IWAYA MASAO (JP)
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QUEK S.K. ET AL.: "Synthesis and properties of N,N'-dialkylimidazolium bis(nanofluorobutane-1-sulfonyl)imides: a new subfamily of ionic liquids", TETRAHEDRON, vol. 62, no. 13, 2006, pages 3137 - 3145, XP025001731
See also references of EP 2179995A4
JERRY FOROPOULOS JR.; DARRYL D.; DESMARTEAU, INORGANIC CHEMISTRY, vol. 23, no. 23, 1998, pages 3720
下式(1)で表される塩の粒子状固体(I)をエーテル性酸素原子含有化合物からなる溶媒に懸濁させ、つぎにろ過により該溶媒を分離することを特徴とする、精製された下式(1)で表される塩の粒子状固体(II)の製造方法。 [HNR 3 ] + [Q 1 -SO 2 -N-SO 2 -Q 2 ] - (1) ただし、式中、Rは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1~10のアルキル基を示し、Q 1 、Q 2 は、それぞれ独立に、1価含フッ素有機基、またはQ 1 およびQ 2 が共同して形成する2価含フッ素有機基を示す。 |
粒子状固体(I)のNMRで測定した純度が80モル%以上99モル%未満であり、粒子状固体(II)のNMRで測定した純度が99モル%以上である請求項1に記載の製造方法。 |
式(1)で表される塩の粒子状固体(I)をエーテル性酸素原子含有化合物からなる溶媒中で加熱および撹拌することにより懸濁させ、粒子状固体(I)を膨潤させた後にろ過を行う請求項1または2に記載の製造方法。 |
エーテル性酸素原子含有化合物からなる溶媒を、粒子状固体(I)に対して0.5~20倍質量用いる請求項1~3のいずれかに記載の製造方法。 |
エーテル性酸素原子含有化合物からなる溶媒が、環状エーテル化合物である、請求項1~4のいずれかに記載の製造方法。 |
エーテル性酸素原子含有化合物からなる溶媒が、1,4-ジオキサンである、請求項1~5のいずれかに記載の製造方法。 |
式(1)で表される塩が、下式(1-1)で表される塩である請求項1~6のいずれかに記載の製造方法。 |
NMR法で測定した純度が99モル%以上である下式(1)で表されるアンモニウム塩。 [HNR 3 ] + [Q 1 -SO 2 -N-SO 2 -Q 2 ] - (1) ただし、式中、Rは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1~10のアルキル基を示し、Q 1 、Q 2 は、それぞれ独立に、1価含フッ素有機基、またはQ 1 およびQ 2 が共同して形成する2価含フッ素有機基を示す。 |
NMR法で測定した純度が99モル%以上である下式(1-1)で表されるアンモニウム塩。 |
請求項1~7のいずれかに記載の製造方法により式(1)で表される塩の粒子状固体(II)を得て、つぎに該粒子状固体(II)に濃硫酸を反応させて下式(2)で表されるイミド酸を得て、つぎに該イミド酸とリチウムイオンを有する化合物を反応させて下式(3)で表されるリチウム塩を得ることを特徴とする、下式(3)で表されるリチウム塩の製造方法。 Q 1 -SO 2 -NH-SO 2 -Q 2 (2) Li + [Q 1 -SO 2 -N-SO 2 -Q 2 ] - (3) ただし、式中、Rは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1~10のアルキル基を示し、Q 1 、Q 2 は、それぞれ独立に、1価含フッ素有機基、またはQ 1 およびQ 2 が共同して形成する2価含フッ素有機基を示す。 |
