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Patent Searching and Data


Title:
METHOD OF PRODUCING CONED DISC SPRING, AND CLUTCH DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/123547
Kind Code:
A1
Abstract:
A clutch device has two clutch mechanisms each having a clutch drum in its inside. A driven plate and a cylinder are inside the clutch drum of each clutch mechanism, and ring-shaped primary and secondary springs are placed between the driven plate and the cylinder. A flat portion is provided at the inner peripheral edge on the projection surface side of the primary spring (1), and the flat portion can be in contact with a mating member at the beginning when a load is applied to the spring. A load produced by elastic deformation when the spring is made flat is adjusted to a desired value by the flat section. Blanks (1A, 2A) of the primary and the secondary springs are obtained by press forming of plate materials having the same thickness. In the press forming, a flat section (12A) is formed at an inner peripheral edge of the blank (1A) with consideration of its shape after it is bent.

Inventors:
TERADA YUSUKE (JP)
ANDO SHUJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/056569
Publication Date:
October 16, 2008
Filing Date:
April 02, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NHK SPRING CO LTD (JP)
TERADA YUSUKE (JP)
ANDO SHUJI (JP)
International Classes:
F16F1/32; B21D28/00; B21D53/16; F16D25/0638; F16F1/02
Foreign References:
JP2001295860A2001-10-26
JPS4841146A1973-06-16
JP2007075888A2007-03-29
JPH0760374A1995-03-07
FR2154258A51973-05-04
EP1582765A12005-10-05
Other References:
See also references of EP 2143967A4
Attorney, Agent or Firm:
SUENARI, Mikio (6-13 Kyobashi 1-chom, Chuo-ku Tokyo 31, JP)
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Claims:
 プレス加工によって板材からリング状の複数のブランクを打ち抜き、
 前記複数のブランクのそれぞれを皿ばねに成形する皿ばねの製造方法において、
 前記プレス加工では外径の小さなブランクを外径の大きなブランクの内側領域から打ち抜き、
 前記皿ばねの少なくとも一つの凸面側内周縁部および凹面側外周縁部の少なくとも一方に、その一方の周縁部と他方の周縁部との間の地点から前記一方の周縁部のエッジに向かって延在する平坦部あるいはテーパ部を形成することを特徴とする皿ばねの製造方法。
 プレス加工によって板材からリング状の複数のブランクを打ち抜き、
 前記複数のブランクのそれぞれを皿ばねに成形する皿ばねの製造方法において、
 前記プレス加工では外径の小さなブランクを外径の大きなブランクの内側領域から打ち抜き、
 前記皿ばねの少なくとも一つの内周部および外周部の少なくとも一方に、切削を施すことを特徴とする皿ばねの製造方法。
 筒状の第1部材の内部で軸線方向に移動可能に設けられた第2部材と第3部材との間に、リング状の皿ばねを備えるとともに、互いの軸線が一致する複数のクラッチ機構を備えたクラッチ装置において、
 前記複数のクラッチ機構の皿ばねは、同一の板厚を有するとともに、互いに異なる外径を有し、前記皿ばねの少なくとも一つの凸面側内周縁部および凹面側外周縁部の少なくとも一方に、その一方の周縁部と他方の周縁部との間の地点から前記一方の周縁部のエッジに向かって延在する平坦部あるいはテーパ部が形成されていることを特徴とするクラッチ装置。
 筒状の第1部材の内部で軸線方向に移動可能に設けられた第2部材と第3部材との間に、リング状の皿ばねを備えるとともに、互いの軸線が一致する複数のクラッチ機構を備えたクラッチ装置において、
 前記複数のクラッチ機構の皿ばねは、同一の板厚を有するとともに、互いに異なる外径を有し、前記皿ばねの少なくとも一つの内周部および外周部の少なくとも一方に、被切削部が形成されていることを特徴とするクラッチ装置。
 外径の小さな皿ばねは、外径の大きな皿ばねの内側に収まる大きさを有することを特徴とする請求項3または4に記載のクラッチ装置。
Description:
皿ばねの製造方法およびクラッ 装置

 本発明は、互いに外径の異なる複数の皿 ねの製造方法と、それら皿ばねを備えた多 式クラッチ装置に係り、特に皿ばねの製造 留の向上のための技術に関する。

 輸送機械のクラッチ装置は、湿式多板式 ラッチ機構を備えている。湿式多板式クラ チ機構は、略有底円筒状をなすクラッチド ムを備え、クラッチドラムには、軸線方向 移動可能に設けられた底面側の従動プレー とピストンとの間に、リング状の皿ばねが けられている(たとえば特許文献1)。皿ばね 、その内周縁部がピストンによって支持さ るとともに、その外周縁部が底面側の従動 レートによって支持されるように配置され いる。皿ばねは、皿形状から略平坦になる うに弾性変形することによって、クラッチ 構のクラッチ締結時に生じるショックを吸 する。

 このような皿ばねの特性では、弾性変形 おいて皿ばねが略平坦になるとき、すなわ 皿ばねの変位量が、高さHと板厚Tとの差で 定されるストローク長ST(図10参照)に達した きの発生荷重(以下、平坦時発生荷重)が、ク ラッチ機構の設計値として必要である。平坦 時発生荷重は、皿ばねの外径、内径、板厚T およびストローク長STに依存するが、それら のうち皿ばねの外径、内径、およびストロー ク長STは、クラッチ機構の設計値として予め 定されている。これにより、平坦時発生荷 は、板厚Tにより調整されている。

