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Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR PRODUCTION OF SUGAR OXAZOLINE DERIVATIVE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/111526
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for producing an oxazoline derivative from a non-protected sugar in a simple manner. Also disclosed is a method for producing a glycoside by utilizing the product of the aforementioned method. A sugar oxazoline derivative is synthesized in one step in an aqueous solution from a sugar having a free hemiacetal hydroxy group and an amide group by using a haloformamidinium derivative as a dehydration/condensation agent. A glycoside is produced by using the oxazolidine derivative as a sugar donor and also using a sugar dehydrogenase. The method can be applied to the production of a compound having a long sugar chain, and is therefore useful for the production of a physiologically active oligosaccharide, a carrier for a drug delivery system, a surfactant, a carbohydrate pharmaceutical, a glycopeptide, a glycoprotein, a carbohydrate polymer or the like.

Inventors:
SHODA SHINICHIRO (JP)
KOBAYASHI ATSUSHI (JP)
NOGUCHI MASATO (JP)
TANAKA TOMONARI (JP)
GYAKUSHI HIDETOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/054194
Publication Date:
September 18, 2008
Filing Date:
March 07, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SEIKAGAKU KOGYO CO LTD (JP)
SHODA SHINICHIRO (JP)
KOBAYASHI ATSUSHI (JP)
NOGUCHI MASATO (JP)
TANAKA TOMONARI (JP)
GYAKUSHI HIDETOSHI (JP)
International Classes:
C07H9/06; A61K31/7008; A61K31/702; A61K31/7056; A61K31/715; A61P15/00; A61P17/02; A61P29/00; A61P35/00; A61P37/00; C08B37/00
Foreign References:
JPH093088A1997-01-07
JP2003012683A2003-01-15
JPH093088A1997-01-07
JP2003012683A2003-01-15
Other References:
KADOKAWA J.-I. ET AL.: "DIRECT CONVERSION OF 2-ACETAMIDO-2-DEOXYSUGARS TO 1,2-OXAZOLINE DERIVATIVES BY DEHYDRATIVE CYCLIZATION IN WATER", HETEROCYCLES, vol. 63, no. 7, 2004, pages 1531 - 1535, XP008117164
AN'NO K. AND SENO N.: "To kagaku no Kiso", 1995, KODANSHA LTD., pages: 172 - 174
SATORU NAKABAYASHI ET AL.: "A new procedure for the preparation of oligosaccharide oxazolines", CARBOHYDRATE RESEARCH, vol. 150, 1986, pages C7 - C10, XP008117135
WIPF P. ET AL: "A SHORT, STEREOSPECIFIC SYNTHESIS OF DIHYDROOXAZOLES FROM SERINE AND THREONINE DERIVATIVES", TETRAHEDRON LETTERS, vol. 33, no. 7, 1992, pages 907 - 910, XP026645959
SHODA S.-I. ET AL.: "Efficient method for the elongation of the N-acetylglucosamine unit by combined use of chitinase and beta-galactosidase", HELVETICA CHIMICA ACTA, vol. 85, 2002, pages 3919 - 3936, XP008117136
See also references of EP 2123663A4
S. SHODA ET AL., HELV. CHIM. ACTA, vol. 85, 2002, pages 3919
BING LI ET AL., J. AM. CHEM. SOC., vol. 127, 2005, pages 9692
J. KADOKAWA ET AL., HETEROCYCLES, vol. 63, no. 7, 2004, pages 1531 - 1535
H. GYAKUSHI ET AL., ABSTRACTS OF THE SECOND TOHOKU UNIVERSITY BIOSCIENCE SYMPOSIUM
M. NOGUCHI ET AL.: "One-pot polymerization reaction of non-protected sugars by dehydrative condensing agent-enzyme system", JOURNAL NAME: POLYMER PREPRINTS, JAPAN, vol. 55, no. 2, 2006, pages 4826
M. NOGUCHI ET AL.: "One-pot synthesis of polysaccharides from non-protected sugars by employing enzymatic polymerization reaction", JOURNAL NAME: ABSTRACTS OF THE 2006 SOCIETY OF POLYMER SCIENCE TOHOKU BRANCH RESEARCH PUBLICATIONS MEETING, pages 21
H. GYAKUSHI ET AL.: "One-pot glycosylation of non-protected sugars", ABSTRACTS OF THE THIRD TOHOKU UNIVERSITY BIOSCIENCE SYMPOSIUM, May 2006 (2006-05-01)
J. KADOKAWA ET AL.: "Direct Conversion of 2-Acetamido-2-Deoxysugars to 1 ,2-Oxazoline Derivatives by Dehydrative Cyclization", HETEROCYCLES, vol. 63, no. 7, 2004, pages 1531 - 1535, XP008117164
H. GYAKUSHI ET AL.: "One-step synthesis of sugar oxazoline derivatives using a water-soluble carbodiimide", ABSTRACTS OF THE SECOND TOHOKU UNIVERSITY BIOSCIENCE SYMPOSIUM, May 2005 (2005-05-01)
M. NOGUCHI ET AL.: "One-pot polymerization reaction of non-protected sugars by dehydrative condensing agent-enzyme system", JOURNAL NAME: POLYMERPREPRINTS, JAPAN, vol. 55, no. 2, 2006, pages 4826
M. NOGUCHI ET AL.: "Journal name: Abstracts of the 2006 Society of Polymer Science Tohoku Branch", RESEARCH PUBLICATIONS MEETING, article "One-pot synthesis of polysaccharides from non-protected sugars by employing enzymatic polymerization reaction", pages: 21
S. SHODA ET AL., HELVETICA CHEMIC ACTA, vol. 85, 2002, pages 3919 - 3936
YAMAMOTO, K. ET AL., BIOCHEM. BIOPHYS. RES. COMMUN., vol. 203, 1994, pages 244 - 252
TAKEGAWA, K. ET AL., BIOCHEM. INT., vol. 24, 1991, pages 849 - 855
Attorney, Agent or Firm:
SHIGENOBU, Kazuo et al. (3-28 Kioi-ch, Chiyoda-ku Tokyo 94, JP)
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Claims:
一般式(1):
(上式中、R 1 はアルキル基、R 2 、R 3 及びR 4 は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、ヒドロキシメチル基、アセトアミド基、カルボキシ基、硫酸基、リン酸基または糖残基およびそれらの修飾物残基からなる群から選択されたものである)
のヘミアセタール性のヒドロキシ基とアミド基をもつ糖を一般式(2):
(上式中、R 5 、R 6 、R 7 及びR 8 は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに独立に、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基及び置換されていてもよいアリール基からなる群から選択されたもので、R 5 とR 7 あるいはR 6 とR 8 で環を形成していてよいし、あるいはR 5 とR 6 あるいはR 7 とR 8 で環を形成していてよく、Xはハロゲン原子であり、そしてY - は陰イオンである)
のハロホルムアミジニウム誘導体で処理することを特徴とする、一般式(3):
(上式中、R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 は、上記と同様の意味を有するものである)
で示されるオキサゾリン誘導体の合成方法。
Yが、ハロゲン原子、OH、BF 4 、またはPF 6 であり、一般式(1)の糖と一般式(2)のハロホルムアミジニウム誘導体との反応を水を含む溶媒中で行うことを特徴とする請求項1記載の合成方法。
(1)一般式(1)の糖が、N-アセチルグルコサミン、N-アセチルガラクトサミン及びN-アセチルマンノサミンからなる群から選択されたもの、
(2)一般式(1)の糖が、N-アセチルラクトサミン、N,N'-ジアセチルキトビオース、ヒアルロン酸二糖及びグリコサミノグリカン二糖からなる群から選択されたもの、あるいは
(3)一般式(1)の糖が、N結合型糖タンパク質糖鎖、O結合型糖タンパク質糖鎖及びキトオリゴ糖からなる群から選択されたもの、
であることを特徴とする請求項1又は2記載の合成方法。
一般式(1):
(上式中、R 1 はアルキル基、R 2 、R 3 及びR 4 は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、ヒドロキシメチル基、アセトアミド基、カルボキシ基、硫酸基、リン酸基または糖残基およびそれらの修飾物残基からなる群から選択されたものである)
のヘミアセタール性のヒドロキシ基とアミド基をもつ糖を一般式(2):
(上式中、R 5 、R 6 、R 7 及びR 8 は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに独立に、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基及び置換されていてもよいアリール基からなる群から選択されたもので、R 5 とR 7 あるいはR 6 とR 8 で環を形成していてよいし、あるいはR 5 とR 6 あるいはR 7 とR 8 で環を形成していてよく、Xはハロゲン原子であり、そしてY - は陰イオンである)
のハロホルムアミジニウム誘導体で処理して一般式(3):
(上式中、R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 は、上記と同様の意味を有するものである)
で示されるオキサゾリン誘導体を合成し、次に得られた一般式(3)のオキサゾリン誘導体を糖供与体とし、糖受容体存在下に、糖転移酵素又は糖質加水分解酵素と接触せしめ、糖鎖付加生成物を得ることを特徴とする配糖体の合成方法。
糖転移酵素又は糖質加水分解酵素が、キチナーゼ、変異型キチナーゼ、エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼM、エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼA、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼからなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項4記載の合成方法。
(1)一般式(1)の糖が、N-アセチルグルコサミン、N-アセチルガラクトサミン及びN-アセチルマンノサミンからなる群から選択されたもの、
(2)一般式(1)の糖が、N-アセチルラクトサミン、N,N'-ジアセチルキトビオース、ヒアルロン酸二糖及びグリコサミノグリカン二糖からなる群から選択されたもの、あるいは
(3)一般式(1)の糖が、N結合型糖タンパク質糖鎖、O結合型糖タンパク質糖鎖及びキトオリゴ糖からなる群から選択されたもの、
であることを特徴とする請求項4又は5記載の合成方法。
一般式(4):
(上式中、R 9 はアルキル基で、R 10 ~R 19 は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、アセトアミド基、カルボキシ基、硫酸基、リン酸基または糖残基及びそれらの修飾物残基からなる群から選択されたものである、但し、R 10 ~R 19 のうちの少なくとも一つは、糖残基である)
で表されるオキサゾリン誘導体。
                                                                                
Description:
糖オキサゾリン誘導体の製造方

 本発明は、無保護糖鎖を出発原料として キサゾリン誘導体を合成する方法及びそれ よって得られた新規化合物、さらに該オキ ゾリン誘導体を糖供与体として得られる配 体の合成法に関するものである。

 近年の科学技術の進歩により糖鎖がさま まな生命現象を担うことが明らかになり、 鎖化合物の重要性がますます強く認識され きた。糖鎖化合物の合成法の一つとして、 素触媒による配糖化反応が用いられている 酵素触媒による配糖化反応のうち糖供与体 して糖オキサゾリン誘導体を用いる配糖化 応は付加反応で配糖化反応し、酸や水など 脱離を伴うことなく進行するために、非常 有用な配糖体の合成法である。糖鎖を付加 た化合物やオリゴ糖鎖は、例えば、生理活 オリゴ糖、ドラックデリバリーシステムの ャリア、界面活性剤、糖鎖医薬、糖ペプチ 、糖タンパク質、糖鎖高分子など、様々な 途に用いられて有用である。

