高橋 誠一郎 (〒21 埼玉県上尾市原市1333-2 三井金属鉱業株式会社 総合研究所内 Saitama, 3620021, JP)
三井金属鉱業株式会社 (〒84 東京都品川区大崎一丁目11番1号 Tokyo, 1418584, JP)
TAKAHASHI, Seiichiro (MITSUI MINING & SMELTING CO. LTD.,1333-2, Haraichi, Ageo-sh, Saitama 21, 3620021, JP)
| 酸化インジウムと必要に応じて錫を含有すると共に添加元素を含有する酸化物焼結体を具備するスパッタリングターゲットを用いて膜を成膜し、酸化インジウムと必要に応じて錫を含有すると共に添加元素を含有し且つアモルファスな透明導電膜を得るに際し、成膜時の水の分圧を1×10 -5 Pa以下とすることを特徴とする透明導電膜の製造方法。 |
| 請求項1に記載の透明導電膜の製造方法において、アモルファス膜を成膜後、アニールすることにより結晶化した透明導電膜とすることを特徴とする透明導電膜の製造方法。 |
| 請求項1又は2に記載の透明導電膜の製造方法において、前記添加元素が、Ba、Si、Sr、Li、La、Ca、Mg及びYからなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする透明導電膜の製造方法。 |
本発明は、膜全体に亘って均一なアモル ァスな膜であり、弱酸エッチングにより容 にパターニングでき、さらに容易に結晶化 き、結晶化後は低抵抗で且つ透過率が高い 明導電膜の製造方法に関する。
酸化インジウム-酸化錫(In 2 O 3 -SnO 2 の複合酸化物、以下、「ITO」という)膜は、 視光透過性が高く、かつ導電性が高いので 明導電膜として液晶表示装置やガラスの結 防止用発熱膜、赤外線反射膜等に幅広く用 られているが、アモルファスな膜とするの 困難であるという問題がある。
一方、アモルファスな膜となるものとし 、酸化インジウム-酸化亜鉛(IZO)透明導電膜 知られており、また、本出願人は、透明導 膜としてITO膜に珪素を添加して所定の条件 成膜したアモルファスな透明導電膜を製造 きる先に提案した(特許文献1参照)。さらに 本出願人は、バリウムを添加した酸化イン ウム系透明導電膜が、低抵抗で透明性に優 たアモルファスな膜で弱酸エッチングによ 容易にパターニングでき、またさらに容易 結晶化できることを知見し、先に出願を行 た(特願2007-095783)。
このようなアモルファスな膜をスパッタ ングにより成膜する場合、一般的には、不 性ガスとしてアルゴン(Ar)をチャンバ内に導 入しつつ到達真空度を管理すると共に、抵抗 率と透過率に影響を与える酸素分圧を制御す るが、基板全体に成膜された膜を観察すると 、面内においてエッチング性にムラを生じる 場合がある。このようなムラを有する不均質 な膜の場合、蓚酸などの弱酸を用いてウェッ トエッチングによりパーニングする際にエッ チング残渣が生じ、製造歩留まりの低下の要 因になるという問題がある。また、アニール による面内において結晶化温度にムラが発生 するという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑み、膜全 に亘って均一なアモルファス膜であり、弱 エッチングにより容易にパターニングでき さらに容易に結晶化でき、結晶化後は低抵 で且つ透過率が高い透明導電膜の製造方法 提供することを課題とする。
本発明は上述した課題を解決するために 々検討を重ねた結果、添加元素を添加する とにより、アモルファスな酸化インジウム 透明導電膜を成膜する際に、膜面内の水と 応性ガスである酸素との反応にムラが生じ と、膜全体に亘って均一なアモルファス状 であり、低抵抗で透明性に優れた膜を得る とができないという知見に基づき完成され ものである。
すなわち、スパッタチャンバ内は、残留 ス分圧が排気時間と共に減少する一方、ガ スなどの基板が真空チャンバ内へ搬送され 際に水分を初めとする吸着ガスが持ち込ま るなどの影響により、環境が大きく変化す が、このような環境の変化、特に、残留す 水が、上述したようなアモルファスな膜の 膜には大きく影響し、不均一な成膜の原因 なることを知見した。また、特に、大型の パッタ装置においては、大型のガラス基板 成膜するために、基板をチャンバ内に搬送 る際に持ち込まれる水分量が多くなるとと に、基板内での水の吸着量が不均一になる め、水と反応性ガスとの反応ムラや温度ム が生じ、エッチング性にムラが生じるとい ことを知見した。