請求項1に記載の製造方法により式(1)で表される塩の粒子状固体(II)を得て、つぎに該粒子状固体(II)にリチウムイオンを有する化合物を反応させて下式(3)で表されるリチウム塩を得ることを特徴とする、下式(3)で表されるリチウム塩の製造方法。 Q 1 -SO 2 -NH-SO 2 -Q 2 (2) Li + [Q 1 -SO 2 -N-SO 2 -Q 2 ] - (3) ただし、式中、Rは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1~10のアルキル基を示し、Q 1 、Q 2 は、それぞれ独立に、1価含フッ素有機基、またはQ 1 およびQ 2 が共同して形成する2価含フッ素有機基を示す。 |
式(3)で表されるリチウム塩のNMRで測定した純度が99モル%以上である請求項10または11に記載の製造方法。 |
前記リチウムイオンを有する化合物が、水酸化リチウム、炭酸リチウムまたは炭酸水素リチウムである、請求項10~12のいずれかに記載の製造方法。 |
式(3)で表されるリチウム塩が、リチウムイオン二次電池用の電解質として用いるリチウム塩である請求項10~13のいずれかに記載の製造方法。 |
本発明は、精製された含フッ素ビススル ニルイミドのアンモニウム塩の製造方法、 よび含フッ素ビススルホニルイミドのリチ ム塩の製造方法に関する。
式(1-1)で表される化合物等の含フッ素ビス
ルホニルイミドのアンモニウム塩は、電気
導性と化学的安定性とに優れた電解質材料
して有用な塩として知られている。
一般にアンモニウム塩の精製方法としては
結晶が最も広く用いられている。しかし、
発明者らは、式(1)で表されるアンモニウム
において再結晶を試みたところ、上記式(1-1
)で表されるアンモニウム塩は特異的に再結
が困難であり、再結晶法による精製は困難
あることがわかった。
[HNR 3
] +
[Q 1
-SO 2
-N-SO 2
-Q 2
] -
(1)
(式中、Rは、同一でも異なっていてもよく、
素原子、または炭素数1~10のアルキル基を示
し、Q 1
、Q 2
は、それぞれ独立に、1価含フッ素有機基、
たはQ 1
およびQ 2
が共同して形成する2価含フッ素有機基を示
。)
たとえば、式(1)で表されるアンモニウム塩
貧溶媒に懸濁させた後、加熱下で良溶媒を
々に添加して式(1)で表されるアンモニウム
を溶媒に溶解させ、その後に冷却して再結
する手法を試みた。しかし、良溶媒添加後
該アンモニウム塩溶液は均一な溶液とはな
ず、アンモニウム塩の良溶媒溶液相と貧溶
溶液相の二相に分離し、再結晶はできなか
た。
また、本発明者は他の再結晶方法として、
(1)で表されるアンモニウム塩に良溶媒を添
した後に冷却して結晶を析出させる方法を
みた。しかし、結晶状物質は生成するもの
、該結晶状物質の純度は低く、また、回収
が著しく低いため、上記再結晶法は採用で
なかった。
特許文献1には、[NH(C 2 H 5 OCH 3 )(C 2 H 5 )(CH 3 )] + [CF 3 -SO 2 -N-SO 2 -CF 3 ] - を酸水溶液またはアルカリ水溶液で洗浄する 精製方法が記載されている。この方法で除去 できるのはLi、Na、I、Br等であり、式(1)で表 れるアンモニウム塩の精製に採用しても純 は上がらなかった。また、式(1)で表される ンモニウムの分解反応が起こる問題があっ 。
式(3)で表されるリチウム塩は、リチウムイ
ン二次電池用の電解質等として利用が可能
化合物である。式(3)で表されるリチウム塩
リチウムイオン二次電池用の電解質として
いる場合には、99質量%以上の高純度化が必
である。
Li +
[Q 1
-SO 2
-N-SO 2
-Q 2
] -
(3)
(式中、Q 1
、Q 2
は、式(1)と同義である。)
リチウム塩の精製方法として特許文献2には
、[NH(C 2
H 5
) 3
] +
[CF 3
-SO 2
-N-SO 2
-CF 3
] -
を水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化
物と反応させてアルカリ金属塩とした後に晶
析する方法が記載されている。
しかし、水酸化ナトリウムを用いた場合に
成するのはナトリウム塩であり、リチウム
を得るための塩交換が必要であった。直接
チウム塩を得るために、水酸化ナトリウム
代わりに水酸化リチウムを用いる方法もあ
が、昌析したリチウム塩に溶媒が配位し、
の溶媒を除く煩雑な工程が必要であった。
た、除去したい不純物が、アルカリ金属水
化物と反応すると、不純物のアルカリ金属
が生成し、より除去が難しくなる欠点があ
た。
