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Title:
METHOD FOR PRODUCING OPTICALLY ACTIVE ESTER AND METHOD FOR PRODUCING OPTICALLY ACTIVE CARBOXYLIC ACID
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/113428
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for producing an optically active ester by highly selectively esterifying one enantiomer of a racemic carboxylic acid, while producing an optically active carboxylic acid which is the other enantiomer. An optically active ester is produced while producing an optically active carboxylic acid at the same time by reacting a racemic carboxylic acid with a specific alcohol or phenol derivative in the presence of benzoic anhydride or a derivative thereof and a catalyst such as tetramisole or benzotetramisole, thereby selectively esterifying one enantiomer of the racemic carboxylic acid.

Inventors:
SHIINA, Isamu (1-3 Kagurazaka Shinjuku-k, Tokyo 01, 16286, JP)
椎名 勇 (〒01 東京都新宿区神楽坂一丁目3番地 学校法人東京理科大学内 Tokyo, 16286, JP)
Application Number:
JP2009/054012
Publication Date:
September 17, 2009
Filing Date:
March 04, 2009
Export Citation:
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Assignee:
TOKYO UNIVERSITY OF SCIENCE EDUCATIONAL FOUNDATION ADMINISTRATIVE ORGANIZATION (1-3 Kagurazaka, Shinjuku-ku Tokyo, 01, 16286, JP)
学校法人東京理科大学 (〒01 東京都新宿区神楽坂一丁目3番地 Tokyo, 16286, JP)
SHIINA, Isamu (1-3 Kagurazaka Shinjuku-k, Tokyo 01, 16286, JP)
International Classes:
C07C67/08; C07C51/493; C07C57/30; C07C69/612; C07B57/00
Domestic Patent References:
WO2008140074A12008-11-20
Foreign References:
JPH09143101A1997-06-03
Other References:
"Dai 94 Kai Symposium on Organic Synthesis, Japan, 30 October, 2008", 30 October 2008, article KEN'YA TANAKA ET AL.: "Chikan Ansoku Kosan Musuibutsuho o Mochiita Samazama na Racemi Dai 2 Kyu Benzyl Alcohol-rui no Sokudoronteki Kogaku Bunkatsu", pages: 14 - 15, XP008167938
KEN'YA TANAKA ET AL.: "Chikan Ansoku Kosan Musuibutsu o Dassui Shukugozai to suru Racemi Carboxylic Acid Oyobi Alcohol no Sokudoronteki Bunkatsu", DAI 93 KAI SYMPOSIUM ON ORGANIC SYNTHESIS, JAPAN, 30 MAY, 2008, 8 May 2008 (2008-05-08), pages 1 - 4, XP008167939
SHIINA, I. ET AL.: "The first asymmetric esterification of free carboxylic acids with racemic alcohols using benzoic anhydrides and tetramisole derivatives: an applicayion to the kinetic resolution of secondary benzylic alcohols", TETRAHEDRON LETTERS, vol. 48, 2007, pages 8314 - 8317, XP022313021
BIRMAN, V.B. ET AL.: "Kinetic Resolution of Propargylic Alcohols Catalyzed by Benzotetramisole", ORGANIC LETTERS, vol. 8, no. 21, 2006, pages 4859 - 4861, XP008129981
See also references of EP 2251316A4
BIRMAN, V. B.; LI, X., ORG. LETT., vol. 7, 2006, pages 1351 - 1354
BIRMAN, V. B.; GUO, L., ORG. LETT., vol. 21, 2006, pages 4859 - 4861
SHIINA, I.; NAKATA, K., TETRAHEDRON LETT., vol. 48, 2007, pages 8314 - 8317
TOP. STEREOCHEM., vol. 18, 1988, pages 249 - 330
Attorney, Agent or Firm:
SHOBAYASHI, Masayuki (Takase Bldg, 25-8 Higashi-ikebukuro 1-chome,Toshima-k, Tokyo 13, 17000, JP)
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Claims:
 ラセミのカルボン酸と、下記式(a)で表されるアルコール又は下記式(b)で表されるフェノール誘導体とを、安息香酸無水物又はその誘導体と下記式(c)~(f)のいずれかで表される触媒との存在下で反応させ、前記ラセミのカルボン酸のうち一方のエナンチオマーを選択的にエステル化することを特徴とする光学活性エステルの製造方法。
(式(a)中、R a は置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基、アントリル基、又はフェナントリル基を示す。)
(式(b)中、R b は置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基、アントリル基、又はフェナントリル基を示し、nは1~5の整数を示す。複数のR b が存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。)
(式(c)~(f)中、Xは下記の置換基
のいずれかを示し、Rは保護基を示す。)
 前記ラセミのカルボン酸が下記式(g)で表されることを特徴とする請求項1記載の光学活性エステルの製造方法。
(式(g)中、R g1 、R g2 は互いに異なる有機基を示す。)
 前記式(g)中、不斉炭素と結合するR g1 及びR g2 の炭素原子の一方は、多重結合により他の原子と結合していることを特徴とする請求項2記載の光学活性エステルの製造方法。
 前記式(b)中、R b がナフチル基であり、フェノールの2,6位に置換していることを特徴とする請求項1から3のいずれか記載の光学活性エステルの製造方法。
 ラセミのカルボン酸と、下記式(a)で表されるアルコール又は下記式(b)で表されるフェノール誘導体とを、安息香酸無水物又はその誘導体と下記式(c)~(f)のいずれかで表される触媒との存在下で反応させ、前記ラセミのカルボン酸のうち一方のエナンチオマーを選択的にエステル化することを特徴とする光学活性カルボン酸の製造方法。
(式(a)中、R a は置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基、アントリル基、又はフェナントリル基を示す。)
(式(b)中、R b は置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基、アントリル基、又はフェナントリル基を示し、nは1~5の整数を示す。複数のR b が存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。)
(式(c)~(f)中、Xは下記の置換基
のいずれかを示し、Rは保護基を示す。)
Description:
光学活性エステルの製造方法及 光学活性カルボン酸の製造方法

 本発明は、光学活性エステルの製造方法 び光学活性カルボン酸の製造方法に関し、 り詳細には、ラセミのカルボン酸の一方の ナンチオマーを高選択的にエステル化して 学活性エステルを製造するとともに、他方 エナンチオマーである光学活性カルボン酸 製造する方法に関する。

 光学活性エステルや光学活性カルボン酸 、医薬品、生理活性物質の中間体、天然物 成の中間体等として、様々な分野に使用さ ている。

 従来、光学活性エステルの製造方法とし は、テトラミソール(tetramisole)又はベンゾテ トラミソール(benzotetramisole)を触媒として用い 、酸無水物の存在下でラセミの2級ベンジル アルコールから製造する方法が知られてい (非特許文献1を参照)。また、ベンゾテトラ ソールを触媒として用い、酸無水物の存在 でラセミのプロパルギル性アルコールから 学活性エステルを製造する方法も知られて る(非特許文献2を参照)。しかしながら、こ らの製造方法では、酸無水物の構造が極め 限定されているなど、基質一般性に乏しい いう問題があった。そこで、本発明者らは テトラミソール又はベンゾテトラミソール 触媒として用い、安息香酸無水物又はその 導体の存在下でラセミの2級ベンジル性アル ールと遊離のカルボン酸とを反応させて光 活性エステルを製造する方法を既に提案し いる(非特許文献3を参照)。

 一方、光学活性カルボン酸の製造方法とし は、光学活性アミンを分割剤として用い、 セミのカルボン酸と分割剤とのジアステレ マー塩を晶析分割する方法が知られている( 特許文献1等を参照)。しかしながら、この製 方法は基質特異性が高く、カルボン酸の構 に適した光学活性アミンの同定や再結晶溶 の選択が困難であるという問題があった。 た、数回に及ぶ分割を繰り返すことになる め、操作が煩雑であった。
Birman, V. B.; Li, X.; Org. Lett.; 2006, 7, p .1351-1354 Birman, V. B.; Guo, L.; Org. Lett.; 2006, 21, p.4859-4861 Shiina, I.; Nakata, K.; Tetrahedron Lett.; 2007,  48, p.8314-8317

特開平9-143101号公報

 ところで、上述した光学活性エステルの 造方法では、ラセミのアルコールのうち一 のエナンチオマーが選択的にエステル化さ て光学活性エステルとなる結果、他方のエ ンチオマーは光学活性アルコールとして残 。そこで、ラセミのカルボン酸とアルコー とを反応させ、ラセミのカルボン酸のうち 方のエナンチオマーを選択的にエステル化 ることができれば、光学活性エステルを製 するとともに光学活性カルボン酸を製造す ことができると考えられるが、従来このよ な製造方法は実現されていなかった。

 本発明は、このような課題に鑑みてなさ たものであり、ラセミのカルボン酸の一方 エナンチオマーを高選択的にエステル化し 光学活性エステルを製造するとともに、他 のエナンチオマーである光学活性カルボン を製造する方法を提供することを目的とす 。

 本発明者らは、上記課題を解決するため 鋭意研究を重ねた。その結果、ラセミのカ ボン酸と特定のアルコール又はフェノール 導体とを特定の条件下で反応させることに り上記課題を解決できることを見出し、本 明を完成するに至った。より具体的には、 発明は以下のとおりである。

