Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR PRODUCING CELLULOSE ACYLATE FILM, CELLULOSE ACYLATE FILM, POLARIZING PLATE, AND LIQUID CRYSTAL DISPLAY
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/026514
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for producing a cellulose acylate film by melt flow casting. Specifically disclosed is a method for producing a cellulose acylate film containing at least one compound represented by the general formula (1) below and at least one phosphorus compound selected from the group consisting of phosphites, phosphonites, phosphinites and phosphanes. This method for producing a cellulose acylate film is characterized in that the cellulose acylate film extruded from a flow casting die is pressed between an elastically deformable touch roll and a cooling roll during the melt flow casting. Also specifically disclosed are a celluloseacylate film, a polarizing plate and a liquid crystal display.

Inventors:
SUZUKI, Takayuki (Inc.1, Sakura-machi, Hino-shi, Tokyo 11, 1918511, JP)
鈴木 隆行 (〒11 東京都日野市さくら町1番地コニカミノルタテクノロジーセンター株式会社内 Tokyo, 1918511, JP)
MIURA, Norio (Inc.1, Sakura-machi, Hino-shi, Tokyo 11, 1918511, JP)
Application Number:
JP2007/066450
Publication Date:
March 06, 2008
Filing Date:
August 24, 2007
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
Konica Minolta Opto, Inc. (2970, Ishikawa-machiHachioji-shi, Tokyo 05, 1928505, JP)
コニカミノルタオプト株式会社 (〒05 東京都八王子市石川町2970番地 Tokyo, 1928505, JP)
SUZUKI, Takayuki (Inc.1, Sakura-machi, Hino-shi, Tokyo 11, 1918511, JP)
鈴木 隆行 (〒11 東京都日野市さくら町1番地コニカミノルタテクノロジーセンター株式会社内 Tokyo, 1918511, JP)
International Classes:
B29C47/14; B29C47/88; C08J5/18; C08K5/04; C08K5/49; C08L1/10; G02B5/30; G02F1/1335; B29K1/00
Download PDF:
Claims:
セルロースアシレートフィルムの製造方法であって、
 加熱溶融されたセルロースアシレート材料を流延ダイからフィルム状に押し出す工程、及び、該流延ダイから押し出されたセルロースアシレートフィルムを弾性変形可能なタッチロールと冷却ロールとで挟圧する工程とを有し、
 該セルロースアシレート材料が、下記一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種と、ホスファイト、ホスホナイト、ホスフィナイト、およびホスファンからなる群より選ばれるリン系化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とするセルロースアシレートフィルムの製造方法。
(式中、R 11 ~R 16 はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。)
前記セルロースアシレートフィルムの製造方法に用いるセルロースアシレート材料におけるセルロースアシレートのアシル基総炭素数が6.2以上、7.5以下であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。[但し、アシル基総炭素数とは、セルロースアシレート中のグルコース単位に置換されている各アシル基の置換度と炭素数の積の総和である。]
請求の範囲第1または2項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法により製造されたことを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
フィルム表面の少なくとも一方の面に活性線硬化性樹脂層を設けたことを特徴とする請求の範囲第3項に記載のセルロースアシレートフィルム。
前記活性線硬化性樹脂層の上に反射防止層を設けたことを特徴とする請求の範囲第4項に記載のセルロースアシレートフィルム。
請求の範囲第3~5項の何れか1項に記載のセルロースアシレートフィルムを偏光板用保護フィルムとして用いることを特徴とする偏光板。
請求の範囲第6項に記載の偏光板を用いることを特徴とする液晶表示装置。
Description:
セルロースアシレートフィルム 製造方法、セルロースアシレートフィルム 偏光板及び液晶表示装置

 本発明は、セルロースアシレートフィル の製造方法、セルロースアシレートフィル 、該セルロースアシレートフィルムを用い 偏光板及び液晶表示装置に関する。

 セルロースアシレートフィルムは、その い透明性・低複屈折性・偏光子との易接着 などから、写真用ネガフィルムの支持体や 液晶ディスプレイに用いられる光学フィル 、例えば、偏光子を保護するフィルム、偏 板などに用いられてきた。

 液晶ディスプレイは、その奥行きの薄さ 軽さから近年大幅に生産量が増大しており 需要が高くなっている。また液晶ディスプ イを用いたテレビは、薄く軽いという特徴 有し、ブラウン菅を用いたテレビでは達成 れなかったような大型のテレビが生産され ようになっており、それに伴って液晶ディ プレイを構成する光学フィルムも需要が増 してきている。

 これらのセルロースアシレートフィルム 、これまで、専ら溶液流延法によって製造 れてきた。溶液流延法とは、セルロースア レートを溶媒に溶解した溶液を流延してフ ルム形状を得た後、溶媒を蒸発・乾燥させ フィルムを得るといった製膜方法である。 液流延法で製膜したフィルムは平面性が高 ため、これを用いてムラのない高画質な液 ディスプレイを得ることができる。

 しかし溶液流延法は多量の有機溶媒を必 とし、環境負荷が大きいことも課題となっ いた。セルロースアシレートフィルムは、 の溶解特性から、環境負荷の大きいハロゲ 系溶媒を用いて製膜されているため、特に 剤使用量の削減が求められており、溶液流 製膜によってセルロースアシレートフィル を増産することは困難となってきている。

 そこで近年銀塩写真用(例えば、特許文献 1参照。)あるいは偏光子保護フィルム用(例え ば、特許文献2参照。)として、セルロースア レートを溶融製膜する試みが行われている 、セルロースアシレートは溶融時の粘度が 常に高い高分子であり、かつガラス転移温 も高い高分子であるため、セルロースアシ ートを溶融してダイスから押出し、冷却ド ムまたは冷却ベルト上にキャスティングし もレベリングし難く、押出し後に短時間で 化するため、得られるフィルムの平面性が 液流延フィルムよりも低いといった課題を していることが判明した。

 溶融流延製膜法を用いて光学フィルムを 造する方法は提案されている。例えば、溶 樹脂を、幅方向に均一な温度に保たれた冷 ロールと無端ベルトで円弧上に挟み込んで 却する方法が提案されて(例えば、特許文献 3参照。)いる。また、溶融樹脂を2つの冷却ド ラムで挟み込んで冷却する方法が提案されて (例えば、特許文献4参照。)いる。しかしなが ら、セルロース樹脂を加熱溶融した溶融物は 、粘度が高いため、溶液流延製膜法で製膜し たフィルムに比較して、溶融流延製膜法で製 造したフィルムは平面性が劣る、具体的には ダイラインや厚みむらができやすいという欠 点がある。

 また、溶融製膜は150℃を超える高温プロ スであるため、セルロースアシレートの熱 解による分子量低下に基づく加工安定性の 下や着色といったセルロースアシレートフ ルムにとっては致命的な課題が存在してい 。一方、高温多湿における長期間使用下で 密閉環境におけるセルロース樹脂の分光特 および機械的特性の両方の劣化に対する安 性を向上させる目的で、安定剤としてヒン ードフェノール化合物、ヒンダードアミン 合物、あるいは酸掃去剤をある添加量比で える技術が開示されて(例えば、特許文献5 照。)いる。また、透湿性及び保留性に優れ 可塑剤として多価アルコールエステル系可 剤を用いる技術も公開されて(例えば、特許 文献6参照。)いる。しかし、いずれの公知技 をもってしても上記の課題、特に、分子量 下に基づく加工安定性の劣化や着色の問題 平面性の問題を解決するには不十分であっ 。

 更に、液晶表示装置の大型画面化に伴っ 、フィルム原反の幅は広く、巻長は長くす ことが要望されている。そのため、フィル 原反は幅広となり、フィルム原反荷重は増 する傾向にあり、これらを長期間保存して ると、馬の背故障と呼ばれる故障が発生し すくなる。馬の背故障とは、馬の背中のよ にフィルム原反がU字型に変形し、中央部付 近に2~3cm程度のピッチで帯状の凸部ができる 障で、フィルムに変形が残ってしまうため 偏光板に加工すると表面が歪んで見えてし うため問題である。また、液晶ディスプレ の最表面に設置するセルロースアシレート ィルムは、クリアハード加工やアンチグレ 加工、アンチリフレクション加工が施され いる。これらの加工を行うとき、セルロー アシレートフィルムの表面が変形している 、塗布ムラや蒸着ムラとなり、製品収率を 幅に悪化させる原因となる。今まで、馬の 故障はベース同士の動摩擦係数を低くした 、両サイドにあるナーリング加工(エンボス 加工)の高さを調節することによって発生を 減させてきた。フィルム荷重によって巻芯 たわむために馬の背故障が発生することを いだし、改善方法を提案して(例えば、特許 献7参照。)いる。しかしながら、最近の液 テレビに対応し、さらに幅の広いセルロー アシレートフィルムが要望されており、こ らの技術だけでは、不十分となっており、 なる手段が要望されていた。

 一方、リン系化合物とヒンダードフェノ ル化合物を安定化剤として含有する樹脂組 物が知られて(例えば、特許文献8、9参照。) いる。

 しかしながら、上記の安定剤をセルロース シレートフィルムの平面性、および馬の背 障を改良する手段に適用した例はいまだ知 れていない。

特表平6-501040号公報

特開2000-352620号公報

特開平10-10321号公報

特開2002-212312号公報

特開2003-192920号公報

特開2003-12823号公報

特開2002-3083号公報

特開2001-261943号公報

国際公開第99/54394号パンフレット

 本発明の目的は、着色、および加工安定 の劣化が少なく、更には平面性が高く、ス 状ムラが抑制された均一性の高いセルロー アシレートフィルムを提供すること、画質 高い液晶ディスプレイを提供することであ 。また、長期間保管しても馬の背故障や凸 故障などのフィルム原反の変形故障が発生 ない生産性に優れたセルロースアシレート ィルムを提供するものであり、特に1350mm幅 上の広幅、かつ、薄膜のセルロースアシレ トフィルムにおいてその効果を発揮するも である。更にはセルロースアシレートフィ ムを、環境負荷の大きいハロゲン系溶剤を 用しない溶融製膜法によって提供すること ある。

 上記課題について、本発明の発明者らは 意検討したところ、特定のフェノール系化 物、および特定のリン系化合物を含有させ かつ弾性タッチロールを用いた冷却方法と 併用することにより、溶融流延法を用いた 造方法でも着色、および加工安定性の劣化 少なく、スジ状ムラが抑制され、平面性に れ、かつ長期間保管しても馬の背故障や凸 故障などのフィルム原反の変形故障が発生 ないセルロースアシレートフィルムを得る とができることを見出し、本発明を完成さ るに至った。

 すなわち本発明は、以下の形態により前 課題を解決することができた。

 本発明の第1の形態は、セルロースアシレー トフィルムの製造方法であって、
 加熱溶融されたセルロースアシレート材料 流延ダイからフィルム状に押し出す工程、 び、該流延ダイから押し出されたセルロー アシレートフィルムを弾性変形可能なタッ ロールと冷却ロールとで挟圧する工程とを し、
 該セルロースアシレート材料が、下記一般 (1)で表される化合物の少なくとも1種と、ホ スファイト、ホスホナイト、ホスフィナイト 、およびホスファンからなる群より選ばれる リン系化合物の少なくとも1種を含有するこ を特徴とするセルロースアシレートフィル の製造方法である。

 (式中、R 11 ~R 16 はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表 す。)
 前記セルロースアシレートフィルムの製造 法に用いるセルロースアシレート材料にお るセルロースアシレートのアシル基総炭素 は、6.2以上、7.5以下であることが好ましい 但し、アシル基総炭素数とは、セルロース シレート中のグルコース単位に置換されて る各アシル基の置換度と炭素数の積の総和 ある。

 本発明の第2の形態は、前記の製造方法に より製造されたことを特徴とするセルロース アシレートフィルムである。

 前記セルロースアシレートフィルムは、 なくとも一方の表面に活性線硬化性樹脂層 設けられることが好ましく、前記活性線硬 性樹脂層の上に反射防止層が設けられるこ が更に好ましい。

 本発明の第3の形態は、前記のセルロース アシレートフィルムを偏光板用保護フィルム として用いることを特徴とする偏光板である 。

 本発明の第4の形態は、前記第3の形態に 載の偏光板を用いることを特徴とする液晶 示装置である。

 本発明の前記の形態により、環境負荷の いハロゲン系溶剤を用いない溶融流延法を いた製造方法で着色、および加工安定性の 化が少なく、スジ状ムラが抑制され、平面 に優れ、かつ長期間保管しても馬の背故障 凸状故障などのセルロースアシレートフィ ム原反の変形故障が発生しない製造方法、 ルロースアシレートフィルム、および偏光 を提供することができ、さらにはこのよう 偏光板を用いることで画質の高い液晶ディ プレイを得ることができる。

本発明のセルロースアシレートフィル の製造方法を実施する装置の1つの実施形態 を示す概略フローシートである。 図1の製造装置の要部拡大フローシート である。 (a)は流延ダイの要部の外観図、(b)は流 ダイの要部の断面図である。 タッチロール(挟圧回転体)の第1実施形 (タッチロールA)の断面図である。 タッチロール(挟圧回転体)の第2実施形 (タッチロールB)の回転軸に垂直な平面での 面図である。 タッチロール(挟圧回転体)の第2実施形 (タッチロールB)の回転軸を含む平面での断 図である。 液晶表示装置の構成図の概略を示す分 斜視図である。 (a)は、巻芯に巻き取られたセルロース シレートフィルム原反の斜視図であり、(b) 、架台上に設置された前記セルロースアシ ートフィルム原反の斜視図であり、(c)は、 台上に設置された前記セルロースアシレー フィルム原反の断面図である。

符号の説明

 1 押出し機
 2 フィルター
 3 スタチックミキサー
 4 流延ダイ
 5 第1冷却ロール
 6 タッチロール(挟圧回転体)
 7 第2冷却ロール
 8 第3冷却ロール
 10 フィルム(セルロースアセテートフィル )
 16 巻取り装置
 21a、21b 保護フィルム
 22a、22b 位相差フィルム
 23a、23b フィルムの遅相軸方向
 24a、24b 偏光子の透過軸方向
 25a、25b 偏光子
 26a、26b 偏光板
 27 液晶セル
 29 液晶表示装置
 31 ダイ本体
 32 スリット
 41 金属スリーブ
 42 弾性ローラ
 43 金属製の内筒
 44 弾性体
 45 冷却水
 51 外筒
 52 内筒
 53 空間
 54 冷却液
 55a、55b 回転軸
 56a、56b 外筒支持フランジ
 60 流体軸筒
 61a、61b 内筒支持フランジ
 62a、62b 中間通路

 以下本発明を実施するための好ましい形 について詳細に説明するが、本発明はこれ に限定されるものではない。

 本発明は、溶融製膜されたセルロースア レートフィルムであっても、着色、および 工安定性の劣化が少なく、十分な平面性を し、かつフィルム原反の変形故障が発生し いセルロースアシレートフィルム、および の製造方法に関するものである。

 本発明に係わるセルロースアシレートフ ルムを用いることで、高品質の偏光板用保 フィルム、反射防止フィルム、位相差フィ ム等の光学フィルムを得ることができ、さ には表示品質の高い液晶表示装置を得るこ ができる。

 本発明が対象とする光学フィルムは、液 ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有 ELディスプレイ等の各種ディスプレイ、特 液晶ディスプレイに用いられる機能フィル のことであり、偏向板保護フィルム、位相 フィルム、反射防止フィルム、輝度向上フ ルム、視野角拡大等の光学補償フィルムを むものである。

 本発明者らは鋭意研究の結果、熱溶融法 即ち、溶融流延法にて製膜する方法におい セルロースアシレート中に含有される添加 として、ある特定の化合物を選択し、かつ 性タッチロールを用いた冷却方法とを併用 ることすることにより、得られるセルロー アシレートフィルムの平面性が飛躍的に向 し、しかも着色、および加工安定性の劣化 少ないことを見いだした。更にその製造方 によるフィルムは長期間保管しても馬の背 障や凸状故障などのフィルム原反の変形故 が発生しないことが判明した。

 本発明のセルロースアシレートフィルム 製造方法は、添加剤として、上記一般式(1) 表される化合物を含有することを特徴とし いる。

 一般式(1)において、R 11 、R 12 、R 13 、R 14 、R 15 及びR 16 は水素原子または置換基を表す。置換基とし ては、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩 原子等)、アルキル基(例えばメチル基、エチ ル基、イソプロピル基、ヒドロキシエチル基 、メトキシメチル基、トリフルオロメチル基 、t-ブチル基等)、シクロアルキル基(例えば クロペンチル基、シクロヘキシル基等)、ア ルキル基(例えばベンジル基、2-フェネチル 等)、アリール基(例えばフェニル基、ナフ ル基、p-トリル基、p-クロロフェニル基等)、 アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ 、イソプロポキシ基、ブトキシ基等)、アリ ルオキシ基(例えばフェノキシ基等)、シア 基、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ 、プロピオニルアミノ基等)、アルキルチオ 基(例えばメチルチオ基、エチルチオ基、ブ ルチオ基等)、アリールチオ基(例えばフェニ ルチオ基等)、スルホニルアミノ基(例えばメ ンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニ アミノ基等)、ウレイド基(例えば3-メチルウ レイド基、3,3-ジメチルウレイド基、1,3-ジメ ルウレイド基等)、スルファモイルアミノ基 (ジメチルスルファモイルアミノ基等)、カル モイル基(例えばメチルカルバモイル基、エ チルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル 基等)、スルファモイル基(例えばエチルスル ァモイル基、ジメチルスルファモイル基等) 、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシ ルボニル基、エトキシカルボニル基等)、ア ールオキシカルボニル基(例えばフェノキシ カルボニル基等)、スルホニル基(例えばメタ スルホニル基、ブタンスルホニル基、フェ ルスルホニル基等)、アシル基(例えばアセ ル基、プロパノイル基、ブチロイル基等)、 ミノ基(メチルアミノ基、エチルアミノ基、 ジメチルアミノ基等)、シアノ基、ヒドロキ 基、ニトロ基、ニトロソ基、アミンオキシ 基(例えばピリジン-オキシド基)、イミド基( えばフタルイミド基等)、ジスルフィド基( えばベンゼンジスルフィド基、ベンゾチア リル-2-ジスルフィド基等)、カルボキシル基 スルホ基、ヘテロ環基(例えば、ピロール基 、ピロリジル基、ピラゾリル基、イミダゾリ ル基、ピリジル基、ベンズイミダゾリル基、 ベンズチアゾリル基、ベンズオキサゾリル基 等)等が挙げられる。これらの置換基は更に 換されても良い。また、R 11 は水素原子、R 12 、R 16 はt-ブチル基であるフェノール系化合物が好 しい。

 フェノール系化合物は既知の化合物であ 、例えば、米国特許第4,839,405号明細書の第1 2~14欄に記載されており、2,6-ジアルキルフェ ール誘導体化合物が含まれる。

 一般式(1)で表される化合物の具体例とし は、n-オクタデシル3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒド キシフェニル)-プロピオネート、n-オクタデ シル3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)- アセテート、n-オクタデシル3,5-ジ-t-ブチル-4- ヒドロキシベンゾエート、n-ヘキシル3,5-ジ-t- ブチル-4-ヒドロキシフェニルベンゾエート、 n-ドデシル3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニ ルベンゾエート、ネオ-ドデシル3-(3,5-ジ-t-ブ ル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、 ドデシルβ(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェ ル)プロピオネート、エチルα-(4-ヒドロキシ- 3,5-ジ-t-ブチルフェニル)イソブチレート、オ タデシルα-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフ ニル)イソブチレート、オクタデシルα-(4-ヒ ロキシ-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニ )プロピオネート、2-(n-オクチルチオ)エチル3 ,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ベンゾエート、2- (n-オクチルチオ)エチル3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒド キシ-フェニルアセテート、2-(n-オクタデシ チオ)エチル3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフ ニルアセテート、2-(n-オクタデシルチオ)エ ル3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ベンゾエート 、2-(2-ヒドロキシエチルチオ)エチル3,5-ジ-t- チル-4-ヒドロキシベンゾエート、ジエチル リコールビス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ- ェニル)プロピオネート、2-(n-オクタデシル オ)エチル3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフ ニル)プロピオネート、ステアルアミドN,N-ビ ス-[エチレン3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフ ェニル)プロピオネート]、n-ブチルイミノN,N- ス-[エチレン3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ ェニル)プロピオネート]、2-(2-ステアロイル オキシエチルチオ)エチル3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒ ロキシベンゾエート、2-(2-ステアロイルオ シエチルチオ)エチル7-(3-メチル-5-t-ブチル-4- ヒドロキシフェニル)ヘプタノエート、1,2-プ ピレングリコールビス-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4- ドロキシフェニル)プロピオネート]、エチ ングリコールビス-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒド キシフェニル)プロピオネート]、ネオペンチ ルグリコールビス-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロ キシフェニル)プロピオネート]、エチレング コールビス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフ ニルアセテート)、グリセリン-l-n-オクタデ ノエート-2,3-ビス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロ シフェニルアセテート)、ペンタエリトリト ル-テトラキス-[3-(3″,5″-ジ-t-ブチル-4″-ヒ ドロキシフェニル)プロピオネート]、1,1,1-ト メチロールエタン-トリス-[3-(3,5-ジ-t-ブチル -4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ソ ビトールヘキサ-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロ シフェニル)プロピオネート]、2-ヒドロキシ エチル7-(3-メチル-5-t-ブチル-4-ヒドロキシフ ニル)プロピオネート、2-ステアロイルオキ エチル7-(3-メチル-5-t-ブチル-4-ヒドロキシフ ニル)ヘプタノエート、1,6-n-ヘキサンジオー ル-ビス[(3″,5″-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフ ニル)プロピオネート]、ペンタエリトリトー ル-テトラキス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシヒ ドロシンナメート)が含まれる。上記タイプ フェノール化合物は、例えば、Ciba Specialty  Chemicalsから、”Irganox1076”及び”Irganox1010” いう商品名で市販されている。一般式(1)で される化合物の添加量は、セルロースエス ル100質量部に対して、通常0.01~10質量部、好 しくは0.05~5質量部、更に好ましくは0.1~3質 部である。

 本発明のセルロースアシレートフィルム 製造方法においては、セルロースアシレー フィルムが添加剤として、ホスファイト(pho sphite)、ホスホナイト(phosphonite)、ホスフィナ ト(phosphinite)、または第3級ホスファン(phospha ne)からなる群より選ばれるリン系化合物を少 なくとも1種含有することを特徴としている リン系化合物は既知の化合物であり、例え 、特開2002-138188号、特開2005-344044号段落番号0 022~0027、特開2004-182979号段落番号0023~0039、特 平10-306175号、特開平1-254744号、特開平2-270892 、特開平5-202078号、特開平5-178870号、特表200 4-504435号、特表2004-530759号、および特願2005-353 229号の明細書中に記載されているものが好ま しい。好ましいリン系化合物としては、下記 一般式(I)から(V)のホスファイト、一般式(VI) ら(XII)のホスホナイト、一般式(XIII)から(XV) ホスフィナイト、および一般式(XVI)から(XIX) ホスファンが挙げられる。

 それぞれの基は互いに独立に、R 1 は、C1~C24のアルキル(直鎖もしくは分岐、ヘ ロ原子、N、O、P、Sが含まれてもよい)、C5~C30 のシクロアルキル(ヘテロ原子、N、O、P、Sが まれてもよい)、C1~C30のアルキルアリール、 C6~C24のアリールもしくはヘテロアリール、C6~ C24のアリールもしくはヘテロアリール(C1~C18 アルキル(直鎖もしくは分岐)、C5~C12のシクロ アルキルもしくはC1~C18のアルコキシ基で置換 された)であり、
 R 2 は、H、C1~C24のアルキル(直鎖もしくは分岐、 テロ原子、N、O、P、Sが含まれてもよい)、C5 ~C30のシクロアルキル(ヘテロ原子、N、O、P、S が含まれてもよい)、C1~C30のアルキルアリー 、C6~C24のアリールもしくはヘテロアリール C6~C24のアリールもしくはヘテロアリール(C1~C 18のアルキル(直鎖もしくは分岐)、C5~C12のシ ロアルキルもしくはC1~C18のアルコキシ基で 換された)であり、
 R 3 は、C1~C30のアルキレンタイプのn価の基(直鎖 しくは分岐、ヘテロ原子、N、O、P、Sが含ま れてもよい)、C1~C30のアルキリデン(ヘテロ原 、N、O、P、Sが含まれてもよい)、C5~C12のシ ロアルキレンもしくはC6~C24のアリーレン(C1~C 18のアルキル(直鎖もしくは分岐)、C5~C12のシ ロアルキルもしくはC1~C18のアルコキシで置 された)であり、
 R 4 は、C1~C24のアルキル(直鎖もしくは分岐、ヘ ロ原子、N、O、P、Sが含まれてもよい)、C5~C30 のシクロアルキル(ヘテロ原子、N、O、P、Sが まれてもよい)、C1~C30のアルキルアリール、 C6~C24のアリールもしくはヘテロアリール、C6~ C24のアリールもしくはヘテロアリール(C1~C18 アルキル(直鎖もしくは分岐)、C5~C12のシクロ アルキルもしくはC1~C18のアルコキシ基で置換 された)であり
 R 5 は、C1~C24-アルキル(直鎖もしくは分岐、ヘテ 原子、N、O、P、Sが含まれてもよい)、C5~C30 シクロアルキル(ヘテロ原子、N、O、P、Sが含 まれてもよい)、C1~C30のアルキルアリール、C6 ~C24のアリールもしくはヘテロアリール、C6~C2 4のアリールもしくはヘテロアリール(C1~C18の ルキル(直鎖もしくは分岐)、C5~C12のシクロ ルキルもしくはC1~C18のアルコキシ基で置換 れた)であり、
 R 6 は、C1~C24のアルキル(直鎖もしくは分岐、ヘ ロ原子、N、O、P、Sが含まれてもよい)、C5~C30 のシクロアルキル(ヘテロ原子、N、O、P、Sが まれてもよい)、C1~C30のアルキルアリール、 C6~C24-アリールもしくはヘテロアリール、C6~C2 4のアリールもしくはヘテロアリール(C1~C18の ルキル(直鎖もしくは分岐)、C5~C12のシクロ ルキルもしくはC1~C18のアルコキシ基で置換 れた)であり、
 Aは、直接結合、C1~C30のアルキリデン(ヘテ 原子、N、O、P、Sが含まれてもよい)、>NH、 >NR 1 、-S-、>S(O)、>S(O)2、-O-であり、
 Dは、C1~C30のアルキレンタイプのq価の基(直 もしくは分岐、ヘテロ原子、N、O、P、Sが含 まれてもよい)、C1~C30のアルキリデン(ヘテロ 子、N、O、P、Sが含まれてもよい)、C5~C12の クロアルキレン(ヘテロ原子、N、O、P、Sが含 まれてもよい)あるいはC6~C24のアリーレン(C1~C 18のアルキル(直鎖もしくは分岐)、C5~C12-シク アルキルもしくはC1~C18のアルコキシで置換 れた)、-O-、-S-であり、
 Xは、Cl、Br、F、OH(結果として生じる互変異 形>P(O)Hを含む)であり、
 kは0から4であり、nは1から4であり、mは0か 5であり、pは0もしくは1であり、qは1から5で り、rは3から6であって、式(XIX)の基P-R 6 は、Pから発する結合上の*により表されるホ ファシクル(phosphacycle)の構成要素である。

 このような化合物のうち特に好ましい化 物として以下の化合物が挙げられる。また れらの化合物は2種以上併用して使用しても よい。リン系化合物の添加量は、セルロース エステル100質量部に対して、通常0.01~10質量 、好ましくは0.05~5質量部、更に好ましくは0. 1~3質量部である。

 なお本発明のセルロースアシレートフィ ムは、着色すると光学用途として影響を与 るため、好ましくは黄色度(イエローインデ ックス、YI)が3.0以下、より好ましくは1.0以下 である。黄色度はJIS-K7103に基づいて測定する ことができる。