特開平9-32918号

 ところで、CVT(Continuously Variable Transmission )車やAT(Automatic Transmission)車のクラッチ装置 は、互いの軸線が一致するとともに、大き の異なる複数のクラッチ機構を備えている 置があり、各クラッチ機構には、そのクラ チドラムに対応した外径を有する皿ばねが 置されている。この場合、皿ばねのそれぞ の平坦時発生荷重は同一ではないのが通常 あるから、皿ばねのそれぞれは板厚の異な 材料から製造されている。

 しかしながら、板材から皿ばねのブラン を打ち抜いた後の材料はスクラップにする 外にないため、上記のような皿ばねの製造 はスクラップになる部分が非常に多い。こ ため、皿ばねの材料歩留が悪く、製造コス が割高となっていた。

 したがって、本発明は、製造コストを低 することができる皿ばねの製造方法、およ 、それにより得られる皿ばねを用いること より低価格化を図ることができるクラッチ 置を提供することを目的としている。

 本発明の皿ばねの第1製造方法は、プレス 加工によって板材からリング状の複数のブラ ンクを打ち抜き、複数のブランクのそれぞれ を皿ばねに成形する製造方法であって、プレ ス加工では外径の小さなブランクを外径の大 きなブランクの内側領域から打ち抜き、皿ば ねの少なくとも一つの凸面側内周縁部および 凹面側外周縁部の少なくとも一方に、その一 方の周縁部と他方の周縁部との間の地点から その一方の周縁部のエッジに向かって延在す る平坦部あるいはテーパ部を形成することを 特徴としている。

 ここで、凸面側内周縁部および凹面側外 縁部の少なくとも一方に平坦部あるいはテ パ部が形成された皿ばねでは、無荷重時に なくともその一方の周縁部と他方の周縁部 の間の地点で接触可能であるから、平坦部 よびテーパ部が形成されていない従来の皿 ねと比較して、凹面側外周縁部の接地径と 面側内周縁部の接地径との差(すなわち接地 点間距離)が小さくなる。これにより、平坦 あるいはテーパ部が形成された皿ばねでは その高さと接地点間距離との比が減少する ら、皿ばねが略平坦になるとき(すなわち皿 ねの変位量が高さと板厚との差で規定され ストローク長に達したとき)の発生荷重(以 、平坦時発生荷重)が大きくなる。したがっ 、本発明の皿ばねの第1製造方法のように同 一の板材から外径の大きな皿ばねおよび外径 の小さな皿ばねを得る場合、その板材の板厚 を、必要な平坦時発生荷重が小さな皿ばねの 板厚に一致させるとともに、必要な平坦時発 生荷重が大きな皿ばねに平坦部あるいはテー パ部を形成する。

 これについて、図4を参照して説明する。図 4は、各種皿ばねのストローク長STと平坦時発 生荷重Pの関係図であり、(A)は、外径の大き 親皿ばねの板厚が、外径の小さな子皿ばね 板厚より大きい場合の関係図、(B)は、外径 小さな子皿ばねの板厚が、外径の大きな親 ばねの板厚より大きい場合の関係図である なお、図4に示すストローク長ST 1  ,ST 2 の大小関係および平坦時発生荷重P 1 ,P 2 の大小関係は任意に設定できることは言うま でもない。

 まず、図4(A)の場合について説明する。外径 の大きな皿ばね(以下、親皿ばね)では、点Aで 示されるストローク長ST 1 および平坦時発生荷重P 1 を必要とし、外径の小さな皿ばね(以下、子 ばね)では、点Bで示されるストローク長ST 2 および平坦時発生荷重はP 2 を必要とする場合を考える。点Aの特性を満 する親皿ばねとして、平坦部が形成されて ない板厚がT 1 の親皿ばねがある。点Bの特性を満足する皿 ねとして、平坦部が形成されていない板厚 T 2 (<T 1 )の子皿ばねがある。

 ここで、親皿ばねを子皿ばねと同一の板材 ら得るために、親皿ばねの板厚をT 2 に設定すると、板厚が小さくなるため、点C 示される平坦時発生荷重P 3 (<P 1 )を示す親皿ばねとなって、所望の平坦時発 荷重P 1 を有する親皿ばねを得ることができない。し かしながら、この場合、親皿ばねの凸面側内 周縁部および凹面側外周縁部の少なくとも一 方にに平坦部を形成して平坦部形成親皿ばね にすると、上記のように平坦部によって平坦 時発生荷重を増加させることができる。これ により、平坦部形成親皿ばねでは、板厚の小 さな子皿ばねと同じ板厚T 2 に設定しても、平坦部の形状や大きさなどを 適宜設計することにより、所望の平坦時発生 荷重P 1 を示す親皿ばねを得ることができる。

 次に、図4(B)の場合について説明する。図4(B )の場合では、点Aの特性を満足する親皿ばね 板厚が子皿ばねの板厚よりも小さく設定さ ている点(すなわち、T 2 >T 1 )が、図4(A)の場合と異なる。

