稲葉 裕明 (〒04 大阪府大阪市福島区玉川2丁目9番3号 Osaka, 5530004, JP)
HONMA, Daiki (Fundamental Research Laboratory, 1-21, Midori 1-chome, Moriya-sh, Ibaraki 06, 3020106, JP)
本間 大樹 (〒06 茨城県守谷市緑1丁目1番地21 アサヒビール株式会社 未来技術研究所内 Ibaraki, 3020106, JP)
TAGASHIRA, Motoyuki (Fundamental Research Laboratory, 1-21, Midori 1-chome, Moriya-sh, Ibaraki 06, 3020106, JP)
アサヒビール株式会社 (〒23 東京都中央区京橋3-7-1 Tokyo, 1048323, JP)
INABA, Hiroaki (9-3 Tamagawa 2-chome, Fukushima-ku Osaka-sh, Osaka 04, 5530004, JP)
稲葉 裕明 (〒04 大阪府大阪市福島区玉川2丁目9番3号 Osaka, 5530004, JP)
HONMA, Daiki (Fundamental Research Laboratory, 1-21, Midori 1-chome, Moriya-sh, Ibaraki 06, 3020106, JP)
本間 大樹 (〒06 茨城県守谷市緑1丁目1番地21 アサヒビール株式会社 未来技術研究所内 Ibaraki, 3020106, JP)
| 以下の(1)~(3)の工程からなることを特徴とするホップ製剤の製造方法。 (1) ホップ苞より得られるポリフェノール画分を含有する液体を、pH6~7に調整し、ゲル型合成樹脂に通液して、有用物質を含む成分を樹脂に吸着させる工程。 (2) 第(1)工程で得られた樹脂を30-60%のエタノール水溶液で洗浄して、吸着した物質のうち、不要な物質を溶出させて除く工程。 (3) 70%以上のエタノール水溶液またはエタノールで、第(2)工程で得られた樹脂から有用物質を含む成分を溶出し、この溶出画分より製剤を得る工程。 |
| 請求項1に記載の製造方法で得られるホップ製剤。 |
| 請求項2に記載のホップ製剤を含有する抗炎症剤。 |
| 抗炎症剤が抗歯肉炎剤である請求項3記載の抗炎症剤。 |
| 請求項2に記載のホップ製剤を含有する飲食品。 |
| 請求項2に記載のホップ製剤を含有する口腔用品。 |
本発明は、抗炎症効果を有するホップ苞 来製剤、その製造方法およびその用途に関 る。
炎症反応は、刺激に対する生体が示す防 反応のひとつであり、一般に発赤、発熱、 脹、疼痛、機能障害を伴うものである。炎 が関与する疾患はアレルギー、関節炎、痛 、気管支炎、胃腸炎、皮膚炎、乾癬、リュ マチ、クローン病、ベーチェット症候群、 瘍性消化器疾患、網膜症、結膜炎、歯周病 ど広範におよび、優れた抗炎症製剤には産 上の価値が認められるものである。
炎症性疾患のひとつに、歯周組織の炎症 ある歯周病(歯肉炎と歯周炎)が挙げられ、 れらは共に歯肉の慢性炎症を惹起する。
近年、日本における医療費の総額は約30 円を数え、歯科の医療費は2兆5000億円にも達 する。近年行われた兵庫県歯科医師会の調査 (『「8020運動」と医療費との関係』第2回調査 、2002年)によれば、喪失歯が少ない人(自分の 歯が多く残っている人)ほど、かかっている 療費が少ないという報告もあり、これから 本において確実に進行する高齢化社会の中 、口腔衛生の重要性は益々高くなっていく のと思われる。QOLについてだけでなく、医 費の抑制・削減の観点から見ても、歯の喪 を予防する優れた方法が開発されれば、産 的にも大いに意義のあるものである。
歯周病は、歯の喪失の主要な原因のひとつ ある。歯周組織疾患、いわゆる歯周病は、 菌によって引き起こされる感染症であると ぼ結論付けられている。その原因は、歯周 ケット中のプラーク中に生息する様々な菌 あると考えられるが、中でも Porphyromonas gingivalis がその主要な原因菌であると考えられている 。
