森本 良行 (〒57 兵庫県伊丹市行基町1丁目114番地 Hyogo, 6640857, JP)
KUBOSAKI, Nobuo (5-3-12, Shinochomiharu Kameoka-sh, Kyoto 24, 6210824, JP)
窪崎 伸夫 (〒24 京都府亀岡市篠町見晴5-3-12 Kyoto, 6210824, JP)
大同塗料株式会社 (〒24 大阪府豊中市大島町3丁目11番7号 Osaka, 5610824, JP)
MORIMOTO, Yoshiyuki (114 Gyokicho 1-chome, Itami-shi Hyogo, 57, 6640857, JP)
森本 良行 (〒57 兵庫県伊丹市行基町1丁目114番地 Hyogo, 6640857, JP)
KUBOSAKI, Nobuo (5-3-12, Shinochomiharu Kameoka-sh, Kyoto 24, 6210824, JP)
| 対象基板の表面に導電層を有する導電体の製造方法であって、電子線硬化性の液状樹脂組成物を塗布した透明な対象基板に対して、カーボンナノチューブネットワーク層を有する剥離性基板上のカーボンナノチューブネットワーク層を圧着して液状樹脂組成物をカーボンナノチューブネットワーク層に含浸させ、ここに電子線を照射して液状樹脂組成物を硬化させ、次いで、剥離性基板を剥離する工程を含む、その表面にカーボンナノチューブを埋設した樹脂組成物層を有する対象基板からなることを特徴とする、カーボンナノチューブ含有導電体の製造方法。 |
| カーボンナノチューブネットワーク層を有する剥離性基板が、カーボンナノチューブと分散媒と必要に応じて分散剤を含むカーボンナノチューブ含有分散液を剥離性基板表面に塗布し、乾燥して表面にカーボンナノチューブの連続的な三次元ネットワーク層を形成したものである、請求項1に記載のカーボンナノチューブ含有導電体の製造方法。 |
| カーボンナノチューブネットワーク層を有する剥離性基板が、カーボンナノチューブと分散媒と必要に応じて分散剤を含むカーボンナノチューブ含有分散液を剥離性基板表面に塗布して乾燥し、残留する分散剤その他の添加剤を、温水又はカーボンナノチューブの分散に用いた分散媒を用いて洗浄・除去して表面にカーボンナノチューブの連続的な三次元ネットワーク層としたものである、請求項1または2に記載のカーボンナノチューブ含有導電体の製造方法。 |
| カーボンナノチューブネットワーク層を有する剥離性基板が、剥離性基板材料として耐熱性材料を用い、この表面にカーボンナノチューブと分散媒と必要に応じて分散剤を含むカーボンナノチューブ含有分散液を塗布して乾燥し、残留する分散剤その他の添加剤を400~600℃の温度で加熱分解して、表面にカーボンナノチューブの連続的な三次元ネットワーク層としたものである、請求項1または2に記載のカーボンナノチューブ含有導電体の製造方法。 |
| カーボンナノチューブの分散媒が、極性溶媒であることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載のカーボンナノチューブ含有導電体の製造方法。 |
| カーボンナノチューブが電子線硬化性樹脂の表面に埋設された対象基板を、更に水で洗浄した後加熱乾燥処理に付すことを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載のカーボンナノチューブ含有導電体の製造方法。 |
| カーボンナノチューブを電子線硬化性樹脂の表面に埋設した対象基板を、ドーピング剤で含浸処理した後水洗し、加熱乾燥処理に付すことを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載のカーボンナノチューブ含有導電体の製造方法。 |
| 電子線硬化性樹脂組成物が、紫外線硬化性樹脂組成物であることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載のカーボンナノチューブ含有導電体の製造方法。 |
| 紫外線硬化性液状樹脂組成物が、アクリロイル基を2個以上有する樹脂と光重合開始剤とを含むものである請求項8に記載のカーボンナノチューブ含有導電体の製造方法。 |
| アクリロイル基を2個以上有する樹脂が、アクリロイル基を2個以上有するウレタンアクリレートから選ばれる合成樹脂である請求項9に記載のカーボンナノチューブ含有導電体の製造方法。 |
| カーボンナノチューブ含有分散液が水性分散液であることを特徴とする、請求項2ないし10のいずれかに記載のカーボンナノチューブ含有導電体の製造方法。 |
| ドーピング剤による含浸処理が、無機酸及び/又は有機酸或いはその塩の水溶液に浸漬することである、請求項7ないし11のいずれかに記載のカーボンナノチューブ含有導電体の製造方法。 |
本発明は、導電性と透明性、耐久性に優 た安価なカーボンナノチューブ含有導電体 製造方法に関する。更に詳しくは、本発明 、安価で高い柔軟性と耐久性を有し、かつ 高い透明性と高い導電性を有するという二 相反する特性を両立させた安価なカーボン ノチューブ含有透明導電体の製造方法に関 る。
液晶や有機EL等で代表されるフラットパ ルディスプレイには、高い透明性を有する 導電性のフィルムが多用されているが、現 では、インジウム・錫酸化物(ITO)などの導電 性金属酸化物を蒸着やスパッタリングにより ポリエチレンテレフタレート(PET)などの透明 ィルム上に製膜したものが主流である。し しながら、これらITOスパッタ膜やイオンプ ーティング膜は、製造設備が非常に大掛か で製品のサイズや生産性に限界があり、高 であるばかりでなく、得られる塗膜が硬く 脆いという大きな欠点を抱えている上、イ ジウムの資源枯渇、高騰という問題を抱え いる。昨今の、より薄くて、軽量のディス レイ用には、柔軟性と耐久性に優れると同 に、安価で高透明・高導電性のフィルムが 望されている。
このような産業界からの要求に対して、 年、柔軟な導電材料として、ポリチオフェ 、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性 リマーが注目されており、これら導電性ポ マーの導電性向上や製膜技術の改良等が盛 に行われており、一部では、ITOスパッタ膜 同程度の高導電性と高透明性を備えた柔軟 を有する導電性ポリマー含有透明導電性フ ルムも提案されている。しかしながら、導 性ポリマー特有の着色相を有しているため 導電性ポリマー層の厚さが制限され、着色 問題を回避するために0.2μm以下と極薄に設 せざるを得ず、塗膜の強度不足は否めない また、導電性ポリマーはその分子構造に由 して不飽和結合があるため本質的に紫外線 で劣化する欠点があり、光学フィルムとし 長期間使用する上で大きな実用上の制約が る。
一方、日機装株式会社とハイピリオン・ ンターナショナル・キャタリシスが、それ れ独自にカーボンナノフィブリルを発明し 以来(特許文献1、2参照)、単繊維径が数10nm 単繊維長が数μm、最外層が結晶性のグラフ イト層からなる中空のカーボンナノ材料(所 、多層カーボンナノチューブ)が、究極の炭 素繊維材料として注目され、樹脂と複合化し たカーボンナノチューブ含有複合材料の開発 が盛んに行われてきた。また、1991年にNECの 島等が、グラフェン層1枚を筒状にした、所 、単層カーボンナノ材料を発見し、「カー ンナノチューブ」と命名して以来、これら 層及び単層カーボンナノチューブに予見さ る光学的、電気的特性に注目して、産官学 競って、高純度な多層及び単層カーボンナ チューブの量産化技術やそれらの用途開発 取組んできた(特許文献3、非特許文献1参照) 。
しかしながら、これらカーボンナノチュ ブは単層、多層を問わず、数十本から数百 の極細の単繊維が相互に絡み合った凝集塊 形状で製造されるので、これら単繊維を溶 中あるいは樹脂中にバラバラに分散させる とが非常に難しく、これがカーボンナノチ ーブの用途開発を妨げる大きな技術的障壁 一つとなっていた。
近年、これらカーボンナノチューブを各 界面活性剤やポリマー等の分散剤と特殊な 散機を併用して、水または各種有機溶媒中 分散させる方法が発表されているが(例えば 、特許文献4参照)、これらの分散液は、カー ンナノチューブの形状並びに表面特性に起 して、著しく再凝集し易く、貯蔵安定性に しい。また、カーボンナノチューブ自身の 散性を改良するために、カーボンナノチュ ブ表面をオゾン処理や強酸等で酸化処理す ことが提案されているが、分散性の多少の 上は認められるものの肝心の導電性能の低 が指摘され、特殊な用途以外に大きなメリ トはない(例えば、特許文献5参照)。
更に、カーボンナノチューブと分散溶媒 らなる分散液をそのまま対象基板上に塗工 ても、該対象基板との密着性が悪いばかり なく、塗膜の機械的強度も低く、実用に耐 られるものではなかった。そこで一般的に 、カーボンナノチューブ分散液に樹脂バイ ダー等のポリマー成分を配合して、所謂、 ーボンナノチューブ含有塗料として提供さ ている。樹脂バインダーとしては、塩化ビ ル樹脂やその共重合体、アクリル樹脂やそ 変性物、ポリエステル樹脂やその変性物等 透明性に優れた熱可塑性樹脂が主流である( 例えば、特許文献6参照)。薄膜での塗膜強度 耐久性向上のため、樹脂バインダーとして エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、イソシア ート変性ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂な が用いられることもある。
しかしながら、これら樹脂バインダーや分 剤は一般的に絶縁性であるため、カーボン ノチューブ含有塗料を対象基板上に塗布、 燥したカーボンナノチューブ含有塗膜の表 抵抗率は期待したほど良好なものではない 塗膜中のカーボンナノチューブ含有率を増 して、その導電性を向上させることも検討 れているが、得られた塗膜の表面抵抗率は 少向上できるものの、塗膜の透明性の悪化 避けることができない。また、膜厚を厚く ることで表面抵抗率を改良することも検討 れてきたが、この場合でも透明性の観点か は膜厚には自ずから限度がある。例えば、 厚0.5μmで全光線透過率85%のカーボンナノチ ーブ含有塗膜を設計する場合、カーボンナ チューブの種類、純度、単繊維径等を最適 しても、得られる塗膜の表面抵抗率は10 5 ω/□程度が限界と考えられている。したがっ て、現実には、表面抵抗率10 5 ~10 9 ω/□が要求されるような透明・帯電防止性塗 料として市場で認知されているのが現状であ る。