特許文献3には、Li + [CF 3 -SO 2 -N-SO 2 -CF 3 ] - の精製方法として、1,4-ジオキサンで再結晶 、沸点100℃以下の極性溶媒に溶解しろ過し 後に溶媒を除去する方法が記載されている しかし、本発明者らが実際にこの方法を試 たところ、この方法には回収率は60%と低い 極めて脱溶媒が困難である、脱溶媒に長時 を要する等の問題が認められた。
本発明の目的は、簡便かつ効率的に、高純
の含フッ素ビススルホニルイミドのアンモ
ウム塩を製造する方法、およびその精製さ
たアンモニウム塩を出発原料として高純度
含フッ素ビススルホニルイミドのリチウム
を製造する方法を提供する。
すなわち、高い回収率、少ない工程、実用
かつ効率的な方法を用いて含フッ素ビスス
ホニルイミドのアンモニウム塩およびリチ
ム塩を製造する方法を提供する。また、本
明は、上記のリチウム塩の製造方法におい
有用な、高純度の含フッ素ビススルホニル
ミドのアンモニウム塩を提供する。
本発明は以下の要旨を有する。
[1]下式(1)で表される塩の粒子状固体(I)をエ
テル性酸素原子含有化合物からなる溶媒に
濁させ、つぎにろ過により該溶媒を分離す
ことを特徴とする精製された下式(1)で表さ
る塩の粒子状固体(II)の製造方法。
[HNR 3
] +
[Q 1
-SO 2
-N-SO 2
-Q 2
] -
(1)
ただし、式中、Rは、同一でも異なっていて
もよく、水素原子、または炭素数1~10のアル
ル基を示し、Q 1
、Q 2
は、それぞれ独立に、1価含フッ素有機基、
たはQ 1
およびQ 2
が共同して形成する2価含フッ素有機基を示
。
[2]粒子状固体(I)のNMRで測定した純度が80モ
%以上99モル%未満であり、粒子状固体(II)のNMR
で測定した純度が99モル%以上である上記[1]に
記載の製造方法。
[3]式(1)で表される塩の粒子状固体(I)をエー
ル性酸素原子含有化合物からなる溶媒中で
熱および撹拌することにより懸濁させ、粒
状固体(I)を膨潤させた後にろ過を行う上記[
1]または[2]に記載の製造方法。
[4]エーテル性酸素原子含有化合物からなる
媒を、粒子状固体(I)に対して0.5~20倍質量用
る上記[1]~[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]エーテル性酸素原子含有化合物からなる
媒が、環状エーテル化合物である上記[1]~[4]
のいずれかに記載の製造方法。
[6]エーテル性酸素原子含有化合物からなる
媒が、1,4-ジオキサンである上記[1]~[5]のい
れかに記載の製造方法。
[7]式(1)で表される塩が、下式(1-1)で表され
塩である上記[1]~[6]のいずれかに記載の製造
法。
[HNR 3
] +
[Q 1
-SO 2
-N-SO 2
-Q 2
] -
(1)
ただし、式中、Rは、同一でも異なっていて
もよく、水素原子、または炭素数1~10のアル
ル基を示し、Q 1
、Q 2
は、それぞれ独立に、1価含フッ素有機基、
たはQ 1
およびQ 2
が共同して形成する2価含フッ素有機基を示
。
[9]NMR法で測定した純度が99モル%以上である
式(1-1)で表されるアンモニウム塩。
Q 1
-SO 2
-NH-SO 2
-Q 2
(2)
Li +
[Q 1
-SO 2
-N-SO 2
-Q 2
] -
(3)
ただし、式中、Rは、同一でも異なっていて
もよく、水素原子、または炭素数1~10のアル
ル基を示し、Q 1
、Q 2
は、それぞれ独立に、1価含フッ素有機基、
たはQ 1
およびQ 2
が共同して形成する2価含フッ素有機基を示
。
[11]上記[1]に記載の製造方法により式(1)で表
される塩の粒子状固体(II)を得て、つぎに該
子状固体(II)にリチウムイオンを有する化合
を反応させて下式(3)で表されるリチウム塩
得ることを特徴とする、下式(3)で表される
チウム塩の製造方法。
Q 1
-SO 2
-NH-SO 2
-Q 2
(2)
Li +
[Q 1
-SO 2
-N-SO 2
-Q 2
] -
(3)
ただし、式中、Rは、同一でも異なっていて
もよく、水素原子、または炭素数1~10のアル
ル基を示し、Q 1
、Q 2
は、それぞれ独立に、1価含フッ素有機基、
たはQ 1
およびQ 2
が共同して形成する2価含フッ素有機基を示
。
