YASUMOTO MANABU
OOTSUKA TAKASHI
NIGORIKAWA YASUKO
ISHII AKIHIRO
YASUMOTO MANABU
OOTSUKA TAKASHI
NIGORIKAWA YASUKO
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See also references of EP 2216337A4
式[1] |
請求項1において、系中にさらに「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」を存在させて反応を行うことを特徴とする、請求項1に記載の4-デオキシ-4-フルオロ-D-グルコース誘導体の製造方法。 |
式[3] |
請求項3において、系中にさらに「有機塩基とフッ化水素からなる塩または錯体」を存在させて反応を行うことを特徴とする、請求項3に記載の4-デオキシ-4-フルオロ-α-D-グルコピラノシド誘導体の製造方法。 |
請求項3または請求項4において、反応溶媒として水と混和する有機溶媒を用い、且つ用いた反応溶媒の3分の1容量以上3倍容量以下の水を、反応終了液に加えて目的物を結晶として析出させ回収することを特徴とする、請求項3または請求項4に記載の4-デオキシ-4-フルオロ-α-D-グルコピラノシド誘導体の製造方法。 |
式[5] [式[5]および式[6]中、Meはメチル基を表し、Bzはベンゾイル基を表す] |
請求項6において、系中にさらに「トリエチルアミンとフッ化水素からなる塩または錯体」を存在させて反応を行うことを特徴とする、請求項6に記載のメチル2,3,6-トリ-O-ベンゾイル-4-デオキシ-4-フルオロ-α-D-グルコピラノシドの製造方法。 |
請求項6または請求項7において、反応溶媒として水と混和する有機溶媒を用い、且つ用いた反応溶媒の3分の1容量以上3倍容量以下の水を、反応終了液に加えて目的物を結晶として析出させ回収することを特徴とする、請求項6または請求項7に記載のメチル2,3,6-トリ-O-ベンゾイル-4-デオキシ-4-フルオロ-α-D-グルコピラノシドの製造方法。 |
本発明は、医農薬中間体、特に糖尿病治 薬の重要中間体である4-デオキシ-4-フルオ -D-グルコース誘導体の工業的な(大量規模で 生産に適した)製造方法に関する。
4-デオキシ-4-フルオロ-D-グルコース誘導 は、医農薬中間体、特に糖尿病治療薬の重 中間体である。従来、本誘導体は3フッ化ジ チルアミノイオウ(DAST)または3フッ化[ビス(2 -メトキシエチル)アミノ]イオウ(BAST)を用いて 合成されていた(非特許文献1、特許文献1)。 かしながら、これらの脱ヒドロキシフッ素 剤は高価であり、さらにDASTについては爆発 危険性があるため、少量スケールでの合成 限られ、工業的な製造方法として採用され ことはなかった。また、反応溶媒は工業的 使用が制限されている塩化メチレンが好適 用いられ、さらに収率が中程度であり、こ らの点も工業化の阻害要因になっていた。
この様に、4-デオキシ-4-フルオロ-D-グル ース誘導体を工業的に製造することができ かった。
一方、本特許出願人は、スルフリルフルオ
ド(SO 2
F 2
)と有機塩基の組み合わせによる脱ヒドロキ
フッ素化反応(必要に応じて「有機塩基とフ
化水素からなる塩または錯体」の存在下に
反応を行うこともできる)を開示した(特許
献2)。
本発明の目的は、4-デオキシ-4-フルオロ-D -グルコース誘導体の工業的な製造方法を提 することにある。そのためには、従来技術 問題点を解決する必要があり、安価で且つ 発の危険性がない脱ヒドロキシフッ素化剤 置き換えることが最重要課題として挙げら る。さらに、工業的な使用が制限されてい 塩化メチレンを用いることなく、目的物が 率良く得られる製造方法を見出すことも重 である。
