Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR PRODUCING TIN-BASED PEROVSKITE LAYER, METHOD FOR PURIFYING TIN DIHALIDE-BASED MATERIAL, SOLUTION, TIN-BASED PEROVSKITE LAYER, LIGHT-EMITTING MATERIAL, AND PHOTOELECTRIC CONVERSION DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/175705
Kind Code:
A1
Abstract:
[Problem] To provide: a tin-based perovskite layer that is highly purified by the removal of a trace amount of Sn4+ present in a system, the tin-based perovskite layer having good photoelectric conversion efficiency due to not being susceptible to the oxidation of Sn2+ to Sn4+; a tin-based perovskite layer having excellent passivation properties; and a method for producing such a tin-based perovskite layer. [Solution] The present invention provides: a method for producing a tin-based perovskite layer, the method comprising: a step for adding a reductant to a tin dihalide-containing solution to obtain a tin-based perovskite precursor solution; and a step for preparing a perovskite layer from the tin-based perovskite precursor solution, wherein the tin dihalide includes at least one selected from among tin iodide, tin bromide, and tin chloride, the tin-based perovskite precursor solution contains tin fluoride, and the reductant is a reductant that reduces tin fluoride to tin in the tin-based perovskite precursor solution but does not reduce tin dihalide to tin in the tin-based perovskite precursor solution; and a tin-based perovskite layer obtained by said method.

Inventors:
WAKAMIYA ATSUSHI (JP)
YAKUMARU SHINYA (JP)
KANEMITSU YOSHIHIKO (JP)
HANDA TAKETO (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/008529
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
February 28, 2020
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
UNIV KYOTO (JP)
International Classes:
C07C251/30; C07F7/10; C07F7/22; C09K11/66; H01L31/0256; H01L31/18; H01L51/46
Foreign References:
JP2016528384A2016-09-15
Other References:
OZAKI, MASASHI ET AL., ACS OMEGA, vol. 2, 2017, pages 7 016 - 7021
ZHAO, ZIRAN ET AL., ADVANCED SCIENCE, vol. 4, no. 1-7, 2017
STEVENS, ERIC C. ET AL., JOURNAL OF VACUUM SCIENCE & TECHNOLOGY A: VACUUM, SURFACES, AND FILMS, vol. 36, no. 6, 2018
Attorney, Agent or Firm:
HIROSE Takayuki (JP)
Download PDF:
Claims:
〇 2020/175705 54 卩(:171? 2020 /008529

請求の範囲

[請求項 1 ] 重ハロゲン化スズを含む溶液に, 還元剤を添加し, スズ系べロプス カイ ト前駆体溶液を得る工程と,

前記スズ系べロブスカイ ト前駆体溶液からベロブスカイ ト層を作製 する工程とを含み,

前記重ハロゲン化スズは, ヨウ化スズ, 臭化スズおよび塩化スズか ら選ばれる 1種又は 2種以上を含み,

前記スズ系ぺロブスカイ ト前駆体溶液は, フッ化スズを含み, 前記還元剤は, 前記スズ系べロブスカイ ト前駆体溶液中のフッ化ス ズをスズに還元し, 前記スズ系べロブスカイ ト前駆体溶液中の前記重 ハロゲン化スズをスズに還元しない還元剤である, スズ系ぺロプスカ イ ト層の製造方法。

[請求項 2] 請求項 1 に記載の方法であって, 前記還元剤は, シリル基を有する, 方法。

[請求項 3] 請求項 1 に記載の方法であって, 前記還元剤は, 下記式 (丨) から 式 (V) で示されるいずれかの化合物を含む, 方法

[化 1 ]

(式 (丨) 中, は, 同一でも異なってもよく, 水素原子, 又は <3 1〜<3 4アルキル基を示し,

同一でも異なってもよく, 水素原子, 又は〇1 ~〇4 アルキル基を示し,

X !及び乂2は, 同一でも異なってもよく, !\1又は炭素原子を示す \¥0 2020/175705 55 卩(:171? 2020 /008529

[化 2]

(式 (丨 丨) 中, 同一でも異なってもよく, 水素原 子, 又は〇1〜〇4アルキル基を示し,

同一でも異なってもよく, 水素原子, 又は〇1 ~〇 4アルキル基を示し,

3及び乂4は, 同一でも異なってもよく, 1\1又は炭素原子を示す

[化 3]

(式 (丨 丨 丨) 中, 同一でも異なってもよく, 水素 原子, 〇1 ~〇4アルキル基, 〇2 ~〇4アルケニル基, 〇2 ~〇4アル キニル基, 〇1〜〇4アルコキシ基, 〇1〜〇4アルキルチオ基, アリ —ル基, アリールオキシ基, 又はアリールチオ基を示す。 ) \¥02020/175705 56 卩(:171? 2020 /008529

[化 4]

#5

乂5— 8|一 6

( I V )

(式 (丨 V) 中, 同一でも異なってもよく, 水素原 子, 〇1~〇4アルキル基, 〇2~〇4アルケニル基, 〇2~〇 4アルキ ニル基, 〇1〜〇4アルコキシ基, 〇 1〜〇4アルキルチオ基, ァリ_ ル基, アリールオキシ基, 又はアリールチオ基を示し, 乂5は, ハロゲン原子を示す。 )

[化 5]

(式 (V) 中, 同一でも異なってもよく, 水素原子 , 〇1~〇4アルキル基, 〇2~〇4アルケニル基, 〇2~〇4アルキニ ル基, 〇1〜〇4アルコキシ基, 〇 1〜〇4アルキルチオ基, アリール 基, アリールオキシ基, 又はアリールチオ基を示す。 ) 。

[請求項 4] 請求項 1 に記載の方法であって, 前記還元剤の酸化還元電位は, サ イクリックボルタンメ トリーで酸化電位が一 1.0 V ド〇 〇+以上 +0. 8 V ド〇/^〇+以下である, 方法。

[請求項 5] 請求項 1 に記載の方法であって,

前記重ハロゲン化スズは, S n Xml (Xは I , 巳 「, 〇 丨のい ずれか 1種以上であり, 011は, ·! . 8£〇11 £ 2. 2) で示される , 方法。 \¥0 2020/175705 57 卩(:171? 2020 /008529

[請求項 6] 請求項 1 に記載の方法であって,

前記重ハロゲン化スズは, ヨウ化スズを含む, 方法。

[請求項· 7] 請求項 6に記載の方法であって,

前記重ハロゲン化スズは, さらに臭化スズおよび塩化スズのいずれ か 1種以上を含む, 方法。

[請求項 8] 請求項 1 に記載の方法であって,

前記スズ系べロブスカイ ト前駆体溶液中の還元剤の濃度は, 前記ス ズ系ぺロブスカイ ト前駆体溶液中に添加するフッ化スズの濃度よりも 小さい, 方法。

[請求項 9] 請求項 1 に記載の方法であって,

前記スズ系べロブスカイ ト前駆体溶液は, さらに芳香族アミン系陽 イオンを含む, 方法。

[請求項 10] 請求項 1 に記載の方法であって,

前記スズ系べロブスカイ ト前駆体溶液を基板に塗布する工程と, 前記スズ系ぺロブスカイ ト前駆体溶液を前記基板に塗布した後に, 貧溶媒を前記基板に塗布する工程を含み,

前記貧溶媒を含む溶液は, 4 0 °〇以上 8 0 °〇以下である, 方法。

[請求項 1 1 ] 不純物を含む重ハロゲン化スズの溶液に, 還元剤を添加する還元剤 添加工程であって,

前記重ハロゲン化スズの溶液は, ヨウ化スズ, 臭化スズおよび塩化ス ズから選ばれる 1種又は 2種以上を含み,

前記不純物は, フッ化スズを含み,

前記還元剤は, フッ化スズをスズに還元し, 前記重ハロゲン化スズを スズに還元しない還元剤である工程と,

前記還元剤添加工程の後に, 前記重ハロゲン化スズ由来の物質を取 得する取得工程とを含む,

重ハロゲン化スズ系物質の精製方法。

[請求項 12] 不純物を含む重ハロゲン化スズの溶液に, 還元剤を添加する還元剤 〇 2020/175705 58 卩(:171? 2020 /008529

添加工程であって,

前記重ハロゲン化スズの溶液は, ヨウ化スズ, 臭化スズおよび塩化ス ズから選ばれる 1種又は 2種以上を含み,

前記不純物は, 4価のスズイオンを含み,

前記還元剤は, フッ化スズをスズに還元し, 前記重ハロゲン化スズを スズに還元しない還元剤である工程と,

前記還元剤添加工程の後に, 前記重ハロゲン化スズ由来の物質を取 得する取得工程とを含む,

重ハロゲン化スズ系物質の精製方法。

[請求項 13] 請求項 1 1 または 1 2に記載の方法であって,

前記還元剤添加工程の後に, 沈殿物を除去する沈殿物除去工程と, 前記沈殿物除去工程の後に, 前記沈殿物を除去した溶液を静置する 静置工程をさらに含み,

前記取得工程は, 前記静置工程により析出した結晶を得る結晶取得 工程を含む, 方法。

[請求項 14] 重ハロゲン化スズと, フッ化スズと, 還元剤とを含む溶液であって 前記重ハロゲン化スズは, ヨウ化スズ, 臭化スズおよび塩化スズか ら選ばれる 1種又は 2種以上を含み,

前記還元剤は, 前記溶液中のフッ化スズをスズに還元し, 前記溶液 中の前記重ハロゲン化スズをスズに還元しない還元剤である, 溶液。

[請求項 15] 請求項 1 4に記載の溶液であって, 前記溶液は, スズ系べロプスカ イ ト前駆体溶液である, 溶液。

[請求項 16] スズ系ぺロブスカイ ト層であって,

前記スズ系べロブスカイ ト層は, 0価のスズ, ピラジン系化合物, ケイ素系化合物, 及びゲルマニウム系化合物から選ばれる 1種又は 2 種以上を合計で〇. 0 1 111以上 1 0 0 0 以下含む, スズ系 ぺロブスカイ ト層。 〇 2020/175705 59 卩(:171? 2020 /008529

[請求項 17] 発光性材料であって,

前記発光性材料は, 0価のスズ, ピラジン系化合物, ケイ素系化合 物, 及びゲルマニウム系化合物から選ばれる 1種又は 2種以上を合計 で 0 . 0 1 01以上 1 0 0 0 以下含む, スズ系ぺロブスカイ 卜を含む, 発光性材料。

[請求項 18] スズ系ぺロブスカイ ト層を有する光電変換素子であって,

前記スズ系べロブスカイ ト層は, 0価のスズ, ピラジン系化合物, ケイ素系化合物, 及びゲルマニウム系化合物から選ばれる 1種又は 2 種以上を合計で〇. 0 1 111以上 1 0 0 0 01以下含む, 光電変 換素子。

Description:
明 細 書

発明の名称 :

スズ系べロブスカイ ト層の製造方法, 重ハロゲン化スズ系物質の精製方法 , 溶液, スズ系べロブスカイ ト層, 発光性材料, 及び光電変換素子

技術分野

[0001 ] この発明は, 光電変換効率に優れたスズ系べロブスカイ ト層の製造方法や , 重ハロゲン化スズ系物質の精製方法などに関 する。

背景技術

[0002] これまで, 鉛 (Pb 2+ ) を Bサイ トに含むベロブスカイ トを用いて 20%を超え る高い光電変換効率 (PCE) を示す太陽電池が報告されている。 しかしながら , 鉛系べロブスカイ トを光吸収層に用いた太陽電池は, 材料中の鉛が環境へ 及ぼす影響が懸念されている。 そこで, 実用化の観点から, 鉛をスズ (Sn 2+ ) に置き換えたスズ系べロブスカイ トを光吸収層に用いた太陽電池が, 環境負 荷の少ない太陽電池として期待されている (非特許文献 1) 。

[0003] しかし, スズ系べロブスカイ トは, 鉛系べロブスカイ トと異なり, 材料中 の Sn 2+ が Sn 4+ へと酸化されやすく, これが膜中の正孔密度を増加させ, 太陽電 池特性を低下させるという問題がある。 また, スズ系べロブスカイ ト太陽電 池の光電変換効率は, 光励起によって生成したキヤリアの寿命が短 いという 問題がある。

先行技術文献

非特許文献

[0004] 非特許文献 1 : Sh i , Z· ; Guo, J. ; Chen, Y. ; L i , 〇. ; Pan, Y. ; Zhang, H. ;

X i a, Y. ; Huang, W. Adv. Mater. 2017, 29, 1605005.

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005] この明細書に記載される発明のある態様は, 系中に微量存在する Sn 4+ を (捕 〇 2020/175705 2 卩(:171? 2020 /008529

捉することで) 取り除いて高純度化し, 3#が3 へと酸化されにくく, 良好 な光電変換効率を有するスズ系ぺロブスカイ ト層, パッシベーションに優れ たスズ系べロブスカイ ト層, 及びそのようなスズ系べロブスカイ ト層の製造 方法を提供することを目的のひとつとする。

[0006] この明細書に記載される発明のある態様は, を取り除くととともに, # +が3# + へと酸化されにくいように調整した, 重ハロゲン化スズ系物質の精製方 法を提供することを目的とする。

[0007] この明細書に記載される発明のある態様は, スズ系べロブスカイ ト層の前 駆体溶液や, 純度の高い重ハロゲン化スズ系物質を得るこ とができる, 重ハ ロゲン化スズと, フッ化スズと, 還元剤とを含む溶液を提供することを目的 とする。

[0008] この明細書に記載される発明のある態様は, 優れたスズ系べロブスカイ ト 層を有する発光性材料や光電変換素子 (例えば有機日 1_素子, 太陽電池) を 提供することを目的とする。

[0009] この明細書に記載される発明は, 上記の目的に限定されず, この明細書中 に記載された各種効果を得ることを目的とす るものであっても構わない。 課題を解決するための手段

[0010] この明細書に記載される発明のうちある態様 のものは, 所定の還元剤を用 いることで, を取り除き高純度化するとともに, スズ系ぺロブスカイ ト層 による光電変換効率を高めつつ, 2価のスズイオンが酸化される事態を防止 することができるという, 実施例による知見に基づく。 極めて強い還元剤を 用いれば, 2価のスズイオンが還元され, スズ系べロブスカイ ト層の特性を 損なうことになる。 一方, この明細書に記載される還元剤 (本発明の還元剤 ) を用いることで, スズ系ぺロブスカイ ト層による光電変換効率を高めつつ , 4価のスズイオンの混入と 2価のスズイオンが酸化される事態を防止で , 極めて良好な太陽電池などを得ることができ た。

[001 1 ] ぺロブスカイ ト層の製造方法

この明細書に記載される発明のある態様は, ベロブスカイ ト層の製造方法 〇 2020/175705 卩(:171? 2020 /008529

に関する。

このべロブスカイ ト層の製造方法は, 重ハロゲン化スズを含む溶液に, 還 元剤を添加し, スズ系べロブスカイ ト前駆体溶液を得る工程を含む。

[0012] 重ハロゲン化スズは, ヨウ化スズ, 臭化スズおよび塩化スズから選ばれる

1種又は 2種以上を含む。

[0013] スズ系ぺロブスカイ ト前駆体溶液は, さらにフッ化スズを含む。

そして, 還元剤は, スズ系ぺロブスカイ ト前駆体溶液中のフッ化スズをスズ に還元し, スズ系ぺロブスカイ ト前駆体溶液中の重ハロゲン化スズをスズに 還元しない還元剤である。

[0014] 還元剤の酸化還元電位は, サイクリックボルタンメ トリーで酸化電位が一 1 . 0

V ド〇 〇 + 以上 +0. 8 V ド〇 〇 + 以下であり, より好ましくは一 0. 5 V ド 〇/ 〇 + 以上 +0 3 V 〇/ 〇 + である。 また, 還元剤は, シリル基を有する還元 剤であってもよい。

