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Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR MANUFACTURING SEALED HONEYCOMB STRUCTURE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/087783
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides a method for manufacturing a sealed honeycomb structure (30) comprising a honeycomb base material (1), and a sealing part (15) provided so as to form a complementary checkboard pattern by the honeycomb base material (1) and both end faces (11, 21) of the honeycomb base material (1). A first film (4a) for a mask is applied to the first end face (11) of the honeycomb base material (1). Further, a slurry entry hole (3a) is bored, and a sealing slurry (6) is filled into the hole. A second film (4b) for a mask is applied to the second end face (21) of the honeycomb base material (1). Further, a slurry entry hole (3b) is bored. Air is allowed to flow into cells (2) so as to be released through between the first film (4a) for a mask and the honeycomb base material (1) at a pressure of 0.05 to 5 MPa, and the sealing slurry (6) is filled into a cell opening end part (7) to prepare a slurry filled base material (20) which is then baked.

Inventors:
ITO KOICHI (JP)
TOKUNAGA TAKESHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/071848
Publication Date:
July 24, 2008
Filing Date:
November 09, 2007
Export Citation:
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Assignee:
NGK INSULATORS LTD (JP)
ITO KOICHI (JP)
TOKUNAGA TAKESHI (JP)
International Classes:
B28B11/02; B01D39/20; C04B37/00; F01N3/022
Foreign References:
JP2005262097A2005-09-29
JP2003320517A2003-11-11
JP2001300922A2001-10-30
JPH06190218A1994-07-12
JPH06190224A1994-07-12
Other References:
See also references of EP 2116347A4
Attorney, Agent or Firm:
WATANABE, Kazuhira (No.8 Kikuboshi Tower Building20-18, Asakusabashi 3-chom, Taito-ku Tokyo 53, JP)
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Claims:
 隔壁によって二つの開口端部を有する複数のセルが両端面間に連通して区画形成された筒状のハニカム基材と、前記セルの二つの前記開口端部のうちの一方を目封止するとともに前記ハニカム基材の一方の端面と他方の端面とで相補的な市松模様を形成するように配設された目封止部と、を備えた目封止ハニカム構造体を製造する方法であって、
 前記ハニカム基材の一方の端面に第一のマスク用フィルムを貼付するとともに、前記第一のマスク用フィルムの、所定の前記セルの一方の開口端部に対応する部分にスラリー浸入孔を穿孔する第一の貼付・穿孔工程と、
 前記ハニカム基材の前記第一のマスク用フィルムが貼付された前記一方の端面を目封止用スラリーに浸漬し、所定の前記セルの一方の開口端部に前記目封止用スラリーを充填する第一の充填工程と、
 前記ハニカム基材の他方の端面に第二のマスク用フィルムを貼付するとともに、前記第二のマスク用フィルムの、所定の前記セルの一方の開口端部に対応する部分にスラリー浸入孔を穿孔する第二の貼付・穿孔工程と、
 前記ハニカム基材の前記他方の端面から前記セル内に、前記一方の端面における前記第一のマスク用フィルムと前記ハニカム基材の間から0.05~5MPaの圧力で放出されるように空気を流入させるエアーブロー工程と、
 前記ハニカム基材の前記第二のマスク用フィルムが貼付された前記他方の端面を目封止用スラリーに浸漬し、所定の前記セルの一方の開口端部に前記目封止用スラリーを充填してスラリー充填基材を得る第二の充填工程と、
 得られた前記スラリー充填基材を焼成する焼成工程と、を含む目封止ハニカム構造体の製造方法。
 前記ハニカム基材の前記他方の端面から前記セル内に、前記一方の端面における前記第一のマスク用フィルムと前記ハニカム基材の間から0.1~4MPaの圧力で放出されるように空気を流入させる請求項1に記載の目封止ハニカム構造体の製造方法。
 少なくとも前記第一のマスク用フィルムの粘着力が、1~15N/cmである請求項1又は2に記載の目封止ハニカム構造体の製造方法。
Description:
目封止ハニカム構造体の製造方

 本発明は、ディーゼルパティキュレート ィルター等のフィルターに好適に用いるこ ができる、端面で所定のセルが封止された 封止ハニカム構造体の製造方法に関する。

 ディーゼルパティキュレートフィルター( DPF)に代表される集塵フィルターとして、ハ カム構造を有するセラミック製のフィルタ が使用されている。このようなフィルター 、多孔質の隔壁により区画形成された、流 の流路となる多数のセルを有するハニカム 造体の端面を、市松模様状を呈するように 隣接するセルを互いに反対側となる一方の 部で封止した構造を有するものである。

