、漸次径が連続的に縮径するスルーホールで もかまわないし、ベース基板2を真っ直ぐに 通するスルーホールでも構わない。いずれ しても、ベース基板2を貫通していれば良い

 そして、これら一対のスルーホール30,31 は、このスルーホール30,31を埋めるように形 成された一対の貫通電極32,33が形成されてい 。これら貫通電極32,33は、図3に示すように 複数のガラスビーズP1を含んだペーストPの 化によって形成されたものであり、スルー ール30,31を完全に塞いでキャビティC内の気 を維持しているとともに、後述する外部電 38,39と引き回し電極36,37とを導通させる役割 を担っている。なお、本実施形態においては 、ガラスビーズP1として、原料となるガラス 末などをボール状(球状)に焼成した場合を に挙げて説明する。また、ガラスビーズP1は 、熱膨張係数がベース基板2と略等しい。さ に、ガラスビーズP1は、直径が20μm~50μm程度 あることが好ましい。

 また、図8に示すように、ペーストPは、 数のガラスビーズP1とともに、複数の金属微 粒子P2を含んでいる。そして、貫通電極32,33 、ペーストPに含まれる複数の金属微粒子P2 互いに接触し合っていることで、電気導通 が確保されている。また、本実施形態の金 微粒子P2は、銅などにより細長い繊維状(非 形形状)に形成されている場合を例に挙げて 明する。

 ベース基板2の上面側(リッド基板3が接合 れる接合面側)には、図1~図4に示すように、 導電性材料(例えば、アルミニウム)により、 極接合用の接合膜35と、一対の引き回し電 36,37とがパターニングされている。このうち 接合膜35は、リッド基板3に形成された凹部3a 周囲を囲むようにベース基板2の周縁に沿っ て形成されている。

 また、一対の引き回し電極36,37は、一対の 通電極32,33のうち、一方の貫通電極32と圧電 動片4の一方のマウント電極16とを電気的に 続するとともに、他方の貫通電極33と圧電 動片4の他方のマウント電極17とを電気的に 続するようにパターニングされている。
 より詳しく説明すると、一方の引き回し電 36は、圧電振動片4の基部12の真下に位置す ように一方の貫通電極32の真上に形成されて いる。また、他方の引き回し電極37は、一方 引き回し電極36に隣接した位置から、振動 部10,11に沿ってこの振動腕部10,11の先端側に き回しされた後、他方の貫通電極33の真上 位置するように形成されている。
 そして、これら一対の引き回し電極36,37上 それぞれバンプBが形成されており、このバ プBを利用して圧電振動片4がマウントされ いる。これにより、圧電振動片4の一方のマ ント電極16が、一方の引き回し電極36を介し て一方の貫通電極32に導通し、他方のマウン 電極17が、他方の引き回し電極37を介して他 方の貫通電極33に導通するようになっている

 また、ベース基板2の下面には、図1、図3 よび図4に示すように、一対の貫通電極32,33 対してそれぞれ電気的に接続される外部電 38,39が形成されている。つまり、一方の外 電極38は、一方の貫通電極32および一方の引 回し電極36を介して圧電振動片4の第1の励振 電極13に電気的に接続されている。また、他 の外部電極39は、他方の貫通電極33および他 方の引き回し電極37を介して、圧電振動片4の 第2の励振電極14に電気的に接続されている。

 このように構成された圧電振動子1を作動 させる場合には、ベース基板2に形成された 部電極38,39に対して、所定の駆動電圧を印加 する。これにより、圧電振動片4の第1の励振 極13および第2の励振電極14からなる励振電 15に電流を流すことができ、一対の振動腕部 10,11を接近・離間させる方向に所定の周波数 振動させることができる。そして、この一 の振動腕部10,11の振動を利用して、時刻源 制御信号のタイミング源やリファレンス信 源などとして利用することができる。

 次に、上述した圧電振動子1を、図9に示 フローチャートを参照しながら、ベース基 用ウエハ40とリッド基板用ウエハ50とを利用 て一度に複数製造する製造方法について以 に説明する。

 初めに、圧電振動片作製工程を行って図5 ~図7に示す圧電振動片4を作製する(S10)。具体 には、まず水晶のランバート原石を所定の 度でスライスして一定の厚みのウエハとす 。続いて、このウエハをラッピングして粗 工した後、加工変質層をエッチングで取り き、その後ポリッシュなどの鏡面研磨加工 行って、所定の厚みのウエハとする。続い 、ウエハに洗浄などの適切な処理を施した 、このウエハをフォトリソグラフィ技術に って圧電振動片4の外形形状でパターニング するとともに、金属膜の成膜およびパターニ ングを行って、励振電極15、引き出し電極19,2 0、マウント電極16,17、重り金属膜21を形成す 。これにより、複数の圧電振動片4を作製す ることができる。

 また、圧電振動片4を作製した後、共振周 波数の粗調を行っておく。これは、重り金属 膜21の粗調膜21aにレーザ光を照射して一部を 発させ、重量を変化させることで行う。な 、共振周波数をより高精度に調整する微調 関しては、マウント後に行う。これについ は、後に説明する。

 次に、後にリッド基板3となるリッド基板 用ウエハ50を、陽極接合を行う直前の状態ま 作製する第1のウエハ作製工程を行う(S20)。 ず、ソーダ石灰ガラスを所定の厚さまで研 加工して洗浄した後に、エッチングなどに り最表面の加工変質層を除去した円板状の ッド基板用ウエハ50を形成する(S21)。次いで 、リッド基板用ウエハ50の接合面に、エッチ グなどにより行列方向にキャビティ用の凹 3aを複数形成する凹部形成工程を行う(S22)。 この時点で、第1のウエハ作製工程が終了す 。

 次に、上記工程と同時あるいは前後のタ ミングで、後にベース基板2となるベース基 板用ウエハ40を、陽極接合を行う直前の状態 で作製する第2のウエハ作製工程を行う(S30) まず、ソーダ石灰ガラスを所定の厚さまで 磨加工して洗浄した後に、エッチングなど より最表面の加工変質層を除去した円板状 ベース基板用ウエハ40を形成する(S31)。次い で、ベース基板用ウエハ40に、複数の金属微 子P2および複数のガラスビーズP1を含んだペ ーストPを利用して、一対の貫通電極32,33を複 数形成する貫通電極形成工程を行う(S30A)。こ こで、この貫通電極形成工程について、詳細 に説明する。

 まず、図11に示すように、ベース基板用ウ ハ40に、このウエハ40を貫通する一対のスル ホール30,31を複数形成する貫通孔形成工程(S 32)を行う。なお、図11に示す点線Mは、後に行 う切断工程で切断する切断線を図示している 。この工程を行う際、ベース基板用ウエハ40 上面側から、例えばプレス加工などにより う。これにより、図12に示すように、ベー 基板用ウエハ40の下面に向かって漸次径が2 階に分かれて縮径する断面テーパ状のスル ホール30,31を形成することができる。また、 後に両ウエハ40,50を重ね合わせたときに、リ ド基板用ウエハ50に形成された凹部3a内に収 まるように一対のスルーホール30,31を複数形 する。しかも、一方のスルーホール30が圧 振動片4の基部12側に位置し、他方のスルー ール31が振動腕部10,11の先端側に位置するよ に形成する。
 なお、貫通孔形成工程では、加工方法とし サンドブラスト法などを用いて、漸次径が 続的に縮径するスルーホールを形成しても わないし、ベース基板用ウエハ40を真っ直 に貫通するスルーホールを形成しても構わ い。

