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Title:
METHOD FOR PRODUCING POLYISOCYANATE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/107655
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for producing a polyisocyanate, which comprises a contact step wherein a reaction liquid obtained by reacting a polyamine with phosgene is brought into contact with a zeolite at 60-230˚C, and a heating step wherein the reaction liquid, which has been brought into contact with a zeolite in the contact step, is heated at 180-230˚C.

Inventors:
MASUDA TAKAHIRO (JP)
KANBARA YOSHIYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/053403
Publication Date:
September 03, 2009
Filing Date:
February 25, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON POLYURETHANE KOGYO KK (JP)
MASUDA TAKAHIRO (JP)
KANBARA YOSHIYUKI (JP)
International Classes:
C07C263/20; C07C263/10; C07C265/14
Foreign References:
JPS5470220A1979-06-05
JPH06234724A1994-08-23
JPH0899946A1996-04-16
Attorney, Agent or Firm:
HASEGAWA, Yoshiki et al. (JP)
Yoshiki Hasegawa (JP)
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Claims:
 ポリアミンをホスゲンと反応させて得られる反応液を60~230℃でゼオライトと接触させる接触工程と、前記接触工程においてゼオライトと接触させた後の反応液を180~230℃で加熱する加熱工程と、を備える、ポリイソシアネートの製造方法。
 前記ゼオライトは、SiO 2 /Al 2 O 3 (モル比)が5/1~500/1のゼオライトである、請求項1記載のポリイソシアネートの製造方法。
 前記反応液は溶媒を含んでおり、前記接触工程において、前記溶媒及び/又は未反応の前記ホスゲンが除去される、請求項1又は2に記載のポリイソシアネートの製造方法。
 前記接触工程において、前記反応液を100~160℃で前記ゼオライトと接触させる、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリイソシアネートの製造方法。
 前記ポリアミンは、アニリンとホルムアルデヒドの付加縮合により得られるポリアミンであって、アニリンに由来する骨格の数が異なるものの混合物である、請求項1~4のいずれか一項に記載のポリイソシアネートの製造方法。
Description:
ポリイソシアネートの製造方法

 本発明はポリイソシアネートの製造方法 関する。より詳しくは、本発明は、着色の ないポリイソシアネートを製造する製造方 に関する。

 ポリイソシアネートは、工業的にはポリ ミン混合物を溶媒の存在下、ホスゲンと反 させることによって製造されており、続い 減圧蒸留によって留出成分と不留出成分を 離する。この方法によって得られた不留出 分は、不純物として酸分や加水分解性塩素 有化合物を含んでおり、これら不純物が多 とウレタン製造時の反応性が悪くなること 知られている。これらの不純物を低減する 法としては、減圧下180~230℃の加熱処理が行 われている。しかし、この高温処理ではポリ イソシアネートの色相が悪化し、これがウレ タン製品の着色原因になるため、着色が小さ いポリイソシアネートの製造法の開発が望ま れている。

 ポリイソシアネートの色相改善について 、数多くの報告がある(例えば、特許文献1 び特許文献2)が、ポリアミンとホスゲンの反 応物を、塩化水素ガス存在下、加熱処理を行 う方法が工業的に有効とされている。

 一方、ジフェニルメタンジイソシアネート( 以下、場合により「MDI」と記載する。)を、 なくとも100m 2 /gの内部表面積を有する微孔質吸着剤で処理 、鉄含有量を減少させる方法が提案されて る(特許文献3参照)。

特公昭57-15827号公報

特許第3229714号公報

特開平8-99946号公報

 しかしながら、上記方法でもポリイソシ ネートの色相改善は十分でなく、より一層 色相改善が望まれている。また、製造する リイソシアネート中に、溶解性の低い成分 含まれていると、常温まで冷却したときに 降物を生じてしまう問題がある。

 そこで、本発明の目的は、ポリイソシア ートの色相を十分に改善すると共に、精製 における沈降物の生成を抑制することの可 なポリイソシアネートの製造方法を提供す ことにある。