[12]式(3)で表されるリチウム塩のNMRで測定し
た純度が99モル%以上である上記[10]または[11]
記載の製造方法。
[13]前記リチウムイオンを有する化合物が、
水酸化リチウム、炭酸リチウムまたは炭酸水
素リチウムである、上記[10]~[12]のいずれかに
記載の製造方法。
[14]式(3)で表されるリチウム塩が、リチウム
イオン二次電池用の電解質として用いるリチ
ウム塩である上記[10]~[13]のいずれかに記載の
製造方法。
本発明によれば、高い回収率、少ない工 、実用的かつ効率的な方法により、高純度 含フッ素ビススルホニルイミドのリアンモ ウム塩が得られる。また、本発明によれば 簡便かつ効率的に、高純度の含フッ素ビス ルホニルイミドのリチウム塩が得られる。 た、本発明によれば、該リチウム塩の製造 法において有用な、高純度の含フッ素ビス ルホニルイミドのリチウム塩が提供される
本明細書において、基の定義は特に記載 ない限り前記と同義である。本明細書にお て、式(1)で表される塩を塩(1)、式(A)で表さ るアニオンをアニオン(A)、のように記す。 の式で表される塩、アニオン、カチオンお び化合物なども同様に記す。
本発明における塩(1)は、下記カチオン(C)と
ニオン(A)とからなる塩である。
[HNR 3
] +
(C)
[Q 1
-SO 2
-N-SO 2
-Q 2
] -
(A)
[HNR 3
] +
[Q 1
-SO 2
-N-SO 2
-Q 2
] -
(1)
カチオン(C)において、Rが炭素数1~10のア キル基である場合、Rはメチル基、エチル基 ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ま はノルマルブチル基が好ましい。
カチオン(C)としては、アンモニウム、ト メチルアンモニウム、トリエチルアンモニ ム、トリノルマルプロピルアンモニウム、 リイソプロピルアンモニウム、トリノルマ ブチルアンモニウム、ジメチルエチルアン ニウム、メチルジエチルアンモニウム、ジ チルノルマルプロピルアンモニウム、メチ ジノルマルプロピルアンモニウム、ジメチ イソプロピルアンモニウム、メチルジイソ ロピルアンモニウム、ジメチルノルマルブ ルアンモニウム、メチルジノルマルブチル ンモニウム、ジエチルノルマルプロピルア モニウム、エチルジノルマルプロピルアン ニウム、ジエチルイソプロピルアンモニウ 、エチルジイソプロピルアンモニウム、ジ チルノルマルブチルアンモニウム、または チルジノルマルブチルアンモニウムが挙げ れる。
カチオン(C)がアンモニウム(NH 4 + )またはトリエチルアンモニウムである場合 は、アンモニウム塩の合成が容易であるた 、好ましい。
アニオン(A)において、Q 1
およびQ 2
が、1価含フッ素有機基である場合には、1価
フッ素炭化水素基が好ましく、含フッ素ア
キル基、含フッ素アルケニル基、または含
ッ素アリル基が好ましく、ペルフルオロア
キル基、ペルフルオロアルケニル基、また
ペルフルオロアリル基が特に好ましい。含
ッ素アルキル基および含フッ素アルケニル
は、直鎖構造であっても、分岐構造であっ
もよい。
Q 1
およびQ 2
が共同して形成する2価含フッ素有機基であ
場合には、含フッ素アルキレン基が好まし
、ペルフルオロアルキレン基が特に好まし
。
Q 1
およびQ 2
は、炭素数1または2のペルフルオロアルキル
、または、共同して形成する炭素数1~3のペ
フルオロアルキレン基が好ましい。
具体的には、アニオン(A)としては、下式で
されるいずれかのアニオンが好ましい。
本発明における塩(1)としては、下記アン ニウム塩(1-1)が特に好ましい。
塩(1)の入手方法は、例えば、国際公開第2006
/106960号パンフレットの実施例(例4)に記載の
法、特開平08-081436号公報に記載の方法、国
公開第97/23448号パンフレットに記載の方法が
挙げられる。
本発明における塩(1)の粒子状固体(I)は、こ
らの文献に記載の製造方法で生成する塩(I)
含む反応溶媒溶液を濃縮することにより得
れる。濃縮前の反応溶媒溶液中に固形物が
まれる場合には、該固形物をろ過等の方法
予め除いておくのが、精製方法を効率的に
施できることから好ましい。
粒子状固体(I)に含まれ、本発明の精製方法
除去されうる化合物としては、たとえば、
荷を有さず、室温において固体である中性
