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Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR PRODUCTION OF LAMINATED DIELECTRIC MATERIAL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/133213
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for producing a laminated dielectric material by using a stable glass. Specifically disclosed is a laminated dielectric material in which at least one raw material layer comprises 50 to 80 mass% of a glass powder and 20 to 50 mass% of an alumina powder before firing, the glass powder contained in the at least one raw material layer comprises 45 to 60 mol% of SiO2, 2 to 10 mol% of Al2O3, 10 to 30 mol% of BaO, 10 to 20 mol% of ZnO and the like, and each of two raw material layers adjacent to the at least one raw material layer comprises a glass powder comprising 45 to 55 mol% of SiO2, 2to 20 mol% of Al2O3, 20 to 45 mol% of MgO and the like. The glass powder contained in the two raw material layers has a glass transition temperature higher by 50˚C or more than that of the glass powder contained in the at least one raw material layer. The absolute difference in the average linear expansion coefficient at 50 to 350˚C between any two adjacent dielectric layers is 15 × 10-7 /˚C or less.

Inventors:
TOMENO SATORU (JP)
OSAKI YASUKO (JP)
WATANABE KAZUO (JP)
NAKAYAMA KATSUYOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/057625
Publication Date:
November 06, 2008
Filing Date:
April 18, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ASAHI GLASS CO LTD (JP)
TOMENO SATORU (JP)
OSAKI YASUKO (JP)
WATANABE KAZUO (JP)
NAKAYAMA KATSUYOSHI (JP)
International Classes:
H01B19/00; B32B18/00; C03C3/085; C03C3/087; C03C3/091; C03C3/093; C03C4/16; C04B35/111; C04B35/14; H01G4/12; H05K3/46
Domestic Patent References:
WO2005108327A12005-11-17
Foreign References:
JP2005038687A2005-02-10
JP2004063420A2004-02-26
JP2003069236A2003-03-07
Other References:
See also references of EP 2157585A4
Attorney, Agent or Firm:
SENMYO, Kenji et al. (SIA Kanda Square 17, Kanda-konyacho, Chiyoda-k, Tokyo 35, JP)
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Claims:
 nを3以上の整数としてn個の誘電体層が、隣り合う誘電体層の50~350℃における平均線膨張係数の差の絶対値が15×10 -7 /℃以下となるように積層されている積層誘電体の製造方法であって、焼成されて前記誘電体層となるn個のガラス粉末含有原料層を積層して焼成するものであり、
 2番目から(n-1)番目までの誘電体層となるガラス粉末含有原料層のうちの少なくとも1個のガラス粉末含有原料層は質量百分率表示で50~80%のガラス粉末および20~50%のアルミナ粉末を含有し、
 当該ガラス粉末が下記酸化物基準のモル%表示で、SiO 2 を45~60%、B 2 O 3 を0~10%、Al 2 O 3 を2~10%、CaOを0~5%、BaOを10~30%、ZnOを10~20%、Li 2 O+Na 2 O+K 2 Oを0~5%、TiO 2 +ZrO 2 +SnO 2 を0~5%含有し、
 当該ガラス粉末含有原料層に隣り合う2個のガラス粉末含有原料層の含有するガラス粉末のいずれもが下記酸化物基準のモル%表示で、SiO 2 を45~55%、B 2 O 3 を0~5%、Al 2 O 3 を2~20%、MgOを20~45%、CaO+SrOを0~20%、BaOを0~10%、ZnOを0~15%、TiO 2 +ZrO 2 +SnO 2 を0~10%含有するものであり、そのガラス転移点が前記2個のガラス粉末含有原料層にはさまれたガラス粉末含有原料層のガラス粉末のガラス転移点よりも50℃以上高い積層誘電体製造方法。
 前記2個のガラス粉末含有原料層の含有するガラス粉末のTiO 2 +ZrO 2 +SnO 2 が0~5モル%である請求項1に記載の積層誘導体製造方法。
 nを3以上の整数としてn個の誘電体層が、隣り合う誘電体層の50~350℃における平均線膨張係数の差の絶対値が15×10 -7 /℃以下となるように積層されている積層誘電体の製造方法であって、焼成されて前記誘電体層となるn個のガラス粉末含有原料層を積層して焼成するものであり、
 2番目から(n-1)番目までの誘電体層となるガラス粉末含有原料層のうちの少なくとも1個のガラス粉末含有原料層は、その含有するガラス粉末が下記酸化物基準のモル%表示で、SiO 2 を45~55%、B 2 O 3 を0~5%、Al 2 O 3 を2~20%、MgOを20~45%、CaO+SrOを0~20%、BaOを0~10%、ZnOを0~15%、TiO 2 +ZrO 2 +SnO 2 を0~10%含有するものであり、
 当該ガラス粉末含有原料層に隣り合う2個のガラス粉末含有原料層のいずれもが質量百分率表示で50~80%のガラス粉末および20~50%のアルミナ粉末を含有し、
 当該ガラス粉末が下記酸化物基準のモル%表示で、SiO 2 を45~60%、B 2 O 3 を0~10%、Al 2 O 3 を2~10%、CaOを0~5%、BaOを10~30%、ZnOを10~20%、Li 2 O+Na 2 O+K 2 Oを0~5%、TiO 2 +ZrO 2 +SnO 2 を0~5%含有し、そのガラス転移点が前記2個のガラス粉末含有原料層にはさまれたガラス粉末含有原料層のガラス粉末のガラス転移点よりも50℃以上低い積層誘電体製造方法。
 前記少なくとも1個のガラス粉末含有原料層の含有するガラス粉末のTiO 2 +ZrO 2 +SnO 2 が0~5モル%である請求項3に記載の積層誘導体製造方法。
 質量百分率表示で50~80%のガラス粉末および20~50%のアルミナ粉末を含有するガラス粉末含有原料層のガラス粉末のガラス転移点が550~700℃である請求項1~4のいずれかに記載の積層誘電体製造方法。
 質量百分率表示で50~80%のガラス粉末および20~50%のアルミナ粉末を含有するガラス粉末含有原料層がフォルステライト、エンスタタイトおよびマグネシアから選ばれる1以上のセラミックスの粉末を質量百分率表示で1~10%含有する請求項1~5のいずれかに記載の積層誘電体製造方法。
 積層誘電体の各誘電体層の9GHzにおける誘電正接が0.0050以下である請求項1~6のいずれかに記載の積層誘電体製造方法。
Description:
積層誘電体製造方法

