原田 孝夫 (())
FUJIMOTO, Hideaki (())
株式会社神戸製鋼所 (〒85 兵庫県神戸市中央区脇浜町2丁目10番26号 Hyogo, 6518585, JP)
HARADA, Takao (())
原田 孝夫 (())
| 油分を含有する製鉄所ダストを用いて炭材内装ブリケットを製造するための方法であって、 油分を含有する製鉄所ダストに、少なくとも炭材とバインダとを添加し混合して粉状混合物とすることと、 この粉状混合物を加圧ロールを用いて圧縮成形してブリケットを生成することと、 前記粉状混合物の油分含有量の増減を認識し、その油分含有量が増えるほど前記加圧ロールの回転速度を低下させるように、当該油分含有量の増減に応じて当該加圧ロールの回転速度を調整することと、を含むことを特徴とする炭材内装ブリケットの製造方法。 ここで、粉状混合物中の油分含有量とは、粉状混合物中における、製鉄所ダストと炭材と酸化鉄含有原料とCaO含有原料との合計質量(酸化鉄含有原料及びCaO含有原料の少なくとも一方の質量が0の場合も含む。)に対する油分の質量割合で定義される値である。 |
| 請求項1に記載の炭材内装ブリケットの製造方法であって、 さらに、前記粉状混合物の油分含有量が予め設定された許容範囲内に収まるように当該油分含有量を調整することを含むことを特徴とする炭材内装ブリケットの製造方法。 |
| 請求項2に記載の炭材内装ブリケットの製造方法であって、 前記粉状混合物の油分含有量の許容範囲が0.5質量%以上2.0質量%以下の範囲であることを特徴とする炭材内装ブリケットの製造方法。 |
| 請求項2または3に記載の炭材内装ブリケットの製造方法であって、 前記粉状混合物の油分含有量の調整が、互いに異なる油分含有量をもつ複数種の製鉄所ダストを配合することと、その配合比率を変えることとにより行われることを特徴とする炭材内装ブリケットの製造方法。 |
| 請求項2~4のいずれかに記載の炭材内装ブリケットの製造方法であって、 前記製鉄所ダストに、さらに、油分を含有しない酸化鉄含有原料およびCaO含有原料のうちの少なくとも一方が添加されることを特徴とする炭材内装ブリケットの製造方法。 |
| 請求項5に記載の炭材内装ブリケットの製造方法であって、 前記製鉄所ダストに、前記粉状混合物中のCaO含有原料の含有量を2.0質量%以上にする量のCaO含有原料が添加されることを特徴とする炭材内装ブリケットの製造方法。 |
| 請求項1~6のいずれかに記載の炭材内装ブリケットの製造方法であって、 さらに、前記加圧ロールを用いて生成された成形物を篩上と篩下とに分級し、その篩上を還元炉へ搬送することを含むことを特徴とする炭材内装ブリケットの製造方法。 |
| 請求項7に記載の炭材内装ブリケットの製造方法であって、 前記粉状混合物の油分含有量の認識が、少なくとも、前記成形物のうちの前記篩上または前記篩下の割合に基いて行われることを特徴とする炭材内装ブリケットの製造方法。 |
| 請求項7に記載の炭材内装ブリケットの製造方法であって、 前記篩上に含まれるブリケットが、前記還元炉内に当該ブリケットを供給するためのブリケット供給ホッパ内に投入され、前記粉状混合物の油分含有量の認識が、少なくとも、前記ブリケット供給ホッパ内のブリケットの量に基いて行われることを特徴とする炭材内装ブリケットの製造方法。 |
| 請求項7~9のいずれか1項に記載の炭材内装ブリケットの製造方法であって、 さらに、前記篩下を前記炭材及び前記バインダとともに前記製鉄所ダストに混合することを含むことを特徴とする炭材内装ブリケットの製造方法。 |
| 請求項1~10のいずれか1項に記載の炭材内装ブリケットの製造方法であって、 さらに、前記粉状混合物をスクリューフィーダの回転によって前記加圧ロールに強制的に送り込むことを含むことを特徴とする炭材内装ブリケットの製造方法。 |
| 油分を含有する製鉄所ダストを用いて炭材内装ブリケットを製造するための方法であって、 油分を含有する製鉄所ダストに、少なくとも炭材とバインダとを添加し混合して粉状混合物とすることと、 この粉状混合物を加圧ロールを用いて圧縮成形してブリケットを生成することと、 前記加圧ロールを用いて生成された成形物を篩上と篩下とに分級し、その篩上を還元炉へ搬送するとともに篩下を前記加圧ロールに供給される原料に混合することと、 前記前記粉状混合物の油分含有量の増減を認識し、その油分含有量が増えるほどブリケットマシンの加圧ロールに供給される原料に対してこれに含まれる前記篩下の重量割合を増やすこと、とを含むことを特徴とする炭材内装ブリケットの製造方法。 ここで、粉状混合物中の油分含有量とは、粉状混合物中における、製鉄所ダストと炭材と酸化鉄含有原料とCaO含有原料との合計質量(酸化鉄含有原料及びCaO含有原料の少なくとも一方の質量が0の場合も含む。)に対する油分の質量割合で定義される値である。 |
