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Title:
METHOD FOR PRODUCTION OF ELECTRIC CONTACT MATERIAL, ELECTRIC CONTACT MATERIAL, AND THERMAL FUSE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/149666
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for producing an electric contact material which is reduced in the occurrence of welding even when exposed to a high temperature atmosphere that is produced by an arc generated upon current switching. Also disclosed is an electric contact material produced by the method. Further disclosed is a thermal fuse. The electric contact material can be produced by supplying oxygen in an amount larger than that needed for causing the internal oxidation of Cu to the surface of an alloy comprising 1 to 15 mass% of Cu and 0.01 to 0.7 mass% of Ni and further comprising Ag and inevitable impurities as the remainder, thereby forming an oxygen-concentrated layer. A thermal fuse can be produced by using a movable electrode produced by using the electric contact material.

Inventors:
YAMAMOTO, Toshiya (Tanaka Kikinzoku Kogyo K.K. 820-1, Aza-oshidashi, Ichinomiya, Tomioka-sh, Gunma 52, 3702452, JP)
山本 俊哉 (〒52 群馬県富岡市一ノ宮字押出820番1号 田中貴金属工業株式会社富岡工場内 Gunma, 3702452, JP)
TAKADA, Kazuyasu (Tanaka Kikinzoku Kogyo K.K. 820-1, Aza-oshidashi, Ichinomiya, Tomioka-sh, Gunma 52, 3702452, JP)
Application Number:
JP2008/059250
Publication Date:
December 11, 2008
Filing Date:
May 20, 2008
Export Citation:
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Assignee:
Tanaka Kikinzoku Kogyo K.K. (TOKYO BUILDING, 7-3 Marunouchi 2-chome, Chiyoda-k, Tokyo 22, 1006422, JP)
田中貴金属工業株式会社 (〒22 東京都千代田区丸の内2丁目7-3 東京ビルディング Tokyo, 1006422, JP)
YAMAMOTO, Toshiya (Tanaka Kikinzoku Kogyo K.K. 820-1, Aza-oshidashi, Ichinomiya, Tomioka-sh, Gunma 52, 3702452, JP)
山本 俊哉 (〒52 群馬県富岡市一ノ宮字押出820番1号 田中貴金属工業株式会社富岡工場内 Gunma, 3702452, JP)
International Classes:
H01H11/04; C22C1/10; C23C8/10; H01H37/76; H01H1/023; H01H11/04; C22C1/10; C23C8/10; H01H37/00; H01H1/02
Attorney, Agent or Firm:
MATSUYAMA, Keisuke et al. (Minami-Shinjuku Bldg, 10-12 Yoyogi 2-chome, Shibuya-k, Tokyo 53, 1510053, JP)
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Claims:
 Cuを1~15質量%、Niを0.01~0.7質量%含有し、残部がAgおよび不可避的不純物からなる合金の表層部に、Cuを内部酸化させるのに必要な酸素量を上回る酸素量を供給して、酸素濃縮層を形成することを特徴とする電気接点材料の製造方法。
 Cuを1~15質量%、Niを0.01~0.7質量%含有し、残部がAgおよび不可避的不純物からなる合金に内部酸化処理を施した後に、酸素濃縮層を形成するための酸素濃縮化処理を施し、少なくとも表面から深さ0.1μm以上の範囲までを酸素濃縮層となるようにすることを特徴とする電気接点材料の製造方法。
 Cuを1~15質量%、Niを0.01~0.7質量%含有し、残部がAgおよび不可避的不純物からなる合金に、温度:500~770℃、酸素分圧:0.02MPa以上1.0MPa未満、時間:6~60hの内部酸化処理を施した後に降温して、さらに温度:100~300℃、酸素分圧:0.02MPa以上1.0MPa未満、時間:6~24hの酸素濃縮化処理を施すことを特徴とする電気接点材料の製造方法。
 請求項1~3のいずれかに記載の製造方法を用いて得られる電気接点材料。
 請求項4に記載の電気接点材料を用いて形成された可動電極を有することを特徴とする温度ヒューズ。
Description:
電気接点材料の製造方法、電気 点材料および温度ヒューズ