 (1) ラセミのカルボン酸と、下記式(a)で表 れるアルコール又は下記式(b)で表されるフ ノール誘導体とを、安息香酸無水物又はそ 誘導体と下記式(c)~(f)のいずれかで表される 媒との存在下で反応させ、前記ラセミのカ ボン酸のうち一方のエナンチオマーを選択 にエステル化することを特徴とする光学活 エステルの製造方法。
(式(a)中、R a は置換基を有していてもよいフェニル基、ナ フチル基、アントリル基、又はフェナントリ ル基を示す。)
(式(b)中、R b は置換基を有していてもよいフェニル基、ナ フチル基、アントリル基、又はフェナントリ ル基を示し、nは1~5の整数を示す。複数のR b が存在する場合、それらは同一であっても異 なっていてもよい。)
(式(c)~(f)中、Xは下記の置換基
のいずれかを示し、Rは保護基を示す。)

 (2) 前記ラセミのカルボン酸が下記式(g)で されることを特徴とする(1)記載の光学活性 ステルの製造方法。
(式(g)中、R g1 、R g2 は互いに異なる有機基を示す。)

 (3) 前記式(g)中、不斉炭素と結合するR g1 及びR g2 の炭素原子の一方は、多重結合により他の原 子と結合していることを特徴とする(2)記載の 光学活性エステルの製造方法。

 (4) 前記式(b)中、R b がナフチル基であり、フェノールの2,6位に置 換していることを特徴とする(1)から(3)のいず れか記載の光学活性エステルの製造方法。

 (5) ラセミのカルボン酸と、下記式(a)で表 れるアルコール又は下記式(b)で表されるフ ノール誘導体とを、安息香酸無水物又はそ 誘導体と下記式(c)~(f)のいずれかで表される 媒との存在下で反応させ、前記ラセミのカ ボン酸のうち一方のエナンチオマーを選択 にエステル化することを特徴とする光学活 カルボン酸の製造方法。
(式(a)中、R a は置換基を有していてもよいフェニル基、ナ フチル基、アントリル基、又はフェナントリ ル基を示す。)
(式(b)中、R b は置換基を有していてもよいフェニル基、ナ フチル基、アントリル基、又はフェナントリ ル基を示し、nは1~5の整数を示す。複数のR b が存在する場合、それらは同一であっても異 なっていてもよい。)
(式(c)~(f)中、Xは下記の置換基
のいずれかを示し、Rは保護基を示す。)

 本発明によれば、ラセミのカルボン酸の 方のエナンチオマーを高選択的にエステル して光学活性エステルを製造するとともに 他方のエナンチオマーである光学活性カル ン酸を製造することができる。

発明を実施するための形態

 本発明に係る光学活性エステルの製造方法 び光学活性カルボン酸の製造方法は、ラセ のカルボン酸と特定のアルコール又はフェ ール誘導体とを、安息香酸無水物又はその 導体と特定の触媒との存在下で反応させ、 セミのカルボン酸のうち一方のエナンチオ ーを選択的にエステル化することを特徴と るものである。
 本発明の製造方法で得られる光学活性エス ル及び光学活性カルボン酸は、それぞれラ ミのカルボン酸の異なるエナンチオマーに 応する。したがって、本発明に係る光学活 エステルの製造方法及び光学活性カルボン の製造方法は、ラセミのカルボン酸の光学 割方法と理解することもできる。

[ラセミのカルボン酸]
 本発明の製造方法で用いられるラセミのカ ボン酸は、特に限定されるものではないが 下記式(g)のようにカルボキシル基のα位に 斉炭素を有するものが好ましい。

 上記式(g)中、R g1 、R g2 は互いに異なる有機基を示す。有機基として は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル 基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコ キシアルキル基、アルコキシアルケニル基、 アルコキシアルキニル基、アリールアルキル 基、アリールアルケニル基、アリールアルキ ニル基、ヘテロアリールアルキル基、ヘテロ アリールアルケニル基、ヘテロアリールアル キニル基、アルキルアリール基、アルキルへ テロアリール基、アルコキシアリール基、ア ルコキシへテロアリール基等が挙げられる。 この有機基は、アルキル基、アルコキシ基、 アリール基、ヘテロアリール基、アシル基、 ハロゲン原子等によって任意に置換されてい てもよい。

 また、R g1 、R g2 は、不斉炭素と結合するR g1 及びR g2 の炭素原子の一方が多重結合により他の原子 と結合し、他方が単結合により他の原子と結 合していることが好ましい。これによりエナ ンチオ選択率を向上させることができる。不 斉炭素と結合する炭素原子が多重結合により 他の原子と結合するためには、不斉炭素にア ルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘ テロアリール基等が結合していればよい。

[アルコール]
 本発明の製造方法で用いられるアルコール 、下記式(a)で表される。

 上記式(a)中、R a は置換基を有していてもよいフェニル基、ナ フチル基、アントリル基、又はフェナントリ ル基を示す。R a の置換基としては、アルキル基、アルコキシ 基、アリール基、ハロゲン原子等が挙げられ る。R a としては特に、2-トリル基、1-ナフチル基、9- フェナントリル基が好ましい。このようなア ルコールを用いることで、高いエナンチオ選 択率で光学活性エステル及び光学活性カルボ ン酸を製造することができる。

[フェノール誘導体]
 本発明の製造方法で用いられるフェノール 導体は、下記式(b)で表される。

 上記式(b)中、R b は置換基を有していてもよいフェニル基、ナ フチル基、アントリル基、又はフェナントリ ル基を示し、ナフチル基が好ましい。R b の置換基としては、アルキル基、アルコキシ 基、アリール基、ハロゲン原子等が挙げられ る。nは1~5の整数であり、n=2が好ましい。複 のR b が存在する場合、それらは同一であっても異 なっていてもよい。このようなフェノール誘 導体の中でも、フェノールの2,6位がナフチル 基によって置換されたものが好ましい。

[安息香酸無水物又はその誘導体]
 本発明の製造方法で用いられる安息香酸無 物又はその誘導体は、脱水縮合剤として作 する。安息香酸無水物の誘導体としては、 ェニル基にアルキル基、アルコキシ基、ア ノ基、ヒドロキシル基等の電子供与性基が 合した安息香酸から得られるものが好まし 、炭素数1~3のアルキル基又はアルコキシ基 結合した1~3置換の安息香酸から得られるも がより好ましい。

[触媒]
 本発明の製造方法で用いられる触媒は、下 式(c)~(f)のいずれかで表される。

 上記式(c)~(f)中、Xは下記の置換基のいず かを示す。Rはアルキル基、アシル基、シリ 基等の保護基である。

 上記式(c)~(f)で表される触媒のうち、上記 式(d)で表され、Xがフェニル基である触媒は トラミソールと称され、上記式(e)で表され Xがフェニル基である触媒はベンゾテトラミ ールと称される。これらの触媒は、市販品 して入手することもでき、Xで表される置換 基を側鎖として有するアミノ酸を用いて合成 することもできる。

[反応条件等]
 光学活性エステル及び光学活性カルボン酸 製造は、溶媒中に、ラセミのカルボン酸、 ルコール又はフェノール誘導体、安息香酸 水物又はその誘導体、及び触媒を添加する とによって行われる。溶媒としては、ジク ロメタン、クロロベンゼン等が挙げられる また、反応進行に伴って生成する安息香酸 水物又はその誘導体由来の酸を中和するた 、反応系内に塩基を添加することが好まし 。この塩基としては、求核性を有さない有 塩基(トリメチルアミン、トリエチルアミン 、ジイソプロピルエチルアミン)が好ましい
 溶媒中への添加順序は任意であるが、ラセ のカルボン酸と安息香酸無水物又はその誘 体とを含む溶液中に、塩基、触媒、アルコ ル又はフェノール誘導体を順次加えること 好ましい。

 それぞれの添加量は、特に限定されるもの はないが、ラセミのカルボン酸に対して、 ルコール又はフェノール誘導体が0.5~1.0当量 、安息香酸無水物又はその誘導体が0.5~1.5当 、塩基が1.0~3.0当量、触媒が0.1~10モル%である ことが好ましい。
 反応温度は-23~30℃が好ましく、反応時間は1 0分間~48時間が好ましい。

 以下、本発明の実施例を説明するが、本 明の範囲はこれらの実施例に限定されるも ではない。

[試験例1:各種アルコールを用いた光学活性エ ステル及び光学活性カルボン酸の製造]

 上記反応式に示すように、1.2当量の安息香 無水物(Bz 2 O)及び1.0当量のラセミ2-フェニルプロピオン を含むジクロロメタン溶液に対し、2.4当量 ジイソプロピルエチルアミン、カルボン酸 対して5モル%のベンゾテトラミソール(BTM)、 び0.75当量のアルコールを室温で順番に加え 、反応混合液を室温で所定時間撹拌した後、 飽和塩化アンモニア水で反応を停止した。有 機層を分取した後、水層をジエチルエーテル 又はジクロロメタンで3~4回抽出した。有機層 を混合した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し た。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られ た混合物をシリカゲル薄層クロマトグラフィ ーで分取することにより、対応する光学活性 エステル及び未反応の光学活性カルボン酸の 一部を得た。水層に1M塩酸を加え、pHを約2に 整した後、ジエチルエーテル又はジクロロ タンで4回抽出した。上記と同様の後処理を 行い、未反応の光学活性カルボン酸をさらに 回収し、先に得られた光学活性カルボン酸と 合わせた。結果を表1に示す。

