SUGIYAMA AKINARI (JP)
JPH05502866A | 1993-05-20 | |||
JPS5740435A | 1982-03-06 | |||
JP2004018503A | 2004-01-22 |
一般式:Rf-CHX-CH 2
OSO 2
Cl (式中、Rfはパーフルオロアルキル基であり、Xは臭素原子又はヨウ素原子である。)で表される含フッ素クロロスルホネート化合物。 |
Rfが炭素数1~20の直鎖状又は分岐鎖状のパーフルオロアルキル基である請求項1に記載の含フッ素クロロスルホネート化合物。 |
一般式:RfCH=CH 2 (式中、Rfはパーフルオロアルキル基である)で表されるパーフルオロアルキルエチレンを、N-ブロムスクシンイミド及びN-ヨードスクシンイミドからなる群から選ばれた少なくとも一種のスクシンイミド化合物、並びにクロロ硫酸と反応させることを特徴とする 一般式:Rf-CHX-CH 2 OSO 2 Cl (式中、Rfは上記に同じであり、Xは臭素原子又はヨウ素原子である。)で表される含フッ素クロロスルホネート化合物の製造方法。 |
一般式:Rf-CHX-CH 2
OSO 2
Cl(式中、Rfはパーフルオロアルキル基であり、Xは臭素原子又はヨウ素原子である。)で表される含フッ素クロロスルホネート化合物を、式:MI(式中、MはLi、Na又はKである)で表されるアルカリ金属ヨウ化物の存在下に加水分解して一般式:Rf-CHX-CH 2
OH(式中、Rf及びXは上記に同じ)で表される含フッ素ハロヒドリン化合物とした後、得られたハロヒドリン化合物を塩基と反応させることを特徴とする、一般式: |
一般式:Rf-CHX-CH 2 OSO 2 Clで表される含フッ素クロロスルホネート化合物が、請求項3の方法で得られたものである請求項4に記載の含フッ素エポキシドの製造方法。 |
本発明は、含フッ素エポキシドの中間体 して有用な新規化合物であるクロロスルホ ート化合物、該クロロスルホネート合物の 造方法、及び該クロロスルホネート化合物 用いる含フッ素エポキシドの製造方法に関 る。
一般式
(式中、Rfは、のパーフルオロアルキル基で ある)で表されるパーフルオロアルキルエポ シドは、医薬中間体、撥剤等の中間体、樹 ・ゴムのモノマー等として有用な化合物で る。
該エポキシドの製造方法としては、例え 、特許文献1に、下記反応工程式に従ってジ オールを製造する方法が記載されており、こ の方法で得られたジオールを脱水反応に供す ることによってエポキシドとすることができ る。
しかしながら、この方法では、目的物で るパーフルオロアルキルエポキシドの収率 30%程度であり、収率の向上が望まれている
また、下記特許文献2には、モノ又はビス(
ーフルオロアルキル)エチレンとSO 3
及びハロンゲンとを反応させてサルフェート
又はハロスルホネートを製造した後、該サル
フェート又はハロスルホネートを加水分解に
よってハロヒドリンに変換し、その後、塩基
との反応によってエポキシドとする方法が記
載されている。しかしながら、この方法では
、サルフェート又はハロスルホネートの加水
分解が困難であり、十分な収率でハロヒドリ
ンを得ることができない。このため、上記し
た反応工程を採用する場合には、原料とする
モノ又はビス(パーフルオロアルキル)エチレ
に対するエポキシドの収率は満足のいくも
とはならない。
本発明は上記した従来技術の問題点に鑑 てなされたものであり、その主な目的は、 ーフルオロアルキルエチレンを原料として 比較的簡単な反応工程によって含フッ素エ キシドを収率良く製造できる新規な方法を 供することである。
本発明者は、上記した目的を達成すべく 意研究を重ねてきた。その結果、パーフル ロアルキルエチレンを原料として、これをN -ブロム又はN-ヨードスクシンイミド及びクロ ロ硫酸と反応させることによって、新規化合 物である末端に塩素原子を有するクロロスル ホネート化合物を高収率で得ることができる ことを見出した。この化合物は安定性が良好 であるが、アルカリ金属ヨウ化物の存在下に 加水分解する場合には、意外にも非常に高い 効率でハロヒドリン化合物に変換でき、更に 、得られたハロヒドリン化合物は、塩基と反 応させることによって容易にエポキシドとす ることができることを見出した。従って、上 記した反応工程を採用することによって、パ ーフルオロアルキルエチレンを原料として高 収率で含フッ素エポキシドを合成することが 可能となる。本発明はこれらの知見に基づい て完成されたものである。