本発明者らは、上記の課題を踏まえて鋭 検討した結果、特許文献2で開示した、スル フリルフルオリドと有機塩基の組み合わせに よる脱ヒドロキシフッ素化反応(必要に応じ 「有機塩基とフッ化水素からなる塩または 体」の存在下に本反応を行うこともできる) 、本発明の原料であるD-ガラクトース誘導 に極めて好適に適応でき、目的とする脱ヒ ロキシフッ素化反応が良好に進行し、目的 である4-デオキシ-4-フルオロ-D-グルコース誘 導体が収率良く得られることを新たに見出し た。本脱ヒドロキシフッ素化反応では、4位 ドロキシル基の立体化学が反転してフッ素 子が導入されるが、この反転率が非常に高 、さらに、フルオロスルホニル化に引き続 て起こるフッ素置換において、競合するオ フィン体等の副生が少ないことも新たに明 かにした。よって、目的物との分離が難し 不純物を殆ど副生せず、簡便な精製操作で 度の高い4-デオキシ-4-フルオロ-D-グルコース 誘導体を得ることができる。
特に好適な脱ヒドロキシフッ素化剤であ スルフリルフルオリドを用いた場合、反応 了液には「フルオロ硫酸と有機塩基の塩」 化学量論的に含まれていることになる。本 が目的物の粗体または製品中に残存すると フルオロ硫酸自体の好ましくない毒性以外 、酸触媒として作用することでヒドロキシ 基の保護基が外れたり、再結晶精製におけ 回収率が低下したり、経時的な分解により ッ素イオン濃度が増加する等の問題を引き こす。よって、後処理において本塩を効率 く除去することが重要な課題になる。本発 者らは、特許文献2において、目的物と本塩 を含む有機層を水またはアルカリ水溶液で洗 浄することにより、水溶性の高い本塩が水層 側に効率良く且つ選択的に移行することを見 出し、有機層の水洗が本塩の有効な除去方法 になることを開示した。
しかしながら、上記の除去方法において 工業化を踏まえて水またはアルカリ水溶液 使用量を削減すると、「フルオロ硫酸と有 塩基の塩」の除去効率が低下することが判 した(実施例1を参照)。特に本発明の原料で るD-ガラクトース誘導体や目的物である4-デ オキシ-4-フルオロ-D-グルコース誘導体は有機 溶媒に対する溶解度が低いため、反応や後処 理を通して大量の有機溶媒を用いる必要があ る。この様な希釈された有機層から本塩を効 率良く(水またはアルカリ水溶液の限られた で)除去することはさらに困難であり、特許 献2で開示された除去方法を適応しても廃水 の量を削減することができなかった。
そこで、本発明者らは目的物である4-デ キシ-4-フルオロ-D-グルコース誘導体の有機 媒に対する溶解度が低いことに着目し、反 終了液に水を加えることにより目的物が結 として良好に析出し、「フルオロ硫酸と有 塩基の塩」は濾過後の濾液に濃縮され、回 された結晶には殆ど含まれないことを新た 見出した。本後処理操作は目的物の物性を く利用したものであり、後処理において廃 だけでなく廃有機溶媒の量も格段に削減で 、操作性も極めて簡便で高い生産性を可能 した(実施例2を参照)。
本発明では、脱ヒドロキシフッ素化剤とし スルフリルフルオリド以外にトリフルオロ タンスルホニルフルオリド(CF 3 SO 2 F)またはパーフルオロブタンスルホニルフル リド(C 4 F 9 SO 2 F)を用いても同様の反応性が得られる。しか ながら、反応で化学量論的に副生する「パ フルオロアルカンスルホン酸と有機塩基の 」はパーフルオロアルキル基の炭素数が増 するに従い脂溶性が高くなる。よって、水 性の最も高い「フルオロ硫酸と有機塩基の 」を副生するスルフリルフルオリドを用い ことが特に好適であり、本発明の後処理に けるメリットを最大限に発揮することがで る。
この様に、4-デオキシ-4-フルオロ-D-グル ース誘導体の工業的な製造方法として極め 有用な方法を見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は第1方法から第8方法 含み、4-デオキシ-4-フルオロ-D-グルコース誘 導体の工業的な製造方法を提供する。
本発明に依れば、式[1]
第1方法は、第1方法において、系中にさ に「有機塩基とフッ化水素からなる塩また 錯体」を存在させて反応を行うことを特徴 する、4-デオキシ-4-フルオロ-D-グルコース誘 導体の製造方法(第2方法)であってもよい。
本発明に依れば、式[3]
第3方法は、第3方法において、系中にさ に「有機塩基とフッ化水素からなる塩また 錯体」を存在させて反応を行うことを特徴 する、4-デオキシ-4-フルオロ-α-D-グルコピラ ノシド誘導体の製造方法(第4方法)であっても よい。