 アノマー炭素を活性化した糖誘導体は、 加水分解酵素を用いるグリコシル化反応の 供与体として知られ、その中でも、糖オキ ゾリン誘導体は脱離基を持たない糖供与体 して有用な基質である。しかし、従来、糖 キサゾリン誘導体の合成法は、有機溶媒の 用が不可欠であり、糖に存在するヒドロキ 基の保護と脱保護を含む多段階のステップ 経て合成されてきた〔S. Shoda et al. Helv. C him. Acta, 85, 3919 (2002) (非特許文献1)〕。と わけ、オリゴ糖のオキサゾリン誘導体の合 は難しく〔Bing Li et al. J. AM. CHEM. SOC., 1 27, 9692 (2005) (非特許文献2)〕、ほとんど行 れていないのが現状である。なお、従来の オキサゾリン誘導体の合成法としては、特 平9-3088号公報(特許文献1)、特開2003-12683号公 (特許文献2)なども知られている。こうした 来の化学合成法ではヒドロキシ基の保護・ 保護を伴うなどの多段階ステップを必要と るため操作が煩雑であり、長い糖鎖に適用 るのは困難であることから、糖鎖合成にお て、保護・脱保護といったステップを使用 ることなく、糖オキサゾリン誘導体を簡便 つ穏和に合成する技術の開発が求められて る。

 こうした観点から、脱水縮合剤に水溶性 ルボジイミドを用いて、無保護の糖から糖 キサゾリン誘導体を一段階で合成する方法 開発された〔J. Kadokawa et al., Heterocycles, 6 3(7), (2004), pp.1531-1535(非特許文献3)及び瘧師 利ほか、第2回東北大学バイオサイエンスシ ポジウム要旨、「水溶性カルボジイミドを いる糖オキサゾリン誘導体の一段階合成」 2005.5(非特許文献4)〕。また、脱水縮合剤に リアジン誘導体を用いて水溶媒中で無保護 糖から糖オキサゾリン誘導体を直接合成す 手法も開発されている〔第55回 高分子討論 会、タイトル:「脱水縮合剤-酵素系による無 護糖のワンポット重合反応」、著者名:野口 真人・三澤卓也・石原正規・小林厚志・正田 晋一郎、雑誌名:Polymer Preprints, Japan Vol. 55, No. 2 (2006) pp 4826(非特許文献5); 2006 高分 学会東北支部研究発表会、タイトル:「酵素 合反応を利用する無保護糖から多糖のワン ット合成」、著者名:野口真人・三澤卓也・ 石原正規・小林厚志・正田晋一郎、雑誌名:20 06 高分子学会東北支部研究発表会予稿集 pp 21(非特許文献6); 瘧師英利ほか、第3回東北 学バイオサイエンスシンポジウム要旨、「 保護糖のワンポット配糖化反応」、2006.5(非 許文献7)〕。

特開平9-3088号公報

特開2003-12683号公報 S. Shoda et al. Helv. Chim. Acta, 85, 3919 (2 002) Bing Li et al. J. AM. CHEM. SOC., 127, 9692  (2005) J. Kadokawa, M. Mito, S. Takahashi, M. Noguchi,  S. Shoda, "Direct Conversion of 2-Acetamido-2-Deoxysu gars to 1,2-Oxazoline Derivatives by Dehydrative Cycli zation", Heterocycles, 63(7), (2004), pp.1531-1535 瘧師英利、高橋智史、白鳥正人、野口真 人、小林厚志、正田晋一郎、第2回東北大学 イオサイエンスシンポジウム要旨、「水溶 カルボジイミドを用いる糖オキサゾリン誘 体の一段階合成」、2005.5 第55回 高分子討論会、タイトル:「脱水 合剤-酵素系による無保護糖のワンポット重 合反応」、著者名:野口真人・三澤卓也・石 正規・小林厚志・正田晋一郎、雑誌名:Polymer  Preprints, Japan Vol. 55, No. 2 (2006) pp 4826 2006 高分子学会東北支部研究発表会、タ イトル:「酵素重合反応を利用する無保護糖 ら多糖のワンポット合成」、著者名:野口真 ・三澤卓也・石原正規・小林厚志・正田晋 郎、雑誌名:2006 高分子学会東北支部研究発 表会予稿集 pp 21 瘧師英利、三澤卓也、山本憲司、桑折道 済、野口真人、小林厚志、正田晋一郎、第3 東北大学バイオサイエンスシンポジウム要 、「無保護糖のワンポット配糖化反応」、20 06.5

 配糖体を酵素的に合成する場合の糖供与体 して有用なオキサゾリン誘導体を合成する に、ヒドロキシ基の保護・脱保護を伴うな の多段階ステップを必要とする従来の合成 を適用したのでは、操作が煩雑であり、さ に、長い糖鎖に適用するのは困難であると った問題がある。また、ルイス酸を使用し 合成する方法もあるが、この方法ではオリ 糖に存在するグリコシド結合の開裂が生起 て低収率となってしまうなどの問題がある こうした理由から、糖鎖合成において、保 ・脱保護といったステップを使用すること く、糖オキサゾリン誘導体を簡便且つ穏和 合成する技術の開発が求められている。
 ところで、糖オキサゾリン誘導体の構造を 討してみると、糖の還元末端の1位のヒドロ キシ基と2位のデオキシ部位のアミド基との での脱水縮合生成物であることがわかる。 なわち、分子内で脱水縮合反応が可能であ ば、オキサゾリン誘導体の一段階での合成 可能となる。脱水縮合剤は、カルボン酸の ルボニル炭素の活性化剤として用いられて り、これと同様に糖の還元末端のアノマー 炭素を活性化してアミド基のカルボニル酸 をアノマー位炭素に求核攻撃をさせれば、 キサゾリン誘導体が生成することになる。
 この観点から、本発明者らのグループは、 れまで脱水縮合剤として上記したように水 性カルボジイミドやトリアジン誘導体を使 した方法を提案してきたが、依然として、 り操作が簡単で且つより高い収率で目的オ サゾリン誘導体を合成する方法、さらに水 媒質中でより好適に反応を行うことができ より長い糖鎖に適用することができる方法 開発が求められている。

 本発明者らは糖供与体として有用なオキ ゾリン誘導体合成法につき鋭意研究の結果 脱水縮合剤としてハロホルムアミジニウム 導体を使用して、無保護糖鎖を出発原料と て直接オキサゾリン誘導体を合成できるこ を見出し、さらに、こうしたオキサゾリン 導体を糖供与体として使用して配糖体を簡 な手法で合成することにも成功し、本発明 完成した。

 本発明では、次なる態様が提供される。
 〔1〕一般式(1):
(上式中、R 1 はアルキル基、R 2 、R 3 及びR 4 は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、 互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、ヒ ドロキシメチル基、アセトアミド基、カルボ キシ基、硫酸基、リン酸基または糖残基およ びそれらの修飾物残基からなる群から選択さ れたものである)
のヘミアセタール性のヒドロキシ基とアミド 基をもつ糖を一般式(2):
(上式中、R 5 、R 6 、R 7 及びR 8 は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、 互いに独立に、置換されていてもよいアルキ ル基、置換されていてもよいアルケニル基及 び置換されていてもよいアリール基からなる 群から選択されたもので、R 5 とR 7 あるいはR 6 とR 8 で環を形成していてよいし、あるいはR 5 とR 6 あるいはR 7 とR 8 で環を形成していてよく、Xはハロゲン原子 あり、そしてY - は陰イオンである)
のハロホルムアミジニウム誘導体で処理する ことを特徴とする、一般式(3):
(上式中、R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 は、上記と同様の意味を有するものである)
で示されるオキサゾリン誘導体の合成方法。
 〔2〕Yが、ハロゲン原子、OH、BF 4 、またはPF 6 であり、一般式(1)の糖と一般式(2)のハロホル ムアミジニウム誘導体との反応を水を含む溶 媒中で行うことを特徴とする上記〔1〕記載 合成方法。
 〔3〕(1)一般式(1)の糖が、N-アセチルグルコ ミン、N-アセチルガラクトサミン及びN-アセ チルマンノサミンからなる群から選択された もの、
(2)一般式(1)の糖が、N-アセチルラクトサミン N,N'-ジアセチルキトビオース、ヒアルロン 二糖及びグリコサミノグリカン二糖からな 群から選択されたもの、あるいは
(3)一般式(1)の糖が、N結合型糖タンパク質糖 、O結合型糖タンパク質糖鎖及びキトオリゴ からなる群から選択されたもの、
であることを特徴とする上記〔1〕又は〔2〕 載の合成方法。

 〔4〕一般式(1)のヘミアセタール性のヒドロ キシ基とアミド基をもつ糖(式中、R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 は、上記と同様の意味を有するものである) 一般式(2)のハロホルムアミジニウム誘導体( 中、R 5 、R 6 、R 7 、R 8 、X及びY - は、上記と同様の意味を有するものである) 処理して一般式(3)で示されるオキサゾリン 導体(式中、R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 は、上記と同様の意味を有するものである) 合成し、次に得られた一般式(3)のオキサゾ ン誘導体を糖供与体とし、糖受容体存在下 、糖転移酵素又は糖質加水分解酵素と接触 しめ、糖鎖付加生成物を得ることを特徴と る配糖体の合成方法。
 〔5〕糖転移酵素又は糖質加水分解酵素が、 キチナーゼ、変異型キチナーゼ、エンド-β-N- アセチルグルコサミニダーゼM、エンド-β-N- セチルグルコサミニダーゼA、ヒアルロニダ ゼ、コンドロイチナーゼからなる群から選 されたものであることを特徴とする上記〔4 〕記載の合成方法。
 〔6〕(1)一般式(1)の糖が、N-アセチルグルコ ミン、N-アセチルガラクトサミン及びN-アセ チルマンノサミンからなる群から選択された もの、
(2)一般式(1)の糖が、N-アセチルラクトサミン N,N'-ジアセチルキトビオース、ヒアルロン 二糖及びグリコサミノグリカン二糖からな 群から選択されたもの、あるいは
(3)一般式(1)の糖が、N結合型糖タンパク質糖 、O結合型糖タンパク質糖鎖及びキトオリゴ からなる群から選択されたもの、
であることを特徴とする上記〔4〕又は〔5〕 載の合成方法。

 〔7〕一般式(4):
(上式中、R 9 はアルキル基で、R 10 ~R 19 は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、 互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、ア セトアミド基、カルボキシ基、硫酸基、リン 酸基または糖残基及びそれらの修飾物残基か らなる群から選択されたものである、但し、 R 10 ~R 19 のうちの少なくとも一つは、糖残基である)
で表されるオキサゾリン誘導体。
 〔8〕一般式(4)のオキサゾリン誘導体(式中 R 9 ~R 19 は、上記と同様の意味を有するものである) 糖供与体とし、糖受容体存在下に、糖転移 素又は糖質加水分解酵素と接触せしめ、糖 付加生成物を得ることを特徴とする配糖体 合成方法。

 本発明では、簡便且つ穏和な手法で、そし 一段階の工程で、しかも良好な収率で、無 護糖より糖供与体であるオキサゾリン誘導 を合成でき、長い糖鎖に適用可能で、種々 様々な糖鎖(オリゴ糖鎖及びポリ糖鎖、さら に分岐した糖鎖を含む)を、各種の化合物や に対して配糖化できる技術となるので、例 ば、生理活性オリゴ糖、ドラックデリバリ システムのキャリア、界面活性剤、糖鎖医 、糖ペプチド、糖タンパク質、糖鎖高分子 ど、様々な用途の物質製造に用いられて有 である。
 本発明のその他の目的、特徴、優秀性及び の有する観点は、以下の記載より当業者に っては明白であろう。しかしながら、以下 記載及び具体的な実施例等の記載を含めた 件明細書の記載は本発明の好ましい態様を すものであり、説明のためにのみ示されて るものであることを理解されたい。本明細 に開示した本発明の意図及び範囲内で、種 の変化及び/又は改変(あるいは修飾)をなす とは、以下の記載及び本明細書のその他の 分からの知識により、当業者には容易に明 かであろう。本明細書で引用されている全 の特許文献及び参考文献は、説明の目的で 用されているもので、それらは本明細書の 部としてその内容はここに含めて解釈され べきものである。

