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Patent Searching and Data


Title:
METHOD OF PRODUCING STRETCHABLE SHEET
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/078533
Kind Code:
A1
Abstract:
A method of producing a stretchable sheet causes nonwoven fabric (3) to have a large amount of extension (elongation) to produce a stretchable sheet (3a) that stretches a large amount. The method produces a stretchable sheet (3a) from the nonwoven fabric (3) having a longitudinal direction, lateral direction, and a thickness direction and containing multiple kinds of fibers. The method has a first extension step and a second extension step. The first extension step extends the nonwoven fabric (3) in the longitudinal direction by applying tension in the longitudinal direction to the nonwoven fabric (3). The second extension step causes the nonwoven fabric (3), extended by the first extension step, to pass through a gap between a pair of rotating gear rolls (41, 43) while allowing teeth (41t, 43t), which are formed on the outer circumferential surfaces (41a, 43a) of the gear rolls (41, 43), to mesh with each other, and thus the nonwoven fabric (3) is extended in the longitudinal direction by the teeth (41t, 43t).

Inventors:
AKAKI KENICHI (JP)
MATSUMOTO YOSHIHIKO (JP)
ISHIKAWA SHINICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/073693
Publication Date:
July 03, 2008
Filing Date:
December 07, 2007
Export Citation:
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Assignee:
UNI CHARM CORP (JP)
AKAKI KENICHI (JP)
MATSUMOTO YOSHIHIKO (JP)
ISHIKAWA SHINICHI (JP)
International Classes:
D06C3/00; B29C53/24; B29C53/28; B29C55/18; D04H3/007; D04H3/009; D04H3/147; D04H3/153; D04H3/16
Domestic Patent References:
WO1999037839A11999-07-29
WO1998005813A11998-02-12
Foreign References:
JP2004131918A2004-04-30
JP2006022450A2006-01-26
JP2003073967A2003-03-12
JP2003153946A2003-05-27
JPH09234221A1997-09-09
JP2005111908A2005-04-28
JP2003073967A2003-03-12
US6620485B12003-09-16
Other References:
See also references of EP 2096201A4
Attorney, Agent or Firm:
ISSHIKI & CO. (12-7 Shinbashi 2-chom, Minato-ku Tokyo 04, JP)
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Claims:
 長手方向と幅方向と厚み方向とを有する不織布であって複数種類の繊維を含む前記不織布から、伸縮性シートを製造する方法において、
 前記長手方向に張力を付与して前記不織布を前記長手方向に延伸する第1延伸ステップと、
 外周面に形成された複数の歯を互いに噛み合わせながら回転する一対のギアロールの間隙に、前記第1延伸ステップにて延伸されている前記不織布を通すことにより、前記不織布を前記歯によって前記長手方向に延伸する第2延伸ステップと、
 を備えたことを特徴とする伸縮性シートの製造方法。
 請求項1に記載の伸縮性シートの製造方法であって、
 前記一対のギアロールよりも前記長手方向の上流側には、前記不織布と当接して駆動回転するローラが設けられており、
 前記第1延伸ステップでは、前記ローラの周速よりも前記一対のギアロールの周速を高く設定することによって、前記不織布を前記長手方向に延伸することを特徴とする伸縮性シートの製造方法。
 請求項1又は2に記載の伸縮性シートの製造方法であって、
 前記複数種類の繊維のうちの少なくとも1種類の繊維は、伸縮性繊維であり、
 前記複数種類の繊維のうちの少なくとも1種類の繊維は、前記伸縮性繊維の弾性限界の伸びよりも小さな伸びで塑性変形を起こす伸長性繊維であることを特徴とする伸縮性シートの製造方法。
 請求項3に記載の伸縮性シートの製造方法であって、
 前記伸長性繊維は、熱可塑性ポリオレフィン繊維であり、
 前記第1延伸ステップでは、ヒーターにより加熱された状態の前記不織布に対して前記張力が付与されることを特徴とする伸縮性シートの製造方法。
 請求項4に記載の伸縮性シートの製造方法であって、
 前記伸縮性繊維は、前記熱可塑性ポリオレフィン繊維よりも融点の高い熱可塑性エラストマ繊維であることを特徴とする伸縮性シートの製造方法。
 請求項4又は5に記載の伸縮性シートの製造方法であって、
 前記第2延伸ステップに係る前記一対のギアロールは、前記不織布を加熱するためのヒーターを有していることを特徴とする伸縮性シートの製造方法。
 請求項4乃至6のいずれかに記載の伸縮性シートの製造方法であって、
 前記第2延伸ステップにて延伸された前記不織布を冷却する冷却ステップを備えていることを特徴とする伸縮性シートの製造方法。
 請求項7に記載の伸縮性シートの製造方法であって、
 前記冷却ステップでは、前記不織布の張力が、前記第1延伸ステップで付与された張力よりも下げられていることを特徴とする伸縮性シートの製造方法。
 請求項7又は8に記載の伸縮性シートの製造方法であって、
 前記冷却ステップでは、複数の吸引孔が形成された所定方向に移動するベルトに吸引されて前記所定方向に前記不織布が搬送され、
 前記ベルトにて搬送中の前記不織布は、前記吸引孔から吸引される空気によって冷却されることを特徴とする伸縮性シートの製造方法。
Description:
伸縮性シートの製造方法

 本発明は、伸縮性シートの製造方法に関 る。

 衛生材料の一例としての使い捨ておむつ1 において、図1に示すように、着用者の胴周 を締める締め付け部材(例えば前身頃1aや後 頃1bの部分)に対し、伸縮性シート3aが使用さ れることがある。この伸縮性シート3aは、例 ば、材料としての不織布3に延伸加工を施す ことによって製造される。そして、この延伸 加工の一例として、所謂「ギア延伸」という 方法がある(例えば、特開2003-73967号を参照)。

 この「ギア延伸」は、その名のとおり、 周面41a,43aに歯41t,43tが形成された上下一対 ギアロール41,43によって不織布3を延伸する 法である(図2を参照)。詳しく言うと、上下 対のギアロール41,43のロール間隙に前記不織 布3を通し、その際に、図2の右側の拡大図に すように、互い噛み合う上下のギアロール4 1,43の歯41t,43tによって三点曲げ状に不織布3を 変形してこれを延伸するものである。そして 、この延伸後には、不織布3に伸縮性が発現 れ、もって伸縮性シート3aとなる。

