日本新薬株式会社 (〒50 京都府京都市南区吉祥院西ノ庄門口町14番地 Kyoto, 6018550, JP)
| シス-(+)-6-(3,4-ジメトキシベンゾイル)シクロヘキサ-3-エン-1-カルボン酸と(+)-α-メチルベンジルアミンとからなる塩(以下、請求の範囲において「(+)カルボン酸・(+)アミン塩」という。)の水和物。 |
| 水和物が1水和物である、請求項1記載の水和物。 |
| 水和物が、粉末X線回折スペクトルにおいて、少なくとも12.9度、19.2度、及び20.5度の回折角にピークを示す結晶である、請求項1又は2記載の水和物。 |
| さらに14.7度、18.5度、20.0度、及び20.9度の回折角にピークを示す結晶である、請求項3記載の水和物。 |
| シス-(-)-6-(3,4-ジメトキシベンゾイル)シクロヘキサ-3-エン-1-カルボン酸と(-)-α-メチルベンジルアミンとからなる塩(以下、特許請求の範囲において「(-)カルボン酸・(-)アミン塩」という。)の水和物。 |
| 水和物が1水和物である、請求項5記載の水和物。 |
| 水和物が、粉末X線回折スペクトルにおいて、少なくとも12.9度、19.2度、及び20.5度の回折角にピークを示す結晶である、請求項5又は6記載の水和物。 |
| さらに14.7度、18.5度、20.0度、及び20.9度の回折角にピークを示す結晶である、請求項7記載の水和物。 |
| 水を含有する溶媒中で、シス-(±)-6-(3,4-ジメトキシベンゾイル)シクロヘキサ-3-エン-1-カルボン酸と(+)-α-メチルベンジルアミンとを作用させることにより、(+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和物を析出させ、その析出物を取得することを特徴とする、(+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和物の製法。 |
| (+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和物からシス-(+)-6-(3,4-ジメトキシベンゾイル)シクロヘキサ-3-エン-1-カルボン酸を分離することを特徴とする、シス-(+)-6-(3,4-ジメトキシベンゾイル)シクロヘキサ-3-エン-1-カルボン酸又はその塩の製法。 |
| 下記の工程1~3を含む、次の一般式[1]で表されるフタラジノン誘導体又はその医薬上許容される塩の製法。 一般式[1]中: 4a、8aの不斉炭素原子に結合する水素原子の相対配置はシス配置であり、かかる2つの不斉炭素原子の立体配置は、いずれか一方がR配置で、他方がS配置である。 Yは、フェニレン又は環構成原子数が6であって環構成原子として窒素原子を1個又は2個有する二価の芳香族複素環基を表す。 Zは、単結合、アルキレン、アルケニレン又はアルキニレンを表す。 R 3 は、環構成原子数が5~10であって、環構成原子として窒素原子を少なくとも1個有し、さらに、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を1~3個有していてもよい、1~3環性の飽和又は不飽和の環状アミノ基を表す。かかる環状アミノ基は、R 31 、R 32 で置換されていてもよく、環構成原子である窒素原子がオキシドを形成していてもよい。 R 31 、R 32 は、同一又は異なって、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン若しくはオキソを表すか、又は、R 31 とR 32 が一緒になって、メチレンジオキシ若しくはエチレンジオキシを表す。 工程1:水を含有する溶媒中で、シス-(±)-6-(3,4-ジメトキシベンゾイル)シクロヘキサ-3-エン-1-カルボン酸と(+)-α-メチルベンジルアミンとを作用させることにより、(+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和物を析出させ、その析出物を取得する工程、 工程2:(+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和物からシス-(+)-6-(3,4-ジメトキシベンゾイル)シクロヘキサ-3-エン-1-カルボン酸を分離する工程、 工程3:前記フタラジノン誘導体[1]又はその医薬上許容される塩を製造する過程の製造中間体として、上記工程2で得られるシス-(+)-6-(3,4-ジメトキシベンゾイル)シクロヘキサ-3-エン-1-カルボン酸又はその塩を用いる工程。 |
| 水を含有する溶媒中で、シス-(±)-6-(3,4-ジメトキシベンゾイル)シクロヘキサ-3-エン-1-カルボン酸と(-)-α-メチルベンジルアミンとを作用させることにより、(-)カルボン酸・(-)アミン塩の水和物を析出させ、その析出物を取得することを特徴とする、(-)カルボン酸・(-)アミン塩の水和物の製法。 |
