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Title:
METHOD FOR PRODUCTION OF EXTRUSION BILLET, AND METHOD FOR PRODUCTION OF MAGNESIUM ALLOY MATERIAL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/016894
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for producing an extrusion billet, which comprises the steps of: providing a plate-like or block-like starting material comprising a magnesium alloy; subjecting the starting material to the thermoplastic processing at a temperature of 250˚C or lower and at a rolling reduction rate of 70% or more to introduce a strain into the material without causing dynamic recrystallization; milling the thermoplastic-processed material to produce a powdery material; and compressing the powdery material to produce a powder compact billet.

Inventors:
KONDOH KATSUYOSHI (JP)
HOTTA MAKOTO (JP)
LIAO JINSUN (JP)
KANEKO KANTARO (JP)
FUJII NORIO (JP)
KAMETANI HIROHITO (JP)
KOSHI AKIHIKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/061245
Publication Date:
February 05, 2009
Filing Date:
June 19, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KURIMOTO LTD (JP)
KONDOH KATSUYOSHI (JP)
HOTTA MAKOTO (JP)
LIAO JINSUN (JP)
KANEKO KANTARO (JP)
FUJII NORIO (JP)
KAMETANI HIROHITO (JP)
KOSHI AKIHIKO (JP)
International Classes:
B22F3/00; B21C23/01; B22F3/20; B22F9/04; C22F1/06; C22F1/00; C22F1/02
Foreign References:
JP2006348349A2006-12-28
JP2005256133A2005-09-22
JP2005256133A2005-09-22
Other References:
TETSUO SAKAI: "Structure and Texture of AZ31 Magnesium Alloy Plate Rolled at High Speed", ABSTRACTS OF THE 109TH AUTUMN CONFERENCE OF JAPAN INSTITUTE OF LIGHT METALS, 2005, pages 27
MR. SAKAI ET AL., ABSTRACTS OF THE 109TH AUTUMN CONFERENCE OF JAPAN INSTITUTE OF LIGHT METALS, 2005
See also references of EP 2172291A4
Attorney, Agent or Firm:
ITOH, Hidehiko et al. (Oriental Sakaisuji Bldg. 21-19,Shimanouchi 1-chome, Chuo-k, Osaka-shi Osaka 82, JP)
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Claims:
マグネシウム合金からなり、板状または塊状の出発素材を用意する工程と、
 前記出発素材に対して、250℃以下の温度で圧下率70%以上の塑性加工を施し、動的再結晶を生じさせずに歪を導入する工程と、
 前記塑性加工後の素材を粉砕して粉体を作製する工程と、
 前記粉体を圧縮して固めた粉体ビレットを作製する工程とを備えた、押出用ビレットの製造方法。
前記塑性加工時の前記出発素材の温度を50℃以下にする、請求項1に記載の押出用ビレットの製造方法。
前記塑性加工の圧下率が80%以上である、請求項1に記載の押出用ビレットの製造方法。
前記塑性加工は、前記出発素材を1対のロール間に通す圧延加工である、請求項1に記載の押出用ビレットの製造方法。
前記塑性加工は、前記出発素材を圧縮変形させるプレス加工である、請求項1に記載の押出用ビレットの製造方法。
マグネシウム合金からなり、板状または塊状の出発素材を用意する工程と、
 前記出発素材に対して、250℃以下の温度で圧下率70%以上の塑性加工を施し、動的再結晶を生じさせずに歪を導入する工程と、
 前記塑性加工後の素材を粉砕して粉体を作製する工程と、
 前記粉体を圧縮して固めた粉体ビレットを作製する工程と、
 前記粉体ビレットを150~400℃の温度で押出加工する工程とを備える、マグネシウム合金素材の製造方法。
前記出発素材に対する塑性加工を終了した段階から前記粉体ビレットを作製するまでの工程では、前記粉体を不活性ガス雰囲気中に置いて粉体表面の酸化防止を図る、請求項6に記載のマグネシウム合金素材の製造方法。
Description:
押出用ビレットの製造方法およ マグネシウム合金素材の製造方法

 本発明は、微細な結晶粒径を有し、かつ 好な衝撃エネルギー吸収性能を持つマグネ ウム合金素材の製造に関するものである。

 マグネシウム合金は、低比重による軽量 効果が期待されるので、携帯電話や携帯音 機器の筐体をはじめ、自動車用部品、機械 品、構造用材料等に広く活用されている。 なる軽量化効果の発現には、マグネシウム 金の高強度化と高靭性化が必要である。こ ような特性向上には、マグネシウム合金の 成・成分の最適化や、素地を構成するマグ シウム結晶粒の微細化が有効である。特に マグネシウム合金素材の結晶粒微細化に関 ては、これまで圧延法、押出加工法、鍛造 工法、引き抜き加工法など、塑性加工プロ スを基調とした方法が用いられている。