[0015] 還元剤の例は, 下記式 (丨) から式 (V) で示されるいずれかの化合物を含 む。

[化 1 ]

(式 (丨) 中, は, 同一でも異なってもよく, 水素原子, 又は〇 1 ~ 〇 4 アルキル基を示し,

同一でも異なってもよく, 水素原子, 又は〇 1 ~〇 4 アルキル 基を示し,

X ! 及び乂 2 は, 同一でも異なってもよく, 1\1又は炭素原子を示す。 ) \¥02020/175705 4 卩(:17 2020 /008529

[0016] [化 2]

1 ]

(式 (丨 丨) 中, 同一でも異なってもよく, 水素原子, 又は 〇 1 〜〇 4 アルキル基を示し,

19〜 24は, 同—でも異なってもよく, 水素原子, 又は〇 1 〜0 4 アルキ ル基を示し,

3 及び乂 4 は, 同一でも異なってもよく, 1\1又は炭素原子を示す。 )

[0017] [化 3]

(式 (丨 丨 丨) 中, 同一でも異なってもよく, 水素原子, 〇! ~〇 4 アルキル基, 〇 2 ~〇 4 アルケニル基, 〇 2 ~〇 4 アルキニル基, 〇 1 ~〇 4アルコキシ基, 〇 1 ~〇 4 アルキルチオ基, アリール基, アリールオキシ基, 又はアリールチオ基を示す。 )

[0018] [化 4]

#5 5— 51—

37

( 1 V ) 〇 2020/175705 5 卩(:171? 2020 /008529

(式 (丨 V) 中, 同一でも異なってもよく, 水素原子, 〇 1 〜 〇 4 アルキル基, 〇 2 ~〇 4 アルケニル基, 〇 2 ~〇 4 アルキニル基, 〇 1 ~〇 4 アルコキシ基, 〇 1 ~〇 4 アルキルチオ基, アリール基, アリールオキシ基, 又はアリールチオ基を示し,

5 は, ハロゲン原子を示す。 )

[0019] [化 5]

42

(式 (V) 中, は, 同一でも異なってもよく, 水素原子, 〇 1 ~〇

& 0:〇:: I I

4アルキル基, 〇 2 ~〇 4 アルケニル基, 〇 2 ~〇 4 アルキニル基, 〇 1 ~〇 4 ア ルコキシ基, 11 〇 1 〜〇 4 アルキルチオ基, アリール基, アリールオキシ基, 又 はアリールチオ基を示す。 )

[0020] 重ハロゲン化スズは, 例えば, S n X m l (Xは 丨, 巳 「, 〇 丨のいずれ か 1種以上であり, 01 1は, 1 . 8 £〇1 1 £ 2 . 2) で示される。 重ハロゲン 化スズは, ヨウ化スズを含むものが好ましい。 重ハロゲン化スズは, ヨウ化 スズ, 臭化スズ及び塩化スズを含むものであっても よい。

[0021 ] スズ系ぺロブスカイ ト前駆体溶液中の還元剤の濃度は, スズ系ぺロプスカ イ ト前駆体溶液中のフッ化スズの濃度よりも小 さいことが好ましい。

[0022] 重ハロゲン化スズ系物質の精製方法

この明細書に記載される発明のある態様は, 3#が3#へと酸化されにくい ように調整した, 重ハロゲン化スズ系物質の精製方法に関する 。 この方法は , 不純物を含む重ハロゲン化スズの溶液に, 還元剤を添加する還元剤添加工 程と, 還元剤添加工程の後に, 重ハロゲン化スズ由来の物質を取得する取得 工程とを含む。 重ハロゲン化スズ及び還元剤は, 先に説明した通りである。 還元剤添加前のスズ系ぺロブスカイ ト前駆体溶液は, フッ化スズを含む。 こ の溶液は, 4価のスズイオンを含むものであってもよい

[0023] 重ハロゲン化スズ系物質の精製方法は, 還元剤添加工程の後に, 沈殿物を 除去する沈殿物除去工程と,

沈殿物除去工程の後に, 沈殿物を除去した溶液を静置する静置工程を さら に含むものであってもよい。

そして, 取得工程は, 静置工程により析出した結晶を得る結晶取得 工程を 含んでもよい。

[0024] 重ハロゲン化スズ溶液

この明細書に記載される発明のある態様は, スズ系べロブスカイ ト層の前 駆体溶液や, 純度の高い重ハロゲン化スズ系物質を得るこ とができる, 重ハ ロゲン化スズと, フッ化スズと, 還元剤とを含む溶液に関する。

[0025] この溶液は, 重ハロゲン化スズと, フッ化スズと, 還元剤とを含む溶液で ある。 重ハロゲン化スズ及び還元剤は, 先に説明した通りである。 この溶液 は, フッ化スズの他に, 4価のスズイオンを不純物として含んでもよ 。 こ の溶液は, スズ系ぺロブスカイ ト前駆体溶液として用いられてもよい。

[0026] スズ系べロブスカイ ト層

この明細書に記載される発明のある態様は, 良好な光電変換効率を有する スズ系ぺロブスカイ ト層に関する。 このスズ系ぺロブスカイ ト層は, 0価の スズ, ピラジン系化合物, ケイ素系化合物, 及びゲルマニウム系化合物から 選ばれる 1種又は 2種以上を合計で 0 . 0 1 p p m以上 1 0 0 0 p p m以下 含む。 このスズ系ぺロブスカイ ト層は, 上記のスズ系ぺロブスカイ ト層の製 造方法に基づいて得ることができ, 還元剤などの残留物が所定量存在する。 実施例により示された通り, 所定量の特定の物質が残留することで, スズ系 ぺロブスカイ ト層は, パッシベーシヨンに優れたものとなった。

[0027] 発光性材料

この明細書に記載される発明のある態様は, 良好な特性を有する発光性材 料に関する。 この発光性材料は, 0価のスズ, ピラジン系化合物, ケイ素系 化合物, 及びゲルマニウム系化合物から選ばれる 1種又は 2種以上を合計で 〇 2020/175705 7 卩(:171? 2020 /008529

〇. 0 1 01以上 1 0 0 0 01以下含む, スズ系ぺロブスカイ トを含む 。 この発光性材料は, 上記した重ハロゲン化スズ溶液を用いて得る ことがで き, 所定量の特定の物質が残留することで, パッシベーシヨンに優れた発光 性材料となる。

[0028] 光電変換素子

この明細書に記載される発明のある態様は, 良好な光電変換効率を有する スズ系べロブスカイ ト層を有する光電変換素子に関する。

発明の効果

[0029] この明細書は, 高純度の からなり, 3 が3 へと酸化されにくく, 良好 な光電変換効率を有するスズ系ぺロブスカイ ト層, パッシベーシヨンに優れ たスズ系べロブスカイ ト層, 及びそのようなスズ系べロブスカイ ト層の製造 方法を提供できる。

[0030] この明細書は, Sn を取り除くととともに, 3#が3 へと酸化されにくいよ うに調整した, 重ハロゲン化スズ系物質の精製方法を提供で きる。

[0031] この明細書は, スズ系ぺロブスカイ ト層の前駆体溶液や, 純度の高い重ハ ロゲン化スズ系物質を得ることができる, 重ハロゲン化スズと, フッ化スズ と, 還元剤とを含む溶液を提供できる。

[0032] この明細書は, 優れたスズ系べロブスカイ ト層を有する発光性材料や光電 変換素子 (例えば有機巳 !_素子, 太陽電池) を提供できる。

図面の簡単な説明

[0033] [図 1]図 1は, 実施例 1 における還元剤 1 を用いた場合の !_スペクトルを示 す図面に代わるグラフ及びその結果をまとめ たものである。 図 1の縦軸は, 強度 (任意単位) であり, 横軸は波長 (〇〇〇 である。

[図 2]図 2は, 実施例 1 における還元剤 1 を用いた場合の蛍光寿命の測定結果 を示す図面に代わるグラフ及びその結果をま とめたものである。 図 2の縦軸 は, 強度 (任意単位) であり, 横軸は時間 (〇秒) である。

[図 3]図 3は, 実施例 1 における還元剤 2を用いた場合の !_スぺクトルを示 す図面に代わるグラフ及びその結果をまとめ たものである。 図 3の縦軸は, 20/175705 8 卩(:171? 2020 /008529

強度 (任意単位) であり, 横軸は波長 (〇〇〇 である。

[図 4]図 4は, 実施例 1 における還元剤 2を用いた場合の蛍光寿命の測定結果 を示す図面に代わるグラフ及びその結果をま とめたものである。 図 4の縦軸 は, 強度 (任意単位) であり, 横軸は時間 (〇秒) である。

[図 5]図 5は, 実施例 2における, 図面に代わる, ぺロブスカイ ト膜の表面 3 巳1\/1写真である。 左から参照, 還元剤 して〇. 1 〇 丨% に対して 1 . 01110 1%) ) 添加したもの, 還元剤 に対して 5 . 〇 〇 1 % に対して 1 〇 丨% に対して 5〇!〇 丨% に対して 501110 1%) ) 添加したものを示す。

[図 6]図 6は, 実施例 2における太陽電池特性 (」 _ カーブ) を示す, 図面 に代わるグラフである。 縦軸は電流密度を示し, 横軸は電圧を示す。

[図 7]図 7は, 実施例 3における, 図面に代わる, ぺロブスカイ ト膜の表面 3 巳1\/1写真である。 左から参照, 還元剤 して〇. 5〇1〇 1 % に対して 51110 1%) ) 添加したもの, 還元剤 に対して 1 〇 1 % (3 2 に対して 10〇1〇 1%) ) 添加したもの, 還元剤 に対して 5〇!〇 丨% に対して 501110 ) ) 添加したもの, 還元剤 に対して 1 〇 〇 1 % (Sn ド 2 に対して 100111〇 ) ) 添加したものを示す。

[図 8]図 8は, 実施例 3における太陽電池特性 (」 _ カーブ) を示す, 図面 に代わるグラフである。 縦軸は電流密度を示し, 横軸は電圧を示す。

[図 9]図 9は, 実施例 4における太陽電池特性の評価結果を示す, 図面に代わ るグラフである。 縦軸はカウント, 横軸は電流密度を示す。

[図 10]図 1 0は, 実施例 4における太陽電池特性の評価結果を示す, 図面に 代わるグラフである。 縦軸はカウント, 横軸は電圧を示す。

[図 1 1]図 1 1は, 実施例 4における太陽電池特性の評価結果を示す, 図面に 代わるグラフである。 縦軸はカウント, 横軸は (フィルファクター) を 示す。

[図 12]図 1 2は, 実施例 4における太陽電池特性の評価結果を示す, 図面に 〇 2020/175705 9 卩(:171? 2020 /008529

代わるグラフである。 縦軸はカウント, 横軸は 〇巳 (変換効率) を示す。

[図 13]図 1 3は, 実施例 5における, 図面に代わる, ぺロブスカイ ト膜の表 面 3巳1\/1写真である。 左から 0. 9 11/1のスズ系べロブスカイ ト前駆体溶液に還元 に対して 1 111〇 添加した溶液から作製したもの, 1 . 2 11/1のスズ系べ ロブスカイ ト前駆体溶液に還元剤 に対して 1 111〇 添加した溶液から作 製したもの, 1 . 3 11/1のスズ系べロブスカイ ト前駆体溶液に還元剤

して 1 1110 添加した溶液から作製したもの, 1 . 4 11/1のスズ系ぺロブスカイ ト前 駆体溶液に還元剤 に対して 1 (11〇 添加した溶液から作製したものを示 す。

[図 14]図 1 4は, 実施例 5における, 図面に代わる, ぺロブスカイ ト膜の断 面の 3巳1\/1写真である。 左から 0. 9 11/1のスズ系ぺロブスカイ ト前駆体溶液に還 に対して 1 111〇 添加した溶液から作製したもの, 1 . 2 11/1のスズ系 ベロブスカイ ト前駆体溶液に還元剤 に対して 1 1110 添加した溶液から 作製したもの, 1 . 3 11/1のスズ系べロブスカイ ト前駆体溶液に還元剤 対して 1 1110 添加した溶液から作製したもの, 1 . 4 11/1のスズ系ぺロブスカイ ト 前駆体溶液に還元剤 に対して 1 (11〇 添加した溶液から作製したものを 示す。

[図 15]図 1 5は, 実施例 5における太陽電池特性 (」ー カーブ) を示す, 図面に代わるグラフである。 縦軸は電流密度を示し, 横軸は電圧を示す。

[図 16-1]図 1 6— 1は, 実施例 6における還元剤 2の添加前後の様子を示す 図面に代わる写真である。 左上の写真は, 還元剤 2の添加前の溶液 (2) の 写真であり, 左下の写真は還元剤 2の添加後の溶液 (2) の写真である。 中 央上の写真は, 還元剤 2の添加前の溶液 (3) の写真であり, 中央下の写真 は還元剤 2の添加後の溶液 (3) の写真である。 右上の写真は, 還元剤 2の 添加前の溶液 (4) の写真であり, 右下の写真は還元剤 2の添加後の溶液 ( 4) の写真である。

[図 16-2]図 1 6— 2は, 実施例 6における, 図面に代わる, ぺロブスカイ ト 膜の表面 3巳!\/1写真である。 左から還元剤 2を含まないエントリ _ 1 (参照 20/175705 10 卩(:171? 2020 /008529

) , エントリ _ 2 (S n に還元剤 2を添加したもの) , エント リ _ 3 (3 n 2 の 01^0溶液に還元剤 2を添加したもの) , 及びエントリ _ 4 ( 八〇. 7 5 1\/1八 0 . 2 5 3 1^ I 3 の 01^0溶液に還元剤 2を添加したもの) を示す。 [図 17]図 1 7は, 実施例 6における還元剤 2を用いた場合の !_スペクトル を示す図面に代わるグラフ及びその結果をま とめたものである。 図 1 7の縦 軸は, 強度 (任意単位) であり, 横軸は波長 (〇〇〇 である。

[図 18]図 1 8は, 実施例 6における還元剤 2を用いた場合の蛍光寿命の測定 結果を示す図面に代わるグラフ及びその結果 をまとめたものである。 図 1 8 の縦軸は, 強度 (任意単位) であり, 横軸は時間 (1·!秒) である。

[図 19]図 1 9は, 実施例 6における, 図面に代わる, ぺロブスカイ ト膜の表 面 3巳 IV!写真である。 左から還元剤 2を含まないエントリ _ 1 (参照) , エ ントリ _ 2 (3 n I 2 の 01^0溶液に還元剤 2を添加したもの) , 及びエントリ — 4 (F A 0 . 7 5 M A 0 . 2 5 S n 丨 3 の 01^0溶液に還元剤 2を添加したもの) を示 す。

[図 20]図 2 0は, 実施例 6における太陽電池特性 (」ー カーブ) を示す, 図面に代わるグラフである。 縦軸は電流密度を示し, 横軸は電圧を示す。

[図 21]図 2 1は, 実施例 7における還元剤 2を用いた場合の !_スペクトル を示す図面に代わるグラフ及びその結果をま とめたものである。 図 2 1の縦 軸は, 強度 (任意単位) であり, 横軸は波長 (〇〇〇 である。

[図 22]図 2 2は, 実施例 7における還元剤 2を用いた場合の蛍光寿命の測定 結果を示す図面に代わるグラフ及びその結果 をまとめたものである。 図 2 2 の縦軸は, 強度 (任意単位) であり, 横軸は時間 (1·!秒) である。

