吉田英夫 (〒32 埼玉県所沢市松が丘2-9-2 Saitama, 3591132, JP)
JIKEI, Mitsutoshi (1-1 Tegatagakuen-machi, Akita-sh, Akita 02, 0108502, JP)
国立大学法人 秋田大学 (〒02 秋田県秋田市手形学園町1-1 Akita, 0108502, JP)
YOSHIDA, Hideo (2-9-2, Matsugaoka Tokorozawa-sh, Saitama 32, 3591132, JP)
吉田英夫 (〒32 埼玉県所沢市松が丘2-9-2 Saitama, 3591132, JP)
| 導電性高分子とそのド-パントの溶液を乾燥して製膜する導電性高分子の被膜製造方法において、前記溶液からの乾燥膜を、反応容器を介し所定の有機溶剤と加圧二酸化炭素とで処理することを特徴とする導電性高分子の被膜製造方法。 |
| 前記加圧二酸化炭素は、亜臨界若しくは超臨界二酸化炭素、液化二酸化炭素または加圧二酸化炭素ガスである請求項1記載の導電性高分子の被膜製造方法。 |
| 前記加圧二酸化炭素は亜臨界若しくは超臨界二酸化炭素で、前記乾燥膜を亜臨界若しくは超臨界二酸化炭素と有機溶剤との均一相中で処理する請求項1または請求項2記載の導電性高分子の被膜製造方法。 |
| 前記加圧二酸化炭素は液化二酸化炭素で、前記乾燥膜を液化二酸化炭素と有機溶剤との液相中で処理する請求項1または請求項2記載の導電性高分子の被膜製造方法。 |
| 前記加圧二酸化炭素は加圧二酸化炭素ガスで、前記乾燥膜を加圧二酸化炭素ガスと有機溶剤の蒸気の気相中で処理する請求項1または請求項2記載の導電性高分子の被膜製造方法。 |
| 前記加圧二酸化炭素ガスは、0.1MPa乃至7.0MPaである請求項2または請求項5記載の導電性高分子の被膜製造方法。 |
| 前記導電性高分子とそのド-パントの溶液がPEDOT(ポリ-3,4-エチレンジオキシチオフェン)/PSS(ポリスチレンスルホン酸)溶液である請求項1記載の導電性高分子の被膜製造方法。 |
| 前記有機溶剤が高極性溶媒を添加したものである請求項1記載の導電性高分子の被膜製造方法。 |
| 前記有機溶剤が、メタノ-ル若しくはエチレングリコ-ルまたはDMSO(ジメチルスルホキシド)である請求項8記載の導電性高分子の被膜製造方法。 |
| 前記処理後、前記処理膜の残存溶剤を除去する請求項1記載の導電性高分子の被膜製造方法。 |
本発明は、例えばPEDOT/PSS膜の電気伝導度 向上に好適で、簡単な操作で安価かつ速や に製造でき、PEDOT/PSS膜の伝導度を大幅に向 できるとともに、被膜の安定した物性を得 れる導電性高分子の被膜製造方法に関する
導電性高分子を工業材料として見た場合、
気伝導度(以下、単に伝導度と呼ぶ)や加工
、および安定性が一定水準以上であること
要求されている。
この観点から実際に実用化されているのは
ポリピロ-ル、ポリアニリン、ポリチオフェ
ン(ポリ-3,4-エチレンジオキシチオフェン、以
下、単にPEDOTと呼ぶ)に限られている。
このうち、置換基を導入して構造制御を可
にしたPEDOTは、高い伝導度と共に空気中で
優れた安定性、耐熱性を備え、写真フィル
用の帯電防止材料として実用化され、また
解コンデンサの陰極材料として幅広く用い
れている(例えば、非特許文献1参照)。
しかし、現在市販されているPEDOTは、ド- ントとして高分子電解質(ポリスチレンスル ホン酸、以下、単にPSSと呼ぶ)を用いて製膜 を向上させているため、その伝導度は低分 ド-パントを用いた場合よりも2~3桁低くなり その用途が制約される問題があって、予ね よりその改善が望まれていた。
一方、前記PEDOTにPSSを用いたPEDOT/PSSの製 時に、極性溶剤であるジメチルスルホキシ (以下、単にDMSOと呼ぶ)を添加すると、PEDOT/PS S膜の伝導度が向上することが知られている
しかし、前記DMSOの添加法は、DMSOが高価 ため製造コストが高くなり、またその製造 程でDMSOを添加後、残存溶媒を除去する際、D MSOが高沸点のため、その処理コストが高くな り、しかも微量のDMSOが被膜に残存してしま ため、製膜後の物性の安定性に不安があっ 。
ところで、出願人は、反応容器に一対の 極を収容し、該反応容器に重合液であるア リンと超臨界二酸化炭素を導入し、かつこ に界面活性剤を導入して乳濁し、この超臨 状態の下で一方の電極である被処理部材に ニアニリン薄膜を析出する、導電性有機被 の製造方法を提案している(例えば、特許文 献1)。
しかし、前記導電性有機被膜の製造方法 、高価なアニリンと電源を要し、被膜の析 作業が煩雑で、製造コストが高価になると もに、析出したポニアニリン薄膜の伝導度 5S/cm程度で、概して低いという問題があっ 。
本発明は前記問題を解決し、例えばPEDOT/P SS膜の電気伝導度の向上に好適で、簡単な操 で安価かつ速やかに製造でき、PEDOT/PSS膜の 導度を大幅に向上できるとともに、被膜の 定した物性を得られる導電性高分子の被膜 造方法を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、導電性高分子とそのド-
