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Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR PROCESSING SUBSTRATE OF MOTHER BOARD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/154012
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a method for processing a substrate wherein occurrence of a defective article due to adhesion of an end material region to the side of terminal cut surface is eliminated. In a method for processing the substrate of a mother board, a mother board is scribed from the opposite sides of first and second substrates by means of a cutter wheel and divided for each unit display panel, and terminal processing for exposing the terminal region of each unit display panel is performed. When scribing of a terminal region (T) between a just cut surface (Ca) and a terminal cut surface (Cb) of a mother board is performed, (a) at first, a first cutter wheel is brought into pressure contact with a position on the terminal cut surface of a first substrate (G1) and a second cutter wheel is brought into pressure contact with a position on the just cut surface of a second substrate (G2) in order to perform scribing simultaneously on the opposite sides, (b) and then, the first cutter wheel is brought into pressure contact with the just cut surface of a first substrate (G1) and a backup roller having no edge is brought into pressure contact with the vicinity of just cut surface of a second substrate in order to perform scribing on one side.

Inventors:
MAEKAWA KAZUYA (JP)
TAKAMATSU KIYOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/052328
Publication Date:
December 23, 2009
Filing Date:
February 12, 2009
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBOSHI DIAMOND IND CO LTD (JP)
MAEKAWA KAZUYA (JP)
TAKAMATSU KIYOSHI (JP)
International Classes:
G02F1/13; B28D1/24; C03B33/07; G02F1/1333; G09F9/00
Domestic Patent References:
WO2004007164A12004-01-22
Foreign References:
JP2008056507A2008-03-13
JP2005266684A2005-09-29
Attorney, Agent or Firm:
KASHIMA, YOSHIO (JP)
KAJIMA Yoshio (JP)
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Claims:
 加工対象となるマザー基板が、第一基板と第二基板とを貼り合わせた基板構造を有し、前記基板構造内に複数の方形の単位表示パネルが互いに隣接した状態で並べて形成され、各単位表示パネルの第二基板側の少なくとも1つの周縁に外部接続用の端子領域が形成され、各単位表示パネルにおける前記端子領域の少なくとも一つは端子領域の外側端が両側基板にわたり分断されるジャストカット面になるとともに端子領域の内側端は対向する第一基板だけが分断される端子カット面となるように構成され、
 前記マザー基板に対し、第一基板に向けた第一カッターホイールと第二基板に向けた第二カッターホイールとを用いて第一基板と第二基板との両側からスクライブ加工を行うことにより前記マザー基板を単位表示パネルごとに分割するとともに各単位表示パネルの前記端子領域を露出させる端子加工を行うマザー基板の基板加工方法であって、
 前記マザー基板のジャストカット面と端子カット面とに挟まれた端子領域の1つに対してスクライブ加工を行う際に、
(a)先に、第一基板の端子カット面の位置に第一カッターホイールを圧接するとともに、第二基板のジャストカット面の位置に第二カッターホイールを圧接して両側同時にスクライブ加工を行い、
(b)後から、第一基板のジャストカット面に第一カッターホイールを圧接するとともに、第二基板のジャストカット面近傍に刃先のないバックアップローラを圧接して片面にスクライブ加工を行うことを特徴とするマザー基板の基板加工方法。
 前記バックアップローラは、第一基板のジャストカット面に先に形成されたスクライブ溝の隣接位置を圧接する請求項1に記載のマザー基板の基板加工方法。
 前記ジャストカット面と前記端子カット面とに挟まれた端子領域の1つに対してスクライブ加工を行う際に、
 前記(a)のスクライブ加工工程の後に、
加工中の端子領域とは別の端子領域の加工を行い、
その後に、最初の端子領域について(b)のスクライブ加工工程を行う請求項1または請求項2に記載のマザー基板の基板加工方法。
 前記ジャストカット面と前記端子カット面との幅が1mm~3mmである請求項1~請求項3のいずれかに記載のマザー基板の基板加工方法。
 前記マザー基板は、直交するXY方向に沿って縦横に単位表示パネルが形成された構成を有し、マザー基板をX方向に分離しないよう基板のY方向の最後尾をクランプしつつY方向前方に移動しながら、Y方向とX方向とにスクライブ加工を行うことで単位表示パネルごとに分割する場合に、
 先にY方向に対してスクライブ加工を行うとともに、前記ジャストカット面と前記端子カット面とに挟まれた端子領域の1つに対して、前記(a)のスクライブ加工と、前記(b)のスクライブ加工とをこの順で行い、
 X方向についてはY方向のスクライブ加工の後にスクライブ加工を行う請求項1に記載のマザー基板の加工方法。
Description:
マザー基板の基板加工方法

 本発明は、ガラス等の脆性材料基板を2枚貼 り合わせたマザー基板(貼り合せ基板、貼り せマザー基板ともいう)を分割して、加工品 なる複数の単位基板を形成するマザー基板 基板加工方法に関し、さらに詳細には、マ ー基板から単位基板を形成する際に、単位 板の周縁に外部接続用の端子領域を形成す 基板加工方法に関する。
 本発明の基板加工方法は、具体的には液晶 示パネルの単位表示パネル等の加工に利用 れる。

 液晶表示パネルでは、2枚の大面積ガラス 基板を使用し、一方の基板上にカラーフィル タを形成し、他方の基板上に液晶を駆動する TFT(Thin film Transistor)および外部接続のための 端子領域を形成する。そして、これら2枚の 板を貼り合わせるとともに液晶を封入した ザー基板を形成し、次いで、1つ1つの単位表 示パネル(液晶表示パネル用の単位基板)に分 する工程を経ることにより、液晶表示パネ が製造される。

 液晶表示パネルのマザー基板では、カラ フィルタが形成された側の第一基板(CF側基 ともいう)と、TFTおよび端子領域が形成され た側の第二基板(TFT側基板ともいう)とをシー 材を挟んで貼り合わせてある。このとき、 二基板はTFTや端子領域が形成された基板面 第一基板との接合面となるように貼り合わ てある。

 この場合、端子領域は、TFTと外部機器と 間で信号線が接続される領域であることか 、端子領域を露出させる必要がある。その め、マザー基板を単位表示パネルごとに分 する際に、端子領域に対向する第一基板(CF 基板)の部位に対し、TFTが接続される側とは 逆側になる端子領域の外側端(すなわち単位 示パネルの周縁)に沿って分断するとともに 端子領域の外側端から信号線を取り付けた に必要な幅(端子幅)を、端材として切除す ようにしている。

