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Title:
METHOD OF PREPARING THROUGH HOLES IN TUBE BODY WALL SURFACES, AND TUBE BODY STRUCTURE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/146818
Kind Code:
A1
Abstract:
A method of easily and reliably preparing through holes in tube body wall surfaces without leaving burrs on the surfaces and without relying on a skilled person. The method prepares through holes (2a, 2b) by causing a tool (11) to penetrate the wall surfaces of the tube body (2) without producing burrs on those portions of the through holes (2a, 2b) which are on the inner wall surface side of the tube body (2). The methods includes a hole preparation step for preparing one or more pairs of the through holes (2a, 2b) in the tube body wall surfaces by making the tool (11) penetrate the tube body (2) from the outside in the direction perpendicular to or substantially perpendicular to the axis (5) of the tube body (2), and also includes a welding step for closing by welding the through hole (2a), prepared by the tool (11) that penetrated from the outer wall surface side to the inner wall surface side of the tube body (2), by using a welding jig (12) made of a material having higher heat conductivity than the tube body (2). The through hole (2b), prepared by the tool (11) that penetrated from the inner wall surface side to the outer wall surface side of the tube body (2), is left as a nozzle hole (3).

Inventors:
MICHINISHI JUNYA (JP)
AKAGI KOICHI (JP)
KAJIHARA SHUICHI (JP)
AKIYAMA KATSUNORI (JP)
AOKI SUNAO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/059741
Publication Date:
December 04, 2008
Filing Date:
May 27, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI HEAVY IND LTD (JP)
MICHINISHI JUNYA (JP)
AKAGI KOICHI (JP)
KAJIHARA SHUICHI (JP)
AKIYAMA KATSUNORI (JP)
AOKI SUNAO (JP)
International Classes:
F02C7/00; B23K9/00; B23K9/04; B23P13/00; F02C7/232; F23D14/48; F23D14/84; F23R3/28
Foreign References:
JP2000254846A2000-09-19
JPH01130896A1989-05-23
JPS58143915A1983-08-26
JP2003097291A2003-04-03
JPH09239610A1997-09-16
Other References:
See also references of EP 2154350A4
Attorney, Agent or Firm:
FUJITA, Takaharu et al. (3-1 Minatomirai 3-chome,Nishi-ku, Yokohama-sh, Kanagawa 12, JP)
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Claims:
 筒体壁面に工具を貫通させて穿設した貫通孔の内壁面側に加工バリを生じさせない筒体壁面の貫通孔製造方法であって、
 筒体軸線と直交または略直交するように筒体外側から工具を貫通させて前記筒体壁面に一または複数対の貫通孔を穿設する穴あけ工程と、
 前記筒体より熱伝導性のよい素材の溶接治具を用い、前記工具が前記筒体の外壁面側から内壁面側に貫通して穿設された貫通孔を溶接により塞ぐ溶接工程とを具備し、
 前記工具が前記筒体の内壁面側から外壁面側へ貫通して穿設された貫通孔を残す筒体壁面の貫通孔製造方法。
 筒体壁面に工具を貫通させて穿設した貫通孔の内壁面側に加工バリがない筒体構造であって、
 筒体壁面に筒体軸線と直交または略直交するように筒体外側から工具を貫通させて前記筒体壁面に穿設した一または複数対の貫通孔と、
 前記工具が前記筒体の外壁面側から内壁面側に貫通して穿設された貫通孔を溶接により塞ぐ封止部材とを備え、
 前記工具が前記筒体の内壁面側から外壁面側へ貫通して穿設された貫通孔を、内壁面側に加工バリのない貫通孔として残す筒体構造。
 前記内壁面側に加工バリのない貫通孔が、前記内壁面側から前記外壁面側へ流体を流出させるノズル孔として用いられる請求項2に記載の筒体構造。
 前記筒体がガスタービン燃焼器の燃料噴射ノズルである請求項3に記載の筒体構造。
 
