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Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR PRODUCING METAL NANOWIRE, METAL NANOWIRE AND TRANSPARENT CONDUCTOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/063744
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for producing metal nanowires wherein the lengths and the diameters are uniformly controlled. Also disclosed are metal nanowires excellent in uniformity of form, and a transparent conductor which uses such metal nanowires having excellent uniformity in form and is excellent in electrical conductivity and transparency. Specifically disclosed is a method for producing a wire-shaped metal nanowire, which is characterized by comprising a core-forming step (A) wherein a core metal particle is formed by reducing metal ions in a solution, and a particle growth step (B) wherein the core metal particle is grown by directly depositing a reduced metal, which is obtained by reducing metal ions, on the surface of the core metal particle. The particle growth step (B) is performed after the core-forming step (A).

Inventors:
TAKADA HIROSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/069520
Publication Date:
May 22, 2009
Filing Date:
October 28, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KONICA MINOLTA HOLDINGS INC (JP)
TAKADA HIROSHI (JP)
International Classes:
B22F9/24; B22F1/00; H01B5/14; H01B13/00
Foreign References:
JP2007229989A2007-09-13
JP2006233252A2006-09-07
Other References:
NIKHIL R. JANA ET AL.: "Wet chemical synthesis of silver nanorods and nanowires of controllable aspect ratio", CHEM. COMMUN., no. 7, 2001, pages 617 - 618
YUGANG SUN ET AL.: "Large-Scale Synthesis of Uniform Silver Nanowires Through a Soft, Self-Seeding", POLYOL PROCESS, ADV. MATER., vol. 14, no. 11, 5 June 2002 (2002-06-05), pages 833 - 837
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Claims:
 ワイヤ状の形態を有する金属ナノワイヤの製造方法であって、
 溶液中で金属イオンを還元して核金属粒子を形成する核形成工程(A)と、
 該核形成工程(A)の後に、金属イオンを還元して得られる還元金属を該核金属粒子の表面に直接沈積して、該核金属粒子を成長させる粒子成長工程(B)と
を有することを特徴とする金属ナノワイヤの製造方法。
 前記溶液が、前記核金属粒子の凝集防止剤及び形態制御剤の少なくとも一つを含有することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の金属ナノワイヤの製造方法。
 製造工程の少なくとも一部が、銀イオンを還元する工程(C)を有することを特徴とする請求の範囲第1項または第2項に記載の金属ナノワイヤの製造方法。
 少なくとも前記核形成工程(A)の後で、かつ前記粒子成長工程(B)の前に、熟成工程(D)を有することを特徴とする請求の範囲第1項から第3項のいずれか1項に記載の金属ナノワイヤの製造方法。
 前記核形成工程(A)および前記粒子成長工程(B)における金属塩溶液の添加および還元の調整を、シングルジェット法またはマルチジェット法で行うことを特徴とする請求の範囲第1項から第4項のいずれか1項に記載の金属ナノワイヤの製造方法。
 前記核形成工程(A)で使用する金属塩のモル濃度を、0.001モル/L以上、1.0モル/L以下に設定することを特徴とする請求の範囲第1項から第5項のいずれか1項に記載の金属ナノワイヤの製造方法。
 前記核形成工程(A)で使用する金属塩を、全工程で使用する金属塩に対してモル比で10モル%以下に設定することを特徴とする請求の範囲第1項から第6項のいずれか1項に記載の金属ナノワイヤの製造方法。
 請求の範囲第1項から第7項のいずれか1項に記載の金属ナノワイヤの製造方法により製造された金属ナノワイヤであって、少なくとも銀を含むワイヤ状の形態を有し、長軸方向の平均粒径が3μm以上で、かつ長軸方向の粒径分布が40%以下であることを特徴とする金属ナノワイヤ。
 短軸方向の平均粒径が300nm以下で、かつ短軸方向の粒径分布が30%以下であることを特徴とする請求の範囲第8項に記載の金属ナノワイヤ。
 透明支持体上に導電層を有する透明導電体において、該導電層が請求の範囲第8項または第9項に記載の金属ナノワイヤを含むことを特徴とする透明導電体。
 前記長軸方向の平均粒径が5μm以上、300μm以下であることを特徴とする請求の範囲第8項に記載の金属ナノワイヤ。
 前記短軸方向の平均粒径が30nm以上、180nm以下であることを特徴とする請求の範囲第9項に記載の金属ナノワイヤ。
Description:
金属ナノワイヤの製造方法、金 ナノワイヤ及び透明導電体

 本発明は、粒径分布が改良されたワイヤ の形態を有する金属ナノワイヤの製造方法 形態均一性に優れた金属ナノワイヤ及びそ を用いた導電性と透明性に優れた透明導電 に関するものである。

 近年、薄型TV需要の高まりに伴い、液晶 プラズマ・有機エレクトロルミネッセンス フィールドエミッション等、各種方式のデ スプレイ技術が開発されている。これら表 方式の異なる何れのディスプレイにおいて 、透明導電膜を用いた透明電極は必須の構 技術となっている。また、テレビ以外でも タッチパネルや携帯電話、電子ペーパ、各 太陽電池、各種エレクトロルミネッセンス 光素子においても、透明導電膜は欠くこと できない技術要素となっている。

 従来、透明導電膜として、Au,Ag,Pt,Cu等の各 金属薄膜や、錫や亜鉛をドープした酸化イ ジウム(ITO、IZO),アルミニウムやガリウムを ープした酸化亜鉛(AZO、GZO),フッ素やアンチ ンをドープした酸化錫(FTO、ATO)等の金属酸化 物薄膜、TiN,ZrN,HfN等の導電性窒化物薄膜、LaB 6 等の導電性ホウ素化物薄膜が知られており、 また、これらを組み合わせたBi 2 O 3 /Au/Bi 2 O 3 ,TiO 2 /Ag/TiO 2 等の各種電極も知られている。無機物以外に も、導電性高分子を使用した透明導電膜も提 案されている(例えば、非特許文献1参照)。

 しかしながら、上述した金属薄膜、窒化 薄膜、ホウ素物薄膜及び導電性高分子薄膜 、光透過性と導電性の特性が両立し得ない め、電磁波シールド等の特殊な技術分野や 比較的高い抵抗値でも許容されるようなタ チパネル分野においてのみ使用されていた

 一方、金属酸化物薄膜は、光透過性と導 性との両立が可能で耐久性にも優れるため 透明導電膜の主流となりつつある。特に、 示した金属酸化物材料の中でもITOは、光透 性と導電性とのバランスが良く、酸溶液を いたウェットエッチングによる電極微細パ ーン形成が容易であることから、各種オプ エレクトロニクス用の透明電極として多用 れている。一般に、ITOを含め金属酸化物薄 の作製には、真空蒸着法、スパッタリング 、イオンプレーティング法等の気相製膜法 用いられる。しかしながら、これらの製膜 法は真空環境を必要とするため装置が大掛 かつ複雑なものとなり、また製膜に大量の ネルギーを消費するため、製造コストや環 負荷を軽減できる技術の開発が求められて た。また、一方で、液晶ディスプレイやタ チディスプレイに代表されるように、透明 電膜の大面積化が指向されており、それに い透明導電材料の軽量化や柔軟性に対する 請が高まっていた。

 このような要請に対して、導電性微粒子 含有する液状材料を用いて、塗布や印刷の うな液相成膜法により透明導電膜を形成す 方法が提案されている。例えば、特許文献1 には、酸化インジウムや酸化錫よりなる導電 性金属酸化物粒子を含む分散液を、支持体上 に塗布し熱処理を行うことにより透明導電膜 を形成する方法が開示されている。また、特 許文献2には、基材上に塗布した無機酸化物 粒子の表面を溶解し、その後熱処理により 定化させる成膜方法が開示されている。さ に、特許文献3~5ではCNT(カーボンナノチュー )や金属ナノワイヤ含む分散液を、支持体上 に塗布して透明導電膜を形成する方法が開示 されている。