 一般に、マザー基板から単位表示パネル 分割する工程では、カッターホイールを用 た分断方法が利用されている。その場合、 ザー基板を構成する2枚の基板(CF側基板とTFT 側基板)のそれぞれに対し、分断予定位置に ッターホイールを圧接して相対移動させる とにより各基板にスクライブ溝を刻む。次 でスクライブ溝に沿って、力を加えてブレ クしたり(メカニカルブレイク)、加熱蒸気を 加えてブレイクしたり(スチームブレイク)す ことにより、マザー基板を単位表示パネル とに完全分断する。そして分離された1つ1 の単位表示パネルを、搬送ロボットにより 工程に移送する。

 これら一連の基板加工を上下二面に対し 時に行うようにして効率よく加工するため 基板加工システム(基板分断システム)や基 加工方法が既に開示されている(特許文献1、 特許文献2参照)。これらの文献によれば、上 一対のカッターホイールでマザー基板を上 方向から2枚同時にスクライブする。次いで スチームブレイク機構やローラブレイク機構 により二面同時にブレイクを行い、単位表示 パネルごとに分割する。そして形成された単 位表示パネルを1つずつ取り出して後工程に るようにしている。

 液晶表示パネルでは、近年ますます大画 化が求められ、そのために単位表示パネル ついても大面積化が求められている。また 1つのマザー基板を分割して複数の単位表示 パネルを形成する際に、基板の一部が端材と して廃棄されるが、廃棄される端材量を減ら してマザー基板を有効利用することが求めら れている。そのため、マザー基板上にカラー フィルタ(CF)、TFT、端子領域を形成する際に 隣接する単位表示パネル間に形成される端 領域が最小となるように基板レイアウトを 慮している。

 図15、図16は端材発生量を抑えた液晶表示 パネル用マザー基板の基板レイアウト例を示 す図(平面図、正面図、右側面図)である。マ ー基板はCF側基板G1とTFT側基板G2とを貼り合 せた構造をしている。これらの例では、マ ー基板上に合計8個の単位表示パネルUが配 してある。このうち図15(a)のマザー基板は端 子領域Tが二辺に形成された二端子パネルの 位表示パネルが配置してある。図15(b)のマザ ー基板は端子領域Tが三辺に形成された三端 パネルが配置してある。図15(c)のマザー基板 は端子領域Tが一辺に形成された一端子パネ が配置してある。また、図16のマザー基板は 端子領域Tが四辺に形成された四端子パネル 配置してある。端子領域が形成される辺の は、単位表示パネルUに含まれる画素数に応 て選択される。

 上述した基板レイアウトでは、第二基板G 2(TFT側基板)は、隣接する単位表示パネルUと 間で端材が発生しないように、直接、各単 表示パネルUどうしが接するように配置して る。したがって第二基板G2については、マ ー基板の外周部分だけが端材として発生す 。一方、第一基板(CF側基板)は、マザー基板U の外周部分とともに、第二基板G2の端子領域T に対向する領域が端材として発生する。図15 図16において端材となる部分をハッチング 示す。

 ここで図15に示した一端子パネル、二端 パネル、三端子パネルに着目する。図17は隣 接する単位表示パネルの断面の一部を示す図 である。これらの基板レイアウトでは、少な くとも一対の隣接する単位表示パネルU1、U2 で、一方の単位表示パネルU1における端子領 域Tの外側端面L1(第二基板G2のみの端面)と、 方の単位表示パネルU2において端子領域Tで ない端面L2(第一基板G1と第二基板G2の端面)と が接するように単位表示パネルU1、U2が配置 れることになる。なお、そのような関係に る単位表示パネルの境界の具体例を、図15に おいて「○」印で示しておく。

 マザー基板を分割する際に、上記の単位表 パネルU1と単位表示パネルU2との境界近傍で は、2種類のカット面が形成されることにな 。
 その一つは、第二基板G2と第一基板G1との端 面が揃うように両方の基板が分断(フルカッ )されるカット面である。これをジャストカ ト面Caという。ジャストカット面Caは単位表 示パネルU1と単位表示パネルU2とを完全分離 る面である。
 他の一つは、ジャストカット面Caから端子 Wa(図15)だけ離れた位置でCF側基板G1だけが分 (ハーフカット)されるカット面である。こ を端子カット面Cbという。端子カット面Cbは 子領域Tの端子面を露出するために分断され るカット面である。そしてジャストカット面 Caと端子カット面Cbとの間の第一基板G1に、端 材領域Eが発生するようになる。

 図18は、図17で示した単位表示パネルU1、単 表示パネルU2、端材領域Eについて、スクラ ブ加工とブレイク処理とが行われた後の3種 類の分離状態を示す図である。図18(a)では、 材領域Eが単位表示パネルU1、U2から完全分 しており、いずれの単位表示パネルU1、U2も のまま良品とされる最も望ましい分離状態 ある。この状態に分離された単位表示パネ U1、U2は、そのまま後工程に移送される。
 図18(b)は、端材領域Eが単位表示パネルU2か 分離できておらず、ジャストカット面Ca側に 付着し、単位表示パネルU1だけが完全分離し 状態である。このときは単位表示パネルU1 ついては良品としてそのまま後工程に移送 れるが、単位表示パネルU2については、不良 品として廃棄するか、端材領域Eを分離する 加のブレイク処理を行って良品化してから 工程に移送することになる。
 図18(c)は、端材領域Eが単位表示パネルU1か 分離できておらず、端子カット面Cb側に付着 し、単位表示パネルU2だけが完全分離した状 である。このときは単位表示パネルU2につ ては良品としてそのまま後工程に移送され が、単位表示パネルU1については、不良品と して廃棄するか、端材領域Eを分離する追加 ブレイク処理を行って良品化してから後工 に移送することになる。

 実際の製造工程では、できるだけ端材領 Eが完全分離した状態(図18(a))に加工される うに基板分断システムを調整しているが、 れでも不定期に、端材領域Eがジャストカッ 面Caに付着した状態(図18(b))、あるいは端子 ット面Cbに付着した状態(図18(c))になる場合 発生する。その場合、端材領域Eがジャスト カット面Caに付着した状態であっても端子カ ト面Cbに付着した状態であっても、追加の レイク処理を行って良品化する必要がある そこで、それぞれの状態に対応した二種類 ブレイク機構を用意し、2種類の付着状態の ずれであるかを判定し、端材領域Eの付着状 態に応じてブレイク機構を選択し、追加のブ レイク処理を行っていた。

 一方、常に端材領域Eをジャストカット面 (図18(b))に付着させるか、あるいは端子カッ 面(図18(c))に付着させるようにブレイク処理 行うようにして、次の工程で、単一種のブ イク機構を用いて確実に端材領域Eを分離す るようにする分割方法が開示されている(特 文献3参照)。

