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Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR MANUFACTURING THREE-DIMENSIONAL STRUCTURE, AND THREE-DIMENSIONAL STRUCTURE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/174996
Kind Code:
A1
Abstract:
To provide a method for manufacturing a three-dimensional structure, whereby a physical property of the three-dimensional structure can be freely controlled. Provided is a method for manufacturing a three-dimensional structure, the method including orienting molecules of a first anisotropic material and/or molecules of a second anisotropic material while forming a layer containing the first anisotropic material and/or the second anisotropic material, orientation of the molecules of the first anisotropic material and/or the molecules of the second anisotropic material being repeated a plurality of times while the layer is formed.

Inventors:
SUWA SHUNICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/003426
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
January 30, 2020
Export Citation:
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Assignee:
SONY CORP (JP)
International Classes:
B29C64/112; B29C64/129; B29C64/135; G02B5/30
Foreign References:
JP2016117273A2016-06-30
JP2016188283A2016-11-04
JP2000230126A2000-08-22
JP2013063641A2013-04-11
Attorney, Agent or Firm:
WATANABE Kaoru (JP)
Download PDF:
Claims:
\¥0 2020/174996 33 卩(:17 2020 /003426

請求の範囲

[請求項 1 ] 第 1の異方性材料及び/又は第 2の異方性材料と、 を含有する層を 形成しつつ、 該第 1の異方性材料の分子及び/又は第 2の異方性材料 の分子を配向することと、 を含み、

該層を形成しつつ、 該第 1の異方性材料の分子及び/又は第 2の異 方性材料の分子を配向することを複数回で繰り返す、 三次元構造物の 製造方法。

[請求項 2] 前記第 1の異方性材料が硬化性である、 請求項 1 に記載の三次元構 造物の製造方法。

[請求項 3] 前記第 1の異方性材料が配向性粒子材料である、 請求項 1 に記載の 三次元構造物の製造方法。

[請求項 4] 前記配向性粒子材料のアスペクト比 (平均長軸長さ/平均短軸長さ

) が 1 . 1以上である、 請求項 3に記載の三次元構造物の製造方法。

[請求項 5] 前記第 2の異方性材料が硬化性である、 請求項 1 に記載の三次元構 造物の製造方法。

[請求項 6] 前記第 2の異方性材料が配向性粒子材料である、 請求項 1 に記載の 三次元構造物の製造方法。

[請求項 7] 前記配向性粒子材料のアスペクト比 (平均長軸長さ/平均短軸長さ

) が·! . 1以上である、 請求項 6に記載の三次元構造物の製造方法。

[請求項 8] 第 1の異方性材料及び/又は第 2の異方性材料と、 感光性材料と、 を含有する層を形成しつつ、 前記第 1の異方性材料の分子及び/又は 前記第 2の異方性材料の分子を配向することを含む、 請求項 1 に記載 の三次元構造物の製造方法。

[請求項 9] 前記感光性材料が硬化性である、 請求項 8に記載の三次元構造物の 製造方法。

[請求項 10] 第 1の異方性材料及び/又は第 2の異方性材料と、 少なくも 1種の 樹脂材料と、 を含有する層を形成しつつ、 前記第 1の異方性材料の分 子及び/又は前記第 2の異方性材料の分子を配向することを含む、 請 \¥02020/174996 34 卩(:171?2020/003426

求項 1 に記載の三次元構造物の製造方法。

[請求項 11] 光重合開始剤を用いて前記層を形成しつつ、 前記第 1の異方性材料 の分子及び/又は前記第 2の異方性材料の分子を配向することを含む 、 請求項 1 〇に記載の三次元構造物の製造方法。

[請求項 12] 第 1の異方性材料及び/又は第 2の異方性材料と、 感光性材料と、 少なくも 1種の樹脂材料と、 を含有する層を形成しつつ、 前記第 1の 異方性材料の分子及び/又は前記第 2の異方性材料の分子を配向する ことを含む、 請求項 1 に記載の三次元構造物の製造方法。

[請求項 13] 前記感光性材料が硬化性である、 請求項 1 2に記載の三次元構造物 の製造方法。

[請求項 14] 光重合開始剤を用いて前記層を形成しつつ、 前記第 1の異方性材料 の分子及び/又は前記第 2の異方性材料の分子を配向することを含む 、 請求項 1 2に記載の三次元構造物の製造方法。

[請求項 15] 前記層を硬化させることを更に含む、 請求項 1 に記載の三次元構造 物の製造方法。

[請求項 16] 前記層を形成することが S LA法 (S t e r e〇 I i t h o g r a p h y A p p a r a t u s) 光造形方式である、 請求項 1 に記載の 三次元構造物の製造方法。

[請求項 17] 前記層を形成することがインクジェツ ト方式である、 請求項 1 に記 載の三次元構造物の製造方法。

[請求項 18] 前記層を形成することがプロジェクシヨン方式である、 請求項 1 に 記載の三次元構造物の製造方法。

[請求項 19] 前記層内の互いに異なる領域に、 互いに異なる偏光方向を有するエ ネルギー線を照射することを更に含む、 請求項 1 に記載の三次元構造 物の製造方法。

[請求項 20] 請求項 1 9に記載の製造方法によって得られ、 少なくとも 1つの前 記層内に分子配向分布を有する、 三次元構造物。

[請求項 21] 請求項 1 9に記載の製造方法によって得られ、 少なくとも 1つの前 \¥0 2020/174996 35 卩(:171? 2020 /003426

記層内に無配向領域を有する、 三次元構造物。

[請求項 22] 屈折率異方性を有する領域を含む、 請求項 2 に記載の三次元構造 物。

[請求項 23] 請求項 1 に記載の製造方法によって得られ、 任意の波長帯の電磁波 において透明である、 三次元構造物。

Description:
\¥0 2020/174996 1 卩(:17 2020 /003426 明 細 書

発明の名称 : 三次元構造物の製造方法及び三次元構造物 技術分野

[0001 ] 本技術は、 三次元構造物の製造方法に関し、 より詳しくは、 三次元構造物 の製造方法、 及び三次元構造物に関する。

背景技術

[0002] 近年、 3 0プリンタ向けに様々な材料が提案および商 化されている。 一 般的には有機材料 (高分子樹脂) であるが、 無機材料 (ガラス) や金属材料 も提案されている。

[0003] 例えば、 複数種類の樹脂材料を用いて三次元構造物を 製造する、 三次元構 造物の製造方法が提案されている (特許文献 1 を参照) 。

[0004] また、 例えば、 配向性材料を用いて三次元構造物を製造する 、 三次元構造 物の製造方法が提案されている (特許文献 2を参照) 。

先行技術文献

特許文献

[0005] 特許文献 1 :特開 2 0 1 7 _ 2 5 1 8 7号公報

特許文献 2 :特開 2 0 1 6 _ 1 1 7 2 7 3号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006] しかしながら、 特許文献 1及び 2で提案された技術では、 三次元構造物の 物性を自由にコントロールすることができな いおそれがある。

[0007] そこで、 本技術は、 このような状況に鑑みてなされたものであり 、 三次元 構造物の物性を自由にコントロールすること ができる三次元構造物の製造方 法及び三次元構造物の物性が自由にコントロ ールされた三次元構造物を提供 することを主目的とする。

課題を解決するための手段

[0008] 本発明者は、 上述の目的を解決するために鋭意研究を行っ た結果、 三次元 \¥02020/174996 2 卩(:171?2020/003426

構造物の物性を自由にコントロールするこ とができることに成功し、 本技術 を完成するに至った。

[0009] すなわち、 本技術は、 第 1の異方性材料及び/又は第 2の異方性材料と、 を含有する層を形成しつつ、 該第 1の異方性材料の分子及び/又は第 2の異 方性材料の分子を配向することと、 を含み、 該層を形成しつつ、 該第 1の異 方性材料の分子及び/又は第 2の異方性材料の分子を配向することを複数 で繰り返す、 三次元構造物の製造方法を提供する。

[0010] 本技術に係る三次元構造物の製造方法におい て、 前記第 1の異方性材料が 硬化性でよく、 前記第 1の異方性材料が配向性粒子材料でよく、 前記第 1の 異方性材料の前記配向性粒子材料のアスペク ト比 (平均長軸長さ/平均短軸 長さ) が 1 . 1以上でよい。

[001 1 ] 本技術に係る三次元構造物の製造方法におい て、 前記第 2の異方性材料が 硬化性でよく、 前記第 2の異方性材料が配向性粒子材料でよく、 前記第 2の 異方性材料の前記配向性粒子材料のアスペク ト比 (平均長軸長さ/平均短軸 長さ) が 1 . 1以上でよい。

[0012] 本技術に係る三次元構造物の製造方法は、 第 1の異方性材料及び/又は第

2の異方性材料と、 感光性材料と、 を含有する層を形成しつつ、 前記第 1の 異方性材料の分子及び/又は前記第 2の異方性材料の分子を配向することを 含んでよく、 この場合、 前記感光性材料は硬化性でよい。

