Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR PRODUCTION OF ADHESIVE LAYER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/096661
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for producing an adhesive layer, which comprises the step of irradiating a photopolymerizable acrylic adhesive composition layer provided between two films with active energy ray to cause the polymerization of the photopolymerizable acrylic adhesive composition layer, wherein a polymerization inhibition-preventing composition layer which can be cured in the air upon being irradiated with active energy ray is provided on the side of the photopolymerizable acrylic adhesive composition layer and is then polymerized. According to the method, the films can be re-used because of the structure of the adhesive layer. Further, the decrease in polymerization degree in the side part of the photopolymerizable acrylic adhesive composition layer during the photopolymerizatio or the decrease in cohesion strength in the side part of the finished adhesive layer can be prevented.

Inventors:
MAEDA KAZUHISA
HIROSE ISAO
NAGASAKI KUNIO
Application Number:
PCT/JP2008/051505
Publication Date:
August 14, 2008
Filing Date:
January 31, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
NITTO DENKO CORP (JP)
MAEDA KAZUHISA
HIROSE ISAO
NAGASAKI KUNIO
International Classes:
C09J7/00; B29C65/48; B32B27/00; C09J4/00; C09J133/06; C09J163/00; C09J171/00
Foreign References:
JP2002371249A2002-12-26
JPH11116905A1999-04-27
JPS5196050U1976-08-02
Other References:
See also references of EP 2110421A4
Attorney, Agent or Firm:
OGURI, Shohei et al. (7-13 Nishi-Shimbashi 1-chom, Minato-ku Tokyo 03, JP)
Download PDF:
Claims:
 2枚のフィルム間に設けられた光重合性アクリル系粘着剤組成物層に活性エネルギー線を照射し、該光重合性アクリル系粘着剤組成物層を重合させることを含み、前記光重合性アクリル系粘着剤組成物層側面に活性エネルギー線により空気中で硬化可能な重合阻害防止組成物層を設けて重合させる粘着剤層の製造方法。
 前記2枚のフィルム間の距離が、0.2mm以上である請求項1記載の粘着剤層の製造方法。
 前記重合阻害防止組成物が、光カチオン重合性組成物である請求項1又は2記載の粘着剤層の製造方法。
 前記光カチオン重合性組成物が、オキセタン化合物またはエポキシ化合物を含む
請求項3記載の粘着剤層の製造方法。
 前記重合阻害防止組成物が、光重合開始剤を全モノマー成分100重量部に対して1~10重量部含むラジカル重合性組成物である請求項1又は2記載の粘着剤層の製造方法。
 前記ラジカル重合性組成物が、さらに、多官能性モノマーを、全モノマー成分100重量部に対して0.2~10重量部含む請求項5記載の粘着剤層の製造方法。
 前記ラジカル重合性組成物が、さらにまた、チオール型モノマーを、全モノマー成分100重量部に対して0.1~1重量部含む請求項5又は6記載の粘着剤層の製造方法。
Description:
粘着剤層の製造方法

 本発明は、空気中の酸素による重合阻害 防止して、フィルムの再利用ができる粘着 層の製造方法に関する。

 一般に、アクリル系粘着剤(感圧性接着剤 )のベースポリマーであるアクリル系ポリマ は、(メタ)アクリル酸エステルを単量体主成 分とする単量体混合物(モノマー混合物)を溶 重合することにより調製されてきたが、有 溶剤の安全性や環境衛生上の制約から、最 では、エマルション重合や光重合が多く用 られつつある。

 中でも、エマルション重合を用いて調製 れたアクリル系粘着剤は、溶液重合を用い 調製されたアクリル系粘着剤と同等以上の 能を発現することができないことが問題と っている。一方、光重合を用いて調製され アクリル系粘着剤は、溶液重合を用いて調 されたアクリル系粘着剤と比べて同等以上 性能を発現できるため、有利である。

 (メタ)アクリル酸エステル単量体のラジ ル重合は酸素により重合阻害を受けるため 空気中では重合することが困難な場合があ 。そこで、窒素ガスなどの不活性ガス気流 で紫外線重合(UV重合)を行う方法が提唱され いる(特許文献1参照)。しかし、この方法で 、不活性ガス気流による光重合性組成物の 量体組成の変化により、得られた感圧接着 の表面と裏面とで粘着特性にバラツキが生 るという問題があった。

 また、別の方法として、(メタ)アクリル エステルを単量体主成分とする単量体混合 を塗工可能な粘度に調製した後、ポリエチ ンテレフタレート(PET)フィルムなどの光透過 性の基材に塗工した後、紫外線(UV光)を照射 ることにより、基材上に粘着剤層(感圧接着 層)を形成して、粘着テープ又はシート(以 、「テープ又はシート」を、単に「テープ あるいは「シート」と称する場合がある)を 造する方法が知られている(特許文献2参照) この方法によると、上述の方法のような不 合は生じないが、重合終了後に光透過性の ィルム(透明フィルム)は剥離しなければな ず、1回の利用で捨ててしまうのはコストが 大するという問題があった。このため、当 に、剥離したフィルムの再度の使用が考え れていた。

 ただ、フィルムに挟んでいても、前記単 体混合物層(粘着剤組成物層)の側面は空気 さらされることになり、前記単量体混合物 の厚みが薄い場合は問題とならないが、前 単量体混合物層の厚みが厚くなると空気中 酸素と接触する面積が増大するため、空気 の酸素による重合阻害によって光重合(光硬 )時に前記単量体混合物層の側面(側面部)の 合度が低下し、形成された粘着剤層側面の 集力が低くなり、フィルムを粘着剤層から がした際に、粘着剤層側面の一部分が剥が たフィルム上に残り、フィルムの再利用が きなくなるという問題があった。

特開平3-285975号公報

米国特許第4181752号公報

 従って、本発明の目的は、2枚のフィルム間 に設けられた光重合性アクリル系粘着剤組成 物層に活性エネルギー線を照射し該光重合性 アクリル系粘着剤組成物層を重合させて粘着 剤層を形成する粘着剤層の製造方法において 、フィルムの再利用ができる粘着剤層の製造 方法を提供することにある。
 本発明の他の目的は、さらに、2枚のフィル ム間に設けられた光重合性アクリル系粘着剤 組成物層に活性エネルギー線を照射し該光重 合性アクリル系粘着剤組成物層を重合させて 粘着剤層を形成する粘着剤層の製造方法にお いて、光重合時に光重合性アクリル系粘着剤 組成物層側面の重合度が低下し、形成された 粘着剤層側面で凝集力が低下することを防止 できる粘着剤層の製造方法を提供することに ある。

 本発明者らは上記課題を解決するために 意検討した結果、2枚のフィルム間に設けら れた光重合性アクリル系粘着剤組成物層に活 性エネルギー線を照射し該光重合性アクリル 系粘着剤組成物層を重合させて粘着剤層を形 成する粘着剤層の製造方法において、光重合 性アクリル系粘着剤組成物層側面と接する形 態で重合阻害防止組成物層を設けると、活性 エネルギー線を照射し該光重合性アクリル系 粘着剤組成物層を重合する際に生じる空気中 の酸素による重合阻害を防止できることを見 出し、本発明を完成させた。

 すなわち、本発明は、2枚のフィルム間に 設けられた光重合性アクリル系粘着剤組成物 層に活性エネルギー線を照射し、該光重合性 アクリル系粘着剤組成物層を重合させること を含み、前記光重合性アクリル系粘着剤組成 物層側面に活性エネルギー線により空気中で 硬化可能な重合阻害防止組成物層を設けて重 合させる粘着剤層の製造方法を提供する。

