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Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR THE PRODUCTION OF SYNTHETIC FUEL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/113584
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a method for the production of synthetic fuel from Fischer-Tropsch synthetic crude oil obtained by Fischer-Tropsch synthesis, which includes (a) a process in which synthetic crude oil obtained by Fischer-Tropsch synthesis is fractionally distilled in a refining distillation column into at least two fractions, namely an intermediate fraction which includes the components in the boiling point range corresponding to diesel fuel oil and a wax fraction which includes the wax fraction that is heavier than said intermediate fraction, (b) a process in which the magnetic particles which are included in the wax fraction obtained in process(a) are separated and removed at a treatment temperature from 100 to 450°C by means of a high-gradient magnetic separator, and (c) a process in which the wax fraction from which the magnetic particles have been removed obtained in process (b) is subjected to hydrogenation cracking.

Inventors:
TASAKA KAZUHIKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/054680
Publication Date:
September 17, 2009
Filing Date:
March 11, 2009
Export Citation:
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Assignee:
JAPAN OIL GAS & METALS JOGMEC (JP)
INPEX CORP (JP)
NIPPON OIL CORP (JP)
JAPAN PETROLEUM EXPLORATION CO (JP)
COSMO OIL CO LTD (JP)
NIPPON STEEL ENG CO LTD (JP)
TASAKA KAZUHIKO (JP)
International Classes:
C10G32/02; C10G2/00; C10G47/00; C10G67/02
Foreign References:
JP2007527450A2007-09-27
US4605678A1986-08-12
JPH06200260A1994-07-19
JP2007521376A2007-08-02
JP2004323626A2004-11-18
JPH0770568A1995-03-14
JPH06200260A1994-07-19
Attorney, Agent or Firm:
SHIGA, Masatake et al. (JP)
Masatake Shiga (JP)
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Claims:
 フィッシャー・トロプシュ合成法により得られるフィッシャー・トロプシュ合成粗油から合成燃料を製造する方法において、
(a)フィッシャー・トロプシュ合成法により得られる合成粗油を精留塔で、ディーゼル燃料油に相当する沸点範囲の成分を含む中間留分と、当該中間留分よりも重質なワックス分を含むワックス留分の少なくとも二つの留分に分留する工程、
(b)工程(a)で得られたワックス留分に含まれる磁性粒子を高勾配磁気分離器により処理温度100~450℃で分離除去する工程、
(c)工程(b)で得られた磁性粒子を分離除去したワックス留分を水素化分解する工程、
とを含むことを特徴とする合成燃料の製造方法。
 工程(b)において、前記高勾配磁気分離器内部に生じさせる磁場空間の領域に強磁性充填物を配置し、該磁場空間を生じさせた状態で工程(a)で得られたワックス留分を該磁場空間に導入することにより前記強磁性充填物に磁性粒子を付着させ、次いで該磁場空間を消失させ、かつ前記強磁性充填物が位置する領域に洗浄液を導入することにより該磁性粒子を該高勾配磁気分離器の外部に排出することを特徴とする請求項1に記載の合成燃料の製造方法。
 工程(b)において、高勾配磁気分離器による磁性粒子の分離除去を1500ガウス以上の磁場強度、3秒以上の液滞留時間からなる条件で行なうことを特徴とする請求項1又は2に記載の合成燃料の製造方法。
Description:
合成燃料の製造方法

 本発明は、フィッシャー・トロプシュ合 法(以下、「FT合成法」と略す。)により得ら れるフィッシャー・トロプシュ合成粗油から 合成燃料を製造する方法に関する。詳細には 、該合成燃料の製造方法は、一酸化炭素と水 素を原料としたFT合成法により得られるフィ シャー・トロプシュ合成粗油から分留され ワックス留分に含まれる磁性粒子を、磁気 離器により分離する工程を含む。

 近年、環境負荷低減の観点から、硫黄分及 芳香族炭化水素の含有量が低く、環境にや しいクリーンな液体燃料が求められている そこで、石油業界においては、クリーン燃 の製造方法として、一酸化炭素と水素を原 としたFT合成法が検討されている。FT合成法 によれば、パラフィン含有量に富み、かつ硫 黄分を含まない液体燃料基材、例えばディー ゼル燃料基材を製造することができるため、 その期待は非常に大きい。例えば環境対応燃 料油は特許文献1でも提案されている。

特開2004-323626号公報

 ところで、FT合成法によって得られる合成 油(以下、「FT合成粗油」ということがある )は広い炭素数分布を有しており、このFT合 粗油からは、例えば、沸点が約150℃未満の 化水素を多く含むFTナフサ留分、沸点が約150 ℃~360℃の成分を多く含むFT中間留分及びこの 中間留分より重質なFTワックス留分を得るこ ができる。
 ここで、FTワックス留分はそれ自体相当量 併産されるので、合成粗油を分留し、ワッ ス留分として取得し、これを水素化分解し 中間留分へ軽質化できれば、ディーゼル燃 等の燃料油の増産につながる。