 本発明は、電気接点材料の製造方法、電 接点材料および温度ヒューズに関し、さら 詳しくは、開閉する電気接点に用いられた に優れた耐久性を実現できる電気接点材料 製造方法、該方法で製造された電気接点材 および該電気接点を用いて形成された温度 ューズに関する。

 Ag及びAg合金は、電気伝導度が大きく、ま た耐酸化性もあり、電気接点材料として従来 から用いられている。

 一方、電流開閉時に生じるアークによっ 高温に曝された場合に、接点の溶着が生じ ことがあるという問題があり、例えば温度 ューズにおいては、電流の開閉を行う可動 極とリード線との間でアークが発生し、溶 が生じることがあった。

 これに対して、WO03/009323号公報では、Ag99~ 80重量部とCu1~20重量部を含む組成の合金を内 酸化処理して、表層の酸化物希薄層の厚さ 5μm以下とし、内部に存在する酸化物粒子の 平均粒径を0.5~5μmとした材料を、温度ヒュー の可動電極に用いることにより、溶着トラ ルのない温度ヒューズを提供することがで ると記載されている。

 この記載によれば、WO03/009323号公報に記 の温度ヒューズの可動電極に用いる材料に いては、厚さが5μm以下であれば、表層に酸 物希薄層が存在していてもよいとされてい ことになる。実際、特許文献1においては実 施例1~18が記載されているが、いずれの実施 においても酸化物希薄層の厚さは1~4μmであ て0μmではなく、表層には酸化物希薄層が存 している。

 しかしながら、厚さが5μm以下であっても 、表層に酸化物希薄層が存在すれば溶着が生 じやすくなることを本発明者は研究の結果見 出しており、WO03/009323号公報に記載の前記材 を用いた電気接点では、溶着の問題を十分 解決できているとは言えない。

 本発明は、かかる問題点に鑑みてなされ ものであって、電流開閉時に生じるアーク よって高温に曝されても、溶着の発生を抑 できる電気接点材料の製造方法を提供する とを課題とする。また、該方法を用いて得 れる電気接点材料および温度ヒューズを提 することも課題とする。

 本発明者は、前記課題を解決するため鋭 研究開発を行った結果、所定の組成のAg-Cu-N i合金の表層部に、所定量以上の酸素を供給 ることにより、前記課題を解決できること 見出し、本発明をするに至った。

 即ち、本発明に係る電気接点材料の製造 法の第1の態様は、Cuを1~15質量%、Niを0.01~0.7 量%含有し、残部がAgおよび不可避的不純物 らなる合金の表層部に、Cuを内部酸化させ のに必要な酸素量を上回る酸素量を供給し 、酸素濃縮層を形成することを特徴とする

 ここで、合金の表層部とは、合金表面か 20μm程度の範囲までの領域のことであり、 素濃縮層とは、Ag-Cu-Ni合金の表層部に存在し 、酸素が固溶した層であり、中心部のAg-Cu-Ni 金マトリックスよりも固溶酸素濃度が高い のことである。

 本発明に係る電気接点材料の製造方法の 2の態様は、Cuを1~15質量%、Niを0.01~0.7質量%含 有し、残部がAgおよび不可避的不純物からな 合金に内部酸化処理を施した後に、酸素濃 層を形成するための酸素濃縮化処理を施し 少なくとも表面から深さ0.1μm以上の範囲ま を酸素濃縮層となるようにすることを特徴 する。

 本発明に係る電気接点材料の製造方法の 3の態様は、Cuを1~15質量%、Niを0.01~0.7質量%含 有し、残部がAgおよび不可避的不純物からな 合金に、温度:500~770℃、酸素分圧:0.02MPa以上 1.0MPa未満、時間:6~60hの内部酸化処理を施した 後に降温して、さらに温度:100~300℃、酸素分 :0.02MPa以上1.0MPa未満、時間:6~24hの酸素濃縮 処理を施すことを特徴とする。

 本発明に係る電気接点材料は、前記製造 法を用いて得ることができる。

 本発明に係る温度ヒューズは、前記電気 点材料を用いて形成された可動電極を有す ことを特徴とする。

 本発明に係る電気接点材料の製造方法に れば、電流開閉時に生じるアークによって 温に曝されても、溶着の発生を抑制できる 気接点材料を製造することができる。

 また、本発明に係る電気接点材料を用い 形成された電気接点は、溶着が起こりにく 、例えば温度ヒューズの可動電極として用 ることにより、溶着が起こりにくく、特性 優れた温度ヒューズを作製できる。