第3または第4方法は、第3または第4方法に おいて、反応溶媒として水と混和する有機溶 媒を用い、且つ用いた反応溶媒の3分の1容量 上3倍容量以下の水を、反応終了液に加えて 目的物を結晶として析出させ回収することを 特徴とする、4-デオキシ-4-フルオロ-α-D-グル ピラノシド誘導体の製造方法(第5方法)であ てもよい。
本発明に依れば、式[5]
ルオロ-α-D-グルコピラノシドを含有する反応
終了液を得、該反応終了液に水を加えて目的
物を結晶として析出させ回収することを特徴
とする、メチル2,3,6-トリ-O-ベンゾイル-4-デオ
キシ-4-フルオロ-α-D-グルコピラノシドの製造
方法(第6方法)が提供される。
[式[5]および式[6]中、Meはメチル基を表し、Bz
ベンゾイル基を表す]
第6方法は、第6方法において、系中にさ に「トリエチルアミンとフッ化水素からな 塩または錯体」を存在させて反応を行うこ を特徴とする、メチル2,3,6-トリ-O-ベンゾイ -4-デオキシ-4-フルオロ-α-D-グルコピラノシ の製造方法(第7方法)であってもよい。
第6または第7方法は、第6または第7方法に いて、反応溶媒として水と混和する有機溶 を用い、且つ用いた反応溶媒の3分の1容量以 上3倍容量以下の水を、反応終了液に加えて 的物を結晶として析出させ回収することを 徴とする、メチル2,3,6-トリ-O-ベンゾイル-4- オキシ-4-フルオロ-α-D-グルコピラノシドの 造方法(第8方法)であってもよい。
本発明が従来技術に比べて有利な点を以 に述べる。
非特許文献1および特許文献1に対しては 脱ヒドロキシフッ素化剤として安価で且つ 発の危険性がないスルフリルフルオリド、 リフルオロメタンスルホニルフルオリドま はパーフルオロブタンスルホニルフルオリ を用いることができる。特に好適なスルフ ルフルオリドは燻蒸剤として広く利用され おり、大量規模での入手も容易である。さ に、本発明では種々の反応溶媒を好適に用 ることができるため、塩化メチレンの使用 回避でき、また目的物の収率も従来技術に べて格段に高い。
特許文献2に対しては、開示された脱ヒド ロキシフッ素化反応が本発明の原料であるD- ラクトース誘導体に極めて好適に適応でき ことを新たに見出した。さらに、後処理に いては廃水および廃有機溶媒の量を格段に 減でき、操作性も極めて簡便で高い生産性 可能にした。
本発明は、4-デオキシ-4-フルオロ-D-グル ース誘導体が高い純度で収率良く得られる けでなく、従来技術の問題点を全て解決し 工業的にも実施容易な製造方法である。
本発明の4-デオキシ-4-フルオロ-D-グルコ ス誘導体の製造方法について詳細に説明す 。
本発明は、式[1]で示されるD-ガラクトー 誘導体を有機塩基の存在下に、または有機 基と「有機塩基とフッ化水素からなる塩ま は錯体」の存在下にスルフリルフルオリド( リフルオロメタンスルホニルフルオリドま はパーフルオロブタンスルホニルフルオリ )と反応させることによりなり、反応中間体 であるフルオロ硫酸エステル(トリフルオロ タンスルホン酸エステルまたはパーフルオ ブタンスルホン酸エステル)を単離すること く、一つの反応器内でフルオロスルホニル (トリフルオロメタンスルホニル化またはパ ーフルオロブタンスルホニル化)とフッ素置 を連続的に行うことができる。フルオロス ホニル化(トリフルオロメタンスルホニル化 たはパーフルオロブタンスルホニル化)では ヒドロキシル基の立体化学は保持され、引き 続くフッ素置換では立体化学が反転する。従 って、式[1]で示されるD-ガラクトース誘導体 らは、式[2]で示される4-デオキシ-4-フルオ -D-グルコース誘導体が得られる。
式[1]で示されるD-ガラクトース誘導体のR 1 としては、ヒドロキシル基、炭素数1から6の 鎖または分枝のアルコキシ基、炭素数1から 6の直鎖または分枝のアシルオキシ基、フッ 、塩素、臭素等のハロゲン原子が挙げられ 。その中でも炭素数1から6の直鎖または分枝 のアルコキシ基が好ましく、特にメトキシ基 がより好ましい。R 1 がヒドロキシル基以外の場合は、反応の前後 で変化しない(式[2]で示される4-デオキシ-4-フ ルオロ-D-グルコース誘導体のR 3 と同一であることを意味する)。
