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Title:
METHOD FOR PROCESSING FRAGILE MATERIAL SUBSTRATE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/128316
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a method for processing a fragile material substrate that enables to stably execute processes, such as complete cutting off of the substrate and forming of a deeper scribe line. A method for processing a fragile material substrate comprises a laser scribe step of relatively moving a beam spot by the first laser irradiation to heat the substrate, and cooling an immediate portion where the first beam spot has passed to form a scribe line; and a laser break step of relatively moving a second beam spot by the second laser irradiation along the scribe line and making the scribe line to penetrate further deeply or completely cutting off the scribe line. In the laser break process, a laser beam diameter incident on a polygonal mirror in the laser break step is adjusted to be smaller than an incident laser beam diameter in the laser scribe step, so that an energy distribution of the second beam spot is made to be top-hat type further than that of the first beam spot and is irradiated.

Inventors:
KUMAGAI TORU (JP)
HIRAUCHI YUSUKE (JP)
INOUE SHUICHI (JP)
YAMAMOTO KOJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/055061
Publication Date:
October 22, 2009
Filing Date:
March 16, 2009
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBOSHI DIAMOND IND CO LTD (JP)
KUMAGAI TORU (JP)
HIRAUCHI YUSUKE (JP)
INOUE SHUICHI (JP)
YAMAMOTO KOJI (JP)
International Classes:
B28D5/00; B23K26/00; B23K26/364; B23K26/38; C03B33/09
Foreign References:
JP2005288541A2005-10-20
JP2001130921A2001-05-15
Attorney, Agent or Firm:
KASHIMA, YOSHIO (JP)
KAJIMA Yoshio (JP)
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Claims:
 レーザ光源から出射されるレーザビームを、高速回転するポリゴンミラーで繰り返し反射して脆性材料基板にビームスポットが形成されるようにし、前記基板に設定したスクライブ予定ラインに沿って前記ビームスポットを相対移動することにより前記基板を加工する脆性材料基板の加工方法であって、
 第一回目のレーザ照射による第一ビームスポットをスクライブ予定ラインに沿って相対移動させて前記基板を加熱するとともに、第一ビームスポットが通過した直後の部位を冷却することにより、深さ方向に変化する応力勾配を発生して有限深さのスクライブラインを形成するレーザスクライブ工程と、
 第二回目のレーザ照射による第二ビームスポットを前記スクライブラインに沿って相対移動させ、前記スクライブラインをさらに深く浸透、または、完全分断させるレーザブレイク工程とからなり、
 レーザブレイク工程の際にポリゴンミラーに入射するレーザビーム径が、レーザスクライブ工程の際に入射するレーザビーム径よりも小さくなるように調整して照射する脆性材料基板の加工方法。
 レーザ光源とポリゴンミラーとの間のレーザビームの光路上に設けられた集光光学素子の位置を変更してポリゴンミラーに入射するレーザビーム径を調整する請求項1に記載の脆性材料基板の加工方法。
 レーザブレイク工程の際に、前記集光光学素子の焦点位置近傍にポリゴンミラーを近づけるように調整する請求項2に記載の脆性材料基板の加工方法。
 集光光学素子の位置とともに、ポリゴンミラーと基板との間の距離を同時に調整する請求項2または請求項3のいずれかに記載の脆性材料基板の加工方法。
Description:
脆性材料基板の加工方法

 本発明は、高速回転するポリゴンミラーで ーザビームを繰り返し反射することにより 質的に長軸方向を有するビームスポットを 性材料基板上に整形し、このビームスポッ を脆性材料基板上に設定したスクライブ予 ラインに沿って走査することにより、熱応 を利用してクラックを形成する脆性材料基 の加工方法に関する。
さらに詳細には、本発明は脆性材料基板に対 し、第一回目のビームスポットの走査を行う ことにより、有限深さのクラックからなるス クライブラインを形成し、続いて、第二回目 のビームスポットの走査を行うことにより、 このスクライブラインのクラックを深く浸透 (以後、クラックが深さ方向に進行すること 「浸透」という)させるか、あるいは完全に 断する脆性材料基板の加工方法に関する。
 ここで、脆性材料基板とは、ガラス基板、 結材料のセラミックス、単結晶シリコン、 導体ウエハ、サファイア基板、セラミック 板等をいう。

 高速回転するポリゴンミラーにレーザビー を照射し、ポリゴンミラーで反射されたレ ザビームを基板上に導くと、ポリゴンミラ の1つのミラー面によって反射されるレーザ ビームの走査軌跡の範囲が、高速で繰り返し 走査されるようになり、基板上には1つのミ ー面によって反射されるレーザビームの走 軌跡の範囲全体があたかも1つのビームスポ トであるように照射されるようになる。し がって、高速回転中のポリゴンミラーの1つ のミラー面によって基板上に形成される走査 軌跡の範囲全体を「ビームスポット」と呼ぶ こととする。
 脆性材料である半導体ウエハに対し、ポリ ンミラーとfθレンズとを用いてレーザビー を照射することにより楕円形のビームスポ トを整形し、このビームスポットを走査し 基板をアブレーションすると、基板表面に し斜めの加工面が形成されるようになる。 れを利用して、半導体ウエハ上で溝を形成 ようとする部分を、斜め方向(加工面の法線 方向)に気化させて蒸気形態で排出するよう したレーザ加工装置が開示されている(特許 献1)。アブレーションによる加工は、ビー スポットが通過した領域が溶融されるため 加工面が損傷してしまう。

 一方、ガラス基板に対し、楕円状に整形 たビームスポットを走査して基板を溶融温 (あるいは軟化温度)以下で加熱し、応力勾 を生じさせてクラックを形成するレーザス ライブ加工も利用されている(特許文献2、特 許文献3、特許文献4参照)。

 一般に、レーザスクライブ加工では、こ から分断しようとする仮想線(スクライブ予 定ラインという)を基板に設定する。そして クライブ予定ラインの始端となる基板端に カッターホイール等で初期亀裂(トリガ)を形 成し、ビームスポットおよび冷却スポット( 媒が噴射される領域)を初期亀裂の位置から クライブ予定ラインに沿って走査する。こ とき、スクライブ予定ライン近傍に発生し 温度分布に基づいて応力勾配が生じる結果 クラックが形成される。

