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Patent Searching and Data


Title:
METHOD OF PRODUCING BUTTER AND METHOD OF MEASURING BUTTER COMPONENTS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/041252
Kind Code:
A1
Abstract:
By using a near infrared spectroscope (3) with the use of Fourier transform, the absorbance spectrum of a butter (20) in a wavelength range of 800 to 2500 nm is obtained. Based on the absorbance spectrum of the butter (20), the absorbance spectra of water in wavelength ranges of 130 to 1600 nm and 1800 to 2100 nm are determined. From the absorbance spectrum in each wavelength range, the water absorbance of the butter (20) is determined. Based on a water content calibration curve and the water absorbance, the water concentration of the butter (20) is determined. Based on the salt absorbance of the butter (20) that is determined from the shift of the peak wavelength of the water absorbance spectrum in each wavelength region and a salt content calibration curve, the salt concentration of the butter (20) is determined. Based on the water concentration or salt concentration thus determined, the amount of water or sodium chloride to be added to butter grains before the treatment is controlled.

Inventors:
KOSUGI, Takashi (Meiji Dairies Corporation 540, Naruda, Odawara-sh, Kanagawa 62, 2500862, JP)
小杉 崇 (〒62 神奈川県小田原市成田540明治乳業株式会社研究本部内 Kanagawa, 2500862, JP)
ENMEI, Yuuko (Meiji Dairies Corporation 540, Naruda, Odawara-sh, Kanagawa 62, 2500862, JP)
延命 優子 (〒62 神奈川県小田原市成田540明治乳業株式会社研究本部内 Kanagawa, 2500862, JP)
ITO, Hirokazu (Meiji Dairies Corporation 540, Naruda, Odawara-sh, Kanagawa 62, 2500862, JP)
Application Number:
JP2008/066183
Publication Date:
April 02, 2009
Filing Date:
September 08, 2008
Export Citation:
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Assignee:
Meiji Dairies Corporation (2-10, Shinsuna 1-chome Koto-k, Tokyo 08, 1368908, JP)
明治乳業株式会社 (〒08 東京都江東区新砂1丁目2番10号 Tokyo, 1368908, JP)
KOSUGI, Takashi (Meiji Dairies Corporation 540, Naruda, Odawara-sh, Kanagawa 62, 2500862, JP)
小杉 崇 (〒62 神奈川県小田原市成田540明治乳業株式会社研究本部内 Kanagawa, 2500862, JP)
ENMEI, Yuuko (Meiji Dairies Corporation 540, Naruda, Odawara-sh, Kanagawa 62, 2500862, JP)
延命 優子 (〒62 神奈川県小田原市成田540明治乳業株式会社研究本部内 Kanagawa, 2500862, JP)
International Classes:
A23C15/02; G01N21/27; G01N21/35
Foreign References:
JPH06229913A
JPH07270309A
JPH08105845A
JPH08178871A
JP2006262850A
JP2000292349A
Other References:
ITO M. ET AL.: 'Kin Sekigaisen Bunko Kodokei ni yoru Kajitsu no Hinshitsu Hyoka' KOCHI AGRICULTURAL RESEARCH CENTER KAJU SHIKENJO SHIKEN KENKYU JISSEKI HOKOKUSHO vol. 2001, April 2002, pages 199 - 200
MURAKAMI M. ET AL.: 'ANALYSIS OF APPLE QUALITY BY NEAR INFRARED REFLECTANCE SPECTROSCOPY' J. FAC. AGR. HOKKAIDO UNIV. vol. 66, no. 1, March 1994, pages 51 - 61
Attorney, Agent or Firm:
SAKANE, Tsuyoshi (6th floor, Soken-Doshomachi Bldg. 1-10, Doshomachi 2-chome, Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 45, 5410045, JP)
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Claims:
 バターの製造方法であって、
 水分濃度および水分吸光度が既知の複数の参照用バターを用いて、各参照用バターの水分濃度と水分吸光度との対応関係を示す水分検量線を作成する工程と、