 本発明は、回路やアンテナの基板などに 適な積層誘電体を低温焼成によって製造す のに好適な製造方法に関する。

 マイクロ波帯等の高周波領域で用いられ 携帯電話等小型電子機器の回路やアンテナ の基板としては、層構造を有し、基板表面 層間または層内に銀、銅等を主成分とする 体からなる導電部が形成されている多層誘 体基板(低温同時焼成セラミックス基板)が 用されている。

 低温同時焼成セラミックス基板はガラス ラミックス材料と導体材料を同時に焼成し 製造されるが、ガラスセラミックス材料と 体材料の焼成による収縮挙動が異なるため 基板が変形する問題や、焼成による収縮率 大きく寸法精度が悪くなる問題があり、こ らを解消する方法として、ガラスセラミッ ス材料の焼成温度では焼結しない材料で挟 で拘束しながら焼成する方法が採用されて る。

 しかし、焼成温度で焼結しない拘束用材 を用いる方法では、焼成後に拘束層を除去 なければならない。このような問題を解決 る方法として、収縮開始温度が異なる2種以 上のガラスセラミックス材料を積層して焼成 する方法が提案されている(たとえば特許文 1参照)。このような方法によれば、収縮開始 温度の低い材料が収縮するときには収縮開始 温度の高い材料が拘束層の役割を果たし、収 縮開始温度の高い材料が収縮するときには、 すでに収縮を終了した層が拘束層となる。

特開2003-69236号公報

 本発明者は、特許文献1の表1に記載されて る試料No.1のガラス(質量百分率表示組成は、 SiO 2  18%、B 2 O 3  18%、Al 2 O 3  0.6%、MgO 45%、CaO 0.4%、BaO 15%、ZrO 2  0.1%、SnO 2  1.9%、P 2 O 5  1%。モル%表示組成は、SiO 2  16.6%、B 2 O 3  14.3%、Al 2 O 3  0.3%、MgO 61.8%、CaO 0.4%、BaO 5.4%、ZrO 2  0.04%、SnO 2  0.7%、P 2 O 5  0.4%。)を、500gのガラスが得られるようにSiO 2 、MgO、B 2 O 3 、Al 2 O 3 、CaCO 3 、BaCO 3 、SnO 2 、ZrO 2 、メタリン酸マグネシウムの各粉末を調合、 混合し、これを白金ルツボを用いて1600℃で 融した後、ステンレス鋼製ローラ上に融液 流し出して急冷した。融液を流し出した後 ルツボを見るとルツボ内には失透したガラ が認められ、また、急冷して得られたガラ の一部にも失透が認められた。

 このことから、特許文献1に開示されている ガラスは必ずしも安定なものではないと考え られる。
 本発明はこのような課題を解決できる積層 電体製造方法の提供を目的とする。

 本発明は、nを3以上の整数としてn個の誘電 層が、隣り合う誘電体層の50~350℃における 均線膨張係数の差の絶対値が15×10 -7 /℃以下となるように積層されている積層誘 体の製造方法であって、焼成されて前記誘 体層となるn個のガラス粉末含有原料層を積 して焼成するものであり、
 2番目から(n-1)番目までの誘電体層となるガ ス粉末含有原料層のうちの少なくとも1個の ガラス粉末含有原料層は質量百分率表示で50~ 80%のガラス粉末および20~50%のアルミナ粉末を 含有し、
 当該ガラス粉末が下記酸化物基準のモル%表 示で、SiO 2 を45~60%、B 2 O 3 を0~10%、Al 2 O 3 を2~10%、CaOを0~5%、BaOを10~30%、ZnOを10~20%、Li 2 O+Na 2 O+K 2 Oを0~5%、TiO 2 +ZrO 2 +SnO 2 を0~5%含有し、(以下、このガラス粉末をガラ 粉末Aということがある。)、
 当該ガラス粉末含有原料層に隣り合う2個の ガラス粉末含有原料層の含有するガラス粉末 のいずれもが下記酸化物基準のモル%表示で SiO 2 を45~55%、B 2 O 3 を0~5%、Al 2 O 3 を2~20%、MgOを20~45%、CaO+SrOを0~20%、BaOを0~10%、Zn Oを0~15%、TiO 2 +ZrO 2 +SnO 2 を0~10%含有するもの(以下、このガラス粉末を ガラス粉末Bということがある。)であり、そ ガラス転移点が前記2個のガラス粉末含有原 料層にはさまれたガラス粉末含有原料層のガ ラス粉末すなわちガラス粉末Aのガラス転移 よりも50℃以上高い積層誘電体製造方法(第1 方法)を提供する。