このような知見に基づき完成された本発 は、水の分圧を所定の値以下に低く制御す ことにより、膜全体に亘って均一なアモル ァスな膜が成膜でき、これにより弱酸エッ ングにより容易に均一にパターニングでき またさらに容易に結晶化できるというもの ある。
本発明の第1の態様は、酸化インジウムと必 要に応じて錫を含有すると共に添加元素を含 有する酸化物焼結体を具備するスパッタリン グターゲットを用いて膜を成膜し、酸化イン ジウムと必要に応じて錫を含有すると共に添 加元素を含有し且つアモルファスな透明導電 膜を得るに際し、成膜時の水の分圧を1×10 -5 Pa以下とすることを特徴とする透明導電膜の 造方法にある。
かかる第1の態様では、水の分圧を所定値 以下に制御することにより、膜全体に亘って 均一なアモルファスな膜を成膜できる。
本発明の第2の態様は、第1に記載の透明 電膜の製造方法において、アモルファス膜 成膜後、アニールすることにより結晶化し 透明導電膜とすることを特徴とする透明導 膜の製造方法にある。
かかる第2の態様では、アモルファスな膜 として成膜された後、アニールにより容易に 結晶化でき、耐弱酸性を付与することができ る。
本発明の第3の態様は、第1~3の何れか1つ 態様に記載の透明導電膜の製造方法におい 、前記添加元素が、Ba、Si、Sr、Li、La、Ca、Mg 及びYからなる群から選択される少なくとも 種であることを特徴とする透明導電膜の製 方法にある。
かかる第3の態様では、Ba、Si、Sr、Li、La Ca、Mg及びYからなる群から選択される添加元 素により、アモルファスな膜とすることがで きる。
本発明によれば、酸化インジウムと必要に じて錫を含有すると共に添加元素を含有し つアモルファスな透明導電膜を得るに際し 成膜時の水の分圧を1×10 -5 Pa以下とすることにより、膜全体に亘って均 なアモルファスな膜であり、弱酸エッチン により容易にパターニングでき、さらに容 に結晶化でき、結晶化後は低抵抗で且つ透 率が高い透明導電膜を製造できるという効 を奏する。
本発明の酸化インジウム系透明導電膜を 成するために用いる透明導電膜用スパッタ ングターゲットは、酸化インジウムを主体 し、必要に応じて錫を含有するもので、且 添加元素を含有する酸化物焼結体であり、 加元素は、その酸化物のまま、あるいは複 酸化物として、あるいは固溶体として存在 ていればよく、特に限定されない。
ここで、添加元素としては、Ba、Si、Sr、L i、La、Ca、Mg、Yなどを例示することができる これらの添加元素の添加により、アモルフ スな膜が成膜できる。
添加元素の含有量は、インジウム1モルに 対して0.00001モル以上0.10モル未満、好ましく 、0.0001モル以上0.10モル未満、さらに好まし くは0.0002以上0.10未満含有されているスパッ リングターゲットを用いて形成した範囲と るのが望ましい。これより少ないと添加の 果は顕著ではなく、また、これより多くな と、形成される透明導電膜の抵抗が高くな 傾向と黄色味が悪化する傾向になるからで る。なお、上述したスパッタリングターゲ トにより形成された透明導電膜中の添加元 の含有量は、使用したスパッタリングター ット中の含有量と同一の含有量となる。
また、錫の含有量は、インジウム1モルに 対して0~0.3モル含有するスパッタリングター ットを用いて成膜した範囲とする。錫が含 される場合には、インジウム1モルに対して 0.001~0.3モルの範囲で含有されるスパッタリン グターゲットを用いて成膜されるのが望まし い。この範囲内であれば、スパッタリングタ ーゲットのキャリヤ電子の密度並びに移動度 を適切にコントロールして導電性を良好な範 囲に保つことができる。また、この範囲を越 えて添加すると、スパッタリングターゲット のキャリヤ電子の移動度を低下させると共に 導電性を劣化させる方向に働くので好ましく ない。なお、上述したスパッタリングターゲ ットにより形成された透明導電膜中の錫の含 有量は、使用したスパッタリングターゲット 中の含有量と同一の含有量となる。
このようなスパッタリングターゲットは DCマグネトロンスパッタリングでスパッタ ング可能な程度の抵抗値を有しているので 比較的安価なDCマグネトロンスパッタリング でスパッタリング可能であるが、勿論、高周 波マグネトロンスパッタリング装置を用いて もよい。
このような透明導電膜用スパッタリング ーゲットを用いることにより、同一組成の 化インジウム系透明導電膜が形成できる。 のような酸化インジウム系透明導電膜の組 分析は、単膜を全量溶解しICPで分析しても い。また、膜自体が素子構成をなしている 合などは、必要に応じてFIB等により該当す 部分の断面を切り出し、SEMやTEM等に付属し いる元素分析装置(EDSやWDS、オージェ分析な ど)を用いても特定することが可能である。