 子皿ばねを親皿ばねと同一の板材から得る めに、子皿ばねの板厚をT 1 に設定すると、板厚が小さくなるため、点D 示される平坦時発生荷重P 4 (<P 2 )を示す子皿ばねとなって、所望の平坦時発 荷重P 2 を有する子皿ばねを得ることができない。し かしながら、この場合、子皿ばねの凸面側内 周縁部および凹面側外周縁部の少なくとも一 方に平坦部を形成して平坦部形成子皿ばねに すると、上記のように平坦部によって平坦時 発生荷重を増加させることができる。これに より、平坦部形成子皿ばねでは、板厚の小さ な親皿ばねと同じ板厚T 1 に設定しても、平坦部の形状や大きさなどを 適宜設計することにより、所望の平坦時発生 荷重P 2 を示す子皿ばねを得ることができる。

 このように本発明の皿ばねの第1製造方法 では、上記のように形状や大きさなどを適宜 設計した平坦部を皿ばねに形成して平坦時発 生荷重を増加させることにより、それぞれが 所望の平坦時発生荷重を示す複数の皿ばねを 同一の板材から得ることができる。また、外 径の小さなブランクを外径の大きなブランク の内側領域から打ち抜くので、原材料である 板材を有効に使用することができる。また、 外径の大きな皿ばねと外径の小さな皿ばねの ブランクの打ち抜きを同時に行うことができ る。以上のように、皿ばねの材料歩留を向上 させることができ、かつ製造工程数を減少さ せることができるので、製造コストを低減す ることができる。

 なお、このように図4を用いて皿ばねの荷 重調整のために平坦部を形成する例について 説明したが、平坦部の代わりに、テーパ部を 形成してもよい。この場合、荷重負荷時に先 テーパ部の先端部が最初に相手部材に接触可 能とすることにより、平坦部と同様な作用・ 効果を得ることができる。

 本発明の皿ばねの第2製造方法は、プレス 加工によって板材からリング状の複数のブラ ンクを打ち抜き、複数のブランクのそれぞれ を皿ばねに成形する製造方法であって、プレ ス加工では外径の小さなブランクを外径の大 きなブランクの内側領域から打ち抜き、皿ば ねの少なくとも一つの内周部および外周部の 少なくとも一方に、切削を施すことを特徴と している。

 ここで、内周部および外周部の少なくと 一方に切削が施された皿ばねでは、その周 部を切削しているから、周面部に切削が施 れていない従来の皿ばねと比較して、平坦 発生荷重が小さくなる。したがって、本発 の第2皿ばねの製造方法のように同一の板材 から外径の大きな皿ばねおよび外径の小さな 皿ばねを得る場合、その板材の板厚を、必要 な平坦時発生荷重が大きな皿ばねの板厚に一 致させるとともに、必要な平坦時発生荷重が 小さな皿ばねに切削を施して被切削部を形成 する。

 これについて、図5を参照して説明する。図 5は、各種皿ばねのストローク長STと平坦時発 生荷重Pの関係図であり、(A)は、外径の大き 親皿ばねの板厚が、外径の小さな子皿ばね 板厚より大きい場合の関係図、(B)は、外径 小さな子皿ばねの板厚が、外径の大きな親 ばねの板厚より大きい場合の関係図である なお、図5に示すストローク長ST 1  ,ST 2 の大小関係および平坦時発生荷重P 1 ,P 2 の大小関係は任意に設定できることは言うま でもない。

 まず、図5(A)の場合について説明する。外径 の大きな皿ばね(以下、親皿ばね)では、点Aで 示されるストローク長ST 1 および平坦時発生荷重P 1 を必要とし、外径の小さな皿ばね(以下、子 ばね)では、点Bで示されるストローク長ST 2 および平坦時発生荷重はP 2 を必要とする場合を考える。点Aの特性を満 する親皿ばねとして、板厚がT 1 の親皿ばねがある。点Bの特性を満足する皿 ねとして、被切削部が形成されていない板 がT 2 (<T 1 )の子皿ばねがある。

 ここで、子皿ばねを親皿ばねと同一の板材 ら得るために、子皿ばねの板厚をT 1 に設定すると、板厚が大きくなるため、点E 示される平坦時発生荷重P 5 (>P 2 )を示す子皿ばねとなって、所望の平坦時発 荷重P 2 を有する子皿ばねを得ることができない。し かしながら、この場合、子皿ばねの外周部お よび内周部の少なくとも一方に被切削部を形 成して被切削部形成子皿ばねにすると、上記 のように被切削部によって平坦時発生荷重を 低減することができる。これにより、被切削 部形成子皿ばねでは、板厚の大きな親皿ばね と同じ板厚T 1 に設定しても、被切削部の形状や大きさなど を適宜設計することにより、所望の平坦時発 生荷重P 2 を示す子皿ばねを得ることができる。

 次に、図5(B)の場合について説明する。図5(B )の場合では、点Aの特性を満足する親皿ばね 板厚が子皿ばねの板厚よりも小さく設定さ ている点(すなわち、T 2 >T 1 )が、図5(A)の場合と異なる。

 親皿ばねを子皿ばねと同一の板材から得る めに、親皿ばねの板厚をT 2 に設定すると、板厚が大きくなるため、点F 示される平坦時発生荷重P 6 (>P 1 )を示す親皿ばねとなって、所望の平坦時発 荷重P 1 を有する親皿ばねを得ることができない。し かしながら、この場合、親皿ばねの外周部お よび内周部の少なくとも一方に被切削部を形 成して被切削部形成親皿ばねにすると、上記 のように被切削部によって平坦時発生荷重を 低減することができる。これにより、被切削 部形成親皿ばねでは、板厚の大きな子皿ばね と同じ板厚T 2 に設定しても、被切削部の形状や大きさを適 宜設計することにより、所望の平坦時発生荷 重P 1 を示す親皿ばねを得ることができる。