 このフィルター(目封止ハニカム構造体) 一方の端面よりパティキュレート等の微粒 を含む排ガスを通気させると、この排ガス 、当該一端面側の端部が封じられていない ルより構造体内部に流入し、多孔質の隔壁 通過して、構造体の他端面側の端部が封じ れていない他のセルに入る。そして、この 壁を通過する際に排ガス中の微粒子が隔壁 捕捉され、微粒子を除去された浄化後の排 スがハニカム構造体の他端面より排出され 。

 通常、このような構造の目封止ハニカム 造体を製造するには、図2に示すように、ハ ニカム基材1の端面にマスクとなるマスク用 ィルム4を貼付し、このマスク用フィルム4の 所定のセル2a,2bの開口端部(セル開口端部7)に 応する位置に孔3を設け、目封止用スラリー 6が貯留された容器5へハニカム基材1の端部を 浸漬することにより、マスク用フィルム4の 3を通じて所定のセル開口端部7に目封止用ス ラリー6を浸入させるという方法が採用され いる(例えば、特許文献1参照)。

 このような方法で所定のセルの開口端部 目封止する場合、目封止用スラリー6が、セ ル2a,2b内の所望とする深さにまで浸入しない 合があった。また、目封止用スラリー2a,2b 浸入深さが均一にならない場合もあり、均 な目封止ハニカム構造体を製造することが 難であるといった問題があった。目封止し うとする各セルの内部に浸入する目封止用 ラリーの浸入深さが不均一であると、得ら る目封止ハニカム構造体のセル毎の圧力損 にバラツキが生じ、濾過物の堆積量に偏り 生じる等の不具合が発生し易くなる。

 上記のような問題を解消するための関連 る従来技術として、チキソトロピー性を有 る目封止用スラリーとして使用するととも 、この目封止用スラリーを加振しつつハニ ム基材の所定のセル内に浸入させる方法が 示されている(例えば、特許文献2,3参照)。

 しかしながら、特許文献2,3において開示 れた方法であっても、目封止用スラリー6は 、セル2a,2b内の所望とする深さにまで必ずし 浸入せず、浸入深さが均一にならない場合 あった。また、目封止用スラリーを加振す ための装置が必要となるため、設備が大型 ・複雑化する傾向にあった。

特開2001-300922号公報

特開平6-190218号公報

特開平6-190224号公報

 本発明は、このような従来技術の有する 題点に鑑みてなされたものであり、その課 とするところは、セルの所望とする深さに で目封止用スラリーを均一に浸入させるこ ができ、目封止抜け等の製品欠陥が極めて じ難い目封止ハニカム構造体の製造方法を 供する。

 即ち、本発明によれば、以下に示す目封 ハニカム構造体の製造方法が提供される。

 [1]隔壁によって二つの開口端部を有する 数のセルが両端面間に連通して区画形成さ た筒状のハニカム基材と、前記セルの二つ 前記開口端部のうちの一方を目封止すると もに前記ハニカム基材の一方の端面と他方 端面とで相補的な市松模様を形成するよう 配設された目封止部と、を備えた目封止ハ カム構造体を製造する方法であって、前記 ニカム基材の一方の端面に第一のマスク用 ィルムを貼付するとともに、前記第一のマ ク用フィルムの、所定の前記セルの一方の 口端部に対応する部分にスラリー浸入孔を 孔する第一の貼付・穿孔工程と、前記ハニ ム基材の前記第一のマスク用フィルムが貼 された前記一方の端面を目封止用スラリー 浸漬し、所定の前記セルの一方の開口端部 前記目封止用スラリーを充填する第一の充 工程と、前記ハニカム基材の他方の端面に 二のマスク用フィルムを貼付するとともに 前記第二のマスク用フィルムの、所定の前 セルの一方の開口端部に対応する部分にス リー浸入孔を穿孔する第二の貼付・穿孔工 と、前記ハニカム基材の前記他方の端面か 前記セル内に、前記一方の端面における前 第一のマスク用フィルムと前記ハニカム基 の間から0.05~5MPaの圧力で放出されるように 気を流入させるエアーブロー工程と、前記 ニカム基材の前記第二のマスク用フィルム 貼付された前記他方の端面を目封止用スラ ーに浸漬し、所定の前記セルの一方の開口 部に前記目封止用スラリーを充填してスラ ー充填基材を得る第二の充填工程と、得ら た前記スラリー充填基材を焼成する焼成工 と、を含む目封止ハニカム構造体の製造方 。

