株式会社クラレ (〒01 岡山県倉敷市酒津1621番地 Okayama, 〒7100801, JP)
| 金属性カーボンナノチューブと半導体性カーボンナノチューブとが混在するカーボンナノチューブと、フラーレンとを混合するフラーレン混合工程と、 前記混合されたフラーレンによって溶液中で分散したカーボンナノチューブを取出す取出工程 とを具備することを特徴とする金属性カーボンナノチューブの製造方法。 |
| 金属性カーボンナノチューブと半導体性カーボンナノチューブとがバンドル状態で存在するカーボンナノチューブのバンドル状態を解舒する解舒工程を更に具備してなり、 前記解舒工程前、若しくは前記解舒工程中、又は前記解舒工程後、フラーレンが混合されることを特徴とする請求項1の金属性カーボンナノチューブの製造方法。 |
| 金属性カーボンナノチューブと半導体性カーボンナノチューブとがバンドル状態で存在するカーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブである ことを特徴とする請求項2の金属性カーボンナノチューブの製造方法。 |
| 前記解舒工程は、前記バンドル状態で存在するカーボンナノチューブに超音波を照射する超音波照射工程である ことを特徴とする請求項2の金属性カーボンナノチューブの製造方法。 |
| 前記超音波照射工程は、超音波出力が300~800W、超音波照射時間が10分以上である ことを特徴とする請求項4の金属性カーボンナノチューブの製造方法。 |
| 前記フラーレンがOH基を有するフラーレンである ことを特徴とする請求項1~請求項5いずれかの金属性カーボンナノチューブの製造方法。 |
| 前記カーボンナノチューブを含有する溶液の溶媒は、水、アルコール、及び水とアルコールとの混合溶液の群の中から選ばれる何れかである ことを特徴とする請求項1~請求項6いずれかの金属性カーボンナノチューブの製造方法。 |
| 金属性カーボンナノチューブが50%以上であるカーボンナノチューブと、 OH基を有するフラーレンと、 溶媒 とを含有することを特徴とするカーボンナノチューブ分散液。 |
| 前記溶媒は、水、アルコール、及び水とアルコールとの混合溶液の群の中から選ばれる何れかである ことを特徴とする請求項8のカーボンナノチューブ分散液。 |
| 金属性カーボンナノチューブが50%以上であるカーボンナノチューブと、 OH基を有するフラーレン とを含有することを特徴とするカーボンナノチューブ含有膜。 |
| 金属性カーボンナノチューブが50%以上であるカーボンナノチューブと、 OH基を有するフラーレン とを含有することを特徴とする透明導電膜。 |
本発明は、特に、金属性カーボンナノチ ーブに関する。
近年、液晶ディスプレイに代表される薄 表示デバイスの市場拡大により、透明導電 の需要が急増している。透明導電膜は、例 ば電極に用いられる。或いは、抵抗膜方式 タッチパネルに用いられる。又は、電磁波 ールド膜に用いられる。その他にも、様々 用途に用いられる。この種の透明導電膜は 一般的には、InSn酸化物(ITO)などの金属酸化 で構成される。ITO等の透明導電膜はスパッ リング等の方法で成膜される。従って、こ らの方法による成膜には高温が必要である この為、耐熱性が乏しい樹脂基板の使用に 制約が大きい。更には、成膜に真空雰囲気 要する。この為、基板が大きくなるに伴っ 、巨大な成膜装置が必要となる。従って、 膜コストが高く付く。又、Inは希少金属で ることから、入手が困難である。従って、 の点からも、コストが高く付く。
このようなことから、ITOに代わる代替技 が提案されている。特に、カーボンナノチ ーブ膜を塗布法によって設ける技術が提案 れている。尚、カーボンナノチューブを用 た透明導電膜は評価が高い。
ところで、カーボンナノチューブの中で 、単層カーボンナノチューブは最も導電性 高いと言われている。ところが、単層カー ンナノチューブは溶媒中で分散し難い。従 て、塗布によって単層カーボンナノチュー 導電膜を構成することは簡単では無い。そ で、分散剤の使用が提案されている。例え 、ドデシル硫酸ナトリウムの使用が提案(非 特許文献1)されている。又、ドデシルベンゼ スルホン酸ナトリウムの使用が提案(非特許 文献1)されている。又、オクチルフェノール リエチレングリコールエーテルの使用が提 (非特許文献1)されている。又、コール酸ナ リウムの使用が提案(非特許文献2)されてい 。又、ポリビニルピロリドンの使用が提案( 非特許文献3)されている。
しかしながら、ドデシルベンゼンスルホ 酸ナトリウム(分散剤)を大量に用いても、 濃度の単層カーボンナノチューブ分散液し 得られない。例えば、非特許文献1において 、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 溶媒に対して20質量%も使用しているが、低 度の単層カーボンナノチューブ分散液しか られていない。
ポリビニルピロリドン(分散剤)を用いた 合(非特許文献3)、高濃度の単層カーボンナ チューブ分散液が得られる。しかしながら 分散剤(ポリビニルピロリドン)を除去できな い。この為、単層カーボンナノチューブの膜 が形成されても、この単層カーボンナノチュ ーブ膜の導電性を低い。従って、これでは、 透明導電膜として利用でき難い。