 CNTは、炭素によって作られる六員環ネッ ワーク(グラフェンシート)が単層あるいは 層の同軸管状になった構造を有し、安定性 耐久性に優れる物質である。また、層数や 造によって導電性は異なり、単層のCNTが最 優れた導電性を示す。単層のCNTには六員環 ットワークの方位の違いによって3種類の構 が存在し、2種は半導体性で残り1種が金属 である。この金属性のCNT(アームチェア型単 CNT)は、銅と同程度の導電性を有するとも言 われ導電性材料として好ましいが、工業的に 選択合成可能な方法は開発されておらず、ま た、金属性CNTの単離技術(非特許文献2参照)に よる収率は僅か1%である等、金属性CNTを選択 て使用することは現実的に困難であり、CNT 用いた透明導電膜では十分な低抵抗化を達 できていない。

 一方、元素によって異なるが金属は総じて い導電率を有し、バルク状態での導電率が1 ×10 7 S/m以上の金属元素のナノワイヤも、液相法や 気相法などの色々な方法で作製できることが 報告されている。例えば、Agナノワイヤの製 方法としては、例えば、非特許文献3、4等 Auナノワイヤの製造方法としては特許文献6 、Cuナノワイヤの製造方法としては特許文献 7等、Coナノワイヤの製造方法としては特許文 献8などを参考にできる。特に、銀は金属中 最大の導電率は有し、かつ非特許文献3及び 特許文献4によれば、水系で簡便に銀ナノワ イヤを製造することができるため、導電性繊 維を用いる透明導電膜において、銀ナノワイ ヤは最も優れた導電材料として位置付けるこ とができる。

 金属ナノワイヤを導体として用いる透明 電膜においては、金属ナノワイヤ間の電気 なネットワーク形成によって導電性が発現 る。一つの金属ナノワイヤによって数μm~数 十μmの導電パスを形成できるため、金属ナノ ワイヤを含む材料が導電性を発現するための パーコレーション閾値が非常に小さく、それ 故、導電性と透明性の両立が可能となる。導 電性の観点では、金属ナノワイヤは長いほど 有利であるが、長すぎると金属ナノワイヤが 絡み合って凝集体を形成し、凝集体による光 散乱の影響により透明性が劣化する。逆に短 すぎる場合には、金属ナノワイヤによるネッ トワーク形成が不十分となり導電性が低下し 、導電性を補うために金属ナノワイヤの添加 量を増やすと透明性が低下する。同様に、金 属ナノワイヤの直径も導電性と透明性に影響 を及ぼし、直径が大きい方が導電性の観点で は有利であるが、透明性の観点からは不利と なる。

 従って、導電性と透明性を両立するために 、金属ナノワイヤの長さや直径を均一に制 することが重要となる。しかし、前述の各 特許文献や各特許文献を含め、金属ナノワ ヤの長さや直径を均一に制御する技術の報 は、一切なされていない。

特許第3251066号公報

特開2006-245516号公報

特開2005-255985号公報

特表2006-519712号公報

米国特許第2007/0074316A1号明細書

特開2006-233252号公報

特開2002-266007号公報

特開2004-149871号公報 「透明導電膜の技術」第80頁(オーム社出 版局) URL:http://www.aist.go.jp/aist_j/press release/pr2006 /pr20060215/pr20060215.html Chem.Mater.2002,14,4736~4745 Adv.Mater.2002,14,833~837

 以上のように、従来技術においては、金 ナノワイヤの長さや直径を均一に制御する 術は知られていなかったため、金属ナノワ ヤを用いた透明導電膜において、導電性と 明性を十分満足できるレベルに両立するこ ができなかった。従って、本発明の第一の 的は、金属ナノワイヤの長さや直径を均一 制御する金属ナノワイヤの製造方法を提供 ることにあり、第二の目的は、集積回路や 子素子の配線材料や、電界電子放出ディス レイ(FED)の電子放出源、透明導電膜の導電 料など、各種のエレクトロニクスデバイス 適用した場合に優れた性能を発現すること 可能な、形態の均一性に優れた金属ナノワ ヤを提供することにあり、第3の目的は、形 の均一性に優れた金属ナノワイヤを用いた 電性と透明性に優れた透明導電体を提供す ことにある。

 本発明者は前記課題を解決すべく鋭意研 を重ねた結果、金属ナノワイヤの形成過程 おいて、核形成工程と粒子成長工程とを分 し、工程毎に最適な条件を付与することに って、ワイヤ状の異方性形状を有する粒子 あっても、その長軸方向の粒径(長さ)や短 方向の粒径(直径)、およびそれらの粒径分布 を制御できることを見出すに至った。本発明 は、このような検討から得られた知見に基づ き導かれたものである。

 即ち、本発明の上記課題は、以下の手段 より達成される。

 1.ワイヤ状の形態を有する金属ナノワイヤ 製造方法であって、
 溶液中で金属イオンを還元して核金属粒子 形成する核形成工程(A)と、
 該核形成工程(A)の後に、金属イオンを還元 て得られる還元金属を該核金属粒子の表面 直接沈積して、該核金属粒子を成長させる 子成長工程(B)と
を有することを特徴とする金属ナノワイヤの 製造方法。

 2.前記溶液が、前記核金属粒子の凝集防 剤及び形態制御剤の少なくとも一つを含有 ることを特徴とする前記1に記載の金属ナノ イヤの製造方法。

 3.製造工程の少なくとも一部が、銀イオ を還元する工程(C)を有することを特徴とす 前記1または2に記載の金属ナノワイヤの製造 方法。

 4.少なくとも前記核形成工程(A)の後で、 つ前記粒子成長工程(B)の前に、熟成工程(D) 有することを特徴とする前記1から3のいずれ か1項に記載の金属ナノワイヤの製造方法。

 5.前記核形成工程(A)および前記粒子成長 程(B)における金属塩溶液の添加および還元 調整を、シングルジェット法またはマルチ ェット法で行うことを特徴とする前記1から4 のいずれか1項に記載の金属ナノワイヤの製 方法。

 6.前記核形成工程(A)で使用する金属塩の ル濃度を、0.001モル/L以上、1.0モル/L以下に 定することを特徴とする前記1から5のいずれ か1項に記載の金属ナノワイヤの製造方法。

 7.前記核形成工程(A)で使用する金属塩を 全工程で使用する金属塩に対してモル比で10 モル%以下に設定することを特徴とする前記1 ら6のいずれか1項に記載の金属ナノワイヤ 製造方法。

 8.前記1から7のいずれか1項に記載の金属 ノワイヤの製造方法により製造された金属 ノワイヤであって、少なくとも銀を含むワ ヤ状の形態を有し、長軸方向の平均粒径が3 m以上で、かつ長軸方向の粒径分布が40%以下 あることを特徴とする金属ナノワイヤ。

 9.短軸方向の平均粒径が300nm以下で、かつ 短軸方向の粒径分布が30%以下であることを特 徴とする前記8に記載の金属ナノワイヤ。

 10.透明支持体上に導電層を有する透明導 体において、該導電層が前記8または9に記 の金属ナノワイヤを含むことを特徴とする 明導電体。

 11.前記長軸方向の平均粒径が5μm以上、300 μm以下であることを特徴とする前記8に記載 金属ナノワイヤ。

 12.前記短軸方向の平均粒径が30nm以上、180 nm以下であることを特徴とする前記9に記載の 金属ナノワイヤ。

 本発明により、長さや直径を均一に制御 る金属ナノワイヤの製造方法、形態の均一 に優れた金属ナノワイヤ、及び形態の均一 に優れた金属ナノワイヤを用いた導電性と 明性に優れた透明導電体を提供することが きた。