 特開2005-256133号公報は、ローラーコンパ ターによって粉体原料の結晶粒径を微細化 る方法を開示している。具体的には、出発 料粉末を1対のロール間に通して圧縮変形さ 、引き続いて破砕処理を行って顆粒状粉体 する。この圧縮変形および破砕処理を数十 繰り返して行うことによって、微細な結晶 径を持つ粉体が得られる。

 上記の公報に開示された方法では、微細 結晶粒径を持つ粉体を得るために圧縮変形 よび破砕処理を数十回繰り返して行わなけ ばならないので、製造効率および経済性の で改善すべき余地がある。

 マグネシウム合金板材を圧延することに って結晶組織を微細化することも可能であ が、マグネシウムは最密六方格子(HCP結晶構 造)で低温(200℃以下)では主に底面すべりが起 こる。そのため、マグネシウム合金板材の冷 間加工度は数パーセントに限られ、一般的に 圧延は300℃以上で行われている。その場合で も、材料の割れや破断を防止するため、25%以 下の圧下率の多パス圧延が行われる。

 軽金属学会第109回秋期大会講演概要(2005) 第27頁~28頁に、「高速圧延されたAZ31マグネ ウム合金板の組織と集合組織」(左海哲夫ら )と題して、マグネシウム合金板に高速圧延 適用することによって微細な結晶組織を得 方法が提案されている。左海らは、圧延の 率化および組織制御への利用には1パスあた の圧下率を大きくする必要があること、マ ネシウム合金は冷温間域では底面すべりし 活動しないため、大圧下圧延を成功させる めには材料を加熱しなければならないこと 材料の加工発熱を最大限に利用し材料自身 温度を上昇させるためには、加工中の工具 よび周囲の雰囲気への熱伝達による温度低 を防がなければならないことに着目し、そ ためには、高速で加工を行い、工具と材料 接触時間を短くすることが効果的であると えて、高速圧延を試みた。その結果、圧延 度を高速にすることによりマグネシウム合 の圧延加工性が改善され、1パス大圧下圧延 が可能となり、微細粒組織で優れた機械的性 質を有する展伸板材が得られることを見出し た。

 左海らの実験結果によると、圧延速度が2 000m/minの高速圧延では、350℃のみならず200℃ 温度でも1パスで圧下率61%の圧延が可能であ ったことが報告されている。圧延温度100℃以 下ではせん断帯が発生するが、圧下率が高く なるとせん断帯に微細な再結晶粒が現れ、よ り高圧下率では再結晶粒が板全体に広がるこ とも報告している。

 左海らは、圧延速度の上昇とともに1パス あたりの限界圧下率が上昇することを予測し ているが、実験で確認した最大圧下率は62%で あり、それ以上の圧下率の実現可能性につい ては不明である。また、左海らの方法では、 マグネシウム合金板の高速圧延時の動的再結 晶を利用して結晶粒を微細化するものである 。このようにして得られた微細結晶組織のマ グネシウム合金材料を利用して押出用ビレッ トを作製し、所定の温度で押出加工した場合 、押出加工時に微細な結晶粒が粗大化するた め、最終的に得られるマグネシウム合金押出 材の結晶組織は粗大化してしまう。

 この発明の目的は、微細な結晶組織で優 た機械的性質を持つマグネシウム合金素材 得るための押出用ビレットの製造方法を提 することである。

 この発明の他の目的は、微細な結晶組織 優れた機械的性質を持つマグネシウム合金 材の製造方法を提供することである。

 本発明に従った押出用ビレットの製造方 は、マグネシウム合金からなり、板状また 塊状の出発素材を用意する工程と、出発素 に対して、250℃以下の温度で圧下率70%以上 塑性加工を施し、動的再結晶を生じさせず 歪を導入する工程と、塑性加工後の素材を 砕して粉体を作製する工程と、粉体を圧縮 て固めた粉体ビレットを作製する工程とを える。