P. gingivalis は、歯周病患者の歯周ポケットから高頻度に 検出される菌であり、強い炎症性を持つ蛋白 質分解酵素( Arg-gingipainおよびLys-gingipain )やLPS(リポ多糖)などを含むベシクル(炎症惹 物質)を産生・放出することにより、歯肉を む歯周組織が炎症を起こし、最終的には歯 組織の破壊をもたらすと考えられている。 の結果、歯周組織が歯を支持することがで なくなり、歯の喪失に至るものである。
炎症性疾患を予防・改善する技術として 抗炎症性を示す物質を利用する方法がすで 多数報告されている。
たとえば、アスピリンなどのサリチル酸 導やインドメタシンなどのインドール酢酸 導体は、プロスタグランジンの生合成を抑 し炎症を緩和するし、ジフェンヒドラミン どの抗ヒスタミン剤はヒスタミンの効果を 減して炎症を緩和することが知られている
また、抗炎症効果を有する天然物も多く 告されている。
2-[(2-メチルプロパニル)-フロログルシノ ル]-1-O-β-D-グルコピラノシド(以下、「MPPG」 略称する)は、非特許文献1においてCOX-1(シ ロオキシゲナーゼ-1)の阻害効果を有するこ が報告されている。しかしCOX-2(シクロオキ ゲナーゼ-2)に与える効果については報告が されていない。なおシクロオキシゲナーゼ 、プロスタグランジンの合成に関与する主 な酵素である。またイソクエルシトリン(ケ セチン-3-O-β-D-グルコピラノシド)などのケ セチン配糖体や、アストラガリン(ケンフェ ール-3-O-β-D-グルコピラノシド)などのケン ェロール配糖体に抗炎症効果があることが 許文献1、特許文献2などに記載されている。
しかし、ホップを原料とし、MPPG、イソク エルシトリン、アストラガリンの全てを高い 割合で含有する抗炎症効果を有する製剤は、 これまでに報告がない。
特許文献3において、カラム精製によりポ リフェノールを精製する方法が開示されてい るが、この方法には通液時のpHを調製し、物 の精製をコントロールする概念は含まれて ない。また、開示されている方法により得 れる画分には、有用物質はそれぞれMPPG3.1% イソクエルシトリン3.4%、アストラガリン1.5% しか含まれておらず、十分な有用性を得るこ とができない。
また特許文献4においても、ホップよりポ リフェノールを精製する方法が開示されてい るが、これは遠心分離などにより特許文献3 方法よりもプロアントシアニジンなどの高 子のポリフェノールを純度よく精製する方 であり、特許文献3と同様にカラム通液時のp Hを調製し、物質の精製をコントロールする 念は含まれていない。
また特許文献5に「使用済みホップ(CO 2 抽出残渣)をエタノール抽出したもの」に抗 症効果があると開示されているが、実際に 験したところ、このものは本発明により得 れる画分とは物質的に異なっていることが 認された。
ホップ苞ポリフェノール、特にその高分子
分、プロアントシアニジンについては特許
献6~12に示すように、抗う蝕作用、消臭効果
、泡安定化効果、癌細胞転移抑制効果、トポ
イソメラーゼ阻害効果、蛋白質毒素中和効果
、エナメル質脱灰抑制効果などの、多様な機
能が知られているが、低分子成分については
ほとんどその機能は知られていない。
これらの問題、すなわち P. gingivalis による歯周炎・歯肉炎をはじめとする、炎症 性疾患の予防・治療に用いることのできる製 剤、およびその製造方法を提供することが、 本発明における課題である。