 製造後のバター(20)に800nmから2500nmまでの波長域の近赤外線を照射し、前記製造後のバター(20)の表面で反射する近赤外線を受光し、受光した近赤外線に基づいて前記製造後のバター(20)の吸光度スペクトルを所定の時間間隔で取得する工程と、
 前記製造後のバター(20)の吸光度スペクトルから、前記波長域に含まれる水の吸収波長域に対応する水の吸光度スペクトルを抽出する工程と、
 前記水の吸光度スペクトルにおけるピーク値に基づいて、前記製造後のバター(20)の水分吸光度を求める工程と、
 前記製造後のバター(20)の水分吸光度と前記水分検量線とに基づいて、前記製造後のバター(20)の水分濃度を求める工程と、
 前記製造後のバター(20)の水分濃度に基づいて、製造中のバターに添加する水の量を調節する工程と、
を備える。
 請求項1に記載のバターの製造方法において、さらに、
 各参照用バターの塩分濃度および塩分吸光度が既知であり、各参照用バターの塩分濃度と塩分吸光度との対応関係を示す塩分検量線を作成する工程と、
 前記水の吸光度スペクトルにおけるピーク波長と所定波長との波長差に基づいて、前記製造後のバター(20)の塩分吸光度を求める工程と、
 前記製造後のバター(20)の塩分吸光度と前記塩分検量線とに基づいて、前記製造後のバター(20)の塩分濃度を求める工程と、
 前記製造後のバター(20)の塩分濃度に基づいて、製造中のバターに添加する食塩の量を調節する工程と、
を備える。
 請求項1に記載のバターの製造方法において、さらに、
 各参照用バターの塩分濃度および塩分吸光度が既知であり、各参照用バターの塩分濃度と塩分吸光度との対応関係を示す塩分検量線を作成する工程と、
 前記水の吸光度スペクトルにおけるピーク波長と所定波長との波長差に基づいて、前記製造後のバター(20)の塩分吸光度を求める工程と、
 前記製造後のバター(20)の塩分吸光度と前記塩分検量線とに基づいて、前記製造後のバター(20)の塩分濃度を求める工程と、
を備え、
 前記水の量を調節する工程は、
 前記製造後のバター(20)の前記水分濃度と前記塩分濃度とに基づいて、前記製造中のバターに添加する水の量と食塩の量とを決定する工程と、
 前記決定する工程の決定に基づいて、前記製造中のバターに水および食塩を同時に添加する工程と、
を含む。
 請求項3に記載のバターの製造方法において、
 前記製造中のバターに添加される食塩は、濃度が既知の食塩水であり、
 前記決定する工程は、前記製造後のバター(20)の前記水分濃度と前記塩分濃度とに基づいて、前記製造中のバターに添加する前記食塩水の量を決定する。
 請求項1に記載のバターの製造方法において、
 前記水の吸収波長域は、1300nmから1600nmまでの波長域、および1800nmから2100nmまでの波長域である。
 請求項1に記載のバターの製造方法において、
 前記所定の時間間隔で取得する工程は、フーリエ変換型の近赤外線分光器(3)を用いて前記製造後のバター(20)の吸光度スペクトルを取得する。
 請求項1に記載のバターの製造方法において、
 前記製造中のバターは、
 製造条件の異なる複数のバター、
を含む。
 請求項1に記載のバターの製造方法において、
 前記水の吸光度スペクトルを抽出する工程は、前記製造後のバター(20)の吸光度スペクトルに対して微分処理およびPLS(Partial Least Square)解析を実行する。
 バター成分の測定方法であって、
 測定成分の吸光度および濃度が既知の複数の参照用バターを用いて、各参照用バターの前記測定成分の吸光度と濃度との対応関係を示す検量線を作成する工程と、
 バター(20)に800nmから2500nmまでの波長域の近赤外線を照射し、前記バター(20)の表面で反射する近赤外線を受光し、受光した近赤外線に基づいて前記バター(20)の吸光度スペクトルを取得する工程と、
 前記バター(20)の吸光度スペクトルから、前記波長域に含まれる前記測定成分の吸収波長域に対応する、前記測定成分の吸光度スペクトルを抽出する工程と、
 前記測定成分の吸光度スペクトルから、前記バター(20)の前記測定成分の吸光度を求める工程と、
 前記バター(20)の前記測定成分の吸光度と前記検量線とに基づいて前記バター(20)の前記測定成分の濃度を求める工程と、
を備える。
 請求項9に記載のバター成分の測定方法において、
 前記測定成分は、水分であり、
 前記吸光度を求める工程は、
 前記測定成分の吸光度スペクトルのピーク値に基づいて、前記バター(20)の水分吸光度を求める工程、
を含む。
 請求項10に記載のバター成分の測定方法において、
 前記測定成分の吸収波長域は、1300nmから1600nmまでの波長域、および1800nmから2100nmまでの波長域である。
 請求項9に記載のバター成分の測定方法において、
 前記測定成分は、塩分であり、
 前記測定成分の吸光度スペクトルを抽出する工程は、
 前記測定成分の吸光度スペクトルとして、水の吸収波長域に対応する水の吸光度スペクトルを取得する工程、
を含み、
 前記吸光度を求める工程は、
 前記水の吸光度スペクトルのピーク波長と所定波長との波長差に基づいて、前記バター(20)の塩分吸光度を求める工程、
を含む。
 請求項12に記載のバター成分の測定方法において、
 前記測定成分の吸収波長域は、1300nmから1600nmまでの波長域、および1800nmから2100nmまでの波長域である。
 請求項9に記載のバター成分の測定方法において、
 前記測定成分は、脂肪であり、
 前記測定成分の吸収波長域は、2200nmから2500nmまでの波長域である。
 請求項9に記載のバター成分の測定方法において、
 前記測定成分は、乳酸であり、
 前記測定成分の吸収波長域は、1600nmから1700nmまでの波長域、1850nmから1900nm波長域、および2000nmから2100nmまでの波長域である。
 請求項9に記載のバター成分の測定方法において、
 前記バター(20)の吸光度スペクトルを取得する工程は、フーリエ変換型の近赤外線分光器(3)を用いる。
 請求項9に記載のバター成分の測定方法において、
 前記測定成分の吸光度スペクトルを抽出する工程は、前記バター(20)の吸光度スペクトルに対して微分処理およびPLS(Partial Least Square)解析を実行する。
Description:
バターの製造方法およびバター 分の測定方法

 本発明は、製造中のバターに添加する水 たは食塩の量を制御するバターの製造方法 よびバターの複数成分の各濃度を同時に測 するバター成分の測定方法に関する。

 通常、バターは、エージングさせたクリ ムを原料とし、チャーニング処理およびワ キング処理などを経て製造される。なお、 ターに関する規格が、乳および乳製品の成 規格などに関する省令(乳等省令)で規定さ ている。たとえば、乳等省令において、バ ーは、生乳、牛乳または特別牛乳から得ら た脂肪粒を練圧したもので、成分規格は乳 肪分80.0%以上、水分17.0%以下、大腸菌群は陰 などと規定されている。