 この文献に記載された分割方法によれば レーザビームやカッターホイールでスクラ ブ加工する際に、まず第一基板G1(CF側基板) ついて加工し、次いで上下反転して第二基 G2(TFT側基板)について加工を行う。その際、 例えば図19に示すように、第一基板G1の端子 ット面Cbに対するカッターホイールによるス クライブを強い押圧力P1で行う。そして第一 板G1のジャストカット面Caに対するスクライ ブをP1より弱い押圧力P2で行う。さらに第二 板G2のジャストカット面Caに対するスクライ を強い押圧力P1で行う。このようにしてス ライブに強弱を与えることにより、スクラ ブ溝の深さが調整され、端材領域Eを常にジ ストカット面Ca側に付着させた状態でブレ クされるようにすることができる。その結 、一種類のブレイク機構を用意するだけで 率よく端材を除去できるようになる。

 同様に、端材領域Eを常に端子カット面Cb側 付着させた状態でブレイクされるようにす 場合は、例えば図20に示すように、第一基 G1のジャストカット面Caに対するスクライブ 強い押圧力P1で行う一方、第一基板G1の端子 カット面Cbに対するスクライブ加工をP1より い押圧力P2で行う。また、第二基板G2のジャ トカット面Caに対するスクライブを強い押 力P1で行う。この場合も一種類のブレイク機 構を用意するだけで効率よく端材を除去でき るようになる。

WO2005/087458号公報

WO2002/057192号公報

特開2008-56507号公報

 マザー基板が大面積化するにつれて、ス ライブ加工の途中で、マザー基板を上下反 することが困難になる。特に各基板の板厚W t(図15参照)が1mm以下まで薄くなると(例えば0.0 5~0.7mm)、基板が割れやすくなるため、基板反 は避けたい。したがって、第一基板(CF側基 )と第二基板(TFT側基板)とを、加工途中に反 して両側基板を加工する特許文献3に記載さ れるような方法は困難となる。それゆえ、基 板を反転する必要がない特許文献1、特許文 2に記載されたような上下方向から基板の加 を行う上下基板加工システムを採用するこ が必要になる。

 また、単位表示パネルの大面積化に伴い 端子領域として露出させる部分の幅である 子幅Wa(図15参照)を従来よりもさらに小さく ることが求められている。具体的にはこれ で端子幅Waは10mm程度であったが、1mm~3mm程度 にまで小さくすることが求められている。こ のような基板レイアウトになった場合でも、 端材領域を確実に分離するために、図19およ 図20に示した特許文献3に記載の分割方法を 用して、後から不要の端材領域を除去する とが考えられる。しかし、この分割方法を 用しても良品化できない場合がある。

 すなわち、端材領域Eが端子カット面Cb側 付着した状態(図20参照)では、端材領域Eは 位表示パネルと一体となって、全体で直方 をなした状態に切り出されることになり、 材領域Eだけを把持するための突出部分がな なる。また、端子幅Waが1mm~3mmになると、端 領域Eだけを吸着パッドで引き離す(特許文 2参照)ことも困難になる。そのため、一旦、 端子カット面Cb側に付着してしまうと、端子 ット面Cbから端材領域Eを分離することが困 であり、不良品として廃棄せざるを得なく る。

 一方、端材領域Eがジャストカット面Ca側 付着した状態(図19参照)では、端子幅Waが小 くなった場合であっても、端材領域Eの一部 が1mmだけでも突き出していることから、この 部分だけを把持することができる。また端材 領域Eのみに対して分離に必要なせん断力や げモーメントを加えることができるので、 から追加のブレイク処理を行うことにより ジャストカット面Caから端材領域Eを分離す ことができる。

 以上のことから、大面積のマザー基板か 、端子領域の端子幅Waを狭くした単位表示 ネルを加工しようとすれば、基板を反転す 必要がない上下基板加工システムを用いる ともに、常に端材領域Eが端子カット面Cb側 付着されない(付着する場合でもジャストカ ト面Ca側に付着する)基板加工方法(図19参照) を採用することが必要になる。

 ところで、上下一対のカッターホイール 搭載した上下基板加工システムで、第一基 および第二基板をスクライブする場合、い れか片側のカッターホイールだけに押圧力 加えると、基板が一方に大きく撓んでしま 。そのため、通常、上下一対のカッターホ ールで上下方向から同時にスクライブする とが必要になる。片側のみのスクライブを わなければならないときは、他方側に刃先 ないバックアップローラを押圧するように てスクライブすることが必要になる。

 したがって、上下基板加工システムにお て、端材領域Eが常に端子カット面Cb側に付 されない基板加工方法(図19参照)を採用する には、ジャストカット面Caに上下両側からカ ターホイールを対向させ、基板を同時にス ライブする。その際、TFT側基板のカッター イールの押圧力P1を強くし、CF側基板のカッ ターホイールの押圧力P2を弱くして、上下両 から同時に押圧するようにする。また、端 カット面Cbに対してスクライブするときは CF側基板にカッターホイールを押圧し、TFT側 基板にはバックアップローラを対向させて押 圧する。

 しかしながら、この方法で基板加工を行 ても、実際には、溝深さを制御することが きず、所望の形状に分割できない場合が生 ることが見出された。具体的には、端子カ ト面Cb側に端材領域Eが付着したり、スクラ ブ溝が十分深く形成できず、単位表示パネ ごとに分離できなかったりすることとなっ 。

 この原因を検討した結果、端子加工のた にジャストカット面Caの加工と端子カット Cbの加工との2回のスクライブ加工を行うが 端子領域を挟んで存在するシール材の影響 、2回目のスクライブ加工のときにクラック 入りにくくなることによることが出願人ら 分析でわかった。この現象について説明す 。

 図21および図22は、ジャストカット面Caと 子カット面Cbとに挟まれた1mm~3mmの間隔を有 る端子領域Tを、カッターホイールで上下同 時にスクライブ加工する方法を示す図である 。このうち図21は、先にジャストカット面Ca 対しスクライブ加工を行い、後から端子カ ト面Cbに対しスクライブ加工を行う加工方法 である。また、図22は、先に端子カット面Cb 加工し、後からジャストカット面Caのスクラ イブ加工を行う加工方法である。