[0013] 本技術に係る三次元構造物の製造方法は、 第 1の異方性材料及び/又は第

2の異方性材料と、 少なくも 1種の樹脂材料と、 を含有する層を形成しつつ 、 前記第 1の異方性材料の分子及び/又は前記第 2の異方性材料の分子を配 向することを含んでよく、 この場合、 光重合開始剤を用いて前記層を形成し てよい。

[0014] 本技術に係る三次元構造物の製造方法は、 第 1の異方性材料及び/又は第

2の異方性材料と、 感光性材料と、 少なくも 1種の樹脂材料と、 を含有する 層を形成しつつ、 前記第 1の異方性材料の分子及び/又は前記第 2の異方性 材料の分子を配向することを含んでよく、 この場合、 光重合開始剤を用いて \¥02020/174996 3 卩(:171?2020/003426

前記層を形成してよく、 また、 前記感光性材料は硬化性でよい。

[0015] 本技術に係る三次元構造物の製造方法は、 前記層を硬化させることを更に 含んでよい。

[0016] 本技術に係る三次元構造物の製造方法におい て、 前記層を形成することが

S LA法 (S t e r e o l i t h o g r a p h y A p p a r a t u s) 光造 形方式でよい。

[0017] 本技術に係る三次元構造物の製造方法におい て、 前記層を形成することが インクジェツ ト方式でよい。

[0018] 本技術に係る三次元構造物の製造方法におい て、 前記層を形成することが プロジェクション方式でよい。

[0019] 本技術に係る三次元構造物の製造方法は、 前記層内の互いに異なる領域に 、 互いに異なる偏光方向を有するエネルギー線 を照射することを更に含んで よい。

[0020] また、 本技術は、 本技術に係る三次元構造物の製造方法、 特には、 本技術 に係る三次元構造物の製造方法であって、 前記層内の互いに異なる領域に、 互いに異なる偏光方向を有するエネルギー線 を照射することを更に含む製造 方法によって得られ、 少なくとも 1つの前記層内に分子配向分布を有する、 三次元構造物を提供する。

[0021] さらに、 本技術は、 本技術に係る三次元構造物の製造方法、 特には、 本技 術に係る三次元構造物の製造方法であって、 前記層内の互いに異なる領域に 、 互いに異なる偏光方向を有するエネルギー線 を照射することを更に含む製 造方法によって得られ、 少なくとも 1つの前記層内に無配向領域を有する、 三次元構造物を提供し、 この三次元構造物は、 屈折率異方性を有する領域を 含んでよい。

[0022] さらにまた、 本技術に係る三次元構造物の製造方法によっ て得られ、 任意 の波長帯の電磁波において透明である、 三次元構造物を提供する。

[0023] 本技術によれば、 三次元構造物の物性を自由にコントロールす ることがで きる。 なお、 ここに記載された効果は、 必ずしも限定されるものではなく、 \¥02020/174996 4 卩(:171?2020/003426

本開示中に記載されたいずれかの効果、 または、 それらと異質な効果であつ てもよい。

図面の簡単な説明

[0024] [図 1]光重合開始剤を用いて樹脂材料を含有す 層が形成されることを説明す るための図である。

[図 2]感光性材料 (アゾベンゼン及びシンナメート) の反応を説明するための 図である。

[図 3]第 2の異方性材料の一例を示す図である。

[図 4]第 1の異方性材料の一例及び第 2の異方性材料の一例を示す図である。 [図 5]レーザーとガルバノミラーとによる光造 方式の 3 0プリンタ装置の構 成例を示す図である。

[図 6]図 5で示された 3 0プリンタ装置を用いて、 三次元構造物が製造される ことを説明するための図である。

[図 7]1\/1巳1\/1 3による光造形方式の 3 0プリンタ装置の構成例を示す図である

[図 8]0 !_ による光造形方式の 3 0プリンタ装置の構成例を示す図である。 [図 9]液晶プロジェクタ方式による光造形方式 3 0プリンタ装置の構成例を 示す図である。

[図 10]液晶プロジェクタ方式による光造形方式 3 0プリンタ装置の構成例 を示す図である。

[図 1 1]液晶パネル方式による光造形方式の 3 0プリンタ装置の構成例を示す 図である。

[図 12]実施例 1で用いられた 3 0プリンタ装置の構成例を示す図である。

[図 13]図 1 2で示された (実施例 1で用いられた) 3 0プリンタ装置を用い て、 三次元構造物が製造されることを説明するた めの図である。

[図 14]クロスニコルの偏光板を用いて分子の配 状態を確認することができ ることを説明するための図である。

[図 15]アゾベンゼンの光照射や熱に伴う反応 (構造変化) を示す図である。 \¥02020/174996 5 卩(:171?2020/003426

[図 16]シンナメートの反応を示す図である。

発明を実施するための形態

[0025] 以下、 本技術を実施するための好適な形態について 説明する。 以下に説明 する実施形態は、 本技術の代表的な実施形態の一例を示したも のであり、 こ れにより本技術の範囲が狭く解釈されること はない。 なお、 図面については 、 同一又は同等の要素又は部材には同一の符号 を付し、 重複する説明は省略 する。

[0026] また、 特に断りがない限り、 図面において、 「上」 とは図中の上方向又は 上側を意味し、 「下」 とは、 図中の下方向又は下側を意味し、 「左」 とは図 中の左方向又は左側を意味し、 「右」 とは図中の右方向又は右側を意味する

[0027] なお、 説明は以下の順序で行う。

1 . 本技術の概要

2 . 第 1の実施形態 (三次元構造物の製造方法の例)

3 . 第 2の実施形態 (三次元構造物の例)

[0028] < 1 . 本技術の概要 >

まず、 本技術の概要について説明をする。

[0029] 本技術は、 三次元構造物内部 (造形物内部) の分子構造に着目し、 三次元 構造物 (造形物) の物性を自由にコントロールして、 さらにその物性を拡張 するものである。

[0030] 本技術によれば、 三次元構造物の物性を自由にコントロールす ることがで き、 より詳しくは、 三次元構造物における、 熱、 光、 力学等の物性値を、 分 子を並べることによって、 三次元で自由にコントロールすることにより 、 異 方性を発現し、 これまでにない材料を製造することができる 。 また、 本技術 は、 感光基を有する感光性材料を用いて分子配向 制御をする場合、 より微細 な分子配向コントロールが可能になる。 ところで、 分子を並べるということ は、 分子の物性の方向を揃えることを意味する。

[0031 ] 以下に、 本技術に係る実施の形態について、 具体的、 かつ、 詳細に説明を \¥02020/174996 6 卩(:171?2020/003426

する。

[0032] < 2 . 第 1の実施形態 (三次元構造物の製造方法の例) >

本技術に係る第 1の実施形態 (三次元構造物の製造方法の例) の三次元構 造物の製造方法は、 第 1の異方性材料及び/又は第 2の異方性材料と、 を含 有する層を形成しつつ、 第 1の異方性材料の分子及び/又は第 2の異方性材 料の分子を配向することと、 を含み、 そして、 層を形成しつつ、 第 1の異方 性材料の分子及び/又は第 2の異方性材料の分子を配向することを複数 で 繰り返す、 三次元構造物の製造方法である。

[0033] 本技術に係る第 1の実施形態の三次元構造物の製造方法にお ては、 第 1 の異方性材料の分子及び第 2の異方性材料の分子のうち、 少なくとも一方の 分子を配向させると同時に層の形成がされる 。

[0034] 第 1の異方性材料及び第 2の異方性材料は、 異方性を発現及び/又は増幅 するような骨格の分子 (対称性の低いもの) を有する。 そして、 第 1の異方 性材料の分子長 (例えば、 分子長軸方向の長さ) は、 第 2の異方性材料の分 子長 (例えば、 分子長軸方向の長さ) より短い。 第 1の異方性材料及び第 2 の異方性材料のそれぞれは、 液晶性を有していてもよいし、 非液晶性でもよ い。

[0035] 第 1の異方性材料及び第 2の異方性材料は、 例えば、 ビフエニルのような 骨格を持った分子や、 少し大きいスケールではあるが、 〇1\1丁 (力ーボンナ ノチューブ) などの分子、 酸化鉄などの磁性体材料なども含まれる。 これら は 2 . のままでは層として例えばアクリル樹脂内に 分散したような状態にな るが、 これらは積極的に化学結合した状態でもよい 。 その場合、 分子末端に アクリロイル基やメタクリロイル基、 エポキシ基、 オキセタン基が付加され たものとなる。 スケールの大きい材料の場合には、 その材料の周りに同様に 重合や架橋基を装飾したものとなる。 このように、 第 1の異方性材料及び第 2の異方性材料のそれぞれにも硬化性を持た た方が、 一度配向させた後に 、 長期間安定した配向状態が得られる。 第 1の異方性材料及び第 2の異方性 材料のそれぞれが硬化性を有するときは、 第 1の異方性材料及び第 2の異方 \¥02020/174996 7 卩(:171?2020/003426

性材料のそれぞれは、 重合性基及び/又は架橋性基を有してよい。

[0036] 第 1の異方性材料及び第 2の異方性材料は、 配向性粒子材料でよく、 例え ば、 酸化鉄、 〇1\1丁、 〇 (ナノセルロースファイバー) などの配向性粒 子材料が挙げられる。 なお、 第 1の異方性材料及び第 2の異方性材料は、 配 向性粉体材料でもよい。 配向性粉体材料としては、 例えば、 酸化鉄、 〇!\1丁 、 〇 (ナノセルロースファイバー) などの配向性粒子材料が挙げられる