実施例1において得られた、目的物を含む反 液の 1 H NMRスペクトルである。図中のDMIは1,3-ジメ ル-2-イミダゾリジノン、Et 3 Nはトリエチルアミン、PhSO 3 Naはベンゼンスルホン酸ナトリウムを表す。 実施例1において得られた、目的物を含む反 液の 13 C NMRスペクトルである。図中のDMIは1,3-ジメ ル-2-イミダゾリジノン、Et 3 Nはトリエチルアミン、PhSO 3 Naはベンゼンスルホン酸ナトリウムを表す。 実施例2において得られた、目的物を含む反 液の 1 H NMRスペクトルである。図中のDMIは1,3-ジメ ル-2-イミダゾリジノン、Et 3 Nはトリエチルアミン、PhSO 3 Naはベンゼンスルホン酸ナトリウムを表す。 実施例2において得られた、目的物を含む反 液の 13 C NMRスペクトルである。図中のDMIは1,3-ジメ ル-2-イミダゾリジノン、Et 3 Nはトリエチルアミン、PhSO 3 Naはベンゼンスルホン酸ナトリウムを表す 実施例3において得られた、目的物を含む反 液の 1 H NMRスペクトルである。図中のDMIは1,3-ジメ ル-2-イミダゾリジノン、Et 3 Nはトリエチルアミン、PhSO 3 Naはベンゼンスルホン酸ナトリウムを表す。 実施例3において得られた、目的物を含む反 液の 13 C NMRスペクトルである。図中のDMIは1,3-ジメ ル-2-イミダゾリジノン、Et 3 Nはトリエチルアミン、PhSO 3 Naはベンゼンスルホン酸ナトリウムを表す。 実施例4において得られた、目的物を含む反 液の 1 H NMRスペクトルである。図中のDMIは1,3-ジメ ル-2-イミダゾリジノン、Et 3 Nはトリエチルアミン、PhSO 3 Naはベンゼンスルホン酸ナトリウムを表す。 実施例4において得られた、目的物を含む反 液の 13 C NMRスペクトルである。図中のDMIは1,3-ジメ ル-2-イミダゾリジノン、Et 3 Nはトリエチルアミン、PhSO 3 Naはベンゼンスルホン酸ナトリウム、EtOHはエ タノールを表す。 実施例5において得られた、目的物を含む反 液の 1 H NMRスペクトルである。図中のDMIは1,3-ジメ ル-2-イミダゾリジノン、Et 3 Nはトリエチルアミン、PhSO 3 Naはベンゼンスルホン酸ナトリウムを表す。 実施例6において得られた、目的物を含む反 液の 1 H NMRスペクトルである。図中のDMIは1,3-ジメ ル-2-イミダゾリジノン、Et 3 Nはトリエチルアミン、PhSO 3 Naはベンゼンスルホン酸ナトリウムを表す。 実施例7において得られた、目的物を含む反 液の 1 H NMRスペクトルである。図中のDMIは1,3-ジメ ル-2-イミダゾリジノン、Et 3 Nはトリエチルアミン、PhSO 3 Naはベンゼンスルホン酸ナトリウムを表す。 実施例9において得られた、目的物を含む反 液の 1 H NMRスペクトルである。図中のDMIは1,3-ジメ ル-2-イミダゾリジノン、Et 3 Nはトリエチルアミンを表す。 実施例10において得られた、目的物を含む反 液の 1 H NMRスペクトルである。図中のDMIは1,3-ジメ ル-2-イミダゾリジノン、Et 3 Nはトリエチルアミンを表す。 実施例11において得られた、目的物を含む反 液の 1 H NMRスペクトルである。図中のDMIは1,3-ジメ ル-2-イミダゾリジノン、Et 3 Nはトリエチルアミン、PhSO 3 Naはベンゼンスルホン酸ナトリウムを表す。 実施例12において得られた、目的物を含む反 液の 1 H NMRスペクトルである。図中のDMIは1,3-ジメ ル-2-イミダゾリジノン、Me 3 Nはトリメチルアミン、PhSO 3 Naはベンゼンスルホン酸ナトリウムを表す。 実施例13において得られた、目的物を含む反 液の 1 H NMRスペクトルである。図中のDMIは1,3-ジメ ル-2-イミダゾリジノン、DMCは2-クロロ-1,3-ジ チルイミダゾリニウムクロリド、Me 2 EtNはN,N-ジメチルエチルアミン、PhSO 3 Naはベンゼンスルホン酸ナトリウムを表す。 実施例14において得られた、目的物を含む反 液の 1 H NMRスペクトルである。図中のDMIは1,3-ジメ ル-2-イミダゾリジノン、DMCは2-クロロ-1,3-ジ チルイミダゾリニウムクロリド、n-Bu(Me) 2 NはN-n-ブチルジメチルアミン、PhSO 3 Naはベンゼンスルホン酸ナトリウムを表す。 実施例15において得られた、目的物を含む反 液の 1 H NMRスペクトルである。図中のDMIは1,3-ジメ ル-2-イミダゾリジノン、DMCは2-クロロ-1,3-ジ チルイミダゾリニウムクロリド、(i-Pr) 2 EtNはN,N-ジイソプロピルエチルアミン、PhSO 3 Naはベンゼンスルホン酸ナトリウムを表す。 実施例16において得られた、目的物を含む反 液の 1 H NMRスペクトルである。図中のDMIは1,3-ジメ ル-2-イミダゾリジノン、DMCは2-クロロ-1,3-ジ チルイミダゾリニウムクロリド、TMEDAはN,N,N ',N'-テトラメチルエチレンジアミン、PhSO 3 Naはベンゼンスルホン酸ナトリウムを表す。 実施例20において得られた、生成物2-メチル(1 ,2-ジデオキシ-α-D-グルコピラノ)[2,1-d]-2-オキ ゾリン-6-硫酸ナトリウム塩を含む反応液の 1 H NMRスペクトルである。図中のDMIは1,3-ジメ ル-2-イミダゾリジノン、Et 3 Nはトリエチルアミン、PhSO 3 Naはベンゼンスルホン酸ナトリウムを表す。 実施例21において得られた、生成物2-メチル(1 ,2-ジデオキシ-α-D-グルコピラノ)[2,1-d]-2-オキ ゾリン-6-リン酸二ナトリウム塩を含む反応 の 1 H NMRスペクトルである。図中のDMIは1,3-ジメ ル-2-イミダゾリジノン、Et 3 Nはトリエチルアミン、PhSO 3 Naはベンゼンスルホン酸ナトリウムを表す。 実施例22において得られた、生成物2-メチル(1 ,2-ジデオキシ-α-D-グルコピラノ)[2,1-d]-2-オキ ゾリンを含む反応液の 1 H NMRスペクトルである。図中のDMIは1,3-ジメ ル-2-イミダゾリジノン、Et 3 Nはトリエチルアミン、PhSO 3 Naはベンゼンスルホン酸ナトリウムを表す。 実施例23において得られた、生成物2-メチル(1 ,2-ジデオキシ-α-D-グルコピラノ)[2,1-d]-2-オキ ゾリンを含む反応液の 1 H NMRスペクトルである。図中のDMPは1,3-ジメ ル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン、E t 3 Nはトリエチルアミン、PhSO 3 Naはベンゼンスルホン酸ナトリウム、GlcNAcは 料のN-アセチルグルコサミンを表す。 実施例24において得られた、生成物2-メチル[3 -O-[4-O-[3-O-(β-D-グルクロノピラノシル)-2-アセ アミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル]-β -D-グルクロノピラノシル]-1,2-ジデオキシ-α-D- グルコピラノ][2,1-d]-2-オキサゾリンを含む反 液の 1 H NMRスペクトルである。図中のDMIは1,3-ジメ ル-2-イミダゾリジノン、Et 3 Nはトリエチルアミンを表す。 実施例25において得られた生成物を含む反応 の 1 H NMRスペクトルである。 実施例26において得られた生成物を含む反応 の 1 H NMRスペクトルである。

 本発明により、無保護糖鎖を出発原料とし オキサゾリン誘導体を合成する方法及びそ によって得られた新規化合物、さらに該オ サゾリン誘導体を糖供与体として得られる 糖体の合成法が提供される。
 該オキサゾリン誘導体としては、糖から誘 されたもの、糖供与体として機能する活性 有するものであれば特に限定されないが、 ましくは、無保護糖や無保護糖鎖などであ ヘミアセタール性のヒドロキシ基とアミド をもつ糖から合成されたもので、例えば、 記一般式(3)で示されるオキサゾリン誘導体 挙げられる。
 一般式(3)で示されるオキサゾリン誘導体は 次の反応式で示されるようにして、一般式( 1)のヘミアセタール性のヒドロキシ基とアミ 基をもつ糖を脱水縮合剤である一般式(2)の ロホルムアミジニウム誘導体で処理して製 できる。

(上式中、R 1 はアルキル基、R 2 、R 3 及びR 4 は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、 互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、ヒ ドロキシメチル基、アセトアミド基、カルボ キシ基、硫酸基、リン酸基または糖残基およ びそれらの修飾物残基からなる群から選択さ れたもので、R 5 、R 6 、R 7 及びR 8 は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、 互いに独立に、置換されていてもよいアルキ ル基、置換されていてもよいアルケニル基及 び置換されていてもよいアリール基からなる 群から選択されたもので、R 5 とR 7 あるいはR 6 とR 8 で環を形成していてよいし、あるいはR 5 とR 6 あるいはR 7 とR 8 で環を形成していてよく、Xはハロゲン原子 あり、そしてY - は陰イオンである)

 本明細書中、「アルキル基」としては、直 又は分岐鎖のいずれであってもよく、例え C 1-22 アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピ 、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec- チル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチ 、tert-ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オク チル、ノニル、デカニル、ヘキサデカニル、 エイコサニル等)等が挙げられ、好ましくは C 1-6 アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピ 、イソプロピル、ブチル、tert-ブチル、ペン チル等)が挙げられ、さらに好ましくは、C 1-4 アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピ 、イソプロピル、ブチル、tert-ブチル等)が げられる。

 本明細書中、糖残基とは糖から誘導され ものを指してよい。本明細書で「糖」とは 糖類、糖質、複合糖質などを含む意味と理 してよく、「糖類」とは、単糖類、単糖類 複数個縮合した小糖類(二糖類、オリゴ糖を 含む)、多糖類を指すものである。糖類は、 素原子とほぼ同数の酸素原子をもつポリヒ ロキシアルデヒド、ポリヒドロキシケトン 及びこれらの誘導体(例えば、アミノ基をも アミノ糖、アルデヒド基又は第一級ヒドロ シ基の部分がカルボキシル基となっている ルボン酸、アルデヒド基やケトン基がヒド キシ基となっている多価アルコールなど)な ど、並びに、それらの縮重合体を指すもので あってよい。「糖質」とは、糖類を主要な成 分としてもつ物質を指すと理解してよく、糖 のみから成るものを単純糖質、その他の物質 (タンパク質、脂質、合成高分子などを含む) 含むものを複合糖質と考えてよい。