このような本発明により製造される酸化 ンジウム系透明導電膜は、所定の添加元素 所定量含有されているので、その含有量に っても異なるが、成膜を室温以上で結晶化 度より低い温度条件、例えば、200℃より低 温度条件、好ましくは150℃より低い温度条 、さらに好ましくは100℃より低い温度条件 行うことにより、アモルファス状の状態で 膜される。また、このようなアモルファス 膜は、弱酸性のエッチャントでのエッチン を行うことができるという利点がある。こ で、本件明細書では、エッチングは、パタ ニング工程に含まれるもので、所定のパタ ンを得るためのものである。
また、得られる透明導電膜の抵抗率は添加 素の種類、含有量によっても異なるが、抵 率が1.0×10 -4 ~1.0×10 -3 ωcmである。
さらに、成膜した膜の結晶化温度は含有 れる添加元素の種類、含有量によって異な 、含有量が上昇するほど上昇するが、100℃~ 300℃の温度条件でアニールすることにより、 結晶化させることができる。このような温度 領域は通常の半導体製造プロセスで使用され ているので、このようなプロセスの中で結晶 化させることもできる。なお、この温度範囲 の中で、100℃~300℃で結晶化するものが好ま く、150℃~250℃で結晶化するのがさらに好ま く、200℃~250℃で結晶化するものが最も好ま しい。
ここで、アモルファスな膜を得ることが きる添加元素としては、Ba、Si、Sr、Li、La、 Ca、Mg、Yなどを挙げることができる。このよ な元素を添加してアモルファスな膜を形成 る際に、所定の水分圧で成膜することによ 、エッチング性のムラが発生するのを防止 ることができる。なお、このようなエッチ グ性のムラを防止する効果は、アモルファ な膜を得ることができるIZOにおいても生じ と推測される。
ここで、アニールとは、大気中、雰囲気 、真空中などにおいて、所望の温度にて一 時間加熱することをさす。その一定時間と 、一般に数分から数時間程度であるが、工 的には効果が同じであれば短い時間が好ま る。
このようにアニールによる結晶化された の透明導電膜は、短波長側の透過率が向上 、例えば、波長400~500nmの平均透過率が85%以 となる。また、これによって、IZOで問題と っているような膜が黄色みがかるという問 もない。なお、一般に短波長側の透過率は 高ければ高い方が好まれる。
一方、結晶化された透明導電膜は、エッ ング耐性が向上し、アモルファスな膜では ッチングが可能な弱酸性のエッチャントで エッチングできなくなる。これによって後 程での耐腐食性や、デバイス自体の耐環境 が向上する。
このように本発明では、添加元素の含有 を変化させることにより、成膜後の結晶化 度を所望の温度に設定できるので、成膜後 結晶化温度以上の温度の熱処理を受けない うにして、アモルファス状態を維持するよ にしてもよいし、成膜後パターニングした 、結晶化する温度以上の温度で熱処理して 晶化し、耐エッチング特性を変化させるよ にしてもよい。
次に、本発明で用いるスパッタリングタ ゲットの製造方法について説明するが、こ は単に例示したものであり、製造方法は特 限定されるものではない。
まず、本発明のスパッタリングターゲッ を構成する出発原料としては、一般的には 成元素の酸化物を用いるが、これらの単体 化合物、複合酸化物等を原料としてもよい 単体、化合物を使う場合はあらかじめ酸化 にするようなプロセスを通すようにする。
これらの原料粉を、所望の配合率で混合 、成形する方法は特に限定されず、従来か 公知の各種湿式法又は乾式法を用いること できる。
乾式法としては、コールドプレス(Cold Pre ss)法やホットプレス(Hot Press)法等を挙げるこ とができる。コールドプレス法では、混合粉 を成形型に充填して成形体を作製し、焼成さ せる。ホットプレス法では、混合粉を成形型 内で焼成、焼結させる。
湿式法としては、例えば、濾過式成形法( 特開平11-286002号公報参照)を用いるのが好ま い。この濾過式成形法は、セラミックス原 スラリーから水分を減圧排水して成形体を るための非水溶性材料からなる濾過式成形 であって、1個以上の水抜き孔を有する成形 下型と、この成形用下型の上に載置した通 性を有するフィルターと、このフィルター シールするためのシール材を介して上面側 ら挟持する成形用型枠からなり、前記成形 下型、成形用型枠、シール材、およびフィ ターが各々分解できるように組立てられて り、該フィルター面側からのみスラリー中 水分を減圧排水する濾過式成形型を用い、 合粉、イオン交換水と有機添加剤からなる ラリーを調製し、このスラリーを濾過式成 型に注入し、該フィルター面側からのみス リー中の水分を減圧排水して成形体を製作 、得られたセラミックス成形体を乾燥脱脂 、焼成する。