 なお、エナンチオ過剰率eeはキラルカラ によるHPLC分析法により決定した。また、反 速度比sは、Kaganらの方法(Top. Stereochem., 1988 , 18, p.249-330)に従い、s=[ln(1-C)(1-生成物のee)]/ [ln(1-C)(1+生成物のee)]として算出した。

 表1から分かるように、アルコールとして 1,1-ジ(2-トリル)メタノール、1,1-ジフェニルメ タノール、1,1-ジ(1-ナフチル)メタノール、1,1- ジ(2-ナフチル)メタノール、又は1,1-ジ(9-フェ ントリル)メタノールを用いた場合(実験例3, 4,6~8)、特に1,1-ジ(2-トリル)メタノール、1,1-ジ (1-ナフチル)メタノール、又は1,1-ジ(9-フェナ トリル)メタノールを用いた場合には、他の アルコールを用いた場合(実験例1,2,5)よりも いエナンチオ選択率で光学活性エステル及 光学活性カルボン酸が得られた。

[試験例2:各種フェノール誘導体を用いた光学 活性エステル及び光学活性カルボン酸の製造 ]

 上記反応式に示すように、1.2当量の安息香 無水物(Bz 2 O)及び1.0当量のラセミ2-フェニルプロピオン を含むジクロロメタン溶液に対し、2.4当量 ジイソプロピルエチルアミン、カルボン酸 対して5モル%のベンゾテトラミソール(BTM)、 び0.75当量のフェノール誘導体を室温で順番 に加え、反応混合液を室温で所定時間撹拌し た後、飽和塩化アンモニア水で反応を停止し た。有機層を分取した後、水層をジクロロメ タンで4回抽出した。有機層を混合した後、 水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過 た後に減圧濃縮し、得られた混合物をシリ ゲル薄層クロマトグラフィーで分取するこ により、対応する光学活性エステル及び未 応の光学活性カルボン酸の一部を得た。水 に1M塩酸を加え、pHを約2に調整した後、ジク ロロメタンで4回抽出した。上記と同様の後 理を行い、未反応の光学活性カルボン酸を らに回収し、先に得られた光学活性カルボ 酸と合わせた。結果を表2に示す。

 表2から分かるように、フェノール誘導体 として2,6-ジ(1-ナフチル)フェノール又は2,6-ジ (2-ナフチル)フェノールを用いた場合(実験例1 4,15)には、他のフェノール誘導体を用いた場 (実験例9~13)よりもエナンチオ過剰率ee及び 応速度比sが高く、高いエナンチオ選択率で 学活性エステル及び光学活性カルボン酸が られた。

[試験例3:1,1-ジ(1-ナフチル)メタノールを用い 光学活性エステル及び光学活性カルボン酸 製造]

 上記反応式に示すように、1,1-ジ(1-ナフチ ル)メタノールと各種ラセミのカルボン酸と 反応させ、光学活性エステル及び光学活性 ルボン酸を得た。結果を表3に示す。

 表3から分かるように、アルコールとして 1,1-ジ(1-ナフチル)メタノールを用いた場合に 、エナンチオ過剰率ee及び反応速度比sが高 、高いエナンチオ選択率で光学活性エステ 及び光学活性カルボン酸が得られた。

 以下、表3における光学活性エステル及び 光学活性カルボン酸の製造方法及び同定結果 を示す。

≪実験例16≫
 p-メトキシ安息香酸無水物(103.0mg,0.360mmol)及 ラセミ2-フェニルプロピオン酸(45.1mg,0.300mmol )を含むジクロロメタン溶液(1.5mL)に対し、ジ ソプロピルエチルアミン(94.0μL,0.540mmol)、ベ ンゾテトラミソール(3.8mg,0.015mmol)、及び1,1-ジ (1-ナフチル)メタノール(42.8mg,0.151mmol)を室温 順番に加えた。反応混合液を室温で12時間撹 拌した後、飽和塩化アンモニア水で反応を停 止した。有機層を分取した後、水層をジエチ ルエーテルで4回抽出した。有機層を混合し 後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液 濾過した後に減圧濃縮し、得られた混合物 シリカゲル薄層クロマトグラフィーで分取 ることにより、対応する光学活性エステル(4 5.0mg,36%,91%ee)及び未反応の光学活性カルボン の一部を得た。水層に1M塩酸を加え、pHを約2 に調整した後、ジエチルエーテルで4回抽出 た。上記と同様の後処理を行い、未反応の 学活性カルボン酸をさらに回収し、先に得 れた光学活性カルボン酸と合わせた(17.5mg,39% ,52%ee)。

<ジ(1-ナフチル)メチル (R)-2-フェニルプロ ノエート>
HPLC(CHIRALPAK AD-H,i-PrOH/hexane=1/50,flow rate=1.0mL/min ):t R =13.8min(4.4%),t R =18.3min(95.6%);
Mp:128℃(i-PrOH/hexane);
IR(KBr):3067,1728,1600,1509,776,699cm -1 ;
1 H NMR(CDCl 3 ):δ8.29(s,1H,1’-H),7.99-7.94(m,1H,Ph),7.84-7.79(m,1H,Ph), 7.74(t,J=7.0Hz,2H,Ph),7.68(d,J=8.0Hz,1H,Ph),7.63(d,J=8.5Hz,1 H,Ph),7.45-7.38(m,2H,Ph),7.35-7.31(m,1H,Ph),7.23-7.14(m,7H,P h),7.11(t,J=7.5Hz,1H,Ph),7.06(d,J =7.5Hz,1H,Ph),6.90(d,J=7. 0Hz,1H,Ph),3.77(q,J=7.0Hz,1H,2-H),1.45(d,J=7.0Hz,3H,3-H);
13 C NMR(CDCl 3 ):δ173.5,140.0,134.8,134.6,133.8,133.7,131.2,130.8,129.1,12 8.9,128.7,128.64,128.57,127.8,127.2,126.7,126.4,126.3,125.9, 125.6,125.2,125.0,123.5,123.3,71.1,45.6,18.2;
HR MS:calcd for C 30 H 24 O 2 Na(M+Na + ) 439.1669,found 439.1668.

<(S)-2-フェニルプロピオン酸>
HPLC(CHIRALPAK AD-H,i-PrOH/hexane/TFA=1/50/0.05,flow rate= 0.5mL/min):t R =39.6min(24.1%),t R =43.4min(75.9%);
1 H NMR(CDCl 3 ):δ10.95(br s,1H,COOH),7.30-7.16(m,5H,Ph),3.67(q,J=7.2Hz,1 H,2-H),1.45(d,J=7.2Hz,3H,3-H).

≪実験例18≫
<ジ(1-ナフチル)メチル (R)-2-(4-トリル)プロ ノエート>
HPLC(CHIRALPAK AD-H,i-PrOH/hexane=1/9,flow rate=0.75mL/min ):t R =9.5min(7.6%),t R =13.4min(92.4%);
IR(neat):3051,1733,1598,1512,801,777,732cm -1 ;
1 H NMR(CDCl 3 ):δ8.27(s,1H,1’-H),7.98-7.91(m,1H,Ph),7.83-7.76(m,1H,Ph), 7.72(t,J=8.2Hz,2H,Ph),7.66(d,J=8.2Hz,1H,Ph),7.62(d,J=8.6Hz,1 H,Ph),7.44-7.36(m,1H,Ph),7.31(t,J=7.5Hz,1H,Ph),7.22-7.14(m,2 H,Ph),7.13-7.01(m,4H,Ph),6.97(d,J=7.9Hz,2H,Ph),6.92(d,J=7.5H z,1H,Ph),3.72(q,J=7.0Hz,1H,2-H),2.25(s,3H,Me),1.42(d,J=7.0Hz ,3H,3-H);
13 C NMR(CDCl 3 ):δ173.7,137.0,136.7,134.9,134.6,133.8,133.7,131.2,130.9,12 9.2,129.1,128.8,128.7,128.6,128.3,127.6,126.7,126.3,126.2,12 5.8,125.6,125.3,125.2,125.0,123.5,123.3,71.1,45.2,21.0,18.2;
HR MS:calcd for C 31 H 26 O 2 Na(M+Na + ) 453.1825,found 453.1816.

<(S)-2-(4-トリル)プロピオン酸>
HPLC(CHIRALPAK AD-H,i-PrOH/hexane/TFA=1/50/0.05,flow rate= 0.5mL/min):t R =43.2min(23.0%),t R =46.7min(77.0%);
1 H NMR(CDCl 3 ):δ10.63(br s,1H,COOH),7.13(d,J=7.8Hz,2H,Ph),7.07(d,J=7.8H z,2H,Ph),3.63(q,J=7.0Hz,1H,2-H),2.26(s,3H,Me),1.42(d,J=7.0Hz ,3H,3-H).