 ここで、この伸縮性シート3aに発現され 伸縮量は、ギア延伸時の延伸量が大きい程 大きくなるので、上記ギア延伸においては その延伸量を極力大きくするのが好ましく また、延伸量を大きくするには、図2に示す 下のギアロール41,43の歯41t,43tの噛み合い深 Lを大きくすると良い。例えば、図3Aに示す み合い深さLを、図3Bに示す噛み合い深さL’ のように大きくすると良い。

 しかしながら、図3Bのように噛み合い深 L’を大きくすると、上下のギアロール41,43 回転駆動系の歯車(不図示)のバックラッシ等 に起因した歯41t,43tの回転方向の相対位置の 動が大きくなり、その結果、図3Bに示すよう 上ギアロール41の歯41tと下ギアロール43の歯43 tとが接触し易くなって、最悪の場合には不 布3の破断に至る。つまり、ギア延伸のみで 大きな延伸量を不織布3に与えるのが困難で あった。

 本発明は、上記のような従来の問題に鑑 てなされたものであって、不織布に与える 伸量を大きくすることができて、それによ 、大きな伸縮量を発現する伸縮性シートを 造可能な伸縮性シートの製造方法を提供す ことを目的とする。

 上記目的を達成するための主たる発明は、
 長手方向と幅方向と厚み方向とを有する不 布であって複数種類の繊維を含む前記不織 から、伸縮性シートを製造する方法におい 、
 前記長手方向に張力を付与して前記不織布 前記長手方向に延伸する第1延伸ステップと 、
 外周面に形成された複数の歯を互いに噛み わせながら回転する一対のギアロールの間 に、前記第1延伸ステップにて延伸されてい る前記不織布を通すことにより、前記不織布 を前記歯によって前記長手方向に延伸する第 2延伸ステップと、
 を備えたことを特徴とする伸縮性シートの 造方法である。

 本発明の他の特徴については、本明細書 び添付図面の記載により明らかにする。

 本発明によれば、不織布に与える延伸量 大きくすることができて、それにより、大 な伸縮量を発現する伸縮性シートを製造可 な伸縮性シートの製造方法を提供できる。

使い捨ておむつ1の斜視図である。 ギア延伸の説明用の側面図であり、一 を拡大して示している。 図3A及び図3Bは、歯41t,43tの噛み合い深 Lと不織布3の延伸量との関係の説明図である 。 図4A及び図4Bは、この延伸加工によって 伸縮性が発現されるメカニズムの説明図であ り、不織布3の荷重-伸び曲線を示している。 図5Aは、延伸加工前(つまり未延伸)の繊 維の状態を示す模式図である。図5Bは延伸加 中(つまり負荷中)の繊維の状態を示す模式 である。図5Cは延伸加工後(つまり除荷後)の 維の状態を示す模式図である。図5Dは延伸 工後の不織布3を再度伸ばした際の繊維の状 を示す模式図である。 伸縮性シート3aの製造ラインの配置図 あり、同製造ラインを側面視で示している 図7A及び図7Bは、ギア延伸による延伸倍 率Mgの算出式の説明図である。 ギア延伸装置40の正面図である。 ギアロール41,43の歯41t,43tを加熱する発 体44の組み込み位置を説明するための側面 である。

符号の説明

1 使い捨ておむつ、1a 前身頃、1b 後身頃、3  不織布、
3a 伸縮性シート、3ar 伸縮性シートロール、 3r 不織布ロール、
11 繰り出し用リール装置、21 加熱ローラ(ロ ーラ、ヒーター)、
21a 外周面、22 押し付けローラ、24 発熱体
31 ガイドローラ、31a 外周面、32 押し付け ーラ、
40 延伸装置、40h ハウジング、41 ギアロー 、
41a 外周面、41t 歯、43 ギアロール、43a 外 面、
43t 歯、44 発熱体、45 昇降機構、46 回転駆 機構、
47 モータ、48 ピニオンスタンド、48a 歯車 48b 歯車、
49a スピンドル、49b スピンドル、51 ベルト ンベア、
52 平ベルト(ベルト)、53a 駆動ローラ、53b  動ローラ、
54 サクションボックス、56 ガイドローラ、
56b 押し付けローラ、57 ガイドローラ、58  イドローラ、
59 ガイドローラ、61 巻き取り用リール装置
S1 繰り出しセクション、S2 加熱セクション
S3 予備延伸セクション、S4 ギア延伸セクシ ン、
S5 冷却セクション、S6 巻き取りセクション
P ピッチ、R 範囲、P0 原点、P1 変曲点、
V1 基準速度、V2 周速、V3 周速、V4 周速、
V5 周速、V56 周速、V59 周速、
C21 回転軸、C41 回転軸、C43 回転軸、
C53a 回転軸、C53b 回転軸、Pin 位置、Pout 位 、

 本明細書及び添付図面の記載により、少 くとも以下の事項が明らかとなる。

 長手方向と幅方向と厚み方向とを有する不 布であって複数種類の繊維を含む前記不織 から、伸縮性シートを製造する方法におい 、
 前記長手方向に張力を付与して前記不織布 前記長手方向に延伸する第1延伸ステップと 、
 外周面に形成された複数の歯を互いに噛み わせながら回転する一対のギアロールの間 に、前記第1延伸ステップにて延伸されてい る前記不織布を通すことにより、前記不織布 を前記歯によって前記長手方向に延伸する第 2延伸ステップと、
を備えたことを特徴とする伸縮性シートの製 造方法。

 このような伸縮性シートの製造方法によ ば、第1延伸ステップにて延伸されている不 織布を、前記一対のギアロールの前記歯によ って更に延伸するので、当該一対のギアロー ルのみで延伸するよりも、大きな延伸量を不 織布に与えることができる。よって、大きな 伸縮量を発現する伸縮性シートを製造可能と なる。

