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Title:
METHOD FOR PRODUCING FROZEN ITEM AND APPARATUS THEREFOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/113191
Kind Code:
A1
Abstract:
A method for producing a frozen item by using a liquid cooling freezing method, in which the frequency of replenishment of freezing solvent can be lessened and any generation of alcohol odor can be prevented; and an apparatus therefor. The frozen item producing apparatus (1) comprises a freezing chamber (2) and, provided therein, a freezing tank (3) accommodating a freezing solvent (30) in which an item to be frozen is immersed and frozen; gas blowing means (4) for blowing a gas of 0°C or below onto the item frozen by the freezing tank (3) so as to remove any freezing solvent adhering to the frozen item; and transfer means (5) for lifting the frozen item after immersion in the freezing solvent (30) of the freezing tank (3) from the freezing tank (3) and transferring the item within the freezing chamber (2) so as to attain the removal of the adhering freezing solvent by the gas blowing means (4).

Inventors:
YAMADA YOSHIO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/064431
Publication Date:
September 17, 2009
Filing Date:
August 11, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TECHNICAN CO LTD (JP)
YAMADA YOSHIO (JP)
International Classes:
F25D13/00; A23L3/36; F25D3/10; F25D3/11
Foreign References:
JPH08168340A1996-07-02
JPH04173075A1992-06-19
JPH11103835A1999-04-20
Attorney, Agent or Firm:
SUGIMURA, Kenji et al. (JP)
Kenji Sugimura (JP)
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Claims:
 凍結室内で被凍結物を凍結して凍結物を製造する方法であって、
 前記凍結室内に設けられた凍結槽内の凍結溶媒に、前記被凍結物を浸漬して凍結する液体凍結工程と、
 前記被凍結物を前記凍結槽から引き上げる引き上げ工程と、
 前記凍結室内で、前記引き上げた被凍結物に0℃以下の気体を吹き付けて当該被凍結物に付着した凍結溶媒を除去する、気体吹き付け工程と、
を具える、凍結物の製造方法。
 請求項1に記載の凍結物の製造方法において、
 前記液体凍結工程は、前記凍結槽で前記被凍結物の一部を凍結し、
 前記気体吹き付け工程は、前記凍結室内で0℃以下の気体を吹き付けて前記被凍結物に付着した凍結溶媒を除去すると共に当該被凍結物の凍結していない部分を凍結する、凍結物の製造方法。
 請求項1または請求項2に記載の凍結物の製造方法において、
 前記凍結溶媒を前記被凍結物に散布する凍結溶媒散布手段を前記凍結槽の周囲に備え、
 前記液体凍結工程は、前記被凍結物の一部を前記凍結槽の前記凍結溶媒に浸漬すると共に当該被凍結物の当該凍結溶媒に浸漬していない部分に前記凍結溶媒散布手段で凍結溶媒を散布することとした、凍結物の製造方法。
 被凍結物を凍結して凍結物を製造する、凍結物の製造装置であって、
 凍結室を具え、
 前記凍結室内には、
 前記被凍結物を浸漬して凍結する凍結溶媒を貯留した凍結槽と、
 前記凍結槽で凍結した前記被凍結物に0℃以下の気体を吹き付けて、当該被凍結物に付着した凍結溶媒を除去する気体吹き付け手段と、
 前記被凍結物を、前記凍結槽の凍結溶媒に浸漬した後に当該凍結槽から引き上げ、そして前記気体吹き付け手段で前記付着した凍結溶媒を除去するように、前記凍結室内で移送する移送手段と、
が設けられている、凍結物の製造装置。
 請求項4に記載の凍結物の製造装置において、
 前記凍結槽の大きさと、前記移送手段による前記被凍結物の移送速度と、前記凍結溶媒の温度とを当該凍結槽で当該被凍結物が一部凍結するように設計し、
 前記気体吹き付け手段で前記気体を吹き付けることにより、前記被凍結物の凍結していない部分を凍結することとした、凍結物の製造装置。
 請求項4または請求項5に記載の凍結物の製造装置において、さらに、
 前記気体吹き付け手段で前記被凍結物から除去した前記凍結溶媒を回収して凍結槽へと戻す回収手段を設けた、凍結物の製造装置。
 請求項6に記載の凍結物の製造装置において、
 前記回収手段が、前記凍結室の床面を、前記凍結槽に向かって低くなるように傾斜させたものである、凍結物の製造装置。
 請求項4から請求項7の何れかに記載の凍結物の製造装置において、
 前記凍結室への前記被凍結物の搬入口と、前記凍結室からの前記被凍結物の搬出口とに、当該被凍結物の搬入および搬出が可能なよう当該凍結室の内側と外側とを仕切る仕切り部材を設けた、凍結物の製造装置。
 請求項4から請求項8の何れかに記載の凍結物の製造装置において、
 前記被凍結物に凍結溶媒を散布する凍結溶媒散布手段を前記凍結槽の周囲に設け、
 前記凍結槽の前記凍結溶媒の水位を、前記被凍結物の一部が浸漬する高さとし、
 前記被凍結物の、前記凍結槽の前記凍結溶媒に浸漬していない部分に前記凍結溶媒散布手段で前記凍結溶媒を散布する、凍結物の製造装置。
 被凍結物を凍結して凍結物を製造する、凍結物の製造装置であって、
 凍結室を具え、
 前記凍結室内には、
 前記被凍結物に凍結溶媒散布手段で凍結溶媒を散布して当該被凍結物を凍結する、凍結溶媒散布槽と、
 前記凍結溶媒散布槽で凍結した前記被凍結物に0℃以下の気体を吹き付けて、当該被凍結物に付着した凍結溶媒を除去する気体吹き付け手段と、
 前記被凍結物を、前記凍結溶媒散布槽で凍結した後に当該凍結溶媒散布槽から引き上げ、そして前記気体吹き付け手段で前記付着した凍結溶媒を除去するように、前記凍結室内で移送する移送手段と、
が設けられている、凍結物の製造装置。
Description:
凍結物の製造方法および製造装