 (セルロースアシレート)
 本発明に用いられるセルロースアシレート ついて、詳述する。本発明において、フィ ムを構成するセルロースアシレートは、炭 数2以上の脂肪族アシル基を有するセルロー スアシレートが好ましく、更に好ましくは、 セルロースアシレートのアシル総置換度が2.9 以下、かつアシル基総炭素数が6.2以上、7.5以 下であるセルロースアシレートである。セル ロースアシレートのアシル基総炭素数は、好 ましくは、6.5以上、7.2以下であり、さらに好 ましくは6.7以上7.1以下である。但し、アシル 基総炭素数は、セルロースアシレートのグル コース単位に置換されている各アシル基の置 換度と炭素数の積の総和である。

 例えば、セルロースアセテートプロピオネ トのアシル基総炭素数計算は
  アシル基総炭素数=2×アセチル基置換度+3× プロピオニル基置換度
 で算出できる。

 さらに、脂肪族アシル基の炭素数は、セ ロース合成の生産性、コストの観点から、2 以上、6以下が好ましく、2以上、4以下がさら に好ましい。なお、アシル基で置換されてい ない部分は通常水酸基として存在している。 これらは公知の方法で合成することが出来る 。

 β-1,4-グリコシド結合でセルロースを構成 しているグルコース単位は、2位、3位および6 位に遊離の水酸基を有している。本発明にお けるセルロースアシレートは、これらの水酸 基の一部または全部をアシル基によりエステ ル化した重合体(ポリマー)である。置換度と 、繰り返し単位の2位、3位および6位につい 、セルロースがエステル化している割合の 計を表す。具体的には、セルロースの2位、 3位および6位のそれぞれの水酸基が100%エステ ル化した場合をそれぞれ置換度1とする。し がって、セルロースの2位、3位および6位の べてが100%エステル化した場合、置換度は最 の3となる。なお、アシル基の置換度は、AST M-D817に規定の方法により求めることができる 。

 アシル基としては、例えば、アセチル基 プロピオニル基、ブチリル基、ペンタネー 基、ヘキサネート基等が挙げられ、セルロ スアシレートとしては、セルロースプロピ ネート、セルロースブチレート、セルロー ペンタネート等が挙げられる。また、上述 側鎖炭素数を満たせば、セルロースアセテ トプロピオネート、セルロースアセテート チレート、セルロースアセテートペンタネ ト等のように混合脂肪酸エステルでもよい この中でも、特にセルロースアセテートプ ピオネート、セルロースアセテートブチレ トが好ましい。

 本発明者らは、セルロースアシレートの シル基の総炭素数に対し、セルロースアシ ートフィルムの機械物性及びケン化性と、 ルロースアシレートの溶融製膜性は、トレ ドオフの関係にあることを把握した。例え 、セルロースアセテートプロピオネートに いて、アシル基の総炭素数を上げると溶融 膜性が向上するが、機械物性が低下し、両 は困難である。しかし、本発明では、セル ースアシレートのアシル総置換度を2.9以下 かつアシル基総炭素数を6.5以上、7.2以下と る事で、フィルム機械物性、ケン化性、溶 製膜性を両立できることを見出した。この 構の詳細は不明であるが、アシル基の炭素 により、フィルム機械物性、ケン化性、溶 製膜性への影響が異なるためと推測される すなわち、アシル基の総置換度が等しい場 、アセチル基よりもプロピオニル基、ブチ ル基といったより長鎖のアシル基の方が、 り疎水性となり、溶融製膜性を向上させる 従って、同じ溶融製膜性を達成する場合、 ロピオニル基、ブチリル基といった長鎖の シル基の場合、アセチル基の場合よりも低 換度となり、総置換度も低くなるため、機 物性、ケン化性の低下が抑えられると推測 れる。

 本発明に係るセルロースエステルは、50,0 00~150,000の数平均分子量(Mn)を有することが好 しく、55,000~120,000の数平均分子量を有する とが更に好ましく、60,000~100,000の数平均分子 量を有することが最も好ましい。

 更に、本発明で用いられるセルロースエ テルは、質量平均分子量(Mw)/数平均分子量(M n)比が1.3~5.5のものが好ましく用いられ、特に 好ましくは1.5~5.0であり、更に好ましくは1.7~3 .5であり、更に好ましくは2.0~3.0のセルロース エステルが好ましく用いられる。

 なお、Mn及びMw/Mnは下記の要領で、ゲルパ ーミエーションクロマトグラフィーにより算 出した。

 測定条件は以下の通りである。溶媒:テトラ ヒドロフラン
装置:HLC-8220(東ソー(株)製)
カラム:TSKgel SuperHM-M(東ソー(株)製)
カラム温度:40℃
試料温度:0.1質量%注入量:10μl
流量:0.6ml/min
校正曲線:標準ポリスチレン:PS-1(Polymer Laborato ries社製)Mw=2,560,000~580迄の9サンプルによる校 曲線を使用した。

 本発明で用いられるセルロースエステル 原料セルロースは、木材パルプでも綿花リ ターでもよく、木材パルプは針葉樹でも広 樹でもよいが、針葉樹の方がより好ましい 製膜の際の剥離性の点からは綿花リンター 好ましく用いられる。これらから作られた ルロースエステルは適宜混合して、或いは 独で使用することが出来る。

 例えば、綿花リンター由来セルロースエ テル:木材パルプ(針葉樹)由来セルロースエ テル:木材パルプ(広葉樹)由来セルロースエ テルの比率が100:0:0、90:10:0、85:15:0、50:50:0、 20:80:0、10:90:0、0:100:0、0:0:100、80:10:10、85:0:15 40:30:30で用いることが出来る。

 セルロースエステルは、例えば、原料セ ロースの水酸基を無水酢酸、無水プロピオ 酸及び/または無水酪酸を用いて常法により アセチル基、プロピオニル基及び/またはブ ル基を上記の範囲内に置換することで得ら る。このようなセルロースエステルの合成 法は、特に限定はないが、例えば、特開平10 -45804号あるいは特表平6-501040号に記載の方法 参考にして合成することができる。

 本発明に用いられるセルロースエステル アルカリ土類金属含有量は、1~50ppmの範囲で あることが好ましい。50ppmを超えるとリップ 着汚れが増加或いは熱延伸時や熱延伸後で スリッティング部で破断しやすくなる。1ppm 未満でも破断しやすくなるがその理由はよく 分かっていない。1ppm未満にするには洗浄工 の負担が大きくなり過ぎるためその点でも ましくない。更に1~30ppmの範囲が好ましい。 こでいうアルカリ土類金属とはCa、Mgの総含 有量のことであり、X線光電子分光分析装置(X PS)を用いて測定することが出来る。

 本発明に用いられるセルロースエステル の残留硫酸含有量は、硫黄元素換算で0.1~45p pmの範囲であることが好ましい。これらは塩 形で含有していると考えられる。残留硫酸 有量が45ppmを超えると熱溶融時のダイリッ 部の付着物が増加するため好ましくない。 た、熱延伸時や熱延伸後でのスリッティン の際に破断しやすくなるため好ましくない 少ない方が好ましいが、0.1未満とするには ルロースエステルの洗浄工程の負担が大き なり過ぎるため好ましくないだけでなく、 に破断しやすくなることがあり好ましくな 。これは洗浄回数が増えることが樹脂に影 を与えているのかもしれないがよく分かっ いない。更に1~30ppmの範囲が好ましい。残留 酸含有量は、ASTM-D817に規定の方法に準じて 定することが出来る。

 本発明に用いられるセルロースエステル の遊離酸含有量は、1~500ppmであることが好 しい。500ppmを超えるとダイリップ部の付着 が増加し、また破断しやすくなる。洗浄で1p pm未満にすることは困難である。更に1~100ppm 範囲であることが好ましく、更に破断しに くなる。特に1~70ppmの範囲が好ましい。遊離 含有量はASTM-D817に規定の方法に準じて測定 ることが出来る。

 合成したセルロースエステルの洗浄を、 液流延法に用いられる場合に比べて、さら 十分に行うことによって、残留酸含有量を 記の範囲とすることができ、溶融流延法に ってフィルムを製造する際に、リップ部へ 付着が軽減され、平面性に優れるフィルム 得られ、寸法変化、機械強度、透明性、耐 湿性、後述するRt値、Ro値が良好なフィルム を得ることができる。また、セルロースエス テルの洗浄は、水に加えて、メタノール、エ タノールのような貧溶媒、あるいは結果とし て貧溶媒であれば貧溶媒と良溶媒の混合溶媒 を用いることができ、残留酸以外の無機物、 低分子の有機不純物を除去することができる 。さらに、セルロースエステルの洗浄は、ヒ ンダードアミン、亜リン酸エステルといった 酸化防止剤の存在下で行うことが好ましく、 セルロースエステルの耐熱性、製膜安定性が 向上する。

 また、セルロースエステルの耐熱性、機 物性、光学物性等を向上させるため、セル ースエステルの良溶媒に溶解後、貧溶媒中 再沈殿させ、セルロースエステルの低分子 成分、その他不純物を除去することができ 。この時、前述のセルロースエステルの洗 同様に、酸化防止剤の存在下で行うことが ましい。

 さらに、セルロースエステルの再沈殿処 の後、別のポリマーあるいは低分子化合物 添加してもよい。

 本発明では、セルロースエステル樹脂の か、セルロースエーテル系樹脂、ビニル系 脂(ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアル コール系樹脂なども含む)、環状オレフイン 脂、ポリエステル系樹脂(芳香族ポリエステ 、脂肪族ポリエステル、若しくはそれらを む共重合体)、アクリル系樹脂(共重合体も む)などを含有させることが出来る。セルロ スエステル以外の樹脂の含有量としては0.1~ 30質量%が好ましい。

 また、本発明で用いられるセルロースエ テルはフィルムにした時の輝点異物が少な ものであることが好ましい。輝点異物とは 2枚の偏光板を直交に配置し(クロスニコル) この間にセルロースエステルフィルムを配 して、一方の面から光源の光を当てて、も 一方の面からセルロースエステルフィルム 観察した時に、光源の光が漏れて見える点 ことである。このとき評価に用いる偏光板 輝点異物がない保護フィルムで構成された のであることが望ましく、偏光子の保護に ラス板を使用したものが好ましく用いられ 。輝点異物はセルロースエステルに含まれ 未酢化若しくは低酢化度のセルロースがそ 原因の1つと考えられ、輝点異物の少ないセ ルロースエステルを用いる(置換度の分散の さいセルロースエステルを用いる)ことと、 融したセルロースエステルを濾過すること あるいはセルロースエステルの合成後期の 程や沈殿物を得る過程の少なくともいずれ において、一度溶液状態として同様に濾過 程を経由して輝点異物を除去することもで る。溶融樹脂は粘度が高いため、後者の方 のほうが効率がよい。

 フィルム膜厚が薄くなるほど単位面積当た の輝点異物数は少なくなり、フィルムに含 れるセルロースエステルの含有量が少なく るほど輝点異物は少なくなる傾向があるが 輝点異物は、輝点の直径0.01mm以上が200個/cm 2 以下であることが好ましく、更に100個/cm 2 以下であることが好ましく、50個/cm 2 以下であることが好ましく、30個/cm 2 以下であることが好ましく、10個/cm 2 以下であることが好ましいが、皆無であるこ とが最も好ましい。また、0.005~0.01mm以下の輝 点についても200個/cm 2 以下であることが好ましく、更に100個/cm 2 以下であることが好ましく、50個/cm 2 以下であることが好ましく、30個/cm 2 以下であることが好ましく、10個/cm 2 以下であることが好ましいが、皆無であるこ とが最も好ましい。

 輝点異物を溶融濾過によって除去する場 、セルロースエステルを単独で溶融させた のを濾過するよりも可塑剤、劣化防止剤、 化防止剤等を添加混合した組成物を濾過す ことが輝点異物の除去効率が高く好ましい もちろん、セルロースエステルの合成の際 溶媒に溶解させて濾過により低減させても い。紫外線吸収剤、その他の添加物も適宜 合したものを濾過することが出来る。濾過 セルロースエステルを含む溶融物の粘度が1 0000Pa・s以下で濾過されるこが好ましく、更 好ましくは5000Pa・s以下が好ましく、1000Pa・s 以下であることが更に好ましく、500Pa・s以下 であることが更に好ましい。濾材としては、 ガラス繊維、セルロース繊維、濾紙、四フッ 化エチレン樹脂などの弗素樹脂等の従来公知 のものが好ましく用いられるが、特にセラミ ックス、金属等が好ましく用いられる。絶対 濾過精度としては50μm以下のものが好ましく いられ、30μm以下のものが更に好ましく、10 μm以下のものが更に好ましく、5μm以下のも が更に好ましく用いられる。これらは適宜 み合わせて使用することも出来る。濾材は ーフェースタイプでもデプスタイプでも用 ることが出来るが、デプスタイプの方が比 的目詰まりしにくく好ましく用いられる。

 別の実施態様では、原料のセルロースエ テルは少なくとも一度溶媒に溶解させる、 たは、溶媒中で懸濁洗浄した後、溶媒を乾 させたセルロースエステルを用いても良い その際には可塑剤、紫外線吸収剤、劣化防 剤、酸化防止剤及びマット剤の少なくとも1 つ以上と共に溶媒に溶解させる、または、溶 媒中で懸濁洗浄した後、乾燥させたセルロー スエステルを用いてもよい。溶媒としては、 メチレンクロライド、酢酸メチル、ジオキソ ラン等の溶液流延法で用いられる良溶媒を用 いてもよく、またメタノール、エタノール、 ブタノール等の貧溶媒を用いてもよく、これ らの混合溶媒でも良い。溶解の過程で-20℃以 下に冷却したり、80℃以上に加熱したりして 良い。このようなセルロースエステルを用 ると、溶融状態にした時の各添加物を均一 しやすく、光学特性を均一にできることが る。

 (添加剤)
 本発明のセルロースアシレートフィルムは 添加剤としては、有機酸と3価以上のアルコ ールが縮合した構造を有するエステル系可塑 剤、多価アルコールと1価のカルボン酸から るエステル系可塑剤、多価カルボン酸と1価 アルコールからなるエステル系可塑剤の少 くとも1種の可塑剤、ヒンダードアミン光安 定剤、イオウ系安定剤から選択される少なく とも1種の安定剤を含んでいることが好まし 、更にこの他に過酸化物分解剤、ラジカル 捉剤、金属不活性化剤、紫外線吸収剤、マ ト剤、染料、顔料、更には前記以外の可塑 、酸化防止剤などを含んでも構わない。

 フィルム組成物の酸化防止、分解して発 した酸の捕捉、光または熱によるラジカル 起因の分解反応を抑制または禁止する等、 明できていない分解反応を含めて、着色や 子量低下に代表される変質や材料の分解に る揮発成分の生成を抑制するために、また 湿性、易滑性といった機能を付与するため 添加剤を用いる。

 一方、フィルム組成物を加熱溶融すると 解反応が著しくなり、この分解反応によっ 着色や分子量低下に由来した該構成材料の 度劣化を伴うことがある。またフィルム組 物の分解反応によって、好ましくない揮発 分の発生も併発することもある。

 フィルム組成物を加熱溶融するとき、上 の添加剤が存在することは、材料の劣化や 解に基づく強度の劣化を抑制すること、ま は材料固有の強度を維持できる観点で優れ おり、本発明のセルロースアシレートフィ ムを製造できる観点から上述の添加剤が存 することが好ましい。

 また、上述の添加剤の存在は加熱溶融時 おいて可視光領域の着色物の生成を抑制す こと、または揮発成分がフィルム中に混入 ることによって生じる透過率やヘイズ値と った光学フィルムとして好ましくない性能 抑制または消滅できる点で優れている。

 本発明において液晶表示画像の表示画像 、本発明の構成で光学フィルムを用いると 1%を超えると影響を与えるため、好ましく ヘイズ値は1%未満、より好ましくは0.5%未満 ある。

 フィルム製造時、リタデーションを付与 る工程において、該フィルム組成物の強度 劣化を抑制すること、または材料固有の強 を維持できることが必要である。フィルム 成物が著しい劣化によって脆くなると、該 伸工程において破断が生じやすくなり、リ デーション値の制御ができなくなることが るためである。

 上述のフィルム組成物の保存或いは製膜 程において、空気中の酸素による劣化反応 併発することがある。この場合、上記添加 の安定化作用とともに、空気中の酸素濃度 低減させることによる劣化防止効果を用い ことも本発明を具現化する上で好ましい。 れは、公知の技術として不活性ガスとして 素やアルゴンの使用、減圧~真空による脱気 操作、及び密閉環境下による操作が挙げられ 、これら3者の内少なくとも1つの方法を上記 加剤と併用することが好ましい。フィルム 成物が空気中の酸素と接触する確率を低減 ることにより、該材料の劣化が抑制でき、 発明の目的のためには好ましい。

 本発明のセルロースアシレートフィルム 偏光板保護フィルムとして活用するため、 発明の偏光板及び偏光板を構成する偏光子 対して経時保存性を向上させる観点から、 ィルム組成物中に上述の添加剤が存在する とが好ましい。

 本発明の偏光板を用いた液晶表示装置は 本発明のセルロースアシレートフィルムに 述の添加剤が存在することにより、上記変 や劣化が抑制されて光学フィルムの経時保 性が向上できるとともに、光学フィルムに 与された光学的な補償設計が長期に亘って 定化し液晶表示装置の表示品質が向上する

 (可塑剤)
 本発明のセルロースアシレートフィルムは 可塑剤として、下記一般式(2)で表される有 酸と3価以上のアルコールが縮合した構造を 有するエステル化合物を、可塑剤として1~25 量%含有することが好ましい。1質量%よりも ないと可塑剤を添加する効果が認められず 25質量%よりも多いとブリードアウトが発生 やすくなり、フィルムの経時安定性が低下 るために好ましくない。より好ましくは上 可塑剤を3~20質量%含有するセルロースアシレ ートフィルムであり、さらに好ましくは5~15 量%含有するセルロースアシレートフィルム ある。

 可塑剤とは、一般的には高分子中に添加 ることによって脆弱性を改良したり、柔軟 を付与したりする効果のある添加剤である 、本発明においては、セルロースエステル 独での溶融温度よりも溶融温度を低下させ ため、また同じ加熱温度においてセルロー 樹脂単独よりも可塑剤を含むフィルム組成 の溶融粘度を低下させるために、可塑剤を 加する。また、セルロースエステルの親水 を改善し、光学フィルムの透湿度改善する めにも添加されるため透湿防止剤としての 能を有する。

 ここで、フィルム組成物の溶融温度とは 該材料が加熱され流動性が発現された状態 温度を意味する。セルロースエステルを溶 流動させるためには、少なくともガラス転 温度よりも高い温度に加熱する必要がある ガラス転移温度以上においては、熱量の吸 により弾性率あるいは粘度が低下し、流動 が発現される。しかしセルロースエステル は高温下では溶融と同時に熱分解によって ルロースエステルの分子量の低下が発生し 得られるフィルムの力学特性等に悪影響を ぼすことがあるため、なるべく低い温度で ルロースエステルを溶融させる必要がある フィルム組成物の溶融温度を低下させるた には、セルロースエステルのガラス転移温 よりも低い融点またはガラス転移温度をも 可塑剤を添加することで達成することがで る。本発明に用いられる、前記一般式(1)で される有機酸と多価アルコールが縮合した 造を有する多価アルコールエステル系可塑 は、セルロースエステルの溶融温度を低下 せ、溶融製膜プロセスや製造後にも揮発性 小さく工程適性が良好であり、かつ得られ セルロースアシレートフィルムの光学特性 寸法安定性・平面性が良好となる点で優れ いる。

 一般式(2)において、R 21 ~R 25 は水素原子またはシクロアルキル基、アラル キル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基 、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、 アシル基、カルボニルオキシ基、オキシカル ボニル基、オキシカルボニルオキシ基を表し 、これらはさらに置換基を有していて良く、 Lは2価の連結基を表し、置換または無置換の ルキレン基、酸素原子、または直接結合を す。

 R 21 ~R 25 で表されるシクロアルキル基としては、同様 に炭素数3~8のシクロアルキル基が好ましく、 具体的にはシクロプロピル、シクロペンチル 、シクロヘキシル等の基である。これらの基 は置換されていてもよく、好ましい置換基と しては、ハロゲン原子、例えば、塩素原子、 臭素原子、フッ素原子等、ヒドロキシル基、 アルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキ シ基、アラルキル基(このフェニル基にはア キル基またはハロゲン原子等によってさら 置換されていてもよい)、ビニル基、アリル 等のアルケニル基、フェニル基(このフェニ ル基にはアルキル基またはハロゲン原子等に よってさらに置換されていてもよい)、フェ キシ基(このフェニル基にはアルキル基また ハロゲン原子等によってさらに置換されて てもよい)、アセチル基、プロピオニル基等 の炭素数2~8のアシル基、またアセチルオキシ 基、プロピオニルオキシ基等の炭素数2~8の無 置換のカルボニルオキシ基等が挙げられる。

 R 21 ~R 25 で表されるアラルキル基としては、ベンジル 基、フェネチル基、γ-フェニルプロピル基等 の基を表し、また、これらの基は置換されて いてもよく、好ましい置換基としては、前記 のシクロアルキル基に置換してもよい基を同 様に挙げることができる。

 R 21 ~R 25 で表されるアルコキシ基としては、炭素数1~8 のアルコキシ基が挙げられ、具体的には、メ トキシ、エトキシ、n-プロポキシ、n-ブトキ 、n-オクチルオキシ、イソプロポキシ、イソ ブトキシ、2-エチルヘキシルオキシ、もしく t-ブトキシ等の各アルコキシ基である。ま 、これらの基は置換されていてもよく、好 しい置換基としては、ハロゲン原子、例え 、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等、ヒ ロキシル基、アルコキシ基、シクロアルコ シ基、アラルキル基(このフェニル基にはア キル基またはハロゲン原子等を置換してい もよい)、アルケニル基、フェニル基(この ェニル基にはアルキル基またはハロゲン原 等によってさらに置換されていてもよい)、 リールオキシ基(例えばフェノキシ基(この ェニル基にはアルキル基またはハロゲン原 等によってさらに置換されていてもよい))、 アセチル基、プロピオニル基等のアシル基が 、またアセチルオキシ基、プロピオニルオキ シ基等の炭素数2~8の無置換のアシルオキシ基 、またベンゾイルオキシ基等のアリールカル ボニルオキシ基が挙げられる。

 R 21 ~R 25 で表されるシクロアルコキシ基としては、無 置換のシクロアルコキシ基としては炭素数1~8 のシクロアルコキシ基基が挙げられ、具体的 には、シクロプロピルオキシ、シクロペンチ ルオキシ、シクロヘキシルオキシ等の基が挙 げられる。また、これらの基は置換されてい てもよく、好ましい置換基としては、前記の シクロアルキル基に置換してもよい基を同様 に挙げることができる。

 R 21 ~R 25 で表されるアリールオキシ基としては、フェ ノキシ基が挙げられるが、このフェニル基に はアルキル基またはハロゲン原子等前記シク ロアルキル基に置換してもよい基として挙げ られた置換基で置換されていてもよい。

 R 21 ~R 25 で表されるアラルキルオキシ基としては、ベ ンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等が挙 げられ、これらの置換基は更に置換されてい てもよく、好ましい置換基としては、前記の シクロアルキル基に置換してもよい基を同様 に挙げることができる。

 R 21 ~R 25 で表されるアシル基としては、アセチル基、 プロピオニル基等の炭素数2~8の無置換のアシ ル基が挙げられ(アシル基の炭化水素基とし は、アルキル、アルケニル、アルキニル基 含む。)、これらの置換基は更に置換されて てもよく、好ましい置換基としては、前記 シクロアルキル基に置換してもよい基を同 に挙げることができる。

 R 21 ~R 25 で表されるカルボニルオキシ基としては、ア セチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等の 炭素数2~8の無置換のアシルオキシ基(アシル の炭化水素基としては、アルキル、アルケ ル、アルキニル基を含む。)、またベンゾイ オキシ基等のアリールカルボニルオキシ基 挙げられるが、これらの基は更に前記シク アルキル基に置換してもよい基と同様の基 より置換されていてもよい。

 R 21 ~R 25 で表されるオキシカルボニル基としては、メ トキシカルボニル基、エトキシカルボニル基 、プロピルオキシカルボニル基等のアルコキ シカルボニル基、またフェノキシカルボニル 基等のアリールオキシカルボニル基を表す。 これらの置換基は更に置換されていてもよく 、好ましい置換基としては、前記のシクロア ルキル基に置換してもよい基を同様に挙げる ことができる。

 また、R 21 ~R 25 で表されるオキシカルボニルオキシ基として は、メトキシカルボニルオキシ基等の炭素数 1~8のアルコキシカルボニルオキシ基を表し、 これらの置換基は更に置換されていてもよく 、好ましい置換基としては、前記のシクロア ルキル基に置換してもよい基を同様に挙げる ことができる。

 なおR 21 ~R 25 のうちのいずれか同士で互いに連結し、環構 造を形成していても良い。

 また、Lで表される連結基としては、置換ま たは無置換のアルキレン基、酸素原子、また は直接結合を表すが、アルキレン基としては 、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等 の基であり、これらの基は、更に前記のR 21 ~R 25 で表される基に置換してもよい基としてあげ られた基で置換されていてもよい。

 中でも、Lで表される連結基として特に好 ましいのは直接結合であり芳香族カルボン酸 である。

 なお本発明においては3価以上のアルコー ルの水酸基を置換する有機酸は単一種であっ ても複数種であってもよい。

 本発明において、前記一般式(2)で表され 有機酸と反応して多価アルコールエステル 合物を形成する3価以上のアルコール化合物 としては、好ましくは3~20価の脂肪族多価ア コールであり、本発明おいて3価以上のアル ールは下記の一般式(3)で表されるものが好 しい。

 一般式(3) R″-(OH)m
 式中、R″はm価の有機基、mは3以上の正の整 数、OH基はアルコール性水酸基を表す。特に ましいのは、mとしては3または4の多価アル ールである。

 好ましい多価アルコールの例としては、 えば以下のようなものを挙げることが出来 が、本発明はこれらに限定されるものでは い。アドニトール、アラビトール、1,2,4-ブ ントリオール、1,2,3-ヘキサントリオール、1 ,2,6-ヘキサントリオール、グリセリン、ジグ セリン、エリスリトール、ペンタエリスリ ール、ジペンタエリスリトール、トリペン エリスリトール、ガラクチトール、グルコ ス、セロビオース、イノシトール、マンニ ール、3-メチルペンタン-1,3,5-トリオール、 ナコール、ソルビトール、トリメチロール ロパン、トリメチロールエタン、キシリト ル等を挙げることが出来る。特に、グリセ ン、トリメチロールエタン、トリメチロー プロパン、ペンタエリスリトールが好まし 。

 一般式(2)で表される有機酸と3価以上の多 価アルコールのエステルは、公知の方法によ り合成できる。前記一般式(2)で表される有機 酸と、多価アルコールを例えば、酸の存在下 縮合させエステル化する方法、また、有機酸 を予め酸クロライド或いは酸無水物としてお き、多価アルコールと反応させる方法、有機 酸のフェニルエステルと多価アルコールを反 応させる方法等があり、目的とするエステル 化合物により、適宜、収率のよい方法を選択 することが好ましい。

 一般式(2)で表される有機酸と3価以上の多 価アルコールのエステルからなる可塑剤とし ては、下記一般式(4)で表される化合物が好ま しい。

 一般式(4)において、R 41 ~R 55 は水素原子またはシクロアルキル基、アラル キル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基 、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、 アシル基、カルボニルオキシ基、オキシカル ボニル基、オキシカルボニルオキシ基を表し 、これらはさらに置換基を有していて良い。 また、R 56 はアルキル基を表す。

 R 41 ~R 55 のシクロアルキル基、アラルキル基、アルコ キシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキ シ基、アラルキルオキシ基、アシル基、カル ボニルオキシ基、オキシカルボニル基、オキ シカルボニルオキシ基については、前記R 21 ~R 25 と同様の基が挙げられる。

