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Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR PRODUCTION OF CROSSLINKED POLYVINYL ACETAL RESIN, AND CROSSLINKED POLYVINYL ACETAL RESIN
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/126921
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed are: a method for producing a crosslinked polyvinyl acetal resin, which can produce a crosslinked polyvinyl acetal resin having high mechanical strength and excellent solvent resistance in a simple manner without the need of using any crosslinking agent, and which can overcome the problems such as sheet-attack, strength poverty and unsatisfactory long-term viscosity stability; and a crosslinked polyvinyl acetal resin produced by employing the method. Specifically, the method for producing a crosslinked polyvinyl acetal resin comprises the step of irradiating a polyvinyl acetal resin having at least constituent units represented by the general formulae (1), (2), (3) and (4) with an ultraviolet ray having a wavelength of 200 to 365 nm. (1) - (4) wherein R1 represents a hydrogen atom or a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms; and R2 represents a group having two or more pieces of at least one functional group selected from the group consisting of a functional group represented by the general formula (5), a functional group represented by the general formula (6) and a functional group represented by the general formula (7).

Inventors:
HIROSE YUKI (JP)
TAKEHARA HIROAKI (JP)
ICHITANI MOTOKUNI (JP)
MAEDA TAKAYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/057186
Publication Date:
October 23, 2008
Filing Date:
April 11, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SEKISUI CHEMICAL CO LTD (JP)
HIROSE YUKI (JP)
TAKEHARA HIROAKI (JP)
ICHITANI MOTOKUNI (JP)
MAEDA TAKAYUKI (JP)
International Classes:
C08J7/00; B41M5/382; C08F216/38; C08J3/28; G03C1/498; G03C1/74; G03F7/00; G03F7/033
Foreign References:
JPH0277403A1990-03-16
JP2006522863A2006-10-05
JPH10292013A1998-11-04
JP2000218952A2000-08-08
JPS61281236A1986-12-11
JP2006131445A2006-05-25
JPH11305030A1999-11-05
JP2006156493A2006-06-15
JP2006522863A2006-10-05
JP2006523754A2006-10-19
Other References:
See also references of EP 2138531A4
Attorney, Agent or Firm:
YASUTOMI, Yasuo et al. (5-36 Miyahara 3-chome, Yodogawa-ku, Osaka-sh, Osaka 03, JP)
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Claims:
少なくとも下記一般式(1)、(2)、(3)及び(4)で表される構造単位を有するポリビニルアセタール樹脂に波長が200~365nmの範囲内にある紫外線を照射する工程を有することを特徴とする架橋ポリビニルアセタール樹脂の製造方法。
式中、R 1 は水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基を表し、R 2 は下記一般式(5)で表される官能基、下記一般式(6)で表される官能基、及び、下記一般式(7)で表される官能基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を合計2個以上有する基を表す。
R 1 がメチル基及び/又はブチル基であることを特徴とする請求項1記載の架橋ポリビニルアセタール樹脂の製造方法。
R 2 は、下記一般式(5)で表される官能基、下記一般式(6)で表される官能基、及び、下記一般式(7)で表される官能基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基同士が直接結合する部分、又は、下記一般式(5)で表される官能基、下記一般式(6)で表される官能基、及び、下記一般式(7)で表される官能基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基とは異なる1個の官能基を介して結合する部分を有することを特徴とする請求項1又は2記載の架橋ポリビニルアセタール樹脂の製造方法。
R 2 は下記一般式(8)で表される基であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の架橋ポリビニルアセタール樹脂の製造方法。
R 2 は下記一般式(9)で表される基であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の架橋ポリビニルアセタール樹脂の製造方法。
請求項1、2、3、4又は5記載の架橋ポリビニルアセタール樹脂の製造方法を用いてなることを特徴とする架橋ポリビニルアセタール樹脂。
支持体の少なくとも一方の面にインク層及び/又は保護層を形成する熱転写インクシートの製造方法であって、少なくとも下記一般式(1)、(2)、(3)及び(4)で表される構造単位を有するポリビニルアセタール樹脂及び有機溶剤を含有する樹脂組成物を支持体に塗工する工程、前記樹脂組成物を乾燥する工程、及び、波長が200~365nmの範囲内にある紫外線を照射することにより架橋させる工程を有することを特徴とする熱転写インクシートの製造方法。
式中、R 1 は水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基を表し、R 2 は下記一般式(5)で表される官能基、下記一般式(6)で表される官能基、及び、下記一般式(7)で表される官能基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を合計2個以上有する基を表す。
少なくとも下記一般式(1)、(2)、(3)及び(4)で表される構造単位を有するポリビニルアセタール樹脂及び有機溶剤を含有するオフセット印刷版用樹脂組成物を調製する工程、及び、前記オフセット印刷版用樹脂組成物に波長が200~365nmの範囲内にある紫外線を照射することにより架橋する工程を有する
ことを特徴とするオフセット印刷版の製造方法。
式中、R 1 は水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基を表し、R 2 は下記一般式(5)で表される官能基、下記一般式(6)で表される官能基、及び、下記一般式(7)で表される官能基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を合計2個以上有する基を表す。
少なくとも下記一般式(1)、(2)、(3)及び(4)で表される構造単位を有するポリビニルアセタール樹脂及び有機溶剤を含有するネガ型レジスト用樹脂組成物を調製する工程、及び、前記ネガ型レジスト用樹脂組成物に波長が200~365nmの範囲内にある紫外線を照射することにより架橋する工程を有する
ことを特徴とするネガ型レジストの製造方法。
式中、R 1 は水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基を表し、R 2 は下記一般式(5)で表される官能基、下記一般式(6)で表される官能基、及び、下記一般式(7)で表される官能基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を合計2個以上有する基を表す。
少なくとも下記一般式(1)、(2)、(3)及び(4)で表される構造単位を有するポリビニルアセタール樹脂及び有機溶剤を含有することを特徴とするネガ型レジスト用樹脂組成物。
式中、R 1 は水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基を表し、R 2 は下記一般式(5)で表される官能基、下記一般式(6)で表される官能基、及び、下記一般式(7)で表される官能基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を合計2個以上有する基を表す。
Description:
架橋ポリビニルアセタール樹脂 製造方法及び架橋ポリビニルアセタール樹

本発明は、架橋剤を使用せず簡便な方法で、 機械的強度が高く、耐溶剤性に優れる架橋ポ リビニルアセタール樹脂を製造できることか ら、シートアタック、強度不足、粘度の経時 安定性等の問題を解決することが可能な架橋 ポリビニルアセタール樹脂の製造方法及び該 架橋ポリビニルアセタール樹脂の製造方法を 用いてなる架橋ポリビニルアセタール樹脂に 関する。
また、架橋剤を使用せず簡便な方法で、充分 な機械的強度を有する架橋ポリビニルアセタ ール樹脂が得られることから、熱転写インク シートの強度不足や耐熱性低下の問題を解決 することが可能な熱転写インクシートの製造 方法に関する。
更に、架橋剤を使用せず簡便な方法で、優れ た感光性及びアルカリ洗浄性を有する架橋ポ リビニルアセタール樹脂を製造することがで きることから、例えば、露光-現像工程を行 際に、不要な部分が残留したり、必要な部 が溶解したりすることのないオフセット印 版の製造方法、ネガ型レジストの製造方法 並びに、ネガ型レジスト用樹脂組成物に関 る。

従来、ポリビニルアセタール樹脂は、強靭 性、造膜性、顔料等の無機・有機粉体等の分 散性、塗布面への接着性等に優れていること から、例えば、インク、塗料、焼き付け用エ ナメル、ウォッシュプライマー、セラミック スグリーンシート等の用途に利用されている 。

また、ポリビニルアセタール樹脂の強度や耐 溶剤性を更に向上させる手段が、種々の分野 において検討されており、ポリビニルアセタ ール樹脂に架橋剤を添加した後、加熱処理を 行い、ポリビニルアセタール樹脂を分子間で 架橋させる方法等が行われている。
例えば、特許文献1には、ポリビニルアセタ ル樹脂とイソシアネート樹脂とを混合して 化させる方法が開示されている。特許文献2 び特許文献3には、熱硬化によって硬化膜を 作製する方法が開示されている。また、特許 文献4には、水酸基の水素をN-メチレンアクリ ルアミドに置換したポリビニルブチラールを 電子線等の光照射によって架橋・硬化させる 方法が開示されている。

しかしながら、これらの方法では、架橋剤や 重合開始剤等の架橋反応を起こすための成分 を、硬化時に添加するか、予めポリビニルア セタール樹脂に添加する必要があるため、溶 液状態での保存安定性に欠けるという問題や 、架橋反応を起こすための成分の残留による 着色、劣化等の問題があった。加えて、工程 の複雑化を招くという問題もあった。
また、特許文献2及び特許文献3の方法では、 硬化によって架橋反応を行っているが、被 ーティング材が熱に弱い場合や、工程上加 できない場合には使用できないという問題 や、架橋が不充分となってシートが破れて まう等の問題点があった。また、特許文献3 の実施例に記載のように、加熱を行わない場 合には架橋までにかなりの時間を要する等の 課題もあった。更に、電子線やX線を照射す 場合にはポリビニルアセタール樹脂の分解 招く等の問題点があった。

従って、光重合開始剤やアクリルモノマー 等の架橋剤を添加する必要がなく、充分な架 橋度を有し、耐溶剤性に優れた架橋ポリビニ ルアセタール樹脂を製造可能な方法が望まれ ていた。

また、ポリビニルアセタール樹脂の用途の1 として、熱転写インクシートの材料として 用途が挙げられる。
従来から、文字や画像を形成し記録する手段 の1つとして、熱転写方式が用いられている このような熱転写方式は、顔料又は染料を 散させたインクシートを熱転写インク受像 ートに重ね、インクシートの上から加熱す ことによって、熱転写インク受像シートに 料又は染料を転写し画像を形成する方法で る。このような熱転写方式は、主に溶融型 染料昇華型とに大別される。このうち、染 昇華型は、写真印刷、医療・分析機器出力 末、IDカードの写真印刷用等に使用され、近 年のデジタル化に伴い、将来の成長が期待さ れている。

このような染料昇華型の熱転写インクシート としては、例えば、支持体の片面にイエロー 、マゼンタ及びシアン等のインク層と、転写 後の画像に光堅牢性を付与するための保護層 とが面順次形成されたものが用いられている 。
近年、染料昇華型熱転写方式に用いる熱転写 インクシートとしては、印刷の高速化に対応 することが可能なものが求められている。特 に、熱転写インクシートのインク層について は、耐熱性、耐候性、インク保持性等に優れ たものが求められており、保護層については 、受像紙への転写後、最表面に積層されるこ とから、バインダー樹脂成分の強度が高く、 耐擦傷性に優れることが必要とされている。
しかしながら、従来のポリビニルアセタール 樹脂を熱転写インクシートのインク層や保護 層に用いた場合、耐熱性や強度が不足し印刷 の高速化に対応できていなかった。
また、耐熱性や強度を上げるために、ガラス 転移温度の高いバインダー樹脂を使用するこ とや、重合度の高いバインダー樹脂を使用す ること等が検討されているが、バインダー樹 脂の溶解に要する時間が長くなったり、基材 への塗工時に調整される溶液の粘度が上がる ためポンプ輸送性が低下したりして生産性が 低下するという問題があった。