更に、カーボンナノチューブ含有塗料中の インダー樹脂成分を紫外線硬化型にした、 謂、カーボンナノチューブ含有紫外線硬化 塗料も提案されている(例えば、特許文献7 照)。得られる塗膜の電気特性や光学特性は 前述したカーボンナノチューブ含有熱可塑 および熱硬化性塗料より良好であるものの 紫外線硬化性樹脂成分が本質的に絶縁性で るため、光学フィルム等で要求される高い 明性(例えば、全光線透過率85%以上)と高い 電性(例えば、表面抵抗率10 5 ω/□以下)を同時に両立させることができな のが実情である。
かかる現状において、カーボンナノチュ ブ含有塗膜の導電性を向上させる方法が種 提案されている。例えば、カーボンナノチ ーブの分散剤としてポリアニリンやポリチ フェンなどの導電性ポリマーを用いること 報告されているが(例えば、特許文献8、9、1 0参照)、期待したほどの導電性の改善は認め れず、その上、前述した導電性ポリマー由 の欠点を内在しており、カーボンナノチュ ブと導電性ポリマーの相乗的な複合効果は 揮されていない。
また、多層または単層カーボンナノチュ ブと導電性金属酸化物微粒子との複合化も 案されているが、この場合も、金属酸化物 来の前述した課題を解決できるほどの相乗 果は発揮されていない(例えば、特許文献11 照)。
近年、対象基板上に、先ず、極細のカーボ ナノチューブのネットワーク層を形成し、 の後、このネットワーク層中にカーボンナ チューブを含まない樹脂溶液を浸透させる 所謂、2層塗工により、導電性の高いカーボ ンナノチューブ含有コーティングフィルムを 製造する方法が提案されている(特許文献12参 照)。また、対象基板上にカーボンナノチュ ブを分散配設し、この基板表面上に樹脂フ ルムを製膜し、製膜されたフィルムを分離 る樹脂フィルムの表面部のみにカーボンナ チューブが包埋された導電性フィルムの製 法が提案されている(例えば、特許文献13参 )。しかし、これらの方法でも高い透明性(例 えば、全光線透過率85%以上)と高い導電性(例 ば、表面抵抗率10 4 ω/□未満)を両立させることが必須の光学用 にはまだ不十分であり、フィルムとしての 度や耐久性が十分なものが得られない。
更に、対象基板上に、カーボンナノチュ ブとバインダー樹脂からなる塗液を塗布し 導電層を形成する際、該バインダー樹脂量 カーボンナノチューブ量より少量とするこ によって、或いは剥離フィルム上にカーボ ナノチューブ分散液を塗布・乾燥し、更に の上に接着層を形成して転写フィルムとし これを対象基板に転写・圧着して対象基板 固定することによって、該バインダー樹脂 表面からカーボンナノチューブを突出させ かつ、互いに電気的に接触させることによ 、導電性の高いカーボンナノチューブ含有 ーティングフィルムを製造する方法が提案 れているが(例えば、特許文献14参照)、バイ ンダー樹脂層が薄膜過ぎて機械的強度や耐久 性に実用上問題を抱えている。
本発明は、導電材料としてカーボンナノ ューブを用い、上記の諸課題に対処するた になされたものであり、高い透明性と高い 電性を有するとともに、耐久性に優れた安 なカーボンナノチューブ含有導電体の製造 法を提供することを目的とするものである
本発明者らはかかる課題を解決すべく鋭 研究した結果、剥離性基板の上に形成した ーボンナノチューブネットワーク層を、導 性を付与するための材料である透明な対象 板の表面に転写し、紫外線硬化等の樹脂の 子線硬化技術を利用してこのカーボンナノ ューブ層を対象基板上に固定することによ 、非常に導電性と耐久性に優れ、かつ高い 明性を有する導電体が得られることを見出 、本発明を完成した。
即ち、本発明は以下の内容をその要旨とす
ものである。
(1)対象基板の表面に導電層を有する導電体
製造方法であって、電子線硬化性の液状樹
組成物を塗布した透明な対象基板に対して
カーボンナノチューブネットワーク層を有
る剥離性基板上のカーボンナノチューブネ
トワーク層を圧着して液状樹脂組成物をカ
ボンナノチューブネットワーク層に含浸さ
、ここに電子線を照射して液状樹脂組成物
硬化させ、次いで、剥離性基板を剥離する
程を含む、その表面にカーボンナノチュー
を埋設した樹脂組成物層を有する対象基板
らなることを特徴とする、カーボンナノチ
ーブ含有導電体の製造方法。
(2)カーボンナノチューブネットワーク層 有する剥離性基板が、カーボンナノチュー と分散媒と必要に応じて分散剤を含むカー ンナノチューブ含有分散液を剥離性基板表 に塗布し、乾燥して表面にカーボンナノチ ーブの連続的な三次元ネットワーク層を形 したものである、前記(1)記載のカーボンナ チューブ含有導電体の製造方法。
(3)カーボンナノチューブネットワーク層 有する剥離性基板が、カーボンナノチュー と分散媒と必要に応じて分散剤を含むカー ンナノチューブ含有分散液を剥離性基板表 に塗布して乾燥し、残留する分散剤その他 添加剤を、温水又はカーボンナノチューブ 分散に用いた分散媒を用いて洗浄・除去し 表面にカーボンナノチューブの連続的な三 元ネットワーク層としたものである、前記( 1)または(2)に記載のカーボンナノチューブ含 導電体の製造方法。
(4)カーボンナノチューブネットワーク層 有する剥離性基板が、剥離性基板材料とし 耐熱性材料を用い、この表面にカーボンナ チューブと分散媒と必要に応じて分散剤を むカーボンナノチューブ含有分散液を塗布 て乾燥し、残留する分散剤その他の添加剤 400~600℃の温度で加熱分解して、表面にカー ボンナノチューブの連続的な三次元ネットワ ーク層としたものである、前記(1)または(2)に 記載のカーボンナノチューブ含有導電体の製 造方法。
(5)カーボンナノチューブの分散媒が、極 溶媒であることを特徴とする、前記(1)ない (4)のいずれかに記載のカーボンナノチュー 含有導電体の製造方法。
(6)カーボンナノチューブが電子線硬化性 脂の表面に埋設された対象基板を、更に水 洗浄した後加熱乾燥処理に付すことを特徴 する、前記(1)ないし(5)のいずれかに記載の ーボンナノチューブ含有導電体の製造方法
(7)カーボンナノチューブを電子線硬化性 脂の表面に埋設した対象基板を、ドーピン 剤で含浸処理した後水洗し、加熱乾燥処理 付すことを特徴とする、前記(1)ないし(6)の ずれかに記載のカーボンナノチューブ含有 電体の製造方法。
(8)電子線硬化性樹脂組成物が、紫外線硬 性樹脂組成物であることを特徴とする、前 (1)ないし(7)のいずれかに記載のカーボンナ チューブ含有導電体の製造方法。
(9)紫外線硬化性樹脂組成物が、アクリロ ル基を2個以上有する樹脂と光重合開始剤と を含むものである前記(8)に記載のカーボンナ ノチューブ含有導電体の製造方法。
(10)アクリロイル基を2個以上有する樹脂 、アクリロイル基を2個以上有するウレタン クリレートから選ばれる合成樹脂である前 (9)に記載のカーボンナノチューブ含有導電 の製造方法。
(11)カーボンナノチューブ含有分散液が水 性分散液であることを特徴とする、前記(2)な いし(10)のいずれかに記載のカーボンナノチ ーブ含有導電体の製造方法。
(12)ドーピング剤による含浸処理が、無機 酸及び/又は有機酸或いはその塩の水溶液に 漬することである、前記(6)ないし(11)のいず かに記載のカーボンナノチューブ含有導電 の製造方法。
本発明の方法によって、導電性を付与す 対象となる材料である透明な対象基板に対 て、その表面に設けられた電子線硬化性樹 層のごく表面近傍に、カーボンナノチュー の連続的な三次元ネットワーク層が埋設さ た状態で固着されたカーボンナノチューブ 有導電体を得ることが出来る。本発明によ ば、個々のカーボンナノチューブ繊維の表 に導電性の必ずしも高くないバインダー樹 などが付着したり、被覆したりしていない 態で、連続的な三次元ネットワーク層とし カーボンナノチューブを電子線硬化性樹脂 のごく表面近傍に埋設された状態で固着さ ることができる。このため、従来のカーボ ナノチューブ含有塗料の塗布などによる方 に比べて非常に優れた導電性を有するもの することができ、しかも紫外線等の電子線 硬化した樹脂層内に埋設された構造となる めに耐久性や膜強度の非常に優れた導電体 得られる。
さらに、このようにして得られたカーボ ナノチューブを含有する電子線硬化性樹脂 は光透過性が良好であり、対象基板に透明 の高いものを用いれば、非常に透明性に優 た導電体、特に導電性の透明な薄膜を得る とが出来る。このため本発明の方法によっ 得られるカーボンナノチューブネットワー 層を含む電子線硬化性樹脂層を有する対象 板では、未処理のものに比べた全光線透過 の低下率が10%以下、ヘイズ1.0%以下とするこ とができる。
以下に、本発明のカーボンナノチューブ 有導電体の製造方法について、更に具体的 説明する。
本発明は、ある一定の基板(剥離性基板) 上に、あらかじめカーボンナノチューブを 散した分散液を塗布するなどの方法によっ カーボンナノチューブの連続的な三次元ネ トワーク層を形成させておき、一方、導電 を付与するための透明な材料(対象基板)の表 面に電子線硬化性の液状樹脂組成物を塗布し ておき、この対象基板に前記剥離性基板の上 のカーボンナノチューブのネットワーク層を 圧着し、カーボンナノチューブのネットワー ク層の中に電子線硬化性の液状樹脂組成物を 含浸させ、ここに電子線を照射して電子線硬 化性液状樹脂組成物を硬化させ、次いで、そ の表面にカーボンナノチューブを埋設した樹 脂組成物層を有する対象基板から剥離性基板 を剥離することによってカーボンナノチュー ブのネットワーク層を転写し、透明な対象基 板の上の樹脂組成物層の表面にカーボンナノ チューブの連続的な三次元ネットワーク層が 形成された導電体を得る方法である。
このような本発明の導電体の製造方法に れば、既に述べたように、カーボンナノチ ーブの繊維同士が直接接触した状態でネッ ワーク層を形成し、このネットワーク層が 象基板の上に直接転写され、固着されるの 、カーボンナノチューブの繊維の間にバイ ダー樹脂などが付着したり、繊維を被覆し りすることが少なく、カーボンナノチュー の間の導電性を低下させることが少なく、 つカーボンナノチューブが対象基板の電子 硬化性樹脂組成物層のごく表面近傍にのみ 在するので、非常に導電性の優れたものが られる。更に、この樹脂組成物層が紫外線 どの電子線によって硬化されているので、 ーボンナノチューブが対象基板にしっかり 定されて、引掻き強度や耐久性に優れたも となる。