 本発明の糖は、当該物質の起源、由来に って特に限定されることなく、天然から得 れるもの、遺伝子工学的に動物細胞、植物 胞、微生物などにより合成したもの、酵素 に製造されたもの、醗酵により製造された の、あるいは人工的に化学合成されたもの どが包含されてよい。糖には、単糖、二糖 オリゴ糖、多糖が包含されてよく、単糖で グルコース、ガラクトース、マンノース、 ルコサミン、N-アセチルグルコサミン、ガ クトサミン、N-アセチルガラクトサミン、マ ンノサミン、N-アセチルマンノサミン、フル トース、グルクロン酸、イズロン酸などが げられ、二糖ではマルトース、イソマルト ス、ラクトース、ラクトサミン、N-アセチ ラクトサミン、セロビオース、メリビオー 、N,N'-ジアセチルキトビオース、ヒアルロン 酸二糖、グリコサミノグリカン二糖などが挙 げられる。オリゴ糖としては、2個以上の単 から構成される通常の意味でのオリゴ糖が 含され、通常2~30個の単糖から構成されるも 、代表的には、2~20個の単糖から構成される ものが挙げられ、グルコース、ガラクトース 、マンノース、グルコサミン、N-アセチルグ コサミン、フルクトースなどから構成され ホモオリゴマー、あるいは、グルコース、 ラクトース、マンノース、グルコサミン、N -アセチルグルコサミン、フルクトース、シ ル酸などの2成分以上より構成されるヘテロ リゴマーが挙げられ、例えば、マルトオリ 糖、イソマルトオリゴ糖、ラクトオリゴ糖 ラクトサミンオリゴ糖、N-アセチルラクト ミンオリゴ糖、セロオリゴ糖、メリビオオ ゴ糖、N-アセチルキトトリオース、N-アセチ キトテトラオース、N-アセチルキトペンタ ースなどが挙げられる。またグリコサミノ リカンオリゴ糖、例えば、ヒアルロン酸オ ゴ糖(例えば、前記したヒアルロン酸二糖や ヒアルロン酸四糖など)、コンドロイチン硫 酸オリゴ糖(例えば、コンドロイチン硫酸Aオ ゴ糖、コンドロイチン硫酸Cオリゴ糖など) ケラタン硫酸オリゴ糖、ヘパリンオリゴ糖 ヘパラン硫酸オリゴ糖なども挙げられる。 糖としては、動物、植物(海藻を含む)、昆虫 、微生物など広範囲な生物で見いだされてい るものが挙げられ、例えば、シアロ複合型糖 鎖、N結合型糖鎖、O結合型糖鎖、グリコサミ グリカン、澱粉、アミロース、アミロペク ン、セルロース、キチン、グリコーゲン、 ガロース、アルギン酸、ヒアルロン酸、イ リン、グルコマンナンなどが挙げられる。

 糖残基及びそれらの修飾物残基は、通常、 糖の1位又はオリゴ糖の還元末端の1位で残 となっているものが挙げられる。本発明で の修飾物とは、天然に存在するものから単 ・精製する過程で修飾されたもの、酵素的 修飾されたもの、化学的に修飾されたもの 微生物を含めて生物学的な手法で修飾され ものであってよく、糖科学の分野で知られ 修飾が含まれ、例えば、加水分解、酸化還 、エステル化、アシル化、アミノ化、エー ル化、ニトロ化、脱水反応、配糖化などに る修飾が包含されていてよい。
 本発明を実施するに当たり、出発物質とし 使用されるヘミアセタール性のヒドロキシ とアミド基をもつ糖としては、通常、還元 端の2位にアミド基を持つ糖が適応可能であ るが、好ましくは還元末端の2位にアセトア ド基を持つ糖、例えば、単糖ではN-アセチル グルコサミン、N-アセチルガラクトサミン、N -アセチルマンノサミンなどが挙げられ、二 、オリゴ糖、多糖などでは、還元末端がN-ア セチルグルコサミン、N-アセチルガラクトサ ンなどである糖で行うことが望ましい。出 物質である糖の好適なものの例としては、 えば、N-アセチルグルコサミン、N-アセチル ガラクトサミン、N-アセチルマンノサミンな 、さらに、N-アセチルラクトサミン、N,N'-ジ アセチルキトビオース、ヒアルロン酸二糖、 グリコサミノグリカン二糖など、そして、N 合型糖タンパク質糖鎖、O結合型糖タンパク 糖鎖、キトオリゴ糖などが包含される。

 本明細書中、「置換されていてもよいアル ル基」中の「アルキル基」としては、上記 同様なものが挙げられる。「置換されてい もよいアルケニル基」中の「アルケニル基 としては、直鎖又は分岐鎖のいずれであっ もよく、例えばC 2-24 アルケニル(例えば、ビニル、アリル、イソ ロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテ ル、2-メチル-2-プロペニル、1-メチル-2-プロ ニル、2-メチル-1-プロペニル等)が挙げられ 。「置換されていてもよいアリール基」中 「アリール基」としては、例えばC 6-14 アリール(例えば、フェニル、1-ナフチル、2- フチル、2-ビフェニリル、3-ビフェニリル、 4-ビフェニリル、2-アンスリル、3-インデニル 、5-フルオレニル等)等が挙げられ、好ましく は、フェニル基である。

 また、「置換されていてもよいアルキル基 、「置換されていてもよいアルケニル基」 び「置換されていてもよいアリール基」に ける「アルキル基」、「アルケニル基」及 「アリール基」は、任意に、1個又はそれ以 上の置換基で置換されていてもよく、その置 換されている場合の「置換基」としては、当 該分野で知られた置換基であってよく、例え ばオキソ、チオキソ、置換基を有していても よいイミノ、ハロゲン原子(例、フッ素、塩 、臭素、ヨウ素等)、C 1-3 アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ エチレンジオキシ等)、ニトロ、シアノ、C 1-6 アルキル、C 2-6 アルケニル、カルボキシC 2-6 アルケニル(例、2-カルボキシエテニル、2-カ ボキシ-2-メチルエテニル等)、C 2-6 アルキニル、C 3-6 シクロアルキル、C 6-14 アリール(例、フェニル、1-ナフチル、4-ビフ ニリル、2-アンスリル等)、C 1-8 アルコキシ、C 1-6 アルコキシ-カルボニル-C 1-6 アルコキシ(例、エトキシカルボニルメチル キシ等)、ヒドロキシ、C 6-14 アリールオキシ(例、フェニルオキシ等)、C 7-16 アラルキルオキシ(例えば、ベンジルオキシ )、メルカプト、C 1-6 アルキルチオ、C 6-14 アリールチオ(例、フェニルチオ等)、C 7-16 アラルキルチオ(例えば、ベンジルチオ等)、 ミノ、モノ-C 1-6 アルキルアミノ(例、メチルアミノ、エチル ミノ等)、モノ-C 6-14 アリールアミノ(例、フェニルアミノ等)、ジ- C 1-6 アルキルアミノ(例、ジメチルアミノ、ジエ ルアミノ等)、ジ-C 6-14 アリールアミノ(例、ジフェニルアミノ等)、 ルミル、カルボキシ、C 1-6 アルキル-カルボニル(例、アセチル、プロピ ニル等)、C 3-6 シクロアルキル-カルボニル(例、シクロプロ ルカルボニル等)、C 1-6 アルコキシ-カルボニル(例、メトキシカルボ ル、エトキシカルボニル、プロポキシカル ニル、tert-ブトキシカルボニル等)、C 6-14 アリール-カルボニル(例、ベンゾイル等)、C 7-16 アラルキル-カルボニル(例、フェニルアセチ 等)、C 6-14 アリールオキシ-カルボニル(例、フェノキシ ルボニル等)、C 7-16 アラルキルオキシ-カルボニル(例、ベンジル キシカルボニル等)、5又は6員複素環カルボ ル(例、ニコチノイル、テノイル、フロイル 、モルホリノカルボニル、チオモルホリノカ ルボニル、ピペラジン-1-イルカルボニル、ピ ロリジン-1-イルカルボニル等)、カルバモイ 、チオカルバモイル、モノ-C 1-6 アルキル-カルバモイル(例、メチルカルバモ ル等)、ジ-C 1-6 アルキル-カルバモイル(例、ジメチルカルバ イル等)、C 6-14 アリール-カルバモイル(例、フェニルカルバ イル等)、5又は6員複素環カルバモイル(例、 3-ピリジルカルバモイル、2-チエニルカルバ イル等)、C 1-6 アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル )、C 6-14 アリールスルホニル(例、フェニルスルホニ 等)、C 1-6 アルキルスルフィニル(例、メチルスルフィ ル等)、C 6-14 アリールスルフィニル(例、フェニルスルフ ニル等)、ホルミルアミノ、C 1-6 アルキル-カルボニルアミノ(例、アセチルア ノ等)、C 6-14 アリール-カルボニルアミノ(例、ベンゾイル ミノ等)、C 1-6 アルコキシ-カルボニルアミノ(例、メトキシ ルボニルアミノ等)、C 1-6 アルキルスルホニルアミノ(例、メチルスル ニルアミノ等)、C 6-14 アリールスルホニルアミノ(例、フェニルス ホニルアミノ等)、C 1-6 アルキル-カルボニルオキシ(例、アセトキシ )、C 6-14 アリール-カルボニルオキシ(例、ベンゾイル キシ等)、C 1-6 アルコキシ-カルボニルオキシ(例、メトキシ ルボニルオキシ等)、モノ-C 1-6 アルキル-カルバモイルオキシ(例、メチルカ バモイルオキシ等)、ジ-C 1-6 アルキル-カルバモイルオキシ(例、ジメチル ルバモイルオキシ等)、C 6-14 アリール-カルバモイルオキシ(例、フェニル ルバモイルオキシ等)、ニコチノイルオキシ 、置換基を有していてもよい5ないし7員飽和 状アミノ、5ないし10員芳香族複素環基(例、 2-チエニル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリ ル、2-キノリル、4-キノリル、8-キノリル、4 -イソキノリル、1-インドリル、3-インドリル 2-ベンゾチアゾリル、2-ベンゾ[b]チエニル、 2-ベンゾ[b]フラニル、3-ベンゾ[b]フラニル等) スルホ、スルファモイル、スルフィナモイ 、スルフェナモイル等が挙げられる。ここ 挙げられた置換基において「アルキル部」( アルコキシ中のアルキル部を含む)、「アル レン部」、「アルケニル部」、「アルキニ 部」、「アリール部」、及び「複素環部」 、任意に、1個又はそれ以上の置換基で置換 れていてもよく、その場合の置換基として 上記で説明したような基であってよい。上 「置換基」の説明で「置換基を有していて よい」場合の置換基は、同様に、上記で説 したような基である。

 「R 5 とR 7 あるいはR 6 とR 8 で環を形成」の場合の「環」としては、R 5 やR 7 が結合している窒素原子、あるいは、R 6 やR 8 が結合している窒素原子、と一緒になり、さ らに酸素原子、窒素原子及び/又は硫黄原子 任意に1個又はそれ以上含んでいてよい炭素 により形成される5~7員環であってよく、例 ば、イミダゾリン環、ベンゾイミダゾリン 、ヒドロピリミジン環などであってよい。 R 5 とR 6 あるいはR 7 とR 8 で環を形成」の場合の「環」としては、R 5 やR 6 が結合している窒素原子、あるいは、R 7 やR 8 が結合している窒素原子、と一緒になり、さ らに酸素原子、窒素原子及び/又は硫黄原子 任意に1個又はそれ以上含んでいてよい炭素 により形成される5~7員環であってよく、例 ば、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラ ン環、モルホリン環、チオモルホリン環な であってよい。Xはハロゲン原子で、例えば 、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などであ る。
 Y - は、陰イオンであれば特に限定されるもので はないが、適当なYとしては、例えば、塩素 子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン 子、OH、BF 4 、PF 6 などが挙げられる。