 レーザスクライブ加工により形成されたク ックは、加工端面が美しく、優れた端面強 を有している。さらに、カッターホイール を用いた機械的加工によるクラックに比べ と、カレットの発生を低減させることがで る。
 そのため、フラットパネルディスプレイを じめ、ガラス基板等を分断することが必要 種々の製造工程等でレーザスクライブ加工 採用されている。

 ところで、溶融温度以下でビームスポット 走査することによって形成されるクラック
には、クラックの深さ方向の先端が基板の裏 面まで到達しない「有限深さのクラック」と 、クラックが基板の裏面まで到達し、基板を 一挙に分断する「貫通クラック」(例えば特 文献2参照)とがある。
 以後、前者の「有限深さのクラック」によ 形成される切筋をスクライブラインと呼び 後者の貫通クラックによる分断ラインをフ カットラインと呼ぶ。これらは異なるメカ ズムにより形成される。

 図14は有限深さのクラックが形成される カニズムを模式的に示した基板の断面図で る。すなわち先行するレーザ加熱により、 14(a)に示すように基板GAに圧縮応力HRが生じ 。続いて、加熱後の冷却により、図14(b)に示 すように基板表面に引張応力CRが生じる。こ とき熱の移動により基板内部に圧縮応力HR 移動し、内部応力場Hinが形成されている。 の結果、図14(c)に示すように、基板表面側に 引張応力CR、基板内部に圧縮応力HRが分布し 深さ方向の応力勾配が発生し、クラックCrが 形成される。

 上記メカニズムによってクラックCrが形 される条件では、基板内部に存在する圧縮 力場HinがクラックCrの深さ方向へのさらなる 浸透を阻止してしまうために、クラックCrは 板内部の圧縮応力場Hinの手前で停止し、原 的にクラックCrは有限深さとなる。そのた 、基板を完全に分断するには、クラックCrに よる有限深さのスクライブラインが形成され た後に、さらにブレイク処理を行わねばなら ない。その一方で、クラックCrによるスクラ ブラインの加工端面は非常に美しく(表面の 凹凸が小さく)、しかも直進性に優れており 加工端面として理想的な状態となっている

 図15は貫通クラックが形成されるメカニ ムを模式的に示した基板の斜視図(図15(a))と 面図(図15(b)である。すなわち初期亀裂TRの 置から走査されるレーザビームのビームス ットBSにより、基板表面に圧縮応力HRが生じ いる。同時に、ビームスポットBSの後方に る冷却スポットCSにより、基板表面に引張応 力CRが生じている。その結果、走査ライン上( スクライブ予定ラインL上)に前後方向の応力 配が形成され、この応力勾配により、走査 イン方向に沿って基板を左右に裂くような が働いて貫通クラックが形成され、基板が 断されるようになる。

 この「貫通クラック」が形成される場合 、ブレイク処理を行うことなく基板を分断( フルカット)することができる点で便利であ 、加工用途によってはこちらのメカニズム よる分断が望まれる場合もあるが、上述し スクライブラインの加工端面と比較すると フルカットラインの加工端面の直進性が損 われている場合があり、また、フルカット インの端面の美しさ(表面の凹凸)についても 上述したスクライブラインに比べると品質が 劣る。

 なお、レーザスクライブ加工によってスク イブラインが形成されるかフルカットライ が形成されるかは、加熱条件(レーザ波長、 照射時間、出力パワー、走査速度、ビームス ポット形状等)、冷却条件(冷媒温度、吹付量 吹付位置等)、基板の板厚等に依存する。
 一般に、ガラス基板の板厚が薄い場合は厚 場合に比べてフルカットラインになりやす 、スクライブラインを形成できる加工条件 プロセスウインドウが狭い。

 以上のことから、ガラス基板等に対し端 品質が優れた分断加工を行いたい場合には フルカットラインではなく、スクライブラ ンが形成されるメカニズムの加熱条件、冷 条件を選択してレーザスクライブ加工を行 、その後、ブレイク処理を行うようにして る。

 レーザスクライブ加工後に行うブレイク 理方法としては、ブレイクバー等をスクラ ブラインに押圧して曲げモーメントを加え 機械的なブレイク処理が利用されることが る。機械的なブレイク処理の場合、基板に きな曲げモーメントを加えるとカレットが じてしまうことがある。そのため、カレッ の発生を嫌う製造工程では、できるだけ深 スクライブラインを形成するようにして、 さな曲げモーメントを加えるだけでブレイ 処理ができるようにする必要がある。

 そこで、レーザスクライブ加工で形成した クライブラインに沿って、2度目のレーザ照 射を行い、有限深さのクラックをさらに深く 浸透させたり(この場合は再度ブレイク処理 行う)、クラックを裏面まで浸透させて分断 たりするレーザブレイク処理が行われてい (例えば特許文献2~特許文献4参照)。

特開2005-288541号公報

特開2001-130921号公報

特開2006-256944号公報

WO2003/008352号公報

 このように第一回目のレーザ照射によりス ライブラインを形成するレーザスクライブ 工を行い、続いて第二回目のレーザ照射に りレーザブレイク処理を行うことにより、 レットの発生を抑えた分断加工が可能にな 。
 しかしながら、レーザスクライブ加工、す わち第一回目のレーザ照射で形成するスク イブラインが浅いと、後のレーザブレイク 理によってクラックを基板裏面まで到達さ ることが困難になる。それゆえ、レーザブ イク処理で基板を完全に分断するには、レ ザスクライブ加工時に、深いスクライブラ ンを形成しておくことが好ましい。
 また、レーザブレイク処理で基板を完全分 しない場合であっても、レーザスクライブ 工において少しでも深いスクライブライン 形成しておく方が、後のレーザブレイク処 でさらに深いスクライブラインにすること 簡単にできるようになるので望ましい。