 まず、ジャストカット面Caから先に加工す 場合の現象について説明する。図21(a)に示す ように、端子領域Tを挟んで、両側にはシー 材S1,S2があり、これらによって第一基板G1と 二基板G2とが貼り付けてある。
 図21(b)に示すように、第一基板G1側のジャス トカット面Caの位置にカッターホイールW1を 接し、第二基板G2側のジャストカット面の位 置にカッターホイールW2を圧接し、第一回目 スクライブ加工を行う。このときは第二基 G2側の溝を深く、第一基板G1側の溝を浅く形 成したいため、第二基板G2側に加える圧接力 り第一基板G1側の圧接力を小さくしておく 第一回目のスクライブ加工を行う時点では ジャストカット面Caの近傍には応力が存在し ていないため、第一基板G1、第二基板G2の両 基板とも、問題なくスクライブ溝が形成さ 、圧接力に応じた溝深さが形成できる。

 次いで、図21(c)に示すように第一基板G1の 端子カット面Cbの位置にカッターホイールW1 圧接し、第二基板G2の端子カット面Cbの延長 上にバックアップローラW3(刃先がないロー )を圧接し、第二回目のスクライブ加工を行 う。このとき第一基板G1側の端子カット面Cb 溝を深く形成するため、カッターホイールW1 に加える圧接力およびバックアップローラに 加える圧接力を強くする。

 しかしながら、第二回目のスクライブ加工 行う時点では、第一回目のスクライブ加工 結果形成されたスクライブ溝が開いており これとシール材S1との影響により、端子カ ト面Cbの近傍は圧縮応力が加わった状態にな る。すなわち、第一基板G1のジャストカット Caが端子カット面方向Cb側に開こうとするが 、シール材Sが開こうとする力を阻止するた 、ジャストカット面Caから1mm~3mm離れた位置 端子カット面Cbに圧縮応力が生じるようにな り、端子カット面でのクラックの深さ方向へ の伸展を妨げようとする。
 その結果、第二回目のスクライブ加工によ ては、第一基板G1の端子カット面Cbに深いス クライブ溝を形成することができなくなり、 第一基板G1のジャストカット面Caに形成され スクライブ溝の方が端子カット面Cbの溝より 深く形成されてしまう場合が生じることなる 。そのため、図21(d)に示すように、第一基板G 1が端子カット面Cbではなく、ジャストカット 面Caで分割された単位表示パネルが形成され しまうことになる。

 次に、端子カット面Cbから先に加工する 合の現象について説明する。図22(a)に示すよ うに、端子領域Tを挟んで、両側にはシール S1,S2があり、これらによって第一基板G1と第 基板G2とが貼り付けてある。

 図22(b)に示すように、第一基板G1側の端子カ ット面Cbの位置にカッターホイールW1を圧接 、第二基板G2の端子カット面の位置にバック アップローラW3を圧接し、第一回目のスクラ ブ加工を行う。このときは第一基板G1側の が完全分断するまで深く形成したいため、 一基板G1の圧接力とともにバックアップロー ラの圧接力を強くしておく。
 第一回目のスクライブ加工を行う時点では 端子カット面Cbの近傍には応力が存在して ないため、問題なくスクライブ溝が形成さ 、圧接力に応じた深さの溝を形成できる。

 次いで、図22(c)に示すように、第一基板G1 側のジャストカット面Caの位置にカッターホ ールW1を圧接し、第二基板G2側のジャストカ ット面Caの位置にカッターホイールW2を圧接 、第二回目のスクライブ加工を行う。この きは第二基板G2側の溝を深く、第一基板G1側 溝を浅く形成したいため、第二基板G2側に える圧接力より第一基板G1側の圧接力を小さ くしておく。

 第二回目のスクライブ加工を行う時点で 、第一回目のスクライブ加工で端子カット Cbにスクライブ溝が開いており、これとシ ル材S2との影響により、第一基板G1側のジャ トカット面Caの近傍は圧縮応力が加わった 態になる。すなわち、第一基板G1の端子カッ ト面Cbがジャストカット面Ca側に開こうとす が、シール材S2が開こうとする力を阻止する ため、ジャストカット面Caに圧縮応力が生じ おり、第一基板G1のジャストカット面Caでの クラックの深さ方向への伸展を妨げようとす る。その結果、第二回目のスクライブ加工で は、第一基板G1のジャストカット面Caには浅 スクライブ溝が形成される。第一基板G1側に ついてはこれでも問題がないが、同時に加工 される第二基板側で問題が生じる。

 すなわち、第二基板G2側については、第 回目のスクライブ加工で第一基板G1の端子カ ット面Cbが開こうとするが、シール材S1、S2が 開こうとする力を阻止するため、曲げモーメ ントが加わり、第二基板G2のジャストカット Caの近傍に圧縮応力が加わった状態になっ いる。そのため、第二基板G2のジャストカッ ト面Caは浅いスクライブ溝しか形成されにく 状態になっている。そのような状態で、さ に、第二回目のスクライブ加工が行われる 、第一基板側のカッターホイールW1が第二 板側のカッターホイールW2よりわずかでも先 にスクライブが始まると、さらに強い曲げモ ーメントが加わり、第二基板のジャストカッ ト面Ca近傍に強い圧縮応力が加わるようにな 、第二基板G2のジャストカット面Caはほとん どスクライブ加工ができなくなる。このとき 、押圧力を大きくしてスクライブ加工をする とカレットが発生してしまう。

 このように、上下基板加工システムでは 第二回目のスクライブ加工が行われる端子 ット面Cbとジャストカット面Caのいずれかに 、所望のスクライブ溝を形成することが困難 になることが判明した。

 そこで、本発明は第一に、基板を反転して 工することが困難な大面積のマザー基板で っても、安定かつ確実に所望の溝深さのス ライブ加工を行うことができる上下基板加 システムによるマザー基板の基板加工方法 提供することを目的とする。
 また、第二に、一対のカッターホイールを いた上下基板加工システムによるマザー基 の基板加工方法において、端子領域の加工 際に、スクライブ溝の深さに所望の強弱を けることができる基板加工方法を提供する とを目的とする。
 また、第三に、一対のカッターホイールを いた上下基板加工システムによるマザー基 の基板加工方法において、加工品(単位表示 パネル)の端子領域の端子幅が狭くなっても 端子領域を覆う部分の端材領域が端子カッ 面側に付着する不良品が全く発生せず、端 領域が完全に分離するか、万一、完全分離 きなかった場合でも、後から確実に端材領 を除去して良品化できる基板加工方法を提 することを目的とする。

 本発明は、上下基板加工システムによっ 、マザー基板を分割して単位表示パネルを 成する。その際に、単位表示パネルから端 領域が完全に分離することができなかった しても、追加のブレイク処理で端材領域が 実に分離できるように加工しておくことで 良品化することを前提とした基板加工方法 ある。