即ち、本発明は、下記の含フッ素エポキシ
の中間体として有用な新規化合物であるク
ロスルホネート化合物、該クロロスルホネ
ト合物の製造方法、及び含フッ素エポキシ
の製造方法を提供するものである。
1. 一般式:Rf-CHX-CH 2
OSO 2
Cl
(式中、Rfはパーフルオロアルキル基であり、
Xは臭素原子又はヨウ素原子である。)で表さ
る含フッ素クロロスルホネート化合物。
2. Rfが炭素数1~20の直鎖状又は分岐鎖状のパ
フルオロアルキル基である上記項1に記載の
フッ素クロロスルホネート化合物。
3. 一般式:RfCH=CH 2
(式中、Rfはパーフルオロアルキル基である)
表されるパーフルオロアルキルエチレンを
N-ブロムスクシンイミド及びN-ヨードスクシ
イミドからなる群から選ばれた少なくとも
種のスクシンイミド化合物、並びにクロロ
酸と反応させることを特徴とする
一般式:Rf-CHX-CH 2
OSO 2
Cl
(式中、Rfは上記に同じであり、Xは臭素原子
はヨウ素原子である。)で表される含フッ素
ロロスルホネート化合物の製造方法。
4. 一般式:Rf-CHX-CH 2
OSO 2
Cl(式中、Rfはパーフルオロアルキル基であり
Xは臭素原子又はヨウ素原子である。)で表
れる含フッ素クロロスルホネート化合物を
式:MI(式中、MはLi、Na又はKである)で表される
アルカリ金属ヨウ化物の存在下に加水分解し
て一般式:Rf-CHX-CH 2
OH(式中、Rf及びXは上記に同じ)で表される含
ッ素ハロヒドリン化合物とした後、得られ
ハロヒドリン化合物を塩基と反応させるこ
を特徴とする、一般式:
(式中、Rfは上記に同じ)で表される含フッ素
ポキシドの製造方法。
5. 一般式:Rf-CHX-CH 2
OSO 2
Clで表される含フッ素クロロスルホネート化
物が、上記項3の方法で得られたものである
上記項4に記載の含フッ素エポキシドの製造
法。
以下、本発明について具体的に説明する
出発原料
本発明では、出発原料としては、下記一般
:RfCH=CH 2
(式中、Rfはパーフルオロアルキル基である)
表されるパーフルオロアルキルエチレンを
いる。
上記化合物において、Rfで表されるパーフ オロアルキル基としては、炭素水1~20の直鎖 は分岐鎖状のパーフルオロアルキル基を例 でき、その具体例としては、式:CF 3 (CF 2 ) n -(式中、n=0~19)で表される基、式:(CF 3 ) 2 CA(CF 2 CF 2 )n-(式中、n=0~8、Aはフッ素原子又はCF 3 -である)で表される基等を例示できる。該パ フルオロアルキル基におけるアルキル基の 体例としては、メチル、エチル、プロピル イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、n-ペン ル、iso-ペンチル、n-ヘキシル、へプチル、n -オクチル、ノニル、n-デシル等を挙げること ができる。
含フッ素クロロスルホネート化合
物の製造工程
本発明方法では、まず、上記パーフルオロ
ルキルエチレンを、N-ブロムスクシンイミ
及びN-ヨードスクシンイミドからなる群から
選ばれた少なくとも一種のスクシンイミド化
合物、並びにクロロ硫酸(HSO 3
Cl)と反応させることによって、
一般式:Rf-CHX-CH 2
OSO 2
Cl
(式中、Rfはパーフルオロアルキル基であり、
Xは臭素原子又はヨウ素原子である。)で表さ
る含フッ素クロロスルホネート化合物とす
。
この反応によれば、高収率で含フッ素ク ロスルホネート化合物を得ることができる