 バターの水分濃度および塩分濃度を、乳 省令に基づいた濃度値に保つために、ワー ング処理前のバター粒に対して水または食 (食塩水)が添加される。しかし、バターの 分濃度および塩分濃度は、クリームの脂肪 、エージング時間、あるいはワーキング回 数などの製造条件で大きく変化する。した って、バターの水分濃度および塩分濃度を 定にするには、バター粒に添加する水また 食塩の量を、製造条件に応じて制御する必 がある。

 バター粒に添加する水または食塩の量の 御は、たとえば、以下のような方法で行わ る。まず、バター製造機から流出するバタ からサンプルを採取する。サンプルの水分 度を乾燥減量法によって測定する。また、 ンプルの塩分濃度をモール法によって測定 る。そして、サンプルの水分濃度および塩 濃度と、水分濃度および塩分濃度の目標値 に基づいて、バター粒に添加する水または 塩の量を調整する。

 しかし、上述の調整方法は、サンプルの 取からサンプルの水分濃度および塩分濃度 測定結果を得るまでに10分~20分程度の時間 必要とする。このため、バターの製造条件 変更に応じて、添加する水や食塩(食塩水)の 量を迅速に調整することができない。この結 果、バターの水分濃度および塩分濃度がばら つくことになり、バターの品質が一定しない という問題があった。また、バター製造開始 からバター粒に添加する水または食塩の量を 調整するまでの間、バター製造機から流出す るバターを回収する必要がある。このため、 効率よくバターを製造できないという問題が あった。

 そこで、バターの水分濃度および塩分濃 を迅速に測定する方法が、従来から提案さ ている。たとえば、特許文献1は、バターな どの油中水型乳化物の比重と非誘電率とを測 定し、比重および非誘電率の測定結果に基づ いて油中水型乳化物の水分濃度および塩分濃 度を測定する方法を開示している。

 また、特許文献2は、マイクロ波を用いた バターの水分濃度および塩分濃度の同時測定 方法を開示している。具体的には、バターを 透過する周波数1GHzのマイクロ波の減衰量と 相差とを測定する。そして、予め実測値か 求めた回帰式に測定した減衰量と位相差と 代入して、バターの水分濃度および塩分濃 を求める。

 また、特許文献3は、赤外線を用いたバタ ーの水分測定方法を開示している。具体的に は、水分および油分が吸収される二つの波長 の近赤外線と、参照用の波長の近赤外線をバ ター表面に照射して各波長の吸光度を求める 。また、バターの表面温度および色相などを 測定する。そして、各測定値を重回帰式に代 入してバターの水分濃度を求める。

特開平04-140660号公報

特開平08-105845号公報

特開平07-270309号公報

 しかしながら、上記特許文献が開示する 法には、以下のような問題がある。特許文 1が開示する測定方法は、比重測定用のライ ンを別に設ける必要があり、測定装置の構成 が複雑となる。また、特許文献2が開示する 定方法は、水分濃度および塩分濃度の他に 各種の成分の濃度を測定できない。また、 許文献3が開示する測定方法は、近赤外線の 定の他に、近赤外線センサとバター表面と 距離を測定する変位センサ、温度センサ、 相計などを用いる必要があり、装置構成が 雑になる。

 このように、上記特許文献が開示する方 は、それぞれに問題を有しており、水分濃 あるいは塩分濃度などのバターの各種成分 、オンラインで迅速に測定することは実質 に困難であった。

 本発明のバターの製造方法は、水分濃度 よび水分吸光度が既知の複数の参照用バタ を用いて、各参照用バターの水分濃度と水 吸光度との対応関係を示す水分検量線を作 する工程と、製造後のバターに800nmから2500n mまでの波長域の近赤外線を照射し、製造後 バターの表面で反射する近赤外線を受光し 受光した近赤外線に基づいて製造後のバタ の吸光度スペクトルを所定の時間間隔で取 する工程と、製造後のバターの吸光度スペ トルから、波長域に含まれる水の吸収波長 に対応する水の吸光度スペクトルを抽出す 工程と、水の吸光度スペクトルにおけるピ ク値に基づいて、製造後のバターの水分吸 度を求める工程と、製造後のバターの水分 光度と水分検量線とに基づいて、製造後の ターの水分濃度を求める工程と、製造後の ターの水分濃度に基づいて、製造中のバタ に添加する水の量を調節する工程と、を備 る。

 製造後のバターの水分濃度を非接触で測 するため、簡単な装置構成でバターの水分 度を調節することが可能である。また、製 後のバターの水分濃度を所定の時間間隔で 続的に測定するため、製造条件の変更に応 て、製造中のバターに添加する水の量を速 かに調節することが可能である。

 また、本発明のバターの製造方法は、さ に、各参照用バターの塩分濃度および塩分 光度が既知であり、各参照用バターの塩分 度と塩分吸光度との対応関係を示す塩分検 線を作成する工程と、水の吸光度スペクト におけるピーク波長と所定波長との波長差 基づいて、製造後のバターの塩分吸光度を める工程と、製造後のバターの塩分吸光度 塩分検量線とに基づいて、製造後のバター 塩分濃度を求める工程と、製造後のバター 塩分濃度に基づいて、製造中のバターに添 する食塩の量を調節する工程と、を備える