 この様にして得られる多価アルコールエ テルの分子量には特に制限はないが、300~150 0であることが好ましく、400~1000であることが 更に好ましい。分子量が大きい方が揮発し難 くなるため好ましく、透湿性、セルロースエ ステルとの相溶性の点では小さい方が好まし い。

 以下に、本発明に係わる多価アルコール ステルの具体的化合物を例示する。

 本発明のセルロースアシレートフィルム 、他の可塑剤と併用してもよい。

 本発明に好ましい可塑剤である前記一般 (2)で表される有機酸と3価以上の多価アルコ ールからなるエステル化合物は、セルロース エステルに対する相溶性が高く、高添加率で 添加することができる特徴があるため、他の 可塑剤や添加剤を併用してもブリードアウト を発生することがなく、必要に応じて他種の 可塑剤や添加剤を容易に併用することができ る。

 なお他の可塑剤を併用する際には、前記 般式(2)で表される可塑剤が、可塑剤全体の なくとも50質量%以上含有されることが好ま い。より好ましくは70%以上、さらに好まし は80%以上含有されることが好ましい。この うな範囲で用いれば、他の可塑剤との併用 よっても、溶融流延時のセルロールエステ フィルムの平面性を向上させることが出来 という、一定の効果を得ることができる。

 好ましい他の可塑剤として下記の可塑剤 挙げられる。

 (多価アルコールと1価のカルボン酸からな エステル系可塑剤、多価カルボン酸と1価の ルコールからなるエステル系可塑剤)
 多価アルコールと1価のカルボン酸からなる エステル系可塑剤、多価カルボン酸と1価の ルコールからなるエステル系可塑剤はセル ースエステルと親和性が高く好ましい。

 多価アルコールエステル系の一つである チレングリコールエステル系の可塑剤:具体 的には、エチレングリコールジアセテート、 エチレングリコールジブチレート等のエチレ ングリコールアルキルエステル系の可塑剤、 エチレングリコールジシクロプロピルカルボ キシレート、エチレングリコールジシクロヘ キルカルボキシレート等のエチレングリコー ルシクロアルキルエステル系の可塑剤、エチ レングリコールジベンゾエート、エチレング リコールジ4-メチルベンゾエート等のエチレ グリコールアリールエステル系の可塑剤が げられる。これらアルキレート基、シクロ ルキレート基、アリレート基は、同一でも っても異なっていてもよく、更に置換され いてもよい。またアルキレート基、シクロ ルキレート基、アリレート基のミックスで よく、またこれら置換基同志が共有結合で 合していてもよい。更にエチレングリコー 部も置換されていてもよく、エチレングリ ールエステルの部分構造が、ポリマーの一 、或いは規則的にペンダントされていても く、また酸化防止剤、酸掃去剤、紫外線吸 剤等の添加剤の分子構造の一部に導入され いてもよい。

 多価アルコールエステル系の一つである リセリンエステル系の可塑剤:具体的にはト リアセチン、トリブチリン、グリセリンジア セテートカプリレート、グリセリンオレート プロピオネート等のグリセリンアルキルエス テル、グリセリントリシクロプロピルカルボ キシレート、グリセリントリシクロヘキシル カルボキシレート等のグリセリンシクロアル キルエステル、グリセリントリベンゾエート 、グリセリン4-メチルベンゾエート等のグリ リンアリールエステル、ジグリセリンテト アセチレート、ジグリセリンテトラプロピ ネート、ジグリセリンアセテートトリカプ レート、ジグリセリンテトララウレート、 のジグリセリンアルキルエステル、ジグリ リンテトラシクロブチルカルボキシレート ジグリセリンテトラシクロペンチルカルボ シレート等のジグリセリンシクロアルキル ステル、ジグリセリンテトラベンゾエート ジグリセリン3-メチルベンゾエート等のジ リセリンアリールエステル等が挙げられる これらアルキレート基、シクロアルキルカ ボキシレート基、アリレート基は同一でも っても異なっていてもよく、更に置換され いてもよい。またアルキレート基、シクロ ルキルカルボキシレート基、アリレート基 ミックスでもよく、またこれら置換基同志 共有結合で結合していてもよい。更にグリ リン、ジグリセリン部も置換されていても く、グリセリンエステル、ジグリセリンエ テルの部分構造がポリマーの一部、或いは 則的にペンダントされていてもよく、また 化防止剤、酸掃去剤、紫外線吸収剤等の添 剤の分子構造の一部に導入されていてもよ 。

 その他の多価アルコールエステル系の可 剤としては、具体的には特開2003-12823号公報 の段落30~33記載の多価アルコールエステル系 塑剤が挙げられる。

 これらアルキレート基、シクロアルキル ルボキシレート基、アリレート基は、同一 もあっても異なっていてもよく、更に置換 れていてもよい。またアルキレート基、シ ロアルキルカルボキシレート基、アリレー 基のミックスでもよく、またこれら置換基 志が共有結合で結合していてもよい。更に 価アルコール部も置換されていてもよく、 価アルコールの部分構造が、ポリマーの一 、或いは規則的にペンダントされていても く、また酸化防止剤、酸掃去剤、紫外線吸 剤等の添加剤の分子構造の一部に導入され いてもよい。

 上記多価アルコールと1価のカルボン酸か らなるエステル系可塑剤の中では、アルキル 多価アルコールアリールエステルが好ましく 、具体的には上記のエチレングリコールジベ ンゾエート、グリセリントリベンゾエート、 ジグリセリンテトラベンゾエート、特開2003-1 2823号公報の段落32記載例示化合物16が挙げら る。

 多価カルボン酸エステル系の一つである カルボン酸エステル系の可塑剤:具体的には 、ジドデシルマロネート(C1)、ジオクチルア ペート(C4)、ジブチルセバケート(C8)等のアル キルジカルボン酸アルキルエステル系の可塑 剤、ジシクロペンチルサクシネート、ジシク ロヘキシルアジーペート等のアルキルジカル ボン酸シクロアルキルエステル系の可塑剤、 ジフェニルサクシネート、ジ4-メチルフェニ グルタレート等のアルキルジカルボン酸ア ールエステル系の可塑剤、ジヘキシル-1,4- クロヘキサンジカルボキシレート、ジデシ ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボキシレ ト等のシクロアルキルジカルボン酸アルキ エステル系の可塑剤、ジシクロヘキシル-1,2- シクロブタンジカルボキシレート、ジシクロ プロピル-1,2-シクロヘキシルジカルボキシレ ト等のシクロアルキルジカルボン酸シクロ ルキルエステル系の可塑剤、ジフェニル-1,1 -シクロプロピルジカルボキシレート、ジ2-ナ フチル-1,4-シクロヘキサンジカルボキシレー 等のシクロアルキルジカルボン酸アリール ステル系の可塑剤、ジエチルフタレート、 メチルフタレート、ジオクチルフタレート ジブチルフタレート、ジ-2-エチルヘキシル タレート等のアリールジカルボン酸アルキ エステル系の可塑剤、ジシクロプロピルフ レート、ジシクロヘキシルフタレート等の リールジカルボン酸シクロアルキルエステ 系の可塑剤、ジフェニルフタレート、ジ4- チルフェニルフタレート等のアリールジカ ボン酸アリールエステル系の可塑剤が挙げ れる。これらアルコキシ基、シクロアルコ シ基は、同一でもあっても異なっていても く、また一置換でもよく、これらの置換基 更に置換されていてもよい。アルキル基、 クロアルキル基はミックスでもよく、また れら置換基同志が共有結合で結合していて よい。更にフタル酸の芳香環も置換されて てよく、ダイマー、トリマー、テトラマー の多量体でもよい。またフタル酸エステル 部分構造が、ポリマーの一部、或いは規則 にポリマーへペンダントされていてもよく 酸化防止剤、酸掃去剤、紫外線吸収剤等の 加剤の分子構造の一部に導入されていても い。

 その他の多価カルボン酸エステル系の可 剤としては、具体的にはトリドデシルトリ ルバレート、トリブチル-meso-ブタン-1,2,3,4- トラカルボキシレート等のアルキル多価カ ボン酸アルキルエステル系の可塑剤、トリ クロヘキシルトリカルバレート、トリシク プロピル-2-ヒドロキシ-1,2,3-プロパントリカ ルボキシレート等のアルキル多価カルボン酸 シクロアルキルエステル系の可塑剤、トリフ ェニル2-ヒドロキシ-1,2,3-プロパントリカルボ キシレート、テトラ3-メチルフェニルテトラ ドロフラン-2,3,4,5-テトラカルボキシレート のアルキル多価カルボン酸アリールエステ 系の可塑剤、テトラヘキシル-1,2,3,4-シクロ タンテトラカルボキシレート、テトラブチ -1,2,3,4-シクロペンタンテトラカルボキシレ ト等のシクロアルキル多価カルボン酸アル ルエステル系の可塑剤、テトラシクロプロ ル-1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボキシレ ト、トリシクロヘキシル-1,3,5-シクロヘキシ ルトリカルボキシレート等のシクロアルキル 多価カルボン酸シクロアルキルエステル系の 可塑剤、トリフェニル-1,3,5-シクロヘキシル リカルボキシレート、ヘキサ4-メチルフェニ ル-1,2,3,4,5,6-シクロヘキシルヘキサカルボキ レート等のシクロアルキル多価カルボン酸 リールエステル系の可塑剤、トリドデシル ンゼン-1,2,4-トリカルボキシレート、テトラ クチルベンゼン-1,2,4,5-テトラカルボキシレ ト等のアリール多価カルボン酸アルキルエ テル系の可塑剤、トリシクロペンチルベン ン-1,3,5-トリカルボキシレート、テトラシク ロヘキシルベンゼン-1,2,3,5-テトラカルボキシ レート等のアリール多価カルボン酸シクロア ルキルエステル系の可塑剤トリフェニルベン ゼン-1,3,5-テトラカルトキシレート、ヘキサ4- メチルフェニルベンゼン-1,2,3,4,5,6-ヘキサカ ボキシレート等のアリール多価カルボン酸 リールエステル系の可塑剤が挙げられる。 れらアルコキシ基、シクロアルコキシ基は 同一でもあっても異なっていてもよく、ま 1置換でもよく、これらの置換基は更に置換 れていてもよい。アルキル基、シクロアル ル基はミックスでもよく、またこれら置換 同志が共有結合で結合していてもよい。更 フタル酸の芳香環も置換されていてよく、 イマー、トリマー、テトラマー等の多量体 もよい。またフタル酸エステルの部分構造 ポリマーの一部、或いは規則的にポリマー ペンダントされていてもよく、酸化防止剤 酸掃去剤、紫外線吸収剤等の添加剤の分子 造の一部に導入されていてもよい。

 上記多価カルボン酸と1価のアルコールか らなるエステル系可塑剤の中では、ジアルキ ルカルボン酸アルキルエステルが好ましく、 具体的には上記のジオクチルアジペート、ト リデシルトリカルバレートが挙げられる。

 (その他の可塑剤)
 本発明に用いられるその他の可塑剤として 、更にリン酸エステル系可塑剤、炭水化物 ステル系可塑剤、ポリマー可塑剤等が挙げ れる。

 リン酸エステル系の可塑剤:具体的には、 トリアセチルホスフェート、トリブチルホス フェート等のリン酸アルキルエステル、トリ シクロベンチルホスフェート、シクロヘキシ ルホスフェート等のリン酸シクロアルキルエ ステル、トリフェニルホスフェート、トリク レジルホスフェート、クレジルフェニルホス フェート、オクチルジフェニルホスフェート 、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリ オクチルホスフェート、トリブチルホスフェ ート、トリナフチルホスフェート、トリキシ リルオスフェート、トリスオルト-ビフェニ ホスフェート等のリン酸アリールエステル 挙げられる。これらの置換基は同一でもあ ても異なっていてもよく、更に置換されて てもよい。またアルキル基、シクロアルキ 基、アリール基のミックスでもよく、また 換基同志が共有結合で結合していてもよい

 またエチレンビス(ジメチルホスフェート )、ブチレンビス(ジエチルホスフェート)等の アルキレンビス(ジアルキルホスフェート)、 チレンビス(ジフェニルホスフェート)、プ ピレンビス(ジナフチルホスフェート)等のア ルキレンビス(ジアリールホスフェート)、フ ニレンビス(ジブチルホスフェート)、ビフ ニレンビス(ジオクチルホスフェート)等のア リーレンビス(ジアルキルホスフェート)、フ ニレンビス(ジフェニルホスフェート)、ナ チレンビス(ジトルイルホスフェート)等のア リーレンビス(ジアリールホスフェート)等の ン酸エステルが挙げられる。これらの置換 は同一でもあっても異なっていてもよく、 に置換されていてもよい。またアルキル基 シクロアルキル基、アリール基のミックス もよく、また置換基同志が共有結合で結合 ていてもよい。

 更にリン酸エステルの部分構造が、ポリ ーの一部、或いは規則的にペンダントされ いてもよく、また酸化防止剤、酸掃去剤、 外線吸収剤等の添加剤の分子構造の一部に 入されていてもよい。上記化合物の中では リン酸アリールエステル、アリーレンビス( ジアリールホスフェート)が好ましく、具体 にはトリフェニルホスフェート、フェニレ ビス(ジフェニルホスフェート)が好ましい。

 次に、炭水化物エステル系可塑剤につい 説明する。炭水化物とは、糖類がピラノー 又はフラノース(6員環又は5員環)の形態で存 在する単糖類、二糖類又は三糖類を意味する 。炭水化物の非限定的例としては、グルコー ス、サッカロース、ラクトース、セロビオー ス、マンノース、キシロース、リボース、ガ ラクトース、アラビノース、フルクトース、 ソルボース、セロトリオース及びラフィノー スなどが挙げられる。炭水化物エステルとは 、炭水化物の水酸基とカルボン酸が脱水縮合 してエステル化合物を形成したものを指し、 詳しくは、炭水化物の脂肪族カルボン酸エス テル、或いは芳香族カルボン酸エステルを意 味する。脂肪族カルボン酸として、例えば酢 酸、プロピオン酸等を挙げることができ、芳 香族カルボン酸として、例えば安息香酸、ト ルイル酸、アニス酸等を挙げることができる 。炭水化物は、その種類に応じた水酸基の数 を有するが、水酸基の一部とカルボン酸が反 応してエステル化合物を形成しても、水酸基 の全部とカルボン酸が反応してエステル化合 物を形成してもよい。本発明においては、水 酸基の全部とカルボン酸が反応してエステル 化合物を形成するのが好ましい。

 炭水化物エステル系可塑剤として、具体 には、グルコースペンタアセテート、グル ースペンタプロピオネート、グルコースペ タブチレート、サッカロースオクタアセテ ト、サッカロースオクタベンゾエート等を ましく挙げることができ、この内、サッカ ースオクタアセテートがより好ましい。

 ポリマー可塑剤:具体的には、脂肪族炭化 水素系ポリマー、脂環式炭化水素系ポリマー 、ポリアクリル酸エチル、ポリメタクリル酸 メチル、メタクリル酸メチルとメタクリル酸 -2-ヒドロキシエチルとの共重合体(例えば、 重合比1:99~99:1の間の任意の比率)等のアクリ 系ポリマー、ポリビニルイソブチルエーテ 、ポリN-ビニルピロリドン等のビニル系ポ マー、ポリスチレン、ポリ4-ヒドロキシスチ レン等のスチレン系ポリマー、ポリブチレン サクシネート、ポリエチレンテレフタレート 、ポリエチレンナフタレート等のポリエステ ル、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレン オキシド等のポリエーテル、ポリアミド、ポ リウレタン、ポリウレア等が挙げられる。数 平均分子量は1,000~500,000程度が好ましく、特 好ましくは、5000~200000である。1000以下では 発性に問題が生じ、500000を超えると可塑化 力が低下し、セルロースエステルフィルム 機械的性質に悪影響を及ぼす。これらポリ ー可塑剤は1種の繰り返し単位からなる単独 合体でも、複数の繰り返し構造体を有する 重合体でもよい。また、上記ポリマーを2種 以上併用して用いてもよい。

 可塑剤は、前述のセルロースエステル同 に、製造時から持ち越される、或いは保存 に発生する残留酸、無機塩、有機低分子等 不純物を除去する事が好ましく、より好ま くは純度99%以上である。残留酸、及び水と ては、0.01~100ppmであることが好ましく、セ ロース樹脂を溶融製膜する上で、熱劣化を 制でき、製膜安定性、フィルムの光学物性 機械物性が向上する。

 (併用使用する酸化防止剤)
 セルロースエステルは、溶融製膜が行われ ような高温環境下では熱だけでなく酸素に っても分解が促進されるため、本発明のセ ロースアシレートフィルムにおいては安定 剤として酸化防止剤を本発明で必須に含有 る化合物と併用して使用することも好まし 。

 本発明において有用な酸化防止剤として 、酸素による溶融成形材料の劣化を抑制す 化合物であれば制限なく用いることができ が、中でも有用な酸化防止剤としては、ヒ ダードアミン系化合物、イオウ系化合物、 熱加工安定剤、酸素スカベンジャー等が挙 られ、これらの中でも、特にヒンダードア ン系化合物、ラクトン系化合物が好ましい

 ヒンダードアミン化合物(HALS)としては、 えば、米国特許第4,619,956号明細書の第5~11欄 及び米国特許第4,839,405号明細書の第3~5欄に記 載されているように、2,2,6,6-テトラアルキル ペリジン化合物、またはそれらの酸付加塩 しくはそれらと金属化合物との錯体が好ま い。市販品としては、LA52(旭電化社製)を挙 ることができる。

 ラクトン系化合物としては、特開平7-23316 0号、特開平7-247278号記載の化合物が好ましく 、下記、一般式(5)で表されるラクトン系化合 物を含有することが特に好ましい。

 式中、R 62 ~R 66 はおのおの互いに独立して水素原子または置 換基を表し、R 62 ~R 66 で表される置換基は、例えば、アルキル基( えば、メチル基、エチル基、プロピル基、 ソプロピル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘ キシル基、オクチル基、ドデシル基、トリフ ルオロメチル基等)、シクロアルキル基(例え 、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等) 、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチ 基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルア ミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、アルキル オ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基 )、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ 、ナフチルチオ基等)、アルケニル基(例えば 、ビニル基、2-プロペニル基、3-ブテニル基 1-メチル-3-プロペニル基、3-ペンテニル基、1 -メチル-3-ブテニル基、4-ヘキセニル基、シク ロヘキセニル基等)、ハロゲン原子(例えば、 ッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子 )、アルキニル基(例えば、プロパルギル基 )、複素環基(例えば、ピリジル基、チアゾリ ル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基等) アルキルスルホニル基(例えば、メチルスル ニル基、エチルスルホニル基等)、アリール スルホニル基(例えば、フェニルスルホニル 、ナフチルスルホニル基等)、アルキルスル ィニル基(例えば、メチルスルフィニル基等 )、アリールスルフィニル基(例えば、フェニ スルフィニル基等)、ホスホノ基、アシル基 (例えば、アセチル基、ピバロイル基、ベン イル基等)、カルバモイル基(例えば、アミノ カルボニル基、メチルアミノカルボニル基、 ジメチルアミノカルボニル基、ブチルアミノ カルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボ ニル基、フェニルアミノカルボニル基、2-ピ ジルアミノカルボニル基等)、スルファモイ ル基(例えば、アミノスルホニル基、メチル ミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホ ル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシ アミノスルホニル基、シクロヘキシルアミ スルホニル基、オクチルアミノスルホニル 、ドデシルアミノスルホニル基、フェニル ミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホ ル基、2-ピリジルアミノスルホニル基等)、 ルホンアミド基(例えば、メタンスルホンア ド基、ベンゼンスルホンアミド基等)、シア ノ基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、 トキシ基、プロポキシ基等)、アリールオキ 基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ 基等)、複素環オキシ基、シロキシ基、アシ オキシ基(例えば、アセチルオキシ基、ベン イルオキシ基等)、スルホン酸基、スルホン 酸の塩、アミノカルボニルオキシ基、アミノ 基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジ チルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペ チルアミノ基、2-エチルヘキシルアミノ基、 ドデシルアミノ基等)、アニリノ基(例えば、 ェニルアミノ基、クロロフェニルアミノ基 トルイジノ基、アニシジノ基、ナフチルア ノ基、2-ピリジルアミノ基等)、イミド基、 レイド基(例えば、メチルウレイド基、エチ ルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロ ヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、 ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、 ナフチルウレイド基、2-ピリジルアミノウレ ド基等)、アルコキシカルボニルアミノ基( えば、メトキシカルボニルアミノ基、フェ キシカルボニルアミノ基等)、アルコキシカ ボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、 エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニ ル等)、アリールオキシカルボニル基(例えば フェノキシカルボニル基等)、複素環チオ基 、チオウレイド基、カルボキシル基、カルボ ン酸の塩、ヒドロキシル基、メルカプト基、 ニトロ基等の各基が挙げられる。これらの置 換基は同様の置換基によって更に置換されて いてもよい。

 前記一般式(5)において、nは1または2を表 。

 前記一般式(5)において、nが1であるとき、R 61 は置換基を表し、nが2であるとき、R 61 は2価の連結基を表す。R 61 が置換基を表すとき、置換基としては、前記 一般式(5)のR 62 ~R 66 が表す置換基と同様な基を挙げることができ る。R 61 は2価の連結基を表すとき、2価の連結基とし 例えば、置換基を有しても良いアルキレン 、置換基を有しても良いアリーレン基、酸 原子、窒素原子、硫黄原子、或いはこれら 連結基の組み合わせを挙げることができる 前記一般式(5)において、nは1が好ましい。

 次に、本発明における前記一般式(5)で表 れる化合物の具体例を示すが、本発明は以 の具体例によって限定されるものではない

 これらの安定剤は、それぞれ1種或いは2 以上組み合わせて用いることができ、その 合量は本発明の目的を損なわない範囲で適 選択されるが、セルロースエステル100質量 に対して、通常0.001~10.0質量部、好ましくは0 .01~5.0質量部、更に好ましくは、0.1~3.0質量部 ある。

 これらの化合物を配合することにより、 明性、耐熱性等を低下させることなく、溶 成型時の熱や熱酸化劣化等による成形体の 色や強度低下を防止できる。

 酸化防止剤の添加量は、セルロースエス ル100質量部に対して、通常0.01~10質量部、好 ましくは0.05~5質量部、更に好ましくは0.1~3質 部である。

 (酸掃去剤)
 酸掃去剤とは製造時から持ち込まれるセル ースエステル中に残留する酸(プロトン酸) トラップする役割を担う剤である。また、 ルロースエステルを溶融するとポリマー中 水分と熱により側鎖の加水分解が促進し、CA Pならば酢酸やプロピオン酸が生成する。酸 化学的に結合できればよく、エポキシ、3級 ミン、エーテル構造等を有する化合物が挙 られるが、これに限定されるものでない。

 具体的には、米国特許第4,137,201号明細書 記載されている酸掃去剤としてのエポキシ 合物を含んでなるのが好ましい。このよう 酸掃去剤としてのエポキシ化合物は当該技 分野において既知であり、種々のポリグリ ールのジグリシジルエーテル、特にポリグ コール1モル当たりに約8~40モルのエチレン キシドなどの縮合によって誘導されるポリ リコール、グリセロールのジグリシジルエ テルなど、金属エポキシ化合物(例えば、塩 ビニルポリマー組成物において、及び塩化 ニルポリマー組成物と共に、従来から利用 れているもの)、エポキシ化エーテル縮合生 成物、ビスフェノールAのジグリシジルエー ル(即ち、4,4″-ジヒドロキシジフェニルジメ チルメタン)、エポキシ化不飽和脂肪酸エス ル(特に、2~22この炭素原子の脂肪酸の4~2個程 度の炭素原子のアルキルのエステル(例えば ブチルエポキシステアレート)など)、及び種 々のエポキシ化長鎖脂肪酸トリグリセリドな ど(例えば、エポキシ化大豆油などの組成物 よって代表され、例示され得る、エポキシ 植物油及び他の不飽和天然油(これらは時と てエポキシ化天然グリセリドまたは不飽和 肪酸と称され、これらの脂肪酸は一般に12~2 2個の炭素原子を含有している))が含まれる。 特に好ましいのは、市販のエポキシ基含有エ ポキシド樹脂化合物 EPON 815c、及び一般式(6) の他のエポキシ化エーテルオリゴマー縮合生 成物である。

 上式中、nは0~12に等しい。用いることが きる更に可能な酸掃去剤としては、特開平5- 194788号公報の段落87~105に記載されているもの が含まれる。

 酸掃去剤は、前述のセルロース樹脂同様 、製造時から持ち越される、或いは保存中 発生する残留酸、無機塩、有機低分子等の 純物を除去する事が好ましく、より好まし は純度99%以上である。残留酸、及び水とし は、0.01~100ppmであることが好ましく、セル ース樹脂を溶融製膜する上で、熱劣化を抑 でき、製膜安定性、フィルムの光学物性、 械物性が向上する。

 なお酸掃去剤は酸捕捉剤、酸捕獲剤、酸 ャッチャー等と称されることもあるが、本 明においてはこれらの呼称による差異なく いることができる。

 (紫外線吸収剤)
 紫外線吸収剤としては、偏光子や表示装置 紫外線に対する劣化防止の観点から、波長3 70nm以下の紫外線の吸収能に優れており、且 液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視 光の吸収が少ないものが好ましい。

 例えば、サリチル酸系紫外線吸収剤(フェ ニルサリシレート、p-tert-ブチルサリシレー 等)あるいはベンゾフェノン系紫外線吸収剤( 2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2″-ジヒ ロキシ-4,4″-ジメトキシベンゾフェノン等) ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(2-(2″- ドロキシ-3″-tert-ブチル-5″-メチルフェニ )-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2″-ヒド キシ-3″,5″-ジ-tert-ブチルフェニル)-5-クロ ベンゾトリアゾール、2-(2″-ヒドロキシ-3″, 5″-ジ-tert-アミルフェニル)ベンゾトリアゾー ル、2-(2″-ヒドロキシ-3″-ドデシル-5″-メチ フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2″-ヒド キシ-3″-tert-ブチル-5″-(2-オクチルオキシ ルボニルエチル)-フェニル)-5-クロロベンゾ リアゾール、2-(2″-ヒドロキシ-3″-(1-メチル -1-フェニルエチル)-5″-(1,1,3,3,-テトラメチル チル)-フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2″ -ヒドロキシ-3″,5″-ジ-(1-メチル-1-フェニル チル)-フェニル)ベンゾトリアゾール等)、シ ノアクリレート系紫外線吸収剤(2″-エチル キシル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレー 、エチル-2-シアノ-3-(3″,4″-メチレンジオキ シフェニル)-アクリレート等)、トリアジン系 紫外線吸収剤、あるいは特開昭58-185677号、同 59-149350号記載の化合物、ニッケル錯塩系化合 物、無機粉体等が挙げられる。

 本発明に係る紫外線吸収剤としては、透 性が高く、偏光板や液晶素子の劣化を防ぐ 果に優れたベンゾトリアゾール系紫外線吸 剤やトリアジン系紫外線吸収剤が好ましく 分光吸収スペクトルがより適切なベンゾト アゾール系紫外線吸収剤が特に好ましい。

 本発明に係る紫外線吸収剤と共に特に好 しく用いられる従来公知のベンゾトリアゾ ル系紫外線吸収剤は、ビス化したものであ てもよく、例えば、6,6″-メチレンビス(2-(2H -ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-2-イル))-4-(2,4,4,- トリメチルペンタン-2-イル)フェノール、6,6 -メチレンビス(2-(2H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾ ル-2-イル))-4-(2-ヒドロキシエチル)フェノー 等が挙げられる。