 本願発明者らは、板状または塊状のマグ シウム合金の出発素材を塑性加工する条件 して、温度および圧下率を変えて実験を行 た。その結果、圧下率が70%以上であれば、 温での塑性加工でも破断が無く、均一に加 できること、および動的再結晶を生じさせ に大きな歪を導入できることを見出した。 度の上限を250℃にしたのは、動的再結晶の 生を避けるためである。再結晶することな 大きな歪を導入している粉体を固めた押出 ビレットであれば、押出加工時に動的再結 を生じ、最終的に微細な結晶粒を持つマグ シウム合金素材を得ることができる。

 押出加工後のマグネシウム合金素材がよ 微細な結晶組織を持つようにするには、塑 加工時により大きな歪を導入することが必 である。そのためには、圧下率を80%以上に るのが望ましい。また、経済性の観点およ 動的再結晶の発生を確実に防ぐという観点 ら、好ましくは、塑性加工時の出発素材の 度を50℃以下にする。

 大きな歪を導入する塑性加工は、一つの 施形態では、出発素材を1対のロール間に通 す圧延加工であり、他の実施形態では、出発 素材を圧縮変形させるプレス加工である。

 マグネシウム合金素材の製造方法は、マ ネシウム合金からなり、板状または塊状の 発素材を用意する工程と、出発素材に対し 、250℃以下の温度で圧下率70%以上の塑性加 を施し、動的再結晶を生じさせずに歪を導 する工程と、塑性加工後の素材を粉砕して 体を作製する工程と、粉体を圧縮して固め 粉体ビレットを作製する工程と、粉体ビレ トを150~400℃の温度で押出加工する工程とを 備える。

 上記の方法によれば、微細な結晶組織で れた機械的性質を持つマグネシウム合金素 が得られる。

本発明の実施形態の製造工程を順に図 的に示す図である。 縦軸に圧延温度をとり、横軸に1パスあ たりの圧下率をとった座標に、マグネシウム 合金素材に対する従来の圧延加工の領域、左 海らの報告に記載された高速圧延の領域、お よび本発明の塑性加工領域を示した図である 。 種々の圧下率で圧延加工した後の素材 外観を示す写真である。 縦軸に圧延温度をとり、横軸に1パスあ たりの圧下率をとった座標に、破断の有無を 示す記号を記入した図である。 圧延加工後の金属組織を示す写真であ 。 縦軸に圧延温度をとり、横軸に1パスあ たりの圧下率をとった座標に、再結晶の有無 を示す記号を記入した図である。 圧下率80%の圧延加工時のマグネシウム 金出発素材の予熱温度と、圧延加工後のマ ネシウム合金素材の硬度との関係を示す図 ある。

 図1は、板状または塊状のマグネシウム合 金出発素材を加工して高強度で高耐衝撃性の マグネシウム合金素材を得るまでの工程を図 解的に示している。

 出発素材は、板状または塊状のマグネシ ム合金である。図示した実施形態では、厚 t1が3~10mmの板材を使用している。後の塑性 工で出発素材に歪を導入することになるが 歪導入サイトが多いという観点から出発素 として鋳造材を使用するのが好ましい。

 出発素材の温度を室温~250℃にし、この出 発素材に対して圧下率70%以上の塑性加工を施 し、動的再結晶を生じさせずに大量の歪を導 入する。図示した実施形態では、塑性加工は 、出発素材を1対のロール間に通す圧延加工 あり、1パス後の板材の厚みは0.4~0.9mmとなる 圧下率とは、加工前の素材の厚み減少率で る。

 出発素材の板厚が3mmで、塑性加工後の板 が0.9mmであれば、圧下率は次のように求め れる。

 圧下率(%)={(3.0-0.9)/3.0}×100=70
 マグネシウムはHCP結晶構造で低温では底面 べりしか起こらないので、従来の技術常識 は、マグネシウム合金板材を室温で圧延す 場合には、割れや破断を避けるために20%以 の圧下率にしなければならないと考えられ いた。一般的には、割れや破断を避けるた にマグネシウム合金板材の圧延を300℃以上 温度で行っている。その場合でも、圧下率 25%以下であった。

 本願発明者らは室温下でマグネシウム合 板材に対して圧延加工を行い、圧下率と素 の割れとの関係を調べた。本願発明者らの 験では、圧下率を20%~60%の範囲にしたとき素 材の割れが発生したが、圧下率を70%以上にす ると素材の割れは発生しなかった。この結果 は、今までの技術常識からは予測できないこ とである。この実験結果については、後に写 真を示して説明する。

