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Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR PRODUCING TONER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/104628
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a method for producing toner, wherein wet coloring resin particles are fed to a rotor-type stirrer having a structure in which stirring vanes secured to a rotation drive shaft penetrating the bottom wall of a stirring tank is arranged at the bottom of the stirring tank, at least one gas inlet is arranged at a lower portion of the stirring tank, and at least one gas outlet is arranged at an upper portion of the stirring tank. A fluid layer is formed by stirring the wet coloring resin particles by means of a rotor while supplying heated gas, and the wet coloring resin particles are dried by a method of discharging mixture gas containing moisture from the gas outlet to the outside, wherein condition for drying is controlled such that the temperature of the gas to be discharged falls within a range of 20-60°C.

Inventors:
IGA TAKASHI (JP)
KUROKAWA HISASHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/052740
Publication Date:
August 27, 2009
Filing Date:
February 18, 2009
Export Citation:
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Assignee:
ZEON CORP (JP)
IGA TAKASHI (JP)
KUROKAWA HISASHI (JP)
International Classes:
G03G9/087
Foreign References:
JP2007004135A2007-01-11
JP3865022B22007-01-10
JP2007054729A2007-03-08
JP2001134016A2001-05-18
JPH11352721A1999-12-24
JP2004226445A2004-08-12
JP2004163820A2004-06-10
Attorney, Agent or Firm:
NISHIKAWA, Shigeaki et al. (43-9 Higashi-Nippori 3-chom, Arakawa-ku Tokyo 14, JP)
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Claims:
 湿式法により形成した着色樹脂粒子を含有する水分散液を調製する工程1;着色樹脂粒子を水洗する工程2;着色樹脂粒子を濾別して、湿潤着色樹脂粒子を得る濾過工程3;及び湿潤着色樹脂粒子を乾燥する乾燥工程4を含む着色樹脂粒子からなるトナーの製造方法であって、
 該乾燥工程4において、
(a)撹拌槽、回転駆動軸及び撹拌翼を有し、撹拌槽の底壁を貫通する回転駆動軸に固定した撹拌翼を該撹拌槽の底部に配置し、かつ、該撹拌槽の下部に少なくとも1つのガス導入口を、該撹拌槽の上部に少なくとも1つのガス排出口をそれぞれ配置した構造を持つ回転翼式撹拌装置の中に、湿潤着色樹脂粒子を投入し、
(b)該ガス導入口から加熱ガスを供給しながら、該撹拌槽内で該湿潤着色樹脂粒子を該撹拌翼によって撹拌して、該湿潤着色樹脂粒子の流動層を形成するとともに、供給した加熱ガスと該湿潤着色樹脂粒子から揮散した水分を含む混合ガスを該ガス排出口から外部に排出する方法により、該湿潤着色樹脂粒子の乾燥を行い、
(c)その際、該ガス排出口から排出される混合ガスの温度が20~60℃の範囲内となるように乾燥条件を制御する
ことを特徴とするトナーの製造方法。
 該乾燥工程4において、該ガス導入口から加熱ガスを供給するに際し、該ガス導入口に連通するガス導入ラインの主軸を該撹拌槽の内周面の接線方向に対して0~30°の範囲内の角度に設定して、該ガス導入ラインの主軸方向に沿って該ガス導入口から加熱ガスを該撹拌槽内に吹き込む方法により、該ガス導入口からの加熱ガスの供給を行う請求項1記載の製造方法。
 該乾燥工程4において、該ガス導入口から加熱ガスを供給するに際し、該ガス導入口に連通するガス導入ラインの主軸を該撹拌槽の内周面の接線方向に対して3~30°の範囲内の角度に設定して、該ガス導入ラインの主軸方向に沿って該ガス導入口から加熱ガスを該撹拌槽内に吹き込む方法により、該ガス導入口からの加熱ガスの供給を行う請求項1記載の製造方法。
 該回転翼式撹拌装置が、該撹拌槽の下部に2つのガス導入口を対向させて配置したものであって、該乾燥工程4において、各ガス導入口から加熱ガスを供給するに際し、各ガス導入口に連通するガス導入ラインの主軸を該撹拌槽の内周面の接線方向に対して0~30°の範囲内の角度に設定して、該ガス導入ラインの主軸方向に沿って各ガス導入口から加熱ガスを該撹拌槽内に吹き込む方法により、該ガス導入口からの加熱ガスの供給を行う請求項1記載の製造方法。
 各ガス導入口に連通するガス導入ラインの主軸を該撹拌槽の内周面の接線方向の角度に設定する請求項4記載の製造方法。
 各ガス導入口に連通するガス導入ラインの主軸を該撹拌槽の内周面の接線方向に対して3~30°の範囲内の角度に設定する請求項4記載の製造方法。
 該回転式撹拌装置が、軸心方向に複数のチョッパー羽根を配置したチョッパー軸を有しており、
 該チョッパー軸は、その両端部で該撹拌槽内壁面に回転可能に枢支して、該撹拌槽内の該撹拌翼の上方に配置した構造を有するものであり、かつ、
 該乾燥工程4において、該チョッパー軸を回転させて、該チョッパー羽根により該湿潤着色樹脂粒子の凝集物を解砕しながら乾燥を行う
請求項1記載の製造方法。
 該回転翼式撹拌装置が、該撹拌槽の少なくとも底部から撹拌翼を配置した箇所を含む側部にかけての外側にジャケットを設けたものであって、該乾燥工程4において、該ジャケット内に加熱流体を通して、該撹拌槽内を加熱若しくは保温する請求項1記載の製造方法。
 該ガス導入口から導入する加熱ガスの温度を、該着色樹脂粒子を構成する結着樹脂成分のガラス転移温度より20℃低い温度から該ガラス転移温度より50℃高い温度までの範囲内の温度に制御して、乾燥を開始する請求項1記載の製造方法。
 該ガス導入口から導入する加熱ガスの温度を、該着色樹脂粒子を構成する結着樹脂成分のガラス転移温度から該ガラス転移温度より50℃高い温度までの範囲内の温度に制御して、乾燥を開始し、かつ、
 該ガス排出口から排出される混合ガスの相対湿度が40~80%に達した時点で、該ガス導入口から導入する加熱ガスの温度を、該ガラス転移温度より20℃低い温度から該ガラス転移温度までの範囲内の温度に低下させて乾燥を継続する
請求項1記載の製造方法。
 該加熱ガスが、加熱窒素ガスである請求項1記載の製造方法。
 該ガス導入口から加熱窒素ガスを該撹拌槽内に導入し、該ガス排出口から排出した混合ガスから窒素ガスを回収し、回収した窒素ガスを加熱窒素ガスとして該撹拌槽内に循環させる請求項11記載の製造方法。
 該乾燥工程4において、該着色樹脂粒子の水分量が0.1重量%以下になるまで乾燥を行う請求項1記載の製造方法。
 該乾燥工程4の後に、乾燥した着色樹脂粒子と外添剤とを混合する外添工程5をさらに含み、かつ、
 該外添工程5において、乾燥工程4で用いたのと同じ回転翼式撹拌装置内で、乾燥した着色樹脂粒子と外添剤とを混合する請求項1記載の製造方法。
 該外添工程5において、撹拌翼の先端速度を10~80m/sの範囲内に制御する請求項14記載の製造方法。
Description:
トナーの製造方法

 本発明は、湿式法により形成した着色樹 粒子の乾燥工程を含むトナーの製造方法に する。さらに詳しくは、本発明は、水洗後 湿潤状態にある着色樹脂粒子を短時間で効 的に乾燥することができ、乾燥に使用する 燥装置内壁への着色樹脂粒子の融着がなく しかも優れたトナー特性を発揮し得る着色 脂粒子を回収することができる乾燥工程を むトナーの製造方法に関する。

 また、本発明は、乾燥工程後に、該乾燥 程で用いたのと同じ乾燥装置内で、乾燥し 着色樹脂粒子と外添剤とを混合する外添工 を含むトナーの製造方法に関する。

 電子写真方式(静電記録方式を含む)の複 機、レーザービームプリンタ、ファクシミ などの画像形成装置において、感光体上に 成された静電潜像を可視像化するために、 像剤が用いられている。現像剤は、着色剤 帯電制御剤、離型剤などが結着樹脂中に分 した着色樹脂粒子を主成分としている。該 色樹脂粒子は、トナーまたはトナー粒子と ばれている。流動性を向上させるために、 着色樹脂粒子の表面にシリカ微粉末などの 添剤を付着させた一成分現像剤;該着色樹脂 子とキャリアとからなる二成分現像剤など 、単にトナーと呼ばれることがある。そこ 、本件明細書では、これらの現像剤をトナ と呼ぶ場合には、そのことを明記すること する。

 着色樹脂粒子(トナー)は、粉砕法により られる粉砕法トナーと、湿式法により得ら るトナーとに大別される。粉砕法では、熱 塑性樹脂と、着色剤や帯電制御剤、離型剤 どの添加剤成分とを溶融混練し、混練物を 砕し、分級する方法により、着色樹脂粒子( 砕法トナー)を得ている。粉砕法トナーに用 いる熱可塑性樹脂は、重合性単量体を重合さ せることにより合成され、トナー用添加剤成 分を含有しない樹脂成分である。

 湿式法では、例えば、重合性単量体と添 剤成分とを含有する重合性単量体組成物を 水系分散媒体中で重合開始剤の存在下に懸 重合する方法(以下、「懸濁重合法」という )により、着色樹脂粒子(着色重合体粒子)を得 ている。該着色重合体粒子は、重合法トナー と呼ばれている。懸濁重合法のほか、湿式法 としては、乳化凝集法、分散重合法、溶解懸 濁法などが知られている。例えば、乳化凝集 法では、重合性単量体の乳化重合により得ら れたエマルジョン粒子と、着色剤などの各種 添加剤成分とを凝集させ、粒状化する方法に より、着色樹脂粒子を得ている。

 これらの湿式法によるトナー粒子の製造 法では、分散媒体として水が用いられてい ため、乾燥工程が配置されている。従来、 式法によるトナーの製造方法において、一 に、連続方式(連続処理)または回分方式(バ チ処理)による乾燥方法が採用されてきた。

 連続方式による乾燥方法では、気流乾燥 または流動層乾燥機を用いる方法が提案さ ている。例えば、特開2004-258589号公報(特許 献1)には、水系分散媒体中で生成したトナ 粒子を洗浄、脱水し、次いで、得られた湿 トナー粒子を乾燥する工程を含むトナーの 造方法において、該乾燥工程において、ル プ型乾燥機を用いて、気流によりトナー粒 を連続乾燥する方法が提案されている。気 を用いただけでは、トナー粒子の分散が不 分であり、乾燥効率が低い。特許文献1には 90℃の温度に設定した熱風を用いてトナー 子を乾燥したことが記載されている(実施例1 など参照)。熱風温度を90℃の高温に設定して 乾燥工程を行えば、乾燥効率を高めることが できるものの、乾燥装置内壁へのトナー粒子 の融着が避けられず、しかもトナー粒子同士 の熱融着や高温でのトナー粒子の変質なども あって、トナー特性が低下しやすい。熱風温 度を下げると、十分に乾燥していないトナー 粒子が乾燥装置内を通過してしまうことにな る。つまり、未乾燥のトナー粒子が乾燥装置 内をショートパスしてしまう。

 特開平11-184153号公報(特許文献2)には、湿 状態の着色重合体粒子を、下部に撹拌ロー ーと熱風の導入口を配置した乾燥機中に連 的に供給し、撹拌ローターにより湿潤着色 合体粒子を撹拌しながら、熱風により流動 を形成させて乾燥する方法が開示されてい 。この方法によれば、未乾燥の湿潤着色重 体粒子のショートパスを防止することがで る。しかし、特許文献2に開示されている乾 燥方法では、乾燥機の熱風入口温度を60~150℃ 、好ましくは80~120℃の範囲内に制御して、連 続的に乾燥処理を行うため、長時間にわたっ て稼動すると、乾燥機内壁への着色重合体粒 子の融着が生じやすく、熱劣化によりトナー 特性が低下する傾向も見られる。

 他方、回分方式(バッチ処理)による乾燥 法としては、コニカル式やナウター式など 乾燥機を用いる方法や真空乾燥する方法が 案されている。しかし、従来の回分方式の 燥方法は、連続方式の乾燥方法に比べて、 しく長い乾燥時間を必要とし、生産効率が めて低い。

 このため、湿式法によるトナーの製造方 において、着色樹脂粒子(トナー粒子)の熱 化を防ぎ、かつ、高い生産効率を有する乾 方法が求められていた。

特開2004-258589号公報

特開平11-184153号公報

 本発明の課題は、湿式法により得られた 色樹脂粒子の乾燥工程を含むトナーの製造 法において、回分方式により、高い効率で 燥することができ、乾燥機内壁への着色樹 粒子の融着がなく、トナー特性に優れた着 樹脂粒子を回収することができるトナーの 造方法を提供することにある。

