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Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR PRODUCING CELLULOSE ETHER DERIVATIVE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/063856
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for selectively producing a cellulose ether derivative, which is extremely high in reaction efficiency of an organic halide compound. Specifically disclosed is a method for producing a cellulose ether derivative such as a carboxymethyl cellulose or a hydroxyethyl cellulose, wherein a low-crystalline powder cellulose having a crystallinity of not more than 50% is reacted with an organic halide compound such as ethylenechlorohydrine, a monohaloacetic acid or a salt thereof, in the presence of a base.

Inventors:
OKUTSU, Munehisa (Research Laboratories 1334,,Minato, Wakayama-sh, Wakayama 80, 6408580, JP)
奥津 宗尚 (〒80 和歌山県和歌山市湊1334番地 花王株式会社研究所内 Wakayama, 6408580, JP)
Application Number:
JP2008/070486
Publication Date:
May 22, 2009
Filing Date:
November 11, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KAO CORPORATION (14-10, Nihonbashi Kayabacho 1-chome Chuo-k, Tokyo 10, 1038210, JP)
花王株式会社 (〒10 東京都中央区日本橋茅場町一丁目14番10号 Tokyo, 1038210, JP)
OKUTSU, Munehisa (Research Laboratories 1334,,Minato, Wakayama-sh, Wakayama 80, 6408580, JP)
International Classes:
C08B11/08; C08B11/12
Attorney, Agent or Firm:
OHTANI, Tamotsu et al. (OHTANI PATENT OFFICE, Bridgestone Toranomon Bldg. 6F25-2, Toranomon 3-chom, Minato-ku Tokyo, 105-0001, JP)
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Claims:
 結晶化度が50%以下の低結晶性の粉末セルロースを、塩基の存在下、有機ハライド化合物と反応させる、セルロースエーテル誘導体の製造方法。
 有機ハライド化合物が、エチレンクロロヒドリン、モノハロ酢酸及びその塩から選ばれる1種以上の化合物である、請求項1に記載のセルロースエーテル誘導体の製造方法。
 低結晶性の粉末セルロースの平均粒径が20~300μmである、請求項1又は2に記載のセルロースエーテル誘導体の製造方法。
 塩基がアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物である、請求項1~3のいずれかに記載のセルロースエーテル誘導体の製造方法。
 反応時の反応容器内の水分量が、低結晶性の粉末セルロースに対して100重量%以下である、請求項1~4のいずれかに記載のセルロースエーテル誘導体の製造方法。
 低結晶性の粉末セルロースに対して10重量倍以下の有機溶媒を用いる、請求項1~5のいずれかに記載のセルロースエーテル誘導体の製造方法。
Description:
セルロースエーテル誘導体の製 方法

 本発明は、セルロースエーテル誘導体の 造方法に関する。

 セルロースエーテル誘導体、特にカルボ シメチルセルロースや、ヒドロキシエチル ルロースは、広範な用途に用いられ、また のセルロースエーテル誘導体の出発原料に 用いられるため、多くの製造方法が報告さ ている。

 カルボキシメチルセルロース(以下、「CMC 」ともいう)は、増粘剤、分散剤、乳化剤、 護コロイド剤、安定化剤等として広範に利 されている。このCMCは、工業的には、セル ースを大量のアルカリ水で処理してアルカ セルロースとして活性化(アルセル化)した後 、含水有機溶媒中に分散させてモノハロ酢酸 と反応させる溶媒法により製造されている。 この溶媒法では、イソプロパノール等の親水 性溶媒が用いられるが、これらの溶媒や水と モノハロ酢酸との副反応が避けられず、モノ ハロ酢酸のセルロースへの反応率が低いため 、目的とする置換度を得るためには過剰量が 必要となる。また、過剰のアルカリに由来す る中和塩や、副反応物として得られるヒドロ キシメチル酢酸塩等を洗浄等により除去する 精製工程の負荷が高くなるという問題がある 。

 これに対し、特開平9-176201号には、モノ ロ酢酸の利用効率を高めるため、中性~弱塩 性域を維持しつつ反応させる製造方法が開 されている。しかしながら、モノハロ酢酸 有効利用率は58~65%であり、満足できるもの はない。

 一方、ヒドロキシエチルセルロースは、塗 、化粧品、建材、増粘剤、接着剤、医薬品 における分散剤、安定化剤等の配合組成物 として広範に利用されている。
 ヒドロキシエチルセルロースの一般的な製 方法においては、CMC同様にセルロースを大 のアルカリ水で処理してアルカリセルロー として活性化(アルセル化)した後、エーテ 化剤である酸化エチレンを反応させて製造 れている。
これらのアルセル化工程では、アルセル化処 理で調製したアルカリセルロースから過剰の アルカリや水を除くため、ろ過又は圧搾とい った極めて煩雑な操作が必要となる。