 以下、本発明の実施形態及びその詳細に いて説明するが、本発明はそれらによって 定されるものではなく、特許請求の範囲の 載によって特定されるものである。

 〔金属ナノワイヤの製造方法〕
 本発明の金属ナノワイヤの製造方法におい 、粒子製造工程における核形成工程(A)とは 核粒子を発生させるためのプロセスであり 粒子成長工程(B)とは新たな核粒子の発生を ど伴わずに粒子を成長させるプロセスを意 する。換言すれば、核形成工程(A)では該工 の開始前から終了後で粒子数は増加し、粒 成長工程(B)では該工程の開始前と終了後で 子数は実質的に変化しない。よって、両者 粒子数の変化によって区別できる。ここで 本発明において、粒子数が実質的に変化し いとは、粒子成長工程開始時の粒子数を100% とした場合に、粒子成長工程終了時の粒子数 が100%±25%以内であることを意味する。

 具体的には、本発明における核形成工程( A)とは、反応容器内の還元性を有する溶液中 、金属塩溶液を添加して金属イオンを還元 て、粒子成長工程(B)において成長の核とな 金属の微粒子(核粒子)を形成するための工 である。一方、本発明における粒子成長工 (B)とは、反応容器内の核粒子を含む還元性 有する溶液中に金属塩溶液を添加して金属 オンを還元し、核形成工程(A)において形成 た金属核粒子をワイヤ状の形態を有する金 粒子に成長させるための工程である。本発 における粒子成長工程(B)は、「金属イオン 還元→金属微粒子の析出→溶解→核粒子表 への再析出→ワイヤ状粒子へ成長」という ロセスを経ることなく、金属イオンを還元 て核粒子表面に直接還元して生成した金属 沈積させてワイヤ状粒子へ成長させること 特徴とする。

 前述のAgナノワイヤの製造方法に関する 特許文献3(Chem.Mater.2002,14,4736~4745)では、核粒 形成後に銀塩溶液を短時間で還元剤液中に 加して多数の銀微粒子を形成した後、オス ワルド熟成によって銀微粒子を溶解し核粒 上に再析出させることによって粒子成長を っている。また、前述のAgナノワイヤの製 方法に関する非特許文献4(Adv.Mater.2002,14,833~83 7)では、粒子形成の初期に銀塩溶液を短時間 還元剤液中に添加して多数の銀微粒子を形 し、オストワルド熟成によって銀微粒子を 解し、一部の銀微粒子上に再析出させるこ によって粒子成長を行っている。

 一般に、オストワルド熟成を利用した粒 成長法では、大きな粒子ほど成長速度が速 なり、粒子の成長に伴って粒径分布は拡大 るため、長さや直径の揃ったナノワイヤ粒 を得ることが極めて困難である。また、前 各非特許文献にも記載されるように、ワイ 形状以外の粒子(例えば、球状粒子など)も 長し、粒子成長終了後にはワイヤ形状の粒 とワイヤ形状以外の粒子が混在した状態と るため、遠心分離や濾過などによってワイ 形状の粒子を単離することが必要となり、 えてワイヤ形状粒子の収率も減少するため ワイヤ形状粒子の製造プロセスとしては好 しくない。

 本発明の金属ナノワイヤの製造方法では 粒子成長工程(B)で核粒子表面または該核粒 から成長した成長過程の粒子表面に、金属 オンを還元して生成した金属を直接沈積す ことによって粒子成長が行われるため、粒 成長工程(B)では粒子数は実質的に変化しな 。即ち、成長工程においてオストワルド熟 を用いた粒子成長を必要としないため、粒 や粒子形状の均一性を高めることが可能と る。

 本発明における粒子成長工程(B)では、新 な金属微粒子が生成しないように金属イオ の還元反応を制御することが重要である。 のためには、粒子成長工程(B)における金属 オンを含む金属塩溶液の添加速度や還元速 の調整が必要である。本発明において、金 塩溶液の添加速度を制御するためには、シ グルジェット法やマルチジェット法を用い ことが有効である。還元反応速度を制御す ためには、還元剤の種類や濃度、反応温度 pHなどを好ましい条件に設定することが有 である。

 本発明に係るシングルジェット法やマル ジェット法とは、適当な送液装置等を用い 必要に応じて送液量を制御して、1種類また は複数の添加液を各々反応容器内の液の液面 上または液中に滴下または噴射、あるいは注 入することにより該容器内の液中で反応させ る方法であり、本発明においては、1種類ま は複数の金属塩溶液や凝集防止剤を含む溶 、金属粒子の形態制御剤を含む溶液を添加 として用いることにより実施できる。

 本発明においては、核形成工程(A)と粒子 長工程(B)で使用する金属塩(金属イオン)の ル比を任意に変えることができる。また、 ル比を調整することにより、粒径やアスペ ト比の制御も可能である。例えば、平均ア ペクト比の高いワイヤ状粒子を形成する場 には、粒子製造工程全体で使用する金属塩 対する核形成工程(A)で使用する金属塩のモ 比を小さくする方が有利である。これは、 イヤ状粒子の形成には粒子成長工程(B)の寄 が大きいためである。従って、本発明では 核形成工程(A)で使用する金属塩のモル比を10 モル%以下に設定することが好ましく、5モル% 以下がより好ましく、0.001~1モル%であること さらに好ましい。

 本発明の金属ナノワイヤの製造方法にお ては、核形成工程(A)の後で、かつ粒子成長 程(B)の前に熟成工程(D)を設けることが好ま い。本発明における該熟成工程(D)は、核形 工程(A)で形成した核粒子の中の、相対的に 径が小さい粒子や粒子成長工程(B)でワイヤ 粒子に成長しない粒子を選択的に消失させ ことにより、粒径分布や粒子形態の均一性 向上するために実施されるものであり、前 非特許文献における粒子間熟成による粒子 長とは、その目的も機能も明確に異なるも である。

 本発明の金属ナノワイヤの製造方法にお ては、粒子成長工程(B)における形態制御剤( 後述)の添加量や反応液中での濃度、反応液 水素イオン濃度(pH)や金属イオン濃度、温度 どの諸条件を適切に制御することにより、 子成長工程(B)における成長方位を実質的に 次元方向(ワイヤ状粒子の長軸方向)に特定 けることができる。従って、粒子成長工程 了後におけるワイヤ状粒子の短軸方向の平 粒径(平均直径)を、該粒子成長工程開始前の 核粒子の粒径、即ち核形成工程(A)や上記熟成 工程(D)によって形成される核粒子の平均粒径 によって制御することも可能である。

 本発明の金属ナノワイヤの金属組成とし は、特に制限は無く、貴金属元素や卑金属 素の1種または複数の金属から構成されるこ とができるが、貴金属(例えば、金、白金、 、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ル ニウム、オスミウム等)、鉄、コバルト、銅 錫からなる群に属する少なくとも1種の金属 を含むことが好ましく、導電性の観点から少 なくとも銀を含むことがより好ましい。さら には、導電性と安定性(金属ナノワイヤの硫 や酸化耐性、およびマグレーション耐性)を 立するために、銀と銀を除く貴金属に属す 少なくとも1種の金属を含むことがより好ま しい。本発明の金属ナノワイヤが2種類以上 金属元素を含む場合には、核形成工程(A)に ける金属組成と粒子成長工程(B)における金 組成は、同一であってもよいし異なってい もよい。