 前記2枚のフィルム間の距離は、0.2mm以上 あることが好ましい。

 前記重合阻害防止組成物は、光カチオン 合性組成物や、光重合開始剤を全モノマー 分100重量部に対して1~10重量部含むラジカル 重合性組成物であることが好ましい。

 前記光カチオン重合性組成物は、オキセ ン化合物またはエポキシ化合物を含むこと 好ましい。

 前記ラジカル重合性組成物は、さらに、 官能性モノマーを、全モノマー成分100重量 に対して0.2~10重量部含むことが好ましい。 記ラジカル重合性組成物は、さらにまた、 オール型モノマーを、全モノマー成分100重 部に対して0.1~1重量部含むことが好ましい

 本発明の粘着剤層の製造方法によれば、 記構成を有しているので、フィルムの再利 ができる。また、光重合時に光重合性アク ル系粘着剤組成物層側面の重合度が低下し 形成された粘着剤層側面で凝集力が低下す ことを防止できる。

図1は光重合性アクリル系粘着剤組成物 層シートの一例を示す概略断面図である。

符号の説明

1  重合阻害防止組成物層が設けられている 重合性アクリル系粘着剤組成物層シート
11 フィルム
12 光重合性アクリル系粘着剤組成物層
13 重合阻害防止組成物

[感圧接着剤層(粘着剤層)]
 本発明により作製される粘着剤層は、該粘 剤層自体を基材レス両面粘着シートとして いることができる。さらに、基材等の片面 は両面に該粘着剤層を設けることにより、 材付き粘着シートの粘着剤層として用いる とができる。

 本発明では、粘着剤層を構成する粘着剤と ては、アクリル系粘着剤を好適に用いるこ ができる。アクリル系粘着剤は、通常、ベ スポリマーとして、(メタ)アクリル酸エス ルをモノマー主成分とするアクリル系ポリ ーを含有している。(メタ)アクリル酸エステ ルとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエス ルを好適に用いることができる。このよう (メタ)アクリル酸アルキルエステルとして 、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ) クリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピ 、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)ア リル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチ 、(メタ)アクリル酸s-ブチル、(メタ)アクリ 酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メ タ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル 酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メ タ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2- チルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオク ル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリ 酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、( タ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、( タ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデ ル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ) クリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸 クタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、 (メタ)アクリル酸エイコシルなどの(メタ)ア リル酸C 1-20 アルキルエステル[好ましくは(メタ)アクリル 酸C 2-14 アルキルエステル、さらに好ましくは(メタ) クリル酸C 2-10 アルキルエステル]などが挙げられる。

 また、(メタ)アクリル酸アルキルエステ 以外の(メタ)アクリル酸エステルとしては、 例えば、シクロペンチル(メタ)アクリレート シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソ ルニル(メタ)アクリレート等の脂環式炭化水 素基を有する(メタ)アクリル酸エステルや、 ェニル(メタ)アクリレート等の芳香族炭化 素基を有する(メタ)アクリル酸エステルなど が挙げられる。

 このような(メタ)アクリル酸エステルは 独で又は2種以上を組み合わせて用いること できる。なお、(メタ)アクリル酸エステル 、アクリル系ポリマーのモノマー主成分と て用いられているので、(メタ)アクリル酸エ ステル[特に、(メタ)アクリル酸アルキルエス テル]の割合は、例えば、アクリル系ポリマ を調製するための全モノマー成分100重量部 対して60重量部以上(好ましくは、80重量部以 上)であることが重要である。

 前記アクリル系ポリマーでは、モノマー 分として、極性基含有モノマーや多官能性 ノマーなどの各種の共重合性モノマーが用 られていてもよい。モノマー成分として共 合性モノマーを用いることにより、例えば 接着力を向上させたり、粘着剤の凝集力を めたりすることができる。なお、共重合性 ノマーは単独で又は2種以上を組み合わせて 使用することができる。

 前記極性基含有モノマーとしては、例え 、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイ 酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン などのカルボキシル基含有モノマー又はそ 無水物(無水マレイン酸など);(メタ)アクリル 酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒド キシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキ ブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアル キルなどの水酸基含有モノマー;アクリルア ド、メタアクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ )アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリ アミド、N-メトキシメチル(メタ)アクリルア ミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミ などのアミド基含有モノマー;(メタ)アクリ 酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチル アミノエチル、(メタ)アクリル酸t-ブチルア ノエチルなどのアミノ基含有モノマー;(メタ )アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メ チルグリシジルなどのグリシジル基含有モノ マー;アクリロニトリルやメタクリロニトリ などのシアノ基含有モノマー;N-ビニル-2-ピ リドン、(メタ)アクリロイルモルホリンの他 、N-ビニルピリジン、N-ビニルピペリドン、N- ビニルピリミジン、N-ビニルピペラジン、N- ニルピラジン、N-ビニルピロール、N-ビニル ミダゾール、N-ビニルオキサゾール等の複 環含有ビニル系モノマーなどが挙げられる 極性基含有モノマーとしては、アクリル酸 のカルボキシル基含有モノマー又はその無 物が好適である。

 極性基含有モノマーの使用量としては、 クリル系粘着剤を調製するための全モノマ 成分100重量部に対して30重量部以下(例えば 1~30重量部)であり、好ましくは3~20重量部で る。極性基含有モノマーの使用量が、アク ル系粘着剤を調製するための全モノマー成 100重量部に対して30重量部を超えると、例 ば、アクリル系粘着剤の凝集力が高くなり ぎ、粘着剤の感圧接着性が低下するおそれ ある。なお、極性基含有モノマーの使用量 少なすぎると(例えば、アクリル系粘着剤を 製するための全モノマー成分100重量部に対 て1重量部未満であると)、例えば、アクリ 系粘着剤の凝集力が低下し、高いせん断力 得られないおそれがある。

 前記多官能性モノマーとしては、例えば ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、( リ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレー 、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アク リレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ) クリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ )アクリレート、ペンタエリスリトールトリ( タ)アクリレート、ジペンタエリスリトール ヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロール ロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメ ロールメタントリ(メタ)アクリレート、アリ ル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリ ート、ジビニルベンゼン、エポキシアクリ ート、ポリエステルアクリレート、ウレタ アクリレート、ブチルジ(メタ)アクリレート 、ヘキシルジ(メタ)アクリレートなどが挙げ れる。

 多官能性モノマーの使用量としては、ア リル系粘着剤を調製するための全モノマー 分100重量部に対して2重量部以下(例えば、0. 01~2重量部)であり、好ましくは0.02~1重量部で る。多官能性モノマーの使用量が、アクリ 系粘着剤を調製するための全モノマー成分1 00重量部に対して2重量部を超えると、例えば 、アクリル系粘着剤の凝集力が高くなりすぎ 、感圧接着性が低下するおそれがある。なお 、多官能性モノマーの使用量が少なすぎると (例えば、アクリル系粘着剤を調製するため 全モノマー成分100重量部に対して0.01重量部 満であると)、例えば、アクリル系粘着剤の 凝集力が低下する。

 また、極性基含有モノマーや多官能性モ マー以外の共重合性モノマーとしては、例 ば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなど ビニルエステル類;スチレン、ビニルトルエ ンなどの芳香族ビニル化合物;エチレン、ブ ジエン、イソプレン、イソブチレンなどの レフィン又はジエン類;ビニルアルキルエー ルなどのビニルエーテル類;塩化ビニル;(メ )アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリ 酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸 ルコキシアルキル系モノマー;ビニルスルホ 酸ナトリウムなどのスルホン酸基含有モノ ー;2-ヒドロキシエチルアクリロイルホスフ ートなどのリン酸基含有モノマー;シクロヘ キシルマレイミド、イソプロピルマレイミド などのイミド基含有モノマー;2-メタクリロイ ルオキシエチルイソシアネートなどのイソシ アネート基含有モノマー;フッ素原子含有(メ )アクリレート;ケイ素原子含有(メタ)アクリ レートなどが挙げられる。