≪実験例20≫
<ジ(1-ナフチル)メチル (R)-2-(4-メトキシフ ニル)プロパノエート>
HPLC(CHIRALPAK AD-H,i-PrOH/hexane=1/9,flow rate=1.0mL/min) :t R =10.5min(7.2%),t R =12.8min(85.6%);
IR(neat):3059,1733,1608,1512,783,733cm -1 ;
1 H NMR(CDCl 3 ):δ8.26(s,1H,1’-H),7.97-7.89(m,1H,Ph),7.85-7.58(m,5H,Ph), 7.46-7.04(m,8H,Ph),6.93(d,J=6.9Hz,1H,Ph),6.75-6.67(m,2H,Ph), 3.78-3.68(m,4H,2-H,OMe),1.42(d,J=6.9Hz,3H,3-H);
13 C NMR(CDCl 3 ):δ173.7,158.7,134.8,134.6,133.8,133.6,132.1,131.2,130.9,12 9.1,128.83,128.76,128.7,128.6,128.3,126.7,126.3,126.2,125.8, 125.6,125.3,125.2,125.0,123.5,123.3,113.9,71.0,55.3,44.8,18. 2;
HR MS:calcd for C 31 H 26 O 2 Na(M+Na + ) 469.1774,found 469.1754.

<(S)-2-(4-メトキシフェニル)プロピオン酸>
HPLC(CHIRALPAK AD-H,i-PrOH/hexane/TFA=1/50/0.05,flow rate= 1.0mL/min):t R =34.7min(17.5%),t R =36.4min(82.5%);
1 H NMR(CDCl 3 ):δ10.99(br s,1H,COOH),7.17(d,J=8.7Hz,2H,Ph),6.79(d,J=8.7H z,2H,Ph),3.72(s,3H,OMe),3.61(q,J=7.2Hz,1H,2-H),1.42(d,J=7.2H z,3H,3-H).

≪実験例22≫
<ジ(1-ナフチル)メチル (R)-2-(4-クロロフェ ル)プロパノエート>
HPLC(CHIRALPAK AD-H,i-PrOH/hexane=1/9,flow rate=0.5mL/min) :t R =17.1min(8.4%),t R =19.3min(91.6%);
IR(neat):3052,1737,1599,1510,837,777cm -1 ;
1 H NMR(CDCl 3 ):δ8.26(d,J=3.0Hz,1H,1’-H),7.90(dd,J=7.5,3.0Hz,1H,Ph),7.8 1(d,J=7.5Hz,1H,Ph),7.75(t,J=8.5Hz,2H,Ph),7.70(d,J=8.0Hz,1H,P h),7.62(dd,J=8.5,3.0Hz,1H,Ph),7.45-7.32(m,3H,Ph),7.26-7.04(m ,8H,Ph),6.93(dd,J=7.0,3.0Hz,1H,Ph),3.73(qd,J=8.5,1.5Hz,1H,2- H),1.45-1.41(m,3H,3-H);
13 C NMR(CDCl 3 ):δ173.1,138.4,134.5,134.4,133.8,133.7,133.0,131.1,130.8,12 9.2,129.1,128.9,128.7,128.6,128.3,126.7,126.4,126.1,125.9,12 5.7,125.3,125.2,124.5,123.3,123.2,71.4,45.0,18.0;
HR MS:calcd for C 30 H 23 O 2 ClNa(M+Na + ) 473.1279,found 473.1284.

<(S)-2-(4-クロロフェニル)プロピオン酸>
HPLC(CHIRALPAK AD-H,i-PrOH/hexane/TFA=1/50/0.05,flow rate= 0.75mL/min):t R =31.7min(21.4%),t R =34.0min(78.6%);
1 H NMR(CDCl 3 ):δ9.15(br s,1H,COOH),7.39-7.09(m,4H,Ph),3.69(q,J=7.0Hz,1H ,2-H),1.48(d,J=7.0Hz,3H,3-H).

≪実験例24≫
<ジ(1-ナフチル)メチル (R)-2-フェニルブタ エート>
HPLC of 2-phenylbutan-1-ol derived from the title com pound(CHIRALPAK AS-H,i-PrOH/hexane=1/50,flow rate=0.75mL/m in):t R =16.0min(16.4%),t R =17.4min(83.6%);
IR(neat):3034,1734,1599,1510,779,679cm -1 ;
1 H NMR(CDCl 3 ):δ8.28(s,1H,1’-H),7.94(d,J=7.6Hz,1H,Ph),7.82-7.76(m,1H,P h),7.71(dd,J=8.3,3.5Hz,2H,Ph),7.64(d,J=8.3Hz,1H,Ph),7.59(d,J =8.3Hz,1H,Ph),7.43-7.34(m,2H,Ph),7.33-7.26(m,1H,Ph),7.20-7.1 1(m,7H,Ph),7.10-7.02(m,2H,Ph),6.88(d,J=6.5Hz,1H,Ph),3.50(t,J =7.5Hz,1H,2-H),2.13-2.02(m,1H,3-H),1.78-1.67(m,1H.3-H),0.79( t,J=7.3Hz,3H,4-H);
13 C NMR(CDCl 3 ):δ173.0,138.5,134.8,134.5,133.8,133.6,131.2,130.8,129.1,12 8.8,128.7,128.6,128.5,128.3,128.2,127.2,126.7,126.3,126.2,12 5.8,125.6,125.2,125.0,133.5,123.3,71.0,53.5,26.1,12.2;
HR MS:calcd for C 31 H 26 O 2 Na(M+Na + ) 453.1825,found 453.1834.

<(S)-2-フェニルブタン酸>
HPLC(CHIRALPAK AD-H,i-PrOH/hexane/TFA=1/50/0.05,flow rate= 1.0mL/min):t R =20.0min(30.0%),t R =22.8min(70.0%);
1 H NMR(CDCl 3 ):δ10.28(br s,1H,COOH),7.31-7.14(m,5H,Ph),3.39(t,J=7.5Hz,1 H,2-H),2.13-1.93(m,1H,3-H),1.82-1.62(m,1H,3-H),0.83(t,J=7.5H z,3H,4-H).

≪実験例26≫
<ジ(1-ナフチル)メチル (R)-2,3-ジフェニルプ ロパノエート>
HPLC(CHIRALPAK AD-H,i-PrOH/hexane=1/9,flow rate=0.75mL/min ):t R =12.3min(13.5%),t R =23.1min(86.5%);
IR(neat):3033,1736,1600,1511,780,678 cm -1 ;
1 H NMR(CDCl 3 ):δ8.15(s,1H,1’-H),7.78-7.56(m,5H,Ph),7.49(t,J=8.3Hz,1H,P h),7.38-7.14(m,11H,Ph),7.13-6.94(m,5H,Ph),6.76(dd,J=7.5Hz,1H ,Ph),7.06(d,J=10.5,7.0Hz,1H,Ph),3.94(dd,J=10.0,5.5Hz,1H,2-H) ,3.40(dd,J=13.7,10.0Hz,1H,3-H),2.92(dd,J=13.7,5.5Hz,1H,3-H);
13 C NMR(CDCl 3 ):δ172.4,139.0,138.2,134.35,134.30,133.7,133.6,131.0,130.8, 129.0,128.9,128.68,128.63,128.57,128.4,128.3,128.1,127.5,126 .7,126.33,126.31,126.0,125.7,125.6,125.20,124.97,123.4,123.3 ,71.4,53.6,39.2;
HR MS:calcd for C 36 H 28 O 2 Na(M+Na + ) 515.1982,found 515.1963.

<(S)-2,3-ジフェニルプロピオン酸>
HPLC(CHIRALPAK AD-H,i-PrOH/hexane/TFA=1/10/0.01,flow rate= 0.75mL/min):t R =12.5min(21.9%),t R =15.5min(78.1%);
1 H NMR(CDCl 3 ):δ10.35(br s,1H,COOH),7.28-6.98(m,10H,Ph),3.78(dd,J=8.2,7 .0Hz,1H,2-H),3.33(dd,J=13.8,8.2Hz,1H,3-H),2.96(dd,J=13.8,7.0 Hz,1H,3-H).