 本発明の金属ナノワイヤは、金属イオン 還元して形成することができる。金属イオ の供給源には、特に制限は無く、例えば、 属のハロゲン化物、酢酸金属塩、過ハロゲ 酸金属塩、硫酸金属塩、硝酸金属塩、炭酸 属塩、修酸金属塩などの各種酸の金属塩な を用いることができる。通常、これらの金 塩は、水などの溶媒に溶解して金属塩溶液 して用いることができる。溶液中の銀イオ や銀以外の少なくとも1種の金属イオンの濃 度としては、適宜好ましい濃度に設定するこ とができるが、濃度を薄くすると反応液中で のイオンの還元反応や、金属ナノワイヤの形 成反応を均一化する上で好ましく、一方、濃 度を濃くすると金属ナノワイヤ収率を高める ことができるため好ましい。従って、本発明 において添加する溶液の体積モル濃度として は、0.001~1モル/Lであることが好ましい。また 、本発明の金属ナノワイヤが、2種類以上の 属元素を含む場合には、該粒子の製造工程 おいて、組成の異なる金属塩溶液を其々準 して用いてもよいし、組成の異なる金属塩 一緒に含む溶液を準備して用いてもよい。

 〔還元剤〕
 本発明において、金属イオンを還元するた の還元剤としては、対象となる金属を還元 きる化合物であれば特に制限は無く、一般 な化学還元剤から少なくとも1種を選んで用 いることができる。本発明で好ましく用いる ことができる還元剤としては、例えば、一級 または二級アルコール類、グリコール類、単 糖類、多糖類、酸素原子に隣接する炭素原子 に水素原子が結合しているエーテル類、アタ ノールアミン類、水素化ホウ素類、ヒドラジ ン類よりなる群から選ばれた少なくとも1種 挙げることができる。

 〔凝集防止剤〕
 本発明の金属ナノワイヤの製造方法におい は、粒子製造工程で凝集防止剤を用いるこ が好ましい。凝集防止剤としては、対象と る金属ナノワイヤに対して保護コロイド機 を有する化合物であれば特に制限はなく、 えば、親水性高分子、金属配位性分子、両 媒性分子、アニオン性化合物などを挙げる とができる。

 親水性高分子としては、ポリビニルピロ ドン〔例えば、ポリ(N-ビニル-2-ピロリドン) 〕、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アク ル酸塩のように、アミド基、水酸基、カル キシル基および/またはアミノ基を含有する ポリマーあるいはこれら親水性ホモ重合体形 成用モノマーの共重合体などのほか、シクロ デキストリン、アミノペクチン、メチルセル ロース、ゼラチンなどの天然物を挙げること ができる。

 金属配位性分子としては、例えば、アミ 基、チオール基、ジスルフィド基、アミド 、カルボン酸基、ホスフィン基、スルホン 基など金属に配位することのできる官能基 1つ以上持つ有機分子および一酸化炭素、一 酸化窒素をあげることができる。

 両親媒性分子としては、各種一官能性ま は多官能性界面活性剤(アニオン性、カチオ ン性、ノニオン性、両性いずれでも可)、例 ば、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリエチレ グリコールモノラウレートなどを挙げるこ ができる。

 アニオン性化合物としては、例えば、塩 物などのハロゲン化物、過塩素酸塩、各種 ルコキシドなどのほか修酸、酒石酸、クエ 酸などのカルボン酸の塩を挙げることがで 、その塩としてはアルカリ金属塩、アンモ ウム塩、アミン塩などを挙げることができ 。

 凝集防止剤の使用量は、金属1モルに対し 、0.1モル以上存在すればよく、好ましくは1~5 0モルである。なお、凝集防止剤が高分子の 合には、そのモノマー単位当りのモル数に 算したものを適用する。

 〔形態制御剤〕
 本発明においては、金属ナノワイヤを形成 るために形態制御剤を用いることが好まし 。本発明でいう形態制御剤とは、金属粒子 成長方向を一次元様に規定する機能を有す 化合物である。多くの場合、形態制御剤は 対象となる粒子の特定の結晶面に優先的あ いは選択的に吸着して、吸着面の成長を抑 することによって成長方位を制御する。前 凝集防止剤の例示化合物に挙げたポリビニ ピロリドンやポリビニルアルコール、ポリ チレングリコール、ポリビニルアミン、ポ アリルアミン、デキストランなどは、本発 において好ましく用いることができる。さ に、特開2006-233252号公報に記載が見られる に、4級アンモニウム塩も形態制御剤として 能することが知られている。本発明におい 、形態制御剤は複数種を組み合わせて用い こともできる。

 〔金属ナノワイヤ〕
 一般に、ワイヤ状の金属粒子とは、金属元 を主要な構成要素とする線状構造体のこと いう。特に、本発明の金属ナノワイヤは、 子スケールからnmサイズの直径を有する線 構造体である。

 本発明の透明導電体に適用する導電層は ワイヤ状の金属粒子が互いに接触し合うこ によって三次元的な導電ネットワークを形 することにより、導電性を発現する。従っ 、ワイヤが長い方が導電ネットワーク形成 有利であり好ましい。一方で、ワイヤが長 ぎるとワイヤ状粒子同士が絡み合って凝集 を生じ、光散乱を劣化させる場合がある。 電ネットワーク形成や凝集体生成には、ワ ヤ状の金属粒子の剛性や直径等も影響する め、使用するワイヤ状粒子に応じて最適な イヤ長のものを使用することが好ましい。 発明の金属ナノワイヤを本発明の透明導電 に用いる場合には、金属ナノワイヤにおけ 長軸方向の平均粒径(以下、長軸方向の粒径 を長さと称する場合もある)として、3μm以上 あることが好ましく、更には3~500μmが好ま く、特に、5~300μmであることが好ましい。併 せて、長軸方向の粒径分布は40%以下であるこ とが好ましい。

 本発明の金属ナノワイヤを透明導電材料 して用いる場合、光散乱の影響を軽減し透 性を高めるために金属ナノワイヤの短軸方 の平均粒径(以下、短軸方向の粒径を直径と 称する場合もある)は300nmより小さいことが好 ましく、一方で、導電性を高めるために短軸 方向の平均粒径は大きい方が好ましい。本発 明においては、金属ナノワイヤの短軸方向の 平均粒径として10~200nmが好ましく、30~180nmで ることがより好ましい。併せて、短軸方向 粒径分布は20%以下であることが好ましい。

 本発明において、金属ナノワイヤの長さ 直径、アスペクト比(=長さ/直径)の平均値は 、十分な数のワイヤ状粒子について電子顕微 鏡写真を撮影し、個々の金属ナノワイヤ像の 計測値の算術平均から求めることができる。 金属ナノワイヤの長さは、本来直線状に伸ば した状態で測定するべきであるが、現実には 屈曲している場合もあるため、電子顕微鏡写 真から画像解析装置を用いて金属ナノワイヤ の投影径及び投影面積を算出し、円柱体を仮 定して算出してもよい(長さ=投影面積/投影径 )。また、長軸方向や短軸方向の粒径分布は 測定粒径の標準偏差を平均粒径で除した値 100を乗じた値で表す。

   粒径分布[%]=粒径の標準偏差/平均粒径粒 ×100
 計測対象の金属ナノワイヤ数は、少なくと 100個以上が好ましく、300個以上のワイヤ状 子を計測することが更に好ましい。

 〔透明導電体〕
 本発明の透明導電体に係る導電層には、本 明の金属ナノワイヤ以外に、透明なバイン ー材料や添加剤を含んでいてもよい。透明 バインダー材料としては、天然高分子樹脂 たは合成高分子樹脂から広く選択して使用 ることができる。例えば、透明な熱可塑性 脂(例えば、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル- 酸ビニル共重合体、ポリメチルメタクリレ ト、ニトロセルロース、塩素化ポリエチレ 、塩素化ポリプロピレン、弗化ビニリデン) 、熱・光・電子線・放射線で硬化する透明 化性樹脂(例えば、メラミンアクリレート、 ウレタンアクリレート、エポキシ樹脂、ポリ イミド樹脂、アクリル変性シリケート等のシ リコーン樹脂)を使用することができる。添 剤としては、可塑剤、酸化防止剤などの安 剤、界面活性剤、溶解促進剤、重合禁止剤 染料や顔料などの着色剤などが挙げられる 更に、塗布性などの作業性を高める観点か 、溶媒(例えば、水や、アルコール類、グリ ール類、セロソルブ類、ケトン類、エステ 類、エーテル類、アミド類、炭化水素類等 有機溶媒)を含んでいてもよい。