本発明の実施形態に係る電気接点材料 可動電極に用いた温度ヒューズの平常時の 面図 前記温度ヒューズの作動後の断面図 本発明の実施形態に係る電気接点材料 、固定接点および可動接点に適用可能なリ ーの例を示す図 実施例で作製した電気接点材料の金属 微鏡による断面写真 実施例で作製した電気接点材料の表面 電子顕微鏡写真(低倍率) 実施例で作製した電気接点材料の表面 電子顕微鏡写真(高倍率) 実施例で作製した電気接点材料の深さ 向の元素分布の状況を、グロー放電発光分 装置GDA750(株式会社リガク製)により測定し 結果を示すグラフ図

 以下、本発明の実施形態について詳細に 明する。

 本発明の実施形態に係る電気接点材料は Cuを1~15質量%、Niを0.01~0.7質量%含有し、残部 Agおよび不可避的不純物からなるAg-Cu-Ni合金 の表層部に、Cuを内部酸化させるのに必要な 素量を上回る酸素量が供給されて得られ、 層部に酸素濃縮層を有する。

[Cuについて]
 Cuは、内部酸化されることにより、CuO粒子 Ag-Cu-Ni合金中に供給する役割を有する。Ag-Cu- Ni合金の少なくとも表面から所定深さ以上の 囲までCuO粒子を分散させることにより、該 金を電流の開閉がなされる電気接点に用い 場合、溶着が生じにくくなる。

 内部酸化処理を施すAg-Cu-Ni合金中のCuの含 有量は、1~15質量%であることが必要である。C uの含有量が1質量%未満では、Ag-Cu-Ni合金中に じるCuO粒子が少なくなり、電流の開閉がな れる電気接点に用いた場合に溶着が生じや くなる。Cuの含有量が15質量%を上回ると、 部酸化処理により酸素をAg-Cu-Ni合金中に侵入 させようとしても、合金中のCu原子の数が多 ため、酸素は表面付近でCuと結合して酸化 膜を形成してしまい、CuO粒子を合金中に分 させて生じさせることができなくなる。表 に酸化皮膜が形成されると、接触抵抗が著 く大きくなってしまう。

 CuO粒子は、Ag-Cu-Ni合金を電流の開閉がな れる電気接点に用いた場合に、溶着を生じ くくする役割を有する。Ag-Cu-Ni合金の表面か ら、深さ5μm以上の範囲まで分散させること 好ましく、CuO粒子の平均粒径は、5μm以下で ることが好ましい。

[Niについて]
 Niは、CuO粒子を微細化する役割を有する。Cu O粒子の平均粒径が5μmを上回ると、接触抵抗 大きくなりすぎ、電気接点材料としては不 となる。

 内部酸化処理を施すAg-Cu-Ni合金中のNiの含 有量は、0.01~0.7質量%であることが必要である 。Niの含有量が0.01質量%未満では、CuO粒子を 細化する効果が十分には得られない。一方 Niの含有量を0.7質量%を上回らせることは通 の溶解法ではできない。

[酸素濃縮層について]
 酸素濃縮層は、前述のように、Ag-Cu-Ni合金 表層部に存在する層であり、Agマトリックス 中に酸素が固溶し、中心部のAgマトリックス りも酸素濃度が高い層のことである。酸素 縮層は、CuO粒子が分散したAg-Cu-Ni合金を電 接点に用いた際、電流を開閉してアークが じてもCuOが還元されることを防ぐ役割を有 ている。また、Ag-Cu-Ni合金の場合、熱力学的 には、酸素原子はAg-Cu-Ni合金中に固溶してい よりも、Cuと結合してCuOを形成している方 安定しているので、酸素濃縮層には必ずCuO 子が存在していることになる。

 CuO粒子の融点は1000℃以上であり、Ag-Cu-Ni 金の融点である810℃程度よりも高いので、A g-Cu-Ni合金の表層部に所定量以上のCuO粒子が 在すると、該Ag-Cu-Ni合金を電気接点に用いて アークが発生した場合でも、溶着が発生しに くくなる。

