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Title:
METHOD FOR PRODUCING HYDROXYALKYL (METH)ACRYLATE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/133222
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for producing a hydroxyalkyl (meth)acrylate, which is characterized in that a reaction solution having a residual (meth)acrylic acid ratio of 0.5-3% by weight is prepared by reacting a (meth)acrylic acid and an alkylene oxide in the presence of a chromium compound as a catalyst, and then the chromium compound is recovered from the thus-obtained reaction solution and the recovered chromium compound is reused as a catalyst in a reaction between a (meth)acrylic acid and an alkylene oxide. A hydroxyalkyl (meth)acrylate obtained by this production method is useful, for example, for thermosetting coating materials, adhesives, fiber treating agents and copolymer modifying agents.

Inventors:
SATOU YOSHIHIKO
OKAHASHI SATOSHI
KAWAKAMI NAOHIKO
Application Number:
PCT/JP2008/057652
Publication Date:
November 06, 2008
Filing Date:
April 21, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI RAYON CO (JP)
OSAKA ORGANIC CHEMICAL IND LTD (JP)
SATOU YOSHIHIKO
OKAHASHI SATOSHI
KAWAKAMI NAOHIKO
International Classes:
C07C67/26; B01J31/04; B01J38/00; C07C67/54; C07C69/54; C07B61/00
Foreign References:
JP2004075559A2004-03-11
JP2005041849A2005-02-17
Attorney, Agent or Firm:
HOSODA, Yoshinori (P.O. Box 26 OMM Building 5th Floor,7-31, Otemae 1-chome,Chuo-ku, Osaka-shi, Osaka, JP)
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Claims:
 (メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとを触媒としてクロム系化合物の存在下で反応させ、(メタ)アクリル酸の残存率が0.5~3重量%である反応溶液を調製し、得られた反応溶液からクロム系化合物を回収し、回収したクロム系化合物を触媒として(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとの反応に再利用することを特徴とするヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造法。
 得られた反応溶液から薄膜蒸留によりヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを回収した後の残渣として、クロム系化合物を回収する、請求項1記載の製造法。
 アルキレンオキサイドがエチレンオキサイドである、請求項1又は2記載の製造法。
 クロム系化合物が、酢酸クロム及び/又は(メタ)アクリル酸クロムである、請求項1~3いずれか記載の製造法。
Description:
ヒドロキシアルキル(メタ)アク レートの製造法

 本発明は、ヒドロキシアルキル(メタ)ア リレートの製造法に関する。さらに詳しく 、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを 製造する際の触媒の失活を防止し、該触媒を 再使用しうるヒドロキシアルキル(メタ)アク レートの製造法に関する。

 近年、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリ ートを製造する際に使用される触媒を再使 するための方法が検討されている。その一 として、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ ートの製造の際に用いられる触媒を再使用す るために、製造されたヒドロキシアルキル( タ)アクリレートを留去した後の反応液に新 い触媒を補充し、その反応液を次の反応に いることが提案されている(例えば、特許文 献1参照)。

 しかし、この方法によれば、確かに触媒を 利用しうるが、反応後に触媒活性が大きく 下するため、補充する新しい触媒の量が多 なることから、最初の反応の際に使用され 触媒が十分に再使用されているとはいえな 。

特開2004-75559号公報

 本発明は、前記従来技術に鑑みてなされ ものであり、反応後においても触媒活性の 下が少なく、そのため、最初に使用した触 を再使用することにより、ヒドロキシアル ル(メタ)アクリレートを製造することがで るヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの 製造法を提供することを課題とする。

 本発明は、
〔1〕 (メタ)アクリル酸とアルキレンオキサ ドとを触媒としてクロム系化合物の存在下 反応させ、(メタ)アクリル酸の残存率が0.5~3 重量%である反応溶液を調製し、得られた反 溶液からクロム系化合物を回収し、回収し クロム系化合物を触媒として(メタ)アクリル 酸とアルキレンオキサイドとの反応に再利用 することを特徴とするヒドロキシアルキル( タ)アクリレートの製造法、
〔2〕 得られた反応溶液から薄膜蒸留により ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを回 した後の残渣として、クロム系化合物を回 する、前記〔1〕記載の製造法、
〔3〕 アルキレンオキサイドがエチレンオキ サイドである、前記〔1〕又は〔2〕記載の製 法、並びに
〔4〕 クロム系化合物が、酢酸クロム及び/ は(メタ)アクリル酸クロムである、前記〔1 ~〔3〕いずれか記載の製造法
に関する。