 出発素材に対する塑性加工では、動的再 晶を生じさせずに大量の歪を導入すること 重要である。塑性加工時に動的再結晶によ て素材が結晶組織を持つようになると、後 押出加工時に結晶粒が粗大化してしまい、 終マグネシウム合金素材が微細な結晶組織 有さなくなる。動的再結晶を生じさせない いう観点から、塑性加工時の出発素材の温 を250℃以下にすることが必要である。経済 の観点および動的再結晶を確実に防ぐとい 観点からすれば、塑性加工時の出発素材の 度を50℃以下にするのが望ましい。

 出発素材に対する塑性加工としては、圧 加工に限られず、出発素材を圧縮変形させ プレス加工であってもよい。この場合であ ても、上記の加工条件が当てはまる。

 出発素材に対して大量の歪を導入する塑 加工を行った後、素材を粉砕して粉体を作 する。さらにこの粉体を圧縮して固めて押 加工用の粉体ビレットを作製する。出発素 に対する塑性加工を終了した段階から圧粉 化までの工程では、粉体を窒素ガスやアル ンガス等の不活性ガス雰囲気中に置いて粉 表面の酸化防止を図ることが望ましい。

 図1に示した最後の工程として、粉体ビレ ットを150~400℃の温度で押出加工する。この 出加工時に大量の歪を含む素材の内部で動 再結晶が生じるので、最終的に得られるマ ネシウム合金素材は、微細な結晶組織を有 るものとなる。

 図2は、縦軸に圧延温度をとり、横軸に1 スあたりの圧下率(%)をとった座標に、マグ シウム合金素材に対する従来の一般的な圧 加工の領域、左海らの報告(軽金属学会第109 秋期大会講演概要(2005))に記載された高速圧 延の領域、および本発明の塑性加工の領域を 示している。

 マグネシウム合金素材に対する従来の一 圧延では、圧延温度が300~400℃で、圧下率が 25%以下である。左海らの報告に記載された高 速圧延では、圧延温度が室温から350℃で、圧 下率が約60%以下である。本発明の塑性加工で は、圧延温度が室温から250℃で、圧下率が70% 以上である。

 本願発明者らは、マグネシウム合金板材 室温で圧延加工して、圧下率と素材の割れ の関係を調べた。図3は、加工後の素材の写 真を示している。図3から明らかなように、 下率が20%、40%、60%では素材の割れ(破断)が発 生した。一方、圧下率を80%、90%にしたとき、 素材の破断は生じず均一に圧延加工して大量 の歪を導入することができた。80%以上の圧下 率で圧延加工すると、素材の先端部または末 端部で多少の耳割れが生じることがあるが、 素材は後工程で粉砕処理されるので、特に問 題とはならない。

 図4は、縦軸に圧延温度をとり、横軸に1 スあたりの圧下率(%)をとった座標に、破断( れ)の有無を示す記号を記入したものである 。圧下率を20%にしたとき、室温では素材の破 断が生じたが、圧延温度を100℃以上にすれば 破断なしで均一圧延加工をすることができた 。圧下率を40~60%にしたとき、圧延温度が100℃ 以下では素材の破断が生じたが、圧延温度を 200℃以上にすれば破断なしで均一圧延加工を することができた。圧下率を70%以上にしたと き、室温以上の温度で破断なしで均一圧延加 工をすることができた。

 本願発明者らは、圧延加工時のマグネシ ム合金素材の予熱温度と、圧延加工後の金 組織との関係を調べた。図5は、その結果を 示す組織写真である。

 圧下率を20%~40%にして圧延加工した場合、 予熱温度が25℃であれば加工後の素材は再結 組織を有していないが、予熱温度を400℃に ると動的再結晶により結晶化した組織を有 るものとなった。圧下率を70%にして圧延加 した場合、予熱温度が200℃以下であれば加 後の素材は再結晶組織を有していないが、 熱温度を300℃以上にすると動的再結晶によ 結晶化した組織を有するものとなった。圧 率を80%にして圧延加工した場合、予熱温度 200℃以下であれば加工後の素材は全く再結 組織を有していないが、予熱温度が250℃の き、素材の一部のみが動的再結晶により結 化していることが認められた。また、圧下 が80%で予熱温度を300℃以上にすると、素材 ほぼ全体が動的再結晶により結晶化した。 って、予熱温度の上限を250℃とすることに 義がある。圧下率を90%にして圧延加工した 合、予熱温度が25℃であれば素材は再結晶 織を有していないが、400℃の予熱温度にす と素材は結晶化した。

 図6は、縦軸に圧延温度をとり、横軸に1 スあたりの圧下率(%)をとった座標に、再結 の有無を示す記号を記入したものである。 下率を70%以上にし、圧延温度を250℃以下に れば、再結晶をすることなく圧延加工をす ことが可能となる。