 このように本発明の皿ばねの第2製造方法 では、平坦部の代わりに、形状や大きさなど を適宜設計した被切削部部を皿ばねに形成し て平坦時発生荷重を低減させる以外は、本発 明の皿ばねの第1製造方法と同様であり、本 明の皿ばねの第1製造方法と同様な効果を得 ことができる。

 平坦部あるいはテーパ部を形成する第1製 造方法による皿ばねでは、被切削部を形成す る第2製造方法による皿ばねと比較して、平 時発生荷重の調整幅が大きい。したがって 第1製造方法は、平坦時発生荷重調整におい 第2製造方法より有効である。一方、第2製 方法では、複数のブランクを一括してそれ に平坦部あるいはテーパ部を形成すること できない第1製造方法と比較して、たとえば 盤を用いて複数のブランクを重ねて切削を すことができる。また、第1製造方法では、 平坦部あるいはテーパ部の形成に内外径が影 響されずに皿ばねを製造することが可能であ り、第2製造方法では、被切削部の形成に高 が影響されずに皿ばねを製造することが可 である。

 本発明の第1クラッチ装置は、筒状の第1 材の内部で軸線方向に移動可能に設けられ 第2部材と第3部材との間に、リング状の皿ば ねを備えるとともに、互いの軸線が一致する 複数のクラッチ機構を備えた装置であって、 複数のクラッチ機構の皿ばねは、同一の板厚 を有するとともに、互いに異なる外径を有し 、皿ばねの少なくとも一つの凸面側内周縁部 および凹面側外周縁部の少なくとも一方に、 その一方の周縁部と他方の周縁部との間の地 点からその一方の周縁部のエッジに向かって 延在する平坦部あるいはテーパ部が形成され ていることを特徴としている。

 本発明の第1クラッチ装置では、互いに同 一の板厚を有する皿ばねの少なくとも一つの 凸面側内周縁部および凹面側外周縁部の少な くとも一方に、平坦部あるいはテーパ部が形 成されているので、それらの形状や大きさを 適宜設計することにより、それぞれが所望の 平坦時発生荷重を示す複数の皿ばねを同一の 板材から得ることができる。これにより、皿 ばねの材料歩留を向上させることができるの で、皿ばねを低価格にすることができる。し たがって、装置を低価格にすることができる 。

 本発明の第2クラッチ装置は、筒状の第1 材の内部で軸線方向に移動可能に設けられ 第2部材と第3部材との間に、リング状の皿ば ねを備えるとともに、互いの軸線が一致する 複数のクラッチ機構を備えた装置であって、 複数のクラッチ機構の皿ばねは、同一の板厚 を有するとともに、互いに異なる外径を有し 、皿ばねの少なくとも一つの内周部および外 周部の少なくとも一方に、被切削部が形成さ れていることを特徴としている。

 本発明の第2クラッチ装置では、平坦部の 代わりに、互いに同一の板厚を有する皿ばね の少なくとも一つの内周部および外周部の少 なくとも一方に被切削部が形成されている以 外は、本発明の第1クラッチ装置と同様であ 、本発明の第1クラッチ装置と同様な効果を ることができる。

 ここで、本発明のクラッチ装置では、種 の構成を用いることができる。たとえば、 径の小さな皿ばねは、外径の大きな皿ばね リング状の内側に収まる大きさを有するこ ができる。この態様では、皿ばねの製造時 プレス加工において外径の小さなブランク 外径の大きなブランクの内側領域から打ち くので、製造工程数を減少させることがで る。したがって、皿ばねをさらに低価格に ることができるので、装置をさらに低価格 することができる。

 本発明の皿ばねの第1製造方法によれば、 形状や大きさなどを適宜設計した平坦部ある いはテーパ部を少なくとも1つの皿ばねに形 して平坦時発生荷重を増加させることによ 、それぞれが所望の平坦時発生荷重を示す 数の皿ばねを同一の板材から得ることがで る等の効果が得られる。本発明の第1クラッ 装置によれば、それぞれが所望の平坦時発 荷重を示す皿ばねを低価格にすることがで るので、装置を低価格にすることができる の効果が得られる。

 本発明の皿ばねの第2製造方法によれば、 形状や大きさなどを適宜設計した被切削部を 少なくとも1つの皿ばねに形成して平坦時発 荷重を減少させることにより、それぞれが 望の平坦時発生荷重を示す複数の皿ばねを 一の板材から得ることができる等の効果が られる。本発明の第2クラッチ装置によれば それぞれが所望の平坦時発生荷重を示す皿 ねを低価格にすることができるので、装置 低価格にすることができる等の効果が得ら る。