| (-)カルボン酸・(-)アミン塩の水和物からシス-(-)-6-(3,4-ジメトキシベンゾイル)シクロヘキサ-3-エン-1-カルボン酸を分離することを特徴とする、シス-(-)-6-(3,4-ジメトキシベンゾイル)シクロヘキサ-3-エン-1-カルボン酸又はその塩の製法。 |
| 下記の工程1~3を含む、次の一般式[1]で表されるフタラジノン誘導体又はその医薬上許容される塩の製法。 一般式[1]中: 4a、8aの不斉炭素原子に結合する水素原子の相対配置はシス配置であり、かかる2つの不斉炭素原子の立体配置は、いずれか一方がR配置で、他方がS配置である。 Yは、フェニレン又は環構成原子数が6であって環構成原子として窒素原子を1個又は2個有する二価の芳香族複素環基を表す。 Zは、単結合、アルキレン、アルケニレン又はアルキニレンを表す。 R 3 は、環構成原子数が5~10であって、環構成原子として窒素原子を少なくとも1個有し、さらに、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を1~3個有していてもよい、1~3環性の飽和又は不飽和の環状アミノ基を表す。かかる環状アミノ基は、R 31 、R 32 で置換されていてもよく、環構成原子である窒素原子がオキシドを形成していてもよい。 R 31 、R 32 は、同一又は異なって、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン若しくはオキソを表すか、又は、R 31 とR 32 が一緒になって、メチレンジオキシ若しくはエチレンジオキシを表す。 工程1:水を含有する溶媒中で、シス-(±)-6-(3,4-ジメトキシベンゾイル)シクロヘキサ-3-エン-1-カルボン酸と(-)-α-メチルベンジルアミンとを作用させることにより、(-)カルボン酸・(-)アミン塩の水和物を析出させ、その析出物を取得する工程、 工程2:(-)カルボン酸・(-)アミン塩の水和物からシス-(-)-6-(3,4-ジメトキシベンゾイル)シクロヘキサ-3-エン-1-カルボン酸を分離する工程、 工程3:前記フタラジノン誘導体[1]又はその医薬上許容される塩を製造する過程の製造中間体として、上記工程2で得られるシス-(-)-6-(3,4-ジメトキシベンゾイル)シクロヘキサ-3-エン-1-カルボン酸又はその塩を用いる工程。 |
本発明は、医薬として有用である光学活性
下記一般式[1]で表されるフタラジノン誘導
又はその医薬上許容される塩(例えば、特許
文献1参照。)の製造に有用な製造中間体に関
るものである。
一般式[1]中:
4a、8aの不斉炭素原子に結合する水素原子の
相対配置はシス配置であり、かかる2つの不
炭素原子の立体配置は、いずれか一方がR配
で、他方がS配置である。
Yは、フェニレン又は環構成原子数が6であ
て環構成原子として窒素原子を1個又は2個有
する二価の芳香族複素環基を表す。
Zは、単結合、アルキレン、アルケニレン又
はアルキニレンを表す。
R 3
は、環構成原子数が5~10であって、環構成原
として窒素原子を少なくとも1個有し、さら
、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を1~3個
していてもよい、1~3環性の飽和又は不飽和
環状アミノ基を表す。かかる環状アミノ基
、R 31
、R 32
で置換されていてもよく、環構成原子である
窒素原子がオキシドを形成していてもよい。
R 31
、R 32
は、同一又は異なって、アルキル、アルコキ
シ、ヒドロキシ、ハロゲン若しくはオキソを
表すか、又は、R 31
とR 32
が一緒になって、メチレンジオキシ若しくは
エチレンジオキシを表す。
上記フタラジノン誘導体[1]は、優れたPDE4 阻害活性、TNF-α産生抑制活性を有する化合物 であるので、例えば、アトピ-性皮膚炎、接 性皮膚炎、乾癬、アレルギ-性鼻炎、アレル -性結膜炎、慢性関節リウマチ、潰瘍性大腸 炎、クロ-ン病、敗血症、トキシックショッ 症候群、腎炎、肝炎、循環不全、多発性硬 症、AIDS、同種移植拒絶、変形性関節症、自 免疫性糖尿病、自己免疫性脳脊髄炎、喘息 慢性気管支炎、慢性閉塞性呼吸器系疾患(COP D)などの予防及び治療薬として有用である(例 えば、特許文献1参照。)。
該フタラジノン誘導体[1]は、シス-6-(3,4- メトキシベンゾイル)シクロヘキサ-3-エン-1- ルボン酸(以下、「カルボン酸[2]」という。 )を原料として製造することができることが られている(例えば、特許文献1、非特許文献 1及び2参照。)。また、光学活性なカルボン酸 [2]は、α-メチルベンジルアミンとのジアステ レオマー塩(非水和物)を利用することにより 造することができることが知られている(例 えば、非特許文献3。)。