機物等が挙げられる。たとえば、上記の文
に記載の製造方法で製造した場合の不純物
しては、HN 2
SO 2
CF 2
CF 2
SO 2
NH 2
、FO 2
SCF 2
CF 2
SO 2
NH 2
等が挙げられる。
本発明の製造方法に用いる粒子状固体(I)の
度は、80モル%以上とするのが好ましく、85~9
9モル%が特に好ましく、95~99モル%がとりわけ
ましい。
本発明における純度の値は、特に明記しな
限り、NMR(核磁気共鳴吸収)法により定量し
値である。NMR法の測定核種としては、 1
H、 19
F、 13
C等が挙げられるが、好ましい測定核種とし
は 19
Fである。
粒子状固体(I)の粒子径は、懸濁する程度の
子径以下であり、溶媒に懸濁させたときに
てが溶解することがない程度の粒子径以上
あるのが好ましく、通常は、粒子の最大粒
径が0.1mm~3.0mmであるのが好ましく0.1mm~1.0mmで
あるのが好ましい。該粒子径は、分級等の方
法により測定されうる。また、粒子状固体(I)
は結晶、アモルファス、またはこれらの混合
物のいずれであってもよい。
本発明の製造方法においては、まず、塩( 1)の粒子状固体(I)をエーテル性酸素原子含有 合物からなる溶媒に懸濁させる。
エーテル性酸素原子含有化合物からなる 媒(以下、エーテル系溶媒という。)として 、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキサン、1,3-ジオ ソラン、テトラヒドロフラン、テトラヒド ピラン等の環状エーテル化合物;ジエチルエ テル、メチル-t-ブチルエーテル、ジエチレ グリコールジメチルエーテル、ジエチレン リコールジエチルエーテル、ジエチレング コールジブチルエーテル、テトラエチレン リコールジメチルエーテル、テトラエチレ グリコールジエチルエーテル、テトラエチ ングリコールジブチルエーテル等の非環状 ーテル化合物が挙げられ、塩(1)の溶解度が く、不純物に対する溶解度が高く、効率よ 精製できることから環状エーテル化合物が ましく、1,4-ジオキサンが特に好ましい。
本明細書における「懸濁」とは、塩(1)の 部が溶媒に溶解した溶液に残部の粒子状固 (I)が分散している状態をいう。通常の条件 は、塩(1)が溶解した溶液は、塩(1)の飽和溶 となりうる。エーテル系溶媒の量は、精製 用いる粒子状固体(I)に対して0.5~20倍質量が ましく、1~5倍質量が特に好ましい。溶媒量 該範囲にある場合には、懸濁が充分になり かつ、回収率が高くなる利点がある。
懸濁を行う際の温度は、溶媒の沸点以下で
ればよく、操作の容易さや装置構成が簡易
あることから10~80℃の範囲であることが好
しく、20~60℃が特に好ましい。さらに、懸濁
させたあと、撹拌することが好ましい。
懸濁の時間は、粒子状固体(I)をエーテル系
媒に懸濁した後、粒子状固体(I)の膨潤を認
てから10分以上が好ましく、10分~4時間が特
好ましく、30分~2時間がとりわけ好ましい。
本発明においては、粒子状固体(I)を懸濁さ
た後、つぎにろ過によりエーテル系溶媒を
離して精製された粒子状固体(II)を得る。ろ
過方法としては、遠心ろ過、加圧ろ過、減圧
ろ過、常圧ろ過等の任意の方法を選択できる
。ろ過により得た粒子状固体(II)は、結晶で
っても、アモルファスであっても、これら
混合物であってもよい。
得られた粒子状固体(II)は、純度向上の観点
からは洗浄溶媒を用いて洗浄するのが好まし
い。洗浄溶媒は、懸濁に用いたエーテル系溶
媒と同じまたは異なるエーテル系溶媒が好ま
しく、また、エーテル系溶媒以外の溶媒を用
いてもよい。洗浄溶媒としては、粒子状固体
(II)の回収率の観点からは、非極性溶媒が好
しい。洗浄溶媒としては、1,4-ジオキサン、1
,3-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、テトラヒ
ロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エ
テル化合物;ジエチルエーテル、メチル-t-ブ
ルエーテル、ジエチレングリコールジメチ
エーテル、ジエチレングリコールジエチル
ーテル、ジエチレングリコールジブチルエ
テル、テトラエチレングリコールジメチル
ーテル、テトラエチレングリコールジエチ
エーテル、テトラエチレングリコールジブ