本発明の第1実施形態に係る親皿ばねの 構成を表し、(A)は平面図、(B)は(A)の1B-1B線の 断面図である。 本発明の第2実施形態に係る子皿ばねの 構成を表し、(A)は平面図、(B)は(A)の2B-2B線の 断面図である。 (A)は、本発明の皿ばねの構成の一例を し、凸面側内周縁部に平坦部が形成されて る皿ばねの断面図、(B)は、従来の皿ばねの 成を表す断面図である。 本発明の第1の製造方法による各種皿ば ねのストローク長STと平坦時発生荷重Pの関係 図であり、(A)は、外径の大きな親皿ばねの板 厚が、外径の小さな子皿ばねの板厚より大き い場合、(B)は、外径の小さな子皿ばねの板厚 が、外径の大きな親皿ばねの板厚より大きい 場合の関係図である。 本発明の第2の製造方法による本発明の 各種皿ばねのストローク長STと平坦時発生荷 Pの関係図であり、(A)は、外径の大きな親皿 ばねの板厚が、外径の小さな子皿ばねの板厚 より大きい場合、(B)は、外径の小さな子皿ば ねの板厚が、外径の大きな親皿ばねの板厚よ り大きい場合の関係図である。 図1,2の親皿ばねおよび子皿ばねのブラ クの構成を表す図であり、(A)は断面図、(B) (A)の3B-3B線における側断面図である。 図1,2の親皿ばねおよび子皿ばねを適用 た多板式クラッチ装置の構成を表す側断面 である。 本発明の第2実施形態に係る子皿ばねの 一部構成を表し、(A)は、被切削部が内周部に 形成された子皿ばねの断面図、(B)は、被切削 部が外周部に形成された子皿ばねの断面図で ある。 本発明の第2実施形態に係る親皿ばねの 変形例の一部構成を表し、(A)は、平坦部が凹 面側外周縁部に形成された親皿ばねの断面図 、(B)は、テーパ部が凸面側内周縁部に形成さ れた親皿ばねの断面図である。 皿ばねの側部の構成を表し、ストロー ク長ST、板厚T、および高さHの関係を示す側 面図である。

符号の説明

 1,5,6…親皿ばね(外径の大きな皿ばね)、2,3 ,4…子皿ばね(外径の小さな皿ばね)、12,13…平 坦部、14…テーパ部、22,23…被切削部、30…ク ラッチ装置、100,200…クラッチ機構、101,201… ラッチドラム(第1部材)、103,203…従動プレー ト(第2部材)、105,205…ピストン(第3部材)

(1)第1実施形態
(1-1)皿ばねの構成
 以下、本発明の第1実施形態について図面を 参照して説明する。図1,2は、本発明の第1実 形態に係る親皿ばね(外径の大きな皿ばね、 坦部形成親皿ばね)1,子皿ばね(外径の小さな 皿ばね)2の構成を表す図である。図1の(A)は平 面図、(B)は(A)の1B-1B線の側断面図、図2の(A)は 平面図、(B)は(A)の2B-2B線の側断面図である。

 親皿ばね1は、リング状の皿形状をなす本体 10を備え、本体10の中心部に円形状の孔11が形 成されている。親皿ばね1の凸面側内周縁部 は、荷重負荷時に最初に相手部材と接触可 な平坦部12が形成されている。子皿ばね2は リング状の皿形状をなす本体20を備え、本体 20の中心部に円形状の孔21が形成されている 親皿ばね1と子皿ばね2の板厚はともにT 2 である。

 ここで、親皿ばね1の平坦部12は、図3(A)に示 すように、内周縁部と外周縁部との間の地点 から内周縁部のエッジまで延在し、その径方 向の長さはbである。このように平坦部12が形 成された図3(A)の親皿ばね1では、荷重負荷時 最初に平坦部12の全面が相手部材と接触可 であるから、平坦部が形成されていない図3( B)の従来の皿ばね101と比較して、相手部材と 接触により規定される凹面側外周縁部の接 径d 1 と、相手部材との接触により規定される凸面 側内周縁部の接地径d 2 との差a(=d 1 -d 2 )が小さくなる。これにより、図3(A)に示す親 ばね1では、図3(B)に示す従来の親皿ばねと 較して、平坦時発生荷重が大きい。なお、 3(A)に示す親皿ばね1と 図3(B)に示す従来の親 皿ばね101とは、同一の板厚、外径、および、 内径を有している。

 これにより第1実施形態では、親皿ばね1の トローク長および平坦時発生荷重は、図3(A) 点Aに示すように、ST 1 およびP 1 であって、板厚がT 2 より大きなT 1 の親皿ばねのものと同じである。子皿ばね2 ストローク長および平坦時発生荷重は、図3( A)の点Bに示すように、ST 2 およびP 2 である。

 親皿ばね1の内径は、子皿ばね2の外径より 大きく設定され、子皿ばね2は、親皿ばね1の 内側に収まる大きさを有する。親皿ばね1お び子皿ばね2の高さはH 1 ,H 2 である。

(1-2)皿ばねの製造方法
 次に、親皿ばね1および子皿ばね2の製造方 について、おもに図6を参照して説明する。 6は、親皿ばね1および子皿ばね2のブランク1 A,2Aの構成を表す図であり、(A)は断面図、(B) (A)の3B-3B線における側断面図である。まず、 プレス加工によって、板厚T 2 の板材からリング状の大径ブランク1Aを打ち き、ブランク1Aの内側領域からリング状の 径ブランク2Aを打ち抜く。このとき、大径ブ ランク1Aには、下記の曲げ成形後の形状を考 に入れて、内周縁部に平坦部12Aを形成する