 一方、一酸化炭素と水素を原料としたFT合 法の触媒は、従来、鉄系の固体触媒が多か たが、近年は高活性なことからコバルト系 固体触媒も開発されている。
ここで、FT合成法の反応形態も固定床、流動 、移動床等あり得るが、いずれにしろ固体 媒である不均一系触媒が使用される。

 上記のように、FT合成法には、いずれに ろ固体触媒である不均一系触媒が使用され 。得られるFT合成粗油は、ろ過処理や静置処 理等により残留触媒の除去処理を常法に従い 施すのであるが、残留触媒を完全にゼロとす ることはコスト的にも不可能で、該FT合成粗 にその量は微量であっても残留触媒が含ま ざるを得ない。

 そして、この残留触媒は、FT合成粗油の分 に際しては、ボトム成分であるワックス留 に濃縮される。
 その結果、たとえ初めのFT合成粗油には僅 な残留濃度であっても、精留塔ボトムに濃 される結果、ワックス留分の水素化分解装 への堆積が懸念され好ましくない。

 本発明者らは、FT合成粗油の残留触媒の 系触媒粒子のほか、コバルト系触媒粒子も た磁性を有する粒子であり、しかも磁気分 が可能であることを見出し、本発明を完成 せた。

 すなわち、本発明の態様は以下に関する。
[1] フィッシャー・トロプシュ合成法により られるフィッシャー・トロプシュ合成粗油 ら合成燃料を製造する方法において、
(a)フィッシャー・トロプシュ合成法により得 られる合成粗油を精留塔で、ディーゼル燃料 油に相当する沸点範囲の成分を含む中間留分 と、当該中間留分よりも重質なワックス分を 含むワックス留分の少なくとも二つの留分に 分留する工程、
(b)工程(a)で得られたワックス留分に含まれる 磁性粒子を高勾配磁気分離器により処理温度 100~450℃で分離除去する工程、
(c)工程(b)で得られた磁性粒子を分離除去した ワックス留分を水素化分解する工程、
とを含むことを特徴とする合成燃料の製造方 法。

[2] 工程(b)において、前記高勾配磁気分離器 部に生じさせる磁場空間の領域に強磁性充 物を配置し、該磁場空間を生じさせた状態 工程(a)で得られたワックス留分を該磁場空 に導入することにより前記強磁性充填物に 性粒子を付着させ、次いで該磁場空間を消 させ、かつ前記強磁性充填物が位置する領 に洗浄液を導入することにより該磁性粒子 該高勾配磁気分離器の外部に排出すること 特徴とする[1]に記載の合成燃料の製造方法
[3] 工程(b)において、高勾配磁気分離器によ 磁性粒子の分離除去を1500ガウス以上の磁場 強度、3秒以上の液滞留時間からなる条件で なうことを特徴とする[1]又は[2]に記載の合 燃料の製造方法。

 本発明によれば、磁性粒子を磁気分離で除 することで水素化分解装置への堆積を防止 き、水素化分解装置において支障の無い運 が可能となる。
 さらに、上記本発明の態様において、磁場 度及び液滞留時間を制御すれば、より効率 に磁性粒子の磁気分離がなされる。

FT合成反応器10、FT合成粗油中の粒子を 離する分離器20、FT合成粗油をナフサ、中間 およびワックス留分に分留する第1精留塔30、 ワックス留分の磁性粒子を除去する高勾配磁 気分離器40、ナフサ留分、中間留分をそれぞ 処理する水素化精製装置54、水素化異性化 置52、磁性粒子が磁気分離されたワックス留 分の水素化分解装置50および第2精留塔60を備 る燃料製造プラントを示す模式図である。 本発明に使用する高勾配磁気分離器40 模式簡略図である。

符号の説明

10  FT合成反応器
20  FT合成粗油の分離器
30  FT合成粗油を分留する第1の精留塔
40  ワックス留分の磁性粒子を除去する高勾 配磁気分離器
50  ワックス留分の水素化分解装置
52  中間留分の水素化異性化装置
54  ナフサ留分の水素化精製装置
60  水素化異性化中間留分とワックス分解留 分を合わせて分留する第2の精留塔
70  ナフサ留分のスタビライザー

 以下に詳細に本発明を説明する。
 以下、図1を参照して本発明の好適な実施形 態について説明する。
 図1に示すように、ライン1から一酸化炭素 ス(CO)と水素ガス(H 2 )を含む合成ガスを供給し、FT合成反応器10に けるFT合成反応により液体炭化水素が生成 れる。合成ガスは、たとえば適宜に炭化水 の改質等により得ることができる。代表的 炭化水素としては、メタンや天然ガス、LNG( 化天然ガス)等を挙げる事ができる。たとえ ば、酸素を用いた部分酸化改質法(POX)、部分 化改質法と水蒸気改質法の組合せである自 熱改質法(ATR)、炭酸ガス改質法などを利用 ることもできる。

 次に、図1を参照してFT合成について説明す 。
 図1に示す燃料製造プラントは、FT合成反応 10を備える。反応器10は、たとえば気泡塔型 反応器とすることができ、これは合成ガスを 合成して液体炭化水素とする反応器の一例で ある。反応器10は、FT合成反応により合成ガ から液体炭化水素を合成するFT合成用反応器 として機能する。