 本発明は、特には食肉等の食品の冷凍に した、凍結物の製造方法および製造装置に するものである。

 従来、細胞破壊や身割れ(クラック)を生 ることなく食品を凍結する手法として、凍 媒体に液体を用いた液体冷却式凍結法が知 れており、この液体冷却式凍結法では、例 ば-20℃~-35℃の凍結溶媒(エタノール溶液等) 食品を浸漬させて凍結することで、食品が 大氷結晶生成温度帯(0℃~-5℃)を可能な限り く通過して凍結するようにしている。

 そして、この様な液体冷却式凍結法を用 た液体冷却式凍結装置として、例えば日本 特許出願公開2007-267688号公報に記載されて るような、凍結溶媒を貯留した凍結槽と、 の凍結槽で凍結溶媒に浸漬して凍結した食 に付着している凍結溶媒を大気中で除去す ためのブロア(送風手段)と、食品を凍結槽に 浸漬して凍結させた後に大気中へと取り出し てブロアへと搬送するコンベアとを具えた凍 結装置が知られている。

 しかし、上記従来技術にかかる液体冷却 凍結装置では、被凍結物を凍結して凍結物 した後に大気中で常温以上(20℃~25℃)の空気 を吹き付けて凍結物に付着した凍結溶媒を除 去しており、凍結溶媒の除去時に凍結物の温 度が若干上昇してしまうという問題があった 。また、凍結物に付着した凍結溶媒を、解放 空間である大気中で除去しているので、凍結 槽から凍結溶媒が外部(大気中)へと持ち出さ て少量ずつ減少することとなり、凍結槽へ 凍結溶媒の補充が頻繁に必要になるという 題があった。

 更に、凍結溶媒にアルコールを用いた場 には、凍結物に付着したアルコールを大気 で除去する際にアルコール臭が発生すると う問題もあった。

 この発明は、上記課題を有利に解決する とを目的としたものであり、この発明の凍 物の製造方法は、凍結室内で被凍結物を凍 して凍結物を製造する方法であって、前記 結室内に設けられた凍結槽内の凍結溶媒に 前記被凍結物を浸漬して凍結する液体凍結 程と、前記被凍結物を前記凍結槽から引き げる引き上げ工程と、前記凍結室内で、前 引き上げた被凍結物に0℃以下の気体を吹き 付けて当該被凍結物に付着した凍結溶媒を除 去する、気体吹き付け工程と、を具えること を特徴とするものである。