式[1]で示されるD-ガラクトース誘導体のR 2 としては、アセチル基、ベンゾイル基等のア シル基、ベンジル基等のアラルキル基等のヒ ドロキシル基の保護基が挙げられる。その中 でもアセチル基、ベンゾイル基等のアシル基 が好ましく、特にベンゾイル基がより好まし い。ヒドロキシル基の保護基はそれぞれ独立 に選ぶことができ、3つ全てが異なるケース 任意の2つが同じで残り1つが異なるケース、 または、3つ全てが同じケースを採ることが きる。この中でも、任意の2つが同じで残り1 つが異なるケース、および、3つ全てが同じ ースが好ましく、特に、3つ全てが同じケー がより好ましい。R 2 は反応の前後で変化しない。
式[1]で示されるD-ガラクトース誘導体の波 は、アノマー位の立体化学がα、β、または αとβの混合物であることを表し、目的物で ある式[2]で示される4-デオキシ-4-フルオロ-D- ルコース誘導体のアノマー位の立体化学に じて適宜使い分けることができる。R 1 がヒドロキシル基以外の場合は、反応の前後 でアノマー位の立体化学は保持されるが、R 1 がヒドロキシル基の場合は、フッ素原子に置 換され、αとβの比が変化することがある。
式[2]で示される4-デオキシ-4-フルオロ-D-グ コース誘導体のR 3 がフッ素原子の場合は、原料である式[1]で示 されるD-ガラクトース誘導体のR 1 にヒドロキシル基のものを用いて、ヒドロキ シル基が反応することでフッ素原子に置換さ れたものもある。
式[3]で示されるα-D-ガラクトピラノシド誘 体のR 4 としては、炭素数1から6の直鎖または分枝の ルキル基が挙げられる。
式[1]で示されるD-ガラクトース誘導体は Journal of Organic Chemistry(米国),1965年,第30巻,p. 2312-2317等を参考にして製造することができる 。式[3]で示されるα-D-ガラクトピラノシド誘 体はその製造が比較的容易なことから好適 原料であり、さらに式[5]で示されるメチル2 ,3,6-トリ-O-ベンゾイル-α-D-ガラクトピラノシ は市販されており、大量規模での入手も容 なことから特に好適な原料である。
脱ヒドロキシフッ素化剤としては、スルフ ルフルオリド(SO 2 F 2 )、トリフルオロメタンスルホニルフルオリ (CF 3 SO 2 F)またはパーフルオロブタンスルホニルフル リド(C 4 F 9 SO 2 F)が挙げられる。その中でもスルフリルフル リドおよびトリフルオロメタンスルホニル ルオリドが好ましく、特にスルフリルフル リドがより好ましい。スルフリルフルオリ はフッ素の原子経済性が高く、最終廃棄物 して蛍石(CaF 2 )に処理することができる。また、好適なス フリルフルオリドにはヒドロキシル基との 応点が二つあるが、本発明の原料である式[1 ]で示されるD-ガラクトース誘導体を用いても 好適な反応条件を採用することにより、二置 換の硫酸ジエステルを殆ど与えず(スキーム1 参照)、目的とするフルオロ硫酸エステルを 経てフッ素置換が良好に進行することを新た に見出した。
脱ヒドロキシフッ素化剤の使用量として 、特に制限はないが、式[1]で示されるD-ガ クトース誘導体1モルに対して1モル以上を使 用すればよく、通常は1~10モルが好ましく、 に1~5モルがより好ましい(実施例4の様に大過 剰使用しても特に問題ないが経済的に好まし くない)。
有機塩基としては、トリメチルアミン、 リエチルアミン、ジイソプロピルエチルア ン、トリn-プロピルアミン、トリn-ブチルア ミン、ピリジン、2,3-ルチジン、2,4-ルチジン 2,5-ルチジン、2,6-ルチジン、3,4-ルチジン、3 ,5-ルチジン、2,3,4-コリジン、2,4,5-コリジン、 2,5,6-コリジン、2,4,6-コリジン、3,4,5-コリジン 、3,5,6-コリジン、N,N-ジメチルシクロヘキシ アミン(DMCHA)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウン セ-7-エン(DBU)、ジメチルアミノピリジン(DMAP) 等が挙げられる。その中でもトリエチルアミ ン、ジイソプロピルエチルアミン、トリn-プ ピルアミン、トリn-ブチルアミン、ピリジ 、2,3-ルチジン、2,4-ルチジン、2,6-ルチジン 3,4-ルチジン、3,5-ルチジン、2,4,6-コリジンお よび3,5,6-コリジンが好ましく、特にトリエチ ルアミンがより好ましい。