 金属ナノワイヤを含む導電層の厚さは、 用する金属ナノワイヤの平均直径や含有量 よって異なるが、大凡の目安として、金属 ノワイヤの平均直径以上、500nm以下が好ま い。本発明の金属ナノワイヤを含む導電層 厚さを薄くすると、厚さ方向のワイヤ間の ットワーク形成を密にすることができるた 好ましい。

 〔導電層〕
 本発明に係る導電層における透明導電体の みには特に制限はなく、目的に応じて適宜 択することができるが、一般的に10μm以下 あることが好ましく、厚みが薄くなるほど 明性が向上するためより好ましい。

 本発明に係る透明導電体における全光線透 率は、60%以上であることが好ましく、70%以 であることがより好ましく、80%以上である とが特に好ましい。全光透過率は、分光光 計等を用いた公知の方法に従って測定する とができる。また、本発明の透明電極にお る電気抵抗値としては、表面抵抗率として1 0 4 ω/□以下であることが好ましく、10 3 ω/□以下であることがより好ましく、10 2 ω/□以下であることが特に好ましい。10 4 ω/□を越えると液晶ディスプレイ、透明タッ チパネル等の透明電極や電磁波シールド材と して用いたときに、電極として十分に機能し ない場合や、十分な電磁波シールド特性が得 られない場合がある。前記表面抵抗率は、例 えば、JIS K7194、ASTM D257、などに準拠して測 することができ、また市販の表面抵抗率計 用いて簡便に測定することもできる。

 本発明の透明導電体には、必要に応じて ードコート層やノングレアコート層、バリ コート層、アンカーコート層、キャリア輸 層、キャリア蓄積層などの各種機能性層を 与することもできる。ハードコート層やノ グレアコート層を付与する場合には、透明 持体を挟み本発明に係る導電層とは反対側 配置させることが好ましく、バリアコート を付与する場合には、透明支持体と本発明 係る導電層の間に配置させることが好まし 、アンカーコート層やキャリア輸送層、キ リア蓄積層を付与する場合には、透明支持 に対して本発明に係る導電層と同じ側に配 させることが好ましい。

 本発明の透明導電体は、本発明に係る導 層やそれ以外の層に導電性高分子を含有し もよい。本発明の透明導電体に用いること できる導電性高分子として、ポリピロール ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリチエ レンビニレン、ポリアズレン、ポリイソチ ナフテン、ポリカルバゾール、ポリアセチ ン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニ ン、ポリアセン、ポリフェニルアセチレン ポリジアセチレン及びポリナフタレンの各 導体からなる群より選ばれる化合物を挙げ れる。

 本発明の透明導電体は、1種類の導電性高 分子を単独で含有してもよいし、2種類以上 導電性高分子を組み合わせて含有してもよ が、導電性及び透明性の観点から、下記一 式(I)または一般式(II)で示される繰り返し単 を有するポリアニリンまたはその誘導体や 下記一般式(III)で示される繰り返し単位を するポリピロール誘導体、または下記一般 (IV)で示される繰り返し単位を有するポリチ フェン誘導体からなる群より選ばれる少な とも1種の化合物を含むことがより好ましい 。

 なお、上記一般式(III)及び一般式(IV)にお て、Rは主として線状有機置換基であり、ア ルキル基、アルコキシ基、アリル基又はこれ らの基の組み合わせが好ましいが、可溶性導 電性高分子としての性質を失わなければよく 、さらにこれらにスルホネート基、エステル 基、アミド基などが結合しても、組み合わさ れてもよい。なお、nは整数である。

 本発明の透明導電体で用いられる導電性高 子には、導電性をより高めるためにドーピ グ処理を施すことができる。導電性高分子 対するドーパントとしては、例えば、炭素 が6~30の炭化水素基を有するスルホン酸(以 、長鎖スルホン酸ともいう。)あるいはその 合体(例えば、ポリスチレンスルホン酸)、 ロゲン原子、ルイス酸、プロトン酸、遷移 属ハロゲン化物、遷移金属化合物、アルカ 金属、アルカリ土類金属、MClO 4 (M=Li + 、Na + )、R 4 N + (R=CH 3 、C 4 H 9 、C 6 H 5 )、またはR 4 P + (R=CH 3 、C 4 H 9 、C 6 H 5 )からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙 られる。なかでも、上記長鎖スルホン酸が ましい。

 長鎖スルホン酸としては、ジノニルナフタ ンジスルホン酸、ジノニルナフタレンスル ン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等が挙 られる。ハロゲンとしては、Cl 2 、Br 2 、I 2 、ICl 3 、IBr、IF 5 等が挙げられる。ルイス酸としては、PF 5 、AsF 5 、SbF 5 、BF 3 、BCl 3 、BBr 3 、SO 3 、GaCl 3 等が挙げられる。プロトン酸としては、HF、H Cl、HNO 3 、H 2 SO 4 、HBF 4 、HClO 4 、FSO 3 H、ClSO 3 H、CF 3 SO 3 H等が挙げられる。遷移金属ハロゲン化物と ては、NbF 5 、TaF 5 、MoF 5 、WF 5 、RuF 5 、BiF 5 、TiCl 4 、ZrCl 4 、MoCl 5 、MoCl 3 、WCl 5 、FeCl 3 、TeCl 4 、SnCl 4 、SeCl 4 、FeBr 3 、SnI 5 等が挙げられる。遷移金属化合物としては、 AgClO 4 、AgBF 4 、La(NO 3 ) 3 、Sm(NO 3 ) 3 等が挙げられる。アルカリ金属としては、Li Na、K、Rb、Cs等が挙げられる。アルカリ土類 金属としては、Be、Mg、Ca、Sc、Ba等が挙げら る。

 また、導電性高分子に対するドーパントは 水素化フラーレン、水酸化フラーレン、ス ホン酸化フラーレンなどのフラーレン類に 入されていてもよい。透明電極において、 記ドーパントは、導電性高分子100質量部に して、0.001質量部以上含まれていることが ましい。さらには、0.5質量部以上含まれて ることがより好ましい。尚、本発明の透明 電体は、長鎖スルホン酸、長鎖スルホン酸 重合体(例えば、ポリスチレンスルホン酸)、 ハロゲン、ルイス酸、プロトン酸、遷移金属 ハロゲン化物、遷移金属化合物、アルカリ金 属、アルカリ土類金属、MClO 4 、R 4 N + 、およびR 4 P + からなる群から選ばれる少なくとも1種のド パントと、フラーレン類との双方を含んで てもよい。

 本発明の透明導電体に用いられる導電性 分子として、特表2001-511581号公報や特開2004- 99640号公報、特開2007-165199号公報などに開示 れる金属によって改質された導電性高分子 用いることもできる。

 本発明の透明導電体に係る導電性高分子 含む導電層には、水溶性有機化合物を含有 てもよい。水溶性有機化合物の中で、導電 高分子材料に添加することによって導電性 向上させる効果を有する化合物が知られて り、2nd.ドーパント(或いは増感剤)と称され 場合がある。本発明の透明導電体で用いる とができる2nd.ドーパントには特に制限はな く、公知のものの中から適宜選択することが でき、例えば、酸素含有化合物が好適に挙げ られる。