コールドプレス法や湿式法で成形したも の焼成温度は、1300~1650℃が好ましく、さら 好ましくは、1500~1650℃であり、その雰囲気 大気雰囲気、酸素雰囲気、非酸化性雰囲気 または真空雰囲気などである。一方、ホッ プレス法の場合は、1200℃付近で焼結させる ことが好ましく、その雰囲気は、非酸化性雰 囲気や真空雰囲気などである。なお、各方法 において焼成した後には、所定寸法に成形・ 加工のための機械加工を施しターゲットとす る。
以下、本発明を実施例に基づいて説明す が、これに限定されるものではない。
(スパッタリングターゲット製造例1)(Sr-ITO)
(Sr添加ITO、Sr=0.02-Sn=0.1)
純度>99.99%のIn 2
O 3
粉、SnO 2
粉、および純度>99.9%のSrCO 3
粉を用意した。まず、In 2
O 3
粉65.3wt%及び、SrCO 3
粉34.7wt%の比率で全量200g用意し、乾燥状態で
ールミル混合し、大気中1200℃で3時間仮焼
、SrIn 2
O 4
粉を得た。
次いで上記、SrIn 2 O 4 粉2.2wt%、In 2 O 3 粉86.6wt%およびSnO 2 粉11.2wt%の比率で全量約1.0kg用意し(各金属原 の組成は、In=88.0at.%、Sn=10.0at.%、Sr=2.0at.%であ る)、これをボールミル混合した。その後バ ンダーとしてPVA水溶液を添加して混合、乾 し、コールドプレスして成形体を得た。こ 成形体を、大気中600℃で10時間、60℃/hの昇 で脱脂し、次いで、酸素雰囲気下、1550℃で8 時間焼成して焼結体を得た。焼成条件は具体 的には、室温から800℃まで200℃/hで昇温し、8 00℃から1550℃まで400℃/hで昇温し、8時間保持 した後、1550℃から室温まで100℃/hの条件で冷 却という条件である。その後、この焼結体を 加工しターゲットを得た。このときの密度は 7.05g/cm 3 であった。
同様にして、Sr=0.00001、Sr=0.01、Sr=0.05のス ッタリングターゲットを製造した。
(スパッタリングターゲット製造例2)(Li-ITO)
(Li添加ITO、Li=0.02-Sn=0.1)
純度>99.99%のIn 2
O 3
粉、SnO 2
粉、および純度>99.9%のLi 2
CO 3
粉を用意した。
まず、In 2 O 3 粉79.0wt%及び、Li 2 CO 3 粉21.0wt%の比率で、全量200g用意し、乾燥状態 ボールミル混合し、大気中1000℃で3時間仮 し、LiInO 2 粉を得た。
次いで上記LiInO 2 粉2.2wt%、In 2 O 3 粉86.8wt%およびSnO 2 粉11.0wt%の比率で全量約1.0kg用意(各金属原子 組成は、In=88.0at.%、Sn=10.0at.%、Li=2.0at.%である )した以外はSr-ITO(Sr=0.02)と同様にターゲット 作製した。ただし、焼成温度は1450℃である また、このときの密度は6.85g/cm 3 であった。
(スパッタリングターゲット製造例3)(La-ITO)
(La添加ITO、La=0.02-Sn=0.1)
純度>99.99%のIn 2
O 3
粉、SnO 2
粉、および純度>99.99%のLa 2
(CO 3
) 3
・8H 2
O粉を用意した。
まず、In 2 O 3 粉31.6wt%及び、La 2 (CO 3 ) 3 ・8H 2 O粉68.4wt%の比率で、全量200g用意し、乾燥状態 でボールミル混合し、大気中1200℃で3時間仮 し、LaInO 3 粉を得た。
次いで上記LaInO 3 粉4.3wt%、In 2 O 3 粉85.0wt%およびSnO 2 粉10.7wt%の比率で全量約1.0kg用意(各金属原子 組成は、In=88.0at.%、Sn=10.0at.%、La=2.0at.%である )した以外はSr-ITO(Sr=0.02)と同様にターゲット 作製した。このときの密度は7.04g/cm 3 であった。
(スパッタリングターゲット製造例4)(Ca-ITO)
(Ca添加ITO、Ca=0.02-Sn=0.1)
純度>99.99%のIn 2
O 3
粉、SnO 2