 本発明者らは、着色の少ないポリイソシ ネートを製造する方法を鋭意検討した結果 ポリイソシアネート反応液をゼオライト存 下で所定温度で加熱した後、所定温度で再 熱することで、色相が大幅に改善されると に、沈降物の生成も抑制可能であることを 出し、本発明を完成するに至った。

 すなわち、本発明は、ポリアミンをホス ンと反応させて得られる反応液を60~230℃で オライトと接触させる接触工程と、接触工 においてゼオライトと接触させた後の反応 を180~230℃で加熱する加熱工程と、を備える 、ポリイソシアネートの製造方法を提供する 。

 本発明の製造方法により、色相が大幅に 善されると共に沈降物の生成が抑制された リイソシアネートが得られる。本発明者ら 、特定の理論に拘束されるものではないが 色相の改善は、接触工程において反応液を オライト存在下60~230℃で加熱することに起 するものと考える。また、加熱工程におい 180~230℃で加熱することは沈降物の生成の抑 制に寄与しているものと推測される。なお、 本発明の方法はエネルギー消費の点でも従来 法に比べて格段に優れている。すなわち、従 来はホスゲンや塩化水素を完全に除去した後 に、再度色相改善のため塩化水素等を加えて 精製するためエネルギー消費の点で不利であ った。しかし、本発明では再度塩化水素ガス を加えることなく、色相改善を図ることがで きることから、エネルギー消費を低く抑える ことができる。

 本発明において使用するゼオライトは、SiO 2 /Al 2 O 3 (モル比)が5/1~500/1のゼオライトであることが ましい。このようなゼオライトは、塩化水 やホスゲン等に対して十分な耐久性を有す ため、色相改善効果が十分に発揮される。

 上記反応液は溶媒を含んでおり、接触工 において、溶媒及び/又は未反応のホスゲン が除去されることが好ましい。このような構 成により、色相改善と不純物除去が同時に進 行するため、エネルギー的にも色相改善効率 の点からも有利である。

 上述した効果が顕著に発揮されることか 、接触工程において、上記反応液を100~160℃ でゼオライトと接触させることが好ましい。

 本発明で好適に用いられるポリアミンは アニリンとホルムアルデヒドの付加縮合に り得られるポリアミンであって、アニリン 由来する骨格の数が異なるものの混合物で る。このようなポリアミンとしては、メチ ンジアニリンやその高級類似体(多核体)が げられる。

 本発明によれば、色相に優れる(すなわち 、着色が極めて少ない)と共に、精製時にお る沈降物の生成が抑制されたポリイソシア ートを製造でき、ポリイソシアネートの製 方法として有用である。

 以下、本発明の好適な実施形態について 細に説明する。

 本発明のポリイソシアネートの製造方法 、ポリアミンをホスゲンと反応(ホスゲン化 )させて得られる反応液を60~230℃でゼオライ と接触させる接触工程と、接触工程におい ゼオライトと接触させた後の反応液を180~230 で加熱する加熱工程とを備える。

 接触工程においてホスゲン化反応に使用さ るポリアミンとしては、脂肪族ポリアミン 芳香族ポリアミン、脂環式ポリアミン等い れの骨格を有するポリアミンも用いること できる。反応性や安全性に優れるポリイソ アネートを得ることができることから、本 明では、アニリンとホルムアルデヒドの付 縮合により得られるポリアミン、すなわち 下記一般式(1)で表されるポリアミンを用い ことが好ましい。式中nは、0又は1以上の数 表す。

 上記において、n=0の場合は、一般式(1)で されるポリアミンはメチレンジアニリン(MDA )であり2核体に相当する。また、n=1の場合は3 核体、n=2の場合は4核体であり、n=mの場合は(m +2)核体となる。一般式(1)で表されるポリアミ ンは、アニリンに由来する骨格(1つのアミノ と1つのベンゼン環からなる骨格)の数が異 るものの混合物であってもよい。すなわち 2核体、3核体、4核体、5核体及びそれ以上の 核体の混合物であってもよい。