有機塩基の使用量としては、特に制限は いが、式[1]で示されるD-ガラクトース誘導 1モルに対して1モル以上を使用すればよく、 通常は1~20モルが好ましく、特に1~10モルがよ 好ましい。
第2、第4、第5、第7および第8方法で用い 「有機塩基とフッ化水素からなる塩または 体」について詳細に説明する。
本発明はスキーム2に示す様に、例えばス ルフリルフルオリドを用いることにより、式 [1]で示されるD-ガラクトース誘導体をフルオ 硫酸エステルに変換でき、このフルオロス ホニル化の工程で反応系内に化学量論的に 生した「トリエチルアミンとフッ化水素か なる塩」がフッ素置換のフッ素源として有 に利用される。またスキーム3に示す様に、 例えば「トリエチルアミン・三フッ化水素錯 体」の存在下にフルオロスルホニル化を行う こともでき、スキーム2に示した方法に比べ 、式[2]で示される4-デオキシ-4-フルオロ-D-グ ルコース誘導体がより高い収率および選択性 で得られることを新たに見出した。
「有機塩基とフッ化水素からなる塩また 錯体」の有機塩基としては、トリメチルア ン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエ ルアミン、トリn-プロピルアミン、トリn-ブ チルアミン、ピリジン、2,3-ルチジン、2,4-ル ジン、2,5-ルチジン、2,6-ルチジン、3,4-ルチ ン、3,5-ルチジン、2,3,4-コリジン、2,4,5-コリ ジン、2,5,6-コリジン、2,4,6-コリジン、3,4,5-コ リジン、3,5,6-コリジン、N,N-ジメチルシクロ キシルアミン(DMCHA)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0 ]ウンデセ-7-エン(DBU)、ジメチルアミノピリジ ン(DMAP)等が挙げられる。その中でもトリエチ ルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ト リn-プロピルアミン、トリn-ブチルアミン、 リジン、2,3-ルチジン、2,4-ルチジン、2,6-ル ジン、3,4-ルチジン、3,5-ルチジン、2,4,6-コリ ジンおよび3,5,6-コリジンが好ましく、特にト リエチルアミンがより好ましい。
「有機塩基とフッ化水素からなる塩また 錯体」の有機塩基とフッ化水素のモル比と ては、100:1~1:100の範囲であり、通常は50:1~1:5 0の範囲が好ましく、特に25:1~1:25の範囲がよ 好ましい。さらにアルドリッチ(Aldrich、2007-2 008総合カタログ)から市販されている、「ト エチルアミン1モルとフッ化水素3モルからな る錯体」、または「ピリジン~30%(~10モル%)と ッ化水素~70%(~90モル%)からなる錯体」を使用 るのが極めて便利である。
「有機塩基とフッ化水素からなる塩または 体」の使用量としては、特に制限はないが 式[1]で示されるD-ガラクトース誘導体1モル 対してフッ素アニオン(F - )として0.3モル以上を使用すればよく、通常 0.5~50モルが好ましく、特に0.7~25モルがより ましい。