本発明は、油分を含有する製鉄所ダスト 用いて炭材内装ブリケットを製造する方法 関する。
従来の還元鉄製造プロセスには、還元剤 して高価な天然ガスを必要とすること、プ ントの立地が通常天然ガスの産地に限られ ことなどの制約がある。このため、近年、 元剤として、比較的安価で、かつ、プラン 立地の地理的制約も緩和される石炭を用い 還元鉄の製造プロセスが注目されている。
前記石炭を使用して還元鉄を製造する方 として、本出願人は、鉄鉱石や製鉄所ダス などの酸化鉄含有原料と石炭との粉状混合 を塊成化することにより炭材内装酸化金属 生成することと、この炭材内装酸化金属を 転炉床炉内に装入して加熱し還元すること より還元鉄を生成することとを含む方法を 案した(例えば特許文献1参照)。
ここで、前記酸化鉄含有原料と石炭との 状混合物を塊成化する手段としては、ペレ イザを用いた転動造粒による球状ペレット 、機械的押し出しによる円筒状ペレット化 ブリケットロールでプレスすることによる リケット化などがある。
しかし、転動造粒によるペレット化の手 は、製鉄所ダストなど微粒子を多く含む原 を転動造粒する場合に、1)造粒速度が低下 て生産性が減少すること、2)原料の比表面積 が大きくなるため、造粒に必要な水分が多く なり、後段のプロセスで水分の乾燥に必要な 熱量が増加してエネルギ消費量が増加するこ と、3)、原料粒度が変動したときに造粒が不 定になって生産量の変動を招き易いこと、 の問題がある(例えば、特許文献2参照)。
また、押し出しによるペレット化のため は、流動化した原料を使用する必要がある め、通常は転動造粒以上に原料中に多くの 分を含有させる必要があり、このことが後 のプロセスで水分乾燥に必要なエネルギ消 量をさらに多くしてしまう問題がある。
一方、ブリケットロールによるブリケッ 化の手段としては、例えば特許文献3に記載 されるような双ロール型ブリケットマシン( 文献3ではミキサ及び成形機)を用いることが できる。この双ロール型ブリケットマシンは 、モータで回転駆動される加圧ロールと、そ の上方から当該加圧ロールに原料を供給する ホッパとを備え、このホッパ内に原料押し込 み用のスクリュフィーダが設けられる。
このような双ロール型ブリケットマシン 用いる場合は、糖蜜やリグニン等の液体バ ンダを使用することが可能で、乾燥した原 をそのまま、水分を添加することなく塊成 できる。このことは、後段のプロセスで水 乾燥に必要なエネルギ消費量の大幅な節減 可能にする。
しかしながら、本発明者の検討により、油
を多量に含有する、電気炉ダストなどの製
所ダストを用いて、双ロール型ブリケット
シンでブリケットを製造する場合には、下
(1)~(3)に示すような問題点が存在することが
判明した。
(1)電気炉ダストなどの微粒原料は、それ自身
に作用する重力だけで加圧ロールのポケット
内に確実に供給されることが難しいため、ス
クリュフィーダ等による移送装置によって加
圧ロールに強制的に送り込まれる必要がある
。このとき、微粉原料に油分が多量に含有さ
れていると、当該原料が非常に滑りやすく、
前記移送装置による押込み力が逃げる(例え
スクリュフィーダの場合にはその押し込み
がスクリュフィーダの半径方向外側に逃げ
)ため、原料が加圧ロールに供給されにくい
このことは、ブリケット強度の向上を妨げ
。
(2)上記(1)に記載した、ブリケット強度が低下
する問題点を克服するには、原料が加圧ロー
ルのポケット内に確実に供給されるよう、加
圧ロールの回転速度を極端に低下させる必要
がある。しかし、このことはブリケット製造
能力を大幅に低下させる。
(3)上記(1)および(2)に記載した、ブリケット強
度の低下およびブリケット製造能力の低下と
いう2つの問題点を同時に克服するために、
体バインダの添加量を増やした場合は、微
原料が加圧ロールのポケット内に充填され
状態で張り付いてしまい、ブリケットの製
を困難にする。