本発明において用いるカーボンナノチュ ブは、単層カーボンナノチューブ及び/また は多層カーボンナノチューブ、あるいはその 表面を物理的あるいは化学的処理した単層カ ーボンナノチューブ及び/または多層カーボ ナノチューブのいずれか、またはそれらの 合物のいずれでも使用できる。カーボンナ チューブ単繊維の直径は、得られたカーボ ナノチューブ含有被膜の透明性と導電性を 立させるために、0.5nm~50nmの単層及び/または 多層カーボンナノチューブが好ましく、0.5nm~ 10nmの単層及び/または多層カーボンナノチュ ブがより好ましい。単繊維の長さは0.1μm~100 μmのものが好ましく、0.1μm~10μmのものがより 好ましい。カーボンナノチューブのアスペク ト比は50~100000のものが好ましく、100~50000のも のがより好ましい。
単層及び/または多層カーボンナノチューブ は、一般的に数十本から数百本の単繊維が相 互に絡み合った形状、所謂、凝集塊の形で製 造される。この凝集塊の大きさは、一般的に 数百μm~数mmである。また、単繊維の直径が5nm 以下の単層ないし数層の極細カーボンナノチ ューブにおいては、単繊維同士が電気的引力 によって、更に束状(「バンドル」という)に 集しており、これらバンドルが相互に絡み って凝集塊を形成するという二重の凝集し 形状で製造される。現在、これらの単層及 /または多層カーボンナノチューブは、市場 から容易に入手することができる。例えば、 Nanocyl社製「NC-7000」や「NC-1101」、CNT社製「C tube 100」、Bayer社製「Baytubes C150P」、シンセンナ テクポート社製「L.SWNTs」、名城ナノカーボ ン社製「SWNT FH-P」、Carbolex社製「SW-CNT」、産 業総合技術研究所製「スーパーグロース法SW- CNT」や「DIPS法SW-CNT」等が使用可能である。
本発明の方法では、まずカーボンナノチ ーブを分散媒中に分散させた分散液を調製 る。カーボンナノチューブを分散媒中に分 する方法は特に限定されないが、分散媒中 カーボンナノチューブを加えて、例えば、 音波分散機やホモジナイザー、ビーズミル の強力なせん断力のかかる分散機で分散す ことなどを挙げることができる。この際、 散剤の不存在下でも分散できるが、安定な 散液を調製する場合には、一般的に、分散 を用いることが望ましい。カーボンナノチ ーブ分散液中のカーボンナノチューブ濃度 特に限定されないが、一般的にはカーボン ノチューブが0.001%~1.0%の濃度とすることが ましい。
カーボンナノチューブを分散させる分散 は、水が使用できるが、このほかにエタノ ル、イソプロピルアルコール、ジアセトン ルコール、メチルエチルケトン、シクロヘ サン、酢酸ブチル、酢酸エチル等の極性溶 や、トルエン、キシレン等の非極性溶媒が 用できる。これらのうちでもカーボンナノ ューブを分散させた場合、その分散溶液の 定性が優れているという理由から水または ソプロピルアルコールが最も好ましい。
分散剤は、分散媒に溶解し、かつ、カーボ
ナノチューブを分散する能力を有するもの
あれば特に制限はなく、従来からカーボン
ノチューブ分散に使用されているものが使
できる。例えば、各種界面活性剤、高分子
活性剤等およびポリマー等が挙げられる。
れらの分散剤は単独でも2種以上の複合系で
も使用することができる。
具体的には、分散媒が水の場合には、例え
ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物及
その塩、アルキルベンゼンスルホン酸及び
などが使用することができる。分散媒がイ
プロピルアルコールなどの極性溶媒の場合
は、例えばアミン変性アクリル共重合体や
リエステル酸のアマイドアミン塩、アミン
性ポリエステルなどが使用することができ
。また、分散媒がトルエンなどの非極性溶
の場合には、例えばポリエーテル燐酸エス
ルのアミン塩などが使用することができる
カーボンナノチューブが前述したように ンドルを形成している単繊維径5nm以下の極 のカーボンナノチューブの場合には、分散 程で電気的斥力を有効に活用するために、 散媒は水を使用し、分散剤は水性分散剤を 用することが好ましい。より好ましくは、 散媒は水を使用し、分散剤はアニオン性ま はカチオン性または非イオン性の水溶性の 面活性剤や高分子型活性剤を使用すること 好ましい。
本発明で使用する剥離性基板は、表面が 滑なものであれば特に制限されず、透明、 透明は問わない。ここで「剥離性」とは、 離性基板と電子線硬化性液状樹脂被膜とが く粘着せず、容易に剥離できることを意味 る。剥離性基板としては、剥離性と適度な 度を有する平滑な基板であれば特に限定さ ない。例えば、ポリエチレン、ポリプロピ ン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレ 、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール のポリビニル系樹脂、ポリメチルメタクリ ート等のポリアクリル系樹脂、ポリエチレ テレフタレート、ポリカーボネート等のポ エステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66等 ナイロン系樹脂などからなる熱可塑性樹脂 板、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタ 樹脂、エポキシ樹脂、ポリシリコーン樹脂 ポリイミド樹脂及びそれらの変性樹脂など らなる熱硬化性樹脂基板、ガラスやシリコ 、アルミナ等のセラミック基板、金属基板 が挙げられる。
後の工程で紫外線等の電子線照射を行う とを考えれば、剥離性基板としてはポリプ ピレンやポリエチレンテレフタレート等の 価で透明性の高い樹脂基板が好ましい。ま 、上述した剥離性を向上させるために、剥 性基板の表面にシリコーン系、フッ素系、 鎖アルキル基等を有する剥離剤で表面処理 どを行うこともできる。
このようにして調製したカーボンナノチ ーブを分散させた分散液を、上記剥離性基 の上に塗布する。分散液の塗布は特に限定 れず、一般的に塗料等の塗布に使用する方 が使用できる。例えば、バーコーティング グラビアコーティング、スピンコーティン 、スプレーコーティング、ディップコーテ ング、ロールコーティング、ナイフエッジ ーティング、スクリーンプリンティング、 ンクジェットプリンティングなどの方法に りコーティングされる。
カーボンナノチューブの目付け量は1×10 -4 ~1×10 -1 g/m 2 であり、全体に均一になるように剥離性基板 の上に塗布する。また、剥離性基板への塗布 回数にも制約はない。カーボンナノチューブ 濃度が0.2%以上の比較的高濃度のカーボンナ チューブ含有分散液を塗布乾燥しても良い 、カーボンナノチューブ濃度のより低いカ ボンナノチューブ含有分散液を複数回、塗 乾燥しても良い。より均一性の高いカーボ ナノチューブネットワーク層を形成するに 、0.1%以下のより低濃度のカーボンナノチュ ブ含有分散液を複数回塗布乾燥することが ましい。
このようにしてカーボンナノチューブ含 分散液を塗布した剥離性基板を一旦乾燥し 、水などの分散媒を揮発させ、除去して剥 性基板の上にカーボンナノチューブの連続 な三次元ネットワーク層を形成させる。カ ボンナノチューブ含有分散液の乾燥方法に 限はなく、通常の熱風乾燥や減圧乾燥等が いられる。
ここで、カーボンナノチューブの連続的 三次元ネットワーク層の「連続的」とは、 ーボンナノチューブ単繊維同士もしくは単 維が複数本集まった微小な束同士が、該剥 性基板表面の全面に亘って、互いに接触す かあるいは高い導電パスを形成する程度に 接した状態を意味する。
カーボンナノチューブ含有分散液の中に っている分散剤やその他の添加剤を除くた に、分散液を塗布した剥離性基板を乾燥し 後、さらに水またはその他のカーボンナノ ューブの分散に使用した溶媒に浸漬して洗 処理を行うことが好ましい。このようにし 剥離性基板の上に残留する分散剤やその他 添加物が除去されたカーボンナノチューブ 連続的な三次元ネットワーク層が形成され 。
最終製品であるカーボンナノチューブ含 導電体が特に優れた導電性能を有するもの するためには、このようにして形成された ーボンナノチューブの連続的な三次元ネッ ワーク層に付着している分散剤やその他の 加剤をできるだけ完全に取り除くことが重 である。このためには、単に水または分散 使用した常温の溶媒で洗浄するよりも、50~8 0℃程度の温水または50~80℃程度に加熱した溶 媒で洗浄することが好ましい。更には、分散 剤の種類によっては、単なる水ではなく、ア ルカリ性水溶液または酸性水溶液で洗浄する ことがより好ましい場合もある。
更には、完全な分散剤やその他の添加剤 除去が困難である場合には、これらの分散 やその他の添加剤など有機成分を加熱して 解する方法が有効である。有機成分である 散剤やその他の添加剤が燃焼し、カーボン ノチューブが燃焼しない温度で加熱し、剥 性基板の上にカーボンナノチューブのみが 着した状態のカーボンナノチューブのネッ ワーク層とすることが好ましい。この場合 は、例えば、剥離性基板として耐熱性に優 たガラス板またはセラミック板を用い、こ 上にカーボンナノチューブ分散液を塗布し 乾燥し溶媒を蒸発により除いた後、更に400~ 600℃、好ましくは450~500℃で10~30分間加熱して 、分散剤やその他の添加剤などの有機成分を 分解・除去することができる。
一方、導電性付与の対象となる材料(対象 基板)の表面には、紫外線などの電子線硬化 の液状樹脂組成物を塗布する。この対象基 としては、表面が平滑であり、高い透明性 有するものであれば特に制限はなく、熱可 性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマー類、 ラミックス、複合材等が使用できる。
対象基板に使用できる熱可塑性樹脂基板 しては、例えば、ポリエチレン、ポリプロ レン、ポリシクロオレフィン等のポリオレ ィン系樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ 、ポリビニルアルコール等のポリビニル系 脂、ポリメチルメタクリレート等のポリア リル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、 リカーボネート等のポリエステル系樹脂、 イロン6、ナイロン66等のナイロン樹脂、ポ フェニレンエーテル、ポリフェニレンスル ィド、ポリエーテルイミド、ポリエーテル ルホン等スーパーエンジニアリング樹脂、 リアセチルセルロース等のセルロース系樹 及びそれらの変性樹脂などである。
対象基板に使用できる熱硬化性樹脂基板 しては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂 架橋ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポ シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂及びそれ の変性樹脂などである。また、対象基板に 用できるエラストマー基板としては、天然 ムやSBR、SBS、シリコーンゴム等の合成ゴム ポリウレタン樹脂などである。対象基板に 用できるセラミックス基板としては、ガラ などである。
