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Title:
METHOD FOR PRODUCING CHLORINE DIOXIDE AND ALKALI COMPOSITION FOR CHLORINE DIOXIDE PRODUCTION WHICH IS USED IN THE METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/001777
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for producing chlorine dioxide using hypochlorite, chlorite and an acidic substance, wherein sodium hypochlorite and sodium chlorite are mixed together in advance, and then hydrochloric acid is added into the mixture liquid.

Inventors:
ASADA SHIGEO (JP)
SHIBATA TAKASHI (JP)
ABE KOJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/061339
Publication Date:
December 31, 2008
Filing Date:
June 20, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TAIKO PHARMACEUTICAL CO LTD (JP)
ASADA SHIGEO (JP)
SHIBATA TAKASHI (JP)
ABE KOJI (JP)
International Classes:
C01B11/02
Foreign References:
JP2005523867A2005-08-11
JP2000239003A2000-09-05
JPH11116205A1999-04-27
Attorney, Agent or Firm:
KITAMURA, Shuichiro (Nakanoshima 2-chomeKita-ku, Osaka-shi, Osaka 05, JP)
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Claims:
 次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、及び酸性物質を用いて二酸化塩素を製造する方法であって、
 次亜塩素酸塩と亜塩素酸塩を予め混合し、該混合液に対して酸性物質を加えることを特徴とする二酸化塩素の製造方法。
 次亜塩素酸塩を貯留する槽内への空気の混入を防ぎながら行うことを特徴とする請求項1記載の二酸化塩素の製造方法。
 前記次亜塩素酸塩1モルに対する前記酸性物質の配合割合を、2モル以下とすることを特徴とする請求項1または2記載の二酸化塩素の製造方法。
 酸性物質を加えて二酸化塩素を製造させる二酸化塩素製造用アルカリ組成物であって、
 次亜塩素酸塩と亜塩素酸塩の混合物からなることを特徴とする二酸化塩素製造用アルカリ組成物。
 低温状態で保管されていることを特徴とする請求項4記載の二酸化塩素製造用アルカリ組成物。
Description:
二酸化塩素の製造方法、及び該 法に用いる二酸化塩素製造用アルカリ組成

 本発明は、二酸化塩素の製造方法、及び 方法に用いる二酸化塩素製造用アルカリ組 物に関し、詳しくは、塩素ガスの発生を防 しながら二酸化塩素を製造することができ また二酸化塩素の製造効率(発生効率)を高 することのできる二酸化塩素の製造方法、 び該方法に用いる二酸化塩素製造用アルカ 組成物に関する。

 従来、二酸化塩素ガスは次のように発生さ ていた。すなわち、下記式のように、(I)次 塩素酸ナトリウムと塩酸を反応させて塩素 スを発生させ(化1)、(II)発生した塩素ガスと 亜塩素酸ナトリウムを反応させて二酸化塩素 ガスを発生(製造)していた(化2)(参考:特許文 1)。

特開2002-220207公報

 しかしながら、従来の二酸化塩素の製造方 では、上述したように一時的に多量の塩素 スを発生させる必要があるため、労働安全 生法やその他の法律で種々な規制があり、 扱いには十分な注意や配慮が必要であった 例えば、水道協会雑誌(第565号、p155)には、 素ガスが存在すると、その量に関係なく労 安全衛生法の規制を受けると記載され、ま 下記の安全対策が必要となる。
 1.機器及び配管の配置、材質及び構造は破 しないように考慮する。
 2.塩素ガスの漏洩検知器を設けて漏洩時に 製造を停止する。
 3.室内であれば換気装置を設置する。
 4.設置場所には「関係者以外立ち入り禁止 「危険注意」などと表示する。