 次いで、常温で2つのブランク1A,2Aに曲げ 形を行う。そして、皿形状の2つのブランク 1A,2Aに熱処理(焼入れ・焼戻し)を行うことに り、皿形状のブランク1Aから親皿ばね1が得 れ、皿形状のブランク2Aから子皿ばね2が得 れる。ブランク1Aへの曲げ成形は、平坦部12A が凸面側に位置するように行う。なお、2つ ブランク1A,2Aへの曲げ成形および熱処理を同 時に行ってもよい。また、平坦部12の形成は 曲げ成形時に鍛造プレスやプレスクウェン を用いて行ってもよい。さらに、平坦部12 形成は、(ブランク成形後、曲げ成形後およ 熱処理後のいずれかの段階において)切削や 研削などによって行ってもよい。

(1-3)クラッチ機構の構成
 上記の皿ばね1,2は、図7に示すようなクラッ チ装置30に適用することができる。図7は、ク ラッチ装置30の構成を表す側断面図である。 ラッチ装置30は、たとえば自動車のCVT車に 用され、湿式多板式リバース用クラッチ機 100と湿式多板式フォワード用クラッチ機構20 0を備えている。フォワード用クラッチ機構20 0は、リバース用クラッチ機構100の内側にお る略円筒状の空洞部に収容され、リバース クラッチ機構100と同一の回転軸線を有して る。

 リバース用クラッチ機構100は、略有底円 状をなすクラッチドラム101を備え、その内 面には、軸線方向に延在する複数のスプラ ン溝が円周方向に等間隔に形成されている クラッチドラム101の内部には、それと回転 線位置が一致する筒状のクラッチハブ102が けられ、その外周面には、軸線方向に延在 る複数のスプライン溝が円周方向に等間隔 形成されている。

 クラッチドラム101とクラッチハブ102との には、クラッチドラム101のスプライン溝に 合する従動プレート103と、クラッチハブ102 スプライン溝に嵌合する駆動プレート104と 設けられている。それらプレート103,104は、 軸線方向に移動可能に所定の間隔をおいて交 互に配置されている。クラッチドラム101の底 面側(図7の左側)には、軸線方向に移動可能に ピストン105が配置されている。クラッチドラ ム101とピストン105との間には、作動油が供給 される油圧室(図示略)が形成されている。ピ トン105の開口側表面には、そこに負荷され 圧力によって伸縮するリターンスプリング( 図示略)の一端部が固定されている。リター スプリングは、ピストン105をクラッチドラ 101の底面側へ付勢している。

 クラッチドラム101の底面側の従動プレー 103とピストン105との間には、上記親皿ばね1 が配置されている。この場合、親皿ばね1は 本体10の内周縁部がピストン105によって支持 されるとともに、本体10の外周縁部が従動プ ート103によって支持されるように配置され いる。これにより、親皿ばね1は、軸線方向 に移動可能となっている。クラッチドラム101 の開口側には、従動プレート103および駆動プ レート104を支持するためのリテーニングプレ ート109が配置されている。リテーニングプレ ート109の開口側表面には、それの外部への離 脱防止のためのスナップリング110が配置され ている。

 フォワード用クラッチ機構200は、略有底 筒状をなすクラッチドラム201を備えている クラッチドラム201は、リバース用クラッチ 構100のクラッチハブ102の内側の略円筒状の 洞に収容されている。クラッチドラム201の 周面には、軸線方向に延在する複数のスプ イン溝が円周方向に等間隔に形成されてい 。クラッチドラム201の内部には、それと回 軸線位置が一致する筒状のクラッチハブ202 設けられ、その外周面には、軸線方向に延 する複数のスプライン溝が円周方向に等間 に形成されている。

 クラッチドラム201とクラッチハブ202との には、クラッチドラム201のスプライン溝に 合する従動プレート203と、クラッチハブ202 スプライン溝に嵌合する駆動プレート204と 設けられている。それらプレート203,204は、 軸線方向に移動可能に所定の間隔をおいて交 互に配置されている。クラッチドラム201の底 面側には、軸線方向に移動可能にピストン205 が配置されている。クラッチドラム201とピス トン205との間には、作動油が供給される油圧 室206が形成されている。ピストン205の開口側 表面には、そこに負荷される圧力によって伸 縮するリターンスプリング207の一端部が固定 されている。リターンスプリング207の他端部 は、クラッチドラム201に設けられたスプリン グリテーナ208に固定されている。リターンス プリング207は、ピストン205をクラッチドラム 201の底面側へ付勢している。

 クラッチドラム201の底面側の従動プレー 203とピストン205との間には、上記子皿ばね2 が配置されている。この場合、子皿ばね2は 本体20の内周縁部が従動プレート203によって 支持されるとともに、本体20の外周縁部がピ トン205によって支持されるように配置され いる。これにより、子皿ばね2は、軸線方向 に移動可能となっている。クラッチドラム201 の開口側には、従動プレート203および駆動プ レート204を支持するためのリテーニングプレ ート209が配置されている。リテーニングプレ ート209の開口側表面には、それの外部への離 脱防止のためのスナップリング210が配置され ている。

(1-4)クラッチ機構の動作
 次に、皿ばね1,2が適用されたクラッチ機構1 00,200の動作について、おもに図7を参照して 明する。リバース用クラッチ機構100はCVT車 後退走行のときに使用され、フォワード用 ラッチ機構200はCVT車の前進走行のときに使 される。なお、各クラッチ機構100,200は、各 行において同様な動作をするので、ここで 、リバース用クラッチ機構100の動作を説明 、フォワード用クラッチ機構200の動作の説 は省略する。