ルエーテル等の非環状エーテル化合物;ノル
マルヘキサン、ノルマルペンタン、ノルマル
ヘプタン、ノルマルオクタン、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、シクロヘキサン、ジクロ
ロメタン、クロロホルム、ペンタフルオロジ
クロロプロパン、1H-パーフルオロヘキサン等
を用いることができる。
ろ過により得た粒子状固体(II)は、つぎに 乾燥させるのが好ましい。乾燥の方法は特に 限定されず、加熱下で減圧する方法、または 、加熱下で乾燥した不活性ガスを流通させる 方法が通常用いられる。加熱する場合の温度 に特に制限はなく、溶媒の沸点以上であるこ とが好ましく、局所過熱等による目的物の分 解を抑制するという観点から、溶媒の沸点に 50℃を加えた温度以下が好ましい。また不活 ガスとしては、希ガス類、窒素ガス、二酸 炭素ガス等が挙げられ、入手容易性や取り いの容易さの観点から窒素ガスが好ましい
本発明の製造方法によれば、精製された (1)を粒子状固体(II)として得ることができる 。精製された塩(1)の純度は、90モル%以上が好 ましく、98~100モル%が特に好ましく、99~100モ %がとりわけ好ましい。該高純度の塩(1)は、 れまで入手できなかった、新規な塩である
本発明の製造方法で得られた高純度の塩( 1)の用途は特に限定されず、たとえば、リチ ム二次イオン電池用の電解質であるリチウ 塩(3)の原料として用いうる。
本発明の製造方法で得た塩(1)を用いてリ ウム塩(3)を製造する方法を下式に示す。
方法(1)におけるイミド酸(2)を得る方法とし
は、例えば、Jerry Foropoulos Jr.,Darryl D. DesMa
rteau著「Synthesis,properties, and reactions of bis((t
rifluoromethyl)sulfonyl)imide, (CF 3
SO 2
) 2
NH」、Inorganic Chemistry、第23巻、第23号、1984年
、p.3720に記載の方法、特開昭57-146776号公報の
実施例(例1)に記載の方法が挙げられる。
具体的には、化合物(1)と濃硫酸を混合し、
圧条件下で加熱して化合物(2)を蒸留により
出する方法、化合物(1)の水溶液をスルホン
ポリスチレン等の酸型の陽イオン交換樹脂
流通させて化合物(2)を得る方法等が挙げら
る。前者の方法で実施した場合には、蒸留
程で、金属不純物等を除去できるため、特
好ましい。
イミド酸(2)からリチウム塩(3)を得る方法 しては、例えば、特開2003-192661号公報の実 例(実施例8~14)に記載の方法が挙げられる。 ミド酸(2)に反応させるリチウムイオンを有 る化合物としては、水酸化リチウム、炭酸 チウムまたは炭酸水素リチウムが好ましく 水酸化リチウムがより好ましい。これらの チウム化合物は、入手が容易であり、反応 が高く、副生物が炭酸ガスまたは水であり 離が容易であることから、好ましく用いら る。
上記のイミド酸(2)からリチウム塩(3)を得 方法では、溶媒を用いることができる。溶 としては非水溶媒を用いても水を用いても い。非水溶媒系としては、化合物(2)が非常 強い酸性であるために酸で分解しない溶媒 好ましく、メタノール、エタノール等の非 溶媒が特に好ましい。
方法2におけるリチウム塩(3)を得る方法とし
ては、例えば、特表2000-506132号公報の実施例(
実施例2)に記載のように、テトラヒドロフラ
に溶解した塩(1)に水酸化リチウム一水塩を
え、アンモニアガスの発生が観測されなく
るまで煮沸して反応させる方法が挙げられ
。溶媒としては任意の溶媒を用いることが
きるが、アンモニアに対して分解されない
媒を選択する必要がある。また反応の終点
アンモニアのガス発生によって検知しよう
する場合は、アンモニアを良好に溶解する
等の溶媒以外の溶媒を用いるのが好ましい
方法1および方法2において、高純度の反応
薬を用いた場合には、高純度のリチウム塩(3
)が得られる。たとえば、濃硫酸として純度
98体積%以上である硫酸を用い、リチウムイ
ンを有する化合物として純度が99質量%以上
ある化合物を用い、溶媒として99質量%以上
あるものを用い、その他の反応試薬を用い
場合には、該反応試薬の純度が99質量%以上
あるものを用いることにより、純度が99モル
