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Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR MODIFYING ORGANIC FIBER CORD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/110386
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for modifying an organic fiber cord that can modify an organic fiber cord in a stable and high-quality manner and, at the same time, can realize a higher efficiency than the conventional organic fiber cord modification technique. The method comprises a dipping step of dipping an organic fiber cord for tire reinforcement comprising twisted organic fibers in an adhesive, a drying step of drying the dipped organic fiber cord, and a heat treatment step of modifying the dried organic fiber cord. In the drying step, the dipped organic fiber cord is continuously irradiated with microwaves and far infrared rays.

Inventors:
MORI HIROYUKI (JP)
FUJIWARA MASAOKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/053711
Publication Date:
September 11, 2009
Filing Date:
February 27, 2009
Export Citation:
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Assignee:
BRIDGESTONE CORP (JP)
MORI HIROYUKI (JP)
FUJIWARA MASAOKI (JP)
International Classes:
D06M23/00; B60C9/00; D02G3/36; D02G3/48; D06M10/00; D06M15/41; D06M15/55; D06M15/693
Foreign References:
JP2006307365A2006-11-09
JP2007186825A2007-07-26
JP2007138329A2007-06-07
JP3155068B22001-04-09
JPH10140123A1998-05-26
JPS6445627A1989-02-20
JP2006307365A2006-11-09
JP2007186825A2007-07-26
Other References:
See also references of EP 2264241A4
Attorney, Agent or Firm:
HONDA, ICHIRO (JP)
Ichiro Honda (JP)
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Claims:
 有機繊維が撚糸されてなるタイヤ補強用の有機繊維コードを接着剤にディップするディップ工程と、ディップされた該有機繊維コードを乾燥する乾燥工程と、乾燥された該有機繊維コードを改質する熱処理工程とを含む有機繊維コードの改質方法において、
 前記乾燥工程で、ディップされた前記有機繊維コードに対し、マイクロ波および遠赤外線を連続して照射することを特徴とする有機繊維コードの改質方法。
 前記マイクロ波の照射時間が、1.5~3.5秒間である請求項1記載の有機繊維コードの改質方法。
 前記遠赤外線の照射時間が、6~15秒間である請求項1記載の有機繊維コードの改質方法。
 前記遠赤外線の照射時間が、6~15秒間である請求項2記載の有機繊維コードの改質方法。
 前記マイクロ波の照射出力が、1.5~7.5kW/mである請求項2記載の有機繊維コードの改質方法。
 前記マイクロ波の照射出力が、1.5~7.5kW/mである請求項4記載の有機繊維コードの改質方法。
 前記遠赤外線の照射出力が、16~48kW/mである請求項3記載の有機繊維コードの改質方法。
 前記遠赤外線の照射出力が、16~48kW/mである請求項6記載の有機繊維コードの改質方法。
 前記有機繊維コードの水分率が、0.1~4.0%である請求項1記載の有機繊維コードの改質方法。
 前記有機繊維コードの水分率が、0.1~4.0%である請求項8記載の有機繊維コードの改質方法。
 前記有機繊維コードとして、緯糸を有しない単線コードを1~250本にて同時に改質する請求項1記載の有機繊維コードの改質方法。
 前記有機繊維コードとして、緯糸を有しない単線コードを1~250本にて同時に改質する請求項10記載の有機繊維コードの改質方法。
Description:
有機繊維コードの改質方法

 本発明は有機繊維コードの改質方法(以下 、単に「改質方法」とも称する)に関し、詳 くは、ディップされた有機繊維コードを乾 するための乾燥工程の改良に係る有機繊維 ードの改質方法に関する。

 従来から、有機繊維コードをレゾルシン ホルマリン/ゴムラテックス(RFL)液等の接着 液にディップした後に、熱媒体として熱風 用いることで乾燥および熱処理を施して改 を行い、有機繊維コードにタイヤ用として 所望の物性やゴムとの接着性を付与するこ が行われている。

 また、上記乾燥工程にマイクロ波を適用し 、接着剤ディップコードの乾燥を短時間で 効率に行う技術や(特許文献1)、上記乾燥工 に遠赤外線を適用する技術(特許文献2)も提 されている。

特開2006-307365号公報(特許請求の範囲等)

特開2007-186825号公報(特許請求の範囲等)