 続いて、図13に示すように、これら複数 スルーホール30,31内にペーストPを隙間なく め込んで、このスルーホール30,31を塞ぐ充填 工程を行う(S33)。なお、図13、図14では、金属 微粒子P2の図示を省略している。続いて、充 したペーストPを所定の温度で焼成して硬化 させる焼成工程を行う(S34)。これにより、ス ーホール30,31の内面にペーストPが強固に固 した状態となる。

 ところで、ペーストP内には有機物が含ま れており、この有機物は焼成することで蒸発 してしまう。したがって、ペーストPを焼成 ると、焼成前に比べて体積が減少してしま 。そのため、仮にガラスビーズP1が含まれて いない単なるペーストPをスルーホール30,31内 に埋め込んだ後に焼成した場合には、ペース トPの表面に、大きな凹みが生じてしまう。

 しかしながら、本実施形態では複数のガラ ビーズP1が含まれたペーストPを利用してい 。したがって、充填工程の後、スルーホー 30,31内にはペーストPとともにガラスビーズP 1も複数埋め込まれた状態となっている。よ て、ペーストPだけでスルーホール30,31内を める場合と比べて、ガラスビーズP1の分だけ ペーストPの量を少なくすることができる。 まり、使用するペーストPの量をできるだけ なくすることができる。そのため、焼成工 によってペーストP内の有機物が蒸発したと しても、ペーストPの量そのものが従来より かに少ないので、ペーストPの体積減少の影 はわずかである。よって、図14に示すよう 、ペーストPの硬化後に現れる表面の凹みは 視できるほど小さい。したがって、ベース 板用ウエハ40の表面と硬化したペーストPの 面とが、ほぼ面一な状態となる。
 なお、一般にガラスの融点は、金属微粒子 焼成温度より高いため、焼成工程の際にガ スビーズP1が融解することはない。したが て、焼成工程の前後でガラスビーズP1の体積 が変化することはない。
 この焼成工程を行うことで、貫通電極形成 程が終了する。

 次に、ベース基板用ウエハ40の上面に導電 材料をパターニングして、図15、図16に示す うに、接合膜35を形成する接合膜形成工程 行う(S35)とともに、各一対の貫通電極32,33に れぞれ電気的に接続された引き回し電極36,3 7を複数形成する引き回し電極形成工程を行 (S36)。なお、図15、図16に示す点線Mは、後に う切断工程で切断する切断線を図示してい 。
 特に、貫通電極32,33は上述したように、ベ ス基板用ウエハ40の上面に対して略面一な状 態となっている。そのため、ベース基板用ウ エハ40の上面にパターニングされた引き回し 極36,37は、間に隙間などを発生させること く貫通電極32,33に対して密着した状態で接す る。これにより、一方の引き回し電極36と一 の貫通電極32との導通性、並びに、他方の き回し電極37と他方の貫通電極33との導通性 確実なものにすることができる。この時点 第2のウエハ作製工程が終了する。

 ところで、図9では、接合膜形成工程(S35) 後に、引き回し電極形成工程(S36)を行う工 順序としているが、これとは逆に、引き回 電極形成工程(S36)の後に、接合膜形成工程(S3 5)を行っても構わないし、両工程を同時に行 ても構わない。いずれの工程順序であって 、同一の作用効果を奏することができる。 って、必要に応じて適宜、工程順序を変更 て構わない。

 次に、作製した複数の圧電振動片4を、それ ぞれ引き回し電極36,37を介してベース基板用 エハ40の上面に接合するマウント工程を行 (S40)。まず、一対の引き回し電極36,37上にそ ぞれ金などのバンプBを形成する。そして、 圧電振動片4の基部12をバンプB上に載置した 、バンプBを所定温度に加熱しながら圧電振 片4をバンプBに押し付ける。これにより、 電振動片4は、バンプBに機械的に支持される とともに、マウント電極16,17と引き回し電極3 6,37とが電気的に接続された状態となる。よ て、この時点で圧電振動片4の一対の励振電 15は、一対の貫通電極32,33に対してそれぞれ 導通した状態となる。
 特に、圧電振動片4は、バンプ接合されるた め、ベース基板用ウエハ40の上面から浮いた 態で支持される。

 圧電振動片4のマウントが終了した後、ベ ース基板用ウエハ40に対してリッド基板用ウ ハ50を重ね合わせる重ね合わせ工程を行う(S 50)。具体的には、図示しない基準マークなど を指標としながら、両ウエハ40,50を正しい位 にアライメントする。これにより、マウン された圧電振動片4が、ベース基板用ウエハ 40に形成された凹部3aと両ウエハ40,50とで囲ま れるキャビティC内に収容された状態となる

 重ね合わせ工程後、重ね合わせた2枚のウエ ハ40,50を図示しない陽極接合装置に入れ、所 の温度雰囲気で所定の電圧を印加して陽極 合する接合工程を行う(S60)。具体的には、 合膜35とリッド基板用ウエハ50との間に所定 電圧を印加する。すると、接合膜35とリッ 基板用ウエハ50との界面に電気化学的な反応 が生じ、両者がそれぞれ強固に密着して陽極 接合される。これにより、圧電振動片4をキ ビティC内に封止することができ、ベース基 用ウエハ40とリッド基板用ウエハ50とが接合 した図17に示すウエハ体60を得ることができ 。なお、図17においては、図面を見易くする ために、ウエハ体60を分解した状態を図示し おり、ベース基板用ウエハ40から接合膜35の 図示を省略している。なお、図17に示す点線M は、後に行う切断工程で切断する切断線を図 示している。
 ところで、陽極接合を行う際、ベース基板 ウエハ40に形成されたスルーホール30,31は、 貫通電極32,33によって完全に塞がれているた 、キャビティC内の気密がスルーホール30,31 通じて損なわれることがない。特に、貫通 極32,33を構成するペーストPは、スルーホー 30,31の内面に強固に密着しているため、キ ビティC内の気密を確実に維持することがで る。

 そして、上述した陽極接合が終了した後、 ース基板用ウエハ40の下面に導電性材料を ターニングして、一対の貫通電極32,33にそれ ぞれ電気的に接続された一対の外部電極38,39 複数形成する外部電極形成工程を行う(S70) この工程により、外部電極38,39を利用してキ ャビティC内に封止された圧電振動片4を作動 せることができる。
 特に、この工程を行う場合も引き回し電極3 6,37の形成時と同様に、ベース基板用ウエハ40 の下面に対して貫通電極32,33が略面一な状態 なっているため、パターニングされた外部 極38,39は、間に隙間などを発生させること く貫通電極32,33に対して密着した状態で接す る。これにより、外部電極38,39と貫通電極32,3 3との導通性を確実なものにすることができ 。