 反応器10本体は、略円筒型の金属製の容器 あって、その直径は1~20m程度、好ましくは2~1 0m程度である。反応器本体の高さは10~50m程度 好ましくは15~45m程度である。反応器本体の 部には、液体炭化水素(FT合成反応の生成物) 中に固体の触媒粒子を懸濁させたスラリーが 収容される。
 この反応器の途中からは、ライン3からスラ リーの一部を分離器20に流出させる。反応器1 0の塔頂からは、ライン2で未反応の合成ガス を排出させ、適宜に一部は反応器に循環さ る。

 外部から合成ガス供給管1を通じて供給さ れた合成ガスは、合成ガス供給口(図示せず) ら、反応器10内部のスラリー中に噴射され 。合成ガスは触媒粒子と接触する接触反応 より、液体炭化水素の合成反応(FT合成反応) 行われる。具体的には、下記化学反応式(1) 示すように水素ガスと一酸化炭素ガスとが 成反応を起こす。

 具体的には、合成ガスを、反応器10の底部 流入し、反応器内に貯留されたスラリー内 上昇させる。この際、反応器内では、上述 たFT合成反応により、当該合成ガスに含まれ る一酸化炭素と水素ガスとが反応して、炭化 水素が生成される。さらに、この合成反応時 には発熱するが、適宜の冷却手段で除熱する ことができる。
 金属触媒は担持型や沈積型等あるが、いず にしろ、鉄族金属を含む固体粒子である。 体粒子中に、金属は適宜の量が含まれるが 固体粒子の100%が金属でも良い。鉄族金属と しては鉄が例示されるほか、高活性な点から 、コバルトが好ましい。

 上記FT合成反応器10に供給される合成ガスの 組成比は、FT合成反応に適した組成比(例えば 、H 2 :CO=2:1(モル比))に調整されている。なお、反 器10に供給される合成ガスは、適宜の圧縮機 (図示せず)により、FT合成反応に適切な圧力( えば3.6MPaG)まで昇圧することができる。た し、上記圧縮機は、設ける必要がない場合 ある。

 かくして反応器10で合成された液体炭化 素は、反応器10の途中のライン3から触媒粒 が懸濁されたスラリーとして反応器10から取 り出されて、分離器20に導入される。分離器2 0では、取り出されたスラリーを、固液分離 段で触媒粒子等の固形分と、液体炭化水素 含んだ液体分とに分離する。この固液分離 段は従来公知の常法により行なうことがで る。たとえば、焼結金属フィルター等の適 のフィルターを用いるろ過器、自然沈降方 の重力沈降分離器、サイクロン、磁気分離 および遠心分離器等を例示できる。

 分離された触媒粒子等の固形分は、可能な ばライン4から反応器10に戻して再使用され 液体成分は生成物として第1精留塔30に供給 れる。
 ここで分離された液体成分の組成は、たと ば、炭素数5以上の炭化水素基準で、沸点が 約150℃以上の炭化水素含有量が84質量%、沸点 が約360℃以上の炭化水素含有量が42質量%であ るような炭化水素として例示され、このほか 少量の含酸素化合物、オレフィン分が含まれ る。前記した固液分離手段により、液体成分 中の残留触媒の量は微量にはなっているが、 触媒粒子が懸濁する反応形態のため、触媒粒 子の衝突による粉砕、摩耗等により発生した 粉体も多く含まれる。

 図1では、FT合成粗油を分留する第1の精留 塔30と、第1の精留塔30で分留されたナフサ留 、中間留分及びワックス留分をそれぞれ処 する、水素化精製装置54、水素化異性化装 52及び水素化分解装置50とを備える。

 第1精留塔30は、上記のようにして反応器1 0から分離器20を介して供給された液体炭化水 素を分留し、最も軽質なナフサ留分(沸点が 150℃未満)と、中間の沸点領域の中間留分(沸 点が約150~350℃)、および最も重質なワックス 分(沸点が約350℃より大)の3留分に分離・精 することができる。図1では、3留分に分け が、ワックス留分と、それ以外の留分の計2 分に分けても良いし、またさらにはワック 留分を含んで3留分以上に分けることも可能 である。

 この第1精留塔30の底部から取り出されるワ クス留分の液体炭化水素(主としてC 21 以上)は、高勾配磁気分離器40に導かれた後、 ワックス留分水素化分解装置50に移送される また、第1精留塔30の中央部からライン32で り出される中間留分の液体炭化水素(主とし C 11 ~C 20 )は、中間留分の水素化異性化装置52に移送さ れる。さらに、第1精留塔40の上部から取り出 されるナフサ留分の液体炭化水素(主としてC 5 ~C 10 )は、ナフサ留分水素化精製装置54に移送され る。