 また、本発明においては、従来公知の紫 線吸収性ポリマーと組み合わせて用いるこ もできる。従来公知の紫外線吸収性ポリマ としては、特に限定されないが、例えば、R UVA-93(大塚化学社製)を単独重合させたポリマ 及びRUVA-93と他のモノマーとを共重合させた ポリマー等が挙げられる。具体的には、RUVA-9 3とメチルメタクリレートを3:7の比(質量比)で 共重合させたPUVA-30M、5:5の比(質量比)で共重 させたPUVA-50M等が挙げられる。更に、特開200 3-113317号公報に記載のポリマー等が挙げられ 。

 また、市販品として、チヌビン(TINUVIN)109 チヌビン(TINUVIN)171、チヌビン(TINUVIN)360、チ ビン(TINUVIN)900、チヌビン(TINUVIN)928(いずれも チバ-スペシャルティ-ケミカルズ社製)、LA-31( 旭電化社製)、RUVA-100(大塚化学社製)を用いる ともできる。

 ベンゾフェノン系化合物の具体例として 2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2″-ジ ドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒド ロキシ-4-メトキシ-5-スルホベンゾフェノン、 ビス(2-メトキシ-4-ヒドロキシ-5-ベンゾイルフ ェニルメタン)等を挙げることができるが、 れらに限定されるものではない。

 本発明においては、紫外線吸収剤は0.1~20 量%添加することが好ましく、更に0.5~10質量 %添加することが好ましく、更に1~5質量%添加 ることが好ましい。これらは2種以上を併用 してもよい。

 (粘度低下剤)
 本発明において、溶融粘度を低減する目的 して、水素結合性溶媒を添加する事ができ 。水素結合性溶媒とは、J.N.イスラエルアチ ビリ著、「分子間力と表面力」(近藤保、大 広行訳、マグロウヒル出版、1991年)に記載さ れるように、電気的に陰性な原子(酸素、窒 、フッ素、塩素)と電気的に陰性な原子と共 結合した水素原子間に生ずる、水素原子媒 「結合」を生ずることができるような有機 媒、すなわち、結合モーメントが大きく、 つ水素を含む結合、例えば、O-H(酸素水素結 合)、N-H(窒素水素結合)、F-H(フッ素水素結合) 含むことで近接した分子同士が配列できる うな有機溶媒をいう。これらは、セルロー 樹脂の分子間水素結合よりもセルロースと 間で強い水素結合を形成する能力を有する ので、本発明で行う溶融流延法においては 用いるセルロース樹脂単独のガラス転移温 よりも、水素結合性溶媒の添加によりセル ース樹脂組成物の溶融温度を低下する事が きる、または同じ溶融温度においてセルロ ス樹脂よりも水素結合性溶媒を含むセルロ ス樹脂組成物の溶融粘度を低下する事がで る。

 水素結合性溶媒としては、例えば、アル ール類:例えば、メタノール、エタノール、 プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノ ル、sec-ブタノール、t-ブタノール、2-エチ ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノー 、ノナノール、ドデカノール、エチレング コール、プロピレングリコール、ヘキシレ グリコール、ジプロピレングリコール、ポ エチレングリコール、ポリプロピレングリ ール、メチルセロソルブ、エチルセロソル 、ブチルセロソルブ、ヘキシルセロソルブ グリセリン等、ケトン類:アセトン、メチル チルケトン等、カルボン酸類:例えば蟻酸、 酢酸、プロピオン酸、酪酸等、エーテル類: えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフ ン、ジオキサン等、ピロリドン類:例えば、N -メチルピロリドン等、アミン類:例えば、ト メチルアミン、ピリジン等、等を例示する とができる。これら水素結合性溶媒は、単 で、又は2種以上混合して用いることができ る。これらのうちでも、アルコール、ケトン 、エーテル類が好ましく、特にメタノール、 エタノール、プロパノール、イソプロパノー ル、オクタノール、ドデカノール、エチレン グリコール、グリセリン、アセトン、テトラ ヒドロフランが好ましい。さらに、メタノー ル、エタノール、プロパノール、イソプロパ ノール、エチレングリコール、グリセリン、 アセトン、テトラヒドロフランのような水溶 性溶媒が特に好ましい。ここで水溶性とは、 水100gに対する溶解度が10g以上のものをいう

 (リタデーション制御剤)
 本発明のセルロースアシレートフィルムに いて配向膜を形成して液晶層を設け、セル ースアシレートフィルムと液晶層由来のリ デーションを複合化して光学補償能を付与 た偏光板加工を行ってもよい。リタデーシ ンを制御するために添加する化合物は、欧 特許第911,656A2号明細書に記載されているよ な、二つ以上の芳香族環を有する芳香族化 物をリタデーション制御剤として使用する ともできる。また2種類以上の芳香族化合物 を併用してもよい。該芳香族化合物の芳香族 環には、芳香族炭化水素環に加えて、芳香族 性ヘテロ環を含む。芳香族性ヘテロ環である ことが特に好ましく、芳香族性ヘテロ環は一 般に不飽和ヘテロ環である。中でも1,3,5-トリ アジン環を有する化合物が特に好ましい。

 (マット剤)
 本発明のセルロースアシレートフィルムに 、滑り性を付与するためにマット剤等の微 子を添加することができ、微粒子としては 無機化合物の微粒子または有機化合物の微 子が挙げられる。マット剤はできるだけ微 子のものが好ましく、微粒子としては、例 ば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化ア ミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシ ム、カオリン、タルク、焼成ケイ酸カルシ ム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミ ウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシ ム等の無機微粒子や架橋高分子微粒子を挙 ることができる。中でも、二酸化ケイ素が ィルムのヘイズを低くできるので好ましい 二酸化ケイ素のような微粒子は有機物によ 表面処理されている場合が多いが、このよ なものはフィルムのヘイズを低下できるた 好ましい。

 表面処理で好ましい有機物としては、ハ シラン類、アルコキシシラン類、シラザン シロキサンなどが挙げられる。微粒子の平 粒径が大きい方が滑り性効果は大きく、反 に平均粒径の小さい方は透明性に優れる。 た、微粒子の二次粒子の平均粒径は0.05~1.0μ mの範囲である。好ましい微粒子の二次粒子 平均粒径は5~50nmが好ましく、更に好ましく 7~14nmである。これらの微粒子はセルロース シレートフィルム中では、セルロースアシ ートフィルム表面に0.01~1.0μmの凹凸を生成さ せる為に好ましく用いられる。微粒子のセル ロースエステル中の含有量はセルロースエス テルに対して0.005~0.3質量%が好ましい。

 二酸化ケイ素の微粒子としては、日本ア ロジル(株)製のアエロジル(AEROSIL)200、200V、3 00、R972、R972V、R974、R202、R812、OX50、TT600等を げることができ、好ましくはアエロジル200V 、R972、R972V、R974、R202、R812である。これらの 微粒子は2種以上併用してもよい。2種以上併 する場合、任意の割合で混合して使用する とができる。この場合、平均粒径や材質の なる微粒子、例えば、アエロジル200VとR972V 質量比で0.1:99.9~99.9:0.1の範囲で使用できる

 上記マット剤として用いられるフィルム の微粒子の存在は、別の目的としてフィル の強度向上のために用いることもできる。 た、フィルム中の上記微粒子の存在は、本 明のセルロースアシレートフィルムを構成 るセルロースエステル自身の配向性を向上 ることも可能である。

 (高分子材料)
 本発明のセルロースアシレートフィルムは ルロースエステル以外の高分子材料やオリ マーを適宜選択して混合してもよい。前述 高分子材料やオリゴマーはセルロースエス ルと相溶性に優れるものが好ましく、フィ ムにしたときの透過率が80%以上、更に好ま くは90%以上、更に好ましくは92%以上である とが好ましい。セルロースエステル以外の 分子材料やオリゴマーの少なくとも1種以上 を混合する目的は、加熱溶融時の粘度制御や フィルム加工後のフィルム物性を向上するた めに行う意味を含んでいる。この場合は、上 述のその他添加剤として含むことができる。

 (溶融流延法)
 フィルム構成材料は溶融及び製膜工程にお て、揮発成分が少ないまたは発生しないこ が求められる。これは加熱溶融時に発泡し 、フィルム内部の欠陥やフィルム表面の平 性劣化を削減または回避するためである。

 フィルム構成材料が溶融されるときの揮 成分の含有量は、1質量%以下、好ましくは0. 5質量%以下、さらに好ましくは0.2質量%以下、 さらにより好ましくは0.1質量%以下であるこ が望まれる。本発明においては、示差熱質 測定装置(セイコー電子工業社製TG/DTA200)を用 いて、30℃から250℃までの加熱減量を求め、 の量を揮発成分の含有量としている。

 用いるフィルム構成材料は、前記水分や 記溶媒等に代表される揮発成分を、製膜す 前に、または加熱時に除去することが好ま い。除去する方法は、所謂公知の乾燥方法 適用でき、加熱法、減圧法、加熱減圧法等 方法で行なうことができ、空気中または不 性ガスとして窒素を選択した雰囲気下で行 ってもよい。これらの公知の乾燥方法を行 うとき、フィルム構成材料が分解しない温 領域で行なうことがフィルムの品質上好ま い。

 製膜前に乾燥することにより、揮発成分 発生を削減することができ、樹脂単独、ま は樹脂とフィルム構成材料の内、樹脂以外 少なくとも1種以上の混合物または相溶物に 分割して乾燥することもできる。乾燥温度は 100℃以上が好ましい。乾燥する材料にガラス 転移温度を有する物が存在するときには、そ のガラス転移温度よりも高い乾燥温度に加熱 すると、材料が融着して取り扱いが困難にな ることがあるので、乾燥温度は、ガラス転移 温度以下であることが好ましい。複数の物質 がガラス転移温度を有する場合は、ガラス転 移温度が低い方のガラス転移温度を基準とす る。より好ましくは100℃以上、(ガラス転移 度-5)℃以下、さらに好ましくは110℃以上、( ラス転移温度-20)℃以下である。乾燥時間は 、好ましくは0.5~24時間、より好ましくは1~18 間、さらに好ましくは1.5~12時間である。乾 温度が低くなりすぎると揮発成分の除去率 低くなり、また乾燥するのに時間にかかり ぎることになる。また、乾燥工程は2段階以 にわけてもよく、例えば、乾燥工程が、材 の保管のための予備乾燥工程と、製膜する 前~1週間前の間に行なう直前乾燥工程を含 ものであってもよい。

 溶融流延成膜法は、加熱溶融する成形法 分類され、溶融押出し成形法、プレス成形 、インフレーション法、射出成形法、ブロ 成形法、延伸成形法などを適用できる。こ らの中で、機械的強度及び表面精度などに れる光学フィルムを得るためには、溶融押 し法が優れている。以下、溶融押出し法を にとり本発明のフィルムの製造方法につい 説明する。

 図1は、本発明のセルロースアシレートフ ィルムの製造方法を実施する装置の全体構成 を示す概略フローシートであり、図2は、流 ダイから冷却ロール部分の拡大図である。

 図1と図2において、本発明によるセルロ スアシレートフィルムの製造方法は、セル ースアシレート樹脂などの材料を混合した 、押出し機1を用いて、流延ダイ4から第1冷 ロール5上に溶融押し出し、第1冷却ロール5 外接させるとともに、さらに、第2冷却ロー 7、第3冷却ロール8の合計3本の冷却ロールに 順に外接させて、冷却固化してフィルム10と る。ついで、剥離ロール9によって剥離した フィルム10を、延伸装置12によりフィルムの 端部を把持して幅方向に延伸した後、巻取 装置16により巻き取る。また、溶融フィルム を第1冷却ロール5表面に挟圧するタッチロー 6が設けられている。このタッチロール6は 面が弾性を有し、第1冷却ロール5との間でニ ップを形成している。タッチロール6につい の詳細は後述する。

 本発明によるセルロースアシレートフィ ムの製造方法において、溶融押し出しの条 は、他のポリエステルなどの熱可塑性樹脂 用いられる条件と同様にして行なうことが きる。材料は予め乾燥させておくことが好 しい。真空または減圧乾燥機や除湿熱風乾 機などで水分を1000ppm以下、好ましくは200ppm 以下に乾燥させることが望ましい。

 例えば、熱風や真空または減圧下で乾燥 たセルロースエステル系樹脂を押出し機1を 用いて、押し出し温度200~300℃程度で溶融し リーフディスクタイプのフィルター2などで 過し、異物を除去する。

 供給ホッパー(図示略)から押出し機1へ導 する際は、真空下または減圧下や不活性ガ 雰囲気下にして、酸化分解等を防止するこ が好ましい。

 可塑剤などの添加剤を予め混合しない場 は、押出し機の途中で練り込んでもよい。 一に添加するために、スタチックミキサー3 などの混合装置を用いることが好ましい。

 本発明において、セルロース樹脂と、そ 他必要により添加される安定化剤等の添加 は、溶融する前に混合しておくことが好ま い。セルロース樹脂と安定化剤を最初に混 することがさらに好ましい。混合は、混合 等により行なってもよく、また、前記した うにセルロース樹脂調製過程において混合 てもよい。混合機を使用する場合は、V型混 合機、円錐スクリュー型混合機、水平円筒型 混合機等、ヘンシェルミキサー、リボンミキ サー一般的な混合機を用いることができる。

 上記のようにフィルム構成材料を混合し 後に、その混合物を押出し機1を用いて直接 溶融して製膜するようにしてもよいが、一旦 、フィルム構成材料をペレット化した後、該 ペレットを押出し機1で溶融して製膜するよ にしてもよい。また、フィルム構成材料が 融点の異なる複数の材料を含む場合には、 点の低い材料のみが溶融する温度で一旦、 わゆるおこし状の半溶融物を作製し、半溶 物を押出し機1に投入して製膜することも可 である。フィルム構成材料に熱分解しやす 材料が含まれる場合には、溶融回数を減ら 目的で、ペレットを作製せずに直接製膜す 方法や、上記のようなおこし状の半溶融物 作ってから製膜する方法が好ましい。

 押出し機1は、市場で入手可能な種々の押 出し機を使用可能であるが、溶融混練押出し 機が好ましく、単軸押出し機でも2軸押出し でも良い。フィルム構成材料からペレット 作製せずに、直接製膜を行なう場合、適当 混練度が必要であるため2軸押出し機を用い ことが好ましいが、単軸押出し機でも、ス リューの形状をマドック型、ユニメルト型 ダルメージ等の混練型のスクリューに変更 ることにより、適度の混練が得られるので 使用可能である。フィルム構成材料として 一旦、ペレットやおこし状の半溶融物を使 する場合は、単軸押出し機でも2軸押出し機 でも使用可能である。

 押出し機1内および押出した後の冷却工程 は、窒素ガス等の不活性ガスで置換するか、 あるいは減圧することにより、酸素の濃度を 下げることが好ましい。

 押出し機1内のフィルム構成材料の溶融温 度は、フィルム構成材料の粘度や吐出量、製 造するシートの厚み等によって好ましい条件 が異なるが、一般的には、フィルムのガラス 転移温度Tgに対して、Tg以上、Tg+100℃以下、 ましくはTg+10℃以上、Tg+90℃以下である。押 し時の溶融粘度は、1~10000Pa・s、好ましくは 10~1000Pa・sである。また、押出し機1内でのフ ルム構成材料の滞留時間は短い方が好まし 、5分以内、好ましくは3分以内、より好ま くは2分以内である。滞留時間は、押出し機1 の種類、押出す条件にも左右されるが、材料 の供給量やL/D、スクリュー回転数、スクリュ ーの溝の深さ等を調整することにより短縮す ることが可能である。

 押出し機1のスクリューの形状や回転数等 は、フィルム構成材料の粘度や吐出量等によ り適宜選択される。本発明において押出し機 1でのせん断速度は、1/秒~10000/秒、好ましく 5/秒~1000/秒、より好ましくは10/秒~100/秒であ 。

 本発明に使用できる押出し機1としては、 一般的にプラスチック成形機として入手可能 である。

 押出し機1から押し出されたフィルム構成 材料は、流延ダイ4に送られ、流延ダイ4のス ットからフィルム状に押し出される。流延 イ4はシートやフィルムを製造するために用 いられるものであれば特に限定はされない。 流延ダイ4の材質としては、ハードクロム、 化クロム、窒化クロム、炭化チタン、炭窒 チタン、窒化チタン、超鋼、セラミック(タ グステンカーバイド、酸化アルミ、酸化ク ム)などを溶射もしくはメッキし、表面加工 としてバフ、#1000番手以降の砥石を用いるラ ピング、#1000番手以上のダイヤモンド砥石 用いる平面切削(切削方向は樹脂の流れ方向 垂直な方向)、電解研磨、電解複合研磨など の加工を施したものなどがあげられる。流延 ダイ4のリップ部の好ましい材質は、流延ダ 4と同様である。またリップ部の表面精度は0 .5S以下が好ましく、0.2S以下がより好ましい

 この流延ダイ4のスリットは、そのギャッ プが調整可能なように構成されている。これ を図3に示す。流延ダイ4のスリット32を形成 る一対のリップのうち、一方は剛性の低い 形しやすいフレキシブルリップ33であり、他 方は固定リップ34である。そして、多数のヒ トボルト35が流延ダイ4の幅方向すなわちス ット32の長さ方向に一定ピッチで配列され いる。各ヒートボルト35には、埋め込み電気 ヒータ37と冷却媒体通路とを具えたブロック3 6が設けられ、各ヒートボルト35が各ブロック 36を縦に貫通している。ヒートボルト35の基 はダイ本体31に固定され、先端はフレキシブ ルリップ33の外面に当接している。そしてブ ック36を常時空冷しながら、埋め込み電気 ータ37の入力を増減してブロック36の温度を 下させ、これによりヒートボルト35を熱伸 させて、フレキシブルリップ33を変位させて フィルムの厚さを調整する。ダイ後流の所要 箇所に厚さ計を設け、これによって検出され たウェブ厚さ情報を制御装置にフィードバッ クし、この厚さ情報を制御装置で設定厚み情 報と比較し、同装置から来る補正制御量の信 号によってヒートボルトの発熱体の電力又は オン率を制御するようにすることもできる。 ヒートボルトは、好ましくは、長さ20~40cm、 径7~14mmを有し、複数、例えば数十本のヒー ボルトが、好ましくはピッチ20~40mmで配列さ ている。ヒートボルトの代わりに、手動で 方向に前後動させることによりスリットギ ップを調節するボルトを主体とするギャッ 調節部材を設けてもよい。ギャップ調節部 によって調節されたスリットギャップは、 常200~1000μm、好ましくは300~800μm、より好ま くは400~600μmである。

 第1乃至第3冷却ロールは、肉厚が20~30mm程 のシームレスな鋼管製で、表面が鏡面に仕 げられている。その内部には、冷却液を流 配管が配置されており、配管を流れる冷却 によってロール上のフィルムから熱を吸収 きるように構成されている。この第1乃至第 3冷却ロールの内、第1冷却ロール5にタッチロ ール6が当接される。

 一方、第1冷却ロール5に当接するタッチ ール6は、表面が弾性を有し、第1冷却ロール 5への押圧力によって第1冷却ロール5の表面に 沿って変形し、第1冷却ロール5との間にニッ を形成する。

 図4に、タッチロール6の一実施形態(以下 タッチロールA)の概略断面を示す。図に示 ように、タッチロールAは、可撓性の金属ス ーブ41の内部に弾性ローラ42を配したもので ある。

 金属スリーブ41は厚さ0.3mmのステンレス製 であり、可撓性を有する。金属スリーブ41が すぎると強度が不足し、逆に厚すぎると弾 が不足する。これらのことから、金属スリ ブ41の厚さとしては、0.1mm以上1.5mm以下が好 しい。弾性ローラ42は、軸受を介して回転 在な金属製の内筒43の表面にゴム44を設けて ール状としたものである。そして、タッチ ールAが第1冷却ロール5に向けて押圧される 、弾性ローラ42が金属スリーブ41を第1冷却 ール5に押しつけ、金属スリープ41及び弾性 ーラ42は第1冷却ロール5の形状になじんだ形 に対応しつつ変形し、第1冷却ロールとの間 にニップを形成する。金属スリーブ41の内部 弾性ローラ42との間に形成される空間には 冷却水45が流される。

 図5、図6はタッチロール(挟圧回転体)の別 の実施形態であるタッチロールBを示してい 。タッチロールBは、可撓性を有する、シー レスなステンレス鋼管製(厚さ4mm)の外筒51と 、この外筒51の内側に同一軸心状に配置され 高剛性の金属内筒52とから概略構成されて る。外筒51と内筒52との間の空間53には、冷 液54が流される。詳しくは、タッチロールB 、両端の回転軸55a,55bに外筒支持フランジ56a, 56bが取付けられ、これら両外筒支持フランジ 56a,56bの外周部間に薄肉金属外筒51が取付けら れている。また、一方の回転軸55aの軸心部に 形成されて流体戻り通路57を形成する流体排 孔58内に、流体供給管59が同一軸心状に配設 され、この流体供給管59が薄肉金属外筒51内 軸心部に配置された流体軸筒60に接続固定さ れている。この流体軸筒60の両端部に内筒支 フランジ61a,61bがそれぞれ取り付けられ、こ れら内筒支持フランジ61a,61bの外周部間から 端側外筒支持フランジ56bにわたって約15~20mm 度の肉厚を有する金属内筒52が取付けられ いる。そしてこの金属内筒52と薄肉金属外筒 51との間に、たとえば10mm程度の冷却液の流送 空間53が形成され、また金属内筒52に両端部 傍には、流送空間53と内筒支持フランジ61a,61 b外側の中間通路62a,62bとを連通する流出口52a よび流入口52bがそれぞれ形成されている。

 また外筒51は、ゴム弾性に近い柔軟性と 撓性、復元性をもたせるために、弾性力学 薄肉円筒理論が適用できる範囲内で薄肉化 図られている。この薄肉円筒理論で評価さ る可撓性は、肉厚t/ロール半径rで表わされ おり、t/rが小さいほど可撓性が高まる。こ タッチロールBではt/r≦0.03の場合に可撓性が 最適の条件となる。通常、一般的に使用され ているタッチロールは、ロール径R=200~500mm(ロ ール半径r=R/2)、ロール有効幅L=500~1600mmで、r/L <1で横長の形状である。たとえばロール径R =300mm、ロール有効幅L=1200mmの場合、肉厚tの適 正範囲は150×0.03=4.5mm以下であるが、溶融シー ト幅を1300mmに対して平均線圧を100N/cmで挟圧 る場合、同一形状のゴムロールと比較して 外筒51の肉厚を3mmとすることで相当ばね定数 も等しく、外筒51と冷却ロールとのニップの ール回転方向のニップ幅kも約9mmで、このゴ ムロールのニップ幅約12mmとほぼ近い値を示 、同じような条件下で挟圧できることがわ る。なお、このニップ幅kにおけるたわみ量 0.05~0.1mm程度である。

 ここで、t/r≦0.03としたが、一般的なロー ル径R=200~500mmの場合では、特に2mm≦t≦5mmの範 囲とすると、可撓性も十分に得られ、また機 械加工による薄肉化も容易に実施でき、極め て実用的な範囲となる。肉厚が2mm以下では加 工時の弾性変形で高精度な加工ができない。

 この2mm≦t≦5mmの換算値は、一般的なロー ル径に対して0.008≦t/r≦0.05となるが、実用に あたってはt/r≒0.03の条件下でロール径に比 して肉厚も大きくするとよい。たとえばロ ル径:R=200ではt=2~3mm、ロール径:R=500ではt=4~5mm の範囲で選択する。

 このタッチロールA,Bは不図示の付勢手段 より第1冷却ロールに向けて付勢される。そ の付勢手段の付勢力をF、ニップにおけるフ ルムの、第1冷却ロール5の回転軸に沿った方 向の幅Wを除した値F/W(線圧)は、10N/cm以上150N/c mに設定される。本実施の形態によれば、タ チロールA,Bと第1冷却ロール5との間にニップ が形成され、当該ニップをフィルムが通過す る間に平面性を矯正すればよい。従って、タ ッチロールが剛体で構成され、第1冷却ロー との間にニップが形成されない場合と比べ 、小さい線圧で長時間かけてフィルムを挟 するので、平面性をより確実に矯正するこ ができる。すなわち、線圧が10N/cmよりも小 いと、ダイラインを十分に解消することが きなくなる。逆に、線圧が150N/cmよりも大き と、フィルムがニップを通過しにくくなり フィルムの厚さにかえってムラができてし う。また、タッチロールA,Bの表面を金属で 成することにより、タッチロールの表面が ムである場合よりもタッチロールA,Bの表面 平滑にすることができるので、平滑性の高 フィルムを得ることができる。なお、弾性 ーラ42の弾性体44の材質としては、エチレン プロピレンゴム、ネオプレンゴム、シリコン ゴム等を用いることができる。

 さて、タッチロール6によってダイライン を良好に解消するためには、タッチロール6 フィルムを挟圧するときのフィルムの粘度 適切な範囲であることが重要となる。また セルロース樹脂は温度による粘度の変化が 較的大きいことが知られている。従って、 ッチロール6がセルロースフィルムを挟圧す ときの粘度を適切な範囲に設定するために 、タッチロール6がセルロースフィルムを挟 圧するときのフィルムの温度を適切な範囲に 設定することが重要となる。そして本発明者 は、セルロースアシレートフィルムのガラス 転移温度をTgとしたとき、フィルムがタッチ ール6に挟圧される直前のフィルムの温度T 、Tg<T<Tg+110℃を満たすように設定すれば よいことを見いだした。フィルム温度TがTgよ りも低いとフィルムの粘度が高すぎて、ダイ ラインを矯正できなくなる。逆に、フィルム の温度TがTg+110℃よりも高いと、フィルム表 とロールが均一に接着せず、やはりダイラ ンを矯正することができない。好ましくはTg +10℃<T<Tg+90℃、さらに好ましくはTg+20℃&l t;T<Tg+70℃である。タッチロール6がセルロ スフィルムを挟圧するときのフィルムの温 を適切な範囲に設定するには、流延ダイ4か 押し出された溶融物が第1冷却ロール5に接 する位置P1から第1冷却ロール5とタッチロー 6とのニップの、第1冷却ロール5の回転方向 沿った長さLを調整すればよい。

 本発明において、第1冷却ロール5、第2冷 ロール7に好ましい材質は、炭素鋼、ステン レス鋼、樹脂、などが挙げられる。また、表 面精度は高くすることが好ましく表面粗さと して0.3S以下、より好ましくは0.01S以下とする 。

 本発明においては、流延ダイ4の開口部( ップ)から第1冷却ロール5までの部分を70kPa以 下に減圧させることにより、上記、ダイライ ンの矯正効果がより大きく発現することを発 見した。好ましくは減圧は50kPa以上70kPa以下 ある。流延ダイ4の開口部(リップ)から第1冷 ロール5までの部分の圧力を70kPa以下に保つ 法としては、特に制限はないが、流延ダイ4 からロール周辺を耐圧部材で覆い、減圧する などの方法がある。このとき、吸引装置は、 装置自体が昇華物の付着場所にならないよう ヒーターで加熱するなどの処置を施すことが 好ましい。本発明では、吸引圧が小さすぎる と昇華物を効果的に吸引できないため、適当 な吸引圧とする必要がある。

 本発明において、流延ダイ4から溶融状態 のフィルム状のセルロースエステル系樹脂を 、第1冷却ロール5、第2冷却ロール7、及び第3 却ロール8に順次密着させて搬送しながら冷 却固化させ、未延伸のフィルム10(セルロース アシレートフィルム)を得る。

 図1に示す本発明の実施形態では、第3冷 ロール8から剥離ロール9によって剥離した冷 却固化された未延伸のフィルム10は、ダンサ ロール(フィルム張力調整ロール)11を経て延 伸機12に導き、そこでフィルム10を横方向(幅 向)に延伸する。この延伸により、フィルム 中の分子が配向される。

 フィルムを幅方向に延伸する方法は、公 のテンターなどを好ましく用いることがで る。特に延伸方向を幅方向とすることで、 光フィルムとの積層がロール形態で実施で るので好ましい。幅方向に延伸することで セルロースエステル系樹脂フィルムからな セルロースアシレートフィルムの遅相軸は 方向になる。