 また、本発明の課題は、回分方式の乾燥 程を連続的に繰り返し行っても、乾燥機の 壁面への着色樹脂粒子の融着が発生し難く トナー特性に優れた着色樹脂粒子を回収す ことができるトナーの製造方法を提供する とにある。

 さらに、本発明の課題は、乾燥工程と外 工程とを同じ装置により連続的に効率よく 施することができ、かつ、優れた特性を有 るトナーの製造方法を提供することにある

 本発明者らは、前記課題を解決するため 鋭意研究した結果、湿式法により形成した 色樹脂粒子を含有する湿潤着色樹脂粒子の 燥工程において、乾燥装置として、撹拌槽 底壁を貫通する回転駆動軸に固定した撹拌 を該撹拌槽の底部に配置し、かつ、該撹拌 の下部に少なくとも1つのガス導入口を、該 撹拌槽の上部に少なくとも1つのガス排出口 それぞれ配置した構造を持つ回転翼式撹拌 置を使用し、かつ、乾燥条件を制御するこ により、効率よく乾燥を行うことができ、 置内壁への着色樹脂粒子の付着がなく、し も初期帯電量が高く、印字耐久性に優れた ナーの得られることを見出した。

 さらに、本発明者らは、着色樹脂粒子の 面にシリカ微粒子などの外添剤を付着させ 外添工程を、乾燥工程で用いたのと同じ回 翼式撹拌装置を用いて、乾燥工程と外添工 とを連続的に実施することにより、煩雑な 添工程を簡略化することができる上、初期 電量が高く、かぶりが発生し難いトナーの られることを見出した。

 従来、乾燥工程と外添工程を、同じ撹拌装 を用いて実施することはなかった。乾燥工 を特定の撹拌装置を用いて実施したとして 、外添工程では、乾燥工程とは撹拌条件が しく異なるため、ヘンシェルミキサーなど 高速回転する撹拌翼を備えた撹拌装置を用 て、着色樹脂粒子の表面に外添剤を付着さ るのが一般的であった。仮に、同じ撹拌装 を用いて、乾燥工程と外添工程とを連続的 実施しても、トナー特性に優れたトナーを ることは困難であった。
 本発明は、これらの知見に基づいて完成す に至ったものである。

 本発明によれば、湿式法により形成した着 樹脂粒子を含有する水分散液を調製する工 1;着色樹脂粒子を水洗する工程2;着色樹脂粒 子を濾別して、湿潤着色樹脂粒子を得る濾過 工程3;及び湿潤着色樹脂粒子を乾燥する乾燥 程4を含む着色樹脂粒子からなるトナーの製 造方法であって、
 該乾燥工程4において、
(a)撹拌槽、回転駆動軸及び撹拌翼を有し、撹 拌槽の底壁を貫通する回転駆動軸に固定した 撹拌翼を該撹拌槽の底部に配置し、かつ、該 撹拌槽の下部に少なくとも1つのガス導入口 、該撹拌槽の上部に少なくとも1つのガス排 口をそれぞれ配置した構造を持つ回転翼式 拌装置の中に、湿潤着色樹脂粒子を投入し
(b)該ガス導入口から加熱ガスを供給しながら 、該撹拌槽内で該湿潤着色樹脂粒子を該回転 翼によって撹拌して、該湿潤着色樹脂粒子の 流動層を形成するとともに、供給した加熱ガ スと該湿潤着色樹脂粒子から揮散した水分を 含む混合ガスを該ガス排出口から外部に排出 する方法により、該湿潤着色樹脂粒子の乾燥 を行い、
(c)その際、該ガス排出口から排出される混合 ガスの温度が20~60℃の範囲内となるように乾 条件を制御する
ことを特徴とするトナーの製造方法が提供さ れる。

 本発明のトナーの製造方法は、該乾燥工 4において、該ガス導入口から加熱ガスを供 給するに際し、該ガス導入口に連通するガス 導入ラインの主軸を該撹拌槽の内周面の接線 方向に対して0~30°の範囲内の角度に設定して 、該ガス導入ラインの主軸方向に沿って該ガ ス導入口から加熱ガスを該撹拌槽内に吹き込 む方法により、該ガス導入口からの加熱ガス の供給を行う方法を、好ましい一態様として 含んでいる。

 本発明のトナーの製造方法は、該乾燥工 4の後に、乾燥した着色樹脂粒子と外添剤と を混合する外添工程5をさらに含み、かつ、 外添工程5において、乾燥工程4で用いたのと 同じ回転翼式撹拌装置内で、乾燥した着色樹 脂粒子と外添剤とを混合する方法を、好まし い他の態様として含んでいる。

 本発明によれば、懸濁重合法などの湿式 によるトナーの製造方法において、特定の 分方式による乾燥条件を採用することによ 、湿潤着色樹脂粒子を高効率で乾燥するこ ができ、乾燥装置内壁への着色樹脂粒子の 着がなく、帯電量や印字耐久性などのトナ 特性に優れた着色樹脂粒子からなるトナー 得ることができる。

 本発明の好ましい一態様によれば、ガス 入口からの加熱ガスの吹き込み角度を制御 ることにより、回分方式の乾燥工程を連続 に繰り返し行っても、乾燥機内壁面への着 樹脂粒子の融着が発生し難く、トナー特性 優れた着色樹脂粒子を回収することができ 。すなわち、本発明によれば、連続運転安 性に優れた乾燥工程を含むトナーの製造方 が提供される。

 本発明の好ましい他の態様によれば、乾 工程に引き続いて同じ撹拌装置を用いて実 することができ、他の撹拌装置への移送な の煩雑な操作を必要としない外添工程を含 トナーの製造方法を提供することができる

図1は、回転翼式撹拌乾燥機の横から見 た断面図である。 図2は、回転翼式撹拌乾燥機の上から見 た断面図である。 図3は、実施例1~5及び比較例1における 燥時間と水分量の関係を示すグラフである 図4は、撹拌翼を構成する各翼片の掬い 上げ角度βの説明図である。 図5は、吹き込み角度αの説明図である 図6は、吹き込み角度αが0°の場合の説 図である。 図7は、吹き込み角度αが45°の場合の説 明図である。

符号の説明

 1 撹拌槽
 2 回転軸
 3 撹拌翼
 4 駆動用電動モーター
 5 動力伝達機構
 6 加熱ガス導入口
 6″ 加熱ガス導入口
 7 ガス排出口
 8 ガス排出ライン
 9 チョッパー軸
 10 チョッパー羽根
 11 駆動用電動モーター
 12 サイクロンまたはバグフィルター
 13 加熱ガス導入ライン
 13″ 加熱ガス導入ライン
 13A ガス導入ラインの主軸を構成する線
 13B ガス導入ラインの長さ方向に沿った他 の線
 14 撹拌翼の回転方向
 15 跳ね上げ部
 16 ジャケット
 17 湿潤着色樹脂粒子の投入口
 18 掬い上げ面
 19 接線
 20 ヒートスポット
 C  ガス導入ラインの主軸と撹拌槽内周面 の交点
 α  加熱ガスの吹き込み角度
 β  翼片の掬い上げ角度
 41 翼片の断面の底辺
 42 翼片の断面の斜辺(掬い上げ面)
 43 翼片の断面の残りの辺

1.湿式法による着色樹脂粒子:
 本発明における着色樹脂粒子の製造方法と ては、懸濁重合法、乳化重合凝集法、分散 合法、溶解懸濁法などの湿式法が挙げられ 。湿式法によれば、一般に、画像再現性な の印字特性に優れたトナーが得られやすい すなわち、懸濁重合法、乳化重合凝集法、 散重合法、溶解懸濁法などの湿式法によれ 、ミクロンオーダーの小粒径でかつ比較的 い粒径分布を持つ着色樹脂粒子が得られる め、電子写真方式の画像形成装置において 該着色樹脂粒子を機能成分とする現像剤(ト ナー)を用いると、精細で高画質の画像を形 することができる。

 懸濁重合法では、水系分散媒体中で、重 性単量体、着色剤、その他のトナー用添加 などを含有する重合性単量体組成物を懸濁 合する方法により、着色重合体粒子として 色樹脂粒子を得ることができる。乳化重合 集法では、重合性単量体を乳化重合して重 体微粒子(エマルジョン粒子)を調製し、該 合体微粒子を着色剤などと一緒に凝集させ 、着色樹脂粒子を製造する。溶解懸濁法で 、結着樹脂と着色剤などのトナー用添加剤 分とを有機溶媒に溶解または分散させた溶 を、水系媒体中に投入して液滴を形成し、 いで、該有機溶媒を除去して着色樹脂粒子 製造する方法である。

 これらの湿式法の中でも、トナー特性に れる点で、懸濁重合法が好ましい。懸濁重 法により着色樹脂粒子(着色重合体粒子)を 造するには、通常、以下の工程が採用され いる。重合性単量体と着色剤とを混合して 合性単量体組成物を調製する。この際、必 に応じて、帯電制御剤、離型剤、架橋性単 体、マクロモノマー、分子量調整剤、滑剤 分散助剤などの各種添加剤を混合する。該 合性単量体組成物を、分散安定剤を含む水 分散媒体中に投入し、撹拌して、該重合性 量体組成物の液滴を形成する。水系分散媒 としては、一般に、イオン交換水などの水 用いるが、所望によりアルコールなどの親 性溶媒を水に加えてもよい。重合性単量体 成物の液滴の形成後、重合開始剤の存在下 重合を行い、着色重合体粒子を生成させる 所望により、該着色重合体粒子の存在下に ェル用重合性単量体を重合させる工程を付 して、コア-シェル型着色重合体粒子を生成 せることができる。

 重合工程後、着色重合体粒子を含有する 分散液を、洗浄、脱水、乾燥することによ 、乾燥した着色重合体粒子を得る。この乾 した着色重合体粒子を、必要に応じて分級 た後、外添剤と混合することにより、一成 現像剤を得ることができる。外添剤として 、着色重合体粒子の流動性や研磨性を向上 せる機能を持つ各種微粒子が用いられる。 色重合体粒子が磁性粉を含まない場合には 非磁性一成分現像剤が得られ、磁性粉を含 場合には、磁性一成分現像剤が得られる。 着色重合体粒子に外添剤を添加し、さらに ャリアを添加すると、非磁性または磁性二 分現像剤を得ることができる。

(1)重合性単量体:
 重合性単量体は、着色重合体粒子の結着樹 を形成する成分であり、重合可能な化合物 ある。重合性単量体の主成分としては、通 、モノビニル単量体を使用することが好ま い。モノビニル単量体としては、例えば、 チレン、ビニルトルエン、α-メチルスチレ 等の芳香族ビニル単量体;アクリル酸、メタ クリル酸などの不飽和カルボン酸;アクリル メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プ ピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチ ルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、ア クリル酸イソボルニル、アクリル酸ジメチル アミノエチル、アクリルアミド等のアクリル 酸の誘導体;メタクリル酸メチル、メタクリ 酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタク ル酸ブチル、メタクリル酸2-エチルヘキシル 、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル 酸イソボルニル、メタクリル酸ジメチルアミ ノエチル、メタクリルアミド等のメタクリル 酸の誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレ 等のモノオレフィン単量体;等が挙げられる

 モノビニル単量体は、それぞれ単独で用 ても、複数の単量体を組み合わせて用いて よい。これらモノビニル単量体のうち、芳 族ビニル単量体単独、芳香族ビニル単量体 アクリル酸誘導体及び/またはメタクリル酸 誘導体との組み合わせなどが好適に用いられ る。

(2)架橋性単量体または架橋性重合体:
 モノビニル単量体と共に架橋性単量体また 架橋性重合体を用いると、トナーのホット フセット特性を改善することができる。架 性単量体は、2個以上のビニル基を有する単 量体である。その具体例としては、ジビニル ベンゼン、ジビニルナフタレン、これらの誘 導体等の芳香族ジビニル化合物;エチレング コールジメタクリレート、ジエチレングリ ールジメタクリレート、1,4-ブタンジオール アクリレート等のジエチレン性不飽和カル ン酸エステル;N,N-ジビニルアニリン、ジビ ルエーテル等のビニル基を2個有する化合物; ペンタエリスリトールトリアリルエーテルや トリメチロールプロパントリアクリレート等 のビニル基を3個以上有する化合物;を挙げる とができる。

 架橋性重合体は、重合体中に2個以上のビ ニル基を有する重合体である。その具体例と しては、分子内に2個以上の水酸基を有する リエチレン、ポリプロピレン、ポリエステ 、ポリエチレングリコール等の重合体と、 クリル酸やメタクリル酸等の不飽和カルボ 酸単量体との縮合反応により得られるエス ル化物を挙げることができる。