ントの溶液を乾燥して製膜する導電性高分
の被膜製造方法において、前記溶液の乾燥
を、反応容器を介し所定の有機溶剤と加圧
酸化炭素とで処理し、前記乾燥膜に溶剤と
圧二酸化炭素とを浸透させて、簡単な操作
速やかに調質ないし改質し、その処理膜の
気伝導度を有機溶剤のみを用いた処理に比
、大幅に向上し得るようにしている。
請求項2の発明は、加圧二酸化炭素は、亜臨
界若しくは超臨界二酸化炭素、液化二酸化炭
素または加圧二酸化炭素ガスであり、亜臨界
若しくは超臨界二酸化炭素の場合は、確実か
つ安定した製膜と処理膜の電気伝導度を得ら
れ、液化二酸化炭素の場合は、比較的安価な
設備で安定した製膜と処理膜の電気伝導度を
得られ、加圧二酸化炭素ガスの場合は、安価
な設備で容易に製膜し、生産性を向上し得る
ようにしている。
請求項3の発明は、前記加圧二酸化炭素は亜
臨界若しくは超臨界二酸化炭素で、前記乾燥
膜を亜臨界若しくは超臨界二酸化炭素と有機
溶剤との均一相中で処理し、確実かつ安定し
た製膜と処理膜の電気伝導度を得られるよう
にしている。
請求項4の発明は、前記加圧二酸化炭素は液
化二酸化炭素で、前記乾燥膜を液化二酸化炭
素と有機溶剤との液相中で処理し、液化二酸
化炭素と有機溶剤との均一相の下で、比較的
安価な設備で安定した製膜と均質の処理膜を
得られるようにしている。
請求項5の発明は、前記加圧二酸化炭素は加
圧二酸化炭素ガスで、前記乾燥膜を加圧二酸
化炭素ガスと有機溶剤の蒸気との気相中で処
理し、乾燥膜を液化二酸化炭素と有機溶剤と
に浸漬させることなく、またその浸漬状況を
確認する煩雑を解消して、容易かつ合理的に
製膜するとともに、低圧の加圧二酸化炭素で
の製膜を実現し、製膜の容易化と製膜設備の
低廉化、並びに生産性の向上を図れるように
している。
請求項6の発明は、前記加圧二酸化炭素ガス
は、0.1MPa乃至7.0MPaで、超臨界二酸化炭素や液
化二酸化炭素に比べ、低圧の加圧二酸化炭素
での製膜を実現し、製膜の容易化と製膜設備
の低廉化を図れるようにしている。
請求項7の発明は、前記導電性高分子とその
ド-パントの溶液(分散液)がPEDOT(ポリ-3,4-エチ
ンジオキシチオフェン)/PSS(ポリスチレンス
ホン酸)溶液で、PEDOT/PSS膜の伝導度を大幅に
向上し、伝導度が低分子ド-パントを用いた
合よりも非常に低かった従来の問題を解決
、用途の制約を解消し得るようにしている
請求項8の発明は、前記有機溶剤が高極性溶
媒を添加したもので、処理膜の電気伝導度を
安価な溶媒を用いることによって大幅に向上
し、これを容易かつ安価に製造し得るように
している。
請求項9の発明は、前記有機溶剤が、メタノ
-ル若しくはエチレングリコ-ルまたはDMSO(ジ
チルスルホキシド)で、PEDOT/PSS膜の電気伝導
を大幅に向上することができ、しかもメタ
-ルやエチレングリコ-ルは安価で、このう
メタノ-ルは低沸点であるから、導電性高分
の被膜を安価かつ速やかに製造できるとと
に、前記処理膜の残存溶剤を容易かつ速や
に除去するようにしている。
請求項10の発明は、前記処理後、前記処理
の残存溶剤を除去して、導電性高分子の被
の安定した物性を得られるようにしている
請求項1の発明は、導電性高分子とそのド-
ント溶液からの乾燥膜を、反応容器を介し
定の有機溶剤と加圧二酸化炭素とで処理し
前記乾燥膜に溶剤と加圧二酸化炭素とを浸
させて、簡単な操作で速やかに調質ないし
質し、その処理膜の電気伝導度を有機溶剤
みを用いた処理に比べ、大幅に向上するこ
ができる。
請求項2の発明は、加圧二酸化炭素は、亜臨
界若しくは超臨界二酸化炭素、液化二酸化炭
素または加圧二酸化炭素ガスであるから、亜
臨界若しくは超臨界二酸化炭素の場合は、確
実かつ安定した製膜と処理膜の電気伝導度を
得られ、液化二酸化炭素の場合は、比較的安
価な設備で安定した製膜と処理膜の電気伝導
度を得られ、加圧二酸化炭素ガスの場合は、
安価な設備で容易に製膜し、生産性を向上す
ることができる。
請求項3の発明は、前記加圧二酸化炭素は亜
臨界若しくは超臨界二酸化炭素で、前記乾燥
膜を亜臨界若しくは超臨界二酸化炭素と有機
溶剤との均一相中で処理するから、確実かつ
安定した製膜と処理膜の電気伝導度を得られ
る効果がある。
請求項4の発明は、前記加圧二酸化炭素は液
化二酸化炭素で、前記乾燥膜を液化二酸化炭
素と有機溶剤との液相中で処理するから、液
化二酸化炭素と有機溶剤との均一相の下で、
比較的安価な設備で安定した製膜と均質の処
理膜を得られる効果がある。
請求項5の発明は、前記加圧二酸化炭素は加
圧二酸化炭素ガスで、前記乾燥膜を加圧二酸
化炭素ガスと有機溶剤の蒸気との気相中で処
理するから、乾燥膜を液化二酸化炭素と有機
溶剤とに浸漬させることなく、またその浸漬
状況を確認する煩雑を解消して、容易かつ合
理的に製膜できるとともに、低圧の加圧二酸
化炭素での製膜を実現し、製膜の容易化と製
膜設備の低廉化を図ることができる。
請求項6の発明は、前記加圧二酸化炭素ガス