[0037] 第 1の異方性材料及び第 2の異方性材料のそれぞれが配向性粒子材料 は 配向紛体材料であるとき、 アスペクト比 (平均長軸長さ/平均短軸長さ) は 、 1 . 1以上であることが好ましい。 第 1の異方性材料及び第 2の異方性材 料のそれぞれが配向性粒子材料又は配向紛体 材料であるときは、 第 1の異方 性材料及び第 2の異方性材料のそれぞれの異方性は、 粒子の形状又は粉体の 形状に依存する場合があるからである。

[0038] 本技術に係る第 1の実施形態 (三次元構造物の製造方法の例) の三次元構 造物の製造方法は、 第 1の異方性材料及び/又は第 2の異方性材料と、 感光 性材料と、 を含有する層を形成しつつ、 第 1の異方性材料の分子及び/又は 第 2の異方性材料の分子を配向することを含ん もよい。

[0039] 本技術に係る第 1の実施形態の三次元構造物の製造方法にお て、 感光性 材料とは、 光を受けて、 直接変形や架橋などの反応を起こす分子のこ とであ る。 例えば、 アゾべンゼンは紫外の直線偏光を受けてトラ ンス状態からシス 状態に変形をするが、 これは偏光の振動方向についてトランス状態 のアゾべ ンゼンの分子長軸方向成分のみ吸収する。 よって、 偏光の振動方向とアゾべ ンゼンの分子長軸が平行であれば全て吸収し 、 垂直であれば吸収しないとい うことになる。 トランス状態のアゾべンゼンは、 紫外の直線偏光を吸収する とシス状態になるが、 シス状態は安定でないため、 熱や可視光によってトラ ンス状態に戻る。 戻った時に、 照射している直線偏光と同じ成分があれば、 またシス状態に転移を起こす。 これが、 紫外の直線偏光と、 アゾベンゼンの 分子長軸方向が垂直になるまで繰り返される 。 結果的に、 アゾベンゼンは卜 \¥02020/174996 8 卩(:171?2020/003426

ランス状態で、 紫外線の直線偏光と垂直の方向に並ぶことに なる。

[0040] また別な例で、 シンナメートは紫外の直線偏光を吸収して架 橋する。 シン ナメートの場合は、 架橋した後の二つのフエニル環の向きが直線 偏光の振動 方向と垂直な方向になるため、 結果的に照射した直線偏光とは垂直な方向に 分子が並ぶことになる。

[0041 ] 感光性材料は硬化性を有してもよい。 感光性材料が硬化性を有すると、 長 期間で更に安定した配向状態が得られる。

[0042] 本技術に係る第 1の実施形態 (三次元構造物の製造方法の例) の三次元構 造物の製造方法は、 第 1の異方性材料及び/又は第 2の異方性材料と、 少な くも 1種の樹脂材料と、 を含有する層を形成しつつ、 第 1の異方性材料の分 子及び/又は第 2の異方性材料の分子を配向することを含ん もよく、 その 場合、 光重合開始剤を用いて層を形成してもよい。

[0043] 本技術に係る第 1の実施形態 (三次元構造物の製造方法の例) の三次元構 造物の製造方法は、 第 1の異方性材料及び/又は第 2の異方性材料と、 感光 性材料と、 少なくも 1種の樹脂材料と、 を含有する層を形成しつつ、 第 1の 異方性材料の分子及び/又は第 2の異方性材料の分子を配向することを含ん でもよく、 その場合、 光重合開始剤を用いて層を形成してもよい。

[0044] 少なくも 1種の樹脂材料は、 層を形成するためのベース材料として、 種々 の重合性モノマー (例えば、 光重合性モノマー) 及び/又は重合開始剤 (例 えば、 光重合開始剤) を含んでよい。 少なくとも 1種の樹脂材料は、 基本的 に異方性を発現するような分子骨格は持たな い場合が多く、 少なくとも 1種 の樹脂材料のみで層を形成した場合には、 各層及び積層硬化物としては異方 性を発現しないおそれがある。

[0045] 本技術に係る第 1の実施形態 (三次元構造物の製造方法の例) の三次元構 造物の製造方法は、 層を形成しつつ、 第 1の異方性材料の分子及び/又は第 2の異方性材料の分子を配向することに加え 、 層を硬化させることを行い 、 これらを交互に繰り返す製造方法でもよい。

[0046] 本技術に係る第 1の実施形態の三次元構造物の製造方法にお ては、 層を \¥02020/174996 9 卩(:171?2020/003426

形成することと、 層を硬化することとは、 別の概念として考えてよい。 層を 形成することによって層は硬化をするが、 硬化が十分ではない場合がある。 化学的には、 例えば重合基がァクリロイル基である場合、 未反応のァクリロ イル基が残っている状態を示す。 さらには、 この状態が単官能のモノマーで あれば、 残留モノマーとして自由に動ける状態であり 、 多官能のモノマーで あれば、 後に重合することによって構造物の変形や収 縮の要因になる。

[0047] このようなことに対する対策として、 層を形成しつつ分子を配向するプロ セスに加えて、 層を硬化させるプロセスを行う。 層をさらに硬化させる方法 としては、 例えば、 光による硬化方法がある。 この際照射する光の波長は、 重合開始剤の吸収波長に適応させていればよ く、 4 0 0 以上の光が望ま しい (当然ではあるが、 重合開始剤の吸収波長には 4 0 0 n 以上が含まれ ている。 ) 。 エネルギーの高い光を当てると、 立体構造物が黄変などするた めである。 一方で、 分子を配向させるプロセスにおいては、 感光基の吸収波 長が、 例えばアゾベンゼンであれば 3 6 0 n シンナメートであれば 3 1

3 1^ であるため、 層を形成しつつ分子を配向するプロセスと層 を硬化させ るプロセスでは、 照射する波長を変えることが考えられる。 効率や装置コス 卜を重視して、 分子を配向させるプロセスと同一の波長とし てもよいし、 ブ 口ードバンドな波長帯域としてもよい。 ブロードバンドな波長帯域とする場 合は、 例えばメタルハライ ドランプなどを用いることができる。

[0048] 本技術に係る第 1の実施形態の三次元構造物の製造方法は、 形成された層 内の互いに異なる領域 (例えば、 層内において互いに位置関係が異なる領域 ) に、 互いに異なる偏光方向を有するエネルギー線 (例えば紫外線) を照射 することを更に含んでよい。 本技術に係る第 1の実施形態の三次元構造物の 製造方法は、 層が少なくとも 1種の樹脂材料を含有するとき、 少なくとも 1 種の樹脂材料のうち、 未硬化の少なくとも 1種の樹脂材料に対して温度制御 しながら層を形成することを含むことができ る。 この製造方法は、 槽に加温 機構を設けて、 樹脂材料を加温 (温度制御) した状態で層を形成する製造方 法である。 加温する目的は、 樹脂の粘性が高く異方性分子が動くのに時間 が \¥02020/174996 10 卩(:171?2020/003426

かかる可能性があるためと、 樹脂材料の温度を一定に保つ機構がある方が 、 設計値と構造物との一致がよくなるためであ る。 また、 温度を上げることに よって、 樹脂に対する様々な分子溶解性を上げること ができ、 より多くの種 類の材料を取り扱うことができる。 さらに、 液晶性物質の場合、 液晶相の温 度領域を使用した方が分子の配向性を上げる ことができる場合がある。

[0049] 各層を形成するための層を形成しつつ分子を 配向するプロセスにおいて、 エネルギー線 (例えば、 紫外光である。 ) を照射する場合、 感光基の特性に より、 照射する紫外光の偏光方向によって分子の配 向方向が決定される。 例 えば、 アゾベンゼンやシンナメートでは、 照射する紫外光の偏光方向と垂直 な方向に分子が並ぶことになる。 照射する光の光学系にもよるが、 ガルバノ ミラーを使用する方法、 M E M Sミラーを使用する方法では照射光を面内で スキヤンすることになるが、 その際に偏光板を透過させるようにすること で 、 照射位置毎に偏光方向を変えることで、 層内に分子配向分布を持たせるこ とができる。 また、 プロジェクション方式では、 層内を一括して露光するが 、 この際に、 照射する領域を偏光方向毎に分割して 1層につき複数回照射す ることで、 層内に分子配向分布を持たせることができる 。

[0050] 本技術に係る第 1の実施形態の三次元構造物の製造方法にお て、 層を形 成することが S LA法 (S t e r e o l i t h o g r a p h y A p p a r a t u s) 光造形方式でよい。

[0051 ] S LA法 (S t e r e o l i t h o g r a p h y A p p a r a t u s) 光 造形方式は、 3 Dプリンタの中でもっとも歴史の古い方式で る。 日本で発 明された技術で、 1 987年に 3 Dシステムズ社が実用化した。 紫外線を照 射すると硬化する液体樹脂(光硬化性樹脂) を用いた造形方式である。