非特許文献3に記載されている、光学活性な
カルボン酸[2]のジアステレオマー塩の製法は
以下の通りである。
非特許文献3は、(±)-カルボン酸[2]と光学活
なα-メチルベンジルアミンとの塩にするこ
により、いずれか一方のジアステレオマー
を製造する方法を記載する。かかる方法は
(+)-カルボン酸[2]を得るために(-)-α-メチル
ンジルアミンを用い、(-)-カルボン酸[2]を得
ために(+)-α-メチルベンジルアミンを用いて
得られるジアステレオマー塩(非水和物)の溶
度差を利用した光学分割法である。この方
から得られる、目的物である光学活性なカ
ボン酸[2]の光学純度は低いので、光学純度
高いカルボン酸[2]を得るためには再結晶が
要となり、そうすると収率が低下する(後述
する参考例1を参照。)。
本発明の主目的は、医薬として有用であ 光学活性なフタラジノン誘導体[1]又はその 薬上許容される塩の重要な製造中間体を提 することにある。また、本発明は、該製造 間体を用いた光学活性なカルボン酸[2]の製 、及び該製法を用いたフタラジノン誘導体 はその医薬上許容される塩の製法を提供す 。
本発明者は、水を含有する溶媒中で、ラ ミ体である(±)-カルボン酸[2]と光学活性なα -メチルベンジルアミンとを作用させること より、(+)-カルボン酸[2]と(+)-α-メチルベンジ ルアミンとからなる塩(以下、「(+)カルボン ・(+)アミン塩」という。)の水和物、及び(-)- カルボン酸[2]と(-)-α-メチルベンジルアミン からなる塩(以下、「(-)カルボン酸・(-)アミ 塩」という。)の水和物が得られること、ま た、かかるジアステレオマー塩の水和物から α-メチルベンジルアミンを除去することによ り得られる光学活性なカルボン酸[2]が、前記 のようなジアステレオマー塩(非水和物)の溶 度差を利用した公知の光学分割法と比べて 高い化学純度ないし高い光学純度を有する 学活性なカルボン酸[2]を収率よく得られる とを見出し、本発明を完成した。
本発明としては、例えば以下を挙げること
できる。
1.(+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和物。
2.(-)カルボン酸・(-)アミン塩の水和物。
3.水を含有する溶媒中で、(±)-カルボン酸[2]
(+)-α-メチルベンジルアミンとを作用させる
とにより、(+)カルボン酸・(+)アミン塩の水
物を析出させ、その析出物を取得すること
特徴とする、(+)カルボン酸・(+)アミン塩の
和物の製法。
4.(+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和物から(+)-
カルボン酸[2]を分離することを特徴とする、
(+)-カルボン酸[2]又はその塩の製法。
5.下記の工程1~3を含む、フタラジノン誘導体[
1]又はその医薬上許容される塩の製法。
工程1:水を含有する溶媒中で、(±)-カルボン
[2]と(+)-α-メチルベンジルアミンとを作用さ
ることにより、(+)カルボン酸・(+)アミン塩
水和物を析出させ、その析出物を取得する
程、
工程2:(+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和物か
(+)-カルボン酸[2]を分離する工程、
工程3:前記フタラジノン誘導体[1]又はその医
上許容される塩を製造する過程の製造中間
として、上記工程2で得られる(+)-カルボン
[2]又はその塩を用いる工程。
6.水を含有する溶媒中で、(±)-カルボン酸[2]
(-)-α-メチルベンジルアミンとを作用させる
とにより、(-)カルボン酸・(-)アミン塩の水
物を析出させ、その析出物を取得すること
特徴とする、(-)カルボン酸・(-)アミン塩の
和物の製法。
7.(-)カルボン酸・(-)アミン塩の水和物から(-)-
カルボン酸[2]を分離することを特徴とする、
(-)-カルボン酸又はその塩の製法。
8.下記の工程1~3を含む、フタラジノン誘導体[
1]又はその医薬上許容される塩の製法。
工程1:水を含有する溶媒中で、(±)-カルボン
[2]と(-)-α-メチルベンジルアミンとを作用さ
ることにより、(-)カルボン酸・(-)アミン塩
水和物を析出させ、その析出物を取得する
程、
工程2:(-)カルボン酸・(-)アミン塩の水和物か
(-)-カルボン酸[2]を分離する工程、
工程3:前記フタラジノン誘導体[1]又はその医
上許容される塩を製造する過程の製造中間
として、上記工程2で得られる(-)-カルボン
[2]又はその塩を用いる工程。
以下に本発明を詳述する。
本発明にかかる(+)カルボン酸・(+)アミン塩
水和物及び(-)カルボン酸・(-)アミン塩の水
物の結晶を粉末X線回析装置で分析すると、
そのスペクトルにおいて、12.9度、19.2度、及
20.5度の回折角にピークを示す。さらに、14.