 これらの架橋性単量体及び架橋性重合体 、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合 わせて用いることができる。その使用量は、 モノビニル単量体100重量部に対して、通常10 量部以下、好ましくは0.01~7重量部、より好 しくは0.05~5重量部、特に好ましくは0.1~3重 部である。

(3)マクロモノマー:
 モノビニル単量体と共にマクロモノマーを いると、トナーの高温での保存性と低温で 定着性とのバランスが良好になるので好ま い。マクロモノマーは、分子鎖の末端に重 可能な炭素-炭素不飽和二重結合を有する巨 大分子であり、数平均分子量が通常1,000~30,000 のオリゴマーまたはポリマーである。数平均 分子量が上記範囲内にあると、マクロモノマ ーの溶融性を損なうことなく、トナーの定着 性及び保存性が維持できるので好ましい。

 マクロモノマーの分子鎖末端にある重合 能な炭素-炭素不飽和二重結合としては、ア クリロイル基、メタクリロイル基などを挙げ ることができるが、共重合のしやすさの観点 からは、メタクリロイル基が好ましい。マク ロモノマーは、モノビニル単量体を重合して 得られる重合体のガラス転移温度よりも高い ガラス転移温度を有する重合体を与えるもの が好ましい。

 マクロモノマーの具体例としては、スチ ン、スチレン誘導体、メタクリル酸エステ 、アクリル酸エステル、アクリロニトリル メタクリロニトリル等を単独でまたは2種以 上を重合して得られる重合体;ポリシロキサ 骨格を有するマクロモノマー;などを挙げる とができるが、これらの中でも、親水性の のが好ましく、特にメタクリル酸エステル たはアクリル酸エステルを単独で、あるい これらを組み合わせて重合して得られる重 体が好ましい。

 マクロモノマーを使用する場合、その使 量は、モノビニル単量体100重量部に対して 通常0.01~10重量部、好ましくは0.03~5重量部、 より好ましくは0.05~1重量部である。マクロモ ノマーの使用量が上記範囲内にあると、トナ ーの保存性を維持して、定着性が向上するの で好ましい。

(4)着色剤:
 着色剤としては、カーボンブラックやチタ ホワイトなどのトナーの分野で用いられて る各種顔料及び染料を使用することができ 。黒色着色剤としては、例えば、カーボン ラック、ニグロシンベースの染顔料類;コバ ルト、ニッケル、四三酸化鉄、酸化鉄マンガ ン、酸化鉄亜鉛、酸化鉄ニッケル等の磁性粒 子;を挙げることができる。カーボンブラッ として、一次粒径が20~40nmのカーボンブラッ を用いると、良好な画質が得られ、トナー 環境への安全性も高まるので好ましい。カ ートナー用着色剤としては、イエロー着色 、マゼンタ着色剤、シアン着色剤などを使 することができる。

 イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合 、イソインドリノン化合物、アンスラキノ 化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、ア ルアミド化合物などが用いられる。具体的 は、例えば、C.I.ピグメントイエロー3、12、 13、14、15、17、62、65、73、74、83、90、93、95、 96、97、109、110、111、120、128、129、138、147、15 5、168、180、181などがある。この他、ネフト ルイエローS、ハンザイエローG、C.I.バット エローなどが挙げられる。

 マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合 、ジケトピロロピロール化合物、アンスラ ノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染 レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズ ミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、 リレン化合物などがある。具体的には、例 ば、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23 48、48:2、48:3、48:4、57、57:1、58、60、63、64、6 8、81、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、1 23、144、146、149、163、166、169、170、177、184、1 85、187、202、206、207、209、220、251、254などが げられる。この他、C.I.ピグメントバイオレ ット19等が挙げられる。

 シアン着色剤としては、銅フタロシアニ 化合物及びその誘導体、アントラキノン化 物、塩基染料レーキ化合物などが挙げられ 。具体的には、例えば、C.I.ピグメントブル ー1、2、3、6、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、16 17、60、62、66などがある。この他、フタロシ アニンブルー、C.I.バットブルー、C.I.アシッ ブルーなどが挙げられる。

 これらの着色剤は、それぞれ単独で、あ いは2種以上を組み合わせて使用することが できる。着色剤は、重合性単量体100重量部に 対して、通常0.1~50重量部、好ましくは1~20重 部の割合で用いられる。

(5)顔料分散剤、滑剤、分散助剤:
 着色重合体粒子中での着色剤の分散状態を 上させるために、顔料分散剤により着色剤 表面を処理することが好ましい。顔料分散 としては、アルミニウムカップリング剤、 ランカップリング剤、及びチタンカップリ グ剤等のカップリング剤が好ましい。着色 は、結着樹脂または結着樹脂を形成する重 性単量体100重量部に対して、通常0.1~50重量 、好ましくは1~20重量部の割合で用いられる 。

(6)分子量調整剤:
 重合に際して、分子量調整剤を使用するこ が好ましい。分子量調整剤としては、例え 、t-ドデシルメルカプタン、n-ドデシルメル カプタン、n-オクチルメルカプタン、テトラ チルチウラムジスルフィド、2,2,4,6,6-ペンタ メチルヘプタン-4-チオール等のメルカプタン 類;四塩化炭素、四臭化炭素等のハロゲン化 化水素類;などを挙げることができる。分子 調整剤は、通常、重合開始前の重合性単量 組成物に含有させるが、重合途中に添加す こともできる。分子量調整剤は、重合性単 体100重量部に対して、通常0.01~10重量部、好 ましくは0.1~5重量部の割合で用いられる。分 量調整剤の使用量が少なすぎると、分子量 整の効果が得られず、多すぎると、残留モ マー量が増加する。

(7)帯電制御剤:
 トナーの帯電性を向上させるために、各種 正帯電性または負帯電性の帯電制御剤を、 合性単量体組成物中に含有させることが好 しい。正帯電性帯電制御剤としては、例え 、ニグロシン染料、4級アンモニウム塩、ト リアミノトリフェニルメタン化合物、イミダ ゾール化合物、ポリアミン樹脂、4級アンモ ウム(塩)基含有共重合体などが挙げられる。

 負帯電性帯電制御剤としては、Cr、Co、Al Feなどの金属を含有するアゾ染料、サリチ 酸金属化合物、アルキルサルチル酸金属化 物、スルホン酸(塩)基含有共重合体、カルボ ン酸(塩)基含有共重合体などが挙げられる。

 市販品を含む帯電制御剤の具体例として 、ボントロンN-01(オリエント化学工業社製 登録商標)、ニグロシンベースEX(オリエント 学工業社製、登録商標)、スピロンブラック TRH(保土ケ谷化学工業社製、登録商標)、T-77( 土ケ谷化学工業社製)、ボントロンS-34(オリ ント化学工業社製、登録商標)、ボントロンE -81(オリエント化学工業社製、登録商標)、ボ トロンE-84(オリエント化学工業社製、登録 標)、ボントロンE-89(オリエント化学工業社 、登録商標)、ボントロンF-21(オリエント化 工業社製、登録商標)、COPY CHARGE NX VP434(ク リアント社製、登録商標)、COPY CHARGENEG VP20 36(クラリアント社製、登録商標)、TNS-4-1(保土 ケ谷化学工業社製)、TNS-4-2(保土ケ谷化学工業 社製)、LR-147(日本カーリット社製)、コピーブ ルーPR(クラリアント社製、登録商標)などの 電制御剤;4級アンモニウム(塩)基含有共重合 、スルホン酸(塩)基含有共重合体等の帯電 御樹脂;を挙げることができる。帯電制御剤 、重合性単量体100重量部に対して、通常0.01 ~10重量部、好ましくは0.1~10重量部の割合で用 いられる。

(8)離型剤:
 オフセット防止または熱ロール定着時の離 性の向上などの目的で、離型剤を重合性単 体組成物中に含有させることができる。離 剤としては、例えば、低分子量ポリエチレ 、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリ チレンなどのポリオレフィンワックス類;キ ャンデリラ、カルナウバ、ライス、木ロウ、 ホホバなどの植物系天然ワックス;パラフィ 、マイクロクリスタリン、ペトロラクタム どの石油系ワックス及びその変性ワックス; ィッシャートロプシュワックスなどの合成 ックス;多価アルコールエステル化物(多官 エステル化合物);等が挙げられる。

 多価アルコールエステル化合物としては 多価アルコールの脂肪酸エステル化合物が ましい。その具体例としては、ペンタエリ リトールテトラミリステート、ペンタエリ リトールテトラパルミテート、ペンタエリ リトールテトラステアレート、ペンタエリ リトールテトララウレート等のペンタエリ リトールエステル;ジペンタエリスリトール ヘキサミリステート、ジペンタエリスリトー ルヘキサパルミテート、ジペンタエリスリト ールヘキサラウレート等のジペンタエリスリ トールエステル;ポリグリセリンの脂肪酸エ テル化合物などが挙げられる。

 これらの離型剤は、それぞれ単独で用い もよく、2種以上を組み合わせて用いてもよ い。離型剤の使用割合は、重合性単量体100重 量部に対して、通常0.1~50重量部、好ましくは 0.5~20重量部、より好ましくは1~10重量部であ 。

(9)重合開始剤:
 重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤 好適に用いられる。具体的には、過硫酸カ ウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;4,4 ″-アゾビス(4-シアノ吉草酸)、2,2″-アゾビス (2-アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2″-アゾビ -2-メチル-N-1,1-ビス(ヒドロキシメチル)-2-ヒ ロキシエチルプロピオアミド、2,2″-アゾビ ス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2″-アゾ スイソブチロニトリル、1,1″-アゾビス(1-シ ロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ化合物 ;イソブチリルパーオキサイド、2,4-ジ-クロロ ベンゾイルパーオキサイド、3,5,5″-トリメチ ルヘキサノイルパーオキサイド等のジアシル パーオキサイド系;ビス(4-t-ブチルシクロヘキ シル)パーオキシジ-カーボネート、ジ-n-プロ ルパーオキシジ-カーボネート、ジ-イソプ ピルパーオキシジ-カーボネート、ジ-2-エト シエチルパーオキシジ-カーボネート、ジ(2- エチルエチルパーオキシ)ジ-カーボネート、 -メトキシブチルパーオキシジ-カーボネー 、ジ(3-メチル-3-メトキシブチルパーオキシ) -カーボネート等のパーオキシジ-カーボネ ト類;(α,α-ビス-ネオデカノイルパーオキシ) イソプロピルベンゼン、クミルパーオキシ オデカノエート、1,1″,3,3″-テトラメチル チルパーオキシネオデカノエート、1-シクロ ヘキシル-1-メチルエチルパーオキシネオデカ ノエート、t-ヘキシルパーオキシネオデカノ ート、t-ブチルパーオキシネオデカノエー 、t-ヘキシルパーオキシピバレート、t-ブチ パーオキシピバレート、メチルエチルパー キシド、ジ-t-ブチルパーオキシド、アセチ パーオキシド、ジクミルパーオキシド、ラ ロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキ ド、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノ ート、ジ-イソプロピルパーオキシジカーボ ート、ジ-t-ブチルパーオキシイソフタレー 、t-ブチルパーオキシイソブチレート等の の過酸化物類などが例示される。これら重 開始剤と還元剤とを組み合わせたレドック 開始剤を使用することもできる。

 これらの重合開始剤の中でも、重合性単 体に可溶な油溶性ラジカル開始剤が好まし 、必要に応じて、水溶性の開始剤をこれと 用することもできる。重合開始剤の使用割 は、重合性単量体100重量部に対して、通常0 .1~20重量部、好ましくは0.3~15重量部、より好 しくは0.5~10重量部である。この使用割合が さすぎると重合速度が遅くなり、大きすぎ と分子量が低くなるので、好ましくない。 合開始剤は、単量体組成物中に予め添加す ことができるが、早期重合を避ける目的で 水系分散媒体中での単量体組成物の造粒工 終了後に懸濁液中に添加することもできる

(10)分散安定剤:
 懸濁重合の媒体としては、通常、分散安定 を添加した水系分散媒体を使用する。分散 定剤としては、難水溶性金属化合物のコロ ドが好適である。難水溶性金属化合物とし は、硫酸バリウム、硫酸カルシウムなどの 酸塩;炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸 マグネシウムなどの炭酸塩;りん酸カルシウ などのりん酸塩;酸化アルミニウム、酸化チ ンなどの金属酸化物;水酸化アルミニウム、 水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄の金属水 酸化物;を挙げることができる。これらのう 、難水溶性金属水酸化物のコロイドは、着 重合体粒子の粒径分布を狭くすることがで 、画像の鮮明性が向上するので好適である