 一方、偏光フィルムの透過軸も、通常、 方向である。偏光フィルムの透過軸とセル ースアシレートフィルムの遅相軸とが平行 なるように積層した偏光板を液晶表示装置 組み込むことで、液晶表示装置の表示コン ラストを高くすることができるとともに、 好な視野角が得られるのである。

 フィルム構成材料のガラス転移温度Tgは ィルムを構成する材料種及び構成する材料 比率を異ならしめることにより制御できる 光学フィルムとして位相差フィルムを作製 る場合、Tgは120℃以上、好ましくは135℃以上 とすることが好ましい。液晶表示装置におい ては、画像の表示状態において、装置自身の 温度上昇、例えば光源由来の温度上昇によっ てフィルムの温度環境が変化する。このとき フィルムの使用環境温度よりもフィルムのTg 低いと、延伸によってフィルム内部に固定 れた分子の配向状態に由来するリタデーシ ン値及びフィルムとしての寸法形状に大き 変化を与えることとなる。フィルムのTgが 過ぎると、フィルム構成材料をフィルム化 るとき温度が高くなるために加熱するエネ ギー消費が高くなり、またフィルム化する きの材料自身の分解、それによる着色が生 ることがあり、従って、Tgは250℃以下が好ま しい。

 また延伸工程には公知の熱固定条件、冷 、緩和処理を行なってもよく、目的とする 学フィルムに要求される特性を有するよう 適宜調整すればよい。

 位相フィルムの物性と液晶表示装置の視 角拡大のための位相フィルムの機能付与す ために、上記延伸工程、熱固定処理は適宜 択して行なわれている。このような延伸工 、熱固定処理を含む場合、本発明の加熱加 工程は、それらの延伸工程、熱固定処理の に行なうようにする。

 光学フィルムとして位相差フィルムを製 し、さらに偏光板保護フィルムの機能を複 させる場合、屈折率制御をおこなう必要が じるが、その屈折率制御は延伸操作により なうことが可能であり、また延伸操作が好 しい方法である。以下、その延伸方法につ て説明する。

 位相差フィルムの延伸工程において、セ ロース樹脂の1方向に1.0~2.0倍及びフィルム 内にそれと直交する方向に1.01~2.5倍延伸する ことで、必要とされるリタデーションRo及びR thを制御することができる。ここで、Roとは 内リタデーションを示し、面内の長手方向MD の屈折率と幅方向TDの屈折率との差に厚みを じたもの、Rthとは厚み方向リタデーション 示し、面内の屈折率(長手方向MDと幅方向TD 平均)と厚み方向の屈折率との差に厚みを乗 たものである。

 延伸は、例えばフィルムの長手方向及び れとフィルム面内で直交する方向、即ち幅 向に対して、逐次または同時に行なうこと できる。このとき少なくとも1方向に対して の延伸倍率が小さ過ぎると十分な位相差が得 られず、大き過ぎると延伸が困難となりフィ ルム破断が発生してしまう場合がある。

 互いに直交する2軸方向に延伸することは 、フィルムの屈折率nx、ny、nzを所定の範囲に 入れるために有効な方法である。ここで、nx は長手MD方向の屈折率、nyとは幅手TD方向の 折率、nzとは厚み方向の屈折率である。

 例えば溶融流延方向に延伸した場合、幅 向の収縮が大き過ぎると、nzの値が大きく り過ぎてしまう。この場合、フィルムの幅 縮を抑制、あるいは幅方向にも延伸するこ で改善できる。幅方向に延伸する場合、幅 向で屈折率に分布が生じることがある。こ 分布は、テンター法を用いた場合に現れる とがあり、フィルムを幅方向に延伸したこ で、フィルム中央部に収縮力が発生し、端 は固定されていることにより生じる現象で いわゆるボーイング現象と呼ばれるものと えられる。この場合でも、流延方向に延伸 ることで、ボーイング現象を抑制でき、幅 向の位相差の分布を少なくできる。

 互いに直行する2軸方向に延伸することに より、得られるフィルムの膜厚変動が減少で きる。位相差フィルムの膜厚変動が大き過ぎ ると位相差のムラとなり、液晶ディスプレイ に用いたとき着色等のムラが問題となること がある。

 セルロース樹脂フィルムの膜厚変動は、 3%、さらに±1%の範囲とすることが好ましい 以上のような目的において、互いに直交す 2軸方向に延伸する方法は有効であり、互い 直交する2軸方向の延伸倍率は、それぞれ最 終的には流延方向に1.0~2.0倍、幅方向に1.01~2.5 倍の範囲とすることが好ましく、流延方向に 1.01~1.5倍、幅方向に1.05~2.0倍に範囲で行なう とが必要とされるリタデーション値を得る めにより好ましい。

 長手方向に偏光子の吸収軸が存在する場 、幅方向に偏光子の透過軸が一致すること なる。長尺状の偏光板を得るためには、位 差フィルムは、幅方向に遅相軸を得るよう 延伸することが好ましい。

 応力に対して、正の複屈折を得るセルロ ス樹脂を用いる場合、上述の構成から、幅 向に延伸することで、位相差フィルムの遅 軸が幅方向に付与することができる。この 合、表示品質の向上のためには、位相差フ ルムの遅相軸が、幅方向にあるほうが好ま く、目的とするリタデーション値を得るた には、式、(幅方向の延伸倍率)>(流延方向 の延伸倍率)の条件を満たすことが必要であ 。

 延伸後、フィルムの端部をスリッター13 より製品となる幅にスリットして裁ち落と た後、エンボスリング14及びバックロール15 りなるナール加工装置によりナール加工(エ ンボッシング加工)をフィルム両端部に施し 巻取り装置16によって巻き取ることにより、 セルロースアシレートフィルム(元巻き)F中の 貼り付きや、すり傷の発生を防止する。ナー ル加工の方法は、凸凹のパターンを側面に有 する金属リングを加熱や加圧により加工する ことができる。なお、フィルム両端部のクリ ップの把持部分は通常、変形しており、フィ ルム製品として使用できないので、切除され て、原料として再利用される。

 位相差フィルムを偏光板保護フィルムと る場合、該保護フィルムの厚さは、10~500μm 好ましい。特に、下限は20μm以上、好まし は35μm以上である。上限は150μm以下、好まし くは120μm以下である。特に好ましい範囲は25 上~90μmである。位相差フィルムが厚いと、 光板加工後の偏光板が厚くなり過ぎ、ノー 型パソコンやモバイル型電子機器に用いる 晶表示においては、特に薄型軽量の目的に さない。一方、位相差フィルムが薄いと、 相差フィルムとしてのリタデーションの発 が困難となり、加えてフィルムの透湿性が くなり、偏光子を湿度から保護する能力が 下してしまうために好ましくない。

 位相差フィルムの遅相軸または進相軸が ィルム面内に存在し、製膜方向とのなす角 をθ1とすると、θ1は-1°以上+1°以下、好ま くは-0.5°以上+0.5°以下となるようにする。

 このθ1は配向角として定義でき、θ1の測 は、自動複屈折計KOBRA-21ADH(王子計測機器社 )を用いて行なうことができる。

 θ1が各々上記関係を満たすことは、表示 像において高い輝度を得ること、光漏れを 制または防止することに寄与し、カラー液 表示装置においては忠実な色再現に寄与す 。

 本発明に係る位相差フィルムがマルチド イン化されたVAモードに用いられるとき、 相差フィルムの配置は、位相差フィルムの 相軸がθ1として上記領域に配置することで 表示画質の向上に寄与し、偏光板及び液晶 示装置としてMVAモードとしたとき、例えば 7に示される構成をとることができる。

 図7において、21a、21bは保護フィルム、22a 、22bは位相差フィルム、25a、25bは偏光子、23a 、23bはフィルムの遅相軸方向、24a、24bは偏光 子の透過軸方向、26a、26bは偏光板、27は液晶 ル、29は液晶表示装置を示している。

 光学フィルムの面内方向のリタデーショ Ro分布は、5%以下に調整することが好ましく 、より好ましくは2%以下であり、特に好まし は、1.5%以下である。また、フィルムの厚み 方向のリタデーションRt分布を10%以下に調整 ることが好ましいが、さらに好ましくは、2 %以下であり、特に好ましくは、1.5%以下であ 。

 位相差フィルムにおいて、リタデーショ 値の分布変動が小さい方が好ましく、液晶 示装置に位相差フィルムを含む偏光板を用 るとき、該リタデーション分布変動が小さ ことが色ムラ等を防止する観点で好ましい

 位相差フィルムを、VAモードまたはTNモー ドの液晶セルの表示品質の向上に適したリタ デーション値を有するように調整し、特にVA ードとして上記のマルチドメインに分割し MVAモードに好ましく用いられるようにする は、面内リタデーションRoを30nmよりも大き 、95nm以下に、かつ厚み方向リタデーション Rtを70nmよりも大きく、400nm以下の値に調整す ことが求められる。

 上記の面内リタデーションRoは、2枚の偏 板がクロスニコルに配置され、偏光板の間 液晶セルが配置された、例えば図7に示す構 成であるときに、表示面の法線方向から観察 するときを基準にしてクロスニコル状態にあ るとき、表示面の法線から斜めに観察したと き、偏光板のクロスニコル状態からのずれが 生じ、これが要因となる光漏れを、主に補償 する。厚さ方向のリタデーションは、上記TN ードやVAモード、特にMVAモードにおいて液 セルが黒表示状態であるときに、同様に斜 から見たときに認められる液晶セルの複屈 を主に補償するために寄与する。

 図7に示すように、液晶表示装置において 、液晶セルの上下に偏光板が二枚配置された 構成である場合、図中の22a及び22bは、厚み方 向リタデーションRtの配分を選択することが き、上記範囲を満たしかつ厚み方向リタデ ションRtの両者の合計値が140nmよりも大きく かつ500nm以下にすることが好ましい。このと 22a及び22bの面内リタデーションRo、厚み方 リタデーションRtが両者同じであることが、 工業的な偏光板の生産性向上において好まし い。特に好ましくは面内リタデーションRoが3 5nmよりも大きくかつ65nm以下であり、かつ厚 方向リタデーションRtが90nmよりも大きく180nm 以下で、図7の構成でMVAモードの液晶セルに 用することである。

 液晶表示装置において、一方の偏光板に えば市販の偏光板保護フィルムとして面内 タデーションRo=0~4nm及び厚み方向リタデー ョンRt=20~50nmで厚さ35~85μmのTACフィルムが、 えば図7の22bの位置で使用されている場合、 方の偏光板に配置される偏光フィルム、例 ば、図7の22aに配置する位相差フィルムは、 面内リタデーションRoが30nmよりも大きく95nm 下であり、かつ厚み方向リタデーションRtが 140nmよりも大きく400nm以下であるものを使用 るようにする。表示品質が向上し、かつフ ルムの生産面からも好ましい。

 〈液晶表示装置〉
 本発明に係る位相差フィルムを含む偏光板 、通常の偏光板と比較して高い表示品質を 現させることができ、特にマルチドメイン の液晶表示装置、より好ましくは複屈折モ ドによってマルチドメイン型の液晶表示装 への使用に適している。

 本発明の偏光板は、MVA(Multi-domein Vertical  Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モ ード、CPA(Continuous Pinwheel Alignment)モード、OCB (Optical Compensated Bend)モード等に用いること でき、特定の液晶モード、偏光板の配置に 定されるものではない。

 液晶表示装置はカラー化及び動画表示用 装置としても応用されつつあり、本発明に り表示品質が改良され、コントラストの改 や偏光板の耐性が向上したことにより、疲 にくく忠実な動画像表示が可能となる。

 本発明の位相差フィルムを含む偏光板を なくとも含む液晶表示装置においては、本 明の位相差フィルムを含む偏光板を、液晶 ルに対して、一枚配置するか、あるいは液 セルの両側に二枚配置する。このとき偏光 に含まれる本発明の位相差フィルム側が液 表示装置の液晶セルに面するように用いる とで表示品質の向上に寄与できる。図7にお いては22a及び22bのフィルムが液晶表示装置の 液晶セルに面することになる。

 このような構成において、本発明の位相 フィルムは、液晶セルを光学的に補償する とができる。本発明の偏光板を液晶表示装 に用いる場合は、液晶表示装置の偏光板の の少なくとも一つの偏光板を、本発明の偏 板とすればよい。本発明の偏光板を用いる とで、表示品質が向上し、視野角特性に優 た液晶表示装置が提供できる。

 本発明の偏光板において、偏光子からみ 位相差フィルムとは反対側の面には、セル ース誘導体の偏光板保護フィルムが用いら 、汎用のTACフィルムなどを用いることがで る。液晶セルから遠い側に位置する偏光板 護フィルムは、表示装置の品質を向上する で、他の機能性層を配置することも可能で る。

 例えば、反射防止、防眩、耐キズ、ゴミ 着防止、輝度向上のためにディスプレイと ての公知の機能層を構成物として含むフィ ムや、または本発明の偏光板表面に貼付し もよいがこれらに限定されるものではない

 一般に位相差フィルムでは、上述のリタ ーション値としてRoまたはRthの変動が少な ことが安定した光学特性を得るために求め れている。特に複屈折モードの液晶表示装 は、これらの変動が画像のムラを引き起こ 原因となることがある。

 本発明に従い溶融流延製膜法により製造 れる長尺状位相差フィルムは、セルロース 脂を主体として構成されるため、セルロー 樹脂固有のケン化を活用してアルカリ処理 程を活用することができる。これは、偏光 を構成する樹脂がポリビニルアルコールで るとき、従来の偏光板保護フィルムと同様 完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液を いて本発明の位相差フィルムと貼合するこ ができる。このために本発明は、従来の偏 板加工方法が適用できる点で優れており、 に長尺状であるロール偏光板が得られる点 優れている。

 本発明により得られる製造的効果は、特 100m以上の長尺の巻物においてより顕著とな り、1500m、2500m、5000mとより長尺化する程、偏 光板製造の製造的効果を得る。

 例えば、位相差フィルム製造において、 ール長さは、生産性と運搬性を考慮すると 10m以上5000m以下、好ましくは50m以上4500m以下 であり、このときのフィルムの幅は、偏光子 の幅や製造ラインに適した幅を選択すること ができる。0.5m以上4.0m以下、好ましくは0.6m以 上3.0m以下の幅でフィルムを製造してロール に巻き取り、偏光板加工に供してもよく、 た、目的の倍幅以上のフィルムを製造して ールに巻き取った後、断裁して目的の幅の ールを得て、このようなロールを偏光板加 に用いるようにしてもよい。

 本発明の位相差フィルム製造に際し、延 の前及び/又は後で帯電防止層、ハードコー ト層、易滑性層、接着層、防眩層、バリアー 層等の機能性層を塗設してもよい。この際、 コロナ放電処理、プラズマ処理、薬液処理等 の各種表面処理を必要に応じて施すことがで きる。

 製膜工程において、カットされたフィル 両端のクリップ把持部分は、粉砕処理され 後、あるいは必要に応じて造粒処理を行な た後、同じ品種のフィルム用原料としてま は異なる品種のフィルム用原料として再利 してもよい。

 前述の可塑剤、紫外線吸収剤、マット剤 の添加物濃度が異なるセルロース樹脂を含 組成物を共押出しして、積層構造の光学フ ルムを作製することもできる。例えば、ス ン層/コア層/スキン層といった構成の光学 ィルムを作ることができる。例えば、マッ 剤は、スキン層に多く、またはスキン層の に入れることができる。可塑剤、紫外線吸 剤はスキン層よりもコア層に多く入れるこ ができ、コア層のみに入れてもよい。また コア層とスキン層で可塑剤、紫外線吸収剤 種類を変更することもでき、例えば、スキ 層に低揮発性の可塑剤及び/又は紫外線吸収 を含ませ、コア層に可塑性に優れた可塑剤 あるいは紫外線吸収性に優れた紫外線吸収 を添加することもできる。スキン層とコア のガラス転移温度が異なっていても良く、 キン層のガラス転移温度よりコア層のガラ 転移温度が低いことが好ましい。このとき スキンとコアの両者のガラス転移温度を測 し、これらの体積分率より算出した平均値 上記ガラス転移温度Tgと定義して同様に扱 こともできる。また、溶融流延時のセルロ スエステルを含む溶融物の粘度もスキン層 コア層で異なっていても良く、スキン層の 度>コア層の粘度でも、コア層の粘度≧ス ン層の粘度でもよい。

 本発明のセルロースアシレートフィルム 、寸度安定性が、23℃55%RHに24時間放置した ィルムの寸法を基準としたとき、80℃90%RHに おける寸法の変動値が±2.0%未満であり、好ま しくは1.0%未満であり、さらに好ましくは0.5% 満である。

 本発明のセルロースアシレートフィルム 位相差フィルムとして偏光板の保護フィル として用いる際に、位相差フィルム自身に 記の範囲以上の変動を有すると、偏光板と てのリタデーションの絶対値と配向角が当 の設定とずれるために、表示品質の向上能 減少あるいは表示品質の劣化を引き起こす とがある。

 本発明の位相差フィルムは偏光板保護フ ルム用として用いることができる。偏光板 護フィルムとして用いる場合、偏光板の作 方法は特に限定されず、一般的な方法で作 することができる。得られた位相差フィル をアルカリ処理し、ポリビニルアルコール ィルムを沃素溶液中に浸漬延伸して作製し 偏光子の両面に完全鹸化ポリビニルアルコ ル水溶液を用いて、偏光子の両面に偏光板 護フィルムを貼り合わせる方法があり、少 くとも片面に本発明の偏光板保護フィルム ある位相差フィルムが偏光子に直接貼合す 。

 上記アルカリ処理の代わりに特開平6-94915 号公報、特開平6-118232号公報に記載されてい ような易接着加工を施して偏光板加工を行 ってもよい。

 偏光板は偏光子及びその両面を保護する 護フィルムで構成されており、さらに該偏 板の一方の面にプロテクトフィルムを、反 面にセパレートフィルムを貼合して構成す ことができる。プロテクトフィルム及びセ レートフィルムは偏光板出荷時、製品検査 等において偏光板を保護する目的で用いら る。この場合、プロテクトフィルムは、偏 板の表面を保護する目的で貼合され、偏光 を液晶板へ貼合する面の反対面側に用いら る。また、セパレートフィルムは液晶板へ 合する接着層をカバーする目的で用いられ 偏光板を液晶セルへ貼合する面側に用いら る。

 (機能性層の形成)
 本発明の光学フィルム製造に際し、延伸の 及び/または後で透明導電層、ハードコート 層、反射防止層、易滑性層、易接着層、防眩 層、バリアー層、光学補償層等の機能性層を 塗設してもよい。特に、透明導電層、ハード コート層、反射防止層、易接着層、防眩層及 び光学補償層から選ばれる少なくとも1層を けることが好ましい。この際、コロナ放電 理、プラズマ処理、薬液処理等の各種表面 理を必要に応じて施すことができる。

 〈透明導電層〉
 本発明のフィルムには、界面活性剤や導電 微粒子分散物などを用いて、透明導電層を けることも好ましい。フィルム自身に導電 を付与しても、透明導電性層を設けてもよ 。帯電防止性を付与するには透明導電性層 設けることが好ましい。透明導電性層は、 布、大気圧プラズマ処理、真空蒸着、スパ タ、イオンプレーティング法などによって けることもできる。或いは共押出し法で表 或いは内部層のみに導電性微粒子を含有さ て、透明導電性層とすることもできる。透 導電層はフィルムの一方の面のみに設けて 両面に設けてもよい。導電性微粒子を滑り を付与させるマット剤と併用若しくは兼用 ることもできる。導電剤としては、下記の 電性を有する金属酸化物粉体を使用するこ ができる。

 金属酸化物の例としては、ZnO、TiO 2 、SnO 2 、Al 2 O 3 、In 2 O 3 、SiO 2 、MgO、BaO、MoO 2 、V 2 O 5 等、或いはこれらの複合酸化物が好ましく、 特にZnO、TiO 2 及びSnO 2 が好ましい。異種原子を含む例としては、例 えばZnOに対してはAl、In等の添加、TiO 2 に対してはNb、Ta等の添加、またSnO 2 に対しては、Sb、Nb、ハロゲン元素等の添加 効果的である。これら異種原子の添加量は0. 01~25mol%の範囲が好ましいが、0.1~15mol%の範囲 特に好ましい。

 また、これらの導電性を有する金属酸化物 体の体積抵抗率は1×10 7 ωcm特に1×10 5 ωcm以下であって、一次粒子径が10nm以上、0.2 m以下で、高次構造の長径が30nm以上、6μm以 である特定の構造を有する粉体を導電層に 積分率で0.01%以上、20%以下含んでいることが 好ましい。

 本発明において透明導電層の形成は、導 性微粒子をバインダーに分散させて基体上 設けてもよいし、基体上に下引処理を施し その上に導電性微粒子を被着させてもよい

 また、特開平9-203810号公報の段落番号0038~ 同0055に記載の一般式(I)~(V)で表されるアイオ ン導電性ポリマーや、同公報の段落番号0056 ~同0145に記載の一般式(1)または(2)で表される 4級アンモニウムカチオンポリマーを含有さ せることができる。

 また、本発明の効果を阻害しない範囲で 金属酸化物からなる透明導電層中に耐熱剤 耐候剤、無機粒子、水溶性樹脂、エマルジ ン等をマット化、膜質改良のために添加し もよい。

 透明導電層で使用するバインダーは、フ ルム形成能を有する物であれば特に限定さ るものではないが、例えば、ゼラチン、カ イン等のタンパク質、カルボキシメチルセ ロース、ヒドロキシエチルセルロース、ア チルセルロース、ジアセチルセルロース、 リアセチルセルロース等のセルロース化合 、デキストラン、寒天、アルギン酸ソーダ デンプン誘導体等の糖類、ポリビニルアル ール、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エ テル、ポリメタクリル酸エステル、ポリス レン、ポリアクリルアミド、ポリ-N-ビニル ロリドン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル ポリアクリル酸等の合成ポリマー等を挙げ ことができる。

 特に、ゼラチン(石灰処理ゼラチン、酸処 理ゼラチン、酸素分解ゼラチン、フタル化ゼ ラチン、アセチル化ゼラチン等)、アセチル ルロース、ジアセチルセルロース、トリア チルセルロース、ポリ酢酸ビニル、ポリビ ルアルコール、ポリアクリル酸ブチル、ポ アクリルアミド、デキストラン等が好まし 。

 〈反射防止フィルム〉
 本発明のセルロースエステル光学フィルム 、その表面にハードコート層及び反射防止 を設け、反射防止フィルムとすることも好 しい。

 ハードコート層としては、活性線硬化樹 層または熱硬化樹脂層が好ましく用いられ 。ハードコート層は、支持体上に直接設層 ても、帯電防止層または下引層等の他の層 上に設層してもよい。

 ハードコート層として活性線化樹脂層を ける場合には、紫外線等光照射により硬化 る活性線硬化樹脂を含有することが好まし 。

 ハードコート層は、光学設計上の観点か 屈折率が1.45~1.65の範囲にあることが好まし 。また、反射防止フィルムに充分な耐久性 耐衝撃性を付与し、かつ、適度な屈曲性、 製時の経済性等を鑑みた観点から、ハード ート層の膜厚としては、1μm~20μmの範囲が好 ましく、更に好ましくは、1μm~10μmである。

 活性線硬化性樹脂層とは紫外線や電子線の うな活性線照射(本発明では、『活性線』と は、電子線、中性子線、X線、アルファ線、 外線、可視光線、赤外線等、種々の電磁波 全て光と定義する)により架橋反応等を経て 化した樹脂を主たる成分として含有する層 いう。活性線硬化性樹脂としては、紫外線 化性樹脂や電子線硬化性樹脂等が代表的な のとして挙げられるが、紫外線や電子線以 の光照射によって硬化する樹脂でもよい。 外線硬化性樹脂としては、例えば、紫外線 化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化 ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線 化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線 化型ポリオールアクリレート系樹脂、また 紫外線硬化型エポキシ樹脂等を挙げる
ことができる。

 紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、 外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹 、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹 、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系 脂、または紫外線硬化型エポキシ樹脂を挙 ることができる。

 また、光反応開始剤、光増感剤を含有さ ることもできる。具体的には、アセトフェ ン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフ ノン、ミヒラーケトン、α-アミロキシムエ テル、チオキサントン等及びこれらの誘導 を挙げることができる。また、エポキシア リレート系樹脂の合成に光反応剤を使用す 際に、n-ブチルアミン、トリエチルアミン トリ-n-ブチルホスフィン等の増感剤を用い ことができる。塗布乾燥後に揮発する溶媒 分を除いた紫外線硬化性樹脂組成物に含ま る光反応開始剤また光増感剤は、組成物の2. 5~6質量%であることが好ましい。

 樹脂モノマーとしては、例えば、不飽和 重結合が1個のモノマーとして、メチルアク リレート、エチルアクリレート、ブチルアク リレート、酢酸ビニル、ベンジルアクリレー ト、シクロヘキシルアクリレート、スチレン 等の一般的なモノマーを挙げることができる 。また不飽和二重結合を2個以上持つモノマ として、エチレングリコールジアクリレー 、プロピレングリコールジアクリレート、 ビニルベンゼン、1,4-シクロヘキサンジアク レート、1,4-シクロヘキシルジメチルアジア クリレート、前述のトリメチロールプロパン トリアクリレート、ペンタエリスリトールテ トラアクリルエステル等を挙げることができ る。

 また、紫外線硬化性樹脂組成物の活性線 化を妨げない程度に、紫外線吸収剤を紫外 硬化性樹脂組成物に含ませてもよい。紫外 吸収剤としては、前記基材に使用してもよ 紫外線吸収剤と同様なものを用いることが きる。

 また硬化された層の耐熱性を高めるため 、活性線硬化反応を抑制しないような酸化 止剤を選んで用いることができる。例えば ヒンダードフェノール誘導体、チオプロピ ン酸誘導体、ホスファイト誘導体等を挙げ ことができる。具体的には、例えば、4,4″- チオビス(6-t-3-メチルフェノール)、4,4″-ブチ リデンビス(6-t-ブチル-3-メチルフェノール)、 1,3,5-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベン ル)イソシアヌレート、2,4,6-トリス(3,5-ジ-t- チル-4-ヒドロキシベンジル)メシチレン、ジ -オクタデシル-4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルベ ンジルホスフェート等を挙げることができる 。

 紫外線硬化性樹脂としては、例えば、ア カオプトマーKR、BYシリーズのKR-400、KR-410、 KR-550、KR-566、KR-567、BY-320B(以上、旭電化工業( 株)製)、コーエイハードのA-101-KK、A-101-WS、C-3 02、C-401-N、C-501、M-101、M-102、T-102、D-102、NS-10 1、FT-102Q8、MAG-1-P20、AG-106、M-101-C(以上、広栄 学工業(株)製)、セイカビームのPHC2210(S)、PHC X-9(K-3)、PHC2213、DP-10、DP-20、DP-30、P1000、P1100 P1200、P1300、P1400、P1500、P1600、SCR900(以上、大 日精化工業(株)製)、KRM7033、KRM7039、KRM7130、KRM 7131、UVECRYL29201、UVECRYL29202(以上、ダイセル・ ーシービー(株))、RC-5015、RC-5016、RC-5020、RC-5 031、RC-5100、RC-5102、RC-5120、RC-5122、RC-5152、RC-5 171、RC-5180、RC-5181(以上、大日本インキ化学工 業(株)製)、オーレックスNo.340クリヤ(中国塗 (株)製)、サンラッドH-601(三洋化成工業(株)製 )、SP-1509、SP-1507(以上、昭和高分子(株)製)、RC C-15C(グレース・ジャパン(株)製)、アロニック スM-6100、M-8030、M-8060(以上、東亞合成(株)製) またはその他の市販のものから適宜選択し 利用することができる。