 本発明では、粘着剤層は、アクリル系粘 剤中のベースポリマーを調製するためのモ マー成分及び光重合開始剤を少なくとも含 する光重合性アクリル系粘着剤組成物に、 性エネルギー線を照射して、該光重合性ア リル系粘着剤組成物を重合(硬化)させるこ によって形成される。

 前記光重合開始剤としては、特に制限さ ず、例えば、ベンゾインエーテル系光重合 始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α- トール系光重合開始剤、芳香族スルホニル ロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系 重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、 ンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系 重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、チ キサントン系光重合開始剤などを用いるこ ができる。

 具体的には、ベンゾインエーテル系光重 開始剤としては、例えば、ベンゾインメチ エーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベ ゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソ ロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエ テル、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン- 1-オン、アニソールメチルエーテルなどが挙 られる。アセトフェノン系光重合開始剤と ては、例えば、2,2-ジエトキシアセトフェノ ン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノ 、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト ン、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、4 -t-ブチル-ジクロロアセトフェノンなどが挙 られる。α-ケトール系光重合開始剤として 、例えば、2-メチル-2-ヒドロキシプロピオフ ェノン、1-[4-(2-ヒドロキシエチル)-フェニル]- 2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オンなどが げられる。芳香族スルホニルクロリド系光 合開始剤としては、例えば、2-ナフタレン ルホニルクロライドなどが挙げられる。光 性オキシム系光重合開始剤としては、例え 、1-フェニル-1,1-プロパンジオン-2-(o-エトキ カルボニル)-オキシムなどが挙げられる。

 また、ベンゾイン系光重合開始剤には、 えば、ベンゾインなどが含まれる。ベンジ 系光重合開始剤には、例えば、ベンジルな が含まれる。ベンゾフェノン系光重合開始 には、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイ 安息香酸、3,3´-ジメチル-4-メトキシベンゾ ェノン、ポリビニルベンゾフェノン、α-ヒ ロキシシクロヘキシルフェニルケトンなど 含まれる。ケタール系光重合開始剤には、 えば、ベンジルジメチルケタールなどが含 れる。チオキサントン系光重合開始剤には 例えば、チオキサントン、2-クロロチオキ ントン、2-メチルチオキサントン、2,4-ジメ ルチオキサントン、イソプロピルチオキサ トン、2,4-ジクロロチオキサントン、2,4-ジエ チルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチ キサントン、ドデシルチオキサントンなど 含まれる。

 光重合開始剤の使用量としては、特に制 されないが、例えば、光重合性アクリル系 着剤組成物中の全モノマー成分100重量部に して0.001~1重量部(好ましくは0.01~0.8重量部) 範囲から選択することができる。なお、光 合開始剤は単独で又は2種以上を組み合わせ 使用することができる。

 光重合開始剤の活性化に際しては、活性 ネルギー線を光重合性アクリル系粘着剤組 物に照射することが重要である。このよう 活性エネルギー線としては、例えば、α線 β線、γ線、中性子線、電子線などの電離性 射線や、紫外線などが挙げられ、特に、紫 線が好適である。また、活性エネルギー線 照射エネルギー、照射時間、照射方法など 特に制限されず、光重合開始剤を活性化さ て、モノマー成分の反応を生じさせること できればよい。

 本発明において、粘着剤層は、例えば、 粘剤、チキソトロープ剤、増量剤、充填剤 粘着付与剤(粘着付与樹脂)、可塑剤、老化 止剤、酸化防止剤、着色剤(顔料や染料など) 、界面活性剤、架橋剤等の添加剤を含有して いてもよい。ただし、粘着剤層は、光重合性 アクリル系粘着剤組成物に活性エネルギー線 を照射して光重合させることにより形成され るため、前記添加剤等を必要に応じて用いる 際には、光重合性を阻害しない範囲で光重合 性アクリル系粘着剤組成物に添加することが 重要である。

 増粘剤としては、例えば、アクリルゴム エピクロルヒドリンゴム、ブチルゴムなど 挙げられる。チキソトロープ剤としては、 えば、コロイドシリカ、ポリビニルピロリ ンなどが挙げられる。増量剤としては、例 ば、炭酸カルシウム、酸化チタン、クレー どが挙げられる。充填剤としては、例えば ガラスバルーン、アルミナバルーン、セラ ックバルーン等の無機中空体、塩化ビニリ ンバルーン、アクリルバルーン等の有機中 体、ナイロンビーズ、アクリルビーズ、シ コーンビーズ等の有機球状体、ポリエステ 、レーヨン、ナイロン等の単繊維、ポリエ レン、ポリプロピレンなどの微粉末などが げられる。界面活性剤としては、例えば、 オン性界面活性剤、シリコーン系界面活性 、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。 橋剤としては、例えば、ポリイソシアネー 系架橋剤、シリコーン系架橋剤、エポキシ 架橋剤、アルキルエーテル化メラミン系架 剤などが挙げられる。粘着付与剤としては 実質的に重合阻害しないものであれば特に 定されず、例えば、ロジン系樹脂、テルペ 系樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油 脂、共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂 キシレン樹脂及びエラストマーが挙げられ 。

 また、粘着剤層は気泡を含有していても い。粘着剤層に気泡が含まれていると、粘 剤層は、曲面や凸凹面に対して良好な接着 を発揮することができ、また、良好な耐反 性を発揮することができる。

 気泡含有粘着剤層に含まれている気泡は 基本的には、独立気泡タイプの気泡である とが望ましいが、独立気泡タイプの気泡と 続気泡タイプの気泡とが混在していてもよ 。

 また、このような気泡としては、通常、 状(特に真球状)の形状を有しているが、い つな形状の球状を有していてもよい。前記 泡において、その平均気泡径(直径)としては 、特に制限されず、例えば、1~1000μm(好まし は10~500μm、さらに好ましくは30~300μm)の範囲 ら選択することができる。

 なお、気泡中に含まれる気体成分(気泡を 形成するガス成分;「気泡形成ガス」と称す 場合がある)としては、特に制限されず、窒 、二酸化炭素、アルゴンなどの不活性ガス 他、空気などの各種気体成分を用いること できる。気泡形成ガスとしては、気泡形成 スが含まれた状態で、重合反応等の反応を う場合は、その反応を阻害しないものを用 ることが重要である。気泡形成ガスとして 、反応を阻害しないことや、コスト的な観 などから、窒素が好適である。

 粘着剤層中における気泡量は、特に制限 れず、該粘着剤層が用いられている粘着テ プの使用用途などに応じて、適宜選択する とができ、例えば、粘着剤層の全体積に対 て10%以上(好ましくは11%以上、さらに好まし くは12%以上)とすることができる。なお、粘 剤層中の気泡量の上限としては、特に制限 れず、例えば、50%以下(好ましくは40%以下、 らに好ましくは30%以下)とすることができる 。

 このような気泡を含有する粘着剤層(「気 泡含有粘着剤層」と称する場合がある)にお て、気泡が形成される形態は特に制限され い。気泡含有粘着剤層としては、例えば、(1 )予め、気泡を形成するガス成分(気泡形成ガ )が混合された光重合性アクリル系粘着剤組 成物(「気泡含有光重合性アクリル系粘着剤 成物」と称する場合がある)を用いることに り、気泡が形成された形態の気泡含有粘着 層や、(2)発泡剤を含有する光重合性アクリ 系粘着剤組成物を用いることにより、気泡 形成された形態の気泡含有粘着剤層などが げられる。本発明では、気泡含有粘着剤層 しては、気泡含有光重合性アクリル系粘着 組成物を用いることにより、気泡が形成さ た形態の気泡含有粘着剤層が好適である。 お、気泡含有光重合性アクリル系粘着剤組 物中の気泡量は、気泡含有粘着剤層中の気 量に対応した範囲から適宜選択することが きる。