 [2]前記ハニカム基材の前記他方の端面か 前記セル内に、前記一方の端面における前 第一のマスク用フィルムと前記ハニカム基 の間から0.1~4MPaの圧力で放出されるように 気を流入させる前記[1]に記載の目封止ハニ ム構造体の製造方法。

 [3]少なくとも前記第一のマスク用フィル の粘着力が、1~15N/cmである前記[1]又は[2]に 載の目封止ハニカム構造体の製造方法。

 本発明の目封止ハニカム構造体の製造方 によれば、セルの所望とする深さにまで目 止用スラリーを均一に浸入させることがで 、目封止抜け等の製品欠陥が極めて生じ難 目封止ハニカム構造体を簡便に製造するこ ができる。

本発明の目封止ハニカム構造体の製造 法の一実施形態を示す模式図である。 従来の、セル開口端部に目封止用スラ ーを浸入させる状態を示す模式図である。 本発明の目封止ハニカム構造体の製造 法におけるエアーブロー工程の一例を模式 に説明する断面図である。 エアー放出圧を測定する方法を説明す 模式図である。 目封止ハニカム構造体の一例を示す斜 図である。

符号の説明

1:ハニカム基材、2,2a,2b:セル、3:孔、3a,3b:ス ラリー浸入孔、4:マスク用フィルム、4a:第一 マスク用フィルム、4b:第二のマスク用フィ ム、5:容器、6:目封止用スラリー、7:セル開 端部、10:隔壁、11:第一端面、15:目封止部、2 0:スラリー充填基材、21:第二端面、25:外周壁 27,29:端面、30:目封止ハニカム構造体、35:カ ー、40:放出空間

 以下、本発明の実施の最良の形態につい 説明するが、本発明は以下の実施の形態に 定されるものではなく、本発明の趣旨を逸 しない範囲で、当業者の通常の知識に基づ て、以下の実施の形態に対し適宜変更、改 等が加えられたものも本発明の範囲に入る とが理解されるべきである。

 図1は、本発明の目封止ハニカム構造体の 製造方法の一実施形態の一部を示す模式図で ある。本実施形態の目封止ハニカム構造体の 製造方法は、隔壁10によって複数のセル2が端 面(第一端面11、第二端面21)間に区画形成され た筒状のハニカム基材1の、所定のセル2の開 端部(セル開口端部7)に目封止用スラリー6を 充填した後に焼成することにより、所定のセ ル開口端部7に目封止部15が形成された目封止 ハニカム構造体30を製造する方法である。以 、本発明の目封止ハニカム構造体の製造方 の更なる詳細について説明する。

 本実施形態の目封止ハニカム構造体の製 方法では、先ず、隔壁10によって複数のセ 2が第一端面11と第二端面21の間に連通して区 画形成された筒状のハニカム基材1を用意す (図1(a))。

 ハニカム基材1を作製するには、先ず、コ ージェライト、ムライト、アルミナ、スピネ ル、ジルコニア、炭化珪素、炭化珪素-コー ェライト系複合材料、珪素-炭化珪素系複合 料、窒化珪素、リチウムアルミニウムシリ ート、チタン酸アルミニウム、ゼオライト のセラミック;Fe-Cr-Al系金属等の金属;及びこ れらの組合せからなる群より選択される一種 の材料の粉末を原料とし、これにメチルセル ロースやヒドロキシプロポキシルメチルセル ロース等のバインダーを添加し、更に、界面 活性剤及び水を添加して混合原料を得る。次 いで、得られた混合原料を可塑性の坏土とし た後、押出成形してハニカム形状とした後、 乾燥又は焼成等することにより、ハニカム基 材1を作製することができる。

 第一の貼付・穿孔工程においては、先ず ハニカム基材1の第一端面11に第一のマスク フィルム4aを貼付する(図1(b))。第一のマス 用フィルム4aの種類に特に制限はないが、例 えば、加熱することで溶融可能であるととも に、レーザー光の照射によって穿孔可能なフ ィルムが好ましい。また、ハニカム基材1の 面上で固定されるように、粘着層を有する ィルムを第一のマスク用フィルム4aとして用 いることが好ましい。このようなフィルムの 具体例としては、ポリエステル、ポリオレフ ィン、ハロゲン化ポリオレフィン等のポリマ ー材料からなる基材層と、この基材層に積層 配置される、アクリル系粘着材等からなる粘 着層とを備えたフィルムを挙げることができ る。また、第一のマスク用フィルム4aの厚さ 、強度、孔の開け易さ等の観点から10~100μm 度が好ましい。