 活性線硬化性樹脂層の塗布組成物は、固 分濃度は10~95質量%であることが好ましく、 布方法により適当な濃度が選ばれる。

 活性線硬化性樹脂を活性線硬化反応により 化被膜層を形成するための光源としては、 外線を発生する光源であればいずれでも使 できる。具体的には、前記光の項に記載の 源を使用できる。照射条件はそれぞれのラ プによって異なるが、照射光量としては20mJ /cm 2 ~10000mJ/cm 2 の範囲が好ましく、更に好ましくは、50mJ/cm 2 ~2000mJ/cm 2 である。近紫外線領域から可視光線領域にか けてはその領域に吸収極大のある増感剤を用 いることによって使用できる。

 活性線硬化性樹脂層を塗設する際の溶媒 、例えば、炭化水素類(トルエン、キシレン 、)、アルコール類(メタノール、エタノール イソプロパノール、ブタノール、シクロヘ サノール)、ケトン類(アセトン、メチルエ ルケトン、メチルイソブチルケトン)、ケト アルコール類(ジアセトンアルコール)、エ テル類(酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸メチ )、グリコールエーテル類、その他の有機溶 媒の中から適宜選択し、或いはこれらを混合 し利用できる。プロピレングリコールモノア ルキルエーテル(アルキル基の炭素原子数と て1~4)またはプロピレングリコールモノアル ルエーテル酢酸エステル(アルキル基の炭素 原子数として1~4)等を5質量%以上、より好まし くは5~80質量%以上含有する上記有機溶媒を用 るのが好ましい。

 活性線硬化性樹脂組成物塗布液の塗布方 としては、グラビアコータ、スピナーコー 、ワイヤーバーコータ、ロールコータ、リ ースコータ、押出コータ、エアードクター ータ等公知の方法を用いることができる。 布量はウェット膜厚で0.1μm~30μmが適当で、 ましくは0.5μm~15μmである。塗布速度は10m/分 ~60m/分の範囲が好ましい。

 活性線硬化性樹脂組成物は塗布乾燥された 、紫外線を照射するが、照射時間は0.5秒~5 がよく、紫外線硬化性樹脂の硬化効率、作 効率から3秒~2分がより好ましい

 こうして硬化被膜層を得ることができる 、液晶表示装置パネルの表面に防眩性を与 るために、また他の物質との対密着性を防 、対擦り傷性等を高めるために、硬化被膜 用の塗布組成物中に無機または有機の微粒 を加えることもできる。

 例えば、無機微粒子としては酸化珪素、 化ジルコニウム酸化チタン、酸化アルミニ ム、酸化錫、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、 酸バリウム、タルク、カオリン、硫酸カル ウム等を挙げることができる。

 また、有機微粒子としては、ポリメタアク ル酸メチルアクリレート樹脂粉末、アクリ スチレン系樹脂粉末、ポリメチルメタクリ ート樹脂粉末、シリコン系樹脂粉末、ポリ チレン系樹脂粉末、ポリカーボネート樹脂 末、ベンゾグアナミン系樹脂粉末、メラミ 系樹脂粉末、ポリオレフィン系樹脂粉末、 リエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂 末、ポリイミド系樹脂粉末、またはポリ弗 エチレン系樹脂粉末等を挙げることができ 。これらは紫外線硬化性樹脂組成物に加え 用いることができる。これらの微粒子粉末 平均粒径としては、0.01μm~10μmであり、使用 量は紫外線硬化樹脂組成物100質量部に対して 、0.1質量部~20質量部となるように配合するこ とが望ましい。防眩効果を付与するには、平 均粒径0.1μm~1μmの微粒子を紫外線硬化樹脂組 物
100質量部に対して1質量部~15質量部用いるの 好ましい。

 このような微粒子を紫外線硬化樹脂に添 することによって、中心線平均表面粗さRa 0.05μm~0.5μmの好ましい凹凸を有する防眩層を 形成することができる。また、このような微 粒子を紫外線硬化性樹脂組成物に添加しない 場合、中心線平均表面粗さRaは0.05μm未満、よ り好ましくは0.002μm~0.04μm未満の良好な平滑 を有するハードコート層を形成することが きる。

 この他、ブロッキング防止機能を果たす のとして、上述したのと同じ成分で、体積 均粒径0.005μm~0.1μmの極微粒子を樹脂組成物1 00質量部に対して0.1質量部~5質量部を用いる ともできる。

 反射防止層は上記ハードコート層の上に けるが、その方法は特に限定されず、塗布 スパッタ、蒸着、CVD(Chemical Vapor Deposition) 、大気圧プラズマ法またはこれらを組み合 せて形成することができる。本発明では、 に塗布によって反射防止層を設けることが ましい。

 反射防止層を塗布により形成する方法と ては、溶剤に溶解したバインダー樹脂中に 属酸化物の粉末を分散し、塗布乾燥する方 、架橋構造を有するポリマーをバインダー 脂として用いる方法、エチレン性不飽和モ マーと光重合開始剤を含有させ、活性線を 射することにより層を形成する方法等の方 を挙げることができる。

 本発明においては、紫外線硬化樹脂層を 与したセルロースエステル光学フィルムの に反射防止層を設けることができる。光学 ィルムの最上層に低屈折率層を形成し、そ 間に高屈折率層の金属酸化物層を形成した 、更に光学フィルムと高屈折率層との間に に中屈折率層(金属酸化物の含有量或いは樹 脂バインダーとの比率、金属の種類を変更し て屈折率を調整した金属酸化物層)を設ける とは、反射率の低減のために、好ましい。 屈折率層の屈折率は、1.55~2.30であることが ましく、1.57~2.20であることが更に好ましい 中屈折率層の屈折率は、基材であるセルロ スエステルフィルムの屈折率(約1.5)と高屈折 率層の屈折率との中間の値となるように調整 する。中屈折率層の屈折率は、1.55~1.80である ことが好ましい。各層の厚さは、5nm~0.5μmで ることが好ましく、10nm~0.3μmであることが更 に好ましく、30nm~0.2μmであることが最も好ま い。金属酸化物層のヘイズは、5%以下であ ことが好ましく、3%以下であることが更に好 ましく、1%以下であることが最も好ましい。 属酸化物層の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度で3 H以上であることが好ましく、4H以上であるこ とが最も好ましい。金属酸化物層を塗布によ り形成する場合は、無機微粒子とバインダー ポリマーとを含むことが好ましい。

 本発明における中、高屈折率層は下記一 式(T)で表される有機チタン化合物のモノマ 、オリゴマーまたはそれらの加水分解物を 有する塗布液を塗布し乾燥させて形成させ 屈折率1.55~2.5の層であることが好ましい。

 一般式(T)  Ti(OR1) 4
 一般式(T)において、R1としては炭素数1~8の 肪族炭化水素基がよいが、好ましくは炭素 1~4の脂肪族炭化水素基である。また、有機 タン化合物のモノマー、オリゴマーまたは れらの加水分解物は、アルコキシド基が加 分解を受けて-Ti-O-Ti-のように反応して架橋 造を作り、硬化した層を形成する。

 本発明に用いられる有機チタン化合物のモ マー、オリゴマーとしては、Ti(OCH 3 ) 4 、Ti(OC 2 H 5 ) 4 、Ti(O-n-C 3 H 7 ) 4 、Ti(O-i-C 3 H 7 ) 4 、Ti(O-n-C 4 H 9 ) 4 、Ti(O-n-C 3 H 7 )4の2~10量体、Ti(O-i-C 3 H 7 )4の2~10量体、Ti(O-n-C 4 H 9 ) 4 の2~10量体等が好ましい例として挙げられる これらは単独で、または2種以上組み合わせ 用いることができる。中でもTi(O-n-C 3 H 7 ) 4 、Ti(O-i-C 3 H 7 ) 4 、Ti(O-n-C 4 H 9 ) 4 、Ti(O-n-C 3 H 7 )4の2~10量体、Ti(O-n-C 4 H 9 ) 4 の2~10量体が特に好ましい。

 本発明における中、高屈折率層用塗布液 、水と後述する有機溶媒が順次添加された 液中に上記有機チタン化合物を添加するこ が好ましい。水を後から添加した場合は、 水分解/重合が均一に進行せず、白濁が発生 したり、膜強度が低下することもある。水と 有機溶媒は添加された後、良く混合させるた めに攪拌し混合溶解されていることが好まし い。

 また、別法として有機チタン化合物と有 溶媒を混合させておき、この混合溶液を、 記水と有機溶媒の混合攪拌された溶液中に 加することも好ましい態様である。

 また、水の量は有機チタン化合物1モルに対 して、0.25~3モルの範囲であることが好ましい 。0.25モル未満であると、加水分解、重合の 行が不十分で膜強度が低下することもある 3モルを超えると加水分解、重合が進行し過 て、TiO 2 の粗大粒子が発生し白濁することもある。従 って水の量は上記範囲で調整することが好ま しい。

 また、水の含有率は塗布液総量に対して1 0質量%未満であることが好ましい。水の含有 を塗布液総量に対して10質量%以上にすると 塗布液の経時安定が劣り白濁を生じること ある。

 本発明に用いられる有機溶媒としては、 混和性の有機溶媒であることが好ましい。 混和性の有機溶媒としては、例えば、アル ール類(例えば、メタノール、エタノール、 プロパノール、イソプロパノール、ブタノー ル、イソブタノール、セカンダリーブタノー ル、ターシャリーブタノール、ペンタノール 、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベン ジルアルコール等)、多価アルコール類(例え 、エチレングリコール、ジエチレングリコ ル、トリエチレングリコール、ポリエチレ グリコール、プロピレングリコール、ジプ ピレングリコール、ポリプロピレングリコ ル、ブチレングリコール、ヘキサンジオー 、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサ トリオール、チオジグリコール等)、多価ア ルコールエーテル類(例えば、エチレングリ ールモノメチルエーテル、エチレングリコ ルモノエチルエーテル、エチレングリコー モノブチルエーテル、ジエチレングリコー モノメチルエーテル、ジエチレングリコー モノメチルエーテル、ジエチレングリコー モノブチルエーテル、プロピレングリコー モノメチルエーテル、プロピレングリコー モノブチルエーテル、エチレングリコール ノメチルエーテルアセテート、トリエチレ グリコールモノメチルエーテル、トリエチ ングリコールモノエチルエーテル、エチレ グリコールモノフェニルエーテル、プロピ ングリコールモノフェニルエーテル等)、ア ン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノ ールアミン、トリエタノールアミン、N-メチ ジエタノールアミン、N-エチルジエタノー アミン、モルホリン、N-エチルモルホリン、 エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、ト リエチレンテトラミン、テトラエチレンペン タミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチル ジエチレントリアミン、テトラメチルプロピ レンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルム ミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメ ルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2-ピ リドン、N-メチル-2-ピロリドン、シクロヘ シルピロリドン、2-オキサゾリドン、1,3-ジ チル-2-イミダゾリジノン等)、スルホキシド (例えば、ジメチルスルホキシド等)、スル ン類(例えば、スルホラン等)、尿素、アセト ニトリル、アセトン等が挙げられるが、特に 、アルコール類、多価アルコール類、多価ア ルコールエーテル類が好ましい。これらの有 機溶媒の使用量は、前述したように、水の含 有率が塗布液総量に対して10質量%未満である ように、水と有機溶媒のトータルの使用量を 調整すればよい。

 本発明に用いられる有機チタン化合物の ノマー、オリゴマーまたはそれらの加水分 物は、単独で用いる場合は、塗布液に含ま る固形分に対し50.0質量%~98.0質量%を占めて ることが望ましい。固形分比率は50質量%~90 量%がより好ましく、55質量%~90質量%が更に好 ましい。この他、塗布組成物には有機チタン 化合物のポリマー(予め有機チタン化合物の 水分解を行って架橋したもの)或いは酸化チ ン微粒子を添加することも好ましい。

 本発明における高屈折率層及び中屈折率 は、微粒子として金属酸化物粒子を含んで よく、更にバインダーポリマーを含んでも い。

 上記塗布液調製法で加水分解/重合した有 機チタン化合物と金属酸化物粒子を組み合わ せると、金属酸化物粒子と加水分解/重合し 有機チタン化合物とが強固に接着し、粒子 もつ硬さと均一膜の柔軟性を兼ね備えた強 塗膜を得ることができる。

 高屈折率層及び中屈折率層に用いる金属酸 物粒子は、屈折率が1.80~2.80であることが好 しく、1.90~2.80であることが更に好ましい。 属酸化物粒子の1次粒子の平均粒径は、1~150n mであることが好ましく、1~100nmであることが に好ましく、1~80nmであることが最も好まし 。層中での金属酸化物粒子の平均粒径は、1 ~200nmであることが好ましく、5~150nmであるこ がより好ましく、10~100nmであることが更に好 ましく、10~80nmであることが最も好ましい。 属酸化物粒子の平均粒径は、例えば、走査 電子顕微鏡により観察して無作為に粒子200 の長径を測定し、平均粒径を求めることが きる。金属酸化物粒子の比表面積は、BET法 測定された値として、10~400m 2 /gであることが好ましく、20~200m 2 /gであることが更に好ましく、30~150m 2 /gであることが最も好ましい。

 金属酸化物粒子の例としては、Ti、Zr、Sn Sb、Cu、Fe、Mn、Pb、Cd、As、Cr、Hg、Zn、Al、Mg Si、P及びSから選択される少なくとも一種の 元素を有する金属酸化物であり、具体的には 二酸化チタン(例、ルチル、ルチル/アナター の混晶、アナターゼ、アモルファス構造)、 酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、及び酸 化ジルコニウムが挙げられる。中でも、酸化 チタン、酸化錫及び酸化インジウムが特に好 ましい。金属酸化物粒子は、これらの金属の 酸化物を主成分とし、更に他の元素を含むこ とができる。主成分とは、粒子を構成する成 分の中で最も含有量(質量%)が多い成分を意味 する。他の元素の例としては、Ti、Zr、Sn、Sb Cu、Fe、Mn、Pb、Cd、As、Cr、Hg、Zn、Al、Mg、Si P及びS等が挙げられる。

 金属酸化物粒子は表面処理されているこ が好ましい。表面処理は、無機化合物また 有機化合物を用いて実施することができる 表面処理に用いる無機化合物の例としては アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム及び 化鉄が挙げられる。中でもアルミナ及びシ カが好ましい。表面処理に用いる有機化合 の例としては、ポリオール、アルカノール ミン、ステアリン酸、シランカップリング 及びチタネートカップリング剤が挙げられ 。中でも、シランカップリング剤が最も好 しい。

 具体的なシランカップリング剤の例とし は、メチルトリメトキシシラン、メチルト エトキシシラン、メチルトリメトキシエト シシラン、メチルトリアセトキシシラン、 チルトリブトキシシラン、エチルトリメト シシラン、エチルトリエトキシシラン、ビ ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキ シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビ ルトリメトキシエトキシシラン、フェニル リメトキシシラン、フェニルトリエトキシ ラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ- ロロプロピルトリメトキシシラン、γ-クロ プロピルトリエトキシシラン、γ-クロロプ ピルトリアセトキシシラン、3,3,3-トリフル ロプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシ ルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ- リシジルオキシプロピルトリエトキシシラ 、γ-(β-グリシジルオキシエトキシ)プロピ トリメトキシシラン、β-(3,4-エポシシシクロ ヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β-(3,4- エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキ シラン、γ-アクリロイルオキシプロピルト メトキシシラン、γ-メタクリロイルオキシ ロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロ ルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピル リエトキシシラン、γ-メルカプトプロピル リメトキシシラン、γ-メルカプトプロピル リエトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-ア ミノプロピルトリメトキシシラン及びβ-シア ノエチルトリエトキシシランが挙げられる。

 また、珪素に対して2置換のアルキル基を 持つシランカップリング剤の例として、ジメ チルジメトキシシラン、フェニルメチルジメ トキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、 フェニルメチルジエトキシシラン、γ-グリシ ジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン 、γ-グリシジルオキシプロピルメチルジメト キシシラン、γ-グリシジルオキシプロピルフ ェニルジエトキシシラン、γ-クロロプロピル メチルジエトキシシラン、ジメチルジアセト キシシラン、γ-アクリロイルオキシプロピル メチルジメトキシシラン、γ-アクリロイルオ キシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-メ タクリロイルオキシプロピルメチルジメトキ シシラン、γ-メタクリロイルオキシプロピル メチルジエトキシシラン、γ-メルカプトプロ ピルメチルジメトキシシラン、γ-メルカプト プロピルメチルジエトキシシラン、γ-アミノ プロピルメチルジメトキシシラン、γ-アミノ プロピルメチルジエトキシシラン、メチルビ ニルジメトキシシラン及びメチルビニルジエ トキシシランが挙げられる。

 これらのうち、分子内に二重結合を有す ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエ キシシラン、ビニルトリアセトキシシラン ビニルトリメトキシエトキシシラン、γ-ア リロイルオキシプロピルトリメトキシシラ 及びγ-メタクリロイルオキシプロピルトリ トキシシラン、珪素に対して2置換のアルキ ル基を持つものとしてγ-アクリロイルオキシ プロピルメチルジメトキシシラン、γ-アクリ ロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラ ン、γ-メタクリロイルオキシプロピルメチル ジメトキシシラン、γ-メタクリロイルオキシ プロピルメチルジエトキシシラン、メチルビ ニルジメトキシシラン及びメチルビニルジエ トキシシランが好ましく、γ-アクリロイルオ キシプロピルトリメトキシシラン及びγ-メタ クリロイルオキシプロピルトリメトキシシラ ン、γ-アクリロイルオキシプロピルメチルジ メトキシシラン、γ-アクリロイルオキシプロ ピルメチルジエトキシシラン、γ-メタクリロ イルオキシプロピルメチルジメトキシシラン 及びγ-メタクリロイルオキシプロピルメチル ジエトキシシランが特に好ましい。

 2種類以上のカップリング剤を併用しても よい。上記に示されるシランカップリング剤 に加えて、他のシランカップリング剤を用い てもよい。他のシランカップリング剤には、 オルトケイ酸のアルキルエステル(例えば、 ルトケイ酸メチル、オルトケイ酸エチル、 ルトケイ酸n-プロピル、オルトケイ酸i-プロ ル、オルトケイ酸n-ブチル、オルトケイ酸se c-ブチル、オルトケイ酸t-ブチル)及びその加 分解物が挙げられる。

 カップリング剤による表面処理は、微粒 の分散物に、カップリング剤を加え、室温 ら60℃までの温度で、数時間から10日間分散 物を放置することにより実施できる。表面処 理反応を促進するため、無機酸(例えば、硫 、塩酸、硝酸、クロム酸、次亜塩素酸、ホ 酸、オルトケイ酸、リン酸、炭酸)、有機酸( 例えば、酢酸、ポリアクリル酸、ベンゼンス ルホン酸、フェノール、ポリグルタミン酸) またはこれらの塩(例えば、金属塩、アンモ ウム塩)を、分散物に添加してもよい。

 これらシランカップリング剤は予め必要 の水で加水分解されていることが好ましい シランカップリング剤が加水分解されてい と、前述の有機チタン化合物及び金属酸化 粒子の表面が反応し易く、より強固な膜が 成される。また、加水分解されたシランカ プリング剤を予め塗布液中に加えることも ましい。この加水分解に用いた水も有機チ ン化合物の加水分解/重合に用いることがで きる。

 本発明では2種類以上の表面処理を組み合 わせて処理されていても構わない。金属酸化 物粒子の形状は、米粒状、球形状、立方体状 、紡錘形状或いは不定形状であることが好ま しい。2種類以上の金属酸化物粒子を高屈折 層及び中屈折率層に併用してもよい。

 高屈折率層及び中屈折率層中の金属酸化 粒子の割合は、5~90質量%であることが好ま く、より好ましくは10~85質量%であり、更に ましくは20~80質量%である。微粒子を含有す 場合に、前述の有機チタン化合物のモノマ 、オリゴマーまたはそれらの加水分解物の 合は、塗布液に含まれる固形分に対し1~50質 %であり、好ましくは1~40質量%、更に好まし は1~30質量%である。

 上記金属酸化物粒子は、媒体に分散した 散体の状態で、高屈折率層及び中屈折率層 形成するための塗布液に供される。金属酸 物粒子の分散媒体としては、沸点が60~170℃ 液体を用いることが好ましい。分散溶媒の 体例としては、水、アルコール(例、メタノ ール、エタノール、イソプロパノール、ブタ ノール、ベンジルアルコール)、ケトン(例、 セトン、メチルエチルケトン、メチルイソ チルケトン、シクロヘキサノン)、エステル (例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピ 、酢酸ブチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、 酸プロピル、蟻酸ブチル)、脂肪族炭化水素( 例、ヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン 炭化水素(例、メチレンクロライド、クロロ ルム、四塩化炭素)、芳香族炭化水素(例、 ンゼン、トルエン、キシレン)、アミド(例、 ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ ド、n-メチルピロリドン)、エーテル(例、ジ チルエーテル、ジオキサン、テトラハイド フラン)、エーテルアルコール(例、1-メトキ -2-プロパノール)が挙げられる。中でも、ト ルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メ チルイソブチルケトン、シクロヘキサノン及 びブタノールが特に好ましい。

 また金属酸化物粒子は、分散機を用いて 体中に分散することができる。分散機の例 しては、サンドグラインダーミル(例、ピン 付きビーズミル)、高速インペラーミル、ペ ブルミル、ローラーミル、アトライター及 コロイドミルが挙げられる。サンドグライ ダーミル及び高速インペラーミルが特に好 しい。また、予備分散処理を実施してもよ 。予備分散処理に用いる分散機の例として 、ボールミル、三本ロールミル、ニーダー びエクストルーダーが挙げられる。

 本発明における高屈折率層及び中屈折率 は、架橋構造を有するポリマー(以下、架橋 ポリマーともいう)をバインダーポリマーと て用いることが好ましい。架橋ポリマーの として、ポリオレフィン等の飽和炭化水素 を有するポリマー(以下、ポリオレフィンと 称する)、ポリエーテル、ポリウレア、ポリ ウレタン、ポリエステル、ポリアミン、ポリ アミド及びメラミン樹脂等の架橋物が挙げら れる。中でも、ポリオレフィン、ポリエーテ ル及びポリウレタンの架橋物が好ましく、ポ リオレフィン及びポリエーテルの架橋物が更 に好ましく、ポリオレフィンの架橋物が最も 好ましい。また、架橋ポリマーがアニオン性 基を有することは更に好ましい。アニオン性 基は無機微粒子の分散状態を維持する機能を 有し、架橋構造はポリマーに皮膜形成能を付 与して皮膜を強化する機能を有する。上記ア ニオン性基は、ポリマー鎖に直接結合してい てもよいし、連結基を介してポリマー鎖に結 合していてもよいが、連結基を介して側鎖と して主鎖に結合していることが好ましい。

 アニオン性基の例としては、カルボン酸 (カルボキシル)、スルホン酸基(スルホ)及び リン酸基(ホスホノ)が挙げられる。中でも、 ルホン酸基及びリン酸基が好ましい。ここ 、アニオン性基は、塩の状態であってもよ 。アニオン性基と塩を形成するカチオンは アルカリ金属イオンであることが好ましい また、アニオン性基のプロトンは、解離し いてもよい。アニオン性基とポリマー鎖と 結合する連結基は、-CO-、-O-、アルキレン基 、アリーレン基、及びこれらの組み合わせか ら選ばれる二価の基であることが好ましい。 好ましいバインダーポリマーである架橋ポリ マーは、アニオン性基を有する繰り返し単位 と、架橋構造を有する繰り返し単位とを有す るコポリマーであることが好ましい。この場 合、コポリマー中のアニオン性基を有する繰 り返し単位の割合は、2~96質量%であることが ましく、4~94質量%であることが更に好まし 、6~92質量%であることが最も好ましい。繰り 返し単位は、2以上のアニオン性基を有して てもよい。

 アニオン性基を有する架橋ポリマーには その他の繰り返し単位(アニオン性基も架橋 構造も有しない繰り返し単位)が含まれてい もよい。その他の繰り返し単位としては、 ミノ基または4級アンモニウム基を有する繰 返し単位及びベンゼン環を有する繰り返し 位が好ましい。アミノ基または4級アンモニ ウム基は、アニオン性基と同様に、無機微粒 子の分散状態を維持する機能を有する。ベン ゼン環は、高屈折率層の屈折率を高くする機 能を有する。尚、アミノ基、4級アンモニウ 基及びベンゼン環は、アニオン性基を有す 繰り返し単位或いは架橋構造を有する繰り し単位に含まれていても、同様の効果が得 れる。

 上記アミノ基または4級アンモニウム基を 有する繰り返し単位を構成単位として含有す る架橋ポリマーにおいて、アミノ基または4 アンモニウム基は、ポリマー鎖に直接結合 ていてもよいし、或いは連結基を介し側鎖 してポリマー鎖に結合していてもよいが、 者がより好ましい。アミノ基または4級アン ニウム基は、2級アミノ基、3級アミノ基ま は4級アンモニウム基であることが好ましく 3級アミノ基または4級アンモニウム基であ ことが更に好ましい。2級アミノ基、3級アミ ノ基または4級アンモニウム基の窒素原子に 合している基としては、アルキル基が好ま く、より好ましくは炭素数1~12のアルキル基 あり、更に好ましくは炭素数1~6のアルキル である。4級アンモニウム基の対イオンは、 ハライドイオンであることが好ましい。アミ ノ基または4級アンモニウム基とポリマー鎖 を結合する連結基は、-CO-、-NH-、-O-、アルキ レン基、アリーレン基、及びこれらの組み合 わせから選ばれる2価の基であることが好ま い。架橋ポリマーが、アミノ基または4級ア モニウム基を有する繰り返し単位を含む場 、その割合は、0.06~32質量%であることが好 しく、0.08~30質量%であることが更に好ましく 、0.1~28質量%であることが最も好ましい。

 架橋ポリマーは、架橋ポリマーを生成す ためのモノマーを配合して高屈折率層及び 屈折率層形成用の塗布液を調製し、塗布液 塗布と同時または塗布後に、重合反応によ て生成させることが好ましい。架橋ポリマ の生成と共に、各層が形成される。アニオ 性基を有するモノマーは、塗布液中で無機 粒子の分散剤として機能する。アニオン性 を有するモノマーは、無機微粒子に対して 好ましくは1~50質量%、より好ましくは5~40質 %、更に好ましくは10~30質量%使用される。ま た、アミノ基または4級アンモニウム基を有 るモノマーは、塗布液中で分散助剤として 能する。アミノ基または4級アンモニウム基 有するモノマーは、アニオン性基を有する ノマーに対して、好ましくは3~33質量%使用 れる。塗布液の塗布と同時または塗布後に 重合反応によって架橋ポリマーを生成する 法により、塗布液の塗布前にこれらのモノ ーを有効に機能させることができる。

 本発明に用いられるモノマーとしては、2 個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマ ーが最も好ましいが、その例としては、多価 アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル( 例、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー 、1,4-ジクロヘキサンジアクリレート、ペン タエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレ ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アク リレート、トリメチロールエタントリ(メタ) クリレート、ジペンタエリスリトールテト (メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト ルペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリス リトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3-シ ロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウ タンポリアクリレート、ポリエステルポリ クリレート)、ビニルベンゼン及びその誘導 体(例、1,4-ジビニルベンゼン、4-ビニル安息 酸-2-アクリロイルエチルエステル、1,4-ジビ ルシクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例 ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例、メ チレンビスアクリルアミド)及びメタクリル ミド等が挙げられる。アニオン性基を有す モノマー、及びアミノ基または4級アンモニ ム基を有するモノマーは市販のモノマーを いてもよい。好ましく用いられる市販のア オン性基を有するモノマーとしては、KAYAMAR PM-21、PM-2(日本化薬(株)製)、AntoxMS-60、MS-2N、MS -NH4(日本乳化剤(株)製)、アロニックスM-5000、M -6000、M-8000シリーズ(東亞合成化学工業(株)製) 、ビスコート#2000シリーズ(大阪有機化学工業 (株)製)、ニューフロンティアGX-8289(第一工業 薬(株)製)、NKエステルCB-1、A-SA(新中村化学 業(株)製)、AR-100、MR-100、MR-200(第八化学工業( 株)製)等が挙げられる。また、好ましく用い れる市販のアミノ基または4級アンモニウム 基を有するモノマーとしてはDMAA(大阪有機化 工業(株)製)、DMAEA,DMAPAA(興人(株)製)、ブレン マーQA(日本油脂(株)製)、ニューフロンティア C-1615(第一工業製薬(株)製)等が挙げられる。