 前記酸素含有化合物としては、酸素を含 する限り特に制限はなく、例えば、水酸基 有化合物、カルボニル基含有化合物、エー ル基含有化合物、スルホキシド基含有化合 などが挙げられる。前記水酸基含有化合物 しては、例えば、エチレングリコール、ジ チレングリコール、プロピレングリコール トリメチレングリコール、1,4-ブタンジオー ル、グリセリンなどが挙げられ、これらの中 でも、エチレングリコール、ジエチレングリ コールが好ましい。前記カルボニル基含有化 合物としては、例えば、イソホロン、プロピ レンカーボネート、シクロヘキサノン、γ-ブ チロラクトンなどが挙げられる。前記エーテ ル基含有化合物としては、例えば、ジエチレ ングリコールモノエチルエーテル、などが挙 げられる。前記スルホキシド基含有化合物と しては、例えば、ジメチルスルホキシドなど が挙げられる。これらは、1種単独で使用し もよいし、2種以上を併用してもよいが、ジ チルスルホキシド、エチレングリコール、 エチレングリコールから選ばれる少なくと 1種を用いることが特に好ましい。

 本発明の透明導電体に係る導電性高分子 含む導電層において、導電性高分子100質量 に対する上記2nd.ドーパントの含有量は、0.0 01質量部以上が好ましく、0.01~50質量部がより 好ましく、0.01~10質量部が特に好ましい。

 本発明の透明導電体に係る導電性高分子 含む導電層は、成膜性や膜強度を確保する めに、導電性高分子の他に透明な樹脂成分 添加剤を含んでいてもよい。透明な樹脂成 としては、導電性高分子と相溶又は混合分 可能であれば特に制限されず、硬化性樹脂 あってもよいし、熱可塑性樹脂であっても い。

 例えば、硬化型樹脂として、熱硬化型樹 、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂な が挙げられるが、これらの硬化型樹脂のう では、樹脂硬化のための設備が簡易で作業 に優れることから、紫外線硬化型樹脂を用 ることが好ましい。紫外線硬化型樹脂とは 外線照射により架橋反応等を経て硬化する 脂で、エチレン性不飽和二重結合を有する ノマーを含む成分が好ましく用いられる。 えば、アクリルウレタン系樹脂、ポリエス ルアクリレート系樹脂、エポキシアクリレ ト系樹脂、ポリオールアクリレート系樹脂 が挙げられる。本発明では、バインダーと てアクリル系、アクリルウレタン系の紫外 硬化型樹脂を主成分とすることが好ましい

 アクリルウレタン系樹脂は、一般にポリ ステルポリオールにイソシアネートモノマ 、またはプレポリマーを反応させて得られ 生成物にさらに2-ヒドロキシエチルアクリ ート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート( 下、アクリレートにはメタクリレートを包 するものとしてアクリレートのみを表示す )、2-ヒドロキシプロピルアクリレート等の 酸基を有するアクリレート系のモノマーを 応させることによって容易に得ることがで る。例えば、特開昭59-151110号に記載のもの 用いることができる。例えば、ユニディッ 17-806(大日本インキ(株)製)100部とコロネートL (日本ポリウレタン(株)製)1部との混合物等が ましく用いられる。

 紫外線硬化型ポリエステルアクリレート 樹脂としては、一般にポリエステルポリオ ルに2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒ ドロキシアクリレート系のモノマーを反応さ せると容易に形成されるものを挙げることが でき、特開昭59-151112号に記載のものを用いる ことができる。

 紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹 の具体例としては、エポキシアクリレート オリゴマーとし、これに反応性希釈剤、光 応開始剤を添加し、反応させて生成するも を挙げることができ、特開平1-105738号に記 のものを用いることができる。

 紫外線硬化型ポリオールアクリレート系 脂の具体例としては、トリメチロールプロ ントリアクリレート、ジトリメチロールプ パンテトラアクリレート、ペンタエリスリ ールトリアクリレート、ペンタエリスリト ルテトラアクリレート、ジペンタエリスリ ールヘキサアクリレート、アルキル変性ジ ンタエリスリトールペンタアクリレート等 挙げることができる。

 樹脂モノマーとしては、例えば、不飽和 重結合が一つのモノマーとして、メチルア リレート、エチルアクリレート、ブチルア リレート、ベンジルアクリレート、シクロ キシルアクリレート、酢酸ビニル、スチレ 等の一般的なモノマーを挙げることができ 。また不飽和二重結合を二つ以上持つモノ ーとして、エチレングリコールジアクリレ ト、プロピレングリコールジアクリレート ジビニルベンゼン、1,4-シクロヘキサンジア クリレート、1,4-シクロヘキシルジメチルア アクリレート、前出のトリメチロールプロ ントリアクリレート、ペンタエリスリトー テトラアクリルエステル等を挙げることが きる。

 これらの中で、バインダーの主成分とし 、1,4-シクロヘキサンジアクリレート、ペン タエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレ ト、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレ ート、トリメチロールエタン(メタ)アクリレ ト、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ) クリレート、ジペンタエリスリトールペン (メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトー ルヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3-シクロヘ サンテトラメタクリレート、ポリウレタン リアクリレート、ポリエステルポリアクリ ートから選択されるアクリル系の活性線硬 樹脂が好ましい。

 これら紫外線硬化型樹脂の光反応開始剤 しては、具体的には、ベンゾイン及びその 導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、 ドロキシベンゾフェノン、ミヒラーズケト 、α-アミロキシムエステル、チオキサント 等及びこれらの誘導体を挙げることができ 。光増感剤と共に使用してもよい。上記光 応開始剤も光増感剤として使用できる。ま 、エポキシアクリレート系の光反応開始剤 使用の際、n-ブチルアミン、トリエチルア ン、トリ-n-ブチルホスフィン等の増感剤を いることができる。紫外線硬化型樹脂組成 に用いられる光反応開始剤また光増感剤は 組成物100質量部に対して0.1~15質量部であり 好ましくは1~10質量部である。

 〔透明支持体〕
 本発明の透明導電体で用いられる透明支持 には特に制限はなく、その材料、形状、構 、厚み等については公知のものの中から適 選択することができる。例えば、基材とし の硬度に優れ、またその表面への導電層の 成のし易さ等の点で、ガラス基板、樹脂基 、樹脂フィルムなどが好適に挙げられるが 軽量性と柔軟性の観点から樹脂フィルムを いることが好ましい。該樹脂には特に制限 なく、公知のものの中から適宜選択するこ ができ、例えば、ポリエチレンテレフタレ ト樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂 ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリ塩化 ニル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポ カーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポ イミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポ 酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂 ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリビニルア コール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、 リビニルブチラール樹脂、ポリメタクリル メチル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、 リオレフィンポリスチレン樹脂、ポリアミ 樹脂、ポリブタジエン樹脂、酢酸セルロー 、硝酸セルロース、アクリロニトリル-ブタ ジエン-スチレン共重合樹脂などが挙げられ 。これらは、1種単独で使用してもよいし、2 種以上を組み合わせて用いてもよい。これら の中でも、透明性及び可撓性に優れる点で、 ポリエチレンテレフタレート樹脂が好ましい 。

 〔添加剤〕
 本発明で用いられる透明樹脂には、目的に じて、可塑剤、酸化防止剤などの安定剤、 面活性剤、溶解促進剤、重合禁止剤、染料 顔料などの着色剤などの添加物を含んでい も良い。更に、本発明に係る透明樹脂には 塗布性などの作業性を高める観点から、溶 (例えば、水や、アルコール類、グリコール 類、セロソルブ類、ケトン類、エステル類、 エーテル類、アミド類、炭化水素類等の有機 溶媒)を含んでいてもよい。