Description:
筒体壁面の貫通孔製造方法及び 体構造

 本発明は、たとえばガスタービン燃焼器 燃料噴射ノズルのように、貫通孔の内壁面 に加工バリが残らない筒体壁面の貫通孔製 方法及び筒体構造に関する。

 従来、ガスタービン燃焼器に用いられる燃 噴射ノズルは、円筒部材の筒体壁面を中空 まで貫通して設けた燃料噴射用の孔を備え いる。
 図6に示す燃料噴射ノズル1は、円筒形状と た筒体2の壁面を貫通して燃料の流体を噴射 るノズル孔3を備えている。このノズル孔3 、筒体2の外周側からドリル等の工具を用い 穿設した貫通孔であり、工具が壁面を突き ける際に、筒体2の内壁面(中空部)側へ突出 る加工バリが発生する。このような加工バ の存在は流量係数(Cd値)に悪影響を及ぼすの で、燃料噴射量の正確な制御にとって障害と なる。すなわち、流量係数のバラツキを低減 して燃料噴射量の正確な制御を可能にするた めには、ノズル孔3の内壁面側に形成される 工バリ(以下、「内バリ」とも呼ぶ)をなくし 、シャープエッジに形成することが重要にな る。

 このため、従来の燃料噴射ノズル1において は、機械加工により壁面を貫通してノズル孔 3を穿設した後、たとえば先端部にヤスリが 成された耳かき形状の専用特殊工具を用い 手作業により内バリを除去する工程を実施 て流量調整を行っている。なお、このよう 流量調整は、規定の流量係数が所定の公差( とえば±10%以内)を満足する必要がある。
 また、金属製のワークにドリル加工を行っ 孔の表面縁部に生じるバリに関する従来技 としては、穴あけ加工と同時にバリを除去 ることができるバリ取り兼用の孔明け方法 び孔明けドリルが提案されている。この提 は、ドリル先端の縮径部で穴あけを行った 、ドリルの軸方向に対して略45度の傾斜角 を有する肩部により表バリを削ってバリ取 を行うものである。(たとえば、特許文献1参 照)

特開平9-239610号公報(図1参照)

 ところで、上述した燃料噴射ノズル1のノ ズル孔3においては、専用特殊工具を用いて 作業により内バリを除去する必要があるの 、安定した品質を維持するためには作業の 熟度を高めることが不可欠である。すなわ 、内バリを除去する手作業は、熟練作業者 の依存度が高くなるとともに、勘に頼る作 でもあるため、作業時間が長く個人差等に るバラツキも多いという問題が指摘されて る。

 このような背景から、たとえば燃料噴射ノ ルに穿設されるノズル孔のように、円筒部 の壁面に加工バリ(内バリ)を残さないで貫 孔を穿設する作業について、熟練者に依存 ることなく容易かつ確実に実施できるよう した筒体壁面の貫通孔製造方法及び筒体構 が望まれる。
 本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも であり、その目的とするところは、円筒部 の壁面に加工バリを残さないで貫通孔を穿 する作業を、熟練者に依存することなく容 かつ確実に実施できる筒体壁面の貫通孔製 方法及び筒体構造を提供することにある。

 本発明は、上記の課題を解決するため、下 の手段を採用した。
 本発明の筒体壁面の貫通孔製造方法は、筒 壁面に工具を貫通させて穿設した貫通孔の 壁面側に加工バリを生じさせない筒体壁面 貫通孔製造方法であって、
 筒体軸線と直交または略直交するように筒 外側から工具を貫通させて前記筒体壁面に または複数対の貫通孔を穿設する穴あけ工 と、前記筒体より熱伝導性のよい素材の溶 治具を用い、前記工具が前記筒体の外壁面 から内壁面側に貫通して穿設された貫通孔 溶接により塞ぐ溶接工程とを具備し、前記 具が前記筒体の内壁面側から外壁面側へ貫 して穿設された貫通孔を残すものである。

 このような筒体壁面の貫通孔製造方法に れば、筒体軸線と直交または略直交するよ に筒体外側から工具を貫通させて筒体壁面 一または複数対の貫通孔を穿設する穴あけ 程と、筒体より熱伝導性のよい素材の溶接 具を用い、工具が筒体の外壁面側から内壁 側に貫通して穿設された貫通孔を溶接によ 塞ぐ溶接工程とを具備し、工具が筒体の内 面側から外壁面側へ貫通して穿設された貫 孔を残すので、筒体は、内壁面側に形成さ る加工バリ(内バリ)のない貫通孔が穿設さ たものとなる。