本発明は、油分を含有する製鉄所ダスト 用いながら、過度にブリケットの製造能力 減少させることなく、十分な強度をもつ炭 内装ブリケットを製造することが可能な製 方法を提供することを目的とする。この目 を達成するために、本発明に係る炭材内装 リケットの製造方法は、油分を含有する製 所ダストに少なくとも炭材とバインダとを 加し混合して粉状混合物とすることと、こ 粉状混合物を加圧ロールを用いて圧縮成形 ることによりブリケットを生成することと 前記粉状混合物における油分含有量の増減 認識し、その油分含有量が増えるほど前記 圧ロールの回転速度を低くするように当該 転速度を調整することとを含む。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づ て詳細に説明する。
〔主たる実施形態〕
図1は、本発明の実施形態に係る炭材内装ブ
リケットの製造方法の概略を示すフロー図で
ある。
図1には、原料ビン11a1,11a2,11b,11cと、これ に対応するフィーダ12a1,12a2,12b,12cと、ミキ 15と、ブリケットマシン17とが示される。
前記原料ビン11a1,11a2からは、前記フィー 12a1,12a2を通じて微粒子を多量に含有する酸 金属原料としての電気炉ダストA1,A2がそれ れ切り出される。これらの電気炉ダストA1,A2 は、それぞれ、互いに異なる油分含有量(単 質量あたりの製鉄所ダストに含有される油 の質量)x1,x2を有する(ただしx1>x2)。すなわ 、前記各原料ビン11a1,11a2には、互いに油分 有量の異なる2種類の電気炉ダストが分けて 装入されている。これらの原料ビン11a1,11a2か ら切出される電気炉ダストA1,A2の配合比率を えることにより電気炉ダスト中の油分総量 調整される。
同様にして、前記原料ビン11bからは前記 ィーダ12bを通じて炭材としての微粉炭Bが切 り出され、前記原料ビン11cからは前記フィー ダ12cを通じてCaO含有原料である消石灰Cが切 出される。さらに、タンク13からポンプ14で 体バインダとしての糖蜜Dが所定割合で送出 される。
前記電気炉ダストA1,A2、微粉炭B、消石灰C 及び糖蜜Dがミキサ15で混合されて粉状混合物 Eとなり、前記ブリケットマシン17に投入され る。
前記ブリケットマシン17は、図2に示すよ な双ロール型であり、可動回転ロール2及び 固定回転ロール3からなる加圧ロール1と、前 両回転ロール2,3を回転駆動するモータ4と、 前記加圧ロール1の上方に配置される原料供 用のホッパ5と、このホッパ5内に設けられる 原料押し込み用のスクリュフィーダ6と、ホ パ5内で回転するブレード8と、前記加圧ロー ル1の可動回転ロール2を前記固定回転ロール3 に押付けるための油圧シリンダ7とを備える このブリケットマシン17の具体的な構成は特 に限定されない。
前記粉状混合物Eは、前記ホッパ5に投入 れ、前記スクリュフィーダ6の回転により前 加圧ロール1に押し込まれ、この加圧ロール 1を構成する一対の回転ロール2,3の各表面に けられた複数のポケットにて、アーモンド 、ピロー形など所定形状の成形物Fに圧縮形 される。このとき、前記ブレード8が回転し ながら前記ホッパ5の内壁面への粉状混合物E 付着を防ぐ。
この成形物Fのうち、所定値(一般には3~10m m)以下の粒径を有する小片のものは、炉床上 大きな成形物Fの陰になって炉内で十分な伝 熱を受けることができないため高い金属化率 や脱亜鉛率が得られないなどの理由で、回転 炉床炉の原料として好ましくないため、粉状 や小片のブリケットは除去されることが好ま しい。そこで、ブリケットマシン17で成形さ た成形物Fは、コンベア16を通じて所定の寸 (例えば5mm)の開き目を有する篩18に搬入され る。この篩18は、前記成形物Fを篩上Gと篩下H に分級し、篩上Gが製品ブリケットとして回 収される。この篩上Gに含まれるブリケット 、コンベア22を通じてブリケット供給ホッパ 24に投入され、このブリケット供給ホッパ24 ら回転炉床炉20内に適量ずつ供給される。一 方、篩下Hはコンベア26,28及びリサイクル原料 ビン19を通じて前記ミキサ15に戻される。
従って、この設備では、前記粉状混合物E を生成するための混合工程と、この粉状混合 物Eをブリケットマシン17の加圧ロール1によ 圧縮成形することにより成形物Fを製造する 形工程と、この成形物Fを分級する分級工程 と、この分級で分離された篩下Hを前記混合 程に戻すリサイクル工程とが行われる。以 、各工程の詳細を説明する。
1.混合工程
この混合工程では、前記のように互いに異
る油分含有量x1,x2をそれぞれ有する2種類の
気炉ダストA1,A2が所定の割合で切り出され