 本発明の加工対象となるマザー基板は、 一基板(CF側基板)と第二基板(TFT側基板)とを り合わせた基板構造(貼り合せ基板)を有し いる。そして、この基板構造内に、複数の 形の単位表示パネルが互いに隣接した状態 並べて形成されている。各単位表示パネル 第二基板側は、4つの周縁のうち少なくとも1 つの周縁に外部接続用の端子領域が形成され ている。各単位表示パネルが有する端子領域 のうち、少なくとも一つは、その端子領域の 外側端が両側基板にわたり分断されるジャス トカット面になるとともに、その端子領域の 内側端は対向する第一基板だけが分断される 端子カット面となるように構成されている。 具体的には図15に示した一端子パネル、二端 パネル、三端子パネルが該当し、その中で 印で示した領域が、ここでいうジャストカ ト面と端子カット面とに挟まれた端子領域 構成する。このようなマザー基板を対象と るのは、上述した〇印の端子領域で、追加 ブレイク処理によっても端材領域の分離が 難になる不具合が生じるからである。

 そして、上記課題を解決するために、マ ー基板の第一基板に向けた第一カッターホ ールと、第二基板に向けた第二カッターホ ールとを用いて、第一基板と第二基板との 側からスクライブ加工を行うことにより、 ザー基板を単位表示パネルごとに分割する ともに各単位表示パネルの端子領域を露出 せる端子加工を行う。その際に、マザー基 のジャストカット面と端子カット面とに挟 れた端子領域に対してスクライブ加工を行 が、(a)先に、第一基板の端子カット面の位 に第一カッターホイールを圧接するととも 、第二基板のジャストカット面の位置に第 カッターホイールを圧接して両側同時にス ライブ加工を行い、(b)後から、第一基板の ャストカット面に第一カッターホイールを 接するとともに、第二基板のジャストカッ 面近傍に刃先のないバックアップローラを 接して片面にスクライブ加工を行う。

 本発明によれば、一対のカッターホイー 、又は、カッターホイールとバックアップ ーラとを用いて、第一基板と第二基板とを 側から同時に圧接し、合計2回の加工動作で ジャストカット面と端子カット面とにスクラ イブ加工を行うが、第一回目のスクライブ加 工で第一基板の端子カット面の位置と第二基 板のジャストカット面の位置とをスクライブ する。そして第二回目のスクライブ加工で、 第一基板の端子カット面の位置より弱くスク ライブする第一基板のジャストカット面の位 置をスクライブする。

 すなわち、第一回目のスクライブ加工で、 くスクライブする必要がある第一基板の加 面(端子カット面)および第二基板の加工面( ャストカット面)どうしを、先にスクライブ する。第一回目のスクライブでは、基板に応 力が発生していないので、第一基板、第二基 板のいずれのスクライブ溝も深く形成するこ とができる。なお、この場合は、一対のカッ ターホイールを、端子幅の長さだけ離れた位 置で圧接することになるが、距離が短いので 影響はほとんどない。続いて、第二回目のス クライブ加工で、弱くスクライブする加工面 (第一基板のジャストカット面)をスクライブ る。第二回目のスクライブ加工では、加工 に圧縮応力が加わることにより、深いスク イブ溝を形成することは困難であるが、元 浅くスクライブすることを予定しているの 、問題ない。
 このように、上下両側から同時にスクライ する際に、カッターホイールの圧接位置を らし、深いスクライブ溝を形成する位置に いて先に加工する。

 本発明によれば、端子カット面とジャス カット面とに挟まれた端子領域について一 のカッターホイールで上下両側から同時に クライブ加工する場合であっても、この部 を覆う端材領域を、単位表示パネルから完 に分断するか、分断できない場合でも、確 に、単位表示パネルのジャストカット面側 付着させて分断することができ、端材領域 分断できなかった場合であっても、追加の レイク処理を行うことで、確実に良品化す ことができる。

(その他の課題を解決するための手段及び効 )
 上記発明においてバックアップローラは、 二基板のジャストカット面に先に形成され スクライブ溝の隣接位置を圧接するように てもよい。
 これによれば、第一基板のジャストカット を第一カッターホイールでスクライブする に、バックアップローラは第二基板のジャ トカット面に形成したスクライブ溝を避け 基板を圧接するようにしたので、スクライ 溝を傷つけることがなくなる。

 上記発明において、ジャストカット面と 子カット面とに挟まれた端子領域の1つに対 してスクライブ加工を行う際に、(a)のスクラ イブ加工工程の後に、加工中の端子領域とは 別の端子領域の加工を行い、その後に、最初 の端子領域について(b)のスクライブ加工を行 うようにしてもよい。

 これによれば、一対のカッターホイール 加工する加工部分を先に加工してから、1つ のカッターホイールとバックアップローとで 加工する加工部分を加工することができるの で、バランスよく加工でき、また、カッター ホイールとバックアップローラとを交換する ことにともなう調整時間や待機時間を短縮す ることができる。

 また、上記発明において、ジャストカッ 面と端子カット面との幅(端子幅)が1mm~3mmで るようにしてもよい。端子幅を小さくする とで、単位表示パネルとして利用できるマ ー基板の面積を大きくすることができる。 の場合であっても、端子領域を覆う端材領 がジャストカット面側にしか付着しないの 、確実に除去することができる。

 上記発明において、マザー基板は、直交す XY方向に沿って縦横に単位表示パネルが形 された構成を有し、マザー基板をX方向に分 しないよう基板のY方向の最後尾をクランプ しつつY方向前方に移動しながら、Y方向とX方 向とにスクライブ加工を行うことで単位表示 パネルごとに分割する場合に、マザー基板を X方向に分離しないようクランプしつつY方向 移動しながら、Y方向とX方向とにスクライ 加工を行うことで単位表示パネルごとに分 する場合に、先にY方向に対してスクライブ 工を行うとともに、前記ジャストカット面 前記端子カット面とに挟まれた端子領域の1 つに対して、(a)のスクライブ加工と、(b)のス クライブ加工とをこの順で行い、X方向につ てはY方向のスクライブ加工の後にスクライ 加工を行うようにしてもよい。
 これによれば、マザー基板上に単位表示パ ルがXY方向に二次元的に形成されていると は、基板をX方向に分離しないようクランプ た状態でY方向に移動する。そしてY方向に し、(a)のスクライブ加工、(b)のスクライブ 工をこの順で行い、その後で、X方向のスク イブ加工を行う。このように加工順を定め ことにより、確実に単位表示パネルごとに 断することができ、追加のブレイク処理を えば、確実に良品化させることができる。