 本発明の筒体構造は、筒体壁面に工具を貫 させて穿設した貫通孔の内壁面側に加工バ がない筒体構造であって、
 筒体壁面に筒体軸線と直交または略直交す ように筒体外側から工具を貫通させて前記 体壁面に穿設した一または複数対の貫通孔 、前記工具が前記筒体の外壁面側から内壁 側に貫通して穿設された貫通孔を溶接によ 塞ぐ封止部材とを備え、前記工具が前記筒 の内壁面側から外壁面側へ貫通して穿設さ た貫通孔を、内壁面側に加工バリのない貫 孔として残すものである。

 このような筒体構造によれば、筒体壁面 筒体軸線と直交または略直交するように筒 外側から工具を貫通させて筒体壁面に穿設 た一または複数対の貫通孔と、工具が筒体 外壁面側から内壁面側に貫通して穿設され 貫通孔を溶接により塞ぐ封止部材とを備え 工具が筒体の内壁面側から外壁面側へ貫通 て穿設された貫通孔を、内壁面側に加工バ のない貫通孔として残したので、内壁面側 形成される加工バリ(内バリ)のない貫通孔 穿設された筒体を容易に製造することがで る。

 上記の筒体構造において、前記内壁面側 加工バリのない貫通孔は、前記内壁面側か 前記外壁面側へ流体を流出させるノズル孔 して用いられることが好ましく、これによ 、筒体に対して、流量係数が安定したノズ 孔を容易に穿設することができる。この場 の好適な筒体には、ガスタービン燃焼器の 料噴射ノズルがある。

 上述した本発明による筒体壁面の貫通孔 造方法及び筒体構造によれば、たとえば燃 噴射ノズルに穿設されるノズル孔のように 円筒部材の壁面に加工バリ(内バリ)を残さ いで貫通孔を穿設する作業が、熟練者や勘 依存することなく容易かつ確実に実施でき ようになる。従って、燃料噴射ノズル等の うに貫通孔を備えた円筒部材の製造に要す 作業時間が短縮され、さらに、個人差等に る製品のバラツキをなくして安定化させる いう顕著な効果が得られる。

本発明に係る筒体壁面の貫通孔製造方 の一実施形態を示す工程図であり、aは穴あ け工程、bは溶接工程、cは完成状態を示して る。 図1における完成状態のA-A断面図である 。 図1に示す製造方法で製造した筒体構造 の一実施形態として、ガスタービン燃焼器に 使用される燃料噴射ノズルの構成例を示す断 面図である。 本発明に係る他の実施形態として、二 筒体に適用した構成例を示す断面図である 溶接方法の一例としてTIG溶接を示す図 である。 図5Aの温度勾配を示す図である。 従来例としてスタービン燃焼器に使用 れる燃料噴射ノズルの構成例を示す断面図 ある。

符号の説明

  1  燃料噴射ノズル
  2  筒体
  2a,2b  貫通孔
  3  ノズル孔
  4  封止部材
  6a,6b  加工バリ
 11  工具
 12  溶接治具
 20  二重筒体
 21  外筒
 22  内筒
 23,24  貫通孔

 以下、本発明に係る筒体壁面の貫通孔製造 法及び筒体構造の一実施形態を図面に基づ て説明する。
 図1は、筒体壁面に工具を貫通させて穿設し た貫通孔の内壁面側に加工バリを生じさせな い筒体壁面の貫通孔製造方法を示す工程図で ある。以下の説明では、ガスタービン燃焼器 の燃料噴射ノズル(筒体壁面)1にノズル孔(貫 孔)3を穿設するものとする。
 この製造方法が適用される燃料噴射ノズル1 は、図2及び図3に示すように、筒体2の壁面を 放射状に貫通する3つのノズル孔3を備えてい 。これら3つのノズル孔3は、燃料噴射ノズ 1の軸線と直交する断面内において、120度ピ チの放射状に配設されている。なお、図2及 び図3において、図中の符号4は後述する封止 材である。