 次に、ウエハ体60の状態で、キャビティC に封止された個々の圧電振動子1の周波数を 微調整して所定の範囲内に収める微調工程を 行う(S80)。具体的に説明すると、ベース基板 ウエハ40の下面に形成された一対の外部電 38,39に電圧を印加して圧電振動片4を振動さ る。そして、周波数を計測しながらリッド 板用ウエハ50を通して外部からレーザ光を照 射し、重り金属膜21の微調膜21bを蒸発させる これにより、一対の振動腕部10,11の先端側 重量が変化するため、圧電振動片4の周波数 、公称周波数の所定範囲内に収まるように 調整することができる。

 周波数の微調が終了後、接合されたウエハ 60を図17に示す切断線Mに沿って切断して小 化する切断工程を行う(S90)。その結果、互い に陽極接合されたベース基板2とリッド基板3 の間に形成されたキャビティC内に圧電振動 片4が封止された、図1に示す2層構造式表面実 装型の圧電振動子1を一度に複数製造するこ ができる。
 なお、切断工程(S90)を行って個々の圧電振 子1に小片化した後に、微調工程(S80)を行う 程順序でも構わない。但し、上述したよう 、微調工程(S80)を先に行うことで、ウエハ体 60の状態で微調を行うことができるため、複 の圧電振動子1をより効率よく微調すること ができる。よって、スループットの向上を図 ることができるため好ましい。

 その後、内部の電気特性検査を行う(S100) 即ち、圧電振動片4の共振周波数、共振抵抗 値、ドライブレベル特性(共振周波数および 振抵抗値の励振電力依存性)などを測定して ェックする。また、絶縁抵抗特性などを併 てチェックする。そして、最後に圧電振動 1の外観検査を行って、寸法や品質などを最 終的にチェックする。これをもって圧電振動 子1の製造が終了する。

 特に、本実施形態の圧電振動子1は、ベー ス基板2に対して略面一な状態で貫通電極32,33 を形成できるため、この貫通電極32,33を、引 回し電極36,37および外部電極38,39に対して確 実に密着させることができる。その結果、圧 電振動片4と外部電極38,39との安定した導通性 を確保することができ、作動性能の信頼性を 向上して高性能化を図ることができる。また 、キャビティC内の気密に関しても確実に維 することができるため、この点においても 品質化を図ることができる。加えて、ペー トPを利用した簡単な方法で貫通電極32,33を 成できるため、工程の簡素化を図ることが きる。加えて、本実施形態の製造方法によ ば、上記圧電振動子1を一度に複数製造する とができるため、低コスト化を図ることが きる。

 また、本実施形態のペーストPに含まれるガ ラスビーズP1の熱膨張係数は、ベース基板用 エハ40の熱膨張係数と略等しい。
 ところで、焼成工程の際に、ガラスビーズP 1およびベース基板用ウエハ40は、ペーストP ともに加熱されることで、それぞれの熱膨 係数にしたがって膨張する。即ち、ペース P内のガラスビーズP1は、ベース基板用ウエ 40のスルーホール30,31の周縁部分を内側から し出すように膨張する。そして、ベース基 用ウエハ40は、スルーホール30,31の径を拡張 させるように膨張する。したがって、例えば ガラスビーズP1の熱膨張係数がベース基板用 エハ40の熱膨張係数より大きい場合は、ペ ストP内のガラスビーズP1によりスルーホー 30,31の周縁部分を内側から押し出す膨張量が 、スルーホール30,31の径を拡張させる膨張量 りも大きくなる。このため、スルーホール3 0,31の周縁部分に負荷がかかり、クラックな が発生してしまう。
 しかしながら、ペーストPに含まれるガラス ビーズP1の熱膨張係数は、ベース基板用ウエ 40の熱膨張係数と略等しく、焼成工程の際 、ペーストP内のガラスビーズP1とベース基 用ウエハ40との膨張量が略等しくなるため、 上述した現象が発生する虞はない。これによ り、ベース基板用ウエハ40にクラックなどが 生することを防止でき、圧電振動子1の高品 質化を図ることが可能になる。

 さらに、ガラスビーズP1は、球状である したがって、ガラスビーズP1同士は、点接触 で接触することになる。よって、ガラスビー ズP1同士を接触させた上で、ガラスビーズP1 間に隙間を確保することができる。そのた 、スルーホール30,31内にガラスビーズP1が可 な限り充填されていたとしても、ガラスビ ズP1間に確保された隙間を利用することで ース基板2の一面側から他面側へ金属微粒子P 2が含まれたペーストPを行き亘らせることが 能になる。このため、導電性を有する金属 粒子P2同士がペーストP内で接触し合うこと 確保される貫通電極32,33の電気導通性が、 縁体のガラスビーズP1同士の接触によって阻 害されることがない。これにより、貫通電極 32,33の電気導通性をより安定に確保すること できる。

 なお、上述した実施形態では、複数のガ スビーズP1および複数の金属微粒子P2を含ん だペーストPを用いて貫通電極32,33を形成した が、ペーストPの代わりにガラスフリットを いて貫通電極32,33を形成してもよい。ガラス フリットを用いる場合にも焼成をして硬化さ せる焼成工程を行うが、このガラスフリット もペーストPと同様に、焼成すると焼成前に べて体積が減少してしまう。しかしながら ガラスビーズP1が含まれたガラスフリットを 用いることで、ガラスフリットの硬化後に現 れる表面の凹みは無視できるほど小さくなる 。また、金属微粒子P2が含まれたガラスフリ トを用いることで、貫通電極32,33の電気導 性を確保することができる。

 また、上記実施形態では、細長い繊維状の 属微粒子P2を含むペーストPを用いた場合を に挙げたが、金属微粒子P2の形状は他の形 でも構わない。例えば、球形でも構わない この場合であっても、金属微粒子P2が互いに 接触し合ったときに、点接触するので同様に 電気的な導通性を確保することができる。但 し、細長い繊維状のように非球形形状の金属 微粒子P2を用いることで、互いに接触し合っ ときに点接触ではなく、線接触になり易い したがって、貫通電極32,33の電気的な導通 をより高めることができるので、球形より 非球形の金属微粒子P2を含むペーストPを用 ることが好ましい。
 なお、金属微粒子P2を非球形とする場合に 、例えば、図18(a)に示す短冊状や、図18(b)に す波型状にしても構わないし、図18(c)に示 断面星型や、図18(d)に示す断面十字型でも構 わない。

 また、上記実施形態において充填工程を う際に、ペーストPを脱泡処理(例えば、遠 脱泡や真空引き等)した後に、このペーストP をスルーホール30,31内に埋め込んでも構わな 。このように、事前にペーストPを脱泡処理 することで、気泡などが極力含まれていない ペーストPを充填することができる。よって 焼成工程を行ったとしても、ペーストPの体 減少をできるだけ抑えることができる。し がって、焼成工程後のベース基板用ウエハ4 0の表面と硬化したペーストPの表面とが、よ 面一な状態になる。これにより、圧電振動 4と外部電極38,39とのより安定した導通性を 保することができ、一層の高品質化を図る とができる。