上記した方法で得られる一般式:Rf-CHX-CH 2 OSO 2 Clで表される含フッ素クロロスルホネート化 物は、新規化合物であり、例えば、後述す 方法によって高収率で含フッ素エポキシド することができる。また、該クロロスルホ ート化合物は、スルホネート基の末端に塩 原子が結合したものであり、末端にヨウ素 子、臭素原子等を有する化合物と比較する 、安定性が良好であり、空気中に放置して ても加水分解や酸化分解はほとんど起こら 、取り扱いが簡便である。従って、該クロ スルホネート化合物は、含フッ素エポキシ の製造用中間体として有用性の高い化合物 ある。更に、該クロロスルホネート化合物 おける-OSO 2 Cl基は良好な反応官能基であり、様々な官能 に変換可能である。
上記反応において、スクシンイミド化合 の使用量は、原料として用いるパーフルオ アルキルエチレンに対して、0.01~10倍モル程 度とすることが好ましく、0.1~5倍モル程度と ることがより好ましい。
スクシンイミド化合物としては、安価で 入し易い点から、特に、N-ブロムスクシン ミドが好ましく、これを用いることによっ 、上記反応を安定して進行させることがで る。
クロロ硫酸の使用量は、パーフルオロア キルエチレンに対して、0.01~10倍モル程度と することが好ましく、0.1~5倍モル程度とする とがより好ましい。
この反応は、無溶媒又は溶媒中で行うこ ができる。溶媒としては、上記反応に対し 安定な溶媒を用いることができる。この様 溶媒としては、塩化メチレン、クロロホル 等の含塩素化合物、n-ヘキサン、n-ペンタン 、n-ヘプタン、n-オクタン等の飽和炭化水素 化合物、パーフルオロヘキサン、パーフル ロオクタン、パーフルオロポリエーテル、HF C-141b、HFC-225等の含フッ素化合物等を例示で る。溶媒の使用量については特に限定はな が、例えば、パーフルオロエチレンに対し 、0.01~100倍容量程度とすることができる。
上記反応は、冷却下~加熱下の広い温度範 囲で行うことが可能である。具体的な反応温 度は、例えば、-80~200℃程度とすることがで 、-30~100℃程度とすることが好ましい。
反応時の圧力は、減圧下、大気圧下、加 下のいずれでもよい。例えば、原料の沸点 上回る温度で密閉容器中で反応を行う場合 は、加圧状態で反応が進行することになる また、高沸点の原料を用いて沸点以下の温 で反応を行う場合には、減圧下又は大気圧 で反応を行うことができる。従って、反応 の実際の圧力は、反応温度、原料とするパ フルオロエチレンの沸点等に依存すること なる。
反応時間は、基質であるパーフルオロエ レン化合物の種類、量、反応温度等に依存 るものであり、通常、数秒から数時間の範 で反応を行うことができる。
反応容器としては、反応条件下で不活性 材料、例えば、ガラス、ハステロイ22、ハ テロイ276等で作製されたものが適している
反応で得られたクロロスルホネート化合 は、結晶化、蒸留、分液操作などの周知の 法で単離することができる。
含フッ素ハロヒドリン化合物の製
造工程
次いで、上記した方法で得られる含フッ素
ロロスルホネート化合物を、式:MI(式中、M
Li、Na又はKである)で表されるアルカリ金属
ウ化物の存在下に加水分解することによっ
、
一般式:Rf-CHX-CH 2
OH
(式中、Rfはパーフルオロアルキル基であり、
Xは臭素原子又はヨウ素原子である。)で表さ
る含フッ素ハロヒドリン化合物とする。
上記した方法によれば、特定のアルカリ 属ヨウ化物の存在下に加水分解を行うこと よって、安定な化合物である上記クロロス ホネート化合物の加水分解反応が容易に進 して、90%を上回る高収率で含フッ素ハロヒ リン化合物を得ることができる。
上記加水分解反応は、アルカリ金属ヨウ 物の存在下に、含フッ素クロロスルホネー 化合物と、水及びアルコール類からなる群 ら選ばれた少なくとも一種のプロトン供与 合物とを反応させることよって行うことが きる。アルコール類としては、例えば、メ ノール、エタノール、イソプロパノール、 タノール、オクタノール等を用いることが きる。アルカリ金属ヨウ化物としては、LiI NaI、KI等を例示できる。
水及びアルコール類からなる群から選ば た少なくとも一種のプロトン供与化合物の 用量は、例えば、含フッ素クロロスルホネ ト化合物に対して0.01~1000容量倍程度とする とが好ましく、0.1~100容量倍程度とすること がより好ましい。