 図1のaに示す穴あけ工程では、筒体2の軸線5 と直交または略直交するように、筒体2の外 から工具11を貫通させることにより、筒体2 壁面に一対の貫通孔2a,2bを穿設する。図示の 例では、たとえばドリル等の工具11を用い、 体2の外側上部から軸線5を通って下向きに 通させることで上下一対の貫通孔2a,2bを穿設 する。なお、3つのノズル孔3を120度ピッチに 成するためには、上述した貫通孔2a,2bを120 ピッチに三対形成する。
 こうして穿設された貫通孔2a,2bには、工具11 を筒体2の内壁面側へ貫通させる貫通孔2aにお いて内壁面側へ突出する加工バリ(内バリ)6a 形成され、さらに、工具11を筒体2の外壁面 へ貫通させる貫通孔2bにおいて外壁面側へ突 出する加工バリ(外バリ)6bが形成される。

 次に、図1のbに示す溶接工程では、筒体2よ 熱伝導性のよい素材の溶接治具12を用い、 具11が筒体2の外壁面側から内壁面側に貫通 て穿設された貫通孔2aを、溶接により封止部 材4を形成して塞ぐ。この工程は、一対の貫 孔2a,2bを形成してノズル孔3として使用する 、流量係数に悪影響を及ぼす加工バリ6aが形 成されている貫通孔2aを塞ぐための工程であ 。
 すなわち、この溶接工程は、穴径が同じ貫 孔2aでも流量係数のバラツキを大きくする 因になる加工バリ6aを除去する代わりに、内 バリのある貫通孔2aを封止部材4により塞いで 、ノズル孔3として使用できないようにする ール溶接の工程である。

 一方、筒体2の外壁面側へ突出する加工バリ 6bは、貫通孔2bの流量係数に大きく影響しな 位置にあり、しかも、貫通孔2bの内壁面側は シャープエッジ2cとなるので、この貫通孔2b そのままノズル孔3として使用される。
 すなわち、工具11が筒体2の内壁面側から外 面側へ貫通して穿設された貫通孔2bについ は、加工バリ6bとともにそのまま残すことで ノズル孔3となる。なお、この場合の加工バ 6bは、筒体2の外壁面側にあるので、除去が 要な場合であってもその作業は容易である

 ところで、上述した燃料噴射ノズル1とな る筒体2には、たとえばSUS304等の耐熱製合金 用いられる。一方、溶接治具は熱伝導性の い材料を使用することが望ましく、たとえ 銅及び黄銅等の銅合金やアルミニウム合金 の材料が望ましい。

 溶接方法は、TIG溶接の他に、レーザ溶接 の比較的入熱を小さくできる溶接方法が有 である。すなわち、溶接による入熱を小さ 抑えつつ、貫通孔2aの内壁2eと貫通孔2aに内 から差し込まれた溶接治具12の先端部12aと より溶融した封止部材4を溜め込むための金 溜め部2fを形成し、かつ、封止部材4と溶接 具12の先端部との境界面が溶融しないよう 条件を作ることが重要である(図5A)。このよ な条件を実現することより、封止部材4で貫 通孔2aを塞ぐとともに、溶接後直ちに溶接治 12を筒体2から取り外すことができるので、 易に流量係数の安定したノズル孔3を穿設で きる。

 上述した溶接治具12の目的は、筒体2の貫通 2aの内壁と溶接治具12の先端部12aとから金属 溜め部2fを形成し、貫通孔2a内に封止部材4を 留させ易くするとともに、溶接時の入熱を やかに系外へ放熱させることにある。
 ここで、TIG溶接の場合を一例にあげて、図5 Aを用いて具体的に説明する。
 溶接工程においては、溶接トーチ30で貫通 2aの外表面2cの周縁2dを狙ってアークを発生 せ、周縁2dに沿って周溶接する。この過程で は、筒体2の一部の母材2g及び溶加棒31が溶融 て、封止部材4が形成される。溶加棒31は筒 2と同等の材料が使われる。この場合、でき るだけ入熱を抑えるため、電流値を絞り、高 速度で溶接することが望ましい。このような 溶接方法を採用すれば、貫通孔2aの内壁2eと 接治具12の先端部12aとにより形成される金属 溜め部2fには溶融した封止部材4が充填され、 この封止部材4が固化することにより貫通孔2a が完全に塞がれる。

 一方、溶接時の大半の入熱は、図5Aに示 ように、金属溜め部2fから溶接治具12の先端 12aを経由して、溶接治具12の末端部12bまで 伝導により移動し、末端部12bから大気中に 放散する。このように、大半の溶接熱が貫 孔2a、2bの周囲の筒体2へ拡散せずに、溶接治 具12の末端部12bから大気中へ熱放散するのは 筒体2の熱伝導度に比較して、溶接治具12の 伝導度が格段に大きいからである。銅製の 接治具12を採用する場合、溶接治具12が銅製 、筒体2がステンレス製の組合せとなるので 溶接治具/筒体の熱伝導度比は20倍以上とな 。