 また、この発明の凍結物の製造装置は、 凍結物を凍結して凍結物を製造する、凍結 の製造装置であって、凍結室を具え、前記 結室内には、前記被凍結物を浸漬して凍結 る凍結溶媒を貯留した凍結槽と、前記凍結 で凍結した前記被凍結物に0℃以下の気体を 吹き付けて、当該被凍結物に付着した凍結溶 媒を除去する気体吹き付け手段と、前記被凍 結物を、前記凍結槽の凍結溶媒に浸漬した後 に当該凍結槽から引き上げ、そして前記気体 吹き付け手段で前記付着した凍結溶媒を除去 するように、前記凍結室内で移送する移送手 段と、が設けられていることを特徴とするも のである。

 かかる本発明の凍結物の製造方法によれ 、液体凍結工程で、例えば-20℃~-35℃の凍結 溶媒を用いて被凍結物を凍結させているので 、細胞破壊や身割れ(クラック)を生じること く被凍結物を急速に凍結することが可能で る。また、気体吹き付け工程において、凍 室内で0℃以下の気体を被凍結物に吹き付け て被凍結物に付着した凍結溶媒を除去してお り、凍結溶媒が被凍結物に付着したまま凍結 室外に持ち出されることが無いので、凍結溶 媒を頻繁に補充する必要が無く、凍結物の製 造にかかるコストを低減することができる上 、凍結溶媒にアルコールを用いてもアルコー ル臭が発生しない。更に、従来技術のように 凍結室外で常温の空気を吹き付けて凍結溶媒 を除去する場合と比較して、凍結物の温度上 昇を低減または完全に無くすことができる。 なお、凍結溶媒の除去時に吹き付ける気体に は任意の気体、例えば乾燥空気や窒素ガス等 を用いることができる。また、その気体の温 度は、0℃以下の任意の温度とすることがで るが、凍結槽の凍結溶媒より低い温度、例 ば-40℃とすれば、液体凍結工程で凍結した 凍結物の温度を気体吹き付け工程で更に低 させて低温の凍結物を提供することができ 。

 ここで、この発明の凍結物の製造方法は 前記液体凍結工程は、前記凍結槽で前記被 結物の一部を凍結し、前記気体吹き付け工 は、前記凍結室内で0℃以下の気体を吹き付 けて前記被凍結物に付着した凍結溶媒を除去 すると共に当該被凍結物の凍結していない部 分を凍結するようにしても良い。このように すれば、凍結槽で被凍結物を完全に凍結する 必要が無く、凍結槽では被凍結物の例えば50% 以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80% 以上を凍結させれば良いので、凍結溶媒への 被凍結物の浸漬時間を短くして凍結物の製造 に要する時間を短縮することができ、且つ、 凍結槽を小さくして凍結溶媒の使用量を低減 することで、コストや、凍結溶媒交換等のメ ンテナンス作業にかかる労力を低減すること ができる。また、気体吹き付け時には被凍結 物の一部が既に凍結しているので、凍結溶媒 のみを用いて完全に凍結する場合と同様に細 胞破壊や身割れ(クラック)を生じることなく 凍結物を内部まで完全に凍結することがで る。なお、凍結溶媒の除去時に吹き付ける 体の温度は、0℃以下の任意の温度とするこ とができるが、例えば-45℃以下とすれば、よ り短時間で被凍結物を完全に凍結することが できる。

 更に、この発明の凍結物の製造方法は、 記凍結溶媒を前記被凍結物に散布する凍結 媒散布手段を前記凍結槽の周囲に備え、前 液体凍結工程において、前記被凍結物の一 を前記凍結槽の前記凍結溶媒に浸漬すると に当該被凍結物の当該凍結溶媒に浸漬して ない部分に前記凍結溶媒散布手段で凍結溶 を散布することとしても良い。この様にす ば、被凍結物を凍結槽内の凍結溶媒に完全 浸漬する必要が無いので、凍結槽の高さを くすることができ、凍結溶媒の使用量を低 してコストおよび凍結溶媒交換時のメンテ ンス作業にかかる労力を低減することがで る。