 本発明の製造法によれば、反応後の触媒 性の低下が少ないため、最初に使用した触 を回収し、次の反応に再使用する場合にお ても、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ トを効率よく製造することができる。した って、本発明の製造法によれば、最初に使 した触媒を再使用することができることか 、触媒コストの削減、残渣処理費の削減、 いては産業廃棄物量を低減させることによ 、環境への負荷の低減を図ることができる

 本明細書にいう「(メタ)アクリル酸」と 、アクリル酸および/またはメタクリル酸を 味する。

 本発明においては、(メタ)アクリル酸と ルキレンオキサイドとを触媒としてクロム 化合物の存在下で反応させる。

 (メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイ との反応は、化学量論的に進行するが、(メ )アクリル酸に対するアルキレンオキサイド の量は、反応速度の観点から、どちらかがや や過剰量であることが好ましく、(メタ)アク ル酸1モルあたりのアルキレンオキサイドの 量は、0.9~1.2モルであることがより好ましい

 アルキレンオキサイドとしては、例えば 炭素数2~6のアルキレンオキサイドが挙げら る。アルキレンオキサイドの炭素数は、好 しくは2~4である。アルキレンオキサイドの 体例としては、例えば、エチレンオキサイ 、プロピレンオキサイド、1,2-ブチレンオキ サイド、2,3-ブチレンオキサイドなどが挙げ れ、これらは、それぞれ単独でまたは2種以 を混合して用いることができる。これらの かでは、エチレンオキサイドおよびプロピ ンオキサイドが好ましい。

 本発明は、(メタ)アクリル酸とアルキレ オキサイドとを反応させる際に用いられる 媒が種々あるなかでクロム系化合物を用い 点に、1つの大きな特徴を有する。

 本発明の方法により、クロム系化合物を いて(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサ ドとを反応させて調製した(メタ)アクリル酸 の残存率が0.5~3重量%である反応溶液を用いた 場合には、その反応溶液に含まれているクロ ム系化合物は、初期の触媒活性をほとんど失 わずに維持しているか、活性の低下の程度が 少ないため、新たな触媒を補充しないか、ま たは少量の補充で、再度、(メタ)アクリル酸 アルキレンオキサイドとの反応の触媒とし 使用することができることができる。特に 媒のコスト低減の観点から、新しい触媒を 充しない方法が好ましい。

 クロム系化合物としては、例えば、酢酸 ロム、ギ酸クロム、塩化クロム、アセチル セトンクロム、(メタ)アクリル酸クロム、 クロム酸ナトリウム、ジブチルジチオカル ミン酸クロムなどが挙げられ、これらは、 れぞれ単独でまたは2種以上を混合して用い ことができる。これらのなかでは、酢酸ク ムが好ましい。

 なお、本発明の目的が阻害されない範囲 であれば、クロム系化合物に加えて、他の 媒を用いることもできる。他の触媒として 、例えば、鉄またはその化合物、酢酸モリ デンなどのモリブデン化合物、酢酸アルミ ウムなどのアルミニウム系化合物、酢酸イ トリウムなどのイットリウム系化合物、酢 ランタンなどのランタン系化合物、塩化セ ウムなどのセリウム系化合物、塩化ジルコ ウムなどのジルコニウム系化合物、塩化チ ンなどのチタン系化合物などが挙げられる 、本発明はかかる例示のみに限定されるも ではない。

 クロム系化合物の量は、(メタ)アクリル 1モルあたり、反応速度を高める観点から、 ましくは0.0001モル以上、より好ましくは0.00 1モル以上であり、経済性を高める観点から 好ましくは0.1モル以下、より好ましくは0.05 ル以下である。

 (メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイ との反応の際には、重合防止剤を適宜用い ことができる。