これに、炭材である微粉炭Bと、CaO含有原料
ある消石灰Cとがそれぞれ所定量だけ配合さ
れ、さらに糖蜜などの液体バインダDが適量
加され、これらがミキサ15で混合されること
により、粉状混合物Eが生成される。
前記電気炉ダストA1,A2は互いに異なる油 含有量x1,x2をそれぞれ有するので、その配合 比率(粉状混合物Eの質量に対する各電気炉ダ トA1,A2の質量の割合)α1,α2を変えることによ り、最終的に生成される粉状混合物E中の油 含有量Xを調整することが可能である。
この実施の形態では、後述の成形工程に ける加圧ロール1の回転速度の初期値に基い て油分含有量Xが決められ、この油分含有量 対応する各配合比率が設定され、この配合 率が得られるように各原料ビン11a1,11a2から 電気炉ダストA1,A2からの送出量が設定される 。さらに、前記粉状混合物E中の油分含有量 増減が認識され、当該油分含有量が予め設 された許容範囲を逸脱する場合に、その許 範囲に当該油分含有量を再び収めるように 記配合比率が調整される。
具体的に、前記粉状混合物Eの油分含有量X
各電気炉ダストA1,A2の配合比率α1,α2との間
は、
X=(α1・x1+α2・x2)×100(%)
という関係があるので、この式に基づき、粉
状混合物Eの油分含有量を許容範囲内の所定
値に調整するための各配合比率α1,α2が逆算
れる。
ここに、粉状混合物中の油分含有量とは 粉状混合物中における、製鉄所ダストと炭 と酸化鉄含有原料とCaO含有原料との合計質 に対する油分の質量割合で定義される。こ 粉状混合物中の油分含有量の定義では、粉 混合物中のバインダ(例えば液体バインダ) 質量が考慮されない。これは、原料の滑り すさは固体粒子間に存在する油分の量で支 され、バインダの存在は無視し得ると考え れることによる。
(配合比率の調整について)
前記油分含有量の許容範囲の上限値は、必
とされるブリケットの強度と、前記加圧ロ
ル1の回転速度の許容範囲とに基いて設定さ
れる。この実施の形態では、以下のように0.5
質量%以上2.0質量%以下の範囲に設定される。
前記ブリケットの強度として例えば落下 度(後述のように45cmの高さからブリケット 鉄板上に落下させることによりブリケット 割れるまでに要する落下回数)が採択され、 の落下強度として5回以上の回数が必要とさ れる場合、後に実施例の欄で説明する図3に されるデータから、ブリケットマシン17の加 圧ロール1の回転速度に対応する粉状混合物E の油分含有量の上限値が、下記表1のように 求められる。
この関係は、ブリケットマシン17の仕様( えばスクリュフィーダ6におけるスクリュー のピッチ及びスクリュー径、加圧ロール1の )等によっても変化するものの、基本的に加 ロール1の回転速度とブリケット製造速度と は常に比例関係にある。つまり、ブリケット 製造速度は、加圧ロール1の回転速度を変化 せることによって調整されることができる そこで、上記表1において、加圧ロール1の回 転速度が6.3rpmのときのブリケット製造速度を 1.0とすると、図5で示す関係が得られる。こ 図は、例えば、ブリケット製造速度が1.0の きは粉状混合物E中の油分含有量が1.1質量%以 下に抑えられる必要があり、ブリケット製造 速度が0.8でよいときは、粉状混合物E中の油 含有量は1.7質量%まで、ブリケット製造速度 0.6でよいときは、粉状混合物E中の油分含有 量は1.9質量%まで、ブリケット製造速度が0.5 よいときは、粉状混合物E中の油分含有量は2 .0質量%まで、それぞれ許容されることを示し ている。
しかしながら、前記ブリケット製造速度 過度に低下させることは好ましくないので 粉状混合物E中の油分含有量は2.0質量%以下 範囲で調整されるのが望ましい。
一方、粉状混合物E中の油分含有量が低す ぎると、処理の要請が特に高い、油分含有量 の高い電気炉ダストを少量しか処理すること ができなくなるので、粉状混合物E中の油分 有量は0.5質量%以上の範囲で調整されるのが ましい。ただし、上記油分含有量の高い電 炉ダストの必要処理量が少ない場合に粉状 合物E中の油分含有量を0.5質量%未満とする とは特に禁じられない。このような低い油 含有量の設定は、製造速度を実質上低下さ ずにブリケットを製造することを可能にす 。
以上のことから、粉状混合物E中の油分含 有量は、特に、油分含有量の高い電気炉ダス トを多量に処理する必要がある場合、0.5~2.0 量%の範囲にあることが望まれる。かかる理 により、この実施の形態では、前記油分含 量の許容範囲が0.5~2.0質量%に設定され、こ 範囲から実際の油分含有量が逸脱する場合 これを前記許容範囲に収める方向に配合比 を変更する操作が行われる。