 また、上述した本発明の凍結物の製造装 によれば、例えば-20℃~-35℃の凍結溶媒を用 いて、細胞破壊や身割れ(クラック)を生じる となく被凍結物を急速に凍結することが可 である。また、凍結室内で0℃以下の気体を 被凍結物に吹き付けて被凍結物に付着した凍 結溶媒を除去しており、凍結溶媒が被凍結物 に付着したまま凍結室外に持ち出されること が無いので、凍結溶媒を頻繁に補充する必要 が無く、凍結物の製造にかかるコストを低減 することができる上、凍結溶媒にアルコール を用いてもアルコール臭が発生しない。更に 、従来技術のように凍結室外で常温の空気を 吹き付けて凍結溶媒を除去する場合と比較し て、凍結物の温度上昇を低減または完全に無 くすことができる。その上、凍結室内で移送 手段により被凍結物が移送されて凍結および 乾燥(凍結溶媒の除去)がなされるので、作業 が低温の凍結溶媒に直接触れる事が無く、 全性が高く衛生面に配慮がされた製造装置 提供することができる。なお、凍結溶媒の 去時に吹き付ける気体には任意の気体、例 ば乾燥空気や窒素ガス等を用いることがで る。また、その気体の温度は、0℃以下の任 意の温度とすることができるが、凍結溶媒よ り低い温度、例えば-40℃とすれば、液体凍結 工程で凍結した被凍結物の温度を気体吹き付 け工程で更に下げて低温の凍結物を提供する ことができる。

 ここで、この発明の凍結物の製造装置は 前記凍結槽の大きさと、前記移送手段によ 前記被凍結物の移送速度と、前記凍結溶媒 温度とを、当該凍結槽で当該被凍結物が一 凍結するように設計し、前記気体吹き付け 段で前記気体を吹き付けることにより、前 被凍結物の凍結していない部分を凍結する うにしても良い。この様に構成すれば、凍 槽では被凍結物の一部、例えば50%以上、好 しくは70%以上、より好ましくは80%以上を凍 すれば良いので、凍結槽を小型化して凍結 媒の使用量を低減し、凍結物の製造にかか 時間を短縮した凍結物の製造装置を提供す こととができる。

 更に、この発明の凍結物の製造装置は、 記気体吹き付け手段で前記被凍結物から除 した前記凍結溶媒を回収して凍結槽へと戻 回収手段を設けても良い。この様に回収手 を設ければ、気体吹き付け手段により被凍 物から除去された凍結溶媒を効率的に回収 て凍結槽に戻し、再利用することができる

 また、この発明の凍結物の製造装置は、 記回収手段が、前記凍結室の床面を、前記 結槽に向かって低くなるように傾斜させた のであっても良い。この様に構成すれば、 結室の床面を傾斜させて形成するだけで、 の何らの手段を設けることなく、気体吹き け手段により被凍結物から除去された凍結 媒を、重力を利用して回収することができ 。

 更に、この発明の凍結物の製造装置は、 記凍結室への前記被凍結物の搬入口と、前 凍結室からの前記被凍結物の搬出口とに、 該被凍結物の搬入および搬出が可能なよう 該凍結室の内側と外側とを仕切る仕切り部 を設けても良い。この様に構成すれば、凍 室内部への外気の流入量を低減することが き、凍結溶媒が大気中の水分を吸収するこ による凍結溶媒の濃度変化を防止すること できる。

 また、この発明の凍結物の製造装置は、 記被凍結物に凍結溶媒を散布する凍結溶媒 布手段を前記凍結槽の周囲に設け、前記凍 槽の前記凍結溶媒の水位を、前記被凍結物 一部が浸漬する高さとし、前記被凍結物の 前記凍結槽の前記凍結溶媒に浸漬していな 部分に前記凍結溶媒散布手段で前記凍結溶 を散布するようにしても良い。この様に構 すれば、凍結槽の凍結溶液に被凍結物の一 、例えば30%以上、好ましくは50%以上、より ましくは75%以上を浸漬し、残りの部分には 結溶媒散布手段で凍結溶媒を散布すれば良 ので、凍結槽を小型化して凍結溶媒の使用 を低減できる。

 その他にも、この発明の凍結物の製造装 は、被凍結物を凍結して凍結物を製造する 凍結物の製造装置であって、凍結室を具え 前記凍結室内には、前記被凍結物に凍結溶 散布手段で凍結溶媒を散布して当該被凍結 を凍結する、凍結溶媒散布槽と、前記凍結 媒散布槽で凍結した前記被凍結物に0℃以下 の気体を吹き付けて、当該被凍結物に付着し た凍結溶媒を除去する気体吹き付け手段と、 前記被凍結物を、前記凍結溶媒散布槽で凍結 した後に当該凍結溶媒散布槽から引き上げ、 そして前記気体吹き付け手段で前記付着した 凍結溶媒を除去するように、前記凍結室内で 移送する移送手段とが設けられている、もの でも良い。この様に構成すれば、凍結槽に凍 結溶媒を貯留する必要が無いので、被凍結物 を凍結する際に使用する凍結溶媒の量を抑制 することができる。