 かかる伸縮性シートの製造方法であって、
 前記一対のギアロールよりも前記長手方向 上流側には、前記不織布と当接して駆動回 するローラが設けられており、
 前記第1延伸ステップでは、前記ローラの周 速よりも前記一対のギアロールの周速を高く 設定することによって、前記不織布を前記長 手方向に延伸するのが望ましい。 
 このような伸縮性シートの製造方法によれ 、前記ローラの周速よりも前記一対のギア ールの周速を高くするので、前記不織布を 記長手方向に確実に延伸することができる

 かかる伸縮性シートの製造方法であって、
 前記複数種類の繊維のうちの少なくとも1種 類の繊維は、伸縮性繊維であり、
 前記複数種類の繊維のうちの少なくとも1種 類の繊維は、前記伸縮性繊維の弾性限界の伸 びよりも小さな伸びで塑性変形を起こす伸長 性繊維であるのが望ましい。 
 このような伸縮性シートの製造方法によれ 、前記不織布は、前記伸縮性繊維を有して るので、当該伸縮性繊維に基づいて伸縮性 ートには伸縮性が付与される。

 かかる伸縮性シートの製造方法であって、
 前記伸長性繊維は、熱可塑性ポリオレフィ 繊維であり、
 前記第1延伸ステップでは、ヒーターにより 加熱された状態の前記不織布に対して前記張 力が付与されるのが望ましい。 
 このような伸縮性シートの製造方法によれ 、前記第1延伸ステップでは、前記不織布に 対して前記張力が付与されて延伸されるが、 その際の前記不織布はヒーターにより加熱さ れた状態であるとともに、前記不織布に含ま れる前記伸長性繊維が熱可塑性ポリオレフィ ン繊維であるので、当該熱可塑性ポリオレフ ィン繊維は塑性変形し易くなって延伸中に切 れ難くなる。よって、前記張力の付与に伴う 前記不織布の意図せぬ破断を有効に防ぐこと ができる。

 かかる伸縮性シートの製造方法であって、
 前記伸縮性繊維は、前記熱可塑性ポリオレ ィン繊維よりも融点の高い熱可塑性エラス マ繊維であるのが望ましい。 
 このような伸縮性シートの製造方法によれ 、加熱された状態の不織布が第1延伸ステッ プで延伸されても、その伸縮性繊維に基づい て、伸縮性シートには伸縮性が確実に付与さ れる。詳しくは次のとおりである。延伸後の 伸縮性の発現に寄与するのは前記伸縮性繊維 であるので、この伸縮性繊維については塑性 変形が小さい方が、伸縮性の発現にとっては 望ましい。この点につき、当該伸縮性繊維は 、上記のように熱可塑性ポリオレフィン繊維 よりも融点の高い熱可塑性エラストマ繊維で あるため、前記第1延伸ステップに関連して 長性繊維が延伸可能な温度領域で加熱され も前記伸縮性繊維が塑性変形し易くなるこ は概ね無い。よって、当該伸縮性繊維の塑 変形は抑えられる結果、伸縮性シートには 縮性が確実に付与されるのである。

 かかる伸縮性シートの製造方法であって、
 前記第2延伸ステップに係る前記一対のギア ロールは、前記不織布を加熱するためのヒー ターを有しているのが望ましい。 
 このような伸縮性シートの製造方法によれ 、第2延伸ステップでは、前記不織布は、前 記一対のギアロールが有するヒーターにより 加熱された状態で、前記一対のギアロールに より延伸されるので、この加熱によって、熱 可塑性ポリオレフィン繊維たる前記伸長性繊 維が塑性変形し易くなって延伸中に切れ難く なる。よって、前記一対のギアロールによる 延伸中の前記不織布の意図せぬ破断を有効に 防ぐことができる。

 かかる伸縮性シートの製造方法であって、
 前記第2延伸ステップにて延伸された前記不 織布を冷却する冷却ステップを備えているの が望ましい。 
 このような伸縮性シートの製造方法によれ 、第2延伸ステップでの延伸後に前記不織布 は速やかに冷却されるので、延伸後の伸縮性 繊維の塑性変形を有効に抑制することができ て、その結果、伸縮性シートには伸縮性が確 実に付与される。

 かかる伸縮性シートの製造方法であって、
 前記冷却ステップでは、前記不織布の張力 、前記第1延伸ステップで付与された張力よ りも下げられているのが望ましい。 
 このような伸縮性シートの製造方法によれ 、前記冷却ステップでは、前記不織布の張 が下げられるので、延伸後の伸縮性繊維の 性変形を更に有効に抑制することができて その結果、より一層確実に伸縮性シートに 伸縮性が付与される。

 かかる伸縮性シートの製造方法であって、
 前記冷却ステップでは、複数の吸引孔が形 された所定方向に移動するベルトに吸引さ て前記所定方向に前記不織布が搬送され、
 前記ベルトにて搬送中の前記不織布は、前 吸引孔から吸引される空気によって冷却さ るのが望ましい。 
 このような伸縮性シートの製造方法によれ 、前記ベルトに吸引されて前記不織布は搬 されるので、その搬送を安定させるべく前 不織布に大きな張力をかける必要はなく、 って、冷却ステップにおいて不織布に作用 る張力をほぼ零にまで下げることができる よって、延伸後の伸縮性繊維の塑性変形を に有効に抑制することができて、その結果 より一層確実に伸縮性シートに伸縮性が付 される。

 また、前記不織布を前記ベルトに吸引す ための空気によって前記不織布は冷却され ので、別途冷却装置を設けずに済み、もっ 、装置構成の簡略化が図れる。

 ===本実施形態の伸縮性シート3aの製造方法== =
 <<伸縮性シート3aの製造方法に係る「延 伸加工」の概略説明>>
 始めに、伸縮性シート3aの製造方法に係る 延伸加工」について概略説明する。

 この伸縮性シート3aの材料となる不織布3 、溶融紡糸等によって伸長性繊維と伸縮性 維とを混合生成してなる混繊タイプの不織 3である。ここで、伸長性繊維とは、伸縮性 繊維の弾性限界の伸びよりも小さな伸びで塑 性変形を起こす繊維のことである。換言する と、伸長性繊維とは、概ね非弾性的に伸長可 能な繊維であり、伸縮性繊維とは、弾性的に 伸長可能な繊維であるということもできる。