は、0.1MPa乃至7.0MPaであるから、超臨界二酸化
炭素や液化二酸化炭素に比べ、低圧の加圧二
酸化炭素での製膜を実現し、製膜の容易化と
製膜設備の低廉化、並びに生産性の向上を図
ることができる。
請求項7の発明は、前記導電性高分子とその
ド-パントの溶液(分散液)がPEDOT(ポリ-3,4-エチ
ンジオキシチオフェン)/PSS(ポリスチレンス
ホン酸)溶液であるから、PEDOT/PSS膜の伝導度
を大幅に向上し、伝導度が低分子ド-パント
用いた場合よりも非常に低かった従来の問
を解決し、用途の制約を解消することがで
る。
請求項8の発明は、前記有機溶剤が高極性溶
媒を添加したものであるから、処理膜の電気
伝導度を安価な溶媒を用いることによって大
幅に向上し、これを容易かつ安価に製造する
ことができる。
請求項9の発明は、前記有機溶剤が、メタノ
-ル若しくはエチレングリコ-ルまたはDMSO(ジ
チルスルホキシド)であるから、PEDOT/PSS膜の
気伝導度を大幅に向上することができ、し
もメタノ-ルやエチレングリコ-ルは安価で
このうちメタノ-ルは低沸点であるから、導
性高分子の被膜を安価かつ速やかに製造す
ことができるとともに、前記処理膜の残存
剤を容易かつ速やかに除去することができ
。
請求項10の発明は、前記処理後、前記処理
の残存溶剤を除去するから、導電性高分子
被膜の安定した物性を得られる効果がある
2 溶液(PEDOT/PSS溶液)
5,9 乾燥膜(一次/二次乾燥膜)
10 反応容器(耐圧反応容器)
11 溶剤(メタノ-ル)
24 処理膜(PEDOT/PSS処理膜)
25 加圧二酸化炭素
26 混合気
以下、本発明を加圧二酸化炭素として超 界二酸化炭素を利用して、PEDOT/PSS膜の伝導 を向上する図示の実施形態について説明す と、図1は第1の実施形態の製造方法を順に し、図1(a)において1は薬液収納容器で、内部 にPSSをPEDOTのド-パントに用いた製膜素材であ るPEDOT/PSS溶液(Aldrich社から購入/1.3wt%、水で分 散)2が収容されている。
前記PEDOT/PSS溶液2を図1(b)のように、容量50 μLのマイクロピペット3を用いて所定量採取 、これを製膜具であるガラス板4上に滴下し 約1cm×2cm四方に膜状に塗布し、これを一晩 置して自然乾燥した一次乾燥膜5を作製する
そして、前記一次乾燥膜5をヒ-タ6を備えた
燥室7に収容し、該乾燥室7に真空ポンプ8を
備し、乾燥室7を100℃の真空状態にして約30
間真空乾燥する。この状況は図1(c)のようで
ある。
この後、乾燥室7を200℃に昇温して約1分間
空乾燥し、前記溶液2の残存溶媒、すなわち
を除去して、ガラス板4上にPEDOT/PSS溶液2の
次乾燥膜9を作製する。このときの二次乾燥
9の膜厚は、約2~3μmである。この場合、二次
乾燥膜9の作製方法は前述の例に限定されな
。
この後、前記二次乾燥膜9を容積24mLの耐圧
応容器10に収容し、該容器10に伝導度改善溶
の有機溶剤であるメタノ-ル11を1mL入れ、蓋
12を介して前記耐圧反応容器10を密閉する。
前記耐圧反応容器10を恒温槽13、この実施形
態では恒温水槽に収容し、該恒温水槽13に15
間置いて、耐圧反応容器10の内部を35℃に保
可能にしている。
前記耐圧反応容器10は導管14を介してガスボ
ンベ15に連通し、該ボンベ15に超臨界形成流
である二酸化炭素が液化して収容されてい
。
前記導管14に、高圧送液ポンプ16と冷凍回路
(図示略)と加熱器17が介挿され、これらによ
て前記二酸化炭素を耐圧反応容器10に導入し
、反応容器10内の圧力を12MPaに形成し、反応
器10内に二酸化炭素の超臨界状態を形成可能
にしている。この状況は図1(d)のようである
図中、18,19は前記導管14に介挿した開閉弁、
20は耐圧反応容器10に連通する排出管で、該
20に背圧弁21が介挿されている。22は耐圧反
容器10内に連通する真空ポンプ、23は耐圧反
容器10の周面に装着したヒータである。
前記耐圧反応容器10を密閉後、該反応容器10
を35℃に温度設定した恒温水槽13に約15分間収
容し、耐圧反応容器10の内部温度を35℃にす
。
この後、前記高圧送液ポンプ16によって、
スボンベ15内の二酸化炭素を耐圧反応容器10
導入し、該反応容器10内の圧力を12MPaにして
、反応容器10内の二酸化炭素を超臨界状態に
る。この状況は図1(e)のようである。
このようにして、前記超臨界二酸化炭素 メタノ-ルを、PEDOT/PSSの二次乾燥膜9に浸透 せて処理し、該乾燥膜9を調質ないし改質し 、PEDOT/PSSの処理膜24を作製する。
前記処理膜24の製作過程において、耐圧 応容器10内の圧力が安定し、超臨界二酸化炭 素によるPEDOT/PSSの二次乾燥膜9への浸透を開 してから1時間経過後、背圧弁21を介して耐 反応容器10内の超臨界二酸化炭素をゆっくり 放出し、耐圧反応容器10内を大気圧に戻す。
この後、前記PEDOT/PSSの処理膜24を、ガラス
4と一緒に耐圧反応容器10から取り出し、こ
を前記乾燥室7に収容する。
そして、前記乾燥室7を100℃の真空状態にし