 ところで、レーザスクライブ加工により 従来よりも深いスクライブラインを形成し うとすると、これまでスクライブラインを 成していたときの加熱条件や冷却条件を変 する必要がある。具体的には、レーザ出力 高めて加熱による入熱量を増大したり、冷 時の冷媒吹き付け量を増大したりして、こ までより深さ方向の温度差が生じやすい過 な条件にして、基板に発生する深さ方向の 力勾配を大きくする必要がある。

 しかしながら、従来のレーザスクライブ 工の加工手順のまま、応力勾配を大きくす ような加熱条件、冷却条件に移行しようと ると、1回目のレーザ照射で深いスクライブ ラインを形成することができず、代わりにク ラックが基板を貫通してしまい(貫通クラッ が形成されるメカニズムに移行)、フルカッ ラインが形成されることになった。すなわ 、レーザスクライブ加工の際の加熱条件や 却条件を適切に選ぶことで、浅いスクライ ラインは比較的容易に形成できるが、深い クライブラインを形成しようとして、加熱 件や冷却条件をこれまで使用していた条件 ら少し過激な条件に変更しようとしても、 定可能な加熱条件や冷却条件の範囲が存在 ないか、存在したとしても設定可能な範囲( プロセスウインドウ)が狭くて不安定となり いきなりフルカットラインが形成されてし う条件に移行してしまい、思い通りの深い クライブラインを形成することが困難であ た。

 さらに、フルカットラインに移行してしま 問題とは別に、「先走り」現象が発生しや くなる問題も生じる。「先走り」とは、図1 6に示すように、スクライブ予定ラインLの始 近傍において、始端に形成された初期亀裂T RがビームスポットBSによって加熱された際に 、ビームスポットBSによる加熱領域を起点に ームスポットの前方に向けて制御できない 向にクラックKが形成される現象である。「 先走り」が発生すると、スクライブ予定ライ ンLに沿ったスクライブラインを形成するこ ができなくなり、スクライブラインの直進 が著しく損なわれてしまう。
 第一回目のレーザ照射を行うレーザスクラ ブ加工において、深いスクライブラインを 成しようとして、加熱条件や冷却条件をこ までよりも過激な加熱条件や冷却条件にシ トさせた場合に、このような「先走り」の 生する頻度が高まる。

 そこで、本発明は、レーザスクライブ加工 より基板にスクライブラインを形成し、続 てレーザブレイク処理を行って基板を完全 断したり、より深いスクライブラインを形 したりする加工を、安定して実行できる脆 材料基板の加工方法を提供することを目的 する。
 また、「先走り」現象を発生させることな 、深いスクライブラインを形成したり、完 分断したりすることができる基板の加工方 を提供することを目的とする。
 また、加工端面の端面品質が優れた分断加 を安定して行える脆性材料基板の加工方法 提供することを目的とする。
 さらに、本発明はポリゴンミラーを利用し レーザスポットを形成し、このレーザスポ トを走査してレーザブレイクを行う際に、 リゴンミラーを利用してレーザスポットの ネルギー分布を調整することができるよう し、エネルギー分布の調整により、安定し レーザブレイクが可能な加工方法を提供す ことを目的とする。

 上記課題を解決するためになされた本発明 脆性材料基板の加工方法は、レーザ光源か 出射されるレーザビームを、高速回転する リゴンミラーで繰り返し反射して脆性材料 板にビームスポットが形成されるようにし 基板に設定したスクライブ予定ラインに沿 て、このビームスポットを相対移動するこ により基板を加工する脆性材料基板の加工 法であって、以下の手順を行う。
 まず、第一回目のレーザ照射による第一ビ ムスポットをスクライブ予定ラインに沿っ 相対移動させて前記基板を加熱するととも 、第一ビームスポットが通過した直後の部 に冷媒を吹き付けて冷却することにより、 さ方向に変化する応力勾配を発生して有限 さのクラックからなるスクライブラインを 成するレーザスクライブ工程を行う。ただ 、基板が溶融してしまうと応力を利用した 工ができなくなるので、基板が溶融しない うに加熱温度は常に基板の軟化温度未満に る。
 これにより、スクライブ予定ラインには、 さ方向に変化する応力勾配(第一応力勾配と いう)が発生する。第一応力勾配は基板表面 に引張応力、基板内部側に圧縮応力が分布 ている応力勾配である。この第一応力勾配 利用して有限深さのクラックからなるスク イブラインを形成する。
 続いて、第二回目のレーザ照射による第二 ームスポットをスクライブライン(有限深さ のクラック)に沿って相対移動させてレーザ レイク工程を行う。このとき、ポリゴンミ ーに入射するレーザビーム径が、レーザス ライブ工程の際に入射するレーザビーム径 りも小さくなるように調整する。この調整 、具体的にはレーザビームのビーム径自体 小さくしてもよいし、光路上にビーム径を 整する機構を設けてもよい。この調整によ 、ポリゴンミラーに照射されるレーザビー がポリゴンミラーの1つのミラー面のみに照 されているときの割合が増加し、隣接する2 つのミラー面で分割された状態で照射される ときの割合が減少するようになり、その結果 、第二ビームスポットのエネルギー分布はエ ネルギーが増減する両端の領域が短くなり、 第二ビームスポット全体の長さが第一ビーム スポット全体の長さより短くなるとともに、 エネルギーが均一な中央部の領域が長いトッ プハット型のエネルギー分布になる(図11で詳 述する)。なお、ここでいう「トップハット のエネルギー分布」とは、ビームスポット 中央部のエネルギーが略均一で、ビームス ットの両端の領域でエネルギーが変化する ネルギー分布をいう。
 第二ビームスポットのエネルギー分布をこ ように変化させることにより、単位時間あ りの入熱量を増やすことができ、基板の表 を集中して加熱することができ、基板表層 高温領域が形成される。その結果、レーザ クライブ加工のときの深さ方向に変化する 力勾配(第一応力勾配)とは深さ方向に逆向 に変化する応力勾配(第二応力勾配)が形成さ れるようになる。すなわち、基板表面に圧縮 応力が発生し、その反作用として基板内部に 引張応力が形成される。基板内部にはスクラ イブラインを形成するクラックの先端が存在 しているが、このクラック先端に引張り応力 が集中して加わるようになるため、クラック 先端がより深く浸透するようになり、基板裏 面に達すると完全分断されるようになる。