また、アルカリ金属ヨウ化物の使用量は 含フッ素クロロスルホネート化合物に対し 0.01~10倍モル程度とすることが好ましく、0.0 1~10倍モル程度とすることがより好ましい。
上記加水分解反応は、無溶媒又は溶媒中 行うことができる。溶媒としては、極性溶 及び非極性溶媒のいずれを用いても良く、 えば、アセトニトリル、ジメチルホルムア ド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N-メチ ルピロリドン(NMP)、ニトロベンゼン、ベンゾ トリル、n-ヘキサン、n-ペンタン、n-ヘプタ 、n-オクタン、モノグライム、ジグライム トリグライム、テトラグライム等の官能基 有することのある炭化水素系化合物;塩化メ レン・クロロホルム等の含塩素化合物;パー フルオロヘキサン、パーフルオロオクタン、 パーフルオロポリエーテル、HFC-141b、HFC-225等 の含フッ素化合物等を用いることができる。
上記した溶媒は、一種単独又は混合して いることができ、その使用量は、例えば、 フッ素クロロスルホネート化合物に対して 0.01~100倍容量とすることができる。
上記加水分解応は、冷却下~加熱下の広い 温度範囲で行うことが可能である。具体的な 反応温度は、例えば、-20~200℃程度の範囲と ることができ、0~100℃程度の範囲とすること が好ましい。但し、反応温度の下限値は、用 いる溶媒及び基質が凝固しない温度とするこ とが好ましい。
反応時の圧力は、減圧下、大気圧下、加 下のいずれでもよい。例えば、使用する原 の沸点を上回る温度で密閉容器中で反応を う場合には、加圧状態で反応が進行するこ になる。また、高沸点の原料を用いて沸点 下の温度で反応を行う場合には、減圧下又 大気圧下で反応を行うことができる。
反応時間は、基質である含フッ素クロロ ルホネート化合物の種類、量、反応温度等 依存するものであり、数秒から数時間の範 で反応が行われる。
また、原料との相溶性が劣る非極性触媒 用いた場合等には、反応の進行が遅いこと あるが、この場合には、相関移動触媒を用 ることによって反応を促進させることがで る。
相関移動触媒としては、一般式:R 1 R 2 R 3 R 4 NX(式中、R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 は、それぞれ同一又は相異なって炭化水素基 であり、Xはハロゲン原子である)で表される 級アンモニウム塩、R 5 R 6 R 7 R 8 PX(式中、R 5 、R 6 、R 7 及びR 8 は、それぞれ同一又は相異なって炭化水素基 であり、Xはハロゲン原子である)で表される 級ホスホニウム塩等を一種単独又は二種以 混合して用いることができる。ここで、炭 水素基としては、炭素数1~10程度の直鎖又は 分枝鎖状のアルキル基、アリール基、アラル キル基等が好ましく、特に、メチル基、エチ ル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブ ル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチ 基、オクチル基、フェニル基、ベンジル基 が好ましい。また、XはF、Cl、Br、I等のハロ ン原子であり、入手の容易さからF、Cl、Br が好ましく、特に、Cl、Br等が好ましい。
相間移動触媒の使用量は、含フッ素クロ スルホネート化合物に対して、0.001~10倍モ 当量程度とすることが好ましく、0.01~5倍モ 当量程度とすることがより好ましい。
反応容器としては、反応条件下で不活性 材料、例えば、ガラス、SUS304、SUS316等のス ンレス、ハステロイ22、ハステロイ276等で 製されたものが適している。
反応で得られた含フッ素ハロヒドリン化 物は、結晶化、蒸留、分液操作などの周知 方法で単離することができる。
含フッ素エポキシドの製造工程
上記した方法で得られる含フッ素ハロヒド
ン化合物を塩基と反応させることによって
一般式:
(式中、Rfはパーフルオロアルキル基である )で表される含フッ素エポキシドを得ること できる。