 しかしながら、このろ過や圧搾操作を行っ も、通常アルカリセルロース中には、これ 同重量以上の水が残存している。また、こ アルセル化処理により得られるアルカリセ ロースは、セルロース分子中の大部分の水 基がアルコラートとなっていると考えられ おり、実際にセルロース分子中のグルコー 単位当たり、通常3モル量程度、少なくとも 1モル量以上のアルカリが含有されている。
 このアルセル化により活性化したセルロー に酸化エチレン等のエーテル化剤を添加す ことでセルロースエーテルが得られるが、 述したアルセル化処理後に残存する同重量 上の水もまたエーテル化剤である酸化エチ ンと反応(水和)するため、エチレングリコ ル等の副生物が大量に生じることになる。
 また反応はスラリー状態で行われるためセ ロースへの酸化エチレンの反応率が低く、 たがってセルロース上への反応率を上げる めにはエチレンオキシドを過剰に用いる必 があるが、副生したエチレングリコールも にエーテル化剤である酸化エチレンと容易 反応するため、ポリオキシエチレンが大量 副生することになる。更に過剰なアルカリ 多量の水の存在は、生成物や大量の副生物 増加にともなって反応系をゲル化させる恐 がある。

 そこで、このスラリー状態での反応をより 率良く行うため、溶媒として、水だけでな 、各種極性溶媒が添加されることもある。 えば、特開平8-245701号及び特開平6-199902号に は、アルセル化及びエーテル化剤との反応の 際に、tert-ブタノールやメチルイソブチルケ ン等の水とは容易に相溶しない極性溶媒を 加し、反応後に溶媒を水相と分離・回収す 方法が開示されている。しかしながらアル リ量及び水量を大幅に減らすことができな 限り、エチレングリコール等の副生物を大 に低減することは、実質的には困難である
 またエーテル化剤である酸化エチレンは高 ガス保安規則の規制を受けるため、工業的 観点からは設備的な制約が多い。
 したがって、簡便でかつ効率の良い廃棄物 少ないセルロースエーテル誘導体の製造方 を開発することは、工業的な観点から極め 有用な課題である。

 本発明は、低結晶性の粉末セルロースを 塩基の存在下、有機ハライド化合物と反応 せる、セルロースエーテル誘導体の製造方 に関する。

実施例1-1で得られたカルボキシメチル ルロース(Na塩)の赤外吸収スペクトルである 。

 本発明は、有機ハライド化合物の反応効率 極めて高く、選択的にセルロースエーテル 導体を製造する方法に関する。
 本発明者らは、反応原料として低結晶性の 末セルロースを用いることにより、有機ハ イド化合物との反応を極めて効率的かつ選 的に進行できることを見出した。
 すなわち、本発明のセルロースエーテル誘 体の製造方法は、結晶化度が50%以下の低結 性の粉末セルロースを、塩基の存在下、有 ハライド化合物と反応させることを特徴と る。有機ハライド化合物としては、エチレ クロロヒドリン、モノハロ酢酸及びその塩 ら選ばれる1種以上の化合物が好ましく、こ の場合、カルボキシメチルセルロース及び/ はヒドロキシエチルセルロースを得ること できる。
 すなわち、本発明の第1態様は、結晶化度が 50%以下の低結晶性の粉末セルロースを、塩基 の存在下、モノハロ酢酸又はその塩(以下、 モノハロ酢酸等」ともいう)と反応させる、 ルボキシメチルセルロースの製造方法であ 。
 本発明の第2態様は、結晶化度が50%以下の低 結晶性の粉末セルロースを、塩基の存在下、 エチレンクロロヒドリンと反応させる、ヒド ロキシエチルセルロースの製造方法である。
 以下、本発明方法に用いられる各成分、反 条件等について説明する。

〔低結晶性の粉末セルロース〕
 セルロースには幾つかの結晶構造が知られ おり、また一部に存在するアモルファス部 結晶部の全量に対する結晶部の割合から、 般に結晶化度が算出される。
 本発明においては、「結晶化度」とは、天 セルロースの結晶構造に由来するI型の結晶 化度を意味し、粉末X線結晶回折スペクトル による回折強度値からSegal法により算出した もので、下記式(1)により定義される。
 セルロースI型結晶化度(%)=〔(I 22.6 -I 18.5 )/I 22.6 〕×100 (1)
〔式中、I 22.6 は、X線回折における格子面(002面)(回折角2θ=2 2.6°)の回折強度、及びI 18.5 は、アモルファス部(回折角2θ=18.5°)の回折強 度を示す。〕
 また、「低結晶性」とは、セルロースの結 構造においてアモルファス部の割合が多い 態を示し、具体的には上記式(1)によるセル ースI型結晶化度が好ましくは50%以下である ことを意味し、該結晶化度が0%の完全非晶化 場合を含む。
 通常の粉末セルロースは、少量のアモルフ ス部を有し、それらの結晶化度は、上記式( 1)によれば概ね60~80%の範囲に含まれるいわゆ 結晶性セルロースである。この結晶性セル ースは、一般的なセルロース誘導体合成に ける反応性が極めて低いのに対し、本発明 用いられる低結晶性の粉末セルロースは、 学反応性が優れている。

 本発明に用いられる低結晶性の粉末セルロ スの結晶化度は、化学反応性の観点から、 記式(1)による結晶化度が50%以下であり、好 しくは40%以下、より好ましくは30%以下であ 。該結晶化度が50%以下であれば、塩基によ モノハロ酢酸等との反応が極めて良好に進 するため、セルロースエーテル化反応の選 率を向上させることができ、また、置換基 入部位の位置的な偏りを低減できる。この 点から、特に完全に非晶質化した、すなわ 前記式(1)による結晶化度がほぼ0%となる、 わゆる非晶化セルロースを用いることが最 好ましい。
 なお、前記式(1)で定義されたセルロースI型 結晶化度では計算上マイナスの値になる場合 があるが、マイナスの値の場合はセルロース I型結晶化度は0%とする。