 また、nを3以上の整数としてn個の誘電体層 、隣り合う誘電体層の50~350℃における平均 膨張係数の差の絶対値が15×10 -7 /℃以下となるように積層されている積層誘 体の製造方法であって、焼成されて前記誘 体層となるn個のガラス粉末含有原料層を積 して焼成するものであり、
 2番目から(n-1)番目までの誘電体層となるガ ス粉末含有原料層のうちの少なくとも1個の ガラス粉末含有原料層は、その含有するガラ ス粉末が下記酸化物基準のモル%表示で、SiO 2 を45~55%、B 2 O 3 を0~5%、Al 2 O 3 を2~20%、MgOを20~45%、CaO+SrOを0~20%、BaOを0~10%、Zn Oを0~15%、TiO 2 +ZrO 2 +SnO 2 を0~10%含有するもの、すなわちガラス粉末Bで あり、
 当該ガラス粉末含有原料層に隣り合う2個の ガラス粉末含有原料層のいずれもが質量百分 率表示で50~80%のガラス粉末および20~50%のアル ミナ粉末を含有し、
 当該ガラス粉末が下記酸化物基準のモル%表 示で、SiO 2 を45~60%、B 2 O 3 を0~10%、Al 2 O 3 を2~10%、CaOを0~5%、BaOを10~30%、ZnOを10~20%、Li 2 O+Na 2 O+K 2 Oを0~5%、TiO 2 +ZrO 2 +SnO 2 を0~5%含有するもの、すなわちガラス粉末Aで り、そのガラス転移点が前記2個のガラス粉 末含有原料層にはさまれたガラス粉末含有原 料層のガラス粉末のガラス転移点よりも50℃ 上低い積層誘電体製造方法(第2の方法)を提 する。
 また、第1、第2の方法であって、そのガラ 粉末BのTiO 2 +ZrO 2 +SnO 2 が0~5モル%であるものを提供する。

 第1の方法においてはガラス粉末Aを含有す ガラス粉末含有原料層と隣り合う2個のガラ 粉末含有原料層がガラス粉末Bを含有するも のとされているのに対し、第2の方法におい は第1の方法におけるガラス粉末Bを含有する ガラス粉末含有原料層(以下、原料層Bという とがある。)と隣り合う2個のガラス粉末含 原料層を第1の方法におけるガラス粉末Aを含 有するガラス粉末含有原料層(以下、原料層A いうことがある。)とするものである。
 したがって、以下では第1の方法について説 明し、第2の方法についての説明は第1の方法 ついての説明と同様である。

 本発明によれば、多層誘電体基板を小さな 縮率で製造でき、その寸法精度を高くでき 。
 本発明の好ましい態様によれば、多層誘電 基板の誘電体の9GHzという高周波における誘 電正接を小さくできる。

 本発明におけるガラス粉末含有原料層(以 下、単に原料層ということがある。)は、ガ ス粉末がその中に分散しているものであり 通常はそのガラス粉末がセラミックス粉末 混合されたガラスセラミックス組成物がそ 中に分散している。なお、セラミックス粉 としては、融点が1000℃以上であるセラミッ スの粉末または軟化点(Ts)が1000℃以上であ ガラスの粉末が典型的である。

 本発明の製造方法においては、通常はグ ーンシート法が用いられる。以下ではグリ ンシート法を用いる場合について説明する 、本発明はこれに限定されない。なお、こ 場合、原料層は1枚または複数枚の同じグリ ーンシートを重ねたものである。

 ガラスセラミックス組成物が分散されたグ ーンシートは、たとえば次のようにして作 される。すなわち、原料層の構成成分であ ガラスセラミックス組成物をポリビニルブ ラール、アクリル樹脂等の樹脂と、トルエ 、キシレン、ブタノール等の溶剤と、さら 必要に応じてフタル酸ジブチル、フタル酸 オクチル、トリエチレングリコール、ポリ チレングリコール等の可塑剤や分散剤とを 加して混合し、スラリーとする。次に、ポ エチレンテレフタレート(PET)等のフィルム にドクターブレード法等によって、前記ス リーをシート状に成形する。このシート状 成形されたものを乾燥して溶剤を除去し、 リーンシートとする。
 グリーンシート法を用いた場合には原料層 、樹脂、その中に分散しているガラス粉末 セラミックス粉末等からなる。