上記反応において、塩基としては、LiOH、NaO H、KOH、CsOH、Mg(OH) 2 、Ca(OH) 2 、Ba(OH) 2 、Li 2 CO 3 、Na 2 CO 3 、Cs 2 CO 3 、MgCO 3 、CaCO 3 、BaCO 3 等を用いることができ、安価で入手が容易な 点から、特に、NaOH、KOH、Ca(OH) 2 、Na 2 CO 3 、CaCO 3 等が好ましい。
塩基の使用量は、含フッ素ハロヒドリン 合物に対して0.01~10倍モル程度とすることが 好ましく、0.01~10倍モル程度とすることがよ 好ましい。
上記反応は、無溶媒又は溶媒中で行うこ ができる。溶媒としては、極性溶媒及び非 性溶媒のいずれを用いても良く、例えば、 、;アセトニトリル、ジメチルホルムアミド (DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N-メチル ロリドン(NMP)、ニトロベンゼン、ベンゾニト リル、n-ヘキサン、n-ペンタン、n-ヘプタン、 n-オクタン、モノグライム、ジグライム、ト グライム、テトラグライム等の官能基を有 ることのある炭化水素系化合物;塩化メチレ ン・クロロホルム等の含塩素化合物;パーフ オロヘキサン、パーフルオロオクタン、パ フルオロポリエーテル、HFC-141b、HFC-225等の フッ素化合物等を用いることができる。
上記した溶媒は、一種単独又は混合して いることができ、その使用量は、例えば、 フッ素ハロヒドリン化合物に対して、0.01~10 0倍容量とすることができる。
上記加水分解応は、冷却下~加熱下の広い 温度範囲で行うことが可能である。具体的な 反応温度は、例えば、-20~200℃程度の範囲と ることができ、0~100℃程度の範囲とすること が好ましい。但し、反応温度の下限値は、用 いる溶媒及び基質が凝固しない温度とするこ とが好ましい。
反応時の圧力は、減圧下、大気圧下、加 下のいずれでもよい。例えば、使用する原 の沸点を上回る温度で密閉容器中で反応を う場合には、加圧状態で反応が進行するこ になる。また、高沸点の原料を用いて沸点 下の温度で反応を行う場合には、減圧下又 大気圧下で反応を行うことができる。従っ 、反応時の実際の圧力は、反応温度、原料 する含フッ素ハロヒドリン化合物の沸点、 成物である含フッ素エポキシドの沸点等に 存することになる。
反応時間は、基質である含フッ素ハロヒ リン化合物の種類、量、反応温度等に依存 るものであり、数秒から数時間の範囲で反 が行われる。
上記した反応工程によれば、含フッ素ハ ヒドリン化合物から高収率で含フッ素エポ シドを得ることができる。
反応終了後、慣用されている分離手段、 えば、溶媒抽出、再結晶、蒸留、クロマト ラフィー等によって、目的物である含フッ エポキシドを単離、精製することができる
本発明によれば、パーフルオロアルキル チレンをN-ブロム又はN-ヨードスクシンイミ ド及びクロロ硫酸と反応させて得られる、新 規化合物であるクロロスルホネート化合物か ら非常に高収率でハロヒドリン化合物を得る ことができる。従って、上記したクロロスル ホネート化合物の製造工程、ハロヒドリン化 合物の製造工程及びエポキシドの製造工程を 経ることによって、パーフルオロアルキルエ チレンを原料として、高収率でパーフルオロ アルキルエポキシドを製造することが可能と なる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細 説明する。
実施例1
(1) C 4 F 9 CHBrCH 2 OSO 2 Clの合成工程
C 4
F 9
CH=CH 2
+ NBS + HSO 3
Cl → C 4
F 9
CHBrCH 2
OSO 2
Cl +NHS
ジムロートを取り付けた3つ口フラスコにN-
ロムスクシンイミド(NBS)を16.0g(90.4mmol)と99%n-
C 4
F 9
CH=CH 2
を20.0g(80.5mmol)仕込んだ。このフラスコを氷浴
に浸け、HSO 3
Clが20.0g(171.7mmol)入った滴下ロートを取り付け
た。
その後、30℃を超えないようにHSO 3 Clを約10分かけて滴下し、滴下終了後、氷浴 外して終夜攪拌反応させた。