 さらに、上記実施形態では、ガラスビー P1をボール状としたが、これに制限される のではなく、例えば、柱状や錘状でも構わ い。但し、ガラスビーズP1が球状であること で、ガラスビーズP1同士を点接触で接触させ 貫通電極32,33の電気導通性をより安定して 保することが可能になるため、ガラスビー P1は球状であることが好ましい。

(第二実施形態)
 次に、本発明に係る圧電振動子の第二実施 態を、図19~図26を参照して説明する。なお 本実施形態は、第一実施形態と貫通電極の 成が異なるのみであり、その他の構成は第 実施形態と略同一であるため、同一箇所に 同一符号を付して詳細な説明は省略する。
 図19に示すように、本実施形態の圧電振動 1は、ベース基板2とリッド基板3とで2層に積 された箱状に形成されており、内部のキャ ティC内に圧電振動片4が収納された表面実 型の圧電振動子である。

 圧電振動片4は、金等のバンプBを利用し 、ベース基板2の上面にバンプ接合されてい 。より具体的には、ベース基板2の上面にパ ターニングされた引き回し電極36,37上に形成 れた2つのバンプB上に、一対のマウント電 16,17がそれぞれ接触した状態でバンプ接合さ れている。これにより、圧電振動片4は、ベ ス基板2の上面から浮いた状態で支持される ともに、マウント電極16,17と引き回し電極36 ,37とがそれぞれ電気的に接続された状態とな っている。

 ベース基板2は、リッド基板3と同様にガラ 材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる透 な絶縁基板であり、リッド基板3に対して重 合わせ可能な大きさで板状に形成されてい 。
 このベース基板2には、このベース基板2を 通する一対のスルーホール(貫通孔)230,231が 成されている。この際、一対のスルーホー 230,231は、キャビティC内に収まるように形成 されている。より詳しく説明すると、本実施 形態のスルーホール230,231は、マウントされ 圧電振動片4の基部12側に対応した位置に一 のスルーホール230が形成され、振動腕部10、 11の先端側に対応した位置に他方のスルーホ ル231が形成されている。また、本実施形態 は、ベース基板2の下面から上面に向かって 漸次径が縮径した断面テーパ状のスルーホー ルを例に挙げて説明するが、この場合に限ら れず、ベース基板2を真っ直ぐに貫通するス ーホールでも構わない。いずれにしても、 ース基板2を貫通していれば良い。

 そして、これら一対のスルーホール230,231 には、このスルーホール230,231を埋めるよう 形成された一対の貫通電極232,233が形成され いる。これら貫通電極232,233は、焼成によっ てスルーホール230,231に対して一体的に固定 れた筒体206及び芯材部207によって形成され ものであり、スルーホール230,231を完全に塞 でキャビティC内の気密を維持しているとと もに、後述する外部電極38,39と引き回し電極3 6,37とを導通させる役割を担っている。

 図20に示すように、上記筒体206は、ペー ト状のガラスフリット206aと、ベース基板2と 同じガラス材料によって形成されたガラスビ ーズ206bとを混合して、焼成されたものであ 。筒体206は、両端が平坦で且つベース基板2 略同じ厚みの円筒状に形成されている。そ て、筒体206の中心には、芯材部207が筒体206 貫通するように配されている。また、本実 形態ではスルーホール230,231の形状に合わせ て、筒体206の外形が円錐状(断面テーパ状)と るように形成されている。そして、この筒 206は、図19に示すように、スルーホール230,2 31内に埋め込まれた状態で焼成されており、 のスルーホール230,231に対して強固に固着さ れている。

 ここで、一般的にペースト状のガラスフ ット206aにはビスマスなどが混合されている ため、硬度が小さい。例えば、ベース基板2 青板ガラスを採用した場合、青板ガラスの さは570HV(ビッカーズ硬度)であるのに対して ガラスフリット206aの硬さは410HVである。本 施形態ではガラスフリット206aにベース基板 2と同じ材質のガラスビーズ206bを混合したも を用いており、その硬さは約500HVとなり、 ース基板2の硬さに近づけることができる。 お、芯材部207の外径を200μm、スルーホール2 30,231の土台部208が配置された側の外径を220μm 、土台部208が配置された側の反対側の外径を 400μmと設定したとき、ガラスビーズ206bの粒 は、5~20μmで構成すると、気泡の発生を抑制 ることができる。また、ガラスフリット206a とガラスビーズ206bとの体積比を適正に設定 て、ガラスフリット206aがペースト状になる うにする必要がある。さらに、ガラスビー 206bは、ガラスフリット206aの焼成温度より 50℃以上高い温度で軟化するものを採用して いる。

 芯材部7は、金属材料により円柱状に形成さ れた導電性の芯材であり、筒体206と同様に両 端が平坦で且つベース基板2の厚みと略同じ みとなるように形成されている。そして、 の芯材部207は、筒体206の中心孔206cに位置し おり、筒体206の焼成によってこの筒体206に して強固に固着されている。
 なお、貫通電極232,233は、導電性の芯材部207 を通して電気導通性が確保されている。

 ベース基板2の上面側には、導電性材料に より、陽極接合用の接合膜35と、一対の引き し電極36,37とがパターニングされている。 のうち接合膜35は、リッド基板3に形成され 凹部3aの周囲を囲むようにベース基板2の周 に沿って形成されている。

 これら一対の引き回し電極36,37上にそれ れバンプBが形成されており、このバンプBを 利用して圧電振動片4がマウントされている これにより、圧電振動片4の一方のマウント 極16が、一方の引き回し電極36を介して一方 の貫通電極232に導通し、他方のマウント電極 17が、他方の引き回し電極37を介して他方の 通電極233に導通するようになっている。

 また、ベース基板2の下面には、一対の貫 通電極232,233に対してそれぞれ電気的に接続 れる外部電極38,39が形成されている。つまり 、一方の外部電極38は、一方の貫通電極232及 一方の引き回し電極36を介して圧電振動片4 第1の励振電極13に電気的に接続されている また、他方の外部電極39は、他方の貫通電 233及び他方の引き回し電極37を介して、圧電 振動片4の第2の励振電極14に電気的に接続さ ている。

 次に、上述した圧電振動子1を、図21に示 フローチャートを参照しながら、ベース基 用ウエハ40とリッド基板用ウエハ50とを利用 して一度に複数製造する製造方法について以 下に説明する。

 初めに、圧電振動片作製工程を行って圧 振動片4(図5~図7参照)を作製する(S10)。具体 には、まず水晶のランバート原石を所定の 度でスライスして一定の厚みのウエハとす 。続いて、このウエハをラッピングして粗 工した後、加工変質層をエッチングで取り き、その後ポリッシュ等の鏡面研磨加工を って、所定の厚みのウエハとする。続いて ウエハに洗浄等の適切な処理を施した後、 のウエハをフォトリソグラフィ技術によっ 圧電振動片4の外形形状でパターニングする 共に、金属膜の成膜及びパターニングを行 て、励振電極15、引き出し電極19,20、マウン ト電極16,17、重り金属膜21を形成する。これ より、複数の圧電振動片4を作製することが きる。