 同じグリーンシートを複数枚重ねて原料層 し、このようにして得られたn個(n≧3)の原 層を重ねて焼成して積層誘電体とする場合 は、通常、前記重ねられた原料層を80~120℃ 加熱してプレスしたもの(層状被焼成体)につ いて焼成が行われる。
 焼成は通常、800~900℃、典型的には850~880℃ 5~120分間保持して行われる。
 また、グリーンシートには必要に応じてあ かじめ配線導体等が銀ペースト等を用いて クリーン印刷等によって形成される。

 本発明の製造方法によって製造される積層 電体の各誘電体層(以下、単に誘電体層とい うことがある。)の9GHzにおける比誘電率(以下 、この比誘電率をεという。)は典型的には5~1 0、より典型的には6~9である。なお、εは室温 、典型的には20~25℃における比誘電率である
 本発明において、積層誘電体における隣り う誘電体層間のεの差(絶対値)は3未満であ ことが典型的である。

 前記誘電体層の9GHzにおける誘電正接(以下 この誘電正接をtanδという。)は、好ましく 0.0050以下、より好ましくは0.0030以下、特に ましくは0.0025以下である。
 なお、本発明にいう「9GHzにおける比誘電率 」とは(9±1.5)GHzにおける比誘電率であり、tan についても同様である。

 原料層Aが含有するガラス粉末Aのガラス 移点(Tg)は、その原料層Aと隣り合う原料層B 含有するガラス粉末BのTgよりも50℃以上低い ので、これらが同時に焼成されるとTgの低い ラス粉末Aを含有する原料層Aがより低温で 縮して緻密になった後に、Tgの高いガラス粉 末Bを含有する原料層Bが収縮して緻密になる とによって互いに拘束され、平面方向での 縮が小さく積層誘電体基板を高い寸法精度 製造することが可能になる。

 隣り合う原料層に含まれるガラス粉末のT gの差(絶対値)が50℃未満であるとTgの低いガ ス粉末を含有する原料層の収縮が終了する にTgの高いガラス粉末を含有する原料層の収 縮が開始するために拘束が不十分となり、寸 法精度が低下する。前記Tgの差は好ましくは7 0℃以上である。また、前記Tgの差は典型的に は120℃以下である。Tgの差が過度に大きい場 、Tgの低いガラス粉末を含有する原料層が 剰に焼成されるか、またはTgの高いガラス粉 末を含有する原料層が焼成不十分となって所 望の特性が得られないおそれがある。

 寸法精度をより高くしたい場合、Tgの低 ガラス粉末を含有する原料層が収縮するがTg の高いガラス粉末を含有する原料層が収縮し ないような温度で保持し、その後にTgの高い ラス粉末を含む原料層が収縮する温度で保 して焼成することが好ましい。たとえば740~ 780℃に30~120分保持した後に850~880℃に保持し 焼成することが好ましい場合がある。

 本発明において、積層誘電体における隣り う誘電体層間の50~350℃における平均線膨張 数(α)の差(絶対値)は15×10 -7 /℃以下となるようにされているので、積層 電体中に亀裂が生じるおそれが軽減されて る。前記αの差は好ましくは10×10 -7 /℃以下、典型的には5×10 -7 /℃以下である。
 なお、原料層Bを焼成して得られる誘電体層 のαは典型的には70×10 -7 ~90×10 -7 /℃、より典型的には75×10 -7 ~85×10 -7 /℃である。

 本発明において、積層誘電体における各 の厚みは典型的には0.1~0.8mmであり、nが奇数 の場合中央の層を中心にして上下対称の位置 にある層同士の厚みは等しいことが好ましい 。たとえば7層の場合第1層と第7層、第2層と 6層、第3層と第5層の厚みが等しいことが好 しい。このようなものでないと積層誘電体 変形しやすくなるおそれがある。

 次に、本発明の積層誘電体の製造方法にお て用いられるガラス粉末含有原料層につい 説明する。なお、以下では特に断らないか りガラスの組成はモル%表示のものとし、単 に%と表記する。
 まず、原料層Aが含有するガラス粉末Aにつ て説明する。

 ガラス粉末Aの50%粒径(D 50 )は0.5~10μmであることが好ましい。0.5μm未満 はたとえばグリーンシート中にガラス粉末 均一に分散させることが困難になるおそれ ある。より好ましくは1μm以上である。10μm では緻密な焼成体が得にくくなる。より好 しくは4μm以下である。

 ガラス粉末AのTgは550~700℃であることが好 ましい。550℃未満であると、グリーンシート 中の有機物バインダ(樹脂)を除去しにくくな 。より好ましくは600℃以上である。700℃超 あると、焼成時の収縮開始温度が高くなり 積層誘電体の寸法精度が低下するおそれが る。

 ガラス粉末Aは、典型的には850~900℃で焼成 たときに結晶が析出するものであることが ましい。結晶が析出するものでなければ、 成体(誘電体層)の機械的強度が低くなる、ま たは積層誘電体の寸法精度が低下するおそれ がある。
 また、DTAで測定した結晶化ピーク温度(Tc)は 950℃以下であることが好ましい。950℃超であ ると積層誘電体の寸法精度が低下するおそれ がある。