 難水溶性金属化合物のコロイドは、その製 による制限はないが、水溶性多価金属化合 の水溶液のpHを7以上に調整することによっ 得られる難水溶性の金属水酸化物のコロイ 、特に水溶性多価金属化合物と水酸化アル リ金属塩との水相中の反応により生成する 水溶性の金属水酸化物のコロイドを用いる とが好ましい。難水溶性金属化合物のコロ ドは、個数粒径分布D 50 (個数粒径分布の50%累積値)が0.5μm以下で、D 90 (個数粒径分布の90%累積値)が1μm以下であるこ とが好ましい。

 分散安定剤は、重合性単量体100重量部に して、一般に、0.1~20重量部の割合で使用す 。この割合が少なすぎると、充分な重合安 性を得ることが困難であり、重合凝集物が 成しやすくなる。逆に、この割合が多すぎ と、水溶液粘度が大きくなって重合安定性 低くなる。

 分散安定剤として、水溶性高分子を用い こともできる。水溶性高分子としては、例 ば、ポリビニルアルコール、メチルセルロ ス、ゼラチン等を例示することができる。 発明においては、界面活性剤を使用する必 はないが、帯電特性の環境依存性が大きく らない範囲で、懸濁重合を安定に行うため 使用することができる。

2.着色樹脂粒子を含有する水分散液を調製す 工程:
 懸濁重合法による着色樹脂粒子(着色重合体 粒子)は、一般に、以下の各工程により得る とができる。重合性単量体、着色剤、及び の他の添加剤などを混合機を用いて混合し 必要に応じて、メディア型湿式粉砕機(例え 、ビーズミル)などを用いて湿式粉砕し、重 合性単量体組成物を調製する。

 重合性単量体組成物を、分散安定剤を含 する水系分散媒体中に分散し、撹拌して、 合性単量体組成物の均一な液滴(体積平均粒 径が50~1,000μm程度の一次液滴)を形成する。重 合開始剤は、早期重合を避けるため、水系分 散媒体中で液滴の大きさが均一になってから 水系分散媒体に添加することが好ましい。水 系分散媒体中に重合性単量体組成物の液滴が 分散した懸濁液に重合開始剤を添加混合し、 さらに、高速回転剪断型撹拌機を用いて、液 滴の粒径が目的とするトナー粒子に近い小粒 径になるまで撹拌する。このようにして、微 小粒径の液滴(典型的には、体積平均粒径が1~ 12μm程度の二次液滴)を含有する懸濁液を調製 する。

 この懸濁液を重合反応器に仕込み、通常5 ~120℃、好ましくは35~95℃の温度で懸濁重合を 行う。重合温度が低すぎると、触媒活性が高 い重合開始剤を用いなければならないので、 重合反応の管理が困難になる。重合温度が高 すぎると、低温で溶融する添加剤を含む場合 、これがトナー表面にブリードし、保存性が 悪くなることがある。

 重合性単量体組成物の微小な液滴の体積 均粒径及び粒径分布は、トナーの体積平均 径や粒径分布に影響する。液滴の粒径が大 すぎると、生成するトナー粒子が大きくな すぎて、画像の解像度が低下するようにな 。液滴の粒径分布が広いと、定着温度のば つきが生じ、カブリ、トナーフィルミング 発生などの不具合が生じるようになる。し がって、重合性単量体組成物の液滴は、ト ー粒子とほぼ同じ大きさになるように形成 ることが望ましい。

 重合性単量体組成物の液滴の体積平均粒 は、通常1~12μm、好ましくは3~10μm、より好 しくは4~9μmである。高精細な画像を得るた 、特に小粒径のトナーとする場合には、液 の体積平均粒径を小さくすることが望まし 。重合性単量体組成物の液滴の粒径分布(体 平均粒径/数平均粒径)は、通常1~3、好まし は1~2.5、より好ましくは1~2である。特に微細 な液滴を形成する場合には、高速回転する回 転子と、それを取り囲み、かつ小孔または櫛 歯を有する固定子との間隙に、単量体組成物 を含有する水系分散媒体を流通させる方法が 好適である。

 重合性単量体として前述のモノビニル単 体の中から1種以上を選択するが、トナーの 定着温度を下げるには、ガラス転移温度(Tg) 通常80℃以下、好ましくは40~80℃、より好ま くは50~70℃程度の重合体を形成し得る重合 単量体または重合性単量体の組み合わせを 択することが好ましい。本発明において、 着樹脂を構成する重合体が共重合体の場合 そのTgは、使用する重合性単量体の種類と使 用割合に応じて算出される計算値(「計算Tg」 という)である。

 懸濁重合により、重合性単量体の重合体 に着色剤などの添加剤成分が分散した着色 合体粒子が生成する。本発明では、この着 重合体粒子をトナーとして使用することが きるが、トナーの保存性(耐ブロッキング性 )、低温定着性、定着時の溶融性などを改善 る目的で、懸濁重合によって得られた着色 合体粒子の上に、さらに重合体層を形成し 、コア-シェル型構造を有するカプセルトナ とすることができる。

 コア-シェル型構造の形成方法としては、 前記の着色重合体粒子をコア粒子とし、該コ ア粒子の存在下にシェル用重合性単量体を更 に重合して、コア粒子の表面に重合体層(シ ル)を形成する方法が採用される。シェル用 合性単量体として、コア粒子を構成する重 体成分のTgよりも高いTgを有する重合体を形 成するものを使用すると、トナーの保存性を 改善することができる。他方、コア粒子を構 成する重合体成分のTgを低く設定することに り、トナーの定着温度を下げたり、溶融特 を改善したりすることができる。したがっ 、重合工程でコア-シェル型着色重合体粒子 を形成することにより、印字(複写、印刷な )の高速化、フルカラー化、OHP(オーバーヘッ ドプロジェクター)透過性などに対応できる ナーが得られる。

 コア及びシェルを形成するための重合性 量体としては、前述のモノビニル系単量体 中から好ましいものを適宜選択することが きる。コア用重合性単量体とシェル用重合 単量体との重量比は、通常40/60~99.9/0.1、好 しくは60/40~99.7/0.3、より好ましくは80/20~99.5/0 .5である。シェル用重合性単量体の割合が過 であると、トナーの保存性の改善効果が小 く、過大であると、定着温度の低減効果が さくなる。

 シェル用重合性単量体により形成される 合体のTgは、通常、50℃超過120℃以下、好ま しくは60℃超過110℃以下、より好ましくは80 超過105℃以下である。コア用重合性単量体 ら形成される重合体とシェル用重合性単量 から形成される重合体との間のTgの差は、好 ましくは10℃以上、より好ましくは20℃以上 特に好ましくは30℃以上である。多くの場合 、定着温度と保存性のバランスの観点から、 コア用重合性単量体として、Tgが通常60℃以 、好ましくは、40~60℃の重合体を形成しうる ものを選択するのが好ましい。他方、シェル 用重合性単量体としては、スチレンやメチル メタクリレートなどのTgが80℃を越える重合 を形成する単量体を、それぞれ単独で、あ いは2種以上を組み合わせて使用することが ましい。

 シェル用重合性単量体は、コア粒子の平 粒径よりも小さな液滴として重合反応系に 加することが好ましい。シェル用重合性単 体の液滴の粒径が大きすぎると、コア粒子 周囲に重合体層が均一に形成され難くなる シェル用重合性単量体を小さな液滴とする は、シェル用重合性単量体と水系分散媒体 の混合物を、例えば、超音波乳化機などを いて、微分散処理を行い、得られた分散液 重合反応系に添加すればよい。

 シェル用重合性単量体が、20℃の水に対 る溶解度が0.1重量%以上の比較的水溶性の単 体(例えば、メチルメタクリレート)である 合には、コア粒子の表面に比較的速やかに 行し易いので、微分散処理を行う必要はな が、均一なシェルを形成する上で、微分散 理を行うことが好ましい。シェル用重合性 量体が、20℃の水に対する溶解度が0.1重量% 満の単量体(例えば、スチレン)の場合には、 微分散処理を行うか、あるいは20℃の水に対 る溶解度が5重量%以上の有機溶媒(例えば、 ルコール類)を反応系に加えることにより、 コア粒子の表面に移行しやすくすることが好 ましい。

 シェル用重合性単量体には、帯電制御剤 加えることができる。帯電制御剤としては 前述したコア粒子製造に使用するのと同様 ものが好ましく、使用する場合には、シェ 用重合性単量体100重量部に対して、通常0.01 ~10重量部、好ましくは0.1~5重量部の割合で用 られる。

 コア-シェル型構造のトナーを製造するに は、コア粒子を含有する懸濁液中にシェル用 重合性単量体またはその水系分散液を一括し て、あるいは連続的若しくは断続的に添加す る。シェル用重合性単量体を添加する際に、 水溶性のラジカル開始剤を添加することがシ ェルを効率良く形成する上で好ましい。シェ ル用重合性単量体の添加時に水溶性重合開始 剤を添加すると、シェル用重合性単量体が移 行したコア粒子の外表面近傍に水溶性重合開 始剤が進入し、コア粒子表面に重合体層が形 成されやすくなると考えられる。

 水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリ ム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;2,2″ -アゾビス〔2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル) ロピオンアミド〕、2,2″-アゾビス-[2-メチル -N-〔1,1-ビス(ヒドロキシメチル)エチル〕プロ ピオンアミド]等のアゾ系開始剤などを挙げ ことができる。水溶性重合開始剤の使用量 、シェル用重合性単量体100重量部当り、通 0.1~50重量%、好ましくは1~20重量%である。

 シェルの平均厚みは、通常0.001~1.0μm、好 しくは0.003~0.5μm、より好ましくは0.005~0.2μm ある。シェル厚みが大きすぎると、トナー 定着性が低下し、小さすぎると、トナーの 存性が低下する。トナーのコア粒子径、及 シェルの厚みは、電子顕微鏡により観察で る場合は、その観察写真から無作意に選択 た粒子の大きさ及びシェル厚みを直接測る とにより得ることができ、電子顕微鏡でコ とシェルとを観察することが困難な場合は コア粒子の粒径と、シェルを形成する重合 単量体の使用量から算定することができる

3.洗浄工程:
 着色重合体粒子の水分散液を得る工程によ 、着色重合体粒子(コア-シェル型着色重合 粒子)を含有する水系分散媒体が得られる。 の水系分散媒体をそのままで、あるいは着 重合体粒子の濃度を調節するためにイオン 換水などを追加して、着色重合体粒子を含 する分散液とすることもできる。次いで、 要に応じて、この分散液をストリッピング 理して、着色重合体粒子中に残留する未反 の重合性単量体を含む揮発性有機成分を除 することが望ましい。

 ストリッピング処理を行うことなく、ま はストリッピング処理を行った後、用いた 散安定剤の種類に応じて、酸処理またはア カリ処理を行って、分散安定剤を水に可溶 して除去する。

 ストリッピング処理を行う場合には、未 応の重合性単量体の量を極力減らすために 重合反応終了後に行うことが好ましい。所 により、重合反応の後半であって、重合転 率が好ましくは90%以上、より好ましくは95% 上の段階で、重合反応を継続しながらスト ッピング処理を行うこともできる。

 ストリッピング処理に際し、過剰な泡立 を抑制するために、分散液に消泡剤を添加 ることができる。ストリッピング処理に際 、着色重合体粒子を含有する分散液の液面 に発泡が起こり、泡が生じる。この泡が過 になり、蒸発器からあふれてくると、蒸発 の上部に連結しているガス循環ラインを汚 したり、配管を詰まらせたり、頻繁なクリ ニングを必要としたりする。

 着色重合体粒子を含有する分散液のスト ッピング処理法としては、不活性ガス(窒素 、アルゴン、ヘリウム等)を吹き込む方法と 飽和水蒸気を吹き込む方法を併用する。分 液にこれらの気体を吹き込みながら減圧ス リッピングを行う方法を採用してもよい。 トリッピング処理に際し、分散液を加熱す ことにより、残留モノマーを含む揮発性有 成分の揮発を助け、残留モノマーの回収効 を高くすることができる。

 ストリッピング処理工程終了後、酸洗浄 たはアルカリ洗浄、濾過脱水、イオン交換 による水洗浄、濾過脱水などの分離・精製 理を行う。分散安定剤として、難水溶性金 水酸化物コロイドを用いた場合には、酸洗 を行って、該コロイドを水に可溶化させて 去する。