本発明の基板加工方法で用いる基板加 システムの全体構成を示す斜視図。 図1の基板加工システムのA視斜視図。 図1の基板加工システムの平面図。 図3のB-B’断面図。 図3のC-C’断面図。 図3のD-D’断面図。 図3のE-E’断面図。 図3のF-F’断面図。 基板搬出ロボットによる動作を示す図 本発明の基板加工方法に用いたスクラ イブ加工の手順を示す図。 マザー基板をY方向にスクライブする きの加工順の一例を示す図。 マザー基板をX方向にスクライブする きの加工順の一例を示す図。 搬出ロボットによりマザー基板から単 位表示パネルの取り出す順の一例を示す図。 マザー基板から取り出される単位表示 パネルに付着する端材の状態を示す図。 マザー基板の基板レイアウトを示す図 (一端子パネル、二端子パネル、三端子パネ )。 マザー基板の基板レイアウトを示す図 (四端子パネル)。 隣接する単位表示パネル間の断面の一 部を示す図。 隣接する単位表示パネル間の3種類の 離状態を示す図。 従来のマザー基板の端子加工を示す図 。 従来のマザー基板の端子加工を示す図 。 上下基板加工システムによる従来の端 子加工を示す図。 上下基板加工システムによる従来の端 子加工を示す図。

符号の説明

1  基板加工システム
20 基板支持装置
30 基板分断機構
50 クランプ装置
60 上部スクライブ機構
70 下部スクライブ機構
80 搬出ロボット
87 フック
88 プッシャ
90 マザー基板
100 スチームブレイク装置
110 ローラブレイク装置
120 基板搬出装置
Ca ジャストカット面
Cb 端子カット面
G1 第一基板(CF側基板)
G2 第二基板(TFT側基板)
E  端材領域
T  端子領域
U1 単位表示パネル(端子カット面が境界に面 る)
U2 単位表示パネル(ジャストカット面が境界 面する)
W1 第一カッターホイール
W2 第二カッターホイール
W3 バックアップホイール

 本発明の基板加工方法の実施形態を図面 基づいて説明する。以下に説明する基板加 方法は、液晶表示パネルの製造工程で利用 れる方法であり、具体的には液晶表示パネ となる単位表示パネルを、マザー基板から 割して、1つずつ取り出す基板加工システム において使用される。

(基板加工システム)
 最初に本発明の基板加工方法の実施する際 使用する基板加工システムの全体構成につ て説明する。
 図1は本発明の基板加工方法が利用される基 板加工システム1の全体構成を示す斜視図で る。図2は図1のA視斜視図(後述する架台10を く)である。図3は基板加工システム1の平面 (後述するフレーム11、支柱14を除く)である 図4は図3のB-B’断面図、図5は図3のC-C’断面 、図6は図3のD-D’断面図、図7は図3のE-E’断 面図、図8は図3のF-F’断面図である。

 ここでは、単位表示パネルがX方向に2列 Y方向に4列並んだマザー基板90を加工する場 を説明する。なお、説明で用いるXYZ方向に いては図中に示す。

 まず、システムの全体構造について説明す 。
 基板加工システム1は、基板搬入側1Lから基 搬出側1Rに向けて、Y方向にマザー基板90が 送されていき、その途中でスクライブ加工 ブレイク処理が行われるようにしてある。
 マザー基板90(貼り合せ基板)は上側が第二基 板G2(TFT側基板)、下側が第一基板G1(CF側基板) なるように載置される。

 基板加工システム1は、中空の架台10、メイ フレーム11、支柱14により骨組構造が形成さ れる。架台10の上方には、マザー基板90を支 するための基板支持装置20が配置される。基 板支持装置は、第一基板支持部20Aと第二基板 支持部20Bとからなる。第一基板支持部20Aと第 二基板支持部20Bとの中間位置に、基板分断機 構30が配置される。
 図4(図3のB-B’断面)に示すように、第一基板 支持部20Aと第二基板支持部20Bとのそれぞれが 、X方向に並んだ5台の支持ユニット21で構成 れる。各支持ユニット21は、基板分断機構30 近い側で、架台10に固定される。各支持ユ ット21の上面にはタイミングベルトが周回移 動するようにしてあり、後述するクランプ装 置50と連動してマザー基板90を送る。

 基板分断機構30は、上部ガイドレール31およ び下部ガイドレールが設けられ、上部ガイド レール31にはX方向に移動可能に取り付けられ る上部スクライブ機構60、下部ガイドレール3 2にはX方向に移動可能に取り付けられる下部 クライブ機構70がそれぞれ取り付けてある
 図5(図3のC-C’断面)に示すように、スクライ ブ機構60は、第二カッターホイールW2が取り けられるとともに、第二カッターホイールW2 を昇降させる昇降機構61、第二カッターホイ ルW2の刃先方向をY方向とX方向とに切り換え る回転機構62、X軸駆動機構63からなる。
 スクライブ機構70は、第一カッターホイー W1とバックアップローラW3とがY方向に並べて 取り付けられるとともに、第一カッターホイ ールW1とバックアップホイールW3を昇降させ 昇降機構71、第一カッターホイールの刃先方 向およびバックアップホイールの回転方向を Y方向とX方向とに切り換える回転機構72、X軸 動機構73からなる。昇降機構71および回転機 構72は、第一カッターホイールW1またはバッ アップホイールW3のいずれかを選択して基板 に圧接することができ、また、圧接させたホ イールの移動方向をY方向またはX方向に向け ことができるようにしてある。

 基板支持装置20の基板搬入側1L側には、図 1または図2に示すように、マザー基板90の基 搬入側の端部(マザー基板90の後端)をクラン するクランプ装置50が配置される。クラン 装置50は、一対のクランプ具51(51L、51R)、ク ンプ具51を昇降させる昇降機構55(55L、55R)、 動ベース57からなり、マザー基板90をクラン した状態でY方向に移動させる。このクラン プ装置50はリニアモータ機構58により駆動さ る。そして支持ユニット21の間隙および下方 を移動して、マザー基板90をクランプした状 のまま、マザー基板90の後端まで基板分断 構30を通過できるようにしてある。クランプ 具51Lおよびクランプ具51Rは、それぞれマザー 基板90に形成された単位表示パネルの左側の 、右側の列をクランプするようにしてあり 基板中央の位置でY方向に沿って分断した場 合でも左右に分割されたマザー基板90を各列 とに支持でき、Y方向に送ることができるよ うにしてある。