 低結晶性の粉末セルロースの平均粒径は、 結晶性セルロースを工業原料として用いる の化学反応性の観点、及び粉体として流動 の良い状態が保つ観点から、300μm以下が好 しく、150μm以下がより好ましく、100μm以下 より好ましく、50μm以下が更に好ましい。 た、工業的な操作性の観点から、該平均粒 は20μm以上が好ましく、25μm以上がより好ま い。
 また、凝集等による微量な粗大粒子の混入 避けるため、反応には必要に応じて25~100μm 度の篩を用いた篩下品を用いるのが好まし 。
 低結晶性の粉末セルロースの重合度は、化 反応性の観点、及び原料パルプや工業的に 施する際の操作性の観点から、100~2000であ 、より好ましくは100~1000である。

〔低結晶性の粉末セルロースの調製〕
 本発明に用いられる低結晶性の粉末セルロ スは、汎用原料として得られるシート状や ール状のセルロース純度の高いパルプから 製することができる。例えば、特開昭62-2368 01号公報、特開2003-64184号公報、特開2004-331918 公報等に記載の方法により調製することが きる。
 また、低結晶性の粉末セルロースをより効 的に得る方法として、例えば、シート状パ プを粗粉砕して得られる、好ましくは1~50mm 、より好ましくは1~30mm角のチップ状パルプ 、押出機で処理した後、更にボールミルで 理することにより調製する方法が挙げられ 。

 ここで、押出機としては単軸又は二軸の押 機を用いることができるが、強い圧縮せん 力を加える観点から、スクリューのいずれ の部分に、いわゆるニーディングディスク を備えるものがより好ましい。
 ニーディングディスク部とは、複数のニー ィングディスクで構成され、これらを連続 て、一定の位相でずらしながら組み合わせ ものである。例えば3~20個、好ましくは6~16 のニーディングディスクを90°の位相で互い いにずらしながら組み合わせたものが挙げ れる。ニーディングディスク部は、スクリ ーの回転にともなって、その狭い隙間にチ プ状パルプ等を強制的に通過させることで めて強いせん断力を付与しながら、連続的 処理することができる。押出機処理におけ せん断速度としては、600~3000sec -1 が好ましく、6000~2000sec -1 がより好ましい。

 また、ボールミルとしては、公知の振動ボ ルミル、媒体攪拌ミル、転動ボールミル、 星ボールミル等を用いることができる。媒 として用いるボールの材質に特に制限はな 、例えば、鉄、ステンレス、アルミナ、ジ コニア等が挙げられる。ボールの外径は、 率的にセルロースの結晶化度を下げる観点 ら、好ましくは0.1~100mmである。また媒体と ては、ボール以外にもロッド状のものやチ ーブ状のものも用いることが可能である。
 ボールミルの処理時間としては、結晶化度 低下させる観点から、好ましくは5分~72時間 である。またボールミル処理の際には、発生 する熱による変性や劣化を最小限に抑えるた めにも、250℃以下、好ましくは5~200℃の範囲 処理を行うことが好ましく、さらには必要 応じて、窒素等の不活性ガス雰囲気下で行 ことができる。
 前述のような方法を用いれば、分子量の制 も可能であり、一般には入手困難な、重合 が高く、かつ低結晶性の粉末セルロースを 易に調製することが可能である。

〔カルボキシメチルセルロースの製造〕
 本発明の第1態様のカルボキシメチルセルロ ースの製造方法は、前記の低結晶性の粉末セ ルロースを、塩基の存在下、モノハロ酢酸又 はその塩と反応させる。
 用いられるモノハロ酢酸又はその塩として 、モノクロロ酢酸、モノブロモ酢酸、モノ ロロ酢酸ナトリウム、モノクロロ酢酸カリ ム等が挙げられるが、特にモノクロロ酢酸 トリウムが好ましい。
 また、用いられる塩基としては、特に制限 なく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化 リウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属 酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カル ウム等のアルカリ土類金属水酸化物、トリ チルアミン、トリエチルアミン、トリエチ ンジアミン等の3級アミン類等が挙げられる 。これらの中では、アルカリ金属水酸化物が 好ましく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ ムがより好ましく、水酸化ナトリウムが更に 好ましい。
 上記のモノハロ酢酸等と塩基は、各々単独 又は2種以上を組み合わせて用いることがで きる。

 第1態様の発明では、セルロースの分散性、 並びに塩基及びモノハロ酢酸との混合性を改 善する目的で、有機溶媒の存在下で反応を行 うこともできる。
 用いられる有機溶媒としては、イソプロパ ール、tert-ブタノール等の2級又は3級の低級 アルコール;1,4-ジオキサン、エチレングリコ ルジメチルエーテル、ジエチレングリコー ジメチルエーテル等のジグライム、トリグ イム等のエーテル系溶剤;ジメチルスルホキ シド等の親水性極性溶剤が挙げられる。一方 、トルエン、ベンゼン、ヘキサンや他の炭化 水素油等の非水低極性又は非極性溶剤を用い ることもできる。
 上記の溶剤は、単独で又は2種以上を組み合 わせて用いることができる。

