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Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR PROCESSING BRITTLE MATERIAL SUBSTRATE AND CRACK FORMING APPARATUS USED IN THE METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/011246
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a method for processing a brittle material substrate, in which cutting is performed with excellent end surface qualities on a cut surface and excellent linearity. In the method for cutting the brittle material substrate to be cut, the substrate is cut by permitting a crack to develop in the substrate. The substrate is cut by the following steps. In a step (a), a supporting substrate is firmly fixed on the substrate. The supporting substrate permits heat, which reaches the lower surface of the substrate from the upper surface when the substrate is irradiated with a laser beam, to be transmitted from the lower surface of the substrate by heat conduction and operates to generate distortion to form a protrusion in the vicinity of a cut planned line after cooling. Then, in a step (b), the substrate is irradiated with a laser beam by relatively moving the laser beam, and a crack is developed while cutting the substrate by a vertical breakage wherein the crack develops in the thickness direction by being cooled, and in a step (c) firm adhesion between the supporting substrate and the substrate to be processed is released.

Inventors:
SHIMIZU, Seiji (LTD. 2-12-12 Minami-Kanede, Suita-city Osaka 44, 5640044, JP)
清水 政二 (〒44 大阪府吹田市南金田2丁目12番12号 三星ダイヤモンド工業株式会社内 Osaka, 5640044, JP)
MORITA, Hideki (LTD. 2-12-12 Minami-Kanede, Suita-city Osaka 44, 5640044, JP)
森田 英毅 (〒44 大阪府吹田市南金田2丁目12番12号 三星ダイヤモンド工業株式会社内 Osaka, 5640044, JP)
Application Number:
JP2008/062305
Publication Date:
January 22, 2009
Filing Date:
July 08, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBOSHI DIAMOND INDUSTRIAL CO., LTD. (2-12-12, Minami-Kaneden Suita-cit, Osaka 44, 5640044, JP)
三星ダイヤモンド工業株式会社 (〒44 大阪府吹田市南金田2丁目12番12号 Osaka, 5640044, JP)
SHIMIZU, Seiji (LTD. 2-12-12 Minami-Kanede, Suita-city Osaka 44, 5640044, JP)
清水 政二 (〒44 大阪府吹田市南金田2丁目12番12号 三星ダイヤモンド工業株式会社内 Osaka, 5640044, JP)
MORITA, Hideki (LTD. 2-12-12 Minami-Kanede, Suita-city Osaka 44, 5640044, JP)
International Classes:
B28D5/00; B23K26/00; C03B33/09
Attorney, Agent or Firm:
KASHIMA, Yoshio (409 Yuni Higashi-Umeda, 7-2 Minami Ogi-machi,Kita-k, Osaka-city Osaka 52, 5300052, JP)
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Claims:
 (a)脆性材料からなる被加工基板の裏面に支持基板を固着し、前記被加工基板の表面上の割断予定ラインの一端に初期亀裂を形成する工程、又は表面上の割断予定ラインの一端に初期亀裂が形成された脆性材料からなる被加工基板の裏面に支持基板を固着する工程、
(b)前記初期亀裂から前記割断予定ラインに沿ってレーザビームを相対移動させながらレーザ照射を行うことにより、被照射部分を前記被加工基板の軟化点よりも低い温度に加熱するとともに、前記レーザ照射に追随させて被加熱部分の冷却を行うことにより、前記レーザ照射による熱が前記被加工基板の被照射部分から裏面に伝導し、さらに前記被加工基板の裏面から支持基板に伝導し、前記支持基板が前記被加工基板の裏面に対して前記割断予定ラインに沿って凸となる歪みを生じさせ、前記初期亀裂から前記割断予定ラインに沿って被加工基板の表面から裏面に進展するクラックを進行させる工程、及び
(c)前記被加工基板と前記支持基板との固着を解除する工程
とからなる被加工基板の加工方法。
 被加工基板がガラス基板であり、その板厚が0.01mm以上1mm以下である請求項1に記載の加工方法。
 支持基板がガラス基板である請求項1又は2に記載の加工方法。
 被加工基板と支持基板とが、同じ材質である請求項1に記載の加工方法。
 被加工基板と支持基板とが、実質的に同じ線膨張係数を有する材料である請求項1に記載の加工方法。
 被加工基板と支持基板とが、実質的に同じ熱伝導率を有する材料である請求項1に記載の加工方法。
 (a)工程において、被加工基板裏面と支持基板とは氷層を介して固着される請求項1~請求項6のいずれかに記載の加工方法。
 (a)工程において、被加工基板裏面と支持基板とは接着層を介して固着される請求項1~請求項6のいずれかに記載の加工方法。
 レーザビーム照射機構と、冷却機構と、レーザビーム照射機構と冷却機構とを被加工基板に対し相対的に移動させる走査機構とを備え、被加工基板の割断予定ラインに沿ってレーザビームのビームスポットが走査されるようにレーザビーム照射機構を被加工基板に対して相対移動させて被加工基板の上面を軟化点以下の温度で加熱し、次いでビームスポットが通過した軌跡に沿って冷却機構を相対移動させて前記基板を冷却することにより割断予定ラインに沿ってクラックを形成する加工を行う脆性材料基板のクラック形成装置において、
被加工基板が載置される支持基板と、
クラック形成前に被加工基板の下面を支持基板に固着し、クラック形成後に固着状態を解除する着脱手段とを備え、
前記支持基板は被加工基板を固着した状態でレーザビームが照射されたときに被加工基板の上面から下面に到達する熱を被加工基板の下面から熱伝導により伝達されるとともに、上に凸となる歪が支持基板上面の割断予定ライン近傍に生じるよう作用させる材料で形成されることを特徴とするクラック形成装置。
 支持基板が被加工基板と実質的に同じ材質で形成される請求項9に記載のクラック形成装置。
 着脱手段は、支持基板と被加工基板との界面に氷層を形成して固着状態にするとともに氷層を融解して固着状態を解除する冷凍チャックからなることを特徴とする請求項9または請求項10に記載のクラック形成装置。
 着脱手段は、支持基板と被加工基板との界面に接着剤を供給する接着剤供給機構と、支持基板と被加工基板との界面に接着剤を溶解する溶剤を供給する溶剤供給機構とからなることを特徴とする請求項9または請求項10に記載のクラック形成装置。
 接着剤供給機構、溶剤供給機構は、それぞれ支持基板に形成された貫通孔から支持基板の表面上に接着剤、溶剤を供給することを特徴とする請求項12に記載のクラック形成装置。
 着脱手段は、支持基板に形成された多数の小孔を介して被加工基板の下面を吸引することが可能な真空チャックからなることを特徴とする請求項9または請求項10に記載のクラック形成装置。
Description:
脆性材料基板の加工方法および れに用いるクラック形成装置