 但し、本実施形態に係る製造方法にあっ は、後述のように延伸加工中に不織布3を加 熱することから、伸長性繊維としては熱可塑 性ポリオレフィン繊維が用いられる一方、伸 縮性繊維としては、前記熱可塑性ポリオレフ ィン繊維よりも融点の高い熱可塑性エラスト マ繊維が用いられている。

 前者の熱可塑性ポリオレフィン繊維とし は、例えばポリプロピレン繊維やポリエス ル繊維などの単独繊維や、ポリプロピレン ポリエステルからなる芯鞘構造の複合繊維 どが挙げられるが、ここでは、ポリプロピ ン繊維の単独繊維(以下、PP繊維と言う)が使 用されている。

 また、後者の熱可塑性エラストマ繊維と ては、例えば、ポリウレタン繊維等が挙げ れ、ここではポリウレタン繊維が使用され いる。そして、これらPP繊維とポリウレタ 繊維とは、例えば50:50の重量比で配合されて いる。

 不織布3の製法としては、スパンボンド法( 糸直結で繊維同士を自己接着で結合する方 )やケミカルボンド法(接着樹脂を付着させて 繊維同士を接着して結合する方法)等が挙げ れるが、ここではスパンボンド法が使用さ ている。また、不織布3の坪量や繊維径は、 縮性シート3aの要求仕様に応じて決められ が、ここでは、使い捨ておむつ1の胴周りの め付け部材に用いられることから、坪量を3 5(g/m 2 )とし、PP繊維及びポリウレタン繊維の繊維径 を10~30(μm)としている。

 そして、このような不織布3に対して延伸 加工を施すと、これにより、不織布3には伸 性が発現されて伸縮性シート3aとなる。

 図4A及び図4Bは、この延伸加工によって伸 縮性が発現されるメカニズムの説明図であり 、いずれの図も、不織布3の荷重-伸び曲線を している。

 未延伸の不織布3に対して延伸加工を施す べく、伸縮性繊維たるポリウレタン繊維の弾 性限界内で前記不織布3に張力(以下、荷重と 言う)を付与すると、その延伸加工中におい ては、図4Aのような荷重-伸び曲線を描く。す なわち、張力の負荷時よりも除荷時の方が、 同じ伸びにおける荷重が低くなるようなヒス テリシスを有した荷重-伸び曲線を描く。

 そして、この延伸加工後に再度張力を付 した場合には、図4Bに示すような荷重-伸び 線を描く。詳しくは、図4Bの原点P0から変曲 点P1までは、非常に低い弾性率で伸縮するが 変曲点P1を超えると荷重が概ね二次曲線状 急激に上昇するようになる。そして、通常 、この低い弾性率の範囲Rの発現をもって、 伸加工により不織布3に伸縮性が発現された ものと見なしており、また、無負荷状態の原 点P0から前記変曲点P1までの伸びの量Dを、「 現された伸縮量D」と定義している。

 ちなみに、このように延伸加工後におい 、前記原点P0から前記変曲点P1までは非常に 低い弾性率で伸縮するようになる理由につい ては、次のように説明できる。

 図5Aは、延伸加工前(つまり未延伸)の繊維 の状態を示す模式図であり、図5Bは延伸加工 (つまり負荷中)の繊維の状態を示す模式図 あり、図5Cは延伸加工後(つまり除荷後)の繊 の状態を示す模式図である。なお、一般に 織布3を構成する最小単位構造は、図5Aに示 ように伸縮性繊維たるポリウレタン繊維と 長性繊維たるPP繊維とが並列接続されたも としてモデル化できる。

 図5Aに示す未延伸の不織布3を延伸すると 図5Bに示すように、伸縮性繊維たるポリウ タン繊維の方は弾性変形をするが、前記伸 性繊維よりも弾性限界の伸びの小さい伸長 繊維たるPP繊維の方は、比較的早い段階から 塑性変形を開始し、PP繊維は細長く塑性変形 る。よって、この状態から張力を除荷する 、図5Cに示すように、ポリウレタン繊維の は弾性伸びが無くなるだけで、つまり、そ 全長は張力の付与前と概ね同じ長さに戻る であるが、PP繊維の方は、塑性伸び分だけ全 長が伸びて弛んだ状態になっている。

 そして、このような延伸加工後の不織布3 に対して再度張力を付与すると、PP繊維の弛 分が伸びきってその全長が張るまでは、ポ ウレタン繊維の弾性変形のみで上記張力に するので、図4Bに示すように、不織布3は非 に低い弾性率で伸びていくが、図5Dに示す うに、上述のPP繊維の弛みが無くなってその 全長が張った時点からは、当該PP繊維の弾塑 変形も前記張力に抗するようになるので、 こからは、不織布3を伸ばすのに要する張力 の大きさが急激に上昇する。つまり、このPP 維の弛みが無くなるポイントが図4Bの変曲 P1であり、もって、このようなことから、延 伸加工後の荷重-伸び曲線は、図4Bに示すよう に、変曲点P1までは不織布3は非常に低い弾性 率で伸縮し、そして、変曲点P1を超えると荷 が急激に増加するような荷重-伸び曲線にな るのである。ちなみに、前記原点P0から前記 曲点P1までの範囲R、すなわち、「発現され 伸縮量D」の範囲Rの内側であれば、張力が 荷されると、概ね図4Bの負荷時の荷重-伸び 線を辿って原点P0まで戻るのは言うまでもな い。

 ところで、前述の「発現された伸縮量D」 の定義では、この「発現された伸縮量D」を 前記原点P0から前記変曲点P1までの伸びの量D と定義していたが、上述したことから、前記 変曲点P1の位置は、延伸加工後のPP繊維の弛 が大きいほど前記原点P0から離れるので、PP 維の弛みが大きいほど、「発現された伸縮 D」は大きなものとなる。また、PP繊維の弛 を大きくするには、延伸加工の延伸量E(図4A を参照)を大きくする必要がある。従って、 縮性シート3aに発現される伸縮量Dを大きく るには、延伸加工において不織布3に大きな 伸量Eを付与することが重要となるのである 。

 <<伸縮性シート3aの製造方法>>
 図6は伸縮性シート3aの製造ラインの配置図 あり、同製造ラインを側面視で示している この製造ラインは、材料としての不織布3を 、製造ラインの流れ方向に連続する連続シー トの状態で加工して伸縮性シート3aを連続的 製造する連続製造方法を達成するものであ 、6つのセクションS1,S2,…S6を備えている。