 ホスゲン化は、ポリアミンを反応溶媒で る不活性溶媒に溶解させ、これにホスゲン 導入することによって行うことができる。 活性溶媒としては、トルエン、キシレン等 芳香族炭化水素、クロロトルエン、クロロ ンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化 化水素、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエス ル類、メチルイソブチル等のケトン類等が げられる。ホスゲン化は、塩酸塩法、冷熱2 段法、ホスゲン加圧法等の方法を用いて行う ことができ、工業的見地からは、連続的に反 応を生じさせる方法が好ましい。

 ホスゲン化を塩酸塩法で行う場合は、上 した不活性溶媒中にポリアミンを溶解させ この溶媒の沸点以下の温度で塩化水素ガス 導入し、ポリアミンの塩酸塩を形成させ、 にホスゲンガスを導入して、例えば100~180℃ でホスゲン化反応を生じさせることができる 。

 ホスゲン化を冷熱2段法で行う場合は、上 述した不活性溶媒中にポリアミンを溶解させ 、その溶液にポリアミンの5~20倍モル程度の スゲンを導入し、例えば0~90℃で第1段の反応 を行い、続いて、ポリアミンに対して0.5~10倍 モル程度のホスゲンの存在下、例えば100~150 で第2段の反応を行う。

 ホスゲン化をホスゲン加圧法で行う場合 、ポリアミンをその沸点又は沸点以上の温 に加熱し、例えば100~500kPaの圧力下でホスゲ ン(ポリアミンの1~10倍モル程度)を窒素やアル ゴン等のキャリアガスとともに導入して反応 を行うことができる。

 接触工程においては、ポリアミンをホス ン化させて得られる反応液を60~230℃でゼオ イトと接触させる前に、残存ホスゲンと反 溶媒の含有量を低減させることが好ましい

 残存ホスゲンと反応溶媒の含有量を低減 せる方法としては、ポリアミンをホスゲン させて得られる反応液に、窒素、ヘリウム アルゴン等の不活性ガスを装入する方法や 減圧下で反応溶媒の沸点まで加熱する方法( 減圧法)が挙げられ、コストの点からは減圧 が好ましい。この場合において、反応液中 残存ホスゲン量が100ppm程度、残存反応溶媒 が10%程度まで、含有量の低減を行うことが ましい。

 残存ホスゲンと反応溶媒の含有量の低減 、低減効率とポリイソシアネートの色相を 持するため、100~160℃で加熱することにより 行われることが好ましい。160℃より高い温度 で長時間加熱を続けると、ポリイソシアネー トの色相が悪化する場合があり、100℃より低 い温度では残存ホスゲンと反応溶媒の含有量 の低減の効率が不十分になる場合がある。

 ポリアミンをホスゲンと反応させて得ら る反応液は、好ましくは、残存ホスゲンを1 00ppm、残存反応溶媒を10%程度まで低減させた 、ゼオライト存在下、60~230℃で加熱される ゼオライト存在下の加熱は、製造プロセス 流れから100~160℃で行うのが、エネルギー消 費の点で有利である。加熱温度が60℃より低 なると、色相改善効果が低下する傾向があ 、230℃より高くなると、ポリイソシアネー が熱分解し色相が悪化する傾向がある。

 前記接触工程における加熱処理の温度は 100~200℃がより好ましく、100~160℃が特に好 しい。加熱は、水分等の混入を防ぐため、 素等不活性気体の雰囲気下で行うことが好 しい。

 このような加熱処理を行う場合、ゼオラ トは、バッチ様式、連続様式又は半連続様 で使用できるが、工業的に実施する場合の 備面、省力面等から連続様式が好ましい。

 ゼオライトの使用量は、バッチ様式では 応液100質量部に対し0.01~10質量部の範囲であ ることが好ましい。処理時間は処理温度によ って異なり、ゼオライトの使用量によっても 異なるが、通常150℃で20分程度を与えるとよ 。