 本発明は、脆性材料からなる被加工基板(以 下、「脆性材料基板」ともいう)に対して軟 点よりも低い温度で加熱されるようにレー ビームを走査しながら照射し、次いで冷却 ることにより、基板端に形成した初期亀裂 始点としてクラックを進行させ、これによ 基板を加工する脆性材料基板の加工方法、 よび、この加工方法に用いるためのクラッ 形成装置に関する。
 本発明は、特に、脆性材料基板の板厚が薄 、レーザ照射によって基板表面付近に発生 た熱がクラック形成時に基板の表面から裏 まで到達してしまう場合の脆性材料基板の 工方法に関する。

 本発明でいう「脆性材料基板」には、ガラ 基板のほか、石英、単結晶シリコン、サフ イヤ、半導体ウエハ、セラミック等の基板 含まれる。以下、主にガラス基板を用いて 明するが、他の脆性材料基板についても同 である。
また、本発明についての説明の便宜上、「ク ラックの進行」とは、クラックが基板の面方 向へ成長することをいい、クラックが基板の 厚み方向(深さ方向)へ成長することを「クラ クの進展」ということにより、両者を区別 ることにする。

 ガラス基板等の脆性材料基板(以下、単に「 基板」ともいう)に対し、レーザビームを走 させながら照射し、基板の軟化点よりも低 温度で加熱すると、加熱領域に圧縮応力が じる。さらにレーザビームが照射された近 に冷却媒体を吹き付けて冷却することによ 、冷却領域に引張応力が生じる。このよう 圧縮応力が生じている領域に近接して、引 応力が生じる領域を形成することにより、 力勾配が形成される。
近年、この応力勾配を利用してガラス基板に クラックを形成することにより、基板表面に スクライブ加工を行ったり(例えば特許文献1 照)、フルカット加工を行ったりする加工技 術が利用されている(例えば特許文献2、3参照 )。

 ここで、スクライブ加工とは、基板裏面に しない深さ(例えば板厚の10~20%程度の深さ) クラックを形成することにより、基板にス ライブラインを形成する加工をいう。スク イブ加工の場合、スクライブライン形成後 、スクライブラインに沿ってブレイクバー 押し当てて曲げモーメントを加えるブレイ 処理を行うことにより基板を割断すること できる。
 一方、フルカット加工とは、基板表面から 板裏面に達するクラックを形成する加工で り、ブレイク処理を行うことなく基板を割 することができる。

国際公開番号WO 03/008352公報

特開2004-155159号公報

特開平1-108006号公報

 レーザ加熱とその後の急冷により、基板 応力勾配を形成してガラス基板を割断しよ とする場合、上述したように、スクライブ インを形成した後にブレイク処理を行うこ が必要な割断モード(スクライブ加工モード という)と、ブレイク処理を行わずに基板が 断される割断モード(フルカット加工モード いう)とがある。

 スクライブ加工モード、フルカット加工モ ドのいずれが成立するかは、加熱条件(レー ザ波長、照射時間、照射パワー、走査速度等 )や冷却条件(冷媒温度、吹付量、吹付位置等) などの加工条件にも依存するが、ガラス基板 の板厚に大きく依存する。すなわち、ガラス 基板の板厚が薄い場合には、スクライブ加工 モードが成立する上記加工条件のプロセスウ インドウ(正常なスクライブラインを形成す ことができる各種加工条件の設定可能な範 )が狭くなり、フルカット加工モードになり すい。フルカット加工モードでは、ブレイ 処理を行う必要がないため、工程が簡略で るという利点が期待されるが、実際には、 ラックがまっすぐに進展しない頻度が高い 向があり、精度のよい割断を期待できない 一方、ガラス基板の板厚が増すにつれて(特 に板厚が1mm以上)、フルカット加工モードが 難になり、スクライブ加工モードが成立し すくなる傾向がある。
 加熱条件や冷却条件が極端でない場合には これら割断モードの相違は、基板の厚さに じて、加熱、冷却時に生じる応力分布や歪 異なることに起因する。以下、応力分布お び歪と割断モードとの関係について説明す 。

《厚板基板》
 まず、板厚が厚いガラス基板の場合につい 説明する。ここでいう板厚が厚い場合とは 基板上面にレーザビームが照射され、上面 近に発生した熱(温熱)が基板内に伝達され ときに、基板の板厚が十分厚いために、ク ック形成時に熱の伝達が基板の内部でとど り基板下面まで熱が伝達されることのない 合をいう。具体的には、ガラス基板の場合 1mm以上の板厚になると熱の伝達が基板内部 とどまる傾向がある。

 図6は、1mm以上の板厚を有するガラス基板( 下、本明細書では厚板基板という)に対し、 ーザ照射および冷却を行うことによりクラ クを進展、進行させるときに、基板に生じ 応力分布を説明するための模式図であり、 6(a)は基板斜視図、図6(b)はその平面図であ 。
 また、図7(a)、図7(b)および図7(c)は、それぞ 図6のA-A’断面、B-B’断面およびC-C’断面に おける温度分布と応力分布を説明するための 模式図である。なお、別の視点から見れば、 図7(a)、図7(b)および図7(c)は、ビームスポット BSおよび冷却スポットCSの通過に起因する同 地点の温度分布および応力分布の時間的な 化を表している。

 図6において、レーザビーム照射機構(不 示)から照射されるレーザビームにより、長 状のビームスポットBSが形成される。ビー スポットBSの後方には、冷却機構(不図示)か 吹き付けられる冷媒により、円形状の冷却 ポットCSが形成される。ビームスポットBSと 冷却スポットCSとは、少し距離を隔てた位置 係を維持しつつ、厚板基板GAの上を、予め 期亀裂TRが形成してある一端側から他端側に 向けて、割断予定ラインSLに沿って走査され 。

 このとき、厚板基板GAの上面付近には、 ームスポットBSの通過により加熱された領域 近傍に、加熱による膨張の影響で圧縮応力( 中破線矢印で示す)が生じる。次いで、冷却 ポットCSの通過により冷却された領域近傍 、厚板基板GAに形成された温度分布に起因す る引張応力(図中実線矢印で示す)が生じる。

 次に、図7に基づいて厚板基板GAの内部に生 る応力および歪について説明する。
厚板基板GAでは、レーザビームのビームスポ トBSの通過による加熱によって、図7(a)に示 ように加熱部位HRが基板内部に形成され、 熱部位HRが局所的に膨張することにより、圧 縮応力(図中破線矢印で示す)が生じる。

 続いて、少し遅れてから冷却スポットCSの 過による冷熱によって、図7(b)に示すように 却部位CRが表面近傍に形成され、冷却部位CR が局所的に収縮することにより、引張応力( 中実線矢印で示す)が生じる。
 厚板基板GAの場合には、加熱部位HRは徐々に 基板内部に伝達されるが、基板が厚いためク ラック形成時に裏面まで到達することはなく 、加熱部位HRが基板内部にとどまった状態に る。