反応溶媒としては、n-ヘキサン、シクロ キサン、n-ヘプタン等の脂肪族炭化水素系、 ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン 等の芳香族炭化水素系、塩化メチレン、クロ ロホルム、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン 炭化水素系、ジエチルエーテル、テトラヒ ロフラン、tert-ブチルメチルエーテル等のエ ーテル系、酢酸エチル、酢酸n-ブチル等のエ テル系、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジ チルアセトアミド、N-メチルピロリドン、1,3 -ジメチル-2-イミダゾリジノン等のアミド系 アセトニトリル、プロピオニトリル等のニ リル系、ジメチルスルホキシド等が挙げら る。その中でもテトラヒドロフラン、N,N-ジ チルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミ ド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、アセ ニトリル、プロピオニトリルおよびジメチ スルホキシドが好ましく、特にテトラヒド フラン、N,N-ジメチルホルムアミドおよびア トニトリルがより好ましい。これらの反応 媒は単独または組み合わせて使用すること できる。
反応溶媒の使用量としては、特に制限は いが、式[1]で示されるD-ガラクトース誘導 1モルに対して0.1L(リットル)以上を使用すれ よく、通常は0.1~20Lが好ましく、特に0.1~10L より好ましい。また本発明においては、原 の一部が未溶解の状態で反応を開始するこ もできる。
反応温度としては、特に制限はないが、- 100~+100℃の範囲で行えばよく、通常は-80~+80℃ が好ましく、特に-60~+60℃がより好ましい。 ヒドロキシフッ素化剤の沸点[例えば、スル リルフルオリドの沸点(-49.7℃)]以上の温度 件で反応を行う場合には、耐圧反応容器を いることができる。
圧力条件としては、特に制限はないが、 気圧~2MPaの範囲で行えばよく、通常は大気 ~1.5MPaが好ましく、特に大気圧~1MPaがより好 しい。従って、ステンレス鋼(SUS)またはガラ ス(グラスライニング)の様な材質でできた耐 反応容器を用いて反応を行うのが好ましい
反応時間としては、特に制限はないが、0 .1~72時間の範囲で行えばよく、原料および反 条件により異なるため、ガスクロマトグラ ィー、液体クロマトグラフィー、NMR等の分 手段により、反応の進行状況を追跡して原 が殆ど消失した時点を終点とすることが好 しい。
後処理としては、特に制限はないが、通 は反応終了液を有機溶媒(例えば、トルエン 、キシレン、tert-ブチルメチルエーテルまた 酢酸エチル等)で希釈し、水またはアルカリ 金属の無機塩基(例えば、炭酸水素ナトリウ 、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウムまた 炭酸カリウム等)の水溶液で洗浄し(「フルオ ロ硫酸と有機塩基の塩」の従来からの除去方 法)、回収した有機層を濃縮することにより 式[2]で示される4-デオキシ-4-フルオロ-D-グル コース誘導体を粗生成物として得ることがで きる。
しかしながら、本発明の重要な特徴であ 「反応終了液に水を加えて目的物を結晶と て析出させ回収する」という後処理操作を 用することにより、「フルオロ硫酸(または パーフルオロアルカンスルホン酸)と有機塩 の塩」を濾過後の濾液に効率良く濃縮する とができ、本塩を殆ど含まない粗結晶を収 良く回収することができる。本発明の後処 におけるメリットを最大限に発揮させるに 、反応溶媒として水との混和性が極めて良 なN,N-ジメチルホルムアミドまたはアセトニ リルを用い、その使用量として式[1]で示さ るD-ガラクトース誘導体1モルに対して0.5~5L 用いることが重要である。この反応溶媒と 用量の組み合わせを採用すれば、目的物が 部析出した不均一系の反応終了液に対して 好適に適用できる。
本発明の重要な特徴である上記の後処理 作について詳細に説明する。
加える水の量としては、用いた反応溶媒 容量に対して5分の1以上5倍以下を使用すれ よく、通常は4分の1以上4倍以下が好ましく 特に3分の1以上3倍以下がより好ましい。「 応溶媒として水と混和する有機溶媒を用い 且つ用いた反応溶媒の3分の1容量以上3倍容 以下の水を、反応終了液に加えて目的物を 晶として析出させ回収する」という好適な み合わせを採用することにより、高い脱塩 果と目的物の高い回収率を達成することが きる。