このような分野で使用されるポリビニルアセ タール樹脂の強度を向上させる手段について は様々な角度から検討されており、例えば、 ポリビニルアセタール樹脂に架橋剤を添加し た後、加熱処理を行い、ポリビニルアセター ル樹脂を分子間で架橋させる方法等が行われ ている。
特許文献1~4には、これらの課題に対応したポ リビニルアセタール樹脂の硬化、架橋方法が 開示されている。しかしながら、これらの方 法では、架橋剤や重合開始剤等の架橋反応を 起こすための成分を、硬化時に添加するか、 予めポリビニルアセタール樹脂に添加する必 要があるため、溶液状態での保存安定性とい う問題や、架橋反応を起こすための成分の残 留による着色、劣化等の問題があった。加え て、工程の複雑化を招くという問題もあった 。
また、特許文献2及び特許文献3の方法では、 硬化によって架橋反応を行っているが、被 ーティング材が熱に弱い場合や、工程上加 できない場合には使用できないという問題 、架橋が不充分となってシートが破れてし う等の問題点があった。また、特許文献3の 実施例に記載のように、加熱を行わない場合 には架橋までにかなりの時間を要する等の課 題もあった。更に、電子線やX線を照射する 合にはポリビニルアセタール樹脂の分解を く等の問題点があった。

従って、光重合開始剤やアクリルモノマー 等の架橋剤を添加する必要がなく、充分な架 橋度を有し、機械的強度の高い架橋ポリビニ ルアセタール樹脂が得られる方法が望まれて いた。

また、ポリビニルアセタール樹脂は、導電 性粉末、セラミック粉末等の無機微粒子を分 散させた無機微粒子分散ペーストのバインダ ーとして用いられている。無機微粒子分散ペ ーストを所定の形状に成型する方法としては 、スクリーン印刷やオフセット印刷等の印刷 方式による成型方法が行われており、なかで も、オフセット印刷は、直線の印刷性に非常 に優れ、版の強度が高いため、プラズマディ スプレイのアドレス電極やバス電極等への応 用が試みられている。

オフセット印刷法による印刷において用いら れるオフセット印刷版は、感光性材料層に紫 外線を照射し現像することによりパターンが 形成されるが、近年、パターンの微細化が進 んでおり、それに伴って凸部となる樹脂層の 形状保持力を高めることが求められている。
ポリビニルアセタール樹脂は、基材への接着 性、膜強度に優れているが、パターニングが できないという問題があった。一方、従来の パターニング材料にポリビニルアセタール樹 脂を添加してパターニング性と保持力を両立 させるという試みがなされているが、このよ うな方法を用いた場合、凸部の形状保持力は 向上するが、ポリビニルブチラールがアルカ リ洗浄液に溶解しにくいため、洗浄不良が起 こり、その結果、オフセット印刷版の凹凸が 不明瞭になるという問題が発生していた。

ポリビニルアセタール樹脂の強度や耐溶剤性 を向上させる手段については様々な角度から 検討されており、例えば、ポリビニルアセタ ール樹脂に架橋剤を添加した後、加熱処理を 行い、ポリビニルアセタール樹脂を分子間で 架橋させる方法等が行われている。
例えば、特許文献1~4には、これらの課題に対 応したポリビニルアセタール樹脂の硬化、架 橋方法が開示されている。しかしながら、特 許文献2又は3の方法は、熱による硬化である め、パターンの形成には適さない。また、 許文献4の方法によると、ポリビニルブチラ ールを製造後にN-メチレンアクリルアミド基 後反応によって付加する必要があるので、 造コストが高くなったり、後反応に使用す 触媒等が残存して着色や保存安定性が低下 原因となる可能性があったりするという問 があった。また、硬化には触媒が必要であ ことから、保存安定性や触媒の残存による 色や劣化等の問題があった。

従って、基材との接着性が高く、膜強度の高 く、触媒の添加なしでも紫外線等の照射によ って架橋が可能なポリビニルアセタール系樹 脂を得られる方法が望まれていた。

特開2006-156493号公報

特表2006-522863号公報

特表2006-523754号公報

特公平7-14973号公報

本発明は上記現状に鑑み、架橋剤を使用せず 簡便な方法で、機械的強度が高く、耐溶剤性 に優れる架橋ポリビニルアセタール樹脂を製 造できることから、シートアタック、強度不 足、粘度の経時安定性等の問題を解決するこ とが可能な架橋ポリビニルアセタール樹脂の 製造方法及び該架橋ポリビニルアセタール樹 脂の製造方法を用いてなる架橋ポリビニルア セタール樹脂を提供することを目的とする。
また、架橋剤を使用せず簡便な方法で、充分 な機械的強度を有する架橋ポリビニルアセタ ール樹脂が得られることから、熱転写インク シートの強度不足や耐熱性低下の問題を解決 することが可能な熱転写インクシートの製造 方法を提供することを目的とする。
更に、架橋剤を使用せず簡便な方法で、優れ た感光性及びアルカリ洗浄性を有する架橋ポ リビニルアセタール樹脂を製造することがで きることから、例えば、露光-現像工程を行 際に、不要な部分が残留したり、必要な部 が溶解したりすることのないオフセット印 版の製造方法、ネガ型レジストの製造方法 並びに、ネガ型レジスト用樹脂組成物を提 することを目的とする。

本発明は、少なくとも下記一般式(1)、(2)、(3) 及び(4)で表される構造単位を有するポリビニ ルアセタール樹脂に波長が200~365nmの範囲内に ある紫外線を照射する工程を有する架橋ポリ ビニルアセタール樹脂の製造方法である。
式中、R 1 は水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基を表 、R 2 は下記一般式(5)で表される官能基、下記一般 式(6)で表される官能基、及び、下記一般式(7) で表される官能基からなる群より選択される 少なくとも1種の官能基を合計2個以上有する を表す。
以下、本発明につき詳細に説明する。

本発明者らは、鋭意検討の結果、所定の構 造単位を有するポリビニルアセタール樹脂に 波長が200~365nmの範囲内にある紫外線を照射し 、ポリビニルアセタール樹脂を架橋させた場 合、架橋剤を使用せずに、簡便な方法で高い 架橋度を有する架橋ポリビニルアセタール樹 脂が得られ、このような架橋ポリビニルアセ タール樹脂が、充分な機械的強度を有し、か つ、耐溶剤性にも優れるものとなることを見 出し、本発明を完成させるに至った。

本発明の架橋ポリビニルアセタール樹脂の 製造方法では、少なくとも下記一般式(1)、(2) 、(3)及び(4)で表される構造単位を有するポリ ビニルアセタール樹脂に波長が200~365nmの範囲 内にある紫外線を照射する工程を行う。

上記工程では、少なくとも下記一般式(1)、 (2)、(3)及び(4)で表される構造単位を有するポ リビニルアセタール樹脂を用いる。

式中、R 1 は水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基を表 、R 2 は下記一般式(5)で表される官能基、下記一般 式(6)で表される官能基、及び、下記一般式(7) で表される官能基からなる群より選択される 少なくとも1種の官能基を合計2個以上有する を表す。

上記ポリビニルアセタール樹脂において、 上記一般式(1)で表されるビニルアルコール単 位の含有量の好ましい下限は17モル%、好まし い上限は40モル%である。17モル%未満であると 、溶解時に使用する有機溶剤に対する溶解性 が低下することがある。40モル%を超えると、 吸湿しやすくなるため、バインダー樹脂とし て用いた場合に保存安定性が悪くなることが ある。

上記ポリビニルアセタール樹脂において、上 記一般式(2)で表されるアセタール単位の含有 量の好ましい下限は35モル%、好ましい上限は 80モル%である。35モル%未満であると、溶解時 に使用する有機溶剤に不溶となることがある 。80モル%を超えると、残存水酸基量が少なく なって得られる架橋ポリビニルアセタール樹 脂の強度が低下することがある。
なお、本明細書において、アセタール化度の 計算方法としては、ポリビニルアセタール樹 脂のアセタール基が2個の水酸基をアセター 化して得られたものであることから、アセ ール化された2個の水酸基を数える方法を採 してアセタール化度のモル%を計算する。

上記一般式(2)で表されるアセタール単位にお いて、R 1 は、水素原子、メチル基及び/又はブチル基 らなることが好ましい。更に好ましくはR 1 がメチル基及びブチル基からなることが好ま しい。このようなポリビニルアセタール樹脂 を用いることによって、ビニルアルコール単 位の分子内水素結合力とアセタール単位の立 体障害とのバランスがとれ、少ないエネルギ ーでの架橋反応が可能となり、機械的強度、 耐溶剤性、柔軟性、接着性などの諸特性に優 れた架橋ポリビニルアセタール樹脂を得るこ とができる。

上記ポリビニルアセタール樹脂において、 上記一般式(3)で表されるアセチル単位の含有 量の好ましい下限は0.1モル%、好ましい上限 25モル%である。上記範囲を超えると、原料 ポリビニルアルコールの溶解性が低下し、 セタール化反応が困難となる。好ましい上 は15モル%である。

上記ポリビニルアセタール樹脂において、 上記一般式(4)で表される構造単位は、架橋性 を有しており、波長が200~365nmの範囲内にある 紫外線を照射することによって、他の分子中 の官能基と架橋構造を形成する。このため、 硬化後の架橋ポリビニルアセタール樹脂は、 高い機械的強度を有しつつ、適度な弾性を有 するものとなる。

上記一般式(4)で表される構造単位において、 R 2 は、下記一般式(5)で表される官能基、下記一 般式(6)で表される官能基、及び、下記一般式 (7)で表される官能基からなる群より選択され る少なくとも1種の官能基同士が直接結合す 部分、又は、下記一般式(5)で表される官能 、下記一般式(6)で表される官能基、及び、 記一般式(7)で表される官能基からなる群よ 選択される少なくとも1種の官能基とは異な 1個の官能基を介して結合する部分を有する ことが好ましい。

上記一般式(4)で表される構造単位において、 上記R 2 としては、例えば、下記一般式(8)で表される 基、下記一般式(9)で表される基等が挙げられ る。

上記ポリビニルアセタール樹脂において、 上記一般式(4)で表される構造単位の含有量の 好ましい下限は0.01モル%、好ましい上限は50 ル%である。0.01モル%未満であると、架橋構 が形成されることによる効果が充分に得ら ず、機械的強度の低下を招くことがある。50 モル%を超えると、得られる架橋体の架橋度 高くなりすぎ、可とう性が低下することが る。

上記ポリビニルアセタール樹脂の重合度の 好ましい下限は200、好ましい上限は4000であ 。重合度を上記範囲内とすることにより、 られる架橋体が機械的強度等に優れるもの なる。

上記ポリビニルアセタール樹脂を製造する方 法としては、例えば、上記R 2 が一般式(8)で表される基であるポリビニルア セタール樹脂を製造する場合、β-ジカルボニ ル基を有する変性ポリビニルアルコールをア セタール化する方法、未変性のポリビニルア ルコールをアセタール化した後、β-ジカルボ ニル基を付加させる方法等が挙げられる。好 ましくは、β-ジカルボニル基を有する変性ポ リビニルアルコールをアセタール化する方法 である。

上記β-ジカルボニル基の付加方法としては 特に限定されず、従来公知の方法を用いるこ とができ、例えば、ジメチルスルホキシド(DM SO)溶液中に4-メチレン-2-オキセタノン等を添 する方法等が挙げられる。