 なお、気泡含有粘着剤層が、発泡剤を含 する光重合性アクリル系粘着剤組成物を用 ることにより、気泡が形成された形態の気 含有粘着剤層である場合、該発泡剤として 、特に制限されず、例えば、公知の発泡剤 ら適宜選択することができる。発泡剤とし は、例えば、熱膨張性微小球などを用いる とができる。

 粘着剤層は、単層、積層の何れの形態を していてもよい。本発明では、粘着剤層の みとしては特に制限されないが、例えば、2 00~5000μm(好ましくは400~3000μm)の範囲から選択 ることができる。

 本発明では、粘着剤層を形成する際、空 との接触による重合阻害を防止する目的で 2枚のフィルム間に設けられた光重合性アク リル系粘着剤組成物層の側面に重合阻害防止 組成物層を設けるため、空気中の酸素による 重合阻害により光重合時に光重合性アクリル 系粘着剤組成物層の側面の重合度が低下し、 形成された粘着剤層側面の凝集力が低くなる ことはなく、形成された粘着剤層が厚みのあ る粘着剤層(例えば、0.2mm以上の粘着剤層)で っても、フィルムから粘着剤層を剥離する に、粘着剤層側面の一部分がフィルムに残 することはない。なお、通常、本発明を用 て、前記厚みのある粘着剤層(例えば、0.2mm 上の粘着剤層)を形成する場合、2枚のフィル ム間距離は、0.2mm以上に設定される。

[重合阻害防止組成物]
 重合阻害防止組成物は、活性エネルギー線 より空気中で硬化可能な組成物であり、活 エネルギー線の照射により空気中で硬化し 硬化物を形成する。また重合阻害防止組成 層は、2枚のフィルム間に設けられた光重合 性アクリル系粘着剤組成物層に活性エネルギ ー線を照射して該光重合性アクリル系粘着剤 組成物を重合させて粘着剤層を製造する際、 光重合性アクリル系粘着剤組成物層側面と接 触する形態で設けるため、光重合性アクリル 系粘着剤組成物層側面と空気中の酸素とが接 触するのを防止して、空気中の酸素によって 光重合性アクリル系粘着剤組成物層側面の重 合度が低下し、形成された粘着剤層側面の凝 集力が低くなる不具合(空気中の酸素による 重合阻害)の発生を防止することができる。 お、光重合性アクリル系粘着剤組成物層の 面は、フィルムで、空気中の酸素との接触 防止されている。

 重合阻害防止組成物は、光重合性アクリ 系粘着剤組成物層側面と空気中の酸素とが 触するのを防止できる限り特に制限されな が、例えば、ラジカル重合性組成物や光カ オン重合性組成物などが挙げられ、特にラ カル重合性組成物が好ましい。なお、重合 害防止組成物は、単独で又は2種以上を組み 合わせて使用することができる。

 ラジカル重合性組成物は、活性エネルギ 線を照射することによりラジカル重合が生 る組成物なら特に制限されないが、通常、 種粘着剤(例えば、アクリル系粘着剤、ゴム 系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤 、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着 剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤 、フッ素系粘着剤、エポキシ系粘着剤など) おけるベースポリマーを構成するモノマー 分、及び光重合開始剤からなるラジカル重 性組成物が用いられる。

 中でも、アクリル系粘着剤におけるベー ポリマー[(メタ)アクリル酸エステルをモノ ー主成分とするアクリル系ポリマー]を構成 するモノマー成分及び光重合開始剤から構成 されるラジカル重合性組成物(「ラジカル重 性アクリル系組成物」と称する場合がある) 好ましい。

 ラジカル重合性アクリル系組成物に含ま る(メタ)アクリル酸エステルとしては、前 アクリル系粘着剤がベースポリマーとして 有するアクリル系ポリマーを構成する前記( タ)アクリル酸アルキルエステルを好適に用 いることができる。また、(メタ)アクリル酸 ステルは単独で又は2種以上を組み合わせて 用いることができる。さらに、(メタ)アクリ 酸エステルは、アクリル系ポリマーのモノ ー主成分として用いられているので、(メタ )アクリル酸エステル[特に、(メタ)アクリル アルキルエステル]の割合は、例えば、アク ル系ポリマーを調製するための全モノマー 分100重量部に対して60重量部以上(好ましく 、80重量部以上)であることが重要である。

 ラジカル重合性組成物には、極性基含有 ノマー、多官能性モノマー、チオール型モ マーなどの各種の共重合性モノマーが用い れていてもよい。なお、共重合性モノマー 単独で又は2種以上を組み合わせて使用する ことができる。

 極性基含有モノマーとしては、例えば、 記アクリル系粘着剤で用いられる前記極性 含有モノマーが挙げられる。中でも、アク ル酸が好ましい。

 極性基含有モノマーは、ラジカル重合性 成物において、使用されていても、使用さ ていなくてもよいが、使用されている場合 使用量としては、例えばラジカル重合性組 物がラジカル重合性アクリル系組成物の場 、ラジカル重合性アクリル系組成物の全モ マー成分100重量部に対して30重量部以下(例 ば、1~30重量部)であり、好ましくは3~20重量 である。なお、極性基含有モノマーがラジ ル重合性アクリル系組成物において使用さ ていない場合、当然に、その使用量は0重量 部である。

 多官能性モノマーとしては、例えば、前 アクリル系粘着剤で用いられる前記多官能 モノマーが挙げられる。中でも、トリメチ ールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘ サンジオールジアクリレートなどが好まし 。

 多官能性モノマーは、ラジカル重合性組 物において、使用されていても、使用され いなくてもよいが、使用されていることが ましい。使用されている場合の使用量とし は、例えばラジカル重合性組成物がラジカ 重合性アクリル系組成物の場合、ラジカル 合性アクリル系組成物の全モノマー成分100 量部に対して0.2~10重量部であり、好ましく 0.3~6重量部である。0.2重量部より少ないと 凝集力が低くなり、フィルムから剥離する に、一部がフィルムに残り、フィルムの再 用ができなくなる場合がある。一方、10重量 部を超えると、ラジカル重合性アクリル系組 成物が硬化する際に硬くなりすぎて、重合時 に生じる硬化収縮のために発生する応力が大 きくなり、フィルムに折り曲げシワが発生し 、フィルムの再利用ができなくなる場合があ る。

 チオール型モノマーは、ラジカル重合性 成物において、使用されていても、使用さ ていなくてもよいが、空気中での反応性を 上させる点から、使用されていることが好 しい。このようなチオール型モノマーは、 子内にSH基を有する化合物である限り特に 限されないが、例えば、ラウリルメルカプ ン、n-オクチルメルカプタン、α-エチルヘキ シルメルカプタン、2-メルカプトプロピオン 、グリコールジメルカプトアセテート、グ コールジメルカプトプロピオネート、トリ チロールプロパントリスメルカプトプロピ ネートなどが挙げられる。中でも、トリメ ロールプロパントリスメルカプトプロピオ ート、グリコールジメルカプトプロピオネ トなどが好ましい。

 チオール型モノマーの使用量としては、 えばラジカル重合性組成物がラジカル重合 アクリル系組成物の場合、ラジカル重合性 クリル系組成物の全モノマー成分100重量部 対して0.1~1重量部であり、好ましくは0.2~0.7 量部である。0.1重量部より少ないと、添加 た効果が得られない場合がある。一方、1重 量部を超えると、チオールに対するラジカル の連鎖移動によって生成するポリマーの分子 量が小さくなることにより、凝集力が低くな り、フィルムから剥離する際に、一部がフィ ルムに残り、フィルムの再利用ができなくな る場合がある。