このように、従来の技術では、分散剤を 量に用いても、低濃度の単層カーボンナノ ューブ分散液しか得られない。この為、バ コートなどの実用的な塗工方法を採用でき かった。
テトラヒドロフラン、ジメチルホルムア ド等の有機溶媒を用いた単層カーボンナノ ューブ分散液が提案されている。しかしな ら、テトラヒドロフランは毒性が高い。又 ジメチルホルムアミドは沸点が高すぎる。 って、これ等の溶媒の使用は好ましく無い すなわち、実用化が困難である。
このようなことから、水、アルコール(例 えば、メタノール、2-プロパノール等のアル ール)等の溶媒で分散させた単層カーボンナ ノチューブ分散液が望まれる。
しかしながら、これまで、溶媒として水( 水のみ)を用いた場合、濡れ性が悪く、分散 が悪かった。
ところで、カーボンナノチューブには金 性カーボンナノチューブと半導体性カーボ ナノチューブとが存在することが指摘され いる。ここで、金属性カーボンナノチュー とは、軸方向にバンドギャップのない単層 ーボンナノチューブを言う。具体的には、 層カーボンナノチューブのカイラルベクト (Ch)を次式[Ch=(n,m) 但し、n,mはいずれも整数 ある。]で表した場合、n-mが3の倍数である のが挙げられる。半導体性カーボンナノチ ーブとは、軸方向にバンドギャップのある 層カーボンナノチューブを言う。具体的に 、単層カーボンナノチューブのカイラルベ トル(Ch)を次式[Ch=(n,m) 但し、n,mはいずれも 数である。]で表した場合、n-mが3の倍数でな いものが挙げられる。そして、半導体性カー ボンナノチューブは、金属性カーボンナノチ ューブに比べて、導電性が劣ると想像される 。従って、カーボンナノチューブを透明導電 膜に用いる場合、金属性カーボンナノチュー ブを優先的に用いる方が好ましいであろう。 すなわち、カーボンナノチューブを導電膜の 構成要素として用いる場合、半導体性カーボ ンナノチューブと金属性カーボンナノチュー ブとが共に含有される場合でも、金属性カー ボンナノチューブの割合を相対的に高くして おくことが好ましいであろう。
しかしながら、金属性カーボンナノチュ ブと半導体性カーボンナノチューブとが混 するカーボンナノチューブから金属性カー ンナノチューブを優先的に取出す方法(分離 方法)は、余り、提案されていない。例えば オクチルアミンの吸着力の差を利用する方 が提案(特許文献1)されている。又、電気泳 法を利用する方法が提案(特許文献2)されて る。しかしながら、これらの方法は、得ら る分散液のカーボンナノチューブ含有量が い問題点が有る。又、短いカーボンナノチ ーブにしか適用できない問題点が有る。
従って、本発明が解決しようとする課題 、上記の問題点を解決することである。
特に、高濃度の分散物が得られる金属性 ーボンナノチューブの製造方法を提供する とである。
又、金属性カーボンナノチューブを用い 高い導電性・透明性を有する透明導電膜を 単な塗布技術で作製できる技術を提供する とである。
前記の課題を解決する為の検討を鋭意推 進めて行った。その結果、本発明者は、フ ーレン(中でも、OH基を有するフラーレン)を 用いると、溶媒として水を用いた場合でも、 カーボンナノチューブの分散性が向上するこ とを見出した。特に、フラーレン(中でも、OH 基を有するフラーレン)は、半導体性カーボ ナノチューブに対して作用するよりも、金 性カーボンナノチューブに対して優先的に 用することが究明されるに至った。すなわ 、半導体性カーボンナノチューブと金属性 ーボンナノチューブとが混在する条件下に いて、フラーレン(中でも、OH基を有するフ ーレン)を添加した場合、フラーレンは優先 に金属性カーボンナノチューブに結合した この結果、金属性カーボンナノチューブが 液中で優先的に分散することが判って来た そして、半導体性カーボンナノチューブは 液中において分散していないことから、固 分離手段(例えば、遠心分離などの手段)に って、半導体性カーボンナノチューブを除 できることが判って来た。
尚、半導体性カーボンナノチューブと金 性カーボンナノチューブとがバンドル状態 存在する場合、フラーレンを添加したのみ は、このバンドル状態を解舒でき難い。従 て、半導体性カーボンナノチューブと金属 カーボンナノチューブとのバンドル状態を 舒しておくことが好ましい。この解舒は、 えば超音波照射によって実現できることも って来た。
更に、金属性カーボンナノチューブをよ 多く含有するカーボンナノチューブのフラ レン分散液を用いたならば、高い導電性・ 明性を有する透明導電膜を簡単な塗布手段 構成できることも判って来た。
このような知見を基にして本発明が達成 れたものである。
すなわち、前記の課題は、
金属性カーボンナノチューブと半導体性カ
ボンナノチューブとが混在するカーボンナ
チューブと、フラーレンとを混合するフラ
レン混合工程と、
前記混合されたフラーレンによって溶液中
分散したカーボンナノチューブを取出す取
工程
とを具備することを特徴とする金属性カーボ
ンナノチューブの製造方法によって解決され
る。
例えば、金属性カーボンナノチューブと半
体性カーボンナノチューブとが混在するカ
ボンナノチューブ含有溶液にフラーレンを
加するフラーレン添加工程と、
前記添加されたフラーレンによって分散し
カーボンナノチューブを取出す取出工程
とを具備することを特徴とする金属性カーボ
ンナノチューブの製造方法によって解決され
る。
又、金属性カーボンナノチューブと半導体
カーボンナノチューブとがバンドル状態で