 ポリマーの重合反応は、光重合反応また 熱重合反応を用いることができる。特に光 合反応が好ましい。重合反応のため、重合 始剤を使用することが好ましい。例えば、 ードコート層のバインダーポリマーを形成 るために用いられる後述する熱重合開始剤 及び光重合開始剤が挙げられる。

 重合開始剤として市販の重合開始剤を使 してもよい。重合開始剤に加えて、重合促 剤を使用してもよい。重合開始剤と重合促 剤の添加量は、モノマーの全量の0.2~10質量% の範囲であることが好ましい。塗布液(モノ ーを含む無機微粒子の分散液)を加熱して、 ノマー(またはオリゴマー)の重合を促進し もよい。また、塗布後の光重合反応の後に 熱して、形成されたポリマーの熱硬化反応 追加処理してもよい。

 中屈折率層及び高屈折率層には、比較的 折率が高いポリマーを用いることが好まし 。屈折率が高いポリマーの例としては、ポ スチレン、スチレン共重合体、ポリカーボ ート、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エ キシ樹脂及び環状(脂環式または芳香族)イ シアネートとポリオールとの反応で得られ ポリウレタンが挙げられる。その他の環状( 香族、複素環式、脂環式)基を有するポリマ ーや、フッ素以外のハロゲン原子を置換基と して有するポリマーも、屈折率が高く用いる ことができる。

 本発明に用いることのできる低屈折率層 しては、熱または電離放射線により架橋す 含フッ素樹脂(以下、「架橋前の含フッ素樹 脂」ともいう)の架橋からなる低屈折率層、 ルゲル法による低屈折率層、または微粒子 バインダーポリマーを用い、微粒子間また 微粒子内部に空隙を有する低屈折率層等が いられるが、本発明に適用できる低屈折率 は、主として微粒子とバインダーポリマー 用いる低屈折率層であることが好ましい。 に粒子内部に空隙を有する(中空微粒子とも う)低屈折率層である場合、より屈折率を低 下することができ好ましい。但し、低屈折率 層の屈折率は、低ければ反射防止性能が良化 するため好ましいが、低屈折率層の強度付与 の観点では困難となる。このバランスから、 低屈折率層の屈折率は1.45以下であることが ましく、更に1.30~1.50であることが好ましく 1.35~1.49であることがより好ましく、1.35~1.45 あることが特に好ましい。

 また、上記低屈折率層の調製方法は適宜 み合わせて用いても構わない。

 架橋前の含フッ素樹脂としては、含フッ ビニルモノマーと架橋性基付与のためのモ マーから形成される含フッ素共重合体を好 しく挙げることができる。上記含フッ素ビ ルモノマー単位の具体例としては、例えば ルオロオレフィン類(例えば、フルオロエチ レン、ビニリデンフルオライド、テトラフル オロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘ キサフルオロプロピレン、パーフルオロ-2,2- メチル-1,3-ジオキソール等)、(メタ)アクリ 酸の部分または完全フッ素化アルキルエス ル誘導体類(例えば、ビスコート6FM(大阪有機 化学製)やM-2020(ダイキン製)等)、完全または 分フッ素化ビニルエーテル類等が挙げられ 。架橋性基付与のためのモノマーとしては グリシジルメタクリレートや、ビニルトリ トキシシラン、γ-メタクリロイルオキシプ ピルトリメトキシシラン、ビニルグリシジ エーテル等のように分子内に予め架橋性官 基を有するビニルモノマーの他、カルボキ ル基やヒドロキシル基、アミノ基、スルホ 酸基等を有するビニルモノマー(例えば、(メ タ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレー ト、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート アリルアクリレート、ヒドロキシアルキル ニルエーテル、ヒドロキシアルキルアリル ーテル等)が挙げられる。後者は共重合の後 、ポリマー中の官能基と反応する基ともう1 以上の反応性基を持つ化合物を加えること より、架橋構造を導入できることが特開平10 -25388号、同10-147739号に記載されている。架橋 性基の例には、アクリロイル、メタクリロイ ル、イソシアナート、エポキシ、アジリジン 、オキサゾリン、アルデヒド、カルボニル、 ヒドラジン、カルボキシル、メチロール及び 活性メチレン基等が挙げられる。含フッ素共 重合体が、加熱により反応する架橋基、若し くは、エチレン性不飽和基と熱ラジカル発生 剤若しくはエポキシ基と熱酸発生剤等の組み 合わせにより、加熱により架橋する場合、熱 硬化型であり、エチレン性不飽和基と光ラジ カル発生剤若しくは、エポキシ基と光酸発生 剤等の組み合わせにより、光(好ましくは紫 線、電子ビーム等)の照射により架橋する場 、電離放射線硬化型である。

 また上記モノマー加えて、含フッ素ビニ モノマー及び架橋性基付与のためのモノマ 以外のモノマーを併用して形成された含フ 素共重合体を架橋前の含フッ素樹脂として いてもよい。併用可能なモノマーには特に 定はなく、例えばオレフィン類(エチレン、 プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化 ビニリデン等)、アクリル酸エステル類(アク ル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル エチル、アクリル酸2-エチルヘキシル)、メ クリル酸エステル類(メタクリル酸メチル、 メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、 エチレングリコールジメタクリレート等)、 チレン誘導体(スチレン、ジビニルベンゼン ビニルトルエン、α-メチルスチレン等)、ビ ニルエーテル類(メチルビニルエーテル等)、 ニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸 ビニル、桂皮酸ビニル等)、アクリルアミド (N-tertブチルアクリルアミド、N-シクロヘキ ルアクリルアミド等)、メタクリルアミド類 アクリロニトリル誘導体等を挙げることが きる。また、含フッ素共重合体中に、滑り 、防汚性付与のため、ポリオルガノシロキ ン骨格や、パーフルオロポリエーテル骨格 導入することも好ましい。これは、例えば 端にアクリル基、メタクリル基、ビニルエ テル基、スチリル基等を持つポリオルガノ ロキサンやパーフルオロポリエーテルと上 のモノマーとの重合、末端にラジカル発生 を持つポリオルガノシロキサンやパーフル ロポリエーテルによる上記モノマーの重合 官能基を持つポリオルガノシロキサンやパ フルオロポリエーテルと、含フッ素共重合 との反応等によって得られる。

 架橋前の含フッ素共重合体を形成するた に用いられる上記各モノマーの使用割合は 含フッ素ビニルモノマーが好ましくは20~70 ル%、より好ましくは40~70モル%、架橋性基付 のためのモノマーが好ましくは1~20モル%、 り好ましくは5~20モル%、併用されるその他の モノマーが好ましくは10~70モル%、より好まし くは10~50モル%の割合である。

 含フッ素共重合体は、これらモノマーを ジカル重合開始剤の存在下で、溶液重合、 状重合、乳化重合、懸濁重合法等の手段に り重合することにより得ることができる。

 架橋前の含フッ素樹脂は、市販されてお 使用することができる。市販されている架 前の含フッ素樹脂の例としては、サイトッ (旭硝子製)、テフロン(登録商標)AF(デュポン 製)、ポリフッ化ビニリデン、ルミフロン(旭 子製)、オプスター(JSR製)等が挙げられる。

 架橋した含フッ素樹脂を構成成分とする 屈折率層は、動摩擦係数が0.03~0.15の範囲、 に対する接触角が90~120度の範囲にあること 好ましい。

 架橋した含フッ素樹脂を構成成分とする 屈折率層が後述する無機粒子を含有するこ は、屈折率調整の点から好ましい。また無 微粒子は、表面処理を施して用いることも ましい。表面処理法としてはプラズマ放電 理やコロナ放電処理のような物理的表面処 とカップリング剤を使用する化学的表面処 があるが、カップリング剤の使用が好まし 。カップリング剤としては、オルガノアル キシ金属化合物(例、チタンカップリング剤 、シランカップリング剤等)が好ましく用い れる。無機微粒子がシリカの場合はシラン ップリング剤による処理が特に有効である

 また、低屈折率層用の素材として、各種 ルゲル素材を用いることもできる。この様 ゾルゲル素材としては、金属アルコレート( シラン、チタン、アルミニウム、ジルコニウ ム等のアルコレート)、オルガノアルコキシ 属化合物及びその加水分解物を用いること できる。特に、アルコキシシラン、オルガ アルコキシシラン及びその加水分解物が好 しい。これらの例としては、テトラアルコ シシラン(テトラメトキシシラン、テトラエ キシシラン等)、アルキルトリアルコキシシ ラン(メチルトリメトキシシラン、エチルト メトキシシラン等)、アリールトリアルコキ シラン(フェニルトリメトキシシラン等)、 アルキルジアルコキシシラン、ジアリール アルコキシシラン等が挙げられる。また、 種の官能基を有するオルガノアルコキシシ ン(ビニルトリアルコキシシラン、メチルビ ルジアルコキシシラン、γ-グリシジルオキ プロピルトリアルコキシシラン、γ-グリシ ルオキシプロピルメチルジアルコキシシラ 、β-(3,4-エポキジシクロヘキシル)エチルト アルコキシシラン、γ-メタクリロイルオキ プロピルトリアルコキシシラン、γ-アミノ ロピルトリアルコキシシラン、γ-メルカプ プロピルトリアルコキシシラン、γ-クロロ ロピルトリアルコキシシラン等)、パーフル オロアルキル基含有シラン化合物(例えば、( プタデカフルオロ-1,1,2,2-テトラデシル)トリ エトキシシラン、3,3,3-トリフルオロプロピル トリメトキシシラン等)を用いることも好ま い。特にフッ素含有のシラン化合物を用い ことは、層の低屈折率化及び撥水・撥油性 与の点で好ましい。

 低屈折率層として、無機若しくは有機の 粒子を用い、微粒子間または微粒子内のミ ロボイドとして形成した層を用いることも ましい。微粒子の平均粒径は、0.5~200nmであ ことが好ましく、1~100nmであることがより好 ましく、3~70nmであることが更に好ましく、5~4 0nmの範囲であることが最も好ましい。微粒子 の粒径は、なるべく均一(単分散)であること 好ましい。

 機微粒子としては、非晶質であることが好 しい。無機微粒子は、金属の酸化物、窒化 、硫化物またはハロゲン化物からなること 好ましく、金属酸化物または金属ハロゲン 物からなることが更に好ましく、金属酸化 または金属フッ化物からなることが最も好 しい。金属原子としては、Na、K、Mg、Ca、Ba Al、Zn、Fe、Cu、Ti、Sn、In、W、Y、Sb、Mn、Ga、 V、Nb、Ta、Ag、Si、B、Bi、Mo、Ce、Cd、Be、Pb及 Niが好ましく、Mg、Ca、B及びSiが更に好まし 。二種類の金属を含む無機化合物を用いて よい。好ましい無機化合物の具体例として 、SiO 2 、またはMgF 2 であり、特に好ましくはSiO 2 である。

 無機微粒子内にミクロボイドを有する粒子 、例えば、粒子を形成するシリカの分子を 橋させることにより形成することができる シリカの分子を架橋させると体積が縮小し 粒子が多孔質になる。ミクロボイドを有す (多孔質)無機微粒子は、ゾル-ゲル法(特開昭 53-112732号、特公昭57-9051号に記載)または析出 (APPLIED OPTICS,27巻,3356頁(1988)記載)により、分 散物として直接合成することができる。また 、乾燥・沈澱法で得られた粉体を、機械的に 粉砕して分散物を得ることもできる。市販の 多孔質無機微粒子(例えば、SiO 2 ゾル)を用いてもよい。

 これらの無機微粒子は、低屈折率層の形 のため、適当な媒体に分散した状態で使用 ることが好ましい。分散媒としては、水、 ルコール(例えば、メタノール、エタノール 、イソプロピルアルコール)及びケトン(例え 、メチルエチルケトン、メチルイソブチル トン)が好ましい。

 有機微粒子も非晶質であることが好まし 。有機微粒子は、モノマーの重合反応(例え ば乳化重合法)により合成されるポリマー微 子であることが好ましい。有機微粒子のポ マーはフッ素原子を含むことが好ましい。 リマー中のフッ素原子の割合は、35~80質量% あることが好ましく、45~75質量%であること 更に好ましい。また、有機微粒子内に、例 ば、粒子を形成するポリマーを架橋させ、 積を縮小させることによりミクロボイドを 成させることも好ましい。粒子を形成する リマーを架橋させるためには、ポリマーを 成するためのモノマーの20モル%以上を多官 モノマーとすることが好ましい。多官能モ マーの割合は、30~80モル%であることが更に ましく、35~50モル%であることが最も好まし 。上記有機微粒子の合成に用いられるモノ ーとしては、含フッ素ポリマーを合成する めに用いるフッ素原子を含むモノマーの例 して、フルオロオレフィン類(例えば、フル ロエチレン、ビニリデンフルオライド、テ ラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロ レン、パーフルオロ-2,2-ジメチル-1,3-ジオキ ソール)、アクリル酸またはメタクリル酸の ッ素化アルキルエステル類及びフッ素化ビ ルエーテル類が挙げられる。フッ素原子を むモノマーとフッ素原子を含まないモノマ とのコポリマーを用いてもよい。フッ素原 を含まないモノマーの例としては、オレフ ン類(例えば、エチレン、プロピレン、イソ レン、塩化ビニル、塩化ビニリデン)、アク リル酸エステル類(例えば、アクリル酸メチ 、アクリル酸エチル、アクリル酸2-エチルヘ キシル)、メタクリル酸エステル類(例えば、 タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、 タクリル酸ブチル)、スチレン類(例えば、 チレン、ビニルトルエン、α-メチルスチレ )、ビニルエーテル類(例えば、メチルビニル エーテル)、ビニルエステル類(例えば、酢酸 ニル、プロピオン酸ビニル)、アクリルアミ ド類(例えば、N-tert-ブチルアクリルアミド、N -シクロヘキシルアクリルアミド)、メタクリ アミド類及びアクリルニトリル類が挙げら る。多官能モノマーの例としては、ジエン (例えば、ブタジエン、ペンタジエン)、多 アルコールとアクリル酸とのエステル(例え 、エチレングリコールジアクリレート、1,4- シクロヘキサンジアクリレート、ジペンタエ リスリトールヘキサアクリレート)、多価ア コールとメタクリル酸とのエステル(例えば エチレングリコールジメタクリレート、1,2, 4-シクロヘキサンテトラメタクリレート、ペ タエリスリトールテトラメタクリレート)、 ジビニル化合物(例えば、ジビニルシクロヘ サン、1,4-ジビニルベンゼン)、ジビニルスル ホン、ビスアクリルアミド類(例えば、メチ ンビスアクリルアミド)及びビスメタクリル ミド類が挙げられる。

 粒子間のミクロボイドは、微粒子を少な とも2個以上積み重ねることにより形成する ことができる。尚、粒径が等しい(完全な単 散の)球状微粒子を最密充填すると、26体積% 空隙率の微粒子間ミクロボイドが形成され 。粒径が等しい球状微粒子を単純立方充填 ると、48体積%の空隙率の微粒子間ミクロボ ドが形成される。実際の低屈折率層では、 粒子の粒径の分布や粒子内ミクロボイドが 在するため、空隙率は上記の理論値からか り変動する。空隙率を増加させると、低屈 率層の屈折率が低下する。微粒子を積み重 てミクロボイドを形成すると、微粒子の粒 を調整することで、粒子間ミクロボイドの きさも適度の(光を散乱せず、低屈折率層の 強度に問題が生じない)値に容易に調節でき 。更に、微粒子の粒径を均一にすることで 粒子間ミクロボイドの大きさも均一である 学的に均一な低屈折率層を得ることができ 。これにより、低屈折率層は微視的にはミ ロボイド含有多孔質膜であるが、光学的或 は巨視的には均一な膜にすることができる 粒子間ミクロボイドは、微粒子及びポリマ によって低屈折率層内で閉じていることが ましい。閉じている空隙には、低屈折率層 面に開かれた開口と比較して、低屈折率層 面での光の散乱が少ないとの利点もある。

 ミクロボイドを形成することにより、低 折率層の巨視的屈折率は、低屈折率層を構 する成分の屈折率の和よりも低い値になる 層の屈折率は、層の構成要素の体積当たり 屈折率の和になる。微粒子やポリマーのよ な低屈折率層の構成成分の屈折率は1よりも 大きな値であるのに対して、空気の屈折率は 1.00である。その為、ミクロボイドを形成す ことによって、屈折率が非常に低い低屈折 層を得ることができる。

 また、本発明ではSiO 2 の中空微粒子を用いることも好ましい態様で ある。

 本発明でいう中空微粒子とは、粒子壁を有 その内部が空洞であるような粒子をいい、 えば前述の微粒子内部にミクロボイドを有 るSiO 2 粒子を更に有機珪素化合物(テトラエトキシ ラン等のアルコキシシラン類)で表面を被覆 その細孔入り口を閉塞して形成された粒子 ある。或いは前記粒子壁内部の空洞が溶媒 たは気体で満たされていてもよく、例えば 気の場合は中空微粒子の屈折率は、通常の リカ(屈折率=1.46)と比較して著しく低くする ことができる(屈折率=1.44~1.34)。この様な中空 SiO 2 微粒子を添加することにより、低屈折率層の 更なる低屈折率化が可能となる。

 上記無機微粒子内にミクロボイドを有する 子を中空にする調製方法は、特開2001-167637 公報、同2001-233611号公報に記載されている方 法に準じればよく、また本発明では市販の中 空SiO 2 微粒子を用いることができる。市販の粒子の 具体例としては、触媒化成工業社製P-4等が挙 げられる。

 低屈折率層は、5~50質量%の量のポリマー 含むことが好ましい。ポリマーは、微粒子 接着し、空隙を含む低屈折率層の構造を維 する機能を有する。ポリマーの使用量は、 隙を充填することなく低屈折率層の強度を 持できるように調整する。ポリマーの量は 低屈折率層の全量の10~30質量%であることが ましい。ポリマーで微粒子を接着するため は、(1)微粒子の表面処理剤にポリマーを結 させるか、(2)微粒子をコアとして、その周 にポリマーシェルを形成するか、或いは(3) 粒子間のバインダーとして、ポリマーを使 することが好ましい。(1)の表面処理剤に結 させるポリマーは、(2)のシェルポリマーま は(3)のバインダーポリマーであることが好 しい。(2)のポリマーは、低屈折率層の塗布 の調製前に、微粒子の周囲に重合反応によ 形成することが好ましい。(3)のポリマーは 低屈折率層の塗布液にモノマーを添加し、 屈折率層の塗布と同時または塗布後に、重 反応により形成することが好ましい。上記(1 )~(3)のうちの二つまたは全てを組み合わせて 施することが好ましく、(1)と(3)の組み合わ 、または(1)~(3)全ての組み合わせで実施する ことが特に好ましい。(1)表面処理、(2)シェル 及び(3)バインダーについて順次説明する。

 (1)表面処理
 微粒子(特に無機微粒子)には、表面処理を 施して、ポリマーとの親和性を改善するこ が好ましい。表面処理は、プラズマ放電処 やコロナ放電処理のような物理的表面処理 、カップリング剤を使用する化学的表面処 に分類できる。化学的表面処理のみ、また 物理的表面処理と化学的表面処理の組み合 せで実施することが好ましい。カップリン 剤としては、オルガノアルコキシメタル化 物(例、チタンカップリング剤、シランカッ リング剤)が好ましく用いられる。微粒子が SiO 2 からなる場合は、シランカップリング剤によ る表面処理が特に有効に実施できる。具体的 なシランカップリング剤の例としては、前記 したシランカップリング剤が好ましく用いら れる。

 カップリング剤による表面処理は、微粒 の分散物に、カップリング剤を加え、室温 ら60℃までの温度で、数時間から10日間分散 物を放置することにより実施できる。表面処 理反応を促進するため、無機酸(例えば、硫 、塩酸、硝酸、クロム酸、次亜塩素酸、ホ 酸、オルトケイ酸、リン酸、炭酸)、有機酸( 例えば、酢酸、ポリアクリル酸、ベンゼンス ルホン酸、フェノール、ポリグルタミン酸) またはこれらの塩(例えば、金属塩、アンモ ウム塩)を、分散物に添加してもよい。

 (2)シェル
 シェルを形成するポリマーは、飽和炭化水 を主鎖として有するポリマーであることが ましい。フッ素原子を主鎖または側鎖に含 ポリマーが好ましく、フッ素原子を側鎖に むポリマーが更に好ましい。ポリアクリル エステルまたはポリメタクリル酸エステル 好ましく、フッ素置換アルコールとポリア リル酸またはポリメタクリル酸とのエステ が最も好ましい。シェルポリマーの屈折率 、ポリマー中のフッ素原子の含有量の増加 伴い低下する。低屈折率層の屈折率を低下 せるため、シェルポリマーは35~80質量%のフ 素原子を含むことが好ましく、45~75質量%の ッ素原子を含むことが更に好ましい。フッ 原子を含むポリマーは、フッ素原子を含む チレン性不飽和モノマーの重合反応により 成することが好ましい。フッ素原子を含む チレン性不飽和モノマーの例としては、フ オロオレフィン(例えば、フルオロエチレン 、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロ エチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パー フルオロ-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソール)、フ 素化ビニルエーテル及びフッ素置換アルコ ルとアクリル酸またはメタクリル酸とのエ テルが挙げられる。

 シェルを形成するポリマーは、フッ素原 を含む繰り返し単位とフッ素原子を含まな 繰り返し単位からなるコポリマーであって よい。フッ素原子を含まない繰り返し単位 、フッ素原子を含まないエチレン性不飽和 ノマーの重合反応により得ることが好まし 。フッ素原子を含まないエチレン性不飽和 ノマーの例としては、オレフィン(例えば、 エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビ ニル、塩化ビニリデン)、アクリル酸エステ (例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エ ル、アクリル酸2-エチルヘキシル)、メタク ル酸エステル(例えば、メタクリル酸メチル 、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル 、エチレングリコールジメタクリレート)、 チレン及びその誘導体(例えば、スチレン、 ビニルベンゼン、ビニルトルエン、α-メチ スチレン)、ビニルエーテル(例えば、メチ ビニルエーテル)、ビニルエステル(例えば、 酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビ ニル)、アクリルアミド(例えば、N-tertブチル クリルアミド、N-シクロヘキシルアクリル ミド)、メタクリルアミド及びアクリロニト ルが挙げられる。

 後述する(3)のバインダーポリマーを併用 る場合は、シェルポリマーに架橋性官能基 導入して、シェルポリマーとバインダーポ マーとを架橋により化学的に結合させても い。シェルポリマーは、結晶性を有してい もよい。シェルポリマーのガラス転移温度( Tg)が低屈折率層の形成時の温度よりも高いと 、低屈折率層内のミクロボイドの維持が容易 である。但し、Tgが低屈折率層の形成時の温 よりも高いと、微粒子が融着せず、低屈折 層が連続層として形成されない(その結果、 強度が低下する)場合がある。その場合は、 述する(3)のバインダーポリマーを併用し、 インダーポリマーにより低屈折率層を連続 として形成することが望ましい。微粒子の 囲にポリマーシェルを形成して、コアシェ 微粒子が得られる。コアシェル微粒子中に 機微粒子からなるコアが5~90体積%含まれてい ることが好ましく、15~80体積%含まれているこ とが更に好ましい。二種類以上のコアシェル 微粒子を併用してもよい。また、シェルのな い無機微粒子とコアシェル粒子とを併用して もよい。

 (3)バインダー
 バインダーポリマーは、飽和炭化水素また ポリエーテルを主鎖として有するポリマー あることが好ましく、飽和炭化水素を主鎖 して有するポリマーであることが更に好ま い。バインダーポリマーは架橋しているこ が好ましい。飽和炭化水素を主鎖として有 るポリマーは、エチレン性不飽和モノマー 重合反応により得ることが好ましい。架橋 ているバインダーポリマーを得るためには 二以上のエチレン性不飽和基を有するモノ ーを用いることが好ましい。2以上のエチレ ン性不飽和基を有するモノマーの例としては 、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエ テル(例えば、エチレングリコールジ(メタ) クリレート、1,4-ジクロヘキサンジアクリレ ート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)ア リレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ )アクリレート、トリメチロールプロパント (メタ)アクリレート、トリメチロールエタン トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリ ールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタ リスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペ ンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー 、1,2,3-シクロヘキサンテトラメタクリレー 、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエ テルポリアクリレート)、ビニルベンゼン及 びその誘導体(例えば、1,4-ジビニルベンゼン 4-ビニル安息香酸-2-アクリロイルエチルエ テル、1,4-ジビニルシクロヘキサノン)、ビニ ルスルホン(例えば、ジビニルスルホン)、ア リルアミド(例えば、メチレンビスアクリル アミド)及びメタクリルアミドが挙げられる ポリエーテルを主鎖として有するポリマー 、多官能エポシキ化合物の開環重合反応に り合成することが好ましい。2以上のエチレ 性不飽和基を有するモノマーの代わりまた それに加えて、架橋性基の反応により、架 構造をバインダーポリマーに導入してもよ 。架橋性官能基の例としては、イソシアナ ト基、エポキシ基、アジリジン基、オキサ リン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒ ラジン基、カルボキシル基、メチロール基 び活性メチレン基が挙げられる。ビニルス ホン酸、酸無水物、シアノアクリレート誘 体、メラミン、エーテル化メチロール、エ テル及びウレタンも、架橋構造を導入する めのモノマーとして利用できる。ブロック ソシアナート基のように、分解反応の結果 して架橋性を示す官能基を用いてもよい。 た、架橋基は、上記化合物に限らず上記官 基が分解した結果反応性を示すものであっ もよい。バインダーポリマーの重合反応及 架橋反応に使用する重合開始剤は、熱重合 始剤や、光重合開始剤が用いられるが、光 合開始剤の方がより好ましい。光重合開始 の例としては、アセトフェノン類、ベンゾ ン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキ ド類、ケタール類、アントラキノン類、チ キサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2 ,3-ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド 化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族 スルホニウム類がある。アセトフェノン類の 例としては、2,2-ジエトキシアセトフェノン p-ジメチルアセトフェノン、1-ヒドロキシジ チルフェニルケトン、1-ヒドロキシシクロ キシルフェニルケトン、2-メチル-4-メチルチ オ-2-モルフォリノプロピオフェノン及び2-ベ ジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフ ニル)-ブタノンが挙げられる。ベンゾイン の例としては、ベンゾインメチルエーテル ベンゾインエチルエーテル及びベンゾイン ソプロピルエーテルが挙げられる。ベンゾ ェノン類の例としては、ベンゾフェノン、2, 4-ジクロロベンゾフェノン、4,4-ジクロロベン ゾフェノン及びp-クロロベンゾフェノンが挙 られる。ホスフィンオキシド類の例として 、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフ スフィンオキシドが挙げられる。

 バインダーポリマーは、低屈折率層の塗 液にモノマーを添加し、低屈折率層の塗布 同時または塗布後に重合反応(必要ならば更 に架橋反応)により形成することが好ましい 低屈折率層の塗布液に、少量のポリマー(例 ば、ポリビニルアルコール、ポリオキシエ レン、ポリメチルメタクリレート、ポリメ ルアクリレート、ジアセチルセルロース、 リアセチルセルロース、ニトロセルロース ポリエステル、アルキド樹脂)を添加しても よい。

 また、本発明の低屈折率層或いは他の屈 率層には滑り剤を添加することが好ましく 滑り性を付与することによって耐傷性を改 することができる。滑り剤としては、シリ ーンオイルまたはワックス状物質が好まし 用いられる。例えば、下記一般式で表され 化合物が好ましい。