%以上であるリチウム塩(3)が得られ、通常は
度が99.5モル%以上であるリチウム塩(3)が得ら
れる。
方法1および方法2により高純度のリチウム
(3)を得た場合には、通常は、精製工程は不
であり、溶媒の除去等の後処理を行うだけ
、目的とする純度のリチウム塩(3)が得られ
。リチウム塩(3)は結晶であっても、アモル
ァスであっても、これらの混合物であって
よい。
リチウム塩(3)の純度は99モル%以上が好まし
、99.5モル%以上が特に好ましく、さらに好
しくは99.9モル%以上がとりわけ好ましい。特
にリチウム塩(3)を方法1により得た場合には
蒸留工程が金属不純物を除去できる工程で
るため、金属含有量がきわめて低いリチウ
塩(3)が得られる。
得られた高純度のリチウム塩(3)は、対リチ
ムに対する電位で0~4.2Vより広い電位窓を有
うる有用なリチウム塩となりうる。
本発明で得られた高純度の含フッ素ビスス
ホニルイミドのアンモニウム塩は、イオン
体の合成するための中間体、導電性付与剤
難燃性付与剤等に用いられる。また、高純
の該イミドのリチウム塩(3)は、各種の電解
、イオン液体を合成するための中間体、導
性付与剤、難燃性付与剤等として有用であ
。
本発明を、実施例によって具体的に説明す
が、本発明はこれらに限定して解釈される
のではない。
なお、 19
F-NMRによる純度の測定においては、SO 2
-CF 2
-CF 2
-SO 2
構造中のCF 2
のピークと、該CF 2
以外のピークを測定し、該CF 2
以外のピークに基づく不純物の構造を同定す
ることにより定量した。以下、純度、収率は
、断りのない限りモル%を意味する。
[例1(実施例)]
化合物(1-1)の製造例:
国際公開第2006/106960号パンフレットの[例4]
記載の方法と同様にして、下記アンモニウ
塩(1-1)の粒子状固体を製造した。精製前のア
ンモニウム塩(1-1)の 19
F-NMRにより測定される純度は98.5%であった。
アンモニウム塩(1-1)の精製例:
NMR純度が98.5%のアンモニウム塩(1-1)(380.0g)の
子状固体を、1,4-ジオキサン(760.0g)に懸濁し
膨潤させたまま、40℃で4時間撹拌した。4時
間後、ジオキサンを濾別して得られた粒子状
固体を1,4-ジオキサン(380.0g)で二度洗浄した後
、溶媒を真空乾燥により除去した。374.2gのア
ンモニウム塩(1-1)の粒子状固体が得られ、収
は99.9%であった。 19
F-NMRにより純度を測定したところ、99.9%まで
上していた。
[例2(実施例)]
イミド酸(2-1)の製造例:
例1で得た精製前のアンモニウム塩(1-1)(300g)
純度が98体積%以上の濃硫酸(600g)を2Lの三つ
フラスコに仕込んだ。この三つ口フラスコ
、2Lの受器を、ガラス管で連結した。ガラス
管はイミド酸(2-1)の凝固を防ぐためにリボン
ーターで60℃以上に保った。2Lの受器は氷冷
し、真空ポンプを連結して、全体をイミド酸
の回収系とした。前記系を266Pa(絶対圧)まで
圧し、三つ口フラスコを油浴で加熱した。
つ口フラスコの内温が80℃を超えた所で留出
が始まり、氷冷した受器に下記イミド酸(2-1)
固化して回収された。内温が100℃に達する
で昇温を継続したところで反応を終了した
果、受器に272.2gの白色固体状のイミド酸(2-1
)が得られた。収率は97.1%であった。 19
F-NMRにより純度を測定したところ、99.9%であ
た。
リチウム塩(3-1)の製造例:
得られたイミド酸(2-1)(272.2g)にイオン交換水
(500mL)を仕込み、水溶液を得た。撹拌下、該
溶液のpHを監視しながら、水酸化リチウム水
溶液(濃度10質量%)を滴下し、pHが7を超えるま
滴下を継続した。水酸化リチウム水溶液の
下を終了した後、1時間撹拌を継続した。そ
の後、水を留去し、100℃で真空乾燥した。276
.0gの白色固体状のリチウム塩(3-1)が得られ、
率は99.0%であった。 19
F-NMRにより純度を測定したところ、99.9%であ
た。
[例3(参考例)]
例1で得た精製前のアンモニウム塩(1-1)(100g)
、1,4-ジオキサンによる精製をすることなく
用いて、例2と同様の手順でイミド酸(2-1)を製
造した。90.6gのイミド酸(2-1)が得られたが、