[試験例4:1,1-ジ(9-フェナントリル)メタノール 用いた光学活性エステル及び光学活性カル ン酸の製造]

 上記反応式に示すように、1,1-ジ(9-フェナ ントリル)メタノールと各種ラセミのカルボ 酸とを反応させ、光学活性エステル及び光 活性カルボン酸を得た。結果を表4に示す。

 表4から分かるように、アルコールとして 1,1-ジ(9-フェナントリル)メタノールを用いた 合には、エナンチオ過剰率ee及び反応速度 sが高く、高いエナンチオ選択率で光学活性 ステル及び光学活性カルボン酸が得られた

 以下、表4における光学活性エステル及び 光学活性カルボン酸の製造方法及び同定結果 を示す。

≪実験例28≫
 p-メトキシ安息香酸無水物(68.7mg,0.240mmol)及 ラセミ2-フェニルプロピオン酸(30.0mg,0.200mmol) を含むジクロロメタン溶液(2.0mL)に対し、ジ ソプロピルエチルアミン(62.7μL,0.360mmol)、ベ ゾテトラミソール(2.5mg,0.010mmol)、及び1,1-ジ( 9-フェナントリル)メタノール(38.4mg,0.100mmol)を 室温で順番に加えた。反応混合液を室温で12 間撹拌した後、飽和塩化アンモニア水で反 を停止した。有機層を分取した後、水層を クロロメタンで4回抽出した。有機層を混合 した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶 液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた混合 物をシリカゲル薄層クロマトグラフィーで分 取することにより、対応する光学活性エステ ル(43.3mg,42%,91%ee)及び未反応の光学活性カルボ ン酸の一部を得た。水層に1M塩酸を加え、pH 約2に調整した後、ジクロロメタンで4回抽出 した。上記と同様の後処理を行い、未反応の 光学活性カルボン酸をさらに回収し、先に得 られた光学活性カルボン酸と合わせた(12.4mg,4 2%,52%ee)。

<ジ(9-フェナントリル)メチル (R)-2-フェニ プロパノエート>
HPLC(CHIRALPAK AD-H,i-PrOH/hexane=1/50,flow rate=0.5mL/min ):t R =30.0min(95.6%),t R =34.2min(4.4%);
IR(KBr):3064,1731,1495,1451,1163,749,726cm -1 ;
1 H NMR(CDCl 3 ):δ8.82-8.59(m,4H,Ph),8.42(s,1H,1’-H),8.20-8.11(m,1H,Ph), 7.84-7.25(m,18H,Ph),3.91(q,J=7.2Hz,1H,2-H),1.56(d,J=7.2Hz,3H ,3-H);
13 C NMR(CDCl 3 ):δ173.5,140.1,132.9,132.7,131.1,131.0,130.9,130.7,130.6,13 0.5,130.2,129.8,129.1,128.8,127.9,127.4,127.3,127.2,127.0,12 6.9,126.7,126.5,126.4,126.2,124.2,123.9,123.4,123.1,122.4,12 2.4,71.0,45.7,18.1.

≪実験例30≫
<ジ(9-フェナントリル)メチル (R)-2-(4-トリ )プロパノエート>
HPLC(CHIRALPAK AD-H,i-PrOH/hexane=1/9,flow rate=0.5mL/min) :t R =26.7min(93.3%),t R =40.4min(6.7%);
IR(KBr):3068,1732,1451,1154,750,726cm -1 ;
1 H NMR(CDCl 3 ):δ8.81-8.53(m,4H,Ph),8.42(s,1H,1’-H),8.25-8.10(m,1H,Ph), 7.83-7.05(m,17H,Ph),3.85(q,J=6.9Hz,1H,2-H),2.40(s,3H,Me),1.5 3(d,J=6.9Hz,3H,3-H);
13 C NMR(CDCl 3 ):δ173.6,137.2,137.0,132.9,132.7,131.1,131.1,130.9,130.7,13 0.5,130.2,129.8,129.5,129.1,129.1,128.3,128.0,127.8,127.3,12 7.2,127.0,126.9,126.6,126.4,126.4,126,2,124.3,124.0,123.4,12 3.1,122.4,122.4,70.8,45.3,21.1,18.0.

≪実験例32≫
<ジ(9-フェナントリル)メチル (R)-2-(4-メト シフェニル)プロパノエート>
HPLC(CHIRALPAK AD-H,i-PrOH/hexane=1/50,flow rate=1.0mL/min ):t R =22.6min(9.0%),t R =26.3min(91.0%);
IR(KBr):3075,1733,1511,1451,1248,1032,750,726cm -1 ;
1 H NMR(CDCl 3 ):δ8.84-8.64(m,4H,Ph),8.40(s,1H,1’-H),8.18-8.12(m,1H,Ph), 7.80-7.35(m,12H,Ph),7.30-7.19(m,3H,Ph),6.88-6.82(m,2H,Ph),3. 86(q,J=7.2Hz,1H,2-H),3.84(s,3H,OMe),1.54(d,J=7.2Hz,3H,3-H);
13 C NMR(CDCl 3 ):δ173.0,158.9,133.0,132.8,132.2,131.1,131.0,130.7,130.6,13 0.5,130.3,129.9,129.1,129.1,129.0,127.9,127.3,127.2,127.0,12 6.9,126.7,126.5,126.4,126.3,124.3,124.0,123.4,123.1,122.5,12 2.4,114.2,70.9,55.3,44.9,18.1.

≪実験例34≫
<ジ(9-フェナントリル)メチル (R)-2-(4-クロ フェニル)プロパノエート>
HPLC(CHIRALPAK AD-H,i-PrOH/hexane=1/50,flow rate=0.5mL/min ):t R =37.4min(10.1%),t R =46.4min(89.8%);
IR(KBr):3067,1735,1493,1451,1151,750,726cm -1 ;
1 H NMR(CDCl 3 ):δ8.87-8.63(m,4H,Ph),8.40(s,1H,1’-H),8.17-8.09(m,1H,Ph), 7.80-7.20(m,17H,Ph),3.89(q,J=7.2Hz,1H,2-H),1.55(d,J=7.2Hz,3H ,3-H);
13 C NMR(CDCl 3 ):δ173.0,138.5,133.3,132.6,132.5,131.0,130.9,130.9,130.6,13 0.6,130.4,130.1,129.7,129.2,129.1,129.0,128.3,127.9,127.3,12 7.1,126.9,126.7,126.5,126.2,124.1,123.8,123.4,123.2,122.4,12 2.4,71.1,45.1,17.9.

≪実験例36≫
<ジ(9-フェナントリル)メチル (R)-2-フェニ ブタノエート>
HPLC(CHIRALPAK AD-H,i-PrOH/hexane=1/50,flow rate=0.5mL/min ):t R =23.4min(93.5%),t R =29.6min(6.5%);
IR(KBr):3057,1727,1450,1359,1154,755,727cm -1 ;
1 H NMR(CDCl 3 ):δ8.84-8.53(m,4H,Ph),8.32(s,1H,1’-H),8.11-7.98(m,1H,Ph), 7.76-7.14(m,18H,Ph),3.60(dd,J=7.7,7.7Hz,1H,2-H),2.22-2.04(m, 1H,3-H),1.84-1.63(m,1H,3-H),0.87(t,J=7.2Hz,3H,4-H).

≪実験例38≫
<ジ(9-フェナントリル)メチル (R)-2,3-ジフェ ニルプロパノエート>
HPLC of 2,3-diphenylpropan-1-ol derived from the title  compound(CHIRALPAK AD-H,i-PrOH/hexane=1/9,flow rate=0.5m L/min):t R =14.7min(93.4%),t R =18.7min(6.6%);
IR(KBr):3064,1723,1495,1451,1145,748,726cm -1 ;
1 H NMR(CDCl 3 ):δ8.79-8.55(m,4H,Ph),8.29(s,1H,1’-H),7.90-7.80(m,1H,Ph), 7.71-7.10(m,23H,Ph),4.10(dd,J=10.0,5.4Hz,1H,2-H),3.54(dd,J=1 3.9,10.0Hz,1H,3-H),3.02(dd,J=13.9,5.4Hz,1H,3-H);
13 C NMR(CDCl 3 ):δ172.3,139.1,138.4,132.6,132.5,131.0,131.0,130.8,130.6,13 0.6,130.4,130.1,129.7,129.2,129.1,129.0,128.9,128.4,128.3,12 8.3,127.9,127.6,127.3,127.2,127.0,126.9,126.9,126.6,126.5,12 6.4,126.4,126.1,124.3,123.9,123.3,123.1,122.4,122.3,71.3,53. 7,39.3.

[試験例5:2,6-ジ(1-ナフチル)フェノール又は2,6- ジ(2-ナフチル)フェノールを用いた光学活性 ステル及び光学活性カルボン酸の製造]

 上記反応式に示すように、2,6-ジ(1-ナフチ ル)フェノール又は2,6-ジ(2-ナフチル)フェノー ルとラセミ2-フェニルプロピオン酸とを反応 せ、光学活性エステル及び光学活性カルボ 酸を得た。結果を表5に示す。

 表5から分かるように、フェノール誘導体 として2,6-ジ(1-ナフチル)フェノール又は2,6-ジ (2-ナフチル)フェノールを用いた場合、特に フェノール誘導体として2,6-ジ(1-ナフチル)フ ェノールを用い、酸無水物としてp-メトキシ 息香酸無水物を用いた場合(実験例40)には、 エナンチオ過剰率ee及び反応速度比sが高く、 高いエナンチオ選択率で光学活性エステル及 び光学活性カルボン酸が得られた。

 以下、表5における光学活性エステル及び 光学活性カルボン酸の製造方法及び同定結果 を示す。

≪実験例40≫
 p-メトキシ安息香酸無水物(103.1mg,0.360mmol)及 ラセミ2-フェニルプロピオン酸(45.0mg,0.300mmol )を含むジクロロメタン溶液(1.5mL)に対し、ジ ソプロピルエチルアミン(130.0μL,0.720mmol)、 ンゾテトラミソール(3.8mg,0.015mmol)、及び2,6- (1-ナフチル)フェノール(77.9mg,0.225mmol)を室温 順番に加えた。反応混合液を室温で4時間撹 拌した後、飽和塩化アンモニア水で反応を停 止した。有機層を分取した後、水層をジクロ ロメタンで4回抽出した。有機層を混合した 、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を 過した後に減圧濃縮し、得られた混合物を リカゲル薄層クロマトグラフィーで分取す ことにより、対応する光学活性エステル(29.8 mg,21%,86%ee)及び未反応の光学活性カルボン酸 一部を得た。水層に1M塩酸を加え、pHを約2に 調整した後、ジクロロメタンで4回抽出した 上記と同様の後処理を行い、未反応の光学 性カルボン酸をさらに回収し、先に得られ 光学活性カルボン酸と合わせた(26.2mg,58%,18%ee )。

<2,6-ジ(1-ナフチル)フェニル (R)-2-フェニル ロパノエート>
HPLC(CHIRALPAK AD-H,i-PrOH/hexane=1/50,flow rate=0.3mL/min ):t R =29.6min(93.0%),t R =33.6min(7.0%);
1 H NMR(CDCl 3 ):δ7.92-7.65(m,6H,Ph),7.55-7.29(m,11H,Ph),7.02-6.69(m,3H,Ph ),6.27-6.10(m,2H,Ph),2.75(qd,J=7.2,6.9 Hz,1H,2-H),0.39(dq,J =8.7,7.2Hz,3H,3-H).