7度、18.5度、20.0度、及び20.9度の回折角にピ
クを有する。
「水和物」としては、例えば0.5~5個の水分
を含む水和物を挙げることができ、その中
も1水和物が好ましい。
「水を含有する溶媒」において、溶媒中に
有しうる水の量は、用いる溶媒の種類等に
り異なるが、(±)-カルボン酸[2]1モルに対し
0.5モル~5モルが好ましく、0.8モル~3モルがよ
り好ましく、1モル~2モルが特に好ましい。
「水を含有する溶媒」としては、単一溶媒
あっても混合溶媒であっても構わない。例
ば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-プロ
ル、酢酸n-ブチルなどの酢酸エステル系溶媒
、エタノール、n-プロパノール、イソプロパ
ールなどのアルコール系溶媒、アセトン、2
-プロパノン、2-ブタノンなどのケトン系溶媒
、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエ
ーテル系溶媒、アセトニトリルなどのニトリ
ル系溶媒、ニトロメタンなどのニトロ系溶媒
や水の単一溶媒、及びこれらの混合溶媒を挙
げることができる。かかる溶媒の量は、用い
る溶媒の種類等により異なるが、(±)-カルボ
酸[2]1gに対して2mL~100mLの範囲内が好ましく
3mL~10mLの範囲内がより好ましく、5mL~7mLの範
内が特に好ましい。
フタラジノン誘導体[1]の各置換基について
述する。
Yとしては、フェニレンが好ましい。
Zとしては、単結合又はアルキレンが好まし
く、とりわけ、アルキレンがより好ましい。
R 3
としては、R 31
及びR 32
のいずれか又は両方で置換されていてもよい
、モルホリン-4-イル、4-オキシドモルホリン-
4-イル、ピペリジン-1-イル、ピペラジン-1-イ
、チオモルホリン-4-イル又はイミダゾ-ル-1-
イルが好ましい。
R 31
、R 32
としては、同一又は異なって、アルキル又は
オキソが好ましい。
「アルキル」としては、例えば、直鎖状又
分枝鎖状の炭素数1~10のもの、具体的には、
メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル
n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブ
ル、n-ペンチル、イソペンチル、n-ヘキシル
イソヘキシル、n-ヘプチル、イソヘプチル
n-オクチル、n-ノニル、n-デシルを挙げるこ
ができる。とりわけ、直鎖状の炭素数1~6の
のが好ましく、直鎖状の炭素数1~3のものが
り好ましい。
「アルコキシ」のアルキル部分としては、
記のアルキルと同じものが挙げられる。
本発明における「シクロアルキル」として
、例えば、炭素数3~10の1~3環性の環状アルキ
ル、具体的には、シクロプロピル、シクロブ
チル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シ
クロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニ
ル、シクロデカニル、アダマンチル(1-アダマ
ンチル、2-アダマンチル等)、2-ビシクロ[3.1.1]
ヘプチル、2-ビシクロ[2.2.1]ヘプチルを挙げる
ことができる。とりわけ、炭素数3~8の単環性
のものが好ましく、炭素数4~6の単環性のもの
がより好ましい。
「フェニレン」としては、例えば、1,2-フェ
ニレン、1,3-フェニレン、1,4-フェニレンを挙
ることができる。
「二価の芳香族複素環基」としては、例え
、環構成原子数が6であって環構成原子とし
て窒素原子を1個又は2個有するもの、具体的
は、以下のような基を挙げることができる
「アルキレン」としては、例えば、直鎖状
は分枝鎖状の炭素数1~6のもの、具体的には
以下のような基を挙げることができる。
「アルケニレン」としては、例えば、直鎖
又は分枝鎖状の炭素数2~6のもの、具体的に
、以下のような基を挙げることができる。
本発明における「アルキニレン」としては
例えば、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数2~6の
の、具体的には、以下のような基を挙げる
とができる。
とりわけ、炭素数2~4のアルキニレンが好ま
く、炭素数2又は3のアルキニレンがより好
しい。
「飽和又は不飽和の環状アミノ基」として
、例えば、環構成原子数が5~10であって、環
構成原子として窒素原子を少なくとも1個有
、さらに、窒素原子、酸素原子又は硫黄原
を1~3個有していてもよい、1~3環性の飽和又
不飽和の環状アミノ基を挙げることができ