 酸洗浄は、所望によりストリッピング工 を行った後、ジャケットに冷却水を通ずる して、分散液を25℃程度に冷却してから行 ことが望ましい。酸洗浄は、着色重合体粒 を含有する水分散液に、好ましくは硫酸を えて、pHを4.5程度まで中和することにより行 う。中和後の着色重合体粒子を含む分散液を 濾過脱水する。その後、濾過脱水した着色重 合体粒子に、新たにイオン交換水を加え、再 度スラリー化(リスラリー工程)し、再度濾過 水する。この濾過脱水とリスラリー工程を 回か繰り返すことにより、湿潤状態の着色 合体粒子のウエットケーキを回収する。濾 脱水とリスラリー工程を5回程度繰り返して もよい。水による洗浄工程は、濾布を配置し たベルトコンベアを用いて、ウエットケーキ に水を散布する方法により、連続的に行って もよい。

4.濾過工程:
 水洗工程後、着色重合体粒子を濾別して、 潤着色樹脂粒子を得る。濾別については、 述のとおりである。湿潤着色重合体粒子は 通常、水分量(含水率)が10~50重量%程度の湿 状態のウエットケーキである。乾燥工程で いる回転翼式撹拌乾燥機に供給するウエッ ケーキは、流動性及び乾燥効率の観点から 水分量が好ましくは50重量%以下、より好ま くは30重量%以下、特に好ましくは25重量%以 の範囲内の湿潤着色重合体粒子であること 望ましい。水分量とは、重量基準の含水率 あり、より具体的には、全重量(ウエットケ キの重量)に対する水分重量の比率をいう。

5.乾燥工程:
 本発明のトナーの製造方法は、湿式法によ 形成した着色樹脂粒子を含有する水分散液 調製する工程1;着色樹脂粒子を水洗する工 2;着色樹脂粒子を濾別して、湿潤着色樹脂粒 子を得る濾過工程3;及び湿潤着色樹脂粒子を 燥する乾燥工程4を含むものである。

 該乾燥工程4において、撹拌槽、回転駆動 軸及び撹拌翼を有する撹拌装置を用いる。よ り具体的に、撹拌槽の底壁を貫通する回転駆 動軸に固定した撹拌翼を該撹拌槽の底部に配 置し、かつ、該撹拌槽の下部に少なくとも1 のガス導入口を、該撹拌槽の上部に少なく も1つのガス排出口をそれぞれ配置した構造 持つ回転翼式撹拌装置を使用する。

 図1に、本発明で使用する回転翼式撹拌装 置の一例の断面略図を示す。該回転翼式撹拌 装置は、撹拌槽1の底壁を貫通する回転駆動 2に固定した撹拌翼3を該撹拌槽1の底部に配 し、該撹拌槽1の下部には、少なくとも1つの ガス導入口6を、該撹拌槽の上部には、少な とも1つのガス排出口7をそれぞれ配置した構 造を有している。

 回転駆動軸2は、動力伝達機構5を介して 駆動用電動モーター4に連結されている。撹 翼3は、垂直に配置された回転駆動軸2に固 されており、撹拌槽1の底部において、回転 動軸2周りに回転する。

 撹拌翼3は、例えば、図2に断面図を示す うに、回転駆動軸2の中心から遠心方向に直 状に延びる3本の翼片からなる。各翼片には 、その先端部に上方に湾曲する跳ね上げ部15 形成されている。該跳ね上げ部15は、着色 脂粒子の分散や混合が効率良く行われる限 、形成されていなくてもよい。

 各翼片の進行方向側の斜面には、撹拌槽1 内の湿潤着色樹脂粒子を掬い上げる掬い上げ 面18が形成されている。各翼片の断面は、底 の長い三角形を形成している。翼片の底部( 底辺)に対し、翼片の回転方向の斜面(掬い上 面)がなす角度を掬い上げ角度という。この 掬い上げ面18の掬い上げ角度は、翼片の基端 から先端部に行くほど連続的に小さくなる うに形成されていることが好ましい。例え 、各翼片の掬い上げ面18の掬い上げ角度を 回転駆動軸2側の基端部では通常30~50°、好ま しくは40~50°の範囲内(代表的には45°)に設定 、撹拌槽の内壁面に近い先端部では通常15~35 °、好ましくは20~30°の範囲内(代表的には25°) に設定し、基端部から先端部に向けて連続的 に小さくなるようにすると、基端部と先端部 の周速差による掬い上げ効果の差を小さくす ることができ、それによって、着色樹脂粒子 の分散や混合を効率的に行うことができる。

 掬い上げ角度について、図4を参照しなが らより具体的に説明する。撹拌翼の各翼片の 断面は、図4(a)及び(b)に示すように、底辺41の 長い三角形を形成している。矢印は、回転方 向すなわち翼片の進行方向を示す。三角形の 辺42は、掬い上げ面18の断面を示し、辺43は、 三角形の残りの辺を示す。底辺41と掬い上げ 18を示す辺42とがなす角度βを掬い上げ角度 定義する。図4(a)は、掬い上げ角度βが45°の 基端部での翼片の断面を示し、図4(b)は、掬 上げ角度βが25°の先端部での翼片の断面を す。

 撹拌槽1は、上半部周壁と下半部周壁とを 円筒状に形成するとともに、両者を上窄まり のテーパー状の周壁で連結している。上半部 周壁下端に、湿潤着色樹脂粒子(ウエットケ キ)の投入口17を設け、該投入口17には、開閉 可能な蓋部材を配置している。

 撹拌槽1は、その少なくとも底部から撹拌 翼3を配置した箇所を含む側部にかけて、該 拌槽1の外側にジャケット16を設けたもので ることが好ましい。図1には、ジャケット16 、撹拌槽1の底部から撹拌翼3を配置した箇所 を含む側部にかけて設けたものが示されてい るが、その上半部周壁の周りにもジャケット を配置してもよい。ジャケット16は、ジャケ ト16と撹拌槽1の外周面との間に温水などの 熱流体を流すことにより、撹拌槽内の温度 御に寄与することができる。つまり、乾燥 程において、該ジャケット16内に加熱流体 通して、該撹拌槽内を加熱若しくは保温す ことができる。

 図2に断面図を示すように、回転翼式撹拌 装置は、撹拌槽1の下部に2つのガス導入口6,6 を対向させて配置したものであるが、ガス 入口は、1つであっても複数あってもよい。 乾燥工程において、撹拌翼を回転させるとと もに、ガス導入ライン13,13″を通して、加熱 スを2つのガス導入口6,6″から、断面円形の 撹拌槽1の内周面(周壁面)の接線方向にそれぞ れ供給することにより、湿潤着色樹脂粒子の 流動層を効率的に形成させることができる。

 撹拌翼3の位置よりも上側で撹拌槽1の下 部周壁上部に、加熱ガスを導入するための ス導入口6,6″が開口している。このガス導 口6,6″は、それに連通するガス導入ライン13 ,13″の主軸13Aが撹拌槽1(撹拌が行われている 分)の内周面(内壁面)に対して接線方向とな ようにさせると、撹拌槽内で湿潤着色樹脂 子の旋回流を形成させやすい。すなわち、 熱ガスを撹拌槽1の内周面の接線方向に供給 すると、加熱ガスは、撹拌槽1内部で旋回流 容易に形成する。補助的な加熱ガスの導入 路として、撹拌翼3と撹拌軸2に通気路を形成 することにより、撹拌軸2から導入した加熱 スを撹拌翼3に多数設けた噴出口から撹拌槽1 内に導入することもできる。

 他方、ガス導入口6,6″に連通するガス導 ライン13,13″の主軸を撹拌槽1の内周面に対 て接線方向に設定すると、回分方式での乾 工程を連続的に繰り返し行った場合、乾燥 の内壁の特定箇所に着色樹脂粒子の融着が 生することがある。

 そこで、ガス導入口6,6″に連通するガス 入ライン13,13″の主軸を撹拌槽1の内周面の 線方向に対して0~30°の範囲内の角度(以下、 「吹き込み角度」という)に設定して、該ガ 導入ライン13,13″の主軸方向に沿ってガス導 入口6,6″から加熱ガスを撹拌槽内に吹き込む 方法により、該ガス導入口からの加熱ガスの 供給を行うことが好ましい。

 吹き込み角度について、図5を参照しなが ら説明する。図5には、説明を簡単にするた 、ガス導入口6が1つの場合(それに連通する ス導入ライン13も1つの場合)を例に挙げてい が、ガス導入口2つ以上配置されている場合 も同様である。ガス導入口が複数配置されて いる場合、各吹き込み角度は同じであっても 相違していてもよく、同じであることが好ま しい。

 図5に断面図を示すように、断面円形の撹 拌槽1にガス導入口6が設けられている。該ガ 導入口には、それに連通するガス導入ライ 13が配置されている。ガス導入口及びガス 入ラインは、それぞれ所定の大きさの直径 有している。説明を簡単にし、かつ、吹き み角度を正確に定義するために、図5に示す 面図において、ガス導入ラインの内周面の さ方向に沿った2つの線13A,13Bの内の13Aをガ 導入ラインの主軸と定義する。線13Aは、線13 Bよりも撹拌槽1の外壁と広角を形成する。

 ガス導入ラインの主軸13Aがガス導入口6の 開口部で撹拌槽1の内周面と交わる点を交点C する。断面円形の撹拌槽1の内周面に対し、 交点Cを通る接線19を引く。該接線19とガス導 ライン13の主軸13Aとが形成する角度αを吹き 込み角度と定義する。

 吹き込み角度αが0°の場合は、ガス導入 6に連通するガス導入ライン13の主軸13Aが撹 槽1の内周面の接線方向に配置されることに る。吹き込み角度αが0°の場合、ガス導入 イン13を経てガス導入口6から吹き込んだ加 ガスによって、撹拌槽1内に旋回流が生じや くなり、湿潤着色樹脂粒子の乾燥効率が高 なる。そのため、旋回流の観点からは、吹 込み角度αを0°に設定することが好ましい

 他方、同じ乾燥機を用いて、回分方式で 乾燥を繰り返し行うと、バッチ数が10回を える前後から、撹拌槽1の内壁面に着色樹脂 子の融着が生じる場合がある。具体的に、 6に示すように、吹き込み角度αを0°に設定 て、撹拌槽の内周面の接線方向に加熱ガス 吹き込むと、連続運転したときにヒートス ット20が生じやすい。その理由は、吹き込 だ加熱ガスが、撹拌槽の内周面の特定部分 ダイレクトに当たり続けるため、その部分 熱が蓄積してヒートスポットが生じるため ある。ヒートスポットに着色樹脂粒子が接 すると、ヒートスポットの熱によって着色 脂粒子が撹拌槽の内壁面に融着したり、着 樹脂粒子同士が融着したりする。

 着色樹脂粒子が撹拌槽の内壁面に熱融着 たり、着色樹脂粒子同士が熱融着したりす と、乾燥機のメンテナンスが煩雑となる上 融着物の混入や着色樹脂粒子の熱劣化によ て、トナー特性が低下するおそれが生じる

 図7には、吹き込み角度αが45°の場合を示 すが、この場合も、撹拌機1の内周面にヒー スポット20が発生しやすい。そこで、本発明 では、吹き込み角度αを0~30°の範囲内に設定 る。

 吹き込み角度αが0°から3°未満の場合、 ス導入口に連通するガス導入ラインの主軸 撹拌槽の内周面の実質的に接線方向となる め、吹き込んだ加熱ガスによって旋回流が じやすく、それによって、乾燥効率が良好 なるが、その反面、連続運転時にヒートス ットが生じやすい。他方、吹き込み角度αを 大きくすると、撹拌機内での気流の乱れが大 きくなり、湿潤着色樹脂粒子の分散や混合が 不十分となり、乾燥効率が低下する。

 旋回流による乾燥効率とヒートスポット 発生防止とをバランスさせる上で、吹き込 角度αを3~30°の範囲内に設定することが好 しい。この吹き込み角度αは、より好ましく は5~25°、さらに好ましくは6~20°、特に好まし くは7~15°である。吹き込み角度αを上記範囲 に設定することにより、撹拌槽内での旋回 と乱流とをバランスさせ、乾燥効率を低下 せることなく、ヒートスポットの発生を抑 することができる。したがって、同じ乾燥 を用いた連続運転を安定して実施すること できる。

 ガス導入口6は、その撹拌槽1側の開口部 弁体で開閉可能に構成することができる。 の弁体は、その閉弁姿勢において、弁体の 端面が撹拌槽1の周面とほぼ面一となるよう 形成してある。

 回転式撹拌装置は、軸心方向に複数のチ ッパー羽根10,10,10・・・を配置したチョッ ー軸9を、その両端部で撹拌槽1の内壁面に回 転可能に枢支して、撹拌槽1内の撹拌翼3の上 に配置した構造を有するものであることが ましい。乾燥工程において、電動モーター1 1によりチョッパー軸9を回転させ、それに伴 て回転するチョッパー羽根10,10,10・・・に り、湿潤着色樹脂粒子の凝集物を解砕しな ら乾燥を行うことができる。すなわち、流 層を形成する湿潤着色樹脂粒子は、撹拌翼3 中央付近に集まって凝集する傾向を示すが チョッパー羽根10を用いて凝集物を解砕す ことにより、凝集物の生成を防ぎ、かつ、 燥効率を高めることができる。