 接触工程で用いられるゼオライトは、天 ゼオライトであっても合成ゼオライトであ てもよいが、組成や細孔の均一性の点から 、合成ゼオライトが好ましい。天然ゼオラ トとしては、チャバサイト、モルデナイト エリオナイト、ホージャサイト、クリノプ ロライト等が挙げられ、合成ゼオライトと ては、A型、B型、D型、L型、X型、Y型、Z型、 オメガ型(Omega型)、ベータ型(Beta型)、モルデ イト型(Mordenite型)、フェリエライト型(Ferrieri te型)等が挙げられる。合成ゼオライトとして は、ベータ型(Beta型)、モルデナイト型(Mordenit e型)が好ましい。

 接触工程で用いられるゼオライトは、SiO 2 /Al 2 O 3 (モル比)が5/1~500/1のゼオライトであることが ましい。すなわち、ゼオライトは、その組 をM 2/X O・Al 2 O 3 ・mSiO 2 ・nH 2 O(ここで、Mはx価の金属元素、xはMの価数、m 2以上の数、nは0以上の数を示す)と表したと に、SiO 2 /Al 2 O 3 (モル比)が5/1~500/1となるゼオライトであるこ が好ましい。なお、Mとしては、Na、K、Ca、B a、Mg等の金属元素が挙げられ、xとしては1又 2が挙げられる。なお、nはM 2/X O・Al 2 O 3 ・mSiO 2 で表される化合物の骨格における空隙に含ま れる水分子の数に従って決定される数であり 、例えば、10~300の値(13、16、21、22、24、27、23 5、250、264等)をとることができる。

 SiO 2 /Al 2 O 3 のモル比が5/1より小さい場合、塩化水素やホ スゲン等の酸に対する耐久性が劣る傾向にあ る。また、SiO 2 /Al 2 O 3 のモル比が500/1より大きい場合、塩化水素や スゲン等の酸に対する耐久性は向上するが 色相改善効果が小さくなる傾向にある。

 ゼオライトのカチオンタイプは、プロト 型が好ましい。ナトリウム型やカルシウム 等の金属型では、ポリイソシアネート成分 にこれらの金属が溶出し、製品の反応性や 蔵安定性に不具合を生じる場合がある。

 ゼオライトは粒子状であることが好ましく その平均粒径は2~20μmが好ましい。ゼオライ トのBET値は、150~800m 2 /gが好ましく、200~800m 2 /gであることがより好ましく、400~600m 2 /gが更に好ましい。

 アミンのホスゲン化反応は、R-NH 2 +COCl 2 →R-NCO+2HClで表すことができるが、副反応と て、R-NH 2 +COCl 2 →R-NHCOCl+HCl、R-NH 2 +HCl→R-NH 2 ・HCl、R-NH 2 +R-NCO→R-NHCONH-R等が考えられる(Rはイソシアネ ート残基であり、脂肪族炭化水素基、芳香族 炭化水素基、脂環式炭化水素基等が挙げられ る)。このような副反応で生じる物質は、接 工程中に除かれることが好ましい。

 ポリアミンとして、上記一般式(1)で表され ポリアミンを用いた場合、ホスゲンとの反 で得られる物質は下記一般式(2)で表される リイソシアネートである。式中nは、0又は1 上の数を表す。

 一般式(1)で表されるポリアミンが多核体 混合物であった場合、得られるポリイソシ ネートも多核体の混合物となる。一般式(2) 表されるポリイソシアネートは、n=0のとき 、モノメリックMDIであり(2核体)、n≧1のと はポリメリックMDIである(3核体以上)。この 合、得られるポリイソシアネートは、n=0の2 体であるモノメリックMDIとn≧1の3核体以上 あるポリメリックMDIからなる混合物である