粉、および純度>99.5%のCaCO 3
粉を用意した。
まず、In 2 O 3 粉73.5wt%及びCaCO 3 粉26.5wt%の比率で、全量200g用意し、乾燥状態 ボールミル混合し、大気中1200℃で3時間仮 し、CaIn 2 O 4 粉を得た。
次いで、上記CaIn 2 O 4 粉4.8wt%、In 2 O 3 粉84.3wt%およびSnO 2 粉10.9wt%の比率で全量約1.0kg用意(各金属原子 組成は、In=88.0at.%、Sn=10.0at.%、Ca=2.0at.%である )した以外はSr-ITO(Sr=0.02)と同様にターゲット 作製した。このときの密度は6.73g/cm 3 であった。
(スパッタリングターゲット製造例5)(Mg-ITO)
(Mg添加ITO、Mg=0.02、Sn=0.1)
純度>99.99%のIn 2
O 3
粉、SnO 2
粉、および炭酸水酸化マグネシウム粉(MgO含
量41.5wt%)を用意した。
まず、In 2 O 3 粉87.3wt%及び炭酸水酸化マグネシウム粉12.7wt% 比率で、全量200g用意し、乾燥状態でボール ミル混合し、大気中1400℃で3時間仮焼し、MgIn 2 O 4 粉を得た。
次いで、上記MgIn 2 O 4 粉4.6wt%、In 2 O 3 粉84.5wt%およびSnO 2 粉10.9wt%の比率で全量約1.0kg用意(各金属原子 組成は、In=88.0at.%、Sn=10.0at.%、Mg=2.0at.%である )した以外はSr-ITO(Sr=0.02)と同様にターゲット 作製した。このときの密度は7.02g/cm 3 であった。
同様にして、Mg=0.05、Mg=0.12のスパッタリ グターゲットを製造した。
(スパッタリングターゲット製造例6)(Y-ITO)
(Y添加ITO、Y=0.02-Sn=0.1)
純度>99.99%のIn 2
O 3
粉、SnO 2
粉、および純度>99.99%のY 2
(CO 3
) 3
・3H 2
O粉を用意した。
まず、In 2 O 3 粉40.2wt%及びY 2 (CO 3 ) 3 ・3H 2 O粉59.8wt%の比率で、全量200g用意し、乾燥状態 でボールミル混合し、大気中1200℃で3時間仮 し、YInO 3 粉を得た。
次いで、上記YInO 3 粉3.6wt%、In 2 O 3 粉85.6wt%およびSnO 2 粉10.8wt%の比率で全量約1.0kg用意(各金属原子 組成は、In=88.0at.%、Sn=10.0at.%、Y=2.0at.%である) した以外はSr-ITO(Sr=0.02)と同様にターゲットを 作製した。このときの密度は7.02g/cm 3 であった。
同様にして、Y=0.05のスパッタリングター ットを製造した。
(実施例1~13、比較例1~5)
実施例1~13、比較例1~5を以下の通り実施した
。
上述したとおり製造したターゲットのうち 下記表1の組成のターゲットを用いて下記に 示すとおり、実施例1~13、比較例1~5のターゲ トとし、これを4インチのDCマグネトロンス ッタ装置にそれぞれ装着し、基板温度を室 (約20℃)、酸素分圧を0~3.0sccmの間で変化させ がら(0~1.1×10 -2 Paに相当)、実施例1~13、比較例1~5の透明導電 を得た。
スパッタの条件は、以下の通りとし、厚さ1
200Åの膜を得た。
ターゲット寸法 :φ=4in. t=6mm
スパッタ方式 :DCマグネトロンスパッタ
排気装置 :ロータリーポンプ+クライオポン
プ
到達真空度 :5.3×10 -6
[Pa]
Ar圧力 :4.0×10 -1
[Pa]
酸素圧力:0~1.1×10 -2
[Pa]
水圧力:5.0×10 -6
[Pa]
基板温度:室温
スパッタ電力 :130W (電力密度1.6W/cm 2
)
使用基板 :コーニング#1737(液晶ディスプレ
用ガラス) t=0.8mm
各酸素分圧で成膜した膜の抵抗率と、各 を250℃でアニールした後の抵抗率とを測定 た。結果を図1~図11に示す。
この結果、何れの場合にも最適酸素分圧が
在することがわかった。
また、実施例1~13においては、室温成膜の最
適酸素分圧と、250℃アニール後に最も抵抗率
が低い成膜時の酸素分圧とが異なることがわ
かった。表2は室温成膜の最適酸素分圧と250
アニール後に最も抵抗率が低い成膜時の酸
分圧を示す。よって、実施例1~13では、250℃
ニール後に最も抵抗率が低い成膜時の酸素
圧で成膜し、その後、250℃でアニールした
が、最も低抵抗の膜が得られることがわか
た。