 第一の貼付・穿孔工程においては、第一 マスク用フィルム4aの貼付に次いで、貼付 た第一のマスク用フィルム4aの、所定のセル 2の一方の開口端部(セル開口端部7)に対応す 部分にスラリー浸入孔3aを開ける(図1(b))。こ のスラリー浸入孔3aは、その後の工程におい 、セル開口端部7内に目封止用スラリーを流 入させるための流入口として機能する。なお 、スラリー浸入孔3aの径は、スラリー浸入孔3 aの開口面積の30~70%とすることが、後述する 度の目封止用スラリーを良好な状態で浸入 せ易くなるために好ましく、40~60%とするこ が更に好ましく、50%前後とすることが特に ましい。

 第一のマスク用フィルム4aにスラリー浸 孔3aを開ける方法は特に限定されないが、例 えば、レーザー照射によりスラリー浸入孔3a 開ける方法が好適である。また、一本の針 第一のマスク用フィルム4にスラリー浸入孔 3aを一つずつ穿孔したり、所定のセル開口端 7のピッチに対応した剣山状の針を使用して 多数のスラリー浸入孔3aをまとめて穿孔した することも可能である。但し、ハニカム基 1の第一端面11を画像処理してスラリー浸入 3aを開けるべきセル2の位置を抽出し、レー ーマーカーを使用して抽出した位置に対応 せてスラリー浸入孔3aを穿孔することが、 ル2のピッチや開口形状が一定ではないハニ ム基材1にも対応柔軟に対応可能となるため に好ましい。

 第一の充填工程においては、ハニカム基 1の第一のマスク用フィルム4aが貼付された 一端面11を目封止用スラリー6に浸漬し、セ 開口端部7に目封止用スラリー6を充填する( 1(c))。このとき、第二端面21にはマスク用フ ィルムが貼付されていないために、セル2内 所望とする深さにまで目封止用スラリー6を 入させることが可能である。なお、目封止 スラリーは、少なくともセラミック粉末と スラリー用分散媒を混合することにより調 することができる。スラリー用分散媒の好 例としては、アセトン、メタノール、エタ ール等の有機溶媒や水等を挙げることがで る。

 目封止用スラリーには、必要に応じて、 合剤、解膠剤等の添加剤を更に加えてもよ 。セラミック粉末の種類は特に限定されな が、例えば、炭化珪素粉末やコージェライ 粉末等を好適に用いることができる。結合 としては、ポリビニルアルコール(PVA)等の 脂を用いることもできるが、加熱によって ル化する特性を有する熱ゲル硬化性の結合 を用いることがより好ましい。熱ゲル硬化 の結合剤としては、メチルセルロースを好 に用いることができる。なお、目封止用ス リーの粘度は、通常、100~2000000mPa・s、好ま くは500~1500000mPa・s、更に好ましくは1000~100000 0mPa・s程度である。

 第二の貼付・穿孔工程においては、先ず ハニカム基材1の第二端面21に第二のマスク フィルム4bを貼付する(図1(d))。第二のマス 用フィルム4bとしては、前述の第一のマスク 用フィルム4aと同様のものを好適に使用する とができる。

 第二の貼付・穿孔工程においては、第二 マスク用フィルム4bの貼付に次いで、貼付 た第二のマスク用フィルム4bの、所定のセル 2の一方の開口端部(セル開口端部7)に対応す 部分にスラリー浸入孔3bを開ける(図1(d))。こ のスラリー浸入孔3bは、第一のマスク用フィ ム4aに穿孔されたスラリー浸入孔3aと同様に 、その後の工程において、セル開口端部7内 目封止用スラリーを流入させるための流入 として機能する。なお、スラリー浸入孔3bの 好適な径は、前述のスラリー浸入孔3aと同様 ある。また、第二のマスク用フィルム4bに ラリー浸入孔3bを開ける方法としては、前述 の、第一のマスク用フィルム4aにスラリー浸 孔3aを開ける方法と同様の方法を好適例と て挙げることができる。