在するカーボンナノチューブのバンドル状
を解舒する解舒工程と、
金属性カーボンナノチューブと半導体性カ
ボンナノチューブとが混在するカーボンナ
チューブと、フラーレンとを混合するフラ
レン混合工程と、
前記混合されたフラーレンによって溶液中
分散したカーボンナノチューブを取出す取
工程
とを具備することを特徴とする金属性カーボ
ンナノチューブの製造方法によって解決され
る。
例えば、金属性カーボンナノチューブと半
体性カーボンナノチューブとがバンドル状
で存在するカーボンナノチューブのバンド
状態を解舒する解舒工程と、
前記解舒工程前、若しくは前記解舒工程中
又は前記解舒工程後に、金属性カーボンナ
チューブと半導体性カーボンナノチューブ
が混在するカーボンナノチューブとフラー
ンとを混合するフラーレン混合工程と、
前記混合されたフラーレンによって分散し
カーボンナノチューブを取出す取出工程
とを具備することを特徴とする金属性カーボ
ンナノチューブの製造方法によって解決され
る。
又、上記発明であって、金属性カーボン ノチューブと半導体性カーボンナノチュー とがバンドル状態で存在するカーボンナノ ューブは、単層カーボンナノチューブであ ことを特徴とする金属性カーボンナノチュ ブの製造方法によって解決される。
又、上記発明であって、前記解舒工程は 前記バンドル状態で存在するカーボンナノ ューブに超音波を照射する超音波照射工程 あることを特徴とする金属性カーボンナノ ューブの製造方法によって解決される。
又、上記発明であって、前記超音波照射 程は、超音波出力が300~800W、超音波照射時 が10分以上であることを特徴とする金属性カ ーボンナノチューブの製造方法によって解決 される。
又、上記発明であって、前記フラーレン OH基を有するフラーレンであることを特徴 する金属性カーボンナノチューブの製造方 によって解決される。
又、上記発明であって、前記カーボンナ チューブを含有する溶液の溶媒は、水、ア コール、及び水とアルコールとの混合溶液 群の中から選ばれる何れかであることを特 とする金属性カーボンナノチューブの製造 法によって解決される。
又、前記の課題は、
金属性カーボンナノチューブが50%以上であ
カーボンナノチューブと、
OH基を有するフラーレンと、
溶媒
とを含有することを特徴とするカーボンナノ
チューブ分散液によって解決される。
特に、金属性カーボンナノチューブが50%以
であるカーボンナノチューブと、
OH基を有するフラーレンと、
溶媒
とを含有してなり、
前記溶媒が、水、アルコール、及び水とア
コールとの混合溶液の群の中から選ばれる
れかである
ことを特徴とするカーボンナノチューブ分散
液によって解決される。
又、前記の課題は、
金属性カーボンナノチューブが50%以上であ
カーボンナノチューブと、
OH基を有するフラーレン
とを含有することを特徴とするカーボンナノ
チューブ含有膜によって解決される。
又、前記の課題は、
金属性カーボンナノチューブが50%以上であ
カーボンナノチューブと、
OH基を有するフラーレン
とを含有することを特徴とする透明導電膜に
よって解決される。
本発明は、カーボンナノチューブであっ も、主として、所謂、金属性カーボンナノ ューブを用いるようにした。すなわち、半 体性カーボンナノチューブの含有量を少な したから、得られる透明導電膜の導電性が 上した。
金属性カーボンナノチューブの選択的分 はフラーレンの採用による。しかも、フラ レンの使用は金属性カーボンナノチューブ 分散性向上の役割をも奏する。従って、非 に、好都合である。
フラーレンを含有する金属性カーボンナ チューブ分散液は、カーボンナノチューブ 分散性が非常に良い。特に、カーボンナノ ューブの濃度が高くても、分散性が良い。 には、溶媒として水(或いはアルコール類) 用いられても、カーボンナノチューブの分 性が良い。特に、フラーレン(分散剤)量が少 なくても、カーボンナノチューブの分散性が 非常に良い。
その結果、高い導電性・透明性を有する 明導電膜が簡単な塗布手段で構成できる。
そして、例えば透明電極、タッチパネル 材、電磁波シールド材として有利に利用で る。
本発明は金属性カーボンナノチューブの 造(取出:分離)方法である。本発明はフラー ン添加(混合)工程を有する。例えば、金属 カーボンナノチューブと半導体性カーボン ノチューブとが混在するカーボンナノチュ ブ含有溶液にフラーレンを添加(混合)するフ ラーレン添加(混合)工程を有する。又、添加( 混合)されたフラーレンによって分散した金 性カーボンナノチューブを取出す取出工程 有する。
一般的に、カーボンナノチューブ(例えば 、単層カーボンナノチューブ)は、金属性カ ボンナノチューブと半導体性カーボンナノ ューブとがバンドル状態で存在している。 のようなバンドル状態で存在しているカー ンナノチューブ含有溶液にフラーレンを添 しても、それのみでは、金属性カーボンナ チューブのみを分取できない。従って、金 性カーボンナノチューブと半導体性カーボ ナノチューブとがバンドル状態で存在して る場合、前記バンドル状態を解舒する解舒 程が必要になる。