これらの中で、軽量、強靭性、透明性の 点から、ポリ塩化ビニル、ポリシクロオレ ィン、ポリアクリル樹脂、ポリエチレンテ フタレート、ポリカーボネート、トリアセ ルセルロース等の透明性に優れた樹脂材料 好ましい。対象基板の形状は、その目的に じて任意の形状のものを使用することがで 、シートあるいはフィルム状のものから、 ロック状のもの、種々の樹脂成形品などの 状のものでもよい。
本発明に使用する電子線硬化性液状樹脂 成物は、電子線硬化性を有する樹脂を必須 分として含有する樹脂組成物であり、紫外 硬化性樹脂組成物の場合には更に重合開始 を必須成分として含有するものである。更 必要により、溶媒、レベリング剤、スリッ 剤、消泡剤、シランカップリング剤、光増 剤、紫外線吸収剤、光安定剤、増粘剤、コ イダルシリカを含有しても良い。
電子線硬化性液状樹脂は、少なくとも紫外
などの電子線によって硬化性を有するもの
、塗料化が可能なものである限り特に制限
れないが、使用用途や必要物性を考慮し選
されるべきである。
このような電子線硬化性液状樹脂組成物に
用可能な電子線硬化性液状樹脂としては、
体的には、以下に記載する紫外線硬化性液
樹脂と同一の化学構造を有するポリマーが
用することができる。
紫外線による硬化を利用する紫外線硬化 液状樹脂としては、例えば、アクリロイル を2個以上有するアクリレート樹脂が挙げら れる。具体的には、2個以上のアクリロイル を有する紫外線硬化性モノマーやオリゴマ 、あるいは2個以上のアクリロイル基を有す 光硬化性モノマーやオリゴマーである。
紫外線硬化性樹脂1分子中のアクリロイル 基の数は好ましくは2~6であり、具体例として は、例えば、1,6-ヘキサンジオールジアクリ ート、PO変性ネオペンチルグリコールジアク リレート、ビスフェノールAジアクリレート トリシクロデカンジメタノールジアクリレ ト、ペンタエリスリトールトリアクリレー 、トリメチロールプロパントリアクリレー 、トリメチロールプロパンエトキシトリア リレート、グリセリンプロポキシトリアク レート、ジペンタエリスリトールヘキサア リレート、ペンタエリスリトールエトキシ トラアクリレート、ジトリメチロールプロ ンテトラアクリレート、ポリエーテルアク レート、ポリウレタンアクリレート、エポ シアクリレート、ポリエステルアクリレー 、およびそれらのアミン変性、脂肪酸変性 シリコン変性、ラクトン変性物等が挙げら る。
ポリエーテルアクリレートは、ポリエー ル分子に2個以上のアクリロイル基を導入し た構造を有したものであり、具体例として、 例えば、ジプロピレングリコールジアクリレ ート、トリプロピレングリコールジアクリレ ート、PEG600ジアクリレート、PEG400ジアクリレ ート等が挙げられる。
ポリウレタンアクリレートは、ポリウレ ン分子に2個以上のアクリロイル基を導入し た構造を有したものであり、市販品として、 例えば、ビームセット575(荒川化学工業(株)製 )、ビームセット577(荒川化学工業(株)製)EBECRYL 1290K(ダイセル・サイテック(株)製)等が使用可 能である。
ポリエステルアクリレートは、ポリエス ル分子に2個以上のアクリロイル基を導入し た構造を有したものであり、市販品として、 例えば、アロニックスM-7100(東亞合成(株)製) EBECRYL436(ダイセル・サイテック(株)製)等が使 用可能である。
エポキシアクリレートは、エポキシ樹脂に2
個以上のアクリロイル基を導入した構造を有
したものであり、市販品として入手可能であ
り、例えば、EBECRYL3703(ダイセル・サイテック
(株)製)等が使用可能である。
シリコーン変性アクリレートは、アクリレ
トポリマーの分子構造の一部を、オルガノ
リシロキサンで変性した構造を有したもの
あり、市販品として入手可能であり、例え
、EBECRYL1360(ダイセル・サイテック(株)製)等
使用可能である。
本発明で使用する紫外線硬化性樹脂は、 量平均分子量が通常100~30000であり、特に200~ 10000のものが好ましい。分子量が低すぎると 乾燥性が悪化することや、乾燥時に溶剤と 様に揮発することが考えられる。また、分 量が高すぎると、使用に耐えない粘度とな ことや、硬化後の塗膜における架橋密度が 下するため、求める耐久性が得られない。 お、ここで重量平均分子量は、GPC法によっ 測定された値を用いたものである。
本発明で使用する紫外線硬化性樹脂には より良好な塗膜物性や表面性状を達成する めに、また塗装の作業性や硬化時の硬化収 を考慮し、他の成分として、単官能の紫外 硬化性樹脂を併用してもよい。この単官能 紫外線硬化性樹脂は、上記の多官能の紫外 硬化性樹脂を溶解するものが好ましく使用 れる。このような単官能紫外線硬化性樹脂 しては、例えば、β―カルボキシエチルア リレート、イソボニルアクリレート、セシ アクリレート、エトキシ化フェニルアクリ ート、脂肪族エポキシアクリレート、エト シ化アクリレートなどが挙げられる。
また、本発明で使用する紫外線硬化性樹 は、例えば対象基材がPET、アクリル、ポリ 化ビニル、ポリカーボネート等のプラスチ クである用途の場合には、硬度、基材との 着性、柔軟性の観点から、ポリウレタンア リレートが好ましい。
紫外線硬化性樹脂組成物に使用可能な重 開始剤は、紫外線の照射によって重合・硬 を開始するものであり、例えば、2,2-ジメト キシ-1,2ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキ シ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ヒド キシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、 ベンゾフェノン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ) -フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン- 1-オン、ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メ ル-プロピオニル)-ベンジル]-フェニル}-2-メ ル-プロパン-1-オン、オキシ-フェニル-アセ ックアシッド2-(2-オキソ-2-フェニル-アセト シ-エトキシ)-エチルエステル、オキシ-フェ ニル-アセチックアシッド2-(2-ヒドロキシ-エ キシ)-エチルエステル、2-メチル-1-[4-(メチル チオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オ 、2-ベンジル-2-ジメチルアミノー1-(4-モルフ ォリノフェニル)-ブタノン-1、2-ジメチルアミ ノ-2-(4-メチル-ベンジル)-1-(4-モリフォリン-4- ル-フェニル)-ブタン-1-オン、ビス(2,4,6-トリ メチルベンゾイン)-フェニルフォスフィンオ サイド、2,4,6-トリメチルベンゾイン-ジフェ ニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメ キシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチル ォスフィンオキサイド、ビス(η5-2,4-シクロ ンタジエン-1-イル)-ビス[2,6-ジフルオロー3-( 1H-ピロール-1-イル)-フェニル]チタニウム、1,2 -オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)―,2-(O-ベ ンゾイルオキシム)]、エタノン,1-[9-エチル6-(2 -メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-, 1-(O-アセチルオキシム)等が挙げられる。特に 硬化特性、価格の観点から、オキシ-フェニ -アセチックアシッド2-(2-オキソ-2-フェニル- セトキシ-エトキシ)-エチルエステル、オキ -フェニル-アセチックアシッド2-(2-ヒドロキ シ-エトキシ)-エチルエステル、1-ヒドロキシ- シクロヘキシル-フェニル-ケトンが好ましい
重合開始剤の含有量は、紫外線硬化性樹 の重合・硬化を達成できる限り特に制限さ ず、通常は紫外線硬化性樹脂100重量部に対 て1~20重量部、好ましくは3~10重量部である
紫外線硬化性樹脂の溶媒は、紫外線硬化 樹脂を溶解可能である限り特に制限されな 。好ましい有機溶媒としては、例えば、メ ルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケ ン溶媒、エタノール、イソプロピルアルコ ル等のアルコール溶媒、酢酸エチル、酢酸 ソプロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メ ル、プロピオン酸エチル、エチレングリコ ルモノアセテート等のエステル溶媒、2-メ キシエタノール、2-エトキシエタノール、1- トキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロ ノール等のエーテル溶媒やトルエン、キシ ン等の芳香族溶媒等が挙げられ、これらの 媒の単体または混合物を用いても良い。
このような電子線硬化性の液状樹脂組成 を塗布した対象基板の上に、上述のカーボ ナノチューブの連続的な三次元ネットワー 層を形成した剥離性基板を、気泡を巻き込 だり、ひずみが生じたりしないように注意 く重ね合わせて、例えば、へらを用いて横 引きながら押し付ける、或いは加圧ローラ を用いるなどの方法によって、その上から3 00グラム~2000グラム程度の力で加圧して、剥 性基板上のカーボンナノチューブのネット ーク層を対象基板に圧着させる。1分~5分程 の時間加圧することによって、液状樹脂組 物がカーボンナノチューブのネットワーク の中に浸透し、含浸される。このとき、へ やローラーの圧力により、電子線硬化性の 状樹脂組成物の一部が系外に押し出されて 良い。
ここで、カーボンナノチューブのネット ーク層へ液状樹脂組成物を十分に含浸させ 圧着させることが必要である。このために 状樹脂組成物の粘度や表面張力が大きく影 すると考えたが、意外にも表面張力の変化 殆ど影響が無く、また粘度の変化もあまり きな影響は無く、かなり広い粘度の範囲に たってカーボンナノチューブの液状樹脂組 物への良好な圧着と含浸が可能である。ま 、このカーボンナノチューブのネットワー 層へ液状樹脂組成物への圧着・含浸の際の ッテイング時間や製造時の周囲の温度・湿 も最終的に得られる導電体の特性には大き 影響はなかった。