 また、圧電振動片4を作製した後、共振周 波数の粗調を行っておく。これは、重り金属 膜21の粗調膜21aにレーザ光を照射して一部を 発させ、重量を変化させることで行う。な 、共振周波数をより高精度に調整する微調 関しては、マウント後に行う。これについ は、後に説明する。

 次に、後にリッド基板3となるリッド基板 用ウエハ50を、陽極接合を行う直前の状態ま 作製する第1のウエハ作製工程を行う(S20)。 ず、ソーダ石灰ガラスを所定の厚さまで研 加工して洗浄した後に、エッチング等によ 最表面の加工変質層を除去した円板状のリ ド基板用ウエハ50(図10参照)を形成する(S21) 次いで、リッド基板用ウエハ50の接合面に、 エッチングなどにより行列方向にキャビティ 用の凹部3aを複数形成する凹部形成工程を行 (S22)。この時点で、第1のウエハ作製工程が 了する。

 次に、上記工程と同時あるいは前後のタ ミングで、後にベース基板2となるベース基 板用ウエハ40を、陽極接合を行う直前の状態 で作製する第2のウエハ作製工程を行う(S30) まず、ソーダ石灰ガラスを所定の厚さまで 磨加工して洗浄した後に、エッチングなど より最表面の加工変質層を除去した円板状 ベース基板用ウエハ40を形成する(S31)。次い で、ベース基板用ウエハ40に一対の貫通電極2 32,233を複数形成する貫通電極形成工程を行う (S30A)。ここで、この貫通電極形成工程につい て、詳細に説明する。

 まず、ベース基板用ウエハ40を貫通する 対のスルーホール230,231を複数形成する貫通 形成工程(S32)を行う(図11参照)。この工程を う際、ベース基板用ウエハ40の下面側から 例えばサンドブラスト法で行う。これによ 、図22に示すように、ベース基板用ウエハ40 下面から上面に向かって漸次径が縮径する 面テーパ状のスルーホール230,231を形成する ことができる。また、後に両ウエハ40、50を ね合わせたときに、リッド基板用ウエハ50に 形成された凹部3a内に収まるように一対のス ーホール230,231を複数形成する。しかも、一 方のスルーホール230が圧電振動片4の基部12側 に位置し、他方のスルーホール231が振動腕部 10、11の先端側に位置するように形成する。

 続いて、これら複数のスルーホール230,231 内に、鋲体209の芯材部207を配置するとともに 、ガラス材料からなるガラスフリット206aに ース基板2と同じ材料で形成されたガラスビ ズ206bを混合させた充填材206dをスルーホー 230,231内に充填するセット工程を行う(S33)。 の際、鋲体209として、図23に示すように、平 板状の土台部208と、この土台部208上から土台 部208の表面に略直交する方向に沿ってベース 基板用ウエハ40と略同じ厚みだけ延在すると もに、先端が平坦に形成された芯材部207と を有する導電性の鋲体209を用いる。さらに 図24に示すように、この鋲体209の土台部208 ベース基板用ウエハ40に接触するまで、芯材 部207を挿入する。ここで、芯材部207の両端を ベース基板用ウエハ40の表面に対して略面一 なるように位置調整する必要がある。しか ながら、土台部208上に芯材部207が形成され 鋲体209を利用するため、土台部208をベース 板用ウエハ40に接触させるまで押し込むだ の簡単な作業で、芯材部207の両端をベース 板用ウエハ40の表面に対して容易かつ確実に 面一にすることができる。したがって、セッ ト工程時における作業性を向上することがで きる。

 しかも、土台部208をベース基板用ウエハ40 表面に接触させることで、ペースト状のガ スフリット206aを確実にスルーホール230,231内 に充填させることができる。
 さらに、土台部208は、平板状に形成されて るため、セット工程後、次に行う焼成工程 での間に、ベース基板用ウエハ40を机上等 平面上に載置したとしても、がたつきなど なく、安定する。この点においても、作業 の向上を図ることができる。

 続いて、埋め込んだ充填材を所定の温度 焼成する焼成工程を行う(S34)。これにより スルーホール230,231と、このスルーホール230, 231内に埋め込まれた充填材206dと、充填材206d に配置された鋲体209と、が互いに固着し合 。この焼成を行う際に、土台部208ごと焼成 るため、充填材206d及び芯材部207の両端を、 共にベース基板用ウエハ40の表面に対して略 一な状態にしたまま、両者を一体的に固定 ることができる。充填材206dが焼成されると 筒体206として固化する。続いて、図25に示す うに、焼成後に鋲体209の土台部208を研磨し 除去する研磨工程を行う(S35)。これにより 筒体206および芯材部207を位置決めさせる役 を果たしていた土台部208を除去することが き、芯材部207のみを筒体206の内部に取り残 ことができる。また、筒体206の硬度がベー 基板用ウエハ40の硬度と同程度になるように 構成されているため、研削・研磨時に筒体206 が余分に研削・研磨されるのを抑制すること ができる。その結果、図26に示すように、筒 206と芯材部207とが一体的に固定された一対 貫通電極232,233を複数得ることができる。

 特に、貫通電極232,233を形成するにあたっ て、従来のものとは異なり、導電部にペース トを使用せずに、ガラス材料からなる筒体206 と、導電性の芯材部207とで貫通電極232,233を 成している。仮に導電部にペーストを利用 た場合には、焼成時にペースト内に含まれ 有機物が蒸発してしまうため、ペーストの 積が焼成前に比べて顕著に減少してしまう そのため、仮にペーストだけをスルーホー 230,231内に埋め込んだ場合には、焼成後にペ ストの表面に大きな凹みが生じてしまう。

 また、貫通電極232,233を、ガラスフリット と、導電性の芯材部とで形成した場合には、 焼成時にガラスフリット内に気泡や凹部が発 生する。また、ガラスフリットを焼成しても 、一般的にガラスフリット内にはビスマスな どが混合されているため柔らかく、ベース基 板用ウエハ40の硬度よりも低くなる。したが て、その後の研削・研磨工程において、ガ スフリットの部分が余分に研削・研磨され しまい、表面に凹みが生じてしまう。

 しかしながら、上述したようにガラスフ ット206aにこのガラスフリットよりも硬度の 高いガラスビーズ206bが混合された充填材206d 用いて筒体206を形成するようにしたため、 成後に表面に大きな凹みが現れる虞がない なお、焼成によって筒体206は若干体積が減 する可能性があるが、目立つ凹みとなって れるほど顕著なものではなく無視できる範 である。なお、この研削・研磨工程の際に ース基板用ウエハ40の裏面(鋲体209の土台部2 08が配されていない側の面)を研磨して平坦面 になるようにしてもよい。

 したがって、上述したように、ベース基 用ウエハ40の表面と、筒体206および芯材部20 7の両端とは、略面一な状態となる。つまり ベース基板用ウエハ40の表面と貫通電極232,23 3の表面とを、略面一な状態とすることがで る。なお、研磨工程を行った時点で、貫通 極形成工程が終了する。