 また、極性基含有モノマー、多官能性モ マー、チオール型モノマー以外の共重合性 ノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、プ ピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;ス チレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル 化合物;エチレン、ブタジエン、イソプレン イソブチレンなどのオレフィン又はジエン ;ビニルアルキルエーテルなどのビニルエー ル類;塩化ビニル;(メタ)アクリル酸メトキシ エチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルな の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系 ノマー;ビニルスルホン酸ナトリウムなどの ルホン酸基含有モノマー;2-ヒドロキシエチ アクリロイルホスフェートなどのリン酸基 有モノマー;シクロヘキシルマレイミド、イ ソプロピルマレイミドなどのイミド基含有モ ノマー;2-メタクリロイルオキシエチルイソシ アネートなどのイソシアネート基含有モノマ ー;フッ素原子含有(メタ)アクリレート;ケイ 原子含有(メタ)アクリレートなどが挙げられ る。

 光重合開始剤としては、特に制限されず 例えば、前記粘着剤層の形成に用いられる 重合性アクリル系粘着剤組成物に含まれる 種光重合開始剤が挙げられる。

 光重合開始剤の使用量としては、特に制 されないが、例えば、ラジカル重合性アク ル系組成物の場合、全モノマー成分100重量 に対して1~10重量部(好ましくは1~5重量部)の 囲から選択することができる。1重量部より 少ないと空気中での硬化性能が低下する場合 がある。一方、10重量部超えると、光重合開 剤が活性エネルギー線を吸収することによ 、活性エネルギー線が粘着剤層内部まで届 ず、重合率の低下を生じたり、生成するポ マーの分子量が小さくなることによって、 成される粘着剤層の凝集力が低くなり、粘 剤層をフィルムから剥離する際に、粘着剤 の一部がフィルムに残り、フィルムの再利 ができなくなる場合がある。なお、光重合 始剤は単独で又は2種以上を組み合わせて使 用することができる。

 ラジカル重合性アクリル系組成物は、光 合開始剤が前記光重合性アクリル系粘着剤 成物に含まれる量より多く配合されるため 空気に接していても、酸素により重合が阻 されることなく、重合を完了させることが きる。

 光カチオン重合性組成物は、活性エネル ー線を照射することによりカチオン重合が じる組成物なら特に制限されないが、通常 光カチオン重合開始剤及び光カチオン重合 化合物からなる光カチオン重合性組成物が いられる。

 光カチオン重合開始剤としては、活性エ ルギー線が照射されることによって活性化 れ、カチオン重合性基を誘発し得る限り特 制限されず、例えば、オニウム塩系光重合 始剤(オニウム塩類)、有機金属錯体類など 挙げられる。なお、光増感剤を併用するこ もできる。

 オニウム塩系光重合開始剤としては、例 ば、特開平6-32873号公報で記載されているオ ニウム塩光開始剤や、特開2000-281965号公報で 載されているオニウム塩系光開始剤、特開 11-228702号公報で記載されているオニウム塩 光開始剤、特公平8-26120号公報で記載されて いるオニウム塩系光開始剤などが挙げられる 。このようなオニウム塩系光重合開始剤とし ては、ジアリールヨードニウム塩、トリアリ ールスルホニウム塩、トリアリールセレノニ ウム塩、テトラアリールホスホニウム塩、ア リールジアゾニウム塩などが挙げられる。オ ニウム塩系光重合開始剤としては、ジアリー ルヨードニウム塩が好適である。

 より具体的には、例えば、ジアリールヨー ニウム塩としては、「Y 2 I + X - (Yは置換基を有していてもよいアリール基を す。また、X - は、非求核性且つ非塩基性の陰イオンである 。)」で表される化合物が挙げられる。なお X - の非求核性且つ非塩基性の陰イオンとしては 、例えば、SbF 6 - 、SbCl 6 - 、BF 4 - 、[B(C 6 H 5 ) 4 ] - 、[B(C 6 F 5 ) 4 ] - 、[B(C 6 H 4 CF 3 ) 4 ] - 、[(C 6 F 5 ) 2 BF 2 ] - 、[C 6 F 5 BF 3 ] - 、[B(C 6 H 3 F 2 ) 4 ] - 、AsF 6 - 、PF 6 - 、HSO 4 - 、ClO 4 - などが挙げられる。
このような陰イオンとしては、アンチモン系 の陰イオン、ホウ素系の陰イオンが好適であ る。

 なお、トリアリールスルホニウム塩、トリ リールセレノニウム塩、テトラアリールホ ホニウム塩、アリールジアゾニウム塩は、 記ジアリールヨードニウム塩に対応した化 物が挙げられる。具体的には、トリアリー スルホニウム塩、トリアリールセレノニウ 塩、テトラアリールホスホニウム塩、アリ ルジアゾニウム塩としては、それぞれ、「Y 3 S + X - 」、「Y 3 Se + X - 」、「Y 4 P + X - 」、「YN 2 + X - 」(Y、X - は、前記に同じ)で表される化合物を用いる とができる。

 オニウム塩系光重合開始剤としては、ア チモン原子を含有する光重合開始剤(アンチ モン系光重合開始剤)、ホウ素原子を含有す 光重合開始剤(ホウ素系光重合開始剤開始剤) を好適に用いることができ、特に、アンチモ ン原子を含有するジアリールヨードニウム塩 系光重合開始剤や、ホウ素原子を含有するジ アリールヨードニウム塩系光重合開始剤が好 適である。

 有機金属錯体類としては、例えば、鉄-ア レン錯体、チタセノン錯体、アリールシラノ ール-アルミニウム錯体などが挙げられる。

 光カチオン重合開始剤の使用量としては 特に制限されないが、例えば、光カチオン 合性組成物における重合性成分が下記光カ オン重合性化合物のみである場合、光カチ ン重合性化合物100重量部に対し、0.01~5重量 (好ましくは0.1~4重量部)の範囲から選択する ことができる。0.01重量部未満であると、光 作用により活性化しても、カチオン重合性 のカチオン重合反応を十分に進行させるこ ができなくなり、重合後の耐熱性及び吸水 が不十分となることがある。一方、5重量部 超える量を配合しても、重合を進行する作 がそれ以上向上することはなく、逆に耐熱 などの他の特性が低下することがある。

 光カチオン重合性化合物としては、例え 、エポキシ化合物、オキセタン化合物、オ ソラン化合物、環状アセタール化合物、及 エポキシ化合物とラクトンとの反応生成物 あるスピロオルソエステル化合物などが挙 られる。中でも、オキセタン化合物、エポ シ化合物などが好ましい。これらの化合物 、1種を単独で使用することもできるし、あ るいは2種以上を組み合わせて使用すること できる。