 第1精留塔30のボトムからライン31で流出す ワックス留分(概ねC 21 以上)を高勾配磁気分離器40で処理した後、水 素化分解装置50において、該ワックス留分を 素により水素化分解して、ワックスの炭素 を低減する。すなわち、この水素化分解反 では、触媒により炭化水素のC-C結合を切断 て炭素数のより少ない低分子量の炭化水素 生成する。このワックス留分水素化分解装 50により、水素化分解された液体炭化水素 、第2精留塔60に移送される。

 ここで、たとえ前記固液分離装置(分離器20) によりFT合成粗油からFT合成用触媒が除去さ ていても、第1精留塔下部から流出するワッ ス留分にはFT合成用触媒の残渣が濃縮され おり、水素化分解装置への堆積が懸念され 。このような堆積により、同装置の運転に 障が出る可能性がある。
 一方、FT合成用触媒としての鉄族金属の態 は、鉄にしろコバルトにしろ、一定の磁化 を有し、常磁性を示すこともわかった。し がって、磁気分離による除去が相当程度有 である。
 また、既に所定の固液分離器20により相当 度除去しているので、ここではワックス留 に濃縮されて含まれる磁性粒子を高勾配磁 分離器40により処理温度100~450℃で分離除去 るものである。以下に当該工程を説明する

 本発明で用いる高勾配磁気分離器40とは 外部の電磁コイルにより発生する均一な高 場空間内に強磁性の充填物を配置し、充填 の周囲に生じる通常1~20kガウス/cmの高い磁場 勾配により、充填物の表面に強磁性あるいは 常磁性の粒子物質を付着させてワックス留分 からそれらを分離し、さらに付着した粒子を 洗浄するように設計された磁気分離器である 。たとえば、高勾配磁気分離器としては登録 商標”FEROSEP”等で知られる市販機を使用す ことができる。

 上記強磁性充填物としては、通常1~1000μm 径をもつスチールウールあるいはスチール ットのような強磁性細線の集合体、エキス ンドメタル、貝殻状金属細片を用いること できる。金属としては耐食、耐熱性、強度 優れるステンレススチールが好ましい。

 そのほか、特開平7-70568号公報で提案され ているような、強磁性金属片が二つの面を有 する板状体であって、その二つの面うち面積 が広い方の面の面積が、直径R=0.5~4mmの円の面 積と等しく、かつその板状体の最大厚さdに するRの比(R/d)が5~20の範囲にあり、しかもそ 板状体がFeを主成分とし、Crを5~25wt%、Siを0.5 ~2wt%、Cを2wt%以下の量で含有するFe-Cr系合金か らなる強磁性金属片もまた好ましく利用でき る。

 高勾配磁気分離器40でワックス留分中の 性粒子を分離する工程は、該留分を高勾配 気分離器40の磁場空間内に導入し、磁場空間 内に置かれた強磁性充填物に磁性粒子を付着 させてワックス留分から除去する。次に充填 物に付着した磁性粒子を洗浄除去する工程は 、一定面積の充填物が捕捉する磁性粒子の量 には限界があり、捕捉量が一定量又は限界量 に達したならば捕捉した磁性粒子を充填物か ら洗浄除去する。この洗浄除去工程は、磁場 を断って磁性粒子を脱離させ、これを洗浄液 によって磁気分離器外に排出することによっ て行われる。ワックス留分中に含有される磁 性粒子の磁気分離条件ならびに充填物に捕捉 され付着した磁性粒子の洗浄除去条件を以下 に述べる。

 高勾配磁気分離器40における磁気分離条 に関し、磁場強度は、下記の液滞留時間に じて適宜設定されるものであり、特に限定 れるものではない。しかし、液滞留時間を 縮して迅速かつ効率的に分離処理を行うこ が出来ることから、一般的に、は好ましく 1500ガウス以上、より好ましくは8000ガウス以 上、さらに好ましくは20000ガウス以上、最も ましくは40000ガウス以上である。該磁場強 の上限は、高ければ高いほど良いが、一般 には500000程度での出力が限度である。

 分離器内の液温度(処理温度)は本発明で 100℃以上450℃以下が必要であり、100℃以上40 0℃以下が好ましく、さらに100℃以上300℃以 が好ましく、100℃以上200℃以下がさらによ 好ましい。

 液滞留時間(滞留時間)は、上記磁場強度に じて設定されるべきものであることから、 に限定されるものではない。該液滞留時間 、例えば3秒以上とすればよく、好ましくは1 0秒以上、より好ましくは50秒以上とすること ができる。なお、該液滞留時間の上限は、目 的とする磁性粒子の除去率(質量%)に達した時 点とすることができる。一般的には、その上 限は、例えば5分程度とすることができる。
 なお、本発明において「液滞留時間」とは 磁場を印加する充填槽の体積を、充填槽に 入される液(すなわち磁性粒子を含むワック ス留分)の流入量で除することで得られる時 を意味し、以下のような式で表される。
液滞留時間(秒)=磁場を印加する充填槽の体積 (L)/磁性粒子を含むワックス留分の流入量(L/ )