 基板支持装置20の基板搬出側1Rには、図6( 3のD-D’断面)に示すように、送られてくる ザー基板90に対し、加熱蒸気を上から吹き付 ける上部スチームユニット101、下から吹き付 ける下部スチームユニット102を備えたスチー ムブレイク装置100が配置される。スチームブ レイク装置100から吹き付ける加熱蒸気の間を 、スクライブ加工されたマザー基板90が通過 ることにより、マザー基板90は膨張し、主 してマザー基板のX方向に対する積極的なブ イク処理が行われる。スチームブレイク装 100は、リニアモータ機構130によりY方向に移 動できるようにしてある。

 スチームユニット100の基板搬出側1Rの位 には、図7(図3のE-E’断面)に示すように、送 れてくるマザー基板90に対し、基板上に形 されたY方向のスクライブ溝の隣接位置(スク ライブ溝の横)に沿ってブレイクローラ111~113 押圧し、基板のY方向に対するブレイク圧を 与えて積極的にブレイクするローラブレイク 装置110が配置される。ローラブレイク装置110 は、リニアモータ130によりY方向に移動でき ようにしてある。

 ローラブレイク110の基板搬出側1Rの位置 は、図8(図3のF-F’断面)に示すように、マザ 基板90から単位表示パネルを1つずつ取り出 て後工程に送る基板搬出装置120が配置され 。基板搬出装置120には、上部ガイドレール1 21が設けられ、上部ガイドレール121にはX方向 に移動可能な搬出ロボット80が取り付けてあ 。基板搬出装置120は、リニアモータ130によ Y方向に移動できるようにしてある。

 搬出ロボット80は、吸着パッド82が取り付 けられたプレート83と、プレート83を回転さ る回転機構84と、プレート83を昇降させる昇 機構85と、X軸駆動機構86とを有する。そし 搬出ロボット80は、マザー基板90から分断さ た単位表示パネルの1つを吸着して上方に引 き離す。さらに引き離された単位表示パネル を回転しながらX軸方向に移動し、さらにリ アモータ130によりY方向に移動し、1つずつ搬 出する動作を行う。搬出された単位表示パネ ルは図示しない後工程に受け渡され、次の加 工が行われる。

 搬出ロボット80のプレート83には、さらに 、搬出中の単位表示パネルに端材が付着して いる場合に、これを除去するための追加のブ レイク処理機構であるフック87およびプッシ 88を備えている。

 図9は、フック87およびプッシャ88による 加のブレイク処理動作を示す図である。フ ク87は、プレート83に固定された支軸を中心 して回動できるようにしてある。図9(a)に示 すように、フック87およびプッシャ88を上方 回避させた状態で、単位表示パネルの第二 板G2(TFT側基板)を吸着パッド82で吸着する。 いで、図9(b)に示すように、フック87を作動 て、吸着面とは逆側である第一基板G1の端に ある端材に接触させ、端材を下方から支持す る。そして図9(c)に示すように、プッシャ88を 作動して第二基板G2の端に付着する端材を上 から押圧する。このようにして、端材に曲 モーメントを加えることで、端材が確実に 断されるようにする。

(スクライブ加工)
 次に、上記基板加工システム1を用いたマザ ー基板90のスクライブ加工の動作手順につい 説明する。スクライブ加工は、基板分断機 30(図5)において行われる。
本発明は、主としてスクライブ加工で単位表 示パネルの端子加工を行う際に用いられる。

 図10は、本発明により端子加工を行う際 基本的な加工手順を示す図である。図10(a)に 示すように、マザー基板90上の隣接する2つの 単位表示パネルU1、U2の境界部分に、ジャス カット面Caと端子カット面Cbとに挟まれた端 領域Tが形成されている。端子領域の幅は1mm ~3mm程度である。この部分にカッターホイー で上下同時にスクライブ加工し、端子領域T 貼り合せ面(第一基板G1と第二基板G2との接 面)を露出させる加工を行う。

 マザー基板90から単位表示パネルU1を取り 出す際に、搬送ロボット80は上側の基板面に 着することから(図9)、第二基板G2(TFT側基板) を上側、第一基板(CF側基板)を下側に配置す 。これは、単位表示パネルU1に吸着させて単 位表示パネルU2から引き離すときに、端子領 T(第二基板G2側)が端材領域E(第一基板G1側)の 上側にくるようにして、端材領域Eが単位表 パネルU2のジャストカット面Caに付着し、端 カット面Cbから分離しやすくするためであ 。

 なお、上記基板加工システム1では、マザ ー基板90から単位表示パネルを1つずつ取り出 す際に、隣接する2つの単位表示パネルのう 、端子カット面Cbが境界部分となる単位表示 パネルを、ジャストカット面Caが境界部分と る単位表示パネルより先に取り出すことに り、端材領域Eがジャストカット面Caが境界 分となる単位表示パネルの側に付着しやす している。この点については後述する。

 図10(b)に示すように、まず、スクライブ機 60の第二カッターホイールW2を、第二基板G2 ジャストカット面Caの位置に合わせる。また 、スクライブ機構70の第一カッターホイールW 1を、第一基板G1の端子カット面Cbの位置に合 せる。そして、強い圧接力で両方同時に第 回目のスクライブを行う。このときは、端 領域Tの近傍に応力が発生していないので、 スクライブ溝を深く伸展することができる。
スクライブ溝が形成された端子領域Tは、両 がシール材S1、S2で固定された領域であるこ から、スクライブ溝が広がる結果、端子カ ト面Cbの近傍に圧縮応力が加わるようにな 。

 続いて、図10(c)に示すように、スクライ 機構70の第一カッターホイールW1を、ジャス カット面Caの位置に合わせる。また、スク イブ機構60のバックアップホイールW3を,第二 基板G2に合わせる。このときバックアップホ ールW3は、先にスクライブ溝が形成された ャストカット面Caの位置から外れるように横 に移動させて、スクライブ溝が傷つかないよ うにする。そして、第一回目よりは弱い圧接 力で第二回目のスクライブ加工を行う。

 このとき、第一基板G1のジャストカット は、応力に抗しながらスクライブ加工が行 れるので、深く伸展させることが難しく、 クライブ溝は浅くなる。この部分は元々、 子カット面Cbよりも浅くスクライブ溝を形成 する方が望ましいことから、好ましいスクラ イブ溝が形成されるようになる。

 そして、深いスクライブ溝と浅いスクラ ブ溝が形成される結果、その後のスチーム レイク(図6)およびローラブレイク(図7)によ ブレイク処理を行うことにより、図10(d)に すように、確実に、端材領域Eが第一基板G1 ジャストカット面Ca側に付着した状態で分離 されることとなる。