 該ハロホルムアミジニウム誘導体(2)は、 応する尿素誘導体を適当なハロゲン化剤、 えば、クロル化剤などで処理することによ 得られる。該ハロゲン化剤としては、例え 、ホスゲン、塩化オキザリル、五塩化リン 三塩化リン、オキシ塩化リン、それらに相 する臭化物などが挙げられる。化合物(2)の 体例としては、2-クロロ-1,3-ジメチルイミダ ゾリニウムクロライド(2-chloro-1,3-dimethylimidazol inium chloride; DMC)

、2-クロロ-1,3-ジメチルイミダゾリニウムヘ サフルオロフォスフェート、N,N,N',N'-テトラ チルクロロフォルムアミジニウムクロライ (N,N,N',N'-tetramethylchloroformamidinium chloride)、ク ロロ-N,N,N',N'-ビス(テトラメチレン)フォルム ミジニウムヘキサフルオロフォスフェート(c hloro- N,N,N',N'-bis(tetramethylene)formamidinium hexafluo rophosphate)、2-クロロ-1,3-ジメチル-3,4,5,6-テト ヒドロ-2(1H)-ピリミジニウムクロリドなどが げられる。

 化合物(2)を使用しての化合物(3)の合成反 は、当該反応に悪影響を与えない限り、当 分野で知られた溶媒などの媒体中で行うこ ができる。当該反応は、無溶媒(反応原料が 溶媒を兼ねる場合を含んでよい)中又は反応 不活性な溶媒存在下にて行うのが有利であ 。該溶媒は、反応が進行する限り特に限定 れないが、好適には水性溶媒を使用でき、 えば、水、メタノール、エタノール、n-プロ パノール、イソプロパノール、シクロヘキサ ノール、フルフリルアルコール、エチレング リコール、ベンジルアルコールなどのアルコ ール類、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、 オキサン、テトラヒドロフルフリルアルコ ル、ジエチレングリコール、シクロヘキシ メチルエーテル、メチルセロソルブ、セロ ルブ、ブチルセロソルブ、メチルtert-ブタ ール等のエーテル類、例えば、メチルエチ ケトン、フルフラール、メチルイソブチル トン、メシチルオキシド、ジアセトンアル ール、シクロヘキサノン等のケトン類、例 ば、アセトニトリル、ベンゾニトリル等の トリル類、例えば、ジメチルスルホキシド(D MSO)、スルホラン等のスルホキシド類、例え 、ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド( DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド類 例えば、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸エ ル、酢酸ブチル、酢酸メトキシブチル、酢 セロソルブ、炭酸ジエチル、炭酸グリコー 等のエステル類、例えば、ギ酸、酢酸、プ ピオン酸、無水酢酸等の有機酸類、ヘキサ チルホスホロトリアミド、ピリジン、キノ ン等の複素環化合物、アニリン、N-メチル ニリン等の芳香族アミン類、ニトロ化合物 が挙げられる。これらの溶媒は単独で用い こともできるし、また必要に応じて二種又 それ以上の多種類を適当な割合、例えば、1: 1~1:1000の割合で混合して用いてもよい。

 当該反応の反応媒体は水ならびに通常使用 れる有機溶媒が利用可能であるが、水また 水を含む有機溶媒が好ましく、アミンを有 る塩溶液がより好ましい。また、緩衝能を する塩水溶液を使用することもできる。緩 剤としては、当該反応に悪影響を与えない り、当該分野で知られたものの中から選択 ることができる。
 典型的な場合、当該アミン溶液が示す水素 オン濃度pHは1.0~13であって、より好ましく 7.5~11の範囲である。また、反応温度は、好 しくは-80℃~80℃であって、より好ましくは0 ~40℃の範囲で実施することが望まれる。反 時間は、特に限定されず、所望の生成物が られる限り、適宜適切な時間とすることが きるが、例えば、1分間~24時間であってよく 、通常は、15分間~5時間であってよく、代表 な場合には、15分間~2時間が挙げられる。脱 縮合剤の量は特に制限は無いが、用いる糖 対して1当量~5当量で行うことが望ましい。 ミンの濃度は用いる脱水縮合剤に対して0.1 量~100当量までであって、より好ましくは1 量~4当量で実施することが望ましい。添加す る糖の濃度は好ましくは0.1mM~5Mであって、よ 好ましくは10mM~1Mで実施することが望まれる 。
 該アミンとしては、第一級アミン、第二級 ミン、第三級アミン、第四級アミンのいず であってもよいが、例えば、脂肪族炭化水 残基、芳香族炭化水素残基、複素環残基な を有するものが挙げられ、該脂肪族炭化水 残基としては、直鎖であっても分岐鎖のも であってよく、飽和又は不飽和のものであ てよく、例えば、アルキル基、アルケニル 、シクロアルキル基、アラルキル基、シク アルキルアルキル基などが挙げられ、芳香 炭化水素残基としては、単環式のものある は二環又はそれ以上が縮合したものであっ もよく、例えば、フェニル基、ナフチル基 どが挙げられ、複素環残基としては、硫黄 子、酸素原子、窒素原子からなる群から選 されたものを1個以上有するものであってよ く、ピリジル基、イミダゾリル基、チアゾリ ル基、キノリニル基などが包含されてよく、 当該アミンとしては、ピペリジン、モルホリ ン、チオモルホリン、ピペラジン、ピロリジ ンなども包含されてよい。該アミンの代表的 なものとしては、例えば、トリメチルアミン 、トリエチルアミン、ジエチルメチルアミン 、ジメチルエチルアミン、n-ブチルジメチル ミン、ジイソプロピルエチルアミン、テト メチルエチレンジアミンなどの脂肪族炭化 素残基を有する第三級アミン類又はジアミ 類が挙げられる。

 生成物は反応液のまま、あるいは粗製物と て次の反応に用いることもできるが、常法 従って反応混合物から単離することもでき 濃縮、減圧濃縮、蒸留、分留、溶媒抽出、 性変換、転溶、例えば、高速液体クロマト ラフィー(HPLC)、薄層クロマトグラフィー(TLC )、カラムクロマトグラフィーなどのクロマ グラフィー、結晶化、再結晶等により、単 精製することができる。
 本発明で得られたオキサゾリン誘導体(3)の でも、一般式(4)で表されるオキサゾリン誘 体(式中、R 9 はアルキル基で、R 10 ~R 19 は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、 互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、ア セトアミド基、カルボキシ基、硫酸基、リン 酸基または糖残基及びそれらの修飾物残基か らなる群から選択されたものである、但し、 R 10 ~R 19 のうちの少なくとも一つは、糖残基である) 、新規であり、糖供与体として有用である ここで、置換基R 9 ~R 19 は、R 1 ~R 4 並びに関連して上記で説明したと同様の基で ある。本オキサゾリン誘導体(4)は、糖鎖を付 加した化合物やオリゴ糖鎖を合成する場合の 糖供与体として有用であり、例えば、生理活 性オリゴ糖、ドラックデリバリーシステムの キャリア、界面活性剤、糖鎖医薬、糖ペプチ ド、糖タンパク質、糖鎖高分子などの合成用 など、様々な用途に用いられて有用である。 代表的な一般式(4)のオキサゾリン誘導体とし ては、式中、R 9 はアルキル基で、R 10 ~R 19 は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、 互いに独立に、ヒドロキシ基、アセトアミド 基または糖残基及びそれらの修飾物残基から なる群から選択されたもの、但し、R 10 ~R 19 のうちの少なくとも一つは、糖残基であるも のが挙げられる。

 本発明で得られたオキサゾリン誘導体(3) 、それを糖供与体(ドナー)として使用し、 受容体(アクセプター)存在下に糖転移反応を 行い、糖鎖の導入された有機化合物、すなわ ち、配糖体を合成することができる。当該糖 転移反応は、酵素を使用した手法を好適に使 用できる。当該酵素としては、所要の反応を 行うことができる限り特には限定されないが 、例えば、糖転移反応触媒酵素として知られ たもののうちから選択してそれを使用できる 。当該酵素は、単独で用いることもできるし 、また必要に応じて二種又はそれ以上の多種 類を適当な割合で混合して用いてもよい。糖 転移反応に用いる糖転移反応触媒酵素として は特に制限はないが、代表的な糖転移反応触 媒酵素としては、糖転移酵素、糖加水分解酵 素(又は糖質加水分解酵素)を使用できる。該 キサゾリン誘導体(3)は、糖加水分解酵素を 用して好適に配糖体を与える。

 糖加水分解酵素としては、ヒトを含めた 物、植物、微生物から得られたもの、遺伝 工学的手法で産生されたリコンビナント酵 、変異型酵素、固定化酵素などが包含され 。代表的な糖加水分解酵素としては、キチ ーゼ、変異型キチナーゼ、エンド-β-N-アセ ルグルコサミニダーゼなどのエンドグリコ ダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチ ーゼなどが挙げられる。キチナーゼ及び変 型キチナーゼとしては、Bacillus属菌由来の チナーゼ(chitinases)が包含され、S. Shoda et al ., Helvetica Chemic Acta, Vol. 85, pp.3919-3936 (2002 )に開示されているものが挙げられ、例えば Bacillus circulans WL-12由来のキチナーゼA1及び の変異型キチナーゼ、すなわち、E204Q, D202N , D200N, Y279F, D280N, W433Fなどであってよい。 ンドグリコシダーゼ(endoglycosidases)としては 代表的には、エンド-β-N-アセチルグルコサ ニダーゼ(endo-β-N-acetylglucosaminidases)が挙げら れ、例えば、Mucor hiemalis由来のエンド-β-N-ア セチルグルコサミニダーゼM(endo-β-N-acetylglucos aminidase M; Endo M) (Yamamoto, K. et al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 203, pp.244-252 (1994))、Arthr obacter protophormiae由来のエンド-β-N-アセチル ルコサミニダーゼA(endo-β-N-acetylglucosaminidase  A; Endo A) (Takegawa, K. et al., Biochem. Int., 24,  pp.849-855 (1991))などが包含される。ヒアルロ ニダーゼとしては、哺乳動物由来のもの、例 えば、高等動物の睾丸、精液、皮膚、脾臓か ら得られたもの、ヒル、ハチ毒液、蛇毒から 得られたもの、肺炎球菌、連鎖球菌、ブドウ 球菌、ガス壊疽菌などの微生物から得られた ものであってもよく、代表的には、牛精巣ヒ アルロニダーゼ、羊精巣ヒアルロニダーゼな どが挙げられる。コンドロイチナーゼとして は、例えば、Flavobacterium heparinum由来のもの Proteus vulgaris由来のもの、Arthrobacter aurescens 来のものなどが挙げられ、Chondroitinase ABC ( Proteus vulgaris), Chondroitinase AC II Arthro (Arthro bacter aurescens), Chondroitinase B (Flavobacterium hep arinum)(生化学工業)などを市場から入手できる 。

 該酵素は、そのままか、或いは固定化し 形で使用することができる。固定化は、当 者に周知の方法(例えば、架橋法、物理的吸 着法、包括法等)で行い得る。固定化担体と ては、一般に用いられているものであれば れでもよく、例えば、セルロース、アガロ ス、デキストラン、κ-カラギナン、アルギ 酸、ゼラチン、酢酸セルロース等の多糖類; えばグルテン等の天然高分子;例えば活性炭 、ガラス、白土、カオリナイト、アルミナ、 シリカゲル、ベントナイト、ヒドロキシアパ タイト、リン酸カルシウム等の無機物;ポリ クリルアミド、ポリビニルアルコール、ポ プロピレングリコール、ウレタン等の合成 分子などが挙げられる。該担体は、交差結 型のもの、ジエチルアミノエチル基、カル キシメチル基などのイオン交換型の基を結 せしめてあるもの、BrCN処理、エポキシ化、N -ヒドロキシコハク酸イミド化などの手法で め活性化されているものなども包含されて く、さらに、酵素の固定化及びリガンドの 定化用に市販されているものの中から選択 て使用することもできる。また、酵素を産 する微生物を使用してもよいが、その場合 体は、マイクロカプセルに封入した形で使 することもでき、固定化菌体も使用でき、 該分野で知られた方法から適宜選択して使 できる。