、約10分間真空乾燥後に200℃に昇温して約5分
間真空乾燥する。このようにすることによっ
て、PEDOT/PSSの処理膜24に残留するメタノ-ルを
蒸発させて除去する。この状況は図1(f)のよ
である。
この場合、前記処理膜24の残存溶剤の除 方法は、前述の方法に限らず通風乾燥や自 乾燥を採り得るが、前記のような加熱乾燥 場合は、溶剤であるメタノ-ルは低沸点(64.6 )であるから、残存溶剤の除去を容易かつ速 かに行なえる。
この後、前記PEDOT/PSSの処理膜24を図1(g)の うに乾燥室7から取り出し、その膜厚と電気 抵抗値を測定し、伝導度を算出する。
実施形態では膜厚を表面粗さ計により段 測定で決定し、電気抵抗値は抵抗率計によ 4探針法で測定した。なお、膜の伝導度計算 は抵抗率補正係数を4.532とし、伝導度(S/cm)=1/ (抵抗値)×4.532×膜厚の演算式に基いて算出し た。いずれの伝導度も2回以上の実験の平均 とした。この結果、PEDOT/PSSの処理膜24の伝導 度として、45.5S/cmを得た。
一方、発明者は、前記実験結果を確認す ため、超臨界二酸化炭素処理前のPEDOT/PSSの 種被膜の伝導度を、前述と同様の要領で測 したところ、前記二次乾燥膜9の伝導度は0.1 S/cmで、これは低分子ド-パント(トルエンスル ホン酸)を用いたときよりも2~3桁低いことが 認された。
また、前記一次乾燥膜5の作製時にメタノ-
を添加して得られた被膜の伝導度は、0.11S/cm
で、前記二次乾燥膜9の伝導度と同等であっ
したがって、メタノ-ル存在の下で超臨界二
酸化炭素処理したPEDOT/PSSの処理膜24の伝導度
、45.5S/cmであるから、一次乾燥膜5の伝導度
約400倍以上、向上していることが確認され
。
このような伝導度向上のメカニズムは明 かではないが、実施形態のメタノ-ルの溶剤 系で処理することによって、ド-パント(PSS)や 導電性高分子鎖(PEDOT)の分散状態、相互作用 が変化して、前記PEDOT/PSS処理膜24の内部構造 が電子を流すのに適した状態に変化したため と考えられる。
更に、発明者は、前記実験結果を確認す ため、超臨界二酸化炭素処理に添加する溶 の伝導度への影響を確認したところ、溶媒 全く添加しない超臨界二酸化炭素単独の処 では、伝導度の向上は観察されなかった。
一方、メタノ-ル、ジメチルスルホキシド (DMSO)等の高極性溶媒を添加すると、それらの 伝導度は45.5S/cm、41.2S/cmと高く、一方、クロ ホルムの伝導度は0.10S/cmで、無極性溶媒では 伝導度は殆ど向上しなかった。
したがって、高極性溶媒の添加が効果的 あると思われるが、エタノ-ルやメチルピロ リジノンの伝導度は、それぞれ5.25S/cm、3.59S/c mで低いため、溶剤極性以外にも伝導度向上 寄与する因子が存在すると考えられる。
次に、発明者は、前記実験結果を確認する
め、超臨界二酸化炭素に添加したメタノ-ル
の添加量を変えて、PEDOT/PSSの処理膜24の伝導
を測定した。
この結果は図2のようで、ごく僅か(10μL)の
加でも伝導度が一桁上昇し、1%程度以上では
約50S/cmとなった。
これは乾燥のみのデ-タ、すなわち前記二 次乾燥膜9の伝導度0.1S/cmの約500倍に相当し、 タノ-ル添加の有効性が確認され、顕著な伝 導度向上が観察された。そして、メタノ-ル 添加量が2~4%程度で、伝導度が約60~70S/cmに安 することが観察された。
また、発明者は、メタノ-ルを4%添加したと
の、超臨界二酸化炭素処理の時間と伝導度
の関係を確認した。
この結果は図3のようで、処理時間が5分で
明らかな伝導度向上が観察され、処理時間
1時間程度から略一定値となり、40時間の処
では伝導度の低下が観察された。したがっ
、前記超臨界二酸化炭素処理の効果を比較
短時間で得られることが確認された。
一方、発明者は、メタノ-ルを4%添加して 超臨界二酸化炭素の温度と圧力を変えたと のPEDOT/PSSの処理膜24の伝導度に与える影響 観察したところ、表1の結果を得られた。
前記表1によれば、温度や圧力を変えても 、PEDOT/PSSの処理膜24の伝導度はあまり変化し かった。また、高圧力(20MPa)、高温度(80℃) は僅かに伝導度が低くなり、臨界点近傍(35 、7MPa)でも特別な伝導度向上は観測されなか った。したがって、前記超臨界二酸化炭素処 理に、温度と圧力の変化に相関関係はないと 考えられる。
更に、発明者は、厚さの異なるPEDOT/PSSの 理膜24に対し、メタノ-ルを4%添加して、前 の要領で超臨界二酸化炭素処理を行ない、 の伝導度向上に対するPEDOT/PSS膜厚の影響を 験した。表2はその結果を示す。表中、未処 は、前記超臨界二酸化炭素処理前の二次乾 膜9の状態を指している。
前記表2によれば、超臨界二酸化炭素処理 した全ての膜厚のものは、未処理のものに比 べ、伝導度が40~360倍向上することが観察され 、また超臨界二酸化炭素処理では、厚膜の10 mや20μmのものは、3μmよりもやや低い伝導度 、厚膜に対する処理条件の最適化が必要に ると考えられる。