 一般式  R 1 COR 2
 式中、R 1 は炭素原子数が12以上の飽和または不飽和の 肪族炭化水素基を表す。アルキル基または ルケニル基が好ましく、更に炭素原子数が1 6以上のアルキル基またはアルケニル基が好 しい。R 2 は-OM1基(M1はNa、K等のアルカリ金属を表す)、- OH基、-NH 2 基、または-OR 3 基(R 3 は炭素原子数が12以上の飽和または不飽和の 肪族炭化水素基、好ましくはアルキル基ま はアルケニル基を表す)を表し、R 2 としては-OH基、-NH 2 基または-OR 3 基が好ましい。具体的には、ベヘン酸、ステ アリン酸アミド、ペンタコ酸等の高級脂肪酸 またはその誘導体、天然物としてこれらの成 分を多く含んでいるカルナバワックス、蜜蝋 、モンタンワックスも好ましく使用できる。 特公昭53-292号公報に開示されているようなポ リオルガノシロキサン、米国特許第4,275,146号 明細書に開示されているような高級脂肪酸ア ミド、特公昭58-33541号公報、英国特許第927,446 号明細書または特開昭55-126238号公報及び同58- 90633号公報に開示されているような高級脂肪 エステル(炭素
数が10~24の脂肪酸と炭素数が10~24のアルコー のエステル)、そして米国特許第3,933,516号明 書に開示されているような高級脂肪酸金属 、特開昭51-37217号公報に開示されているよ な炭素数10までのジカルボン酸と脂肪族また は環式脂肪族ジオールからなるポリエステル 化合物、特開平7-13292号公報に開示されてい ジカルボン酸とジオールからのオリゴポリ ステル等を挙げることができる。

 例えば、低屈折率層に使用する滑り剤の添 量は0.01mg/m 2 ~10mg/m 2 が好ましい。

 反射防止フィルムの各層またはその塗布 には、金属酸化物粒子、ポリマー、分散媒 、重合開始剤、重合促進剤等以外に、重合 止剤、レベリング剤、増粘剤、着色防止剤 紫外線吸収剤、シランカップリング剤、帯 防止剤や接着付与剤を添加してもよい。

 反射防止フィルムの各層は、ディップコ ト法、エアーナイフコート法、カーテンコ ト法、ローラーコート法、ワイヤーバーコ ト法、グラビアコート法やエクストルージ ンコート法(米国特許2,681,294号)により、塗 により形成することができる。2以上の層を 時に塗布してもよい。同時塗布の方法につ ては、米国特許2,761,791号、同2,941,898号、同3 ,508,947号、同3,526,528号及び原崎勇次著、コー ィング工学、253頁、朝倉書店(1973)に記載が る。

 本発明では、反射防止フィルムの製造に いて、前記調製した塗布液を支持体に塗布 た後乾燥する際に、好ましくは60℃以上で 燥することが好ましく、80℃以上で乾燥する ことが更に好ましい。また、露点20℃以下で 燥することが好ましく、15℃以下で乾燥す ことが更に好ましい。更に支持体に塗布し 後10秒以内に乾燥が開始されることが好まし く、上記条件と組み合わせることが、本発明 の効果を得る上で好ましい製造方法である。

 本発明のセルロースエステル光学フィル は、上述の如く偏光板保護フィルム、反射 止フィルム、ハードコートフィルム、防眩 ィルム、位相差フィルム、光学補償フィル 、帯電防止フィルム、輝度向上フィルム等 好ましく用いられる。

 以下に実施例を挙げて本発明を具体的に 明するが、本発明はこれらに限定されるも ではない。

 実施例1
 (セルロースアシレート)
 <合成例1>
 セルロース(日本製紙(株)製溶解パルプ)30gに 酢酸30gを加え、54℃で30分撹拌した。混合物 冷却した後、氷浴中で冷却した無水酢酸150g 硫酸1.2gを加えてエステル化を行った。エス テル化において、40℃を超えないように調節 ながら、撹拌を150分行った。反応終了後、 酸30gと水10gの混合液を20分かけて滴下して 剰の無水物を加水分解した。反応液の温度 40℃に保持しながら、酢酸90gと水30gを加えて 1時間撹拌した。酢酸マグネシウム2gを含有し た水溶液中に混合物をあけてしばらく撹拌し た後にろ過、乾燥し、セルロースアシレート  C-1を得た。アセチル置換度2.80、質量平均分 子量は220000であった。

 <合成例2~8>
 表1記載の酢酸、無水酢酸、プロピオン酸、 無水プロピオン酸、酪酸、無水酪酸を用い、 合成例1と同様のエステル化操作を行い、セ ロースアシレートC-2~C-8を得た。

 表1において、各記号は以下の基を表す。

 アシル基置換度
 Ac:アセチル基、Pr:プロピオニル基、Bu:ブチ ル基
 脂肪酸
 I:酢酸、II:プロピオン酸または酪酸
 無水脂肪酸
 I:無水酢酸、II:無水プロピオン酸または無 n-酪酸
 Mw:質量平均分子量を表し、質量平均分子量 測定はGPC HLC-8220(東ソー社製)で行った。

 なお、アシル基の置換度は、ASTM-D817に規定 方法により求めた。アシル基総炭素数計算 例えばセルロースアセテートプロピオネー の場合
 アシル基総炭素数=2×アセチル基置換度+3× ロピオニル基置換度
 で算出した。例えばセルロースアセテート チレートの場合
 アシル基総炭素数=2×アセチル基置換度+4× チリル基置換度
 で算出した。

 <合成例9~41>
 合成例1と同様に、相当する脂肪酸及び無水 脂肪酸を用いて、表2記載のセルロースアシ ートC-9~C-41を得た。

 表2において、アシル基置換度のAc、Pr、Bu は、表1と同じ基を表し、Peはn-ペンタニル基 表す。アシル基総炭素数計算は表1と同様に 算出した。

 (フィルムの作製)
 <フィルム F-1>
 セルロースアシレートC-1 100質量部、可塑 として前記KA-61の10質量部、前記一般式(1)で される化合物として、ペンタエリスリトー テトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキ フェニル)プロピオネート](市販品として、Ir ganox1010(チバスペシャルティケミカルズ社製)) 0.5質量部、リン系化合物として、前記HON-1 0. 25質量部、紫外線吸収剤として、2-(2H-ベンゾ リアゾール-2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエ チル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノー (市販品として、チヌビン(TINUVIN)928(チバス シャルティケミカルズ社製))1.5質量部、マッ ト剤として、微粒子シリカ(平均一次粒径16μm )(市販品として、アエロジルR972V(日本アエロ ル社製))0.3質量部を混合し、60℃ 5時間減圧 乾燥した。このセルロースアシレート組成物 を、2軸式押し出し機を用いて235℃で溶融混 しペレット化した。この際、混錬時のせん による発熱を抑えるためニーディングディ クは用いずオールスクリュータイプのスク ューを用いた。また、ベント孔から真空引 を行い、混錬中に発生する揮発成分を吸引 去した。なお、押出機に供給するフィーダ やホッパー、押出機ダイから冷却槽間は、 燥窒素ガス雰囲気として、樹脂への水分の 湿を防止した。

 フィルム製膜は図1に示す製造装置で行っ た。

 第1冷却ロール及び第2冷却ロールは直径40 cmのステンレス製とし、表面にハードクロム ッキを施した。又、内部には温度調整用の イル(冷却用流体)を循環させて、ロール表 温度を制御した。弾性タッチロールは、図5 記載の構成を有し、直径20cmとし、内筒と外 筒はステンレス製とし、外筒の表面にはハー ドクロムメッキを施した。外筒の肉厚は2mmと し、内筒と外筒との間の空間に温度調整用の オイル(冷却用流体)を循環させて弾性タッチ ールの表面温度を制御した。

 得られたペレット(水分率50ppm)を、1軸押 機を用いてTダイからフィルム状に表面温度1 00℃の第1冷却ロール上に溶融温度250℃でフィ ルム状に溶融押し出しドロー比20で、膜厚80μ mのキャストフィルムを得た。この際、Tダイ リップクリアランス1.5mm、リップ部平均表 粗さRa0.01μmのTダイを用いた。また押出機中 部のホッパー開口部から、滑り剤としてシ カ微粒子を、0.1質量部となるよう添加した

 更に、第1冷却ロール上でフィルムを2mm厚の 金属表面を有する弾性タッチロールを線圧10k g/cmで押圧した。押圧時のタッチロール側の ィルム温度は、180℃±1℃であった。(ここで う押圧時のタッチロール側のフィルム温度 、第1ロール(冷却ロール)上のタッチロール 接する位置のフィルムの温度を、非接触温 計を用いて、タッチロールを後退させてタ チロールがない状態で50cm離れた位置から幅 方向に10点測定したフィルム表面温度の平均 を指す。)このフィルムのガラス転移温度Tg 136℃であった。(セイコー(株)製、DSC6200を用 いてDSC法(窒素中、昇温温度10℃/分)によりダ スから押し出されたフィルムのガラス転移 度を測定した。)
 なお、弾性タッチロールの表面温度は100℃ 第2冷却ロールの表面温度は30℃とした。弾 タッチロール、第1冷却ロール、第2冷却ロ ルの各ロールの表面温度は、ロールにフィ ムが最初に接する位置から回転方向に対し 90°手前の位置のロール表面の温度を非接触 度計を用いて幅方向に10点測定した平均値 各ロールの表面温度とした。

 得られたフィルムを予熱ゾーン、延伸ゾ ン、保持ゾーン、冷却ゾーン(各ゾーン間に は各ゾーン間の断熱を確実にするためのニュ ートラルゾーンも有する)を有するテンター 導入し、巾方向に160℃で1.3倍延伸した後、 方向に2%緩和しながら70℃まで冷却し、その クリップから開放し、クリップ把持部を裁 落として、フィルム両端に幅10mm、高さ5μm ナーリング加工を施し、幅1430mmにスリット た膜厚80μmのフィルムF-1を得た。この際、予 熱温度、保持温度を調整し延伸によるボーイ ング現象を防止した。得られたフィルムF-1か ら残留溶媒は検出されなかった。

 <フィルムF-2~F-41>
 表3記載のセルロースアシレート100質量部、 可塑剤10質量部、前記一般式(1)で表される化 物0.5質量部、リン系化合物0.25質量部、その 他添加剤0.3質量部、及び紫外線吸収剤として 、チヌビン(TINUVIN)928(チバスペシャルティケ カルズ社製)1.5質量部、マット剤として、ア ロジルR972V 0.3質量部を用いて、表3記載の 融温度にて、表3記載の弾性タッチロール使 有無以外は、フィルムF-1同様の操作を行い フィルムF-2~F-41を作製した。なお、フィル 厚が80μmとなるように、押出し量及び引き取 り速度を調整した。

IRGANOX-245(チバスペシャルティケミカルズ社製 ):エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3-(5-tert- ブチル-4-ヒドロキシ-m-トリル)プロピオネー ]IRGANOX-259(チバスペシャルティケミカルズ社 ):ヘキサメチレンビス[3-(3,5-ジ- tert-ブチル- 4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]IRGANOX- 1010(チバスペシャルティケミカルズ社製):ペ タエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブ チル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]I RGANOX-1076(チバスペシャルティケミカルズ社製 ):オクタデシル-3-(3,5-ジ- tert-ブチル-4-ヒドロ キシフェニル)プロピオネート
 (試料のアルカリケン化処理)
 作製したフィルムのケン化処理として、下 条件にて、ケン化、水洗、中和、水洗を順 行い、80℃で乾燥後、ケン化処理済みのフ ルムを作製した。ケン化工程  2モル/L水酸 ナトリウム    50℃    90秒水洗工程   水                30℃    45秒中和 工程   10質量%塩酸          30℃     45秒水洗工程   水
 (評価)
 フィルムの評価として、フィルム機械強度 ケン化性、フィルム溶融製膜性の評価を行 た。

 (フィルム機械強度)
 機械強度試験機テンシロンを用い、室温下 のフィルムの製膜方向の破断伸度を測定し 。評価は、◎:30%以上○:20%以上30%未満△:10% 上20%未満×:破断伸度が10%未満。

 (ケン化性)
 ケン化性として、ケン化後のフィルム表面 水との静的接触角を測定した。静的接触角 測定は、自動表面張力計(協和界面科学社製 CA-V)を用いてθ/2法で測定し、評価値は、巾手 方向に5回測定した平均値とした。評価は、 的接触角が、◎:35°未満○:35°以上45°未満△ :45°以上50°未満×:50°以上。

 (フィルム溶融製膜性)
 フィルムの長手、巾手の膜厚をそれぞれ5cm に10点測定し、膜厚の標準偏差を算出した 評価は、標準偏差が◎:2μm未満○:2μm以上5μm 未満△:5μm以上10μm未満×:10μm以上。

 (透湿度測定)
 JIS Z0208に記載の方法に従い、透湿度を測定 した。なお測定時の条件は40℃90%RHである。 :500g/m 2 /day未満○:500g/m 2 /day以上600g/m 2 /day未満△:600g/m 2 /day以上700g/m 2 /day未満×:700g/m 2 /day以上。

 (ブリードアウト評価)
 23℃55%RHで調湿した後にフィルムに対し、ウ ェスによる拭き取りテストと、マジックにじ みテストを行った。×:フィルム表面をウェス で拭いて拭き跡ができるもの△:フィルムに ジックで記入して、にじみが発生するもの :どちらかが若干発生している場合◎:双方と も見られないもの。

 (YI測定)
 日立ハイテクノロジーズ社製分光光度計U-33 10を用いて、得られたセルロースエステルフ ルムの吸収スペクトルを測定し、三刺激値X 、Y、Zを算出した。この三刺激値X、Y、Zから JIS-K7103に基づいて黄色度YIを算出した。◎:1 .0未満○:1.0以上2.0未満△:2.0以上4.0未満×:4.0 上。

 (平面性評価)
 溶融製膜を開始して1時間が経過した時点で のサンプルを採取し、長さ100cm×幅40cmのサン ルを切り取った。

 平坦な机の上に黒紙を貼り、その上に上 の試料フィルムを置き、斜め上方に配置し 3本の蛍光灯をフィルムに映して蛍光灯の曲 がり具合で平面性を評価し、次の基準でラン ク付けした。◎:蛍光灯が3本とも真っ直ぐに える○:蛍光灯が若干曲がったように見える ところがある△:蛍光灯が曲がって見える。× :蛍光灯が大きく畝って見える。

 (馬の背故障)
 評価は、巻芯本体110にセルロースエステル ィルム原反120を巻き取った後、その外面を リエチレンシートで2重に包み、図8に示す うな保存方法で、架台118上の支え板117に設 し、箱に収納した後、25℃、50%の条件下で30 間保存した。その後、箱から取り出し、ポ エチレンシートを開け、セルロースエステ フィルム原反120の表面に点灯している蛍光 管を反射させて映し、その歪みあるいは細 い乱れを観察し、下記の基準に従って馬の 故障耐性を評価した。

 ◎:蛍光灯が真っすぐに見える
 ○:蛍光灯が若干曲がったように見えるとこ ろがある
 △:蛍光灯が部分的に曲がって見える
 ×:蛍光灯がまだらに映って見える

 表4に示すように本発明の製造法によるフ ィルムは、比較例の試料に対して着色、加工 安定性の劣化が少なく、平面性が高く、フィ ルム原反の変形故障が発生しない生産性に優 れたものであることが明らかとなった。また セルロースアシレートのアシル基総炭素数が 6.2以上7.5以下であるものに本発明の製造法を 適用した場合、フィルムは更に優れた性能と 生産性を有することが明らかとなった。

 (偏光板の作製)
 次に、上記作製したセルロースアシレート ィルムF1~F41について下記のアルカリケン化 理を施し、それぞれ偏光板1~41を作製した。

 (アルカリケン化処理)
 ケン化工程  2mol/L NaOH          50℃  90秒
 水洗工程   水                    30℃ 45秒
 中和工程   10質量%HCl             30 ℃ 45秒
 水洗工程   水                    30℃ 45秒
 ケン化処理後、水洗、中和、水洗の順に行 、次いで80℃で乾燥した。

 (偏光子の作製)
 厚さ120μmの長尺ロールポリビニルアルコー フィルムを沃素1質量部、ホウ酸4質量部を む水溶液100質量部に浸漬し、50℃で6倍に搬 方向に延伸して偏光子を作製した。

 偏光子の両側に上記作製したセルロース シレートフィルムを、アルカリケン化処理 を偏光子側とし完全鹸化型ポリビニルアル ール5質量%水溶液を接着剤として両面から 合し、偏光板用保護フィルムが貼合された 光板を作製した。

 (液晶表示装置としての特性評価)
 32型TFT型カラー液晶ディスプレーベガ(ソニ 社製)の偏光板を剥がし、上記で作製した各 々の偏光板を液晶セルのサイズに合わせて断 裁した。液晶セルを挟むようにして、前記作 製した偏光板2枚を偏光板の偏光軸がもとと わらないように互いに直交するように貼り け、32型TFT型カラー液晶ディスプレイを作製 し、セルロースアシレートフィルムの偏光板 としての特性を評価したところ、本発明のセ ルロースアシレートフィルムから作製した偏 光板はコントラストも高く、優れた表示性を 示した。これにより、液晶ディスプレイなど の画像表示装置用の偏光板として優れている ことが確認された。

 実施例2
 〔反射防止フィルム及び偏光板の作製〕
 実施例1で作製したセルロースアシレートフ ィルムF-1~41を用いて、その一方の面にハード コート層及び反射防止層を形成し、ハードコ ート付き反射防止フィルムを作製した。これ を用いて偏光板P-1~41を作製した。

 〈ハードコート層〉
 下記ハードコート層組成物を乾燥膜厚3.5μm なるように塗布し、80℃にて1分間乾燥した 次に高圧水銀ランプ(80W)にて150mJ/cm2の条件 硬化させ、ハードコート層を有するハード ートフィルムを作製した。ハードコート層 屈折率は1.50であった。

 〈ハードコート層組成物(C-1)〉
 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー (2量体以上の成分を2割程度含む)108質量部
 イルガキュア184(チバスペシャルティケミカ ルズ(株)製)   2質量部
 プロピレングリコールモノメチルエーテル          180質量部
 酢酸エチル                        120質量部
 〈中屈折率層〉
 前記ハードコートフィルムのハードコート の上に、下記中屈折率層組成物を押出しコ ターで塗布し、80℃、0.1m/秒の条件で1分間 燥させた。この時、指触乾燥終了(塗布面を で触って乾燥していると感じる状態)までは 非接触フローターを使用した。非接触フロー ターとしては、ベルマッティク社製の水平フ ロータータイプのエアータンバーを使用した 。フローター内静圧は9.8kPaとし、約2mm幅手方 向に均一に浮上させて搬送した。乾燥後、高 圧水銀ランプ(80W)を用いて紫外線を、130mJ/cm2 射して硬化させ、中屈折率層を有する中屈 率層フィルムを作製した。この中屈折率層 ィルムの中屈折率層の厚さは84nmで、屈折率 は1.66であった。

 〈中屈折率層組成物〉
 20%ITO微粒子分散物(平均粒径70nm、イソプロ ルアルコール溶液) 100g
 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー             6.4g
 イルガキュア184(チバスペシャルティケミカ ルズ(株)製)   1.6g
テトラブトキシチタン                        4.0g
 10%FZ-2207(日本ユニカー社製、プロピレング コールモノメチルエーテル溶液)   3.0g
 イソプロピルアルコール                    530g
 メチルエチルケトン                       90g
 プロピレングリコールモノメチルエーテル            265g
 〈高屈折率層〉
 前記中屈折率層の上に、下記高屈折率層組 物を押出しコーターで塗布し、80℃、0.1m/秒 の条件で1分間乾燥させた。この時、指触乾 終了(塗布面を指で触って乾燥していると感 る状態)までは非接触フローターを使用した 。非接触フローターは中屈折率層形成と同じ 条件とした。乾燥後、高圧水銀ランプ(80W)を いて紫外線を130mJ/cm2照射して硬化させ、高 折率層を有する高屈折率層フィルムを作製 た。

 〈高屈折率層組成物〉
 テトラ(n)ブトキシチタン                  95質量部
 ジメチルポリシロキサン(信越化学社製KF-96- 1000CS) 1質量部
 γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシ ラン(信越化学社製KBM503)       5質量部
 プロピレングリコールモノメチルエーテル         1750質量部
 イソプロピルアルコール                 3450質量部
 メチルエチルケトン                    600質量部
 尚、この高屈折率層フィルムの高屈折率層 厚さ50μm、屈折率は1.82であった。

 〈低屈折率層〉
 最初にシリカ系微粒子(空洞粒子)の調製を った。

 (シリカ系微粒子P-1の調製)
 平均粒径5nm、SiO2濃度20質量%のシリカゾル100 gと純水1900gの混合物を80℃に加温した。この 応母液のpHは10.5であり、同母液にSiO2として 0.98質量%のケイ酸ナトリウム水溶液9000gとAl2O3 として1.02質量%のアルミン酸ナトリウム水溶 9000gとを同時に添加した。その間、反応液 温度を80℃に保持した。反応液のpHは添加直 、12.5に上昇し、その後、殆ど変化しなかっ た。添加終了後、反応液を室温まで冷却し、 限外濾過膜で洗浄して固形分濃度20質量%のSiO 2・Al2O3核粒子分散液を調製した。(工程(a))
  この核粒子分散液500gに純水1700gを加えて98 ℃に加温し、この温度を保持しながら、ケイ 酸ナトリウム水溶液を陽イオン交換樹脂で脱 アルカリして得られたケイ酸液(SiO2濃度3.5質 %)3000gを添加して第1シリカ被覆層を形成し 核粒子の分散液を得た。(工程(b))
 次いで、限外濾過膜で洗浄して固形分濃度1 3質量%になった第1シリカ被覆層を形成した核 粒子分散液500gに純水1125gを加え、更に濃塩酸 (35.5%)を滴下してpH1.0とし、脱アルミニウム処 理を行った。次いで、pH3の塩酸水溶液10Lと純 水5Lを加えながら限外濾過膜で溶解したアル ニウム塩を分離し、第1シリカ被覆層を形成 した核粒子の構成成分の一部を除去したSiO2 Al2O3多孔質粒子の分散液を調製した(工程(c)) 上記多孔質粒子分散液1500gと、純水500g、エ ノール1,750g及び28%アンモニア水626gとの混合 液を35℃に加温した後、エチルシリケート(SiO 2 28質量%)104gを添加し、第1シリカ被覆層を形 成した多孔質粒子の表面をエチルシリケート の加水分解重縮合物で被覆して第2シリカ被 層を形成した。次いで、限外濾過膜を用い 溶媒をエタノールに置換した固形分濃度20質 量%のシリカ系微粒子の分散液を調製した。

 このシリカ系微粒子の第1シリカ被覆層の 厚さ、平均粒径、MOx/SiO2(モル比)、及び屈折 を表5に示す。ここで、平均粒径は動的光散 法により測定し、屈折率は標準屈折液とし CARGILL製のSeriesA、AAを用い、以下の方法で測 定した。

 〈粒子の屈折率の測定方法〉
 (1)粒子分散液をエバポレーターに採り、分 媒を蒸発させる。

 (2)これを120℃で乾燥し、粉末とする。

 (3)屈折率が既知の標準屈折液を2、3滴ガ ス板上に滴下し、これに上記粉末を混合す 。

 (4)上記(3)の操作を種々の標準屈折液で行 、混合液が透明になったときの標準屈折液 屈折率をコロイド粒子の屈折率とする。

 (低屈折率層の形成)
 Si(OC2H5)4を95mol%、C3F7-(OC3F6)24-O-(CF2)2-C2H4-O-CH2Si (OCH3)3を5mol%で混合したマトリックスに対して 、平均粒径60nmの上記シリカ系微粒子P-1を35質 量%添加し、1.0N-HClを触媒に用いて、更に溶媒 で希釈した低屈折率コーティング剤を作製し た。上記活性線硬化樹脂層または高屈折率層 上にダイコーター法を用いてコーティング溶 液を膜厚100nmで塗布し、120℃で1分間乾燥した 後、紫外線照射を行うことにより、屈折率1.3 7の低屈折率層を形成した。

 以上のようにして、反射防止フィルムを 製した。

 次いで、厚さ、120μmのポリビニルアルコ ルフィルムを、一軸延伸(温度110℃、延伸倍 率5倍)した。これをヨウ素0.075g、ヨウ化カリ ム5g、水100gからなる水溶液に60秒間浸漬し 次いでヨウ化カリウム6g、ホウ酸7.5g、水100g らなる68℃の水溶液に浸漬した。これを水 、乾燥し偏光膜を得た。

 次いで、下記工程1~5に従って偏光膜と前 反射防止フィルム、裏面側のセルロースア レートフィルムを貼り合わせて偏光板を作 した。裏面側の偏光板保護フィルムには実 例1で作製したセルロースアシレートフィル ムF1~41をそのまま用いて、その一方の面にハ ドコート層及び反射防止層を形成したもの ハードコート層及び反射防止層を形成しな ものを組合わせた偏光板P-1~41とした。

 工程1:60℃の2モル/Lの水酸化ナトリウム溶 液に90秒間浸漬し、次いで水洗し乾燥して、 光子と貼合する側を鹸化した前記反射防止 ィルムを得た。

 工程2:前記偏光膜を固形分2質量%のポリビ ニルアルコール接着剤槽中に1~2秒浸漬した。

 工程3:工程2で偏光膜に付着した過剰の接 剤を軽く拭き除き、これを工程1で処理した フィルムの上にのせて積層した。

 工程4:工程3で積層した反射防止フィルム 料と偏光膜とセルロースアシレートフィル を圧力20~30N/cm2、搬送スピードは約2m/分で貼 合した。

 工程5:80℃の乾燥機中に工程4で作製した偏 膜とセルロースアシレートフィルムと反射 止フィルムとを貼り合わせた試料を2分間乾 し、偏光板を作製した。
以上のように作製した偏光板について以下に 記載した偏光板耐久性テストを行った。

 〈偏光板耐久性テスト〉
 上記作製した偏光板P-1~41の10cm×10cmの試料2 を熱処理(80℃、90%RH、50時間)し、直行状態に した時の縦または横の中心線部分のどちらか 大きい方の縁の白抜け部分の長さを測定し、 下記の基準で判定した。縁の白抜けとは直行 状態で光を通さない偏光板の縁の部分が光を 通す常態になることで、目視で判定できる。 偏光板の状態では縁の部分の表示が見えなく なると故障となる。

 ◎ : 縁の白抜けが5% 未満(偏光板として問 題ないレベル)
 ○ : 縁の白抜けが5% 以上10% 未満(偏光板 して問題ないレベル)
 △ : 縁の白抜けが10% 以上20% 未満(問題は あるが偏光板として使えるレベル)
 × : 縁の白抜けが20% 以上(偏光板として問 題のあるレベル)
 △ 以上であれば実技上問題ないレベルで る。
結果を表6に示す。

表6から本発明の偏光板の耐久性は比較の 光板に対して耐久性が優れていることが判 した。また製造時に用いるリン化合物とし ホスホナイトを使用した場合、特に耐久性 優れていることが判明した。

 〔液晶表示装置の作製〕
 視野角測定を行う液晶パネルを以下のよう して作製し、液晶表示装置としての特性を 価した。

 富士通製15型ディスプレイVL-150SDの予め貼 合されていた偏光板を剥がして、上記作製し た偏光板をそれぞれ液晶セルのガラス面に貼 合した。

 その際、その偏光板の貼合の向きは、上 反射防止フィルムの面が、液晶の観察面側 なるように、かつ、予め貼合されていた偏 板と同一の方向に吸収軸が向くように行い 液晶表示装置を各々作製した。

 本発明のフィルムを用いて作製した反射 止フィルムは硬度ムラ、筋ムラが少なく、 れを用いた偏光板、液晶表示装置は反射色 ラも問題無く、コントラストにも優れた表 性を示した。実施例2で比較とした試料を用 いて作製した反射防止フィルムは硬度ムラ、 筋ムラがあり、それを用いた偏光板、液晶表 示装置は反射色ムラが出ている結果であった 。