このようにして剥離性基板の上のカーボン
ノチューブのネットワーク層を電子線硬化
の液状樹脂組成物に圧着した対象基板に、
子線を照射して液状樹脂組成物を硬化させ
。照射する電子線は、低エネルギー電子線
紫外線が使用できるが、波長200~3000の紫外
が最も好ましい。
電子線の照射は、液状樹脂組成物が十分に
化するために必要な積算照射量となるよう
、液状樹脂組成物の種類や量に応じて適宜
整して照射を行なえばよい。
例えば、電子線照射を行なう場合には、一
的に150kVで50kGy、紫外線照射を行なう場合に
は、一般的に300~1200mJ/cm 2
程度の積算照射量で照射を行なえばよい。
次に、剥離性基板が圧着され、カーボンナ
チューブ層に含浸した電子線硬化性樹脂組
物が硬化した対象基板から剥離性基板を剥
して、硬化した樹脂組成物層の表面近傍に
ーボンナノチューブのネットワークを埋設
た対象基板を得る。
この剥離性基板を剥離した状態の対象基板
は、まだその表面のカーボンナノチューブ
ネットワークに分散液の中の分散剤やレベ
ング剤、その他の添加剤や、未硬化の樹脂
分や溶剤等が僅かに残留している可能性が
る。このため、これらの残留物を除去する
めに、その表面を水やアルコール等、硬化
脂層に悪影響を及ぼさない液体で洗浄して
乾燥することが好ましい。このようにして
発明のカーボンナノチューブ含有導電体が
られる。
このようにして得られるカーボンナノチ ーブ含有導電体を、更にその導電性を向上 せるためにドーピング処理を行うことが好 しい。ドーピング処理とは、その表面のカ ボンナノチューブのネットワーク層を有す 対象基板を、ドーピング剤の溶液に浸漬し 、カーボンナノチューブの繊維表面を改質 ることである。具体的には、ドーピング剤 しては、塩酸、硝酸、硫酸などの強酸の水 液や過酸化水素水などを用い、この水溶液 カーボンナノチューブ含有導電体を一定時 浸漬する。浸漬時間は、ドーピング剤の種 と濃度にもより、数十秒から数十分の浸漬 理で効果が現れるが、一般的に3分~10分程度 である。浸漬処理後、水分をふき取り、100℃ 前後の温度で乾燥する。
次に、本発明の方法を、図面を用いてさら
詳しく説明する。
図1から図5に、本発明による転写方法による
ーボンナノチューブ含有導電体の製造方法
一連の工程の一例を示す。
まず、図1に示すように、剥離性基板1の にカーボンナノチューブ分散液を塗布する この分散液に分散剤3やレベリング剤4が含ま れている場合には、カーボンナノチューブ2 分散剤3やレベリング剤4が付着している。
次に、図2に示すように、カーボンナノチ ューブ分散液を塗布した剥離性基板1を洗浄 、乾燥して、その上にカーボンナノチュー ネットワーク層2を形成した剥離性基板1を作 製する。分散液に分散剤3やレベリング剤4が まれている場合には、カーボンナノチュー 2に分散剤3やレベリング剤4が付着している 、これらは洗浄によって除去される。
次に、図3に示すように、対象基板5の上 電子線硬化性樹脂組成物6を塗布し、この上 剥離性基板1をカーボンナノチューブネット ワーク層2の側を電子線硬化性樹脂組成物6に ね合わせ、上から圧着する。図3では、まず 剥離性基板1の一端部を対象基板5に重ね、上 らへら7で1000g前後の荷重で押し付けながら 空気の巻き込みが起こらないように注意し へら7を矢印の方向に移動させて、剥離性基 板1を対象基板5の電子線硬化性樹脂組成物6に 圧着させ、電子線硬化性樹脂組成物6をカー ンナノチューブネットワーク層2に含浸させ 。
次に、図4に示すように、剥離性基板1を 着した対象基板5に電子線8を照射して、電子 線硬化性樹脂組成物6を硬化させる。樹脂の 化が終わった後に剥離性基板1を剥がすこと よって、図5に示すように、カーボンナノチ ューブネットワーク層2が対象基板5に転写さ 、対象基板5の表面に塗布されている電子線 硬化性樹脂組成物6のごく表面近傍にカーボ ナノチューブネットワーク層2が固着された 発明の導電体が得られる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に説明す
が、本発明はこれら実施例に限定されるも
ではない。なお、特に断らない限り「部」
び「%」は質量基準である。
なお、以下の各実施例で得られるカーボンナ
ノチューブ含有樹脂被覆層を有する導電体の
評価は以下の方法によった。
(a) 表面抵抗
表面抵抗は塗膜の単位表面積あたりの電気
抗(ω/□)であり、本明細書では、1×10 6
ω/□以上の表面抵抗はハイレスターUP(三菱化
学株式会社製)、1×10 6
ω/□未満の表面抵抗はロレスター(三菱化学
式会社製)により測定した値を用いた。
(b) 全光線透過率
全光線透過率は塗膜への入射光に対する透
光の割合(%)であって、散乱光も含めた透過
の割合であり、積分球を用いた装置で測定
れ得るJIS K 7361に基づく値である。本明細
では、全光線透過率(%)はヘイズメーターNDH2
000(日本電色工業株式会社製)により測定され
値を用いた。なお、以下の実施例の各表の
の全光線透過率は、カーボンナノチューブ
有樹脂被覆層を形成した対象基板を測定に
した値である。
(c) ヘイズ
ヘイズは透明被膜の内部又は表面の不明瞭
くもり様の外観の度合いを示す指標であり
散乱光も含めた透過光に対する散乱光の割
で表わされ、積分球を用いた装置で測定さ
得るJIS K 7136に基づく値である。本明細書
は、ヘイズは全光線透過率と同様にヘイズ
ーターNDH2000(日本電色工業株式会社製)によ
測定した値を用いた。
(d) 鉛筆硬度
鉛筆硬度は、JIS K 5600-5-4「鉛筆引っかき値
試験」に準じて測定した値を用いた。即ち、
芯の硬度が6Bから9Hの鉛筆を用いて試料表面
対し、45度の角度で、750±10gの荷重をかける
うにして試料表面を引っかき、引っかき傷
残らない最も硬い鉛筆の硬さ表示を鉛筆硬
とした。
(e) 付着性
付着性は、JIS K 5600-5-6「付着性」(クロス
ット法:1mmマス 10マス×10マス)に準じて測定
た値を用いた。即ち、カーボンナノチュー
含有樹脂被覆層をカッターで100マスの碁盤
状になるよう、1mm間隔で縦、横10行となる
う切り込みを入れ、その碁盤目部にテープ
押し当て、その後、5分以内にテープを引き
がし、碁盤目部の塗膜の残存状態を目視に
分類した。試験結果の分類については、上
JISの「表1試験結果の分類」による。
(f) 耐久性(耐擦過性)
塗膜の耐久性の評価は、次の耐擦過性試験に
よって行なった。
即ち、染色堅ろう度摩擦試験機FR-2(スガ試験
株式会社製)に、摩擦用白綿布を装着し、塗
膜に対して100往復の摩擦試験を行ない、試験
後の表面抵抗値、全光線透過率、ヘイズの測
定、及び塗膜の外観を評価した。ここで、全
光線透過率、ヘイズの測定は上記(a)~(c)と同
の方法で行ない、外観評価は次のように行
った。
・塗膜外観評価
塗膜表面の傷つきを目視により以下の基準に
よって評価した。
○:表面に傷が見られない状態である。
△:表面に傷が見られるが、対象基板まで達
ていない。
×:表面の傷が対象基板まで達している。
(g) 転写後の塗膜状態
転写後の塗膜状態の評価は、塗膜を形成後そ
の外観を目視にて観察し、以下の評価基準に
より評価した。
○:塗膜に転写時の紫外線硬化樹脂の硬化不
や混入気泡などによるカーボンナノ
チューブの転写欠損が見られず、良好に転写
されている。
×:塗膜に転写時の紫外線硬化樹脂の硬化不良
や混入気泡などによるカーボンナノ
チューブの転写欠損が見られる。
(1) カーボンネットワーク層を有する
剥離性基板の作製
。
水99.30部に、シングルウォールカーボンナ
チューブであるSWNT FH-P(平均直径2~3nm、アス
クト比1000~5000、(株)名城ナノカーボン製)を0
.10部及び分散剤であるアルキルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム(商品名:ネオペレックスG-65
、花王株式会社製)を0.60部加え、この混合液
冷却水温度10℃の温度で、出力7に設定した
音波分散機(商品名:UH600、SMT株式会社製)に
分散した。この分散処理の分散時間は、混
液量が100gのとき、約30分間であった。次い
、このようにして超音波分散を行った分散
を撹拌しつつ、レベリング剤としてポリエ
テル変性ポリジメチルシロキサン(商品名:BYK
348、ビックケミー社製)を0.50部添加し、カー
ンナノチューブネットワーク層形成用の分
液を得た。
続いてこのカーボンナノチューブネットワ ク形成用の分散液を、剥離性基板である紫 線透過性を有する未処理PETフィルム(東洋紡 績株式会社製)にカーボンナノチューブの目 量11.5×10 -3 g/m 2 となるようにバーコーターにて塗装後、130℃ で1分間乾燥し、剥離性基板上にカーボンナ チューブネットワーク層を形成した。次い 、カーボンナノチューブネットワーク層に 存する分散剤のネオペレックスG-65及びレべ ング剤のBYK348を水で流去させるため、これ 水に5分間浸漬し、水から引き上げ後、5分 室温にて放置し、水切りを行い、更に130℃ 1分間乾燥し、カーボンナノチューブネット ーク層を表面に有するPETフィルムを得た。 れを温度20℃、湿度50%の恒温恒湿器で30分間 静置して、カーボンナノチューブネットワー ク層をその表面に有するPETフィルムからなる 剥離性基板を得た。
(2) 紫外線硬化性樹脂組成物を有する
対象基板の調製
下記の表1に示す成分を順次添加して、均一
になるまで攪拌混合して表1の組成からなる
外線硬化性液状樹脂組成物を得た。この紫
線硬化性液状樹脂組成物を密栓した状態で
恒温恒湿器で3時間の間貯蔵して、液温を20
に調整した。この液状樹脂組成物の粘度は9(
mPa・s)であり、表面張力は29.9(mN/m)であった。
続いて、この紫外線硬化性樹脂組成物を対
基板である透明なアクリルプレート(全光線
透過率:92.5%、株式会社クラレ製)にバーコー
ーにてウェット膜厚60μmで塗装し、紫外線硬
化性樹脂組成物層を有するアクリルプレート
を得た。
(3) カーボンナノチューブ含有樹脂層
を有する対象基板の作製
上記(2)で調製した紫外線硬化性液状樹脂組
物層を有するアクリルプレートからなる対
基板の紫外線硬化性液状樹脂組成物層に、
記(1)で調製したカーボンナノチューブネッ
ワーク層をその表面に有するPETフィルムか
なる剥離性基板のカーボンナノチューブネ