 本発明によれば、フルカットラインが形成 れることなく、また、「先走り」現象を発 させることなく、レーザスクライブ工程に り基板にスクライブライン(有限深さのクラ ック)を形成し、続いてレーザブレイク処理 行って基板を完全分断したり、より深いス ライブラインを形成したりする加工を実行 ることができるプロセスウインドウを拡大 ることができ、安定した加工を実現できる
 また、加工端面の端面品質が優れた分断加 を安定して行うことができる。さらに、本 明によれば、ポリゴンミラーを利用してビ ムスポットを形成し、このビームスポット 走査してレーザブレイクを行う際に、ポリ ンミラーを利用してビームスポットのエネ ギー分布を調整することができる。これを 用して安定したレーザブレイクが可能にな 。

(その他の課題を解決するための手段及び効 )
 上記発明において、レーザ光源とポリゴン ラーとの間のレーザビームの光路上に設け れた集光光学素子の位置を変更し、ポリゴ ミラーに入射するレーザビーム径を調整す ようにしてもよい。
 ここで集光光学素子としては、集光レンズ( 例えばメニスカスレンズ)、集光鏡を用いる とができる。
 これによれば、集光光学素子を光路方向に 行移動するだけでレーザビーム径を調整す ことができ、エネルギー分布をエネルギー 均一な中央部の領域が長いトップハット型 する調整が簡単に実現できる。

 上記発明において、レーザブレイク工程の に、集光光学素子の焦点距離近傍にポリゴ ミラーを近づけるように調整するようにし もよい。
 これによれば、焦点距離近傍に近づくにつ て、レーザビーム径が小さくなるので、ポ ゴンミラーを理想的なトップハット型に近 けることができるようになる。

 上記発明において、集光光学素子の位置と もに、ポリゴンミラーと基板との間の距離 同時に調整するようにしてもよい。
 これにより、エネルギー分布をトップハッ 型にするとともに、ビームスポットの長手 向の長さなどのビーム形状についても調整 ることができるので、単位時間あたりの入 量とともに入熱領域も調整できるようにな 、レーザブレイクのプロセスウインドウを らに広げることができる。

本発明の基板加工方法を実施する際に いられる基板加工装置の一例の概略構成図 図1の基板加工装置の制御系を示すブロ ック図。 光路調整機構14の動作例を示す図。 ビーム径が大きい場合のポリゴンミラ の回転角度とレーザビームの光路およびビ ムスポットとの関係を示す図(1つのミラー の始端近傍に照射される場合)。 ビーム径が大きい場合のポリゴンミラ の回転角度とレーザビームの光路およびビ ムスポットとの関係を示す図(1つのミラー の中央に照射される場合)。 ビーム径が大きい場合のポリゴンミラ の回転角度とレーザビームの光路およびビ ムスポットとの関係を示す図(1つのミラー の終端近傍に照射される場合)。 ビーム径が小さい場合において、高速 転するミラー面に照射されるレーザビーム 断面形状の経時変化と、ミラー面によって ラス基板Gに照射されるビームスポットのエ ネルギー分布との関係を示す図。 ビーム径が小さい場合のポリゴンミラ の回転角度とレーザビームの光路およびビ ムスポットとの関係を示す図(1つのミラー の始端近傍に照射される場合)。 ビーム径が小さい場合のポリゴンミラ の回転角度とレーザビームの光路およびビ ムスポットとの関係を示す図(1つのミラー の中央に照射される場合)。 ビーム径が小さい場合のポリゴンミラ ーの回転角度とレーザビームの光路およびビ ームスポットとの関係を示す図(1つのミラー の終端近傍に照射される場合)。 ビーム径が小さい場合において、高速 回転するミラー面に照射されるレーザビーム の断面形状の経時変化と、ミラー面によって ガラス基板Gに照射されるビームスポットの ネルギー分布との関係を示す図。 レーザブレイク工程の際に形成しよう とする応力勾配を模式的に示した断面図。 本発明の基板加工方法による加工手順 のフローチャート。 有限深さのクラックが形成されるメカ ニズムを模式的に示した断面図。 フルカットラインが形成されるメカニ ズムを模式的に示した斜視図および平面図。 基板端で生じる先走り現象を示す図。

符号の説明

2 スライドテーブル
7 台座
12 回転テーブル
13 レーザ装置
16 冷却ノズル
17 昇降機構
18 カッターホイール
31 メニスカスレンズ
32 反射ミラー
33 ポリゴンミラー
G ガラス基板(脆性材料基板)
Cr クラック
Tr 初期亀裂

(装置構成)
 以下、本発明の実施形態を図面に基づいて 明する。
 最初に、本発明の加工方法を実施する際に いる基板加工装置の一例について説明する 図1は本発明の一実施形態であるレーザ分断 装置LC1の概略構成図である。図2は図1のレー 分断装置LC1における制御系の構成を示すブ ック図である。

 まず、図1に基づいて、レーザ分断装置LC1の 全体構成について説明する。
 水平な架台1上に平行に配置された一対のガ イドレール3、4に沿って、図1の紙面前後方向 (以下Y方向という)に往復移動するスライドテ ーブル2が設けられている。両ガイドレール3, 4の間に、スクリューネジ5が前後方向に沿っ 配置され、このスクリューネジ5に、前記ス ライドテーブル2に固定されたステー6が螺合 れており、スクリューネジ5をモータ(図示 )によって正、逆転することにより、スライ テーブル2がガイドレール3,4に沿ってY方向 往復移動するように形成されている。

 スライドテーブル2上に、水平な台座7が イドレール8に沿って、図1の左右方向(以下X 向という)に往復移動するように配置されて いる。台座7に固定されたステー10に、モータ 9によって回転するスクリューネジ10aが貫通 合されており、スクリューネジ10aが正、逆 することにより、台座7がガイドレール8に沿 って、X方向に往復移動する。