一方、添加量が少なすぎる比較例1~3では アモルファスな膜が得られず最適酸素分圧 変化しないことがわかった。また、添加量 多すぎる比較例4、5については、成膜時は モルファスな膜が得られ、250℃アニールで 適酸素分圧は変化するが、結晶化しないこ がわかった。
下記表6には、最適酸素分圧の変化があっ たものを○、最適酸素分圧の変化がなかった ものを×として示した。
(試験例1)
実施例1~13、比較例1~5において、室温成膜時
における最適酸素分圧にて製造した透明導電
膜を、それぞれ13mm角の大きさに切り出し、
れらのサンプルを大気中にて250℃で1時間ア
ールした。また、実施例1~13、比較例1~5に関
し、室温成膜時と250℃アニール後の結晶状態
について、アモルファスはa、結晶はcとし、
れらを表2に示す。
この結果、室温成膜の実施例1~13の場合、 成膜時にはアモルファスな膜であるが、250℃ 1時間のアニールで結晶化することが確認さ た。一方、添加量が多い比較例4,5では、成 時にアモルファスでも250℃アニールでは結 化しなかった。なお、これらについては300 でのアニールでも結晶化しないことが確認 れた。また、添加量が少ない比較例1~3では 成膜時にも結晶化し、アモルファスな膜が 膜できないことが確認された。
(試験例2)
成膜した各透明導電膜の、室温成膜時にお
る最適酸素分圧成膜時の抵抗率ρ(ω・cm)を
定した。また、試験例1のアニール後のサン
ルについて測定した抵抗率も測定した。こ
らの結果を表2に示す。
この結果、実施例1~13、比較例1~3の場合には 、抵抗率が10 -4 ω・cm台であることがわかった。
しかしながら、比較例4、5では、抵抗率が10 -3 台ω・cmと高抵抗になることがわかった。
(試験例3)
実施例1~13、比較例1~5において、室温成膜に
おける最適酸素分圧にて製造した透明導電膜
を、それぞれ13mm角の大きさに切り出し、透
スペクトルを測定した。また、試験例1のア
ール後の膜についても同様に透過スペクト
を測定した。また、各実施例1~13、比較例1~5
のアニール後の平均透過率を表2に示す。
これらの結果より、成膜してアニール前 おける透過スペクトルは250℃で1時間のアニ ールにより、吸収端が低波長側にシフトして 色味が改善することがわかった。
(試験例4)
試験例1~13、比較例1~5において、室温成膜に
おける最適酸素分圧にて製造した透明導電膜
を、それぞれ10×50mmの大きさに切り出し、エ
チング液としてITO-05N(シュウ酸系、関東化
(株)製)(シュウ酸濃度50g/L)を用い、温度30℃
、エッチングが可能か否かについて確認し
。また、試験例1のアニール後のサンプルに
いても同様に確認した。これらの結果を、
ッチング可を「○」、エッチング不可を「
」として表2に示す。
この結果、アモルファスな膜は、弱酸性 エッチャントでエッチング可能であるが、 晶化した膜は、エッチングができないこと わかった。
(比較例6)
実施例2のターゲットを用い、水分圧を1×10 -4
Paとした以外は上述したスパッタ条件と同様
条件で成膜した。このようにして得られた
は、抵抗率が実施例2より若干悪く、エッチ
ング残渣が発生した。また、250℃1時間のア
ールで結晶化したが、一部アモルファスな
分が残っていた。
なお、この結果を実施例2と比較したもの を表3に示す。
ここで、エッチングレートとは、室温成 したアモルファス膜をITO-05N(シュウ酸濃度50 g/L)液温30℃にてエッチングしたときの膜のエ ッチングレートをさす。
この結果、水の分圧を制御せず、到達真 度が悪化したりした条件でアモルファスな を成膜すると、面内においてエッチング性 ムラが生じ、エッチングムラが生じたり、 ニールによる結晶化ムラが生じたりして好 しくないことがわかった。
また、このような効果はアモルファスな を得る際には同様に生じることが明らかで る。
なお、アモルファスな膜を成膜する例と て、Baを添加した例を以下に示すが、水の 圧を制御せず、到達真空度が悪化したりし 条件でアモルファスな膜を成膜すると、面 においてエッチング性のムラが生じ、エッ ングムラが生じたり、アニールによる結晶 ムラが生じたりして好ましくないが容易に 測される。
(スパッタリングターゲット製造例A1~A60)
純度>99.99%のIn 2
O 3
粉、SnO 2
粉、および純度>99.9%のBaCO 3
粉を用意した。
まず、BET=27m 2 /gのIn 2 O 3 粉58.5wt%及び、BET=1.3m 2 /gのBaCO 3 粉41.4wt%の比率で、全量200g用意し、乾燥状態 ボールミルで混合し、大気中1100℃で3時間 焼し、BaIn 2 O 4 粉を得た。