次に、発明者は、前記超臨界二酸化炭素処
によって伝導度が高くなった3種類の試料に
ついて、伝導度の安定性を実験したところ、
図4の結果を得た。
このうち、試料1および試料2は前記超臨界
酸化炭素処理を1時間行なったもの、試料3は
超臨界二酸化炭素処理を終夜処理したものを
用いている
前記実験室は非温度制御の室温条件の下 、3種類の膜厚(2~3μm)のものを5ケ月間に亘っ て観測した。この結果、何れの膜厚のものも 高い伝導度を保持し、伝導度を向上した試料 の膜の安定性が確認された。特に、試料1,2が 試料3と遜色ない安定した伝導度を保持する とが確認され、実用的な処理法の選択に重 である。
更に、発明者は、PEDOT/PSS溶液を変えた場合
伝導度向上を確認した。すなわち、下記の
用グレ-ドと、2種類の高伝導度グレ-ドの計
種類の試料を用意し、これらに伝導度向上
処理を行なわない処理なしと、前記実施形
の超臨界二酸化炭素-メタノ-ル処理と、前
DMSO処理し、それらの伝導度を測定して伝導
向上を確認した。
表3はその結果を示す。
前記表3によれば、Aldrich社製(汎用グレ-ド相
当)は、何れの処理でも処理なしに対し、400
以上の略同等の伝導度向上が確認された
また、Aldrichよりも高伝道度グレ-ドの、(Bayt
ron(商品名) P HC V4、Baytron(商品名) P H500)で
、超臨界二酸化炭素-メタノ-ル処理と、前
DMSO処理のどちらの処理でも、10 2
オ-ダ-の高い伝導度を示し、DMSO処理の方がや
や高い伝導度となった。
ただし、実用上は、どちらの処理で得られ
膜も、現在使用されているPEDOT/PSS膜として
最高レベルの伝導度とみなすことができる
このように前記実施形態では、超臨界二 化炭素に安価なメタノ-ルを添加して処理す るから、高価な溶剤のDMSOを添加する方法に べ、処理コストが安価で、DMSOの添加法と同 の伝導度が得られる。
次に、発明者は前述の二次乾燥を省略し 代わりに自然乾燥状態の一次乾燥膜5で、前 記超臨界二酸化炭素-メタノ-ル処理を試みた 処理条件は前述と同様で、反応容器10を35℃ 、12MPaに設定し、処理時間を1時間とした。
この場合の自然乾燥は前述と同様に、PEDO T/PSS溶液2を容量50μLのマイクロピペット3を用 いて所定量採取し、これをガラス板4上に滴 して約1cm×2cm四方に膜状に塗布し、これを前 述のように一晩放置して自然乾燥する代わり に、実験室雰囲気下(室温25℃、湿度非制御で 湿度50%前後)で12時間自然乾燥し、一次乾燥膜 5を作製した。
そして、前記一次乾燥膜5を前記反応容器10
収容し、前記条件の下で超臨界二酸化炭素-
メタノ-ル処理し、得られたPEDOT/PSS処理膜24を
乾燥室7に収容し、これを100℃で約30分間真空
乾燥後、膜厚および抵抗値を測定して、伝導
度40.6S/cmを算出した。
この結果、前述の二次乾燥を省略しても、
述の伝導度45.5S/cmと遜色のない伝導度を得
れることが確認された。
なお、発明者は、乾燥室7を200℃に昇温して
PEDOT/PSS処理膜24を約5分間真空乾燥したが、前
記処理膜24の電気抵抗値の変化は観察されな
った。
前述の実験では実際に残存溶媒評価を直接
っていないが、前述の100℃、約30分の真空
燥で残存溶媒は殆ど残っていないと考えら
る。
したがって、長時間自然乾燥した一次乾燥
5は、PEDOT/PSS溶液2の溶媒(水)が十分揮発して
おり、そのまま超臨界二酸化炭素/メタノ-ル
理しても、所期の伝導度向上の効果が得ら
ることが確認された。
ちなみに、6時間放置した一次乾燥膜5につ
て、100℃、30分、200℃、1分の条件で真空乾
したところ、一次乾燥膜5の亀裂、破壊、表
形態変化は全く観察されなかった。この結
、実験室条件下で6時間放置した一次乾燥膜
5には、殆ど溶媒(水)は残っていないと推測さ
れる。
図5(a)~(g)は第2の実施形態による製造方法を
に示したもので、図1の実施形態の構成と対
応する部分に同一の符号を用いている。
この第2の実施形態では、PEDOT/PSS溶液2をマ
クロピペット3を用いて2mL採取し、これを製
具であるシャ-レ4に収容し、これを一週間
置して自然乾燥した一次乾燥膜5を作製する
この状況は図5(a),(b)のようである。
次に、前記一次乾燥膜5をヒ-タ6を備えた 燥室7に収容し、該乾燥室7を真空ポンプ8を し、100℃の真空状態にして約30分間真空乾 し、次いで200℃に昇温して約1分間真空乾燥 、残存溶媒を除去してシャ-レ4内にPEDOT/PSS 液2を強制的に乾燥した二次乾燥膜9を作製す る。このときの二次乾燥膜9の膜厚は、約20μm である。この状況は図5(c)のようである。こ 場合、二次乾燥膜9の作製方法は前述の例に らない。
この後、前記二次乾燥膜9を容積50mLの耐圧
応容器10に収容するとともに、該反応容器10
伝導度改善溶媒であるメタノ-ル11を1mL入れ
蓋体12を介して前記耐圧反応容器10を密閉す
る。この状況は図5(d)のようである。