 油圧室に作動油を供給すると、油圧により 動されたピストン105がリターンスプリング 付勢力に抗して軸線方向の開口側に移動し 親皿ばね1を介して、クラッチドラム101の底 面側の従動プレート103を押圧する。すると、 交互に配置されている従動プレート103および 駆動プレート104とリテーニングプレート109は 、軸線方向の開口側に移動する。このような 移動によって、リテーニングプレート109がス ナップリング110に押接されると、互いに対向 する従動プレート103および駆動プレート104の 摩擦面が係合してクラッチ締結が行われる。 これにより、クラッチドラム101とクラッチハ ブ102との間のトルク伝達が可能となる。この とき、親皿ばね1は、皿形状から略平坦にな ように弾性変形することにより、クラッチ 結時に生じるショックを吸収する。このと の親皿ばね1の平坦時発生荷重は、図3(A)の点 Aに示すようにP 1 である。

 次に、油圧室から作動油の供給を排出す と、ピストン105がリターンスプリングの付 力によって、クラッチドラム101の底面側に し戻される。すると、従動プレート103およ 駆動プレート104の摩擦面の係合が解除され クラッチ締結が解除されるとともに、親皿 ね1の形状が元の状態に戻る。

 以上のように第1実施形態の皿ばねの製造 方法では、上記のように形状や大きさなどを 適宜設計した平坦部12を皿ばね1に形成して平 坦時発生荷重を増加させることにより、それ ぞれが所望の平坦時発生荷重を示す複数の皿 ばね1,2を同一の板材から得ることができる。 また、外径の小さなブランク2Aを外径の大き ブランク1Aの内側領域から打ち抜くので、 材料である板材を有効に使用することがで る。また、外径の大きな皿ばね1と外径の小 な皿ばね2のブランクの打ち抜きを同時に行 うことができる。以上のように、皿ばね1,2の 材料歩留を向上させることができ、かつ製造 工程数を減少させることができるので、製造 コストを低減することができる。

 第1実施形態のクラッチ装置30では、互い 同一の板厚を有する皿ばね1,2の少なくとも つの凸面側内周縁部および凹面側外周縁部 少なくとも一方に、平坦部12が形成されて るので、それらの形状や大きさを適宜設計 ることにより、それぞれが所望の平坦時発 荷重を示す複数の皿ばね1,2を同一の板材か 得ることができる。これにより、皿ばね1.2 材料歩留を向上させることができるので、 ばね1,2を低価格にすることができる。した って、装置30を低価格にすることができる。

 特に、皿ばね1,2の製造時のプレス加工に いて外径の小さなブランク2Aを外径の大き ブランク1Aの内側領域から打ち抜くので、製 造工程数を減少させることができる。したが って、皿ばね1,2をさらに低価格にすることが できるので、装置30をさらに低価格にするこ ができる。

(2)第2実施形態
 第2実施形態では、親皿ばねおよび子皿ばね の板厚として、第1実施形態のように小さな 厚T 2 を用いる代わりに大きな板厚T 1 を用い、かつそれに伴い、第1実施形態の平 部を親皿ばねに形成する代わりに、被切削 部を子皿ばねに形成することにより子皿ば の平坦時発生荷重を低減する。図8は、本発 の第2実施形態に係る子皿ばね3,4の一部構成 を表し、(A)は、被切削部22が内周部に形成さ た子皿ばね3の断面図、(B)は、被切削部23が 周部に形成された子皿ばね4の断面図である 。なお、第2実施形態では、第1実施形態と同 な構成要素には同符号を付し、第2実施形態 と同様な作用を有する構成要素の説明は省略 している。

 第2実施形態の親皿ばね(外径の大きな皿 ね)では、その断面形状が、第1実施形態の子 皿ばね2と同様な形状である。第2実施形態の 皿ばね(外径の小さな皿ばね、被切削部形成 子皿ばね)は、たとえば図8(A)に示すように被 削部22が形成された内周部が軸線方向に平 である子皿ばね3、あるいは、たとえば図8(B) に示すように被切削部23が形成された外周部 軸線方向に平行である子皿ばね4である。子 皿ばね3,4では、被切削部22,23が形成された周 が軸線方向に平行であるから、径方向にお る相手部材との衝突時にその相手部材への 傷が防止される。

 ここで、被切削部22,23が形成された図8(A), (B)に示す子皿ばね3,4では、その周部の一部が 切削されているから、被切削部が形成されて いない従来の子皿ばねと比較して、平坦時発 生荷重が小さい。

 これにより第2実施形態では、親皿ばねのス トローク長および平坦時発生荷重は、図5(A) 点Aに示すように、ST 1 およびP 1 である。子皿ばね3,4のストローク長および平 坦時発生荷重は、図5(A)の点Bに示すように、S T 2 およびP 2 であって、板厚がT 1 より小さなT 2 の親皿ばねのものと同じである。このような 親皿ばねおよび子皿ばねは、第1実施形態と 様にクラッチ装置30に適用することができる 。

 第2実施形態の皿ばねの製造方法では、まず 、プレス加工によって、板厚T 1 の板材からリング状の大径ブランクを打ち抜 き、ブランクの内側領域からリング状の小径 ブランクを打ち抜く。次いで、常温で2つの ランクに曲げ成形を行う。そして、皿形状 2つのブランクに熱処理(焼入れ・焼戻し)を う。これにより、皿形状の大径ブランクか 親皿ばねが得られる。続いて、皿形状の小 ブランクを重ねて旋盤により内周部あるい 外周部に切削を施すことにより、子皿ばね3 るいは子皿ばね4が得られる。なお、ブラン クへの曲げ成形および熱処理を同時に行って もよい。