 本発明に係る配糖化反応の方法としては 前記糖供与体のオキサゾリン誘導体(3)を糖 容体存在下、糖加水分解酵素などの糖転移 応を触媒する酵素を作用させて、配糖体を 成する方法であれば特に限定されず、原料 合物の水溶液に、酵素を含有する緩衝液ま は水溶液を混合することで反応を開始する 反応は、通常、水中、或いは水と水混和性 有機溶媒との混合系、さらには、水に実質 に不溶性ないし難溶解性の有機溶媒と水と 液体二相系で行うことができるが、一般的 は水性系で行うことが好ましい。また、出 原料は、必要に応じて、適当な有機溶媒、 えばエタノール、メタノール、ジオキサン ジメチルスルホキシド等に溶解した後に、 溶解液を水性溶液にして用いることもでき 。また、反応条件は、配糖化生成物の生成 損なわない範囲で選択できる。基質である 供与体並びに糖受容体の濃度は、好ましく 0.001~20%、より好ましくは0.01~10%である。さ に、反応液のpHは、好ましくは5~13、より好 しくは6~10であり、反応温度は好ましくは10~5 0℃、より好ましくは20~40℃である。pHを安定 せるために緩衝液(例えば、リン酸塩緩衝液 、クエン酸塩緩衝液、Tris緩衝液など)を使用 ることもできる。さらに、pHを調節するた に、酸、塩基を使用して調節することもで る。また、反応時間は、1分間~200時間、好ま しくは20分間~150時間であるが、それぞれの酵 素濃度や使用糖供与体並びに糖受容体により 適宜決められるべきである。

 酵素産生生物(例えば、形質転換体など) 使用する場合、反応をより効率的に進行さ るために、グルコースなどの糖類、酢酸な の有機酸、エタノール、グリセロールなど エネルギー物質を添加することができる。 れらは、各々単独で用いてもよく、それら 混合物の形態で用いてもよい。添加量は、 質に対して好ましくは100分の1~10倍量である さらに、グルコースなどの糖類、酢酸など 有機酸、グリセロールなどのエネルギー物 、補酵素、補酵素再生酵素および補酵素再 酵素の基質をそれぞれ組み合わせて用いて よい。これらは、本来、菌体中に蓄積され いるが、必要に応じてこれら物質を添加す ことにより、反応速度、収率等を上昇させ ことができる場合があり、適宜選択され得 。必要に応じて反応系内には、基質、当該 素、酵素産生微生物の菌体、その培養物、 れらの処理物並びに抽出物から成る群から ばれたもの、さらにはその他のものを、逐 添加したり、連続的に添加することも可能 ある。生成物を連続的に取り出しながら反 を行うことにより、反応速度を高めること どもできる。

 反応はバッチ式又は連続方式で行いうる 、膜リアクターなども使用できる。反応に って生成した配糖体は、慣用の分離精製手 によって単離精製できる。例えば、反応液 ら直接または、菌体を使用した場合には菌 を分離した後、膜分離、有機溶媒(例えば、 トルエン、クロロホルムなど)による抽出、 縮、減圧濃縮、蒸溜、分留、晶析、再結晶 高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、薄層ク マトグラフィー(TLC)、カラムクロマトグラフ ィーなどの通常の精製方法に供することがで きる。例えば、反応終了後、酢酸ブチル、酢 酸エチル、トルエン、クロロホルム等の有機 溶媒で反応液から生成物を抽出し、溶媒を留 去することにより粗生成物を得ることができ る。該粗生成物は、それをそのまま使用して もよいが、必要によりシリカゲルカラムクロ マトグラフィー等の手段により精製した後、 さらにセルロース誘導体等の担体(光学活性 体を含む)を使用した高速液体クロマトグラ ィー等の手段により精製してもよい。酵素 反応溶液と接触させることにより、目的と る酵素反応を行わせることができるが、酵 と反応溶液の接触形態はこれらの具体例に 定されるものではない。反応溶液は、基質 酵素反応に必要なものを、酵素活性の発現 望ましい環境を与える適当な溶媒に溶解し ものである。

 本配糖化反応で、酵素と、糖供与体及び糖 容体を含有する基質溶液とは、回分法、あ いは連続法で接触せしめてその配糖化反応 せることができ、工業的に実施するに適し 方法を適宜選択して行うことができる。該 受容体と該糖供与体とを併せた基質濃度は 約 1~50 w/v% が適している。より好適な態 では、オキサゾリン誘導体(3)の濃度が、約  5~20 w/v% 、そして糖受容体の濃度が、約 0.00 1~0.4 mol/L である。基質溶液に、酵素を安定 するのに有用な金属塩などを添加しておく ともできる。
 上記配糖化反応条件としては、酵素が安定 、しかも充分に作用し得る条件、例えば pH  約 3~10、より好ましくは pH 約 5~10、温度  20 ~80℃、より好ましくは約 30 ~70℃の範 で選ばれる。キチナーゼA1及びその変異型 チナーゼ、Endo A 、Endo Mなどでは、その酵 が安定であるpHを採用でき、例えば pH 約4~ 7、望ましくはpH 5.5~6であり、温度は、例え 50℃以下の温度、好ましくは37℃付近で配糖 を行えば良い。

 本発明の好ましい実施態様に従うと、バ オリアクターは、酵素担持された担体が反 させるべき流体と接触できるようにする装 を有しているものである。有利には、該装 は、撹拌型リアクター、バスケット型リア ター、流動床式リアクター、バックベッド リアクター、フィルター式リアクターなど ら選ばれたものである。ごく一般的な固定 酵素の使用形式としては、充填カラムによ 連続式のものでも、あるいは固定化酵素の 収が容易なバッチ式でもよい。バイオリア ターは、同様にして、1本のカラムあるいは 有利には複数のカラムを有する装置で構成さ れていてよい。処理されるべき基質は、好ま しくは、カラムの中を重力の働く方向に流れ るものである。バイオリアクターの別の有利 な実施態様としては、該装置に加えて、処理 すべき基質の入った槽、バイオリアクターか らの流出物を後処理するための後処理槽、及 び生成物の貯蔵用槽を含むものである。

 本発明の実施態様では、得られた配糖化さ た配糖体生成物を液体クロマトグラフィー より所望のグルコシド含有配糖体に分離及 /又は精製することを特徴とする方法も構築 できる。また、液体クロマトグラフィーでは 、ODS 逆相カラムを使用して、効率良く且つ 業的に有利に所望製品を取得することがで る。
 糖受容体としては、当該分野で知られたも が使用でき、適宜、適切なものを選択して 用できる。該糖受容体としては、当該物質 起源、由来によって特に限定されることな 、天然から得られるもの、遺伝子工学的に 物細胞、植物細胞、微生物などにより合成 たもの、酵素的に製造されたもの、醗酵に り製造されたもの、あるいは人工的に化学 成されたものなどが包含されてよい。それ は、タンパク質、ペプチド、脂質、糖又は 質、有機化合物、天然又は合成高分子化合 など、さらには、糖タンパク質、糖ペプチ 、糖脂質などを含めたものが挙げられる。 受容体は、単独の物質であっても、混合物 あってもよい。
 得られた配糖体、すなわち、糖鎖を付加し 化合物やオリゴ糖は、例えば、生理活性オ ゴ糖、ドラックデリバリーシステムのキャ ア、界面活性剤、糖鎖医薬、糖ペプチド、 タンパク質、糖鎖高分子など、様々な用途 用いられて有用である。生成物配糖体は、 胞認識、免疫、細胞分化、細胞移動、受精 成熟、組織形態形成、炎症、創傷治癒、ガ 転移、腫瘍化などの研究に有用である。
 本発明の技術を使用して、高度にregioselectiv e and/or stereoselective配糖化を行うことができ また、長い糖鎖にも適用できることから、 糖化のバライエティを高めることが可能で り、新たなオリゴ糖鎖及び/又はポリ糖鎖(ol igosaccharides and/or polysaccharides)をペプチド、 ンパク質、脂質、糖質などに導入すること 可能にする。本発明技術で、構造の明らか されているオリゴ糖鎖などを使用して糖供 体である糖オキサゾリン誘導体及び配糖体 合成できるので、医薬、農薬、化粧品など 様々な分野での応用に利点がある。本発明 、糖鎖マイクロアレイ(糖鎖チップ)の作製技 術が提供できる。
 以下に実施例を掲げ、本発明を具体的に説 するが、この実施例は単に本発明の説明の め、その具体的な態様の参考のために提供 れているものである。これらの例示は本発 の特定の具体的な態様を説明するためのも であるが、本願で開示する発明の範囲を限 したり、あるいは制限することを表すもの はない。本発明では、本明細書の思想に基 く様々な実施形態が可能であることは理解 れるべきである。
 全ての実施例は、他に詳細に記載するもの 外は、標準的な技術を用いて実施したもの 又は実施することのできるものであり、こ は当業者にとり周知で慣用的なものである

 2-クロロ-1,3-ジメチルイミダゾリニウムク ロリド83.9mg(0.496mmol)に対し、N-アセチルグル サミン27.7mg(0.125mmol)、トリエチルアミン208μl (1.50mmol)、及び重水500μlを加え、室温で1時間 拌せしめた。この反応液をNMRで分析したと ろ、下記式で表されるN-アセチルグルコサ ンのオキサゾリン誘導体が得られており、 の収率は83%であった。

 目的物の収率は反応液に標準物質としてベ ゼンスルホン酸ナトリウムを添加し、 1 H NMRスペクトルの積分比から算出した。目的 物を含む反応液の 1 H NMRスペクトルを図1、 13 C NMRスペクトルを図2に、それぞれ示す。

 2-クロロ-1,3-ジメチルイミダゾリニウムク ロリド41.6mg(0.246mmol)に対し、N-アセチルマン サミン5.5mg(24.9μmol)、トリエチルアミン104μl( 0.750mmol)、及び重水500μlを加え、室温で1時間 拌せしめた。この反応液をNMRで分析したと ろ、下記式で表されるN-アセチルマンノサ ンのオキサゾリン誘導体が得られており、 の収率は76%であった。

 目的物の収率は反応液に標準物質としてベ ゼンスルホン酸ナトリウムを添加し、 1 H NMRスペクトルの積分比から算出した。目的 物を含む反応液の 1 H NMRスペクトルを図3、 13 C NMRスペクトルを図4に、それぞれ示す。

 2-クロロ-1,3-ジメチルイミダゾリニウムク ロリド42.2mg(0.250mmol)に対し、N,N'-ジアセチル トビオース10.4mg(24.5μmol)、トリエチルアミン 104μl(0.750mmol)、及び重水500μlを加え、室温で1 時間撹拌せしめた。この反応液をNMRで分析し たところ、下記式で表されるN,N'-ジアセチル トビオースのオキサゾリン誘導体が得られ おり、その収率は77%であった。

 目的物の収率は反応液に標準物質としてベ ゼンスルホン酸ナトリウムを添加し、 1 H NMRスペクトルの積分比から算出した。目的 物を含む反応液の 1 H NMRスペクトルを図5、 13 C NMRスペクトルを図6に、それぞれ示す。