反応終了後、発熱に注意しながら氷に開 た。二層分液したので、分液ロートで下層( 有機層)・上層(酸水溶液層)に分別し、両層に ついてNMR分析を行い定量した。下層について は、GC及びGC/MS分析を行い、定性分析を行っ 。
分析の結果、C 4
F 9
CH=CH 2
転化率は97.9%であり、C 4
F 9
CHBrCH 2
OSO 2
Clの収率は92.9%であった。
C 4
F 9
CHBrCH 2
OSO 2
Clの分析結果:
GC/MS(EI +
)結果:
m/z [CF 3 +
]=69、[SO 2
Cl +
]=99、[CH 2
OSO 2
Cl +
]=129、[CF 2
CBr=CH 2 +
]=155、[C 4
F 9
CBr=CH 2 +
]=324、[C 4
F 9
CHBrCH 2 +
]=325、[C 4
F 9
CHBrCH 2
O +
]=341
1
H-NMR結果:
1
H-NMR(270MHz,CDCl3,TMS)
δppm:4.32ppm(m,1H,-CF 2 CH
BrCH 2
-)4.56ppm(m,2H,-CHBr CH 2
OSO 2
Cl)
19
F-NMR結果:
19
FNMR(254MHz,CDCl 3
,CFCl 3
),
δppm:-84.3ppm(brs,3F,CF 3
-)、-123.1ppm(dt,2F,J=4.6Hz,2F,CF 3
CF 2
-)、
-114.5ppm(dt,2F,J=4.4Hz)、-128.9ppm (m,2F,CF
3
- CF 2
-CF 2
)
(2) C 4 F 9 CHBrCH 2 OHの合成工程
C 4
F 9
CHBrCH 2
OSO 2
Cl + NaI → C 4
F 9
CHBrCH 2
OH + SO 2
+ I 2
+ NaCl
50mlの3つ口フラスコに溶媒として水を15ml入
、NaIを3.4g(22.8mmol)室温で加えた。そこに、
関移動触媒としてベンジルトリエチルアン
ニウムクロリド(PhCH 2
N(Et) 3
Cl)を0.05g加え、均一溶液になるまで攪拌した
その後、上記(1)工程で得られた93mass%C 4 F 9 CHBrCH 2 OSO 2 Clを5.03g(10.6mmol)加え、約2.5時間攪拌反応させ 。反応終了後二層分液しているので、上層( 水層)/下層(有機層)を分取し、GC、GC/MS、NMR測 を行った。分析の結果、C 4 F 9 CHBrCH 2 OSO 2 Clの転化率:100%、C 4 F 9 CHBrCH 2 OHの収率:100%であった。
(3) C 4 F 9 CH(O)CH 2 の合成(エポキシ化反応)工程
ジムロートを取り付けた50mlの3口フラスコ
85%KOHを0.84g(12.8mmol)とジグライムを10ml加えた
その後、89.9mass%C 4
F 9
CHBrCH 2
OHが3.18g(8.36mmol)入った滴下ロートをフラスコ
取り付け、約2分で滴下させた。発熱が収ま
り、室温まで内温が低下したのを確認してか
ら、オイルバスにて加熱を行った。
内温が約95~105℃の範囲に収まった時点を反 時間とし、約1時間攪拌反応させた。反応終 了後、室温に戻して水クエンチを行い。有機 層をCHCl 3 で抽出し、水層・有機層について、GC、GC/MS NMR測定を行った。
NMR分析から定量を行った結果、C 4 F 9 CHBrCH 2 OHの転化率:100%、C 4 F 9 CH(O)CH 2 (エポキシ)の収率:75.8%であった。
実施例2
(1) C 2 F 5 (CF 2 CF 2 ) 3 CHBrCH 2 OSO 2 Clの合成工程
C 2
F 5
(CF 2
CF 2
) 3
CH=CH 2
+ NBS + HSO 3
Cl → C 2
F 5
(CF 2
CF 2
) 3
CHBrCH 2
OSO 2
Cl +NHS
ジムロートを取り付けた3つ口フラスコにN-
ロムスクシンイミド(NBS)を9.1g(51.4mmol)とC 2
F 5
(CF 2
CF 2
) 3
CH=CH 2
を20.08g(45.0mmol)仕込んだ。フラスコを氷浴に
け、HSO 3
Cl:20.0g(171.7mmol)の入った滴下ロートを取り付
た。