 エポキシ化合物としては、例えばビスフ ノールAジグリシジルエーテル;ビスフェノ ルFジグリシジルエーテル;ビスフェノールS グリシジルエーテル;臭素化ビスフェノールA ジグリシジルエーテル;臭素化ビスフェノー Fジグリシジルエーテル;臭素化ビスフェノー ルSジグリシジルエーテル;エポキシノボラッ 樹脂;水添ビスフェノールAジグリシジルエ テル;水添ビスフェノールFジグリシジルエー テル;水添ビスフェノールSジグリシジルエー ル;3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4 -エポキシシクロヘキサンカルボキシレート ;2-(3,4-エポキシシクロヘキシル-5,5-スピロ-3,4- エポキシ)シクロヘキサン-メタ-ジオキサン; ス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジ ート;ビニルシクロヘキセンオキサイド;4-ビ ルエポキシシクロヘキサン;ビス(3,4-エポキ -6-メチルシクロヘキシルメチル)アジペート ;3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシル-3’,4’ -エポキシ-6’-メチルシクロヘキサンカルボ シレート;メチレンビス(3,4-エポキシシクロ キサン);ジシクロペンタジエンジエポキサイ ド;エチレングリコールのジ(3,4-エポキシシク ロヘキシルメチル)エーテル;エチレンビス(3,4 -エポキシシクロヘキサンカルボキシレート); エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル; ポキシヘキサヒドロフタル酸ジ-2-エチルヘ シル;1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテ ル;1,6-ヘキサンジオールグリシジルエーテル; グリセリントリグリシジルエーテル;トリメ ロールプロパントリグリシジルエーテル;ポ エチレングリコールジグリシジルエーテル; ポリプロピレングリコールジグリシジルエー テル類;エチレングリコール、プロピレング コール、グリセリンなどの脂肪族多価アル ールに1種または2種以上のアルキレンオキサ イドを不可させることにより得られるポリエ ーテルポリオールのポリグリシジルエーテル 類;脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエス ル類;脂肪族高級アルコールのモノグリシジ エーテル類;フェノール、クレゾール、ブチ ルフェノール、又はこれらにアルキレンオキ サイドを付加して得られるポリエーテルアル コールのモノグリシジルエーテル類;高級脂 酸のグリシジルエステル類;エポキシ化大豆 ;エポキシステアリン酸ブチル;エポキシス アリン酸オクチル;エポキシ化アマニ油;エポ キシ化ポリブタジエンなどが挙げられる。

 オキセタン化合物としては、分子中に1個 以上のオキセタン環を有する化合物であれば 特に制限なく使用できる。具体的には、特開 平8-85775号公報及び特開平8-134405号公報などに 記載された各種オキセタン化合物が挙げられ 、これらの中でもオキセタニル基1個又は数 有する化合物が好ましい。

 単官能オキセタンの例としては、3-エチ -(ヒドロキシメチル)オキセタン、3-エチル-3- [(フェノキシ)メチル]オキセタン、3-エチル-3- (ヘキシロキシメチル)オキセタン、3-エチル-3 -(2-エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3 -エチル-3-(クロロメチル)オキセタンなどが挙 げられる。2官能オキセタンの例としては、 えば、1,4-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメト キシ)メチル]ベンゼン、ビス{[1-エチル(3-オキ セタニル)メチル]}エーテルなどが挙げられる 。中でも、3-エチル-3-(2-エチルヘキシロキシ チル)オキセタン、ビス{[1-エチル(3-オキセ ニル)メチル]}エーテルなどが好ましい。

 オキソラン化合物としては、例えば、テ ラヒドロフラン、2,3-ジメチルテトラヒドロ フランなどが挙げられる。

 環状アセタール化合物としては、例えば トリオキサン、テトラオキサン、1,3-ジオキ ソラン、1,3,5-トリオキセパン、1,3-ジオキサ 、エチレングリコールホルマール、プロピ ングリコールホルマール、ジエチレングリ ールホルマール、トリエチレングリコール ルマール、1,4-ブタンジオールホルマール、1 ,5-ペンタンジオールホルマール、1,6-ヘキサ ジオールホルマールなどが挙げられる。

 スピロオルソエステル化合物としては、 えば、前記エポキシ化合物とラクトンとの 応生成物が挙げられる。

 なお、ラジカル重合性組成物や光カチオ 重合性組成物などの重合阻害防止組成物は 必要に応じて、前記粘着剤層で用いられる 種添加剤を含有していてもよい。

 重合阻害防止組成物層は、2枚のフィルム 間に設けられた光重合性アクリル系粘着剤組 成物層に、フィルムを介して活性エネルギー 線を照射することにより、該光重合性アクリ ル系粘着剤組成物層を光硬化(光重合)させて 着剤層を製造する際、空気中の酸素と接触 るのを防止する目的で、光重合性アクリル 粘着剤組成物層側面(側面部分;側面部;端部) と接触する形態で設けられる。このため、重 合阻害防止組成物層の厚みは、該光重合性ア クリル系粘着剤組成物層の厚み以上の厚みで ある限り特に制限されないが、通常光重合性 アクリル系粘着剤組成物層の厚みと同一であ る。また、重合阻害防止組成物層の幅は、光 重合性アクリル系粘着剤組成物層側面と空気 中の酸素との接触を防止できる限り特に制限 されないが、例えば、1mm~20mm(好ましくは2mm~5m m)である。なお、重合阻害防止組成物層は、 層、積層の何れの形態を有していてもよい

 重合阻害防止組成物層を光重合性アクリ 系粘着剤組成物層側面と接触する形態で設 る方法としては、例えば、ロールコータ等 塗布具を用いる方法、ポンプなどで定量的 重合阻害防止組成物が押し出されるように た装置を用いる方法などが挙げられる。

 重合阻害防止組成物層は、活性エネルギ 線よって重合(硬化)され、最終的には硬化 を形成する。

 粘着剤層形成後、該層側面に形成された 記硬化層は、適当な時期[例えば、粘着剤層 形成直後、粘着剤層を形成してから製品形態 (例えば粘着テープ又はシートなど)とする際 ど]に、切断もしくはスリット工程により除 去される。なお、前記硬化層を粘着剤層側面 から除去する際、粘着剤層やフィルムに、破 損やシワ等の悪影響を及ぼすことはない。

 前記硬化層の重合率は、85%以上(好ましく は90%以上)である。特に、100%に近い重合率が ましい。なお、重合率が低いと(例えば、80% 未満)、未重合性モノマーがフィルム上に残 してフィルムの再利用が困難となる場合が る。

 前記硬化層の重合率は、重合阻害防止組成 層の硬化層約0.5gを精秤し、これを130℃で2 間乾燥した後の重量を精秤して重量減少量[ 発分(未反応モノマー重量)]を求め、得られ 数値を以下の式に代入して算出した。
 重合阻害防止組成物層の硬化層の重合率(%)= [1-(重量減少量)/(乾燥前の硬化層の重量)]×100

[フィルム]
 フィルムとしては、酸素を透過させない性 を有するフィルムであれば特に制限されな が、光重合性アクリル系粘着剤組成物層の 重合反応を阻害をしないように、透明なも が好ましい。

 このようなフィルムとしては、例えば慣 の剥離紙などを使用することができる。具 的には、フィルムとしては、例えば離型処 剤(剥離処理剤)による離型処理層(剥離処理 )を少なくとも一方の表面に有する基材の他 、フッ素系ポリマー(例えば、ポリテトラフ オロエチレン、ポリクロロトリフルオロエ レン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニ デン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフ オロプロピレン共重合体、クロロフルオロ チレン・フッ化ビニリデン共重合体等)から る低接着性基材や、無極性ポリマー(例えば 、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフ ィン系樹脂など)からなる低接着性基材など 用いることができる。なお、低接着性基材 は、両面が離型面として利用することがで 、一方、離型処理層を有する基材では、離 処理層表面を離型面(離型処理面)として利用 することができる。

 フィルムとしては、例えば、フィルム用 材の少なくとも一方の面に離型処理層が形 されているフィルム(離型処理層を有する基 材)を好適に用いることができる。このよう フィルム用基材としては、ポリエステルフ ルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム )、オレフィン系樹脂フィルム(ポリエチレ フィルム、ポリプロピレンフィルム等)、ポ 塩化ビニルフィルム、ポリイミドフィルム ポリアミドフィルム(ナイロンフィルム)、 ーヨンフィルムなどのプラスチック系基材 ィルム(合成樹脂フィルム)や、紙類(上質紙 和紙、クラフト紙、グラシン紙、合成紙、 ップコート紙など)の他、これらを、ラミネ トや共押し出しなどにより、複層化したも (2~3層の複合体)等が挙げられる。フィルム 基材としては、透明性の高いプラスチック 基材フィルム(特に、ポリエチレンテレフタ ートフィルム)が用いられたフィルム用基材 を好適に用いることができる。