 従来のように、上記有機繊維コードの改 工程において熱媒体として熱風のみを用い 場合、熱伝導率の低い空気を使用すること ら、乾燥効率をより良好にすることが求め れていた。また、生産性を高めるために乾 炉における有機繊維コードの搬送方向の長 を長くすると、改質装置の大型化を招くた 、スペースおよびコストが増大するという 題が生じていた。

 一方、乾燥工程にマイクロ波のみを用い 場合には、乾燥処理時間(マイクロ波照射時 間)が10秒以下と極めて短時間であるため、高 効率で処理を行うことが可能である。しかし その反面、照射時間の僅かな変動により有機 繊維コードの含有水分率が大きく変動して、 安定して品質の高い改質を行うことが困難に なるおそれがあり、また、コード自体が高エ ネルギーのマイクロ波により異常に加熱され て、溶融してしまうおそれもあった。

 また、遠赤外線を用いた場合には、乾燥 程後の有機繊維コードの含有水分率を容易 最適値にすることが可能であり、安定して つ高い品質で有機繊維コードを改質させる とができる。しかしながらこの場合、熱風 用いた場合以上の処理能力は達成できるも の、十分なものではなく、より大幅な高効 化により、処理速度の高速化を図ることが きる技術の実現が求められていた。

 そこで本発明の目的は、上記問題を解消 て、安定的にかつ高品質で有機繊維コード 改質することができ、かつ、従来に比しさ なる高効率化を図ることが可能な有機繊維 ードの改質方法を提供することにある。

 本発明者らは、上記課題を解決するため 、鋭意検討した結果、ディップ処理後の乾 工程において、有機繊維コードに対しマイ ロ波の照射と遠赤外線の照射とを連続的に うことで、上記問題を解決できることを見 して、本発明を完成するに至った。

 すなわち、本発明の有機繊維コードの改質 法は、有機繊維が撚糸されてなるタイヤ補 用の有機繊維コードを接着剤にディップす ディップ工程と、ディップされた該有機繊 コードを乾燥する乾燥工程と、乾燥された 有機繊維コードを改質する熱処理工程とを む有機繊維コードの改質方法において、
 前記乾燥工程で、ディップされた前記有機 維コードに対し、マイクロ波および遠赤外 を連続して照射することを特徴とするもの ある。

 本発明においては、前記マイクロ波の照 時間が、1.5~3.5秒間であることが好ましく、 前記遠赤外線の照射時間が、6~15秒間である とが好ましい。

 また、本発明においては、前記マイクロ の照射出力が、1.5~7.5kW/mであることが好ま く、前記遠赤外線の照射出力が、16~48kW/mで ることが好ましい。

 本発明においては、前記有機繊維コード 水分率が、0.1~4.0%であることが好ましく、 記有機繊維コードとして、緯糸を有しない 線コードを1~250本にて同時に改質することが 好ましい。

 本発明によれば、上記構成としたことに り、安定的にかつ高品質で有機繊維コード 改質することができるとともに、従来に比 さらなる高効率化を図ることが可能な有機 維コードの改質方法を実現することが可能 なった。

 以下、本発明の好適実施形態について、図 を参照しつつ詳細に説明する。
 本発明は、有機繊維が撚糸されてなるタイ 補強用の有機繊維コードの改質方法であっ 、有機繊維コードを接着剤にディップする ィップ工程と、ディップされた有機繊維コ ドを乾燥する乾燥工程と、乾燥された有機 維コードを改質する熱処理工程とを含むも である。

 本発明においては、上記乾燥工程におい 、ディップされた有機繊維コードに対し、 イクロ波の照射および遠赤外線の照射を連 して行う。有機繊維コードに対し、マイク 波の照射後、連続して遠赤外線の照射を行 ことにより、安定して高い品質で改質を行 ことができ、かつ、従来以上の高効率化を 成することが可能となった。

 ここで、マイクロ波の照射条件としては ディップされた有機繊維コードからある程 まで水分を蒸発させることができるもので れば、特に制限されるものではなく、所望 応じ設定することができる。例えば、マイ ロ波出力は、乾燥処理する単位時間当たり 水分量に基づき適宜選定することが可能で る。また、乾燥時には、乾燥効率を高める めに、熱風または温風の発生装置を併用し 、乾燥炉内が蒸発に伴い発生した水蒸気で 飽和状態とならないように装置外部へ水蒸 を排出することが好ましい。