 すなわち、(1)不織布ロール3r(材料の不織 3がロール状に巻き取られたもの)から不織 3を連続シートの状態で製造ラインの流れ方 に沿って繰り出す繰り出しセクションS1と (2)繰り出された不織布3を流れ方向に移動さ ながら加熱する加熱セクションS2と、(3)加 されて温度上昇した不織布3に対して流れ方 に張力を付与して不織布3を予備的に延伸す る予備延伸セクションS3(請求の範囲における 「第1延伸ステップ」を行うセクションに相 )と、(4)この予備的に延伸されている不織布3 を、更にギアロール41,43によって流れ方向に 伸するギア延伸セクションS4(請求の範囲に ける「第2延伸ステップ」を行うセクション に相当)と、(5)ギアロール41,43によって延伸さ れた不織布3を冷却する冷却セクションS5(請 の範囲における「冷却ステップ」を行うセ ションに相当)と、(6)冷却された不織布3たる 伸縮性シート3aをロール状に巻き取る巻き取 セクションS6と、を有している。

 そして、この製造方法によれば、ギア延 セクションS4での延伸加工の前に、予備延 セクションS3の張力によって予め予備的に不 織布3を延伸している。つまり、予備延伸セ ションS3にて所定の延伸量だけ延伸されてい る不織布3を、この延伸されている状態から にギアロール41,43によって延伸する。よって 、ギア延伸セクションS4のギアロール41,43の で与えられる延伸量よりも、予備延伸によ 分だけ大きな延伸量を不織布3に与えること 可能となり、その結果、大きな伸縮量を発 する伸縮性シート3aを製造可能となるので る。

 以下、各セクションS1,S2,…S6について説 する。なお、製造ラインの流れ方向は、連 シートの状態の不織布3の長手方向と同じで る。また、不織布3の長手方向と直交する不 織布3の幅方向(図6では紙面を貫通する方向) ことを単に「幅方向」とも言う。

(1)繰り出しセクションS1
 繰り出しセクションS1には、繰り出し用リ ル装置11が設置されている。そして、このリ ール装置11に不織布ロール3rが取り付けられ 不織布3が繰り出され、これにより、繰り出 れた不織布3は、所定の基準速度V1を搬送の 標速度として、連続シートの状態で流れ方 の下流の加熱セクションS2へと送られる。

(2)加熱セクションS2
 加熱セクションS2には、不織布3を加熱する ーターとして、4本の加熱ローラ21(請求の範 囲における「ローラ」及び「ヒーター」に相 当)が配置されている。そして、不織布3は、 続シートの状態で、各加熱ローラ21の平滑 外周面21aにS字状に順次巻き付けられながら 流れ方向の上流側の加熱ローラ21から下流 の加熱ローラ21へと順次送られていき、これ ら加熱ローラ21の外周面21aと接触している間 、各外周面21aにて加熱される。ちなみに、 こで不織布3を加熱する目的は、この次の予 備延伸セクションS3での不織布3の破断を未然 に防ぐためであり、これについては後述する 。

 流れ方向の上流から下流へと配置された4 本の加熱ローラ21は、いずれも同構造の鋼製 柱体の平滑ロールであり、それぞれに回転 C21の向きを前記幅方向に揃えつつ、互いに じ周速V2で駆動回転している。各駆動トル は、例えば一つのモータ(不図示)を駆動源と して分配供給される。すなわち、前記モータ に連結されたプーリ及びこのプーリに掛け回 された無端ベルト等を備えた適宜な巻き掛け 伝達装置等(不図示)を介して、駆動トルクは4 つの加熱ローラ21に各々入力される。また、 熱ローラ21の周速V2は、上述の基準速度V1と 等速になるように制御され、これにより、 の加熱セクションS2では、不織布3が弛まな 範囲内で、極力不織布3に張力が付与されな い状態を維持するようにしている。

 各加熱ローラ21の内部には、その外周面21 aを加熱するための発熱体24が組み込まれてお り、その発熱量の調整によって外周面21aの温 度調整がなされる。外周面21aの目標温度は、 前記不織布3の構成繊維に応じて決められる 、基本的には、融点が低い方の繊維たる熱 塑性ポリオレフィン繊維の融点に基づいて その融点以下の適宜な温度に設定される。 こでは、熱可塑性ポリオレフィン繊維がPP繊 維なので、外表面21aの目標温度は例えば80℃ 設定されている。発熱体24の組み込み位置 、加熱ローラ21の外周面21aが全周に亘って均 等に加熱されるように、回転軸C21に関して点 対称に配置される。ここでは、加熱ローラ21 に、略棒状の発熱体24を回転軸方向に沿っ 挿入するための一つの挿入孔が、その孔の 心を回転軸C21と一致させて形成されている

 そして、このような加熱セクションS2に って加熱された不織布3は、周速V2で回転す 加熱ローラ21により、流れ方向の下流の予備 延伸セクションS3へと送られる。

(3)予備延伸セクションS3
 予備延伸セクションS3は、加熱セクションS2 で加熱された不織布3に対して流れ方向の張 を付与して不織布3を予備的に延伸するとこ である。以下、この予備的な延伸を「予備 伸」と言う。

 この予備延伸は、加熱セクションS2にお る最下流の加熱ローラ21の周速V2と、後述す ギア延伸セクションS4のギアロール41,43の周 速V4との設定により行われる。すなわち、予 延伸用の張力を不織布3に付与すべく、ギア ロール41,43の周速V4の目標速度は、加熱ロー 21の周速V2の目標速度よりも、後述する延伸 率Mpに相当する分だけ高く設定される。例 ば、周速V4の目標速度は、周速V2の目標速度 Mp倍の大きさに設定される。

 なお、本実施形態では、最下流の加熱ロ ラ21とギアロール41,43との間に、不織布3を アロール41,43のロール間隙に誘導するための ガイドローラ31が配置されており、不織布3が 、このガイドローラ31に所定の巻き付け角度 け巻き付くことにより、その流れ方向が、 記ギアロール41,43のロール間隙の方向に向 られる。