 より具体的に、チョッパー羽根10は撹拌 1の底部で回転する撹拌翼3とは干渉すること のない状態に配置されていて、撹拌翼3の回 による反転流とチョッパー羽根10の回転によ る跳ね上げ動作とで、湿潤着色樹脂粒子を複 雑な流れの流動層として形成するとともに、 撹拌翼3の回転に伴う遠心力の影響を受けに い撹拌翼中心寄り部分で塊状となりやすい 潤着色樹脂粒子を確実に解砕ができるよう している。

 加熱ガス及び湿潤着色樹脂粒子から揮散 た水分を含む混合ガスは、ガス排出口7から ガス排出ライン8を経て撹拌槽1外に排出され 。その際、混合ガスの流れに乗って着色樹 粒子が外部に排出されないように、撹拌槽1 内の上方部には、サイクロンまたはバグフィ ルター12,12,12・・・を配置して、着色樹脂粒 が撹拌槽1内に滞留するように構成すること ができる。

 乾燥工程では、(a)撹拌槽、回転駆動軸及 撹拌翼を有し、撹拌槽の底壁を貫通する回 駆動軸に固定した撹拌翼を該撹拌槽の底部 配置し、かつ、該撹拌槽の下部に少なくと 1つのガス導入口を、該撹拌槽の上部に少な くとも1つのガス排出口をそれぞれ配置した 造を持つ回転翼式撹拌装置の中に、湿潤着 樹脂粒子を投入し、(b)該ガス導入口から加 ガスを供給しながら、該撹拌槽内で該湿潤 色樹脂粒子を該撹拌翼(回転翼)によって撹拌 して、該湿潤着色樹脂粒子の流動層を形成す るとともに、供給した加熱ガスと該湿潤着色 樹脂粒子から揮散した水分を含む混合ガスを 該ガス排出口から外部に排出する方法により 、該湿潤着色樹脂粒子の乾燥を行う。

 その際、該ガス導入口に連通するガス導 ラインの主軸を該撹拌槽の内周面の接線方 に対して0~30°の範囲内の角度に設定して、 ガス導入ラインの主軸方向に沿って該ガス 入口から加熱ガスを該撹拌槽内に吹き込む 法により、該ガス導入口からの加熱ガスの 給を行う。この点については、前記したと りである。さらに、本発明では、該ガス排 口から排出される混合ガスの温度が20~60℃ 範囲内となるように乾燥条件を制御する。

 回転翼式撹拌乾燥機では、撹拌槽1内に投 入口17から湿潤着色樹脂粒子を一括して投入 、回分方式で乾燥処理を行う。駆動用電動 ーター4を駆動させると、動力伝達機構5を して、回転駆動軸2が回転し、それに伴って 撹拌翼3が回転する。湿潤着色樹脂粒子は、 撹拌翼3の回転によって、半径方向に移動さ るとともに、翼片での掬い上げ面18で跳ね上 げられ、半径方向での反転運動を繰り返すこ とになる。この反転運動を繰り返している湿 潤着色樹脂粒子に対して、撹拌槽1の周壁面 設けたガス導入口6から、加熱ガスが旋回流 して吹き込まれ、湿潤着色樹脂粒子が微細 されるとともに、乾燥されることになる。 2に、撹拌翼3の回転方向14を示す。

 加熱ガスの導入速度が遅すぎると、撹拌翼3 の回転によって湿潤着色樹脂粒子が撹拌槽1 の周壁面に押し付けられて、ガス導入口6内 進入する。加熱ガスの導入速度が速すぎる 、湿潤着色樹脂粒子が加熱ガスの流れに巻 込まれないため、安定的な運転が損なわれ 。加熱ガスの流量(「熱風量」ともいう)は 好ましくは1~10m 3 /hr、より好ましくは2~8m 3 /hr、特に好ましくは2~5m 3 /hrである。湿潤着色樹脂粒子の乾燥重量を基 準とする加熱ガスの流量は、好ましくは0.4~4m 3 /dry・kg・hr、より好ましくは0.8~3.4m 3 /dry・kg・hr、さらに好ましくは1~2.5m 3 /dry・kg・hrである。

 加熱ガスとしては、窒素ガス、空気、窒 以外の不活性ガスなどが挙げられるが、こ らの中でも、安価で不活性であることから 窒素ガスが好ましい。加熱ガスは、ブロワ を用いて撹拌槽内に導入する。窒素ガスな の不活性ガスは、ガス排出口から排出され 混合ガスから回収して再使用することがで る。ガス排出口から排出される気体は、導 した加熱ガスとともに、湿潤着色樹脂粒子 ら揮散した水分が含まれた混合ガスである 加熱ガスとして窒素ガスなどの不活性ガス 用いた場合には、排出した混合ガスを凝縮 に通して、水分を凝縮させて除去し、窒素 スなどの不活性ガスを分離する。

 加熱ガスの温度は、ガス導入口に配置し 温度センサーにより測定したとき、着色樹 粒子を構成する結着樹脂成分のガラス転移 度(Tg)より20℃低い温度(Tg-20℃)から該ガラス 転移温度より50℃高い温度(Tg+50℃)までの範囲 内の温度とすることが好ましい。加熱ガスの 温度は、より好ましくは(Tg-15℃)~(Tg+40℃)、さ らに好ましくは(Tg-10℃)~(Tg+30℃)の範囲内であ る。加熱ガスの温度が高すぎると、回転翼式 撹拌装置の内壁への着色樹脂粒子の融着が生 じやすくなったり、着色樹脂粒子同士の熱融 着や凝集が生じやすくなったりする。加熱ガ スの温度が低すぎると、乾燥効率が低下し、 かつ、ガス排出口の温度を所定の範囲内に制 御することが困難になる。

 乾燥効率を高めるには、ガス導入口から 色樹脂粒子を構成する結着樹脂成分のガラ 転移温度以上の温度から該ガラス転移温度 り50℃高い温度までの範囲内の温度に加熱 た加熱ガスを導入して乾燥を開始し、ガス 出口から排出される混合ガスの相対湿度が40 ~80%に達した時点で、ガス導入口から導入す 加熱ガスの温度を、該ガラス転移温度より20 ℃低い温度から該ガラス転移温度までの範囲 内の温度に低下させて乾燥を継続する方法を 採用することが好ましい。

 より具体的に、ガス導入口から、好まし はTg~(Tg+50℃)、より好ましくは(Tg+5℃)~(Tg+40 )、さらに好ましくは(Tg+10℃)~(Tg+30℃)の範囲 に調整した加熱ガスを導入して乾燥を開始 る。乾燥が進行するに従って、湿潤着色樹 粒子から揮散する水分が加熱ガスとともに ス排出口から外部に排出されるため、ガス 出口から排出される混合ガスの相対湿度が 下していく。ガス排出口に配置した湿度セ サーによって排出する混合ガスの相対湿度 測定し、相対湿度が好ましくは40~80%、より ましくは45~75%、さらに好ましくは50~70%に達 た時点で、ガス導入口から導入する加熱ガ の温度を、Tgより20℃低い温度(好ましくはTg -10℃)から該ガラス転移温度までの範囲内の 度に低下させて乾燥を継続する。

 このように加熱ガスの温度を制御する方 を採用すれば、水分量が多い状態の湿潤着 樹脂粒子の加熱乾燥温度を高めて乾燥速度 速めることができる上、水分量が低下する 従って加熱ガス温度を低下させることによ 、着色樹脂粒子の融着や凝集を防ぐことが きる。つまり、乾燥の初期には、加熱ガス 温度を高めても、水分の蒸発による気化熱 よって着色樹脂粒子自体の温度はそれほど 昇することがないため、融着や凝集を引き こすことがない。

 ジャケットを用いる場合には、ジャケッ 内に通す媒体(例えば、温水)の温度(ジャケ ト温度)を好ましくは30~60℃、より好ましく 35~55℃、さらに好ましくは40~50℃に制御する 。ジャケットにより撹拌槽を加熱することに よって、乾燥効率を高めることができる。

 撹拌翼の回転数は、好ましくは50~300rpm、 り好ましくは60~200rpm、さらに好ましくは80~1 50rpmである。撹拌翼の先端速度は、好ましく 0.3~5m/s、より好ましくは0.5~3m/s、さらに好ま しくは0.8~2.5m/sである。

 チョッパー羽根を用いる場合、その回転 は、好ましくは300~3,000rpm、より好ましくは4 00~2,000rpm、さらに好ましくは500~1,500rpmである チョッパー羽根の先端速度は、好ましくは0 .5~10m/s、より好ましくは1~8m/s、さらに好まし は2~5m/sである。

 ガス排出口で排出される混合ガスの温度 、ガス排出口に配置した温度センサーによ 測定したとき、20~60℃とする。この温度は 好ましくは20~55℃、さらに好ましくは20~50℃ あり、多くの場合、23~40℃程度の温度で良 な結果を得ることができる。ガス排出口か 排出される混合ガスの温度が高すぎると、 色樹脂粒子の融着や凝集が生じやすくなり 低すぎると、乾燥効率が低下する。

 乾燥工程を、高温条件下に連続式で行う 、着色樹脂粒子の乾燥機内壁への融着や着 樹脂粒子同士の融着が生じやすくなり、乾 機のメンテナンスが煩雑となる上、融着物 凝集物の混入、着色樹脂粒子の熱劣化など よるトナー特性の低下が生じやすくなる。 続式での乾燥方法を採用すると、一部の着 樹脂粒子が乾燥機内で長時間滞留する傾向 あり、融着や凝集、熱劣化が生じやすくな 。

 他方、乾燥工程を、例えば、真空乾燥の うに回分方式で行ったり、低温条件下で行 たりすると、乾燥時間が著しく長時間とな て生産効率が低下する。回分方式により高 条件下で乾燥する方法を採用すると、着色 脂粒子の融着や凝集が著しくなる。

 これに対して、本発明の製造方法では、 分方式を採用しているにもかかわらず、特 の乾燥方法を採用し、かつ、乾燥条件を制 することにより、着色樹脂粒子の融着や凝 を防ぎつつ、迅速に乾燥させることができ 優れたトナー特性を示す着色樹脂粒子を高 率で回収することができる。

6.外添工程
 乾燥した着色樹脂粒子は、各種現像剤のト ー成分として使用することができるが、流 性を高めたり、研磨性を付与したりするた に、外添剤を混合して、該着色樹脂粒子の 面に付着させる。特に、着色樹脂粒子を非 性一成分現像剤として使用するには、流動 剤や研磨剤などとして作用する無機粒子や 機樹脂粒子を外添することが好ましい。

 無機粒子としては、例えば、二酸化ケイ (シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸 化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、チタン酸バリ ウム、チタン酸ストロンチウムなどが挙げら れる。有機樹脂粒子としては、メタクリル酸 エステル重合体粒子、アクリル酸エステル重 合体粒子、スチレン-メタクリル酸エステル 重合体粒子、スチレン-アクリル酸エステル 重合体粒子、コアがスチレン重合体でシェ がメタクリル酸エステル共重合体で形成さ たコア-シェル型粒子などが挙げられる。

 これらの中でも、無機酸化物粒子が好ま く、二酸化ケイ素(シリカ)粒子が特に好ま い。無機微粒子表面を疎水化処理すること でき、疎水化処理された二酸化ケイ素粒子 特に好適である。外添剤は、2種以上を組み わせて用いてもよく、外添剤を組み合わせ 用いる場合には、平均粒子径の異なる無機 子同士または無機粒子と有機樹脂粒子とを み合わせる方法が好適である。外添剤の量 、特に限定されないが、着色樹脂粒子100重 部に対して、通常0.1~6重量部である。

 一般に、外添剤を着色樹脂粒子に付着さ るには、着色樹脂粒子と外添剤とをヘンシ ルミキサーなどの高速回転する撹拌翼を備 た混合機に入れて撹拌する方法が採用され いる。しかし、この方法では、乾燥工程後 、乾燥した着色樹脂粒子を他の混合機また 撹拌装置に移送して、外添剤と混合する必 があるため、操作が煩雑である。

 他方、乾燥工程で用いられている遊星運 型混合乾燥機〔神鋼パンテック社製、商品 :SVミキサー(登録商標)〕などの混合機を用 て、乾燥工程後に同じ混合機内で着色樹脂 子と外添剤とを混合すると、着色樹脂粒子 表面に均一かつ十分な量の外添剤を付着さ ることができないため、初期帯電量などの ナー特性が不満足なトナーしか得ることが きない。