。かかる環状アミノ基は、R 31
、R 32
で置換されていてもよく、環構成原子である
窒素原子がオキシドを形成していてもよい。
具体的には、ピロリジン-1-イル、ピペリジン
-1-イル、ピペラジン-1-イル、モルホリン-4-イ
ル、4-オキシドモルホリン-4-イル、チオモル
リン-4-イル、イミダゾ-ル-1-イル、ジヒドロ
ピリジン-1-イル、1,2,3,6-テトラヒドロピリジ
-1-イル、ホモピペラジン-1-イル、2,3-ジヒド
ロ-1H-インド-ル-1-イル、1,2,3,4-テトラヒドロ
ノリン-1-イル、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノ
リン-2-イル、オクタヒドロキノリン-1-イルを
挙げることができる。かかる環状アミノ基は
、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ
ゲン及びオキソからなる群から選択される1
は2個の基で置換されていてもよい。
「ハロゲン」としては、フッ素、塩素、臭
、ヨウ素を挙げることができる。
フタラジノン誘導体[1]の医薬上許容され 塩としては、医薬上許容されるものであれ 特に制限されないが、例えば、塩酸、臭化 素酸、硫酸、燐酸などの鉱酸の塩、酢酸、 エン酸、酒石酸、マレイン酸、コハク酸、 マル酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼン ルホン酸、メタンスルホン酸などの有機酸 塩などを挙げることができる。例えば、フ ラジノン誘導体[1]の塩酸塩は、フタラジノ 誘導体[1]を塩化水素のアルコ-ル溶液、酢酸 チル溶液又はエ-テル溶液に溶解することに より得ることができる。
(+)-カルボン酸[2]又は(-)-カルボン酸[2]の としては、それぞれのカルボン酸[2]の塩と て存在するものであれば特に制限されない 、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩など アルカリ金属塩、アンモニウム塩、メチル ンモニウム塩、ベンジルアンモニウム塩な の有機塩基塩を挙げることができる。
(+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和物は、溶
中におけるジアステレオマー塩の溶解度差
利用した常法の光学分割法により製造する
とができる。具体的には、例えば、水を含
する溶媒中で、ラセミ体である(±)-カルボ
酸[2]と光学活性な(+)-α-メチルベンジルアミ
とを混合し、両者が相互に作用することに
って溶解度が相対的に低いジアステレオマ
塩である(+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和
が析出し、これを濾取することにより製造
ることができる。
混合する順番は特に問わないが、(+)-α-メチ
ルベンジルアミンを最後に加える方が好まし
く、(+)-α-メチルベンジルアミンを少量ずつ
える方がより好ましい。
(+)-α-メチルベンジルアミンの量は、用いる
溶媒の種類等により異なるが、(±)-カルボン
[2]1モルに対して0.5モル~1.0モルが好ましく
0.5モル~0.8モルがより好ましく、0.5モル~0.6モ
ルが特に好ましい。(+)-α-メチルベンジルア
ンの光学純度は90%ee以上のものが好ましく、
95%ee以上のものがより好ましく、98%ee以上の
のが特に好ましい。
(+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和物は、(±)
-カルボン酸[2]と(+)-α-メチルベンジルアミン
の混合物を一定時間静置することによって
析出するが、早期に析出を完了させるため
該混合物を攪拌することができ、その方が
ましい。混合物の攪拌時間は、用いる溶媒
種類や量、溶媒の温度などにより異なるが
2時間以上が適当であり、4時間以上が好ま
く、10時間以上がより好ましい。混合物を静
置することにより(+)カルボン酸・(+)アミン塩
の水和物を析出させる場合は、攪拌により析
出させる場合と比べてより時間を要する。
また、混合物の攪拌直後に析出する水和物
、目的物の(+)カルボン酸・(+)アミン塩の水
物の他、(-)-カルボン酸[2]と(+)-α-メチルベ
ジルアミンとからなる塩(以下、「(-)カルボ
酸・(+)アミン塩」という。)の非水和物も多
少混在する可能性がある。目的物の水和物の
生成を促進するために、水和物が析出した後
、1時間~100時間の間、20℃~80℃の範囲内の加
下で攪拌することができる。