 次に、磁性粒子の磁気分離操作を継続す と、充填物に捕捉された磁性粒子の量の増 につれて除去率が低下する。従って十分な 去率を維持するためには、一定時間通油し 後、捕捉された磁性粒子を磁気分離器外へ 出する洗浄除去工程が必要となる。工業上 運転では、この洗浄除去工程中、磁性粒子 有原料留分は高勾配磁気分離器40をバイパ してもよいが、洗浄に要する時間が長いと 性粒子の水素化処理装置への流入量が多く り、除去率が低下することになるので、必 に応じ切替用の予備分離器(図示せず)を設け てもよい。

 本発明の洗浄除去工程においては、磁気 離処理後の処理油、あるいは磁気分離処理 に水素化分解したワックス分解生成油を洗 液として利用することができる。

 本発明の洗浄除去工程は、充填物周囲の 場を消失(磁気分離器用電磁コイルの通電を 止める)させ、上記洗浄液を分離器塔底から 入し、充填物に単に付着している磁性粒子 流し去る操作により行うことができる。洗 条件としては、洗浄液線速度が1~10cm/sec、好 しくは2~6cm/secである。

 以下に、図2を参照しながら磁気分離工程 をさらに詳しく説明する。

 図2は、本発明に使用する高勾配磁気分離 器40の模式簡略図である。高勾配磁気分離器4 0の分離部は縦型充填塔をなし、ここに強磁 充填物が充填されている。充填物が充填さ ている充填槽41は、塔外部の電磁コイル42に り発生する磁力線により磁化されて高勾配 磁気分離部を形成する。この部分が、前記 外部の電磁コイルにより発生する均一な高 場空間である。操作適温に加熱されたワッ ス留分は、所定の流速(好ましくは液滞留時 間が上記範囲となる流速)で、ライン31からこ の分離部を下方から上方へ通過し、この間に 磁性粒子が充填物表面に付着して除かれる。

 ワックス留分がライン31から磁気分離器40 を通過中は、洗浄液は洗浄油バイパスライン (図示せず)を通ってバイパスし、洗浄液がラ ン43から供給されて磁気分離器40を洗浄する 際は、その間ワックス留分はワックス留分バ イパスライン(図示せず)を通ってバイパスさ 、直接水素化分解装置50に送液することも きる。磁気分離器40を洗浄した洗浄液はライ ン44から、系外へ排出される。このようにし 除去運転、洗浄運転の切替、繰返し連続運 が可能となる。上記洗浄除去工程は、たと ば、特開平6-200260号公報記載の方法を参考 して行なうことができる。

<ワックス留分の水素化分解>
 水素化分解装置50では、磁性粒子が除去さ たワックス留分を水素化分解する。水素化 解装置50としては、公知の固定床反応塔を用 いることができる。本実施形態では、反応塔 において、所定の水素化分解触媒を固定床の 流通式反応器に充填し、ワックス留分を水素 化分解する。

 水素化分解触媒としては、例えば、固体 を含んで構成される担体に、活性金属とし 周期律表第VIII族に属する金属を担持したも のが挙げられる。

 好適な担体としては、超安定化Y型(USY)ゼ ライト、HYゼオライト、モルデナイト及びβ ゼオライトなどの結晶性ゼオライト、並びに 、シリカアルミナ、シリカジルコニア及びア ルミナボリアなどの耐熱性を有する無定形金 属酸化物の中から選ばれる1種類以上の固体 を含んで構成されるものが挙げられる。更 、担体は、USYゼオライトと、シリカアルミ 、アルミナボリア及びシリカジルコニアの から選ばれる1種類以上の固体酸とを含んで 成されるものであることがより好ましく、U SYゼオライトとシリカアルミナとを含んで構 されるものであることが更に好ましい。

 USYゼオライトは、Y型のゼオライトを水熱 処理及び/又は酸処理により超安定化したも であり、Y型ゼオライトが本来有する20Å以 のミクロ細孔と呼ばれる微細細孔構造に加 、20~100Åの範囲に新たな細孔が形成されて る。水素化精製触媒の担体としてUSYゼオラ トを使用する場合、その平均粒子径に特に 限は無いが、好ましくは1.0μm以下、より好 しくは0.5μm以下である。また、USYゼオライ において、シリカ/アルミナのモル比率(アル ミナに対するシリカのモル比率;以下、「シ カ/アルミナ比」という。)は10~200であると好 ましく、15~100であるとより好ましく、20~60で るとさらにより好ましい。

 また、担体は、結晶性ゼオライト0.1質量% ~80質量%と、耐熱性を有する無定形金属酸化 0.1質量%~60質量%とを含んで構成されるもので あることが好ましい。

 触媒担体は、上記固体酸とバインダーと 含む混合物を成形した後、焼成することに り製造することができる。固体酸の配合割 は、担体全量を基準として1~70質量%である とが好ましく、2~60質量%であることがより好 ましい。また、担体がUSYゼオライトを含んで 構成される場合、USYゼオライトの配合量は、 担体全量を基準として0.1~10質量%であること 好ましく、0.5~5質量%であることがより好ま い。更に、担体がUSYゼオライト及びアルミ ボリアを含んで構成される場合、USYゼオラ トとアルミナボリアとの配合比(USYゼオライ /アルミナボリア)は、質量比で0.03~1である とが好ましい。また、担体がUSYゼオライト びシリカアルミナを含んで構成される場合 USYゼオライトとシリカアルミナとの配合比(U SYゼオライト/シリカアルミナ)は、質量比で0. 03~1であることが好ましい。