 2-クロロ-1,3-ジメチルイミダゾリニウムク ロリド42.5mg(0.251mmol)に対し、N-アセチルラク サミン9.8mg(25.6μmol)、トリエチルアミン104μl( 0.750mmol)、及び重水500μlを加え、室温で1時間 拌せしめた。この反応液をNMRで分析したと ろ、下記式で表されるN-アセチルラクトサ ンのオキサゾリン誘導体が得られており、 の収率は90%であった。

 目的物の収率は反応液に標準物質としてベ ゼンスルホン酸ナトリウムを添加し、 1 H NMRスペクトルの積分比から算出した。目的 物を含む反応液の 1 H NMRスペクトルを図7、 13 C NMRスペクトルを図8に、それぞれ示す。 13 C NMRスペクトルでは原料のN-アセチルラクト ミンに含まれているエタノール由来のピー が確認できるが、反応には全く関与してい い。

 2-クロロ-1,3-ジメチルイミダゾリニウムク ロリド12.2mg(72.2μmol)に対し、N,N',N''-トリアセ ルキトトリオース3.1mg(4.9μmol)、トリエチル ミン31.0μl(0.224mmol)、及び重水500μlを加え、 温で1時間撹拌せしめた。この反応液をNMRで 分析したところ、下記式で表されるN,N',N''-ト リアセチルキトトリオースのオキサゾリン誘 導体が得られており、その収率は75%であった 。

 目的物の収率は反応液に標準物質としてベ ゼンスルホン酸ナトリウムを添加し、 1 H NMRスペクトルの積分比から算出した。目的 物を含む反応液の 1 H NMRスペクトルを図9に示す。

 2-クロロ-1,3-ジメチルイミダゾリニウムク ロリド13.8mg(81.6μmol)に対し、N,N',N'',N'''-テト アセチルキトテトラオース4.2mg(5.06μmol)、ト エチルアミン31.0μl(0.224mmol)、及び重水500μl 加え、室温で1時間撹拌せしめた。この反応 液をNMRで分析したところ、下記式で表される N,N',N'',N'''-テトラアセチルキトテトラオース オキサゾリン誘導体が得られており、その 率は83%であった。

 目的物の収率は反応液に標準物質としてベ ゼンスルホン酸ナトリウムを添加し、 1 H NMRスペクトルの積分比から算出した。目的 物を含む反応液の 1 H NMRスペクトルを図10に示す。

 2-クロロ-1,3-ジメチルイミダゾリニウムク ロリド13.7mg(81.0μmol)に対し、N,N',N'',N''',N''''- ンタアセチルキトペンタオース5.2mg(4.93μmol) トリエチルアミン31.0μl(0.224mmol)、及び重水5 00μlを加え、室温で1時間撹拌せしめた。この 反応液をNMRで分析したところ、下記式で表さ れるN,N',N'',N''',N''''-ペンタアセチルキトペン オースのオキサゾリン誘導体が得られてお 、その収率は69%であった。

 目的物の収率は反応液に標準物質としてベ ゼンスルホン酸ナトリウムを添加し、 1 H NMRスペクトルの積分比から算出した。目的 物を含む反応液の 1 H NMRスペクトルを図11に示す。

 2-クロロ-1,3-ジメチルイミダゾリニウムクロ リド45.2mg(0.267mmol)に対し、N,N'-ジアセチルキ ビオース26.4mg(62.2μmol)、トリエチルアミン104 μl(0.750mmol)、及び水250μlを加え、0℃で1時間 拌せしめた。次いで、得られた反応液を用 て、以下の条件で高速液体クロマトグラフ ーを行い、目的物の画分を回収した。
カラム:「Inertsil ODS-3(10.0×250mm)」(商品名、GL Sciences社製)
溶媒:水100%
温度:30℃
流速:4.8ml/min
検出器:UV(214nm)
 そして、得られた画分の凍結乾燥を行い、 記式で表されるN,N'-ジアセチルキトビオー のオキサゾリン誘導体23.3mgを得た。収率は92 %であった。

 なお、上記のN,N'-ジアセチルキトビオース オキサゾリン誘導体は 1 H NMRにより、その構造を確認した。

 2-クロロ-1,3-ジメチルイミダゾリニウムク ロリド16.6mg(98.2μmol)に対し、高マンノース型 鎖10.2mg、トリエチルアミン40.4μl(0.291mmol)、 び重水194μlを加え、0℃で1時間攪拌せしめ 。この反応液をNMRで分析したところ、高マ ノース型糖鎖のオキサゾリン誘導体が得ら ており、その収率は64%であった。目的物の 表的な構造を下記式に表す。

 目的物の収率は 1 H NMRスペクトルの積分比から算出した。目的 物を含む反応液の 1 H NMRスペクトルを図12に示す。高マンノース 糖鎖は卵白アルブミンを原料としてArthrobact er protophormiae由来Endo-β-N-アセチルグルコサミ ニダーゼ処理により得られる糖鎖をゲル濾過 カラムクロマトグラフィーを用いて精製した ものを使用した。

 2-クロロ-1,3-ジメチルイミダゾリニウムク ロリド17.6mg(0.104mmol)に対し、シアロ複合型糖 20.0mg(9.9 μmol)、トリエチルアミン42.0μl(0.303 mmol)、及び重水200μlを加え、0℃で1時間攪拌 しめた。この反応液をNMRで分析したところ 下記式で表されるシアロ複合型糖鎖のオキ ゾリン誘導体が得られており、その収率は92 %であった。

 目的物の収率は 1 H NMRスペクトルの積分比から算出した。目的 物を含む反応液の 1 H NMRスペクトルを図13に示す。シアロ複合型 鎖はFmoc-アスパラギンに結合した糖鎖を原 として、Mucor hiemalis由来Endo-β-N-アセチルグ コサミニダーゼ処理により得られる糖鎖を 高速液体クロマトグラフィーを用いて精製 たものを使用した。
 同様にして、他のシアロ複合型糖のオキサ リン誘導体を合成できる。シアロ複合型糖 は、非還元末端にシアル酸を二個有するオ ゴ糖で、糖鎖チップの作成などさまざな目 に利用できる。本発明の方法によれば、シ ル酸部分に存在するカルボン酸があっても それを保護することなく、オキサゾリン化 ほぼ定量的に進行することが示された。

 2-クロロ-1,3-ジメチルイミダゾリニウムク ロリド63.4mg(0.375mmol)に対し、N-アセチルグル サミン27.7mg(0.125mmol)、トリエチルアミン156μl (1.13mmol)、及び重水500μlを加え、0℃で15分間 拌せしめた。この反応液をNMRで分析したと ろ、下記式で表されるN-アセチルグルコサミ ンのオキサゾリン誘導体が得られており、そ の収率は90%であった。

 目的物の収率は反応液に標準物質としてベ ゼンスルホン酸ナトリウムを添加し、 1 H NMRスペクトルの積分比から算出した。目的 物を含む反応液の 1 H NMRスペクトルを図14に示す。

 2-クロロ-1,3-ジメチルイミダゾリニウムク ロリド63.4mg(0.375mmol)に対し、N-アセチルグル サミン27.7mg(0.125mmol)、4.3Mトリメチルアミン 溶液262μl(1.13mmol)、及び重水238μlを加え、0℃ で15分間攪拌せしめた。この反応液をNMRで分 したところ、下記式で表されるN-アセチル ルコサミンのオキサゾリン誘導体が得られ おり、その収率は74%であった。

 目的物の収率は反応液に標準物質としてベ ゼンスルホン酸ナトリウムを添加し、 1 H NMRスペクトルの積分比から算出した。目的 物を含む反応液の 1 H NMRスペクトルを図15に示す。

 2-クロロ-1,3-ジメチルイミダゾリニウムク ロリド63.4mg(0.375mmol)に対し、N-アセチルグル サミン27.7mg(0.125mmol)、N,N-ジメチルエチルア ン121μl(1.13mmol)、及び重水500μlを加え、0℃で 15分間攪拌せしめた。この反応液をNMRで分析 たところ、下記式で表されるN-アセチルグ コサミンのオキサゾリン誘導体が得られて り、その収率は72%であった。

 目的物の収率は反応液に標準物質としてベ ゼンスルホン酸ナトリウムを添加し、 1 H NMRスペクトルの積分比から算出した。目的 物を含む反応液の 1 H NMRスペクトルを図16に示す。

 2-クロロ-1,3-ジメチルイミダゾリニウムク ロリド63.4mg(0.375mmol)に対し、N-アセチルグル サミン27.7mg(0.125mmol)、N-n-ブチルジメチルア ン158μl(1.13mmol)、及び重水500μlを加え、0℃で 15分間攪拌せしめた。この反応液をNMRで分析 たところ、下記式で表されるN-アセチルグ コサミンのオキサゾリン誘導体が得られて り、その収率は78%であった。

 目的物の収率は反応液に標準物質としてベ ゼンスルホン酸ナトリウムを添加し、 1 H NMRスペクトルの積分比から算出した。目的 物を含む反応液の 1 H NMRスペクトルを図17に示す。

 2-クロロ-1,3-ジメチルイミダゾリニウムク ロリド63.4mg(0.375mmol)に対し、N-アセチルグル サミン27.7mg(0.125mmol)、N,N-ジイソプロピルエ ルアミン192μl(1.13mmol)、及び重水500μlを加え 0℃で15分間攪拌せしめた。この反応液をNMR 分析したところ、下記式で表されるN-アセ ルグルコサミンのオキサゾリン誘導体が得 れており、その収率は61%であった。

 目的物の収率は反応液に標準物質としてベ ゼンスルホン酸ナトリウムを添加し、 1 H NMRスペクトルの積分比から算出した。目的 物を含む反応液の 1 H NMRスペクトルを図18に示す。

 2-クロロ-1,3-ジメチルイミダゾリニウムク ロリド63.4mg(0.375mmol)に対し、N-アセチルグル サミン27.7mg(0.125mmol)、N,N,N',N'-テトラメチル チレンジアミン173μl(1.13mmol)、及び重水500μl 加え、0℃で15分間攪拌せしめた。この反応 をNMRで分析したところ、下記式で表されるN -アセチルグルコサミンのオキサゾリン誘導 が得られており、その収率は45%であった。

 目的物の収率は反応液に標準物質としてベ ゼンスルホン酸ナトリウムを添加し、 1 H NMRスペクトルの積分比から算出した。目的 物を含む反応液の 1 H NMRスペクトルを図19に示す。
〔比較例1〕

 1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカ ボジイミド塩酸塩335mg(1.75mmol)に対し、N-アセ チルグルコサミン55mg(0.25mmol)、トリエチルア ン35μl(0.25mmol)、重水500μlを加え、4℃で4日 攪拌せしめた。この反応液をNMRで分析した ころ、目的物の2-メチル(1,2-ジデオキシ-α-D- ルコピラノ)[2,1-d]-2-オキサゾリンの収率は37 %であった。目的物の収率は反応液に標準物 として安息香酸ナトリウムを添加し、 1 H NMRスペクトルの積分比から算出した。1-[3-( ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジ ミド塩酸塩は次なる化学構造式を有してい 。

〔比較例2〕

 4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4- チルモルホリニウムクロリド水和物37.0mg(0.1 34mmol)に対し、N-アセチルグルコサミン5.6mg(25. 3μmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン21.8μl (0.125mmol)、重水500μlを加え、室温で6時間攪拌 せしめた。この反応液をNMRで分析したところ 、目的物の2-メチル(1,2-ジデオキシ-α-D-グル ピラノ)[2,1-d]-2-オキサゾリンの収率は33%であ った。目的物の収率は反応液に標準物質とし て安息香酸ナトリウムを添加し、 1 H NMRスペクトルの積分比から算出した。4-(4,6 -ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチル モルホリニウムクロリドは次なる化学構造式 を有している。