 製造後のバターの水分濃度だけでなく塩 濃度を非接触で測定するため、簡単な装置 成でバターの水分濃度と塩分濃度とを同時 調節することが可能である。また、製造後 バターの塩分濃度を所定の時間間隔で継続 に測定するため、製造条件の変更に応じて 製造中のバターに添加する食塩の量を速や に変更することが可能である。

 また、本発明のバター成分の測定方法は 測定成分の吸光度および濃度が既知の複数 参照用バターを用いて、各参照用バターの 定成分の吸光度と濃度との対応関係を示す 量線を作成する工程と、バターに800nmから25 00nmまでの波長域の近赤外線を照射し、バタ の表面で反射する近赤外線を受光し、受光 た近赤外線に基づいてバターの吸光度スペ トルを取得する工程と、バターの吸光度ス クトルから、波長域に含まれる測定成分の 収波長域に対応する、測定成分の吸光度ス クトルを抽出する工程と、測定成分の吸光 スペクトルから、バターの測定成分の吸光 を求める工程と、バターの測定成分の吸光 と検量線とに基づいてバターの測定成分の 度を求める工程と、を備える。

 バター成分の濃度を非接触で測定するた 、簡易な装置構成でバター成分の濃度を測 することが可能である。また、複数のバタ 成分の吸光度スペクトルを同時に取得する め、複数のバター成分を同時に測定するこ が可能である。

 それゆえにこの発明の目的は、簡単な装 構成で、バターの複数成分の各濃度の測定 可能なバター成分の測定方法を提供するこ である。また、この発明の目的は、簡単な 置構成でバターの水分濃度および塩分濃度 制御することが可能なバターの製造方法を 供することである。

 この発明の目的、特徴、局面、および利 は、以下の詳細な説明と添付図面によって 白となる。

第1の実施の形態に係るバター成分の測 定方法に用いられる測定システムの概略図で ある。 バターの水分濃度の測定結果を示す表 ある。 無塩バターの水分濃度の測定値の経時 化を示すグラフである。 有塩バターの水分濃度の測定値の経時 化を示すグラフである。 発酵バターの水分濃度の測定値の経時 化を示すグラフである。 バターの塩分濃度の測定結果を示す表 ある。 有塩バターの塩分濃度の測定値の経時 化を示すグラフである。 第2の実施の形態に係るバターの製造方 法に用いられるバター製造システムの概略図 である。 無塩バターの水分濃度の自動制御試験 結果を示すグラフである。 有塩バターの塩分濃度の自動制御試験 の結果を示すグラフである。

 {第1の実施の形態}
 以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形 について説明する。図1は、本実施の形態に 係るバター成分の測定方法に用いられる、バ ター成分の測定システムの概略図である。図 1に示す測定システムは、フーリエ変換型の 赤外分光器(FT-NIR。以下、単に「分光器」と う)3がバター製造機1の流出口11から流出す バター20の吸光度スペクトルを取得し、取得 した吸光度スペクトルを用いてPC(パーソナル コンピュータ)5がバターの各成分の濃度を求 るものである。

 バター製造機1は、チャーニング処理から ワーキング処理までを連続的に行ってバター 20を製造する装置である。ワーキング処理を て流出口11から流出するバター20は、バター サイロ2に送られる。バターサイロ2は、内部 設置されたスクリュー(図示省略)によって バター20を分散および混合しつつ、充填機( 示省略)へと送る。

 分光器3は、流出口11から流出するバター2 0の表面に波長域800nm~2500nmの近赤外線を照射 て、近赤外線におけるバター20の吸光度スペ クトルを取得する装置である。

 プローブ4は、分光器3が生成する近赤外 をバター20に照射するとともに、バター20の 面で反射する近赤外線を受光するための近 外線センサヘッドである。プローブ4は、流 出口11から流出した直後のバター20に赤外線 照射できる位置に設置される。これは、バ ー20がバターサイロ2内のスクリュー(図示省 )の回転によってねじられることで生じる、 バター20の表面とプローブ4との距離(照射距 )の変動を抑制するためである。また、プロ ブ4は、バター20の表面で反射した近赤外線 効率よく受光するために、バター20の表面 の赤外線の照射角度がほぼ垂直となるよう 設置される。

 PC5は、分光器3が取得したバター20の吸光 スペクトルに基づいて、バター20の測定成 の濃度を求める。具体的には、PC5は、バタ 20の吸光度スペクトルに対してデータ処理を 行う。これにより、PC5は、測定成分の吸収波 長域における測定成分の吸光度スペクトルを 取得し、測定成分の吸光度スペクトルから測 定成分の吸光度を算出する。そして、PC5は、 測定成分の吸光度と検量線とに基づいて、バ ター20の測定成分の濃度を求める。検量線と 、たとえば、測定成分の濃度と、測定成分 吸収波長域における測定成分の吸光度とを 応付けたものであり、測定前に予め作成さ る。

 以下、図1に示す測定システムを用いてバ ターの水分濃度および塩分濃度をそれぞれ測 定した結果に基づいて、本実施の形態に係る バター成分の測定方法の詳細について説明す る。

 (測定1:バターの水分濃度の測定)
 図1に示す測定システムを用いた、無塩バタ ー、有塩バター、および発酵バターのそれぞ れの水分濃度の測定を、2006年9月(第1回)、2006 年11月~12月(第2回)、および2007年2月(第3回)に った。なお、分光器3として、フーリエ変換 の近赤外分光器である「MATRIX-FE(ブルカー・ オプティクス株式会社製)」を用いた。