[0052] 原理としては、 光硬化性樹脂等を満たした槽に紫外線レーザ ーを照射させ 層を造る。 造形をする方向については、 自由液面方式 (光を上から当てる。

) と吊り下げ方式 (光下から当てる。 ) と、 がある。 そして、 光の照射方法 については、 プロジェクタ方式 (LCD素子、 D L P素子) と、 レーザー方 式 (ガルバノミラー、 MEMSミラー) と、 LCD (液晶パネル) 方式 (吊 \¥0 2020/174996 1 1 卩(:17 2020 /003426

り下げ方式で底面に 1- 0 0を貼り付ける) とがある。 一般的には、 自由液面 方式は、 1層造ると造形ステージを 1層分下げ、 それを幾層も積み上げること で造形を行い、 液面のフラッ ト性を確保するのが難しく、 空気界面に曝され ているため、 酸素による重合阻害が起こる場合があり (この場合、 N 2 雰囲気 で満たすなどの対策が必要である。 ) 、 樹脂液量が多く必要である (作ろう とする物の高さ分は必要である。 ) 。 一方、 吊り下げ方式は、 台を上に引き 上げ、 逆さまに造形物がぶら下がるようにして造形 し、 槽から底面を都度剥 がす必要があるため、 底面のフッ素などによる表面処理、 引き上げる時に、 ステージを斜めに剥がす方式、 槽にわざと酸素を透過させるようにして底面 を完全に重合させずにスムーズに剥がす方式 などがある。

[0053] 本技術に係る第 1の実施形態の三次元構造物の製造方法にお て、 層を形 成することがインクジェッ ト方式でよい。

[0054] インクジェッ ト方式は、 液状の紫外線硬化樹脂を噴射して、 それを紫外線 に照らすことにより硬化させ積層させる方式 である。 紙を印刷するインクジ ェッ トプリンタの原理を応用した造形方法である 。

[0055] 原理としては、 液状化した樹脂をインクジェッ トプリンタのように吹き付 け、 紫外線を当てることで硬化させる。 それを幾層にも積層させることで造 形する。 インクジェッ ト方式は、 一層を単一の (もしくは複数の) ノズルか ら吐出された材料を同一の (1回の) II V光によって硬化させるのが一般的 であるが、 一層を単一の (もしくは複数の) ノズルから吐出された材料を、 複数回偏光光の振動方向を変えながら照射す ることで、 層内に分子配向分布 を持たせることができる。 3 !_八法を使えば、 単一の材料で配向分布をもた せることができるが、 インクジェッ ト方式にこのアイデアを適用させれば、 配向分布を持たせられるだけでなく、 複数の材料による分布を持たせること ができる。 さらに、 インクジェッ ト方式は、 材料を自在に変えることができ るので、 導電性の材料 (有機系材料、 無機系材料、 金属系材料) を同時にプ リントすることで、 三次元構造物の内部に回路を形成することが できる。

[0056] 本技術に係る第 1の実施形態の三次元構造物の製造方法にお て、 層を形 \¥02020/174996 12 卩(:171?2020/003426

成することがプロジェクシヨン方式でよい 。

[0057] 上述したように、 光造形方式の一種であり、 プロジェクタの光を利用して 樹脂を硬化させ積層していく方式である。

[0058] レーザー方式では、 レーザー光で照射するのに対し、 プロジェクシヨン方 式では、 プロジェクタを使用して造形ステージ全体を 照射する。 樹脂との間 に光を遮断するマスクが存在し、 造形部分以外を光に当てないようにして造 形を行う。

[0059] 以下に、 本技術に係る第 1の実施形態の三次元構造物の製造方法につ て 、 図 1〜図 1 1 を用いて説明をする。

[0060] まず、 図 1 を用いて説明をする。 図 1は、 光重合開始剤を用いて樹脂材料 を含有する層が形成されることを説明するた めの図である。

[0061 ] 光重合開始剤のジフェニル(2 , 4 , 6 -トリメチルべンゾイル)ホスフインオ キシド (図 1の化合物 1) は、 4 0 0 n 付近 (図 1では 4 0 5 n〇〇 の光 を吸収しラジカルを発生する。 2 -ヒドロキシ - 3 -フェノキシプロピルアクリ レ-卜 (図 1の化合物 2) などのアクリレートや、 ウレタンアクリレート (図 1の化合物 3) のアクリロイル基に連鎖的に重合していき、 樹脂材料を含有 する層を形成する。 なお、 図 1 に示されるように、 樹脂材料は、 模式的に樹 脂材料の分子 8とする。

[0062] 次に図 2を用いて説明をする。 図 2に示される感光性の異方性を発現する 材料は、 一般的な 3 0プリンタの材料 (例えば、 上記の樹脂材料) と組み合 わせて用いることができる。 図 2は、 感光性材料 (アゾベンゼン及びシンナ メート) の反応を説明するための図であり、 より詳しくは、 図 2 (3) は、 アゾベンゼンの光照射や熱に伴う反応 (構造変化) を示す図であり、 図 2 ( 匕) は、 シンナメートの反応を示す図であり、 図 2 (〇) は、 感光性材料の 分子 (アゾベンゼン又はシンナメート) 、 第 1の異方性材料の分子〇及び 樹脂材料の分子 8の配置状態を模式的に示した図である。 図 2 ( 3 ) 及び ( 匕) では、 (3) ではアゾベンゼンの単体、 (匕) ではシンナメートがポリ ビニルに付加したものをそれぞれ例として挙 げているが、 それぞれこの形態 \¥02020/174996 13 卩(:171?2020/003426

には限らない。 例えばアゾべンゼンにアクリロイル基が付加 したものや、 ア ゾベンゼンに重合開始剤が付加したものもあ り得る。

[0063] 図 2 (a) に示されるように、 アゾベンゼンは 3 6 0 n 付近に吸収ピー クを持ち、 分子長軸方向の振動方向の光を吸収する。 直線偏光をアゾベンゼ ンの長軸方向、 または長軸方向から傾いている場合は、 偏光光の分子長軸へ の正射影成分を吸収する。 光を吸収すると、 アゾベンゼンはトランス体 (化 合物 4) からシス体 (化合物 5) に転移する。 一般的にアゾベンゼンはトラ ンス体の方が安定であり、 可視光の照射や熱によってシス体に転移した 後に またトランス体に転移する。 トランス体に転移して戻った状態で、 再度偏光 光の分子長軸への正射影成分を吸収し、 またシス体に転移する。 これをアゾ ベンゼンが II Vを吸収しなくなる状態になるまで繰り返す アゾベンゼンが 偏光の紫外光を吸収しなくなる状態の一つは 、 偏光光の振動方向とアゾベン ゼンの長軸方向が垂直になるときである。 この状態になるとアゾべンゼンは 紫外光を吸収しなくなるため、 トランス体のままで安定することになる (化 合物 6) 。 結果的に、 アゾベンゼンは照射する偏光紫外光の振動方 向とは垂 直の方向に並ぶことになる。 また、 偏光光ではなく振動方向がランダム光の 平行光を照射した場合、 アゾベンゼンは同様にシス-トランス転移を り返す が、 直線偏光を照射した場合とは異なり、 光の進行方向と垂直をなす面内で はなく、 最終的に光の進行方向を向くことになる。 光の進行方向をアゾベン ゼンが向けば、 アゾベンゼンは光を吸収しなくなるためであ る。

[0064] また、 図 2 (匕) に示されるように、 シンナメート (化合物 7及び 8) に おいても同様に偏光紫外光によって、 分子の異方性を発現することができる 。 以下に示すのは、 ポリビニルシンナメートにおける偏光光によ る反応であ る。 シンナメートも同様に、 分子長軸と同じ方向の振動成分の光を吸収す る 。 吸収ピークは 3 1 3 n mである。 シンナメートの場合、 分子長軸と同方向 の紫外光の吸収によって、 同様に吸収したシンナメートと二量体を形成 する 。 形成した際に、 化合物 9は、 二つのフエニル環に挟まれた四員環を中心と した構造となるが、 この二方向に伸びたフエニル環の方向に分子 は異方性を \¥02020/174996 14 卩(:171?2020/003426

持っ。

[0065] さらに、 図 2 (〇) に示されるように、 シンナメートやアゾベンゼンのよ うな感光基を有する感光性材料の分子 は、 偏光を照射することで、 それぞ れが異方性を有するようになるが、 これらのほかに棒状の液晶分子など異方 性材料 (例えば、 第 1の異方性材料の分子 0) が存在する場合には、 それら に対して配向を促して、 異方性を増幅させることもできる。 言い方を変えれ ば、 分子の異方性を発現するきっかけとなる。

[0066] さて、 これらの感光基が反応するのは、 図 2 (a) 及び (匕) で示される ように、 3 6 0 n や 3 1 3 n の紫外光であるが、 感光基を反応させて異 方性を発現させるために照射する光は、 感光基を反応させるだけでなく、 層 を形成するためのラジカル重合開始剤も開裂 させる。 一般的にラジカル重合 開始剤の吸収スペクトルは、 低波長側にブロードであるためである。 よって 、 紫外光を照射する際には、 感光基を反応させて異方性を発現させるプロ セ スと、 ラジカル重合によって層を形成するプロセス が同時に起きることにな る。 また、 感光基の吸収が大きく開始剤が機能しない場 合があるが、 この時 はバンドパスフィルタなどを用いて、 感光基と重合の反応を分けることで、 層の形成を分子の配向をそれぞれ行うことが できる。