前記解舒工程は、例えば超音波を照射す 超音波照射工程である。分散の為に、超音 照射は一般的に用いられる。しかしながら バンドル状態を解舒する為の超音波照射は 分散の為の超音波照射よりも、その度合い 強いことが必要である。例えば、バンドル 態を解舒する為の超音波照射は、好ましく 、出力が10~1000Wの超音波照射である。更に ましくは、出力が100W以上の超音波照射であ 。より好ましくは、出力が300~800Wの超音波 射である。超音波照射時間は、好ましくは 10~1000分である。より好ましくは、20~60分で る。尚、小さい出力の場合には、照射時間 相対的に長くなる。逆に、大きな出力の場 には、照射時間は短くて済む。
超音波照射には、バスタイプの超音波照 機を用いることが出来る。又、コーンタイ の超音波照射機を用いることも出来る。他 超音波装置を用いても良い。より強力な出 が得られる観点からは、コーンタイプの超 波照射機を用いることが好ましい。
上記のような解舒工程を経て金属性カー ンナノチューブと半導体性カーボンナノチ ーブとが独立して(離間可能に)存在してい と、添加されたフラーレンが金属性カーボ ナノチューブに対して優先的に作用(結合)す る。この結果、金属性カーボンナノチューブ が優先的に分散する。逆に、フラーレンが作 用(結合)していない半導体性カーボンナノチ ーブは分散性が低い。そして、半導体性カ ボンナノチューブは分散性が低いので、固 分離の手法を用いれば、簡単に、金属性カ ボンナノチューブを分離・抽出できる。フ ーレンの添加(混合)後において、分散性を める為の超音波照射を施すことは好ましい 上記フラーレンの添加(混合)は、例えば金属 性カーボンナノチューブと半導体性カーボン ナノチューブとのバンドル状態が解舒された 解舒工程の後である。しかしながら、フラー レンが影響を受けるような解舒操作ならば別 であるが、超音波照射によってフラーレンが 化学的な変性を受けることは無いから、解舒 操作時に予めフラーレンが添加(混合)されて ても良い。
フラーレンによって分散した金属性カー ンナノチューブを取出す取出工程は、例え 遠心分離あるいは濾過などの工程である。 えば、フラーレン添加(混合)後に、溶液を 心分離し、上澄み液を回収する工程の採用 好ましい。これにより、未分散のカーボン ノチューブが除去され、より透明性の高い 電膜が得られる。尚、遠心分離が強すぎる 、分散した金属性カーボンナノチューブも 去されてしまう。逆に、弱すぎると、分散 ていない半導体性カーボンナノチューブが 去できない。従って、10000G~100000G(更には、30 000G以上。50000G以下)の条件で行われることが ましい。処理時間は1~48時間程度が好ましい 。特に、5~24時間程度がより好ましい。この 程を経ることによって、より均一に分散し 金属性カーボンナノチューブ分散液が得ら る。上記遠心分離工程に代わって、或いは 心分離工程の前(及び/又は後)で、例えば濾 工程が採用されても良い。すなわち、濾過 よる取出(分離:除去)方法を用いることも出 る。濾過には各種の濾過法が用いられる。 えば、吸引濾過法、加圧濾過法、又はクロ フロー濾過法を用いることが出来る。
本発明はカーボンナノチューブ分散液で る。このカーボンナノチューブ分散液は、 ーボンナノチューブ(主として、金属性カー ボンナノチューブ)と、フラーレンと、溶媒 を含む。特に、金属性カーボンナノチュー の割合が50%以上であるカーボンナノチュー と、OH基を有するフラーレンと、溶媒とを含 む。尚、半導体性カーボンナノチューブの割 合は50%以下である。好ましくは、半導体性カ ーボンナノチューブは実質上含有されない。 勿論、半導体性カーボンナノチューブが含有 されない(検出誤差の範囲内で実質上0)場合は 一層好ましい。すなわち、上記本発明の金属 性カーボンナノチューブの製造(取出:分離)方 法を経て得られたカーボンナノチューブが用 いられることから、半導体性カーボンナノチ ューブは出来るだけ除去されている。例えば 、半導体性カーボンナノチューブを実質上含 有しない。このような金属性カーボンナノチ ューブ分散液において、カーボンナノチュー ブ(金属性カーボンナノチューブ)とフラーレ との割合は、カーボンナノチューブ(金属性 カーボンナノチューブ)100質量部に対して、 ラーレンが、特に、10~1000質量部である。そ て、フラーレン濃度は、特に、1~100000ppm(好 しくは、10ppm以上、更には100ppm以上。10000ppm 以下、更には5000ppm以下。)である。フラーレ は極性基を有するフラーレンが好ましい。 でも、OH基を有するフラーレンが好ましい 尚、フラーレンが分散作用を奏することか 、基本的には、他の分散剤を用いる必要は いが、用いてならないと言うことでは無い その他にも、必要に応じて、カーボンナノ ューブの温度による導電性低下を抑制する が添加されても良い。例えば、スルホン酸 を有する高分子が添加されても良い。
本発明で用いた金属性カーボンナノチュ ブと半導体性カーボンナノチューブとがバ ドル状態で存在しているカーボンナノチュ ブは、例えば単層カーボンナノチューブで る。好ましくは、アーク放電法によって得 れた単層カーボンナノチューブである。そ て、より好ましくは、湿式酸化処理された 層カーボンナノチューブである。湿式酸化 理の内容は、例えば50%以上の硝酸、又は硝 と硫酸との混酸によって24時間以上の還流 ある。