 本発明では、乾燥工程で用いたのと同じ 転翼式撹拌装置内で、乾燥工程に引き続い 外添剤を混合する外添工程を行う。該回転 式撹拌装置内で乾燥着色樹脂粒子と外添剤 を均一に混合するには、撹拌翼の先端速度 大きくすることが好ましい。撹拌翼の先端 度は、好ましくは10~80m/s、より好ましくは15 ~60m/sの範囲内である。

 チョッパー羽根を用いる場合、その回転 は、好ましくは300~3,000rpm、より好ましくは4 00~2,000rpm、さらに好ましくは500~1,500rpmである チョッパー羽根の先端速度は、好ましくは0 .5~10m/s、より好ましくは1~8m/s、さらに好まし は2~5m/sである。

 撹拌翼の先端速度を大きくし、かつ、チ ッパー羽根を用いて混合を促進することに り、外添工程での処理時間を通常5~30分間、 好ましくは8~20分間程度にまで短縮すること 可能である。

 外添工程での撹拌装置内の温度は、通常 5℃以上、着色樹脂粒子を構成する結着樹脂 成分のガラス転移温度(Tg)未満の範囲内の温 であり、好ましくは10℃以上、Tg-5℃未満の 囲内の温度である。上記範囲より高い温度 外添を行うと、トナーの凝集が起こり易く 逆に、上記範囲内より低い温度で外添を行 と、結露が生じて、外添が均一に行われな ことがある。乾燥工程後、直ちに同じ回転 式撹拌装置内で外添工程を実施する場合、 燥工程で加熱された着色樹脂粒子は、結着 脂成分のTgに近い温度となっている。外添工 程でジャケットを用いる場合には、ジャケッ ト内に通す媒体(例えば、冷水)の温度(ジャケ ット温度)を好ましくは5~50℃の範囲内に制御 ることが好ましい。

 以下、実施例及び比較例を挙げて、本発 をより具体的に説明するが、本発明は、こ らの実施例のみに限定されるものではない 以下の実施例及び比較例において、「部」 び「%」は、特に断りのない限り、重量基準 である。物性及び特性の測定法または評価法 は、次のとおりである。

(1)体積平均粒径の測定法:
 着色重合体粒子の体積平均粒径(dv)は、粒径 測定器(ベックマンコールター社製、商品名: ルチサイザー)により測定した。このマルチ サイザーによる測定は、アパーチャー径100μm 、媒体イソトン、濃度10%、及び測定粒子個数 100,000個の条件で行った。粒径20μm以上の着色 樹脂粒子の体積%も、マルチサイザーにより 定した。

(2)ガラス転移温度の測定法:
 着色樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)の測定は 、次の方法によって行った。乾燥によって得 られた着色樹脂粒子を約10mg精秤し、示差走 熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジー社 、商品名:DSC6220)を用い、ASTM D 3418-97に従っ て、精秤した測定試料をアルミニウムパン中 に入れ、リファレンスとして空のアルミニウ ムパンを用い、測定温度範囲0~150℃の間で、 温速度10℃/分の条件下で、着色樹脂粒子の ラス転移温度を測定した。

(3)水分量の測定法:
 乾燥前、乾燥中、及び乾燥後の着色樹脂粒 の水分量測定は、次の手順により行った。 ず、アルミニウム皿の重量(Ag)を計量し、該 アルミニウム皿上に未乾燥の着色樹脂粒子を 採取し、アルミニウム皿と未乾燥着色樹脂粒 子との総重量(Bg)を計量した。該アルミニウ 皿を乾燥機内に入れて、未乾燥着色樹脂粒 を105℃で3時間乾燥した。その後、アルミニ ム皿と乾燥した着色樹脂粒子との総重量(Cg) を測定した。

 下記式1に従って、着色樹脂粒子中に含まれ る水分量を濃度(重量%)で表した。この測定方 法おいて、水分量が0.1重量%以下の測定値と った場合は、測定誤差が大きくなるので、 0.1%以下」(≦0.1%)と表記することとする。
  水分量=〔(B-C)/(B-A)〕×100・・・(1)

(4)帯電量の測定法:
 温度23℃、相対湿度50%の環境下で、非磁性 成分現像方式のプリンター(1分間の印字枚数 4枚)に現像剤を入れ、一昼夜放置後、ハーフ ーンの印字パターンを5枚印字し、その後、 現像ローラ上の現像剤を吸引式帯電量測定装 置に吸引し、帯電量と吸引量から、単位重量 あたりの帯電量(μC/g)を測定した。

(5)印字耐久性の試験法:
 市販の非磁性一成分現像方式プリンターの リンターを用い、印字用紙をセットし、現 装置に現像剤を入れた。温度23℃及び相対 度50%の常温常湿環境下で24時間放置した後、 同環境下にて、5%印字濃度で連続印字を行っ 。500枚毎にベタ印字(印字濃度100%)を行い、 射式画像濃度計(マクベス社製、商品名:RD918 )でそのベタ印字部の印字濃度を測定した。 の後、白ベタ印字(印字濃度0%)を行い、白ベ 印字の途中でプリンターを停止させて、現 後の感光体(有機感光体)上にある非画像部 現像剤を粘着テープ(住友スリーエム社製、 品名:スコッチメンディングテープ810-3-18)に 付着させ、それを印字用紙に貼り付けた。

 次に、その粘着テープを貼り付けた印字 紙の白色度Bを白色度計(日本電色社製)で測 し、同様にして、未使用の粘着テープだけ 印字用紙に貼り付け、その白色度Aを測定し た。白色度の差(B-A)をカブリ値(%)とした。こ 値が小さい方が、かぶりが少なく良好であ ことを示す。印字濃度が1.3以上で、かつ、 ブリ値が3%以下の画質を維持できる連続印 枚数を調べ、その枚数を耐久印字枚数とし 。

[実施例1]
1.コア用重合性単量体組成物
 スチレン80.5部及びn-ブチルアクリレート19.5 部からなるコア用重合性単量体(これらの単 体を共重合して得られた共重合体の計算Tg=55 ℃)、ポリメタクリル酸エステルマクロモノ ー(東亜合成化学工業社製、商品名「AA6」、T g=94℃)0.3部、ジビニルベンゼン0.5部、t-ドデ ルメルカプタン1.2部、並びにカーボンブラ ク(三菱化学社製、商品名「#25B」)7部を、メ ィア型湿式粉砕機を用いて湿式粉砕した。 いで、湿式粉砕後の単量体混合物に、帯電 御樹脂(藤倉化成社製、商品名「アクリベー ス FCA-207P」)1部とエステルワックス(日油社 、商品名「WEP-7」)5部を添加し、混合し、溶 させて、コア用重合性単量体組成物を得た

2.水酸化マグネシウムコロイド分散液
 イオン交換水250部に塩化マグネシウム10.2部 を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水 化ナトリウム6.2部を溶解した水溶液を撹拌 で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコ イドの分散液を調製した。

3.シェル用重合性単量体
 メチルメタクリレート(重合体のTg=105℃)2部 水65部を超音波乳化機にて微分散化処理し 、シェル用重合性単量体の水分散液を得た

4.液滴の形成
 撹拌槽内に、上記で調製した水酸化マグネ ウムコロイド分散液(コロイド量4.0部)を投 した後、コア用重合性単量体組成物を投入 た。次いで、撹拌することにより、該分散 中にコア用重合性単量体組成物を液滴とし 分散させた。該コア用重合性単量体組成物 液滴が安定するまで撹拌した後、該分散液 にt-ブチルパーオキシ-イソブチレート(日油 製、商品名「パーブチルIB」)6部を添加した 。撹拌槽内の分散液を、15,000rpmで回転する回 転子を備えた高剪断力撹拌装置〔荏原製作所 製「エバラマイルダーMDN303V」(登録商標)〕中 を通過させ、通過させた分散液を元の撹拌槽 内に戻して循環させる方法により、コア用重 合性単量体組成物の液滴を形成した。

5.重合工程
 コア用単量体組成物の液滴が分散した分散 を、撹拌翼を装着した反応器に入れ、85℃ 重合反応を開始した。重合転化率がほぼ100% 達した後、反応器内に、前記シェル用重合 単量体の水分散液に水溶性開始剤[和光純薬 社製、商品名「VA-086」;2,2″-アゾビス〔2-メ ル-N-(2-ハイドロキシエチル)-プロピオンアミ ド〕]0.3部を溶解した水分散液を添加した。4 間重合を継続した後、反応を停止し、コア- シェル型着色重合体粒子を含有する水分散液 を得た。

6.洗浄工程
 上記で得られた着色重合体粒子の水分散液 撹拌しながら、硫酸を添加して水分散液のp Hを4~5に調整し、25℃で10分間、酸洗浄を行っ 。この水分散液を濾過脱水し、ウェットケ キを得た。得られたウェットケーキに、イ ン交換水200部を添加し、30分間以上撹拌し 、水分散液とした。この工程をリスラリー 程と呼ぶ。該リスラリー工程をもう一度繰 返した後、得られた水分散液を濾過脱水し ウェットケーキを得た。得られたウェット ーキ(湿潤着色重合体粒子)の水分量は、20.5% あった。

7.乾燥工程
 上記で得られた湿潤着色重合体粒子3kgを、 転翼式撹拌乾燥機〔深江パウテック社製、 イナミックドライヤー(登録商標)DD-10型〕に 投入し、回分方式で2時間乾燥した。ジャケ ト温度を47℃、撹拌翼(回転翼)の回転数を120r pm(先端速度1.9m/sec)、チョッパー羽根の回転数 を1000rpm(先端速度3.6m/sec)に、それぞれ調整し 。該回転翼式乾燥機内に、加熱窒素ガスを ブロワーの回転数を1,500rpm(熱風量3.2m 3 /hr)に調整して導入し、2時間乾燥を行った。

 図2に示すように、ガス導入口6,6″とそれ に連通するガス導入ライン13,13″の2セットを 、2つのガス導入口6,6″がほぼ対向するよう 撹拌槽1に配置した。各吹き込み角度αは、0 (撹拌機の内周面に対して接線方向)に設定し た。

 この乾燥工程において、15分毎に着色重 体粒子をサンプリングし、その中の水分量 測定した。該回転翼式撹拌乾燥機のガス排 口から排出される混合ガスの相対湿度につ ても、同時にモニタリングを実施した。乾 条件と結果の詳細を表1に示す。

8.現像剤(トナー)
 得られた乾燥着色重合体粒子100部に、環状 ラザンで疎水化処理した一次粒子の個数平 粒径が7nmのシリカ微粒子(キャボット社製、 製品名「TG820F」)0.5部と、アミノ変性シリコ ンオイルで疎水化処理したシリカ微粒子(日 アエロジル社製、製品名「NEA50」)1.5部を添 し、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、 磁性一成分現像剤(以下、「トナー」と呼ぶ )を得た。得られたトナーを用いて、トナー 性の試験を行った。結果を表1に示す。

[実施例2]
 実施例1の乾燥工程において、乾燥条件を表 1に示すとおりに変更したこと以外は、実施 1と同様にして乾燥工程を行い、非磁性一成 現像剤(トナー)を得た。乾燥工程の開始時 は、ガス導入口から導入する加熱窒素ガス 温度を70℃とし、乾燥中、モニタリングした 排出混合ガスの相対湿度が65%になった時点で 、ガス導入口から導入する加熱窒素ガスの温 度を50℃に下げた。ガス排出口の温度は、30 となるように、熱風量(ブロワーの回転数)を 制御した。乾燥条件及び結果を表1に示す。

[実施例3]
 実施例1の乾燥工程において、乾燥条件を表 1に示すとおりに変更したこと以外は、実施 1と同様にして乾燥工程を行い、非磁性一成 現像剤(トナー)を得た。乾燥工程の開始時 は、ガス導入口から導入する加熱窒素ガス 温度を80℃とし、乾燥中、モニタリングした 排出混合ガスの相対湿度が65%になった時点で 、ガス導入口から導入する加熱窒素ガスの温 度を50℃に下げた。ガス排出口の温度は、35 となるように、熱風量(ブロワーの回転数)を 制御した。乾燥条件及び結果を表1に示す。

[実施例4]
 実施例1の乾燥工程において、乾燥条件を表 1に示すとおりに変更したこと以外は、実施 1と同様にして乾燥工程を行い、非磁性一成 現像剤(トナー)を得た。乾燥工程の開始時 は、ガス導入口から導入する加熱窒素ガス 温度を70℃とし、乾燥中、モニタリングした 排出混合ガスの相対湿度が65%になった時点で 、ガス導入口から導入する加熱窒素ガスの温 度を50℃に下げた。ガス排出口の温度は、25 となるように、熱風量(ブロワーの回転数)を 制御した。乾燥条件及び結果を表1に示す。