 4,5-ジヒドロ-2-メチル{1,2-ジデオキシ-4-O-( -D-ガラクトピラノシル)-α-D-グルコピラノシ }[2,1-d]オキサゾール(48 mg, 0.13mmol)とメチル( N-アセチル-β-D-グルコサミド)( GlcNAcβ-OMe; 92m g, 0.39mmol)とを150μlの0.05Mクエン酸塩緩衝液(pH 9.0)に溶解し、得られた混合物に80μlの0.01Mク ン酸塩緩衝液(pH9.0)に溶解したキチナーゼ(Ba cillus sp., 糖供与体オキサゾリン誘導体に対 て10wt%)を加え、混合物を34℃で0.5時間攪拌 た。得られた混合物にTHFを加えて酵素を不 性化し、溶媒を留去し、残留物を水に溶解 、HPLCにかけて分離し、Gal(β1-4)GlcNAc(β1-4)GlcNA cβ-OMeを得た。

 4,5-ジヒドロ-2-メチル{1,2-ジデオキシ-4-O-(β-D -ガラクトピラノシル)-α-D-グルコピラノシル} [2,1-d]オキサゾール(73 mg, 0.2mmol)をマイクロ ューブに入れ、そこにGlcNAcβ-SCH 2 CH 2 CONHCH 2 NHCOCH=CH 2 (26 mg, 66.7mmol)とキチナーゼ(Bacillus sp., 7.3mg,  292mU)の2.0mLの0.05M Tris緩衝液(pH9.0)溶液を添 し、得られた混合物を40℃でインキュベーシ ョン処理した。得られた混合物に過剰量のTHF を加えた後、混合物を90℃で20分間加熱して 素を不活性化し、溶媒を留去し、残留物を に溶解後、分取HPLC(Inertsil-ODS, H 2 O/MeOH, 3.0ml/min)で精製処理し、Gal(β1-4)GlcNAc(β1 -4)GlcNAcβ-SCH 2 CH 2 CONHCH 2 NHCOCH=CH 2 (35 mg, 69%)を得た。

 4,5-ジヒドロ-2-メチル{1,2-ジデオキシ-4-O-(β-D -ガラクトピラノシル)-α-D-グルコピラノシル} [2,1-d]オキサゾール(18 mg, 48μmol)をマイクロ ューブに入れ、そこにGlcNAc(β1-4)GlcNAcβ-SCH 2 CH 2 CONHCH 2 NHCOCH=CH 2 (19 mg, 32μmol)とキチナーゼ(Bacillus sp., 70.4mU) の2.0mLの0.05M炭酸塩緩衝液(pH10.4)溶液を添加し 、得られた混合物を40℃で2時間インキュベー ション処理した。得られた混合物を90℃で20 間加熱して酵素を不活性化し、溶媒を留去 、残留物を水に溶解後、分取HPLC(Inertsil-ODS,  H 2 O/MeOH=900:7, 5.0ml/min)で精製処理し、Gal(β1-4)GlcN Ac(β1-4)GlcNAc(β1-4)GlcNAcβ-SCH 2 CH 2 CONHCH 2 NHCOCH=CH 2 (17 mg, 54%)を得た。
 上記とほぼ同様にして、変異型キチナーゼ エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼM、 及びエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ Aを使用して、糖オキサゾリン誘導体から対 する配糖体を合成できる。

 2-クロロ-1,3-ジメチルイミダゾリニウムクロ リド3.2mg(18.75μmol)に対し、N-アセチルグルコ ミン-6-硫酸ナトリウム塩2.0mg(6.25μmol)、トリ チルアミン7.8μl(56.25μmol)、及び重水50 μlを 加え、0℃で15分攪拌せしめた。この反応液に 重水400 μlを加えてNMRで分析したところ、生 物の2-メチル(1,2-ジデオキシ-α-D-グルコピラ ノ)[2,1-d]-2-オキサゾリン-6-硫酸ナトリウム塩 収率は84%であった。生成物の収率は反応液 標準物質としてベンゼンスルホン酸ナトリ ムを添加し、 1 H NMRスペクトルの積分比から算出した。得ら れた生成物2-メチル(1,2-ジデオキシ-α-D-グル ピラノ)[2,1-d]-2-オキサゾリン-6-硫酸ナトリウ ム塩を含む反応液の 1 H NMRスペクトルを図20に示す。

 2-クロロ-1,3-ジメチルイミダゾリニウムクロ リド3.2mg(18.75μmol)に対し、N-アセチルグルコ ミン-6-リン酸二ナトリウム塩2.2mg(6.25μmol)、 リエチルアミン7.8μl(56.25μmol)、及び重水50  μlを加え、0℃で15分攪拌せしめた。この反応 液に重水400 μlを加えてNMRで分析したところ 生成物の2-メチル(1,2-ジデオキシ-α-D-グルコ ピラノ)[2,1-d]-2-オキサゾリン-6-リン酸二ナト ウム塩の収率は79%であった。生成物の収率 反応液に標準物質としてベンゼンスルホン ナトリウムを添加し、 1 H NMRスペクトルの積分比から算出した。得ら れた生成物2-メチル(1,2-ジデオキシ-α-D-グル ピラノ)[2,1-d]-2-オキサゾリン-6-リン酸二ナト リウム塩を含む反応液の 1 H NMRスペクトルを図21に示す。

 2-クロロ-1,3-ジメチルイミダゾリニウムヘキ サフルオロフォスフェート104.5mg(0.375mmol)に対 し、N-アセチルグルコサミン27.7mg(0.125mmol)、 リエチルアミン156μl(1.125mmol)、及び重水500  lを加え、室温で15分攪拌せしめた。この反 液をNMRで分析したところ、生成物の2-メチル (1,2-ジデオキシ-α-D-グルコピラノ)[2,1-d]-2-オ サゾリンの収率は82%であった。生成物の収 は反応液に標準物質としてベンゼンスルホ 酸ナトリウムを添加し、 1 H NMRスペクトルの積分比から算出した。得ら れた生成物2-メチル(1,2-ジデオキシ-α-D-グル ピラノ)[2,1-d]-2-オキサゾリンを含む反応液の 1 H NMRスペクトルを図22に示す。

 2-クロロ-1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2( 1H)-ピリミジニウムクロリド68.7mg(0.375mmol)に対 し、N-アセチルグルコサミン27.7mg(0.125mmol)、 リエチルアミン156μl(1.125mmol)、及び重水500  lを加え、0℃で3時間攪拌せしめた。この反 液をNMRで分析したところ、生成物の2-メチル (1,2-ジデオキシ-α-D-グルコピラノ)[2,1-d]-2-オ サゾリンの収率は65%であった。生成物の収 は反応液に標準物質としてベンゼンスルホ 酸ナトリウムを添加し、 1 H NMRスペクトルの積分比から算出した。得ら れた生成物2-メチル(1,2-ジデオキシ-α-D-グル ピラノ)[2,1-d]-2-オキサゾリンを含む反応液の 1 H NMRスペクトルを図23に示す。

 2-クロロ-1,3-ジメチルイミダゾリニウムクロ リド5.3mg(31.25μmol)に対し、ヒアルロン酸四糖4 .9mg(6.25μmol)、トリエチルアミン13.9μl(93.75μmol )、及び重水50μlを加え、0℃で30分攪拌せしめ た。この反応液に重水400μlを加えてNMRで分析 したところ、生成物の2-メチル[3-O-[4-O-[3-O-(β- D-グルクロノピラノシル)-2-アセトアミド-2-デ オキシ-β-D-グルコピラノシル]-β-D-グルクロ ピラノシル]-1,2-ジデオキシ-α-D-グルコピラ ][2,1-d]-2-オキサゾリンの収率は定量的(quant.) あった。生成物の収率は反応液のNMR分析に 原料ヒアルロン酸四糖のアノマープロトン ピークが観測されないことから定量的(quant. )とした。得られた生成物2-メチル[3-O-[4-O-[3-O- (β-D-グルクロノピラノシル)-2-アセトアミド-2 -デオキシ-β-D-グルコピラノシル]-β-D-グルク ノピラノシル]-1,2-ジデオキシ-α-D-グルコピ ノ][2,1-d]-2-オキサゾリンを含む反応液の 1 H NMRスペクトルを図24に示す。

 2-クロロ-1,3-ジメチルイミダゾリニウムクロ リド85.8mg(0.508mmol)に対し、下記式(5)で表され オリゴ糖99.2mg、トリエチルアミン0.21ml(1.50mm ol)、及び重水1.0mlを加え、22℃で30分間放置し た。この反応液をNMRで分析したところ、実施 例24と同様にNMR経験則から下記式(6)で表され オキサゾリン誘導体が定量的に得られてい ことを確認した。目的物を含む反応液の 1 H NMRスペクトルを図25に示す。

 2-クロロ-1,3-ジメチルイミダゾリニウムクロ リド84.9mg(0.502mmol)に対し、下記式(7)で表され オリゴ糖95.9mg、トリエチルアミン0.21ml(1.50mm ol)、及び重水1.0mlを加え、22℃で30分間放置し た。この反応液をNMRで分析したところ、実施 例24と同様にNMR経験則から下記式(8)で表され オキサゾリン誘導体が定量的に得られてい ことを確認した。目的物を含む反応液の 1 H NMRスペクトルを図26に示す。

 実施例25の式(6)で表されるオキサゾリン 導体(20mg)を400μlの0.05Mリン酸ナトリウム緩衝 液(pH7.3)に溶解し、得られた混合物にヒアル ニダーゼ(ウシ精巣由来, 700U)を加え、混合 を30℃で1時間、2時間、4時間、6時間又は72時 間放置した。得られた混合物を煮沸して酵素 を不活性化し、水で希釈後、HPLCにかけて分 した。その結果、式(6)で表されるオキサゾ ン誘導体が経時的に重合し伸長することが 認された。

 実施例26の式(8)で表されるオキサゾリン 導体(20mg)を400μlの0.05Mリン酸ナトリウム緩衝 液(pH7.3)に溶解し、得られた混合物にヒアル ニダーゼ(ウシ精巣由来, 700U)を加え、混合 を30℃で1時間、2時間、4時間、6時間又は72時 間放置した。得られた混合物を煮沸して酵素 を不活性化し、水で希釈後、HPLCにかけて分 した。その結果、式(8)で表されるオキサゾ ン誘導体が経時的に重合し伸長することが 認された。

 本発明で無保護糖よりのオキサゾリン誘導 の簡便な製造方法並びにその生成物を使用 た配糖体の製造法が提供されている。本発 では、ホルムアミジン誘導体を脱水縮合剤 して用いて、遊離のヘミアセタール性ヒド キシ基とアミド基を持つ糖のオキサゾリン 導体を水溶液中における一段階の工程で合 し、そして糖質加水分解酵素を使用し、該 キサゾリン誘導体を糖供与体として配糖体 製造している。得られた配糖体、すなわち 糖鎖を付加した化合物やオリゴ糖は、例え 、生理活性オリゴ糖、ドラックデリバリー ステムのキャリア、界面活性剤、糖鎖医薬 糖ペプチド、糖タンパク質、糖鎖高分子な 、様々な用途に用いられて有用であり、ま 、生成物配糖体は、細胞認識、免疫、細胞 化、細胞移動、受精、成熟、組織形態形成 炎症、創傷治癒、ガン転移、腫瘍化などの 究に有用である。
 本発明は、前述の説明及び実施例に特に記 した以外も、実行できることは明らかであ 。上述の教示に鑑みて、本発明の多くの改 及び変形が可能であり、従ってそれらも本 添付の請求の範囲の範囲内のものである。