なお、前記微粉炭Bに例示される炭材の配 合量は、電気炉ダスト(A1+A2)中の鉄分、亜鉛 等の金属元素が還元されるのに必要な炭素 に基いて決定されればよい。
前記粉状混合物E中へのCaO含有原料Cの添 は、液体バインダDとの併用によりブリケッ 強度を向上させる効果と、CaOによる脱硫作 によって回転炉床炉からの排ガス中のSOx含 量を低減する効果とを有するが、さらに、 リケットマシン17の加圧ロール1の表面に設 られたポケット内への粉状混合物の付着を 止する効果も有する。該付着防止効果を効 的に発揮させるためには、CaO含有原料Cの配 合量は、粉状混合物Eに対して2質量%以上であ るのが好ましい。また、(SOx含有量を低減す 効果はないが)前記付着防止効果を発揮させ だけなら微粒のシリカサンドの添加も有効 ある。
(油分含有量の増減の認識について)
前記粉状混合物Eの油分含有量の増減をオン
ラインにて測定することは容易でないが、例
えば、当該油分含有量の増加は下記の情報(1)
~(4)から認識されることが可能である。これ
、油分含有量が多いほどブリケットマシン17
でのスクリュフィーダ6と粉状混合物Eとの滑
が顕著になってブリケットの製造効率及び
リケット強度が低下するとの見解に基く。
(1)成形物Fのうち篩上Gとして選別されるもの
割合の減少
(2)成形物Fのうち篩下Hとして選別されるもの
割合の増加
(3)ブリケット供給ホッパ24内のブリケット量
低減
(4)篩上Gに含まれる各ブリケットの強度の低
これらのうち、(1)は図1に示されるコンベ ア22での搬送量、(2)は同図に示されるコンベ 26での搬送量、(3)はブリケット供給ホッパ24 内のブリケットの重量または上面レベルから 、それぞれ測定することが可能である。(4)に ついては篩上Gから適当な数のブリケットを 取してその強度を1個ずつ測定する必要があ 。また、同様にして油分含有量の減少も認 可能であることはいうまでもない。
前記油分含有量の具体的な値は、例えば 日本水道協会発行の「下水試験方法の中の 般汚泥試験」(建設省・厚生省監修、1997年 版)の「第23節 ヘキサン抽出物質」に記載さ れる方法により求めることが可能である。こ の方法は、対象物に塩酸を加えて酸性(pH2以 )にすることと、この酸性物質を硫酸マグネ ウムの添加により脱水処理することと、そ 脱水処理後の物質をソックスレー抽出器に めてヘキサンによる抽出を行い、そのヘキ ン抽出物質の定量を行うこととを含む。
2.成形工程
前記粉状混合物Eは、成形物の原料としてブ
リケットマシン17のホッパ5に投入され、ブレ
ード8の回転によりホッパ5内壁面への付着を
止されつつ、スクリュフィーダ6の回転によ
り加圧ロール1に押し込まれる。この際、ブ
ケット用原料(粉状混合物)E中の油分含有量
ブリケット製造速度(加圧ロール1の回転速度
)に応じて所定値以下に制限されているので
原料Eの滑りが抑制される。このことは、ス
リュフィーダ6による押し込み力がスクリュ
フィーダ6の半径方向外側に逃げることを効
的に防止し、加圧ロール1への円滑かつ確実
原料Eの供給を可能にして、十分なブリケッ
ト強度を確保する。
前記加圧ロール1を構成する一対の回転ロ ール2,3は、その表面に複数のポケットを有し 、当該加圧ロール1に押し込まれた原料Eを前 ポケットにてアーモンド形、ピロー形など 所定形状に圧縮成形することにより、ブリ ットFを製造する。
前記ブリケットマシン17の成形線圧は、15 ~60kN/cmであるのが好ましい。その理由は、十 なブリケットFの強度(圧潰強度および落下 度)を確保する一方、過度な成形圧がブリケ トFを半割れ状態にするのを防ぐためである 。
このようにして製造されたブリケットFは 、水分を添加することなく成形されているた め、乾燥処理を受けることなくそのまま回転 炉床炉20に装入されることができる。そして 回転炉床炉内でブリケットFが加熱還元され る際、ブリケットF中の油分は、ブリケットF から脱揮して炉内で燃焼されることにより 料として有効利用される。
(ブリケット製造速度の調整について)
前記電気炉ダストA1、A2のブレンド方法にも
よるが、電気炉ダスト(A1+A2)中の油分含有量
変動しやすく、その配合比率を固定したと
ても該油分含有量の変動を完全になくすこ