[0067] 図 3は、 第 2の異方性材料の一例を示す図であり、 より詳しくは、 図 3 (

3) は、 第 2の異方性材料である化合物 1 0を示す図であり、 図 3 (匕) は 、 感光性材料の分子 (アゾベンゼン又はシンナメート) 、 第 1の異方性材 料の分子 0、 樹脂材料の分子 8及び第 2の異方性材料 (化合物 1 0) の分子 3の配置状態を模式的に示した図である。 図 3 (匕) に示されるように、 感 光性材料の分子 が存在することにより、 第 1の異方性材料の分子〇及び第 2の異方性材料の分子 3の並び方向が揃っている。 感光性材料の分子 は、 第 1の異方性材料の分子〇及び第 2の異方性材料の分子 3を並べることがで きる。

[0068] 図 4は、 第 1の異方性材料の一例及び第 2の異方性材料の一例を示す図で あり、 より詳しくは、 図 4 (3) は、 第 1の異方性材料である化合物 1 1 を \¥0 2020/174996 1 5 卩(:171? 2020 /003426

示す図であり、 図 4 (13) は、 第 2の異方性材料である化合物 1 2を示す図 である。

[0069] 図 4 (a) に示されるように、 第 1の異方性材料である化合物 1 1は、 メ ソゲン1\/1 1 を有し、 図 4 (匕) に示されるように、 第 2の異方性材料である 化合物 1 2は、 メソゲン IV! 2を有する。 メソゲンとは、 液晶性を発現するよ うな剛直な部位であり、 メソゲン基ともいう。 最も基本的な棒状メソゲン基 としては, 例えば、 ビフエニル、 フエニルベンゾエート構造等が挙げられる

[0070] 図 4 (a) 及び (匕) に示されるように、 第 2の異方性材料である化合物

1 2が有するメソゲン 1\/1 2の長さ 2は、 第 1の異方性材料である化合物 1 1が有するメソゲン IV! 1の長さ 1 よりも大きい。 すなわち、 第 2の異方性 材料である化合物 1 2の分子長 (分子長軸方向の長さ) は、 第 1の異方性材 料である化合物 1 1の分子長 (分子長軸方向の長さ) より大きい。 したがつ て、 第 2の異方性材料は、 第 1の異方性材料より異方性が大きい。 なお、 第 1の異方性材料及び第 2の異方性材料のそれぞれは、 液晶性を有していても よいし、 非液晶性でもよい。

[0071 ] 図 5は、 本技術に係る第 1の実施形態の三次元構造物の製造方法を使 す ることができる 3 0プリンタ装置の構成例であり、 より詳しくは、 三次元構 造物 1 _ 1の製造方法を使用することができる、 レーザーとガルバノミラー とによる光造形方式の 3 0プリンタ装置 1 0 0— 1 を示す図である。

[0072] 3 0プリンタ装置 1 0 0 _ 1は、 三次元構造物 1 _ 1 を形成するための三 次元構造物形成液 5を収容する槽 2と、 レーザー 3 _ 1 と、 2つのガルバノ ミラー 4— 1 と、 ステージ 6と、 上下動駆動部 7 _ 1 を備える上下動駆動装 置 7とから構成される。 3 0プリンタ装置 1 0 0— 1は、 槽 2とガルバノミ ラー 4 - 1 (槽 2側のガルバノミラー 4 - 1) との間に、 偏光板 (図 5では 不図示) を有していてもよい。 三次元構造物形成液 5は、 未硬化の樹脂 (ポ リマー) でもよいし、 モノマー液でもよい。 また、 三次元構造物形成液 5は 、 光重合開始剤を含有してもよい。 \¥02020/174996 16 卩(:171?2020/003426

[0073] 3 0プリンタ装置 1 0 0 _ 1は、 上下動駆動部 7 _ 1 を備える上下動駆動 装置 7により、 引上げ方式であり、 槽 2の底面から層 (三次元構造物 1 _ 1 を構成する層) を形成するために、 レーザー 3— 1から出力された光をガル バノミラー 4 _ 1で反射させて照射する。 すなわち、 槽 2の底面 (未硬化の 樹脂が 1層用意されている面) に対して、 レーザー 3 - 1 を走査 (スキャン) させる。 層 (三次元構造物 1 _ 1 を構成する層) が形成されるとステージ 6 を引き上げて、 底面と硬化済み樹脂層 (三次元構造物 1 _ 1 を構成する層) との間に未硬化の樹脂が入る。 そして、 また、 層 (三次元構造物 1 — 1 を構 成する層) を形成するための光が照射されるという仕組 みである。

[0074] 上述したように、 3 0プリンタ装置 1 0 0— 1が、 ガルバノミラー 4— 1 と槽 2との間に偏光板を有するとき、 照射領域毎に偏光板を回転させれば、 各領域毎に任意の分子配向方向を有する三次 元構造物 1 _ 1 を形成すること ができる。

[0075] 図 6は、 3 0プリンタ装置 1 0 0 - 1 を用いて、 三次元構造物 1 - 1が製 造されることを説明するための図である。

[0076] 図 6 (a) に示されるように、 レーザー 3 _ 1から出力された光をガルバ ノミラー 4 _ 1で反射させて、 三次元構造物形成液 5に照射する。 図 6 (匕 ) に示されるように、 光を矢印 1\1 1方向にスキャンさせて、 層〇 1 を形成す る。 図 6 (〇) に示されるように、 矢印!-方向 (図 6 (〇) 中では上方向) にステージ 6を動かして、 槽 2の底面と層〇 1 との間の三次元構造物形成液 5に光を照射する。 そして、 図 6 (〇1) に示されるように、 光を矢印 N 2方 向にスキャンさせて、 層〇 1の下方に層〇 2を形成する。 以上を繰り返して 、 三次元構造物 1 _ 1 を製造する。

[0077] 図 7は、 本技術に係る第 1の実施形態の三次元構造物の製造方法を使 す ることができる 3 0プリンタ装置の構成例であり、 より詳しくは、 三次元構 造物 1 - 2の製造方法を使用することができる、 1\/1巳1\/1 3ミラ_ 4 - 2によ る光造形方式の 3 0プリンタ装置 1 0 0—2を示す図である。

[0078] 3 0プリンタ装置 1 0 0 _ 2は、 三次元構造物 1 _ 2を形成するための三 \¥02020/174996 17 卩(:171?2020/003426

次元構造物形成液 5を収容する槽 2と、 レーザー 3_ 1 と、 1\/1巳1\/13ミラー 4— 2と、 ステージ 6と、 上下動駆動部 7— 1 を備える上下動駆動装置 7と から構成される。 30プリンタ装置 1 00— 2は、 槽 2と 1\/1巳1\/13ミラー 4 _ 2との間に、 偏光板 (図 7では不図示) を有していてもよい。

[0079] 三次元構造物 1 _ 2の製造方法 (造形方法) については、 30プリンタ装 置 1 00 _ 1 を用いた三次元構造物 1 _ 1の製造方法 (造形方法) と同じで ある。 IV!巳 1\/13ミラー 4— 2を使うことで、 省スぺース化、 低コスト化が可 能になる。

[0080] 図 8は、 本技術に係る第 1の実施形態の三次元構造物の製造方法を使 す ることができる 30プリンタ装置の構成例であり、 より詳しくは、 三次元構 造物 1 _ 3の製造方法を使用することができる、 口 !_ による光造形方式の 30プリンタ装置 1 00— 3を示す図である。

[0081] 30プリンタ装置 1 00 _ 3は、 三次元構造物 1 _ 3を形成するための三 次元構造物形成液 5を収容する槽 2と、 光源 3_2 (例えば、 レーザ_、 !_ 巳 0等) と、 0 !_ 4— 3と、 ステージ 6と、 上下動駆動部 7— 1 を備える 上下動駆動装置 7とから構成される。 30プリンタ装置 1 00— 3は、 槽 2 と 0 !_ 4— 3との間に、 偏光板 (図 8では不図示) を有していてもよい。

[0082] 0 !_ 4_3は 1\/1巳1\/13ミラー 4— 2の一種である。 30プリンタ装置 1

〇〇-2を構成する1\/1巳1\/13ミラ_4-2が単板な のに対して、 D L P4 3は複数のミラーが配列された構成となって る。 このため、 槽 2の底面に ある未硬化のレジン (三次元構造物形成液 5でもよい。 ) に対して、 一括露 光をすることが可能である。 30プリンタ用の素子として使用され始めてい るが、 メインのアプリケーションは、 プロジェクタである。

[0083] 図 9は、 本技術に係る第 1の実施形態の三次元構造物の製造方法を使 す ることができる 30プリンタ装置の構成例であり、 より詳しくは、 三次元構 造物】 一4の製造方法を使用することができる、 液晶プロジェクタ方式によ る光造形方式の 30プリンタ装置 1 00— 4を示す図である。