 しかし、アークが発生してCuO粒子が還元 れて金属銅となり、Ag-Cu-Ni合金の表層部に 酸化物の濃度が約1質量%よりも低い酸化物希 薄層が生じると、該酸化物希薄層中に含まれ るCuO粒子の量は少なくなっているため、溶着 が発生しやすくなる。

 これに対し、酸素濃縮層は酸素濃度が高 層であり、電流を開閉してアークが生じて CuO粒子が還元されることを防ぐので、酸化 希薄層が生じることを防ぐ。そのため、Ag-C u-Ni合金の表層部に酸素濃縮層が存在すると 溶着の発生が防止される。

 酸素濃縮層の合金表面からの厚さは、0.1 m以上であることが好ましい。酸素濃縮層の 金表面からの厚さが0.1μm未満では、電流を 閉してアークが生じた際にCuOが還元される とを防ぐ効果が不十分となるか、該効果を 期間持続させることができない。

[製造方法について]
 次に、本発明の実施形態に係る電気接点材 の製造方法について説明する。

 本発明の実施形態に係る電気接点材料の 造方法の特徴は、Cuを1~15質量%、Niを0.01~0.7 量%含有し、残部がAgおよび不可避的不純物 らなるAg-Cu-Ni合金の表層部に、Cuを内部酸化 せるのに必要な酸素量を上回る酸素量を供 して、酸素濃縮層を形成させることにある

 酸素を供給する処理が施されるAg-Cu-Ni合 の各成分、酸素濃縮層については前述の通 であるので、これらについては詳細な説明 省略し、合金内部に酸素を供給する処理に いて主に説明する。

 合金内部に酸素を供給する処理には、内 酸化処理と酸素濃縮化処理がある。

(内部酸化処理)
 内部酸化は、酸素原子が金属内部に拡散し いく速度の方が、金属原子が表面に移動す 速度よりも速いため、金属表面に酸化皮膜 形成されず、金属内部に酸素原子が拡散し いき、金属内部に酸化物を形成する現象で り、特定の合金、例えばAg合金等で見られ 現象である。

 内部酸化処理の条件には、熱処理温度、 素分圧および熱処理時間の3条件がある。

 熱処理温度は、600~800℃とすることが好ま しい。熱処理温度が600℃未満では、Ag-Cu-Ni合 中に酸素原子が十分に拡散していかず、合 表面からある程度以上の深さ範囲について 十分な内部酸化を行うことが難しい。一方 Cuを1~15質量%、Niを0.01~0.7質量%含有するAg-Cu-N i合金の融点は、810℃程度であるので、熱処 温度が800℃を超えると溶融してしまうおそ がある。

 酸素分圧は、0.02MPa以上1.0MPa未満とするこ とが好ましい。酸素分圧が0.02MPa未満では、 分な内部酸化に必要な酸素量をAg-Cu-Ni合金中 に供給することが難しい。一方、酸素分圧が 1.0MPa以上となると、内部酸化処理のための装 置が大がかりとなり、経済的ではない。

 熱処理時間は、24~60時間とすることが好 しい。熱処理時間が24時間未満では、十分な 内部酸化に必要な酸素量をAg-Cu-Ni合金中に供 することが難しい。一方、熱処理時間が60 間を超えても、Ag-Cu-Ni合金中に供給できる酸 素量は熱処理時間が60時間の場合と比べて微 に止まるので、熱処理時間を60時間よりも くすることは経済的ではない。

(酸素濃縮化処理)
 Ag-Cu-Ni合金の場合、熱力学的には、酸素原 はAg-Cu-Ni合金中に固溶しているよりも、Cuと 合してCuOを形成している方が安定している したがって、Ag-Cu-Ni合金中に固溶し、内部 拡散して行った酸素原子は、周囲にCu原子が あれば、結合してCuOとなる。このため、Ag-Cu- Ni合金中に酸素原子を固溶させるためには、C uの内部酸化に必要な量を上回る酸素量をAg-Cu -Ni合金中に供給することが必要である。