≪実験例42≫
 p-メトキシ安息香酸無水物(103.1mg,0.360mmol)及 ラセミ2-フェニルプロピオン酸(45.0mg,0.300mmol )を含むジクロロメタン溶液(1.5mL)に対し、ジ ソプロピルエチルアミン(130.0μL,0.720mmol)、 ンゾテトラミソール(3.8mg,0.015mmol)、及び2,6- (2-ナフチル)フェノール(77.9mg,0.225mmol)を室温 順番に加えた。反応混合液を室温で3時間撹 拌した後、飽和塩化アンモニア水で反応を停 止した。有機層を分取した後、水層をジクロ ロメタンで4回抽出した。有機層を混合した 、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を 過した後に減圧濃縮し、得られた混合物を リカゲル薄層クロマトグラフィーで分取す ことにより、対応する光学活性エステル(21.7 mg,15%,67%ee)及び未反応の光学活性カルボン酸 一部を得た。水層に1M塩酸を加え、pHを約2に 調整した後、ジクロロメタンで4回抽出した 上記と同様の後処理を行い、未反応の光学 性カルボン酸をさらに回収し、先に得られ 光学活性カルボン酸と合わせた(31.5mg,71%,11%ee )。

<2,6-ジ(2-ナフチル)フェニル (R)-2-フェニル ロパノエート>
HPLC(CHIRALPAK AD-H,i-PrOH/hexane=1/50,flow rate=1.0mL/min ):t R =21.3min(16.3%),t R =23.9min(83.7%);
1 H NMR(CDCl 3 ):δ7.93-7.65(m,8H,Ph),7.56-7.39(m,8H,Ph),7.25(s,1H,Ph),6.95 -6.85(m,1H,Ph),6.79-6.70(m,2H,Ph),6.67-6.58(m,2H,Ph),3.35(q, J=7.2Hz,1H,2-H),0.95(d,J=7.2Hz,3H,3-H).

[試験例6:イブプロフェンを用いた光学活性エ ステル及び光学活性カルボン酸の製造(イブ ロフェンの光学分割)]

 上記反応式に示すように、1,1-ジ(1-ナフチ ル)メタノール又は1,1-ジ(9-フェナントリル)メ タノールとラセミのイブプロフェンとを反応 させ、光学活性エステル及び光学活性カルボ ン酸を得た。結果を表6に示す。

 表6から分かるように、アルコールとして 1,1-ジ(1-ナフチル)メタノールを用いた場合と1 ,1-ジ(9-フェナントリル)メタノールを用いた 合とのいずれも、高いエナンチオ選択率で ブプロフェンを光学分割し、光学活性エス ル及び光学活性カルボン酸を得ることがで た。

 以下、表6における光学活性エステル及び 光学活性カルボン酸の製造方法及び同定結果 を示す。

≪実験例44≫
 p-メトキシ安息香酸無水物(68.9mg,0.241mmol)及 ラセミのイブプロフェン(41.2mg,0.200mmol)を含 ジクロロメタン溶液(1.0mL)に対し、ジイソプ プロピルエチルアミン(62.7μL,0.360mmol)、ベン ゾテトラミソール(2.5mg,0.010mmol)、及び1,1-ジ(1- ナフチル)メタノール(28.4mg,0.100mmol)を室温で 番に加えた。反応混合液を室温で12時間撹拌 した後、飽和塩化アンモニア水で反応を停止 した。有機層を分取した後、水層をジエチル エーテルで4回抽出した。有機層を混合した 、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を 過した後に減圧濃縮し、得られた混合物を リカゲル薄層クロマトグラフィーで分取す ことにより、対応する光学活性イブプロフ ンエステル(36.9mg,39%,92%ee)及び未反応の光学 性イブプロフェン(13.6mg,33%,36%ee)を得た。

<(R)-イブプロフェン ジ(1-ナフチル)メチル ステル>
HPLC(CHIRALPAK AD-H,i-PrOH/hexane=1/9,flow rate=1.0mL/min) :t R =6.1min(4.1%),t R =10.7min(95.9%);
IR(neat):3036,1735,1599,1512,782,679cm -1 ;
1 H NMR(CDCl 3 ):δ8.29(s,1H,1”-H),8.02-7.93(m,1H,Ph),7.85-7.60(m,5H,Ph), 7.47-7.26(m,3H,Ph),7.24-7.02(m,6H,Ph),7.00-6.88(m,3H,Ph),3.7 4(q,J=7.1Hz,1H,2-H),2.38(d,J=7.1Hz,2H,1’-H),1.78(qq,J=6.6, 6.6Hz,1H,2’-H),1.43(d,J=7.1Hz,3H,3-H),0.84(d,J=6.6Hz,6H,3 -H);
13 C NMR(CDCl 3 ):δ173.7,140.6,137.2,134.9,134.7,133.8,133.7,131.2,130.9,12 9.3,129.1,128.8,128.7,128.6,127.5,126.7,126.3,125.8,125.6,12 5.2,125.0,123.5,123.4,70.9,45.3,45.0,30.2,22.4,18.1;
HR MS:calcd for C 34 H 32 O 2 Na(M+Na + ) 495.2295,found 495.2276.

<(S)-イブプロフェン>
HPLC(CHIRALPAK AD-H,i-PrOH/hexane/TFA=1/100/0.1,flow rate= 1.0mL/min):t R =26.3min(77.5%),t R =28.5min(22.5%);
1 H NMR(CDCl 3 ):δ10.30(br s,1H,COOH),7.14(d,J=7.9Hz,2H,Ph),7.02(d,J=7.9H z,2H,Ph),3.63(q,J=7.3Hz,1H,2-H),2.37(q,J=7.3Hz,2H,1’-H),1. 77(qq,J=6.5,6.5Hz,1H,2’-H),1.42(d,J=7.3Hz,2H,3-H),0.82(d,J =6.5Hz,6H,3’-H).

≪実験例46≫
<(R)-イブプロフェン ジ(9-フェナントリル) チルエステル>
HPLC(CHIRALPAK AD-H,i-PrOH/hexane=1/50,flow rate=0.5mL/min ):t R =18.4min(5.6%),t R =24.9min(94.4%);
IR(KBr):3068,1732,1451,1155,750,726cm -1 ;
1 H NMR(CDCl 3 ):δ8.83-8.60(m,4H,Ph),8.40(s,1H,1”-H),8.18-8.09(m,1H,Ph), 7.82-7.04(m,17H,Ph),3.89(q,J=7.2Hz,1H,2-H),2.61-2.45(m,2H,1 -H),2.00-1.81(m,1H,2’-H),1.55(d,J=7.2Hz,3H,3-H),0.95(d,J =6.6Hz,6H,3’-H);
13 C NMR(CDCl 3 ):δ173.7,133.0,132.7,131.1,131.0,130.9,130.6,130.6,130.4,13 0.2,129.8,129.5,129.1,127.9,127.5,127.3,127.2,127.0,126.9,12 6.9,126.6,126.4,126.2,124.3,123.9,123.3,123.1,122.4,122.4,70 .8,45.3,45.1,30.2,22.5,22.4,18.2.