混合物を加熱下で攪拌することにより目 物を析出させた場合には、混合物の温度を 例えば室温にまで冷却した後に濾取するほ が好ましい。
なお、(+)-α-メチルベンジルアミンの代わ りに(-)-α-メチルベンジルアミンを用いれば 上記(+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和物の 法と同様の製法により(-)カルボン酸・(-)ア ン塩の水和物を製造することができる。
(+)-カルボン酸[2]は、(+)カルボン酸・(+)アミ
ン塩の水和物から、いわゆる塩分解などの公
知の方法によって(+)-カルボン酸[2]を分離す
ことができる。具体的には、例えば、塩化
素、臭化水素、ヨウ化水素、硝酸又は硫酸
の水溶液に該水和物を加えて十分に振とう
、その後、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-
プロピル、酢酸n-ブチルなどの酢酸エステル
溶媒、クロロホルムや塩化メチレンなどの
ロゲン化炭化水素系溶媒、トルエンなどの
香族炭化水素系溶媒等で(+)カルボン酸を抽
することができる。
(+)-カルボン酸[2]の塩は、(+)カルボン酸・(+)
アミン塩から、いわゆる塩交換などの公知の
方法によって(+)-カルボン酸[2]の塩を製造す
ことができる。具体的には、例えば、水酸
ナトリウムや水酸化カリウムなどの水溶液
該水和物を加えて十分に振とうし、塩交換
れた(+)-カルボン酸[2]の塩の析出物を濾取す
ことにより製造することができる。
なお、(-)-カルボン酸[2]又はその塩も、上 記(+)-カルボン酸[2]又はその塩の製法と同様 製法により製造することができる。
フタラジノン誘導体[1]又はその医薬上許 される塩は、その製造過程において、上記 方法で製造された(-)-カルボン酸[2]又はその 塩を製造中間体として用い、その他は公知の 方法(例えば、特許文献1、非特許文献1-2参照 )に準ずれば製造することができる。
以下に、本発明にかかる参考例、実施例 び試験例を掲げて本発明を更に詳しく説明 るが、本発明はこれらのみに限定されるも ではない。
なお、光学純度は高速液体クロマトグラフ
ー(HPLC)を用いて以下の条件で測定した。
装置 :Shimadzu SPD-6A,C-R6A
カラム :DAICEL CHIRALCEL OD 250×4.6mm
カラム温度:40℃
移動層 :Hex/EtOH/AcOH=800/200/1
流速 :1.0mL/分
検出器 :UV検出器
測定波長 :254nm
化学純度はHPLCを用いて以下の条件で測定し
た。
装置 :Shimadzu SCL-10A VP,SPD-10A
カラム :Imtakt Cadenza 150×4.6mm
カラム温度:40℃
移動層 :MeCN/H 2
O/MeSO 3
H=700/300/1
流速 :1.0mL/分
検出器 :UV検出器
測定波長 :190nm
粉末X線回折は、リガク社製RINT Ultima3を用
て測定した。
参考例1 (+)-カルボン酸[2]の製造(
特許文献3記載の方法)
工程1 (+)-カルボン酸[2]と(-)-α-メチルベンジ
アミンとからなる塩(以下、「(+)カルボン酸
・(-)アミン塩」という。)(非水和物)の製造
(±)-カルボン酸[2](化学純度:95.97%)5.49gに酢酸
エチル100mLを加え、懸濁下、(-)-α-メチルベン
ジルアミン2.29g(1.0当量)を室温で加えた。種
を加えて22時間攪拌し、析出物を濾取した。
該析出物を酢酸エチルで洗浄した後、乾燥し
て、粗結晶3.0gを得た(光学純度:85.57%、化学純
度:97.04%、収率:77.2%)。これに250mLの酢酸エチ
を加え60℃で溶解し、室温で静置した。析出
物を濾取し、酢酸エチルで洗浄した後、乾燥
して、目的物を1.77g得た(収率:45.4%)。得られ
結晶の粉末X線回折を測定したところ、7.3度
7.4度、13.8度、15.3度、16.6度、16.7度、19.0度
24.1度、29.1度の回折角(2θ)を示した。該粉末X
線回折測定のチャートを図1に示す。
化学純度:96.22%
光学純度:98.75%
融点:147-151℃
含水率:0.06%(カールフィッシャー法)
[α] D 25
:32.69(c=1.0、メタノール)
工程2 (+)-カルボン酸[2]の製造
工程1で得られた(+)カルボン酸・(-)アミン塩
(非水和物)1gに水10ml、1N塩酸3.56ml(1.5当量)、及
び酢酸エチル20mLを加え5分間攪拌した後に分
した。上層を無水硫酸マグネシウムで乾燥
た後、減圧濃縮を行った。濃縮物を30℃で
圧乾燥して、目的物をアモルファスとして0.