[図 23]図 2 3は, 実施例 8における太陽電池特性 (」ー カーブ) を示す, 図面に代わるグラフである。 縦軸は電流密度を示し, 横軸は電圧を示す。

[図 24]図 2 4は, 実施例 8における 丨 〇巳スペクトルを示す, 図面に代わ るグラフである。 縦軸は丨 〇巳を示し, 横軸は波長 (n m) を示す。

[図 25]図 2 5は, 実施例 9における 3 n 丨 2 のケミカルシフトを示す図面に代 わるグラフである。 上図は, 試料 1 (還元剤 2を添加しない状態) のものを 〇 2020/175705 1 1 卩(:171? 2020 /008529

示し, 下図は, 試料 2 (還元剤 2を添加した状態) のものを示す。

[図 26]図 2 6は, 実施例 9における 3 n 2 のケミカルシフトを示す図面に代 わるグラフである。 上図は, 試料 1 (還元剤 2を添加しない状態) のものを 示し, 下図は, 試料 2 (還元剤 2を添加した状態) のものを示す。

[図 27]図 2 7は, 実施例 9において粒子が得られたことを示す図面に わる 丁巳 IV!写真である。

[図 28]図 2 8は, 実施例 9における 3 n 丨 4 のケミカルシフトを示す図面に代 わるグラフである。 上図は, 試料 1 (還元剤 2を添加しない状態) のものを 示し, 下図は, 試料 2 (還元剤 2を添加した状態) のものを示す。

[図 29]図 2 9は, 実施例 9における 3 n 丨 4 及び 3 n 2 を含む系のケミカル シフトを示す図面に代わるグラフである。 上図は, 試料 1 (還元剤 2を添加 しない状態) のものを示し, 下図は, 試料 2 (還元剤 2を添加した状態) の ものを示す。

[図 30]図 3 0は, 実施例 1 0における巳 3 3 丨 1 ~ 1を還元剤として用いた場合 の蛍光寿命の測定結果を示す図面に代わるグ ラフ及びその結果をまとめたも のである。 図 3 0の縦軸は, 強度 (任意単位) であり, 横軸は時間 ( n 秒) である。

[図 31]図 3 1は, 実施例 1 0における, 図面に代わる, ベロブスカイ ト膜の 表面 3巳 IV!写真である。 左から還元剤を含まない参照 ([¾ 6チ 6 r 6 n〇 6 ) , 還元剤 丨%添加したもの, 還元剤巳 1 : 3 I 1 ~ 1を 5〇1〇 1 %添加したもの, 及び還元剤巳 1: 3 3 丨 1 ~ 1を3^ 2 に対して 1 〇 〇 1 %添加したものを示す。

[図 32]図 3 2は, 実施例 1 0における太陽電池特性 (」 _ カーブ) を示す , 図面に代わるグラフである。 縦軸は電流密度を示し, 横軸は電圧を示す。

[図 33]図 3 3は, 八サイ ト源の影響を分析するための時間分解 !_測定結果 を示す図面に代わるグラフである。

発明を実施するための形態

[0034] 以下, 図面を用いて本発明を実施するための形態に ついて説明する。 本発 〇 2020/175705 12 卩(:171? 2020 /008529

明は, 以下に説明する形態に限定されるものではな く, 以下の形態から当業 者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。

[0035] 1 . ぺロブスカイ ト層の製造方法

本明細書に記載されるスズ系べロブスカイ ト層の製造方法は, 重ハロゲン化 スズを含む溶液に, 還元剤を添加し, スズ系べロブスカイ ト前駆体溶液を得 る工程を含む。 このべロブスカイ ト層の製造方法は, ぺロブスカイ ト層の製 造するための公知の工程や条件を適宜採用で きる。 例えば, 方法は, スズ系 ぺロブスカイ ト化合物を含む溶液を基板に塗布する工程と , 基板に貧溶媒を 塗布する工程と, 基板をアニール処理する工程とを含んでもよ い。

[0036] 還元剤

還元剤は, 例えば, スズ系ぺロブスカイ ト前駆体溶液中のフッ化スズをスズ (0価のスズ) に還元し, スズ系べロブスカイ ト前駆体溶液中の重ハロゲン 化スズをスズに還元しない還元剤である。 スズ系ぺロブスカイ ト前駆体溶液 中のフッ化スズをスズに還元するとは, 溶液中のフッ化スズ又はフッ化スズ 由来のイオンを完全に還元することまでは意 味しなくてもよい。 溶液中のフ ッ化スズを, 例えば 1 %以上, 3%以上, 5%以上, 又は 10%以上, 還元できれば 良い。 重ハロゲン化スズをスズに還元しないという 用語についても同様に, 重ハロゲン化スズのうち例えば 5 0 %以上, 6 0 %以上, 7 0 %以上, 8 0 %以上, 8 5 %以上, 9 0 %以上, 9 5 %以上, 又は 9 8 %以上, スズに還 元しないものであればよい。

[0037] 還元剤の酸化還元電位は, サイクリックボルタンメ トリーで酸化電位が一 1

. 8 V ド〇 〇 + 以下であり, より好ましくは一 0. 5 V ド〇 〇 + である。 また, 還元剤は, シリル基を有する還 元剤であってもよい。 例えば, シリル基を基本骨格として, 又は基本骨格の 一部に含む還元剤は, 3 n 2 のフッ素原子とシリル基の 3 丨原子が選択的に 反応するので, 例えば 3 n 丨 2 に比べて 3 n 2 と選択的に反応すると考えら れる。 シリル基を有する還元剤のうち, [ は, 蛍光寿命の延長に効果があ り, この場合も 3 n 2 が _1に配位して生じる ! ! _ (ヒドリ ド) が Snを還元し 〇 2020/175705 13 卩(:171? 2020 /008529

ているものと考えられる。 )

[0038] 還元剤の例は, 下記式 (丨) から式 (V) で示されるいずれかの化合物で ある。

[化 6]

[0039] 式 (丨) 中, は, 同一でも異なってもよく, 水素原子, 又は〇 1 ~

4 アルキル基を示し, ◦は, 同一でも異なってもよく, 水素原子, 又は〇 1 ~〇 4 アルキル基を示し, X ! 及び乂 2 は, 同一でも異なってもよく,

1\1又は炭素原子を示す。

式 (丨) において, は, 同一でも異なってもよく, 水素原子, メ チル基, 又はエチル基であり, ◦は, 同一でも異なってもよく, メチ ル基, 又はエチル基であることが好ましい。

[0040] 式 (丨) で示される化合物のうち, X ! 及び乂 2 が 1\1で示されるものは, 以 下の化合物 (丨 3) である。

[0041 ] [化 7]

[0042] 式 (丨 は, 同一でも異なってもよく, 水素原子, メチル 〇 2020/175705 14 卩(:171? 2020 /008529

基, 又はエチル基であり, ◦は, 同一でも異なってもよく, メチル基 , 又はエチル基であることが好ましい。

例えば, は, 全て水素原子又はメチル基であってもよいし ,

2及び 3 がメチル基であってもよい。

ってもよい。

[0043] 式 (丨) で示される化合物のうち, X ! が 1\1で示され, 乂 2 が炭素原子であ るものは, 以下の化合物 (丨 13) である。

[0044] [化 8]

[0045] 式 (丨 匕) 中, は, 同一でも異なってもよく, 水素原子, メチル 基, 又はェチル基であり, ◦は, 同一でも異なってもよく, メチル基

, 又はエチル基であることが好ましい。

例えば, は, 全て水素原子又はメチル基であってもよいし , , 2 及び 3 がメチル基であってもよいし,

4が水素原子であってもよい。

であってもよい。

具体的な式 (丨 匕) で示される化合物は, は, 全て水素原子であり , 全てメチル基である化合物である。

[0046] 式 (丨) で示される化合物のうち, X ! 及び乂 2 が炭素原子であるものは, 以下の化合物 (丨 〇) である。

[0047] 〇 2020/175705 15 卩(:171? 2020 /008529

[化 9]

[0048] 式 (丨 〇) 中, は, 同一でも異なってもよく, 水素原子, メチル 基, 又はエチル基であり, ◦は, 同一でも異なってもよく, メチル基 , 又はエチル基であることが好ましい。

例えば, 例えば, は, 全て水素原子又はメチル基であってもよいし »

2 及び 3 がメチル基であってもよいし, がメチル基であり, が水素原子であってもよい。 ◦は, 全て メチル基であってもよい。 具体的な式 (丨 〇) で示される化合物は, がメ チル基であり, が水素原子であり, ◦は, 全てメチル基であ る化合物である。

[0049] [化 10]

[0050] 式 (丨 丨) 中, 同一でも異なってもよく, 水素原子, 又は 〇 1 ~〇 4 アルキル基を示し, 同一でも異なってもよく, 水 素原子, 又は〇 1 ~〇 4 アルキル基を示し, 乂 3 及び乂 4 は, 同一でも異なって もよく, 1\1又は単結合を示す。

式 (丨 丨) において, [¾ 1 1 ~[¾ 18 は, 同一でも異なってもよく, 水素原子 メチル基又はェチル基を示し, は, 同一でも異なってもよく, 〇 2020/175705 16 卩(:171? 2020 /008529

水素原子, メチル基又はエチル基を示し, 乂 3 及び乂 4 は, 同一でも異なって もよく, 1\1又は炭素原子を示すものが好ましい。

[0051] 式 (丨 丨) で示される化合物のうち, 乂 3 及び乂 4 が 1\1で示されるものは, 以下の式 (丨 丨 3) で示される。

[0052] [化 11]

[0053] 式 (丨 丨 3) で示される具体的な化合物は, が水素原子であり , がメチル基の化合物である。

[0054] [化 12] 1 )

[0055] 式 (丨 丨 丨) 中, [¾ 31 ~[¾ 34 は, 同一でも異なってもよく, 水素原子, 〇! ~〇 4 アルキル基, 〇 2 ~〇 4 アルケニル基, 〇 2 ~〇 4 アルキニル基, 〇 1 ~〇 4アルコキシ基, 〇 1 ~〇 4 アルキルチオ基, アリール基, アリールオキシ基, 又はアリールチオ基を示す。

[0056] 上記において, アリール基は, 例えば炭素数 6_ 1 2のアリール基であり , アリール基の例は, ベンジル基又はフエニル基であり, アリールオキシ基 は, 例えば炭素数 6 -2のアリールオキシ基であり, アリールオキシ基の例 は, フエノキシ基である。 アリールチオ基は, 例えば, 炭素数 6- 1 2のア リールチオ基である。 〇 2 ~〇 4 アルケニル基は, 炭素数が 2〜 4の直鎖状又 \¥02020/175705 17 卩(:17 2020 /008529

は分岐側鎖を有するアルケニル基である。 〇 2 ~〇 4 アルケニル基の例は, ビ ニル基, プロべニル基, 及びブテニル基等である。 〇 2 ~〇 4 アルキニル基は , 炭素数が 2〜 4の直鎖状又は分岐側鎖を有するアルキニル である。 〇 2 〜 〇 4 アルキニル基の例は, エチニル基及びプロピニル基である。

以下同様である。

[0057] 式 ( I I I) において,

3 1 34 のすべてが水素原子以外のもの (例えばメチル基, 又はエチル基 ) であってもよいし,

[¾31 [¾34 のうち ]つが水素原子で, 残りが 〇 1 ~〇 4 アルキル基, 〇 1 ~〇 4アルコキシ基, 〇 1 ~〇 4 アルキルチオ基, アリール基, アリールオキシ基, 又はアリールチオ基であってもよい。

[0058] 式 (丨 丨 丨) において, [¾ 31 が水素原子であり, [¾ 32 ~[¾ 34 がエチル基で ある化合物は, 巳 1 3 3 丨 1 ~ 1である。

[0059] [化 13]

[0060] 式 (丨 V) 中, [¾35〜[¾ 37 は, 同一でも異なってもよく, 水素原子, 〇 1 ~ 〇 4 アルキル基, 〇 2 ~〇 4 アルケニル基, 〇 2 ~〇 4 アルキニル基, 〇 1 ~〇 4 アルコキシ基, 〇 1 ~〇 4 アルキルチオ基, アリール基, アリールオキシ基, 又はアリールチオ基を示し,

5 は, ハロゲン原子を示す。

式 (丨 V) において,

35 37 のすべてが水素原子以外のもの (例えばメチル基, 又はエチル基 ) であってもよい。 ハロゲン原子の例は, 重ハロゲン原子 (塩素原子, 臭素 原子及びヨウ素原子) である。

[0061] \¥02020/175705 18 卩(:17 2020 /008529

[化 14]

[0062] 式 (V) 中, 同一でも異なってもよく, 水素原子, 〇 1 ~〇 4アルキル基, 〇 2 ~〇 4 アルケニル基, 〇 2 ~〇 4 アルキニル基, 〇 1 ~〇 4 ア ルコキシ基, 〇 1 〜〇 4 アルキルチオ基, アリール基, アリールオキシ基, 又 はアリールチオ基を示す。

[0063] 式 (V) において, のすべてが水素原子以外のもの (例えばメ チル基, 又はエチル基) であってもよいし, [¾ 41 ~[¾ 46 のうち 1つが水素原 子で, 残りが水素原子以外のもの (例えばメチル基, 又はエチル基) であっ てもよい。

[0064] 還元剤は, 基本的には, スズ系ぺロブスカイ ト前駆体溶液中のフッ化スズ をスズに還元し, スズ系ぺロブスカイ ト前駆体溶液中の重ハロゲン化スズを スズに還元しないものであり, 上記式 (丨) から式 (V) で示されるいずれ かの化合物で表される還元剤に限られない。 また, 還元剤は, 成膜工程にお いて, 層中に残留しないか, 残留しても, ぺロブスカイ ト層に悪影響を与え ない, 又は微量に残留することがかえって, ぺロブスカイ ト層の特性を向上 させるものであることが好ましい。 上記の通り, 式 (1) から式 (V) で示 される化合物は, そのような望ましい特性を有する, 本発明の還元剤である 。 これと同様の観点から, 以下の化合物も, 本発明の還元剤として有効であ ると考えられる。

[0065] ゲルマニウム系還元剤

ゲルマニウ厶系還元剤の例は, 〇6 2 , 060 I 〇6巳 1" 2 , 06 I 2 , 0 © 0 , 0 © ? , 0 © 3 , 0 © I 4 » 及び 0 © 0 I 4 である。

[0066] ボラン系還元剤

ボラン系還元剤の例は, 〇 2020/175705 19 卩(:171? 2020 /008529

[0067] アルミニウム系還元剤

アルミニウム系還元剤の例は, 0 丨 BAL_H (水素化ジイソプチルアルミ ニウム) 及び 1_八1 ~ 1 (水素化アルミニウムリチウム) である。

[0068] 上記以外の還元剤の例は, ナフタセノ [5, : 1 1 , 1 2 -〇 ,

, 〇1’ ] ビス [1 , 2] ジチオール

[1,2] 丨〇16) :〇八番号 1 93 -44 - 2又は, その誘導体 (例えば, こ の化合物の環の 1又は複数の水素原子がアルキル基又はアル キシ基により 置換されたもの, この環の一部の炭素原子が, 窒素原子又は硫黄原子で置換 されたもの) である。

[0069] 重ハロゲン化スズ

重ハロゲン化スズを含む溶液 (スズ系べロブスカイ ト前駆体溶液) の例は , スズ系べロブスカイ ト層を作成するための前駆体を含む溶液 (スズ系べ口 ブスカイ ト前駆体溶液) である。 この溶液は, 例えば不純物として, フッ化 スズを含む。 フッ化スズの含有量は, 通常微量である。 重ハロゲン化スズは , ヨウ化スズ, 臭化スズおよび塩化スズから選ばれる 1種又は 2種以上を含 む。

[0070] ぺロブスカイ ト層に用いられるスズ系ぺロブスカイ ト化合物自体は公知で あり, 本明細書においても, 3 (スズ) を含むスズ系ぺロブスカイ ト化合 物を適宜用いることができる。 重ハロゲン化スズは, 例えば, S n X ml (X は 丨, 巳 「, 〇 丨のいずれか 1種以上であり, 1は, ·! . 8£〇11 £ 2

. 2) で示される。 重ハロゲン化スズは, ヨウ化スズを含むものが好ましい 。 重ハロゲン化スズは, ヨウ化スズ, 臭化スズおよび塩化スズを含むもので あってもよい。 例えば, 重ハロゲン化スズは, ヨウ化スズおよび臭化スズか ら主に構成される。 スズ系ぺロブスカイ ト前駆体溶液において, 重ハロゲン 化スズは, イオンとして電離した状態で存在していても よい。

[0071] 重ハロゲン化スズは, 式 (V 丨) で示されるスズ系べロブスカイ ト化合 物 (本発明のぺロブスカイ ト化合物ともよぶ) であってもよい。

〇 2020/175705 20 卩(:171? 2020 /008529

[式中, 3 nの酸化数は 1. 5〜 4である。 は少なくとも 1種の 1価のカチ オンを示す。 Xは少なくとも 1種の重ハロゲン原子を示す。 』は 2. 5〜 3.