上記アセタール化の方法としては特に限定 されず、従来公知の方法を用いることができ 、例えば、酸触媒の存在下で変性ポリビニル アルコールの水溶液、アルコール溶液、水/ ルコール混合溶液、ジメチルスルホキシド(D MSO)溶液中に各種アルデヒドを添加する方法 が挙げられる。

上記アセタール化に用いるアルデヒドとし ては特に限定されず、例えば、ホルムアルデ ヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデ ヒド、ブチルアルデヒド、アミルアルデヒド 、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド 、2-エチルヘキシルアルデヒド、シクロヘキ ルアルデヒド、フルフラール、グリオキザ ル、グルタルアルデヒド、ベンズアルデヒ 、2-メチルベンズアルデヒド、3-メチルベン ズアルデヒド、4-メチルベンズアルデヒド、p -ヒドロキシベンズアルデヒド、m-ヒドロキシ ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒ ド、β-フェニルプロピオンアルデヒド等が挙 げられる。なかでも、アセトアルデヒドとブ チルアルデヒドとをそれぞれ単独で用いるか 、又は、アセトアルデヒドとブチルアルデヒ ドとを併用することが好ましい。

上記酸触媒としては特に限定されず、有機 酸、無機酸のどちらでも使用可能であり、例 えば、酢酸、パラトルエンスルホン酸、硝酸 、硫酸、塩酸等が挙げられる。

上記アセタール化の反応を停止するために、 アルカリによる中和を行うことが好ましい。 上記アルカリとしては特に限定されず、例え ば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ア ンモニア、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム 、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸 水素カリウム等が挙げられる。
また、上記中和工程の前後に、水等を用いて 得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を洗 浄することが好ましい。なお、洗浄水中に含 まれる不純物の混入を防ぐため、洗浄は純水 で行うことがより好ましい。

本発明では、上記ポリビニルアセタール樹脂 に波長が200~365nmの範囲内にある紫外線を照射 する工程を行うことにより、上記ポリビニル アセタール樹脂を架橋させる。
本発明では、熱処理ではなく光照射によって 上記ポリビニルアセタール樹脂を架橋させる ことによって、簡便な方法で架橋ポリビニル アセタール樹脂が得られる。また、架橋剤を 添加しなくても架橋させることが可能となる ため、粘度安定性に優れる架橋ポリビニルア セタール樹脂が得られる。
また、上記ポリビニルアセタール樹脂を使用 することで、電子線やX線を用いることなく 架橋度の高い架橋ポリビニルアセタール樹 を得ることができる。これにより、電子線 X線を照射した場合に起こるポリビニルアセ ール樹脂の分解を防止できるとともに、簡 な装置でポリビニルアセタール樹脂の架橋 硬化を行うことができる。

上記波長が200nm未満の光を照射した場合は 樹脂の分解が起こり、365nmを超える光を照 した場合は、架橋が不充分となる。好まし は215~280nmである。また、上記波長が200~365nm 範囲内にある紫外線は、連続スペクトル光 あってもよく、線スペクトル光であっても い。なお、上記紫外線が連続スペクトル光 ある場合は、少なくとも、波長が200~365nmの 囲内にある紫外線を含むものであればよい

上記波長が200~365nmの範囲内にある紫外線を 照射する場合の光源としては、上記波長の紫 外線を発光可能であれば特に限定されず、例 えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀 灯、メタルハライドランプ、エキシマーラン プ、冷陰極管、UV-LEDランプ、ハロゲンランプ 、高周波誘導型UVランプ等を用いることがで る。

本発明の架橋ポリビニルアセタール樹脂の 製造方法は、例えば、インク、塗料、焼き付 け用エナメル、ウォッシュプライマー、染料 昇華用塗料、分散剤、接着剤、セラミックス グリーンシート、電極ペースト、積層セラミ ックコンデンサ、熱現像性感光材料、フォト レジスト、シール剤、プラズマディスプレイ パネル製造に用いるドライフィルムレジスト 、誘電体層、ピエゾフィルム、オフセット印 刷ペースト、固体酸化物型燃料電池用電解質 膜、合わせガラス用中間膜、ビルドアップ基 板、樹脂フィルター、圧粉成型体、プラズマ ディスプレイパネルのリブ、中空微粒子、反 射シート、偏光フィルム、位相差フィルム等 の様々な用途に利用することができる。

例えば、合わせガラス用中間膜の製造におい て、本発明の方法を用いた場合は、架橋によ って高温時においても中間膜の粘度を維持で きることから、ガラスを積層する際にガラス にずれが生じることを防止できる。
ビルドアップ基板の製造において、本発明の 方法を用いた場合は、架橋によって吸湿や変 形が生じにくくなることから、得られるビル ドアップ基板の吸湿性や寸法安定性が向上し 、基板に反り等の不具合が発生することを防 止できる。
樹脂フィルターの製造において、本発明の方 法を用いる場合、即ち、所定のポリビニルア セタール樹脂を含有する成型体を得た後、本 発明に規定する紫外線を照射した場合は、高 い架橋度を有するポリビニルアセタール樹脂 が得られ、その結果、得られる樹脂フィルタ ーの耐久性を大幅に高めることが可能となる 。

また、圧粉成型体の製造において、本発明の 方法を用いた場合は、架橋によって圧粉成型 体の機械的強度が大幅に向上し、圧粉成型体 に割れ、カケ等の不具合が発生することを防 止できる。
プラズマディスプレイパネルを構成するリブ の製造において、本発明を用いた場合は、リ ブ前駆体の強度が向上し、サンドブラスト処 理による成型が可能となることから、特に一 括焼成による製造方法において好適に用いる ことができる。また、プラズマディスプレイ パネルを構成するリブの製造において、リブ 用ペーストにUV硬化性を付与することができ ため、サンドブラスト処理を行わなくても 像によってリブ形成が可能となる。
更に、オフセット印刷ペーストに用いた場合 には、架橋剤を使用しなくてもパターニング ・現像が可能となることから、劣化や変色を 防止することができ、形状保持性に優れたオ フセット印刷ペーストを得ることができる。
中空微粒子の製造において、本発明の方法を 用いた場合は、架橋によって強度が高くなる ことによって形状保持が可能となることから 、粒子の小粒径化を実現することができる。

更に、反射シートの製造において、本発明の 方法を用いた場合は、架橋によってポリビニ ルアセタール樹脂からなるシートと蒸着アル ミ層との接着性が大幅に向上することから、 両者が剥離する等の不具合が発生することを 防止できる。
偏光フィルムの製造において、本発明の方法 を用いた場合は、架橋によって吸湿が生じに くくなることから、オーバーコート層を形成 しない場合でも、フィルムに反り等の不具合 が発生することを防止できる。
位相差フィルムの製造において、本発明の方 法を用いた場合は、架橋によって耐熱性が向 上することから、耐久性試験にも対応可能と なる。

本発明の架橋ポリビニルアセタール樹脂の 製造方法を用いることにより架橋ポリビニル アセタール樹脂を得ることができる。このよ うな架橋ポリビニルアセタール樹脂もまた本 発明の1つである。

本発明の架橋ポリビニルアセタール樹脂は、 上述の製造方法を用いることで、充分な機械 的強度を有し、かつ、耐溶剤性にも優れるも のとなる。これにより、シートアタックやグ リーンシートの破損等の不具合の発生を防止 することができる。
また、架橋の際に、架橋剤や光重合開始剤等 の架橋反応を起こすための成分を用いないこ とから、本発明の架橋ポリビニルアセタール 樹脂を溶液状態とした場合、高い保存安定性 を実現することができる。
更に、架橋剤等の残留に起因する着色、劣化 等の問題がない。

本発明の架橋ポリビニルアセタール樹脂は 、従来のポリビニルアセタール樹脂が有する 強靭性、造膜性、顔料等の無機・有機粉体等 の分散性等の特性に加え、従来のポリビニル アセタール樹脂にはない優れた機械的強度及 び耐溶剤性を得ることができる。これらの利 点を有することから、本発明の架橋ポリビニ ルアセタール樹脂は、例えば、インク、塗料 、焼き付け用エナメル、ウォッシュプライマ ー、染料昇華用塗料、分散剤、接着剤、セラ ミックスグリーンシート、電極ペースト、積 層セラミックコンデンサ、熱現像性感光材料 、フォトレジスト、シール剤、プラズマディ スプレイパネル製造に用いるドライフィルム レジスト、誘電体層、ピエゾフィルム、オフ セット印刷ペースト、固体酸化物型燃料電池 用電解質膜、合わせガラス用中間膜、ビルド アップ基板、樹脂フィルター、圧粉成型体、 プラズマディスプレイパネルのリブ、中空微 粒子、反射シート、偏光フィルム、位相差フ ィルム等の様々な用途に利用することができ る。

本発明の熱転写インクシートの製造方法は 、支持体の少なくとも一方の面にインク層及 び/又は保護層を形成する熱転写インクシー の製造方法であって、少なくとも下記一般 (1)、(2)、(3)及び(4)で表される構造単位を有 るポリビニルアセタール樹脂及び有機溶剤 含有する樹脂組成物を支持体に塗工する工 、上記樹脂組成物を乾燥する工程、及び、 長が200~365nmの範囲内にある紫外線を照射す ことにより架橋させる工程を有するもので る。

式中、R 1 は水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基を表 、R 2 は下記一般式(5)で表される官能基、下記一般 式(6)で表される官能基、及び、下記一般式(7) で表される官能基からなる群より選択される 少なくとも1種の官能基を合計2個以上有する を表す。

本発明者らは、鋭意検討の結果、所定の構 造単位を有するポリビニルアセタール樹脂を 含有する樹脂組成物を塗工、乾燥した後に、 波長が200~365nmの範囲内にある紫外線を照射し 、ポリビニルアセタール樹脂を架橋させた場 合、架橋剤を使用せずに、簡便な方法で高い 架橋度を有する架橋ポリビニルアセタール樹 脂が得られ、このような架橋ポリビニルアセ タール樹脂が、充分な強度を有することによ り、得られる熱転写インクシートのインク層 及び/又は保護層における強度不足や耐熱性 下の問題を解決できることを見出し、本発 を完成させるに至った。

本発明の製造方法を用いることで、得られ る架橋ポリビニルアセタール樹脂は、耐熱性 や機械的強度を大幅に高めることが可能とな り、印刷の高速化にも対応することができる 。

本発明において、インク層及び/又は保護 は、少なくとも下記一般式(1)、(2)、(3)及び(4 )で表される構造単位を有するポリビニルア タール樹脂及び有機溶剤を含有する樹脂組 物を支持体に塗工、乾燥して、インク層前 体及び/又は保護層前駆体を得た後、上記イ ク層前駆体及び/又は保護層前駆体に波長が 200~365nmの範囲内にある紫外線を照射すること により架橋させることにより、形成したもの である。

上記ポリビニルアセタール樹脂は、少なく とも下記一般式(1)、(2)、(3)及び(4)で表される 構造単位を有する。

式中、R 1 は水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基を表 、R 2 は下記一般式(5)で表される官能基、下記一般 式(6)で表される官能基、及び、下記一般式(7) で表される官能基からなる群より選択される 少なくとも1種の官能基を合計2個以上有する を表す。