好ましい単層カーボンナノチューブは、 の条件を満たすものである。波長532nmのレ ザ照射で検出されるラマン強度分布特性に いて、ラマンシフトが1340±40カイザである範 囲にラマン散乱光の強度に第1の吸収を有す 。かつ、ラマンシフトが1590±20カイザである 範囲にラマン散乱光の強度に第2の吸収を有 る。更に、0<(前記第1の吸収の強度)/(前記 2の吸収の強度)≦0.03の条件を満たす。
単層カーボンナノチューブは、溶液中で バンドル状態で存在している。そして、1.5 mを越えた長さのバンドルの数が1.5μm以下の さのバンドルの数よりも多い条件を満たす のが好ましい。或いは、バンドル状態で存 し、前記バンドルの長さが単一長のもので 無い所定の分布を有するものであり、前記 定の分布はバンドルの長さ0.5μm毎の度数分 における最頻値が1.5μmを越えた条件を満た ものが好ましい。中でも、前記条件を全て たすものが好ましい。
本発明のカーボンナノチューブ分散液は 溶媒として、各種のものが用いられる。但 、用いられる溶媒としては、水、アルコー (特に、炭素数が7以下の脂肪族アルコール) 或いはこれ等の混合液が好ましい。特に、 を少なくとも含む溶媒が好ましい。そして 溶媒はpHが7を越えたもの(即ち、アルカリ性 を示すもの)であることが好ましい。カーボ ナノチューブ分散液は、希釈せずに吸光度 測定した場合、400nm~800nmの範囲に、単層カー ボンナノチューブ由来の吸光度の極大値を有 し、該極大値は0.1以上5以下のものが好まし 。
上記金属性カーボンナノチューブ分散液 基材(特に、透明基材)上に塗布(例えば、10nm ~1000nm厚塗布)して得られる膜は、基本的に、 属性カーボンナノチューブとフラーレンと 含有する。但し、上記金属性カーボンナノ ューブの取出(分離)方法を経て得られたカ ボンナノチューブが用いられることから、 導体性カーボンナノチューブは出来るだけ 去されている。例えば、半導体性カーボン ノチューブを実質上含有しない。そして、 分散液は、例えば透明導電膜用のものであ 。従って、得られた塗膜は、例えば透明導 膜である。
以下、更に詳しく説明する。
本発明で用いられるフラーレンは如何な フラーレンでも良い。例えば、C60,C70,C76,C78, C82,C84,C90,C96等が挙げられる。勿論、これ等の 複数種のフラーレンの混合物でも良い。尚、 分散性能から、C60が、特に、好ましい。更に 、C60は入手し易い。尚、C60のみでは無く、C60 と他の種類のフラーレン(例えば、C70)との混 物でも良い。フラーレンは、その内部に、 宜、金属原子が内包されたものでも良い。 ラーレンは、官能基(極性基:例えば、水酸 (OH基)、カルボキシル基、エポキシ基、エス ル基、アミド基、スルホニル基、エーテル など)を持つものが好ましい。又、フェニル -C61-プロピル酸アルキルエステル、フェニル- C61-ブチル酸アルキルエステルを持つフラー ンでも良い。又、水素化フラーレンでも良 。但し、上述した通り、OH基(水酸基)を持つ ラーレンが、特に、好ましい。それは、金 性カーボンナノチューブに対する分散能力 高いからである。尚、OH基の数が少ないと カーボンナノチューブの分散性向上度が大 く無い。OH基の数が多いと、フラーレンの合 成は困難である。従って、OH基の数は5~30個( ラーレン1分子当り)が好ましい。特に、8~15 が好ましい。
ここで、フラーレンが金属性カーボンナ チューブの分散性を高める理由は次のよう ことであろうと考えている。フラーレンに まれるベンゼン環と金属性カーボンナノチ ーブとは、π-π相互作用によって、物理的 吸着している。そして、フラーレンが、見 け上、金属性カーボンナノチューブの官能 として作用する。この為、金属性カーボン ノチューブの分散性が高くなったと考えて る。尚、上記において、「見掛け上」と説 したのは、フラーレンと金属性カーボンナ チューブとの結合は、化学結合では無く、 理的結合(吸着)であるからによる。そして、 前記π-π相互作用が、従来提案の界面活性剤 よる作用に比べて大きい。すなわち、フラ レンが金属性カーボンナノチューブに強く 着していて、金属性カーボンナノチューブ 分散性を高めている。尚、半導体性カーボ ナノチューブとフラーレンとは物理的にも 合していない。この為、半導体性カーボン ノチューブは分散性が高まらなかったもの 思われる。
さて、溶媒が極性基を持つ溶媒であれば 極性基を持つフラーレンを用いる方が好ま いことは理解される。なぜならば、極性基 持つフラーレンは、無極性溶媒よりも、極 溶媒(例えば、水やアルコール)に溶けやす からである。従って、金属性カーボンナノ ューブの分散性の観点からすると、上述の きの極性基を持つフラーレンを用いること 好ましい。
金属性カーボンナノチューブ分散液を塗 として用いる場合、環境負荷の低減や作業 境向上の観点から、溶媒として水(又は/及 アルコール)を用いることが好ましい。この うな溶媒を用いた場合、溶媒とフラーレン の相性から、フラーレンは官能基(極性基; えば、水酸基(OH基)、カルボキシル基、エポ シ基、エステル基、アミド基、スルホニル 、エーテル基など)を持つフラーレンである ことが好ましい。特に、水やアルコールは、 OH基を持つことから、OH基(水酸基)を持つフラ ーレンが、特に、好ましい。
フラーレンの濃度は1ppm~100000ppmが好まし 。特に、10ppm~10000ppmが好ましい。中でも、100 ppm~5000ppmが好ましい。それは、フラーレン濃 が高すぎると、粘度が高くなり過ぎる為、 工が困難になるからである。逆に、低すぎ と、金属性カーボンナノチューブの分散性 上度が大きく無いからである。