ミド酸(2-1)はわずかに褐色を呈していた。収
率は96.4%であった。
イミド酸(2-1)(90.6g)にイオン交換水(300mL)を仕 込み、例2と同様の手順でリチウム塩(3-1)を製 造した。91.8gの固体状のリチウム塩(3-1)の粒 が得られたが、該粒子は若干黄色を呈して た。収率は98.9%であった。 19 F-NMRにより純度を測定したところ、98.0%であ た。
[例4(参考例)]
例3で得たリチウム塩(3-1)(91.8g)を1,4-ジオキ
ン(100mL)に懸濁させた後、内温を60℃に保ち
つ、徐々にアセトニトリルを添加し、均一
溶液を得た。この溶液を3℃に保たれた冷蔵
で一晩冷却したところ、白色結晶状物質が
出した。その後、該物質をろ過して回収し
。回収された物質を80~120℃で100時間減圧乾
した。57.8gの白色結晶状物質が得られ、1,4-
オキサンが5質量%残存していることが確認
れた。溶媒以外の化合物の純度を測定した
ころ、99.9%であった。
なお、1,4-ジオキサンの残存量およびリチウ
ム塩の定量は、CF 3
CH 2
OHを内部標準物質として用い、 19
FNMRおよび 1
HNMRを測定することにより行った。
次いで、残存している1,4-ジオキサンを除去
するために、n-ブチロニトリル(100mL)に溶解し
、溶媒を留去する工程を4回繰り返した。100
で12時間減圧乾燥し、57.5gのリチウム塩(3-1)
回収した。収率は63.8%であった。 1
H-NMRでは1,4-ジオキサンの残存はなく、 19
F-NMRにより純度を測定したところ、99.9%であ
た。リチウム塩からの脱溶媒が困難である
は、1,4-ジオキサンのリチウムイオンに対す
配位性が強いためと考えられる。
[例5(参考例)]
例1で得た精製前のアンモニウム塩(1-1)(5.0g)
メチル-t-ブチルエーテル(5ml)に分散し、徐
に加熱したところ50℃で均一な溶液となった
。この溶液を-78℃に冷却すると、微量の析出
物が得られた。該析出物をろ過し、乾燥した
後、 19
F-NMRで純度を測定した結果、純度は98.0%であ
、高純度化はできなかった。
[例6(参考例)]
例1で得た精製前のアンモニウム塩(1-1)(5.0g)
クロロホルム(5ml)に分散し、アセトニトリ
を25滴添加し徐々に加熱したところ、50℃で
一な溶液となった。この溶液を徐々に室温
で冷却すると、アンモニウム塩(1-1)が溶解
たアセトニトリル相と、クロロホルム相の2
に分離した。上相であるアンモニウム塩(1-1
)のアセトニトリル相を 19
F-NMRで分析した結果、溶媒を除く純度は、98.0
%であり、高純度化はできなかった。
[例7(参考例)]
特開2005-298375号公報に記載の方法を参考に
て、精製を試みた。すなわち、例1で得た精
前のアンモニウム塩(1-1)(5.0g)をメチル-t-ブ
ルエーテル(10ml)に溶解し、イオン交換水(10ml
)に水酸化リチウム(1.42g)を溶解した水溶液中
撹拌し、つぎに50℃で3時間反応させた後、
相の水相を分離、濃縮、100℃にて加熱真空
燥することにより、 19
F-NMR純度が99.0%のリチウム塩(3-1)を得た。この
リチウム塩(3-1)を1mol/Lの濃度になるようにエ
レンカーボネートとエチルメチルカーボネ
トの1対1(容量比)の混合溶媒に溶解して溶液
とし、対極と作用極に白金、参照極にリチウ
ム金属を用いたセルにて酸化電位を測定した
。その結果、3.5V近辺から化合物(3-1)ではない
酸化ピークが観測された。すなわち、得られ
たリチウム塩(3-1)はリチウム電池材料等の用
には耐酸化性が不十分である。
本発明の製造方法は、特別な装置や試薬を
要とせず、簡便かつ高効率に高純度の含フ
素ビススルホニルイミドのアンモニウム塩
製造でき、工業的に有利な方法である。
また、本発明の製造方法によって得られる
フッ素ビススルホニルイミドのアンモニウ
塩は、イオン液体を合成する中間体、導電
付与剤、難燃性付与剤等として、さらに、
イミドのリチウム塩は、各種電解質、イオ
液体を合成する中間体、導電性付与剤、難
性付与剤等として有用である。
なお、2007年8月17日に出願された日本特許出
願2007-212920号の明細書、特許請求の範囲、及
要約書の全内容をここに引用し、本発明の
細書の開示として、取り入れるものである