Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR PRODUCING ADHESIVE, METHOD FOR CONNECTING ELECTRONIC COMPONENT AND BONDED BODY
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/146688
Kind Code:
A1
Abstract:
A method for producing anisotropic conductive adhesive exhibiting high connection reliability of electronic component while preventing short circuit of a terminal. A method for connecting an electronic component using an anisotropic conductive adhesive, and a bonded body are also provided. The method for producing adhesive includes a step for mixing a dispersion solvent, insulating particles containing resin swelling through contact with the dispersion solvent, conductive particles not swelling through contact with the dispersion solvent, and adhesive resin dissolving into the dispersion solvent. The insulating particles where the resin has swelled through contact with the dispersion solvent have a particle size smaller than that of the conductive particles.

Inventors:
ISHIMATSU TOMOYUKI (JP)
SATO DAISUKE (JP)
OZEKI HIROKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/059382
Publication Date:
December 04, 2008
Filing Date:
May 21, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
SONY CHEM & INF DEVICE CORP (JP)
ISHIMATSU TOMOYUKI (JP)
SATO DAISUKE (JP)
OZEKI HIROKI (JP)
International Classes:
C09J201/00; C09J5/00; C09J7/00; C09J9/02; C09J11/04; C09J11/08; H01L21/60; H05K1/14; H05K3/32
Domestic Patent References:
WO2008023565A12008-02-28
Foreign References:
JP2001068832A2001-03-16
JP2007287654A2007-11-01
Attorney, Agent or Firm:
HIROTA, Koichi et al. (NAGARE & ASSOCIATES 4th floor, Shinjuku TR Bldg., 2-2-13, Yoyogi, Shibuya-k, Tokyo 53, JP)
Download PDF:
Claims:
 分散溶剤と、前記分散溶剤との接触により膨潤する樹脂を含む絶縁性粒子と、前記分散溶剤との接触によっても膨潤しない導電性粒子と、前記分散溶剤に溶解する接着剤樹脂とを混合する混合工程を含み、
前記混合工程において、前記分散溶剤との接触により樹脂が膨潤された前記絶縁性粒子の粒径が、前記導電性粒子の粒径未満であることを特徴とする接着剤の製造方法。
 分散溶剤と、前記分散溶剤との接触により膨潤する樹脂を含む絶縁性粒子と、前記分散溶剤との接触によっても膨潤しない導電性粒子と、前記分散溶剤に溶解する接着剤樹脂とを混合してペースト状の接着剤を作製するペースト状接着剤作製工程と、
前記ペースト状の接着剤を加熱してフィルム化するフィルム化工程とを含み、
前記フィルム化工程において、前記接着剤の加熱により樹脂が膨潤された前記絶縁性粒子の粒径が、前記導電性粒子の粒径未満であることを特徴とする接着剤の製造方法。
 分散溶剤が、メチルエチルケトン、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及び酢酸エチルよりなる有機溶剤群から選ばれる少なくとも1種の有機溶剤を含有し、
絶縁性粒子がメタクリル樹脂を含む樹脂粒子である請求の範囲第1項から第2項のいずれかに記載の接着剤の製造方法。
 第一の電子部品の第一の端子と、第二の電子部品の第二の端子とを、請求の範囲第1項から第3項のいずれかに記載の接着剤を介して対向させ、
前記第一の端子及び前記第二の端子間に熱及び押圧力を印加して、前記第一の端子及び前記第二の端子で前記接着剤中の導電性粒子を挟持する加熱押圧工程を含むことを特徴とする電子部品の接続方法。
 第一の電子部品は、基板を有し、前記基板の縁部分に第一の端子が配置された請求の範囲第4項に記載の電子部品の接続方法。
請求の範囲第4項から第5項のいずれかに記載の接続方法を用いたことを特徴とする異方性導電接合体。
Description:
接着剤の製造方法、電子部品の 続方法及び接合体