5を示す。 ]

3门の酸化数は 1. 5〜 3. 5であることが好ましく 1. 5〜 2. 5でも よいし, 1. 8~2. 2でもよいし, 1. 5〜 2でもよい。

[0072] —般式 (V 丨) において, は少なくとも 1種の 1価のカチオンである。 は 2種以上のカチオンであってもよい。 このような 1価のカチオンの例は, アルカリ金属カチオンや 1価の遷移金属カチオンである。

[0073] アルカリ金属カチオンの例は, ナトリウムカチオン, カリウムカチオン, セシウムカチオン, ルビジウムカチオンである。

[0074] 1価の遷移金属カチオンの例は, 銅カチオン, 銀カチオン, 金カチオン, 鉄 カチオン, ルテニウムカチオンである。

[0075] の具体的な例は, [¾ 51 1\! 1 ~ 1 3+ である示されるカチオン ([¾ 51 は 1価の置 換又は非置換の炭化水素基を示す。 ) である。 置換の炭化水素基は, 炭化水 素基の水素原子が他の原子又は置換基によっ て置換された炭化水素を意味す る。 8の別の具体的な例は,

[0076] ^ 2 + = 0 ( 2 ) - 1\11 ~ 1 2

[0077] (?¾ 42 は水素原子又は 1価の置換若しくは非置換炭化水素基を示す )

で表されるカチオンである。

[0078] 本明細書において, 「1価の炭化水素基」 の例は, アルキル基, アリール基 又はアラルキル基である。

[0079] アルキル基は, 炭素数 1〜 20の直鎖状, 分岐状又は環状アルキル基が好ま しい。 アルキル基の具体例は, メチル基, エチル基, プロピル基, 2—プ ロピル基, 门ーブチル基, 1—メチルプロピル基, 2—メチルプロピル基, 16 —ブチル基, ペンチル基, 1—メチルブチル基, 1—エチルプロピル基, 士6 「1:_ペンチル基, 2—メチルブチル基, 3—メチルブチル基, 2,2—ジメチルプ ロピル基, ヘキシル基, 1—メチルペンチル基, 1—エチルブチル基, 2— メチルペンチル基, 3—メチルペンチル基, 4—メチルペンチル基, 2—メチル 〇 2020/175705 21 卩(:171? 2020 /008529 ペンタンー 3—イル基, 3, 3—ジメチルブチル基, 2, 2—ジメチルブチル基, 1,

1—ジメチルプチル基, 1 , 2—ジメチルプチル基, 1 , 3—ジメチルプチル基, 2, 3—ジメチルブチル基, 1—エチルブチル基, 2—エチルブチル基, ヘプチ ル基, 门ーオクチル基, n—ノニル基, n—デシル基, 门ーウンデシル基, n—ド デシル基, トリデシル基, n _テトラデシル基, ペンタデシル基, へキサデシル基, n _ヘプタデシル基, n _オクタデシル基, n _ノナデシル基 , 门ーイコシル基, シクロプロピル基, シクロブチル基, シクロペンチル基, シクロヘキシル基である。

[0080] 「アリール基」 は, 炭素数 6〜 20のアリール基が好ましい。 アリール基の例 は, フエニル基, インデニル基, ペンタレニル基, ナフチル基, アズレニル 基, フルオレニル基, フエナントレニル基, アントラセニル基, アセナフチ レニル基, ビフエニレニル基, ナフタセニル基, ピレニル基である。

[0081 ] 「アラルキル基」 は, 炭素数 7〜 20のアラルキル基が好ましい。 アラルキル 基の例は, ベンジル基, フエネチル基, 1—フエニルプロピル基, 2—フエニ ルプロピル基, 3—フエニルプロピル基, 1—フエニルプチル基, 2—フエニル プチル基, 3—フエニルプチル基, 4—フエニルプチル基, 1—フエニルペンチ ルプチル基, 2—フエニルペンチルプチル基, 3—フエニルペンチルプチル基 , 4—フエニルペンチルプチル基, 5—フエニルペンチルプチル基, 1—フエニ ルヘキシルブチル基, 2—フエニルヘキシルブチル基, 3—フエニルヘキシル ブチル基, 4—フエニルヘキシルブチル基, 5—フエニルヘキシルブチル基, 6 —フエニルヘキシルブチル基, 1—フエニルへプチル基, 1—フエニルオクチ ル基, 1—フエニルノニル基, 1—フエニルデシル基, 1—フエニルウンデシル 基, 1—フエニルドデシル基, 1—フエニルトリデシル基, 1—フエニルテトラ デシル基である。

[0082] 「置換基」 の例は, 上記した 1価の炭化水素基, ハロゲン原子 (例えば, フ ツ素原子, 塩素原子, 臭素原子, ヨウ素原子) , _〇 ( は水素原子又は上 記 1価の炭化水素基を示す) , 一3(^ ((^は水素原子又は上記 1価の炭化水素基 を示す) , ニトロ基, アミノ基, シアノ基, スルホ基, カルボキシ基, カル 〇 2020/175705 22 卩(:171? 2020 /008529

バモイル基, アミノスルホニル基, オキソ基である。 置換基を有する場合の 置換基の数は, 特に限定されず, 10以下が好ましく, 5以下がより好ましく,

3以下がさらに好ましい。

[0083] 本発明のぺロブスカイ ト化 合物が三次元構造を有しやすく, より広い波長域で光を吸収し, エネルギー 変換効率 ( 〇£) 及び内部量子効率 (1(^) を向上させやすい観点から, 炭素 数 1〜 10のアルキル基, 炭素数 6〜 20のアリール基及び炭素数 7〜 12のアラルキ ル基が好ましく, 炭素数 1〜 6のアルキル基及び炭素数 6〜 14のアリール基がよ り好ましく, 炭素数 1〜 4のアルキル基がさらに好ましい。 また, 同様の理由 により, 1^ 51 及び 2 としては, アルキル基が好ましく, 直鎖状又は分岐状ア ルキル基がより好ましく, 直鎖状アルキル基がさらに好ましい。 特に, メチ ル基が最も好ましい。

[0084] 上記(¾ 51 及び(¾ 52 としては, 本発明のぺロブスカイ ト化合物が三次元構造を 有しやすく, より広い波長域で光を吸収し, エネルギー変換効率 ( 〇£) 及び 内部量子効率 (1(^) を向上させやすい観点から, (¾ 51 はメチル基が好ましく , 52 は水素原子が好ましい。 つまり, としては, アルカリ金属カチオンや 1 価の遷移金属カチオンの他には, (^ 3 3 + 又は以下のカチオンであることが好ま しい。

. 4以下が好ましく, 〇. 2以上〇. 3以下でもよい) で示される基である

[0087] —般式 (丨 丨) において, エネルギー変換効率 0£) 及び内部量子効率 ( 1(^) を向上させやすい観点から, 」は, 2. 8〜 3. 2が好ましい。

[0088] このような条件を満たす本発明のぺロブスカ イ ト化合物の例は, ヨウ化ス ズメチルアンモニウム (〇 1 ~ 1 3 1\11 ~ 1 3 3门 丨 3 : 「1\/1八 3门 丨 3 」 と略記) , ( 2 3 | ^ 3 8 : 「1\/1八 2 3 | ^ 3 8 」 と略記, 臭化スズメチルアンモ 〇 2020/175705 23 卩(:171? 2020 /008529

ニウム (〇1 ~ 1 3 1\11 ~ 1 3 3门巳 「 3 : 「1\/1八3门巳 「 3 」 と略記) , ヨウ化スズホ ルムアミジニウム ( (1\11 ~ 1 2 2 〇 1 ~ 13 n 丨 3 : 「 八3 n 丨 3 」 と略記) , 及 び臭化スズホルムアミジニウム ( (1\11 ~ 1 2 2 〇1 ~ 13门巳 「 3 : 「 八3门巳 「 3」 と略記) , 〇〜 1の数であり, 0. 1以上 0. 4以 下が好ましく, 〇. 2以上〇. 3以下でもよい)

らの混合物である。 これらの中では, ド八 0.75 1^ 0.2 1 3 , 1\/1八3 |^ 丨 3 及び 八3 丨 3 が好ましい。

[0089] 以下の実施例では, 微量のフッ化スズを含む重ハロゲン化スズを 用いたぺ ロブスカイ ト層の製造方法を中心として, 説明されている。 一方, 上記の還 元剤は, 例えば, AS n X 3 型といった, 様々なスズ系べロブスカイ ト層にお いても, フッ化スズ由来のスズのナノパーテイクルに よるスカベンジャーの 効果が期待される。

[0090] スズ系ぺロブスカイ ト化合物を含む溶液は, 基本的には, ハロゲン化スズ

, ハロゲン化されたカチオン源となる化合物を 溶媒に溶解させることで得る ことができる。 溶媒は, 極性溶媒であることが好ましく, 非プロトン性の極 性溶媒であることがより好ましい。 ハロゲン化されたカチオン源となる化合 物の例は, 八 丨, 1\/1八 丨, 八巳 「, 1\/1八巳 「, ド八 ] - 八 巳 「及びこれらの混合物である。 ハロゲン化スズとハロゲン化されたカチオン 源となる化合物とのモル比は, 1 : 3以上 3 : 1でもよく, 1 : 2〜 2 : 1 でもよく, 3 : 2〜 2 : 3でもよく, 3 : 4〜 4 : 3でもよい。

[0091] 溶媒は, 沸点が 35〜 250°〇程度の溶媒が好ましい。 溶媒の例は, 1\1, 1\1_ジ メチルホルムアミ ド 1^) , ジメチルスルホキシド 1^0) , スルホラン,

1\1—メチルピロリ ドン, プロピレンカーボネート, 《—アセチルー· —プチ ロラクトン, テトラメチレンスルホキシド, エチルシアノアセテート, アセ チルアセトン, 3—メ トキシ 1\1, ‘ージメチ ルエチレンウレア, 1, 1,3, 3—テトラメチルウレア, 2—アセチルシクロヘキ サノン, 1,3 -ジメチルー 3, 4, 5, 6 -テトラヒドロー 2(1 -ピリミジノン, 3, 4—ジヒドロー 1(2 —ナフタレノン, シクロペンタノン, シクロへキサノン 〇 2020/175705 24 卩(:171? 2020 /008529

, シクロへプタノン, アニリン, ピぺリジン, ピリジン, 4_ 6 _プチルビ リジン, 4—アミルピリジン, 4—アミノピリジン, 2—アミルピリジン, 4— メチルピリジン, ペンタフルオロピリジン, 2, 4, 6—テトラメチルピリジン,

2, 6—ジ _ 6 ーブチルー 4—メチルピリジン, 4—ピリジンエチルアミン, シ クロオクタノン, 2, 5—ジメ トキシテトラヒドロフラン, 1 , 4, 7, 10—テトラオ キサシクロドデカン, エチル トルエート, 1 , 2—ジメ トキシベンゼン, テ トラヒドロフルフリルアセテート, シクロヘキシルアセテート, シクロペン チルメチルエーテル, フエニルエチルアミン, エチレンジアミン, トリエチ ルアミン, ジイソプロピルエチルアミン, ヒドラジン等が挙げられる。 なか でも, 金属中心に配位結合を形成するという観点か ら, -ジメチルホルム アミ ド 1^) 又はジメチルスルホキシド 1^0) が好ましい。

[0092] 溶媒中におけるハロゲン化スズの濃度の例は , 〇. 1 ~ 5〇1〇 1 / 1_ (又 は〇. 5 ~ 3〇1〇 丨 / 1_) である。 スズ系ぺロブスカイ ト化合物を含む溶液 は, 上記の溶媒に, 上記した化合物を適宜混合することにより得 ることがで きる。 また, 必要に応じて, 溶媒を適宜攪拌及び加熱し, 化合物を溶解すれ ばよい。

[0093] 基板

基板として, ベロブスカイ ト型太陽電池や有機巳 1_素子における公知の基 板を適宜用いることができる。 基板の例は, ガラス基板, 絶縁体基板, 半導 体基板, 金属基板及び導電性基板 (導電性フィルムも含む) である。 また, これらの表面の一部又は全部の上に, 金属膜, 半導体膜, 導電性膜及び絶縁 性膜の少なくとも 1種の膜が形成されている基板も好適に用い ことができる

[0094] 金属膜の構成金属の例は, ガリウム, 鉄, インジウム, アルミニウム, バ ナジウム, チタン, クロム, ロジウム, ニッケル, コバルト, 亜鉛, マグネ シウム, カルシウム, シリコン, イッ トリウム, ストロンチウム及びバリウ ムから選ばれる 1種又は 2種以上の金属である。 半導体膜の構成材料の例は, シリコン, ゲルマニウム等の元素単体, 周期表の第 3族〜第 5族, 第 13族〜第 1 〇 2020/175705 25 卩(:171? 2020 /008529

5族の元素を有する化合物, 金属酸化物, 金属硫化物, 金属セレン化物, 金属 窒化物等が挙げられる。 また, 導電性膜の構成材料の例は, スズドープ酸化 インジウム (1丁0) , フッ素ドープ酸化インジウム 丁〇) , 酸化亜鉛 (å门0)

, アルミニウムドープ酸化亜鉛 (八å0) , ガリウムドープ酸化亜鉛 (0å0) , 酸化スズ ^ 2 ) , 酸化インジウム (1¾0 3 ) , 酸化タングステン (1«0 3 ) であ る。 絶縁性膜の構成材料の例は, 酸化アルミニウム (八1 2 0 3 ) , 酸化チタン (丁 |〇 2 ) , 酸化シリコン 10 2 ) , 窒化シリコン ⑸ ) , 酸窒化シリコン 〇 51\1 3 ) である。

[0095] 基板の形状の例は, 平板や円板等の板状, 繊維状, 棒状, 円柱状, 角柱状 , 筒状, 螺旋状, 球状, リング状であり,多孔質構造体であてもよい 。 これら のうちでは板状の基板が好ましい。 基板の厚さの例は, 0 . 1 ~ 1 0 0 01〇!が好ましく, 1 01 ~ 1 0 01 01がより好ましい。

[0096] スズ系べロブスカイ ト化合物を含む溶液を基板に塗布する工程

スズ系べロブスカイ ト化合物を含む溶液を基板に塗布する際に, 基板には , 下地層である半導体層が形成されている場合 がある。 その場合, スズ系べ ロブスカイ ト化合物を含む溶液を基板に塗布するとは, 下地層が形成された 基板に (の下地層の上に) スズ系べロブスカイ ト化合物を含む溶液を塗布す る工程を意味する。