本発明の一実施例の凍結物の製造装置 平面から見た説明図である。 図1に示す製造装置のA-A線に沿う断面図 である。 図1に示す製造装置のB-B線に沿う断面図 である。 図1に示す製造装置のC-C線に沿う断面図 である。

 以下、本発明の実施の形態を、図面に基 き詳細に説明する。ここに図1は、本発明の 一実施例の凍結物の製造装置を平面から見た 説明図を示し、そして図2、3、および4はそれ ぞれ、図1に示す製造装置のA-A線、B-B線、お びC-C線に沿う断面図を示す。

 図1~4に示すように、本発明の一実施例の 結物の製造装置1は、凍結室2の内部に、凍 槽3と、気体吹き付け手段としての2台のユニ ットクーラー4と、移送手段としてのゴンド 5の一部とを備え、被凍結物である食肉や魚 等の食品(図示せず)を凍結して凍結物を製 するものである。

 ここで、凍結室2は、略直方体状で、凍結 室2内部でメンテナンス等の作業を行う際に が冷凍室2に入って作業を行うことが可能な ンテナンススペース20と、被凍結物をゴン ラ5のカーゴ51に積載して凍結室2に搬入およ 凍結室2から搬出するための搬入口21および 出口22とを有し、その搬入口21および搬出口 22には、閉方向に常時附勢された開閉自在の 23が設けられている。また、凍結室2の内部 は、平面視略L字状の凍結槽3が、図1では下 および右側の壁面に沿って設けられており 2台のユニットクーラー4が、凍結室2の中央 近に並設されている。更に、図3および図4 示すように、凍結室2の床面24は、凍結槽3側 低くなるように、凍結槽3に向かって傾斜し ている。そして、凍結室2内の温度は、図示 ない温度調整機構により例えば-45℃とされ いる。

 凍結槽3は、冷凍室2の床面24を掘り下げて 形成したものであり、槽内には凍結溶媒とし てのアルコール(エタノール)溶液30が、カー 51の3/4が浸る程度の高さで貯留されている。 また、凍結槽3には、エタノール溶液30を冷却 するための冷媒管31が設けられており、エタ ール溶液30は冷媒管31を介して冷却装置(図 せず)で冷却され、温度が、例えば約-35℃と るようにされている。更に、凍結槽3の周囲 には、凍結溶媒であるエタノール溶液30を散 する凍結溶媒散布手段としてのシャワー32 複数設けられており、そのシャワー32は、凍 結槽3のエタノール溶液30を吸い上げてカーゴ 51の上側からエタノール溶液30を散布するこ で、カーゴ51のエタノール溶液30に浸ってい い部分にある被凍結物を凍結する。

 ユニットクーラー4は、例えば-45℃~-60℃ 乾燥空気を吐出可能なものであり、凍結槽3 ら引き上げられたカーゴ51に対して(図1では 上側方向に)乾燥空気を吐出するようにされ いる。

 ゴントラ5は、被凍結物を積載するカーゴ 51と、そのカーゴ51を懸吊するロープ52と、ロ ープ52を駆動してカーゴを移動させる駆動手 (図示せず)とを備える無端のゴンドラであ 、そのロープ52はカーゴ51を、凍結室2の外か ら搬入口21を通って凍結室2内へと搬入し、凍 結槽3のアルコール溶液30に浸漬させた後に引 き上げてユニットクーラー4の乾燥空気に曝 、搬出口22を通って凍結室2の外へ搬出でき ように設けられている。つまり、図1~図3に すように、ロープ52は、一部が凍結室2の外 に位置した略長方形状となるように張り渡 れており、凍結槽3の上側を通る部分が他の 分より低くされてカーゴ51を凍結槽3に浸漬 能なようにされている。なお、駆動手段(図 示せず)は、カーゴ51の移動速度、即ち被凍結 物の移送速度を調節可能なものである。