上記ポリビニルアセタール樹脂において、 上記一般式(1)で表されるビニルアルコール単 位の含有量の好ましい下限は17モル%、好まし い上限は40モル%である。17モル%未満であると 、溶解時に使用する有機溶剤に対する溶解性 が低下することがある。40モル%を超えると、 吸湿しやすくなるため、バインダー樹脂とし て用いた場合に保存安定性が悪くなることが ある。

上記ポリビニルアセタール樹脂において、上 記一般式(2)で表されるアセタール単位の含有 量の好ましい下限は35モル%、好ましい上限は 80モル%である。35モル%未満であると、溶解時 に使用する有機溶剤に不溶となることがある 。80モル%を超えると、残存水酸基量が少なく なって得られる架橋ポリビニルアセタール樹 脂の強度が低下することがある。
なお、本明細書において、アセタール化度の 計算方法としては、ポリビニルアセタール樹 脂のアセタール基が2個の水酸基をアセター 化して得られたものであることから、アセ ール化された2個の水酸基を数える方法を採 してアセタール化度のモル%を計算する。

上記一般式(2)で表されるアセタール単位にお いて、R 1 は、水素原子、メチル基及びブチル基からな ることが好ましい。このようなポリビニルア セタール樹脂を用いることによって、機械的 強度、耐溶剤性等の諸性質に優れた架橋ポリ ビニルアセタール樹脂を得ることができる。

上記ポリビニルアセタール樹脂において、 上記一般式(3)で表されるアセチル単位の含有 量の好ましい下限は0.1モル%、好ましい上限 25モル%である。上記範囲を超えると、原料 ポリビニルアルコールの溶解性が低下し、 セタール化反応が困難となる。好ましい上 は15モル%である。

上記ポリビニルアセタール樹脂において、 上記一般式(4)で表される構造単位は、架橋性 を有しており、波長が200~365nmの範囲内にある 紫外線を照射することによって、他の分子中 の官能基と架橋構造を形成する。このため、 硬化後の架橋ポリビニルアセタール樹脂は、 高い機械的強度を有しつつ、適度な弾性を有 するものとなる。

上記一般式(4)で表される構造単位において、 R 2 は、下記一般式(5)で表される官能基、下記一 般式(6)で表される官能基、及び、下記一般式 (7)で表される官能基からなる群より選択され る少なくとも1種の官能基同士が直接結合す 部分、又は、下記一般式(5)で表される官能 、下記一般式(6)で表される官能基、及び、 記一般式(7)で表される官能基からなる群よ 選択される少なくとも1種の官能基とは異な 1個の官能基を介して結合する部分を有する ことが好ましい。

上記一般式(4)で表される構造単位において、 上記R 2 としては、例えば、下記一般式(8)で表される 基、下記一般式(9)で表される基等が挙げられ る。

上記ポリビニルアセタール樹脂において、 上記一般式(4)で表される構造単位の含有量の 好ましい下限は0.01モル%、好ましい上限は50 ル%である。0.01モル%未満であると、架橋構 が形成されることによる効果が充分に得ら ず、機械的強度の低下を招くことがある。50 モル%を超えると、得られる架橋体の架橋度 高くなりすぎ、可とう性が低下することが る。

上記ポリビニルアセタール樹脂の重合度の 好ましい下限は200、好ましい上限は4000であ 。重合度を上記範囲内とすることにより、 られる架橋体が機械的強度等に優れるもの なる。

上記ポリビニルアセタール樹脂を製造する方 法としては、例えば、上記R 2 が一般式(8)で表される基であるポリビニルア セタール樹脂を製造する場合、β-ジカルボニ ル基を有する変性ポリビニルアルコールをア セタール化する方法、未変性のポリビニルア ルコールをアセタール化した後、β-ジカルボ ニル基を付加させる方法等が挙げられる。好 ましくはβ-ジカルボニル基を有する変性ポリ ビニルアルコールをアセタール化するほうが よい。

上記アセタール化の方法としては特に限定 されず、従来公知の方法を用いることができ 、例えば、酸触媒の存在下で変性ポリビニル アルコールの水溶液、アルコール溶液、水/ ルコール混合溶液、ジメチルスルホキシド(D MSO)溶液中に各種アルデヒドを添加する方法 が挙げられる。

上記アセタール化に用いるアルデヒドとし ては特に限定されず、例えば、ホルムアルデ ヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデ ヒド、ブチルアルデヒド、アミルアルデヒド 、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド 、2-エチルヘキシルアルデヒド、シクロヘキ ルアルデヒド、フルフラール、グリオキザ ル、グルタルアルデヒド、ベンズアルデヒ 、2-メチルベンズアルデヒド、3-メチルベン ズアルデヒド、4-メチルベンズアルデヒド、p -ヒドロキシベンズアルデヒド、m-ヒドロキシ ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒ ド、β-フェニルプロピオンアルデヒド等が挙 げられる。なかでも、アセトアルデヒドとブ チルアルデヒドとをそれぞれ単独で用いるか 、又は、アセトアルデヒドとブチルアルデヒ ドとを併用することが好ましい。

上記酸触媒としては特に限定されず、有機 酸、無機酸のどちらでも使用可能であり、例 えば、酢酸、パラトルエンスルホン酸、硝酸 、硫酸、塩酸等が挙げられる。

上記アセタール化の反応を停止するために、 アルカリによる中和を行うことが好ましい。 上記アルカリとしては特に限定されず、例え ば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ア ンモニア、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム 、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸 水素カリウム等が挙げられる。
また、上記中和工程の前後に、水等を用いて 得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を洗 浄することが好ましい。なお、洗浄水中に含 まれる不純物の混入を防ぐため、洗浄は純水 で行うことがより好ましい。

本発明の熱転写インクシートの製造方法に用 いる樹脂組成物は、上記インク層の形成に用 いることもでき、上記保護層の形成に用いる こともできる。
上記樹脂組成物を上記インク層の形成に用い る場合は、イエロー、マゼンタ、シアン色等 の染料を配合する。なお、上記染料としては 、従来公知の各種染料を用いることができる 。

本発明では、上記樹脂組成物を支持体に塗工 、乾燥してインク層前駆体及び/又は保護層 駆体を得た後、上記インク層前駆体及び/又 保護層前駆体に波長が200~365nmの範囲内にあ 紫外線を照射する工程を行うことにより、 記ポリビニルアセタール樹脂を架橋させる
本発明では、熱処理ではなく光照射によって 上記ポリビニルアセタール樹脂を架橋させる ことによって、簡便な方法で充分な機械的強 度を有し、かつ、耐溶剤性にも優れる架橋ポ リビニルアセタール樹脂が得られる。
また、上記ポリビニルアセタール樹脂を使用 することで、電子線やX線を用いることなく 架橋度の高い架橋ポリビニルアセタール樹 を得ることができる。これにより、電子線 X線を照射した場合に起こるポリビニルアセ ール樹脂の分解を防止できるとともに、簡 な装置でポリビニルアセタール樹脂の架橋 硬化を行うことができる。

上記波長が200nm未満の光を照射した場合は、 脂の分解が起こり、365nmを超える光を照射 た場合は、架橋が不充分となる。好ましく 215~280nmである。
また、上記波長が200~365nmの範囲内にある紫外 線は、連続スペクトル光であってもよく、線 スペクトル光であってもよい。なお、上記紫 外線が連続スペクトルである場合は、少なく とも、波長が200~365nmの範囲内にある紫外線を 含むものであればよい。

上記波長が200~365nmの範囲内にある紫外線を 照射する場合の光源としては、上記波長の紫 外線を発光できれば特に限定されず、例えば 、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、 メタルハライドランプ、エキシマーランプ、 冷陰極管、UV-LEDランプ、ハロゲンランプ、高 周波誘導型UVランプ等を用いることができる

本発明の熱転写インクシートの製造方法にお いて用いられる支持体、有機溶剤としては特 に限定されず、熱転写インクシートの材料と して一般的に使用されているものを使用する ことができる。
また、本発明の熱転写インクシートの製造方 法における樹脂組成物を支持体に塗工する工 程、乾燥工程についても特に限定されず、従 来公知の方法を用いることができる。

また、本発明の熱転写インクシートの製造 方法において、インク層及び保護層を形成し 、インク層に紫外線照射を照射した場合、保 護層については、予め紫外線照射を行って架 橋させて強度を上げてもよく、受像シートへ の熱転写後又は熱転写と同時に紫外線照射を 行い架橋させてもよい。

本発明のオフセット印刷版の製造方法は、 少なくとも下記一般式(1)、(2)、(3)及び(4)で表 される構造単位を有するポリビニルアセター ル樹脂及び有機溶剤を含有するオフセット印 刷版用樹脂組成物を調製する工程、及び、上 記オフセット印刷版用樹脂組成物に波長が200 ~365nmの範囲内にある紫外線を照射することに より架橋する工程を有する製造方法である。

式中、R 1 は水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基を表 、R 2 は下記一般式(5)で表される官能基、下記一般 式(6)で表される官能基、及び、下記一般式(7) で表される官能基からなる群より選択される 少なくとも1種の官能基を合計2個以上有する を表す。

本発明のネガ型レジストの製造方法は、少 なくとも下記一般式(1)、(2)、(3)及び(4)で表さ れる構造単位を有するポリビニルアセタール 樹脂及び有機溶剤を含有するネガ型レジスト 用樹脂組成物を調製する工程、及び、上記ネ ガ型レジスト用樹脂組成物に波長が200~365nmの 範囲内にある紫外線を照射することにより架 橋する工程を有する製造方法である。

式中、R 1 は水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基を表 、R 2 は下記一般式(5)で表される官能基、下記一般 式(6)で表される官能基、及び、下記一般式(7) で表される官能基からなる群より選択される 少なくとも1種の官能基を合計2個以上有する を表す。

本発明のネガ型レジスト用樹脂組成物は、 少なくとも下記一般式(1)、(2)、(3)及び(4)で表 される構造単位を有するポリビニルアセター ル樹脂及び有機溶剤を含有する。

式中、R 1 は水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基を表 、R 2 は下記一般式(5)で表される官能基、下記一般 式(6)で表される官能基、及び、下記一般式(7) で表される官能基からなる群より選択される 少なくとも1種の官能基を合計2個以上有する を表す。

以下、本発明につき詳細に説明する。

本発明のオフセット印刷版の製造方法は、 少なくとも下記一般式(1)、(2)、(3)及び(4)で表 される構造単位を有するポリビニルアセター ル樹脂及び有機溶剤を含有するオフセット印 刷版用樹脂組成物を調製する工程、及び、上 記オフセット印刷版用樹脂組成物に波長が200 ~365nmの範囲内にある紫外線を照射することに より架橋する工程を有する方法である。

本発明者らは、鋭意検討の結果、所定の構 造単位を有するポリビニルアセタール樹脂を 含有するオフセット印刷版用樹脂組成物に波 長が200~365nmの範囲内にある紫外線を照射し、 ポリビニルアセタール樹脂を架橋させた場合 、耐溶剤性と強度に優れる架橋ポリビニルア セタール樹脂を得ることができることから、 架橋剤を使用しなくても形状保持性に優れた オフセット印刷版を完成させるに至った。

本発明のオフセット印刷版の製造方法では 、少なくとも下記一般式(1)、(2)、(3)及び(4)で 表される構造単位を有するポリビニルアセタ ール及び有機溶剤を含有するオフセット印刷 版用樹脂組成物を作製する工程を行う。