[0097] スズ系べロブスカイ ト化合物を含む溶液を基板に塗布するために は, スピ ンコート, ディップコート, スクリーン印刷法, 口ールコート, ダイコート 法, 転写印刷法, スプレー法, 又はスリッ トコートを用いればよい。 これら の中では, スピンコートにより基板上に溶液を塗布する ことが好ましい。 ス ビンコートは, 基板を回転させつつ, 溶液を滴下し, 基板上に溶液を塗布す る方法である。 また, 溶液を搭載した基板を回転させ, 基板に溶液を塗布し てもよい。 回転速度は, 最大速度が 1 0 0 0〜 1万「 を 3 0秒から 5分 , 最高速度までを 2秒から 1 5秒, 最大速度から停止までを 1秒から 1 5秒 とすればよい。

[0098] 次に, 基板に貧溶媒を塗布する工程について説明す る 〇 2020/175705 26 卩(:171? 2020 /008529

[0099] 貧溶媒とは, 溶質を溶かす能力はあるものの, 溶質の溶解度が高くない溶媒 を意味する。 貧溶媒の例は, ジクロロメタン, クロロホルム等の置換脂肪 族炭化水素; トルエン, ベンゼン等の芳香族炭化水素; クロロベンゼン, 才 ルトジクロロベンゼン, ニトロベンゼン等の置換芳香族炭化水素;酢 酸;ジ エチルエーテル, テトラヒドロフラン (丁#) 等のエーテル; メタノール, エ タノール, イソプロパノール, ブタノール, オクタノール等のアルコール; ヘキサン等の長鎖炭化水素 (特に 0 4 - 1 0炭化水素) ; ァセトニトリル等 が挙げられる。 これら貧溶媒は, 単独で使用することもできるし, 2種以上を 組合せて使用することもできる。 これらの中では, クロロベンゼン又はトル エンが好ましい。

[0100] 貧溶媒は, 単独でも, 極性溶媒と混合して用いられてもよい。 貧溶媒が極 性溶媒と混合される場合, 極性溶媒と, 貧溶媒との比が, 貧溶媒/極性溶媒 = 2. 0〜 10. 0/1 . 0 (体積比) が好ましく, 3. 0〜 8. 0/1 . 0 (体積比) がより好 ましい。

[0101 ] 貧溶媒を塗布する際には, スズ系べロブスカイ ト化合物が基板に塗布され ているので, 基板に貧溶媒を塗布するとは, スズ系ぺロブスカイ ト化合物が 塗布されている状態の基板に貧溶媒を塗布す ることを意味する。 基板に貧溶 媒を塗布する方法は, スズ系ぺロブスカイ ト化合物を塗布する方法と同様で ある。 なお, スズ系ぺロブスカイ ト化合物をスピンコート塗布している際に , 貧溶媒を基板に滴下して, 貧溶媒を基板に塗布してもよい。 塗布される貧 溶媒の量は適宜調整すればよい。 スズ系ぺロブスカイ ト化合物を含む溶液と 貧溶媒の体積比は, 1 : 1 〇〜 2 : 1でもよいし, 1 : 5〜 1 : 1でもよい

[0102] 基板に貧溶媒を塗布する際の貧溶媒の温度が 4 5 °〇以上 1 0 0 °〇以下であ ることが好ましい。 後述する実施例により示された条件のもとで は, この温 度の貧溶媒を用いる場合には, 種結晶からの結晶成長を抑制し, 種結晶の形 成を促進できるので, その結果, スズ系ぺロブスカイ ト層を充填させ, スズ 系べロブスカイ ト層の凹凸を軽減し, 平坦で抜けのないスズ系べロブスカイ 〇 2020/175705 27 卩(:171? 2020 /008529

卜層を得ることができる。 この方法は, 貧溶媒の温度が 4 5 ° 〇以上 8 5 ° 〇以 下であってもよいし, 5 0 °〇以上 7 0 °〇以下であってもよい。 この温度であ れば, 下地層を傷つけずにスズ系べロブスカイ ト化合物を成長させることが できる。 貧溶媒の温度は, スズ系ぺロブスカイ ト化合物の種類等に応じて適 宜調整すればよい。

[0103] 貧溶媒は, 基板を回転しつつ貧溶媒を滴下することによ り塗布され, 貧溶 媒が塗布された後 0 . 5秒以上 7 . 5秒以内 (例えば, 1秒以上 7秒以下,

1秒以上 6秒以下) に回転が停止するものが好ましい。 後述する実施例によ り実証された通り, 貧溶媒を滴下後, 極めて迅速に回転を停止させることで , スズ系ぺロブスカイ ト化合物の状態を調整できることとなる。 また, 従来 , 通常貧溶媒を滴下後 3 0秒程度回転速度を維持した後に, 基板の回転を減 速させていた。 本明細書においては, 後述する実施例により示された通り, 貧溶媒の滴下完了直後〜 1 〇秒以内 (直後から 5秒以内, 直後から 3秒以内 , 直後から 2秒以内, 直後から 1秒以内, 又は直後) に, 基板の回転速度を 減速し始めることが好ましい。 このようにすることで, ぺロブスカイ ト層 ( 膜) 内での特性のばらつきを抑えることができる 。

[0104] なお, スズ系ぺロブスカイ ト化合物を含む溶液を塗布する工程や, 貧溶媒 を塗布する工程においては, 後述するアニール処理工程と同様, 密閉系で行 うことが好ましい。 そして, 密閉系では, スズ系べロブスカイ ト化合物を含 む溶液に含まれる溶媒の蒸気が存在すること が好ましく, さらに好ましくは , 密閉系内ではその溶媒が飽和蒸気圧又は飽和 蒸気圧の 9 0 %以上の分圧と なっていることが好ましい。

[0105] 次に, 基板をアニール処理する工程について説明す る。 アニール処理とは, 基板を加熱等する工程を意味する。 アニールエ程は, 貧溶媒の滴下後, 又は 基板が停止した後, 速やかに行うことが好ましい。 アニール処理する工程は , 後述する実施例により示された通り, 溶媒蒸気を含む密閉系にて, 段階的 に基板加熱する工程を含むものが好ましい。 そして, 密閉系では, スズ系べ ロブスカイ ト化合物を含む溶液に含まれる溶媒の蒸気が 存在することが好ま 〇 2020/175705 28 卩(:171? 2020 /008529

しく, さらに好ましくは, 密閉系内ではその溶媒が飽和蒸気圧又は飽和 蒸気 圧の 9 0 %以上の分圧となっていることが好ましい。

[0106] 基板をアニール処理する工程は, 2段又はそれ以上の段階で温度を上昇さ せることが好ましい。 そのように多段で温度を上昇させることで, 実施例に より実証された通り, スズ系べロブスカイ ト化合物の成長を促し, 粒子サイ ズを大きくすることができ, それによりスズ系べロブスカイ ト層を充填させ ることができる。

[0107] アニール処理が多段階を含む場合とは, 目標となる複数の温度まで基板温 度を上昇させた後, その設定温度で所定時間維持し, その後次の設定温度ま で基板温度を上昇させることを意味する。

第 1段の設定温度の例は, 3 0 °〇以上 6 0 °〇以下であり, 3 5 °〇以上 5 5 °〇以下でもよいし, 4 0 °0以上 5 0 °0以下でもよい。

第 1段の設定温度の滞留時間は, 5秒以上 1分以下でもよいし, 5分以上

2 0分以下でもよい。

第 2段の設定温度は, 第 1段の設定温度より高いことが好ましい。 第 2段 の設定温度の例は, 5 0 °〇以上 8 0 °〇以下であり, 5 5 °〇以上 7 5 °〇以下で もよいし, 6 0 °◦以上 7 0 °◦以下でもよい。

第 2段の設定温度の滞留時間は, 5秒以上 1分以下でもよいし, 5分以上

3 0分以下でもよいし, 5分以上 2 0分以下でもよいし, 1 0分以上 2 0分 以下でもよい。

第 3弾の設定温度 (第 1段又は第 2段を省略した場合は, 第 2段の設定温 度) は, 第 1段又は第 2段の設定温度より高いものが好ましい。 第 3段の設 定温度の例は, 7 0 ° 〇以上 1 2 0 ° 〇以下であり, 8 0 ° 〇以上 1 1 0 ° 〇以下で もよいし, 9 0 °◦以上 1 1 0 °◦以下でもよい。

第 3段の設定温度の滞留時間は, 5秒以上 1分以下でもよいし, 5分以 上 2 0分以下でもよい。

このようにして, ぺロブスカイ ト層を得ることができるぺロブスカイ ト 層の膜厚の例は, 1 〇 01以上 1 0 0 0 〇!以下である。 膜厚は, 5 0门〇! 〇 2020/175705 29 卩(:171? 2020 /008529

以上 5 0 0 01以下でもよいし, 以下でもよいし

, 以下でもよい。

[0108] 上記のベロブスカイ ト層の製造方法によりべロブスカイ ト層を得た後, 通常 の方法に従って, ぺロブスカイ ト型太陽電池を製造できる。 もっとも, ぺ口 ブスカイ ト層は, 有機巳 !_素子の製造にも用いることができるため, 上記の ぺロブスカイ ト層の製造方法によりべロプスカイ ト層を得た後に, そのぺ口 ブスカイ ト層を用いて有機巳 !_素子を製造できる。

[0109] 本明細書に記載される次の発明は, ぺロブスカイ ト層及びそのべロプスカ イ ト層を含むぺロブスカイ ト型太陽電池に関する。 そのべロブスカイ ト層は , スズ系ぺロブスカイ ト化合物を含み, スズ系ぺロブスカイ ト化合物による 被覆率が 9 5 %以上 1 0 0 %以下であることが好ましい。 被覆率は 9 8 %以 上 1 0 0 %以下がより好ましく, 9 9 %以上 1 0 0 %以下がより好ましい。 もっとも, 特性を損なわない限り, 被覆率が 9 5 %以上 1 0 0 %であっても , 従来技術に基づいて製造した場合に比べて被 覆率が高まるので好ましい。 このべロブスカイ ト層は, スズ系べロブスカイ ト化合物の平均粒子径が 1 5 以下であることが好ましい。 被覆率は, 3巳 IV!画像を 撮影し, その面積から算出すればよい。 具体的に説明すると, 画像解析ソフ 卜を用いて被覆率を求めてもよいし, ぺロブスカイ ト化合物が覆っておらず 黒くなっている領域を取り囲み, 取り囲んだ部分の面積を求めることで, ぺ ロブスカイ ト化合物が基板を覆っている面積の割合であ る被覆率を求めても よい。 また, スズ系ぺロブスカイ ト化合物の平均粒子径もスズ系ぺロプスカ イ ト層を撮影し, スズ系べロブスカイ ト化合物境界面を用いて, 平均となる 大きさ (例えば, 境界面の最大長さの平均値) を求めればよい。 平均粒子径 は, 算術平均値を採用すればよい。

[01 10] 2 . ぺロブスカイ ト型太陽電池

ぺロブスカイ ト型太陽電池は, 例えば, 透明電極, (正孔) ブロッキング 層, 電子輸送層, ぺロブスカイ ト層 (光吸収層) , 正孔輸送層, 及び金属電 極をこの順に備える。 ぺロブスカイ ト型太陽電池は, 透明電極上に〇型半導 〇 2020/175705 30 卩(:171? 2020 /008529

体層が設けられた順型であってもよいし, 透明電極上に 型半導体層が設け られた逆型であってもよい。 以下に, 透明電極, (正孔) ブロッキング層, 電子輸送層, ぺロブスカイ ト層 (光吸収層) , 正孔輸送層, 及び金属電極を この順に備えるぺロブスカイ ト型太陽電池を例にして, ぺロブスカイ ト型太 陽電池を説明する。

[01 1 1 ] 2 . 1 . 透明電極

透明電極は, 電子輸送層の支持体であるとともに, (正孔) ブロッキング 層を介してべロブスカイ ト層 (光吸収層) より電流 (電子) を取り出す機能 を有する層であることから, 導電性基板が好ましく, 光電変換に寄与する光 を透過可能な透光性を有する透明導電層が好 ましい。

[01 12] 透明導電層としては, 例えば, スズドープ酸化インジウム (丨 丁〇) 膜, 不純物ドープの酸化インジウム (丨 门 2 3 ) 膜, 不純物ドープの酸化亜鉛 ( Z n〇) 膜, フッ素ドープニ酸化スズ ( 丁〇) 膜, これらを積層してなる 積層膜等が挙げられる。 これら透明導電層の厚みは特に制限されず, 通常, 抵抗が 5〜 1 5 0 /□ (単位面積当たり) となるように調整することが好ま しい。 当該透明導電層は, 成形する材料に応じ, 公知の成膜方法により得る ことができる。

[01 13] 透明導電層は, 外部から保護するために, 必要に応じて, 透光性被覆体に より覆われ得る。 当該透光性被覆体としては, 例えば, フッ素樹脂, ポリ塩 化ビニル, ポリイミ ド等の樹脂シート ; 白板ガラス, ソーダガラス等の無機 シート ; これらの素材を組合せてなるハイブリッ ドシート等が挙げられる。 これら透光性被覆体の厚みは特に制限されず , 通常, 抵抗が 5〜 1 5 0 /0 となるように調整することが好ましい。

[01 14] 2 . 2 . (正孔) ブロッキング層

(正孔) ブロッキング層は, 正孔の漏れを防ぎ, 逆電流を抑制して太陽電 池特性 (特に光電変換効率) を向上させるために設けられる層であり, 透明 電極とぺロブスカイ ト層 (光吸収層) との間に設けられることが好ましい。

(正孔) ブロッキング層は, 酸化チタン等の金属酸化物からなる層が好ま し 〇 2020/175705 31 卩(:171? 2020 /008529

く, コンパクト丁 丨 〇 2 等の 型半導体で透明電極の表面を平滑且つ緻密に 覆 った層がより好ましい。 「緻密」 とは, 電子輸送層中の金属化合物の充填密 度より高密度で金属化合物が充填されている ことを意味する。 なお, 透明電 極と電子輸送層とが電気的に接続されなけれ ば, ピンホール, クラック等が 存在していてもよい。

[0115] (正孔) ブロッキング層の膜厚は, 例えば, 5〜 300 である。 (正孔) ブ ロッキング層の膜厚は, 電極への電子注入効率の観点より, 10〜 200 がより 好ましい。

[0116] (正孔) ブロッキング層は上記透明電極上に形成され る。 金属酸化物を ( 正孔) ブロッキング層に用いる場合, 既知の方法に従って (例えば, 非特許 文献 4, 丄 卩 . 卩 . 2008, 41, 102002.等) , スプレーパイロ リシスを行うことにより作製できる。 例えば, 200〜 550 ° 〇 (特に 300〜 500 ° 〇 ) に加熱したホッ トプレート上に置いた透明電極に 0.01〜 0.4011/1 (特に 0.02〜 0.2011/1) の金属アルコキシド (チタンジ (イソプロポキシド) ビス (アセチル アセトナート) 等のチタンアルコキシド等) のアルコール溶液 (例えばイソ プロピルアルコール溶液等) をスプレーで吹き付けて作製できる。

[0117] その後, 得られた基板を, 酸化チタン (丁 丨 〇 2 等) , チタンアルコキシド (チタンイソプロポキシド等) , チタンハロゲン化物 (丁 丨 〇 丨 4 等) の水溶 液中に浸漬して加熱することで, より緻密な膜とすることもできる。

[0118] (正孔) ブロッキング層の原料を含む水溶液における 原料の濃度は, 〇.