(塩基及びモノハロ酢酸等の添加)
 塩基の添加方法に特に制限はなく、例えば (i)予め低結晶性の粉末セルロースとモノハ 酢酸等を混合した後、塩基水溶液として滴 する方法、又は(ii)予め低結晶性の粉末セル ロースと塩基を混合した後、モノハロ酢酸等 を添加する方法等が挙げられる。これらの中 では、反応温度の制御や塊状(ダマ)化を防止 る観点から、前記(i)の方法がより好ましい
 添加する塩基の性状についても特に制限は く、したがって塩基は無水状態や水溶液と て混合・添加することが可能であるが、前 (i)の方法で添加する場合には、塩基を水溶 として添加することが好ましく、その濃度 特に限定されないが、20~50重量%の範囲が好 しい。
 モノハロ酢酸等の添加方法も特に制限はな 、例えば、(iii)低結晶性の粉末セルロース 塩基を添加した後にモノハロ酢酸等を徐々 滴下する方法や、(iv)低結晶性の粉末セルロ スにモノハロ酢酸等を一括で添加し、その に塩基を加えて反応させる方法等が挙げら る。

(塩基及びモノハロ酢酸等の使用量)
 第1態様の発明においては、粉末セルロース とモノハロ酢酸又はその塩との反応効率が極 めて高く、反応がほぼ定量的に進行する。そ のため、塩基の使用量は、特にモノハロ酢酸 塩の使用量に対して、1~1.05モル倍用いるだけ で十分である。ただしモノハロ酢酸を用いる 場合には、更にカルボキシル基を完全に中和 できる量が必要となる。
 また、モノハロ酢酸又はその塩の使用量は 反応が極めて定量的に進行することから、 望の置換度(セルロース分子中のグルコース 単位当たりの導入モル量)に相当する量を用 て、該置換度を適宜調整することができる 得られるカルボキシメチルセルロース中の ルボキシメチル基は、セルロース分子中の ルコース単位におけるいかなる位置の水酸 と結合していてもよい。

(反応条件)
 第1態様の発明における反応温度は、モノハ ロ酢酸等の沸点以下の温度が好ましく、具体 的には30~100℃が好ましく、40~80℃がより好ま い。
 反応は、常圧下で行うことが好ましく、反 時の着色を避ける観点から、必要に応じて 素等の不活性ガス雰囲気下で行うのが好ま い。
 第1態様の発明においては、低結晶性の粉末 セルロース、塩基及びモノハロ酢酸等を、流 動性のある粉末状態で反応させることが好ま しく、より具体的には、粉末セルロースと塩 基、又は粉末セルロースとモノハロ酢酸等を 、予めミキサー等の混合機や振とう機で均一 に混合した後に、モノハロ酢酸等又は塩基と 反応させることが好ましい。前記粉末状態で 反応を行えば、反応終了後の有機溶媒除去工 程の負担はが小さいか、又は不要であり、工 業的に簡便であり有利である。

 低結晶性の粉末セルロースとモノハロ酢酸 との反応においては、反応に用いる粉末セ ロースや塩基水溶液等の原料由来の水分等 反応時の反応容器内(以下、「反応系中」と もいう)に存在する水分により、原料や生成 が凝集する可能性がある。そこで、反応系 に存在する水分量を粉末セルロースに対し 、好ましくは100重量%以下、より好ましくは8 0重量%以下、更に好ましくは50重量%以下、特 好ましくは5~50重量%とする。反応系中に存 する水分量が前記範囲内であれば、原料の 末セルロースや生成物であるカルボキシメ ルセルロースが過度に凝集することがなく 流動性のある粉末状態で反応させることが きる。
 粉末セルロースに対する水分量を前記の範 に保つためには、塩基水溶液の滴下及び反 とともに減圧条件下等で脱水することも好 しく、その際の圧力は6.6~101kPaが好ましく、 6.6~13.3kPaがより好ましい。
 有機溶媒の使用量としては、低結晶性の粉 セルロースに対して10重量倍以下にするの 好ましく、流動性のある粉末状態で反応さ るという観点から、前記水分量と併せた量 、粉末セルロースに対して100重量%以下、よ 好ましくは80重量%以下、特には50重量%以下 することが好ましい。

(反応装置)
 第1態様の発明で用いる反応装置としては特 に制限はないが、前記流動性のある粉末状態 で反応を行うには、低結晶性の粉末セルロー ス、塩基及びモノハロ酢酸等をできるだけ均 一に混合できるものが好ましい。例えば、特 開2002-114801号公報明細書段落〔0016〕で開示し ているような、樹脂等の混錬に用いられる、 いわゆるニーダー等の混合機が好ましい。
 ここで、ニーダー等の混合機としては、攪 が十分できるものであれば特に限定されな が、例えば化学工学協会編「化学工学便覧 改訂五版(丸善株式会社発行)、917~919頁に記 されているように、単軸型ニーダーとして リボンミキサー、コニーダー、ボテーター スクリュー型ニーダー等が挙げられ、二軸 ニーダーとしては、双腕型ニーダー等が挙 られる。
 これらの混合機は、塩基水溶液の滴下や脱 ができるような部位を備えていることがよ 好ましい。