 ここで、バターの水分濃度の測定手順を 無塩バターの水分濃度の測定を例にして説 する。以下に示す手順は、有塩バターおよ 発酵バターの水分濃度の測定においても同 である。

 まず、無塩バターの水分検量線を作成し 。流出口11から流出するバター20(無塩バタ )から検量線作成用のサンプル(以下、「検量 線サンプル」という)を複数採取して、乾燥 量法を用いて検量線サンプルの水分濃度を 定した。

 また、検量線サンプルの水分吸光度を、 光器3が取得した検量線サンプルの吸光度ス ペクトルに基づいて求めた。具体的には、検 量線サンプルの採取と同時に、流出口11から 出する無塩バターの吸光度スペクトルを、 光器3を用いて取得した。

 具体的には、流出口11から流出する無塩 ターに近赤外線を約0.5秒間照射して吸光度 ペクトルを求める処理(1スキャン)を16回繰り 返した。S/N比を向上させるために、各スキャ ンで得られた吸光度スペクトルを平均化し、 平均化されたスペクトルを無塩バターの吸光 度スペクトルとした。そして、PC5を用いて、 取得した吸光度スペクトルに対して一次微分 処理を行い、照射距離の変化に伴う近赤外線 の強度変化、およびバターの滑らかさなどの 変化に伴うバター表面の反射率の変化などの 影響を抑制した。続いて、一次微分処理後の 吸光度スペクトルに対してPLS解析を行った。 具体的には、水の吸収波長域である波長1300nm ~1600nm(第1波長域)、および波長1800~2100nm(第2波 域)における他のバター成分の近赤外線の吸 収の影響を抑制し、水分の吸収による各波長 域の吸光度値(データ)の抽出および圧縮を行 た。こうして得られた検量線サンプルの水 の吸光度スペクトルにおける各波長域の吸 度値(水分の吸光度スペクトルのピーク値) 、検量線サンプルの水分濃度との相関関係 計算し、無塩バターの水分検量線を作成し 。

 水分検量線の作成後、流出口11から流出 る無塩バターの水分濃度を、分光器3が取得 る無塩バターの吸光度スペクトルに基づい 測定した。無塩バターの吸光度スペクトル 基づいて求める水分濃度を、無塩バターの 分測定値とする。なお、第1回~第3回の測定 通じて、無塩バターの水分測定値を求める に同一の水分検量線を用いた。

 まず、無塩バターの水分測定値を求める めに、分光器3を用いて、流出口11から流出 る無塩バターに近赤外線を連続的に照射さ 、無塩バターの吸光度スペクトルを取得し 。そして、PC5を用いて、12秒~15秒に1回の頻 で、分光器3が取得した吸光度スペクトルか ら無塩バターの水分吸光度を求めた。求めた 水分吸光度と水分検量線とに基づいて、無塩 バターの水分測定値を得た。なお、水分吸光 度を求める手順は、上述の検量線サンプルの 水分吸光度を求める手順と同じである。

 また、1時間に1~7回程度の頻度で無塩バタ ーのサンプル(以下、「基準サンプル」とい )を採取し、乾燥減量法を用いて基準サンプ の水分濃度を測定した。基準サンプルの水 濃度の測定値を水分基準値とする。そして 水分基準値と、基準サンプルの採取タイミ グに対応する水分測定値とを比較した。

 また、無塩バターへの近赤外線の照射と 行して、エージングタンクの切り替え、あ いはバター製造機1のワーキング回転数の変 更などを行った。これにより、無塩バターの 製造条件の変更に伴う、図1に示す測定シス ムを用いた無塩バターの水分濃度の測定へ 影響を調べた。

 次に、各バターの水分濃度の測定結果を 明する。図2に、各バターの水分基準値を基 準とした、水分測定値の最大誤差、平均誤差 、および標準偏差を示す。各測定回における 水分測定値の平均誤差は0.1%以内であり、乾 減量法の系統誤差(0.1%程度)と同じである。 のことから、図1に示す測定システムを用い バターの水分濃度の測定精度は、乾燥減量 の測定精度と同等であることを確認できた

 なお、バターの色相および表面温度が近 外線を用いた各バターの水分濃度の測定に 響を及ぼすことが知られている。各測定回 おいて、バターの色相および表面温度が変 しているが、各測定回における水分測定値 平均誤差は0.1%以内である。このことから、 図1に示す測定システムを用いることによっ 、バターの色相および表面温度の変化の影 を受けることなくバターの水分濃度を高精 で測定できるといえる。これは、フーリエ 換型の近赤外分光器は、1スキャンに要する 間が他の近赤外分光器(回折格子型、干渉フ ィルター型など)に対して圧倒的に短いため 、サンプルの色相や温度変化を捉え難いた である。

 次に、各バターの水分測定値の経時変化 ついて説明する。図3は、無塩バターの水分 測定値の経時変化の一例を示すグラフである 。図4は、有塩バターの水分測定値の経時変 の一例を示すグラフである。図5は、発酵バ ーの水分測定値の経時変化の一例を示すグ フである。図3~図5に示すグラフは、いずれ 第2回の測定時に取得したデータである。