 Ag-Cu-Ni合金中に酸素原子を固溶させるた には、さらには酸素濃縮層を、合金表面か 所定の範囲、例えば表面から0.1μm以上形成 せるためには、内部酸化処理の後に適切な 素濃縮化処理をすることが必要である。

 このため、前記条件による内部酸化処理 行った後に降温して、さらに温度:100~300℃ 酸素分圧:0.02MPa以上1.0MPa未満、時間:6~24hの酸 素濃縮化処理を行うことが好ましい。これに より、Ag-Cu-Ni合金表層部への酸素原子の固溶 をさらに増加させることができる。Ag-Cu-Ni 金中へ固溶できる酸素量は、低温ほど多く るので、熱処理温度を100~300℃にすることで 酸素の最大固溶量を増加させることができ 。ただし、熱処理温度を100~300℃にすると酸 素原子の拡散速度は小さくなるので、この温 度範囲における酸素濃縮化処理では、酸素原 子の固溶量が増加するのはAg-Cu-Ni合金の表層 のみである。

 他方、Ag-Cu-Ni合金を電気接点に用いた場 に溶着を抑制するためには、表層部のCuO粒 が還元されないようにすることが重要であ 。したがって、熱処理温度が600~800℃である 初の内部酸化処理によりAg-Cu-Ni合金の表面 らある程度の深さ範囲までCuO粒子を生じさ た後、熱処理温度を100~300℃とした酸素濃縮 処理を行って、Ag-Cu-Ni合金の表層部の固溶 素量を増加させることは、溶着を抑制する で効果的である。

 この酸素濃縮化処理は、熱処理温度が600~ 800℃の内部酸化処理を行った後、例えば、引 き続き酸素分圧:0.02MPa以上1.0MPa未満の雰囲気 でゆっくりと降温させて、100~300℃の温度範 囲に6~24h曝されるような処理でもよい。

[製品への適用]
 本発明の実施形態に係る電気接点材料は、 1、2に示す、特許文献1に記載のような温度 ューズ10の可動電極12に好適に用いることが できる。図1は、温度ヒューズ10の平常時の断 面図であり、図2は作動後の断面図である。

 図1に示すように、この温度ヒューズ10は 金属ケース12と、可動電極14と、リード線16 18と、絶縁材20と、圧縮バネ22、24と、感温 26とを主要構成要素としてなる。

 可動電極14は、導電性の金属ケース12の内 面に接触しながら移動し得るようになってい る。可動電極14と絶縁材20との間には圧縮バ 22が備えられており、可動電極14と感温材26 の間には圧縮バネ24が備えられている。

 図1に示す平常時においては、圧縮バネ22 24はそれぞれ圧縮状態にある。圧縮バネ22よ り圧縮バネ24の方が伸びようとする力が強く っており、可動電極14は絶縁材20側に付勢さ れ、可動電極14はリード線16に圧接されてい 。このため、リード線16、18を電子機器など 配線に接続すると、電流は、リード線16、 動電極14、金属ケース12、リード線18の順に れる。

 感温材26は、有機物質、例えば150℃の融 を有するアジピン酸などを使用することが きる。所定の作動温度に達すると、感温材26 は軟化または溶融するため、圧縮バネ24は除 されて伸張する。これに伴い、圧縮バネ22 圧縮状態が解放され、圧縮バネ22が伸張する ことにより、可動電極14とリード線16とは離 して通電が遮断される。

 このように所定の温度に達すると通電を 断する機能を有する温度ヒューズを、電子 器などの配線に接続することにより、機器 異常過熱による機器本体の破損や火災など 事前に防止することができる。

 可動電極14とリード線16との離隔が進む際 、可動電極14とリード線16との間に微小なア クが発生することがあり、特に可動電極14と リード線16との離隔がゆっくりと進む際にア クが発生しやすい。しかし、本発明の実施 態に係る電気接点材料を用いて可動電極14 構成しておけば、アークが発生してもCuO粒 が還元される量が極めて少ないので、可動 極14とリード線16とが溶着することは強く抑 される。

 本発明の実施形態に係る電気接点材料は 温度ヒューズの可動電極以外にも、電流の 閉をする電気接点に好適に用いることがで 、例えば図3に示すリレー30の固定接点32お び可動接点34にも好適に用いることができる 。図3において、36は可動接触片(接点バネ)、3 8は端子、40は接極子(可動鉄片)、42は復帰バ 、44はコイル、46は鉄心、48は継鉄である。