 そして、図7(c)に示すように、冷却部位CR 形成により厚板基板GAの表層から徐々に冷 が伝達されると、冷却部位CRは基板上面近傍 (例えば板厚の10%~20%の深さ)に存在し、その下 方に加熱部位HRが存在するようになる。この 熱部位HRは、圧縮応力が発生している部位 あるので、基板内部に存在する内部圧縮応 場Hinと言い換えることができる。

 厚板基板GAに内部圧縮応力場Hinが形成さ 、基板の上面近傍に引張応力が形成される とにより、厚板基板GAには、局所的に上に凸 となる歪が発生し、引張応力と同じ方向に基 板を撓ませる力(図中一点鎖線矢印で示す)が 板上面に発生することになる。なお、図7(c) では、撓みの方向を示すため、便宜上、厚板 基板GAに生じる歪による変形を誇張して示し いる。

 その結果、厚板基板GAの上面には、引張 力、および、基板が上に凸となるように撓 せる力により、基板上面から厚み方向(深さ 向)に、垂直なクラックCが形成されやすい 態になる。このように、厚み方向(深さ方向) に進展するクラックが形成されやすい状態( るいは実際にクラックが形成される状態)を 縦割れ」の状態と称する。縦割れ状態のと に進展するクラックは、割断面が平滑であ (表面の凹凸が小さく)、しかも直進性に優 ており、割断面として望ましい。

 しかしながら、縦割れ状態の場合、厚板 板GAの内部には、既述のように、内部圧縮 力場Hinが形成されているために、クラックC この内部圧縮応力場に到達すると進展が妨 られ、厚板基板GAにおけるクラックCの進展 内部圧縮応力場近傍で停止することになる

 よって、厚板基板GAにおいては、クラッ Cが裏面に到達するまで進展することが困難 なり、基板の上面近傍にクラックが形成さ るスクライブ加工となる。換言すれば、ス ライブ加工モードは、基板の厚さ方向に形 された温熱と冷熱の温度勾配に起因する応 勾配によってクラックを進展させる加工モ ドであり、凹凸が少なく直進精度が高い割 面を得ることができる反面、フルカット加 ができない特徴がある。

《薄板基板》
 次に、板厚が薄いガラス基板の場合につい 説明する。ここでいう板厚が薄い場合とは 基板上面にレーザビームが照射され基板上 付近に発生した熱(温熱)が基板内に伝達さ るときに、基板の板厚が十分薄いため、ク ック形成時に熱が下面に達する場合をいう 具体的には、ガラス基板の場合、1mm未満、 に0.7mm程度の板厚になるとクラック形成時に 熱が下面に達する傾向がある。また、当然な がら板厚が薄い場合には、冷却スポットの通 過により基板上面に与えられた冷熱がすぐに 下面に達することとなる。

 図8は、板厚が1mm未満のガラス基板(本明細 では薄板基板という)、例えば0.7mm程度の板 を有するガラス基板の表面に対し、レーザ 射および冷却を行うことによりクラックを 展、進行させるときに、基板に生じる応力 布を説明するための模式図であり、図8(a)は 板斜視図、図8(b)は平面図である。
 また、図9(a)、(b)および(c)は、それぞれ図8 D-D’、断面E-E’および断面F-F’断面におけ レーザ照射後の温度分布と応力分布を説明 るための模式図である。

 図8において、レーザビーム照射機構(不 示)から照射されるレーザビームにより、長 状のビームスポットBSが形成される。ビー スポットBSの後方には、冷却機構(不図示)か 吹き付けられる冷媒により、円形状の冷却 ポットCSが形成される。ビームスポットBSと 冷却スポットCSとは、少し距離を隔てた位置 係を維持しつつ、薄板基板GBの上を、予め 期亀裂TRが形成してある一端側から他端側に 向けて、割断予定ラインSLに沿って走査され 。

 このとき、薄板基板GBの上面付近には、ビ ムスポットBSの通過により加熱された領域近 傍に、加熱による膨張の影響で圧縮応力(図 破線矢印で示す)が生じる。次いで、冷却ス ットCSの通過により冷却された領域近傍に 冷却による収縮の影響で引張応力(図中実線 印で示す)が生じる。
 その結果、薄板基板GBの上面付近には、前 (奥側)が圧縮応力で、後方(手前側)が引張応 である応力勾配が発生する。

 この場合、薄板基板GB上面付近における 力分布については、「横割れ」状態(詳細は 述する)、すなわち面方向に進行しようとす るクラックが形成されやすい状態になってい る。

 次に、薄板基板GBの内部に生じる応力およ 歪について、図9に基づいて説明する。
薄板基板GBでは、基板上面に照射されるレー ビームのビームスポットBSの通過による加 によって、図9(a)に示すように加熱部位HRが 板内部に形成され、加熱部位HRが局所的に膨 張することにより、圧縮応力(図中破線矢印 示す)が生じる。この場合、基板の板厚が薄 ために、クラック形成時には加熱部位HRが 板GBの下面に達するようになる。

 次いで、冷却スポットCSの通過による冷熱 よって、図9(b)に示すように冷却部位CRが表 近傍に形成される。
薄板基板GBの場合は、冷熱部位CRがすぐに基 GBの中央まで達するようになる。

 さらに冷熱が伝達されると、図9(c)に示す ように、冷却部位CRが薄板基板GBの下面に達 る。このように、薄板基板GBでは温熱および 冷熱が薄板基板GBの上面から下面に速やかに 達されるため、基板の厚さ方向の温度勾配 起因する応力勾配を維持することが困難で る。また基板の厚さ方向の応力勾配を形成 きても、板厚が薄いため温熱および冷熱の 囲がそれぞれ狭いので、それぞれの圧縮応 および引張応力の大きさも限定的になって まう。従って、薄板基板では、スクライブ 工モードが成立し難く、成立する場合であ てもプロセスウインドウ(正常なスクライブ ラインが形成される各種加工条件の設定可能 な範囲)が狭くなるため、安定的な加工が困 である。

 このため、薄板基板GBでは、ビームスポッ BSによって下面まで加熱された領域と冷却ス ポットによって下面まで冷却された領域の存 在により割断予定ラインに沿って生じる温度 勾配に起因する応力勾配によって基板のクラ ックが進行することとなる。すなわち、加熱 部位HRと冷却部位CRとがそれぞれ薄板基板GBの 上面から下面まで存在している状態では、加 熱部位HRと冷却部位CRの境界付近に薄板基板GB の上面から下面にわたって引張応力が生じる こととなる。その結果、薄板基板の上面から 下面まで達するクラックが冷却部位CRから加 部位HRの方向に進行することとなる。従っ 、フルカット加工モードが成立し易くなる なお、脆性材料におけるクラックの進行速 は極めて速いので、進行したクラックはす に加熱部位HRの近傍に達し、加熱部位HRの圧 応力によってその進行を停止する。
 このように面方向に進行しようとするクラ クが形成されやすい状態(あるいは実際にク ラックが形成される状態)を「横割れ」の状 と称する。