[0084] 30プリンタ装置 1 00 _ 4は、 三次元構造物 1 _ 4を形成するための三 \¥02020/174996 18 卩(:171? 2020 /003426

次元構造物形成液 5を収容する槽 2と、 光源 3_2 (例えば、 レーザ_、 1_ 巳 0等) と、 1_〇〇 34— 4と、 ステージ 6と、 上下動駆動部 7— 1 を備え る上下動駆動装置 7とから構成される。 30プリンタ装置 1 〇〇_4は、 槽 2と !_〇〇 34— 4との間に、 偏光板 (図 9では不図示) を有していてもよ い。

[0085] !_〇〇 34-4は 0 !_ 4 - 3と同様に反射型のプロジェクタ素子である

。 シリコン基板上に配置されたミラーに反射さ せて用いる。 画素毎に丁 丁 が付いていて、 液晶を〇1\1、 〇 させることで、 表示を切り替える。 30 プリンタに用いる場合は、 照射する場所としない場所を同様に切り替え る。 また 0 !_ 4_3と同様に一括露光が可能で造形時間 (三次元構造物 1 _ 4 の製造時間) の短縮が可能である。

[0086] 図 1 0は、 本技術に係る第 1の実施形態の三次元構造物の製造方法を使 することができる 30プリンタ装置の構成例であり、 より詳しくは、 三次元 構造物 1 _5の製造方法を使用することができる、 液晶プロジェクタ方式に よる光造形方式の 30プリンタ装置 1 00— 5を示す図である。

[0087] 30プリンタ装置 1 00 _ 5は、 三次元構造物 1 _ 5を形成するための三 次元構造物形成液 5を収容する槽 2と、 光源 3_2 (例えば、 レーザ_、 !_ 巳 0等) と、 ステージ 6と、 上下動駆動部 7— 1 を備え る上下動駆動装置 7とから構成される。 30プリンタ装置 1 00— 5は、 槽 との間に、 偏光板 (図 1 0では不図示) を有していても よい。

[0088] と同様に液晶プロジェクタ素子として使 われているが、 透過型である。 同様に液晶を〇1\1、 〇 させることで、 表 示を切り替える。 30プリンタに用いる場合は、 照射する場所としない場所 を同様に切り替える。 また口 1_ 4 _ 3と同様に一括露光が可能で造形時間 の短縮が可能である。

[0089] 図 1 1は、 本技術に係る第 1の実施形態の三次元構造物の製造方法を使 することができる 30プリンタ装置の構成例であり、 より詳しくは、 三次元 \¥02020/174996 19 卩(:171?2020/003426

構造物 1 - 6の製造方法を使用することができる、 液晶パネル方式による光 造形方式の 3 0プリンタ装置 1 0 0 - 6を示す図である。

[0090] 3 0プリンタ装置 1 0 0 _ 6は、 三次元構造物 1 _ 6を形成するための三 次元構造物形成液 5を収容する槽 2と、 光源 3 _ 2 (例えば、 !_巳 0等) と 、 液晶パネル 4— 6と、 ステージ 6と、 上下動駆動部 7 _ 1 を備える上下動 駆動装置 7とから構成される。 3 0プリンタ装置 1 0 0— 6は、 槽 2と液晶 パネル 4— 6との間に、 偏光板 (図 1 0では不図示) を有していてもよい。

[0091 ] !_〇0方式と呼ばれている 3 0プリンタである。 樹脂槽の底に、 直接に!_ 0 0を張り付けてあり、 液晶パネル 4 - 6が光のシャツターの役割を果たし 、 樹脂槽底面に対して、 照射する領域を決める。 液晶パネル 4 _ 6の分解能 がそのまま造形物の分解能になる。

[0092] < 3 . 第 2の実施形態 (三次元構造物の例) >

本技術に係る第 2の実施形態 (三次元構造物の例) の三次元構造物は、 本 技術に係る第 1の実施形態の三次元構造物の製造方法によ て得られる三次 元構造物である。

[0093] より具体的には、 本技術に係る第 2の実施形態 (三次元構造物の例) の三 次元構造物は、 第 1の態様として、 少なくとも 1つの層内に分子配向分布を 有する、 三次元構造物である。 本技術に係る第 2の実施形態の第 1の態様の 三次元構造物は、 本技術に係る第 1の実施形態の三次元構造物の製造方法で あって、 少なくとも、 形成された層内の互いに異なる領域 (例えば、 層内に おいて互いに位置関係が異なる領域) に、 互いに異なる偏光方向を有するエ ネルギー線を照射することによって得られる 。

[0094] 第 2の態様としては、 本技術に係る第 2の実施形態 (三次元構造物の例) の三次元構造物は、 少なくとも 1つの層内に無配向領域を有する、 三次元構 造物である。 本技術に係る第 2の実施形態の第 2の態様の三次元構造物は、 本技術に係る第 1の実施形態の三次元構造物の製造方法であ て、 少なくと も、 形成された層内の互いに異なる領域 (例えば、 層内において互いに位置 関係が異なる領域) に、 互いに異なる偏光方向を有するエネルギー線 (例え \¥0 2020/174996 20 卩(:171? 2020 /003426

ば紫外線) を照射し、 さらに、 無配向領域を形成するために、 偏光させてい ないランダム光状態のエネルギー線 (例えば紫外線) を照射することによっ て得られる。

[0095] 本技術に係る第 2の実施形態の第 2の態様の三次元構造物は、 屈折率異方 性を有する領域を含んでよい。 本技術に係る第 2の実施形態の第 2の態様の 三次元構造物には、 上述したとおり、 無配向領域が形成されて、 さらに、 配 向領域が形成されてよい。 配向領域において、 屈折率に異方性があるという ことは、 ある波長において透明であり、 さらにその領域で屈折率の異方性が あるということである。

[0096] 第 3の態様としては、 本技術に係る第 2の実施形態 (三次元構造物の例) の三次元構造物は、 任意の波長帯の電磁波において透明である三 次元構造物 である。 本技術に係る第 2の実施形態の第 3の態様の三次元構造物は、 本技 術に係る第 1の実施形態の三次元構造物の製造方法によ て得られる。

[0097] 本技術に係る第 2の実施形態の第 3の態様の三次元構造物において、 任意 の波長帯において透明であるということは、 ある特定の波長帯において透明 であればよいということである。 例えば、 液晶性物質であれば 5◦ 1 ~ 1 2帯の 電波において透過性が高いため、 約 6 の波長において透明であると言 える。 また、 可視光において透明や、 赤外において透明などでもよい。 実施例

[0098] 以下に、 実施例を挙げて、 本技術の効果について具体的に説明をする。 な お、 本技術の範囲は実施例に限定されるものでは ない。

[0099] 実施例 1〜 4で使用された材料を説明する。 実施例 1〜 4で使用された材 料は、 以下の化学式で表される化合物である。

[01 00] am

[0101] Ut2]

butyl acrylate

[0102] Hb3]

[0103] \¥02020/174996 22 ?01/1?2020/003426

[化 4]

[0104] [化 5]

(( 32©110-1,2- )¾ (4,1-|):|1© 16〇6)) &(〇>^))!3 (11@ 8(16 ,1- %1)  1(9^1316

[0105] [化 6]

cmnamyi acrylate

[0106] <実施例 1 > \¥02020/174996 23 卩(:171?2020/003426

まず、 実施例 1 について、 図 1 2及び図 1 3を用いて説明をする。

[0107] 図 1 2は、 実施例 1で用いられる 3 Dプリンタ装置の例を示す。 図 1 2に 示される 3 Dプリンタ装置 1 00— 7は三次元構造物 1 _ 7を製造する。 3 Dプリンタ装置 1 00 _ 7は、 三次元構造物 1 _ 7を形成するための三次元 構造物形成液 5を収容する槽 2と、 レーザー 3— 1 と、 2つのガルバノミラ _4_ 1 と、 ステージ 6と、 上下動駆動部 7 _ 1 を備える上下動駆動装置 7 と、 槽 2とガルバノミラー 4 - 1 (槽 2側のガルバノミラー 4 - 1) との間 に配された偏光板 30とを有する。 なお、 三次元構造物形成液 5は、 未硬化 の樹脂 (ポリマー) でもよいし、 モノマー液でもよい、 偏光板 30は、 左回 り (矢印 T 1方向) に回転したり、 右回り (矢印 T 2方向) に回転したりし て、 三次元構造物 1 _ 7中の任意の領域に、 任意の分子配向方向を自由に形 成することができる。

[0108] 図 1 3は、 3 Dプリンタ装置 1 00-7を用いて、 三次元構造物 1 - 7が 製造されることを説明するための一例の図で ある。

[0109] 図 1 3 (a) に示されるように、 レーザー 3 _ 1から出力された光をガル バノミラー 4_ 1で反射させて、 三次元構造物形成液 5に照射する。 図 1 3 ( b) に示されるように、 光を矢印 N 1方向にスキャンさせて、 層 C 1 を形 成する。 図 1 3 (c) に示されるように、 矢印 L方向 (図 1 3 (c) 中では 上方向) にステージ 6を動かして、 槽 2の底面と層 C 1 との間の三次元構造 物形成液 5に光を照射する。 そして、 図 1 3 (d) に示されるように、 光を 矢印 N 2方向にスキャンさせて、 層 C 1の下方に層 C 2を形成する。 以上を 繰り返して、 複数層から構成される三次元構造物 1 _ 7を製造する。