 次に、ベース基板用ウエハ40の上面に導電 材料をパターニングして、接合膜35を形成す る接合膜形成工程を行う(S36)とともに、各一 の貫通電極232,233にそれぞれ電気的に接続さ れた引き回し電極36,37を複数形成する引き回 電極形成工程(S37)を行う(図15、図16参照)。
 特に、貫通電極232,233は、上述したようにベ ース基板用ウエハ40の上面に対して略面一な 態となっている。そのため、ベース基板用 エハ40の上面にパターニングされた引き回 電極36,37は、間に隙間などを発生させること なく貫通電極232,233に対して密着した状態で する。これにより、一方の引き回し電極36と 一方の貫通電極232との導通性、並びに、他方 の引き回し電極37と他方の貫通電極233との導 性を確実なものにすることができる。この 点で第2のウエハ作製工程が終了する。

 ところで、図21では、接合膜形成工程(S36) の後に、引き回し電極形成工程(S37)を行う工 順序としているが、これとは逆に、引き回 電極形成工程(S37)の後に、接合膜形成工程(S 36)を行っても構わないし、両工程を同時に行 っても構わない。いずれの工程順序であって も、同一の作用効果を奏することができる。 よって、必要に応じて適宜、工程順序を変更 して構わない。

 次に、作製した複数の圧電振動片4を、それ ぞれ引き回し電極36,37を介してベース基板用 エハ40の上面に接合するマウント工程を行 (S40)。まず、一対の引き回し電極36,37上にそ ぞれ金などのバンプBを形成する。そして、 圧電振動片4の基部12をバンプB上に載置した 、バンプBを所定温度に加熱しながら圧電振 片4をバンプBに押し付ける。これにより、 電振動片4は、バンプBに機械的に支持される とともに、マウント電極16,17と引き回し電極3 6,37とが電気的に接続された状態となる。よ て、この時点で圧電振動片4の一対の励振電 15は、一対の貫通電極232,233に対してそれぞ 導通した状態となる。
 特に、圧電振動片4は、バンプ接合されるた め、ベース基板用ウエハ40の上面から浮いた 態で支持される。

 圧電振動片4のマウントが終了した後、ベ ース基板用ウエハ40に対してリッド基板用ウ ハ50を重ね合わせる重ね合わせ工程を行う(S 50)。具体的には、図示しない基準マーク等を 指標としながら、両ウエハ40、50を正しい位 にアライメントする。これにより、マウン された圧電振動片4が、ベース基板用ウエハ4 0に形成された凹部3aと両ウエハ40、50とで囲 れるキャビティC内に収容された状態となる

 重ね合わせ工程後、重ね合わせた2枚のウ エハ40、50を図示しない陽極接合装置に入れ 所定の温度雰囲気で所定の電圧を印加して 極接合する接合工程を行う(S60)。具体的には 、接合膜35とリッド基板用ウエハ50との間に 定の電圧を印加する。すると、接合膜35とリ ッド基板用ウエハ50との界面に電気化学的な 応が生じ、両者がそれぞれ強固に密着して 極接合される。これにより、圧電振動片4を キャビティC内に封止することができ、ベー 基板用ウエハ40とリッド基板用ウエハ50とが 合したウエハ体60を得ることができる(図17 照)。

 ところで、陽極接合を行う際、ベース基 用ウエハ40に形成されたスルーホール230,231 、貫通電極232,233によって完全に塞がれてい るため、キャビティC内の気密がスルーホー 230,231を通じて損なわれることがない。特に 焼成によって筒体206と芯材部207とが一定的 固定されていると共に、これらがスルーホ ル230,231に対して強固に固着されているため 、キャビティC内の気密を確実に維持するこ ができる。

 そして、上述した陽極接合が終了した後、 ース基板用ウエハ40の下面に導電性材料を ターニングして、一対の貫通電極232,233にそ ぞれ電気的に接続された一対の外部電極38,3 9を複数形成する外部電極形成工程を行う(S70) 。この工程により、外部電極38,39を利用して ャビティC内に封止された圧電振動片4を作 させることができる。
 特に、この工程を行う場合も引き回し電極3 6,37の形成時と同様に、ベース基板用ウエハ40 の下面に対して貫通電極232,233が略面一な状 となっているため、パターニングされた外 電極38,39は、間に隙間などを発生させること なく貫通電極232,233に対して密着した状態で する。これにより、外部電極38,39と貫通電極 232,233との導通性を確実なものにすることが きる。

 次に、ウエハ体60の状態で、キャビティC に封止された個々の圧電振動子1の周波数を 微調整して所定の範囲内に収める微調工程を 行う(S80)。具体的に説明すると、ベース基板 ウエハ40の下面に形成された一対の外部電 38,39に電圧を印加して圧電振動片4を振動さ る。そして、周波数を計測しながらリッド 板用ウエハ50を通して外部からレーザ光を照 射し、重り金属膜21の微調膜21bを蒸発させる これにより、一対の振動腕部10、11の先端側 の重量が変化するため、圧電振動片4の周波 を、公称周波数の所定範囲内に収まるよう 微調整することができる。

 周波数の微調が終了後、接合されたウエハ 60を切断線M(図17参照)に沿って切断して小片 化する切断工程を行う(S90)。その結果、互い 陽極接合されたベース基板2とリッド基板3 の間に形成されたキャビティC内に圧電振動 4が封止された、2層構造式表面実装型の圧 振動子1を一度に複数製造することができる
 なお、切断工程(S90)を行って個々の圧電振 子1に小片化した後に、微調工程(S80)を行う 程順序でも構わない。但し、上述したよう 、微調工程(S80)を先に行うことで、ウエハ体 60の状態で微調を行うことができるため、複 の圧電振動子1をより効率良く微調すること ができる。よって、スループットの向上化を 図ることができるため好ましい。

 その後、内部の電気特性検査を行う(S100) 即ち、圧電振動片4の共振周波数、共振抵抗 値、ドライブレベル特性(共振周波数及び共 抵抗値の励振電力依存性)などを測定してチ ックする。また、絶縁抵抗特性などを併せ チェックする。そして、最後に圧電振動子1 の外観検査を行って、寸法や品質等を最終的 にチェックする。これをもって圧電振動子1 製造が終了する。

 特に、本実施形態の圧電振動子1は、表面 に凹みがなく、ベース基板2に対して略面一 状態で貫通電極232,233を形成できるため、こ 貫通電極232,233を、引き回し電極36,37および 部電極38,39に対して確実に密着させること できる。その結果、圧電振動片4と外部電極3 8,39との安定した導通性を確保することがで 、作動性能の信頼性を向上して高性能化を ることができる。しかも、導通性の芯材部20 7を利用して貫通電極232,233を構成しているた 、非常に安定した導通性を得ることができ 。