 横割れ状態のときに進行するクラックは 割断面自体は、例えばカッターにより機械 に割断した割断面に比べると滑らかである 、縦割れによって形成されたクラックと比 して、クラックの直進性が損なわれる場合 ある。これは、クラックの進行が加熱部位H R(圧縮応力場)の近傍で停止するときにクラッ クの先端が僅かにずれること、および横割れ 状態のクラックが加熱部位HRおよび冷却部位C Rの移動に伴って進行と停止を微細な距離で り返すことに起因して、停止する際のクラ ク先端の位置ずれが累積してしまうためで ると考えられる。

 上述したように薄板基板GBの場合、横割 状態による面方向へのクラックの進行が発 しやすい。薄板基板GBに横割れによるクラッ ク進行が生じると、板厚が薄いことから、フ ルカット加工モードによる割断が実現され易 くなりブレイク処理が不要になる反面、縦割 れによる割断面と比較した場合に、割断面の 凹凸が多く直進性が劣るという課題があった 。

 そこで、本発明はガラス基板等の脆性材料 らなる薄板基板を割断する場合に、割断面 端面品質が優れ、かつ、直進性が優れた縦 れによる割断を、安定的に実現することが きる加工方法、および、これに用いるため クラック形成装置を提供することを目的と る。
 また、本発明は脆性材料からなる基板に対 、横割れ状態によるフルカット加工ではな 、また、縦割れ状態によるスクライブ加工 もなく、縦割れ状態によるフルカット加工 可能な加工方法、および、これに用いるた のクラック形成装置を提供することを目的 する。

 上記課題を解決するためになされた本発 の脆性材料基板の加工方法は、脆性材料か なる被加工基板の上面を、その軟化点より い温度で加熱されるようにレーザビームを 対移動させながら割断予定ラインに沿って 射し、次いで冷却することにより、割断予 ラインの一端に形成された初期亀裂から割 予定ライン上をクラックが進行するように て被加工基板にクラックを形成する脆性材 基板の加工方法であって、(a)レーザビーム 照射されたときに被加工基板の上面から下 に到達する熱を被加工基板の下面から熱伝 により伝達されるとともに、上に凸となる が冷却後の割断予定ライン近傍に生じるよ 作用させる支持基板を被加工基板に固着す 工程、(b)被加工基板の上面にレーザビーム 相対移動させながら照射し、次いで冷却す ことによりクラックを進行する工程、(c)支 基板と被加工基板との固着を解除する工程 からなる。

 本発明によれば、被加工基板に支持基板 固着する。固着される支持基板は、レーザ ームが照射されたときに、被加工基板の上 から下面に到達する熱を被加工基板の下面 ら熱伝導により伝達されるとともに、上に となる歪が冷却後の割断予定ライン近傍に じるよう作用させることができる基板であ 。そして、この支持基板が固着された被加 基板に対し、レーザビームを相対移動させ がら割断予定ラインに沿って照射し、次い 冷却を行う。

 これにより、被加工基板と支持基板とが固 された合成基板には、厚板基板と類似の温 分布、応力分布を生じさせることができる うになる。その結果、合成基板に対し、ス ライブ加工モードを成立させることができ ようになり、合成基板の上面(すなわち被加 工基板上面)に、スクライブラインが形成さ るようになる。
合成基板にスクライブラインが形成された状 態を、合成基板の上面を構成する被加工基板 に注目して見ると、実質的に、板厚が薄い被 加工基板のフルカット加工が縦割れ状態で行 われたことになっている。その後、合成基板 を構成している支持基板と被加工基板との固 着状態を解除する工程を実行することにより 、縦割れによりフルカット加工された被加工 基板を得ることができる。また、被加工基板 の板厚が薄い場合であっても安定的にスクラ イブ加工モードでクラックを形成できるので 、直進性に優れたクラックを形成できる。

 本発明によれば、薄板基板である被加工 板を加工する際に、支持基板を固着して合 基板とすることにより、厚板基板に見立て 加工を行うようにしたので、厚板基板と類 の条件で加工(スクライブ加工)を行うこと でき、その結果、被加工基板については、 質的に縦割れ状態でのフルカット加工を実 することができるようになる。

 これにより、薄板基板を割断する場合に 横割れによるフルカット加工ではなく、縦 れによるフルカット加工またはスクライブ 工が実現されるので、割断面の端面品質お び直進性に優れた割断を実現することがで る。

(その他の課題解決手段および効果)
 上記発明において、被加工基板と支持基板 は、同じ材質を用いてもよい。例えば、被 工基板がガラス基板のときに、支持基板に じ材質のガラス基板を用いてもよい。
 これにより、被加工基板と支持基板とが、 質的に1つの厚板基板を構成することになる ので、厚板基板のスクライブ加工モードと等 価な割断モードが成立し、被加工基板につい ては縦割れによるフルカット加工を実現する ことができる。

 上記発明において、被加工基板と支持基板 が、実質的に同じ線膨張係数を有する材料 あってもよい。
 これによれば、被加工基板の下面から支持 板に熱が伝達されるときに、被加工基板側 先に加熱され温度勾配が生じているので、 に被加工基板が膨張するようになり、被加 基板には、撓みによって上に凸の歪が形成 れやすくなり、縦割れ状態を発生しやすく ることができる。

 上記発明において、被加工基板と支持基板 が、実質的に同じ熱伝導率を有する材料で ってもよい。
 これによれば、被加工基板下面から支持基 に熱が伝達されるときに、被加工基板が厚 基板である場合と同様の内部圧縮応力場が 成されるので、実質的に厚板基板と同様の クライブ加工モードが実現でき、被加工基 の縦割れを促進することができる。

《固着方法》
(1)冷凍チャック
 また、上記発明の(a)工程において、被加工 板下面と支持基板上面とは氷層を介して固 されるようにしてもよい。
これによれば、被加工基板下面と支持基板上 面とを、氷層で固着する冷凍チャックにて固 着することができ、その後、氷層を融解する ことにより、簡単に固着状態を解除すること ができる。