1 ~ 1. 0 IV!が好ましく, 〇. 2〜〇. 7 IV!がより好ましい。 また, 浸 潰温度は 30〜 1 00 °〇が好ましく, 50〜 80 °〇がより好ましい。 さらに , 加熱条件は 200〜 1 000°〇 (特に 300〜 700°〇 で 5〜 60分 ( 特に 10〜 30分) が好ましい。

[0119] 2. 3. 電子輸送層

電子輸送層は, ぺロブスカイ ト層 (光吸収層) の活性表面積を増加させ, 光電変換効率を向上させるとともに, 電子収集しやすくするために形成され る。 電子輸送層は, 基板上に形成してもよいが, (正孔) ブロッキング層の 〇 2020/175705 32 卩(:171? 2020 /008529

上に形成することが好ましい。 また, 上記の (正孔) ブロッキング層が, 電 子輸送層として機能してもよいし, 電子輸送層が (正孔) ブロッキング層を 兼ねてもよい。 電子輸送層はフラーレン誘導体等有機半導体 材料を用いた平 坦な層でもよい。 また, 電子輸送層は, 酸化チタン (丁 丨 0 2 ) (メソポーラ ス丁 丨 〇 2 を含む) , 3 |^〇 2 層, 又は 〇層であってもよい。 電子輸送層 は, メソポーラス丁 丨 〇 2 等多孔質構造を有していることが好まし い。 多孔質 構造は, 例えば, 粒状体, 針状体, チューブ状体, 柱状体等が集合して, 全 体として多孔質な性質を有していることが好 ましい。 また, 細孔サイズはナ ノスケールが好ましい。 多孔質構造を有することにより, ナノスケールであ るため, 光吸収層の活性表面積を著しく増加させ, 太陽電池特性 (特に光電 変換効率) を向上させるとともに, 電子収集に優れる多孔質電子輸送層とす ることができる。

[0120] 電子輸送層は, 酸化チタン, 酸化スズ等の金属酸化物からなる層であって もよい。 なお, 金属化合物が半導体である場合, 半導体を使用する場合には , ドナーをドープすることもできる。 これにより, 電子輸送層がベロブスカ イ ト層 (光吸収層) に導入するための窓層となり, 且つ, ぺロブスカイ ト層 (光吸収層) から得られた電力をより効率よく取り出すこ とができる。

[0121 ] 電子輸送層の厚みは, 特に制限されず, ぺロブスカイ ト層 (光吸収層) か らの電子をより収集できる観点から, 10〜 300 程度が好ましく, 10〜 250 程度がより好ましい。 電子輸送層は, 成形する材料に応じて公知の成膜方法 を用いて得ることができる。 例えば, (正孔) ブロッキング層の上に, 5〜 50 質量% (特に 10〜 30質量%) の酸化チタンべーストのアルコール溶液 (例えば エタノール溶液等) を塗布して作製することができる。 酸化チタンペースト は公知又は市販品を用いることができる。 塗布の方法は, スピンコート法が 好ましい。 なお, 塗布は例えば 15〜 30 ° 〇程度で行うことができる。

[0122] 2 . 4 . ぺロブスカイ ト層 (光吸収層)

ぺロブスカイ ト型太陽電池におけるぺロブスカイ ト層 (光吸収層) は, 光 を吸収し, 励起された電子を移動させることにより, 光電変換を行う層であ 〇 2020/175705 33 卩(:171? 2020 /008529

る。 ぺロブスカイ ト層 (光吸収層) は, ぺロブスカイ ト材料や, ぺロプスカ イ ト錯体を含む。 ぺロブスカイ ト層は, 先に説明した方法に基づいて製造す ればよい。 ぺロブスカイ ト層は, 口ール · トゥ · 口ールによる大童生産を実 現することが好ましい。 混合液をスピンコート, ディップコート, スクリー ン印刷法, 口 _ ルコ _ 卜, ダイコ _ 卜法, 転写印刷法, スプレ _ 法, スリッ トコート法等, 好ましくはスピンコートにより基板上に塗布 することが好ま しい。

[0123] ぺロブスカイ ト層 (光吸収層) の膜厚は, 光吸収効率と励起子拡散長との バランス及び透明電極で反射した光の吸収効 率の観点から, 例えば, 5 0〜 1 0 0 0 n が好ましく, より好ましい。 なお, 本発 明のぺロブスカイ ト層 (光吸収層) の膜厚は, 1 0 0 ~ 1 0 0 0 の範囲 内であることが好ましく, 2 5 0〜 5 0 0 n の範囲内であることがより好 ましい。 具体的には, 本発明のぺロブスカイ ト層 (光吸収層) の膜厚の下限 値が 1 0 0 〇!以上 (特に 2 5 0 〇〇 以上であり, 上限値が

以下 (特に 5 0 0 n 以下) であることが好ましい。 本発明のベロブスカイ 卜層 (光吸収層) の膜厚は, 本発明の錯体からなる膜の断面走査型電子顕 微 鏡 (断面 3巳 IV!) により測定する。

[0124] また, 本発明のぺロブスカイ ト層 (光吸収層) の平坦性は, 走査型電子顕 微鏡により測定した表面の水平方向 5 0 0 1^〇1 \ 5 0 0 |·! の範囲において 高低差が であるものが好ましく, 高低差が 4 0 01以下 111 ~ + 2 0 〇〇 であるのがより好ましい 。 これにより, 光吸収効率と励起子拡散長とのバランスをよ り取りやすく し , 透明電極で反射した光の吸収効率をより向上 させることができる。 なお, ぺロブスカイ ト層 (光吸収層) の平坦性とは, 任意に決定した測定点を基準 点とし, 測定範囲内において最も膜厚が大きいところ との差を上限値, 最も 小さいところとの差を下限値としており, 本発明のぺロブスカイ ト層 (光吸 収層) の断面走査型電子顕微鏡 (断面 により測定する。

[0125] このスズ系べロブスカイ ト層は, 0価のスズ, ピラジン系化合物, ケイ素 〇 2020/175705 34 卩(:171? 2020 /008529

系化合物, 及びゲルマニウム系化合物から選ばれる 1種又は 2種以上を合計 で〇. 0 1 以上 1 0 0 0 以下含む。 このスズ系ぺロブスカイ ト 層は, 上記のスズ系べロブスカイ ト層の製造方法に基づいて得ることができ , 還元剤などの残留物が所定量存在する。 所定量の特定の物質が残留するこ とで, スズ系ぺロブスカイ ト層は, パッシベーシヨンに優れたものとなる。 これらの物質の含有量は, スズ系べロブスカイ ト層を成分分析することによ り分析できる。 以下に説明する実施例において実際にスズ系 べロブスカイ ト 層が得られている。 そして, 上記の含有量には, 臨界性がある (上記の数値 の範囲外と範囲内とではパッシベーシヨンに 有意差がある) 。 ピラジン系化 合物及びケイ素系化合物の例は, 式 (丨) 〜式 (V) で示される化合物であ る。 ゲルマニウム系化合物は, 先に説明したゲルマニウム系還元剤や, それ らの還元剤と, 溶液中の化合物が反応して生成された化合物 である。 上記の 合計量は, 〇. 1 111以上 5 0 0 01以下でもよいし, 1 〇1以上 5 0 0 以下でもよい。 このようなスズ系ぺロブスカイ ト層を有する発光 性材料や, 光電変換素子は, 上記の特性を生かし, 良好な特定を有すること となる。

[0126] 2 . 5 . 正孔輸送層

正孔輸送層は, 電荷を輸送する機能を有する層である。 正孔輸送層には, 例えば, 導電体, 半導体, 有機正孔輸送材料等を用いることができる。 当該 材料は, ぺロブスカイ ト層 (光吸収層) から正孔を受け取り, 正孔を輸送す る正孔輸送材料として機能し得る。 正孔輸送層はぺロブスカイ ト層 (光吸収 層) 上に形成される。 当該導電体及び半導体としては, 例えば, 〇リ I , 〇 u l n S e 2 , 0リ 3等の 1価銅を含む化合物半導体; ◦ 3 , N 1 0 , 0〇 〇, 6 〇, 6 I 2 0 3 , 1\/1〇〇 2 , 0 「 2 3 等の銅以外の金属を含む化合物が 挙げられる。 なかでも, より効率的に正孔のみを受け取り, より高い正孔移 動度を得る観点から, 1価銅を含む半導体が好ましく, 〇リ 丨がより好まし い。 有機正孔輸送材料としては, 例えば, ポリー 3—ヘキシルチオフエン ( 3 1 ~ 1丁) , ポリエチレンジオキシチオフエン ( 巳〇〇丁) 等のポリチオ 〇 2020/175705 35 卩(:171? 2020 /008529

フェン誘導体; 2, 2, , 7, 7, ーテトラキスー (1\1, 1\1 -ジー ーメ トキ シフエニルアミン) 一9, 9’ ースピロビフルオレン (3 1 「〇_〇1\/16丁 八〇) 等のフルオレン誘導体;ポリビニルカルバゾ ール等のカルバゾール誘 導体;ポリ [ビス (4—フェニル) (2, 4, 6—トリメチルフェニル) ア ミン] ( 丁八八) 等のトリフェニルアミン誘導体;ジフェニル アミン誘導 体;ポリシラン誘導体;ポリアニリン誘導体 等が挙げられる。 なかでも, よ り効率的に正孔のみを受け取り, より高い正孔移動度を得る観点から, トリ フェニルアミン誘導体, フルオレン誘導体等が好ましく, P T AA 3 1 「〇—〇 IV! 6丁八 0などがより好ましい。

[0127] 正孔輸送層中には, 正孔輸送特性をさらに向上させることを目的 として, リチウムビス (トリフルオロメチルスルホニル) イミ ド (!_ 丨 丁 3 丨) , 銀ビス (トリフルオロメチルスルホニル) イミ ド, トリフルオロメチルスル ホニルオキシ銀, 1\1〇36 6 , 360 I 5 , 3匕 5 等の酸化剤を含むことも できる。 また, 正孔輸送層中には, I -ブチルピリジン (丁巳 ) , 2 -ピ コリン, 2, 6—ルチジン等の塩基性化合物を含むことも きる。 酸化剤及 び塩基性化合物の含有量は, 従来から通常使用される量とすることができ る 。 正孔輸送層の膜厚は, より効率的に正孔のみを受け取り, より高い正孔移 動度を得る観点から, 例えば, 30〜 200 n mが好ましく, 50〜 1 00 n mがより好ましい。 正孔輸送層を成膜する方法は, 例えば, 乾燥雰囲気下 で行うことが好ましい。 例えば, 有機正孔輸送材料を含む溶液を, 乾燥雰囲 気下, ぺロブスカイ ト層 (光吸収層) 上に塗布 (スピンコート等) し, 30 〜 1 50°〇 (特に 50〜 1 00。〇) で加熱することが好ましい。

[0128] 2. 6. 金属電極

金属電極は, 透明電極に対向配置され, 正孔輸送層の上に形成されること で, 正孔輸送層と電荷のやり取りが可能である。 金属電極としては, 当業界 で用いられる公知の素材を用いることが可能 であり, 例えば, 白金, チタン , ステンレス, アルミニウム, 金, 銀, ニッケル等の金属又はこれらの合金 が挙げられる。 これらの中でも金属電極は, 乾燥雰囲気下で電極を形成する 〇 2020/175705 36 卩(:171? 2020 /008529

ことができる点から, 蒸着等の方法で形成できる材料が好ましい。 上記層 構成以外の構成を有するぺロブスカイ ト型太陽電池についても, 同様の方法 により, 製造することができる。

[0129] 3 . 有機エレクトロルミネッセンス素子 (有機巳 !_素子)

有機巳 !_素子は, 例えば特開 2 0 1 7 - 1 2 3 3 5 2号公報, 特開 2 0 1 5 - 0 7 1 6 1 9号公報に記載される通り, 公知の素子であり, その製造方 法も公知である。 有機巳 !_素子の例は, 基板と, 陽極と, 陰極と, 陽極と陰 極との間に配置された有機層と, を有する。 そして, 有機層は, 陽極側から 順に, 正孔注入層, 正孔輸送層, 発光層, 電子輸送層, および電子注入層が , この順番で積層されて構成される。 本発明の化合物は, 電子輸送層におけ る電子輸送材料として用いることができる。

[0130] 4 . 太陽電池の製造方法

本発明は, 太陽電池の製造方法をも提供する。 この方法は, 先に説明したぺ ロブスカイ ト層の製造方法を用いて, 基板上に, 電子輸送 (ブロッキング) 層を形成する工程と, 電子輸送層上にベロブスカイ ト層を形成する工程と, ぺロブスカイ ト層上にホール輸送層を形成する工程と, ホール輸送層上に電 極を形成する工程とを含む。

[0131 ] 5 . 重ハロゲン化スズ系物質の精製方法

この明細書に記載される発明のある態様は, を取り除くととともに, # +が3# + へと酸化されにくいように調整した, 重ハロゲン化スズ系物質の精製方 法に関する。 この方法は, 不純物を含む重ハロゲン化スズの溶液に, 還元剤 を添加する還元剤添加工程と, 還元剤添加工程の後に, 重ハロゲン化スズ由 来の物質を取得する取得工程とを含む。 重ハロゲン化スズ及び還元剤は, 先 に説明した通りである。 重ハロゲン化スズの溶液は, 不純物としてフッ化ス ズを含む。 また, 不純物は, 3 n〇 2 や3 n乂 4 種などに起因する 4価のスズイ オンを含むものであってもよいし, フッ化スズと 4価のスズイオンとを共に 含んでいてもよい。

[0132] 重ハロゲン化スズ系物質の精製方法は, 還元剤添加工程の後に, 沈殿物を 〇 2020/175705 37 卩(:171? 2020 /008529

除去する沈殿物除去工程と,

沈殿物除去工程の後に, 沈殿物を除去した溶液を静置する静置工程を さら に含むものであってもよい。

そして, 取得工程は, 静置工程により析出した結晶を得る結晶取得 工程を 含んでもよい。

[0133] 重ハロゲン化スズ溶液

この明細書に記載される発明のある態様は, スズ系べロブスカイ ト層の前 駆体溶液や, 純度の高い重ハロゲン化スズ系物質を得るこ とができる, 重ハ ロゲン化スズと, フッ化スズと, 還元剤とを含む溶液に関する。 例えば, 先 に説明したベロブスカイ ト前駆体溶液が, 重ハロゲン化スズ溶液として機能 する。 純度の高い重ハロゲン化スズ: 3门乂 2 (X = 〇 丨, 巳 「, 丨) を生 成することは難しく, 例えば, 3 n〇 2 や3 n乂 4 種などの 4価のスズイオン種 といった不純物が混入する。 重ハロゲン化スズと 3 n 2 との混合系 において, 3 2 を還元し, 3 由来のナノパーティクルを生成させ, これ を捕捉材 (スカべンジャー) として機能させることで, S n X 2 が S n X 4 に 酸化される事態を効果的に防止できる。 その結果, 純度の高い重ハロゲン化 スズ系物質を得ることができる。 重ハロゲン化スズ系物質は, 重ハロゲン化 スズであってもよいし, 重ハロゲン化スズをその組成の一部に含む化 合物で あってもよい。

[0134] この溶液は, 重ハロゲン化スズと, フッ化スズと, 還元剤とを含む溶液で ある。 重ハロゲン化スズ及び還元剤は, 先に説明した通りである。 この溶液 は, フッ化スズの他に, 4価のスズイオンを不純物として含んでもよ 。 こ の溶液は, スズ系ぺロブスカイ ト前駆体溶液として用いられてもよい。 なお , このスズ系ぺロブスカイ ト前駆体溶液として用いられる還元剤の濃度 は, スズ系ぺロブスカイ ト前駆体溶液として用いられるフッ化スズの 濃度よりも 小さくてもよい。

[0135] 実施例

以下に, 実施例を用いて, 本発明を具体的に説明する。 本発明は, 上記の 記載や, 実施例に限定されるものではなく, 当業者にとって自明な事項を適 宜含んでもよい。

[0136] 以下に説明する実施例では, 以下の装置を用いた。

Photo lumi nescence (PL) スぺクトル測定:

ピコ秒レーザーパルス (波長 444nm もしくは 688nm, Advanced Laser Diode bystems, Inc)

窒素冷却 CCDカメラ (Princeton Instruments, Inc)

[0137] 時間分解 Pl_測定

アバランシェフォトダイオード (ID Quant ique, Inc)

時間相関単一光子計数ボード (Becker & Hickl, Inc)

[0138] J _V測定

0TENT0-SUN-P1G (BUNKOUKEIKI Co., Ltd. )

Keith ley 2400

[0139] IPCE測定

S M- 250 diffuse reflection unit (BUNKOUKEIKI Co., Ltd. )

[0140] SEM観察

S8010 (Hitachi High— Technologies Co. , Ltd)

[0141] 119 Sn NMR測定

Bruker Avarice III 600US Plus NMR

[0142] TEM観察

JEM-1011 (JEOL Co., Ltd.)