 離型処理剤としては、特に制限されず、 えば、シリコーン系離型処理剤、フッ素系 型処理剤、長鎖アルキル系離型処理剤など 用いることができる。離型処理剤は、単独 又は2種以上組み合わせて使用してもよい。 なお、離型処理剤により離型処理が施された フィルムは、例えば、公知の形成方法により 、形成される。

 フィルムの厚みは、特に制限されないが 取り扱い易さと経済性の点から、例えば、1 2~250μm(好ましくは、20~200μm)の範囲から選択 ることができる。なお、フィルムは単層、 層の何れの形態を有していてもよい。

 また、どちらか一方のフィルムは、形成 れた粘着剤層に対して剥離性を有しない基 であってもよい。なお、本発明において、 方のフィルムとして該基材を用いる場合、 着剤層が2枚のフィルム間に設けられた積層 体は、基材の一方の面に粘着剤層を有し、粘 着面がフィルムで保護されている基材付き粘 着シートとなる。すなわち、本発明は、どち らか一方のフィルムとして該基材を用いると 、基材付き粘着シートを作製することができ る。

 このような基材付き粘着シートに用いら る基材としては、例えば上記フィルム用基 が挙げられる。基材の表面は、粘着剤層と 密着性を高めるため、慣用の表面処理、例 ば、コロナ処理、クロム酸処理、オゾン暴 、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射 処理等の化学的又は物理的方法による酸化 理等が施されていてもよい。なお、基材と ては、活性エネルギー線の透過を阻害しな ものを使用することが好ましい。

[粘着剤層の製造方法]
 本発明では、粘着剤層を、2枚のフィルム間 に設けられた光重合性アクリル系粘着剤組成 物層に活性エネルギー線を照射して、光重合 性アクリル系粘着剤組成物層を光硬化するこ とにより形成するが、粘着剤層形成後にフィ ルムを剥がす際に粘着剤層側面の一部分がフ ィルムに残存してフィルムの再利用が困難と なることを避けるために、光重合性アクリル 系粘着剤組成物側面における光重合時の空気 中の酸素による重合阻害を防止できる重合阻 害防止組成物層を光重合性アクリル系粘着剤 組成物層側面に接する形態で設け、この形態 を維持しつつ、活性エネルギー線を照射する ことが重要である。

 2枚のフィルム間に光重合性アクリル系粘 着剤組成物層を設ける方法としては、公知・ 慣用の方法が挙げられる。例えば、フィルム 上に光重合性アクリル系粘着剤組成物を塗布 して光重合性アクリル系粘着剤組成物層を設 けた後、該光重合性アクリル系粘着剤組成物 層上にフィルムを設ける方法や、2枚のフィ ム間に直接光重合性アクリル系粘着剤組成 層を設ける方法などが挙げられる。

 重合阻害防止組成物層を光重合性アクリ 系粘着剤組成物層側面と接触する形態で設 る方法としては、上述のように、例えば、 ールコータ等の塗布具を用いる方法、ポン などで定量的に重合阻害防止組成物が押し されるようにした装置を用いる方法、フィ ム上に予め重合阻害防止組成物層が設けら ているフィルムを用いる方法などが挙げら る。

 本発明では、粘着剤層を、より具体的に 、例えば、以下の方法で形成することがで る。必要に応じて塗工可能な粘度に調整し 光重合性アクリル系粘着剤組成物をロール ータなどの塗布具を用いてフィルムの剥離 理された面に塗工して光重合性アクリル系 着剤組成物層を形成した後、さらにフィル を、フィルムの剥離処理された面と該光重 性アクリル系粘着剤組成物層とが接する形 で覆う。次に、該光重合性アクリル系粘着 組成物層に活性エネルギー線を照射する前 、ポンプで定量的に重合阻害防止組成物が し出されるようにした装置の先にシリンジ つけた装置を用いて、2枚のフィルム間に設 けられた光重合性アクリル系粘着剤組成物層 側面付近にシリンジ導入し、重合阻害防止組 成物を充填することにより、2枚のフィルム の光重合性アクリル系粘着剤組成物層側面 接する形態で重合阻害防止組成物層を設け 後、光重合性アクリル系粘着剤組成物層に 性エネルギー線を照射して粘着剤層を形成 る方法である。

 本発明では、粘着剤層は、2枚のフィルム 間に光重合性アクリル系粘着剤組成物層が設 けられたシート(「光重合性アクリル系粘着 組成物層シート」と称する場合がある)を用 て形成されており、さらに、粘着剤層を形 する前記光重合性アクリル系粘着剤組成物 シート中の光重合性アクリル系粘着剤組成 層は、側面に重合阻害防止組成物層が設け れている形態で光重合されている。従って 光重合性アクリル系粘着剤組成物側面にお る光重合時の空気中の酸素による重合阻害 防止されるため、光重合性アクリル系粘着 組成物側面の重合度が低下し、形成される 着剤層側面の凝集力が低下することはなく 粘着剤層からフィルムを剥離する際に粘着 層側面の一部分が剥がしたフィルムに残る とはない。また、光重合性アクリル系粘着 組成物側面に設けられた重合阻害防止組成 層も、活性エネルギー線により硬化し硬化 を形成するが、該重合阻害防止組成物層や 硬化層は、フィルムにシワを生じさせたり フィルムに粘着成分の残存(糊残り)を生じ せることはない。

 図1は、光重合性アクリル系粘着剤組成物 層シートの一例を示す概略断面図であり、上 記粘着剤層の製造方法において、活性エネル ギー線を照射する前の、光重合性アクリル系 粘着剤組成物層側面と接する形態で重合阻害 防止組成物層を設けた直後の光重合性アクリ ル系粘着剤組成物層シートの概略断面図に相 当する。

 図1において、1は重合阻害防止組成物層 設けられている光重合性アクリル系粘着剤 成物層シート、11はフィルム、12は光重合性 クリル系粘着剤組成物層、13は重合阻害防 組成物層である。図1で示される光重合性ア リル系粘着剤組成物層シートにおいて、光 合性アクリル系粘着剤組成物層は、両面が ィルムで覆われ、さらに両側面が重合阻害 止組成物層と接することによって、空気中 酸素から遮断されている。

 また、図1において、フィルム11と重合阻 防止組成物層13の両端部分は一致しておら 、フィルム11の幅は、光重合性アクリル系粘 着剤組成物層12の幅と二つの重合阻害防止組 物層13の幅とを合わせた幅より大きくなっ いる。しかし、フィルム11は光重合性アクリ ル系粘着剤組成物層12の表面が酸素と接触す のを防止する目的で設けられるため、フィ ム11の幅は、光重合性アクリル系粘着剤組 物層12の幅以上の大きさであれば特に制限さ れない。ゆえに、重合阻害防止組成物層13の 面は、図1のようにフィルム11で全面が覆わ ていてもよいし、あるいはその面の一部分 みが覆われていてもよい。また、全くフィ ム11で覆われていなくてもよい。なお、作 性の観点からは、フィルム11の幅は、光重合 性アクリル系粘着剤組成物層12の幅と二つの 合阻害防止組成物層13の幅とを合わせた幅 り大きい方が好ましい。

 さらに、2枚のフィルム11の幅は、フィル 11によって光重合性アクリル系粘着剤組成 層12の表面と酸素とが接触するのを防止する ことができる限り特に制限されないため、図 1のように同一であってもよいし、異なって てもよい。

 よって、本発明では、フィルムを再利用 ることができる。また、本発明で形成され 粘着剤層は、粘着剤層側面で凝集力の低下 生じることはなく、基材レス両面粘着シー や基材付き粘着シートなどの粘着テープ又 シートの粘着剤層として用いることができ 。