 ここで、不織布3がどの程度延伸されている かを示す延伸量以外のパラメータとして、新 たに、延伸倍率Mというパラメータを導入す 。この延伸倍率Mとは、延伸後の不織布3の全 長Laが、延伸前の不織布3の全長Lbの何倍にな たかを表すものであり、下式1で定義される 。 
 延伸倍率M=延伸後の流れ方向の全長La/延伸 の流れ方向の全長Lb
                              …式1

 そして、この予備延伸セクションS3にお ては、上述の加熱ローラ21とギアロール41,43 の周速差δV(=V4-V2)により、不織布3は例えば1 .1倍~1.8倍の延伸倍率Mpで流れ方向に延伸され 。但し、この延伸倍率Mpは、何らこれに限 ものではなく、他の諸条件に応じて変えて い。

 なお、この延伸倍率Mpを大きくすると、 織布3に作用する張力が大きくなって不織布3 の破断の虞があるが、この点につき本実施形 態によれば、前述の加熱セクションS2によっ 不織布3は予め加熱されてその温度は高まっ ている。また、不織布3にはPP繊維が含まれて おり、このPP繊維は熱可塑性である。よって 上記加熱により熱可塑性のPP繊維が塑性変 し易くなって延伸中に切れ難くなっており これにて、前記張力の付与に伴う前記不織 3の破断は未然に防がれる。

 また、望ましくは、図6に示すように、前 記最下流の加熱ローラ21に対して、この加熱 ーラ21とで前記不織布3を挟み込みながら従 回転する押し付けローラ22を設けると良い そして、このようにすれば、この押し付け ーラ22によって不織布3は加熱ローラ21の外周 面21aに押し付けられるので、加熱ローラ21と 織布3との流れ方向の相対滑りを確実に抑え ることができ、その結果、加熱ローラ21とギ ロール41,43との周速差δVの設定によって不 布3を目標の延伸倍率Mpで確実に延伸可能と る。

 また、図6に示す前記ガイドローラ31は、 動回転する従動ローラであっても良いし、 は、モータ等により駆動回転する駆動ロー であっても良い。但し、後者の駆動ローラ 場合には、その周速V3の目標速度は、加熱 ーラ21の周速V2の目標速度とギヤロール41,43 周速V4の目標速度との間の速度に設定される 。また、駆動ローラの場合には、望ましくは 、図6に示すように、前記ガイドローラ31とで 前記不織布3を挟み込みながら従動回転する し付けローラ32を設けると良い。そして、こ のようにすれば、この押し付けローラ32によ て不織布3はガイドローラ31の外周面31aに押 付けられるので、ガイドローラ31と不織布3 の流れ方向の相対滑りを確実に抑えること でき、その結果、少なくとも加熱ローラ21 ガイドローラ31との周速差によって不織布3 確実に延伸可能となる。

(4)ギア延伸セクションS4
 このギア延伸セクションS4では、上記の予 延伸セクションS3で延伸された延伸量に追加 して、前記延伸量から更に不織布3をギアロ ル41,43によって流れ方向に延伸する。すなわ ち、予備延伸セクションS3にて延伸倍率Mpで 伸されている不織布3は、更にギア延伸セク ョンS4の延伸倍率Mgで延伸される。よって、 この一連の予備延伸セクションS3及びギア延 セクションS4での延伸を経た後には、その 織布3のトータルの延伸倍率Mtは、Mt=Mp×Mgと り、もって、ギア延伸セクションS4のみの場 合の延伸倍率Mgよりも、Mp倍だけ延伸量が拡 されることになる。なお、以下では、この アロール41,43による不織布3の延伸を「ギア 伸」と言う。

 ここで、図2を参照してギア延伸について 説明する。ギア延伸は、外周面41a,43aに、周 向に波状に所定の形成ピッチPで歯(所謂「平 歯車」と同じ歯形の歯)が形成された上下一 のギアロール41,43を用いて行われる。すなわ ち、これらギアロール41,43のロール間隙に不 布3を通し、その際に互いに噛み合う上ギア ロール41の歯41tと下ギアロール43の歯43tとに って不織布3を三点曲げ状に変形して(図2の 側の拡大図を参照)、これを流れ方向に延伸 る方法が「ギア延伸」である。

 そして、このロール間隙に不織布3が通され る際には、図7Aのギア延伸前の元々の全長が 記Pの不織布3が、互いに噛み合う歯41t,43tに って図7Bに示すように三点曲げ状に変形さ て延伸されることから、これらの状態の変 の幾何学的関係を勘案すると、ギア延伸に る不織布3の延伸倍率Mgは、おおよそ下式2の うに歯41t(43t)の形成ピッチP、及び歯41tと歯4 3tとの噛み合い深さLの関数として表せる。 
   Mg=2×√(L 2 +(P/2) 2 )/P   ……式2

 このようなギア延伸をすべく、ギア延伸 クションS4には、図8に示すようなギア延伸 置40が配置されている。図8は、このギア延 装置40の正面図(つまり図6中でVIII-VIII線矢視 で示す図)である。

 ギア延伸装置40は、回転軸C41,C43を前記幅 向と平行に揃えつつ互いの外周面41a,43aを対 向させて回転する上下一対のギアロール41,43 、これらギアロール41,43を前記回転軸C41,C43 りに回転させるための回転駆動機構46とを している。

 上下のギアロール41,43は、互いに同じ直 の鋼製円柱体であり、それぞれに、その回 軸方向の両端部を、軸受け42を介してギア延 伸装置40のハウジング40hに支持されて、回転 周りに回転自在である。なお、この例では 上ギアロール41は昇降不能にハウジング40h 支持されているが、下ギアロール43は、例え ば油圧シリンダー等の昇降機構45によって昇 可能に支持されている。よって、この昇降 構45の昇降動作により上ギアロール41と下ギ アロール43との間のロール間隙の大きさが所 の目標値となるように調整される。すなわ 、上ギアロール41の歯41tと下ギアロール43の 歯43tの噛み合い深さLが所期の目標値となる うに調整される。なお、この噛み合い深さL 目標値は、ギア延伸での延伸倍率Mgに応じ 決められる。