次いで上記BaIn 2 O 4 粉、BET=5m 2 /gのIn 2 O 3 粉%およびBET=1.5m 2 /gのSnO 2 粉をIn1モルに対してBa及びSnが下記表4および 5に占めるモルに相当するような比率で全量 で約1.0kg用意し、これをボールミルで混合し 。その後バインダーとしてPVA水溶液を添加 て混合、乾燥し、コールドプレスして成形 を得た。この成形体を、大気中600℃で10時 、60℃/hの昇温で脱脂し、次いで、酸素雰囲 下で1600℃で8時間焼成して焼結体を得た。 成条件は具体的には、室温から800℃まで100 /hで昇温し、800℃から1600℃まで400℃/hで昇温 し、8時間保持した後、1600℃から室温まで100 /hの条件で冷却という条件である。その後 この焼結体を加工しターゲットを得た。こ ときの密度とバルク抵抗率は、例えばA32の 成では、それぞれ6.88g/cm 3 、2.81×10 -4 ωcmであり、A22の組成では、それぞれ6.96g/cm 3 、2.87×10 -4 ωcmであった。
(実施例A1~A60)
4インチのDCマグネトロンスパッタ装置に各
造例A1~A60のスパッタリングターゲットをそ
ぞれ装着し、基板温度を室温(約20℃)、酸素
分圧を0~3.0sccmの間で変化させながら(0~1.1×10 -2
Paに相当)、実施例A1~A60の透明導電膜を得た。
スパッタの条件は、以下の通りとし、厚さ1
200Åの膜を得た。
ターゲット寸法 :φ=4in. t=6mm
スパッタ方式 :DCマグネトロンスパッタ
排気装置 :ロータリーポンプ+クライオポン
プ
到達真空度 :5.3×10 -6
[Pa]
Ar圧力 :4.0×10 -1
[Pa]
酸素圧力:0~1.1×10 -2
[Pa]
水分圧:5×10 -6
[Pa]
基板温度:室温
スパッタ電力 :130W (電力密度1.6W/cm 2
)
使用基板 :コーニング#1737(液晶ディスプレ
用ガラス) t=0.8mm
実施例A1~A60については、室温成膜におけ 酸素分圧と抵抗率との関係を求めると共に 成膜されたアモルファス膜のエッチングレ ト、250℃アニール後の抵抗率と成膜時の酸 分圧との関係、およびそれらの平均透過率 どを測定した。
下記表4および表5には、各サンプルのIn1 ルに対して、Ba及びSnのモル比、室温成膜で 結晶状態(アモルファス膜をa、結晶化膜をc して表記する)を示すと共に、アモルファス 膜の結晶化温度を示した。
表4および表5において成膜時抵抗率とは 室温成膜時の最適酸素分圧における膜の抵 率をさす。エッチングレートとは、室温成 したアモルファス膜をITO-05N(シュウ酸濃度50g /L)液温30℃にてエッチングしたときの膜のエ チングレートをさす。さらにアニール後抵 率とは、250℃アニールした後に最も低抵抗 なる酸素分圧で成膜し、250℃アニールを施 た時の膜の抵抗率をさす。またさらにアニ ル後の平均透過率とは、250℃アニールした に最も低抵抗になる酸素分圧で成膜し、250 アニールを施した時の膜の波長400~500nmの平 透過率を示す。
また、表4および表5に示した結晶化温度 、以下のように求めた。250℃アニールした に最も低抵抗になる酸素分圧で室温成膜し 膜を、100℃から300℃(必要であれば450℃)まで 50℃刻みで大気中1時間アニールを行い、その 膜を薄膜XRDで分析した。室温成膜したアモル ファス膜を示すハローピークについてアニー ル温度が高くなることによって回折線が検出 される。その初めての温度を結晶化温度と定 めた。なお、結晶化温度のその他の求め方と して、高温薄膜XRD法を使うこともできる。
(試験例A1)
各製造例A1~A60のスパッタリングターゲット
用い、室温(約20℃)での酸素分圧とその分圧
で成膜された膜の抵抗率との関係を求めて最
適酸素分圧を求めると共に、各酸素分圧で成
膜した膜を250℃でアニールした後の抵抗率と
成膜酸素分圧との関係からアニール後の抵抗
率が最も低抵抗となる酸素分圧を250℃での成
膜をする際の最適酸素分圧とし、両者の最適
酸素分圧が異なるか否かを判断し、異なるも
のを●、ほぼ同じものを▲とし、図12に表し
。