 ガラス粉末Aはそれを焼成したときにBaAl 2 Si 2 O 8 結晶が析出するものであることが好ましい。 このようなものであると焼成体のtanδを小さ することが可能になる。
 また、機械的強度を高くしたい場合には、 記結晶に加えてアノーサイト結晶が析出す ものであることが好ましい。

 ガラス粉末Aの組成について以下で説明する 。なお、本明細書においてガラス粉末の組成 の「%」は、特に言及のない限り「モル%」を 味する。
 SiO 2 はガラスのネットワークフォーマであり、必 須である。45%未満では化学的耐久性が不十分 になる、または焼成体のtanδが大きくなるお れがある。好ましくは50%以上である。60%超 はTgまたはTcが高くなりすぎるおそれがある 。好ましくは58%以下である。
 B 2 O 3 は必須ではないがガラスを安定化する等のた めに10%まで含有してもよい。10%超では焼成体 のtanδが大きくなる、または化学的耐久性が 下するおそれがある。好ましくは8%以下で る。B 2 O 3 を含有する場合、好ましくは2%以上である。

 Al 2 O 3 はガラスの安定性または化学的耐久性を高め る成分であり、必須である。2%未満ではガラ が不安定となる。好ましくは3%以上である 10%超ではTsまたはTgが高くなりすぎる、また ガラスが不安定になる。好ましくは8%以下 より好ましくは7%以下である。
 CaOは必須ではないがガラスを安定化させる 焼成体のtanδを低下させる、等のために5%ま で含有してもよい。また、CaOはアノーサイト の構成成分であり、この結晶を析出させたい 場合にはその含有量は好ましくは1%以上であ 。

 BaOはBaAl 2 Si 2 O 8 結晶の構成成分であり、必須である。10%未満 では前記結晶が析出しにくくなる。典型的に は14%以上であり、αを大きくしたい場合など は17%以上であることが好ましい。30%超では ラスが不安定になるおそれがある。好まし は25%以下である。
 ZnOはTsまたはTgを低下させる成分であり、必 須である。10%未満ではTsまたはTgが高くなる 典型的には14%以上である。20%超ではガラス 化学的耐久性、特に耐酸性が低下するおそ がある。好ましくは18%以下である。

 Li 2 O、Na 2 OおよびK 2 Oはいずれも必須ではないが、TsまたはTgを低 させる、焼成体の結晶化率を高める等のた に合計で5%まで含有してもよい。5%超ではtan δが大きくなる、または電気絶縁性が低下す 虞れがある。好ましくは3%以下である。こ ら成分を含有する場合、含有量の合計は0.5% 上であることが好ましい。
 TiO 2 、ZrO 2 およびSnO 2 はいずれも必須ではないが、ガラスの化学的 耐久性を高める、焼成時の結晶化を促進する 等のために合計で5%まで含有してもよい。こ ら成分を含有する場合、含有量の合計は0.5% 以上であることが好ましい。

 ガラス粉末Aは本質的に上記成分からなるが 、本発明の目的を損なわない範囲でその他の 成分を含有してもよい。そのような成分を含 有する場合、それら成分の含有量の合計は10% 以下であることが好ましい。
 また、鉛酸化物は含有しない。

 原料層Aを構成するガラスセラミックス組成 物(以下、ガラスセラミックス組成物Aという )の組成について、質量百分率表示を用いて 以下で説明する。
 ガラス粉末Aは焼成体の緻密性を高くする成 分である。50%未満では緻密性が不十分になる 。好ましくは55%以上である。80%超では機械的 強度が不足する。または、積層体の収縮率が 大きくなる。好ましくは75%以下である。

 アルミナ粉末は焼成体の強度を高くする または焼成体の形状を保持する成分である 20%未満では焼成体の強度が低下する。また 、積層体の収縮率が大きくなる。50%超では 成体の緻密性が不十分になる。好ましくは4 5%以下である。

 ガラスセラミックス組成物Aは本質的に上記 成分からなるが本発明の目的を損なわない範 囲でその他の成分、たとえばアルミナ粉末以 外のセラミックス粉末を含有してもよい場合 がある。なお、このような成分を含有する場 合それら含有量の合計は好ましくは10%以下、 より好ましくは5%以下である。
 ガラスセラミックス組成物Aに添加されるセ ラミックス粉末としては、ムライト、フォル ステライト、エンスタタイト、マグネシア、 アノーサイトおよびコーディエライトからな る群から選ばれる1種以上のセラミックスの 末が典型的である。

 焼成体のαを大きくしたい場合にはフォル テライト、エンスタタイトまたはマグネシ 粉末を含有することが好ましい。フォルス ライト粉末を含有する場合のその含有量は 型的には1~10%である。
 また、銀導体と同時に焼成するときに生じ 着色を抑制したい等の場合には酸化セリウ 粉末を含有することが好ましく、その含有 は典型的には0.1~5%である。