 二酸化塩素の製造方法としては、上記した 外にも、2液法と呼ばれる製造方法があった 。すなわち、亜塩素酸塩と酸性物質とを反応 させて二酸化塩素を製造する方法である。こ の方法によって二酸化塩素を製造する場合に は塩素ガスの発生は抑えられ、上記したよう な問題は生じない。
 しかしながら、酸性物質の廃液処理という たな問題が生じていた。例えば亜塩素酸ナ リウムと酸性物質とを反応させて二酸化塩 を製造する際に、反応効率が良くない場合 は、例えば理論値よりも2~2.5倍もの過剰の 性物質を使用することがあった。
 また、毒物及び劇物取締法により劇物に指 される危険物質の一種であり、吸入した場 、粘膜の刺激、悪心、吐気、腹痛、下痢、 アノーゼ、呼吸困難等の症状を起こし、眼 中等度の刺激性があるであるクロレート(塩 素酸ナトリウム)が発生する。
 そのため、反応後(製造後)には、過剰の酸 物質を含有する処理液や、クロレートを含 する処理液を廃棄するという問題があった

 本発明は、上記の実情に鑑みてなされた のであり、その目的は、塩素ガスを発生さ て滞留させることなく、また酸性物質を過 に使用することにより生じる廃液処理の問 も解消できる二酸化塩素を製造する方法を 供するところにある。

 上記目的を達成するための本発明の第一 徴構成は、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、及 酸性物質を用いて二酸化塩素を製造する方 であって、次亜塩素酸塩と亜塩素酸塩を予 混合し、該混合液に対して酸性物質を加え ことを特徴とする点にある。

 本発明の第二特徴構成は、上記製造方法 おいて、次亜塩素酸塩を貯留する槽内への 酸化炭素の混入を防ぎながら行う点にある

 本発明の第三特徴構成は、上記製造方法 おいて、前記次亜塩素酸塩1モルに対する前 記酸性物質の配合割合を、2モル以下とする にある。

 本発明の第四特徴構成は、酸性物質を加 て二酸化塩素を製造させる二酸化塩素製造 アルカリ組成物であって、当該アルカリ組 物が、次亜塩素酸塩と亜塩素酸塩の混合物 らなる点にある。

 本発明の第五特徴構成は、上記アルカリ 成物が、低温状態で保管されている点にあ 。

〔発明の効果〕
 本発明の二酸化塩素の製造方法によれば、 性物質を添加する前に、次亜塩素酸塩およ 亜塩素酸塩を均一に混合することができる この状態で、当該混合物に酸性物質を添加 ると、次のような反応式(III)(化3)に従って 酸化塩素を製造するので、塩素ガスが発生 て滞留することを防ぐことができ、二酸化 素の製造を安全に行うことができる。

 本構成では、塩素ガスを捕集する設備ある はスペースを確保する必要がないため、発 した塩素ガスを捕集した後に亜塩素酸ナト ウムと反応させる従来の手法に比べて、反 設備を簡素化できる。
 また、従来の製造方法では、前述したよう 、反応効率を上げるためにも酸性物質の配 量を過剰に配合する必要があったが、本発 の製造方法にあっては、酸性物質を過剰に 合しないので廃液処理の問題がなくなると に過剰の酸性物質に要していたコストを削 することができる。さらに、従来の手法に べて過剰の酸性物質を配合する手間を省力 できる。

は、実施例1(本発明法)におけるアンモ アガス注入後のフラスコ内を示す図面代用 真(フラスコ内における塩素ガスの発生の有 無を確認すべく、白煙の有無をみた。フラス コ内の状態を製図法に従って描くことが極め て困難であるので、その写真をもって図面に 代えた)を示す図である。 は、比較例1(3液同時投入法)におけるア ンモニアガス注入後のフラスコ内を示す図面 代用写真(フラスコ内における塩素ガスの発 の有無を確認すべく、白煙の有無をみた。 ラスコ内の状態を製図法に従って描くこと 極めて困難であるので、その写真をもって 面に代えた)を示す図である。 は、比較例2(従来法)におけるアンモニ ガス注入後のフラスコ内を示す図面代用写 (フラスコ内における塩素ガスの発生の有無 を確認すべく、白煙の有無をみた。フラスコ 内の状態を製図法に従って描くことが極めて 困難であるので、その写真をもって図面に代 えた)を示す図である。