 以上説明した接触工程の後、ゼオライト 接触させた後の反応液を180~230℃で加熱する 加熱工程を実施する。

 加熱工程では、反応液からゼオライトを 去して180~230℃に加熱することが必要である が、そのためには反応液の上澄みを採取すれ ばよい。また加熱温度は、190~230℃がより好 しく、200~230℃が更に好ましい。なお、加熱 度は180~230℃になっていればよく、この範囲 内で昇温又は降温があってもよい。加熱は、 水分等の混入を防ぐため、窒素等不活性気体 の雰囲気下で行うことが好ましい。

 このような加熱工程を行うことで、生成 たポリイソシアネートの色相改善をより確 にすることができるだけでなく、反応液中 生じる溶解性の低い微量成分の沈降を抑制( 沈降物の発生を抑制)することができる。こ ように、溶解性の低い微量成分の沈降が抑 される理由は必ずしも明らかではないが、 成した微量成分が加熱により分解すること 考えられる。なお、230℃より高い温度に反 液を加熱した場合、上記微量成分のみなら 、本発明の目的とするポリイソシアネート 体も分解が生じるので避けるべきである。 た、180℃より低い温度で反応液を加熱した 合、上記微量成分の分解が不十分になるこ 等に基づいて沈降物が生じるようになるの 避けるべきである。

 加熱時間は特に制限されず、例えば1分~30 分とすることができるが、変性や分解等を防 ぐために10分以内で終了させることが好まし 。上記の効果を確実に奏させるとともに過 な加熱を防止するために、加熱時間は5~10分 が好ましい。

 加熱工程実施後に得られるポリイソシア ートは着色が極めて少ないものであり、製 時の沈降物の生成が抑制されているので純 が高い。したがって、例えば、ポリウレタ の製造に用いれば、着色が抑えられた淡色 ポリウレタンを得ることができ、また性能 安定性も向上する。

 本発明のポリイソシアネートの製造方法 、上述した接触工程と加熱工程を備えるも であればよく、その工程の前後又は間に他 工程を備えるものであってもよい。例えば 接触工程と加熱工程の間に、ゼオライトと 触させた後の反応液を保管する保管工程を 施してもよく、加熱工程の後に、室温付近( 例えば30℃)まで急冷する工程を実施してもよ い。

 以下、本発明を実施例により更に詳しく 明する。但し、本発明はこれらの例によっ 何ら限定して解釈されるものではない。な 、以下においては特段の記載がない限り、 %」は「質量%」を示す。

 ポリアミン混合物を溶媒の存在下でホス ンと反応させる工程、次いで、減圧蒸留に り留出成分と不留出成分を分離する工程を て、以下に示すポリイソシアネート(以下「 原料ポリMDI」と略記する。)を得た。この原 ポリMDIを用いて、以降に示す各実施例並び 各比較例を行った。

<原料ポリMDIの詳細>
MDIのピーク面積(PA)比(GPCによる測定)
二核体:三核体:四核体:五核体以上=66.4:16.7:6.9: 10.0PA%
ここで、核体とは分子中のベンゼン環のこと を示す。
例えば、二核体とはベンゼン環を分子内に二 つ有するMDIを示す。
MDI中の4,4’-MDIの割合(GCによる測定)=98.7PA%、MD I中の4,4’-MDI以外の異性体(2,4’-MDI並びに2,2 -MDI)の割合(GCによる測定)=1.3PA%
ホスゲン含有量=100ppm
モノクロルベンゼン含有量=8%

 実施例並びに比較例中、ポリイソシアネ トの色相は以下のようにして測定した。

<溶液色相測定方法>
 450mlの無色透明瓶に試料2gとアセトン400mlを え溶解し、23℃で溶液の色相を目視にて測 した。値はAPHA(ハーゼン単位色数)で示した なお、原料ポリMDIの溶液色相は10APHAであっ 。