上記工程では、少なくとも下記一般式(1)、 (2)、(3)及び(4)で表される構造単位を有するポ リビニルアセタール樹脂を用いる。

式中、R 1 は水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基を表 、R 2 は下記一般式(5)で表される官能基、下記一般 式(6)で表される官能基、及び、下記一般式(7) で表される官能基からなる群より選択される 少なくとも1種の官能基を合計2個以上有する を表す。

上記ポリビニルアセタール樹脂において、 上記一般式(1)で表されるビニルアルコール単 位の含有量の好ましい下限は17モル%、好まし い上限は40モル%である。17モル%未満であると 、溶解時に使用する有機溶剤に対する溶解性 が低下したり、基材への接着性が低下したり することがある。40モル%を超えると、吸湿し やすくなるため、バインダー樹脂として用い た場合に保存安定性が悪くなることがある。

上記ポリビニルアセタール樹脂において、上 記一般式(2)で表されるアセタール単位の含有 量の好ましい下限は35モル%、好ましい上限は 80モル%である。35モル%未満であると、溶解時 に使用する有機溶剤に不溶となることがある 。80モル%を超えると、残存水酸基量が少なく なって得られる架橋ポリビニルアセタール樹 脂の強度が低下したり、基材への接着性が低 下したりすることがある。
なお、本明細書において、アセタール化度の 計算方法としては、ポリビニルアセタール樹 脂のアセタール基が2個の水酸基をアセター 化して得られたものであることから、アセ ール化された2個の水酸基を数える方法を採 してアセタール化度のモル%を計算する。

上記一般式(2)で表されるアセタール単位にお いて、R 1 は、水素原子、メチル基及び/又はブチル基 らなることが好ましい。なかでも、R 1 は、メチル基及びブチル基からなることが好 ましく、更に好ましくはR 1 のメチル基とブチル基とのモル比がメチル基 :ブチル基=10:0~6:4であることが好ましい。こ ようなポリビニルアセタール樹脂を用いる とによって、ビニルアルコール単位の分子 水素結合力と、アセタール単位の立体障害 のバランスに優れるものとなるため、少な エネルギーでの架橋反応が可能となり、機 的強度、耐溶剤性、柔軟性、接着性等の諸 性に優れた架橋ポリビニルアセタール樹脂 得ることができる。

上記ポリビニルアセタール樹脂において、 上記一般式(3)で表されるアセチル単位の含有 量の好ましい下限は0.1モル%、好ましい上限 25モル%である。上記範囲を超えると、原料 ポリビニルアルコールの溶解性が低下し、 セタール化反応が困難となる。好ましい上 は15モル%である。

上記ポリビニルアセタール樹脂において、 上記一般式(4)で表される構造単位は、架橋性 を有しており、波長が200~365nmの範囲内にある 紫外線を照射することによって、他の分子中 の官能基と架橋構造を形成する。このため、 硬化後の架橋ポリビニルアセタール樹脂は、 耐溶剤性が高くなるために、光照射部と非照 射部で溶解性に差が生じる。この溶解度の差 を利用することで目的のパターン形成が可能 となる。また、高架部分は高い機械的強度を 有し、さらに基材への接着性にも優れるため 、現像後の凸部の保持力も高いものとなる。

上記一般式(4)で表される構造単位において、 R 2 は、下記一般式(5)で表される官能基、下記一 般式(6)で表される官能基、及び、下記一般式 (7)で表される官能基からなる群より選択され る少なくとも1種の官能基同士が直接結合す 部分、又は、下記一般式(5)で表される官能 、下記一般式(6)で表される官能基、及び、 記一般式(7)で表される官能基からなる群よ 選択される少なくとも1種の官能基とは異な 1個の官能基を介して結合する部分を有する ことが好ましい。

上記一般式(4)で表される構造単位において、 上記R 2 としては、例えば、下記一般式(8)で表される 基、下記一般式(9)で表される基等が挙げられ る。

上記ポリビニルアセタール樹脂において、 上記一般式(4)で表される構造単位の含有量の 好ましい下限は0.01モル%、好ましい上限は50 ル%である。0.01モル%未満であると、架橋構 が形成されることによる効果が充分に得ら ず、パターンの形成を充分にできないこと ある。50モル%を超えると、得られる架橋体 架橋度が高くなりすぎ、基材への接着性が 下することがある。

上記ポリビニルアセタール樹脂の重合度の 好ましい下限は200、好ましい上限は4000であ 。重合度を上記範囲内とすることにより、 られる架橋体が機械的強度等に優れるもの なる。

上記ポリビニルアセタール樹脂を製造する方 法としては、例えば、上記R 2 が一般式(8)で表される基であるポリビニルア セタール樹脂を製造する場合、β-ジカルボニ ル基を有する変性ポリビニルアルコールをア セタール化する方法、未変性のポリビニルア ルコールをアセタール化した後、β-ジカルボ ニル基を付加させる方法等が挙げられる。
上記β-ジカルボニル基の付加方法としては特 に限定されず、従来公知の方法を用いること ができ、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO) 溶液中に4-メチレン-2-オキセタノン等を添加 る方法等が挙げられる。

上記アセタール化の方法としては特に限定 されず、従来公知の方法を用いることができ 、例えば、酸触媒の存在下で変性ポリビニル アルコールの水溶液、アルコール溶液、水/ ルコール混合溶液、ジメチルスルホキシド(D MSO)溶液中に各種アルデヒドを添加する方法 が挙げられる。

上記アセタール化に用いるアルデヒドとし ては特に限定されず、例えば、ホルムアルデ ヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデ ヒド、ブチルアルデヒド、アミルアルデヒド 、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド 、2-エチルヘキシルアルデヒド、シクロヘキ ルアルデヒド、フルフラール、グリオキザ ル、グルタルアルデヒド、ベンズアルデヒ 、2-メチルベンズアルデヒド、3-メチルベン ズアルデヒド、4-メチルベンズアルデヒド、p -ヒドロキシベンズアルデヒド、m-ヒドロキシ ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒ ド、β-フェニルプロピオンアルデヒド等が挙 げられる。なかでも、アセトアルデヒドとブ チルアルデヒドとをそれぞれ単独で用いるか 、又は、アセトアルデヒドとブチルアルデヒ ドとを併用することが好ましい。

上記酸触媒としては特に限定されず、有機 酸、無機酸のどちらでも使用可能であり、例 えば、酢酸、パラトルエンスルホン酸、硝酸 、硫酸、塩酸等が挙げられる。

上記アセタール化の反応を停止するために、 アルカリによる中和を行うことが好ましい。 上記アルカリとしては特に限定されず、例え ば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ア ンモニア、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム 、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸 水素カリウム等が挙げられる。
また、上記中和工程の前後に、水等を用いて 得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を洗 浄することが好ましい。なお、洗浄水中に含 まれる不純物の混入を防ぐため、洗浄は純水 で行うことがより好ましい。

本発明では、上記オフセット印刷版用樹脂 組成物に波長が200~365nmの範囲内にある紫外線 を照射する工程を行うことにより、上記ポリ ビニルアセタール樹脂を架橋させる。

上記波長が200nm未満の光を照射した場合は 樹脂の分解が起こり、365nmを超える光を照 した場合は、架橋が不充分となる。好まし は215~280nmである。また、上記波長が200~365nm 範囲内にある紫外線は、連続スペクトル光 あってもよく、線スペクトル光であっても い。なお、上記紫外線が連続スペクトルで る場合は、少なくとも、波長が200~365nmの範 内にある紫外線を含むものであればよい。

上記波長が200~365nmの範囲内にある紫外線を 照射する場合の光源としては、上記波長の紫 外線を発光できれば特に限定されず、例えば 、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、 メタルハライドランプ、エキシマーランプ、 冷陰極管、UV-LEDランプ、ハロゲンランプ、高 周波誘導型UVランプ等を用いることができる

本発明のネガ型レジストの製造方法は、少 なくとも下記一般式(1)、(2)、(3)及び(4)で表さ れる構造単位を有するポリビニルアセタール を含有するネガ型レジスト用樹脂組成物を作 製する工程、及び、上記ネガ型レジスト用樹 脂組成物に波長が200~365nmの範囲内にある紫外 線を照射する工程を有する製造方法である。

式中、R 1 は水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基を表 、R 2 は下記一般式(5)で表される官能基、下記一般 式(6)で表される官能基、及び、下記一般式(7) で表される官能基からなる群より選択される 少なくとも1種の官能基を合計2個以上有する を表す。

本発明者らは、鋭意検討の結果、所定の構 造単位を有するポリビニルアセタール樹脂を 含有するネガ型レジスト用樹脂組成物に波長 が200~365nmの範囲内にある紫外線を照射し、ポ リビニルアセタール樹脂を架橋させた場合、 耐用溶剤性に優れ、かつ、強度にも優れる架 橋ポリビニルアセタール樹脂を得ることがで きることを見出し、本発明を完成させるに至 った。

本発明のネガ型レジストの製造方法において 用いられる有機溶剤等については特に限定さ れず、従来公知のもの用いることができる。 また、本発明の効果を損なわない範囲で従来 公知の光重合性単量体、光重合開始剤等を組 み合わせて用いてもよい。
また、少なくとも下記一般式(1)、(2)、(3)及び (4)で表される構造単位を有するポリビニルア セタール樹脂、及び、波長が200~365nmの範囲内 にある紫外線を照射する工程については、本 発明のオフセット印刷版の製造方法の場合と 同様であるため、その詳しい説明を省略する 。

本発明のネガ型レジストの製造方法において 用いられる少なくとも下記一般式(1)、(2)、(3) 及び(4)で表される構造単位を有するポリビニ ルアセタール樹脂及び有機溶剤を含有するネ ガ型レジスト用樹脂組成物は、波長が200~365nm の範囲内にある紫外線を照射することにより 架橋し、充分な耐溶剤性と強度を有するネガ 型レジストとなる。
このようなネガ型レジスト用樹脂組成物もま た本発明の1つである。

式中、R 1 は水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基を表 、R 2 は下記一般式(5)で表される官能基、下記一般 式(6)で表される官能基、及び、下記一般式(7) で表される官能基からなる群より選択される 少なくとも1種の官能基を合計2個以上有する を表す。

本発明により、架橋剤を使用せず簡便な方法 で、機械的強度が高く、耐溶剤性に優れる架 橋ポリビニルアセタール樹脂を製造できるこ とから、シートアタック、強度不足、粘度の 経時安定性等の問題を解決することが可能な 架橋ポリビニルアセタール樹脂の製造方法及 び該架橋ポリビニルアセタール樹脂の製造方 法を用いてなる架橋ポリビニルアセタール樹 脂を提供することができる。
また、架橋剤を使用することなく簡便な方法 で、充分な機械的強度を有する架橋ポリビニ ルアセタール樹脂が得られることから、得ら れる熱転写インクシートの強度不足や耐熱性 低下の問題を解決することが可能な熱転写イ ンクシートを提供することができる。
更に、架橋剤を使用することなく簡便な方法 で、優れた感光性及びアルカリ洗浄性を有す る架橋ポリビニルアセタール樹脂を製造する ことができることから、例えば、露光-現像 程を行う際に、不要な部分が残留したり、 要な部分が溶解したりすることのないオフ ット印刷版の製造方法、ネガ型レジストの 造方法、並びに、ネガ型レジスト用樹脂組 物を提供することができる。