結晶の析出方法としては、特に制限はな が、攪拌しながら結晶を析出させる方法が ましく、特に本方法と析出した結晶の塊を 砕する操作を組み合わせる方法がより好ま い。また必要に応じて、種結晶を加えるこ により結晶が円滑に且つ効率良く析出する 合がある。
種結晶の使用量としては、特に制限はな が、式[1]で示されるD-ガラクトース誘導体1 ルに対して0.00001モル以上を使用すればよく 、通常は0.0001~0.1モルが好ましく、特に0.0002~0 .05モルがより好ましい。
析出温度としては、-20~+50℃の範囲で行え ばよく、通常は-10~+40℃が好ましく、特に0~+30 ℃がより好ましい。
析出時間としては、特に制限はないが、0 .1~72時間の範囲で行えばよく、目的物および 出条件により異なるため、ガスクロマトグ フィー、液体クロマトグラフィー、NMR等の 析手段により、上澄み液に残存する目的物 量を追跡して結晶が殆ど析出した時点を終 とすることが好ましい。
回収方法としては、特に制限はないが、 常は析出した結晶を濾過することにより、 フルオロ硫酸(またはパーフルオロアルカン スルホン酸)と有機塩基の塩」を殆ど含まな 、式[2]で示される4-デオキシ-4-フルオロ-D-グ ルコース誘導体を粗結晶として得ることがで きる。得られた目的物の粗生成物または粗結 晶は、必要に応じて活性炭処理、蒸留、再結 晶等により高い化学純度に精製することがで きる。
本精製操作の内、好適な再結晶について 細に説明する。
再結晶溶媒としては、n-ペンタン、n-ヘキ サン、シクロヘキサン、n-ヘプタン等の脂肪 炭化水素系、ベンゼン、トルエン、エチル ンゼン、キシレン、メシチレン等の芳香族 化水素系、塩化メチレン、クロロホルム、1 ,2-ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系 、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、 t-ブチルメチルエーテル、1,4-ジオキサン等の エーテル系、アセトン、メチルエチルケトン 、メチルi-ブチルケトン等のケトン系、酢酸 チル、酢酸n-ブチル等のエステル系、アセ ニトリル、プロピオニトリル等のニトリル 、メタノール、エタノール、n-プロパノール 、i-プロパノール、n-ブタノール等のアルコ ル系、水等が挙げられる。その中でもn-ヘキ サン、n-ヘプタン、トルエン、キシレン、t- チルメチルエーテル、アセトン、酢酸エチ 、アセトニトリル、メタノール、エタノー 、n-プロパノールおよびi-プロパノールが好 しく、特にn-ヘキサン、n-ヘプタン、トルエ ン、キシレン、酢酸エチルおよびi-プロパノ ルがより好ましい。これらの再結晶溶媒は 独または組み合わせて使用することができ 。
再結晶溶媒の使用量としては、特に制限 ないが、式[2]で示される4-デオキシ-4-フル ロ-D-グルコース誘導体の粗生成物または粗 晶1モルに対して0.1L以上を使用すればよく、 通常は0.1~20Lが好ましく、特に0.1~10Lがより好 しい。
再結晶精製においては、種結晶を加える とにより結晶が円滑に且つ効率良く析出す 場合がある。
種結晶の使用量としては、特に制限はな が、式[2]で示される4-デオキシ-4-フルオロ-D -グルコース誘導体の粗生成物または粗結晶1 ルに対して0.00001モル以上を使用すればよく 、通常は0.0001~0.1モルが好ましく、特に0.0002~0 .05モルがより好ましい。
再結晶温度としては、特に制限はないが 使用する再結晶溶媒の沸点および凝固点に り適宜決めればよく、通常は室温(25℃)から 再結晶溶媒の沸点付近の温度で精製前の目的 物を溶解させ、-30~+60℃で結晶を析出させる とが好ましい。
再結晶精製においては、析出した結晶の 学純度が向上するため、析出した結晶を濾 等で回収することにより、高い化学純度の [2]で示される4-デオキシ-4-フルオロ-D-グル ース誘導体を得ることができる。また再結 精製を繰り返すことによりさらに高い化学 度の目的物を得ることができる。本発明に いては目的物との分離が難しい不純物を殆 副生しないため、限りなく純品(化学純度100% )に近いところまで精製することができる。