77g(quant.)得た。
化学純度:94.50%
光学純度:98.63%
元素分析:C 16
H 18
O 5
・0.4H 2
Oとして
理論値 C:64.59 H:6.37
実測値 C:64.45 H:6.40
FAB-MS:m/z 191[MH] +
1
H-NMR(200MHz,CDCl 3
):δppm
2.35-2.59(m,3H)、2.73-2.95(m,1H)、2.95-3.08(m,1H)、
3.92(s,3H)、3.95(s,3H)、3.90-4.03(m,1H)、5.57-5.70(m,1H)
5.70-5.85(m,1H)、6.89(d,1H,J=8.4Hz)、7.49(d,1H,J=1.8Hz)
7.54(dd,1H,J=8.3,2.1Hz)
[α] D 25
=34.59°(c=1.0、メタノール)
参考例2 (-)-カルボン酸[2]の製造(
特許文献3記載の方法)
(-)-α-メチルベンジルアミンの代わりに(+)-α
-メチルベンジルアミンを用いること以外は
参考例1と同様にして、(-)カルボン酸・(+)ア
ン塩(非水和物)及び(-)-カルボン酸[2]を製造
る。
実施例1 (+)-カルボン酸[2]の製造
工程1 (+)カルボン酸・(+)アミン塩の水和物の
製造
(±)-カルボン酸[2](化学純度:95.97%)50gに酢酸
チル250mL、水6.2g(2.0当量)、及び(+)-α-メチル
ンジルアミン10.4g(0.5当量)を室温で加えた。
晶の析出を確認してから40℃で11時間攪拌を
行い、析出物を室温で濾取した。析出物を50m
Lの酢酸エチルで洗浄した後、室温で減圧乾
して、目的物31.60gを得た(収率86%)。得られた
結晶の粉末X線回折を測定したところ、12.9度
14.7度、18.5度、19.2度、20.0度、20.5度、20.9度
25.0度、28.3度の回折角(2θ)を示した。該粉末
X線回折測定のチャートを図2に示す。
化学純度:98.78%
光学純度:97.05%
融点:113-116℃
含水率:4.18%(カールフィッシャー法、1水和
物の理論含水率:4.19%)
1
H-NMR(300MHz,DMSO-d 6
):δppm
1.29(d,3H,J=6.6Hz)、2.22-2.48(m,3H)、2.55-2.70(m,1H)
、2.76-2.81(m,1H)、3.78(s,3H)、3.83(s,3H)、3.95(dd,1H,J=
6.2,4.0Hz)、4.05(q,1H,J=6.6Hz)、5.53-5.57(m,1H)、5.66-5.6
9(m,1H)、7.02(d,1H,J=8.4Hz)、7.22-7.39(m,5H)、7.40(d,1H,J
=1.8Hz)、7.56(dd,1H,J=8.4,2.1Hz)
[α] D 25
=39.59°(c=1.0、メタノール)
工程2 (+)-カルボン酸[2]の製造
工程1で得られた(+)カルボン酸・(+)アミン塩
の水和物1gに水10ml、1N塩酸3.49ml(1.5当量)、及
酢酸エチル20mLを加え5分間攪拌した後に分液
した。上層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た後、減圧濃縮を行った。濃縮物を30℃で減
乾燥して、目的物をアモルファスとして0.7g
得た。
化学純度:98.82%
光学純度:98.08%
元素分析:C 16
H 18
O 5
・0.4H 2
Oとして
理論値 C:64.59 H:6.37
実測値 C:64.60 H:6.38
FAB-MS:m/z 191[MH] +
1
H-NMR(200MHz,CDCl 3
):δppm
2.35-2.58(m,3H)、2.72-2.95(m,1H)、2.95-3.06(m,1H)、
3.92(s,3H)、3.95(s,3H)、3.90-4.02(m,1H)、5.56-5.70(m,1H)
5.70-5.86(m,1H)、6.89(d,1H,J=8.4Hz)、7.49(d,1H,J=1.8Hz)
7.54(dd,1H,J=8.5,1.8Hz)
[α] D 25
:40.59°(c=1.0、メタノール)
実施例2 (-)-カルボン酸[2]の製造
工程1 (-)カルボン酸・(-)アミン塩の水和物の
製造
(±)-カルボン酸[2](化学純度:95.97%)50gに酢酸
チル250mL、水6.2g(2.0当量)、及び(-)-α-メチル
ンジルアミン10.4g(0.5当量)を室温で加えた。
晶の析出を確認してから室温で13時間攪拌
行い、析出物を濾取した。該析出物を50mLの
酸エチルで洗浄し、室温で減圧乾燥を行っ
、目的物31.4gを得た(収率86%)。該結晶の粉末
X線回折を測定したところ、12.9度、14.7度、18.