本発明者らは、上記の課題について鋭意 討した結果、ホップ苞より、本発明の方法 よって得られる製剤が、抗炎症効果、特に 肉炎抑制効果を有し、MPPG、イソクエルシト リン、アストラガリンを高濃度に含有するこ とを見出した。本製剤は、ホップ苞から水溶 性画分を抽出し、これをゲル型合成樹脂剤に 通して水またはエタノール水溶液で洗浄後、 エタノールまたはエタノール水溶液により溶 出して得られるポリフェノール製剤(特許文 3)、あるいはそのポリフェノール製剤を、限 外ろ過膜処理により高分子画分(限外ろ過膜 通過しない画分)と低分子画分(限外ろ過膜を 通過した画分)に分離(特許文献6)した際の、 分子画分を、本発明の製造方法で精製を行 ことによって得ることができる。
かくして得られた製剤は、ヒト歯肉上皮由 不死化細胞に対して P. gingivalis が誘導する炎症反応を強力に阻害し、歯周炎 ・歯肉炎をはじめとする炎症性疾患の予防・ 治療効果を有することが明らかとなった。更 にこの製剤を飲食品、洗口剤などの医薬部外 品に利用することにより本発明を完成するに 至った。
本発明は下記に関するものである。
1) 以下の(1)~(3)の工程からなることを特徴と
るホップ製剤の製造方法。
(1) ホップ苞より得られるポリフェノール画
を含有する液体を、pH6~7に調整し、ゲル型
成樹脂に通液して、有用物質を含む成分を
脂に吸着させる工程。
(2) 第(1)工程で得られた樹脂を30-60%のエタノ
ル水溶液で洗浄して、吸着した物質のうち
不要な物質を溶出させて除く工程。
(3) 70%以上のエタノール水溶液またはエタノ
ルで、第(2)工程で得られた樹脂から有用物
を含む成分を溶出し、この溶出画分より製
を得る工程。
2) 1)に記載の製造方法で得られるホップ製剤
。
3) 2)に記載のホップ製剤を含有する抗炎症剤
。
4) 抗炎症剤が抗歯肉炎剤である3)に記載の抗
炎症剤。
5) 2)に記載のホップ製剤を含有する飲食品。
6) 2)に記載のホップ製剤を含有する口腔用品
。
なお、上述の特許文献3により得られる製 剤は、抗酸化活性のほかに、抗う蝕作用、消 臭効果、泡安定化効果、癌細胞転移抑制効果 、トポイソメラーゼ阻害効果、蛋白質毒素中 和効果、エナメル質脱灰抑制効果などの、多 様な機能が報告されているが、これらの効果 は、ポリフェノール製剤を限外ろ過膜処理に より高分子画分(限外ろ過膜を通過しない画 )と低分子画分(限外ろ過膜を通過した画分) 分離した際の、高分子画分に存在すること 示されており、今回の発明の効果物質とは なり、製剤としても異なるものである。
本発明の製剤の原料となるホップ苞とは ホップ毬果よりルプリン部分を取り除いて られるものであり、一般に、ホップ毬果を 砕後、ふるい分けによってルプリン部分を くことによってホップ苞を得る。しかし、 近のビール醸造においては、ホップ苞をふ い分けして除去する手間を省くために、ビ ル醸造に有用でないホップ苞を取り除かず ホップ毬果そのままペレット状に成形し、 ップペレットとして、ビール醸造に利用す 傾向にある。従って、本発明の原料として 、ホップ苞を含むものであれば特に限定せ 、ホップ苞を含むホップ毬果やホップペレ トを原料としてもなんら問題ない。
これらの原料を、アルコール水溶液など 抽出し、ゲル型合成樹脂に吸着させ、水な で洗浄したのち、50%程度のエタノール水溶 で溶出することで、ホップ苞由来ポリフェ ール画分を得ることができる。具体的には 特許文献3に記載の方法が好適である。
さらに、必要に応じて限外ろ過膜で処理 、その通過画分より、ホップ苞由来ポリフ ノール低分子画分を得ることができる。限 ろ過膜処理については、特許文献6に記載さ れた方法を用いるのが好適である。なお、こ の工程は省くことも可能である。
本発明の製剤は、上記のように得られた ップ苞由来のポリフェノール画分、あるい ホップ苞由来ポリフェノール画分の低分子 分を、さらに精製して得るものである。
具体的には、上記のように得られたホッ 苞由来のポリフェノール画分、あるいはホ プ苞由来ポリフェノール画分の低分子画分 、1~50%、好ましくは5~15%の水溶液とし、pHを6 から7、好ましくは6.5±0.2に調整する。pHの調 には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム 水酸化カルシウム、ピリジン、スペルミン どのほか、一般的な塩基を特に制限なく用 ることができる。またポリフェノール画分 溶解しにくい場合、若干量のメタノール、 タノール、アセトニトリル、アセトンなど 溶媒を添加してもよい。