 かかるマイクロ波の照射条件としては、 発明の所望の効果が得られる適切な照射時 との組み合わせで照射され、例えば、マイ ロ波の照射時間が、1.5~3.5秒間であることが 好ましく、また、マイクロ波の照射出力が、 1.5~7.5kW/mであることが好ましい。マイクロ波 照射量が過多の場合は、コードの温度が急 に上昇して、コードの融解に起因するコー 切れを招くおそれがあり、一方、マイクロ の照射量が少なすぎる場合は、所望の効果 得られないおそれがあり、好ましくない。

 また、遠赤外線の照射条件についても、 イクロ波照射後の有機繊維コードから十分 水分を蒸発させることができるものであれ 、特に制限されるものではなく、所望に応 設定することができる。例えば、遠赤外線 力は、乾燥処理する単位時間当たりの水分 に基づき適宜選定することが可能である。 た、乾燥時には、熱処理炉内を所定温度に 温し、かつ温度分布を均一化して熱効率を めるために、ファンを併用して空気を循環 せることが好ましい。さらに、熱処理炉内 強制熱風循環させて、炉内温度により遠赤 線出力を制御することも好適である。

 かかる遠赤外線の照射条件としては、本 明の所望の効果が得られる適切な照射時間 の組み合わせで照射され、例えば、遠赤外 の照射時間が、6~15秒間であることが好まし く、また、遠赤外線の照射出力が、16~48kW/mで あることが好ましい。遠赤外線の照射量が過 多の場合は、コード表面の接着層が均一に形 成されず、急激な乾燥によってディップカス が多量に発生してしまうおそれがあり、一方 、遠赤外線の照射量が少なすぎる場合は、所 望の効果が得られないおそれがあり、好まし くない。

 マイクロ波および遠赤外線の照射条件の み合わせとしては、具体的には例えば、マ クロ波の照射を出力4.5kW/mで1.5~3.5秒間行っ 後、遠赤外線の照射を出力48kW/mで6~15秒間行 ものとすることができる。乾燥工程におけ マイクロ波の照射が不十分であると、乾燥 足により装置内の汚染や接着力の低下が生 、遠赤外線の照射が不十分であると水分率 高くなり、いずれも好ましくない。マイク 波および遠赤外線の照射をバランスよく用 ることで、本発明の所期の効果を得ること できる。

 本発明の改質方法においては、ディップ み有機繊維コードの乾燥工程について上記 件を満足するものであればよく、これによ 所期の効果を得ることができ、乾燥工程以 の各工程については、常法に従い適宜実施 ることが可能である。

 例えば、ディップ工程においては、ディ プにより有機繊維コードに付着した接着剤 吸引して、接着剤の付着量を一定量に調整 ることが好ましい。具体的には、ディップ 備にバキューム装置を設置して、ディップ の有機繊維コード表面を吸引し、過剰に付 した接着剤を除去することにより、付着量 コントロールを行う。これにより、ディッ 工程において有機繊維コードに常に一定量 接着剤を付着させることで、その後の乾燥 程における局所的な乾燥不良や、熱乾燥に るコードの融解に起因するコード切れ、熱 理工程における処理むらの発生などを防止 ることが可能となる。特に、単線コードの ィップ処理の場合、付着量が過多となる傾 があるため、バキューム装置を用いたコン ロールを行うことがより有効である。

 また、本発明においては、乾燥工程後に 燥後の有機繊維コードの水分量を測定して マイクロ波出力および遠赤外線出力を自動 に変動させて水分量を制御することも好ま く、これにより、乾燥不良の発生をより効 的に防止することができる。この場合の水 量の測定は、乾燥に用いる装置の出口に、 販の非接触方式の水分率測定装置(例えば、 アドバンステクノロジー社 プロセス水分計S T-2200A)を配置することにより行うことができ 。

 本発明における改質は、有機繊維コード 水分率が0.1%未満とならないよう、すなわち 、有機繊維コードの水分率を0.1%以上の状態 保持しつつ行うことが好ましい。有機繊維 ードが絶乾状態になると、コード自体がマ クロ波を吸収してコード温度が上昇し、コ ドの融解に起因するコード切れを招くおそ がある。

 また、本発明における改質は、有機繊維 ードの水分率が4.0%より多くならないよう、 すなわち、有機繊維コードの水分率を4.0%以 の状態に保持しつつ行うことが好ましい。 分率が、4.0%より多いと、十分に乾燥されな 状態で熱処理工程に入ることになり、熱処 炉装置内の汚染をまねくおそれがあり、ま 、コード表面の接着の改質が不十分になる それがあり、好ましくない。