 実施例並びに比較例中、沈降物の有無を 視確認にて評価した。

(実施例1)
 留出口を備えた300mlの4つ口セパラブルフラ コに原料ポリMDIを200g及びゼオライト930HOA( ソー社製)を10g加え、窒素雰囲気下、150℃で2 0分間、150rpmで攪拌した。上澄み液50mlをあら じめ220℃に加熱しておいたステンレス製の1 00ml容器に加え、50ml/分の窒素でバブリングし ながら7分間放置した。次にこの容器を氷浴 浸し、液温度が30℃になるまで急冷した。こ の処理液には沈降物が確認されなかった。そ の後、この処理液をろ過し、試料を得た。得 られた試料の溶液色相は20APHAであった。

(実施例2)
 留出口を備えた300mlの4つ口セパラブルフラ コに原料ポリMDIを200g及びゼオライト660HOA( ソー社製)を10g加え、窒素雰囲気下、150℃で2 0分間、150rpmで攪拌した。上澄み液50mlをあら じめ220℃に加熱しておいたステンレス製の1 00ml容器に加え、50ml/分の窒素でバブリングし ながら7分間放置した。次にこの容器を氷浴 浸し、液温度が30℃になるまで急冷した。こ の処理液には沈降物が確認されなかった。そ の後、この処理液をろ過し、試料を得た。得 られた試料の溶液色相は20APHAであった。

(実施例3)
 留出口を備えた300mlの4つ口セパラブルフラ コに原料ポリMDIを200g及びゼオライト640HOA( ソー社製)を10g加え、窒素雰囲気下、150℃で2 0分間、150rpmで攪拌した。上澄み液50mlをあら じめ220℃に加熱しておいたステンレス製の1 00ml容器に加え、50ml/分の窒素でバブリングし ながら7分間放置した。次にこの容器を氷浴 浸し、液温度が30℃になるまで急冷した。こ の処理液には沈降物が確認されなかった。そ の後、この処理液をろ過し、試料を得た。得 られた試料の溶液色相は20APHAであった。

(実施例4)
 留出口を備えた300mlの4つ口セパラブルフラ コに原料ポリMDIを200g及びゼオライト690HOA( ソー社製)を10g加え、窒素雰囲気下、150℃で2 0分間、150rpmで攪拌した。上澄み液50mlをあら じめ220℃に加熱しておいたステンレス製の1 00ml容器に加え、50ml/分の窒素でバブリングし ながら7分間放置した。次にこの容器を氷浴 浸し、液温度が30℃になるまで急冷した。こ の処理液には沈降物が確認されなかった。そ の後、この処理液をろ過し、試料を得た。得 られた試料の溶液色相は30APHAであった。

(実施例5)
 留出口を備えた300mlの4つ口セパラブルフラ コに原料ポリMDIを200g及びゼオライト390HUA( ソー社製)を10g加え、窒素雰囲気下、150℃で2 0分間、150rpmで攪拌した。上澄み液50mlをあら じめ220℃に加熱しておいたステンレス製の1 00ml容器に加え、50ml/分の窒素でバブリングし ながら7分間放置した。次にこの容器を氷浴 浸し、液温度が30℃になるまで急冷した。こ の処理液には沈降物が確認されなかった。そ の後、この処理液をろ過し、試料を得た。得 られた試料の溶液色相は30APHAであった。

(実施例6)
 留出口を備えた300mlの4つ口セパラブルフラ コに原料ポリMDIを200g及びゼオライト320HOA( ソー社製)を10g加え、窒素雰囲気下、150℃で2 0分間、150rpmで攪拌した。上澄み液50mlをあら じめ220℃に加熱しておいたステンレス製の1 00ml容器に加え、50ml/分の窒素でバブリングし ながら7分間放置した。次にこの容器を氷浴 浸し、溶液温度が30℃になるまで急冷した。 この処理液には沈降物が確認されなかった。 その後、この処理液をろ過し、試料を得た。 得られた試料の溶液色相は30APHAであった。