 セラミックス粉末のD 50 は1~10μmであることが好ましい。1μm未満では とえばグリーンシート中にセラミックス粉 を均一に分散させることが困難になるおそ がある。より好ましくは1.5μm以上である。1 0μm超では緻密な焼成体が得にくくなる。よ 好ましくは5μm以下、典型的には3μm以下であ る。

 次に、原料層Bが含有するガラス粉末Bにつ て説明する。
 ガラス粉末BのD 50 は0.5~10μmであることが好ましい。0.5μm未満で はたとえばグリーンシート中にガラス粉末を 均一に分散させることが困難になるおそれが ある。より好ましくは1μm以上、特に好まし は1.5μm以上である。10μm超では緻密な焼成体 が得にくくなる。より好ましくは7μm以下、 に好ましくは5μm以下、典型的には3μm以下で ある。

 ガラス粉末BのTgは典型的には650~780℃である 。
 ガラス粉末BのTgは、その原料層Bに隣り合う 原料層Aが含有するガラス粉末AのTgよりも50℃ 以上高く、70℃以上高いことが好ましい。
 ガラス粉末BのTsは910℃以下であることが好 しい。Tsが910℃超では900℃以下の温度で焼 した場合に緻密な焼成体が得られないおそ がある。また、Tsは典型的には800℃以上であ る。

 ガラス粉末Bは、典型的には850~900℃で焼成 たときに結晶が析出するものであることが ましい。結晶が析出するものでなければ、 成体(誘電体層)の機械的強度が低くなるおそ れがある。
 また、ガラス粉末BのTcは850℃以下であるこ が好ましい。850℃超であると積層誘電体の 法精度が低下するおそれがある。

 焼成体のtanδをより小さくしたい場合に 、ガラス粉末Bはそれを焼成したときにフォ ステライト、エンスタタイト、ディオプサ ドおよびアノーサイトからなる群から選ば る1種以上の結晶を析出するものであること が好ましく、フォルステライト結晶を析出す るものであることがより好ましい。

 ガラス粉末Bの組成について以下で説明する 。
 SiO 2 はガラスのネットワークフォーマであり、必 須である。45%未満では安定なガラスを得にく くなる、または積層体の収縮率が大きくなっ て寸法精度が低下する。好ましくは48%以上で ある。55%超ではTsまたはTgが高くなりすぎる それがある。好ましくは52%以下である。
 B 2 O 3 は必須ではないがガラスを安定化する等のた めに5%まで含有してもよい。5%超では焼成体 tanδが大きくなる、または化学的耐久性が低 下するおそれがある。

 Al 2 O 3 はガラスの安定性または化学的耐久性を高め る成分であり、必須である。2%未満ではガラ が不安定となる。好ましくは5%以上、より ましくは6%以上である。20%超ではTsまたはTg 高くなりすぎる。好ましくは10%以下、より ましくは8.5%以下である。
 SiO 2 およびAl 2 O 3 の含有量の合計は66%以上であることが好まし い。66%超ではTsが高くなって900℃以下で焼成 たときに緻密な焼成体を得にくくなるおそ がある。

 MgOはガラスを安定化する、またはガラス らの結晶析出を促進する効果を有し、必須 ある。20%未満では前記効果が不十分となる 好ましくは25%以上である。45%超ではガラス 不安定になる。好ましくは40%以下、より好 しくは38%以下である。

 CaOは必須ではないがガラスを安定化させる 焼成体のtanδを低下させる、等のために20% で含有してもよい。また、CaOはディオプサ ド、アノーサイトの構成成分であり、これ の結晶を析出させたい場合にはその含有量 好ましくは5%以上、より好ましくは7%以上で る。アノーサイトを析出させたい場合には CaOを14%以上含有することが特に好ましい。C aOが20%超ではガラスが不安定になるおそれが り、好ましくは18%以下である。アノーサイ を析出させたくない場合にはCaOは12%以下で ることが好ましい。
 SrOは必須ではないがガラスを安定化させる 焼成体のtanδを低下させる、等のために含 してもよい。SrOを含有する場合その含有量 典型的には10%以下である。
 CaOまたはSrOを含有する場合それらの含有量 合計は20%以下である。

 BaOは必須ではないが、ガラスを安定化させ 等のために10%まで含有してもよい。10%超で 焼成体のtanδが大きくなるおそれがある。
 ZnOは必須ではないが、TsまたはTgを低下させ る等のために15%まで含有してもよい。15%超で はガラスの化学的耐久性、特に耐酸性が低下 する。好ましくは10%以下、より好ましくは8% 下である。ZnOを含有する場合その含有量は ましくは2%以上である。

 TiO 2 、ZrO 2 およびSnO 2 はいずれも必須ではないが、ガラスの化学的 耐久性を高める、焼成体の結晶化率を高める 等のために合計で10%まで含有してもよい。こ れら成分の合計が10%超ではTsが高くなりすぎ 、または焼成体の緻密性が低下するおそれ ある。典型的には5%以下である。
 SiO 2 は40~55%、Al 2 O 3 は5~10%、MgOは28~40%、CaOは0~18%、SnO 2 は0~5%であることが好ましい。