トワーク層の一端部を接触させ、その接触
において、カーボンナノチューブネットワ
ク層を有する剥離性基板のPETフィルムの反
側の面(未コーティング面)を約1000gの荷重を
かけたヘラで押え、カーボンナノチューブネ
ットワーク層と紫外線硬化性樹脂組成物層の
接触面になるべく気泡が入らないよう、対面
となるもう一方の端部まで荷重をかけたまま
ヘラを移行し、紫外線硬化性樹脂組成物をカ
ーボンナノチューブネットワーク層内に圧着
・含浸させた。
この圧着・含浸後、剥離性基板のPETフィル
面より、紫外線照射機(ECS-151U;アイグラフィ
ックス株式会社製)にて300mJ/cm 2
の紫外線積算照射量で紫外線照射を行い、紫
外線硬化性液状樹脂組成物を硬化させた。そ
の後、剥離性基板であるPETフィルムを剥がし
て、カーボンナノチューブ含有樹脂被覆層を
有する対象基板を得た。このように剥離性基
板のカーボンナノチューブネットワーク層を
対象基板に塗布した紫外線硬化性液状樹脂組
成物に圧着し、樹脂をカーボンナノチューブ
ネットワーク層に含浸させ、さらにこれを紫
外線によって硬化させ、カーボンナノチュー
ブネットワーク層を対象基板に転写すること
により、樹脂層の表面近傍にカーボンナノチ
ューブネットワーク層が埋設、固着されたカ
ーボンナノチューブ含有樹脂層を有する対象
基板が得られた。
更に剥離性基板のPETフィルム剥離後のカー
ンナノチューブ含有樹脂層を有する対象基
に対し、カーボンナノチューブ含有樹脂層
面から同紫外線照射機にて300mJ/cm 2
の紫外線積算照射量で紫外線照射を行い、カ
ーボンナノチューブ含有樹脂被覆層を有する
対象基板とした。
得られた対象基板の評価とこれを耐擦過性
験に付した後の対象基板を評価した物性デ
タを表2に示す。なお、樹脂塗布前のアクリ
ルプレートの全光線透過率は92.5%、ヘイズは0
.1、鉛筆硬度は3Hであった。
この結果から分かるように、本発明の方法 作成した樹脂被覆層の表面にカーボンナノ ューブネットワーク層を有するアクリルプ ートからなる導電体は、2.3×10 4 (ω/□)という非常に優れた導電性を有すると もに、アクリルプレートの全光線透過率92.5 %に対して87.4%という非常に高い光透過性のあ る導電体であった。また、耐擦過性試験を行 なった後でも表面抵抗値の低下はわずかであ り、透明度も殆ど変化がなく、塗膜外観も良 好であり、カーボンナノチューブ含有樹脂被 覆層を有する対象基板が優れた耐擦過性を有 する、耐久性に優れたものであることがわか る。
カーボンナノチューブ(CNT)目付量
よる物性比較
カーボンナノチューブ目付量を表3に記載の
ように変更したこと以外、実施例1と同様の
件と操作方法により、カーボンナノチュー
含有樹脂コーティング層を有する対象基板
得た。
なお、CNT目付量は計算値であり、以下の計
方式に従い算出した。
バーコーターのウェット膜厚: Tw(μm)
カーボンナノチューブネットワーク層形
成用分散液の密度: G(g/cm 3
)
カーボンナノチューブネットワーク層形
成用分散液中のCNT濃度: C%
これらの対象基板について、実施例1と同様
して評価した物性データを表3に示す。
この結果から分かるように、カーボンナノ ューブの目付量を増やすことによってより 電性のよいものが得られ、実験1~5で使用し カーボンナノチューブでは、目付量を9×10 -3 (g/m 2 )以上とすれば10 4 (ω/□)以下のレベルの表面抵抗値のものが得 れる。ただし、カーボンナノチューブ目付 を多くしすぎると導電体の透明性が低下し くる。
カーボンナノチューブネットワー
ク形成時の乾燥温度による比較
実施例1の(1)で、カーボンナノチューブネッ
トワーク形成用水溶液のバーコーター塗装後
の乾燥温度130℃と乾燥時間1分を、表4に記載
ように変更したこと以外、実施例1と同様の
操作方法により、カーボンナノチューブ含有
樹脂被覆層を有するアクリルプレートの対象
基板を得た。
これらの対象基板について、実施例1と同様
して評価した物性データを表4に示す。
この結果からカーボンナノチューブ層形 用の分散液を剥離性基板に塗装後の乾燥は 100~150℃で1分程度、60~100℃で2~3分程度の乾 が必要であり、乾燥が不十分な場合には、 離性基板へのカーボンナノチューブ含有樹 被覆層の密着が不十分となる。その結果、 工程である水洗浄を行うと、カーボンナノ ューブ含有樹脂被覆層の剥離が生じ、その の工程に耐えうるものが得られない。
カーボンナノチューブネットワー
ク層の洗浄時間による比較
実施例1の(1)で、カーボンナノチューブネッ
トワーク層の水浸漬時間5分を表5に記載のよ
に変更したこと以外、実施例1と同様の操作
方法により、カーボンナノチューブ含有樹脂
被覆層を有する対象基板を得た。
これらの対象基板について、実施例1と同様
して評価した物性データを表5に示す。
この結果から、剥離性基板を調製する際 カーボンナノチューブ層を有する基板を水 剥離性基板やカーボンナノチューブ層に悪 響を及ぼさず、且つ残留する分散剤やレべ ング剤に対し溶解力のあるアルコールなど 溶媒に一定時間浸漬して、カーボンナノチ ーブ層の中に残留する分散剤やレべリング 、その他の添加物を除去することによって 得られる導電体の導電性や透明性のよいも が得られることがわかる。また、この水浸 時間は上記試験結果の表面抵抗値の変化よ 、カーボンナノチューブネットワーク層が 常に薄膜であるため、数十秒から数分とい ごく短時間でカーボンナノチューブネット ーク層が洗浄できていることがわかる。よ 確実な洗浄効果をあげるためには数分程度 洗浄が好ましい。
紫外線硬化性樹脂組成物の種類に
よる比較
実施例1の(2)で、紫外線硬化性樹脂組成物の
配合と樹脂成分を表6に記載のように変更し
こと以外、実施例1と同様の操作方法により
カーボンナノチューブ含有樹脂被覆層を有
る対象基板を得た。
これらの対象基板について、実施例1と同様
して評価した物性データを実施例1の結果も
せて表6に示す。
尚、表6において、実施例1に用いた以外の
外線硬化性樹脂は以下のものである。
・EBECRYL 8804:
ウレタンアクリレート、1分子のアクリロイ
基の数:2、重量平均分子量:1300、ダイセル・
イテック株式会社製
・アートレジンUN-3320HC:
ウレタンアクリレート、1分子のアクリロイ
基の数:6、重量平均分子量:1500、根上工業株
会社製
・アートレジンUN-3320HA:
ウレタンアクリレート、1分子のアクリロイ
基の数:15、重量平均分子量:5000、根上工業株
式会社製
・EBECRYL 1360:
シリコンアクリレート、1分子のアクリロイ
基の数:6、重量平均分子量:1300、ダイセル・
イテック株式会社製
この結果から分かるように、単官能の紫 線硬化性樹脂のみを用いた場合は、十分な 化性が得られず、良好な転写ができないた 、満足なものとはならなかった。
紫外線硬化性樹脂組成物の粘度に
よる比較
実施例1の(2)で、紫外線硬化性樹脂組成物の
配合を表7に記載のように変更したこと以外
実施例1と同様の操作方法により、カーボン
ノチューブ含有樹脂被覆層を有する対象基
を得た。
これらの対象基板について、実施例1と同様
して評価した物性データを表7に示す。
この結果から、カーボンナノチューブ層 含有する紫外線硬化性樹脂組成物は、圧着 る際の粘度は、かなり広い範囲にわたって 化しても得られる導電体導電性や透明性と う特性にはあまり影響を及ぼさないことが かった。
圧着時の荷重による比較
実施例1の(3)でカーボンナノチューブネット
ワーク層と紫外線硬化性樹脂組成物との圧着
時の圧力(荷重)を表8に記載のように変更した
こと以外、実施例1と同様の操作方法により
カーボンナノチューブ含有樹脂コーティン
層を有する対象基材を得た。
これらの対象基板について、実施例1と同様
して評価した物性データを表8に示す。
この結果から、カーボンナノチューブ層 紫外線硬化性樹脂組成物に圧着する際は、3 00g程度以上の荷重をかけて行なうことが好ま しく、300g程度に満たない荷重ではカーボン ノチューブ層に紫外線硬化性樹脂組成物の 浸が十分でなく、転写後の塗膜に欠損が見 れ、良好なカーボンナノチューブ含有樹脂 ーティング層を有する対象基材が得られな った。
ドーピング処理
実施例1にて得たカーボンナノチューブ含有
樹脂被覆層を有するアクリルプレートを、表
8に示す各種のカーボンナノチューブのドー
ング剤に10分間浸漬後、過剰なドーピング剤
を水洗浄により除去した。次いで、プレート
に付着している水を拭き取り、110℃で1分間
燥させ、ドーピング処理カーボンナノチュ
ブ含有樹脂被覆層を有するアクリルプレー
の対象基板を得た。
これらの対象基板について、実施例1と同様
にして評価した物性データを表9に示す。
この結果からカーボンナノチューブ含有 脂被覆層の表層付近にカーボンナノチュー 層が存在するため、電子線により樹脂を硬 させた後にカーボンナノチューブ含有樹脂 覆層をドーピング溶液に浸漬すことによっ 、透明性を損なうことなく、表面抵抗値が 下し、導電性がより大きく向上することが られた。
ドーピング処理時間による比較
ドーピング剤への浸漬時間を表10のように
更したこと以外、実施例8の実験32と同様の
作方法により、ドーピング処理カーボンナ
チューブ含有樹脂被覆層を有するアクリル
レートの対象基板を得た。
これらの対象基板について、実施例1と同様
にして評価した物性データを表10に示す。
この結果から、カーボンナノチューブ含 樹脂被覆層の表層付近にカーボンナノチュ ブ層が存在するため、電子線により樹脂を 化させた後にカーボンナノチューブ含有樹 被覆層をドーピング溶液に浸漬しても、3~5 間という短時間で表面抵抗値の大きな向上 見られた。
マルチウォールカーボンナノチュ
ーブを使用した場合
(1)カーボンナノネットワーク層を有する剥離
性基板の作製
水99.82部にマルチウォールカーボンナノチ
ーブであるNC7000(平均直径:10nm、アスペクト
:100~1000、ナノシル社製)を0.06部及び分散剤で
あるナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物
のナトリウム塩(商品名:デモールN、花王株式
会社製)を0.12部加え、この混合液を冷却水温
10℃の温度で、出力7に設定した超音波分散
(UH600;SMT株式会社製)にて分散した。この分
処理の時間は、混合液量が100gのとき、30分
であった。次いで、このようにして超音波
散を行った分散液を撹拌しつつ、レベリン
剤であるポリエーテル変性ポリジメチルシ
キサン(商品名:BYK348、ビックケミー社製)を0.