 本発明は、電子部品の接続に用いる異方 電性接着剤の製造方法、電子部品の接続方 及び接合体に関する。

 従来より、電子部品の接続には、導電性粒 が接着剤中に分散された異方導電性接着剤 用いられている。
 しかし、近年、電子部品の端子の狭ピッチ が進んでおり、電子部品を接続する際に、 電性粒子が隣接する端子間で凝集して、端 間が短絡(ショート)することがある。

 特に、LCDパネル(液晶パネル)の縁部分の 子に、テープキャリアに半導体チップを搭 したデバイス(TAB:Tape Automated Bonding)や、フ ルムキャリアに半導体チップを搭載したデ イス(COF:Chip On Film)を接続する場合、圧着ツ ールがずれてLCDパネルの角部分(エッジ部)を 着すると、エッジ部で導電性粒子が堰き止 られて粒子凝集が発生し、隣接する端子間 ショートする問題がある。

 これら導電性粒子の凝集によるショートを 減する技術としては、導電性粒子の表面に 縁性被膜を施した粒子を用いる、導電性粒 の粒子径を小さくする、導電性粒子の密度 減らす、等の提案がなされている。
 絶縁性被膜を施した粒子は、凝集が発生し 際にその絶縁性被膜を破壊するだけの外部 力が加わるとショートが起こるという問題 がある。

 また、単に導電性粒子の粒子径を小さくし だけでは、粒子凝集によるショートを完全 解決できないだけでなく、導電性粒子自体 特性(回復力等)が低下するため好ましくな 。
 また、粒子密度を減らして粒子凝集を抑え 方法は、端子間の粒子捕捉が不足し、導通 良になってしまうという問題を抱えていた

 また、粒子凝集によるショートを完全に防 するために、導電性粒子と一緒に絶縁性粒 を添加した異方導電性接着剤が公知である( 特許文献3参照)。
 しかし、絶縁性粒子は一般に樹脂粒子から り、樹脂粒子は異方導電性接着剤中の有機 剤に膨潤しやすい。樹脂粒子が膨潤して体 が増えると、粒径が導電性粒子よりも大き なり、電子部品の端子間で接続不良が生じ という問題がある。

特開2001-85083号公報

特開2005-347273号公報

特開2002-75488号公報

 本発明は、従来における前記諸問題を解決 、以下の目的を達成することを課題とする
即ち、
本発明は、端子のショートを防止し、かつ、 電子部品の接続信頼性の高い異方導電性接着 剤を製造する接着剤の製造方法、該異方導電 性接着剤を用いて電子部品を接続する電子部 品の接続方法、及び接合体を提供することを 目的とする。
<1>分散溶剤と、前記分散溶剤との接触に より膨潤する樹脂を含む絶縁性粒子と、前記 分散溶剤との接触によっても膨潤しない導電 性粒子と、前記分散溶剤に溶解する接着剤樹 脂とを混合する混合工程を含み、前記混合工 程において、前記分散溶剤との接触により樹 脂が膨潤された前記絶縁性粒子の粒径が、前 記導電性粒子の粒径未満であることを特徴と する接着剤の製造方法である。
<2>分散溶剤と、前記分散溶剤との接触に より膨潤する樹脂を含む絶縁性粒子と、前記 分散溶剤との接触によっても膨潤しない導電 性粒子と、前記分散溶剤に溶解する接着剤樹 脂とを混合してペースト状の接着剤を作製す るペースト状接着剤作製工程と、前記ペース ト状の接着剤を加熱してフィルム化するフィ ルム化工程とを含み、前記フィルム化工程に おいて、前記接着剤の加熱により樹脂が膨潤 された前記絶縁性粒子の粒径が、前記導電性 粒子の粒径未満であることを特徴とする接着 剤の製造方法である。
<3>分散溶剤が、メチルエチルケトン、ト ルエン、プロピレングリコールモノメチルエ ーテルアセテート及び酢酸エチルよりなる有 機溶剤群から選ばれる少なくとも1種の有機 剤を含有し、絶縁性粒子がメタクリル樹脂 含む樹脂粒子である前記<1>から<2> いずれかに記載の接着剤の製造方法である
<4>第一の電子部品の第一の端子と、第二 の電子部品の第二の端子とを、前記<1>か ら<3>のいずれかに記載の接着剤を介して 対向させ、前記第一の端子及び前記第二の端 子間に熱及び押圧力を印加して、前記第一の 端子及び前記第二の端子で前記接着剤中の導 電性粒子を挟持する加熱押圧工程を含むこと を特徴とする電子部品の接続方法である。
<5>第一の電子部品は、基板を有し、前記 基板の縁部分に第一の端子が配置された前記 <4>に記載の電子部品の接続方法である。
<6>前記<4>から<5>のいずれかに記 載の接続方法を用いたことを特徴とする異方 性導電接合体である。