(実施例7)
 留出口を備えた300mlの4つ口セパラブルフラ コに原料ポリMDIを200g及びゼオライト930HOA( ソー社製)を10g加え、窒素雰囲気下、100℃で2 0分間、150rpmで攪拌した。上澄み液50mlをあら じめ220℃に加熱しておいたステンレス製の1 00ml容器に加え、50ml/分の窒素でバブリングし ながら7分間放置した。次にこの容器を氷浴 浸し、液温度が30℃になるまで急冷した。こ の処理液には沈降物が確認されなかった。そ の後、この処理液をろ過し、試料を得た。得 られた試料の溶液色相は30APHAであった。

(実施例8)
 留出口を備えた300mlの4つ口セパラブルフラ コに原料ポリMDIを200g及びゼオライト930HOA( ソー社製)を10g加え、窒素雰囲気下、160℃で2 0分間、150rpmで攪拌した。上澄み液50mlをあら じめ220℃に加熱しておいたステンレス製の1 00ml容器に加え、50ml/分の窒素でバブリングし ながら7分間放置した。次にこの容器を氷浴 浸し、液温度が30℃になるまで急冷した。こ の処理液には沈降物が確認されなかった。そ の後、この処理液をろ過し、試料を得た。得 られた試料の溶液色相は20APHAであった。

(実施例9)
 留出口を備えた300mlの4つ口セパラブルフラ コに原料ポリMDIを200g及びゼオライト930HOA( ソー社製)を10g加え、窒素雰囲気下、60℃で20 分間、150rpmで攪拌した。上澄み液50mlをあら じめ220℃に加熱しておいたステンレス製の10 0ml容器に加え、50ml/分の窒素でバブリングし がら7分間放置した。次にこの容器を氷浴に 浸し、液温度が30℃になるまで急冷した。こ 処理液には沈降物が確認されなかった。そ 後、この処理液をろ過し、試料を得た。得 れた試料の溶液色相は40APHAであった。

(実施例10)
 留出口を備えた300mlの4つ口セパラブルフラ コに原料ポリMDIを200g及びゼオライト930HOA( ソー社製)を10g加え、窒素雰囲気下、230℃で2 0分間、150rpmで攪拌した。上澄み液50mlをあら じめ220℃に加熱しておいたステンレス製の1 00ml容器に加え、50ml/分の窒素でバブリングし ながら7分間放置した。次にこの容器を氷浴 浸し、液温度が30℃になるまで急冷した。こ の処理液には沈降物が確認されなかった。そ の後、この処理液をろ過し、試料を得た。得 られた試料の溶液色相は40APHAであった。

(比較例1)
 留出口を備えた300mlの4つ口セパラブルフラ コに原料ポリMDIを200g加え、窒素雰囲気下、 150℃で20分間、150rpmで攪拌した。溶液50mlをあ らかじめ220℃に加熱しておいたステンレス製 の100ml容器に加え、50ml/分の窒素でバブリン しながら7分間放置した。次にこの容器を氷 に浸し、溶液温度が30℃になるまで急冷し 。この処理液には沈降物が確認されなかっ 。その後、この処理液をろ過し、試料を得 。得られた試料の溶液色相は80APHAであり、 発明の実施例1~10に比べ、溶液色相が劣る。

(比較例2)
 留出口を備えた300mlの4つ口セパラブルフラ コに原料ポリMDIを200g加え、塩化水素ガス100 ml/分をバブリングしながら、150℃で20分間、1 50rpmで攪拌した。溶液50mlをあらかじめ220℃に 加熱しておいたステンレス製の100ml容器に加 、50ml/分の窒素でバブリングしながら7分間 置した。次にこの容器を氷浴に浸し、溶液 度が30℃になるまで急冷した。この処理液 は沈降物が確認されなかった。その後、こ 処理液をろ過し、試料を得た。得られた試 の溶液色相は60APHAであった。

(比較例3)
 留出口を備えた300mlの4つ口セパラブルフラ コに原料ポリMDIを200g及びゼオライト930HOA( ソー社製)を10g加え、窒素雰囲気下、23℃で20 分間、150rpmで攪拌した。上澄み液50mlをあら じめ220℃に加熱しておいたステンレス製の10 0ml容器に加え、50ml/分の窒素でバブリングし がら7分間放置した。次にこの容器を氷浴に 浸し、液温度が30℃になるまで急冷した。こ 処理液には沈降物が確認されなかった。そ 後、この処理液をろ過し、試料を得た。得 れた試料の溶液色相は80APHAであった。