[実施例5]
 各吹き込み角度αが10°となるように、各ガ 導入口とそれに連通するガス導入ラインを 計したこと以外は、実施例3と同様にして乾 燥工程を行った。結果を表1に示す。

[比較例1]
 実施例1の乾燥工程において、回転翼式撹拌 乾燥機〔深江パウテック社製、ハイスピード ミキサーDMR-1〕を用いて真空乾燥を行った。 空乾燥は、真空度4~5kPaの条件で行った。結 を表1に示す。

[比較例2]
 実施例1において、回転翼式撹拌乾燥機を撹 拌流動層乾燥機(ホソカワミクロン社製、ド イマイスター)に変更し、表1に示すガス導入 口温度とガス排出口温度に調整して、連続乾 燥を行った。湿潤着色重合体粒子の供給量を 16kg/hr、撹拌ローターの先端速度を10m/sec、熱 の風速を2.4m/secに制御した。結果を表1に示 。

(脚注)
A:回転翼式撹拌乾燥機
B:撹拌流動層乾燥機

[考察]
 真空乾燥を行った場合(比較例1)には、乾燥 率が悪く、120分間の乾燥時間でも十分に乾 しないため、トナー特性の測定ができなか た。加熱ガス温度と排出混合ガス温度を高 すると(比較例2)、乾燥機内壁への着色樹脂 子の融着が観察され、かつ、同一条件下で ナー特性を測定したとき、初期帯電量が低 し、印字耐久性も低下する。

 これに対して、本発明の方法により乾燥 ると、45~60分間の乾燥によって、水分量が0. 1重量%以下にまで低減し、優れた乾燥効率を すとともに、乾燥機内壁への融着や着色樹 粒子同士の融着、熱劣化を防ぐことができ 。その結果、初期帯電量が高く、印字耐久 に優れたトナーを得ることができる。

 さらに、加熱ガスの吹き込み角度αを0°( 拌機の内周面に対して接線方向)に設定した 場合(実施例1~4)に比べて、10°に設定した場合 (実施例5)には、同じ処方での10バッチの連続 転後にも撹拌槽の内周面への着色樹脂粒子 融着がなく、連続運転安定性が著しく向上 ることが分かる。吹き込み角度αを5°、15° 25°、及び30°にそれぞれ変化させた場合で っても、実施例5と同様の結果が得られる。

 図3に、実施例1~5と比較例1における乾燥 間と水分量との関係をグラフとして示す。

[実施例6]
1.コア用重合性単量体組成物
 モノビニル単量体としてスチレン75部及びn- ブチルアクリレート25部、シアン着色剤とし 銅フタロシアニン(大日精化工業株式会社製 、商品名:クロモファインブルー6352)5部、帯 制御樹脂(スチレン/アクリル樹脂、藤倉化成 社製、商品名:FCA-161P)1部、並びに離型剤とし エステルワックス(日油社製、商品名:WEP-7)5 を撹拌・混合して、コア用重合性単量体組 物を調製した。

2.水酸化マグネシウムコロイド分散液
 イオン交換水200部に塩化マグネシウム11.0部 を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水 化ナトリウム6.2部を溶解した水溶液を、撹 下で徐々に添加して、水酸化マグネシウム ロイド(難水溶性の金属水酸化物コロイド) 分散液を調製した。

3.液滴の形成
 撹拌槽内に、前記水酸化マグネシウムコロ ド分散液を投入した後、前記コア用重合性 量体組成物を投入した。次いで、撹拌する とにより、該分散液中にコア用重合性単量 組成物を液滴(一次液滴)として分散させた 該コア用重合性単量体組成物の液滴が安定 るまで撹拌した後、該分散液中に、重合開 剤としてt-ブチルパーオキシ-2-エチルブタノ エート(アクゾノーベル社製、商品名:Torigonox 27)5部、分子量調整剤としてテトラエチルチ ラムジスルフィド1部、及び架橋剤としてジ ビニルベンゼン0.4部を添加後、インライン型 乳化分散機(太平洋機工社製、商品名:キャビ ロン)を用いて、15,000rpmの回転数で1分間高 断撹拌して、コア用重合性単量体組成物の 滴(二次液滴)を形成した。コア用重合性単量 体組成物の液滴形成後、ピロガロール(和光 薬工業株式会社製)0.1部を添加し、さらに撹 した。

4.重合工程
 コア用単量体組成物の液滴が分散した分散 を、撹拌翼を装着した反応器内に投入し、9 0℃に昇温して重合反応を開始した。重合転 率が95%に達したときに、反応器内に、シェ 用重合性単量体としてメチルメタクリレー (重合体のTg=105℃)2.1部と、イオン交換水20部 溶解したシェル用重合開始剤である2,2″-ア ゾビス〔2-メチル-N-(2-ハイドロキシエチル)- ロピオンアミド〕(和光純薬社製、商品名:VA- 086)0.21部を添加し、90℃で3時間反応を継続し 。しかる後、反応を停止し、コア-シェル構 造を有する着色樹脂粒子(着色重合体粒子)の 分散液を得た。

5.洗浄工程
 上記で得られた着色樹脂粒子の水分散液を 拌しながら、硫酸を添加して水分散液のpH 4~5に調整し、25℃で10分間、酸洗浄を行った この水分散液を濾過・脱水し、ウェットケ キを得た。得られたウェットケーキに、イ ン交換水200部を添加し、30分間以上撹拌し 、水分散液とした。この工程をリスラリー 程と呼ぶ。該リスラリー工程をもう一度繰 返した後、得られた水分散液を濾過脱水し ウェットケーキを得た。得られたウェット ーキ(湿潤着色樹脂粒子)の水分量は、20.3%で った。

6.乾燥工程
 上記で得られた湿潤着色樹脂粒子2kgを、回 翼式撹拌乾燥機〔深江パウテック社製、ダ ナミックドライヤー(登録商標)DD-10型〕内に 投入し、以下の乾燥条件で回分方式により乾 燥した。

 ジャケット温度を47℃、回転翼の回転数を12 0rpm(先端速度1.9m/sec)、チョッパー羽根の回転 を1000rpm(先端速度3.6m/sec)に、それぞれ調整 た。該回転翼式乾燥機内に、加熱窒素ガス 、ブロワーの回転数を1,500rpm(熱風量3.2m 3 /hr)に調整して導入し、45分間乾燥を行った。 乾燥工程の開始時には、ガス導入口から導入 する加熱窒素ガスの温度を70℃とし、乾燥中 モニタリングした排出混合ガスの相対湿度 65%になった時点で、ガス導入口から導入す 加熱窒素ガスの温度を50℃に下げた。ガス 出口の温度は、30℃となるように、熱風量( ロワーの回転数)を制御した。

 回転翼式撹拌乾燥機〔深江パウテック社 、ダイナミックドライヤー(登録商標)DD-10型 〕の撹拌翼の形状は、各翼片の跳ね上げ部15 除去したものとし、かつ、各翼片の掬い上 面18の掬い上げ角度を、回転駆動軸2側の基 部では45°に設定し、撹拌槽の内壁面に近い 先端部では25°に設定し、基端部から先端部 向けて連続的に小さくなるような傾斜構造 したものである。

 ガス導入口6,6″に連通するガス導入ライ 13,13″の主軸を撹拌槽の内周面の接線方向 対して0°の角度に設定して、ガス導入ライ の主軸方向(撹拌槽の内周面の接線方向と同 方向)に沿ってガス導入口から加熱窒素ガス を撹拌槽内に吹き込んだ。この乾燥工程にお いて、サンプリングにより水分量を測定した ところ、45分間の乾燥後、着色樹脂粒子の水 量は、0.1重量%以下であった。着色樹脂粒子 のガラス転移温度は、52℃であった。

7.外添工程
 乾燥工程で用いたのと同じ回転翼式撹拌乾 機〔深江パウテック社製、ダイナミックド イヤー(登録商標)DD-10型〕内で、乾燥直後の 着色樹脂粒子100部に対して、環状シラザンで 疎水化処理した一次粒子の個数平均粒径が7nm のシリカ微粒子(キャボット社製、商品名:TG82 0F)0.5部と、アミノ変性シリコーンオイルで疎 水化処理したシリカ微粒子(日本アエロジル 製、商品名:NA50Y)1.0部を添加し、撹拌・混合 た。撹拌翼の先端速度20m/sec、チョッパー羽 の回転数1000rpm、ジャケット温度15℃で、15分 撹拌・混合した。このようにして、外添剤 して2種類のシリカ微粒子が表面に付着した 着色樹脂粒子(以下、「トナー」という)を得 。このトナーは、非磁性一成分現像剤とし 用いることが好ましい。結果を表2に示す。

[実施例7]
 外添工程において、撹拌翼の先端速度を20m/ secから35m/secに変更したこと以外は、実施例6 同様にしてトナーを得た。結果を表2に示す 。

[実施例8]
 外添工程において、撹拌翼の先端速度を20m/ secから55m/secに変更し、かつ、処理時間を15分 間から10分間に変更したこと以外は、実施例6 と同様にしてトナーを得た。結果を表2に示 。

[比較例3]
 乾燥工程において、実施例6で用いた回転翼 式撹拌乾燥機〔深江パウテック社製、ダイナ ミックドライヤー(登録商標)DD-10型〕に代え 、遊星運動型混合乾燥機〔神鋼パンテック 製、商品名:SVミキサー(登録商標)〕を用いて 、表2に示す条件で湿潤着色樹脂粒子の乾燥 行った。着色樹脂粒子は、実施例6と同じ方 で得られたものである。

 次いで、外添工程においても、乾燥工程 用いたのと同じ遊星運動型混合乾燥機(SVミ サー)内で、表2に示す条件で外添処理を行 た。外添剤としては、実施例6と同じ2種類の シリカ微粒子を同量使用した。乾燥工程と外 添工程で用いたSVミキサーは、逆円錐型の密 容器内で、自転及び公転するスクリュー翼( 撹拌翼)によって内容物に三次元運動を与え ことにより、混合と乾燥を行うことができ 装置である。SVミキサーには、ジャケットが 配置されており、それによって温度調整を行 うことができる。結果を表2に示す。

[比較例4]
 乾燥工程において、実施例6で用いた回転翼 式撹拌乾燥機〔深江パウテック社製、ダイナ ミックドライヤー(登録商標)DD-10型〕に代え 、遊星運動型混合乾燥機〔神鋼パンテック 製、商品名:SVミキサー(登録商標)〕を用いて 、表2に示す条件で湿潤着色樹脂粒子の乾燥 行った。着色樹脂粒子は、実施例6と同じ方 で得られたものである。

 次の外添工程では、乾燥した着色樹脂粒 をヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製 、商品名:三井ヘンシェルミキサ)内に移し、 2に示す条件で外添処理を行った。外添剤と しては、実施例6と同じ2種類のシリカ微粒子 同量使用した。ヘンシェルミキサーは、高 回転する羽根(撹拌翼)によって、強力な混 力を発揮するタイプの混合機である。結果 表2に示す。

(脚注)
A:回転翼式撹拌乾燥機〔深江パウテック社製 ダイナミックドライヤー(登録商標)DD-10型〕
B:遊星運動型混合乾燥機〔神鋼パンテック社 、商品名:SVミキサー(登録商標)〕
C:ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製、 商品名:三井ヘンシェルミキサ)

[考察]
 遊星運動型混合乾燥機(SVミキサー)を用いて 、乾燥工程と外添工程を実施した場合(比較 3)には、乾燥時間が長くなることに加えて、 得られるトナーの初期帯電量が低くなる。遊 星運動型混合乾燥機(SVミキサー)を用いて乾 工程を行い、次いで、乾燥した着色樹脂粒 をヘンシェルミキサー(三井ヘンシェルミキ )内に移動させて外添工程を行った場合(比 例4)には、乾燥時間が長くなることに加えて 、操作が煩雑となる。

 これに対して、回転翼式撹拌乾燥機(ダイ ナミックドライヤー)を用いて、乾燥工程と 添工程を実施した場合(実施例6~8)には、短時 間で効率的に乾燥できることに加えて、操作 が簡単であり、しかもトナー特性に優れたト ナーを得ることができる。本発明の方法によ れば、乾燥機の内壁面への着色樹脂粒子の融 着や着色樹脂粒子同士の融着、熱劣化を防ぐ ことができる。その結果、初期帯電量が高く 、印字耐久性に優れたトナーを得ることがで きる。

 本発明の製造方法により得られたトナー 、電子写真方式(静電記録方式を含む)によ 複写機、レーザービームプリンタ、ファク ミリなどの画像形成装置において、感光体 に形成した静電荷像の現像剤として利用す ことができる。




 
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