 本発明によると、従来における問題を解決 ることができ、前記目的を達成することが きる。即ち、
本発明によると、端子のショートを防止し、 かつ、電子部品の接続信頼性の高い異方導電 性接着剤を製造する接着剤の製造方法、及び 該異方導電性接着剤を用いて電子部品を接続 する電子部品の接続方法を提供することがで きる。
本発明は前記のように構成されており、絶縁 性粒子は、先ず、分散溶剤等と混合する際に 、絶縁性粒子が分散溶剤と接触して膨潤する 。
 異方導電性接着剤がペースト状の場合、接 剤中に分散溶剤が多量に残っているため、 合工程で絶縁性粒子における樹脂が飽和状 まで膨潤しなくても、製品の状態で樹脂の 潤が進行して飽和に達する。
 また、異方導電性接着剤がフィルム状の場 、ペースト状の接着剤を加熱する際に、加 によって絶縁性粒子における樹脂の膨潤が 行し、樹脂が飽和状態まで膨潤する。

 ペースト状及びフィルム状のいずれの異方 電性接着剤の場合も、電子部品の接続に用 る時には、絶縁性粒子における樹脂が飽和 態まで膨潤し、絶縁性粒子の粒径が最大値 なるが、その最大値は導電性粒子の粒径を えない。
 従って、対向する端子で異方導電性接着剤 押圧するときには、端子は導電性粒子に接 するから、導通不良が生じない。

 また、絶縁性粒子の粒径は、導電性粒子 粒径を超えないので、対向する端子は導電 粒子を挟持し、導通不良が生じない。異方 電性接着剤には、絶縁性粒子が導電性粒子 添加されているため、導電性粒子の凝集が こっても、導電性粒子の間に絶縁性粒子が り込むことで、隣接する端子間が導電性粒 で接続されず、ショートしない。導電性粒 の密度を減らさなくても、ショートが発生 ないから、接続信頼性が高い。

図1Aは、導電性粒子の模式図である。 図1Bは、絶縁性粒子の模式図である。 図2は、異方導電性接着剤の断面図であ る。 図3は、本圧着工程を説明するための断 面図である。 図4は、接続体の模式的な平面図である 。

(接着剤の製造方法)
本発明の接着剤の製造方法の第一の実施の形 態は、混合工程を少なくとも含み、更に必要 に応じて適宜選択したその他の工程を含む。

<混合工程>
前記混合工程は、分散溶剤と、前記分散溶剤 との接触により膨潤する樹脂を含む絶縁性粒 子と、前記分散溶剤との接触によっても膨潤 しない導電性粒子と、前記分散溶剤に溶解す る接着剤樹脂とを混合する工程である。

-分散溶剤-
前記分散溶剤としては、特に制限はなく、目 的に応じて適宜選択することができる。前記 分散溶剤としては、酢酸エチルと、トルエン との混合溶剤に限定されず、例えば、絶縁性 樹脂粒子がメタクリル樹脂粒子である(主成 とする)場合は、分散溶剤として、メチルエ ルケトン(MEK)、トルエン、プロピレングリ ールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC)及 酢酸エチル等の有機溶剤を用いることがで る。これらの有機溶剤は単独で用いてもよ し、2種類以上を混合して用いてもよい。