 以下に、この凍結物の製造装置1を用いて 被凍結物であるパックした食品を凍結する手 順の一例について説明する。まず、凍結槽3 食品がアルコール溶液30に直接触れることの 無いよう、予めパックした食品(図示せず)を 意し、そのパックした食品を凍結室2の外側 でカーゴ51に積載する。食品を積載したカー 51は、駆動手段により凍結室2の内部へと搬 口21を通って搬入され、凍結槽3のアルコー 溶液30にそのカーゴの高さの3/4が浸漬され 。そして、カーゴ51は、凍結槽3内を移動し がらシャワー32で凍結槽3に浸漬していない 分にアルコール溶液を散布され、その後、 結槽3より引き上げられる。なお、このカー 51の移動速度は、凍結槽3で食品が完全に凍 するように設計されている。引き上げられ カーゴ51は、ユニットクーラー4により例え -45℃の乾燥空気を吹き付けられて、食品お びカーゴ51に付着したアルコール溶液を除 される。そして、乾燥空気によって除去さ たアルコール溶液は、凍結室2の壁面等を伝 て床面(斜面)24により凍結槽3へと戻されて 収され、凍結した被凍結物(凍結物)は、搬出 口22を通って凍結室2の外部へと搬出される。

 以上のような凍結手順を用いた本発明の 実施例の凍結物の製造装置1によれば、最初 に凍結槽3で被凍結物を-35℃のアルコール溶 で凍結しており、クラックを発生すること なく、また、細胞破壊を生じることもない で、解凍時にドリップ等が出ない良好な凍 物を製造することができる。また、低温の 燥空気を吹き付けて被凍結物に付着したア コール溶液を除去しているので、凍結した 凍結物の温度を更に下げつつ被凍結物に付 したアルコール溶液を除去することができ 。更に、シャワー32を設けたことでカーゴ51 全体を凍結槽3のアルコール溶液30に浸す必 が無く、その上、斜面24により被凍結物に 着して凍結槽3より持ち出されたアルコール 液が再び凍結槽3へと回収されるので、凍結 槽3で使用するアルコール溶液30の量を削減す ることができる。この様に、凍結槽3を小型 すると共に使用するアルコール溶液量を低 することで、凍結槽3で必要とされる液量、 媒管31の長さ、電力を低減してコスト削減 図ると共に、装置のメンテナンス作業にか る労力を低減することができる。

 更に、この凍結物の製造装置1は、冷凍室 2の内部で被凍結物の凍結から凍結溶媒(アル ール溶液30)の除去までが自動で行われるの 、作業員が低温のアルコール溶液に接触す 危険性が無いと共に、衛生面においても優 ている。また、アルコール溶液が凍結室2の 外部に持ち出されることが無いので、アルコ ール溶液の補充回数を低減することができる 。その上、搬入口21および搬出口22には扉23が 設けられているので、製造装置1付近でのア コール臭の発生を防止することができると に、大気中の水分をアルコール溶液30が吸収 することによる、アルコール溶液30の濃度変 を防止することができる。

 なお、この凍結物の製造装置1を用いて被 凍結物である食品を凍結する手順の他の例と しては、上述の手順において、凍結槽3で食 がその表面から内部へ向かって約80%の部分 で凍結するようにカーゴ51の移動速度を調節 すると共に、凍結槽3より引き上げられたカ ゴ51が、ユニットクーラー4により例えば-45 の乾燥空気を吹き付けられることで、食品 よびカーゴ51に付着したアルコール溶液を除 去されるだけでなく、凍結槽3で凍結してい かった食品の中心部分が凍結されるように た手順を用いても良い。

 この様な手順により凍結物を製造すれば 先の手順で凍結物を製造した場合に得られ 効果に加えて、低温の空気を吹き付けるこ で、被凍結物の一部の凍結と、被凍結物に 着したアルコール溶液の除去とを同時に行 るので、凍結物の製造にかかる時間を短縮( 例えば、凍結槽3で被凍結物を完全に凍結す 場合の約半分に)することができると共に、 結槽3の小型化(例えば、凍結槽3で被凍結物 完全に凍結する場合の約1/4に小型化)を図る ことができる。なお、この際には、熱伝導率 の高い、被凍結物に付着したアルコール溶液 および既に凍結して固体となった被凍結物の 一部を介して伝熱して未凍結部分が凍結する こととなるので、凍結が速やかに行われるこ ととなる。