本発明の透明導電膜などに用いられるカ ボンナノチューブは、特に、金属性カーボ ナノチューブである。その理由は、半導体 カーボンナノチューブや他の公知の炭素材 に比べて導電性が高いからである。この金 性カーボンナノチューブは、例えば単層カ ボンナノチューブから分離される。単層カ ボンナノチューブは、例えば金属性カーボ ナノチューブと半導体性カーボンナノチュ ブとがバンドル状態で存する。従って、こ バンドル状態を開放すれば、金属性カーボ ナノチューブを選択的に取出すことが出来 。
単層カーボンナノチューブは、溶液中に いても、バンドルを形成している。ここで バンドルとは、単層カーボンナノチューブ 、側壁同士のファンデアワールス力によっ 、複数本、重なり合っている状態(形状)を 味する。尚、従来から公知の方法で作成さ た単層カーボンナノチューブはバンドル状 で得られる。このバンドルの長さは或る分 を持っている。しかしながら、次の特徴を するものが好ましい。すなわち、単層カー ンナノチューブは、そのバンドルの長さに る分布がある。例えば、長さが1.5μmを越え バンドルの数が、長さが1.5μm以下のバンド の数よりも多い。好ましくは、長さが2.0μm 上のバンドルの数が、長さが1.5μm以下のバ ドルの数よりも多い。更に好ましくは、長 が2.5μm以上のバンドルの数が、長さが1.5μm 下のバンドルの数よりも多い。或いは、バ ドルの長さ0.5μm毎の度数分布(度数分布表ま は度数分布図)における最頻値が1.5μmを越え たものである。好ましくはバンドルの長さの 度数分布における最頻値が2.0μmを越えたもの である。更に好ましくはバンドルの長さの度 数分布における最頻値が2.5μmを越えたもので ある。そして、バンドルが上記特徴の分布を 持つ場合、透明性・導電性が共に優れたもの であった。
バンドルの長さの測定には次の方法が用 られる。単層カーボンナノチューブを走査 顕微鏡で観察し、その長さを測定する。但 、この方法に限定されない。測定するバン ルの本数には格別な制限は無い。但し、正 な統計値を得る為には、50本以上のバンド を測定することが好ましい。更には100本以 の測定がより好ましい。バンドルの長さを 定する際、不純物が多い場合は、測定が困 になる。従って、測定可能な程度まで不純 を除去してから測定することが好ましい。 、バンドルが密集した状態では、長さの測 が困難である。従って、バンドル1本ずつが 定できる程度の密度で分散していることが ましい。バンドルの長さについての度数分 図(表)の形態には、特に制限は無い。例え 、対称分布、非対称分布、J字型分布、U字型 分布、複峰性分布、何れであっても良い。但 し、対称分布であることが好ましい。尚、最 頻値とは、全階級中で最も度数の高い階級の 値を意味する。級数の区分けにおいて範囲の 設定は0.5μmの区切りで集計する。
金属性カーボンナノチューブを分離・抽出
るのに用いられるカーボンナノチューブ(例
えば、単層カーボンナノチューブ)は、湿式
化されたものが好ましい。それは、溶媒に
する分散性が向上するからである。湿式酸
であれば格別な制限は無い。但し、湿式酸
には、無機酸(例えば、塩酸、硝酸、硫酸、
酸、或いはこれらの混酸)を用いるのが好ま
しい。特に、50%以上の硝酸、或いは硝酸と硫
酸の混酸を用いるのが好ましい。硝酸と硫酸
との混酸を用いる場合、水、硝酸および硫酸
の混酸水溶液全体に対する体積比率をa(vol%),b
(vol%),c(vol%)とすると、0.20≦{a/(a+b+c)}≦0.40,0.20
{b/(b+c)}≦0.30を満たすものがより好ましい。
湿式酸化の反応条件についても格別な制限は
無い。但し、有効な酸処理を施す為には、反
応温度が85℃以上であることが好ましい。反
時間は24時間以上、更には48時間以上である
ことが好ましい。本発明に用いられる単層カ
ーボンナノチューブは、如何なる手法で製造
されたものでも良い。例えば、アーク放電法
、レーザ蒸発法、化学気相蒸着法などで得ら
れる。但し、結晶性や収率の観点から、アー
ク放電法で得られた単層カーボンナノチュー
ブを用いることが好ましい。用いられる単層
カーボンナノチューブは、純度の高いものが
好ましい。純度が低いと、透光率が低下する
からである。単層カーボンナノチューブの純
度はラマンスペクトル測定によって確認でき
る。具体的には、カーボンナノチューブを構
成する主成分であるグラフェンシート由来の
吸収強度とそれ以外の炭素材料を表す成分由
来の吸収の強度比によってカーボンナノチュ
ーブの純度を確認できる。例えば、アーク放
電によって作製された単層カーボンナノチュ
ーブを波長532nmのレーザを照射して測定した
合、ラマンシフトが1340±40カイザである範
にラマン散乱光の強度に第1の吸収を有する
共に、ラマンシフトが1590±20カイザである
囲にラマン散乱光の強度に第2の吸収を有す
。ここで、第1の吸収はグラフェンシート由
来の吸収であり、第2の吸収は炭素原子のsp 3
軌道由来の吸収であると謂われている。そし
て、第1の吸収強度に対して第2の吸収強度が
さい方が、カーボンナノチューブの純度は
い。本発明における単層カーボンナノチュ
ブは次の条件を満たすものが好ましい。す
わち、波長532nmのレーザを照射して検出さ