 以下、本発明を実施例に基づいて説明す が、本発明はこれに限定されるものではな 。

(フィルムの使用例)
 フィルムとして、片面に剥離処理が施され ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフ ィルム;商品名「ルミラーS-10」東レ株式会社 、厚さ38μm)を使用した。

(光重合性アクリル系粘着剤組成物層シート 作製例)
 2-エチルヘキシルアクリレート:90重量部、 クリル酸:10重量部、光重合開始剤(商品名「 ルガキュア651」チバ・スペシャリティー・ ミカル社製):0.1重量部を4つ口フラスコに投 し、窒素雰囲気下で紫外線に暴露して光重 させることにより、重合率7%の部分重合シ ップを得た。
 該部分重合シロップを、前記フィルムの剥 処理された面上に、粘着剤層形成後の厚さ 1000μmとなるように塗布し、光重合性アクリ ル系粘着剤組成物層を形成した後、該光重合 性アクリル系粘着剤組成物層上に、前記フィ ルムを、該光重合性アクリル系粘着剤組成物 層と前記フィルムの剥離処理された面とが接 する形態で貼り合わせて、光重合性アクリル 系粘着剤組成物層シートを作製した。

(重合阻害防止組成物の調製例)
 実施例1~11及び比較例1、2で使用した重合阻 防止組成物は、下記表1に示される割合で、 2-エチルヘキシルアクリレート、光重合開始 (商品名「イルガキュア651」チバ・スペシャ リティー・ケミカル社製)、トリメチロール ロパントリアクリレート及びトリメチロー プロパントリスメルカプトプロピオネート 配合することにより、調製した。

 表1において、2EHAは2-エチルヘキシルアク リレートを、Irg651はイルガキュア651を、TMPTA トリメチロールプロパントリアクリレート 、3-SHはトリメチロールプロパントリスメル カプトプロピオネートを意味する。

(実施例1)
 ポンプで定量的に重合阻害防止組成物が押 出されるようにした装置の先にシリンジを けた装置を用いて、シリンジを前記光重合 アクリル系粘着剤組成物層シートの光重合 アクリル系粘着剤組成物層側面付近に導入 、実施例1で用いる重合阻害防止組成物を充 填することにより、光重合性アクリル系粘着 剤組成物層側面と接する形態で重合阻害防止 組成物層(厚さ:光重合性アクリル系粘着剤組 物層の厚さと同じ、幅:2mm又は5mm)を設けた
 次に、光重合性アクリル系粘着剤組成物層 、フィルムを介して、ブラックライトで紫 線(照度:4mW/cm 2 )を3分間照射し、光重合性アクリル系粘着剤 成物層を硬化させて、2枚のフィルム間に粘 着剤層を形成した。

(実施例2~11)
 各実施例に対応する重合阻害防止組成物を いたこと以外は、実施例1と同様にして、2 のフィルム間に粘着剤層を形成した。

(実施例12)
 重合阻害防止組成物として、カチオン硬化 粘着剤「アロンタックUVA-1201」(東亜合成株 会社製)を用いたこと以外は、実施例1と同 にして、2枚のフィルム間に粘着剤層を形成 た。なお、カチオン硬化型粘着剤「アロン ックUVA-1201」は、3-エチル-3-(2-エチルヘキシ ロキシメチル)オキセタンを主成分とする。

(比較例1及び2)
 各比較例に対応する重合阻害防止組成物を いたこと以外は、実施例1と同様にして、2 のフィルム間に粘着剤層を形成した。

(比較例3)
 重合阻害防止組成物層を設けなかったこと 外は、実施例1と同様にして、2枚のフィル 間に粘着剤層を形成した。

[評価]
 実施例及び比較例における2枚のフィルム間 に粘着剤層が設けられている積層体を用いて 、糊残り性の評価方法、フィルムのシワの評 価方法、光重合性アクリル系粘着剤組成物層 側面の光硬化性の評価方法により、糊残り性 、フィルムのシワ、光重合性アクリル系粘着 剤組成物層側面の光硬化性を評価又は測定し た。また、それぞれの実施例及び比較例で用 いた重合阻害防止組成物の重合率を、下記の 重合阻害防止組成物の重合率の測定方法によ り、測定した。それらの結果は、表2に示し 。

(重合阻害防止組成物の重合率の測定方法)
 前記フィルムの剥離処理された面に、厚み0 .8mmで長方形の穴(縦10cm、横5cm)の空いたテフ ン(登録商標)製の板(スペーサー)の板を置き 該長方形の穴を重合阻害防止組成物で満た た後、前記フィルムを、剥離処理された面 テフロン(登録商標)製の板とが接する形態 設けた。この前記フィルム間に挟んだスペ サーの重合阻害防止組成物に、一方の面か フィルムを介して紫外線(照度:4mW/cm 2 )を3分間照射し、重合阻害防止組成物を硬化 せ、硬化層を得た。該硬化層を、所定の大 さに切り、重量を測定し、初期重量とした 次いで、所定の大きさに切った硬化層を120 で2時間乾燥させ、乾燥後、重量を測定し、 乾燥後重量とした。そして、下記式より重合 率を求めた。
       (重合率)=(乾燥後重量)/(初期重量)× 100

(糊残り性の評価方法)
 2枚のフィルム間に粘着剤層が設けられてい る積層体の一方のフィルムを剥がし、剥離す るフィルム上に、何も残らない場合を「◎」 、硬化層(糊)ではなく液状のものが残るが、 ィルムの再利用に対して悪影響を及ぼすこ はない場合を「○」、重合阻害防止組成物 が硬化されることにより形成される硬化層( 糊)の一部分が残りフィルムの再利用に対し 悪影響を及ぼす場合を「×」と評価した。

(フィルムのシワの評価方法)
 2枚のフィルム間に粘着剤層が設けられてい る積層体の一方のフィルムを剥がして、該剥 離したフィルムを観察し、シワの発生による 跡がない場合を「○」、シワの発生により跡 がついた場合を「×」と評価した。
 なお、光重合性アクリル系粘着剤組成物層 面と接する形態で設けた重合阻害防止組成 層の幅が2mmの場合の評価結果を、表2中のフ ィルムのシワの幅2mmの欄に示し、幅が5mmの場 合の評価結果を、表2中のフィルムのシワの 5mmの欄に示した。

(光重合性アクリル系粘着剤組成物層側面の 硬化性の評価方法)
 2枚のフィルム間に粘着剤層が設けられてい る積層体の一方のフィルムを剥がす際に、フ ィルム上に粘着剤層が残存しない場合を「○ 」、粘着剤層側面が十分に重合しておらず糸 引きが観察される場合を「×」と評価した。

 実施例1~12では、粘着剤層形成後に粘着剤 層からフィルムを剥がしても、フィルムに重 合阻害防止組成物による糊残りやシワの発生 がないことを確認できた。さらに、光重合性 アクリル系粘着剤組成物層側面の光硬化性に ついても問題はなく、粘着剤層側面がフィル ムに残存することはなかった。

 本発明を特定の態様を参照して詳細に説明 たが、本発明の精神と範囲を離れることな 様々な変更および修正が可能であることは 当業者にとって明らかである。
 なお、本出願は、2007年2月5日付けで出願さ た日本特許出願(特願2007-025116)に基づいてお り、その全体が引用により援用される。
 また、ここに引用されるすべての参照は全 として取り込まれる。

 本発明の粘着剤層の製造方法によれば、 記構成を有しているので、フィルムの再利 ができる。また、光重合時に光重合性アク ル系粘着剤組成物層側面の重合度が低下し 形成された粘着剤層側面で凝集力が低下す ことを防止できる。