 そして、ジャストカット面Caに付着した端 領域Eは、フック87およびプッシャ88による追 加のブレイク処理動作(図9)によって、ジャス トカット面Caから確実に分離されることとな 。
 以上の処理により、マザー基板から単位表 パネルを取り外し、後工程に移動するまで 、端材領域Eが完全に分離できる。

 以上は、1つの単位表示パネルの1つの端子 域に対して、単独で端子加工を行う場合に いて説明した。実際のマザー基板90では、複 数の単位表示パネルが縦横に並んでいる。各 単位表示パネルの周囲には、端子カット面Cb ジャストカット面Caとに挟まれた端子領域T けではなく、その他の形状の境界も含まれ 。
 そのような場合、1つの境界ごとに加工する のではなく、複数の境界間で交互に加工する ようにしてバランスよく加工することもでき る。このような場合について具体例で説明す る。

 図11は、二端子パネルとなる単位表示パネ がX方向に2列、Y方向に4列並んだマザー基板9 0について、Y方向にスクライブする例である また、図12はX方向にスクライブする例であ 。
 まず、先に行うY方向のスクライブについて 説明する。Y方向のスクライブでは、マザー 板90の後端がクランプ装置50にてクランプさ ることで、スクライブ加工後に、X方向に分 離されないようにしてある。

 Y方向については、図11に示すように、マザ 基板90の中央部分に沿った端子領域Tと、左 近傍の端子領域T L と、右端近傍のジャストカット面T R との3つの境界について、スクライブ加工が われる。このうち、中央の端子領域Tだけが 端子カット面とジャストカット面とに挟ま た端子領域(端材領域が端子カット面から取 れない不具合が生じる可能性のある端子領域 )となる。
 この場合、第一回目の強いスクライブ(Y1と る)を、中央の端子領域Tに対して行う。す わち、第一基板G1の端子カット面と第二基板 G2のジャストカット面とに強いスクライブを う。続いて、第二回目の強いスクライブ(Y2 する)を、左端近傍の端子領域T L に対して行う。続いて、第三回目の強いスク ライブ(Y3とする)を、右端近傍のジャストカ ト面T R に対して行う。そして、最後に第四回目の弱 いスクライブ(Y4とする)を、中央の端子領域T 第一基板のジャストカット面に対して弱い クライブで行う。このとき第二基板G2のジ ストカット面の横に、バックアップローラ 押圧しながらスクライブを行う。

 すなわち、中央の端子領域Tに対する強いス クライブ加工の後に、左端近傍の端子領域T L と右端近傍のジャストカット面T R とのスクライブを先に行い、その後で、再び 中央の端子領域Tに対する弱いスクライブ加 を行うようにして、交互に加工を行うよう する。

 以上の手順によって、Y方向のスクライブを 終えると、続いてX方向のスクライブを行う
 X方向については、図12に示すように、マザ 基板90の前端近傍にあるジャストカット面T F と、基板中央にありジャストカット面と端子 カット面とに挟まれた3箇所の端子領域Tと、 端近傍にある端子領域T B とがスクライブ加工される。
 この場合、X方向の3つの端子領域Tについて 、これまでと同様に、第一基板G1の端子カ ト面と第二基板G2のジャストカット面を先に 強くスクライブし、後から第一基板G1のジャ トカット面を弱くスクライブすれば、確実 単位表示パネルを取り出すことができる。 体的には図12に示すように、X2(第一基板G1の 端子カット面と第二基板G2のジャストカット )、X3(第一基板G1のジャストカット面)、X4(第 一基板G1の端子カット面と第二基板G2のジャ トカット面)、X5(第一基板G1のジャストカッ 面)、X6(第一基板G1の端子カット面と第二基 G2のジャストカット面)、X7(第一基板G1のジャ ストカット面)の順で加工を行うようにする なお、X3、X5、X7の加工の際には、第二基板G2 のジャストカット面の横をバックアップロー ラで押圧しながらスクライブが行われる。

 (単位表示パネルの取り出し順序)
 次に、マザー基板にスクライブ加工を行っ 分割された単位表示パネルを取り出すとき 取り出し順序について説明する。
 例えば図10に示したように、端子カット面Cb とジャストカット面Caとに挟まれた端子領域T を有するマザー基板から、単位表示パネルを 1つずつ取り出す際に、隣接する2つの単位表 パネルのうち、端子カット面Cbが境界部分 なる単位表示パネルU1を、ジャストカット面 Caが境界部分となる単位表示パネルU2より先 取り出すようにして、端材領域Eを、ジャス カット面Caが境界部分となる単位表示パネ U2の側に付着しやすくすることが重要になる 。この順を変えると、端材領域Eは端子カッ 面Cb側に付着して残ることになる。そのため 、マザー基板から単位表示パネルを取り出す 際に、取り出し順が重要になる。

 図13は、単位表示パネルがX方向に2列、Y方 に4列並んだ2端子パネルについて、単位表示 パネルの取り出し順を示す図である。
 単位表示パネル(1)は、隣接する単位表示パ ル(2)(3)との境界(図中に〇印で示す)に対し 単位表示パネル(1)の端子カット面Cbが境界部 分となる。したがって、最初に単位表示パネ ル(1)を取り出すことが必要になる。
 単位表示パネル(1)が取り出された状態では 単位表示パネル(2)が、隣接する単位表示パ ル(4)との境界で、端子カット面Cbが境界と る。また、単位表示パネル(3)は隣接する単 表示パネル(4)(5)との境界に対し、端子カッ 面Cbが境界となる。このときは単位表示パネ ル(2)(3)のいずれかを取り出せばよいが、マザ ー基板の前端に近い側から取り出す方が一方 向の搬送にすることができるため、先に単位 表示パネル(2)を取り出す。
 単位表示パネル(1)(2)が取り出された状態で 、単位表示パネル(3)が、隣接する単位表示 ネル(4)(5)との境界で、端子カット面Cbが境 となる。したがって、次に単位表示パネル(3 )を取り出す。以下同様に、図13において各単 位表示パネルに付した番号の若い順(1)、(2)・ ・・(8)に、単位表示パネルを取り出すように する。

 図14は、取り出された各単位基板(1)~(8)につ ての端材領域のつき方を示す図である。
 いずれの単位表示パネルについても端子カ ト面Cbに端材が付着することなく取り出す とができる。したがって、単位表示パネル 端材が付着していても、フック87およびプッ シャ88を用いた後の追加のブレイク処理で、 実に端材を除去することができる。

 以上は二端子パネルについてであるが、 端子パネルや三端子パネル(図15)についても 同様である。なお、四端子パネル(図16)につ ては、取り出し順は問題にならない。

 本発明の基板加工方法は、液晶パネル用 マザー基板のスクライブ加工に利用するこ ができる。