[0110] 以下、 詳細に、 実施例 1 について説明をする。

[0111] バインダー材料 (樹脂材料) (化合物 Aと b u t y l a c r y l a t eと の混合物) と、 異方性分子 (([1 , 1 -b i p h e n y l ]-4, 4’ -d i y I b i s(o x y)) b i s(h e x a n e-6, 1 -d i y I) d i a c r y I a t e) (第 1の異方性材料) とを混合したレジン (三次元構造物形成液 5、 実施例 1〜 4において以下同じ。 ) で満たされた槽 (槽 2、 実施例 1〜 4に \¥02020/174996 24 卩(:171?2020/003426

おいて以下同じ。 ) に造形ステージ (ステージ 6、 実施例 1〜 4において以 下同じ。 ) を沈め、 槽の底とステージの間に 1 〇 の間隔を作った。

[01 12] ここで作った 1 0 のレジンで満たされた隙間に、 紫外光を照射した。

この時に、 ガルバノミラー (ガルバノミラー 4— 1、 実施例 1〜 4において 以下同じ。 ) によるレーザー光のスキャニングや、 プロジェクタ光源による パターニングによって、 造形物を形成することができる。 また、 照射する紫 外光は偏光光である必要がある。 偏光光の向きに従って分子の並ぶ向きが決 まるためである。 照射する光源のバターニングによって外形が 決まるのと同 時に、 偏光光の方向を都度変えることで、 形成する層内の分子の方向を自由 に決めることができる。 レーザー光の場合の分解能は、 レーザー光のビーム 径に依存する。 レーザーのスキャンさせるフローに応じて偏 光板を回転させ れば、 レーザーがスキャンされた時の偏光光に応じ た分子の並びを形成する ことができる。 また、 プロジェクタランプの場合は、 層内一括露光であるた め、 形成したい分子の方向の種類に応じた数だけ 露光をし、 都度偏光板の向 きを変えればよい。

[01 13] 2層目を形成する際にはステージを 1 〇 引上げ、 形成した 1層目と槽 の底との間に 1 〇 の間隔を作った。 1層目と同様に、 ここで作った 1 0 のレジンで満たされた隙間に、 紫外光を照射した。

[01 14] 3層目以降もこれを繰り返し、 構造物内の分子の向き (この場合は、 ([ 1 ,

1 _ 7が製造された。

[01 15] 層内の分子配向状態の確認するために、 数層積層させたものを形成し、 ク ロスニコル状態の偏光板に挟んで確認をした ところ、 偏光板の吸収軸方向と 分子が並んでいると考えられる方向を合わせ た場合より、 そこから 4 5 ° ず らした方向から造形物を入れた方が、 光が抜けてくることから、 造形物内 ( \¥02020/174996 25 卩(:171?2020/003426

l a t e) が並んでいることが確認できた。

[0116] <実施例 2>

まず、 図 1 4を用いて、 クロスニコルの偏光板を用いて分子の配向状 態を 確認することができることを説明する。

[0117] 図 1 4 (a) に示されるように、 異方性を有する材料 40を、 分子の配向 方向 Z 1が斜め方向 (例えば 45° ) になるように、 クロスニコルの偏光板 1 0 (光の吸収軸が X方向、 図 1 4中では上下方向) 及び偏光板 1 1 (光の 吸収軸が Y方向、 図 1 4中では左右方向) の間に入れたとき、 光が抜けるこ とを確認することができる。

[0118] 図 1 4 (b) に示されるように、 異方性を有する材料 4 1 を、 分子の配向 方向 Z 2が水平方向 (図 1 4 ( b) 中の左右方向) になるように、 クロスニ コルの偏光板 1 0 (光の吸収軸が X方向、 図 1 4中では上下方向) 及び偏光 板 1 1 (光の吸収軸が Y方向、 図 1 4中では左右方向) の間に入れたとき、 光が抜けないことを確認することができる。

[0119] 図 1 4 (c) に示されるように、 等方的な材料 42を、 等方的な材料 42 自体が斜め方向 (例えば 45° ) になるように (異方性を有する材料 40と 同様な配置になるように) 、 クロスニコルの偏光板 1 0 (光の吸収軸が X方 向、 図 1 4中では上下方向) 及び偏光板 1 1 (光の吸収軸が Y方向、 図 1 4 中では左右方向) の間に入れたとき、 光が抜けないことを確認することがで きる。

[0120] 図 1 4 (d) に示されるように、 等方的な材料 43を、 等方的な材料 42 自体が水平方向 (図 1 4 (b) 中の左右方向) になるように (異方性を有す る材料 4 1 と同様な配置になるように) 、 クロスニコルの偏光板 1 0 (光の 吸収軸が X方向、 図 1 4中では上下方向) 及び偏光板 1 1 (光の吸収軸が Y 方向、 図 1 4中では左右方向) の間に入れたとき、 光が抜けないことを確認 することができる。

[0121] 次に、 実施例 2について説明をする。

[0122] バインダー材料 (樹脂材料) (化合物 Aと b u t y l a c r y l a t eと \¥02020/174996 26 卩(:171?2020/003426

の混合物) と、 実施例 1で用いられた異方性分子よりは異方性の大 い異方 性分子 (2-016 6116 6 I 3(4-(( 6-(30 「ソ I 〇ソ I 0 X 7) 116 X 7 1)0 X 7) 66112031 6)) (第 2の異方 性材料) とを混合したレジンを用いたことを除いては 、 実施例 1の方法と同 じ方法で三次元構造物を製造した。

[0123] 層内の分子配向状態の確認をするために、 数層積層させたものを形成し、 図 1 4に示されるように、 クロスニコル状態の偏光板 1 0及び 1 1 に挟んで 確認をしたところ、 偏光板の吸収軸方向と分子が並んでいると考 えられる方 向を合わせた場合 (例えば図 1 4 (匕) に示される配置関係) より、 そこか ら 45 ° ずらした方向から造形物 (三次元構造物) を入れた方が (例えば図 1 4 (3) に示される配置関係) 、 実施例 1の造形物 (三次元構造物 1 _7 ) よりも大きく光が抜けてくることから、 造形物内の分子 I V I -1 , 4- 1"1 6 11 7 I 6 11 6 13 I 3(4~(( 6-^ 0 「 ソ I 〇)/ I 0 X 7) 11 6

X V 1 ) 0 X 7) 6 6 11 2 0 3 1 6)) が並んでいて、 得られた造形物 (三次元 構造物) は実施例 1の造形物 (三次元構造物 1 _7) よりもさらに大きな複 屈折を持つことが確認できた。

[0124] <実施例 3>

まず、 八 å〇 661126116 (アゾベンゼン) による分子の配向制御につ いて、 図 1 5を用いて説明をする。 図 1 5は、 アゾベンゼンの光照射や熱に 伴う反応 (構造変化) を示す図である。

[0125] 図 1 5に示されるように、 八 2〇匕 6门 26门 6 (アゾベンゼン) に紫外 光及び可視光を当て続けると、 ( シスートランス) 転移が繰り返し起こる。 照射する直線偏光 II Vの振動方向 と同じ方向の成分を持つ限り、 八 å〇 661126116 (アゾベンゼン) は〇 I 3-1 r 3 n 3 (シスートランス) 転移を続けるが、 照射する直線偏光 II V の方向と垂直方向にアゾベンゼンが向くと、 II Vを吸収できなくなるため (トランス) 状態で転移が止まる。 このようにして八 〇匕㊀!·!:

6116 (アゾベンゼン) は、 照射する直線偏光 II Vに対して垂直の方向を向 \¥02020/174996 27 卩(:171?2020/003426

く。 A z o b e n z e n e (アゾベンゼン) の方向に倣うように、 異方性分 子も方向が揃う。

[0126] 次に、 実施例 3について説明をする。

[0127] バインダー材料 (樹脂材料) (化合物 Aと b u t y l a c r y l a t eと の混合物) と、 実施例 1で用いられた異方性分子よりは異方性の大 い異方 性分子 (2-me t h y 1 -1 , 4-p h e n y l e n e b i s(4-(( 6-( a c r y I o y I o x y) h e x y l)o x y) b e n z o a t e)) (第 2の異方 性材料) と、 a z〇 (ァゾ) 系化合物 (((d i a z e n e-1 , 2-d i y I b i s(4, 1 -p h e n y I e n e;) b i s(,o x y)) b i s(h e x a n e-b, 1 -d i y l) d i a c r y l a t e) と、 を混合したレジンを用いたことを 除いては、 実施例 2の方法と同じ方法で三次元構造物を製造し 。

[0128] 層内の分子配向状態の確認するために、 数層積層させたものを形成し、 ク ロスニコル状態の偏光板に挟んで確認をした ところ、 偏光板の吸収軸方向と 分子が並んでいると思われる方向を合わせた 場合より、 そこから 45 ° ずら した方向から造形物を入れた方が実施例 2の造形物 (三次元構造物) よりも 大きく光が抜けてくることから、 造形物内の分子 (2-me t h y l -1 , 4- p h e n y I e n e b i s(4-(( 6-( a c r y I o y I o x y) h e x y I) o x y) b e n z o a t e)) が並んでいて、 実施例 3で得られた造形物 (三 次元構造物) は実施例 2で得られた造形物 (三次元構造物) よりもさらに大 きな複屈折を持つことが確認できた。