 重合防止剤としては、例えば、ハイドロ ノン、p-ベンゾキノン、メトキノン(ハイド キノンモノメチルエーテル)、2,6-ジ-t-ブチ -4-メチルフェノール、4,4’-ブチリデン-ビス (3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2’-メチ ン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2 -メチレン-ビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノー ル)、2,4’-チオ-ビス(3-メチル-6-t-ブチルフェ ール)、3-(4’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチ フェニル)プロピオン酸n-オクタデシル、1,3,5 -トリス(3’,5’-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベン ジル)イソシアヌル酸、1,1,3-トリス(2-メチル-4 -ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン、ブ リデン(メチルブチルフェノール)、テトラビ ス〔メチレン-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒド キシフェニル)プロピオネート〕メタン、3,6 -ジオキサオクタメチレン-ビス〔3-(3-t-ブチル -4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオナ ト〕、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t- チル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼンなどの ェノール系化合物;4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テト メチルピペリジン-N-オキシル、4-ベンゾイ オキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-N-オ シルなどのN-オキシル化合物;塩化第一銅な の銅化合物;フェノチアジン、4-ヒドロキシ-2 ,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-ベンゾイル オキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンなどの アミノ化合物;1,4-ジヒドロキシ-2,2,6,6-テトラ チルピペリジン、1-ヒドロキシ-4-ベンゾイ オキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンなど ヒドロキシルアミンなどが挙げられ、これ はそれぞれ単独でまたは2種以上を混合して いることができる。

 重合防止剤の中では、フェノール系化合 およびN-オキシル化合物が好ましく、ハイ ロキノン、メトキノン、2,6-ジ-t-ブチル-4-メ ルフェノールおよび4-ベンゾイルオキシ-2,2, 6,6-テトラメチルピペリジン-N-オキシルがよ 好ましい。

 重合防止剤の量は、生成するヒドロキシ ルキル(メタ)アクリレートの重合を十分に 止するとともに、ヒドロキシアルキル(メタ) アクリレートに重合防止剤が多量に残存する ことによってヒドロキシアルキル(メタ)アク レートの重合性が阻害されるのを抑制する 点から、(メタ)アクリル酸の質量に対して 10~10000ppm、好ましくは50~3000ppmであることが ましい。

 (メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイ とを反応させる方法としては、例えば、(メ )アクリル酸、アルキレンオキサイド、触媒 、および必要により重合防止剤を混合し、得 られた混合物を加熱する方法などが挙げられ る。その際の加熱温度は、通常、好ましくは 30~150℃、より好ましくは50~120℃である。

 なお、(メタ)アクリル酸とアルキレンオ サイドとを反応させる際の系内の気相の雰 気は、例えば、窒素ガス、アルゴンガスな の不活性ガスであることが好ましい。また 系内の圧力は、特に限定されないが、圧力( ージ圧)が0.2~0.5MPaであることが好ましい。

 (メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイ との反応の進行とともに(メタ)アクリル酸の 残存量が減少するが、クロム系化合物の触媒 活性の低下を抑制し、反応後に反応溶液から クロム系化合物を回収して再使用する観点か ら、得られる反応溶液における(メタ)アクリ 酸の残存率が0.5重量%以上、好ましくは1.0重 量%以上となるように調整する。また、蒸留 製の際の負荷を小さくし、生成したヒドロ シアルキル(メタ)アクリレートへの(メタ)ア リル酸の混入量を低減させる観点から、得 れる反応溶液における(メタ)アクリル酸の 存率が3重量%以下、好ましくは2重量%以下、 り好ましくは1.5重量%以下となるように調整 する。なお、(メタ)アクリル酸の残存率は、 えば、反応時間などを調節することにより 容易に調整することができる。

 本発明においては、このように特定の触 、すなわち、クロム系化合物を用い、なお つ特定の範囲の(メタ)アクリル酸の残存率 有する反応溶液を用いる点にも、1つの大き 特徴がある。

 本発明では、前記特定の範囲の(メタ)ア リル酸の残存率を有する反応溶液が用いら ているので、従来技術のように、生成した ドロキシアルキル(メタ)アクリレートを回収 した後の反応溶液を再利用するときに新たな 触媒を補充しないか、または少量の補充で、 最初に使用した触媒を再使用することができ るという利点がある。

 なお、(メタ)アクリル酸とアルキレンオ サイドとの反応の終了後には、例えば、反 系内を減圧する方法などにより、未反応の ルキレンオキサイドの除去を行うことが好 しい。より具体的には、例えば、反応溶液 30~50℃の温度に保ちつつ3~1kPaの圧力(ゲージ )で脱気することにより、未反応のアルキレ オキサイドの除去を行うことができる。