 バインダーとしては、特に制限はないが アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、チタ ア、マグネシアが好ましく、アルミナがよ 好ましい。バインダーの配合量は、担体全 を基準として20~98質量%であることが好まし 、30~96質量%であることがより好ましい。

 混合物の焼成温度は、400~550℃の範囲内で あることが好ましく、470~530℃の範囲内であ ことがより好ましく、490~530℃の範囲内であ ことが更に好ましい。

 第VIII族の金属としては、具体的にはコバ ルト、ニッケル、ロジウム、パラジウム、イ リジウム、白金などが挙げられる。これらの うち、ニッケル、パラジウム及び白金の中か ら選ばれる金属を、1種を単独で又は2種以上 組み合わせて用いることが好ましい。

 これらの金属は、含浸やイオン交換等の 法によって上述の担体に担持することがで る。担持する金属量は特に制限はないが、 属の合計量が担体に対して0.1~3.0質量%であ ことが好ましい。

 ワックス分の水素化分解は、次のような反 条件下で行うことができる。すなわち水素 圧としては、0.5~12MPaが挙げられるが、1.0~5.0 MPaが好ましい。ワックス留分の液空間速度(LH SV)としては、0.1~10.0h -1 が挙げられるが、0.3~3.5h -1 が好ましい。水素/油比としては、特に制限 ないが、50~1000NL/Lが挙げられ、70~800NL/Lが好 しい。

 なお、本明細書において、「LHSV(liquid hourly  space velocity;液空間速度)」とは、触媒が充 されている触媒槽の容量当たりの、標準状 (25℃、101325Pa)における原料油の体積流量の とをいい、単位「h -1 」は時間(hour)の逆数を示す。また、水素/油 における水素容量の単位である「NL」は、正 規状態(0℃、101325Pa)における水素容量(L)を示 。

 また、水素化分解における反応温度(触媒 床重量平均温度)としては、180~400℃が挙げら るが、200~370℃が好ましく、250~350℃がより ましく、280~350℃がさらにより好ましい。水 化分解における反応温度が400℃を越えると 中間留分の収率が極度に減少するだけでな 、生成物が着色し、燃料基材としての使用 制限されるおそれがあるため、そのような 合には、反応温度を上記温度範囲に調整す ことができる。また、反応温度が180℃を下 ると、アルコール分が除去しきれずに残存 るおそれがあるため、同様に反応温度を上 温度範囲に調整することができる。

 中間留分の水素化精製(水素化異性化)装置52 は、第1精留塔30の中央部からライン32で供給 れた沸点範囲が中間程度である中間留分の 体炭化水素(概ねC 11 ~C 20 )を、水素を用いて水素化精製(水素化異性化) する。この水素化精製反応は、上記液体炭化 水素を異性化したり、その不飽和結合に水素 を付加して飽和させる等の反応である。この 結果、水素化精製された炭化水素を含む生成 物は、第2精留塔60に移送される。

<中間留分の水素化異性化>
 水素化異性化装置52としては、公知の固定 反応塔を用いることができる。本実施形態 は、反応塔において、所定の水素化異性化 媒を固定床の流通式反応器に充填し、第1の 留塔30で得られた中間留分を水素化異性化 る。ここでいう水素化異性化処理には、n-パ ラフィンのイソパラフィンへの異性化のほか に、水素添加によるオレフィンのパラフィン への転化や、脱水酸基によるアルコールのパ ラフィンへの転化が含まれる。

 水素化異性化触媒としては、例えば、固 酸を含んで構成される担体に、活性金属と て周期律表第VIII族に属する金属を担持した ものが挙げられる。

 好適な担体としては、シリカアルミナ、 リカジルコニア及びアルミナボリアなどの 熱性を有する無定形金属酸化物の中から選 れる1種類以上の固体酸を含んで構成される ものが挙げられる。

 触媒担体は、上記固体酸とバインダーと 含む混合物を成形した後、焼成することに り製造することができる。固体酸の配合割 は、担体全量を基準として1~70質量%である とが好ましく、2~60質量%であることがより好 ましい。

 バインダーとしては、特に制限はないが アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、チタ ア、マグネシアが好ましく、アルミナがよ 好ましい。バインダーの配合量は、担体全 を基準として30~99質量%であることが好まし 、40~98質量%であることがより好ましい。

 混合物の焼成温度は、400~550℃の範囲内で あることが好ましく、470~530℃の範囲内であ ことがより好ましく、490~530℃の範囲内であ ことが更に好ましい。

 第VIII族の金属としては、具体的にはコバ ルト、ニッケル、ロジウム、パラジウム、イ リジウム、白金などが挙げられる。これらの うち、ニッケル、パラジウム及び白金の中か ら選ばれる金属を、1種を単独で又は2種以上 組み合わせて用いることが好ましい。