(2)接着層
 また、上記発明の(a)工程において、被加工 板下面と支持基板上面とは接着層を介して 着されるようにしてもよい。
 ここで、接着層を形成する接着剤は、基板 を一旦接着した後に、溶剤を用いて溶解す ことにより、被加工基板を離脱できる材料 あればよい。具体的には、ポリイミドなど 熱可塑性樹脂を接着剤として用い、水、ア ンまたは水とアミンの混合溶液を溶剤とし 用いることができる。また、UV光により粘 力低下または剥離する粘着シートなどを用 て被加工基板を支持基板に接着し、UV光を照 射して被加工基板を支持基板から離脱するこ とができる。
 これによれば、被加工基板下面と支持基板 面とを、接着剤で固着することができ、そ 後、固着面に溶剤を与えることにより、簡 に固着状態を解除することができる。また 接着層により固着することにより、所定の 囲の被加工基板下面と支持基板上面とをく なく固着することができる。

《被加工基板》
 また、上記発明において、被加工基板がガ ス材であり、その板厚が0.01mm以上1mm以下で るのが望ましい。
 これによれば、被加工基板は、十分に薄い 厚であり、基板上面にレーザ照射したとき 基板下面に熱が伝達されるので、支持基板 被加工基板に固着することによって厚板基 に見立てたスクライブ加工モードを実現す ことができる。

《クラック形成装置》
 また、別の観点からなされた本発明のクラ ク形成装置は、レーザビーム照射機構と、 却機構と、レーザビーム照射機構と冷却機 とを被加工基板に対し相対的に移動させる 査機構とを備え、被加工基板の割断予定ラ ンに沿ってレーザビームのビームスポット 走査されるようにレーザビーム照射機構を 加工基板に対して相対移動させて被加工基 の上面を軟化点以下の温度で加熱し、次い ビームスポットが通過した軌跡に沿って冷 機構を相対移動させて前記基板を冷却する とにより割断予定ラインに沿ってクラック 形成する加工を行う脆性材料基板のクラッ 形成装置において、被加工基板が載置され 支持基板と、クラック形成前に被加工基板 下面を支持基板に固着し、クラック形成後 固着状態を解除する着脱手段とを備え、前 支持基板は被加工基板を固着した状態でレ ザビームが照射されたときに被加工基板の 面から下面に到達する熱を被加工基板の下 から熱伝導により伝達されるとともに、上 凸となる歪が冷却後の割断予定ライン近傍 生じるよう作用させる材料で形成されるよ にしている。

《作用》
a.支持基板
 本発明によれば、支持基板上に被加工基板 載置し、着脱手段により、被加工基板の下 を支持基板に固着する。支持基板は、被加 基板を固着した状態でレーザビームが照射 れたときに被加工基板の上面から下面に到 する熱を被加工基板の下面から熱伝導によ 伝達されるとともに、上に凸となる歪が冷 後の割断予定ライン近傍に生じるよう作用 せる材料で形成されるようにしてある。し がって、支持基板と被加工基板とが固着さ た合成基板により、厚板基板と類似の温度 布、応力分布を生じさせることができるよ になる。その結果、合成基板に対しスクラ ブ加工モードを成立させることができるよ になり、スクライブラインが形成されるよ になる。このとき、被加工基板について見 と、スクライブラインにより、被加工基板 実質的に縦割れによるフルカットが実現で ていることになる。そして、その後に着脱 段による固着状態を解除することにより、 割れ状態でフルカット加工された被加工基 を得ることができる。

b.支持基板の材質
 上記発明において、支持基板が被加工基板 実質的に同じ材質で形成されるようにして よい。
 これにより、被加工基板と支持基板とが、 質的に1つの厚板基板を構成することになる ので、厚板基板のスクライブ加工モードと等 価な割断モードが成立し、被加工基板につい ては縦割れによるフルカット加工を実現する ことができる。

c.冷凍チャック
 また、上記発明において、着脱手段は、支 基板と被加工基板との界面に氷層を形成し 固着状態にするとともに氷層を融解して固 状態を解除する冷凍チャックからなるよう してもよい。
 これによれば、冷凍チャックの温度の調整 より、簡単に基板の着脱を行うことができ 。なお、冷凍チャックの構成については、 に限定されないが、例えば、氷層の生成、 層の融解にペルチェ素子を用いることによ 、ペルチェ素子へ印加する電圧の極性を切 替えることで冷凍と融解とを切り替えるこ ができるので、簡単な装置構成にすること できる。

d.接着剤・溶剤
 また、上記発明において、着脱手段は、支 基板と被加工基板との界面に接着剤を供給 る接着剤供給機構と、支持基板と被加工基 との界面に接着剤を溶解する溶剤を供給す 溶剤供給機構とからなるようにしてもよい

 この場合、接着剤供給機構、溶剤供給機 は、それぞれ支持基板に形成された貫通孔 ら支持基板の表面上に接着剤、溶剤を供給 るようにしてもよい。

 また、上記発明において、着脱手段は、支 基板に形成された多数の小孔を介して被加 基板の下面を吸引することが可能な真空チ ックからなるようにしてもよい。
ここで、支持基板に形成される多数の小孔は 、加熱による被加工基板の反り返りが発生し て局所的に分離しないように、隣接する小孔 間の距離を小さくすることが必要である。例 えば多数の小孔を有する支持基板として、多 孔性セラミックのような多孔性部材を支持基 板として利用するようにして真空吸着するよ うにしてもよい。
 これによれば、支持基板に形成された多数 小孔による真空吸着により、被加工基板の 面全体を固着することができ、その後、吸 を停止することで固着を解除することがで るので、固着操作および分離操作を、簡単 切り換えることができる。

本発明の一実施形態である脆性材料基 の加工方法の工程を示す図。 被加工基板を支持基板に固着して、レ ザ照射および冷却を行ったときの応力状態 説明する模式図。 本発明の一実施形態であるクラック形 装置の概略構成を示す図。 本発明の他の一実施形態であるクラッ 形成装置の概略構成を示す図。 本発明の他の一実施形態であるクラッ 形成装置の概略構成を示す図。 厚板基板にレーザ照射および冷却を行 ことによりクラックを進展、進行させると の基板に生じる応力分布を説明するための 式図。 図6のA-A’断面、B-B’断面、C-C’断面で の応力分布を説明するための模式図。 薄板基板にレーザ照射および冷却を行 ことによりクラックを進展、進行させると の基板に生じる応力分布を説明するための 式図。 図8のD-D’断面、E-E’断面、F-F’断面で の応力分布を説明するための模式図。

符号の説明

1、2、3: クラック形成装置
11: 可動部
12: レーザ照射部
13: 冷却部
14: カッターホイール
15: レール
16: 駆動機構
21、31,41: 固定部
22、32、42: 支持基板
23、37、38、44: 弁
24: 水源
25: 水供給機構
26: ペルチェモジュール
27: 熱交換機構
28: 電源
29: 恒温槽
30、30a、30b: 制御部
33、34: 貫通孔
35: 接着剤供給流路
36: 溶剤供給流路
39: 接着剤収納容器
40: 溶剤収納容器
43: 吸引ノズル
45: 真空ポンプ
46: 吸引部