以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく 説明するが、本発明はこれらの実施例のみに 限定されるものではない。

(実施例1)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ケン化度98.8%、上記一般式(8)で表されるR 2 を有する構造単位含有量が2モル%の変性ポリ ニルアルコール100重量部を1200重量部の蒸留 水に加温溶解した後、20℃に保ち、これに70% 酸10重量部を加え、更にブチルアルデヒド16 重量部を添加した。次に、10℃まで冷却し、 チルアルデヒド45重量部を加えた。樹脂が 出した後、30分間保持し、その後、硝酸60重 部を加え35℃に昇温して3時間保った。反応 了後、蒸留水にて10時間流水洗浄し、水酸 ナトリウムを添加して溶液のpHを8に調整し 。溶液を50℃で6時間保持した後、冷却した

次に、蒸留水により溶液を2時間流水洗浄し 後、脱水、乾燥して変性ポリビニルアセタ ル樹脂を得た。得られた変性ポリビニルア タール樹脂の残存水酸基量(上記一般式(1)で される構造単位含有量)は30モル%、ブチラー ル単位含有量(上記一般式(2)で表される構造 位含有量)は67モル%、アセチル単位含有量(上 記一般式(3)で表される構造単位含有量)は1モ %、上記一般式(8)で表されるR 2 を有する構造単位含有量(上記一般式(4)で表 れる構造単位含有量)は2モル%であった。

(樹脂シートの作製)
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂20重 部をエタノール/トルエン混合溶剤(混合比:1 /1)80重量部に溶解し、ミックスローターで48 間撹拌し、溶解させた。得られた溶液を、 プリケーターを用いて乾燥後の厚みが20μmと なるように離形処理したポリエステルフィル ム上に塗工し、常温で1時間風乾することに り、変性ポリビニルアセタール樹脂フィル を作製した。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂フィ ルムに、メタルハライドランプ(セン特殊光 株式会社製)を用いて波長が365nmの紫外線を 射エネルギー3000mJ/cm 2 (照射時間30秒)で照射することにより、樹脂 ートを作製した。

(実施例2)
実施例1の(樹脂シートの作製)において、得ら れた変性ポリビニルアセタール樹脂フィルム に、メタルハライドランプ(セン特殊光源株 会社製)を用いて波長が365nmの紫外線を照射 ネルギー1000mJ/cm 2 (照射時間30秒)で照射した以外は、実施例1と 様にして、樹脂シートを作製した。

(実施例3)
実施例1の(変性ポリビニルアセタール樹脂の 製)において、ケン化度99.2%、上記一般式(8) 表されるR 2 を有する構造単位含有量が4モル%の変性ポリ ニルアルコール100重量部を用いた以外は実 例1と同様にして変性ポリビニルアセタール 樹脂を作製した。なお、得られた変性ポリビ ニルアセタール樹脂の残存水酸基量は29モル% 、ブチラール単位含有量は66モル%、アセチル 単位含有量は1モル%、上記一般式(8)で表され R 2 単位含有量は4モル%であった。
次いで、得られた変性ポリビニルアセタール 樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして変 ポリビニルアセタール樹脂フィルム及び樹 シートを作製した。

(実施例4)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
実施例1の(変性ポリビニルアセタール樹脂の 製)において、ケン化度99%、上記一般式(9)で 表されるR 2 を有する構造単位含有量が4モル%の変性ポリ ニルアルコール100重量部を用いた以外は実 例1と同様にして変性ポリビニルアセタール 樹脂を作製した。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂の残 存水酸基量は28モル%、ブチラール単位含有量 は67モル%、アセチル単位含有量は1モル%、上 一般式(9)で表されるR 2 を有する構造単位含有量(上記一般式(4)で表 れる構造単位含有量)は4モル%であった。

次いで、得られた変性ポリビニルアセター ル樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして 性ポリビニルアセタール樹脂フィルム及び 脂シートを作製した。

(実施例5)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ケン化度98.8%、上記一般式(8)で表されるR 2 を有する構造単位含有量が2モル%の変性ポリ ニルアルコール100重量部を1200重量部の蒸留 水に加温溶解した後、冷却し、これに70%硝酸 76重量部を加え、更にブチルアルデヒド40重 部、アセトアルデヒド15重量部を添加した。 樹脂が析出した後、30分間保持し、その後、3 5℃に昇温して3時間保った。反応終了後、蒸 水にて10時間流水洗浄し、水酸化ナトリウ を添加して溶液のpHを8に調整した。溶液を50 ℃で6時間保持した後、冷却した。
次に、蒸留水により溶液を2時間流水洗浄し 後、脱水、乾燥して変性ポリビニルアセタ ル樹脂を得た。得られた変性ポリビニルア タール樹脂の残存水酸基量は28モル%、ブチ ール単位含有量は38モル%、アセタール単位(R 1 :メチル基)含有量は31モル%、アセチル単位含 量は1モル%、上記一般式(8)で表されるR 2 を有する構造単位含有量は2モル%であった。

得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を 用いた以外は、実施例1と同様にして変性ポ ビニルアセタール樹脂フィルム及び樹脂シ トを作製した。

(実施例6)
実施例5の(変性ポリビニルアセタール樹脂の 製)で得られた変性ポリビニルアセタール樹 脂を用い、実施例5と同様にして変性ポリビ ルアセタール樹脂フィルムを作製した後、 られた変性ポリビニルアセタール樹脂フィ ムに、メタルハライドランプ(セン特殊光源 式会社製)を用いて波長が365nmの紫外線を照 エネルギー1000mJ/cm 2 (照射時間30秒)で照射した以外は、実施例5と 様にして、変性ポリビニルアセタール樹脂 ィルム及び樹脂シートを作製した。 

(比較例1)
(ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ケン化度99.5%のポリビニルアルコール100重量 を1200重量部の蒸留水に加温溶解した後、20 に保ち、これに70%硝酸10重量部を加え、更 ブチルアルデヒド16重量部を添加した。次に 、10℃まで冷却し、ブチルアルデヒド45重量 を加えた。樹脂が析出した後、30分間保持し 、その後、硝酸60重量部を加え35℃に昇温し 3時間保った。反応終了後、蒸留水にて10時 流水洗浄し、水酸化ナトリウムを添加して 液のpHを8に調整した。溶液を50℃で6時間保 した後、冷却した。蒸留水により溶液を2時 流水洗浄した後、脱水、乾燥してポリビニ アセタール樹脂を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂は残存水 酸基量が32モル%、ブチラール単位含有量が67 ル%、アセチル単位含有量が1モル%のポリビ ルアセタール樹脂であった。
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いた 以外は実施例1と同様にしてポリビニルアセ ール樹脂フィルム及び樹脂シートを作製し 。

(比較例2)
比較例1の(ポリビニルアセタール樹脂の作製) で得られたポリビニルアセタール樹脂を用い た以外は、実施例2と同様にしてポリビニル セタール樹脂フィルム及び樹脂シートを作 した。

(比較例3)
(ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ケン化度99.5%、のポリビニルアルコール100重 部を1200重量部の蒸留水に加温溶解した後、 20℃に保ち、これに70%硝酸70重量部を加え、 にブチルアルデヒド35重量部を添加し、アセ トアルデヒド20重量部を加えた。樹脂が析出 た後、30分間保持し、その後、35℃に昇温し て3時間保った。反応終了後、蒸留水にて10時 間流水洗浄し、水酸化ナトリウムを添加して 溶液のpHを8に調整した。溶液を50℃で6時間保 持した後、冷却した。蒸留水により溶液を2 間流水洗浄した後、脱水、乾燥してポリビ ルアセタール樹脂を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂の残存水 酸基量が28モル%、ブチラール単位含有量は31 ル%、アセタール単位(R 1 :メチル基)含有量は40モル%、アセチル単位含 量が1モル%であった。
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いた 以外は実施例1と同様にしてポリビニルアセ ール樹脂フィルム及び樹脂シートを作製し 。

(比較例4)
実施例1と同様の方法で、変性ポリビニルア タール樹脂を作製した後、得られた変性ポ ビニルアセタール樹脂20重量部をエタノール /トルエン混合溶剤(混合比:1/1)80重量部に溶解 し、ミックスローターで48時間撹拌し、溶解 せた。得られた溶液を、アプリケーターを いて乾燥後の厚みが20μmとなるように離形 理したポリエステルフィルム上に塗工し、 温で1時間風乾した後、オーブンにて80℃で30 分間乾燥することで、樹脂シートを作製した 。

(比較例5)
実施例1と同様の方法で、変性ポリビニルア タール樹脂を作製した後、得られた変性ポ ビニルアセタール樹脂20重量部をエタノール /トルエン混合溶剤(混合比:1/1)80重量部に溶解 し、ミックスローターで48時間撹拌し、溶解 せた。得られた溶液を、アプリケーターを いて乾燥後の厚みが20μmとなるように離形 理したポリエステルフィルム上に塗工し、 温で1時間風乾した後、オーブンにて100℃で6 時間乾燥することで、樹脂シートを作製した 。

(評価)
(1)溶剤溶解性
実施例1~6及び比較例1~5で得られた樹脂シート を(A)エタノール/トルエンの混合溶剤(混合比1 :1)、(B)テルピネオール、及び、(C)ブタノール の各溶剤に浸漬し、浸漬5分後及び1日後の溶 状態を目視にて観察した。結果を表1に示し た。

(2)架橋度
(1)溶剤溶解性評価の(A)に浸漬した場合におい て、浸漬1日後の溶解溶液をメッシュフィル ー(45mesh、目開き約560μm)で濾過し、下記式よ り架橋度を算出した。結果を表1に示した。

(3)強度
実施例1~6及び比較例1~5で得られた樹脂シート をポリエステルフィルムから剥離した後、テ ンシロン引張試験機を用いて破断点応力、弾 性率の測定を行った。試験片は長さ20mm×幅50m mのものを使用し、試験速度は50mm/分で行った 。結果を表1に示した。

(4)パターニング
実施例1~6及び比較例1、2で得られた樹脂フィ ムの上に、文字を切り抜いた鉄板を置き、 部よりメタルハライドランプ(セン特殊光源 株式会社製)を用い、波長が365nmの紫外線を照 射時間30秒で照射することで、樹脂シートを 製した。なお、照射する紫外線の照射エネ ギーは、実施例1、3~5、比較例1は、3000mJ/cm 2 、実施例2、6、比較例2は1000mJ/cm 2 とした。
得られた樹脂シートをメタノールで洗い流し 、文字の形状が保持されているか否かを目視 にて確認し、以下の基準で評価した。結果を 表1に示した。

 ○:形状保持できている
 ×:形状保持できていない

(実施例7)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ケン化度98.8%、上記一般式(8)で表されるR 2 を有する構造単位含有量が2モル%の変性ポリ ニルアルコール100重量部を1200重量部の蒸留 水に加温溶解した後、20℃に保ち、これに70% 酸10重量部を加え、更にブチルアルデヒド16 重量部を添加した。次に、10℃まで冷却し、 チルアルデヒド45重量部を加えた。樹脂が 出した後、30分間保持し、その後、硝酸60重 部を加え35℃に昇温して3時間保った。反応 了後、蒸留水にて10時間流水洗浄し、水酸 ナトリウムを添加して溶液のpHを8に調整し 。溶液を50℃で6時間保持した後、冷却した