 この結果、貫通孔2aの周縁2dから溶接治具12 末端部12bに向けて、たとえば図5Bに示すよ な温度勾配が生ずる。すなわち、金属溜め 2fに滞留する溶融した封止材4は大半が筒体2 母材と同じ材料で構成されているので、熱 導度は溶接治具12と比較して非常に小さい 従って、溶接治具/筒体について適当な材料 組合せを選択すれば、溶接治具/筒体の熱伝 導度比を大きく取ることにより、アークが当 たる周縁2d付近の溶融した封止部材4には、滞 留する金属溜め部2fから溶接治具の先端部12a での間で急激な温度降下が生ずる(図5Bの領 A)。
 また、溶接治具12の先端部12aから末端部12b での間は、熱伝導度の大きい材料が用いら ているため、溶融した封止部材4が滞留する 属溜め部2fと比較して緩やかな温度勾配と る(図5Bの領域B)。
 このような組合せを見出したことにより、 接治具12の先端部12aでは温度が融点以下に 持されるので、溶接終了後直ちに溶接治具12 を筒体2から取り外すことができる条件が成 する。

 ところで、上述した溶接治具/筒体の熱伝導 度比については、できるだけ大きい設定が好 ましく、少なくとも5倍以上、望ましくは10倍 以上とするのがよい。
 また、上述した溶接行程において、溶接ト チ30が、貫通孔2aの内壁2eを狙わずに周縁2d 狙うのは、筒体2の一部の母材2gを溶融させ がら、溶接治具12の先端部12aからできるだけ 離れた地点を狙うためである。すなわち、溶 接治具12の先端部12aから近い地点を狙うと、 端部12aが高温となるため、先端部12aと封止 材4とが溶着して溶接終了後の溶接治具12の 外しが困難となることを防止するものであ 。

 また、溶接工程では、筒体2の内側流路26 アルゴン等の不活性ガスSGを少量ずつ供給 、溶接箇所を不活性ガスでシールして、溶 部の酸化防止を図っている。このような酸 防止を図ることにより、溶融した封止部材4 流動性が確保され、安定した溶接が可能と る。

 さらに、上述の熱伝導度の違いにより、 止部材4から貫通孔2aの壁面を介して筒体2へ の熱伝導による熱移動する現象や、封止部材 4から溶接治具12を介して溶接治具12の末端12b に熱が移動し、さらに貫通孔2bの壁面2hを介 して周囲の筒体2へ熱伝導によって拡散する 象が抑制される。従って、筒体2の全体にわ り、特に周方向の熱の不均一分布が小さく えられ、溶接時の入熱に伴う熱歪が小さく る。

 上述のような溶接治具12と筒体2との組合 を採用することにより、図5Bに示すような 度勾配が得られ、溶接治具12の先端部12aが融 点以下の温度に維持されて、先端部12aの溶融 現象を回避できる。また、筒体2の溶接部の 熱は、速やかに大気中へ放散される。この め、ノズル孔3となる貫通孔2bが溶接歪みに り変形することを防止し、所望のノズル性 を維持することができる。

 このような筒体壁面の貫通孔製造方法によ ば、筒体2の貫通孔2bには、穴あけ加工によ 形成される内壁面側へ突出する加工バリ(内 バリ)がなく、内壁面側にはシャープエッジ2c が形成されているので、貫通孔2bの穴径を正 に穿設しておけば、バリ取りの作業を行わ くてもそのままノズル孔3として使用するこ とができる。
 すなわち、燃料噴射ノズル1に流量係数のバ ラツキが少ないノズル孔3を形成する際、専 特殊工具の使用や熟練者によるバリ取り作 が不要になるので、作業の汎用性が向上す 。従って、筒体壁面の貫通孔製造において 作業時間を短縮するとともに個人差等によ 製品のバラツキをなくすことができる。