 上述したように、各測定回においてバタ の製造条件を変更している。たとえば、図3 では、領域21においてエージングタンクを切 替えた。領域22および24においてバター粒に 添加する水の量を増加させた。領域23におい バター粒に添加する水の量を減少させた。 た、図4では、領域31においてワーキング回 数およびクリーム加温温度をそれぞれ上昇 せた。領域32においてワーキング回転数を 下させた。領域33においてエージングタンク を切り替えた。また、図5では、領域41におい て発酵乳調合液の添加量を少なくした。領域 42においてエージングタンクを切り替えた。

 図3~図5に示すように、バターの製造条件 変更しても、各バターの水分基準値と水分 定値とが同じように変動している。また、 1回および第3回の測定においても、同様の 果が得られた。つまり、図1に示す測定シス ムを用いたバターの水分濃度の測定におい 、各バターの製造条件の変更は、測定精度 影響を及ぼさないといえる。

 (測定2:有塩バターの塩分濃度の測定)
 また、上述の測定1で説明した有塩バターの 水分濃度の測定と同時に、有塩バターの塩分 濃度を測定した。以下、有塩バターの塩分濃 度の測定手順、および測定結果について、上 述の測定1の説明と異なる部分を中心に説明 る。

 ここで、有塩バターの塩分濃度の測定手 を説明する。有塩バターの塩分濃度を測定 る前に、有塩バターの塩分検量線を水分検 線と同時に作成した。

 まず、有塩バターの検量線サンプルの塩 濃度を、モール法を用いて測定した。また 有塩バターの吸光度スペクトルを、無塩バ ーの吸光度スペクトルと同様の手順で取得 た。つまり、水の吸収波長域である第1波長 域および第2波長域における水分以外のバタ 成分の近赤外線の吸収の影響を抑制した。 うして得られた検量線サンプルの水分の吸 度スペクトルにおける、塩分が存在するこ による水の吸収波長域のピークのシフトを 分吸光度とし、各波長域における水の吸収 長を基準にして塩分吸光度を求めた。そし 、ピークのシフト(塩分吸光度)と塩分濃度と の相関関係を計算し、有塩バターの塩分検量 線を作成した。

 塩分検量線の作成後、流出口11から流出 る有塩バターの塩分濃度を、分光器3が取得 た有塩バターの吸光度スペクトルに基づい 測定した。有塩バターの吸光度スペクトル 基づいて求める塩分濃度を、有塩バターの 分測定値とする。

 具体的には、有塩バターの塩分濃度を求 るために、有塩バターの水分測定値を求め 際に用いた水の吸光度スペクトルから、有 バターの塩分吸光度を求めた。有塩バター 塩分吸光度を求める手順は、検量線サンプ の塩分吸光度を求める手順と同じである。 めた塩分吸光度と塩分検量線とに基づいて 有塩バターの塩分測定値を求めた。なお、 1回~第3回の測定を通じて、有塩バターの塩 測定値を求める際に同一の塩分検量線を用 た。

 また、有塩バターの基準サンプルの塩分 度を、モール法を用いて測定した。基準サ プルの塩分濃度を塩分基準値とする。そし 、塩分基準値と基準サンプルの採取タイミ グに対応する塩分測定値とを比較した。

 次に、有塩バターの塩分濃度の測定結果 説明する。図6に、塩分基準値を基準とした 塩分測定値の最大誤差、平均誤差、および標 準偏差を示す。各測定回における塩分測定値 の平均誤差は0.1%以内であり、モール法の系 誤差(0.1%程度)と同じである。このことから 図1に示す測定システムを用いることによっ 、有塩バターの色相および表面温度の変化 影響を受けることなく、有塩バターの塩分 度を高精度で測定できることを確認できた これは、近赤外線の波長域を連続的に測定 能なアレイ検出型の分光器、あるいは音響 学変調フィルタ(ATOF)型の近赤外分光器と比 して、フーリエ変換型の近赤外分光器の波 分解能が圧倒的に優れているためである。 ーリエ変換型の分光器を用いることによっ 、塩分濃度によって変化する水の吸光度ス クトルにおけるピーク波長と所定波長(水の 吸収波長)との僅かなズレを検知することが きる。

 図7は、第2回測定時の有塩バターの塩分 定値の経時変化を示すグラフである。上述 たように、有塩バターの水分濃度の測定時 、有塩バターの製造条件を変更している。 7では、領域51においてワーキング回転数お びクリーム加温温度をそれぞれ上昇させた 領域52においてワーキング回転数を低下させ た。領域53においてエージングタンクを切り えた。なお、図4に示す領域31~33と、図7に示 す領域51~53とは、バターの製造条件の変更内 がそれぞれ対応している。

 図7に示すように、有塩バターの製造条件 の変更に関係なく、有塩バターの塩分基準値 と塩分測定値とが同じように変動している。 第1回および第3回の測定でも、同様の結果が られた。つまり、図1に示す測定システムを 用いた有塩バターの塩分濃度の測定において 、有塩バターの製造条件の変更は、測定精度 に影響を及ぼさないといえる。

 以上、説明したように、本実施の形態に るバター成分の測定方法は、フーリエ変換 用いた近赤外分光器3を用いることによって 、従来の測定法と同じ精度で、バターの色相 および表面温度の変化の影響を受けることな く、バターの水分濃度および塩分濃度を同時 に測定することができる。

 また、本実施の形態に係るバター成分の 定方法は、水の吸光度スペクトルから水分 光度および塩分吸光度を一定間隔で取得す ことによって、バターの水分濃度および塩 濃度を、非接触、かつオンラインで、継続 に測定できる。これにより、製造条件の変 に伴うバターの水分濃度および塩分濃度の 化を迅速に捉えることができる。