 これらの金属は、含浸やイオン交換等の 法によって上述の担体に担持することがで る。担持する金属量は特に制限はないが、 属の合計量が担体に対して0.1~3.0質量%であ ことが好ましい。

 中間留分の水素化異性化は、次のような反 条件下で行うことができる。水素分圧とし は、0.5~12MPaが挙げられるが、1.0~5.0MPaが好ま しい。中間留分の液空間速度(LHSV)としては、 0.1~10.0h -1 が挙げられるが、0.3~3.5h -1 が好ましい。水素/油比としては、特に制限 ないが、50~1000NL/Lが挙げられ、70~800NL/Lが好 しい。

 また、水素化異性化における反応温度と ては、180~400℃が挙げられるが、200~370℃が ましく、250~350℃がより好ましく、280~350℃が さらにより好ましい。反応温度が400℃を越え ると、軽質分へ分解する副反応が増えて中間 留分の収率が減少するだけでなく、生成物が 着色し、燃料基材としての使用が制限される おそれがあるため、そのような場合には、反 応温度を上記範囲に調整することができる。 また、反応温度が180℃を下回ると、アルコー ル分が除去しきれずに残存するおそれがある ため、同様に反応温度を上記範囲に調整する ことができる。

 ナフサ留分水素化精製装置54は、第1精留塔3 0の上部から留出するナフサ留分(概ねC 10 以下)を、水素ガスを用いて水素化精製する この結果、水素化精製された炭化水素を含 生成物は、ナフサ・スタビライザー70に移送 され、その下部に連結されたライン71から精 されたナフサ留分が得られる。一方、ナフ ・スタビライザー70の塔頂からは、ライン72 を通して、C 4 以下の炭化水素を主成分とするガスが排出さ れる。

 次いで、第2精留塔60は、上記のようにし ワックス留分水素化分解装置50及び中間留 の水素化異性化装置52で処理された炭化水素 とを合わせて精留し、ケロシン留分(沸点が 150~250℃)をライン63から取り出し、ガスオイ 留分(沸点が約250~350℃)はライン62から取り し、これら留分は適宜に貯蔵タンク(図示せ )で貯留することができる。ワックス留分水 素化分解装置50及び中間留分の水素化異性化 置52で処理された炭化水素の混合方式は特 限定されず、タンクブレンドでもラインブ ンドでも良い。そして、第2精留塔60の塔頂 ら抜き出される軽質分はスタビライザー70の 張り込みライン55に導入される。

 第2の精留塔60の塔底から留出するボトム 分は、ワックスの水素化分解装置50の入口 ライン61により、適宜にリサイクルさせて再 度これを水素化分解して分解収率を向上させ ることができる。

 以上のようにして、FT合成粗油からナフ 留分、ケロシン留分およびガスオイル留分 製造することができ、しかもFT合成粗油中に 必然的に含まれるワックス留分は効率よく分 解されて、より軽質な留分に転換されるので 、大幅な収率向上が達成される。

 以下、実施例により本発明をさらに詳細 説明するが、本発明はこれらの実施例に限 されるものではない。

<触媒の調製>
(触媒A)
 シリカアルミナ(シリカ/アルミナのモル比:1 4)及びアルミナバインダーを重量比60:40で混 混練し、これを直径約1.6mm、長さ約4mmの円柱 状に成型した後、500℃で1時間焼成し担体を た。この担体に、塩化白金酸水溶液を含浸 、白金を担持した。これを120℃で3時間乾燥 、次いで500℃で1時間焼成することで触媒A 得た。なお、白金の担持量は、担体に対し 0.8質量%であった。

(触媒B)
 平均粒子径1.1μmのUSYゼオライト(シリカ/ア ミナのモル比:37)、シリカアルミナ(シリカ/ ルミナのモル比:14)及びアルミナバインダー 重量比3:57:40で混合混練し、これを直径約1.6 mm、長さ約4mmの円柱状に成型した後、500℃で1 時間焼成し担体を得た。この担体に、塩化白 金酸水溶液を含浸し、白金を担持した。これ を120℃で3時間乾燥し、次いで500℃で1時間焼 することで触媒Bを得た。なお、白金の担持 量は、担体に対して0.8質量%であった。

(実施例1)
<合成燃料の製造方法>
(FT合成粗油の分留)
 図1において気泡塔型反応器を採用するFT合 反応器10で得られた生成油(FT合成粗油)(沸点 が約150℃以上の炭化水素の含有量:84質量%、 点が約360℃以上の炭化水素の含有量:42質量% いずれの含有量もFT合成粗油全量(炭素数5以 上の炭化水素の合計)基準)を、ライン3から抜 き出して、常法によりフィルターを用いる液 固分離器20を介して、残渣触媒を除去した。 の反応器形式は液媒体中をコバルト系の触 粒子が自由流動する気泡塔型反応器である ともあり、かなり微細な触媒粒子が残渣を 成していた。残渣触媒の除去は完全ではな が、その後の処理に支障が出るようなレベ より低い含有量のレベルにまでは除去をし 。