は困難である。これら電気炉ダスト(A1+A2)中
油分含有量の変動は、粉状混合物E中の油分
含有量を変動させるから、最終的にブリケッ
ト強度の変動が生じやすい。
このような粉状混合物E中の油分含有量の 変動によるブリケット強度の変動を抑制する ために、ブリケットマシン17の加圧ロール1の 回転速度を変化させてブリケットの製造速度 を調整することが行われる。具体的に、前記 油分含有量が増加した場合、これによるブリ ケット強度の低下を防ぐべく加圧ロール1の 転速度が下げられればよく、このことがブ ケット強度の低下による製造ロスを少なく る。一方、前記油分含有量が減少した場合 は、ブリケット強度を下げることなくその 分含有量の減少分だけ加圧ロール1の回転速 を上げることが可能であり、このことがブ ケットの製造速度の平均値を高めてブリケ トの製造量を増加させる。
このとき、前記油分含有量が適当な許容 囲(この実施の形態では0.5~2.0重量%)の中に収 まるように調整されていれば、当該油分含有 量の増減に応じて加圧ロール1の回転速度を 度に低下させる必要がなくなり、このこと 、十分なブリケット強度と高い製造効率を 持することをより確実にする。
3.リサイクル工程
この実施の形態では、さらに、前記篩18で
級された篩下Hがリサイクル原料Jとしてリサ
イクル原料ビン19に一旦保管され、このリサ
クル原料ビン19から適量ずつミキサ15に戻さ
れて新原料(A+B+C)に添加される。このことは
高い原料歩留の確保を可能にする。
このように、リサイクル原料Jの全部または
一部J1が粉状混合物Eに添加されると、そのリ
サイクル原料J中に存在する、製品ブリケッ
Gよりは小さいものの高密度化された塊状化
が、ブリケットマシン17での成形時に次の
うな作用(a)~(c)を生じさせ、その結果、製品
リケットGの強度を上昇させる。
(a)高密度化した成形物の添加は、原料全体の
平均密度を高くしてその自重による供給を容
易にし、また、スクリュフィーダによる押し
込み速度を上昇させる。
(b)噴流性が高く油分を含有する電気炉ダスト
など、滑りやすい原料を用いた場合であって
も、スクリュフィーダの押し込み力が成形物
を介して原料全体に伝わりやすくなる。
(c)加圧ロールによる成形圧が成形物を介して
ブリケットの中心部まで伝わりやすくなる。
さらに、図6に示すように、前記篩下Hの 合率であるリサイクル率(ブリケットマシン 加圧ロール1に供給される原料に対してこれ に含まれる前記篩下Hの重量割合)を増やすこ により製品ブリケットの落下強度が向上す ことから、前記油分含有量が増えた場合に 記リサイクル率を高くする制御を行うこと 、ブリケット強度を確保するために加圧ロ ル1の回転数を低下させる度合いを減らすこ とができ、その分だけ製造効率を高めること が可能になる。また、加圧ロール1の回転数 変化させず前記リサイクル率を変更するだ でも、従来に比べて高いブリケット強度を 保することが可能である。
[変形例]
上記実施形態では、油分を含有する製鉄所
ストとして、油分含有量が異なる2種類の電
気炉ダストA1、A2が配合されて用いられるが
少なくとも1種類の電気炉ダストの油分含有
が他の電気炉ダストの油分含有量と異なる
3種類以上の電気炉ダストが配合されて使用
されてもよい。さらに、複数種類の電気炉ダ
ストの全部または一部が、例えばミルスケー
ル、ミルスラッジなどのように油分を含有す
る他の製鉄所ダストに置き換えられてもよい
。逆に、単一種の製鉄所ダストのみが用いら
れ、加圧ロール1の回転速度の調整(この回転
度の調整に付随して行われる調整、例えば
クリュフィーダ6の回転数の調整も含む。)
みでブリケット強度の安定化が図られても
い。
上記実施形態では、いずれも油分を含有 る電気炉ダストA1,A2の配合により油分含有 が調整されるが、本発明では、電気炉ダス (1種類のみであるか複数種類を配合したもの であるかを問わない)に、a)油分を含有しない 電気炉ダスト、あるいは、b)高炉ダストや転 ダストといった他の製鉄所ダスト、c)鉄鉱 などのように油分を含有しない酸化鉄含有 料、を添加することによって、粉状混合物 の油分含有量の調整が行われてもよい。
また、事前に複数種の電気炉ダストを混 して油分含有量を調整したものが電気炉ダ トビンに装入されて使用されてもよい。
上記実施形態では、炭材として微粉炭B( 炭)が例示されるが、この炭材としてコーク 粉、木炭、木材チップ、廃プラスチック、 タイヤ等が使用されてもよく、またそのう の2種以上が併用されてもよい。