[0129] 実施例 3の造形物 (三次元構造物) が、 実施例 2の造形物 (三次元構造物 ) よりも大きな複屈折を持つ理由は、 アゾベンゼンを添加したことにより、 より分子の方向が揃ったため (分子配向の才ーダーが高くなったため) と考 えられる。

[0130] <実施例 4>

まず、 C i n n am a t e系材料 (シンナメート系材料) による分子の配 向制御について、 図 1 6を用いて説明をする。 図 1 6は、 シンナメートの反 応を示す図である。 \¥02020/174996 28 卩(:171?2020/003426

[0131] 図 1 6に示されるように、 C i n n am a t e系材料 (シンナメート系材 料) に直線偏光を照射すると、 直線偏光とは垂直な方向にベンゼン環が向く ように C i n n n amo y 丨基 (シンナモイル基) は中心に四員環を形成す る。 このようにして、 ベンゼン環の向いた方向に倣うように、 異方性分子も 方向が揃う。

[0132] 次に、 実施例 4について説明をする。

[0133] バインダー材料 (樹脂材料) (化合物 Aと b u t y l a c r y l a t eと の混合物) と、 実施例 1で用いられた異方性分子よりは異方性の大 い異方 性分子 (2-me t h y 1 -1 , 4-p h e n y l e n e b i s(4-(( 6-( a c r y I o y I o x y) h e x y l)o x y) b e n z o a t e)) (第 2の異方 性材料) 、 と c i n n am y l a c r y l a t e (シンナミルアクリレート ) とを混合したレジンを用いたことを除いては 、 実施例 2の方法と同じ方法 で三次元構造物を製造した。

[0134] 層内の分子配向状態の確認するために、 数層積層させたものを形成し、 ク ロスニコル状態の偏光板に挟んで確認をした ところ、 偏光板の吸収軸方向と 分子が並んでいると思われる方向を合わせた 場合より、 そこから 45 ° ずら した方向から造形物 (三次元構造物) を入れた方が実施例 2の造形物 (三次 元構造物) よりも大きく光が抜けてくることから、 造形物内 (三次元構造物 内) の分子 (2-me t h y 1 -1 , 4-p h e n y l e n e b i s(4-(( 6-( a c r y I o y I o x y) h e x y l)o x y) b e n z o a t e)) が並んで いて、 実施例 4で得られた造形物 (三次元構造物) は実施例 2の造形物 (三 次元構造物) よりもさらに大きな複屈折を持つことが確認 できた。

[0135] 実施例 4の造形物 (三次元構造物) が、 実施例 2の造形物 (三次元構造物 ) よりも大きな複屈折を持つ理由は、 c i n n am y l a c r y l a t e ( シンナミルアクリレート) を添加したことにより、 より分子の方向が揃った ため (分子配向のオーダーが高くなったため) と考えられる。

[0136] 本技術は、 上記の各実施形態及び各実施例に限定される ものではなく、 本 技術の要旨を逸脱しない範囲内において変更 することが可能である。 \¥02020/174996 29 卩(:171?2020/003426

[0137] また、 本技術は、 以下のような構成を取ることもできる。

[1]

第 1の異方性材料及び/又は第 2の異方性材料と、 を含有する層を形成し つつ、 該第 1の異方性材料の分子及び/又は第 2の異方性材料の分子を配向 することと、 を含み、

該層を形成しつつ、 該第 1の異方性材料の分子及び/又は第 2の異方性材 料の分子を配向することを複数回で繰り返す 、 三次元構造物の製造方法。

[2]

前記第 1の異方性材料が硬化性である、 [ 1] に記載の三次元構造物の製 造方法。

[3]

前記第 1の異方性材料が配向性粒子材料である、 [1] 又は [2] に記載 の三次元構造物の製造方法。

[4]

前記配向性粒子材料のアスペクト比 (平均長軸長さ/平均短軸長さ) が 1 . 1以上である、 [3] に記載の三次元構造物の製造方法。

[5]

前記第 2の異方性材料が硬化性である、 [1] から [4] のいずれか 1つ に記載の三次元構造物の製造方法。

[6]

前記第 2の異方性材料が配向性粒子材料である、 [1] から [5] のいず れか 1つに記載の三次元構造物の製造方法。

[7]

前記配向性粒子材料のアスペクト比 (平均長軸長さ/平均短軸長さ) が 1

1以上である、 [6] に記載の三次元構造物の製造方法。

[8]

第 1の異方性材料及び/又は第 2の異方性材料と、 感光性材料と、 を含有 する層を形成しつつ、 前記第 1の異方性材料の分子及び/又は前記第 2の異 \¥02020/174996 30 卩(:171?2020/003426

方性材料の分子を配向することを含む、 [1] から [7] のいずれか 1つに 記載の三次元構造物の製造方法。

[9]

前記感光性材料が硬化性である、 [ 8] に記載の三次元構造物の製造方法

[1 0]

第 1の異方性材料及び/又は第 2の異方性材料と、 少なくも 1種の樹脂材 料と、 を含有する層を形成しつつ、 前記第 1の異方性材料の分子及び/又は 前記第 2の異方性材料の分子を配向することを含む [1] から [9] のい ずれか 1つに記載の三次元構造物の製造方法。

[1 1]

光重合開始剤を用いて前記層を形成しつつ、 前記第 1の異方性材料の分子 及び/又は前記第 2の異方性材料の分子を配向することを含む [1 0] に 記載の三次元構造物の製造方法。

[1 2]

第 1の異方性材料及び/又は第 2の異方性材料と、 感光性材料と、 少なく も 1種の樹脂材料と、 を含有する層を形成しつつ、 前記第 1の異方性材料の 分子及び/又は前記第 2の異方性材料の分子を配向することを含む [ 1] から [1 1] のいずれか 1つに記載の三次元構造物の製造方法。

[1 3]

前記感光性材料が硬化性である、 [1 2] に記載の三次元構造物の製造方 法。

[1 4]

光重合開始剤を用いて前記層を形成しつつ、 前記第 1の異方性材料の分子 及び/又は前記第 2の異方性材料の分子を配向することを含む [1 2] 又 は [1 3] に記載の三次元構造物の製造方法。

[1 5]

前記層を硬化させることを更に含む、 [1] から [1 4] のいずれか 1つ \¥02020/174996 31 卩(:171?2020/003426

に記載の三次元構造物の製造方法。

[1 6]

前記層を形成することが 3 !_八法 (3 6 「㊀〇 I I

光造形方式である、 [ 1 ] から [ 1 5 ] のいずれか 1 つに記載の三次元構造物の製造方法。

[1 7]

前記層を形成することがインクジェッ ト方式である、 [1 ] から [1 5] のいずれか 1つに記載の三次元構造物の製造方法。

[1 8]

前記層を形成することがプロジェクション方 式である、 [1 ] から [1 5 ] のいずれか 1つに記載の三次元構造物の製造方法。

[1 9]

前記層内の互いに異なる領域に、 互いに異なる偏光方向を有するエネルギ 一線を照射することを更に含む、 [1 ] から [1 8] のいずれか 1つに記載 の三次元構造物の製造方法。

[20]

[1 9] に記載の製造方法によって得られ、 少なくとも 1つの前記層内に 分子配向分布を有する、 三次元構造物。

[2 1]

[1 9] に記載の製造方法によって得られ、 少なくとも 1つの前記層内に 無配向領域を有する、 三次元構造物。

[22]

屈折率異方性を有する領域を含む、 [2 1 ] に記載の三次元構造物。

[23]

[1 ] から [1 9] のいずれか 1つに記載の製造方法によって得られ、 任 意の波長帯の電磁波において透明である、 三次元構造物。

[24]

前記層が、 少なくとも 1種の樹脂材料を含有し、 \¥02020/174996 32 卩(:171?2020/003426

該少なくとも 1種の樹脂材料のうち、 未硬化の該少なくとも 1種の樹脂材 料に対して温度制御しながら層を形成するこ とを含む、 [1 ] から [1 9] のいずれか 1つに記載の三次元構造物の製造方法。

符号の説明

[0138] 1 (1 - 1、 1 -2、 1 -3、 1 -4、 1 -5、 1 -6、 1 -7) - 三次元構造物、

2 槽、

3 - 1 レーザー、

3— 2 光源、

4 _ 1 ガルバノミラー、

4-2 1\/1巳1\/13ミラー、

4 - 3 0 !_ ?、

4— 4 - - !_〇〇 3、

4 - 5 1 ~ 1 !_〇、

4— 6 液晶パネル、

5 三次元構造物形成液、

6 ステージ、

7 上下動駆動装置、

7 - 1 上下動駆動部、

30 · · ·偏光板、

1 00 (1 00- 1、 1 00 -2、 1 00 -3、 1 00 -4、 1 00 -5

、 1 00 -6、 1 00-7) - - 30プリンタ装置。