 台座7上には、回転機構11によって回転す 回転テーブル12が設けられており、この回 テーブル12に、切断対象の脆性材料基板であ るガラス基板Gが水平な状態で取り付けられ 。回転機構11は、回転テーブル12を、垂直な の周りで回転させるようになっており、基 位置に対して任意の回転角度になるように 転できるように形成されている。ガラス基 Gは、例えば吸引チャックによって回転テー ブル12に固定される。

 回転テーブル12の上方には、レーザ発振 13と光路調整機構14とが取付フレーム15に保 されている。光路調整機構14は、レーザ発振 器13から出射するレーザ光の光路を調整する めの光路調整素子群14a(メニスカスレンズ31 反射ミラー32、ポリゴンミラー33)と、光路 整素子群14aの位置を移動するモータ群14b(モ タ34~36)と、光路調整素子群14aとモータ群14b を連結するアーム群14c(アーム37~39)とからな る。メニスカスレンズレンズ31はアーム37を して昇降モータ34に接続され上下方向の位置 が調整できるようにしてある。また、反射ミ ラー32はアーム38を介して昇降モータ35に接続 され上下方向の位置が調整できるようにして ある。また、ポリゴンミラー33はアーム39を して昇降モータ36に接続され上下方向の位置 が調整できるようにしてある。

 レーザ発振器13から出射されたレーザビ ムは、これらの光路調整素子群14aを通過す ことによって、所望の断面形状を有するビ ム束が形成され、基板Gの上にビームスポッ として照射される。本実施形態では円形の ーザビームが出射され、メニスカスレンズ3 1でビーム径が調整され、ポリゴンミラー33で 走査されることにより、実質的に楕円形状の レーザスポットLS(図2)がガラス基板G上に形成 される。そして光路調整素子群14aを調整する ことにより、1回目レーザ照射(レーザスクラ ブ工程)の際に用いる第1ビームスポット、2 目レーザ照射(レーザブレイク工程)の際に いる第2ビームスポットスポットを切り換え ようにする。

 なお、調整の際に、反射ミラー32とポリ ンミラー33とを独立に調整することで、細か い調整が可能になるが、その反面、調整作業 が複雑になる。そのため、反射ミラー32とポ ゴンミラー33とを一体に移動するようにし 調整作業を簡素化するようにしてもよい。 体的には、反射ミラー32とポリゴンミラー33 を連動させて移動することで基板Gとポリゴ ンミラー33との間の距離調整を行い、メニス スレンズ31を移動してメニスカスレンズ31と ポリゴンミラー33との距離調整を行うように てもよい。

 取付フレーム15には、光路調整機構14に近 接して、冷却ノズル16が設けられている。こ 冷却ノズル16からは、冷却水、Heガス、炭酸 ガス等の冷却媒体がガラス基板Gに噴射され ようにしてある。冷却媒体は、ガラス基板G 照射された楕円形状のレーザスポットLSの 傍に吹き付けられて、ガラス基板Gの表面に 却スポットCS(図2)を形成する。

 取付フレーム15には、カッターホイール18 が、上下移動調節機構17を介して取り付けら ている。このカッターホイール18は、焼結 イヤモンドまたは超硬合金を材料とし、外 面に頂点を刃先とするV字形の稜線部を備え ものであって、ガラス基板Gへの圧接力が上 下移動調節機構17によって微細に調整できる うになっている。カッターホイール18は、 ら、ガラス基板Gの端縁に初期亀裂TR(図2)を 成するときに、台座7をX方向に移動しつつ一 時的に下降するようにして用いる。

 また、取付フレーム15の上方に、一対の メラ20、21が固定してあり、基板Gに刻印して ある位置決め用マーカを映し出すことができ るようにしてある。

 続いて、図2に基づいて制御系を説明する 。レーザ分断装置LC1は、メモリに記憶された 制御パラメータおよびプログラム(ソフトウ ア)とCPUとにより、各種処理を実行する制御 50を備えている。この制御部50は、スライド テーブル2、台座7、回転テーブル12の位置決 や移動を行うためのモータ(モータ9等)を駆 するテーブル駆動部51、レーザ照射を行うレ ーザ駆動部52(レーザ発振器13を駆動するレー 光源駆動部52a、光路調整素子群14a用のモー 群14bを駆動する光路調整機構駆動部52bを含 )、冷却ノズル16による冷媒噴射を制御する 閉弁(不図示)を駆動するノズル駆動部53、カ ッターホイール18および上下移動調節機構17 よりガラス基板Gに初期亀裂を形成するカッ ー駆動部54、カメラ20、21により基板Gに刻印 してある位置決め用マーカを映し出すカメラ 駆動部55の各駆動系を制御する。また、制御 50は、キーボード、マウスなどからなる入 部56、および、表示画面上に各種表示を行う 表示部57が接続され、必要な情報が画面に表 されるとともに、必要な指令や設定が入力 きるようにしてある。

 また、制御部50は、テーブル駆動部51、レー ザ駆動部52(レーザ光源駆動部52a、光路調整機 構駆動部52b)、ノズル駆動部53、カッター駆動 部54を総合的に駆動してガラス基板Gの加工を 行う加工制御部58を備えており、この加工制 部58により、1回目レーザ照射、冷却、2回目 レーザ照射の手順によるレーザ加工が実行さ れる。
 具体的には、加工制御部58が、まずカッタ 駆動部54とテーブル駆動部51とを制御して、 ッターホイール18を下降した状態で基板Gを 動し、これにより初期亀裂TRを形成する処 が行われる。続いてテーブル駆動部51、レー ザ駆動部52、ノズル駆動部53を制御して、レ ザビーム(第1ビームスポット)を照射すると もに冷媒を噴射した状態で基板Gを移動する これにより1回目レーザ照射および冷却を行 い、基板に有限深さのクラックからなるスク ライブラインを形成する処理が行われる。続 いてテーブル駆動部51、レーザ駆動部52を制 して、レーザビーム(第2ビームスポット)を 射した状態で基板Gを移動する。これにより2 回目レーザ照射を行い、クラックを浸透させ る処理(あるいは完全分断させる処理)が行わ る。