実施例 1

[0143] スズ系べロブスカイ ト膜の光物#測定

グローブボックス中 (Arガス, H 2 0 < 0.1 ppm, H 2 0 <0.1 ppm) にて, 後述 の様にして調整したぺロブスカイ ト前駆体溶液 ( 1 )および (2)を石英基板上に 約 200 ML塗布し, スピンコートし, その最中に 65 ° Cに加温した 300 MLの クロロベンゼンを滴下し, 褐色の膜を得た (スロープ 5秒で 5000 rpm にし, さらに 60秒間スピンコートした最後の 2秒から 1秒の間でクロロベンゼンを滴 下し, スロープ 1秒で停止させた) 。 得られた褐色膜を, 45 ° Cで 10分間, 65 °Cで 10〜 30分間アニールし, その後 100 °Cで 5分間, 続いて 100 °Cで 30分間ア 二ールして, 黒色のぺロブスカイ ト膜を得た。

[0144] 得られたぺロブスカイ ト膜をアルゴン充填した試料ケースに入れ, Photolu minescence (PL) スぺクトル測定および時間分解 Pl_測定を行った。 測定の励 起光には, ピコ秒レーザーパルス (波長 444nm もしくは 688nm, Advanced La ser Diode Systems, Inc) を用いた。 試料位置での励起密度は 127 nJ/cm 2 とし , 弱励起条件下で測定を行った。 PLスペクトルは, 分光器および窒素冷却 CCD カメラ (Princeton Instruments, Inc) を用いて測定した。 時間分解 P!·測定 では, 試料からの PLをアバランシェフオトダイオード (ID Quant ique, Inc) で検出し, 時間相関単一光子計数ボード (Becker & Hickl, Inc) を用いて時 間分解減衰曲線を得た。

[0145] Pl_測定および時間分解 Pl_測定より, 還元剤 1を Snl 2 に対して 0.1 mol%加えた 際に, 蛍光波長を保持しながら蛍光寿命が 6.0 ns から 7.3 nsへと伸びている ことが分かった (図 1 , 図 2)。 還元剤 1を Snl 2 に対して 10.0 mol%まで加えた 際に蛍光波長が短波長側へシフトしているこ とは, 後述する様に, 添加剤と して加えている SnF 2 がすべて還元されたことによる影響だと 考えられる。 また , 還元剤 2を加えた際には, 蛍光波長を保持しながら, 蛍光寿命が顕著に長く なり, Snl 2 に対して 1.0 mol%加えた際には, 14 nsまで延びることが明らかに なった (図 3, 4)。 これは, Sn 4+ 種の補足剤として還元剤 1および 2を加えた 溶液を用いて成膜することで, ベロブスカイ ト化合物の構造や組成は保持し ながら, 光励起によって生成したキヤリアの再結合が 抑えられたことを示唆 する結果である。

[0146] なお, ぺロブスカイ ト前駆体溶液 (1)および (2)は, 以下のようにして得た \¥02020/175705 40 ?01/1?2020/008529

[化 15]

[0147] 前駆体溶液 (1) :還元剤 1を添加したベロブスカイ ト前駆体溶液

グローブボックス内にて 3门1 2 (1341 1119, 3.611111101), 八1 (4641119, 2.71111110 〇, 11/1八1 (1431119, 0 911111101), 3 2 (561119, 0.3611111101) を超脱水 01^0 (4.0 1_) に 45 ° にて溶解させた。 1時間 45 ° にて撹拌後, フィルターを用 いて濾過し,

)— 1,4—〇1.||1〇1「〇卩 「32.1门6 (1) (7.91119, 0.035111111〇1)を 01^(50 1_)に 65。 0 にて溶解させ, これを 1.3 !·滴下した。 還 兀剤 ' !の添加によって, 黄色の卩八 0.75 11/1八 0.25 8^ 3 刖駆体溶液は深緑色の懸濁液へと 変化した。 15分間 45 ° にて撹拌すると懸濁液は再び黄色の溶液とな り金属

[0148] 前駆体溶液 (2) :還元剤 2を添加したぺロブスカイ ト前駆体溶液

グローブボックス内にて 3门1 2 (1341 1119, 3.611111101), 八1 (4641119, 2.71111110 〇, 11/1八1 (1431119, 0.911111101), 3 2 (561119, 0.3611111101) を超脱水 01^0 (4.0

035111111〇1)を 01^(50 1_)に 65 ° 0にて溶解させ, これを 1 〇11_のド八 0.75 1^ 0.25 3门1 3 前駆体溶液に 1.3 ! · 滴下した。 還元剤 2の添加によって, 黄色のド\ 75 1^ 0.25 3 3前駆体溶液は深緑色の懸濁液へと変化した 15分間 45 ° にて撹拌すると懸 濁液は再び黄色の溶液となり沈殿が生成した 。 ?丁ド£フィルターを用いて濾過 して沈殿を除き, 前駆体溶液 添加) を得た 。 同様にして, 還元剤 2を Snl 2 に対して 1.0および 10.0 moL%添加した溶液を得 た。

実施例 2

[0149] 逆 ¾1」構造のスズ系べロブスカイ ト ¾1」太陽電池作製

パターン化した透明導電性ガラス基板 (IT0, 25 mmX25 mm, 5 Q, Geomat ec Co., Ltd. Japan) を, 1 w%中性洗剤水溶液, アセトン, 2 -プロパノール の順でそれぞれ 10分間超音波洗浄した。 最後に, 15分間の UVオゾン洗浄を行 った。

[0150] PEDOTiPSS (Clevious P VP AI 4083) の水分散液を PTFEフィルターにより 濾過した後に, IT0基板上に約 400 ML塗布し, スピンコートした (スロープ 1 秒で 500 rpm にし, 9秒間スピンコートした後に, スロープ 1秒で 4000 rpmに し, 60秒間スピンコートし, スロープ 1秒で停止させた) 。 続いて, 基板を 14 0 ° Cで加熱して約 20 nmの膜厚の PED0T:PSS層 (正孔輸送層)を成膜した。 得ら れた基板をグローブボックスに入れ, 続くベロブスカイ ト層の成膜を行った

[0151] ぺロブスカイ ト前駆体溶液 (1)の調製と同様にして, 還元剤 1を Snl 2 に対して 0.1, 0.5, 1.0,および 5.0m〇a添加したぺロブスカイ ト前駆体溶液を得た。 これを PED0T:PSS基板上に約 200 ML塗布し, スピンコートし, その最中に 65 ° Cに加温したクロロベンゼンを 300 ML滴下し, 褐色の膜を得た (スロープ 5 秒で 5000 rpm にし, さらに 60秒間スピンコートした最後の 2秒から 1秒の間で クロロベンゼンを滴下し, スロープ 1秒で停止させた) 。 得られた褐色膜を,

45 °Cで 10分間, 65 °Cで 10〜 30分間アニールし, その後 100 °Cで 5分間, 続い て 100 ° Cで 30分間アニールして, 黒色のぺロブスカイ ト層を作製した。

得られたベロブスカイ ト膜に, C 60 (20 nm), BCP (8 nm), Ag (100 nm)を真 空蒸着にて積層して, 逆型構造のスズ系べロブスカイ ト型太陽電池素子を作 製した。

[0152] ぺロブスカイ ト膜の表面 SEM観察により, 還元剤 1の添加の有無や量の違い ではべロプスカイ ト結晶の形態に変化がなく, いずれの場合も表面被覆率が \¥0 2020/175705 42 卩(:17 2020 /008529

高く緻密な膜が得られることを確認した (図 5)。 不活性ガス雰囲気下で太陽 電池特性を評価したところ, 還元剤 1を添加したデバイスにおいて, 短絡電流 密度 ( 。 (電圧〇 の際の電流密度」) ) , 開放電圧 (V。。 (電流密度」 = 0の 時の電圧 V) ) が向上し, その光電変換効率 0£) は還元剤 1を 0. 5 1110 1%加え ることで最大の 7. 05%となった (図 6 , 表 1)。

[0153] [表 1 ]

0.0 17.72 0,50 0.46 4.03 5.9 87

0.1 19.00 0.58 0.64 6.97 3.3 302

0.5 18.69 0.58 0.65 7.05 3.2 274

1.0 18.33 0.56 0.61 6.25 3.5 266

5.0 14.47 0,48 0.59 4.06 3.8 215

実施例 3

[0154] 逆 構造のスズ系べロブスカイ ト 太陽電池作製

ベロブスカイ ト前駆体溶液(2)の調製と同様にして, 還元剤 に対して 0. 5, 1 . 0, 5. 0, および 10. 0 111〇 添加したぺロブスカイ ト前駆体溶液を得た 。 これを用いて実施例 2と同様にして逆型構造のスズ系べロブスカ ト型太 陽電池素子を作製した。

ベロブスカイ ト膜の表面 観察により, 還元剤 2の添加の有無や量の違い ではべロブスカイ ト結晶の形態に変化がなく, いずれの場合も表面被覆率が 高く緻密な膜が得られることを確認した (図 7)。 不活性ガス雰囲気下で太陽 電池特性を評価したところ, 還元剤 2の添加によって, 。が向上し, は還元剤 表 2)。 。が増加したのは, ぺロブスカイ ト層内でのキヤリアの再結合が抑え られたためだと考えられる。

[0155] [表 2]

0.0 20.27 0.56 0.72 8.12 2.8 460

0.5 20.71 0.56 0.71 8.25 2.6 668

1.0 20.68 0.56 0.72 8.45 2.5 574

5.0 17.91 0.45 0.68 5.52 2.6 425

10.0 11.62 0.29 0.61 2.04 3.5 390

実施例 4

[0156] 再現#の確認

ベロブスカイ ト前駆体溶液 (2) の調製と同様にして, 還元剤 2を に対 して 1 . 0 111〇 添加したベロブスカイ ト前駆体溶液と添加しない溶液を調整し た。 これを用いて実施例 2と同様にして逆型構造のスズ系べロブスカ ト型 太陽電池素子をそれぞれ 2 0個ずつ作製した。 これらに対し, 不活性ガス雰 囲気下で太陽電池特性を評価した。 その結果, 還元剤 2の添加による 。の増 加が再現性良く確認され, V。。, ドドはほぼ同程度の値を示した (図 9 , 1 0 , 1 1)。 結果として, は平均で 6. 9%から 7. 5%にまで向上することが明らか となった (図 1 2)。

実施例 5

[0157] ぺロブスカイ ト層の厚膜化

後述の様にして調整したぺロブスカイ ト前駆体溶液 (3) を用いて実施 \¥02020/175705 44 卩(:17 2020 /008529

例 2と同様にして逆型構造のスズ系べロブスカ ト型太陽電池素子を作製した ベロブスカイ ト膜の表面 観察により, 前駆体溶液の濃度を 0.911/1から 1.2 , 1.3, 1.411/1と高くすることでぺロブスカイ ト結晶の粒径が約 500 から約 1 |11まで大きくなっていることが分かった。 また, 還元剤 2の添加の有無では ベロブスカイ ト結晶の形態に変化がなく, いずれの場合も表面被覆率が高く 緻密な膜が得られることを確認した (図 1 3)。

また, 得られた素子の断面 観察を行ったところ, ぺロブスカイ ト層の膜 厚は, 前駆体溶液の濃度を 0.9 11/1から 1.2, 1.3, 1.411/1と高くすることで 210 (0.911/1) から 450 (1.411/1) にまで厚くなっていることが分かった (図 1 4) 得られた素子に対して, 不活性ガス雰囲気下で太陽電池特性を評価し たと ころ, いずれの濃度の前駆体溶液(1.2, 1.3, 1.411/1 )を用いた場合において も還元剤 2の添加によって, 。が向上した(図 1 5, 表 3)。 また, 膜厚の増加 に相関して 。が増加し, 還元剤 2を に対して 1.0 1110 添加した 1.411/1の前駆 体溶液を用いて作製した素子が本検討におい て最も高い 8. を示した 。 この結果から, キャリア寿命の長寿命化によって, 450 程度の厚膜のぺ ロブスカイ ト層を用いても効率的な電荷の回収が可能で あることが明らかに なった。

[0158] [表 3]

1.2 0.0 17.85 0.45 0.44 3.55 6.8 67

1.2 1.0 20.76 0.58 0.66 7.96 2.9 296

1.3 0.0 19.38 0.58 0.67 7.43 3.0 175

1.3 10 2079 057 066 7.84 30 295

1.4 0.0 20.08 0.55 0.64 7.05 3.2 202

1.4 1.0 20.88 0.56 0.69 8.14 2,5 255 〇 2020/175705 45 卩(:171? 2020 /008529

[0159] なお, ぺロブスカイ ト前駆体溶液 (3)は, 以下のようにして得た。

[0160] 前駆体溶液 (3) :還元剤 2を添加したベロブスカイ ト前駆体溶液

グローブボックス内にて 3门1 2 (1341 1119, 3.6 11111101), 八1 (4641119, 2.7 1111110 〇, 11/1八1 (143 1119, 0.9 11111101), 3 2 (56 1119, 0.36 11111101) を超脱水 01^0 (3.0 ィルターを用 いて濾過し, ド八 0.7 0.2 >1 3 前駆体溶液 (1.2 11/1) を調製した。 同様にして, ド八 0 . 75 11/1八 0.2 >1 3 前駆体溶液 (1.3 11/1および 1.411/1)を調製した。

— 1 , 4— 13.13( (2) (9.9 1119, 0 035

11100を 01^(50 !·)に 65 ° にて溶解させ, 1 1111_のド八 0.75 1^ 0.2 >1 3 前駆体溶液 (

1.2 11/1) に, これを 17 !·滴下した。 還元剤 2の添加によって, 黄色のド\ 7 0 . 2>1 3 前駆体溶液は深緑色の懸濁液へと変化し た。 15分間 45 ° にて撹拌する と懸濁液は再び黄色の溶液となり沈殿が生成 した。 ィルターを用いて 濾過して沈殿を除き, 還元剤 2を 1.0 1110 添加したド八 0.75 1^ 0.25 3 3 前駆体溶液 (1 .2 11/1)を得た。 同様にして, 還元剤 2を 1.0 (11〇 添加したド八 0.75 1^ 0.2 1 3 前駆体 溶液 (1.3 11/1および 1.4 を得た。

実施例 6

[0161] 還元剤 2の添加法の最谪化

グローブボックス内にて ( 1 ) 门 (335 1^, 0.9 111111〇〇, ド八1 (116 1^, 0

9 11/1), (3) 3 2 の 1^0溶液 (0.09 11/1), を調整した。

[0162] 2, 3, 5, 6—士61;「311161;11 I— 1 , 4— 13.13(1;「 .111161;11 .1 I)— 1 , 4—〇1.111 〇1「〇卩 「32.1门