 本発明は、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、及 酸性物質を用いて二酸化塩素を製造する方 であって、次亜塩素酸塩と亜塩素酸塩を予 混合し、該混合液に対して酸性物質を加え ことを特徴とする。
 本発明では、次亜塩素酸塩と亜塩素酸塩と 予め混合する際には、両者を均一に混合す 。そして、これら次亜塩素酸塩および亜塩 酸塩を均一に混合した当該混合物に酸性物 を添加すると、上述した化3に示した反応式 に従って二酸化塩素を製造することができる 。このとき、塩素ガスが発生して滞留するこ とを防ぐことができるため、二酸化塩素の製 造を安全に行うことができる。
 次亜塩素酸塩と亜塩素酸塩とを均一に混合 るためには、所定時間、攪拌手段等で攪拌 る攪拌処理を行う。次亜塩素酸塩および亜 素酸塩の混合の程度は、例えば、分子レベ でいえば、略全ての次亜塩素酸塩分子に亜 素酸塩分子が隣接する程度にまで混合する が好ましい。この程度まで混合すると、塩 ガスが発生して滞留することを確実に防止 ることができる。

 〔次亜塩素酸塩〕
 本発明で使用される次亜塩素酸塩としては 例えば、次亜塩素酸アルカリ金属塩や次亜 素酸アルカリ土類金属塩が挙げられる。
 次亜塩素酸アルカリ金属塩としては、例え 次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウ 、次亜塩素酸リチウムが挙げられ、次亜塩 酸アルカリ土類金属塩としては、次亜塩素 カルシウム、次亜塩素酸マグネシウム、次 塩素酸バリウムが挙げられる。これらのう 、入手が容易という点から、次亜塩素酸ナ リウム、次亜塩素酸カリウムが好ましく、 亜塩素酸ナトリウムが最も好ましい。これ 次亜塩素酸素塩は1種を単独で用いてもよい し、2種以上を併用しても構わない。

 〔亜塩素酸塩〕
 本発明で使用される亜塩素酸塩としては、 えば、亜塩素酸アルカリ金属塩や亜塩素酸 ルカリ土類金属塩が挙げられる。亜塩素酸 ルカリ金属塩としては、例えば亜塩素酸ナ リウム、亜塩素酸カリウム、亜塩素酸リチ ムが挙げられ、亜塩素酸アルカリ土類金属 としては、亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸 グネシウム、亜塩素酸バリウムが挙げられ 。これらのうち、入手が容易という点から 亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウムが ましく、亜塩素酸ナトリウムが最も好まし 。これら亜塩素酸素塩は1種を単独で用いて もよいし、2種以上を併用しても構わない。

 〔酸性物質〕
 本発明で使用される酸性物質としては、例 ば、塩酸、硫酸、亜硫酸、チオ硫酸、硝酸 亜硝酸、ヨウ素酸、リン酸、亜リン酸、硫 水素ナトリウム、硫酸水素カリウム、クロ 酸などの無機酸や、蟻酸、酢酸、プロピオ 酸、酪酸、乳酸、ピルビン酸、クエン酸、 ンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、グリコール 、フマル酸、マロン酸、マレイン酸、シュ 酸、コハク酸、アクリル酸、クロトン酸、 ュウ酸、グルタル酸などの有機酸が挙げら る。しかし、これらに限定されるものでは い。これら酸性物質は1種を単独で用いても よいし、2種以上を併用しても構わない。

 〔配合割合〕
 本発明において、二酸化塩素を製造するに たり、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、及び酸 物質の配合割合としては、例えば次亜塩素 塩1モルに対し、亜塩素酸塩2~3モル、酸性物 質1.5~2モルであることが好ましい。次亜塩素 塩1モルに対して亜塩素酸塩2モル未満の場 、未反応の次亜塩素酸塩が残り、塩素ガス 発生する可能性がある。また、亜塩素酸塩3 ルを超える場合および酸性物質2モルを超え る場合はいずれも、亜塩素酸塩や酸性物質が 残って効率が悪くなったり、廃棄処理が困難 となる可能性がある。
 なお、さらに好ましい範囲は、次亜塩素酸 1モルに対し、亜塩素酸塩2~2.2モル、酸性物 1.8~2.0モルである。

 〔その他〕
 本発明の製造方法にあっては、次亜塩素酸 の安定性を保つために、貯槽系内に空気の 入を防ぐことが好ましい。例えば、窒素や ルゴンなどの不活性ガスを送り込む方法等 より、空気の混入を防ぐ。
 また、次亜塩素酸塩の安定性を保つため、 に二酸化炭素の混入を防ぐのが好ましい。 の場合、例えば、二酸化炭素の吸収剤を貯 と大気取り入れ口の間に設けて二酸化炭素 混入を防止する方法、貯槽系内に二酸化炭 を含まない空気や、窒素やアルゴンなどの 活性ガスを送り込む方法、などの手法によ 、二酸化炭素の混入を防ぐ。