本発明においては、D-ガラクトース誘導 を有機塩基の存在下にスルフリルフルオリ 、トリフルオロメタンスルホニルフルオリ またはパーフルオロブタンスルホニルフル リドと反応させることにより4-デオキシ-4-フ ルオロ-D-グルコース誘導体を製造することが できる(態様1)。
好ましくは、α-D-ガラクトピラノシド誘 体を有機塩基の存在下にスルフリルフルオ ドまたはトリフルオロメタンスルホニルフ オリドと反応させ、さらに反応終了液に水 加えて目的物を結晶として析出させ回収す ことにより4-デオキシ-4-フルオロ-α-D-グルコ ピラノシド誘導体を製造することができる。 本製造方法は、その製造が比較的容易なα-D- ラクトピラノシド誘導体を原料とすること でき、さらに脱ヒドロキシフッ素化剤とし スルフリルフルオリドまたはトリフルオロ タンスルホニルフルオリドを用いることに り本発明の後処理におけるメリットを発揮 ることができる。よって、これらの組み合 せが本発明の中でも好ましい態様である(態 様2)。
より好ましくは、メチル2,3,6-トリ-O-ベン イル-α-D-ガラクトピラノシドをトリエチル ミンの存在下にスルフリルフルオリドと反 させ、さらに反応終了液に水を加えて目的 を結晶として析出させ回収することにより チル2,3,6-トリ-O-ベンゾイル-4-デオキシ-4-フ オロ-α-D-グルコピラノシドを製造すること できる。本製造方法は、糖尿病治療薬の極 て重要な中間体であるメチル2,3,6-トリ-O-ベ ゾイル-4-デオキシ-4-フルオロ-α-D-グルコピ ノシドを直接的に製造することができ、ま 工業的に安価なトリエチルアミンを用いる とができ、さらに脱ヒドロキシフッ素化剤 してスルフリルフルオリドを用いることに り本発明の後処理におけるメリットを最大 に発揮することができる。よって、これら 組み合わせが本発明の中でもより好ましい 様である(態様3)。
さらに、態様1は「有機塩基とフッ化水素 からなる塩または錯体」の存在下に反応を行 うことで好適な組み合わせになり(態様4)、態 様2は「有機塩基とフッ化水素からなる塩ま は錯体」の存在下に反応を行うことでより 適な組み合わせになり(態様5)、態様3は「ト エチルアミンとフッ化水素からなる塩また 錯体」の存在下に反応を行うことで最も好 な組み合わせになる(態様6)。
最後に工業的な製造方法としての観点も 慮すると、反応溶媒として水と混和する有 溶媒を用い、且つ用いた反応溶媒の3分の1 量以上3倍容量以下の水を、反応終了液に加 て目的物を結晶として析出させ回収するこ により、態様2は工業的に実施可能な態様と なり(態様7)、態様3は工業的により実施可能 態様となり(態様8)、態様5は工業的に実施容 な態様となり(態様9)、態様6は工業的により 実施容易な態様となる(態様10)。
[実施例]
実施例により本発明の実施の形態を具体的
説明するが、本発明はこれらの実施例に限
されるものではない。
[実施例1]
ステンレス鋼(SUS)製耐圧反応容器に、下記
1
H-NMR(基準物質:Me 4
Si,重溶媒:CDCl 3
),δ ppm:3.47(S,3H),4.32(m,1H),4.67(m,2H),4.76(dt,51.2Hz,9.
4Hz,1H),5.19(m,2H),6.13(dt,14.4Hz,9.6Hz,1H),7.34-7.64(Ar-H,9
H),7.95-8.13(Ar-H,6H).
19
F-NMR(基準物質:C 6
F 6
,重溶媒:CDCl 3
),δ ppm:-35.32(dd,50.2Hz,13.7Hz,1F).
これらの機器データは非特許文献1の実験 の部に記載されたものと同じであった。
[実施例2]
ステンレス鋼(SUS)製耐圧反応容器に、下記
この様に、実施例1と実施例2の反応自体 共に良好に進行しているが、後処理の比較 テーブル1に纏めるが、操作性、廃棄物量お び脱塩効率の全ての点において実施例2の方 が格段に優位である。
[実施例3]
ステンレス鋼(SUS)製耐圧反応容器に、下記
[実施例4]
ステンレス鋼(SUS)製耐圧反応容器に、下記