 以上、図面を参照して本発明の一実施例 凍結物の製造装置1、およびその製造装置1 用いた凍結物の製造方法につき説明したが 本発明は本実施例に限定されるものではな 、例えば、被凍結物はパックすることなく 接凍結溶媒に接触させても良い。また、被 結物を移送する手段としては、ベルトコン ア、リフト等、任意の手段を用いることが きる。更に、凍結溶媒には塩化カルシウム 液等の任意の溶液を用いることができ、被 結物に吹き付ける気体も、窒素ガス等、任 の気体とすることができる。

 更に、凍結槽で被凍結物を凍結させる割 は、任意の割合とすることができ、例えば5 0%とすれば、凍結槽に被凍結物を浸漬する時 を更に短縮することができる。一方、例え 被凍結物の80%~100%を凍結槽で凍結させるこ とすればクラックや細胞破壊が生じる可能 を確実に減らすことができる。また、被凍 物を凍結させる割合等に応じて、凍結槽の きさ、移送手段による被凍結物の移送速度 凍結溶媒の温度、および吹き付ける気体の 度を調整しても良い。その他にも、凍結槽 設けることなく、凍結溶媒に被凍結物を浸 する代わりに、凍結溶媒を凍結溶媒散布手 で被凍結物に散布することのみで被凍結物 凍結するようにしても良い。この様にすれ 、使用する凍結溶媒の量を低減することが きる。また、凍結溶媒の回収手段は、被凍 物から除去された凍結溶媒を収集してポン で凍結槽へ返送する等、任意の手段を用い ことができる。

 かかる本発明の凍結物の製造方法によれ 、液体凍結工程で、例えば-20℃~-35℃の凍結 溶媒を用いて被凍結物を凍結させているので 、細胞破壊や身割れ(クラック)を生じること く被凍結物を急速に凍結することが可能で る。また、気体吹き付け工程において、凍 室内で0℃以下の気体を被凍結物に吹き付け て被凍結物に付着した凍結溶媒を除去してお り、凍結溶媒が被凍結物に付着したまま凍結 室外に持ち出されることが無いので、凍結溶 媒を頻繁に補充する必要が無く、凍結物の製 造にかかるコストを低減することができる上 、凍結溶媒にアルコールを用いてもアルコー ル臭が発生しない。更に、従来技術のように 凍結室外で常温の空気を吹き付けて凍結溶媒 を除去する場合と比較して、凍結物の温度上 昇を低減または完全に無くすことができる。 なお、凍結溶媒の除去時に吹き付ける気体に は任意の気体、例えば乾燥空気や窒素ガス等 を用いることができる。また、その気体の温 度は、0℃以下の任意の温度とすることがで るが、凍結槽の凍結溶媒より低い温度、例 ば-40℃とすれば、液体凍結工程で凍結した 凍結物の温度を気体吹き付け工程で更に低 させて低温の凍結物を提供することができ 。

 また、かかる本発明の凍結物の製造装置 よれば、例えば-20℃~-35℃の凍結溶媒を用い て、細胞破壊や身割れ(クラック)を生じるこ なく被凍結物を急速に凍結することが可能 ある。また、凍結室内で0℃以下の気体を被 凍結物に吹き付けて被凍結物に付着した凍結 溶媒を除去しており、凍結溶媒が被凍結物に 付着したまま凍結室外に持ち出されることが 無いので、凍結溶媒を頻繁に補充する必要が 無く、凍結物の製造にかかるコストを低減す ることができる上、凍結溶媒にアルコールを 用いてもアルコール臭が発生しない。更に、 従来技術のように凍結室外で常温の空気を吹 き付けて凍結溶媒を除去する場合と比較して 、凍結物の温度上昇を低減または完全に無く すことができる。その上、凍結室内で移送手 段により被凍結物が移送されて凍結および乾 燥(凍結溶媒の除去)がなされるので、作業員 低温の凍結溶媒に直接触れる事が無く、安 性が高く衛生面に配慮がされた製造装置を 供することができる。なお、凍結溶媒の除 時に吹き付ける気体には任意の気体、例え 乾燥空気や窒素ガス等を用いることができ 。また、その気体の温度は、0℃以下の任意 の温度とすることができるが、凍結溶媒より 低い温度、例えば-40℃とすれば、液体凍結工 程で凍結した被凍結物の温度を気体吹き付け 工程で更に下げて低温の凍結物を提供するこ とができる。