-絶縁性粒子-
前記絶縁性粒子としては、前記分散溶剤との 接触により膨潤する樹脂を含むものであれば 、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択す ることができる。前記絶縁性粒子は、少なく とも表面に樹脂が露出する樹脂粒子であり、 有機溶剤と接触すると、表面に露出した樹脂 が有機溶剤を吸収して膨潤し、前記絶縁性粒 子の体積が増加して前記絶縁性粒子の粒径が 大きくなる。
 樹脂の膨潤による体積増加は無制限ではな 、樹脂の種類と、有機溶剤の種類の組合せ に、粒径が最大となる最大膨潤率が決まっ いる。

前記絶縁性粒子は、表面に分散溶剤に膨潤 可能な樹脂が露出するため、混合工程、又は 、混合終了後のペースト状の異方導電性接着 剤中で、絶縁性粒子が分散溶剤と接触して徐 々に膨潤する。ペースト状の異方導電性接着 剤はこのまま製品として、後述する第一及び 第二の電子部品の接続に用いてもよく、また 、この異方導電性接着剤を用いて接着フィル ムを製造してもよい。

 絶縁性粒子に用いられる樹脂粒子としては 特に制限はなく、目的に応じて適宜選択す ことができ、例えばメタクリル樹脂(メタク リルモノマーの重合体)の他に、アクリル樹 (アクリルモノマーの重合体)、アクリロニト リルの重合体、ベンゾグアナミンやメラミン のホルムアルデヒド縮合物の種々の樹脂粒子 を用いることができる。なお、これらの樹脂 粒子は、全て、前記有機溶剤群に膨潤可能で ある。
 前記樹脂粒子は、表面に分散溶剤に膨潤可 な樹脂が露出しているのであれば、例えば 分散溶剤に膨潤しない芯材の表面に樹脂層 形成されたものを用いてもよい。

-導電性粒子-
前記導電性粒子としては、前記分散溶剤との 接触によっても膨潤しないものであれば、特 に制限はなく、目的に応じて適宜選択するこ とができるが、導電性粒子の粒径が1μm以上30 μm以下であることが好ましい。導電性粒子を 金属被膜樹脂粒子で構成する場合には、芯材 の樹脂粒子としては、例えば熱可塑性樹脂粒 子が用いられる。
導電性粒子は、金属粒子や、樹脂粒子の表面 に金属被膜が形成された金属被膜樹脂粒子で 構成されている。いずれの場合も、導電性粒 子は表面に金属が露出するため膨潤せず、導 電性粒子の粒径は変化しない。

-接着剤樹脂-
前記接着剤樹脂としては、前記分散溶剤に溶 解するものであれば、特に制限はなく、目的 に応じて適宜選択することができる。前記接 着剤樹脂は、分散溶剤に溶解可能であって、 混合によって溶解し、ペースト状のバインダ ーとなる。ペースト状のバインダーに導電性 粒子と絶縁性粒子とが分散され、ペースト状 の異方導電性接着剤が得られる。
前記バインダーに用いる接着剤樹脂は、熱硬 化性樹脂と、熱可塑性樹脂のいずれか一方又 は両方を含有する。

--熱硬化性樹脂-- 
前記熱硬化性樹脂としては、特に制限はなく 、目的に応じて適宜選択することができ、
エポキシ樹脂及びマイクロカプセル化アミン 系硬化剤を硬化剤に用いたアニオン硬化系エ ポキシ樹脂、オニウム塩又はスルホニウム塩 を硬化剤に用いたカチオン硬化系エポキシ樹 脂、有機過酸化物を硬化剤に用いたラジカル 硬化系樹脂等を用いることができる。

--熱可塑性樹脂-- 
前記熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく 、目的に応じて適宜選択することができ、例 えば、フェノキシ樹脂、ウレタン樹脂及びポ リエステル樹脂等が挙げられる。