そして、前記耐圧反応容器10を恒温槽13、こ
の実施形態では恒温水槽に収容し、前記耐圧
反応容器10を恒温水槽13に15分間置いて、その
内部温度を35℃に保持する。
この後、高圧送液ポンプ16によって、ガ ボンベ15内の二酸化炭素を耐圧反応容器10に 入し、該反応容器10内の圧力を12MPaにして、 反応容器10内の二酸化炭素を超臨界状態にし この超臨界二酸化炭素をメタノ-ルと共にPED OT/PSSの二次乾燥膜9に浸透させて処理し、該 燥膜9を調質ないし改質してPEDOT/PSSの処理膜2 4を作製する この状況は図5(e)のようである
前記処理膜24の製作過程において、耐圧 応容器10内の圧力が安定し、超臨界二酸化炭 素によるPEDOT/PSSの二次乾燥膜9への浸透を開 してから1時間経過後、背圧弁21を介して耐 反応容器10内の超臨界二酸化炭素をゆっくり 放出し、耐圧反応容器10内を大気圧に戻す。
この後、前記PEDOT/PSSの処理膜24を、シャ-レ-
4と一緒に耐圧反応容器10から取り出し、これ
を前記乾燥室7に収容する。
そして、前記乾燥室7を100℃の真空状態にし
、約10分間真空乾燥後に200℃に昇温して約5分
間真空乾燥する。このようにすることによっ
て、PEDOT/PSSの処理膜24に残留するメタノ-ルが
蒸発し、メタノ-ルの残存を除去する。
この状況は図5(f)のようである。この場合、
前記処理膜24の残存溶剤の除去方法は、前述
方法に限らず通風乾燥や自然乾燥を採り得
。
この後、前記PEDOT/PSSの処理膜24を図5(g)のよ
に耐圧反応容器10から取り出し、その膜厚
電気抵抗値を前述と同様の要領で測定し、
導度を算出する。
この結果、この第2の実施形態では伝導度14.
7S/cmを得た。
このように第2の実施形態は、第1の実施 態に比べ大量のPEDOT/PSS溶液2を、大きな製膜 4と大容積の耐圧反応容器10を使用し、厚膜 二次乾燥膜9を形成するとともに、これにメ タノ-ルを添加して超臨界二酸化炭素を浸透 せ、PEDOT/PSSの処理膜24を得たものであるが、 その処理膜24の伝導度は、第1の実施形態より も低下している。
図6(a)~(g)は第3の実施形態による製造方法を
に示したもので、図1の実施形態の構成と対
応する部分に同一の符号を用いている。
この第3の実施形態では、前述のような超臨
界二酸化炭素の代わりに、液化二酸化炭素に
メタノ-ルを添加して、PEDOT/PSSの二次乾燥膜9
処理し、その伝導度を向上した。
この第3の実施形態では、図6(a)~(c)のよう 二次乾燥膜9を第1の実施形態と同様の要領 作製し、該二次乾燥膜9をガラス板4と一緒に 容積24mLの耐圧反応容器10に収容し、該容器10 メタノ-ル11を1mL入れ、蓋体12を介して前記 圧反応容器10を密閉する。
前記耐圧反応容器10を28℃の恒温水槽13に収
し、該耐圧反応容器10を導管14を介してガス
ボンベ15に連通している。前記導管14に開閉
18,19が介挿され、その開閉操作を介して、ガ
スボンベ15に充填された高圧の液化二酸化炭
を耐圧反応容器10に導入可能にしている。
の状況は図6(d)のようである。
このように、導管14には前述の高圧送液ポ
プ16や、冷凍回路(図示略)、加熱器17の介挿
省略し、簡素な構成で対応可能にしている
この後、前記開閉弁18,19を開弁し、ガスボ
ベ15内の液化二酸化炭素を耐圧反応容器10に
入し、ガラス板4全体を加圧二酸化炭素25で
る液化二酸化炭素25に浸漬させたところで
開閉弁18,19を閉弁する。この状況は図6(e)の
うで、この状態を1時間維持する。
この場合の耐圧反応容器10は28℃で、内部圧
力は6.4MPaである
このようにして、液化二酸化炭素25をメ ノ-ルに相溶させ、これを二次乾燥膜9に浸透 させて処理し、該乾燥膜9を調質ないし改質 て、PEDOT/PSSの処理膜24を作製する。
前記時間経過後、すなわち二次乾燥膜9の処
理後、背圧弁21を介して液化二酸化炭素25を
っくり放出し、耐圧反応容器10内を大気圧に
戻す。
この後、前記PEDOT/PSSの処理膜24を、ガラス
4と一緒に耐圧反応容器10から取り出し、こ
を前記乾燥室7に収容する。
そして、乾燥室7を100℃で約30分間真空乾燥
、PEDOT/PSSの処理膜24に残留するメタノ-ルを
発し、メタノ-ルの残存を除去する。この状
況は図6(f)のようである。
この後、前記処理膜24を図6(g)のように乾燥
7から取り出し、その膜厚と電気抵抗値を測
定し、伝導度を算出する。この実施形態では
伝導度として44.6S/cmを得た。
このように前記第3の実施形態では、加圧二
酸化炭素として、超臨界条件よりも低い温度
、低い圧力でも、PEDOT/PSS膜の伝導度が向上す
ることが確認された。
しかも、前記の実施形態では、高圧送液ポ
プ16や、冷凍回路(図示略)、加熱器17を省略
、ガスボンベ15内の液化二酸化炭素をその
ま利用するから、安価かつ簡素な設備で対
し得る。
この場合、この実施形態ではガラス板4全体
が液化二酸化炭素25に浸漬していることが重
と考えられる。なお、気体の二酸化炭素は