 また、キャビティC内の気密に関しても確実 に維持することができるため、この点におい ても高品質化を図ることができる。特に、本 実施形態の筒体206は、ガラスフリット206aに ラスビーズ206bを混合したもので形成したた 、その後の焼成時の段階で変形や体積減少 どが生じ難い。そのため、高品質な貫通電 232,233を形成することができ、キャビティC の気密をより確実にすることができる。よ て、圧電振動子1の高品質化を図ることがで る。
 また、本実施形態の製造方法によれば、上 圧電振動子1を一度に複数製造することがで きるため、低コスト化を図ることができる。

 また、筒体206を構成するガラスフリット2 06aに容易に入手可能なガラスビーズ206bを混 させるだけで、筒体206としての機能を確実 発揮することができ、スルーホール230,231内 気密性を確保した貫通電極232,233を形成する ことができる。

 さらに、芯材部207と、筒体206を構成する ラスフリット206aと、このガラスフリット206 aよりも硬度の高いガラスビーズ206bとが混合 れた充填材206dと、をスルーホール230,231に 置し、焼成した後に、ベース基板2および貫 電極232,233の表面に研磨を施しても、筒体206 の硬度が、ガラスフリット206a単体の場合よ もベース基板2の硬度とに近づいている(略同 一になっている)ため、その後の研磨工程で 体206が余分に研磨されることを抑制するこ ができる。つまり、その後圧電振動片4と貫 電極232,233とを電気的に接続するために引き 回し電極36,37をベース基板2の上面に形成する 際に、精度良く引き回し電極36,37を形成する とができ、断線などの発生を抑制すること できる。したがって、圧電振動片4と外部電 極38,39との安定した導通性を確保した高品質 2層構造式表面実装型の圧電振動子1を提供 ることができる。

 なお、上述した実施形態では、複数のガ スビーズ206bを含んだガラスフリット206aを いて筒体206を形成したが、ガラスフリット20 6aの代わりに銀ペーストなどのペースト材を いて筒体206を形成してもよい。ペースト材 用いる場合にも焼成をして硬化させる焼成 程を行うが、このペースト材もガラスフリ ト206aと同様に、焼成すると焼成前に比べて 体積が減少してしまう。しかしながら、ガラ スビーズ206bが含まれたペースト材を用いる とで、ペースト材の硬化後に現れる表面の みは無視できるほど小さくなる。

 また、本実施形態では、芯材部207の形状 円柱状で形成した場合の説明をしたが、角 にしてもよい。この場合であっても、やは 同様の作用効果を奏することができる。

 また、上記実施形態において、芯材部207 して、熱膨張係数がベース基板2(ベース基 用ウエハ40)および筒体206と略等しいものを いることが好ましい。この場合には、焼成 行う際に、ベース基板用ウエハ40、筒体206お よび芯材部207の3つが、それぞれ同じように 膨張する。したがって、熱膨張係数の違い よって、ベース基板用ウエハ40や筒体206に過 度に圧力を作用させてクラックなどを発生さ せたり、筒体206とスルーホール230,231との間 あるいは、筒体206と芯材部207との間に隙間 開いてしまったりすることがない。そのた 、より高品質な貫通電極を形成することが き、その結果、圧電振動子1のさらなる高品 化を図ることができる。

(発振器)
 次に、本発明に係る発振器の一実施形態に いて、図27を参照しながら説明する。
 本実施形態の発振器100は、図27に示すよう 、圧電振動子1を、集積回路101に電気的に接 された発振子として構成したものである。 の発振器100は、コンデンサなどの電子部品1 02が実装された基板103を備えている。基板103 は、発振器用の上記集積回路101が実装され おり、この集積回路101の近傍に、圧電振動 1が実装されている。これら電子部品102、集 積回路101および圧電振動子1は、図示しない 線パターンによってそれぞれ電気的に接続 れている。なお、各構成部品は、図示しな 樹脂によりモールドされている。

 このように構成された発振器100において、 電振動子1に電圧を印加すると、この圧電振 動子1内の圧電振動片4が振動する。この振動 、圧電振動片4が有する圧電特性により電気 信号に変換されて、集積回路101に電気信号と して入力される。入力された電気信号は、集 積回路101によって各種処理がなされ、周波数 信号として出力される。これにより、圧電振 動子1が発振子として機能する。
 また、集積回路101の構成を、例えば、RTC(リ アルタイムクロック)モジュールなどを要求 応じて選択的に設定することで、時計用単 能発振器などの他、当該機器や外部機器の 作日や時刻を制御したり、時刻やカレンダ などを提供したりする機能を付加すること できる。

 上述したように、本実施形態の発振器100 よれば、キャビティC内の気密が確実で、作 動の信頼性が向上した高品質な圧電振動子1 備えているため、発振器100自体も同様に作 の信頼性を高めて高品質化を図ることがで る。さらにこれに加え、長期にわたって安 した高精度な周波数信号を得ることができ 。

(電子機器)
 次に、本発明に係る電子機器の一実施形態 ついて、図28を参照して説明する。なお電 機器として、上述した圧電振動子1を有する 帯情報機器110を例にして説明する。
 始めに本実施形態の携帯情報機器110は、例 ば、携帯電話に代表されるものであり、従 技術における腕時計を発展、改良したもの ある。外観は腕時計に類似し、文字盤に相 する部分に液晶ディスプレイを配し、この 面上に現在の時刻などを表示させることが きるものである。また、通信機として利用 る場合には、手首から外し、バンドの内側 分に内蔵されたスピーカおよびマイクロフ ンによって、従来技術の携帯電話と同様の 信を行うことが可能である。しかしながら 従来の携帯電話と比較して、格段に小型化 び軽量化されている。

 次に、本実施形態の携帯情報機器110の構 について説明する。この携帯情報機器110は 図28に示すように、圧電振動子1と、電力を 給するための電源部111とを備えている。電 部111は、例えば、リチウム二次電池からな ている。この電源部111には、各種制御を行 制御部112と、時刻などのカウントを行う計 部113と、外部との通信を行う通信部114と、 種情報を表示する表示部115と、それぞれの 能部の電圧を検出する電圧検出部116とが並 に接続されている。そして、電源部111によ て、各機能部に電力が供給されるようにな ている。

 制御部112は、各機能部を制御して音声デ タの送信及び受信、現在時刻の計測や表示 ど、システム全体の動作制御を行う。また 制御部112は、予めプログラムが書き込まれ ROMと、このROMに書き込まれたプログラムを み出して実行するCPUと、このCPUのワークエ アとして使用されるRAMなどとを備えている

 計時部113は、発振回路、レジスタ回路、 ウンタ回路およびインターフェース回路な を内蔵する集積回路と、圧電振動子1とを備 えている。圧電振動子1に電圧を印加すると 電振動片4が振動し、この振動が水晶の有す 圧電特性により電気信号に変換されて、発 回路に電気信号として入力される。発振回 の出力は二値化され、レジスタ回路とカウ タ回路とにより計数される。そして、イン ーフェース回路を介して、制御部112と信号 送受信が行われ、表示部115に、現在時刻や 在日付あるいはカレンダー情報などが表示 れる。