 合金組成がAg:95.5質量%、Cu:4.0質量%、Ni:0.5 量%となるように各金属を秤量して、溶解し 、鋳造した後、厚さ2mmまで圧延し、圧延後に 30cm×30cmの大きさに切断した。

 得られた合金を、内部酸化炉で、熱処理 度:700℃、酸素分圧:0.5MPa、熱処理時間:48時 の条件で内部酸化処理を行った後、酸素分 を0.5MPaに保ったまま、引き続き300℃で12時間 保持し、酸素濃縮化処理を施した。

 前記酸素濃縮化処理を行った後室温まで 却した合金を厚さ方向に切断し、金属顕微 で該切断面を観察した。図4に、金属顕微鏡 による断面写真を示す。図4において、黒い がCuO粒子であり、白い部分がAg-Cu-Ni合金の部 分である。図4からわかるように、CuO粒子は 合金表面から一様の分布で合金内部に分散 ている。図4は、合金表面から深さ150μm程度 での断面を示すが、この範囲において、CuO 子が希薄な層は存在していない。

 図5、図6は、前記内部酸化処理を行った 室温まで冷却した合金の表面の電子顕微鏡 真である。写真の下方に示す縮尺からわか ように、図6は、図5よりも高倍率である。図 5、図6において、黒い点がCuO粒子であり、白 部分がAg-Cu-Ni合金の部分である。図5、図6か らわかるように、CuO粒子は、合金表面にほぼ 一様に分散して存在している。

 図7は、前記内部酸化処理を行った後室温 まで冷却した合金の深さ方向の元素分布の状 況を、グロー放電発光分析装置GDA750(株式会 リガク製)により測定した結果を示すグラフ である。横軸は表面からの深さであり、縦 は各元素の存在量である。図7は検量前のデ ータであり、縦軸の数値には定量性がなく、 各元素の存在比率は図7からはわからないが 元素ごとに合金表面からの深さ方向につい の存在量の変動の様子は読み取ることがで る。

 Ag、Cu、Niの存在量は、合金表面からの深 方向についてほぼ一定である。これに対し 、酸素の存在量は、合金表面から深さ2μm程 度までの範囲において特に多く、深さ5μm程 の領域で、表面から深さ2μm程度の範囲まで おける存在量の半分程度となる。深さ20μm 度の領域で、深さ5μm程度の範囲における存 量の3分の1程度となり、深さ20μmよりも深い 領域では、酸素の存在量はほぼ一定となる。

 他方、図4に示すように、CuO粒子は、合金 表面から深さ150μm程度まで、一様の分布で合 金内部に分散している。したがって、図7に いて、深さ20μmよりも浅い領域で、表面に近 づくにつれて増えている酸素は、Ag-Cu-Ni合金 固溶した酸素であると考えられる。酸素量 ほぼ一定となる深さ20μmよりも深い領域で 、ほとんどの酸素はCuOの形で存在しており 酸素濃縮層はほとんど存在していないと考 られる。

 このことからわかるように、合金表面か 深さ2μm程度までの範囲においては、Ag-Cu-Ni 金中に固溶している酸素が特に多く、かつ CuO粒子も深さ2μm程度よりも深い領域と同程 度に存在しているので、得られた合金を電気 接点に用いると、溶着の起こりにくい電気接 点になると考えられる。

 得られた合金で可動電極を形成して、ア クの発生を伴う電流の開閉を繰り返し行っ ところ、従来の温度ヒューズの可動電極と べて、溶着が発生するまでの電流の開閉の り返し回数は、10%程度向上した。

産業上の利用の可能性

 本発明に係る電気接点材料の製造方法に れば、電流開閉時に生じるアークによって 温に曝されても、溶着の発生を抑制できる 気接点材料を製造することができる。

 また、本発明に係る電気接点材料を用い 形成された電気接点は、溶着が起こりにく 、例えば温度ヒューズの可動電極として用 ることにより、溶着が起こりにくく、特性 優れた温度ヒューズを作製できる。