[試験例7:ケトプロフェンを用いた光学活性エ ステル及び光学活性カルボン酸の製造(ケト ロフェンの光学分割)]

 上記反応式に示すように、1,1-ジ(1-ナフチ ル)メタノール又は1,1-ジ(9-フェナントリル)メ タノールとラセミのケトプロフェンとを反応 させ、光学活性エステル及び光学活性カルボ ン酸を得た。結果を表7に示す。

 表7から分かるように、アルコールとして 1,1-ジ(1-ナフチル)メタノールを用いた場合と1 ,1-ジ(9-フェナントリル)メタノールを用いた 合とのいずれも、高いエナンチオ選択率で トプロフェンを光学分割し、光学活性エス ル及び光学活性カルボン酸を得ることがで た。

 以下、表7における光学活性エステル及び 光学活性カルボン酸の製造方法及び同定結果 を示す。

≪実験例49≫
 安息香酸無水物(54.2mg,0.240mmol)及びラセミの トプロフェン(50.8mg,0.200mmol)を含むジクロロ タン溶液(2.0mL)に対し、ジイソプロプロピル エチルアミン(62.7μL,0.360mmol)、ベンゾテトラ ソール(2.5mg,0.010mmol)、及び1,1-ジ(1-ナフチル) タノール(28.4mg,0.100mmol)を室温で順番に加え 。反応混合液を室温で6時間撹拌した後、飽 和塩化アンモニア水で反応を停止した。有機 層を分取した後、水層をジエチルエーテルで 4回抽出した。有機層を混合した後、無水硫 ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後 減圧濃縮し、得られた混合物をシリカゲル 層クロマトグラフィーで分取することによ 、対応する光学活性ケトプロフェンエステ (56.8mg,55%,80%ee)及び未反応の光学活性ケトプ フェン(13.8mg,27%,50%ee)を得た。

<(R)-ケトプロフェン ジ(1-ナフチル)メチル ステル>
HPLC(CHIRALPAK AD-H,i-PrOH/hexane=1/4,flow rate=1.0mL/min) :t R =16.7min(10.1%),t R =46.3min(89.9%);
IR(neat):3035,1735,1660,1599,1511,780,680cm -1 ;
1 H NMR(CDCl 3 ):δ8.28(s,1H,1’-H),7.93-7.85(m,1H,Ph),7.82-7.54(m,6H,Ph), 7.52-7.44(m,2H,Ph),7.44-7.06(m,13H,Ph),6.95(d,J=7.1Hz,1H,Ph) ,3.81(q,J=7.1Hz,1H,2-H),1.46(d,J=7.1Hz,3H,3-H);
13 C NMR(CDCl 3 ):δ196.3,173.0,140.1,137.8,137.3,134.5,134.4,133.8,133.7,13 2.4,131.6,131.1,130.8,129.9,129.5,129.2,128.93,128.91,128.86 ,128.7,128.6,128.3,128.2,126.7,126.4,126.1,125.9,125.7,125.4 ,125.2,125.0,123.2,71.4,45.5,17.9;
HR MS:calcd for C 37 H 28 O 3 Na(M+Na + ) 543.1931,found 543.1910.

<(S)-ケトプロフェン>
HPLC(CHIRALPAK AD-H,i-PrOH/hexane/TFA=1/10/0.01,flow rate= 1.0mL/min):t R =15.0min(20.0%),t R =17.7min(80.0%);
1 H NMR(CDCl 3 ):δ10.67(br s,1H,COOH),7.85-7.76(m,3H,Ph),7.69(dt,J=7.5,1. 5Hz,1H,Ph),7.63-7.54(m,2H,Ph),7.52-7.42(m,3H,Ph),3.83(q,J=7. 0Hz,1H,2-H),1.56(d,J=7.0Hz,3H,3-H).

≪実験例51≫
<(R)-ケトプロフェン ジ(9-フェナントリル) チルエステル>
HPLC(CHIRALPAK AD-H,i-PrOH/hexane=1/9,flow rate=1.0mL/min) :t R =34.6min(86.0%),t R =45.7min(14.0%);
IR(neat):3060,1733,1658,1159,754,721cm -1 ;
1 H NMR(CDCl 3 ):δ8.84-8.60(m,4H,Ph),8.42(s,1H,1’-H),8.16-8.06(m,1H,Ph), 7.82-7.32(m,20H,Ph),7.28-7.32(m,2H,Ph),3.99(q,J=6.9Hz,1H,2-H ),1.60(d,J=6.9Hz,3H,3-H);
13 C NMR(CDCl 3 ):δ196.3,173.1,140.2,138.0,137.4,134.6,134.5,133.9,133.7,13 2.4,131.6,131.2,131.0,130.0,129.6,129.2,128.9,128.7,128.6,12 8.3,128.2,126.7,126.5,126.1,125.9,125.8,125.4,125.2,125.0,12 3.3,71.5,45.6,18.0.

[試験例8:ナプロキセンを用いた光学活性エス テル及び光学活性カルボン酸の製造(ナプロ センの光学分割)]

 上記反応式に示すように、1,1-ジ(1-ナフチ ル)メタノール又は1,1-ジ(9-フェナントリル)メ タノールとラセミのナプロキセンとを反応さ せ、光学活性エステル及び光学活性カルボン 酸を得た。結果を表8に示す。

 表8から分かるように、アルコールとして 1,1-ジ(1-ナフチル)メタノールを用いた場合と1 ,1-ジ(9-フェナントリル)メタノールを用いた 合とのいずれも、高いエナンチオ選択率で プロキセンを光学分割し、光学活性エステ 及び光学活性カルボン酸を得ることができ 。

 以下、表8における光学活性エステル及び 光学活性カルボン酸の製造方法及び同定結果 を示す。

≪実験例55≫
 安息香酸無水物(54.3mg,0.240mmol)及びラセミの プロキセン(46.1mg,0.200mmol)を含むジクロロメ ン溶液(2.0mL)に対し、ジイソプロプロピルエ チルアミン(62.7μL,0.360mmol)、ベンゾテトラミ ール(2.5mg,0.010mmol)、及び1,1-ジ(9-フェナント ル)メタノール(38.4mg,0.100mmol)を室温で順番に えた。反応混合液を室温で6時間撹拌した後 、飽和塩化アンモニア水で反応を停止した。 有機層を分取した後、水層をジクロロメタン で4回抽出した。有機層を混合した後、無水 酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した に減圧濃縮し、得られた混合物をシリカゲ 薄層クロマトグラフィーで分取することに り、対応する光学活性ナプロキセンエステ (59.7mg,50%,88%ee)及び未反応の光学活性ナプロ セン(12.6mg,27%,61%ee)を得た。

<(R)-ナプロキセン ジ(9-フェナントリル)メ ルエステル>
HPLC(CHIRALCEL OD-H,i-PrOH/hexane=1/4,flow rate=0.75mL/min ):t R =23.7min(94.1%),t R =41.1min(5.9%);
IR(KBr):3063,1731,1605,1265,1028,749,727cm -1 ;
1 H NMR(CDCl 3 ):δ8.84-8.50(m,4H,Ph),8.43(s,1H,1’-H),8.25-8.12(m,1H,Ph), 7.80-7.08(m,18H,Ph),6.83-6.75(m,1H,Ph),4.03(q,J=7.1Hz,1H,2-H ),3.96(s,3H,OMe),1.64(d,J=7.1Hz,3H,3-H);
13 C NMR(CDCl 3 ):δ173.5,157.9,135.2,134.0,132.9,132.6,131.0,130.9,130.6,13 0.6,130.3,130.2,129.8,129.5,129.1,129.0,128.9,128.3,128.0,12 7.4,127.3,127.2,126.8,126.6,126.6,126.5,126.4,126.3,126.2,12 4.2,123.9,123.4,123.1,122.4,122.2,119.0,105.6,71.0,55.4,45.7 ,18.0.

<(S)-ナプロキセン>
HPLC(CHIRALPAK AD-H,i-PrOH/hexane/TFA=1/10/0.01,flow rate= 1.0mL/min):t R =13.8min(18.9%),t R =15.8min(81.1%);
1 H NMR(CDCl 3 ):δ9.42(br s,1H,COOH),7.68-7.55(m,3H,Ph),7.33-7.28(m,1H,Ph ),7.13-6.99(m,2H,Ph),3.83(s,3H,OMe),3.79(q,J=7.2Hz,1H,2-H),1 .50(d,J=7.2Hz,3H,3-H).

≪実験例53≫
<(R)-ナプロキセン ジ(1-ナフチル)メチルエ テル>
HPLC(CHIRALPAK AD-H,i-PrOH/hexane=1/9,flow rate=1.0mL/min) :t R =13.7min(10.6%),t R =17.4min(89.4%);
IR(neat):3034,1733,1604,1508,782,679cm -1 ;
1 H NMR(CDCl 3 ):δ8.29(s,1H,1’-H),8.00-7.90(m,1H,Ph),7.82-6.96(m,17H,Ph) ,6.95-6.81(m,2H,Ph),3.86(q,J=7.0Hz,1H,2-H),3.79(s,3H,OMe),1. 49(d,J=7.0Hz,3H,3-H);
13 C NMR(CDCl 3 ):δ173.6,157.6,135.1,134.7,134.5,133.8,133.7,133.6,131.2,13 0.8,129.3,129.1,128.9,128.8,128.7,128.6,128.3,127.1,126.7,12 6.5,126.3,126.2,125.8,125.6,125.3,125.2,125.0,123.4,123.3,11 8.9,105.5,71.2,55.2,45.5,18.3;
HR MS:calcd for C 35 H 28 O 3 Na(M+Na + ) 519.1931,found 519.1932.