 各ギアロール41,43の内部には、図9の側面 に示すように、ギアロール41,43を加熱する めの発熱体44が組み込まれており、その発熱 量の調整によって、前記ギアロール41,43の外 面41a,43aの歯41t,43tの温度調整がなされる。 41t,43tの目標温度は、不織布3の構成繊維に応 じて決められるが、ここでは、歯41t,43tの目 温度は例えば55℃に設定されている。なお、 発熱体44の組み込み位置は、ギアロール41,43 外周面41a,43aが全周に亘って均等に加熱され ように、回転軸C41,C43に関して点対称に配置 される。ここでは、12本の略棒状の発熱体44 回転軸方向に沿って挿入するための挿入孔 、ギアロール41,43の全周を周方向に12等分す 12カ所の位置であって、外周面41a,43aから径 向に等距離の位置にそれぞれ形成されてい 。

 回転駆動機構46は、図8に示すように、上 のギアロール41,43の回転動作の駆動源とな モータ47と、このモータ47からの駆動トルク 上下のギアロール41,43に分配するためのピ オンスタンド48と、分配された駆動トルクを 上下のギアロール41,43に伝達する上下一対の ピンドル49a,49bと、を有している。そして、 モータ47から供給される1軸の駆動トルクが、 ピニオンスタンド48内で互いに噛み合う一対 歯車48a,48bにより2軸の駆動トルクに分配さ 、これら2軸の駆動トルクは、それぞれ前記 車48a,48bに連結された上スピンドル49a及び下 スピンドル49bを介して、上ギアロール41及び ギアロール43に伝達され、これにより、上 のギアロール41,43が互いに同じ周速V4で回転 るようになっている。なお、ここで言う周 V4とは歯先(歯41t,43tの先端)の速度のことで る。

 そして、このようなギア延伸装置40によ ば、図6に示すように、回転する上下のギア ール41,43の間のロール間隙に不織布3が通さ る際に、当該不織布3は、上下ギアロール41, 43の外周面41a,43aの歯41t,43tによって、例えば2. 8~2.9倍の延伸倍率Mgで延伸される。そして、 ア延伸された不織布3は、連続シートの状態 流れ方向の下流の冷却セクションS5へと送 れる。

(5)冷却セクションS5
 冷却セクションS5には、図6に示すように、 記ギア延伸装置40にて延伸された不織布3を 記冷却装置51へと誘導するための複数のガ ドローラ56,57と、前記不織布3を連続シート 状態で搬送しながらこれを冷却するための 却装置51と、冷却された不織布3を巻き取り クションS6へと誘導するための複数のガイド ローラ58,59とが配置されている。そして、こ 冷却装置51によって不織布3は速やかに常温 傍にまで冷却されるので、延伸後の不織布3 の伸縮性の発現に寄与する伸縮性繊維、つま りポリウレタン繊維の塑性変形は有効に抑制 され、その結果、当該延伸加工後の不織布3 る伸縮性シート3aには確実に伸縮性が付与さ れる。

 ここでは、冷却装置51として、サクショ 式のベルトコンベア51が使用されている。こ のサクション式のベルトコンベア51は、その 送用の平ベルト52(請求の範囲における「ベ ト」に相当)がその全面に亘って有する複数 の吸引孔(不図示)から周囲の空気を吸い込み これに伴って生じる吸引力によって搬送対 物たる不織布3を平ベルト52に吸引しながら ベルト52を周回移動して不織布3を搬送する のである。よって、その際の吸引孔からの 気の吸い込みにより、不織布3には、当該不 織布3を厚み方向に貫通する空気流が生じて これにより不織布3は効果的に冷却される。

 より詳しく説明すると、このベルトコン ア51は、回転軸C53a,C53bの向きを前記幅方向 向けつつ流れ方向の二カ所に1本ずつ設けら た一対のローラ53a,53bと、これら一対のロー ラ53a,53bに掛け回されて、一方のローラ53aの 動回転により周回する無端状の平ベルト52と 、この平ベルト52の閉じた周回軌道の内側に されて平ベルト52の吸引孔から空気を吸引 るためのサクションボックス54とを備えてい る。なお、前記一対のローラ53a,53bのうちの 方のローラ53aは、モータ(不図示)を駆動源と して駆動回転する駆動ローラであり、もう一 方のローラ53bは、従動回転する従動ローラで ある。また、サクションボックス54の内部空 は、適宜なブロア装置によって負圧に維持 れており、これにて前記吸引孔からの吸気 可能となっている。

 そして、このような構成によれば、前記 イドローラ56,57により前記駆動ローラ53aの 傍へと誘導された不織布3は、この位置Pinに 平ベルト52に吸引されてこれに付着する。 ると、そこから不織布3は平ベルト52とほぼ 体となって平ベルト52の周回移動により従動 ローラ53bのところまで移動されるが、この従 動ローラ53bにおいて平ベルト52の移動方向は 転されるので、同様に不織布3も反転し、し かる後に、不織布3は駆動ローラ53aの近傍ま 移動される。そうしたら、この位置Poutにて 織布3は、前記ガイドローラ58によって平ベ ト52から引き離され、下流の巻き取りセク ョンS6へと誘導される。

 ここで、前記位置Pinから前記位置Poutまで の範囲、すなわち、不織布3が平ベルト52と一 体になって搬送されている範囲においては、 平ベルト52の吸引孔による吸気によって、不 布3には、これを厚み方向に貫通する空気流 が生じている。よって、不織布3は、厚み方 に亘って均等に冷却されるとともに、前記 気流によって強制対流熱伝達状態が形成さ ており、その熱伝達係数は非常に高く、も て不織布3は、常温の室温まで急速冷却され 。

 また、不織布3は、平ベルト52に吸引され 平ベルト52とほぼ一体となって搬送される で、不織布3の張力を低くしても不織布3の蛇 行や弛みなどの搬送上のトラブルは起き難い 。よって、ここでは、ベルトコンベア51で搬 中の不織布3の張力を、予備延伸セクション S3での張力よりも下げており、例えば、その 力をほぼ零に近い正値となるようにしてい 。そして、このようにすれば、延伸後の伸 性繊維たるポリウレタン繊維の張力による 性変形が有効に抑制され、より一層確実に 縮性シート3aに伸縮性が付与されるように る。