メタノ-ル等の有機溶媒と相溶化させた状態
を作り得ないから、この実施形態では使用し
得ないと考えられる。
このように本発明は、導電性高分子とそ ド-パントの溶液の乾燥膜を、反応容器を介 し所定の溶剤と加圧二酸化炭素、すなわち液 化二酸化炭素または亜臨界若しくは超臨界二 酸化炭素とで処理し、前記乾燥膜に溶剤と加 圧二酸化炭素とを浸透させて、簡単な操作で 速やかに調質ないし改質し、その処理膜24の 気伝導度を大幅に向上し得るようにしたも である。
次に、発明者は前記処理膜24の伝導度の向
とその正確な検証を意図し、第4の実施形態
して次の実験を行った。
前記実験は、第1の実施形態の一次および二
次乾燥膜5,9の製膜過程において、自然乾燥後
、乾燥室7により真空乾燥する代わりに、ス
ンコ-ト法を採用し、二次乾燥膜9の薄膜化と
製膜の迅速化を図った。
すなわち、前記PEDOT/PSS溶液2を、マイクロフ
ィルター(図示略)を介しメッシュ0.2μm程度の
度にろ過して使用し、またスライドガラス
1.5×2.5cmの短冊状に切断し、これを純水中で
超音波洗浄(15分)してから乾燥して使用した
前記PEDOT/PSS溶液2を30μL採取し、これをガラ
板4上に展開してスピンコータ-(図示略)に収
容し、このスピンコータ-(図示略)を3000rpm,30se
c駆動して薄膜を作製し、これを100℃、30分真
空乾燥して、予備乾燥膜である二次乾燥膜9
得た。
そして、前記二次乾燥膜9をガラス板4ごと
圧反応容器10に入れ、該反応容器10にメタノ-
ル等の有機溶媒11を添加して密封し、水浴に
一定温度とした。この後、耐圧反応容器10
二酸化炭素を所定圧力、6.2MPaまで導入し、
っくり二分間攪拌して全体を均一相とした
前記攪拌を停止し、30分間静置して一定速
(0.5MPa/min)で二酸化炭素を放出し、反応容器10
内を大気圧下に戻してガラス板4を取り出し
。
そして、前記ガラス板4を乾燥室7に収容し
該乾燥室7で100℃、30分で真空乾燥後、処理
の抵抗値と膜厚を測定したところ、実験試
の処理膜24の膜厚は0.05~0.12μmであった。
前記処理膜24の抵抗値は抵抗率計を用いて4
針法で測定し、膜厚は表面粗さ計を用いた
差測定で測定した。処理膜24の伝導度計算
おける抵抗率補正係数、算出式は第1の実施
態と同じで、その算出式を基に2回以上の実
験の平均値とした。
前記実験の結果、PEDOT/PSS水溶液2から作製し
た未処理薄膜の伝導度は0.1S/cm以下で、低分
ドーパントを用いたPEDOT/PSS薄膜より低い。
表4は、超臨界二酸化炭素一有機溶媒混合系
処理を行うときの溶媒の種類と伝導度向上の
関係を示している。
すなわち、エチレングリコール、DMSO等では
1000倍程度、メタノールでは400倍程度となり
低極性溶媒や、上記以外の非プロトン性極
溶媒では、伝導度の向上は認められなかっ
。
PEDOT/PSS薄膜作製時に有機溶媒を添加するこ
によって、伝導度が向上することは既に報
されている。
図7は従来法と今回の超臨界二酸化炭素一有
機溶媒混合処理の伝導度比較を示し、同図か
ら本方法によって、これまで報告のなかった
メタノールでも顕著な伝導度向上が認められ
た。
DMSO、エチレングリコールでは、超臨界二酸
化炭素一有機溶媒混合系処理をしたときの方
が、単独で溶媒を用いた場合より伝導度が高
くなった。
現時点で伝導度向上のメカニズムは明らか
なっていないが、超臨界二酸化炭素による
分子鎖の可塑化と、有機溶剤が駆動力とな
分子鎖の再配列が相乗的に作用したと考え
れる。
表5は製膜処理時の二酸化炭素相状態と伝導
度の関係を示している。
一方、臨界点以下の条件では、二酸化炭素
入時に反応容器10中に下から液化二酸化炭
が溜まっていき、少量有機溶媒が溶解した
化二酸化炭素相に現れ、試料をこの溶液に
漬させた。
超臨界二酸化炭素と液化二酸化炭素では、P
EDOT/PSS薄膜の伝導度は共に高く、殆ど差は認
られなかった。液化二酸化炭素を用いる場
、二酸化炭素圧力を低くすることができる
、内部観察により試料が液化二酸化炭素の
面レベルより下にあることを確認する必要
ある。安全面からも液封による圧力急上昇
防ぐために液面レベルのチェックは必須と
る。
一方、超臨界二酸化炭素では、より高い圧
が必要であるが、均一相になるので内部観
する必要がない。
図8は、超臨界二酸化炭素一DMSO処理にお るDMSO量の伝導度に対する影響を示している 反応容器10(24mL)に対し、10μLの添加でも明確 な添加効果が認められ、数百μL以上の添加で は略一定となった
図9は、PEDOT/PSS薄膜のラマン散乱スペクトル
を示し、同図から伝導度向上が認められた試
料はピークがシャープとなった。
中でも、1430cm-1付近のピークは、Ca-Cb伸縮振
動に対応する。処理前は幅広く弱いピークで
あったが、超臨界二酸化炭素一メタノール処
理をすることで、強いピークが観測された。
これはキノイド骨格の増加に対応すると考え
られる。キノイド骨格の方がより分子鎖が引
き延ばされやすく、主鎖間電子移動に有利と