 本発明においては、モノハロ酢酸等のセル ースに対する反応選択率が極めて高いこと ら、モノハロ酢酸等に由来する副生成物が めて少ないため、反応終了後の精製等の後 理も容易である。すなわち、本発明におい は、反応終了後に、微量の未反応のモノハ 酢酸等や副生した中和塩を除去するために 必要に応じて、含水イソプロパノール、含 アセトン溶媒等で洗浄した後、乾燥する等 簡便な精製処理によって目的のカルボキシ チルセルロースを得ることができる。
 また、反応終了後に中和塩除去等の精製処 を行わずに、必要に応じて触媒量の塩基等 添加した後、更なる誘導体化反応を行い、 々のセルロースエーテル誘導体を、粉末セ ロースからワンポットで合成することもで る。

〔ヒドロキシエチルセルロースの製造〕
 本発明の第2態様のヒドロキシエチルセルロ ースの製造方法は、前記の低結晶性の粉末セ ルロースを、塩基の存在下、エチレンクロロ ヒドリンと反応させる。
(エチレンクロロヒドリン)
 第2態様の発明においては、エチレンクロロ ヒドリンのセルロースへの反応効率が非常に 高いことから、エチレンクロロヒドリンの使 用量に応じて所望の置換度のヒドロキシエチ ルセルロースを得ることが可能である。例え ば、エチレンクロロヒドリンを、セルロース 分子中のグルコース単位当たり0.01~3モル倍に 相当する量を用いるのが好ましく、0.1~2.5モ 倍に相当する量を用いるのがより好ましい その場合、ヒドロキシエチル基のセルロー 中のグルコース単位当たりの置換度は、好 しくは0.01~3となり、より好ましくは0.1~2.5と る。
 エチレンクロロヒドリンを、セルロース分 中のグルコース単位当たり3モル倍を超えて 用いれば、セルロース上にポリオキシエチレ ン基を導入することも可能であるが、その場 合には、使用する塩基量やそれに伴う水の量 が増えるために、反応時に粉末状態を保てず に反応系がゲル化状態になるおそれがある。 したがって、高付加モル数のポリオキシエチ レン基を導入する場合には、初めにセルロー ス分子中のグルコース単位当たり3モル倍以 のエチレンクロロヒドリンを付加させた後 洗浄により生成した塩の除去及び脱水を行 、再度塩基を加えてエチレンクロロヒドリ の付加を行うことが好ましい。

 エチレンクロロヒドリンの添加方法に特 制限はなく、例えば(a)低結晶性の粉末セル ースに塩基を添加した後、エチレンクロロ ドリンを徐々に滴下する方法や、(b)低結晶 の粉末セルロースにエチレンクロロヒドリ を一括で添加し、その後に塩基を加えて反 させる方法等が挙げられる。いずれの方法 おいても、反応時の反応容器内(反応系中) 低結晶性の粉末セルロースに対する水分量 、好ましくは100重量%以下、より好ましくは8 0重量%以下、更に好ましくは50重量%以下、特 好ましくは5~50重量%である。反応系中に存 する水分量が前記範囲内であれば、原料の 末セルロースや生成物であるヒドロキシエ ルセルロースが過度に凝集することがなく 流動性のある粉末状態で反応させることが きる。

(塩基)
 用いられる塩基は、カルボキシメチルセル ースの製造で用いたものと同じである。こ らの中では、アルカリ金属水酸化物が好ま く、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが り好ましく、水酸化ナトリウムが更に好ま い。これらの塩基は、1種又は2種以上を組 合わせて用いることができる。
 塩基の添加方法としては、高濃度水溶液を 加するか、希薄溶液を添加した後に余分な 分量を除去してから反応させることが可能 あるが、いずれの場合にも、反応状態とし はスラリー状や粘度の高い状態にならずに 動性のある粉末状態を保つことが好ましく そのため希薄水溶液で添加する際の水分量 しても、低結晶性の粉末セルロースに対し 100重量%以下、好ましくは5~50重量%となるよ に調整するのが望ましい。
 塩基の使用量としては、エチレンクロロヒ リンの使用量に相当するモル量を用いる必 があり、セルロース分子中のグルコース単 当たりではエチレンクロロヒドリンの使用 と等しく0.01~3モル倍に相当する量を用いる が好ましく、更には0.1~2.5モル倍に相当する 量を用いるのが好ましい。

(反応条件)
 第2態様の発明においては、低結晶性の粉末 セルロース、塩基及びエチレンクロロヒドリ ンを、流動性のある粉末状態に保ちながら行 うことが好ましい。例えば、粉末セルロース と塩基又はエチレンクロロヒドリンを予めミ キサー等の混合機や振とう機で必要に応じて 均一に混合させた後に、エチレンクロロヒド リン又は塩基を反応させることもできる。
 また、第2態様の発明においては、水以外の 有機溶媒を用いた分散状態で行うこともでき る。用いられる有機溶媒は、カルボキシメチ ルセルロースの製造で用いたものと同じであ る。
 これらの有機溶媒を使用する場合は、セル ースを溶解させるほどの量を用いる必要は いが、有機溶媒中でも凝集を起こさずに良 に分散できるだけの量を用いる必要がある しかしながら多量に用いるとアルカリ等の 基が希釈されて反応速度が低下する可能性 ある。
 したがって、有機溶媒の使用量としては、 結晶性の粉末セルロースに対して10重量倍 下にするのが好ましく、流動性のある粉末 態で反応させるという観点から、水分量と せた量が、粉末セルロースに対して100重量% 下、より好ましくは80重量%以下、特には50 量%以下とすることが好ましい。