 〔疎水化処理〕
 本発明においては、水系にて製造した金属 ノワイヤを、必要に応じて疎水化処理する とができる。例えば、金属ナノワイヤを疎 化処理する方法としては、特開2007-500606号 報に記載の内容などを参考にできる。

 〔透明導電体の製造方法〕
 本発明に係る透明導電体の製造方法に特に 限はないが、生産性と生産コスト、平滑性 均一性などの電極品質、環境負荷軽減の観 から、導電層の形成には塗布法や印刷法な の液相成膜法を用いることが好ましい。塗 法としては、ロールコート法、バーコート 、ディップコーティング法、スピンコーテ ング法、キャスティング法、ダイコート法 ブレードコート法、バーコート法、グラビ コート法、カーテンコート法、スプレーコ ト法、ドクターコート法などを用いること できる。印刷法としては、凸版(活版)印刷 、孔版(スクリーン)印刷法、平版(オフセッ )印刷法、凹版(グラビア)印刷法、スプレー 刷法、インクジェット印刷法などを用いる とができる。また、本発明の特徴を有する 明導電体を透明支持体上にパターン形成し 、透明配線や透明回路を形成することもで る。なお、必要に応じて、密着性・塗工性 向上させるための予備処理として、透明支 体表面にコロナ放電処理、プラズマ放電処 などの物理的表面処理を施すこともできる

 以下、実施例を挙げて本発明を具体的に 明するが、本発明はこれらに限定されるも ではない。なお、実施例において「部」あ いは「%」の表示を用いるが、特に断りがな い限り「質量部」あるいは「質量%」を表す

 実施例1
 《金属ナノワイヤの作製》
 〔金属ナノワイヤNW-11の作製:本発明〕
 前記非特許文献4(Adv.Mater.2002,14,833~837)に記載 の方法に準拠して、還元剤としてエチレング リコール(EG)を、保護コロイド剤兼形態制御 としてポリビニルピロリドン(PVP)を使用し、 かつ下記核形成工程1と下記粒子成長工程1と 分離して、ワイヤ状の形態を有する銀粒子 ある金属ナノワイヤNW-11を作製した。

 (核形成工程1)
 反応容器内で160℃に保持したEG液100mlを攪拌 しながら、硝酸銀のEG溶液(硝酸銀濃度:1.5×10 -4 モル/L)10mlを、一定の流量で10秒間かけて添加 した。その後、160℃で5分間保持しながら銀 オンを還元して銀の核粒子を形成した。反 液は、ナノサイズの銀微粒子の表面プラズ ン吸収に由来する黄色を呈しており、銀イ ンが還元されて銀の微粒子(核粒子)が形成さ れたことを確認した。

 (粒子成長工程1)
 上記核形成工程1を終了した後の核粒子を含 む反応液を、攪拌しながら160℃に保持し、硝 酸銀のEG溶液(硝酸銀濃度:1.0×10 -1 モル/L)100mlと、PVPのEG溶液(PVP濃度:VP換算5.0×10 -1 モル/L)100mlを、ダブルジェット法を用いて一 の流量で120分間かけて添加した。粒子成長 程において、20分毎に反応液を採取して電 顕微鏡で確認したところ、核形成工程で形 された核粒子が時間経過に伴ってワイヤ状 形態に成長しており、粒子成長工程におけ 新たな微粒子の生成は認められなかった。

 (水洗工程1)
 上記粒子成長工程1を終了した後、反応液を 室温まで冷却した後、平均孔径が1μm以下の ィルターを用いて濾過し、濾別された銀粒 をエタノール中に再分散した。フィルター よる銀粒子の濾過とエタノール中への再分 を5回繰り返した後、最終的に銀粒子のエタ ール分散液を調製した。なお、濾液を回収 て定量分析したところ、濾液に含まれる銀 、粒子形成に使用した銀の0.1%未満であるこ とが確認された。

 〔金属ナノワイヤNW-12の作製:本発明〕
 上記金属ナノワイヤNW-11の作製において、 形成工程1を終了した後、下記の粒子成長工 2の前に、下記熟成工程1を施した以外は同 にして、ワイヤ状銀粒子である金属ナノワ ヤNW-12を作製した。

 (核形成工程1)
 上記金属ナノワイヤNW-11の作製に用いた核 成工程1と同様にして、核形成を行った。

 (熟成工程1)
 上記核形成工程1が終了した後、核粒子を含 む反応液を攪拌しながら、PVPのEG溶液(PVP濃度 :VP換算5.0×10 -1 モル/L)10mlを3秒間で添加した。その後、170℃ 昇温して、そのまま10分間保持して熟成を った。

 (粒子成長工程2)
 上記熟成工程1を終了した後、核粒子を含む 反応液を160℃に降温した後、攪拌しながら160 ℃に保持し、硝酸銀のEG溶液(硝酸銀濃度:1.0× 10 -1 モル/L)100mlと、PVPのEG溶液(PVP濃度:VP換算5.0×10 -1 モル/L)90mlを、ダブルジェット法を用いて一 の流量で120分間かけて添加した。粒子成長 程2において、20分毎に反応液を採取して電 顕微鏡で確認したところ、核形成工程1で形 された核粒子が時間経過に伴ってワイヤ状 形態に成長しており、粒子成長工程におけ 新たな微粒子の生成は認められなかった。

 (水洗工程1)
 上記金属ナノワイヤNW-11の作製に用いた水 工程1と同様にして、水洗処理を行った。濾 を回収して定量分析したところ、濾液に含 れる銀は、粒子形成に使用した銀の0.1%未満 であることが確認された。

 〔金属ナノワイヤNW-13の作製:比較例〕
 前記非特許文献4(Adv.Mater.2002,14,833~837)に記載 の方法に準拠して、還元剤としてエチレング リコール(EG)を、保護コロイド剤兼形態制御 としてポリビニルピロリドン(PVP)を使用して 、以下の核形成工程2、粒子成長工程3、水洗 程2を経て、ワイヤ状の形態を有する銀粒子 である金属ナノワイヤNW-13を作製した。

 (核形成工程2)
 反応容器内で160℃に保持したEG液100mlを攪拌 しながら、硝酸銀のEG溶液(硝酸銀濃度:1.0×10 -1 モル/L)100mlを、一定の流量で10分間で添加し 。

 (粒子成長工程3)
 その後、攪拌しながら、160℃に保持したま で120分間の熟成による粒子成長を行った。 子成長工程の時間経過に伴い、反応液の銀 粒子の表面プラズモン吸収に由来する黄色 薄くなり、オストワルド熟成による粒子の 失と粒子の成長が示唆された。粒子成長工 3において、20分毎に反応液を採取して電子 微鏡で確認したところ、時間経過に伴って 粒子数は減少し、成長過程の多くの粒子は イヤ状の形態を有する銀粒子に成長し、一 の粒子は球状や不定形などのワイヤ状とは なる形状の銀粒子に成長していく様子が確 された。

 (水洗工程2)
 上記粒子成長工程3が終了した後、反応液を 室温まで冷却し、平均孔径1μm以下のフィル ーを用いて濾過し、濾別された銀粒子をエ ノール中に再分散した。フィルターによる 粒子の濾過とエタノール中への再分散を5回 り返し、最終的に銀粒子のエタノール分散 を調製した。なお、濾液を回収して定量分 したところ、粒子形成に使用した銀の約9% 濾液に含まれることが確認された。

 〔金属ナノワイヤNW-14の作製:比較例〕
 上記金属ナノワイヤNW-11の作製において、 子成長工程1に代えて、下記の粒子成長工程4 を適用した以外は同様にして、ワイヤ状銀粒 子である金属ナノワイヤNW-14を作製した。