 また、本実施の形態に係るバター成分の 定方法は、フーリエ変換を用いた近赤外分 器3を用いることによって、バター20の水分 度および塩分濃度を同時に求めることがで る。さらに、バターの水分濃度および塩分 度を同時に測定するだけでなく、他の成分 濃度も同時に測定できる。

 具体的には、バター20の吸光度スペクト から、測定成分の吸収波長域における測定 分の吸光度スペクトルを、水の吸光度スペ トルを取得した手順と同じ手順で取得し、 定成分の吸光度を求める。そして、測定成 の吸光度と検量線とに基づいて、バター20の 測定成分の濃度を求めればよい。

 たとえば、バター20の水分濃度および塩 濃度を測定すると同時に、バターの品質の 標となる乳酸、脂肪などの濃度を同時に測 することができる。乳酸の場合、発酵バタ の吸光度スペクトルから1600nm~1700nmにおける チル基の吸光度、1850nm~1900nmにおけるカルボ キシル基の吸光度、および2000nm~2100nmにおけ ヒドロキシル基の吸光度を求めることによ て、乳酸の濃度を測定できる。さらに、乳 の濃度とpHとが相関関係にあると仮定するこ とによって、発酵バターのpH値を求めてもよ 。また、脂肪の場合、バターの吸光度スペ トルから2200nm~2500nmにおけるメチル基の吸光 度を求めることによって、バターの脂肪の濃 度を測定することができる。

 {第2の実施の形態}
 図8は、本実施の形態に係るバターの製造方 法に用いられるバター製造システムの概略図 である。図8に示すバター製造システムは、 記第1の実施の形態に係るバター成分の測定 法で得られたバターの水分濃度および塩分 度に基づいて、ワーキング処理前のバター に添加する水または食塩水の量を制御する なお、図8において、図1と同じ構成要素に 同じ参照符号を付している。

 制御部6は、PC5が求めたバターの水分濃度 あるいは塩分濃度などの測定値に応じて添加 ポンプ12の動作周波数を制御し、バター粒に 加する水または食塩水の添加量を調節する 添加ポンプ12は、バター製造機1に組み込ま ており、バター粒に水または食塩水を添加 るポンプである。

 以下、本実施の形態に係るバター製造方 の詳細を、図8に示すバター製造システムを 用いて行った、バターの水分濃度および塩分 濃度の自動制御試験の内容に基づいて説明す る。

(制御試験1:無塩バターの水分濃度の制御試験 )
 まず、無塩バターの水分濃度の制御試験の 順について説明する。PC5を用いて、上述の 定1において説明した手順で、無塩バターの 水分測定値および水分基準値を求めた。そし て、制御部6を用いて、水分測定値と制御部6 予め設定された水分濃度の目標値(水分目標 値)とに基づいて、添加ポンプ12の動作周波数 を決定した。このとき、制御部6にワンルー コントローラを用い、動作周波数をPID制御 式に基づいて決定した。このように、添加 ンプ12を決定した動作周波数で制御させるこ とによって、バター粒に添加する水の量を調 節した。

 なお、本試験において、水分濃度の目標 を、16.0%~16.5%に設定した。また、本試験に いて、無塩バターの水分測定値を求めるた に用いる水分検量線は、測定1における第1回 ~第3回の測定時に用いた水分検量線と同一で る。また、本試験中にPID制御の各パラメー 値を変更し、水分濃度値の変動幅を確認し 。

 次に、無塩バターの水分濃度の制御試験 結果について説明する。図9は、本試験にお ける無塩バターの水分測定値の経時変化を示 すグラフである。なお、水分目標値が示され た期間において、水分濃度の自動制御を行っ ている。

 図9に示す各領域におけるPID制御の条件を 以下のように設定している。領域71において P=87、I=139、D=35である。また、領域72におい 、P=120、I=139、D=35である。また、領域73およ び領域74において、P=120、I=80、D=35である。

 図9に示すように、領域71~73において水分 標値を16.0%に固定したが、無塩バターの水 測定値は、水分目標値を中心に変動した。 た、PID制御の各パラメータの値に応じて、 分測定値の変動幅が異なることがわかる。 に、領域73における水分測定値は、水分目標 値の±0.2%程度の範囲内で変動していた。一方 、領域74では、水分目標値を16.0%~16.5%の範囲 変化させた。このとき、水分目標値を変更 てから無塩バターの水分測定値が水分目標 の±0.2%以内の範囲となるまでの時間は約1~2 であった。また、各領域において、水分基 値に対する水分測定値の平均誤差は、0.1%以 であった。これらのことから、PID制御の各 ラメータ値を適切に設定することによって 無塩バターの水分濃度を安定的に制御でき ことを確認できた。

 また、領域72においてエージングタンク 切り替えたが、切り替えの前後で無塩バタ の水分測定値が水分目標値から大きく逸脱 ていない。この結果から、無塩バターの製 条件を変更しても、無塩バターの水分濃度 安定的に制御できることを確認できた。

 本試験の結果から、図8に示すバター製造 システムを用いることによって、無塩バター の水分濃度を安定的に制御できるといえる。 また、本試験の結果から、図8に示すバター 造システムを用いて、有塩バターおよび発 バターの水分濃度についても、安定的に制 可能であるといえる。