(比較例4)
 留出口を備えた300mlの4つ口セパラブルフラ コに原料ポリMDIを200g及びゼオライト930HOA( ソー社製)を10g加え、窒素雰囲気下、150℃で2 0分間、150rpmで攪拌した。その後、加熱を停 して放置した。24時間後の液温は30℃であっ 。この処理液には沈降物が確認された。そ 後、この処理液をろ過し、試料を得た。得 れた試料の溶液色相は20APHAであった。

 実施例1~10、比較例1~4について、以下の表 1~3にまとめて示す。なお、実施例並びに比較 例において用いた各ゼオライトの詳細は、以 下のとおりである。

<ゼオライト930HOA>
Beta型ゼオライト
商品名「HSZ-930HOA」(東ソー(株)製)
 カチオンタイプ: H
 SiO 2 /Al 2 O 3 (モル比): 27/1
 Na 2 O含有量(質量%): 0.03
 表面積(BET,m 2 /g): 600
 結晶サイズ(μm): 0.04
 平均粒径(μm): 5

<ゼオライト660HOA>
Mordenite型ゼオライト
商品名「HSZ-660HOA」(東ソー(株)製)
 カチオンタイプ: H
 SiO 2 /Al 2 O 3 (モル比): 33/1
 Na 2 O含有量(質量%): 0.03
 表面積(BET,m 2 /g): 400
 結晶サイズ(μm): 0.1×0.5
 平均粒径(μm): 13

<ゼオライト640HOA>
Mordenite型ゼオライト
商品名「HSZ-640HOA」(東ソー(株)製)
 カチオンタイプ: H
 SiO 2 /Al 2 O 3 (モル比): 18/1
 Na 2 O含有量(質量%): 0.05
 NH 3 N-TPD(mmol/g): 0.7
 表面積(BET,m 2 /g): 400
 結晶サイズ(μm): 0.1×0.5
 平均粒径(μm): 13

<ゼオライト690HOA>
Mordenite型ゼオライト
商品名「HSZ-690HOA」(東ソー(株)製)
 カチオンタイプ: H
 SiO 2 /Al 2 O 3 (モル比): 240/1
 Na 2 O含有量(質量%): 0.05
 NH 3 N-TPD(mmol/g): 0.2
 表面積(BET,m 2 /g): 450
 結晶サイズ(μm): 0.1×0.5
 平均粒径(μm): 13

<ゼオライト390HUA>
Y型ゼオライト
商品名「HSZ-390HUA」(東ソー(株)製)
 カチオンタイプ: H
 SiO 2 /Al 2 O 3 (モル比): 470/1
 Na 2 O含有量(質量%): 0.05
 ウルトラ・クリーン・コール(ASTM): 24.26
 NH 3 N-TPD(mmol/g): 0.1
 表面積(BET,m 2 /g): 620
 結晶サイズ(μm): 0.3

<ゼオライト320HOA>
Y型ゼオライト
商品名「HSZ-320HOA」(東ソー(株)製)
 カチオンタイプ: H
 SiO 2 /Al 2 O 3 (モル比): 5/1
 Na 2 O含有量(質量%): 4
 ウルトラ・クリーン・コール(ASTM): 24.50
 NH 3 N-TPD(mmol/g): 0.7
 表面積(BET,m 2 /g): 550
 結晶サイズ(μm): 0.3
 平均粒径(μm): 6

 本発明により得ることが可能となった、 色の極めて少ないポリイソシアネートは、 のポリイソシアネートを原料とする分野(バ インダー等)、又は、このポリイソシアネー を原料として得られるポリウレタン樹脂が いられるあらゆる分野(発泡体、塗料、接着 、シーラント、エラストマー等)において、 低着色が要求される場合に有用である。