上記実施形態では、液体バインダとして 蜜Dが例示されるが、リグニン、デキストリ ン、澱粉などが用いられてもよく、そのうち の2種以上が併用されてもよい。また、本発 に使用されるバインダは液体バインダに限 されず、例えばペーパプラフ、麦蕎、シリ ンファイバといった繊維質バインダが用い れてもよい。この繊維質バインダに含まれ 繊維質が生ブリケット中に分散することに り、当該繊維質に沿って水蒸気が抜けやす なる。このことは、ブリケット内部の水蒸 圧を緩和し、耐バースティング特性をさら 向上させる。
上記実施形態では、CaO含有原料として消 灰Cが例示されるが、石灰石、生石灰、微粉 のシリカサンド、転炉スラグなどが用いられ てもよく、そのうちの2種以上が併用されて よい。
本発明の効果を確証するため、油分の含 量が異なる種々の電気炉ダストが各1種類ず つ用いられ、それぞれに、炭材としての微粉 炭と、CaO含有原料としての消石灰と、液体バ インダとしての糖蜜が添加され、この添加に より生成された混合物がブリケットマシンに て種々の加圧ロール回転速度で成形されるこ とにより種々のブリケット製造速度で炭材内 装ブリケットが作製された。そして、この試 験によりブリケットの強度に及ぼす影響が調 査された。
本試験に用いられた電気炉ダストと微粉 の平均粒径および化学成分が表2に、配合条 件が表3に、それぞれ示される。
前記表3に示される各配合条件にて粉状混合 物が作成され、図2に示されるブリケットマ ン17を用いて体積約10cm 3 のブリケットが製造された。前記ブリケット マシン17の回転ロール2,3の仕様は、ロール直 :520mm、ロール幅:200mm、ポケット寸法:長さ30m m×幅25mm×深さ7mmであり、線圧は23kN/cmである
ここに、電気炉ダストおよびCDQ粉は、い れも乾粉状態であったため、乾燥は行わな なかった。しかし、糖蜜には多量の水分が まれており、その水分含有量は大幅に変動 るため、製造されたブリケットの水分含有 は、前記表3に示すとおり、乾量基準で1.6~3. 0質量%程度の範囲で変動した。
ブリケットの圧潰強度は、ISO4700に準拠し て測定された。具体的には、横に寝かせたブ リケットに対してその厚み方向に作用するこ とによりブリケットを破壊に至らしめる圧縮 荷重の最小値が測定され、10個のブリケット ついてのその測定値の平均値が前記圧潰強 として算定された。この圧潰強度の単位「k gf」は9.80665Nに相当する。
前記ブリケットの落下強度は、45cmの高さ からブリケットを鉄板上に落下させる操作を 繰り返すことにより、測定される。具体的に は、ブリケットが割れるまでの前記落下操作 の回数が10個のブリケットについてそれぞれ 定され、その平均値が前記落下強度として 定される。
前記圧潰強度及び前記落下強度を含むブ ケット品質の測定結果が前記粉状混合物の 合条件とともに前記表3に示される。また、 図3および図4に、粉状混合物中の油分含有量 ブリケットの落下強度および圧潰強度との 係が示される。これらの図は、加圧ロール 転速度が一定(すなわち、ブリケット製造速 度が一定)の条件下では、粉状混合物中の油 含有量が増加するにしたがってブリケット 強度(落下強度、圧潰強度とも)がほぼ直線的 に低下する傾向を示すとともに、粉状混合物 中の油分含有量が一定の条件下では、加圧ロ ール回転速度(ブリケット製造速度)を上昇さ るほど、ブリケットの強度(落下強度、圧潰 強度とも)が低下する傾向を示している。
したがって、可及的に高い製造効率を保 ながら所定のブリケット強度を確保するた には、粉状混合物中の油分含有量に応じて 圧ロール1の回転速度を調整すればよく、さ らに好ましくは前記油分含有量を所定の許容 範囲内に収めるように調整すればよいことが わかる。
さらに、粉状混合物中へのCaO含有原料の 加による、加圧ロールのポケット内への粉 混合物の付着防止効果を確認するため、粉 混合原料中の油分含有量を1.9質量%、加圧ロ ールの回転速度を5.4rpmに固定して、該粉状混 合原料に対する、CaO含有原料としての消石灰 の添加量及び糖蜜の添加量を種々変更して上 記実施例1と同様のブリケット製造試験を実 したところ、以下の結果が得られた。
消石灰の添加を行わない場合、糖蜜の添 量を4.0質量%とすると落下強度は2.2回であっ て不足する(上記表3のNo.5参照)。しかし、落 強度の向上のために糖蜜の添加量を4.0質量% りさらに増量すると、加圧ロールのポケッ 内への粉状混合物の付着が発生し、正常な リケットの成形ができなくなる。