るラマン強度分布特性において、ラマンシ
トが1340±40カイザである範囲にラマン散乱光
の強度に第1の吸収を有すると共に、ラマン
フトが1590±20カイザである範囲にラマン散乱
光の強度に第2の吸収を有し、前記第1の吸収
強度をID、前記第2の吸収の強度をIGとした
合、式(1)を満たしたものが好ましい。式(2)
満たしたものが、特に、好ましい。すなわ
、ID/IGの値が0.03以下の場合は、純度が高く
透明性・導電性が共に優れたものであった
式(1) 0<ID/IG≦0.03
式(2) 0<ID/IG≦0.02
本発明で用いられる溶媒は、一般の塗料 用いられる溶媒であれば良い。格別な制限 無い。但し、沸点が200℃以下(好ましい下限 値は25℃、更には30℃)の溶媒が好ましい。低 点溶剤が好ましいのは、塗工後の乾燥が容 であるからによる。具体的には、水や、メ ノール、エタノール、ノルマルプロパノー 、イソプロパノールなどのアルコール化合 (特に、炭素数が7以下のアルコール、特に 肪族アルコール)、或いはこれ等の混合物が ましい。水を用いる場合、pHが7を越えたア カリ性を示すものが特に好ましい。それは 水酸基含有フラーレンの溶解性が高いから ある。すなわち、より高濃度の金属性カー ンナノチューブ分散液が得られるからであ 。他にも、例えばアセトン、メチルエチル トン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ サノン等のケトン系化合物を用いることが 来る。又、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸 チル、乳酸エチル、酢酸メトキシエチル等 エステル系化合物を用いることが出来る。 、ジエチルエーテル、エチレングリコール メチルエーテル、エチルセロソルブ、ブチ セロソルブ、フェニルセロソルブ、ジオキ ン等のエーテル系化合物を用いることが出 る。又、トルエン、キシレンなどの芳香族 合物を用いることが出来る。又、ペンタン ヘキサンなどの脂肪族化合物を用いること 出来る。又、塩化メチレン、クロロベンゼ 、クロロホルムなどのハロゲン系炭化水素 用いることが出来る。又、前記化合物の混 物を用いることも出来る。
金属性カーボンナノチューブ分散液にお る金属性カーボンナノチューブの濃度は、 光光度計を用いて定量できる。すなわち、 光光度計を用いて吸光度を測定すれば、金 性カーボンナノチューブの濃度を定量でき 。更に、検量線を作成し、吸光度と質量比 の関係を表す比例定数を求めれば、濃度を 量比で表すことが出来る。尚、上記比例定 は、用いた金属性カーボンナノチューブに って異なる。
上記のようにして得られた金属性カーボ ナノチューブ分散液が基材上に塗布されて 明導電膜が得られる。上述した通り、本発 になる金属性カーボンナノチューブ分散液 、金属性カーボンナノチューブの分散性が い。例えば、水やアルコール等の溶媒に分 性良く分散している。従って、スプレーコ ト、バーコート、ロールコート、インクジ ット法、スクリーンコート等の各種の塗布 法を用いることが出来る。
金属性カーボンナノチューブ分散液が塗 される基材は、格別な制限は無い。例えば ディスプレイ等で用いられる透明電極など 如く、透明性の要求される用途では、透明 基材(フィルム、或いはシート、若しくは厚 みが前記フィルム(シート)より厚い板など)が 好ましい。例えば、アクリル樹脂、ポリエス テル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチ レン樹脂、スチレン-アクリル酸共重合体、 化ビニル系樹脂、ポリオレフィン、ABS(アク ロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体) ビニルアルコール樹脂、シクロオレフィン 樹脂、セルロース樹脂などを用いることが 来る。その他にも、無機ガラスなどを用い ことも出来る。但し、フレキシブルな特性 優れている有機樹脂製の基材が好ましい。 記基材の表面(導電層が設けられる側の表面 および/または導電層が設けられる側とは反 側の裏面)には、必要に応じて、ハードコー 層、防汚層、防眩層、反射防止層、粘着層 着色層などが設けられる(積層される)。基 の厚さは、目的によって決まる。但し、一 的には、10μm~10mm程度の厚さである。
上記塗布工程後、塗膜中に含まれる溶媒 除去する為、乾燥が行なわれる。乾燥には 熱炉が用いられる。又、遠赤外炉を用いて 良い。又、超遠赤外炉を用いても良い。そ 他にも、通常、乾燥に使用できる装置を用 ることが出来る。
上記のようにして導電性・透明性に優れ 透明導電膜が得られる。そして、導電性・ 明性に優れた透明導電膜はタッチパネル用 極基板に利用できる。又、電子ペーパーの 極基板に利用できる。又、液晶ディスプレ の電極基板に利用できる。又、プラズマデ スプレイの電極基板に利用できる。その他 も、各種のものに利用できる。
以下、具体的な実施例を挙げて本発明を 明する。尚、本発明が下記の実施例に限定 れるものでないことは当然である。
[実施例1]
アーク放電法によって単層カーボンナノチ
ーブが作成された。この作成された単層カ
ボンナノチューブが湿式酸化処理(例えば、
63%硝酸にて85℃で2日間反応)された。この後
濾過によって、単層カーボンナノチューブ
精製・回収された。