 以下、本発明の実施形態について図面を いて説明する。なお、本発明は、以下に説 するような実施形態に限定されるものでは く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々 態様が含まれることはいうまでもない。

〔加工方法〕
 最初に、本発明の加工方法について説明す 。図1は、本発明の一実施形態である脆性材 料基板の加工方法の工程を示す図である。

 まず、被加工基板GSとしての薄板基板と、 工治具としての支持基板GTとを用意する(図1( a))。
 この支持基板GTは、被加工基板GSに固着して おり、レーザビームを照射したときに、被加 工基板GSの上面から下面に到達した熱を、被 工基板GSの下面から熱伝導により伝達され とともに、被加工基板GSに、上に凸となる歪 が生じるよう作用させることができる材料、 すなわち被加工基板GSに縦割れ状態を誘発す ことができる材料が用いられる。

 具体的には、被加工基板GSがガラス製の 板基板(たとえば板厚が0.01~1.0mm)であるとき 支持基板GTに同じ材質であるガラス基板(た えば板厚が2mm)を用意することにより、実質 にガラス製の厚板基板と同様の熱分布、応 分布を実現できるようにする。なお、ここ いう「同じ材質」とは、ガラス、サファイ およびシリコンなどの一般的な名称によっ 判断される。例えば、メーカー、商品名ま は仕様の違いなどがあってもガラス材同士 あれば「同じ材質」に含まれる。

 なお、異なる材質の支持基板GTであって 、実質的に線膨張係数が被加工基板GSと同じ 材料や、熱伝導率が被加工基板GSと同じ材料 あれば、被加工基板GSに縦割れ状態を誘発 せることができる。

 また、支持基板GTは、被加工基板GSと同じ大 きさか、被加工基板GSよりも大面積であって 被加工基板GSの下面の所定の範囲が固着で るものを用いる。
 そして、支持基板GTの上面には、必要な場 に、被加工基板GSを固着するための媒体層M 設けておく。すなわち、冷凍チャックを利 する場合は水層を形成し、接着剤を利用す 場合は接着剤層を形成する。真空チャック 利用する場合は、媒体層Mは必要ない。見か 上、真空層が媒体層Mとして機能することに なる。

 なお、被加工基板GSと支持基板GTとを固着 させる所定の範囲は、レーザビームの照射に よる温熱が被加工基板GSから支持基板GTに伝 され、伝達された温熱により支持基板に生 た圧縮応力が被加工基板に作用するに十分 範囲である。従って、凍結させた水層や接 剤層である媒体層Mは、被加工基板GSから支 基板GTへの温熱の伝達および被加工基板GSと 持基板GTとの間の応力を伝達する。なお、 空チャックを用いる場合には、真空層によ て互いに固着された被加工基板GSと支持基板 GTとの接触によって温熱および応力が伝達さ る。

 被加工基板GSと支持基板GTとを固着させる 所定の範囲は、例えば、レーザビームが照射 される範囲の周囲に被加工基板GSの厚さに相 する幅を加えた範囲であればビーム照射に り与えられた温熱を支持基板に伝達するた に必要な範囲となる、またビームスポット 照射される範囲の周囲に被加工基板GSの厚 に相当する幅および支持基板GTの厚さに相当 する幅を加えた範囲であれば支持基板に伝達 された温熱により圧縮応力が生じる範囲を確 実に含む範囲となる。

 被加工基板GSと支持基板GTとを固着させる所 定の範囲が広いほど、レーザビームの照射に よって被加工基板に与えられる温熱が確実に 支持基板に伝達され、伝達された温熱による 圧縮応力を確実に被加工基板に作用させるこ とができる。一方、レーザビームの照射によ り被加工基板に過剰な温熱が与えられる場合 には、被加工基板GSと支持基板GTとを固着さ る所定の範囲がレーザビームの照射範囲よ も狭い場合もありえる。
上記被加工基板GSと支持基板GTとを固着させ 所定の範囲は、冷凍チャックを利用する場 は水層の形成範囲または水層を冷凍させる 囲、接着剤を利用する場合は接着剤層を形 させる範囲、真空チャックを形成する場合 真空層が形成される範囲である。なお、被 工基板GSの下面全体を支持基板GTに固着させ こととしてもよい。以下、被加工基板GSの 面全体を固着させることとして説明する。

 続いて、支持基板GTの上面と被加工基板GSの 下面全体とを、媒体層Mを介して固着するこ により、基板を張り合わせた合成基板GUにす る(図1(b))。
基板の固着に冷凍チャックを利用する場合は 、水層を冷凍し、氷層にすることにより固着 する。
 基板の固着に接着剤を利用する場合は、支 基板GT上に媒体層Mとして塗布した接着剤層 上に、被加工基板GSを載せて密着させる。 るいは、支持基板GTの下面から上面にかけて 接着剤を送り出すための貫通孔(不図示)を形 しておき、被加工基板GSを支持基板GTに載置 した状態で、貫通孔を介して支持基板GTと被 工基板GSとの界面に接着剤を供給するよう してもよい。
 基板の固着に真空チャックを利用する場合 、被加工基板GSの下面全面が被吸着面とな ようにするため、支持基板GTには多孔性セラ ミック基板を用いる。そして支持基板GTの上 被加工基板GSを載置し、真空ポンプを起動 せ、支持基板GTの多孔面を吸着面として被加 工基板GSを真空吸着する。

 続いて、合成基板GUの上面となる被加工基 GSに設定した割断予定ラインに沿って相対移 動させながら、レーザビームW1を照射し、そ 直後に冷媒W2の吹き付けを行う(図1(c))。
 このとき、合成基板GUには、実質的に厚板 板と等価な熱分布、応力分布を形成するこ ができるため、スクライブ加工モードによ 加工を行うことができる。すなわち、図2に すように、レーザビームW1による熱(温熱)の 影響により被加工基板GSの下面近傍から支持 板GTの内部に内部圧縮応力場Hinを形成し、 の領域に圧縮応力(破線矢印)が働くようにす る。また、レーザビームW1による加熱直後の 媒W2による冷却の影響により、被加工基板GS の上面から内部にかけては、引張応力(実線 印)が働くようにする。さらに被加工基板GS 上面には、上に凸となる撓みによる力(一点 線矢印)が引張応力と同じ方向に働くように する。

 これらの力の作用により、被加工基板GS は、撓みによる力と引張応力とにより、強 縦割れ状態が形成され、クラックCが形成さ る。このクラックCは、内部圧縮応力場Hinの 領域に到達するとそれ以上の進展が阻止され る。その結果、被加工基板GSの上面から内部 かけて、クラックCが形成され、さらにクラ ックCが進展して被加工基板GSの下面に達する ことで、縦割れによるフルカット加工がなさ れる。