次に、蒸留水により溶液を2時間流水洗浄し 後、脱水、乾燥して変性ポリビニルアセタ ル樹脂を得た。得られた変性ポリビニルア タール樹脂の残存水酸基量は30モル%、ブチ ール単位含有量は67モル%、上記一般式(8)で されるR 2 を有する構造単位含有量は2モル%、アセチル 位含有量は1モル%であった。

(樹脂組成物の作製)
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂10重 部、メチルエチルケトン40重量部及びトル ン40重量部を24時間ボールミルで混合して、 拌溶解して樹脂組成物を得た。

(熱転写保護層の形成)
得られた樹脂組成物を、コーターを用いて乾 燥後の厚みが5μmとなるようにポリエステル 持体上に塗工し、常温で1時間風乾した後、 タルハライドランプ(セン特殊光源株式会社 製)を用いて波長が365nmの紫外線を照射エネル ギー3000mJ/cm 2 (照射時間30秒)で照射することにより、熱転 保護層を有する熱転写シートを得た。

(実施例8)
実施例7の(変性ポリビニルアセタール樹脂の 製)において、ケン化度99.2%、上記一般式(8) 表されるR 2 を有する構造単位含有量が4モル%の変性ポリ ニルアルコール100重量部を用いることで、 性ポリビニルアセタール樹脂を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用 いた以外は実施例7と同様にして熱転写保護 を有する熱転写シートを作製した。なお、 られた変性ポリビニルアセタール樹脂の残 水酸基量は29モル%、ブチラール単位含有量 66モル%上記一般式(8)で表されるR 2 を有する構造単位含有量は4モル%、アセチル 位含有量は1モル%であった。

(実施例9)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ケン化度99%、上記一般式(9)で表されるR 2 を有する構造単位含有量が4モル%の変性ポリ ニルアルコール100重量部を1200重量部の蒸留 水に加温溶解した後、20℃に保ち、これに70% 酸10重量部を加え、更にブチルアルデヒド16 重量部を添加した。次に、10℃まで冷却し、 チルアルデヒド45重量部を加えた。樹脂が 出した後、30分間保持し、その後、硝酸60重 部を加え35℃に昇温して3時間保った。反応 了後、蒸留水にて10時間流水洗浄し、水酸 ナトリウムを添加して溶液のpHを8に調整し 。溶液を50℃で6時間保持した後、冷却した

次に、蒸留水により溶液を2時間流水洗浄し 後、脱水、乾燥して変性ポリビニルアセタ ル樹脂を得た。得られた変性ポリビニルア タール樹脂の残存水酸基量は28モル%、ブチ ール単位含有量は67モル%、上記一般式(9)で されるR 2 を有する構造単位含有量は4モル%、アセチル 位含有量は1モル%であった。

得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を 用いた以外は実施例7と同様にして熱転写保 層を有する熱転写シートを作製した。

(実施例10)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ケン化度98.8%、上記一般式(8)で表されるR 2 を有する構造単位含有量が2モル%の変性ポリ ニルアルコール100重量部を1200重量部の蒸留 水に加温溶解した後、冷却し、これに70%硝酸 76重量部を加え、更にブチルアルデヒド40重 部、アセトアルデヒド15重量部を添加した。 樹脂が析出した後、30分間保持し、その後、3 5℃に昇温して3時間保った。反応終了後、蒸 水にて10時間流水洗浄し、水酸化ナトリウ を添加して溶液のpHを8に調整した。溶液を50 ℃で6時間保持した後、冷却した。

次に、蒸留水により溶液を2時間流水洗浄し 後、脱水、乾燥して変性ポリビニルアセタ ル樹脂を得た。得られた変性ポリビニルア タール樹脂の残存水酸基量は28モル%、ブチ ール単位含有量は38モル%、アセタール単位(R 1 :メチル基)含有量は31モル%、アセチル単位含 量は1モル%、上記一般式(8)で表されるR 2 を有する構造単位含有量は2モル%であった。

得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を 用いた以外は実施例7と同様にして熱転写保 層を有する熱転写シートを作製した。

(実施例11)
(熱転写インク層を有する熱転写シートの作 )
実施例7で得られた樹脂組成物50重量部に、イ エロー染料(ESCYellow155、住友化学社製)を4重量 部加え、よく撹拌した後、コーターを用いて 、乾燥後の厚みが5μmになるように離形処理 たポリエステルフィルム上に塗工し、常温 1時間風乾した後、メタルハライドランプ(セ ン特殊光源株式会社製)を用いて波長が365nmの 紫外線を照射エネルギー3000mJ/cm 2 (照射時間30秒)で照射することで、熱転写イ ク層を有する熱転写シートを得た。

(比較例6)
実施例7の(樹脂組成物の作製)において、変性 ポリビニルアセタール樹脂に代えて、残存水 酸基量が32モル%、ブチラール単位含有量が67 ル%、アセチル単位含有量が1モル%のポリビ ルアセタール樹脂を用いた以外は実施例7と 同様にして熱転写保護層を有する熱転写シー トを作製した。

(比較例7)
実施例7の(樹脂組成物の作製)において、変性 ポリビニルアセタール樹脂に代えて、残存水 酸基量が28モル%、ブチラール単位含有量が31 ル%、アセタール単位(R 1 :メチル基)含有量が40モル%、アセチル単位含 量が1モル%のポリビニルアセタール樹脂を いた以外は実施例7と同様にして熱転写保護 を有する熱転写シートを作製した。

(比較例8)
実施例7と同様の方法で、変性ポリビニルア タール樹脂及び樹脂組成物を作製した後、 られた樹脂組成物を、コーターを用いて乾 後の厚みが5μmとなるように離形処理したポ エステルフィルム上に塗工し、常温で1時間 風乾した後、オーブンにて80℃で30分間乾燥 ることで、熱転写保護層を有する熱転写シ トを作製した。

(比較例9)
実施例7と同様の方法で、変性ポリビニルア タール樹脂及び樹脂組成物を作製した後、 られた樹脂組成物を、コーターを用いて乾 後の厚みが5μmとなるように離形処理したポ エステルフィルム上に塗工し、常温で1時間 風乾した後、オーブンにて100℃で6時間乾燥 ることで、熱転写保護層を有する熱転写シ トを作製した。

(比較例10)
実施例11の(熱転写インク層の作製)において 変性ポリビニルアセタール樹脂に代えて、 存水酸基量が32モル%、ブチラール単位含有 が67モル%、アセチル単位含有量が1モル%のポ リビニルアセタール樹脂を用いた以外は実施 例11と同様にして熱転写インク層を有する熱 写シートを作製した。

(評価)
(1)破断点応力、弾性率測定
実施例及び比較例で得られた熱転写シートか ら、ポリエステル支持体を剥離して得られた フィルムについて、テンシロン引張試験機を 用いて破断点応力、弾性率の測定を行った。 試験片は長さ20mm×幅50mmのものを使用し、試 速度は50mm/分で行った。

(2)耐擦り性評価
得られた熱転写シートの熱転写インク層及び 熱転写保護層の表面を、面パッドで擦り、表 面の傷の有無を確認し、以下の基準で耐擦り 性の評価を行った。
 ○:擦り傷は見られなかった。
 ×:若干の擦り傷が見られた。
 ××:擦り傷が見られた。

(実施例12)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ケン化度98.8%、上記一般式(8)で表されるR 2 を有する構造単位含有量が2モル%の変性ポリ ニルアルコール100重量部を1200重量部の蒸留 水に加温溶解した後、20℃に保ち、これに70% 酸10重量部を加え、更にブチルアルデヒド16 重量部を添加した。次に、10℃まで冷却し、 チルアルデヒド45重量部を加えた。樹脂が 出した後、30分間保持し、その後、硝酸60重 部を加え35℃に昇温して3時間保った。反応 了後、蒸留水にて10時間流水洗浄し、水酸 ナトリウムを添加して溶液のpHを8に調整し 。溶液を50℃で6時間保持した後、冷却した

次に、蒸留水により溶液を2時間流水洗浄し 後、脱水、乾燥して変性ポリビニルアセタ ル樹脂を得た。得られた変性ポリビニルア タール樹脂の残存水酸基量は30モル%、ブチ ール単位含有量は67モル%、上記一般式(8)で されるR 2 を有する構造単位含有量は2モル%、アセチル 位含有量は1モル%であった。

(オフセット印刷版用樹脂組成物の作製)
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂15重 部、溶剤(エタノール)85重量部を攪拌混合し てオフセット印刷版用樹脂組成物を得た。

(オフセット印刷版用成型体の作製)
得られたオフセット印刷版用樹脂組成物をア ルミニウム板上にワイヤーバーで塗布し、乾 燥機にて90℃、5分間静置させ、乾燥後、文字 型を切り抜いた鉄板を上部に置き、メタルハ ライドランプ(セン特殊光源株式会社製)を用 て波長が200~365nmの範囲内にある紫外線を3000 mJ/cm 2 (照射時間30秒)照射することで、オフセット 刷版用成型体を得た。

(実施例13)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ケン化度98.8%、上記一般式(9)で表されるR 2 を有する構造単位含有量が2モル%の変性ポリ ニルアルコール100重量部を1200重量部の蒸留 水に加温溶解した後、冷却し、これに70%硝酸 76重量部を加え、更にブチルアルデヒド40重 部、アセトアルデヒド15重量部を添加した。 樹脂が析出した後、30分間保持し、その後、3 5℃に昇温して3時間保った。反応終了後、蒸 水にて10時間流水洗浄し、水酸化ナトリウ を添加して溶液のpHを8に調整した。溶液を50 ℃で6時間保持した後、冷却した。

次に、蒸留水により溶液を2時間流水洗浄し 後、脱水、乾燥して変性ポリビニルアセタ ル樹脂を得た。得られた変性ポリビニルア タール樹脂の残存水酸基量は28モル%、アセ ール単位(R 1 :メチル基)含有量は38モル%、ブチラール単位 有量は31モル%、上記一般式(9)で表されるR 2 を有する構造単位含有量は2モル%、アセチル 位含有量は1モル%であった。

(オフセット印刷版用樹脂組成物及び成型体 作製)
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用 いた以外は実施例12と同様にしてオフセット 刷版用樹脂組成物及びオフセット印刷版用 型体を得た。

(実施例14)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ケン化度98.8%、上記一般式(8)で表されるR 2 を有する構造単位含有量が4モル%の変性ポリ ニルアルコール100重量部を1200重量部の蒸留 水に加温溶解した後、冷却し、これに70%硝酸 75重量部を加え、更にブチルアルデヒド20重 部、アセトアルデヒド36重量部を添加した。 樹脂が析出した後、30分間保持し、その後、3 5℃に昇温して3時間保った。反応終了後、蒸 水にて10時間流水洗浄し、水酸化ナトリウ を添加して溶液のpHを8に調整した。溶液を50 ℃で6時間保持した後、冷却した。
次に、蒸留水により溶液を2時間流水洗浄し 後、脱水、乾燥して変性ポリビニルアセタ ル樹脂を得た。得られた変性ポリビニルア タール樹脂の残存水酸基量は27モル%、アセ ール単位(R 1 :メチル基)含有量は58モル%、ブチラール単位 有量は10モル%、アセチル単位含有量は1モル %、上記一般式(8)で表されるR 2 を有する構造単位含有量は4モル%であった。