 このガラス粉末は本質的に上記成分からな が、本発明の目的を損なわない範囲で他の 分を含有してもよい。たとえば、ガラス溶 温度を低下させる等の目的でP 2 O 5 等を、ガラスを着色する、結晶化率を高める 等の目的でCuO、CoO、CeO 2 、Y 2 O 3 、La 2 O 3 、Nd 2 O 3 、Sm 2 O 3 、Bi 2 O 3 、WO 3 等を含有してもよい。
 このような他の成分を含有する場合その含 量は合計で10%以下であることが好ましい。 お、鉛酸化物は含有しない。

 原料層Bはガラス粉末Bの他にセラミックス 末を含有するガラスセラミックス組成物で ることが好ましい。
 このようなガラスセラミックス組成物の好 しい態様(以下、この態様のものをガラスセ ラミックス組成物Bという。)について、質量 分率表示を用いて以下で説明する。

 ガラスセラミックス組成物Bは30~90%のガラス 粉末Bおよび10~70%のセラミックス粉末から本 的になる。
 ガラス粉末Bは焼成体の緻密性を高くする成 分である。30%未満では緻密性が不十分になる 。好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上 、典型的には60%以上である。90%超では焼成体 の強度が低下する。好ましくは85%以下、より 好ましくは80%以下である。

 セラミックス粉末は焼成体の強度を高くす 、または焼成体のαを調整する成分である 10%未満では焼成体の強度が低下する。典型 には15%以上である。70%超では焼成体の緻密 が不十分になる。典型的には45%以下である
 セラミックス粉末は典型的には、アルミナ ムライト、コージェライト、フォルステラ トおよびセルシアンからなる群から選ばれ 1種以上のセラミックスの粉末である。
 焼成体の強度をより高くしたい等の場合、 ルミナ粉末を含有することが好ましい。
 銀導体と同時に焼成するときに生じる着色 抑制したい等の場合にはセラミックス粉末 酸化セリウム粉末を含有するものであるこ が好ましく、その含有量は典型的には0.1~10% である。

 セラミックス粉末のD 50 は1~12μmであることが好ましい。1μm未満では とえばグリーンシート中にセラミックス粉 を均一に分散させることが困難になるおそ がある。より好ましくは1.5μm以上である。1 2μm超では緻密な焼成体が得にくくなる。よ 好ましくは5μm以下、典型的には3.5μm以下で る。
 ガラスセラミックス組成物Bはたとえば850~90 0℃で焼成したときに結晶が析出するもので るが、その結晶は通常ガラス粉末Bから析出 る。

 なお、ガラス粉末A、Bおよびガラスセラミ クス組成物A、Bは、原料層を焼成して得られ る各誘電体の隣り合うもののαの差の絶対値 15×10 -7 /℃以下となるように選ばれる。

 表1、2のSiO 2 からZrO 2 までの欄にモル%表示で示す組成となるよう 原料を調合、混合し、この混合された原料 白金ルツボに入れて1500~1600℃で60分間溶融後 、溶融ガラスを流し出し冷却したところ、得 られたガラスに失透は認められなかった。
 得られたガラスをアルミナ製ボールミルで チルアルコールを溶媒として20~60時間粉砕 てガラス粉末G1~G12を得た。G1~G4はガラス粉末 B、G5~G9はガラス粉末Aである。

 各ガラス粉末のD 50 (単位:μm)を島津製作所社製レーザー回折式粒 度分布計SALD2100を用いて、Tg(単位:℃)、Ts(単 :℃)、結晶化ピーク温度Tc(単位:℃)をリガク 製熱分析装置TG-DTA用いて昇温速度10℃/分の 件で1000℃まで、それぞれ測定した。

 また、各ガラス粉末を900℃に2時間保持(焼 )して得られた焼成体についてX線回折法によ り結晶析出の有無を調べたところ、G1~G4の焼 体ではMgSiO 3 結晶が、G5~G9の焼成体ではBaAl 2 Si 2 O 8 結晶、BaZn 2 Si 2 O 7 結晶等が、G10の焼成体ではBaAl 2 Si 2 O 8 結晶、CaAl 2 Si 2 O 8 結晶、SiO 2 結晶等が、G11の焼成体ではBa 5 Si 8 O 21 結晶とBa 5 Al 2 O 11 結晶、G12の焼成体ではBaAl 2 Si 2 O 8 結晶とBa 2 Ti 9 O 20 結晶が、それぞれ析出していた。

 表3のガラス粉末からBT粉末までの欄に質量 分率表示で示す組成のガラスセラミックス 成物GC1~GC9を作製した。ガラスとしてはガラ ス種類欄に示すものを使用した。GC1はガラス セラミックス組成物B、GC2~GC6はガラスセラミ クス組成物Aである。
 アルミナ粉末としては昭和電工社製AL-45H(D 50 =3.0μm)を、フォルステライト粉末としてはチ ン工業社製F-300(D 50 =1.1μm)をそれぞれ使用した。
 BT粉末とは次のような方法によって作製し 粉末である。すなわちBaCO 3 (堺化学工業社製炭酸バリウムBW-KT)88gとTiO 2 (関東化学社製試薬ルチル型)130gとを水を溶媒 としてボールミルで混合し、乾燥後1150℃に2 間保持した。その後ボールミルで60時間粉 してD 50 が0.9μmである粉末を得た。この粉末について X線回折測定を行ったところBaTi 4 O 9 結晶の強い回折ピークパターンが認められた 。