 通信部114は、従来の携帯電話と同様の機能 有し、無線部117、音声処理部118、切替部119 増幅部120、音声入出力部121、電話番号入力 122、着信音発生部123および呼制御メモリ部1 24を備えている。
 無線部117は、音声データなどの各種データ 、アンテナ125を介して基地局と送受信のや とりを行う。音声処理部118は、無線部117ま は増幅部120から入力された音声信号を符号 および複号化する。増幅部120は、音声処理 118又は音声入出力部121から入力された信号 、所定のレベルまで増幅する。音声入出力 121は、スピーカやマイクロフォンなどから り、着信音や受話音声を拡声したり、音声 集音したりする。

 また、着信音発生部123は、基地局からの呼 出しに応じて着信音を生成する。切替部119 、着信時に限って、音声処理部118に接続さ ている増幅部120を着信音発生部123に切り替 ることによって、着信音発生部123において 成された着信音が増幅部120を介して音声入 力部121に出力される。
 なお、呼制御メモリ部124は、通信の発着呼 御に係るプログラムを格納する。また、電 番号入力部122は、例えば、0から9の番号キ およびその他のキーを備えており、これら 号キーなどを押下することにより、通話先 電話番号などが入力される。

 電圧検出部116は、電源部111によって制御 112などの各機能部に対して加えられている 圧が、所定の値を下回った場合に、その電 降下を検出して制御部112に通知する。この きの所定の電圧値は、通信部114を安定して 作させるために必要な最低限の電圧として め設定されている値であり、例えば、3V程 となる。電圧検出部116から電圧降下の通知 受けた制御部112は、無線部117、音声処理部11 8、切替部119および着信音発生部123の動作を 止する。特に、消費電力の大きな無線部117 動作停止は、必須となる。さらに、表示部11 5に、通信部114が電池残量の不足により使用 能になった旨が表示される。

 即ち、電圧検出部116と制御部112とによって 通信部114の動作を禁止し、その旨を表示部1 15に表示することができる。この表示は、文 メッセージであっても良いが、より直感的 表示として、表示部115の表示面の上部に表 された電話アイコンに、×(バツ)印を付ける ようにしてもよい。
 なお、通信部114の機能に係る部分の電源を 選択的に遮断することができる電源遮断部1 26を備えることで、通信部114の機能をより確 に停止することができる。

 上述したように、本実施形態の携帯情報 器110によれば、キャビティC内の気密が確実 で、作動の信頼性が向上した高品質な圧電振 動子1を備えているため、携帯情報機器自体 同様に作動の信頼性を高めて高品質化を図 ことができる。さらにこれに加え、長期に たって安定した高精度な時計情報を表示す ことができる。

(電波時計)
 次に、本発明に係る電波時計の一実施形態 ついて、図29を参照して説明する。
 本実施形態の電波時計130は、図29に示すよ に、フィルタ部131に電気的に接続された圧 振動子1を備えたものであり、時計情報を含 標準の電波を受信して、正確な時刻に自動 正して表示する機能を備えた時計である。
 日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz) に、標準の電波を送信する送信所(送信局)が あり、それぞれ標準電波を送信している。40k Hz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播 る性質と、電離層と地表とを反射しながら 播する性質とを併せもつため、伝播範囲が く、上述した2つの送信所で日本国内を全て 羅している。

 以下、電波時計130の機能的構成について詳 に説明する。
 アンテナ132は、40kHz若しくは60kHzの長波の標 準電波を受信する。長波の標準電波は、タイ ムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しく 60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。 受信された長波の標準電波は、アンプ133によ って増幅され、複数の圧電振動子1を有する ィルタ部131によって濾波、同調される。
 本実施形態における圧電振動子1は、上記搬 送周波数と同一の40kHzおよび60kHzの共振周波 を有する水晶振動子部138、139をそれぞれ備 ている。

 さらに、濾波された所定周波数の信号は、 波、整流回路134により検波復調される。
 続いて、波形整形回路135を介してタイムコ ドが取り出され、CPU136でカウントされる。C PU136では、現在の年、積算日、曜日、時刻な の情報を読み取る。読み取られた情報は、R TC137に反映され、正確な時刻情報が表示され 。
 搬送波は、40kHz若しくは60kHzであるから、水 晶振動子部138、139は、上述した音叉型の構造 を持つ振動子が好適である。

 なお、上述の説明は、日本国内の例で示 たが、長波の標準電波の周波数は、海外で 異なっている。例えば、ドイツでは77.5KHzの 標準電波が用いられている。したがって、海 外でも対応可能な電波時計130を携帯機器に組 み込む場合には、さらに日本の場合とは異な る周波数の圧電振動子1を必要とする。

 上述したように、本実施形態の電波時計1 30によれば、キャビティC内の気密が確実で、 作動の信頼性が向上した高品質な圧電振動子 1を備えているため、電波時計自体も同様に 動の信頼性を高めて高品質化を図ることが きる。さらにこれに加え、長期にわたって 定して高精度に時刻をカウントすることが きる。

 なお、本発明は上記実施形態に限定される のではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範 において種々の変更を加えることが可能で る。
 例えば、上記実施形態では、スルーホール 形状を断面テーパ状の円錐形状に形成した 、断面テーパ状ではなくストレート形状の 柱形状にしてもよい。

 また、上記実施形態では、圧電振動片4の一 例として振動腕部10、11の両面に溝部18が形成 された溝付きの圧電振動片4を例に挙げて説 したが、溝部18がないタイプの圧電振動片で も構わない。但し、溝部18を形成することで 一対の励振電極15に所定の電圧を印加させ ときに、一対の励振電極15間における電界効 率を上げることができるため、振動損失をよ り抑えて振動特性をさらに向上することがで きる。つまり、CI値(Crystal Impedance)をさらに くすることができ、圧電振動片4のさらなる 性能化を図ることができる。この点におい 、溝部18を形成する方が好ましい。
 また、上記実施形態では、音叉型の圧電振 片4を例に挙げて説明したが、音叉型に限ら れるものではない。例えば、厚み滑り振動片 としても構わない。

 また、上記実施形態では、ベース基板2とリ ッド基板3とを接合膜35を介して陽極接合した が、陽極接合に限定されるものではない。但 し、陽極接合することで、両基板2、3を強固 接合できるため好ましい。
 また、上記実施形態では、圧電振動片4をバ ンプ接合したが、バンプ接合に限定されるも のではない。例えば、導電性接着剤により圧 電振動片4を接合しても構わない。但し、バ プ接合することで、圧電振動片4をベース基 2の上面から浮かすことができ、振動に必要 な最低限の振動ギャップを自然と確保するこ とができる。よって、バンプ接合することが 好ましい。

 また、上記実施形態では、ガラスビーズ 熱膨張係数がベース基板用ウエハ40と略等 いとしたが、これに制限されるものではな 。但し、ガラスビーズおよびウエハ40の熱膨 張係数が略等しいことで、クラックの発生を 防止でき、高品質化を図ることができるので 、熱膨張係数は略等しいことが好ましい。

 本発明に係る圧電振動子は、接合された2 枚の基板の間に形成されたキャビティ内に圧 電振動片が封止された表面実装型(SMD)の圧電 動子に適用できる。




 
Previous Patent: WO/2009/104286

Next Patent: WO/2009/104361