 続いて、支持基板GTと被加工基板GSとの固着 状態を解除する(図1(d))。
基板の固着に冷凍チャックを利用している場 合は、熱を与えて氷層を融解することにより 固着状態を解除する。
 基板の固着に接着剤を利用している場合は 接着剤層を溶解するための溶剤を、界面に 給する。そのため、支持基板GTに溶剤を送 出す貫通孔(不図示)を形成しておき、この貫 通孔を介して支持基板GTと被加工基板との界 に溶剤を供給する。
基板の固着に真空チャックを利用している場 合は、真空ポンプを停止し、支持基板GTの吸 面(多孔面)に空気を送る。
 これにより、被加工基板GSを支持基板GTから 取り外すことにより、縦割れ状態で割断した 被加工基板GSを得ることができる。
 なお、上記の方法は被加工基板をフルカッ 加工する場合のみならず、スクライブ加工 る場合にも適用できる。厚板基板をスクラ ブ加工する場合と同様に、加熱条件や冷却 件などの加工条件を変更することにより、 成されるクラックの深さを調整することが きる。

 次に、上記脆性材料基板の加工方法による 板基板の割断を実現するためのクラック形 装置について図面を用いて説明する。
〔装置構成1:冷凍チャック〕
 図3は、本発明の一実施形態であるクラック 形成装置の概略構成を示す図である。本実施 形態では冷凍チャックによりガラス基板(被 工基板)を支持基板に固着する。本実施形態 は、支持基板22が、従来のクラック形成装 に被加工基板を載置するために設けられて るテーブルとしても機能するので、従来の ラック形成装置に設けられているテーブル 必要ない。本実施形態では、水平に保持さ たステージ(図3中では直線で簡略に表示)上 、熱交換機構27、ペルチェモジュール26、支 基板22及び被加工基板を載置した構成とし いるが、例えば、従来のクラック形成装置 設けられているようなテーブル上に熱交換 構27、ペルチェモジュール26、支持基板22及 被加工基板を載置する構成としてもよい。
 クラック形成装置1は、主に、レーザ照射や 冷媒吹付けを行う可動部11と、被加工基板50 支持する固定部21とから構成される。

 可動部11は、レーザビームのビームスポッ BSを照射するレーザ照射部12と、図示しない 媒源から供給される冷媒(水と空気、ヘリウ ムガス、N 2 ガス、CO 2 ガスなど)をノズルから噴射して冷却スポッ CPを形成する冷却部13と、初期亀裂TRを形成 るカッターホイール14とを一体に支持し、レ ール15に沿って被加工基板50の上を移動させ 駆動機構16とから構成される。
 ここで、ガラス基板の割断に用いるレーザ 射部12の光源には、CO 2 レーザ、COレーザ、遠赤外線レーザが用いら る(ここでいう遠赤外線レーザには、本来の 遠赤外線レーザの他に、レーザ光源ではない 遠赤外光源を用いて遠赤外波長の光をレンズ 光学系で収束させ、レーザビームによるビー ムスポットと同様にして照射する場合も含ま れるものとする)。なお、被加工基板の基板 料がサファイヤである場合には、CO 2 レーザ、遠赤外線レーザが用いられる。また 、基板材料がシリコン基板である場合には、 YAGレーザ、UVレーザが用いられる。

 固定部21は、被加工基板50の下面全体と接 した状態で支持する支持基板22と、弁23の開 制御により水源24から水を供給し、支持基板 22の上面を水層で覆う水供給機構25と、支持 板22の下面と接するペルチェモジュール26と ペルチェモジュール26の下面と接する熱交 機構27とからなり、これらによって固定部21 冷凍チャックとして機能するようにしてい 。

 支持基板22は、被加工基板50と同じ材質で あるガラス基板を用いている。支持基板22の さは、被加工基板50と支持基板22とを固着し 、レーザビームを照射したときに、内部圧縮 応力場が形成され、上述したような厚板基板 と等価な熱分布、応力分布を生じさせること ができる厚さにしてある。

 ペルチェモジュール26は、ペルチェ素子 内蔵し、ペルチェ素子には印加電圧の極性 切換が可能な電源28が接続されている。ペル チェ素子への電圧印加により支持基板22と被 工基板50の間の水層を冷凍して氷層にする ともに、極性を切り換えることにより、氷 を融解することができる。

 熱交換機構27は、恒温槽29と流路接続され 、水を循環することにより、ペルチェモジュ ール26の下面と熱交換を行う。これにより、 層を形成するときはペルチェモジュール26 下面から放出される温熱を吸収し、氷層を 解するときはペルチェモジュール26の下面に 温熱を与える。

 そして、制御部30により、予め設定した 御内容でレーザ照射部12、冷却部13、カッタ ホイール14、駆動機構16、弁23、電源28が制 される。すなわちレーザ照射部12、冷却部13 ついては、設定した出力でレーザを照射し 設定した流量で冷媒を吹き付ける。カッタ ホイール14については、設定した押圧力で 板端を押圧する。駆動機構16については、設 定した距離を移動する。弁23については、設 した量の水を供給する。電源28については 定した電圧を印加する。

 また、固定部21の支持基板22、ペルチェモ ジュール26、熱交換機構27は、図示しないス ージ(図3中では直線で簡略に表示)により二 元方向の位置調整ができるようにしてある

〔装置構成1の動作〕
 クラック形成装置1の動作を説明する。まず 、弁23を作動させて水供給機構25から水を供 し、支持基板22の上に水層を形成する。続い て、被加工基板50を支持基板22の上に載せ、 源28から電圧を印加し、水層を凍結して氷層 にする。これにより、被加工基板50が支持基 22に固着され、全体として厚板基板と等価 扱うことができる合成基板を形成する。

 この状態で、カッターホイール14を作動 て、被加工基板50の基板端に初期亀裂TRを形 する。続いて、レーザ照射部12、冷却部13を 作動させながら、被加工基板50に設定した割 予定ラインに沿って移動する。その結果、 れまで説明したように被加工基板50には強 縦割れ状態が生じ、クラックが形成されて 断される。

 続いて、電源28の極性を切り換え、氷層を 解して、被加工基板50と支持基板22とを分離 る。
 以上の動作により、端面品質が優れ、しか 直進性に優れた割断面が形成される。

〔装置構成2:接着剤〕
 図4は、本発明の他の一実施形態であるクラ ック形成装置の概略構成を示す図である。本 実施形態では接着剤を用いてガラス基板を支 持基板に固着する。本実施形態では、支持基 板32が、従来のクラック形成装置に被加工基 を載置するために設けられているテーブル しても機能するので、従来のクラック形成 置に設けられているテーブルは必要ない。 実施形態では、水平に支持されたステージ 側又はステージ内部に設けられた接着剤供 通路35又は溶剤供給通路36から供給される接 着剤及び溶剤を、ステージを介して又はステ ージ上面の接着剤供給通路35又は溶剤供給通 36の開口から支持基板32の貫通孔33、34に供 する構造としている。
 クラック形成装置2は、主に、レーザ照射や 冷媒吹付けを行う可動部11と、被加工基板50 支持する固定部31とから構成される。なお、 可動部11については、図3と同じものであるた め、同符号を付すことにより説明の一部を省 略する。