 このベルトコンベア51で搬送中の不織布3 張力の調整は、例えば、ベルトコンベア51 直近上流のガイドローラ57の近傍に設けられ た張力計測センサ(不図示)によってベルトコ ベア51の近傍における不織布3の張力の大き を計測するとともに、その張力の計測値が 期の張力の目標値となるように、平ベルト5 2を周回する駆動ローラ53aの周速V5をフィード バック制御等して調整することで達成される 。

 但し、張力計測センサを用いずに、単に 動ローラ53aの周速V5の目標速度の設定によ て、張力を上述のほぼ零に近い正値に調整 ても良い。例えば、図4Aを参照すれば、張力 の負荷時に比べて除荷時には荷重レベルが格 段に低下するのがわかる。よって、駆動ロー ラ53aの周速V5の目標速度を、前記基準速度V1 目標速度の延伸倍率Mt(=Mp×Mg)倍の大きさより も小さく設定すれば、上記不織布3の張力の きさを格段に下げること可能なる。ちなみ 、ここで、搬送中の不織布3の弛み防止の観 からは、前記周速V5の目標速度を、ギアロ ル41,43の周速V4の目標速度よりも高く設定す のが望ましい。

 また、駆動ローラ53aよりも下流側に位置 るガイドローラ58,59のなかで、駆動回転す ガイドローラ59については、その周速V59が駆 動ローラ53aの周速V5とほぼ等しくなるように 御すると良く、そうすれば、延伸後の伸縮 繊維たるポリウレタン繊維の張力による塑 変形が有効に抑制され、より一層確実に伸 性シート3aに伸縮性が付与されるようにな 。

 但し、ギア延伸装置40とベルトコンベア51 との間に位置する複数のガイドローラ56,57の かで、ギア延伸装置40の直近下流に位置す ガイドローラ56については、望ましくは駆動 回転させるとともに、その周速V56の目標速度 をギアロール41,43の周速V4の目標速度よりも くすると良い。これは、ギア延伸時にギア ール41,43の歯41t,43tに不織布3が貼り付くこと あり得て、これらの歯41t,43tから不織布3を き剥がすべく不織布3に張力を付与する必要 あるためである。それ故、より一層望まし は、図6に示すように、前記ガイドローラ56 で前記不織布3を挟み込みながら従動回転す る押し付けローラ56bを設けると良く、このよ うにすれば、ガイドローラ56と不織布3との相 対滑りを抑制できて、その結果、前述の引き 剥がしに要する張力を不織布3に確実に付与 能となる。

(6)巻き取りセクションS6
 巻き取りセクションS6には、巻き取り用リ ル装置61が設置されている。そして、冷却セ クションS6から搬送された不織布3は、伸縮性 が発現された伸縮性シート3aとして前記リー 装置61によりロール状に巻き取られ、しか 後に、伸縮性シートロール3arとして別の製 ラインへと搬出等される。

 ===その他の実施の形態===
 以上、本発明の実施形態について説明した 、本発明は、かかる実施形態に限定される のではなく、以下に示すような変形が可能 ある。

 上述の実施形態では、複数種類の繊維を む不織布3として、伸長性繊維たるPP繊維と 縮性繊維たるポリウレタン繊維との2種類の 繊維を含む不織布3を例示したが、繊維の種 は何等2種類に限るものではなく、3種類以上 であっても良い。ちなみに、ここで伸縮性繊 維のポリウレタン繊維だけでなく伸長性繊維 のPP繊維を含ませているのは、ポリウレタン 維のみだとべたついた素材になるので、こ べたつきをPP繊維によって抑えるためであ という理由や、ポリウレタン繊維のみだと 光の紫外線によって変色(黄変)するので、PP 維によって変色が見た目に目立たないよう するという理由や、PP繊維を含ませること よって伸縮性シート3aの坪量を大きくして嵩 高なシートにするという理由等がある。

 上述の実施形態では、複数種類の繊維を む不織布3として、伸長性繊維たるPP繊維と 縮性繊維たるポリウレタン繊維とが混合し なる混繊タイプの不織布3を例示したが、当 該不織布3は混繊タイプに限るものではない 例えば、不織布3の厚み方向に、伸長性繊維 みの層と伸縮性繊維のみの層とが層状に分 れて積層されていても良い。なお、これら 層の数は2層に限るものではなく、例えば、 伸縮性繊維のみの層が上下の伸長性繊維のみ の層で挟まれた3層構造の不織布3であっても い。

 上述の実施形態では、伸縮性が発現され 伸縮性シート3aを巻き取りセクションS6にて ロール状に巻き取り、これによって、伸縮性 シートロール3arの状態にして別ラインに搬送 していたが、巻き取り用リール装置61で巻き らずに、連続シートのまま連続的に別ライ (例えば、使い捨ておむつ1の製造ライン等) 搬送しても良い。

 なお、このようにした方が良い理由は、 のとおりである。伸縮性シート3aをロール に巻き取る際には、伸縮性シート3aに巻き取 り張力を加える必要があるが、この巻き取り 張力の大きさの変動によって、巻き取り中に 伸縮性シート3aの幅の大きさが変化したり、 縮性等の物性値が変わってしまう虞がある めである。例えば、巻き取り用リール装置6 1への巻き取り始めにあっては、巻き緩みに 因した紙管(伸縮性シートロール3arの巻き取 の芯)からの伸縮性シート3aのタケノコ状の けを防ぐべく、高めの巻き取り張力で伸縮 シート3aを巻き取る。このため、一般に伸 性シート3aの幅は、伸縮性シートロール3arの 芯側で狭く外周側で広くなってしまうが、上 述のように、巻き取り用リール装置61で巻き らずに連続シートの状態で伸縮性シート3a 別ラインに搬送すれば、上述のような幅変 の問題を回避できるからである。

 上述の実施形態では、加熱ローラ21につ ては、発熱体24の軸心を回転軸C21に揃えつつ 加熱ローラ21毎に1本だけ発熱体24を組み入れ とともに、ギアロール41,43については、そ 全周を周方向に12等分する位置にそれぞれ発 熱体44を組み入れたが、加熱ローラ21及びギ ロール41,43の外周面が均等に加熱されるので あれば、発熱体24,44の本数や組み込み位置は 等これに限るものではなく、例えば、上述 逆にしても良い。




 
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