 第2態様の発明における反応温度は、0~100℃ 範囲が好ましいが、エチレンクロロヒドリ の沸点以下の温度がより好ましく、具体的 は10~80℃の範囲がより好ましい。
 また、本発明における反応は、常圧下で行 ことが好ましいが、反応時の着色を避ける 点から、必要に応じて窒素等の不活性ガス 囲気下で行うのが好ましい。
 反応終了後は、微量の未反応エチレンクロ ヒドリンや副生した中和塩を除去するため 、必要に応じて、含水イソプロパノール、 水アセトン溶媒等で洗浄等を行った後、乾 することにより、ヒドロキシエチルセルロ スを得ることができる。また、例えば、反 終了後に洗浄による中和塩除去等の精製処 をせずに、必要に応じて塩基等を(触媒量) 加した後、グリシジルトリメチルアンモニ ムクロリドを反応させてカチオン化ヒドロ シエチルセルロースを合成する等の、更な 誘導体化が可能である。すなわち、ヒドロ シエチルセルロースを出発原料とする種々 セルロースエーテル誘導体が、セルロース らワンポットで合成することが可能である

 第2態様の発明で用いる反応装置は、カルボ キシメチルセルロースの製造で用いたものと 同じである。
 本発明ではエチレンクロロヒドリンのセル ースへの反応選択率が極めて高いことから エチレンクロロヒドリンに由来する副生成 が極めて少なく、所望の置換度でヒドロキ エチル化を行うことができ、反応終了後の 製も容易となる。精製は、カルボキシメチ セルロースの製造で説明した方法と同様に て行うことができる。
 第2態様の発明において、ヒドロキシエチル 基は、セルロース分子中のグルコース単位に おけるいかなる位置の水酸基に結合していて もよく、グルコース単位当たり所望の置換度 に調整することが可能である。

 製造例で得られた低結晶性セルロースの 晶化度、重合度、平均粒径、水分含量の測 は、下記の方法で行った。

(1)結晶化度の算出
 セルロースI型結晶化度は、サンプルのX線 折強度を、株式会社リガク製の「Rigaku RINT  2500VC X-RAY diffractometer」を用いて以下の条件 測定し、前記式(1)に基づいて算出した。
 測定条件は、X線源:Cu/Kα-radiation、管電圧:40k v、管電流:120mA、測定範囲:回折角2θ=5~45°で測 定した。測定用サンプルは面積320mm 2 ×厚さ1mmのペレットを圧縮し作製した。X線の スキャンスピードは10°/minで測定した。

(2)重合度の測定
 セルロースの重合度はISO-4312法に記載の銅 ンモニア法により測定した。
(3)平均粒径の測定
 平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布 測定装置「LA-920」(株式会社堀場製作所製)を いて測定した。測定条件は、粒径測定前に 音波で1分間処理し、測定時の分散媒体とし て水を用い、体積基準のメジアン径を、温度 25℃にて測定した。なお、用いた屈折率は、1 .2である。
(4)水分含量の測定
 水分含量は、赤外線水分計(株式会社ケット 科学研究所製、「FD-610」)を使用し、150℃に 測定を行った。

製造例1-1(非晶化粉末セルロースの製造)
 まず市販の木材パルプシート(ボレガード社 製パルプシート、結晶化度74%)をシュレッダ (株式会社明光商会製、「MSX2000-IVP440F」)にか けて1cm角のチップ状にした。次に、得られた チップ状パルプをスクリューの中央部にニー ディングディスク部を備えた二軸押出機(株 会社スエヒロEPM製、「EA-20」)に2kg/hrで投入 、せん断速度660sec -1 、スクリュー回転数300rpmの条件で、外部から 冷却水を流しながら、1パス処理して粉末状 した。
 次いで得られた粉末セルロースを、バッチ 媒体攪拌型ボールミル(三井鉱山株式会社製 、「アトライタ」:容器容積800mL、6mmφ鋼球を1 400g充填、攪拌翼の直径65mm)に前記粉末状のセ ルロース100gを投入した。容器ジャケットに 却水を通しながら、攪拌回転数600rpmで3時間 砕処理を行い、粉末セルロース(結晶化度0% 重合度600、平均粒径40μm)を得た。この粉末 ルロースの反応には更に32μm目開きの篩を けた篩下品を使用した。