 異方導電性接着剤の固形分には、前記熱 化性樹脂、前記熱可塑性樹脂以外にも、硬 剤、シラン、フィラー、着色剤等種々の添 剤を添加することができる。

 前記混合工程において、前記分散溶剤との 触により樹脂が膨潤された前記絶縁性粒子 粒径が、前記導電性粒子の粒径未満である
異方導電性接着剤に実際に使用する分散溶剤 と、絶縁性粒子に用いる樹脂粒子の組合せ毎 に、樹脂粒子の最大膨潤率を予め調べておく (予備試験)。
 例えば、予備試験は、膨潤前の粒径aが既知 の樹脂粒子を混合溶媒に分散し、粒径が最大 となるまで放置し、顕微鏡で膨潤後の樹脂粒 子を観察して飽和粒径bを調べ、下記式(1)か 最大膨潤率Rを求める。
 R(%)=(b-a)/a×100……式(1)
 図1Aは導電性粒子15を示しており、導電性粒 子15の粒径(直径)Dは予め分かっている。

 前記予備試験で求めた最大膨潤率をRと、導 電性粒子15の粒径(直径)Dから、下記式(2)によ 、飽和状態まで膨潤した時に導電性粒子15 粒径Dを超えない初期粒径d1を求める。
 d1=D/(1+R×0.01)……式(2)
 例えば、絶縁性粒子12がメタクリル樹脂で 成され、分散溶剤が酢酸エチルとトルエン を等量(重量比)混合した混合溶剤である場合 、最大膨潤率は50%であり、初期粒径d1はD/1.5 下である。なお、本発明で粒径とは、例え 、粒子の直径の平均(平均粒径)のことである 。
 図1Bは、初期粒径d1の絶縁性粒子12を示す。 記混合工程において、絶縁性粒子12と、導 性粒子15と、接着剤樹脂と、分散溶剤とが混 合される。

<その他の工程>
その他の工程としては、特に制限はなく、目 的に応じて適宜選択することができる。

(接着剤の製造方法)
本発明の接着剤の製造方法の第二の実施の形 態は、ペースト状接着剤作製工程と、
フィルム化工程とを少なくとも含み、更に必 要に応じて適宜選択したその他の工程を含む 。

<ペースト状接着剤作製工程>
前記ペースト状接着剤作製工程は、分散溶剤 と、前記分散溶剤との接触により膨潤する樹 脂を含む絶縁性粒子と、前記分散溶剤との接 触によっても膨潤しない導電性粒子と、前記 分散溶剤に溶解する接着剤樹脂とを混合して ペースト状の接着剤を作製する工程である。 なお、前記ペースト状接着剤作製工程におけ る分散溶剤、絶縁性粒子、導電性粒子及び接 着剤樹脂の詳細は、前記第一の実施の形態に おける分散溶剤、絶縁性粒子、導電性粒子及 び接着剤樹脂と同様である。

<フィルム化工程>
前記フィルム化工程は、ペースト状の接着剤 をフィルム化する工程であり、より詳しくは 、ペースト状の異方導電性接着剤を、剥離フ ィルム表面に塗布して塗布層を形成し、該塗 布層を加熱して、余分な分散溶剤を蒸発させ てフィルム化する工程である。接着剤樹脂が 熱硬化性樹脂を含有する場合は、塗布層の加 熱は熱硬化性樹脂が完全に硬化しない温度で 行う。

 前記ペースト状の異方導電性接着剤中で絶 性粒子における樹脂が飽和状態に達してい くても、塗布層を加熱するときに、加熱に って絶縁性粒子における樹脂の膨潤が進行 、飽和状態に達する。
 加熱終了後、フィルム化した塗布層を冷却 る時には、絶縁性粒子における樹脂は飽和 態のまま冷却される。

 図2は、フィルム化した塗布層で構成され る接着フィルム10を示しており、フィルム化 たバインダー11中に絶縁性粒子12と、導電性 粒子15とが分散されている。

絶縁性粒子12における樹脂は飽和状態が維 されているため、絶縁性粒子12の粒径は、 脂が飽和状態に膨潤した時に最大粒径d2とな っているが、上述したように絶縁性粒子12の 期粒径d1は樹脂が飽和状態に膨潤した時に 導電性粒子15の粒径Dを超えないように設定 れているので、絶縁性粒子12の最大粒径d2は 電性粒子15の粒径D以下である。