 図7は、圧下率80%の圧延加工時のマグネシ ウム合金出発素材の予熱温度と、圧延加工後 のマグネシウム合金素材の硬度との関係を示 す図である。出発素材の予熱温度が250℃以下 で圧延加工した場合、圧延加工後のマグネシ ウム合金素材の硬度(Hv)は90以上であるが、予 熱温度が300℃以上の温度で圧延加工をした場 合、圧延加工後のマグネシウム合金素材の硬 度(Hv)が90未満になることが認められた。

 本願発明者らは、マグネシウム合金の出 原料の形態、圧延加工条件、押出加工条件 変えて加工を行い、最終的に得られたマグ シウム合金素材の機械的特性を比較した。 の結果を表1に示す。

 試験No.D71は本発明例であり、鋳物の板材 出発原料とし、1対のロールを用いて温度( 発原料の予熱温度)25℃で圧下率84%の圧延加 を行い、その後押出温度400℃で押出加工し ものである。圧延加工後の素材は再結晶組 を有していなかった。押出加工後の押出材 平均結晶粒径は3.36μmであった。最終的なマ ネシウム合金素材の機械的特性を見ると、 張強度、降伏応力、伸び、硬度、衝撃吸収 ネルギーの特性において良好な結果を示し いることが認められる。

 試験No.D78は本発明例であり、鋳物の板材 出発原料とし、1対のロールを用いて温度25 で圧下率84%の圧延加工を行い、その後押出 度200℃で押出加工したものである。圧延加 後の素材は再結晶組織を有していなかった 試験No.D71と比較して、押出加工時の押出温 が低く、その結果、押出材の平均結晶粒径 より小さい1.36μmであり、さらに最終的なマ グネシウム合金素材の引張強度、降伏応力、 伸び、硬度、衝撃吸収エネルギーの全ての特 性において向上が見られた。

 試験No.P1は本発明例であり、鋳物の塊状 を出発原料とし、プレスによって温度25℃で 圧下率90%の圧縮変形加工を行い、その後押出 温度200℃で押出加工したものである。圧延加 工後の素材は再結晶組織を有していなかった 。試験No.D71と比較して、押出加工時の押出温 度が低く、その結果、押出材の平均結晶粒径 がより小さい2.15μmであり、さらに最終的な グネシウム合金素材の引張強度、降伏応力 伸び、衝撃吸収エネルギーの全ての特性に いて向上が見られた。

 試験No.B1は比較例であり、鋳物の棒材を 発原料とし、切削加工によりチップを切り し、これらのチップを400℃で押出加工した のである。切削作業は、チップに塑性変形( たは歪)を与える。その歪量は、圧下率が約 40%前後の歪に相当すると推測できる。本発明 例と比較して、押出材の平均結晶粒径はかな り大きく、5.27μmであった。また、最終的な グネシウム合金素材の機械的特性を見ると 本発明例に比べて、伸びおよび衝撃吸収エ ルギーの特性が劣っていることが認められ 。

 試験No.D4は比較例であり、鋳物の板材を 発原料とし、1対のロールを用いて温度400℃ 圧下率97%の圧延加工を行い、その後押出温 400℃で押出加工したものである。本発明例 比べて、圧延加工時の温度が高いため、圧 加工後の素材は再結晶組織を有していた。 の再結晶組織の結晶粒径は1.35μmと微細であ った。押出加工時に微細な結晶組織が粗大化 したため、押出材の平均結晶粒径は、本発明 例のものよりも大きい4.91μmであった。また 最終的なマグネシウム合金素材の機械的特 を見ると、本発明例に比べて、引張強度、 伏応力、伸び、硬度、衝撃吸収エネルギー 全ての特性が劣っていることが認められた

 試験No.A15は従来例であり、鋳造材を400℃ 温度で直接押出加工したものである。押出 の平均結晶粒径は本発明例のものよりも大 く、3.46μmであった。最終的なマグネシウム 合金素材の機械的特性を見ると、本発明例に 比べて、伸びおよび衝撃吸収エネルギーの特 性が劣っていることが認められた。

 以上、図面を参照してこの発明の実施形 を説明したが、この発明は、図示した実施 態のものに限定されない。図示した実施形 に対して、この発明と同一の範囲内におい 、あるいは均等の範囲内において、種々の 正や変形を加えることが可能である。

本発明は、微細な結晶粒径を有し、かつ良 好な衝撃吸収エネルギーを持つマグネシウム 合金素材の製造方法として有利に利用され得 る。