 エアーブロー工程においては、ハニカム 材1の第二端面21からセル2内に空気を流入さ せる(図1(e))。このような空気の流入を行うこ とによって、図3に示すように、ハニカム基 1の第一端面11に貼付されていた第一のマス 用フィルム4aが僅かに剥がれ、ハニカム基材 1の第一端面11と第一のマスク用フィルム4aの に、セル内部の空気が流出可能な空隙が形 される。この空隙は、スラリー浸入孔3bを じてセル2内に目封止用スラリーを流入させ 際に、セル2内に封入されて行先を失った空 気をセル2の外部へと排出するための流出口 して機能する。

 ハニカム基材1の第二端面21からセル2内に 空気を流入させるに際しては、第一端面11に ける第一のマスク用フィルム4aとハニカム 材1の間から、0.05~5MPa、好ましくは0.1~4MPa、 に好ましくは0.15~3.5MPaの圧力で放出されるよ うに、セル2内に空気を流入させる。放出さ る空気の圧力(エアー放出圧)を上記数値範囲 内とすることにより、第一のマスク用フィル ム4aを僅かに剥がすことが可能であるととも 、空気が吹き付けられる第二のマスク用フ ルム4bに破れや剥離等の不具合を生じさせ ことがない。エアー放出圧が0.05MPa未満であ と、空気の流入が少な過ぎるために第一の スク用フィルム4aの剥離が不十分となる。 方、エアー放出圧が5MPa超であると、第二の スク用フィルム4bに破れや剥離等の不具合 生ずる場合がある。

 エアーブローの方式は、間欠的(パルス) あっても連続的であってもよい。但し、マ ク用フィルムの剥離による目封止用スラリ の漏れを防止する観点からは、間欠的(パル )にエアーブローを行うことが好ましい。

 図4は、エアー放出圧を測定する方法を説 明する模式図である。エアーブロー工程にお いてエアー放出圧を測定するには、図4に示 ように、先ず、ハニカム基材1の外周面に密 した状態でカバー35を配設することで、ハ カム基材1の第一端面11を覆って放出空間40を 形成した状態とする。次いで、ハニカム基材 1の第二端面21の側からエアーブローを行い、 第一端面11の側から放出される、放出空間40 における空気の圧力を「エアー放出圧」と て測定する。なお、放出空間40内における空 気の圧力は、一般的な真空ゲージを使用して 測定することができる。

 第二の充填工程においては、ハニカム基 1の第二のマスク用フィルム4bが貼付された 二端面21を目封止用スラリー6に浸漬し、セ 開口端部7に目封止用スラリー6を充填して ラリー充填基材20を得る(図1(f))。目封止用ス ラリー6がスラリー浸入孔3bを通じてセル2内 浸入すると、セル2内の空気は、ハニカム基 1の第一端面11と第一のマスク用フィルム4a 間に形成された空隙を通じて外部へと速や に押し出される。従って、セル2の所望とす 深さにまで目封止用スラリー6を均一に浸入 させることができ、目封止部の信頼性の高い 目封止ハニカム構造体を簡便に製造すること ができる。なお、目封止用スラリー6として 、前述の第一の充填工程において使用した のと同様のものを好適に使用することがで る。

 スラリー充填基材20を得た後、必要に応 て乾燥するとともに、加熱及び/又は焼成を ることにより、目封止部15が形成された目 止ハニカム構造体30を製造することができる (図1(g))。なお、目封止ハニカム構造体30は、 般に、目封止用スラリー6を所定のセル開口 端部7内に充填する第一及び第二の充填工程 経た後、焼成することにより製造され得る 、これら第一及び第二の充填工程は、焼成 のハニカム構造の成形体(乾燥体)について行 ってもよく、焼成後のハニカム構造の焼成体 について行ってもよい。

 例えば図5に示すように、本発明の目封止 ハニカム構造体の製造方法によって製造され る目封止ハニカム構造体30は、多孔質の隔壁 よって一の端面27から他の端面29まで軸方向 に貫通する複数のセル2が区画形成され、セ 2を何れかの端面27,29において目封止するよ に配置された目封止部15を有するものであれ ば、それ以外の形状等について制限はない。 なお、図3中、符号25は、隔壁の外周を囲む外 周壁を示す。