50部添加し、カーボンナノチューブネットワ
ク層形成用の水分散液を得た。
続いてこのカーボンナノチューブネットワ ク形成用の水分散液を、剥離性基板である 外線透過性を有する未処理PETフィルム(東洋 紡績株式会社製)にカーボンナノチューブの 付量6.9×10 -3 g/m 2 となるようにバーコーターにて塗装後、130℃ で1分間乾燥し、剥離性基板上にカーボンナ チューブネットワーク層を形成した。次い 、カーボンナノチューブネットワーク層に 存するデモールN及びBYK348を水で流去させる め、水に5分間浸漬し、水から引き上げ後、 5分間室温にて放置し、水切りを行い、更に13 0℃で1分間乾燥し、カーボンナノチューブネ トワーク層を表面に有する剥離性基板であ PETフィルムを得た。このカーボンナノチュ ブネットワーク層を表面に有する剥離性基 を温度20℃、湿度50%の恒温恒湿器で30分間静 置した。
(2)紫外線硬化性樹脂組成物を有する対象基板
の調製
実施例1と同一の紫外線硬化性樹脂であるビ
ームセット577を46.00部と、EBECRYL114を20.00部と
攪拌混合し、次いで、光重合開始剤であるI
RGACURE754を5.00部添加した後、酢酸エチル29.00
を添加し、均一になるまで撹拌混合し、紫
線硬化性樹脂組成物を得た。この紫外線硬
性樹脂組成物を密栓した状態で、恒温恒湿
で貯蔵し、液温を20℃に調整した。
続いて、この紫外線硬化性樹脂組成物を対
基板である透明なアクリルプレート(全光線
透過率:92.5%、株式会社クラレ製)にバーコー
ーにてウェット膜厚60μmで塗装し、紫外線硬
化性樹脂組成物層を有するアクリルプレート
を得た。
(3)カーボンナノチューブ含有樹脂コーティン
グ層を有する対象基板の作製
上記(2)で調製した紫外線硬化性樹脂組成物
を有するアクリルプレートの紫外線硬化性
脂組成物に、上記(1)で調製したカーボンナ
チューブネットワーク層を表面に有する剥
性基板のカーボンナノチューブネットワー
層の一端部を接触させ、その接触部におい
、カーボンナノチューブネットワーク層を
する剥離性基板のPETフィルムの反対側の面(
未コーティング面)を約1000gの荷重をかけたヘ
ラで押え、カーボンナノチューブネットワー
ク層と紫外線硬化性樹脂組成物層の接触面に
なるべく気泡が入らないよう、対面となるも
う一方の端部まで荷重をかけたままヘラを移
行し、紫外線硬化性樹脂組成物をカーボンナ
ノチューブネットワーク層内に圧着・含浸し
た。
続いて、この剥離性基板のPETフィルム面よ
、紫外線照射機(ECS-151U;アイグラフィックス
株式会社製)にて300mJ/cm 2
の紫外線積算照射量で紫外線照射を行い、紫
外線硬化性樹脂組成物を硬化させた。このよ
うにしてカーボンナノチューブネットワーク
層が対象基板上の紫外線硬化性樹脂組成物に
転写され、固着されるので、その後、剥離性
PETフィルムを剥離した。
更に剥離性基板のPETフィルムを剥離したカ
ボンナノチューブ含有樹脂層を有する対象
板に対し、カーボンナノチューブ含有樹脂
の面から同紫外線照射機にて300mJ/cm 2
の紫外線積算照射量で紫外線照射を行い、カ
ーボンナノチューブ含有樹脂コーティング層
を有する対象基板を得た。
得られた対象基板の評価とこれを耐擦過性
験に付した後の対象基板を評価した物性デ
タを表11に示す。なお、樹脂塗布前のアク
ルプレートの全光線透過率は92.5%、ヘイズは
0.1、鉛筆硬度は3Hであった。
この結果から分かるように、本発明の方 で作成した多層構造のカーボンナノチュー を用いた導電体は、炭層構造のカーボンナ チューブを用いた導電体よりは導電性やや るが、それなりに良好な導電性を示すとと に、透明性や強度においては優れた特性を する導電体を得ることが出来た。また、耐 過性試験後でも導電性や透明性の大きな低 はなく、塗膜外観も良好で、耐久性の優れ ものであった。
カーボンナノチューブのIPA分散液
の場合
(1) カーボンネットワーク層を有する
剥離性基板の作製
。
イソプロピルアルコール99.34部にマルチウ
ールカーボンナノチューブであるNC7000(ナノ
ル社製)を0.06部及び分散剤であるディスパ
BYK2050(ビックケミー社製)を0.60部加え、この
合液を冷却水温度10℃で、出力7に設定した
音波分散機(UH600;SMT株式会社製)にて分散し
。この分散処理の分散時間は、混合液量が10
0gのとき約20分間であった。次いで、超音波
散を行った分散液を、遠心分離機(H-200E;コク
サン株式会社製)により800×gで5分間遠心分離
行い、細かく分散できない粗粒を沈降させ
上澄み液としてカーボンナノチューブネッ
ワーク層形成用のイソプロピルアルコール
散液を得た。
続いてカーボンナノチューブネットワーク 成用のイソプロピルアルコール分散液を、 離性基板である紫外線透過性を有する未処 PETフィルム(東洋紡績株式会社製)にカーボ ナノチューブの目付量6.9×10 -3 g/m 2 なるようにバーコーター塗装後、130℃で1分 乾燥し、イソプロピルアルコール分を蒸発 せて、剥離性基板上にカーボンナノチュー ネットワーク層を形成した。次いで、カー ンナノチューブネットワーク層に残存する ィスパーBYK2050をイソプロピルアルコールで 去させるため、イソプロピルアルコールに5 分間浸漬し、イソプロピルアルコールから引 き上げた後、5分間室温にて放置し、更に130 で1分間乾燥し、カーボンナノチューブネッ ワーク層を表面に有するPETフィルムを得た これを温度20℃、湿度50%の恒温恒湿器で30分 間静置して、カーボンナノチューブネットワ ーク層をその表面に有するPETフィルムからな る剥離性基板を得た。
(2) 紫外線硬化性樹脂組成物を有する
対象基板の調製
紫外線硬化性樹脂であるウレタンアクリレ
ト樹脂(商品名:ビームセット577(荒川化学社
、1分子中のアクリロイル基の数;3~6、重量
均分子量1000)46.00部と、エトキシ化フェニル
クリレート(商品名:EBECRYL114(ダイセル・サイ
テック株式会社製、1分子中のアクリロイル
の数;1)20.00部とを攪拌混合し、次いで、光重
合開始剤であるIRGACURE754(チバ・スペシャルテ
ィ・ケミカルズ社製)を5.00部添加後、酢酸エ
ル29.00部を添加し、均一になるまで撹拌混
し、紫外線硬化性樹脂組成物を得た。この
外線硬化性樹脂組成物を密栓した状態で、
温恒湿器で貯蔵し、液温を20℃に調整した。
続いて、この紫外線硬化性樹脂組成物を対
基板である透明なアクリルプレート(全光線
透過率:92.5%、株式会社クラレ製)にバーコー
ーにてウェット膜厚60μmで塗装し、紫外線硬
化性樹脂組成物層を有するアクリルプレート
を得た。
(3) カーボンナノチューブ含有樹脂層
を有する対象基板の作製
上記(2)で調製した紫外線硬化性液状樹脂組
物層を有するアクリルプレートからなる対
基板の紫外線硬化性液状樹脂組成物層に、
記(1)で調製したカーボンナノチューブネッ
ワーク層をその表面に有するPETフィルムか
なる剥離性基板のカーボンナノチューブネ
トワーク層の一端部を接触させ、その接触
において、カーボンナノチューブネットワ
ク層を有する剥離性基板のPETフィルムの反
側の面(未コーティング面)を約1000gの荷重を
かけたヘラで押え、カーボンナノチューブネ
ットワーク層と紫外線硬化性樹脂組成物層の
接触面になるべく気泡が入らないよう、対面
となるもう一方の端部まで荷重をかけたまま
ヘラを移行し、紫外線硬化性樹脂組成物をカ
ーボンナノチューブネットワーク層内に圧着
・含浸させた。
この圧着・含浸後、剥離性基板のPETフィル
面より、紫外線照射機(ECS-151U;アイグラフィ
ックス株式会社製)にて300mJ/cm 2
の紫外線積算照射量で紫外線照射を行い、紫
外線硬化性液状樹脂組成物を硬化させた。そ
の後、剥離性基板であるPETフィルムを剥がし
て、カーボンナノチューブ含有樹脂被覆層を
有する対象基板を得た。更に剥離性基板のPET
フィルム剥離後のカーボンナノチューブ含有
樹脂層を有する対象基板に対し、カーボンナ
ノチューブ含有樹脂層の面から同紫外線照射
機にて300mJ/cm 2
の紫外線積算照射量で紫外線照射を行い、カ
ーボンナノチューブ含有樹脂被覆層を有する
対象基板とした。
得られた対象基板を評価した物性データを
12に示す。なお、樹脂塗布前のアクリルプ
ートの全光線透過率は92.5%、ヘイズは0.1、鉛
筆硬度は3Hであった。
この結果から分かるように、水の代わり イソプロピルアルコールを用いてカーボン ノチューブの分散液を作り、これを用いて 発明の方法で作成した表面にカーボンナノ ューブを含有する導電体では、カーボンナ チューブネットワーク層の洗浄溶剤として 分散剤、レベリング剤等に対し溶解力を有 、且つ剥離性基板及びにカーボンナノチュ ブネットワーク層に対し悪影響を及ぼさな イソプロピルアルコールを使用することに り、水系と同程度のカーボンナノチューブ 有樹脂被覆層を有する対象基板が得られた
複層塗膜からなる対象基板の場合
(1) カーボンネットワーク層を有する
剥離性基板の作製
。
実施例1の(1)と同一のカーボンナノチューブ
と分散剤とレベリング剤を用いて、実施例1
(1)と同一の方法によってカーボンナノチュ
ブネットワーク層をその表面に有するPETフ
ルムからなる剥離性基板を作製した。
(2) 下塗用水性樹脂組成物の調製
ポリエステルディスパージョン(商品名:バ
ロナールMD1245、東洋紡績株式会社製)の100.00
を撹拌しつつ、ここに造膜助剤として、ブ
ルカービトールの1.00部を添加した後、均一
になるまで撹拌し、下塗用水性樹脂組成物を
得た。この下塗用水性樹脂組成物を密栓した
状態で、恒温恒湿器で貯蔵し、液温を20℃に
整した。
(3) 紫外線硬化性樹脂組成物の調製
実施例1の(2)と同一の紫外線硬化性樹脂と光
重合開始剤、溶剤を用い、実施例1の(2)と同
の方法によって紫外線硬化性液状樹脂組成
を得た。
(4) 紫外線硬化性樹脂組成物を有する
対象基板の調製
上記(2)で調製した下塗用水性樹脂組成物を
象基板である未処理PETプレート(厚さ:3mm、
友ベークライト株式会社)にバーコーターに
ウェット膜厚16μmで塗装した後、110℃で1分
乾燥した。次いで、上記(3)で調製した紫外