その後、30℃を超えないようにHSO 3 Clを約10分かけて滴下し、滴下終了後、氷浴 外して約1時間攪拌反応させた。
反応終了後、静置すると二層分液したので
下層・上層のNMR分析を行い定量した。その
果、C 2
F 5
(CF 2
CF 2
) 3
CH=CH 2
の転化率:94.2%、C 2
F 5
(CF 2
CF 2
) 3
CHBrCH 2
OSO 2
Cl収率:87.2%であった。
GC/MS(EI+)結果:
m/z [CF 3 +
]=69、[SO 2
Cl +
]=99、[CH 2
OSO 2
Cl +
]=129、[CF 2
CBr=CH 2 +
]=155、[C 7
F 15
CF=CBrCH 2 +
]=505 、[C 8
F 17
CHBrCH 2 +
]=525、
1
H-NMR(270MHz,CDCl 3
,TMS):
δppm:4.68ppm(m,1H,-CF 2 CH
BrCH 2
-)、4.45ppm(m,2H,-CHBr CH 2
OSO 2
Cl)
19
F-NMR結果:
19
FNMR(254MHz,CDCl 3
,CFCl 3
),
δppm:-84.9ppm(brs,3F,CF 3
-)、-115.0ppm(dt,2F,J=4.5Hz,-CF 2
-CHBr-)、
-122.3ppm(dt,2F,J=4.6Hz,2F,- CF 2
-CF 2
CHBr-)、
-124.8ppm(m,6F,CF 3
CF 2
CF 2
- CF 2 CF 2 CF 2
-CF 2
)、
-125.9ppm(m,2F,CF 3
CF 2
- CF 2
-)、-129.6ppm(m,2F,CF 3
- CF 2
-)
(2) C 2 F 5 (CF 2 CF 2 ) 3 CHBrCH 2 OHの合成工程
50mlの3つ口フラスコに上記工程で得られたC 2
F 5
(CF 2
CF 2
) 3
CHBrCH 2
OSO 2
Clを5.0g(7.8mmol)と、溶媒としての水を20mlを加
た。その後、NaIを2.4g(16mmol)室温で加えた。
こに、相関移動触媒PhCH 2
N(Et) 3
Clを0.1g加えて、約3時間攪拌反応させた。
反応終了後室温に冷却し、Na 2 SO 3 を加え、生成したヨウ素を取り除いた。得ら れた固体を分取し、GC、GC/MS、NMR測定を行っ 。定量の結果、C 2 F 5 (CF 2 CF 2 ) 3 CHBrCH 2 OSO 2 Clの転化率:100%、C 2 F 5 (CF 2 CF 2 ) 3 CHBrCH 2 OHの収率:93.9%であった。
(3) C 8 F 17 CH(O)CH 2 の合成(エポキシ化反応)工程
ジムロートを取り付けた50mlの3口フラスコ
、76.8mass%C 2
F 5
(CF 2
CF 2
) 3
CHBrCH 2
OH(ブロモヒドリン)を1.0g(1.41mmol)、KOHを0.14g(2.2
1mmol)、溶媒としてのジグライムを10ml仕込ん
。室温で攪拌し、発熱が無いことを確認し
上で、130℃まで昇温した。130℃に到達した
点から、約2時間反応させた。反応終了後、
温に戻して水クエンチを行った。有機層をC
HCl 3
で抽出し、水層・有機層について、GC、GC/MS
NMR測定を行った。
分析の結果、C 2 F 5 (CF 2 CF 2 ) 3 CHBrCH 2 OHの転化率:100%、C 8 F 17 CH(O)CH 2 (エポキシ)収率:70.9%であった。
比較例1
実施例2の工程(1)で得られたC 2
F 5
(CF 2
CF 2
) 3
CHBrCH 2
OSO 2
Cl:1.0g(1.56mmol)を20%NaOH水溶液10mlの入ったサン
ル瓶に加えた。加えると発熱が生じた。室
に冷却後、有機層についてGC及びGC/MS分析を
った。その結果、目的のC 2
F 5
(CF 2
CF 2
) 3
CHBrCH 2
OHは得られず、定量的にC 2
F 5
(CF 2
CF 2
) 3
CBr=CH 2
が得られた。
この結果から、本発明の第一工程で得ら る含フッ素クロロスルホネート化合物は、 常の加水分解法では、含フッ素ハロヒドリ 化合物に変換することが困難であることが る。