 目封止ハニカム構造体の、セルの貫通方向 直交する断面形状については、円形、楕円 、レーストラック形状、四角形等、用途や 置場所に応じて適宜決定することができる また、その貫通方向と直交するセルの断面 状については、三角形、四角形、六角形等 多角形や略多角形、円形、楕円形等の略円 とすることができる。セル密度については 通常、6~2000セル/平方インチ(0.9~311セル/cm 2 )、好ましくは50~1000セル/平方インチ(7.8~155セ /cm 2 )程度とすることができる。また、目封止ハ カム構造体30(図3参照)を触媒担体やフィルタ ーとして用いる場合には、その隔壁及び外周 壁25は多孔質体であることが好ましい。

 以下、本発明を実施例に基づいて具体的 説明するが、本発明はこれらの実施例に限 されるものではない。

(ハニカム基材の作製)
 コージェライト、有機バインダー、増孔剤 及び水からなる混合原料をハニカム状に成 した後、乾燥することにより、直径5.66イン チ(144mm)、長さ6インチ(152mm)の円筒状のハニカ ム基材を作製した。作製したハニカム基材の 、その貫通方向と直行するセルの断面形状は 正方形であり、隔壁の厚みは約0.3mmであり、 ル密度は300セル/平方インチであった。

(目封止用スラリーの調製)
 コージェライト粉末100質量部に対して、メ ルセルロース1.5質量部、グリセリン8質量部 、及び水40質量部を加え、混練することによ 目封止用スラリーを調製した。なお、調製 た目封止用スラリーの粘度は200mPa・sであっ た。

(実施例1)
 ハニカム基材の一方の端面(第一端面)にマ ク用フィルム(ポリエステル基材にアクリル 粘着剤を塗布したテープ、粘着力:5.3N/cm、 さ:mm、商品名「マスキングテープ」、3M社製 )を貼付した後、貼付したマスク用フィルム 、所定のセル開口端部に対応する部分に(市 模様となるように)レーザーを使用してスラ リー浸入孔を開けた。次に、ハニカム基材の マスク用フィルムが貼付された側の端面を目 封止用スラリーの中に5mmの深さまで浸漬して 、スラリー浸入孔を通じてセル開口端部に目 封止用スラリーを充填した。その後、ハニカ ム基材の他方の端面(第二端面)に前述のマス 用フィルムを貼付した後、貼付したマスク フィルムの、所定のセル開口端部に対応す 部分に(市松模様となるように)レーザーを 用してスラリー浸入孔を開けた。

 次に、ハニカム基材の第二端面からセル に、第一端面におけるマスク用フィルムと ニカム基材の間から0.05MPaの圧力で放出され るように空気を流入させた。なお、エアーブ ロー方式はパルスとした。その後、ハニカム 基材の第二端面を目封止用スラリーの中に5mm の深さまで浸漬して、スラリー浸入孔を通じ てセル開口端部に目封止用スラリーを充填し た。

 目封止用スラリーからハニカム基材を引 上げた後、100℃で120秒間乾燥した。その後 上述の第一端面の場合と同様に、ハニカム 材の第二端面について目封止用スラリーへ 浸漬を行い、ハニカム基材の他方の端面に けるセル開口端部に目封止用スラリーを充 した。100℃で120秒間乾燥後、50時間焼成す ことによって目封止ハニカム構造体を製造 た。

 製造した目封止ハニカム構造体の目封止 について、目封止平均深さ(mm)を測定したと ころ、第一端面では4.88mm、第二端面では4.92mm であった。なお、第二端面における、ねらい 深さ(5mm)に対する目封止深さの平均到達率は 98.4%であった。また、目封止抜けの有無を 認したところ、目封止抜けの箇所は0箇所で った。

(実施例2~6、比較例1~6)
 エアーブロー方法、及びエアー放出圧をそ ぞれ表1に示す方法及び数値としたこと以外 は、実施例1と同様にして目封止ハニカム構 体を製造した。製造したそれぞれの目封止 ニカム構造体の目封止部について、実施例1 同様の測定及び評価を行った。結果を表1に 示す。

 表1に示すように、実施例1~3の方法では、 比較例1~3の方法に比べて、所望とする深さに まで目封止用スラリーが浸入し、十分な深さ の目封止部が形成されていることが明らかで ある。また、実施例1~3の方法によれば、目封 止抜けが生ずることなく、優れた品質の目封 止ハニカム構造体を製造可能であった。

 本発明の目封止ハニカム構造体の製造方 は、DPF等のフィルターに使用する目封止ハ カム構造体を製造する方法として好適であ 。