この精製単層カーボンナノチューブのバ ドルの長さが調べられた。その結果、1.5μm ら2.0μmまでの範囲に最頻値が在ることが判 た。そして、バンドルの長さが1.5μmを越え 単層カーボンナノチューブのバンドルの数 全体に占める割合は約73%であった。バンド の長さが1.5μm以下である単層カーボンナノ ューブのバンドルの数の全体に占める割合 約27%であった。尚、1.0μmから1.5μmのものが 13%、1.5μmから2.0μmのものが約20%、2.0μmから2 .5μmのものが約18%、2.5μmから3.0μmのものが約1 3%であった。すなわち、バンドルの長さが1.5 m以下である単層カーボンナノチューブのバ ドルの数は、バンドルの長さが1.5μmを越え 単層カーボンナノチューブのバンドルの数 り少ないものであった。
上記のようにして得られた単層カーボン ノチューブ20mgと、水酸基含有フラーレン( 品名 ナノムスペクトラ D-100 フロンティア カーボン社製:フラーレンはC60からなるフラ レンのみである。)3mgと、水酸化ナトリウム( 和光純薬工業社製)0.3mgと、水5mlと、イソプロ パノール5mlとが混合された。単層カーボンナ ノチューブの濃度は2230ppmであった。
上記混合溶液に対して、コーンタイプの 音波照射機(出力650W、周波数40Hz)が用いられ 、20分間に亘る超音波照射が行われた。これ より、バンドル状態にある単層カーボンナ チューブが解された。すなわち、単層カー ンナノチューブは金属性カーボンナノチュ ブと半導体性カーボンナノチューブとに解 した。
上記金属性カーボンナノチューブには水 基含有フラーレンが結合しており、金属性 ーボンナノチューブは水/アルコール溶液中 で十分に分散していた。これに対して、半導 体性カーボンナノチューブは水/アルコール 液中での分散が悪いものであった。
この後、遠心分離機(製品名CR26H 日立工 株式会社製)が用いられ、カーボンナノチュ ブ分散液に対して遠心分離操作が施された 遠心分離の条件は、20000rpm(48000G)にて7時間 ある。そして、遠心分離後の上澄液を回収 た。この上澄液と超音波処理前の溶液とに いて分光光度計で調べられた。その結果、 澄液には分離前に比べ金属成分(650nm)の吸収 半導体成分の吸収(1010nm)よりも多くなった とが確かめられた。
上記遠心分離操作後の上澄液、即ち、金属
カーボンナノチューブ(半導体性カーボンナ
ノチューブは除去)分散液が、ハードコート
ポリカーボネート基板上にバーコート塗布
れた。塗布厚(ウェット膜厚)は50μmである。
布後、80℃で3分間掛けての乾燥が行われた
そして、透明導電膜付ポリカーボネート板
得られた。この透明導電膜付ポリカーボネ
ト板の導電膜の導電性が調べられた。その
果、導電性は149ω/□で、実用性が十分に有
た。又、透明度は74%で、実用性が十分に有
た。
以上の結果から、本発明によって、従来技
(特許文献1に開示されたカーボンナノチュ
ブの濃度は112ppm)では出来なかった高濃度の
散液が得られ、高濃度での金属/半導体の分
離操作が実施できた。
[実施例2]
市販の金属性カーボンナノチューブ(NanoInteg
ris社製のIsoNanotubes-M: Metallic SWNTs)に遠心分離
操作が施されて取り出された固形分と、水酸
基含有フラーレンと、水酸化ナトリウムと、
水と、イソプロパノールとの混合・分散が行
われた。この後、遠心分離操作が行なわれた
。そして、上澄液がハードコート付ポリカー
ボネート基板上にバーコート塗布された。そ
して、乾燥が行われた。これにより、透明導
電膜付ポリカーボネート板が得られた。
尚、本実施例にあっては、金属性カーボ ナノチューブと半導体性カーボンナノチュ ブとがバンドルを形成しているものでは無 。従って、実施例1で行なわれたバンドル解 舒の為の超音波処理は行われていない。
上記透明導電膜付ポリカーボネート板の 電膜の導電性が調べられた。その結果、導 性は1350ω/□で、実用性が十分に有った。又 、透明度は78.68%で、実用性が十分に有った。
[比較例1]
市販の半導体性カーボンナノチューブ(NanoIn
tegris社製のIsoNanotubes-S: Semiconducting SWNTs)に遠
心分離操作を施して取り出された固形分と、
水酸基含有フラーレンと、水酸化ナトリウム
と、水と、イソプロパノールとの混合・分散
が行われた。この後、遠心分離操作が行なわ
れた。そして、上澄液がハードコート付ポリ
カーボネート基板上にバーコート塗布された
。そして、乾燥が行われた。これにより、透
明導電膜付ポリカーボネート板が得られた。
この導電膜付ポリカーボネート板の導電 の導電性が調べられた。その結果、実用性 有する導電性は無かった。尚、本比較例の 電膜に実用上の導電性が無かった理由は、 属性カーボンナノチューブが用いられなか たこと、即ち、半導体性カーボンナノチュ ブしか用いられてないことであると考えら た。又、半導体性カーボンナノチューブは 酸基含有フラーレンが用いられても分散性 悪い。その結果、遠心分離操作後の上澄液 に含有されている半導体性カーボンナノチ ーブの量が少なかったからによるものと考 られた。
この出願は、2008年10月24日に出願された日
出願特願2008-274688を基礎とする優先権を主張
し、その開示の全てをここに取り込む。