(光路調整動作)
 次に、加工制御部58が光路調整機構14(光路 整素子群14a、モータ群14b、アーム群14c)を制 することにより行われる光路調整について 明する。
 図3は光路調整機構14の動作例を示す図であ 、具体的には、メニスカスレンズ31の上下 動により、ポリゴンミラー33のミラー面に照 射するビーム径を変化させて、基板Gに照射 れるビームスポットのエネルギー分布を変 させる動作を説明する図である。

 レーザ光源13から出射される円形断面の ーザビームLB0の進行方向は鉛直下方に向け あり、レーザビームLB0はメニスカスレンズ31 に入射する。メニスカスレンズ31を通過した ーザビームLB1は集光されながらさらに鉛直 向に進行し、反射ミラー32に入射する。こ とき反射ミラー32の反射面に45度の入射角度 入射するとともに、45度の反射角度で出射 るように反射ミラー32の取付角度が調整して あり、反射ミラー32で反射したレーザビームL B2は、水平方向に進行する。

 水平方向に進行するレーザビームLB2は回 中のポリゴンミラー33に入射する。このと 、メニスカスレンズ31とポリゴンミラー33と 間の距離に応じて、ポリゴンミラーのミラ 面に照射されるビーム径が変化するように る。

 図4~図6はポリゴンミラー33のミラー面に照 されるビーム径が比較的大きい場合のポリ ンミラーの回転角度とレーザビームの光路 よびビームスポットとの関係を示す図であ 。
 この状態のビーム径は、メニスカスレンズ3 1を反射ミラー32に近づけ、メニスカスレンズ 31の焦点がポリゴンミラー33のミラー面より 基板G側になるように調整したときに実現さ る。そしてこの状態のビーム径は、レーザ クライブ工程の際に用いられる。

 図4(a)において、時計方向に回転中のポリゴ ンミラー33における2つのミラー面M0とM1に注 する。ミラー面M0は、直前までレーザビーム LB2が照射されていたミラー面である。回転が 進み、レーザビームLB2のミラー面M0への照射 まもなく終了する時点になると、ミラー面M 0の終端と次のミラー面M1の始端とにレーザビ ームLB2が分割されて同時に照射されるように なる。図4(c)はミラー面M0に照射されるレーザ ビームLB2の断面形状を示す図である。また、 図4(d)はミラー面M1に照射されるレーザビーム LB2の断面形状を示す図である。
 分割されたレーザビームの断面の面積比に じて、ミラー面M0、M1に照射されるレーザビ ームのエネルギーが分配されるようになる。 このときミラー面M0側で反射されたレーザビ ムLB3aはガラス基板GのビームスポットLS1の 置の左端部分を照射するようになり、この 分にエネルギーを与える。一方、ミラー面M1 側で反射されたレーザビームLB3bはビームス ットLS1の位置の右端部分を照射するように り、この部分にエネルギーを与える。

 図4(b)は基板GのビームスポットLS1の位置 照射されるエネルギー分布である。すなわ 、レーザビームLB3a、LB3bに分割されて照射さ れるため、基板Gに与えられるエネルギーも2 に分割され、ビームスポットLS1の両端はそ ぞれ分割比に対応したエネルギーで加熱さ ることになる。

 図5(a)はさらに回転が進み、ミラー面M1の 央部分にレーザビームLB2が照射されるよう なった状態である。この時点では、1つのミ ラー面M1だけに円形断面のレーザビームLB2が 射されるようになる。図5(c)はミラー面M1に 射されるレーザビームLB2の断面形状を示す である。レーザビームLB2が有する円形断面 ビームがそのまま照射されている。このと ミラー面M1で反射されたレーザビームLB3cは ームスポットLS1の位置の中央を照射し、こ 部分に全エネルギーを与える。

 図5(b)は基板GのビームスポットLS1の位置 照射されるエネルギー分布である。ビーム ポットLS1の位置の中央部分にエネルギーが えられ、この部分が集中的に加熱される。

 図6はさらに回転が進み、ミラー面M1の終端 次のミラー面M2の始端とにレーザビームLB2 分割されて同時に照射された状態である。 6(c)はミラー面M1に照射されるレーザビームLB 2の断面形状を示す図である。また、図6(d)は ラー面M2に照射されるレーザビームLB2の断 形状を示す図である。
 図4のときと同様に、分割されたレーザビー ムの断面の面積比に応じて、ミラー面M1、M2 照射されるレーザビームのエネルギーが分 されるようになる。このときミラー面M1側で 反射されたレーザビームLB3dはガラス基板Gの ームスポットLS1の位置の左端部分を照射し この部分にエネルギーを与える。ミラー面M 2側で反射されたレーザビームLB3eはビームス ットLS1の位置の右端部分を照射するように り、この部分にエネルギーを与える。

 図6(b)は基板GのビームスポットLS1の位置 照射されるエネルギー分布である。基板Gに 射されるエネルギーは2つに分配され、ビー ムスポットLS1の両端はそれぞれ分割比に対応 したエネルギーで加熱されることになる。

 そして、高速回転するポリゴンミラー33 よって図4から図6までのレーザ照射が繰り返 されることにより、図4(b)、図5(b)、図6(b)で示 したエネルギー分布が足し合わされたエネル ギー分布を有するビームスポットLS1が形成さ れるようになる。

 図7は高速回転するミラー面M1に照射される ーザビームLB2の断面形状の経時変化とミラ 面M1によってガラス基板Gに照射されるビー スポットLS1のエネルギー分布との関係を示 図である。
 図7(a)に示すように、ミラー面M1に照射され レーザビームLB2の断面は、回転が進むにつ て変化する。
 すなわち、ミラー面M1の始端(ミラー面M0と 境界)がレーザビームLB2の照射範囲を通過す 期間には、ミラー面M1に照射されるレーザ ームLB2の断面形状は、円形断面の一部が欠 た形状であり、この間は断面積が次第に増 する。その後は、ミラー面M1に照射されるレ ーザビームLB2の断面形状は、円形断面となり 、ミラー面M1の終端(ミラー面M2との境界)がレ ーザビームLB2の照射範囲に入るまでは円形断 面が続く。そしてミラー面M1の終端が、レー ビームLB2の照射範囲を通過する期間には、 ラー面M1に照射されるレーザビームLB2の断 形状は、再び円形断面の一部が欠けた断面 状となり、断面積が次第に減少する。