 以上のように第2実施形態の皿ばね3,4の製 造方法では、平坦部12の代わりに、形状や大 さなどを適宜設計した被切削部部22,23を皿 ねに形成して平坦時発生荷重を低減させる 外は、第1実施形態の皿ばね1,2の製造方法と 様であり、第1実施形態の皿ばね1,2の製造方 法と同様な効果を得ることができる。また、 第2実施形態のクラッチ装置30では、平坦部12 代わりに、互いに同一の板厚を有する皿ば の少なくとも一つの内周部および外周部の なくとも一方に被切削部22,23が形成されて る以外は、本発明の第1クラッチ装置と同様 あるから、本発明の第1クラッチ装置と同様 な効果を得ることができる。

 第1実施形態の皿ばねの製造方法と第2実 形態の皿ばねの製造方法とを比較すると次 ようになる。すなわち、平坦部12が形成され た皿ばね1では、被切削部22,23を形成する皿ば ね3,4と比較して、平坦時発生荷重の調整幅が 大きい。したがって、第1実施形態の皿ばね 製造方法は、平坦時発生荷重調整において 2実施形態の皿ばねの製造方法より有効であ 。一方、第2実施形態の皿ばねの製造方法で は、複数のブランクを一括してそれらに平坦 部12Aを形成することができない第1実施形態 皿ばねの製造方法と比較して、たとえば旋 を用いて複数のブランクを重ねて切削を施 ことができる。また、第1実施形態の皿ばね 製造方法では、平坦部12の形成に内外径が 響されずに皿ばね1を製造することが可能で り、第2製造方法では、被切削部22,23の形成 高さが影響されずに皿ばね3,4を製造するこ が可能である。

(3)変形例
 以上のように上記実施形態を挙げて本発明 説明したが、本発明は上記実施形態に限定 れるものではなく、種々の変形が可能であ 。たとえば、第1実施形態では、親皿ばね1 凸面側内周縁部に平坦部12を形成したが、そ の代わりに、図9(A)に示すように、親皿ばね5 凹面側外周縁部に平坦部13を形成してもよ 。平坦部13は、凹面側において内周縁部と外 周縁部との間の地点から外周縁部のエッジま で延在し、荷重負荷時に最初に平坦部13の全 が相手部材と接触可能である。また、親皿 ねに平坦部12,13の両方を形成することも可 である。

 さらに、たとえば、図9(B)に示すように、 親皿ばね6の凸面側内周縁部にテーパ部14を形 成してもよい。テーパ部14は、凸面側におい 内周縁部と外周縁部との間の地点から内周 部のエッジまで凹面側に向かって傾斜角度c で傾斜し、荷重負荷時にテーパ部14の先端部 最初に相手部材に接触可能である。なお、 のようなテーパ部14は、平坦部13の代わりに 凹面側外周縁部に適用することができるのは 言うまでもない。

 加えて、第1実施形態では、親皿ばね1に 坦部12を形成するようにしたが、子皿ばね2 凸面側内周縁部および凹面側外周縁部の少 くとも一方に平坦部を形成してもよい。さ に、第2実施形態では、子皿ばねの内周部あ いは外周部に被切削部を形成するようにし が、子皿ばねの内周部および外周部のいず にも被切削部を形成することが可能である さらに、第2実施形態では、子皿ばねに被切 削部を形成するようにしたが、親皿ばねの内 周部および外周部の少なくとも一方に被切削 部を形成してもよい。

 また、親皿ばね1および子皿ばね2の外周 に、半径方向外側へ突出する歯を複数形成 てもよい。親皿ばね1および子皿ばね2の歯は 、クラッチ機構100,200におけるクラッチドラ 101,102のスプライン溝に嵌合し、クラッチド ム101,102に対する親皿ばね1および子皿ばね2 相対回転を防止する機能を有する。

 さらに、上記実施形態では、クラッチ装 30は2つのクラッチ機構100,200を備えるように したが、これに限定されるものではなく、互 いの軸線が一致する3以上のクラッチ機構を えるようにしてもよい。この場合、各クラ チ機構に適用される皿ばねでは、上記実施 態と同様にして、平坦部、テーパ部、ある は、被切削部を適宜形成し、同一の板厚を する板材から得ることにより、各皿ばねを クラッチ機構に対応した平坦時発生荷重に 整する。加えて、上記実施形態では、本発 を自動車のCVT車の多板式クラッチ装置に適 したが、これに限定されるものではない。 とえば、本発明を、自動車のAT車や、建設機 械、自動二輪などの輸送機械の多板式クラッ チ装置に適用することができる。

 また、上記実施形態では、同一の板材か 得た親皿ばねおよび子皿ばねを同一のクラ チ装置30に適用したが、これに限定される のではなく、親皿ばねおよび子皿ばねを別 に、互いに異なるクラッチ装置に適用して よいのは言うまでもない。さらに、上記実 形態では、クラッチ機構100,200における親皿 ねおよび子皿ばねの発生荷重として、それ が略平坦になるときの平坦時発生荷重を用 るようにしたが、これに限定されるもので なく、それらが略平坦になる前の所望のス ローク長STのときの発生荷重を用いること できるのは言うまでもないことである。