実施例1-1
 1Lニーダー(株式会社入江商会製、PNV―1型) 、製造例1-1で得られた非晶化粉末セルロー (結晶化度0%、重合度600、平均粒径40μm、含水 量5重量%)80.0g(グルコース単位換算0.47mol)及び ロロ酢酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社 製、試薬)58.0g(0.50mol)を加え、窒素雰囲気下6 間攪拌した。次いで窒素雰囲気下50℃に昇温 した後、48重量%の水酸化ナトリウム水溶液42. 0g(NaOH量0.50mol)を2時間かけて滴下した後、そ まま50℃で6時間攪拌した。その間、セルロ ス及び生成物は全く凝集することなく流動 のある粉末状態を保っていた(セルロース及 その他原料由来の水分量の総和:セルロース に対して13重量%)。
 反応終了後、室温まで冷却し、生成物をニ ダーから取り出し、副生塩及び未反応物等 含水イソプロパノール(含水量15重量%)3000ml 及びイソプロパノール1000mlで洗浄して除去 、乾燥して114gの白色固体を得た。
 赤外分光光度計(株式会社堀場製作所製、FT- IR測定装置FT-710)を用いて、この白色固体をカ ルボキシメチルセルロース(Na塩)と同定した その赤外吸収スペクトルを図1に示す。
 置換基の導入量から求められるグルコース 位当たりカルボキシメチル基の置換度は1.0 あった。また、原料クロロ酢酸ナトリウム 準でのセルロースへの反応選択率は95%であ 、反応はほぼ定量的に進行していた。

実施例1-2
 1Lニーダー(株式会社入江商会製、PNV―1型) 、製造例1-1で得られた非晶化セルロース(結 化度0%、重合度600、平均粒径40μm、含水量5 量%)70.0g(グルコース単位換算0.41mol)及びクロ 酢酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製、 試薬)70.0g(0.60mol)を加え、窒素雰囲気下6時間 拌した。次いで窒素雰囲気下50℃に昇温した 後、48重量%の水酸化ナトリウム水溶液52.0g(NaO H量0.62mol)を5時間かけて滴下した後、そのま 50℃で12時間攪拌した。その間、セルロース び生成物は全く凝集することなく流動性の る粉末状態を保っていた(セルロース及びそ の他原料由来の水分量の総和:セルロースに して15重量%)。
 反応終了後、室温まで冷却し、生成物をニ ダーから取り出し、副生塩及び未反応物等 含水イソプロパノール(含水量15重量%)3000ml 及びイソプロパノール1000mlで洗浄して除去 、乾燥した結果、115gのカルボキシメチルセ ロース(Na塩型)を白色固体として得た。
 置換基の導入量から求められるグルコース 位当たりのカルボキシメチル基の置換度は1 .4であった。また原料クロロ酢酸ナトリウム 準でのセルロースへの反応選択率は97%であ 、反応はほぼ定量的に進行していた。

比較例1-1
 粉末セルロースとして、市販の粉末セルロ ス(日本製紙ケミカル株式会社製、セルロー スパウダー;KCフロック、結晶化度74%、平均粒 径45μm、含水量5重量%)を用いた以外は実施例1 -1と同様にして反応を行ったところ、反応の 行とともに部分的な凝集が見られ、反応混 物は極めて不均一で十分な混合は行えてい かったが、そのまま操作を続行し、実施例1 -1と同様に副生塩及び未反応物等の除去、乾 を行った。
 置換基の導入量から求められるグルコース 位当たりのカルボキシメチル基の置換度は0 .93、原料クロロ酢酸ナトリウム基準でのセル ロースへの反応選択率は89%であった。

製造例2-1(非晶化粉末セルロースの製造)
 市販の木材パルプシート(ボレガード社製パ ルプシート、結晶化度74%)をシュレッダー(株 会社明光商会製、「MSX2000-IVP440F」)にかけて 1cm角のチップ状にした。次に、得られたチッ プ状パルプをスクリューの中央部にニーディ ングディスク部を備えた二軸押出機(株式会 スエヒロEPM製、「EA-20」)に2kg/hrで投入し、 ん断速度660sec -1 、スクリュー回転数300rpmの条件で、外部から 冷却水を流しながら、1パス処理して粉末状 した。
 次に、得られた粉末セルロースを、バッチ 媒体攪拌ミル(五十嵐機械株式会社製、「サ ンドグラインダー」:容器容積800mL、5mmφジル ニアビーズを720g充填、充填率25%、攪拌翼径 70mm)に投入した。容器ジャケットに冷却水を しながら、攪拌回転数2000rpm、温度30~70℃の 囲で、2.5時間粉砕処理を行い、粉末セルロ ス(結晶化度0%、重合度600、平均粒径40μm)を た。この粉末セルロースの反応には更に32μ m目開きの篩をかけた篩下品(投入量の90%)を使 用した。
 なお、各結晶化度の異なる粉末セルロース 、ボールミル処理における処理時間を変え ことで調製した。

実施例2-1
 1Lニーダー(株式会社入江商会製、PNV―1型) 、製造例2-1で得られた非晶化セルロース(結 化度0%、重合度600、平均粒径40μm、含水量5 量%)100g及び48%水酸化ナトリウム水溶液51g(NaOH 量 0.61mol)を加え、窒素雰囲気下1時間攪拌し 。その後エチレンクロロヒドリン70g(0.87mol, 光純薬工業株式会社製、特級試薬「2-クロ エタノール」)を3時間で滴下した後、室温で 20時間攪拌した。反応中、セルロースは流動 のある粉末状態を保っていた。その後反応 のpHを確認したところ、pH7.0の完全に中性を 示したため、そのまま未反応のエチレンクロ ロヒドリンを減圧下留去した。生成物を1Lニ ダーより取り出し、含水イソプロパノール( 含水量15%)及びアセトンで洗浄後、減圧下乾 して、ヒドロキシエチルセルロースを126g(理 論量127g)の白色固体として得た。ヒドロキシ チル基としての置換度は、セルロース分子 のグルコース単位当たり1.0となり、反応は 好に進行していた。