 (核形成工程1)
 上記金属ナノワイヤNW-11の作製に用いた核 成工程1と同様にして、核形成を行った。

 (粒子成長工程4)
 核形成工程1が終了した後、核粒子を含む反 応液を攪拌しながら160℃に保持し、硝酸銀の EG溶液(硝酸銀濃度:1.0×10 -1 モル/L)100mlと、PVPのEG溶液(PVP濃度:VP換算5.0×10 -1 モル/L)100mlを、ダブルジェット法を用いて一 の流量で10分間かけて添加した。攪拌しな ら160℃に保持したままで、110分間かけて熟 による粒子成長を行った。粒子成長工程4に いて、反応液を採取して電子顕微鏡で確認 たところ、最初の10分間の添加後に多数の 粒子が生成し、時間経過に伴って微粒子数 減少し、成長過程の多くの粒子はワイヤ状 形態を有する銀粒子に成長し、一部の粒子 球状や不定形などのワイヤ状とは異なる形 の銀粒子に成長していく様子が確認された

 (水洗工程1)
 上記金属ナノワイヤNW-11の作製に用いた水 工程1と同様にして、水洗処理を行った。濾 を回収して定量分析したところ、濾液に含 れる銀は、粒子形成に使用した銀の約3%で ることが確認された。

 〔金属ナノワイヤNW-15の作製:比較例〕
 上記金属ナノワイヤNW-11の作製において、 子成長工程1に代えて、下記の粒子成長工程5 を適用した以外は同様にして、ワイヤ状銀粒 子である金属ナノワイヤNW-15を作製した。

 (核形成工程1)
 上記金属ナノワイヤNW-11の作製に用いた核 成工程1と同様にして、核形成を行った。

 (粒子成長工程5)
 核形成工程1が終了した後、核粒子を含む反 応液を攪拌しながら160℃に保持し、硝酸銀の EG溶液(硝酸銀濃度:1.0×10 -1 モル/L)125mlと、PVPのEG溶液(PVP濃度:VP換算5.0×10 -1 モル/L)125mlを、ダブルジェット法を用いて一 の流量で10分間で添加した。攪拌しながら12 0分間160℃に保持したままで熟成による粒子 長を行った。粒子成長工程5において、反応 を採取して電子顕微鏡で確認したところ、 初の10分間の添加後に多数の微粒子が生成 れ、時間経過に伴って微粒子数は減少し、 長過程の多くの粒子はワイヤ状の形態を有 る銀粒子に成長し、一部の粒子は球状や不 形などのワイヤ状とは異なる形状の銀粒子 成長していく様子が確認された。

 (水洗工程1)
 上記金属ナノワイヤNW-11の作製に用いた水 工程1と同様にして、水洗処理を行った。濾 を回収して定量分析したところ、濾液に含 れる銀は、粒子形成に使用した銀の約4%で ることが確認された。

 《金属ナノワイヤの形状測定》
 上記の様にして作製した各金属ナノワイヤ ついて、長軸方向および短軸方向の平均粒 、粒径分布と、収率を下記の方法に従って 定し、得られた結果を表1に示す。

 (平均粒径の測定)
 上記調製した各金属ナノワイヤについて、 子顕微鏡写真を撮影し、それぞれ300個の金 ナノワイヤ像の長軸方向および短軸方向の 径を測定し、算術平均を求めた。

 (粒径分布の測定)
 長軸方向及び短軸方向の粒径分布は、上記 定した粒径の標準偏差を平均粒径で除した に100を乗じた値として求めた。

   粒径分布[%]=粒径の標準偏差/平均粒径粒 ×100
 (収率の測定)
 収率は、水洗工程において濾液に流出した 粒子をワイヤ状の形態を有さない粒子と見 しロスとして扱うことで、濾液の定量分析 から算出した。

 表1に記載の結果より明らかな様に、本発 明の製造方法を用いて形成された本発明のワ イヤ状銀粒子NW-11とNW-12は、前述の非特許文 などに記載される従来の製造方法を用いて 造された比較例のワイヤ状銀粒子NW-13~NW-15に 対して、長軸方向および短軸方向の粒径分布 が狭く、本発明の製造方法によれば形状の均 一性に優れたワイヤ状銀粒子が形成されてい ることが分かる。また、本発明の製造方法を 用いれば、ワイヤ状の形態を有する金属粒子 の収率を高めることができるため、生産効率 や製造コストの改善を図ることができる。

 実施例2
 《透明導電体の作製》
 〔透明導電体TC-11の作製:本発明〕
 実施例1で作製した金属ナノワイヤNW-11の分 液を用いて、以下に示す方法に従って透明 電体TC-11を作製した。

 全光透過率90%のポリエチレンテレフタレー (PET)支持体上に、ワイヤ状銀粒子の目付け が0.3g/m 2 となるように金属ナノワイヤNW-11の分散液を スピンコーターを用いて塗布し乾燥した。 いて、金属ナノワイヤNW-11の塗布層にカレ ダー処理を施した後、ウレタンアクリレー のメチルイソブチルケトン溶液をスピンコ ターを用いて塗布し乾燥して、透明導電体TC -21を作製した。なお、ウレタンアクリレート 層の膜厚は、金属ナノワイヤ層を完全に埋没 させず、その一部がウレタンアクリレート層 から露出する厚みで、かつ金属ナノワイヤ層 を支持体に固定化できる厚みに設定した。

 〔透明導電体TC-12~15の作製〕
 上記透明導電体TC-11の作製において、使用 た金属ナノワイヤNW-11に代えて、それぞれ金 属ナノワイヤNW-12~NW-15を用いた以外は同様に て、透明導電体TC-12~TC-15を作製した。

 《透明導電体の全光透過率及び表面抵抗率 測定》
 以上の様にして作製した各透明導電体につ て、全光透過率と表面抵抗率の測定を行い 得られた結果を表2に示す。

 全光透過率は、日立製作所製分光光度計U -4000型を用いて、可視光領域(360nm~700nm)におけ る全光透過率(積分値)を測定した。また、表 抵抗率は、JIS K7194に準拠して測定した。

 表2に記載の結果より明らかな様に、本発 明の透明導電体TC-11とTC-12は、比較例の透明 電体TC-13~TC-15に対して、表面抵抗率と全光透 過率の何れにおいても優れることが分かる。 透明導電体TC-13とTC-14の表面抵抗率が高いの 、長軸方向の平均粒径(平均長さ)が短いこと が原因の一つと予想されるが、透明導電体TC- 11とTC-12と同等以上の平均長さを有する透明 電体TC-15の表面抵抗率も、透明導電体TC-11とT C-12に対して劣ることから、平均長さだけで なく、その分布も導電体の導電性に影響し いるものと考えられる。即ち、透明導電体TC -13~TC-15に較べて、本発明の透明導電体TC-11やT C-12は、粒子間の導電ネットワーク形成にあ り寄与できないような長さの短い粒子の混 比率が小さいため、良好な導電性が得られ いるものと推定される。また、透明導電体TC -11とTC-12の全光透過率が、透明導電体TC-13~TC-1 5に対して優れているのも、短軸方向の平均 径(平均直径)の分布が小さく、光散乱に影響 するような直径の大きな粒子が混在していな いためと考えられる。

 以上のように、本発明の金属ナノワイヤ 製造方法によれば、金属ナノワイヤの長さ 直径を均一に制御することが可能であり、 た、本発明の金属ナノワイヤは、形状の均 性に優れているため、集積回路や量子素子 配線材料や、電界電子放出ディスプレイ(FED )の電子放出源、透明導電膜の導電材料など 各種のエレクトロニクスデバイスに適用し 場合に優れた性能を発現することが可能で り、さらに、形態の均一性に優れた本発明 金属ナノワイヤを用いることにより、導電 と透明性に優れた透明導電体を得ることが きる。