 GC1~GC9各4~5gを金型を用いてプレス成形し、87 5℃に2時間保持する焼成を行って焼成体を得 、これを研磨加工して直径約13mm、高さ約10m mの円柱状サンプルを得た。
 これらサンプルについて、ネットワークア ライザとキーコム社製平行導体共振法誘電 測定システムを使用してGC1~GC8については(9 1.5)GHzにおける、GC9については6.3GHzにおける 誘電率と誘電正接をそれぞれ測定した。結 を表3に示す。

 また、50gのGC1に有機溶剤(トルエン、キシ レン、2-プロパノール、2-ブタノールを質量 4:2:2:1で混合したもの)15g、可塑剤(フタル酸 -2-エチルヘキシル)2.5g、樹脂(デンカ社製ポ ビニルブチラールPVK#3000K)5gと分散剤(ビック ミー社製BYK180)を混合してスラリーとした。 このスラリーをPETフィルム上にドクターブレ ード法を利用して塗布し、乾燥して厚さが0.2 mmのグリーンシートS1を得た。また、GC2~GC9を いて同様にしてグリーンシートS2~S8を作製 た。

 グリーンシートS1を6枚重ねたものを、10MPa 1分間圧着プレスした。その圧着体(被焼成体 )を550℃に5時間保持して樹脂成分を分解除去 た後、875℃に2時間保持する焼成を行って強 度試験用焼成体を作製した。
 この焼成体を幅5mm、長さ20mmの短冊状に加工 したものを用いてマックサイエンス社製示差 熱膨張計DILATOMETERを用いて前記膨張係数α(単 :10 -7 /℃)を測定した。
 また、強度試験用焼成体について3点曲げ強 度(単位:MPa)を測定した。スパンは15mm、クロ ヘッドスピードは0.5cm/分とした。

 グリーンシートS2~S6を用いて同様にしてGC2~G C6の焼成体について膨張係数および3点曲げ強 度を測定した。
 これら測定結果を表3に示す。

 (例1)
 S1(GC1)およびS2(GC2)をそれぞれ40mm×40mmに切断 、S1を2枚、S2を4枚、S1を2枚の計8枚のグリー ンシートをこの順で重ねて、原料層積層体と した。2枚のS1が重ねられたものは焼成されて 1番目および3番目の誘電体層となるガラス粉 含有原料層であり、4枚のS2が重ねられたも は焼成されて2番目の誘電体層となるガラス 粉末含有原料層である。

 次に、この原料層積層体を10MPaで1分間圧 プレスした。得られたプレス品に1辺30mmの 方形の頂点を形成するように4個のパンチ孔 あけ、550℃に5時間保持して樹脂成分を分解 除去した後、750℃に1時間保持し、さらに875 に1.5時間保持する焼成を行って積層誘電体 作製した。この積層誘電体中の前記パンチ によって形成された正方形の1辺の長さを顕 鏡下で測定し収縮率を算出したところ、3.1% であった。なお、この収縮率は5%以下である とが好ましい。

 また、先にGC1の焼成体の3点曲げ強度を測定 したのと同様にしてこの積層誘電体の3点曲 強度を測定したところ、240MPaであった。な 、この強度は200MPa以上であることが好まし 。
 これら測定結果を表4の例1の欄に示す。

 (例2~例8)
 例1の場合と同様にして表4に示すような層 造の原料積層体を用いて例2~例8の積層誘電 を作製した。なお、例6~8は比較例であり、 6は焼成体の加工中に破壊し、例7、8の3点曲 強度は測定しなかった。
 収縮率と3点曲げ強度の測定結果を表4に示 。

 (例9)
 S1(GC1)、S2(GC2)およびS9(GC9)をそれぞれ40mm×40mm に切断し、S1を2枚、S2を2枚、S1を2枚、S9を1枚 、S1を2枚、S2を2枚、S1を2枚の計13枚のグリー シートをこの順で重ねて、原料層積層体と 、例1と同様にして収縮率を測定すると3.4% あった。
 この例9は原料層B、原料層A、原料層B、S9、 料層B、原料層A、原料層Bをこの順で重ねた 料積層体を用いており、前記第1の方法の実 施例であり、前記比較例8と比較されるべき のである。すなわち、本願発明の実施例で る例9の収縮率は比較例である前記例8に比べ て顕著に減少している。

 マイクロ波帯等の高周波領域で用いられる 帯電話等小型電子機器の回路やアンテナ等 基板などに好適な積層誘電体の製造方法と て用いられる。
 
 なお、2007年4月25日に出願された日本特許出 願2007-115724号の明細書、特許請求の範囲、図 及び要約書の全内容をここに引用し、本発 の明細書の開示として、取り入れるもので る。