なるため、結果として伝導度が高くなったと
解釈できる。
このように第4の実施形態は、二次乾燥膜5,9
の製膜過程において、自然乾燥後、乾燥室7
より真空乾燥する代わりに、スピンコ-ト法
よって二次乾燥膜9を薄膜化し、製膜の迅速
化を図るとともに、この二次乾燥膜9を反応
器10に収納して製膜処理し、その処理膜24の
膜化とその伝導度の向上を図り、これを容
かつ安価に製膜し得るようにしたものであ
。
そして、処理膜24の薄膜化によって該膜24の
透明化を促せるから、ITO(インジウム・スズ
酸化物)等の透明導電体の代替品として、フ
キシブルな透明電極や透明や電磁遮蔽フィ
ム等への利用を促せる。
更に、発明者は、反応容器10内の二次乾燥
9に対する製膜工程の最適条件を得るため、
5の実施形態として次の実験を行った。
すなわち、前記製膜環境は、前記第1および
第2の実施形態では液化二酸化炭素を導入し
、反応容器10内を12MPaにし、超臨界二酸化炭
とメタノ-ルを二次乾燥膜9に浸透処理して
り、第3の実施形態では液化二酸化炭素を導
して、反応容器10内を6.4MPaにし、超臨界二
化炭素の代わりに、液化二酸化炭素とメタ
-ルを二次乾燥膜9に浸透処理しており、第4
実施形態では液化二酸化炭素を導入して、
応容器10内を6.2MPaにし、超臨界二酸化炭素の
代わりに、液化二酸化炭素とメタノ-ルを二
乾燥膜9に浸透処理している。
そして、このような製膜環境の相違にも拘
らず、前述のような伝導度の向上が確認さ
たため、製膜条件を見直す端緒になったも
である。
前記実験は図10のように第4の実施形態と基
的に同様で、同図(a)のようにPEDOT/PSS溶液2を
40μL採取し、これを同図(b)のようにガラス板4
上に展開してスピンコータ-S p
に収容し、このスピンコータ-S p
を同図(c)のように3000rpm,30sec駆動して薄膜を
製し、これを同図(d)のように100℃、30分真空
乾燥して、予備乾燥膜である二次乾燥膜9を
た。
こうして、スピンコ-ト法により二次乾燥膜
9の薄膜化と製膜の迅速化を図り、この二次
燥膜9を同図(e)のようにガラス板4ごと耐圧反
応容器10に入れ、該反応容器10にメタノ-ル等
有機溶媒11を添加して密封し、水浴にて一
温度28℃とした。
この後、耐圧反応容器10に0.5MPaの加圧二酸
炭素ガスを導入し、ゆっくり二分間攪拌し
。
その際、ガラス板4と二次乾燥膜9を、前述
実施形態よりも反応容器10の若干上方に配置
し、その下方に有機溶媒11と前述のような低
の加圧二酸化炭素25とが滞留し、この液面
上方に、ガス状の二酸化炭素と微量の有機
媒11の蒸気が混在し、この気相状態である混
合気26中にガラス板4と二次乾燥膜9とを静置
せて実験した。この状況は図10(f)のようであ
る。
したがって、この実施形態ではガラス板4と
二次乾燥膜9を、前述のように有機溶媒11と液
化二酸化炭素中に浸漬させていないから、試
料が液化二酸化炭素の液面レベルより下にあ
ることを確認する内部観察が不要になり、こ
れを容易かつ合理的に行なえるとともに、有
機溶媒11と加圧二酸化炭素の使用量を低減で
る。
しかも、反応容器10内へ導入する加圧二 化炭素25は前述のように低圧で、実質的な製 膜環境は後述のように、0.1MPa~7.0MPaの二酸化 素ガス下で得られるから、製膜環境を容易 得られ、製膜設備の低廉化と生産性の向上 並びに量産化を図れる。
この後、前記攪拌を停止し、30分間静置 て図10(g)のように一定速度(0.5MPa/min)で二酸化 炭素を放出し、図10(h)のように反応容器10内 大気圧下に戻してガラス板4を取り出し、該 ラス板4を乾燥室7に収容し、該乾燥室7で100 、30分で真空乾燥後、処理膜の抵抗値と膜 を測定し、第4の実施形態と同様な結果が得 れ、83.1S/cmの高い伝導度を得られた。
なお、前記実験後、同様な実験条件の下で2
.0MPa、5.3MPaの加圧二酸化炭素ガスを導入して
験したところ、何れも有効な結果を得られ
。
そして、更に低圧、例えば0.1MPaの加圧二酸
炭素ガスを導入する場合は、前述と同様な
験条件で、また更に高圧、例えば7.0MPaの加
二酸化炭素ガスを導入する場合は、例えば
ラス板4および二次乾燥膜9の取付け高さや
反応容器10内の温度を調整し、ガラス板4と
次乾燥膜9が前記液面に浸漬しないようにす
ことで、前述の結果を得られることが推測
きた。
このように、低圧の二酸化炭素ガスと有機
媒11によっても、第4の実施形態と同様な結
を得られた。その理由は明らかではないが
二酸化炭素ガスと有機溶媒11とが相乗的に
用している結果と思われる。
このように本発明の導電性高分子の被膜 造方法は、簡単な操作で安価かつ速やかに 造でき、PEDOT/PSS膜の伝導度を大幅に向上で るとともに、被膜の安定した物性を得られ から、例えばPEDOT/PSS膜の電気伝導度の向上 好適である。
Next Patent: CONDUCTION MEMBER OF ELECTRIC APPARATUS AND JOINT OF ELECTRIC APPARATUS USING IT