 このような断面積の変化に対応して、ミ ー面M1により基板G上に形成されるビームス ットLS1のエネルギー分布が変化する。エネ ギー分布を図7(b)に示す。ビームスポットLS1 のエネルギー分布は、中央部のエネルギーが 均一であり(トップハット型)、その両端がな らかに変化するエネルギー分布となる。両 のなだらかな部分の幅は、レーザビームLB2 照射範囲をミラー面M1の始端または終端が 過する期間に、ミラー面M1によって反射され たレーザビームが基板G上に照射された範囲 相当する。したがって、レーザビームLB2の ーム径が大きくなるにつれてビームスポッ LS1の両端のエネルギー分布がなだらかに変 する部分の幅が広くなる。そして回転する リゴンミラー33の各ミラー面によって、図7(b )のエネルギー分布を有する照射が繰り返さ る。

 次に、ミラー面に照射されるビーム径が小 い場合について説明する。図8~図10はミラー 面に照射されるレーザビームLB2のビーム径が 比較的小さい場合のポリゴンミラーの回転角 度とレーザビームの光路およびビームスポッ トとの関係を示す図である。
 この状態のビーム径は、メニスカスレンズ3 1の焦点がポリゴンミラー33のミラー面M1の近 にくるようにメニスカスレンズ31の位置を 整したときに実現される。そしてこの状態 ビーム径はレーザブレイク工程の際に用い れる。

 図8(a)において、図4(a)と同様に、時計方 に回転中のポリゴンミラー33における2つの ラー面M0とM1に注目する。ミラー面M0は、直 までレーザビームLB2が照射されていたミラ 面である。回転が進み、レーザビームLB2の ラー面M0への照射がまもなく終了する時点に なると、ミラー面M0の終端と次のミラー面M1 始端とにレーザビームLB2が分割されて同時 照射されるようになる。図8(c)はミラー面M0 照射されるレーザビームLB2の断面形状を示 図である。また、図8(d)はミラー面M1に照射 れるレーザビームLB2の断面形状である。ビ ム径が小さいために、2つのミラー面M0、M1が 同時に照射される範囲(始端、終端からビー 径までの範囲)は、図4の場合に比べて狭くな る。

 ミラー面M0、M1に照射されるレーザビーム のエネルギーは、図4と同様に、分割された ームの面積比に応じて分配されるようにな 。このときミラー面M0側で反射されたレーザ ビームLB3aはガラス基板GのビームスポットLS1 位置の左端部分を照射し、この部分にエネ ギーを与える。一方、ミラー面M1側で反射 れたレーザビームLB3bはビームスポットLS1の 置の右端部分を照射し、この部分にエネル ーを与える。

 図8(b)は基板GのビームスポットLS1の位置 照射されるエネルギー分布である。すなわ 、レーザビームLB3a、LB3bに分割されて照射さ れるため、基板Gに照射されるエネルギーも2 に分配され、ビームスポットLS1の両端はそ ぞれ分割比に対応したエネルギーで加熱さ ることになる。

 図9(a)はさらに回転が進み、ミラー面M1の中 部分にレーザビームLB2が照射されるように った状態である。
 この時点では、1つのミラー面M1だけに円形 面のレーザビームLB2が照射されるようにな 。図9(c)はミラー面M1に照射されるレーザビ ムLB2の断面形状を示す図である。レーザビ ムLB2が有する円形断面のビームがそのまま 射されている。このときミラー面M1で反射 れたレーザビームLB3cはビームスポットLS1の 置の中央を照射し、この部分に全エネルギ を与える。

 図9(b)は、このとき基板Gのビームスポッ LS1の位置に照射されるエネルギー分布であ 。ビームスポットLS1の位置の中央部分にエ ルギーが与えられ、この部分が集中的に加 される。

 図10はさらに回転が進み、ミラー面M1の終端 と次のミラー面M2の始端とにレーザビームLB2 分割されて同時に照射された状態である。 10(c)はミラー面M1に照射されるレーザビーム LB2の断面形状を示す図である。また、図10(d) ミラー面M2に照射されるレーザビームLB2の 面形状を示す図である。
 図6と同様に、分割されたレーザビームの断 面の面積比に応じて、ミラー面M1、M2に照射 れるレーザビームのエネルギーが分配され ようになる。このときミラー面M1側で反射さ れたレーザビームLB3dはガラス基板Gのビーム ポットLS1の位置の左端部分を照射し、この 分にエネルギーを与える。ミラー面M2側で 射されたレーザビームLB3eはビームスポットL S1の位置の右端部分を照射するようになり、 の部分にエネルギーを与える。

 図10(b)はこのとき基板GのビームスポットL S1の位置に照射されるエネルギー分布である 基板Gに照射されるエネルギーは2つに分配 れ、ビームスポットLS1の両端はそれぞれ分 比に対応したエネルギーで加熱されること なる。

 そして、高速回転するポリゴンミラー33 よって図8から図10までのレーザ照射が繰り されることにより、図8(b)、図9(b)、図10(b)で したエネルギー分布が足し合わされたエネ ギー分布を有するビームスポットLS1が形成 れるようになる。

 図11は高速回転するミラー面M1に照射され るレーザビームLB2の断面形状の経時変化とミ ラー面M1によってガラス基板Gに照射されるビ ームスポットLS1のエネルギー分布との関係を 示す図である。

 ミラー面M1に照射されるレーザビームLB2 ビーム径が小さいため、図11(a)に示すように 、図7(a)で示したビーム径が大きい場合に比 て照射される断面積が全体的に小さくなる 、エネルギー密度は高くなっている。さら 、図11(a)に示すように、ミラー面M1に照射さ るレーザビームLB2の断面は回転が進むにつ て変化する。すなわち、図7(a)と同様に、ミ ラー面M1の始端(ミラー面M0との境界)がレーザ ビームLB2の照射範囲を通過する期間、および 、ミラー面M1の終端(ミラー面M2との境界)がレ ーザビームLB2の照射範囲を通過する期間につ いては、ミラー面M1に照射されるレーザビー LB2の断面は、円形断面の一部が欠けた断面 状になり、この範囲内で断面積が増大また 減少する。その間の、レーザビームLB2の照 範囲全体がミラー面M1に照射される期間に いては、ミラー面M1に照射されるレーザビー ムLB2の断面は、円形断面となる。