 上述した筒体壁面の貫通孔製造方法によ 製造された燃料噴射ノズル1は、筒体2の壁 に工具11を貫通させて穿設した貫通孔2bの内 面側に加工バリがない筒体構造となる。こ ような筒体構造の燃料噴射ノズル1は、筒体 2の壁面に筒体軸線5と直交または略直交する うに筒体2の外側から工具11を貫通させるこ により、筒体2の壁面に穿設した一または複 数対の貫通孔2a,2bと、工具11が筒体2の外壁面 から内壁面側に貫通して穿設された貫通孔2 aを溶接により塞ぐ封止部材4とを備え、工具1 1が筒体2の内壁面側から外壁面側へ貫通して 設された貫通孔2bを、内壁面側に加工バリ ないノズル孔3用の貫通孔として残したもの ある。

 ここで、ガスタービン燃焼器の燃料噴射 ズル1について、筒体2やノズル孔3の具体的 寸法例を示す。たとえばステンレス棒材を 削して中空円筒形状とした筒体2は、外径が 約20mm、内径が約15mm、ノズル孔3の直径が約5mm となり、その壁面肉厚は2.5mm程度となる。こ ような筒体2にドリル等の工具11で穴あけ加 を行うと、突出量が0.1mm程度となる加工バ 6a,6bを形成する。

 このような筒体構造によれば、筒体2の内壁 面側に突出するように形成される加工バリ( バリ)のない貫通孔2bをドリル等の工具11で容 易に穿設し、この貫通孔2bを流量係数にバラ キのないノズル孔3として使用することがで きる。この結果、燃料噴射ノズル1から供給 れる燃料は、図3に白抜矢印で示すように、 ズル孔3の直径を所定の誤差範囲内に加工す れば、ノズル孔3から噴射される燃料噴射量( 量係数)は所定の公差内に入ってバラツキの 少ないものとなる。
 すなわち、本発明の筒体構造において、流 係数に影響を受ける内壁面側が加工バリの いシャープエッジになる貫通孔2bは、内壁 側から外壁面側へ流体を流出させるノズル 3として好適であり、従って、安定した流量 数のノズル孔3を筒体2に容易に穿設するこ ができる。

 ところで、上述した説明では、ノズル孔3を 備えた筒体2がガスタービン燃焼器の燃料噴 ノズル1であるとして説明したが、本発明は れに限定されるものではない。
 たとえば図4に示す他の実施形態のように、 二重筒体20の外筒21及び内筒22を工具が外側か ら貫通して穿設した貫通孔23,24においても、 印25で示すように流れる流体を噴出させる ズル孔として穿設孔24を採用することができ る。この場合の穿設孔24においては、流体出 側となる角部24bに加工バリが形成され、流 入口側となる角部24aはシャープエッジとな ので、このような流体流れ方向のノズル孔 流量係数にバラツキがないものとなる。

 しかし、外筒21に穿設された貫通孔23の場 合、シャープエッジが外筒21の外壁面側に形 されるとともに、内壁面側に突出する加工 リも形成される。このため、外筒21及び内 22の間に形成された流路26から外筒21の外側 流体を流出させる場合、内壁面側に突出す 加工バリが流量係数に悪影響を及ぼしてバ ツキを生じさせる。従って、この貫通孔23に ついては、上述した実施形態と同様の封止部 材4により塞がれている。

 上述した本発明によれば、たとえばガス ービン燃焼器の燃料噴射ノズル1に穿設され るノズル孔3のように、筒体2の内壁面側に突 する加工バリ(内バリ)を残さないで貫通孔2b を穿設する作業が、熟練者や勘に依存するこ となく容易かつ確実に実施できるようになる 。従って、燃料噴射ノズル1等のように、貫 孔2bを備えた筒体2の製造に要する作業時間 短縮され、さらに、個人差等による製品の ラツキ(流量係数等)をなくして安定化させる ことができる。

 また、上述した本発明は、流体を噴射する ズル孔3の形成に好適であるが、内壁面側に 加工バリのない貫通孔を形成する場合にも適 用可能である。
 また、上述した本発明は、たとえば90度ピ チで4つのノズル孔3を形成する場合のように 封止部材4により塞ぐ貫通孔とノズル孔3とし 使用する貫通孔とが一致したり、あるいは いに干渉する配置の場合を除いて、貫通孔 対数(ノズル孔3の数)など実施形態の記載に 定されるものではなく、本発明の要旨を逸 しない範囲内において適宜変更することが きる。