 次亜塩素酸塩および亜塩素酸塩を確実に均 に混合するためには、次亜塩素酸塩および 塩素酸塩は、少なくとも何れか一方を適切 溶媒に溶解させた状態で混合するとよい。 該溶媒は、例えば水を使用する。
 例えば、次亜塩素酸塩および亜塩素酸塩の れか一方を溶媒に溶解させた状態で酸性物 の混合処理を行う際に、加圧条件下で混合 行なえば、塩素ガスが発生して雰囲気中に 留し難くすることができる。圧力条件は、 該混合処理を行った際に二酸化塩素が発生 る条件であれば特に限定されるものではな が、例えば常圧で行うと、設備の簡素化を れるため好ましい。
 また、前記混合処理を高温条件下で行なえ 、二酸化塩素発生の反応を促進することが きる。温度条件は、前記混合処理を行った に二酸化塩素が発生する条件であれば特に 定されるものではないが、例えば常温で行 と、設備の簡素化を図れるため好ましい。
 常温・常圧下で反応液のpH:3~7とすれば、反 効率95%以上で二酸化塩素を得ることができ 。

 〔二酸化塩素製造用アルカリ組成物〕
 上述したように、本発明の二酸化塩素の製 方法は、次亜塩素酸塩と亜塩素酸塩を予め 合し、該混合液に対して酸性物質を加える とにより連続して行うが、この混合液は、 酸化塩素製造用のアルカリ組成物として保 したり、販売等のため流通させてもよい。
 この際、混合液の保存安定性を図るため、 記混合液(二酸化塩素製造用アルカリ組成物 )を低温状態に保持できるような保冷容器や 熱容器の中に入れておくことが好ましい。 温状態としての具体的な温度は、例えば3~20 である。3℃未満であれば、二酸化塩素の製 造効率が低下する可能性が生じ、20℃を超え と前記混合液(二酸化塩素製造用アルカリ組 成物)の保存安定性が低下する可能性が生じ 。低温状態として、さらに好ましい温度は 5~15℃である。
 上述した保冷容器や断熱容器は従来公知の のを使用することができる。

 〔実施例1〕
 本発明の二酸化塩素を製造する方法により 二酸化塩素を製造した。反応条件は、常温 常圧で行なった。
 反応系内から空気を追い出すべく、不活性 スとして窒素ガスをシリンジによって送り んだ栓付き三角フラスコの中に、7%次亜塩 酸ナトリウム1.00mlを入れ、これに対して10% 塩素酸ナトリウム1.74mlを混合し、攪拌手段 あるスターラーによって所定時間(数秒~数分 )撹拌することで、両者を均一に混合した。
 さらに、この混合液に対して7%塩酸1.05mlを 入し、再度、上記攪拌条件と同様の条件で 拌した。
 この時の各成分のモル比は、次亜塩素酸ナ リウム(NaClO):亜塩素酸ナトリウム(NaClO 2 ):塩酸(HCl)=1:2:2である。

 発生したガスの一部をシリンジで抜き取 て水中にてバブリングし、ガスが溶解した 溶液を調製した。従来公知の方法により、 該水溶液が二酸化塩素水溶液であることを 認した。発生した二酸化塩素は約10000ppmで った。

 また、次のようにして塩素ガス発生の有無 調べた。すなわち、25mlのシリンジを使って 前記栓付き三角フラスコの中にアンモニアガ スを注入した。フラスコ内に塩素ガスが存在 していれば、塩化アンモニウム(NH 4 Cl)の白煙の発生が確認されることになるが、 図1(図面代用写真)に示すように、アンモニア ガスを注入しても白煙は上がらなかった。こ れにより、本発明の二酸化塩素を製造する方 法では、塩素ガスが発生して滞留することな く二酸化塩素を製造できることが確認できた 。