(オフセット印刷版用樹脂組成物及び成型体 作製)
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用 いた以外は実施例12と同様にしてオフセット 刷版用樹脂組成物及びオフセット印刷版用 型体を得た。

(実施例15)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ケン化度98.8%、上記一般式(8)で表されるR 2 を有する構造単位含有量が3モル%の変性ポリ ニルアルコール100重量部を1200重量部の蒸留 水に加温溶解した後、冷却し、これに70%硝酸 40重量部を加え、更にアセトアルデヒド60重 部を添加した。樹脂が析出した後、30分間保 持し、その後、硝酸70重量部を加え35℃に昇 して3時間保った。反応終了後、蒸留水にて1 0時間流水洗浄し、水酸化ナトリウムを添加 て溶液のpHを8に調整した。溶液を50℃で6時 保持した後、冷却した。
次に、蒸留水により溶液を2時間流水洗浄し 後、脱水、乾燥して変性ポリビニルアセタ ル樹脂を得た。得られた変性ポリビニルア タール樹脂の残存水酸基量は26モル%、アセ ール単位(R 1 :メチル基)含有量は70モル%、アセチル単位含 量は1モル%、上記一般式(8)で表されるR 2 を有する構造単位含有量は3モル%であった。

(オフセット印刷版用樹脂組成物及び成型体 作製)
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用 いた以外は実施例12と同様にしてオフセット 刷版用樹脂組成物及びオフセット印刷版用 型体を得た。

(実施例16)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ケン化度99.5%、上記一般式(9)で表されるR 2 を有する構造単位含有量が5モル%の変性ポリ ニルアルコール100重量部を1200重量部の蒸留 水に加温溶解した後、冷却し、これに70%硝酸 40重量部を加え、更にアセトアルデヒド60重 部を添加した。樹脂が析出した後、30分間保 持し、その後、硝酸70重量部を加え35℃に昇 して3時間保った。反応終了後、蒸留水にて1 0時間流水洗浄し、水酸化ナトリウムを添加 て溶液のpHを8に調整した。溶液を50℃で6時 保持した後、冷却した。
次に、蒸留水により溶液を2時間流水洗浄し 後、脱水、乾燥して変性ポリビニルアセタ ル樹脂を得た。得られた変性ポリビニルア タール樹脂の残存水酸基量は25モル%、アセ ール単位(R 1 :メチル基)含有量は69モル%、アセチル単位含 量は1モル%、上記一般式(9)で表されるR 2 を有する構造単位含有量は5モル%であった。

(オフセット印刷版用樹脂組成物及び成型体 作製)
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用 いた以外は実施例12と同様にしてオフセット 刷版用樹脂組成物及びオフセット印刷版用 型体を得た。

(実施例17)
(変性ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ケン化度99.2%、上記一般式(9)で表されるR 2 を有する構造単位含有量が2モル%で、かつカ ボキシル基を2モル%含有するポリビニルア コール100重量部を1200重量部の蒸留水に加温 解した後、冷却し、これに70%硝酸40重量部 加え、更にアセトアルデヒド60重量部を添加 した。樹脂が析出した後、30分間保持し、そ 後、硝酸70重量部を加え35℃に昇温して3時 保った。反応終了後、蒸留水にて10時間流水 洗浄し、水酸化ナトリウムを添加して溶液の pHを8に調整した。溶液を50℃で6時間保持した 後、冷却した。次に、蒸留水により溶液を2 間流水洗浄した後、脱水、乾燥して変性ポ ビニルアセタール樹脂を得た。
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂のカ ルボン酸変性基量は2モル%、残存水酸基量は2 5モル%、アセタール単位(R 1 :メチル基)含有量は70モル%、アセチル単位含 量は1モル%、上記一般式(9)で表されるR 2 を有する構造単位含有量は2モル%であった。

(オフセット印刷版用樹脂組成物及び成型体 作製)
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用 いた以外は実施例12と同様にしてオフセット 刷版用樹脂組成物及びオフセット印刷版用 型体を得た。

(実施例18)
(オフセット印刷版用樹脂組成物及び成型体 作製)
実施例17で得られたオフセット印刷版用樹脂 成物をアルミニウム板上にワイヤーバーで 布し、乾燥機にて90℃、5分間静置させ、乾 後、文字型を切り抜いた鉄板を上部に置き メタルハライドランプ(セン特殊光源株式会 社製)を用いて波長230~400nmの紫外線を3000mJ/cm 2 (照射時間30秒)照射することで、オフセット 刷版用成型体を得た。

(比較例11)
(ポリビニルアセタール樹脂作製)
ケン化度99.5%、のポリビニルアルコール100重 部を1200重量部の蒸留水に加温溶解した後、 20℃に保ち、これに70%硝酸10重量部を加え、 にブチルアルデヒド16重量部を添加した。次 に、10℃まで冷却し、ブチルアルデヒド45重 部を加えた。樹脂が析出した後、30分間保持 し、その後、硝酸60重量部を加え35℃に昇温 て3時間保った。反応終了後、蒸留水にて10 間流水洗浄し、水酸化ナトリウムを添加し 溶液のpHを8に調整した。溶液を50℃で6時間 持した後、冷却した。蒸留水により溶液を2 間流水洗浄した後、脱水、乾燥してポリビ ルアセタール樹脂を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂は、残存 水酸基量が32モル%、ブチラール単位含有量が 67モル%、アセチル単位含有量が1モル%であっ 。

(オフセット印刷版用樹脂組成物及び成型体 作製)
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いた 以外は実施例12と同様にしてオフセット印刷 用樹脂組成物及びオフセット印刷版用成型 を得た。

(比較例12)
(ポリビニルアセタール樹脂作製)
ケン化度99.5%、のポリビニルアルコール100重 部を1200重量部の蒸留水に加温溶解した後、 20℃に保ち、これに70%硝酸70重量部を加え、 にブチルアルデヒド35重量部を添加し、アセ トアルデヒド20重量部を加えた。樹脂が析出 た後、30分間保持し、その後、35℃に昇温し て3時間保った。反応終了後、蒸留水にて10時 間流水洗浄し、水酸化ナトリウムを添加して 溶液のpHを8に調整した。溶液を50℃で6時間保 持した後、冷却した。蒸留水により溶液を2 間流水洗浄した後、脱水、乾燥してポリビ ルアセタール樹脂を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂の残存水 酸基量が28モル%、アセタール単位(R 1 :メチル基)含有量は40モル%、ブチラール単位 有量は31モル%、アセチル単位含有量が1モル %であった。

(オフセット印刷版用樹脂組成物及び成型体 作製)
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いた 以外は実施例12と同様にしてオフセット印刷 用樹脂組成物及びオフセット印刷版用成型 を得た。

(比較例13)
(ポリビニルアセタール樹脂の作製)
ケン化度99.5%、のポリビニルアルコール100重 部を1200重量部の蒸留水に加温溶解した後、 20℃に保ち、これに70%硝酸75重量部を加え、 にブチルアルデヒド25重量部を添加し、アセ トアルデヒド35重量部を加えた。樹脂が析出 た後、30分間保持し、その後、35℃に昇温し て3時間保った。反応終了後、蒸留水にて10時 間流水洗浄し、水酸化ナトリウムを添加して 溶液のpHを8に調整した。溶液を50℃で6時間保 持した後、冷却した。蒸留水により溶液を2 間流水洗浄した後、脱水、乾燥してポリビ ルアセタール樹脂を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂の残存水 酸基量が29モル%、アセタール単位(R 1 :メチル基)含有量は46モル%、ブチラール単位 有量が24モル%、アセチル単位含有量が1モル %であった。

(オフセット印刷版用樹脂組成物及び成型体 作製)
得られたポリビニルアセタール樹脂を用いた 以外は実施例12と同様にしてオフセット印刷 用樹脂組成物及びオフセット印刷版用成型 を得た。

(比較例14)
(ポリビニルアセタール樹脂作製)
ケン化度99.5%、のポリビニルアルコール100重 部を1200重量部の蒸留水に加温溶解した後、 20℃に保ち、これに70%硝酸40重量部を加え、 らにアセトアルデヒド60重量部を加えた。樹 脂が析出した後、30分間保持し、その後、硝 70重量部を加え、35℃に昇温して3時間保っ 。反応終了後、蒸留水にて10時間流水洗浄し 、水酸化ナトリウムを添加して溶液のpHを8に 調整した。溶液を50℃で6時間保持した後、冷 却した。蒸留水により溶液を2時間流水洗浄 た後、脱水、乾燥してポリビニルアセター 樹脂を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂の残存水 酸基量が27モル%、アセタール単位(R 1 :メチル基)含有量は72モル%、アセチル単位含 量が1モル%であった。

(オフセット印刷版用樹脂組成物及び成型体 作製)
得られた変性ポリビニルアセタール樹脂を用 いた以外は実施例12と同様にしてオフセット 刷版用樹脂組成物及びオフセット印刷版用 型体を得た。

(比較例15)
(オフセット印刷版用樹脂組成物及び成型体 作製)
実施例17で得られたオフセット印刷版用樹脂 成物をアルミニウム板上にワイヤーバーで 布し、乾燥機にて90℃、5分間静置させ、乾 後、文字型を切り抜いた鉄板を上部に置き 波長が400~600nmの範囲内にある光を2000mJ/cm 2 (照射時間30秒)照射することで、オフセット 刷版用成型体を得た。

(評価)
(1)アルカリ洗浄性の評価(洗浄性とパターン ング評価)
得られたオフセット印刷版用成型体を冷却し た0.1%炭酸ナトリウム水溶液を用いて洗浄し 。洗浄後に得られるオフセット印刷版の状 を光学顕微鏡にて観察し、以下の基準によ 評価した。

(洗浄性)
 ○:完全に洗浄できている。
 △:完全ではないが洗浄できている。
 ×:オフセット印刷版の凹凸が不明瞭となっ いる。

 (パターンニング)
 ○:形状保持できている
 ×:形状保持できていない

(2)オフセット印刷性の評価
得られたオフセット印刷版を用いて印刷を行 った。得られた印刷部について目視にて観察 し、以下の基準により評価した。
 ○:印刷部と非印刷部とのコントラストがは っきりしている。
 △:印刷部と非印刷部とのコントラストがは っきりしていない。
 ×:印刷できない

本発明によれば、架橋剤を使用せず簡便な方 法で、機械的強度が高く、耐溶剤性に優れる 架橋ポリビニルアセタール樹脂を製造できる ことから、シートアタック、強度不足、粘度 の経時安定性等の問題を解決することが可能 な架橋ポリビニルアセタール樹脂の製造方法 及び該架橋ポリビニルアセタール樹脂の製造 方法を用いてなる架橋ポリビニルアセタール 樹脂を提供することができる。
また、架橋剤を使用せず簡便な方法で、充分 な機械的強度を有する架橋ポリビニルアセタ ール樹脂が得られることから、熱転写インク シートの強度不足や耐熱性低下の問題を解決 することが可能な熱転写インクシートの製造 方法を提供することができる。
更に、架橋剤を使用せず簡便な方法で、優れ た感光性及びアルカリ洗浄性を有する架橋ポ リビニルアセタール樹脂を製造することがで きることから、例えば、露光-現像工程を行 際に、不要な部分が残留したり、必要な部 が溶解したりすることのないオフセット印 版の製造方法、ネガ型レジストの製造方法 並びに、ネガ型レジスト用樹脂組成物を提 することができる。