 ついで、除去されたFT合成粗油は、第1の精 塔30で、沸点が約150℃未満のナフサ留分と 沸点が約150~350℃の中間留分と、ボトム分と てのワックス留分の3留分に分留した。
 第1精留塔30のボトムから抜き出したワック 留分は、不純物として、フィッシャー・ト プシュ合成触媒(FT触媒:コバルト担持量が30 量%(触媒に対して)、平均粒子径10μm)をワッ ス留分全量基準で20質量ppm含有していた。

(中間留分の水素化異性化)
 触媒A(150ml)を固定床の流通式反応器である 素化異性化装置52に充填し、上記第1精留塔30 でライン32から得られた中間留分を水素化異 化反応塔52の塔頂より225ml/hの速度で供給し 水素気流下、表1記載の反応条件で水素化処 理した。
 すなわち、中間留分に対して水素/油比338NL/ Lで水素を塔頂より供給し、反応塔圧力が入 圧3.0MPaで一定となるように背圧弁を調節し この条件にて水素化異性化反応を行った。 応温度は308℃であった。

(磁性粒子の除去)
 第1の精留塔30と水素化分解装置50の間に、 2の構造の電磁石型高勾配磁気分離器(FEROSEP( 録商標))40を配置し、第1の精留塔30塔底から ライン31で得られたワックス留分を表2に記載 の条件で磁気処理し、磁性粒子の除去を行っ た。磁性粒子の除去率を表2に併記する。な 、高勾配磁気分離器40の洗浄工程においては 、磁気分離処理後の処理油を洗浄液として用 いた。
 ここで、磁性粒子の除去率は、(株)島津製 所製レーザ回折式粒度分布測定装置(SALD-3100) を用いて測定した結果から磁気分離器入口の 磁性粒子濃度を基準に下記の式により算出し た値を意味する(以下、同様)。
 磁性粒子除去率(質量%)=100×(磁気分離器入口 磁性粒子濃度-磁気分離器出口磁性粒子濃度)/ 磁気分離器入口磁性粒子濃度

(ワックス留分の水素化分解)
 水素化分解装置50において、その固定床の 通式反応器に触媒B(150ml)を充填した。電磁石 型高勾配磁気分離器(FEROSEP(登録商標))40によ 磁性粒子が除去されたワックス留分を、水 化分解装置50の塔頂から300ml/hの速度で供給 て、水素気流下、表1記載の反応条件で水素 分解処理した。

 すなわち、磁性粒子除去後のワックス留 に対して水素/油比676NL/Lで水素を反応塔60の 塔頂より供給し、水素化分解装置圧力が入口 圧4.0MPaで一定となるように背圧弁を調節し、 この条件にて水素化分解した。このときの反 応温度は329℃であった。

(水素化異性化生成物及び水素化分解生成物 分留)
 上記の通り得られた、中間留分の水素化異 化生成物(異性化中間留分)とワックス留分 水素化分解生成物(ワックス分解分)とをライ ンブレンドし、この混合物を第2の精留塔60に 張り込んで分留し、ディーゼル燃料基材を抜 き出し、タンク(図示せず)に貯蔵した。

 第2の精留塔60のボトムは、水素化分解装置5 0の入口へライン61を介して連続的に戻して、 再度水素化分解をした。
 また、第2の精留塔60の塔頂成分は、塔頂か 抜き出して、水素化精製装置54からの抜き し線55へ導入しスタビライザー70へ導いた。

(実施例2~6)
 磁気分離器によるワックス留分の処理を、 場強度、滞留時間以外の条件は実施例1と同 様にして合成燃料の製造を行った。磁性粒子 の除去率を表2に示す。

(比較例1)
 磁気分離器によるワックス留分の処理工程 設けない事以外は、実施例1と同様にして合 成燃料の製造を行った。

(比較例2)
 磁気分離器の処理温度を80℃に設定した以 は、実施例1と同様にして合成燃料の製造を った。

(比較例3)
 磁気分離器の処理温度を500℃に設定した以 は、実施例1と同様にして合成燃料の製造を 行った。

(結果)
 第1の精留塔と水素化分解装置の間に電磁石 型高勾配磁気分離器を設置し、処理温度100~45 0℃で磁性粒子の除去を行った実施例1~6は、 素化分解処理工程に悪影響を及ぼす磁性粒 の低減を実現できた。なかでも、磁場強度 10000ガウス以上かつ滞留時間が15秒以上の条 で処理した場合は、磁性粒子の大幅な低減 はかることができた。

 一方、処理温度を80℃にした比較例2では 磁気分離器内でワックス留分が固まってし うため、磁性粒子の除去処理を行うことが きなかった。また、処理温度を500℃にした 較例3では、ワックス留分の分解や重合等に より正常な運転を継続することができなかっ た。

 本発明は、一酸化炭素と水素を原料とするF T合成法により得られるFT合成粗油から、燃料 油を得るのに利用することができる。
 したがって、本発明は、GTL(Gas to Liquids)・ 油精製等の産業分野で高い利用可能性を有 る。