 また、得られた反応溶液に含まれている ドロキシアルキル(メタ)アクリレートの重 を防止するために、重合防止剤を添加する とが好ましい。

 得られた反応溶液からのヒドロキシアル ル(メタ)アクリレートの回収は、例えば、 膜蒸留や蒸留塔を用いた精留などにより、 うことができる。

 ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート 回収した後の残渣(触媒含有残渣)には、触媒 として用いられたクロム系化合物がその触媒 活性をほとんど維持した状態か僅かしか活性 が低下していない状態で含まれている。また 、触媒含有残渣には、クロム系化合物が(メ )アクリル酸と反応して生成した(メタ)アク ル酸クロムも含まれ得るが、かかる(メタ)ア クリル酸クロムも触媒として作用する。した がって、この触媒含有残渣として回収された クロム系化合物は、新たな触媒を補充しない か、または少量の補充で、再度、(メタ)アク ル酸とアルキレンオキサイドとの反応の際 使用される触媒として用いることができる この(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサ ドとの反応は、前記と同様にして行うこと できる。

 以上説明したように、本発明の製造法に れば、従来のようにヒドロキシアルキル(メ タ)アクリレートの反応液に新しい触媒を補 しないか、または少量の補充で、最初に使 した触媒をそのまま再使用することにより ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製 造することができるので、触媒コストの削減 、残渣処理費の削減、ひいては産業廃棄物量 を低減させることにより、環境負荷の低減を 図ることができる。

 次に、本発明を実施例に基づいてさらに 細に説明するが、本発明は、かかる実施例 みに限定されるものではない。

実施例1
 容量2Lの攪拌機付きオートクレーブ内に、 タクリル酸815g、酢酸クロム2.2gおよびハイド ロキノン2.2gを仕込んだ後、オートクレーブ 内部雰囲気を窒素ガスで置換した。

 エチレンオキサイド450gを4時間かけてオ トクレーブ内に添加し、エチレンオキサイ の添加終了後、窒素ガスを用いてオートク ーブの内圧が300kPaとなるように調節した。

 オートクレーブ内の溶液を攪拌しながら オイルバスを用いてオートクレーブ内の溶 を約1時間で65℃に昇温させて同温度で反応 間を7時間維持した後、水浴によりオートク レーブ内の溶液を30℃にまで冷却し、メタク ル酸の残存率が1.0重量%である反応溶液を得 た。

 なお、メタクリル酸の残存率は、以下の( メタ)アクリル酸の残存率の測定方法により 定した。

〔(メタ)アクリル酸の残存率の測定方法〕
(1)100mL容の三角フラスコ内にエチルアルコー 50mLをとり、これにフェノールレッド溶液を 数滴加え、その溶液に0.1mol/L水酸化ナトリウ 水溶液を滴下し、紅色が15秒間以上持続す まで中和を行う。
(2)中和終了後、得られた中和溶液に、ただち に(メタ)アクリル酸の残存率の測定用試料約1 0~30mLを添加し、十分に攪拌する。 
(3)得られた混合溶液に、0.1mol/L水酸化ナトリ ム水溶液を滴下し、混合溶液の紅色が15秒 以上持続するまで中和し、中和に要した滴 量(AmL)を測定し、式:
  〔(メタ)アクリル酸の残存率(重量%)〕=(A×F ×M)í(W×10 2 )
〔式中、Aは0.1mol/L水酸化ナトリウムの滴下量 (mL)、Fは0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液の力価 Mは使用した(メタ)アクリル酸の分子量、Wは 料の量(g)を示す〕
に基づいて、(メタ)アクリル酸の残存率を算 する。

 なお、アクリル酸とメタクリル酸とを併 した場合には、それぞれの残存率を求め、 の平均値を残存率とする。

 次に、オートクレーブ内から未反応のエ レンオキサイドを除去するために、オート レーブ内を30℃で2kPaに減圧した後、15分間 持した。その後、オートクレーブ内の内圧 空気にて常圧に戻し、反応溶液1250gを得た。

 得られた反応溶液に、ハイドロキノンモ メチルエーテル0.14gを加え、薄膜蒸留機に り目的化合物であるヒドロキシエチルメタ リレート1213gおよび触媒含有残渣32gを得た。

実施例2
 実施例1において、容量2Lの攪拌機付きオー クレーブ内に、メタクリル酸815gおよび実施 例1で得られた触媒含有残渣32gを仕込み、ハ ドロキノン2.2gを添加した後、オートクレー の内部雰囲気を窒素ガスで置換し、反応時 を7.3時間に調整したこと以外は、実施例1と 同様の操作を行い、メタクリル酸の残存率が 1.0重量%である反応溶液を得た。