 固定部31は、被加工基板50の下面全体と接 した状態で支持する支持基板32と、支持基板3 2に形成された貫通孔33、34と、接着剤供給流 35、溶剤供給流路36、弁37、38、接着剤収納 器39、溶剤収納容器40とからなる。

 支持基板32は、被加工基板50と同じ材質で あるガラス基板を用いている。支持基板32の さは、被加工基板50と支持基板32とを固着し 、レーザビームを照射したときに、内部圧縮 応力場が形成され、上述したような厚板基板 と等価な熱分布、応力分布を生じさせること ができる厚さにしてある。

 支持基板32の貫通孔33は、接着剤供給流路 35と接続され、弁37の開閉操作により接着剤 被加工基板50と支持基板32との界面に送られ ようにしてある。また、貫通孔34は、溶剤 給流路36と接続され、弁38の開閉操作により 剤が被加工基板50と支持基板32との界面に送 られるようにしてある。

 そして、制御部30aにより、予め設定した 御内容でレーザ照射部12、冷却部13、カッタ ーホイール14、駆動機構16、弁37、38は制御さ る。すなわちレーザ照射部12、冷却部13につ いては、設定した出力でレーザを照射し、設 定した噴射量で冷媒を吹き付ける。カッター ホイール14については、設定した押圧力で基 端を押圧する。駆動機構16については、設 した距離を移動する。弁37、38については、 定した量の接着剤、溶剤を供給する。

 また、固定部31の支持基板32は、図示しな いステージ(図4中では直線で簡略に表示)によ り二次元方向の位置調整ができるようにして ある。

 クラック形成装置2の動作を説明する。ま ず、被加工基板50を支持基板32の上に載せ、 37を作動させて支持基板32と被加工基板50の 面に接着剤を供給する。このとき、被加工 板50の上面を図示しない押圧部材で支えるよ うにするのが望ましい。そして接着剤により 基板どうしが固着されるまで待つ。

 基板が固着すると、カッターホイール14 作動して、被加工基板50の基板端に初期亀裂 TRを形成する。続いて、レーザ照射部12、冷 部13を作動させながら、被加工基板50に設定 た割断予定ラインに沿って移動する。その 果、これまで説明したように被加工基板50 は強い縦割れ状態が生じ、クラックが形成 れて割断される。

 続いて、弁37を作動させて支持基板32と被加 工基板50の界面に溶剤を供給する。そして基 どうしが分離されるまで待つ。
以上の動作により、ガラス基板に対し、端面 品質が優れ、しかも直進性に優れた割断面の 加工を実現することができる。

〔装置構成3:真空チャック〕
 図5は、本発明の他の一実施形態であるクラ ック形成装置の概略構成を示す図である。本 実施形態では真空チャックによりガラス基板 を支持基板に固着する。本実施形態では、支 持基板42が、従来のクラック形成装置に被加 基板を載置するために設けられているテー ルとしても機能するので、従来のクラック 成装置に設けられているテーブルは必要な 。本実施形態では、水平に保持されたステ ジ(図5中には記載なし)上に、真空装置の平 状の吸引部46及び支持基板42を載置する構成 としているが、真空吸引機構を有する多孔テ ーブルを備えたクラック形成装置の場合には 、真空吸引機構を有する多孔テーブルを真空 装置の吸引部46として利用し、その上に支持 板42を固着させる構成としてもよい。
 クラック形成装置3は、主に、レーザ照射や 冷媒吹付けを行う可動部11と、被加工基板50 支持する固定部41とから構成される。なお、 可動部11については、図3、図4と同じもので るため同符号を付すことにより説明の一部 省略する。

 固定部41は、被加工基板50の下面全体と接 した状態で被加工基板50を支持する多孔性の 持基板42と、支持基板42を固定し、支持基板 42の下面から支持基板42の微細な孔を介して 加工基板50を吸引するための吸引ノズル43と 弁44と、真空ポンプ45とからなる。

 支持基板42は、多孔質セラミックを用い 。この多孔質セラミックは、被加工基板50と 支持基板42とを固着し、レーザビームを照射 たときに、内部圧縮応力場が形成され、上 したような厚板基板と等価な熱分布、応力 布を生じさせることができるものであれば い。例えば、被加工基板50がガラス基板の 合、支持基板42としてアルミナセラミックを 用いることができる。

 吸引ノズル43は、支持基板42と接する面に 、多数の孔が形成された金属製の中空容器で あり、弁44を介して真空ポンプ45に接続され 。

 そして、制御部30bにより、予め設定した 御内容でレーザ照射部12、冷却部13、カッタ ーホイール14、駆動機構16は制御される。す わちレーザ照射部12、冷却部13については、 定した出力でレーザを照射し、設定した風 で冷媒を吹き付ける。カッターホイール14 ついては、設定した押圧力で基板端を押圧 る。駆動機構16については、設定した距離を 移動する。

 また、固定部31の支持基板32は、図示しな いステージにより二次元方向の位置調整がで きるようにしてある。

 クラック形成装置3の動作を説明する。ま ず、被加工基板50を支持基板42の上に載せ、 44を開状態にして、被加工基板50を支持基板4 2に真空吸着する。

 被加工基板50が支持基板42に固着すると、 カッターホイール14を作動して、被加工基板5 0の基板端に初期亀裂TRを形成する。続いて、 レーザ照射部12、冷却部13を作動させながら 被加工基板50に設定した割断予定ラインに沿 って移動する。その結果、これまでに説明し たように被加工基板50には強い縦割れ状態が じ、クラックが形成されて割断される。

 続いて、弁44を閉状態にして、図示しない ーク弁を作動し、吸引ノズル43の内部を大気 圧状態に戻す。
 以上の動作により、ガラス基板に対し、端 品質が優れ、しかも直進性に優れた割断面 加工を実現することができる。

 なお、上述したクラック形成装置1、クラ ック形成装置2およびクラック形成装置3では レーザ照射部12、冷却部13およびカッターホ イール14が、固定された被加工基板50および 持基板(22、32,42)に対して移動可能に設けら ることとしたが、これに代えて、固定され レーザ照射部12、冷却部13およびカッターホ ール14に対して被加工基板50および支持基板 (22、32,42)を移動可能に設けることとしてもよ い。

 本発明は、ガラス基板等を割断加工する場 であって、端面品質の優れた加工が求めら 、また、直進性に優れた加工が求められる ラック形成装置に利用される。