これに対し、消石灰を4.0質量%添加した場 合は、糖蜜の添加量を5.5質量%に増量しても 加圧ロールのポケット内への粉状混合物の 着は発生せず、正常なブリケットの成形が 能になる。その成形されたブリケットの落 強度は十分に高く、13回である。
以上の結果は、粉状混合物中への適量のC aO含有原料の添加が、加圧ロールのポケット への粉状混合物の付着を防止する効果を生 させることを示している。
以上のように、本発明は、油分を含有す 製鉄所ダストを用いながら、過度にブリケ トの製造能力を減少させることなく、十分 強度をもつ炭材内装ブリケットを製造する とが可能な製造方法を提供する。この方法 、油分を含有する製鉄所ダストに少なくと 炭材とバインダとを添加し混合して粉状混 物とすることと、この粉状混合物を加圧ロ ルを用いて圧縮成形することによりブリケ トを生成することと、前記粉状混合物にお る油分含有量の増減を認識し、その油分含 量が増えるほど前記加圧ロールの回転速度 低くするように当該回転速度を調整するこ とを含み、この回転速度の調整が、ブリケ トの製造能力の維持と、ブリケットの十分 強度の確保との両立を実現する。
この発明では、さらに、前記粉状混合物 油分含有量が予め設定された許容範囲内に まるように当該油分含有量を調整すること 含むことが、より好ましい。この油分含有 の調整は、前記加圧ロールの回転速度の過 の上昇や過度の低下を不要にし、当該加圧 ールを常に効率の良い速度で運転すること 可能にする。
前記粉状混合物の油分含有量の許容範囲 、例えば0.5質量%以上2.0質量%以下の範囲が 適である。
前記粉状混合物の油分含有量の調整は、 えば、互いに異なる油分含有量をもつ複数 の製鉄所ダストを配合することと、その配 比率を変えることとにより行うことが可能 ある。この方法は、前記油分含有量のため 特別な調整物質の添加を不要にし、または の必要添加量の削減を可能にする。
前記製鉄所ダストには、必要に応じて、 分を含有しない酸化鉄含有原料およびCaO含 原料のうちの少なくとも一方が添加されて よい。特に、前記製鉄所ダストに、前記粉 混合物中のCaO含有原料の含有量を2.0質量%以 上にする量のCaO含有原料を添加することは、 加圧ロールの表面への粉状混合物の付着を有 効に抑止する。
本発明は、より好ましくは、前記加圧ロ ルを用いて生成された成形物を篩上と篩下 に分級し、その篩上を還元炉へ搬送するこ を含む。この分級は、当該還元炉により製 される還元鉄の品質の向上に寄与する。
この場合に、前記粉状混合物の油分含有 の認識は、少なくとも、前記成形物のうち 前記篩上または前記篩下の割合に基いて行 れることが可能である。このことは、当該 分含有量の認識を容易にする。
また、前記篩上に含まれるブリケットが 前記還元炉内に当該ブリケットを供給する めのブリケット供給ホッパ内に投入される 合には、そのブリケット供給ホッパ内のブ ケットの量に基いて前記粉状混合物の油分 有量の認識が行われることも可能である。
一方、前記篩下は、前記炭材及び前記バ ンダとともに前記製鉄所ダストに混合され ことが、より好ましく、このことは、高い 料歩留の確保を可能にする。
本発明は、前記粉状混合物をスクリュー ィーダの回転によって前記加圧ロールに強 的に送り込む場合に、特に好適である。前 粉状混合物の油分含有量は、この粉状混合 の前記スクリューフィーダに対する滑り易 に著しい影響を与えるため、当該油分含有 の増減に基く加圧ロールの回転速度の調整 きわめて有効となる。
また、本発明に係る別の炭材内装ブリケ トを製造するための方法は、油分を含有す 製鉄所ダストに、少なくとも炭材とバイン とを添加し混合して粉状混合物とすること 、この粉状混合物を加圧ロールを用いて圧 成形してブリケットを生成することと、前 加圧ロールを用いて生成された成形物を篩 と篩下とに分級し、その篩上を還元炉へ搬 するとともに篩下を前記加圧ロールに供給 れる原料に混合することと、前記前記粉状 合物の油分含有量の増減を認識し、その油 含有量が増えるほどブリケットマシンの加 ロールに供給される原料に対してこれに含 れる前記篩下の重量割合(すなわちリサイク ル率)を増やすこと、とを含む。この方法で 、上記篩下のリサイクルによってその有効 用が可能であるとともに、ブリケットの製 量を減らすことなく、そのリサイクル率の 整によって適正な製品ブリケットの強度を 保することが可能である。