0 (2) (9.9 1^. 0.035 11111100を 01^(50 !·)に 65 ° にて溶解させ, これを 1 〇 2020/175705 46 卩(:171? 2020 /008529

1111の溶液 (2) , (3) , (4) にそれぞれ 13 !·滴下した。 (2) にド八1 (

116 1119, 0.7 11111101) , 11/1八1 (36 1119, 0 2 11111101), 3 2 (141119, 0.09 111111〇1)を, (3) に 3门1 2 (335 1119, 0 9 11111101), 八1 (116 1119, 0.7 11111101), 11/1八1 (36 1119, 0 .2 11111101)を加えド八 0.75 1^ 0.2 1 3 前駆体溶液 (0.9 11/1) を調整した。 これらの溶液 (1 ) 〜 (4) を用いて実施例 1 と同様にして石英基板上にぺロブスカイ ト 層を成膜した。

[0163] 得られたぺロブスカイ ト膜の表面 により,

を加えた場合 (2) ) のみ, ぺロブスカイ ト結晶の粒径が約 2 111ま で大きくなっていることが分かった (図 1 6— 2)。

ルが 0.02 6 程度短波長へシフトし, 半値全幅が 104 くなっているこ とがわかった (図 1 7)。 短波長へシフトした理由は, ぺロブスカイ ト結晶の 粒径が大きくなったことで, 再結合サイ トとなりやすい結晶の表面積の割合 が減ったためと推察される。 また, 発光寿命は + および (4) ) に, そ (2) の結果について はべロブスカイ ト結晶の粒径増大の寄与が大きいと考えられ る (図 1 8)。

[0165] そこで, これらの前駆体溶液 ( 1 ) , (2) , (4) を用いて, 実施例 2 と同様にして [ 〇丁 基板上にベロブスカイ ト層を成膜した。 得られたベロ ブスカイ ト膜の表面 観察により, いずれの方法で調製した前駆体溶液を用 いた場合にも 1 111以下の粒径のぺロブスカイ ト結晶が形成されていることが 分かった (図 1 9)。 これらの膜を用いて実施例 2と同様にして作製した逆型 構造デバイスに対して, 太陽電池特性を評価したところ, ド八1 + 1^1 + 3^ 2 十 (8.0 %) が得られた (図 20, 表 4)。

[0166] [表 4]

Entry

1 12.14 0.49 0.59 3.48 6.3 132

2 17.22 0.51 0.56 4.95 3.8 218

4 20,23 0.56 0.70 8.03 2.5 263 実施例 7

[0167] 混合系べロブスカイ ト膜の光物#測定

後述の様にして調整した, 8 _を 0.0〜 25%まで加えた I— 8「混合系べロブス カイ ト前駆体溶液 (4) を用いて実施例 1 と同様にして石英基板上にぺロブ スカイ ト層を成膜し I測定および時間分解 I測定を行った。

い測定および時間分解 い測定より, いずれの 混合系べロブスカイ ト膜 も還元剤 2の添加によって, 蛍光波長を保持しながら蛍光寿命が顕著に長 くな り, 2 程度から最大で 11 まで長くなることが確認できた (図 21 , 22 )。 これは, ド\ 75 1^ 0.2 1 3 の場合と同様に, ぺロブスカイ トの構造や組成は保 持しながら, 光励起によって生成したキヤリアの再結合が 抑えられたことを 示唆している。

[0168] なお, ぺロブスカイ ト前駆体溶液 (4)は, 以下のようにして得た。

[0169] 前駆体溶液 (4) : 1_日「混合系べロブスカイ ト前駆体溶液

グローブボックス内にて 3门1 2 (3351119, 0 911111101), (841119, 0 7 11111101 ) , 1^1 (361119, 0 211111101), 3 2 (141119, 0.0911111101) を超脱水 01^0 (1.0 〇11_ ) に 45 ° にて溶解させた。 45 ° にて 1時間撹拌後, フイルターを用い て濾過し, 同 様にして 8「をそれぞれ 5%および 10%混合したド八 0.75 MA 0.25 Snd 0.95 B「 0.05 ) 3 およびド八 0 . 7 0.2 >(1 0.8 0.10 ) 3 前駆体溶液を調製した。 また, 2, 3, 5, 6-士61;「311161;11 ー1 , 4— 13.13( (2) (9.91119, 0.035111111

)を 01^(50 !·)に 65 ° にて溶解させ, これを 500 しのド八 0.75 1^ 0.2 (1 1 _ )( ) 3 (x=0.0, 0.05, 0.10, 0.25) 前駆体溶液に 6.5 ML滴下した。 還元剤 2の添加 によって, 黄色の FAusMAwsSndnBrJs(x=0.0, 0.05, 0.10, 0.25) 前駆体溶 液は深緑色の懸濁液へと変化した。 15分間 45 ° Cにて撹拌すると懸濁液は再び 黄色の溶液となり沈殿が生成した。 PTFEフィルターを用いて濾過して沈殿を 除き, 還元剤 2を Snl 2 (換算) に対して 1.0m〇a添加した FVJAuSndmBrA (x=0.0, 0.05, 0.10, 0.25) 前駆体溶液を得た。

実施例 8

[0170] 順 ¾1」構诰のスズ系べロブスカイ ト ¾1」太陽雷池

パターン化した透明導電性ガラス基板 (FT0, 25 mm X 25 mm, Asahi Glass Co., Ltd., Japan) を, 1w%中性洗剤水溶液, アセトン, 2 -プロパノール及 び蒸留水の順でそれぞれ 10分間超音波洗浄した。 最後に, 15分間の UVオゾン 洗浄を行った。

エタノール (wako, 超脱水) 39 mLにチタンジ (イソプロポキシド) ビス ( アセチルアセトナート) (Ti(0iPr) 2 (acac) 2 , 2—プロパノールの 75質量%溶液 , Tokyo Chemical Industry Co. , Ltd. , Japan) を 1 mL加えた。 上記の FTO基 板 (透明電極) を 450 ° Cのホッ トプレート上に並べ, Ti(0iPr) 2 (acac) 2 溶液を スプレー (キャリアガス: N 2 , 0.5 MPa) で吹き付け, コンパクト Ti0 2 層 (約 3 0 nm) を作製した。 さらに, 得られた基板を, T i C 1 4 (440 /,l, special grad e, Wako Pure Chemical Industries Ltd. , Japan) の水溶液 100 mLに 70 °Cで 30分間浸潰した。 その後, 基板を 500 °Cで 20分間焼成し, (正孔) ブロッキ ング層を形成した。

[0171] 得られたコンパクト ^(^層 ( (正孔) ブロッキング層) の上に, Ti0 2 ぺース 卜 (PST— 18NR, JGC Catalysts and Chemicals Ltd.) のエタノール溶液 (pa ste: ethano 1= 1 : 8(質量比)) を約 190 ML滴下してスピンコートすることで , 約 100〜 150 nmの厚みのメソポーラス Ti0 2 層 (電子輸送層) を形成した。

[0172] 直前に UVオゾン処理したメソポーラス Ti0 2 層 (電子輸送層) まで作製した基 板をグローブボックスに入れた。 ベロブスカイ ト前駆体溶液(4)を PED0T:PSS 基板上に約 200 ML塗布し, スピンコートし, その最中に 65 ° Cに加温したク \¥0 2020/175705 49 卩(:17 2020 /008529

ロロベンゼンを 300 し落とし, 褐色の膜を得た (スロープ 5秒で 5000 111 に し, さらに 60秒間スピンコートした最後の 2秒から 1秒の間でクロロベンゼン を滴下し, スロープ 1秒で停止させた) 。 得られた褐色膜を, 45 °〇で 10分間 , 65 °〇で 10〜 30分間アニールし, その後 100 °〇で 5分間, 続いて 100 °〇で 30 分間アニールして, 黒色のぺロブスカイ ト層を作製した。

[0173] 正孔輸送材料 (卩丁八八;ポリ [ビス(4 -フエニル)(2, 4, 6 -トリメチルフエニ ル)アミン], 20. 2 1119) と 4—イソプロピルー 4' —メチルジフエニルヨードニ ウムテトラキス(ペンタフルオロフエニル) ボレート 2. 7 11^)を 1 111の クロロベンゼンに溶解させた。 30分間撹拌後, 溶液をメンブランフィルター でろ過し, ろ液をぺロブスカイ ト層上にスピンコートした。 得られた基板を 7 0 ° 〇で 5分間アニールして正孔輸送層を成膜した後 真空蒸着により, 正孔輸 送層の上に 80 の金電極を積層して, 順型構造のスズ系べロブスカイ ト型太 陽電池を得た。

[0174] 不活性ガス雰囲気下で太陽電池特性を評価し たところ, 還元剤 2の添加によ って, 。が向上し, その は還元剤 2を (換算) に対して 1 . 0 111〇 添加し たド八 0.75 ^八 0.25 ( #「ø. 05 3 刖駆体溶液を用いて作製した素子におい て, 本検目寸 において最大の 2. 9%となった (図 2 3 , 表 5)。 また, 各素子の外部量子収率 (^)を測定したところ, 還元剤 2を (換算) に対して 1 . 0 111〇 添加した 八

80%を超える高い値を示した (図 2 4)。

[0175] [表 5]

\¥0 2020/175705 50 卩(:17 2020 /008529 実施例 9

, ,

れたことから, 還元剤 2の への反応性は高くないことが分かった (図 2 5) 。 一方で, (2) に関して, 還元剤 2の添加後には 由来のピークが無くな ったことから, 溶液中の 2価のスズが還元され, 固体の 0価のスズとして析出 したと考えられ, このことは還元剤 2の への反応性が高いことを示唆して いる (図 2 6)。

[0178] この現象に関して, に対して還元剤 2を加えて得 られる懸濁液に対して透過型電子顕微鏡によ る観察を行ったところ, 粒径が 1 5 程度までのナノ粒子が形成されていることを 確認した (図 2 7)。

[0179] 続いて, (3) に関して, 還元剤 2の添加後では に由来するピークに加 えて, わずかに に由来するピークが得られ, 還元剤 2によ が部分的 に還元されていることが確認された (図 2 8)。 (4) に関して, の存在 下で還元剤 2を添加した後では, 4価のスズに由来するピークが完全になく なり, に由来するピークのみが得られた (図 2 9)。 この結果は, 還元によって生成した反応活性の高い 0価の Snナノ粒子と を係中で反応さ せることで, 4価のスズが効果的に還元されたということ 示唆している。 実施例 10

[0180] の添加による光物#. 太陽電池特忡への効果

後述の様にして調整した, [士 を に対して 0. 0 ~ 10. 0 1110 まで加えた ベロブスカイ ト前駆体溶液 (5)を用いて実施例 1 と同様にして石英基板上に 〇 2020/175705 51 卩(:171? 2020 /008529

ベロブスカイ ト層を成膜し, 時間分解 測定を行った。

[0181] 続いて, ぺロブスカイ ト前駆体溶液 (5) を用いて, 実施例 2と同様にして 逆型構造のスズ系べロブスカイ ト型太陽電池素子を作製した。 得られたベロ ブスカイ ト膜の表面 画像より, [ の添加の有無やその量はベロブスカ イ ト結晶形態に影響しないことが分かった (図 3 1) 。 不活性ガス雰囲気下 で太陽電池特性を評価したところ, 時間分解 い測定の結果から予想されるよ うに, に対して 加えた場合に となった (図 32) 。 この結果は, やはり ぺロブスカイ ト層内で生成したキヤリアの再結合が抑制さ れたことを示唆し ている。

[0182] 前駆体溶液(5) : _1 Hを添加したぺロブスカイ ト前駆体溶液

グローブボックス内にて 3门1 2 (1341 1119, 3.6 11111101), 八1 (4641119, 2.7 1111110 〇, 11/1八1 (143 1119, 0.9 11111101), 3 2 (56 1119, 0.36 11111101) を超脱水 01^0 (4.0 ィルターを 用いて濾過し, ド八 0.7 0.2 1 3 前駆体溶液を調製した。 脱気脱水した巳 を 1 111!_のド八 0.75 1^ 0.25 3 3 前駆体溶液に 1.4 ! ~ 滴下した。 15分間 45 ° にて撹拌した 後に, 卩丁ド巳フィルターを用いて濾過し, 前駆体溶液 に対して 1.0 £ 士 添加) を得た。 同様にして, [士 を に対して 5.0および 10.0 1110 添加した溶液を得た。

実施例 11

[0183] 八サイ トカチオンの提供

ぺロブスカイ ト層の作成過程で欠陥を生じていると仮定し , ぺロブスカイ 卜前駆体溶液に サイ トカチオン源を混合することとした。

[0184] を用いて〇. 91\/1のド八3 3 前駆体溶液 を調整した。 クロロベンゼンを貧溶媒として用い, プラズマ洗浄後の液晶基 \¥02020/175705 52 卩(:17 2020 /008529

板に 5000 「 にて 60秒間スピン塗布し, 他の条件は実施例 1 と同様 にして, ぺロブスカイ ト層を作成した。

この際, 前駆体溶液に 5質量%の 巳八 I を添加したものと, しないもの

»

1質量%の TM_DH P (還元剤 2) を添加したものと, しないもの, クロロベンゼンが室温のもの (1^〇 1 ~ 1八丁) と, クロロベンゼンが 65°〇 のもの (1 ~ 1八丁法)

を用いた。

[0185] 得られたぺロブスカイ ト層について, 時間分解 !_測定を行った。 その結 果を図 33に示す。 図 33は, 八サイ ト源の影響を分析するための時間分解 !_測定結果を示す図面に代わるグラフである グラフの最も上部に位置す るものは, 前駆体溶液に 5質量%の P EA \ , 及び 1質量%の丁 IV! _ 01 ~ 1 (還元剤 2) を添加し, クロロベンゼンが 65°〇のものである。 次が, 前駆 体溶液に 5質量%の 巳 丨 を添加し, TM_DH P (還元剤 2) を添加せ ず, クロロベンゼンが 65°〇のものである。 各ぺロブスカイ トの蛍光寿命を 表 6に示す。

[0186] [表 6]

[0187] 表 6から, 八サイ トカチオン源を前駆体溶液に添加することで , 虽光寿命 〇 2020/175705 53 卩(:171? 2020 /008529

が向上することが分かる。 また, 表 6から 1 ~ 1八丁法を用いることによっても 虽光寿命が向上することが分かる。 さらに, 表 6から還元剤が存在している 条件で、 サイ トカチオン源を前駆体溶液に添加し, 1 ~ 1 丁法を用いること により蛍光寿命が飛躍的に向上することが示 された。

[0188] この実施例では, 八サイ トカチオン源として, P E A (ヨウ化フエニル エチルアミン: 〇 2 1 ~ 1 4 1\1 1 ~ 1 3 丨) を用いた。 この例では, 八サイ トカチオ ン源は, アミン系カチオン (フエニルエチルアミンイオン: 〇 2 1~1 4 1\1 1~1 3 +) である。 例えば, フエニルエチルアミンイオンは, 芳香族アミン系陽イオ ンであり, 芳香族アミン系陽イオンはアンモニウムイオ ンと芳香族分子部分 とが存在するため, フエニルエチルアミンイオンと同様に機能す ると考えら れる。 八サイ トカチオン源は, その機能から前駆体溶液に〇. 5質量%以上 2 0質量%以下存在すればよく, 1質量%以上 1 0質量%以下でもよいと考 えられる。

[0189] この実施例では, 貧溶媒として 6 5 °〇のクロロベンゼンを用いた (1 ~ 1八丁 法) 。 貧溶媒は 4 0 °〇以上 8 0 °〇以下であっても同様に機能すると考えら る。

産業上の利用可能性

[0190] 本発明は, ぺロブスカイ ト層の製造方法などに関するため, 太陽電池や有 機巳 !_素子を製造するための産業において利用さ うる。