5度、19.2度、20.0度、20.5度、20.9度、25.0度、28.
3度の回折角(2θ)を示した。該粉末X線回折測
のチャートを図3に示す。
化学純度:98.54%
光学純度:98.22%
融点:111-113℃
含水率:4.11%(カールフィッシャー法、1水和
物の理論含水率:4.19%)
1
H-NMR(300MHz,DMSO-d 6
):δppm
1.29(d,3H,J=6.9Hz)、2.22-2.47(m,3H)、2.55-2.70(m,1H)
、2.76-2.82(m,1H)、3.78(s,3H)、3.83(s,3H)、3.92-3.97(m,1
H)、4.06(q,1H,J=6.6Hz)、5.53-5.56(m,1H)、5.66-5.69(m,1H)
7.02(d,1H,J=8.1Hz)、7.20-7.40(m,5H)、7.39(d,1H,J=1.8Hz)
7.56(dd,1H,J=9.0,1.8Hz)
[α] D 25
:-38.80°(c=1.0、メタノール)
工程2 (-)-カルボン酸[2]の製造
工程1で得られた(-)カルボン酸・(-)アミン塩
の水和物1gに水10mL、1N塩酸3.49mL(1.5当量)、及
酢酸エチル20mLを加え5分間攪拌した後に分液
した。上層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た後、減圧濃縮を行った。濃縮物を30℃で減
乾燥を行い、目的物をアモルファスとして0
.71g(quant.)得た。
化学純度:98.40%
光学純度:98.08%
元素分析:C 16
H 18
O 5
・0.4H 2
Oとして
理論値 C:64.59 H:6.37
実測値 C:64.53 H:6.35
FAB-MS:m/z 191[MH] +
1
H-NMR(200MHz,CDCl 3
):δppm
2.35-2.56(m,3H)、2.74-2.94(m,1H)、2.94-3.07(m,1H)、
3.92(s,3H)、3.95(s,3H)、3.90-4.02(m,1H)、5.56-5.70(m,1H)
5.70-5.86(m,1H)、6.89(d,1H,J=8.4Hz)、7.49(d,1H,J=1.8Hz)
7.54(dd,1H,J=8.5,1.9Hz)
[α] D 25
:-39.09°(C=1.0、メタノール)
実施例3 (+)カルボン酸・(+)アミン
塩の水和物の製造
溶媒の種類、溶媒の量、(+)-α-メチルベンジ
ルアミンの量、水の量、温度、時間以外は実
施例1工程1と同様にして目的物を製造した。
料化合物である(±)-カルボン酸[2]の化学純
は95.97%である。その結果を表1に示す。
上記参考例1、実施例1~3が示す通り、公知の
方法で得られた(+)-カルボン酸[2]の光学純度
、粗結晶としては85.57%であり、光学活性な
タラジノン誘導体[1]を製造するためのもの
しては不十分であった。また、高い光学純
のものを製造するためには再結晶する必要
あるが、収率は低下した。
一方、本発明の製法で得られた(+)-カルボン
酸の光学純度は、再結晶をせずに97%以上であ
り、製造原料として用いるには十分であった
。故に、光学純度を更に高めるための再結晶
を必要としないため、高収率で製造すること
ができる。
本発明は、従来の製法に比べ、高い光学 度のカルボン酸[2]を高収率で製造すること できる。また、(+)カルボン酸・(+)アミン塩 水和物及び(-)カルボン酸・(-)アミン塩の水 物は、医薬として有用である光学活性なフ ラジノン誘導体[1]を製造する上での製造中 体として重要であり、非常に有用である。