以上のように、前記フィルム化工程におい て、前記接着剤の加熱により樹脂が膨潤され た前記絶縁性粒子の粒径は、前記導電性粒子 の粒径未満である。

<その他の工程>
その他の工程としては、特に制限はなく、目 的に応じて適宜選択することができる。

(電子部品の接続方法)
本発明の電子部品の接続方法は、加熱押圧工 程を少なくとも含み、更に必要に応じて適宜 選択した、その他の工程を含む。

<加熱押圧工程>
前記加熱押圧工程は、第一の電子部品の第一 の端子と、第二の電子部品の第二の端子とを 、前記接着剤を介して対向させ、前記第一の 端子及び前記第二の端子間に熱及び押圧力を 印加し、前記第一の端子及び前記第二の端子 で前記接着剤中の導電性粒子を挟持する工程 である。なお、導電性粒子の詳細については 、前記接着剤の製造方法の第一の実施の形態 と同様である。

 前記加熱押圧工程では、前記接着剤にお るバインダーが、熱硬化性樹脂を含有する 合、熱硬化性樹脂が重合する温度以上に加 して、バインダーを硬化させる。また、前 接着剤におけるバインダーが熱可塑性樹脂 含有する場合、熱可塑性樹脂が軟化して接 性を発現する温度以上に加熱した後、冷却 、熱可塑性樹脂を固化させる。従って、電 部品は硬化又は固化したバインダーで機械 に接続される。

前記加熱押圧工程は、フィルム状の接着剤 (接着フィルム)を用いて電子部品の接続を行 場合に限定されず、ペースト状の異方導電 着剤を、電子部品のいずれか一方又は両方 塗布してから、前記加熱押圧工程を行い、 子部品同士を接続することもできる。

<その他の工程>
その他の工程としては、特に制限はなく、目 的に応じて適宜選択することができる。

以下、実施例及び比較例により本発明を更 に具体的に説明するが、本発明は下記実施例 により限定されるものではない。

<異方導電性接着剤の製造>
 酢酸エチルとトルエンとを等量(重量比)混 して分散溶剤とし、分散溶剤60重量部と、下 記表1に示す組成で配合した固形分を40重量部 とを混合して、ペースト状の異方導電性接着 剤を作製し、該異方導電性接着剤をフィルム 状に成形して実施例1、比較例1及び2の接着フ ィルムを作製した(膜厚14μm)。

 前記表1中「-」は添加量がゼロの場合を す。前記表1中、「HX3941HP」は旭化成ケミカ ズ(株)社製のマイクロカプセル型アミン系エ ポキシ硬化剤であり、「EP828」はジャパンエ キシレジン(株)社製のビスフェノールA型液 エポキシ樹脂(熱硬化性樹脂)であり、「YP50 は東都化成社製のビスフェノールA型フェノ キシ樹脂(熱可塑性樹脂)であり、「KBE403」は 越化学工業(株)社製のエポキシシラン(添加 )である。

 導電性粒子15は、積水化学工業(株)社製の 商品名「AUL704」であり、これは、アクリル樹 脂粒子の表面にNi/Auメッキ被膜が形成された 属被膜樹脂粒子である(平均粒径4μm)。

 また、絶縁性粒子12としての商品名「YS80 及び商品名「YS20」は、それぞれ日本触媒( )社製のメタクリル樹脂からなる樹脂粒子で り、膨潤前の初期粒径d1は、商品名「YS20」 2μm、商品名「YS80」が8μmであった。各絶縁 粒子12の、前記分散溶剤と混合した時の最 膨張率は50%であり、最大粒径d2は、商品名「 YS20」が3μm、商品名「YS80」が12μmになる。

<実装工程>
 ガラス厚0.7mm、表面抵抗10ω/□のITOパターン ガラスと、COFデバイスを接続用の電子部品と して用意した。
 ITOパターンガラスの端子はITO透明電極であ 、COFデバイスの端子は、Cu配線の表面にSnメ ッキをした金属配線(膜厚8μm)である。