さらに、この水溶液を親水性ビニルポリ ー、ヒドロキシプロピル化デキストラン、 チレン-ジビニルベンゼン重合体、メタアク リル酸重合体などのゲル型合成樹脂、好まし くはスチレンジビニルベンゼン重合体を充填 したカラムに通液する。その際の通液時間は 、SV値が0.2~5の間、特に好適には0.8~1.5となる うに設定するのが好ましい。なお、ここで うSV値とは、以下の式で定義される値であ 。
SV値=(通液量(L))/{(樹脂量(L))× (通液時間(h))}
また、この工程はカラム充填の手間を簡略
するために、ゲル型合成樹脂とポリフェノ
ルを溶解した水溶液を容器内で接触させ、
ッチ式に行うこともできる。
続いて、有用物質を吸着させたゲル型合 樹脂を洗浄して、高分子のポリフェノール 含む、有用成分以外の画分を溶出洗浄する この際の溶媒としては、水のほか1~60%のエ ノール水溶液、同濃度のメタノール水溶液 1~50%のアセトニトリル水溶液、1~30%のアセト 水溶液などを用いることができる。好適な としては30~60%のエタノール水溶液を挙げる とができる。
さらに、ゲル型合成樹脂に溶媒を通液し 、有用成分であるMPPG、イソクエルシトリン 、アストラガリンを高濃度に含む画分を溶出 分離することができる。この画分が本発明の ホップ製剤である。この際の溶媒としては、 70%以上のエタノール水溶液やエタノール、同 濃度のメタノール水溶液やメタノール、60%以 上のアセトニトリル水溶液やアセトニトリル 、50%以上のアセトン水溶液やアセトンを用い ることができる。中でも好適な例として70~85% のエタノール水溶液を挙げることができる。
得られたホップ製剤は、MPPG、イソクエル シトリン、アストラガリンを高い割合で含む ので、そのまま液体として用いることもでき 、必要に応じてスプレードライ、減圧乾固、 凍結乾燥などの方法で粉末化して製剤として 用いることもできる。
本発明により得られる製剤は、炎症性メ ィエーターであるCOX-2遺伝子のmRNA発現を抑 するので、抗炎症剤として用いることがで る。本製剤の用途として、歯肉炎をはじめ アレルギー、皮膚炎などの炎症の予防・治 剤が挙げられるが、特に好適な用途として 歯肉炎の予防・治療剤があげられる。
また、形態としては、菓子類、食品類、 料などの飲食品、特に好ましくは、キャン ィ、チョコレート、キャラメル、チューイ ガムなど、口腔滞留時間の比較的長い飲食 に用いることができる。また、うがい液、 磨剤などの口腔用剤に添加して用いること できる。これらの飲食品、口腔用剤にホッ 苞由来製剤を添加する際には、ホップ苞由 製剤を粉末のまま添加してもよいが、好ま くは、抗う蝕性素材を1~20%の水溶液または ルコール水溶液の溶液あるいはアルコール 液とし、飲食品または口腔用剤に対し最終 度が1~5000ppm、好ましくは100~2000ppmとなるよう に添加することが望ましい。
以下、実施例を示すが本発明はこれに限 されるものではない。
製造例1
(ホップ苞からのポリフェノール画分の調製)
ホップ苞50gを1000mlの40%エタノール水溶液で
攪拌下、50℃、60分間抽出した。ろ過後、容
積が500mlになるまで減圧濃縮し、その濃縮液
スチレン-ジビニルベンゼン樹脂(三菱化学
製セパビーズ70)150mlを充填したカラムに通液
し、次いで500mlの水で洗浄した。さらに同カ
ムに50%エタノール水溶液600mlを通液し、同
出液を回収し、凍結乾燥して、ホップ苞ポ
フェノール画分1.7gを無臭のかすかに苦味を
した淡黄色の粉末として得た。ホップ苞か
の収率は3.4%であった。
製造例1で得られたホップ製剤の逆相HPLCク
マトグラムを図1に示す。
(HPLC分析条件)
Column:Inertsil ODS-3(ジーエルサイエンス社製)