実施例2-2
 前記1Lニーダー中に、製造例2-1で得られた 晶化セルロース(結晶化度 0%、重合度600)100g び48%水酸化ナトリウム水溶液45g(NaOH量0.54mol) を加え、窒素雰囲気下1時間攪拌した。その 、前記エチレンクロロヒドリン35g(0.44mol)を3 間で滴下した後、そのまま室温で18時間攪 したところ、NMR分析による原料エチレンク ロヒドリンの残存率はわずか6%であった。酢 酸で中和し、生成物をニーダーから取り出し た後、含水イソプロパノール(含水量15%)及び セトンで洗浄し、減圧下乾燥して、ヒドロ シエチルセルロースを118g(理論量126g)の白色 固体として得た。ヒドロキシエチル基として の置換度はグルコース単位当たり0.71となり 反応は良好に進行していた。

 実施例2-3
 3L四つ口フラスコ中に、製造例2-1で得られ 非晶化セルロース(結晶化度 0%、重合度600)10 0g及び48%水酸化ナトリウム水溶液51g(NaOH量 0.6 1mol)を加え、800mLのジメチルスルホキシド(非 化セルロースの9重量部)を加えて分散させ 。室温で1時間攪拌後、エチレンクロロヒド ン70g(0.87mol)を1時間で滴下し、そのまま室温 で22時間攪拌した。酢酸で中和し、未反応の チレンクロロヒドリン及びジメチルスルホ シドを留去後、生成物をフラスコから取り し、含水イソプロパノール(含水量15%)及び セトンで洗浄後、減圧下乾燥して、ヒドロ シエチルセルロースを115gの白色固体として た。ヒドロキシエチル基としての置換度は ルコース単位当たり0.65となり、反応は良好 に進行していた。

比較例2-1
 セルロースとして高結晶性の粉末セルロー (日本製紙ケミカル株式会社製、セルロース パウダー KCフロック W-50(S);結晶化度74%、重 度500)を用い、ジメチルスルホキシドを2L用 た以外は、実施例2-3と同様にして反応を行 た。酢酸で中和し、未反応のエチレンクロ ヒドリン及びジメチルスルホキシドを留去 、生成物をフラスコから取り出し、含水イ プロパノール(含水量15%)及びアセトンで洗 後、減圧下乾燥して、淡茶白色固体として られたヒドロキシエチルセルロースは、わ か98gであり、反応後の重量増加は全く見ら なかった。またヒドロキシエチル基として 置換度はグルコース単位当たりわずか0.05で った。

 以上の結果から、実施例2-1~2-3は、比較例 2-1に比べて、所望の置換度を有するヒドロキ シエチルセルロースを効率的に得ることがで きることがわかる。

応用実施例2-1
 前記1Lニーダー中に、製造例2-1で得られた 晶化セルロース(結晶化度0%、重合度600、平 粒径40μm、含水量5重量%)100g及び48%水酸化ナ リウム水溶液45g(NaOH量0.54mol)を加え、窒素雰 気下1時間攪拌した。その後、前記エチレン クロロヒドリン35g(0.44mol)を滴下し、室温で18 間攪拌したところ、NMR分析による原料エチ ンクロロヒドリンの残存率は6%であった。
 次いで前記1Lニーダーを50℃に昇温し、1時 攪拌した後、精製(生成塩を除去)することな く、そのままグリシジルトリメチルアンモニ ウムクロリド(坂本薬品工業株式会社製、含 量20重量%、純度90%以上)84gを1時間で滴下した 。その後、更に50℃で5時間攪拌した後、酢酸 で中和し、含水イソプロパノール(含水量15%) びアセトンで洗浄し、減圧下乾燥して、カ オン化ヒドロキシエチルセルロースを200gの 淡茶白色固体として得た。生成物中の塩素元 素含有量は、9.4%、窒素元素含有量は3.7%とな 、セルロース中のヒドロキシエチル基とし の置換度は、グルコース単位当たり0.70、ま たセルロース中のカチオン基としての置換度 は、グルコース単位当たり0.71となり、極め 効率良くカチオン化ヒドロキシエチルセル ースが合成できることが分かった。

 本発明の方法によれば、カルボキシメチル ルロースや、ヒドロキシエチルセルロース のセルロースエーテル誘導体を効率的、選 的、かつ簡便に製造することができる。こ ため、本発明方法は工業的に極めて有利で る。
 得られるカルボキシメチルセルロースは、 粘剤、分散剤、乳化剤、保護コロイド剤、 定化剤等の配合成分として、また他のセル ースエーテル誘導体製造の出発原料として 範に利用することができる。
 また、得られるヒドロキシエチルセルロー は、塗料、化粧品、建材、増粘剤、接着剤 医薬品等における分散剤、安定化剤等の配 成分として、また他のセルロースエーテル 導体の出発原料として広範に利用すること できる。