 なお、ITOパターンガラスと、COFデバイス 、端子間ピッチがそれぞれ38μm、L(端子幅)/S (端子間の距離)は23μm/15μmであり、COFデバイ の端子のTop幅は15μmであった。

 実施例1、比較例1及び2の接着フィルムか 、幅1.5mmの小片を切り出し、ツール幅2.0mmの 圧着機で、緩衝材(膜厚70μmのテフロン(登録 標)フィルム)を間に挟んで、接着フィルムの 小片をITOパターンガラスに押し当て、80℃、1 MPaの条件で2秒間加熱押圧して、仮貼りを行 た。

 次いで、COFデバイスを、接着フィルムの小 が仮貼りされた部分でITOパターンガラスと ね合わせ、仮貼りに用いたものと同じ圧着 で、80℃、0.5MPaの条件で0.5秒間加熱押圧し 仮固定をおこなった。
 更に、図3に示したように、ツール幅1.5mmの 着機40を、緩衝材43(200μm厚シリコンラバー ィルム)を挟んでCOFデバイス30のITOパターン ラス20と重ね合わせた部分に押し当て、190℃ 、3MPaの条件で10秒間加熱押圧して本圧着を行 った。

 本圧着は、圧着機40を、ITOパターンガラ 20の外周から0.3mmはみ出した状態で加熱押圧 行い、故意に導電性粒子15の凝集を発生さ て、ITOパターンガラス20と、COFデバイス30を 続し、実施例1、比較例1及び2の接続体を作 した。

 図4は接続体の模式的な平面図を示しており 、図4と、前記図3の符号25と35は、それぞれ、 ITOパターンガラス20の端子とCOFデバイス30の 子を示している。
 COFデバイス30の端子35間に30Vの電圧を加え絶 縁抵抗を測定し、絶縁抵抗が1.0×10 -6 ω以下をショート発生とし、「ショート発生 」を求めた(初期)。図4において、電気抵抗 測定器49により、電気抵抗が測定される。

 さらに、端子35間を通電した状態で、各接 体を温度85℃、湿度85%の高温高湿条件で500時 間放置した後、再び「ショート発生率」を調 べた。更に、高温高湿条件で放置後の接続体 について、ITOパターンガラス20の端子25と、CO Fデバイス30の端子35間の「導通抵抗」を求め 。
 初期の「ショート発生率」と、高温高湿条 で放置後の「ショート発生率」及び「導通 抗」の測定結果を下記表2に記載する。

 異方導電性接着剤に絶縁性粒子12が添加 れていない比較例1は、ITOパターンガラス20 角部分で導電性粒子15が詰まり、隣接する端 子25間でショートが発生した。

 比較例2は、絶縁性粒子12の粒径が導電性 子15の粒径よりも大きく、しかも、その最 粒径d2はCOFデバイス30の端子35の膜厚(8μm)を えるため、絶縁性粒子12が端子25、35間に挟 ると、導電性粒子15を端子25、35間から押し し、その周囲に導電性粒子15が凝集してショ ート発生数を増加させた。

 これに対し、実施例1では、ITOガラスの角 部分で、導電性粒子15が凝集しても、導電性 子15だけでなく絶縁性粒子12が混在するため 、図4に示すように、導電性粒子15の繋がりを 回避でき、隣接する端子35間のショート発生 防ぐ事ができた。

 本発明では導電性粒子15が凝集してもショ トが発生しないから、ITOパターンガラスの うに、基板(例えばガラス基板)の端子が配置 された縁部分に、他の電子部品を重ね合わせ 、重ね合わせた部分に荷重を加えて接続を行 う場合に特に適している。
 第一の電子部品としては、例えばLCD(液晶) ネルがあり、LCDパネルに接続される第二の 子部品には、COFデバイスの他に、TABデバイ 、フレキシブル配線板等がある。




 
Previous Patent: LENS COATING DEVICE

Next Patent: TEMPERATURE ADJUSTING DEVICE