Column oven:40℃
流速:1.0mL/min
検出:280nm
移動相A:0.1%HCOOH
移動相B:0.1%HCOOH:CH3CN=50:50
グラジエント条件:0→70min:90%A→40%A
製造例2
(限外ろ過膜を用いたポリフェノール画分の
なる精製)
製造例1と同様の方法で得たホップ苞ポリフ
ェノール16.4gを、500mlの50%エタノール水溶液
溶解し、分画分子量が10,000の限外ろ過膜で
理した。膜を通過しなかった画分からホッ
苞ポリフェノールの高分子画分3.7g、および
を通過した画分から低分子画分12.4gを得た
(ポリフェノール画分低分子画分の更なる精
)
製造例2で得たホップ苞ポリフェノール低分
子画分10gを、70mlの水に溶解し、5規定の水酸
ナトリウムでpHを6.5に調整した。この溶液
スチレン-ジビニルベンゼン樹脂を充填剤に
いたカラム(直径25mm、長さ360mm、樹脂量180ml)
を用いたクロマトグラフィで分画した。カラ
ムに吸着した画分を、水、5%エタノール、25%
タノール、50%エタノール、80%エタノール(各
540ml)で順次溶出し、凍結乾燥してそれぞれの
画分を黄色~褐色の粉末として得た。得られ
粉末の重量は、各々3.7g、1.6g、2.3g、2.2g、0.1g
であった。80%エタノール溶出画分の逆相HPLC
ロマトグラムを図2に示す。構造解析の結果
この画分に含まれる主要なピークは(1)がMPPG
、(2)がイソクエルシトリン、(3)がアストラガ
リンであることが明らかとなった。
(炎症マーカーの遺伝子発現の抑制)
製造例1、製造例2の高分子画分と低分子画
、実施例1における各画分、および実施例1の
80%エタノール溶出画分中の主要な物質である
MPPG、イソクエルシトリン、アストラガリン
添加した際の、ヒト歯周上皮組織由来不死
細胞における歯周病菌由来のベシクル(炎症
起物質)刺激時の、COX-2のmRNA発現を測定した
。
P. gingivalis 由来のベシクルは、 P. gingivalis ATCC33277株を3日間培養した培養液500mlより、 心分離とろ過により菌体を除いたのち、培 上清を4℃で1時間、100,000gで超遠心して調製 した。COX-2遺伝子のmRNA発現は、リアルタイム 逆転写PCR法を用いて、各物質の添加24時間後 mRNA量を測定することで評価した。PCRはCOX-2 伝子の特異的プライマーを用い、増幅は45 イクル行った。mRNA量はグリセルアルデヒド- 3-リン酸脱水素酵素のmRNA量で標準化して表し た。
その結果、実施例1における80%エタノール 溶出画分に、最も強い遺伝子発現抑制効果が 確認され(図3~5)、その活性は画分中の主要な 質であるMPPG、イソクエルシトリン、アスト ラガリンに実質的に依存しているものと思わ れた(図6)。
グラフ中、VeはPg菌由来ベシクル(炎症惹 物質)添加、**はVeに対し危険率1%以下で統計 に有意であることを示す。
(80%エタノール溶出画分中の活性成分の同定)
実施例1の80%エタノール溶出画分を逆相のHPL
Cで分画し、得られたピークを分取し、実施
2と同様にしてヒト歯周上皮組織由来不死化
胞における歯周病菌由来のベシクル(炎症惹
起物質)刺激時の、COX-2のmRNA発現を測定した
その結果、MPPG、イソクエルシトリン、アス
ラガリンの3つの物質に活性が見出された(
6)。
(有用物質の定量)
逆相HPLCにより定量した結果、実施例1の80%
タノール溶出画分における有用成分の含有
は、おのおのMPPG14.5%、イソクエルシトリン11
.2%、アストラガリン7.1%であった。一方、開
されている方法により得られる画分である
造例1には、有用物質はそれぞれMPPG3.1%、イ
クエルシトリン3.4%、アストラガリン1.5%しか
含まれていなかった。
(ポリフェノール画分からの有用物質高含有
分の調製)
製造例1で得たホップ苞ポリフェノール5gを