[試験例9:フルルビプロフェンを用いた光学活 性エステル及び光学活性カルボン酸の製造( ルルビプロフェンの光学分割)]

 上記反応式に示すように、1,1-ジ(1-ナフチ ル)メタノール又は1,1-ジ(9-フェナントリル)メ タノールとラセミのフルルビプロフェンとを 反応させ、光学活性エステル及び光学活性カ ルボン酸を得た。結果を表9に示す。

 表9から分かるように、アルコールとして 1,1-ジ(1-ナフチル)メタノールを用いた場合と1 ,1-ジ(9-フェナントリル)メタノールを用いた 合とのいずれも、高いエナンチオ選択率で ルルビプロフェンを光学分割し、光学活性 ステル及び光学活性カルボン酸を得ること できた。

 以下、表9における光学活性エステル及び 光学活性カルボン酸の製造方法及び同定結果 を示す。

≪実験例59≫
 安息香酸無水物(54.3mg,0.240mmol)及びラセミの ルルビプロフェン(48.9mg,0.200mmol)を含むジク ロメタン溶液(2.0mL)に対し、ジイソプロプロ ピルエチルアミン(62.7μL,0.360mmol)、ベンゾテ ラミソール(2.5mg,0.010mmol)、及び1,1-ジ(9-フェ ントリル)メタノール(38.4mg,0.100mmol)を室温で 番に加えた。反応混合液を室温で6時間撹拌 した後、飽和塩化アンモニア水で反応を停止 した。有機層を分取した後、水層をジクロロ メタンで4回抽出した。有機層を混合した後 無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾 した後に減圧濃縮し、得られた混合物をシ カゲル薄層クロマトグラフィーで分取する とにより、対応する光学活性フルルビプロ ェンエステル(50.4mg,41%,88%ee)及び未反応の光 活性フルルビプロフェン(13.4mg,28%,44%ee)を得 。

<(R)-フルルビプロフェン ジ(9-フェナント ル)メチルエステル>
HPLC(CHIRALPAK AD-H,i-PrOH/hexane=1/9,flow rate=0.5mL/min) :t R =14.9min(6.3%),t R =16.9min(93.7%);
IR(KBr):3062,1736,1450,1416,1166,1146,749,726cm -1 ;
1 H NMR(CDCl 3 ):δ8.84-8.62(m,4H,Ph),8.42(s,1H,1’-H),8.17-8.08(m,1H,Ph), 7.80-7.32(m,19H,Ph),7.20-7.11(m,2H,Ph),3.95(q,J=7.0Hz,1H,2-H ),1.60(d,J=7.0Hz,3H,3-H);
13 C NMR(CDCl 3 ):δ172.9,160.7,158.8,141.4,141.3,135.5,132.7,132.6,131.0,13 1.0,130.9,130.7,130.6,130.5,130.1,129.8,129.1,129.0,129.0,12 8.5,128.1,128.0,127.9,127.8,127.3,127.1,127.0,126.7,126.7,12 6.7,126.5,126.4,124.2,123.9,123.9,123.9,123.4,123.2,122.5,12 2.4,115.7,115.5,71.3,45.2,17.8.

<(S)-フルルビプロフェン>
HPLC(CHIRALPAK AD-H,i-PrOH/hexane/TFA=1/50/0.05,flow rate= 1.0mL/min):t R =24.9min(18.2%),t R =35.0min(81.8%);
1 H NMR(CDCl 3 ):δ9.45(br s,1H,COOH),7.57-7.49(m,2H,Ph),7.48-7.33(m,4H,Ph ),7.22-7.11(m,2H,Ph),3.80(q,J=7.2Hz,1H,2-H),1.56(d,J=7.2Hz,3 H,3-H).

≪実験例57≫
<(R)-フルルビプロフェン ジ(1-ナフチル)メ ルエステル>
HPLC(CHIRALPAK AD-H,i-PrOH/hexane=1/9,flow rate=0.75mL/min ):t R =9.8min(8.3%),t R =16.9min(91.7%);
IR(neat):3035,1734,1599,1513,783,679cm -1 ;
1 H NMR(CDCl 3 ):δ8.29(s,1H,1’-H),7.95-7.86(m,1H,Ph),7.80-7.72(m,1H,Ph), 7.70(d,J=8.1Hz,2H,Ph),7.64(d,J=8.1Hz,2H,Ph),7.46-7.04(m,12H, Ph),7.01-6.90(m,3H,Ph),3.74(q,J=7.0Hz,1H,2-H),1.44(t,J=7.0Hz ,3H,3-H);
13 C NMR(CDCl 3 ):δ173.5,140.0,134.8,134.6,133.8,133.7,131.2,130.8,129.1,12 8.9,128.7,128.64,128.57,127.8,127.2,126.7,126.4,126.3,125.9, 125.6,125.2,125.0,123.5,123.3,71.1,45.6,18.2;
HR MS:calcd for C 36 H 27 O 2 FNa(M+Na + ) 533.1887,found 533.1865.

[試験例10:フェノプロフェンを用いた光学活 エステル及び光学活性カルボン酸の製造(フ ノプロフェンの光学分割)]

 上記反応式に示すように、1,1-ジ(1-ナフチ ル)メタノール又は1,1-ジ(9-フェナントリル)メ タノールとラセミのフェノプロフェンとを反 応させ、光学活性エステル及び光学活性カル ボン酸を得た。結果を表10に示す。

 表10から分かるように、アルコールとし 1,1-ジ(1-ナフチル)メタノールを用いた場合と 1,1-ジ(9-フェナントリル)メタノールを用いた 合とのいずれも、高いエナンチオ選択率で ェノプロフェンを光学分割し、光学活性エ テル及び光学活性カルボン酸を得ることが きた。

 以下、表10における光学活性エステル及 光学活性カルボン酸の製造方法及び同定結 を示す。

≪実験例60≫
 p-メトキシ安息香酸無水物(68.7mg,0.240mmol)、 セミのフェノプロフェン(48.2mg,0.199mmol)、及 1,1-ジ(ナフチル)メタノール(28.2mg,0.099mmol)を むジクロロメタン溶液(1.0mL)に対し、ジイソ ロプロピルエチルアミン(62.7μL,0.360mmol)及び ベンゾテトラミソール(2.5mg,0.010mmol)を室温で 番に加えた。反応混合液を室温で12時間撹 した後、飽和塩化アンモニア水で反応を停 した。有機層を分取した後、水層をジエチ エーテルで4回抽出した。有機層を混合した 、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を 過した後に減圧濃縮し、得られた混合物を リカゲル薄層クロマトグラフィーで分取す ことにより、対応する光学活性フェノプロ ェンエステル(46.8mg,46%,82%ee)及び未反応の光 活性フェノプロフェン(20.2mg,42%,53%ee)を得た

<(R)-フェノプロフェン ジ(1-ナフチル)メチ エステル>
HPLC(CHIRALPAK AD-H,i-PrOH/hexane=1/50,flow rate=1.0mL/min ):t R =20.4min(8.9%),t R =23.9min(91.1%);
IR(neat):3036,1735,1585,1484,781,679cm -1 ;
1 H NMR(CDCl 3 ):δ8.28(s,1H,1’-H),7.92(d,J=8.0Hz,1H,Ph),7.82-7.62(m,5H,P h),7.43-7.30(m,3H,Ph),7.27-7.09(m,7H,Ph),6.98-6.91(m,3H,Ph), 6.86-6.83(m,1H,Ph),6.82-6.73(m,3H,Ph),3.72(q,J=7.0Hz,1H,2-H) ,1.42(d,J=7.0Hz,3H,3-H);
13 C NMR(CDCl 3 ):δ173.1,157.3,157.0,141.9,134.7,134.6,133.8,133.7,131.2,13 0.9,129.8,129.7,129.1,128.9,128.8,128.7,128.3,126.7,126.4,12 6.1,125.9,125.7,125.3,125.2,125.1,123.4,123.3,123.1,122.6,11 8.7,118.4,117.6,71.2,45.5,17.9;
HR MS:calcd for C 36 H 28 O 3 Na(M+Na + ) 531.1931,found 531.1948.

<(S)-フェノプロフェン>
HPLC(CHIRALPAK AD-H,i-PrOH/hexane/TFA=1/50/0.05,flow rate= 1.0mL/min):t R =26.0min(23.4%),t R =30.9min(76.6%);
1 H NMR(CDCl 3 ):δ11.8(br s,1H,COOH),7.24-7.10(m,3H,Ph),7.00-6.85(m,5H,Ph ),6.76(ddd,J=8.2,2.5,0.9Hz,1H,Ph),3.58(q,J=7.2Hz,1H,2-H),1.3 7(d,J=7.2Hz,3H,3-H).

≪実験例62≫
<(R)-フェノプロフェン ジ(1-フェナントリ )メチルエステル>
HPLC(CHIRALPAK AD-H,i-PrOH/hexane=1/9,flow rate=0.5mL/min) :t R =17.9min(88.9%),t R =20.8min(11.1%);
Mp:189-190℃(CHCl 3 /hexane);
IR(KBr):3070,1736,1584,1486,1232,751,726cm -1 ;
1 H NMR(CDCl 3 ):δ8.85-8.60(m,4H,Ph),8.40(s,1H,1’-H),8.20-8.05(m,1H,Ph), 7.82-6.72(m,22H,Ph),7.20-7.11(m,2H,Ph),3.88(q,J=7.2Hz,1H,2-H ),1.55(d,J=7.2Hz,3H,3-H);
13 C NMR(CDCl 3 ):δ173.1,157.6,156.8,142.0,132.8,132.7,131.1,131.1,130.9,13 0.7,130.7,130.5,130.2,130.0,129.8,129.6,129.1,129.1,127.8,12 7.3,127.1,127.0,126.7,126.7,126.7,126.6,126.5,126.5,124.2,12 4.0,123.4,123.3,123.2,122.6,122.5,122.4,118.9,118.3,117.5,71 .2,45.6,17.9;
HR MS:calcd for C 44 H 32 O 3 Na(M+Na + ) 631.2244,found 631.2254.