 さらに、従来公知の方法により、クロレー (塩素酸ナトリウム)の発生の有無を調べた 当該方法は、例えばヨウ素滴定法が適用で る。本方法では、酸性溶液中においてヨウ カリウムを酸化させてヨウ素を遊離させ、 のヨウ素をデンプン溶液を指示薬としてチ 硫酸ナトリウム溶液で滴定し、二酸化塩素 亜塩素酸イオン及び塩素酸イオンを求める
 この結果、本発明の二酸化塩素を製造する 法では、クロレートの発生は認められなか た。

 〔実施例2〕
 本発明の二酸化塩素を製造する方法におけ 反応系から空気を追い出すべく、不活性ガ として窒素ガスを送り込んだ栓付き三角フ スコの中に、7%次亜塩素酸ナトリウム1.00ml 10%亜塩素酸ナトリウム1.74mlを混合して実施 1に記載の攪拌条件と同様の条件で撹拌後、5 ℃で2ヶ月間保存した。この混合液を二酸化 素製造用アルカリ組成物とした。2ヶ月の保 後、この混合液に対して7%塩酸1.05mlを投入 、再度撹拌した。

 発生したガスの一部をシリンジで抜き取 て水中にてバブリングし、ガスが溶解した 溶液を調製した。従来公知の方法により、 該水溶液が二酸化塩素水溶液であることを 認した。

 また、次のようにして塩素ガス発生の有無 調べた。すなわち、25mlのシリンジを使って 前記栓付き三角フラスコの中にアンモニアガ スを注入した。フラスコ内に塩素ガスが存在 していれば、塩化アンモニウム(NH 4 Cl)の白煙の発生が確認されることになるが、 アンモニアガスを注入しても白煙は上がらな かった。これにより、次亜塩素酸塩と亜塩素 酸塩の混合物である二酸化塩素製造用アルカ リ組成物として、低温状態で一定期間保存し た場合であっても、塩素ガスを発生させるこ となく二酸化塩素を製造できることが確認で きた。さらに、従来公知の方法により測定し た結果、塩素酸ナトリウム(クロレート)の発 もみられなかった。

 〔比較例1(3液同時投入)〕
 比較対照用に次のような実験を行った。す わち、貯槽系内から空気を追い出すべく、 活性ガスとして窒素ガスを送り込んだ栓付 三角フラスコの中に、7%次亜塩素酸ナトリ ム1.00ml、10%亜塩素酸ナトリウム1.74ml、及び7% 塩酸1.05mlを同時に投入して撹拌した。この栓 付き三角フラスコの中に25mlのシリンジを使 てアンモニアガスを注入した。注入後は、 2(図面代用写真)に示すように、フラスコ内 塩化アンモニウム(NH 4 Cl)の白煙が発生した。このように、次亜塩素 酸ナトリウムおよび塩酸が同時に存在するこ とで、塩素ガスが発生することが確認するこ とができた。
 これは、次亜塩素酸ナトリウム・亜塩素酸 トリウム・塩酸を同時に混合したとき、例 ば次亜塩素酸塩および亜塩素酸塩を均一に 合できない場合には、次亜塩素酸ナトリウ と塩酸との反応によって塩素ガスが発生し 発生した塩素ガスが直ちに亜塩素酸ナトリ ムと反応できないため、塩素ガスが発生し 滞留したと考えられる。即ち、本実験では 上述した化1、化2の反応式が起こり、滞留 た塩素ガスがアンモニアガスと反応して塩 ガスが発生したと認められた。

 〔比較例2(従来法)〕
 比較対照用に次のような実験を行った。す わち、貯槽系内から空気を追い出すべく、 活性ガスとして窒素ガスを送り込んだ栓付 三角フラスコの中に、7%次亜塩素酸ナトリ ム1.00mlを入れ、これに対して7%塩酸1.05mlを混 合して撹拌した。さらに、この混合液に対し て10%亜塩素酸ナトリウム1.74mlを投入し、再度 撹拌した。
 この栓付き三角フラスコの中に25mlのシリン ジを使ってアンモニアガスを注入した。注入 後は、図3(図面代用写真)に示すように、フラ スコ内が塩化アンモニウム(NH 4 Cl)の白煙で曇り、大量の塩素ガスの存在を確 認することができた(化1~2参照)。

 本発明は、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、 び酸性物質を用いて二酸化塩素を製造する に利用できる。