(制御試験2:有塩バターの塩分濃度値の制御試 験)
 まず、有塩バターの塩分濃度の制御試験の 順について説明する。PC5を用いて、上述の 定2において説明した手順で、有塩バターの 塩分測定値および塩分基準値を求めた。そし て、制御部6を用いて、過去5回分の塩分測定 の平均値を求める処理を3分おきに行い、塩 分測定値の平均値と、予め設定された塩分濃 度の目標値(塩分目標値)とに基づいて添加ポ プ12の動作周波数を決定した。このとき、 御部6としてシーケンサを用いた。添加ポン 12を決定した動作周波数で動作させること よって、バター粒に添加する食塩水の量を 節した。

 なお、本試験において、有塩バターの塩 濃度の目標値(塩分目標値)を1.5%に設定した また、本試験において、有塩バターの塩分 定値を求めるために用いる塩分検量線は、 定2における第1回~第3回の測定時に用いた塩 分検量線と同一である。

 次に、有塩バターの塩分濃度の制御試験 結果について説明する。図10は、本試験に ける有塩バターの塩分測定値の経時変化を すグラフである。なお、塩分目標値が示さ た期間において、塩分濃度の自動制御を行 ている。

 図10に示すように、塩分濃度の自動制御 に、有塩バターの塩分測定値が目標値(1.5%) 中心に変動している。塩分測定値の変動幅 、塩分目標値の±0.05%程度の範囲内であった 図10に示す領域81においてエージングタンク を切り替えたが、有塩バターの塩分濃度値が 切り替え前後で大きく変動することはなかっ た。また、塩分基準値に対する塩分測定値の 平均誤差は、0.1%以内であった。これらのこ から、有塩バターの製造条件の変更に関わ ず、図8に示すバター製造システムを用いる とによって、有塩バターの塩分濃度を安定 に制御できることを確認できた。

 また、塩分濃度の自動制御の効果を確認 るために、領域82において、塩分濃度の自 制御を中断して、添加ポンプ12の動作周波数 を一定にした。この結果、領域82で塩分測定 が約1.5%から1.35%まで低下した。しかし、自 制御を再開すると、塩分測定値は約1.5%まで 回復した。また、自動制御の開始から1~2分で 、塩分測定値は、上記の変動幅となることを 確認した。この結果からも、図8に示すバタ 製造システムを用いることによって、有塩 ターの塩分濃度が変化しても速やかに塩分 度を制御できるといえる。

 以上、説明したように、図8に示すバター 製造システムは、バターの製造条件の変更に 伴うバターの水分濃度および塩分濃度の変化 を速やかに検出し、バター粒に添加する水ま たは食塩(食塩水)の量を調節する。これによ 、一定の水分濃度あるいは塩分濃度を有す バターを、安定的に製造することが可能と る。

 また、図8に示すバター製造システムを用 いることによって、バターの水分濃度および 塩分濃度を、制御開始から数分で目標値の0.2 %程度および0.05%程度の範囲で制御できる。こ れにより、製造開始直後のバターの回収量を 大幅に低減することができるため、従来と比 べて低コストでバターを製造することが可能 となる。これは、他の近赤外分光器(回折格 型、干渉フィルター型など)と比較して、フ リエ変換型の近赤外分光器が圧倒的に短い 間で1スキャンを実行することが可能であり 、高波長分解能の測定が可能なためである。 このように、フーリエ変換型の近赤外分光器 を用いることによって、バターの水分濃度お よび塩分濃度を速やかに調節することができ る。

 なお、本実施の形態において、水および 塩水のいずれかを個別にバター粒に添加す ものとして説明したが、これに限られるも ではない。たとえば、バター製造機1が2台 添加ポンプ12を有する場合、バター粒に添加 する水および食塩水の量を同時に調節しても よい。これにより、一定の品質の有塩バター を製造することがさらに容易となる。

 また、本実施の形態で説明した制御試験 おいて、水分基準値および塩分基準値を求 たが、実際のバターの製造現場において、 分基準値および塩分基準値を測定しなくて よいことは言うまでもない。

 また、上記実施の形態において、第1波長 域の水の吸光度スペクトルと第2波長域の水 吸光度スペクトルとを用いて、水分吸光度 よび塩分吸光度を求めているが、これに限 れるものではない。たとえば、第1波長域の の吸光度スペクトル、および第2波長域の水 の吸光度スペクトルのいずれかを用いて、水 分吸光度および塩分吸光度を求めてもよい。

 なお、上記実施の形態において、バター 水分濃度および塩分濃度を測定する例につ て説明したが、これに限られるものではな 。上述した測定方法を用いて、一般的な食 や乳製品における水分、塩分、脂肪、乳酸( pH)などの各種成分を同時に測定することが可 能である。また、上述した測定方法を用いて 、製造中の一般的な食品や乳製品の各種成分 の濃度を測定し、測定結果に基づいて、製造 中の一般的な食品や乳製品などに(オンライ で)添加する各種成分の量を調整することも 能である。このとき、バターでは製造中の 質を一定にすることが特に難しいため、上 実施の形態の効果が特に発揮されやすいと えられる。しかし、マーガリン、スプレッ 、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ、ヨ グルト、プリンなどでも、上記実施の形態 効果は十分に発揮されると考えられる。

 この発明を添付図面に示す実施態様につ て説明したが、この発明は、その詳細な説 の記載をもって制約されるものではなく、 許請求の範囲に記載する範囲において広く 成される。