30mlの水に溶解し、1規定の水酸化カリウム
pHを6.7に調整した。この溶液をスチレン-ジ
ニルベンゼン樹脂を充填剤に用いたカラム(
径25mm、長さ360mm、樹脂量180ml)を用いたクロ
トグラフィで分画した。
カラムに吸着した画分を、60%エタノール 洗浄した後、80%エタノール(各540ml)で順次溶 出し、凍結乾燥して茶色の粉末(0.1g)を得た。 80%エタノール溶出画分を逆相HPLCで分析し、 用物質の含量がおのおのMPPG15.1%、イソクエ シトリン10.2%、アストラガリン8.3%であるこ を確認した。
比較例1
特許文献4に「使用済みホップ(CO 2
抽出残渣)をエタノール抽出したもの」に抗
症効果があると開示されているが、実際に
験したところ、このものは本発明により得
れる画分とは物質的に異なっていることが
認された(逆相HPLCのプロフィール、図6)。HPLC
条件は製造例1に同じである。
「使用済みホップ」はスタイナー社から提供
されたものを用いた。
以下、「実施例1の80%エタノール溶出画分 」を、「本発明で得た製剤」と記述する。
(歯磨剤)
第2リン酸カルシウム 42.0
グリセリン 18.0
カラギナン 0.7
ラウリル硫酸ナトリウム 1.2
サッカリンナトリウム 0.09
パラオキシ安息香酸ブチル 0.005
本発明で得た製剤 0.005
香料 1.0
水 37.0
合計 100.0
上記の各重量部の各成分を用い、常法に従っ
て歯磨剤とした。
(洗口液)
グリセリン 7.0
ソルビトール 5.0
エチルアルコール 15.0
ラウリル硫酸ナトリウム 0.8
サッカリンナトリウム 0.1
1-メントール 0.05
香料 0.045
本発明で得た製剤 0.005
水 72.0
合計 100.0
上記の各重量部の各成分を用い、常法に従っ
て洗口液とした。
(トローチ剤)
アラビアゴム 6.0
ステアリン酸マグネシウム 3.0
ブドウ糖 73.0
乳糖 17.6
リン酸第2カリウム 0.2
リン酸第1カリウム 0.1
香料 0.095
本発明で得た製剤 0.005
合計 100.0
上記の各重量部の各成分を用い、常法に従
てトローチ剤とした。なお実施例1で得た素
材の代わりに、製造例2および3で得た素材を
加したトローチ剤も同様に得た。
(飴)
ショ糖 20.0
水飴(75%固形分) 70.0
水 9.5
着色料 0.45
香料 0.045
本発明で得た製剤 0.005
合計 100.0
上記の各重量部の各成分を用い、常法に従っ
て飴とした。
(チューインガム)
ガムベース 20.0
炭酸カルシウム 2.0
乳糖 77.0
ステビオサイド 0.095
本発明で得た製剤 0.005
香料 0.9
合計 100.0
上記の各重量部の各成分を用い、常法に従っ
てチューインガムとした。
(ジュース)
濃縮ミカン果汁 15.0
果糖 5.0
クエン酸 0.2
香料 0.1
色素 0.15
アスコルビン酸ナトリウム 0.048
本発明で得た製剤 0.002
水 79.5
合計 100.0
上記の各重量部の各成分を用い、常法に従
てジュースとした。なお実施例1で得た素材
の代わりに、製造例2および3で得た素材を添
したジュースも同様に得た。
(クッキー)
薄力粉 32.0
全卵 16.0
バター 16.0
砂糖 25.0
水 10.8
ベーキングパウダー 0.198
本発明で得た製剤 0.002
合計 100.0
上記の各重量部の各成分を用い、常法に従
てクッキーとした。
(キャラメル)
グラニュー糖 31.0
水飴(75%固形分) 20.0
粉乳 40.0
硬化油 5.0
食塩 0.6
香料 0.025
本発明で得た製剤 0.005
水 3.37
合計 100.0
上記の各重量部の各成分を用い、常法に従
てキャラメルとした。
本発明のホップ製剤は、抗炎症作用に優 ているため、抗炎症剤や、抗炎症を期待す 飲食品や口腔用品として有用である。
Next Patent: PUSH BUTTON SWITCH DEVICE