 次に、実施例1と同様にしてエチレンオキ サイドを除去し、得られた反応溶液にハイド ロキノンモノメチルエーテル0.14gを加え、薄 蒸留機により目的化合物であるヒドロキシ チルメタクリレート1215gおよび触媒含有残 A58gを得た。

 この結果から、実施例1で得られた触媒含 有残渣を用いた場合には、新たな触媒を追加 しなくても、ヒドロキシエチルメタクリレー トを実施例1と同様に効率よく得ることがで ることがわかる。

 次に、前記触媒含有残渣Aを更に薄膜蒸留 機に通し、溜出液21gおよび触媒含有残渣B33g 得た。

実施例3
 実施例2において、攪拌機付きオートクレー ブに仕込む際の触媒含有残渣として、実施例 2で得られた触媒含有残渣B33gを用い、反応時 を7.3時間に調整したこと以外は、実施例2と 同様の操作を行い、メタクリル酸の残存率が 1.0重量%である反応溶液を得た。

 次に、実施例1と同様にしてエチレンオキ サイドを除去し、得られた反応溶液にハイド ロキノンモノメチルエーテル0.14gを加え、薄 蒸留機により目的化合物であるヒドロキシ チルメタクリレート1215gおよび蒸留残渣58g 得た。

 この結果から、実施例2で得られた触媒含 有残渣を用いた場合には、新たな触媒を追加 しなくても、ヒドロキシエチルメタクリレー トを実施例1および2と同様に効率よく得るこ ができることがわかる。

比較例1
 実施例1において、メタクリル酸とアルキレ ンオキサイドとの反応を反応時間が8時間と るように調整したこと以外は、実施例1と同 の操作を行い、メタクリル酸の残存率が0.01 重量%である反応溶液を得た。

 次に、実施例1と同様にしてエチレンオキ サイドを除去し、得られた反応溶液にハイド ロキノンモノメチルエーテル0.14gを加え、薄 蒸留機により目的化合物であるヒドロキシ チルメタクリレート1215gおよび蒸留残渣58g 得た。

 この蒸留残渣を更に薄膜蒸留機に通し、 出液21gおよび触媒含有残渣34gを得た。

比較例2
 実施例2において、触媒として、比較例1で られた触媒含有残渣34gを用い、反応時間を18 時間に調整したこと以外は、実施例2と同様 操作を行い、メタクリル酸の残存率が1.0重 %である反応溶液を得た。

 次に、実施例2と同様にしてエチレンオキ サイドを除去し、得られた反応溶液にハイド ロキノンモノメチルエーテル0.14gを加え、薄 蒸留機により目的化合物であるヒドロキシ チルメタクリレート1215gおよび蒸留残渣(触 含有残渣)58gを得た。

 この結果から、比較例1で得られた触媒含 有残渣を用いた場合には、反応時間が非常に 長くなるため、ヒドロキシエチルメタクリレ ートの生産効率が低いことがわかる。

比較例3
 比較例2において、攪拌機付きオートクレー ブに仕込む際の触媒含有残渣として、比較例 1で得られた触媒含有残渣34gを用い、さらに たな触媒として酢酸クロム1.1gを添加し、反 時間を7.5時間に調整したこと以外は、比較 2と同様の操作を行い、メタアクリル酸の残 存率が1.0重量%である反応溶液を得た。

 次に、実施例2と同様にしてエチレンオキ サイドを除去し、得られた反応溶液にハイド ロキノンモノメチルエーテル0.14gを加え、薄 蒸留機により目的化合物であるヒドロキシ チルメタクリレート1215gおよび蒸留残渣(触 含有残渣)58gを得た。

 比較例2および比較例3の結果から、比較 2では、メタクリル酸の残存率が0.01重量%で る反応溶液から得られた残渣が用いられて るため、反応時間が非常に長くなるが、実 例1と同様に反応時間を短くしようとすると 比較例3のように、新たな触媒をさらに添加 することが必要であることがわかる。

 以上の結果から、実施例1~3によれば、(メ タ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとを 媒としてクロム系化合物の存在下で反応さ 、所定の(メタ)アクリル酸の残存率を有する 反応溶液からクロム系化合物を回収し、回収 したクロム系化合物をそのまま触媒として( タ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとの 応に再利用した場合、ヒドロキシアルキル( メタ)アクリレートを効率よく調製すること できることがわかる。

 本発明の製造法によって得られたヒドロ シアルキル(メタ)アクリレートは、例えば 熱硬化性塗料、接着剤、繊維処理剤、コポ マーの改質剤などに有用である。