この結果、インジウム1モルに対しての錫の モル比yが、インジウム1モルに対するバリウ のモル比xで表される(-2.9×10 -2 Ln(x)-6.7×10 -2 )の値以上であり、(-2.0×10 -1 Ln(x)-4.6×10 -1 )の値以下でy=0を除く範囲にある場合に、成 後のアモルファス膜が低抵抗となる成膜酸 分圧と、アニール後の膜が低抵抗となる成 酸素分圧とが異なる、又は250℃における最 酸素分圧が室温での最適酸素分圧と異なる とがわかった。すなわち、これらの組成範 では、成膜直後の抵抗率から求めた最適酸 分圧ではなく、アニール後の結晶化した膜 最も低抵抗となる酸素分圧で成膜した方が アニール後の膜の抵抗率が低くなり、より ましいことになる。
ここで、このような範囲内の試験実施例 大部分のサンプルについては、250℃でのア ール後の膜が低抵抗になる酸素分圧が室温 それよりも低く、低酸素分圧での成膜が好 しいことがわかった。また、A58~A60について は250℃でのアニール後の膜が低抵抗となる酸 素分圧が室温のそれよりも高く、高酸素分圧 での成膜した方が低抵抗の透明導電膜が得ら れ、好ましいことがわかった。
また、A2、A9、A24など、結晶化温度が高い サンプルに関しては、250℃アニールを行って も結晶化していないためか、室温成膜の最適 酸素分圧での抵抗率より、250℃でアニールを 行ったとき最も低い抵抗率の方が高くなって いる。室温成膜の最適酸素分圧で成膜したも のを250℃アニールを行うと、さらに抵抗が高 くなってしまう。よって、アニール温度で最 も低抵抗となる酸素分圧で室温成膜したもの をアニールした方が結果的に最も低抵抗とな る。なお、これらについては、結晶化温度、 例えば400℃でアニールする場合には、アニー ル後の抵抗率が最も低くなる酸素分圧で成膜 するのが好ましいことはいうまでもない。こ の場合を考慮すると、バリウムのモル比xは0. 05未満が好ましい。
かかる試験例A1における250℃アニール後 膜が低抵抗となる酸素分圧は、250℃成膜に ける最適酸素分圧とほぼ一致すると考えら る。
なお、成膜直後の膜が低抵抗となる酸素 圧と250℃アニール後の膜が低抵抗となる酸 分圧とが同一である例として、A4、A6、A35な どを挙げることができる。なお、これらにつ いては、室温成膜における最適酸素分圧と250 ℃成膜における最適酸素分圧とが同一である と考えられる。
(試験例A2)
室温成膜における最適酸素分圧にて製造し
透明導電膜を、それぞれ10×50mmの大きさに
り出し、エッチング液としてITO-05N(シュウ酸
系、関東化学(株)製)(シュウ酸濃度50g/L)を用
、温度30℃で、エッチングレートを測定し、
3Å/sec未満を「▲」、3Å/sec以上4Å/sec未満を
●、4Å/sec以上を○とし、結果を図13に示す
この結果より、インジウム1モルに対しての 錫のモル比yが、インジウム1モルに対するバ ウムのモル比xで表される(-2.9×10 -2 Ln(x)-6.7×10 -2 )の値以上であり、且つ0.22以下の範囲では3Å /sec以上であり、特に、(5.9×10 -2 Ln(x)+4.9×10 -1 )の値以下の範囲では4Å/sec以上となることが わかった。
よって、試験例A1の結果と合わせた結果を 14に示す。すなわち、この結果より、インジ ウム1モルに対しての錫のモル比yが、インジ ム1モルに対するバリウムのモル比xで表さ る(-2.9×10 -2 Ln(x)-6.7×10 -2 )の値以上であり、(-2.0×10 -1 Ln(x)-4.6×10 -1 )の値以下でy=0を除く範囲であり、且つ0.22以 の範囲では、室温とアニール温度である250 での最適酸素分圧が異なり、且つエッチン レートが3Å/sec以上であり、特に、(5.9×10 -2 Ln(x)+4.9×10 -1 )の値以下の範囲ではエッチングレートが4Å/ sec以上になることがわかった。
(試験例A3)
図14の好ましい範囲内の試験実施例のサン
ルについて、アニール後に低抵抗となる酸
分圧でアモルファスな膜を成膜し、その後
アニールして結晶化した透明導電膜の抵抗
を測定し、3.0×10 -4
ωcm以下のものを◎、それより大きいものを
として表した。この結果を図15に示す。
この結果、インジウム1モルに対しての錫の モル比yが0.08以上であり、インジウム1モルに 対するバリウムのモル比xが0.025以下の範囲の ものが抵抗率が極めて低く、3.0×10 -4 ωcm以下であることがわかった。また、試験 A1の結果を合わせてみると、アニール温度、 例えば、250℃の最適酸素分圧で室温成膜し、 その後アニールして結晶化させた膜について も抵抗率が3.0×10 -4 ωcm以下であることが明らかである。
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