硬化性樹脂組成物をバーコーターにてウェ
ト膜厚41μmで塗装し、下塗り層と紫外線硬
性樹脂組成物層を有する対象基板であるPET
レートを得た。
(5) カーボンナノチューブ紫外線硬化
樹脂層を有する対象基板の作製
上記(4)で調製した下塗り層と紫外線硬化性
脂組成物層を有するPETプレートの紫外線硬
性樹脂組成物に、上記(1)で調製したカーボ
ナノチューブネットワーク層を表面に有す
剥離基板であるPETフィルムのカーボンナノ
ューブネットワーク層の一端部を接触させ
その接触部において、カーボンナノチュー
ネットワーク層を有する剥離性基板のPETフ
ルムの反対側の面(未コーティング面)側を
1000gの荷重をかけたヘラで押え、カーボンナ
ノチューブネットワーク層と紫外線硬化性樹
脂組成物層の接着面になるべく気泡が入らな
いよう、対面となるもう一方の端部まで荷重
をかけたままヘラを移行し、紫外線硬化性樹
脂組成物をカーボンナノチューブネットワー
ク層内に圧着・含浸させた。
続いて、この剥離性基板のPETフィルム面よ
、紫外線照射機(ECS-151U;アイグラフィックス
株式会社製)にて300mJ/cm 2
の紫外線積算照射量で紫外線照射を行い、紫
外線硬化性液状樹脂組成物を硬化させた。そ
の後、剥離性基板であるPETフィルムを剥がし
て、カーボンナノチューブ含有樹脂被覆層を
有する対象基板を得た。
更に剥離性基板のPETフィルム剥離後のカー
ンナノチューブ含有樹脂層を有する対象基
のPETプレートに対し、カーボンナノチュー
含有樹脂層の面から同紫外線照射機にて300m
J/cm 2
の紫外線積算照射量で紫外線照射を行い、カ
ーボンナノチューブ含有樹脂層を有する対象
基板のPETプレートを得た。
得られた対象基板を評価した物性データを
13に示す。なお、樹脂塗布前のPETプレート
全光線透過率は89.0%、ヘイズは0.2、鉛筆硬度
はBであった。
この結果から分かるように紫外線硬化性 脂が密着しない対象基板においても、対象 板、紫外線硬化性樹脂の間に、双方に密着 が良い下塗層を入れることで、紫外線硬化 樹脂の特徴を活かし、且つ密着性の優れた カーボンナノチューブ含有樹脂層を有する 象基板を得ることができる。
対象基板にポリカーボネートを使
用した場合
(1) カーボンナノネットワーク層を有
する剥離性基板の作製
実施例10と同一の方法と条件で、マルチウ
ールカーボンナノチューブであるNC7000を用
たカーボンナノチューブネットワーク層形
用の水分散液を得た。続いて、実施例10と同
一の方法と条件によって剥離性基板である紫
外線透過性を有する未処理PETフィルムにこの
分散液を塗装・乾燥し、カーボンナノチュー
ブネットワーク層を表面に有する剥離性基板
であるPETフィルムを得た。
(2) 紫外線硬化性樹脂組成物を有する
対象基板の調製
紫外線硬化性樹脂をビームセット577からポ
カーボネート用のアートレジンUN-3320Aに変
し、それ以外は実施例10と同一の方法と条件
によって紫外線硬化性樹脂組成物を調製した
。続いて、この紫外線硬化性樹脂組成物を対
象基板である透明なポリカーボネートプレー
ト(全光線透過率:88.7%、タキロン株式会社製)
バーコーターにてウェット膜厚60μmで塗装
、紫外線硬化性樹脂組成物層を有するポリ
ーボネートプレートを得た。
(3) カーボンナノチューブ含有樹脂コ
ーティング層を有する対象基板の作製
次に、上記(2)で調製した紫外線硬化性樹脂
成物層を有するポリカーボネートプレート
紫外線硬化性樹脂組成物に、実施例10と同
の方法と条件によって紫外線硬化性樹脂組
物をカーボンナノチューブネットワーク層
に圧着・含浸した。
続いて、この剥離性基板のPETフィルム面よ
同様に紫外線照射を行い、紫外線硬化性樹
組成物を硬化させ、その後剥離性PETフィル
を剥離した。更に剥離性基板のPETフィルム
剥離したカーボンナノチューブ含有樹脂層
有する対象基板に対し、カーボンナノチュ
ブ含有樹脂層の面から300mJ/cm 2
の紫外線積算照射量で紫外線照射を行い、カ
ーボンナノチューブ含有樹脂コーティング層
を有する対象基板を得た。
得られた対象基板の評価とこれを耐擦過性
験に付した後の対象基板を評価した物性デ
タを表14に示す。なお、樹脂塗布前のポリ
ーボネートプレートの全光線透過率は88.7%、
ヘイズは0.2、鉛筆硬度はBであった。
この結果から分かるように、対象基板と てポリカーボネート基材を用いた場合にお ても、本発明の方法を用いて形成した塗膜 、アクリル基材上に形成した塗膜と同等の 電性を有し、且つ硬度、耐久性に優れたも であった。
比較例1: CNT層への紫外線硬化性樹脂の上塗
り方式の場合
(1) カーボンナノネットワーク層を有
する対象基板の作製
実施例1の(1)と同一のシングルウォールカー
ボンナノチューブと分散剤とレベリング剤を
用いて、PETフィルムをアクリルプレート(株
会社クラレ製)に代え、カーボンナノチュー
の目付量11.5×10 -3
g/m 2
となるように代えた以外は実施例1の(1)と同
の方法によって、カーボンナノチューブネ
トワーク層をその表面に有するアクリルプ
ートを得た。ここではこのようにして得た
ーボンナノチューブネットワーク層をその
面に有するアクリルプレートを導電性を付
するための材料である対象基板として使用
る。
(2) 上塗用紫外線硬化性樹脂組成物の
調製
紫外線硬化性樹脂であるビームセット577(荒
川化学社製、ウレタンアクリレート、1分子
のアクリロイル基の数;3~6、重量平均分子量1
000)0.12部とEBECRYL114(ダイセル・サイテック株
会社製、エトキシ化フェニルアクリレート
1分子中のアクリロイル基の数;1)0.05部を攪拌
混合し、次いで、光重合開始剤であるIRGACURE7
54(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
0.10部添加後、酢酸エチル99.82部を添加し、
一になるまで撹拌混合し、紫外線硬化性樹
組成物を得た。この紫外線硬化性樹脂組成
を密栓した状態で、恒温恒湿器で貯蔵し、
温を20℃に調整した。
(3) カーボンナノチューブを有する対
象基板への上塗
上記(1)で調製した、対象基板であるカーボ
ナノチューブネットワーク層を表面に有す
アクリルプレートの上から、上記(2)で調製
た上塗用紫外線硬化性樹脂組成物をウェッ
膜厚が25μmになるよう、アプリケーターに
塗装した後、110℃で1分間乾燥した。次いで
紫外線照射機(ECS-151U;アイグラフィックス株
式会社製)にて600mJ/cm 2
の紫外線積算照射量で紫外線照射を行い、上
から紫外線硬化性樹脂組成物を塗工したカー
ボンナノチューブネットワーク層を有するア
クリルプレートを硬化させた。このようにし
てアクリルプレート上のカーボンナノチュー
ブ層の上から紫外線硬化性樹脂層を塗布した
、カーボンナノチューブ含有樹脂層を有する
導電体を得た。
このようにして得られた導電体の評価と、
れを耐擦過性試験に付した後の導電体を評
した物性データを表15に示す。なお、樹脂
布前のアクリルプレートの全光線透過率は92
.5%、ヘイズは0.1、鉛筆硬度は3Hであった。
この結果から分かるように、従来の方法 ある上塗り塗工方式作成したカーボンナノ ューブを含有する導電体は、同程度のカー ンナノチューブの目付け量であっても表面 抗値が大きく導電性が劣り、更にヘイズの ったものとなるとともに、特に鉛筆硬度がH でその強度が満足なものとはならなかった。 また、耐擦過性試験を行なった後では、表面 のカーボンナノチューブ層の脱落が起こるた め表面抵抗値が大きく増加するとともに、ヘ イズも低下し、更に塗膜の外観も悪くなった 。
比較例2: 塩化ビニル樹脂含有カーボンナノ
チューブ液状組成物塗装の場合
(1) カーボンナノネットワーク層を有
する対象基板の作製
シクロヘキサノン97.44部にマルチウォール
ーボンナノチューブであるNC7000(ナノシル社
)を0.06部及び分散剤としてディスパーBYK2150(
ビックケミー社製)を0.60部加え、この混合液
冷却水温度10℃で、出力7に設定した超音波
散機(UH600;SMT株式会社製)にて分散した。こ
分散処理の分散時間は、混合液量が100gのと
約20分間であった。次いで、超音波分散を
った分散液に、塩化ビニル樹脂(商品名:カネ
ビラックLーEY、株式会社カネカ製)を1.90部加
、遠心分離機(H-200E;コクサン株式会社製)に
り800×gで5分間遠心分離を行い、細かく分散
できない粗粒を沈降させ、上澄み液としてカ
ーボンナノチューブ含有塗料を得た。
(2) カーボンナノチューブを有する対
象基板の作製
上記(1)で調製した、カーボンナノチューブ
有塗料を対象基板であるポリカーボネート
レート(全光線透過率:88.7%、タキロン株式会
社製)に、カーボンナノチューブの目付量6.6×
10 -3
g/m 2
となるようにバーコーターにて塗装後、110℃
で1分間乾燥した。次いで、このプレートを
度220℃、圧力30kg/cm 2
でプレスして、カーボンナノチューブ含有樹
脂層を有する導電体を得た。
このようにして得られた導電体の評価と、
れを耐擦過性試験に付した後の導電体を評
した物性データを表16に示す。なお、樹脂
布前のポリカーボネートプレートの全光線
過率は88.7%、ヘイズは0.2、鉛筆硬度はBであ
た。
この結果から分かるように、従来の方法 あるカーボンナノチューブを混合・分散し 塗料の塗工・圧着方式で作成したカーボン ノチューブを含有する導電体は、耐擦過性 験などの耐久性は本発明のものと同程度で るが、同程度のカーボンナノチューブの目 け量であっても表面抵抗値が大きく導電性 かなり劣り、更にヘイズも劣ったものとな とともに、特に鉛筆硬度がBでその強度が満 足なものとはならなかった。
本発明の方法によって、高い導電性と透 性を有するとともに、優れた強度と耐久性 有する導電体や導電フィルムが得られる。 のような導電体や導電フィルムは、液晶や 機EL等で代表されるフラットパネルディス レイやその他さまざまな電子機器の表示部 広く利用されるものであり、上記のような れた特性を有する導電体はこれらの用途に に有用である。
1 剥離性基板
2 カーボンナノチューブ
3 分散剤
4 レベリング剤
5 対象基板
6 電子線硬化性樹脂組成物
7 へら
8 電子線