 本発明の改質方法は、特に、有機繊維コ ドとして、簾状の反物よりも、緯糸を有し い単線コードの改質を行う際に有効であり 本発明によれば、例えば、1~250本程度の単 コードを同時に改質することが可能である

 なお、本発明において処理対象となる有 繊維コードとしては、特に制限されず、種 のものを適用することができる。その繊維 料としては、例えば、ナイロン、アラミド どのポリアミド、ポリエチレンナフタレー (PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)など のポリエステル、レーヨン、ポリケトン、ビ ニロン等、タイヤ補強用に使用できる撚コー ドは全て適用可能である。

 以下、本発明を、実施例を用いてより詳細 説明する。
 有機繊維コードを接着剤にディップするた のディップ槽と、ディップされた有機繊維 ードを乾燥するための乾燥炉A,Bと、乾燥さ た有機繊維コードを改質するための熱処理 A,Bとを備える改質処理設備において、以下 下記の表1および2中に示す処理条件をそれ れ適用して、有機繊維コードの改質処理を った。有機繊維コードとしては、材質:ポリ チレンテレフタレート,原糸繊度:1670dtex,撚 数:2本,上撚数×下撚数:39回/10cm×39回/10cmのも を用い、明確な結果を得るために、この試 を実施する前に、あらかじめ有機繊維コー にエポキシ化合物を用いて改質処理を施し 。また、接着剤としては、通常タイヤ補強 コードに使用されているRFL液を用いた。

 乾燥炉Aではマイクロ波の照射による乾燥 を行い、有機繊維コードにかける温度および 張力は160℃×0.227g/dtexとした。マイクロ波発 装置としては、芝浦メカトロニクス社製 TMG -490C(水冷式、波長2450MHz、出力1.5~7.5kW/m)を用 た。また、乾燥炉Bでは遠赤外線の照射によ 乾燥を行い、有機繊維コードにかける温度 よび張力は160℃×0.227g/dtexとした。遠赤ヒー ターとしては、出力16~48kW/mのものを用いた。

 また、熱処理炉A,Bにおいて、有機繊維コ ドにかける温度および張力は240℃×0.227g/dtex とした。

 各実施例および比較例の条件に従い改質 れた有機繊維コードにつき、下記に従い、 ータル処理時間、乾燥工程での糸の切れや さ、水分率、破断強力、2.02g/dtex(66N)での伸 (中間伸度)、熱収縮率および接着力を測定 た。その結果を、下記の表1および2中に併せ て示す。

<トータル処理時間>
 トータル処理時間は、乾燥工程および熱処 工程に要した処理時間の総和を、比較例2を 100とする指数にて示したものであり、数値が 小さいほど高効率処理であることを示す。

<乾燥工程での糸の切れやすさ>
 乾燥工程での糸の切れやすさは、一回に処 する単線コードの総数を100として、ディッ 処理中に発生した糸切れ本数と、ディップ 理後に発見された切れかかっている糸の本 との総和を指数で示した値により評価した 数値が小さいほど結果が良好である。

<水分率>
 水分率は、乾燥工程を経た有機繊維コード うち約3gを試料として取り出し、この試料 つき、島津製作所社製の電子水分計を用い 温度を300℃に設定して測定した。

<破断強力および中間伸度>
 破断強力および中間伸度はそれぞれ、JISL 1 017に準拠して、島津製作所社製のオートグラ フを用いて測定した。なお、改質前(ディッ 処理前)の有機繊維コードの破断強力は238N、 中間伸度は11.8%であった。

<熱収縮率>
 熱収縮率は、改質した有機繊維コードに50g 引張負荷を加えた状態で、177℃のオーブン に30分間置いたときの収縮量を測定し、こ 収縮量を元の長さで除したものに100を乗じ 算出した。なお、改質前の有機繊維コード 熱収縮率は7.0%であった。

<接着力>
 接着力は、改質した有機繊維コードをゴム に埋設し、これを所定の温度、圧力下で加 した後に、有機繊維コードをゴム中から引 抜くのに要した引張力により評価した。結 は、比較例2の引張力の値を100とする指数に て示した。数値が大なるほど結果が良好であ る。

 上記表1および2中に示すように、乾燥工 を、有機繊維コードに対するマイクロ波照 と遠赤外線照射との組合せにより行った各 施例においては、いずれか一方により行っ 比較例と比較して、破断強力等のコード物 を維持しつつ、適正な水分率が効率よく得 れていることが確かめられた。




 
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