 レーザビームLB2のビーム径が小さいため、 ラー面M1の始端近傍および終端近傍でミラ 面M1に照射されるレーザビームLB2の断面積が 変化する範囲の幅は、図7(a)に比べると狭く り、断面積が急激に増減する。この断面積 変化に対応して、ミラー面M1により基板G上 形成されるビームスポットLS1のエネルギー 布が変化する。このときのビームスポットLS 1のエネルギー分布を図11(b)に示す。なお、比 較のため、ビーム径が小さい場合のエネルギ ー分布を実線で示すとともに、ビーム径が大 きい場合のエネルギー分布(図7(b)のエネルギ 分布)を一点鎖線で示しておく。
 照射されるレーザビームLB2のビーム径が小 くなるほど、ビームスポットLS1のエネルギ 分布は、エネルギーが変化する両端の領域 短くなり、ビームスポットLS1全体の長さが くなるとともに、エネルギーが均一な中央 の領域が長いトップハット型のエネルギー 布になる。

 そして回転するポリゴンミラー33の各ミ ー面によって、ミラー面M1と同様のエネルギ ー分布を有するビームスポットLS1で照射が繰 り返される。

 このようにして、メニスカスレンズ31の さ調整だけでビームスポットのエネルギー 布の調整を行うことができる。

 なお、メニスカスレンズ31の高さを変える とにより、基板Gに照射されるビームスポッ のエネルギー分布を調整することができる 、その際に、ビームスポット全体の長さも 化することになる。
 そのため、工程ごとでビームスポットの長 長さを変化させたくない場合や、逆に、レ ザブレイク工程において長軸の長さをさら 短く調整したい場合には、メニスカスレン 31とポリゴンミラー33との距離を調整すると 同時に、ポリゴンミラー33、反射ミラー32と 一体で移動し、基板Gとの距離を調整するよ にして、長軸長さも調整するようにする。
 これにより、所望のビームスポット形状で かつ、所望のエネルギー分布でもって加熱 行うようにする。

 レーザブレイク工程の際には、エネルギー 均一な中央部の領域が長いトップハット型 エネルギー分布を有するビームスポットを 射することにより短時間でより大きい入熱 を与えるようにする。
 図12は、本発明の加工方法によってレーザ レイク工程の際に形成しようとする応力勾 を模式的に示した断面図である。ビームス ットをトップハット型のエネルギー分布に て基板表層から短時間に集中して加熱し、 熱領域Hを形成する。すると、基板表層に大 な圧縮応力HRが形成され、その影響を受け 基板内部には、反対に引張応力CRが発生する 。基板内部に直前のレーザスクライブ工程に より生じたクラックCrが存在すると、引張応 はクラックCrの先端に集中するようになり その結果、クラックCrは、さらに深く浸透す るようになる。また、クラックCrが裏面まで することにより完全分断されるようになる

(加工手順)
 次に、加工装置LC1を用いて基板Gを分断する 際の加工手順について説明する。図13は加工 順のフローチャートである。
 まず、基板Gを回転テーブル12の上に載置し 吸引チャックによって固定する。回転テー ル12をカメラ20、21の下に移動し、カメラ20 21によってガラス基板Aに刻印されてあるア イメントマーク(不図示)が検出する。その検 出結果に基づいて、スクライブ予定ラインと 、回転テーブル12、スライドテーブル2、台座 7との位置の関係付けを記憶する。そして回 テーブル12およびスライドテーブル2を作動 、カッターホイール18の刃先方向がスクライ ブ予定ラインの方向に並ぶようにするととも に、初期亀裂を形成する位置の近傍に刃先が くるようにする(S101)。このときの位置を加工 開始位置として記憶する。

 続いて、昇降機構17を作動してカッターホ ール18を下降する。
 回転テーブル12(台座7)を移動して基板端カ ターホイール18を圧接する。これにより初期 亀裂TRを形成する。初期亀裂TRが形成される 、昇降機構17を作動してカッターホイール18 上昇する(S102)。

 続いて、基板Gを加工開始位置に戻し、レ ーザ装置13を作動して第一回目のレーザビー を照射する。このときメニスカスレンズ31 位置を調整し、ポリゴンミラー31のミラー面 に比較的大きなビーム径(図4~図7参照)で入射 る。これにより、基板Gに形成されるビーム スポットのエネルギー分布がなだらかに立ち 上がる状態のエネルギー分布にする。また、 冷却ノズル16から冷媒を噴射する。この状態 、回転テーブル12(台座7)を移動して、スク イブ予定ラインに沿ってビームスポットお び冷却スポットを走査することにより、ス ライブラインを形成する(S103)。

 続いて、基板Gを加工開始位置に戻し、第二 回目のレーザビームを照射する。このときメ ニスカスレンズ31の位置を、第一回目の照射 よりも反射ミラー32から遠ざけ、ポリゴン ラー33のミラー面に入射するビーム径を小さ く絞る(図8~図11参照)。これにより、基板Gに 成されるビームスポットのエネルギー分布 急峻に立ち上がり、第一回目よりトップハ ト型のエネルギー分布にする。冷却ノズル16 は噴射を続けてもよいが、必ず必要というこ とではないので、ここでは停止する。この状 態で、回転テーブル12(台座7)を移動して、前 の走査で形成したスクライブラインに沿っ 、トップハット型のエネルギー分布を有す ビームスポットを走査する。これにより、 クライブラインを形成しているクラックが く浸透し、基板裏面に達すると完全分断さ る(S104)。
 このようにして形成されたスクライブライ は、非常に優れた加工断面であり、端面強 も強くなる。

 本発明は、ガラス基板等の脆性材料基板 対し、深いスクライブラインを形成したり 完全分断したりする加工に利用することが きる。