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Title:
METHOD FOR PURIFICATION OF CYCLIC ESTER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/102607
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for the purification of a cyclic ester which comprises the steps of: mixing a co-effluent of a cyclic ester produced by the depolymerization with heating of a hydroxycarboxylic acid oligomer in the presence of a depolymerization solvent and the depolymerization solvent with an organic solvent for washing having compatibility with the depolymerization solvent and a lower boiling point than that of the cyclic ester; subjecting the resulting mixed solution to the liquid-liquid separation into an organic solvent phase containing the depolymerization solvent and a cyclic ester phase containing the organic solvent; evaporating the organic solvent from the cyclic ester phase containing the organic solvent to collect the cyclic ester having a reduced amount of the depolymerization solvent. The method enables to collect the cyclic ester in a purified form with high thermal efficiency, purification efficiency and handling property from the co-effluent produced from a depolymerization system containing the depolymerization solvent and the cyclic ester produced by the depolymerization with heating of the hydroxycarboxylic acid oligomer in the presence of the depolymerization solvent.

Inventors:
YAMANE KAZUYUKI
HOSHI TOMOHIRO
OGAWA TOMOYUKI
Application Number:
PCT/JP2008/051229
Publication Date:
August 28, 2008
Filing Date:
January 28, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KUREHA CORP (JP)
YAMANE KAZUYUKI
HOSHI TOMOHIRO
OGAWA TOMOYUKI
International Classes:
C07D319/12
Domestic Patent References:
WO2002014303A12002-02-21
WO2002014303A12002-02-21
WO2005044894A12005-05-19
Foreign References:
JPH09328481A1997-12-22
JP2001278877A2001-10-10
JP2002128777A2002-05-09
JP2001278877A2001-10-10
Other References:
See also references of EP 2128151A4
Attorney, Agent or Firm:
ENDO, Yukio et al. (2nd Floor Miyata Building,17-16, Nishi-Shimbashi 1-Chome,Minato-K, Tokyo 03, JP)
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Claims:
解重合溶媒存在下でのヒドロキシカルボン酸オリゴマーの加熱解重合反応により生成した環状エステルと解重合溶媒との共留出液を、解重合溶媒と相溶性を有し且つ環状エステルよりも低沸点の洗浄用有機溶媒と混合し、得られた混合液を解重合溶媒を含む有機溶媒相と該有機溶媒を含む環状エステル相とに液-液分離し、その後該有機溶媒を含む環状エステル相から該有機溶媒を蒸発させることにより、解重合溶媒を低減した環状エステルを回収することを特徴とする環状エステルの精製方法。
前記環状エステルと解重合溶媒との共留出液を洗浄用有機溶媒と混合するに先立って、共留出液を解重合溶媒相と解重合溶媒を含む環状エステル相とに液-液分離する工程を含み、得られた解重合溶媒を含む環状エステル相を該有機溶媒と混合して洗浄する請求項1に記載の精製方法。
解重合溶媒がポリアルキレングリコールエーテルである請求項1または2に記載の精製方法。
ポリアルキレングリコールエーテルは、アルキレンオキシ基の繰り返し数が2~8、両末端のエーテル酸素結合基がいずれもアルキル基であり、これらアルキル基中の炭素数の合計が3以上21以下である請求項3に記載の精製方法。
ポリアルキレングリコールエーテルの沸点(常圧下)は、230~450℃である請求項4に記載の精製方法。
洗浄用有機溶媒の沸点(常圧下)が90℃以下である請求項1~5のいずれかに記載の精製方法。
洗浄用有機溶媒がヘキサンである請求項6に記載の精製方法。
共留出液の洗浄用有機溶媒による洗浄が85~150℃で行われる請求項1~7のいずれかに記載の精製方法。
回収された解重合溶媒を低減した環状エステルを晶析に付し、固-液分離後、精製環状エステルの融液によって結晶の洗浄を行う工程を含む請求項1~8のいずれかに記載の精製方法。
環状エステルがグリコリドである請求項1~9のいずれかに記載の精製方法。
Description:
環状エステルの精製方法

 本発明は、ヒドロキシカルボン酸オリゴ ーの加熱解重合により生成した環状エステ の精製方法の改良に関する。

 グリコール酸、乳酸などのヒドロキシカル ン酸のオリゴマーを、ポリアルキレングリ ール系の解重合溶媒との共存下に加熱解重 させて、グリコリド、ラクチドなどの環状 ステルを製造する方法が知られている(特許 文献1)。生成した環状エステルは解重合溶媒 ともに留出させ、留出液から析出した環状 ステルを、必要に応じて環状エステルの非 媒を添加して、分離・精製するか、あるい 留出液から解重合溶媒相と分離した環状エ テル相を液-液分離により回収することも開 示されている(特許文献1)。あるいは酢酸エチ ル等の有機溶媒からの再結晶による精製(特 文献1)ならびに留出液から析出した環状エス テルを、シクロヘキサノン、酢酸エチルなど の解重合溶媒と相溶性の有機溶媒で洗浄する 方法も提案されている(特許文献2)。しかしな がら、これらの方法による環状エステルの精 製によっては、一般に高重合度のポリグリコ リド(ポリグリコール酸)、ポリラクチド(ポリ 乳酸)などのポリヒドロキシカルボン酸の製 に適した塊状重合原料として適当な高純度 状エステルを得ることは困難である。有機 媒からの再結晶によれば、高純度の環状エ テルを得ることも可能であるが、再結晶は 一般に収率的にも、エネルギー的にも効率 悪く、環状エステルの主たる精製方法とし は、工業的に採用し難い。

WO02/14303A1公報

特開2002-128777号公報。

発明の開示
 上述の事情に鑑み、本発明の主要な目的は ヒドロキシカルボン酸オリゴマーの加熱解 合により生成した環状エステルの工業的に 理的な精製方法を提供することにある。

 本発明者らの研究によれば、上述の目的 達成のためには、解重合溶媒とは別に選択 れた有機溶媒による洗浄および該有機溶媒 蒸発除去を採用することが極めて有効であ ことが見出された。すなわち、本発明の環 エステルの精製方法は、解重合溶媒存在下 のヒドロキシカルボン酸オリゴマーの加熱 重合反応により生成した環状エステルと解 合溶媒との共留出液を、解重合溶媒と相溶 を有し且つ環状エステルよりも低沸点の洗 用有機溶媒と混合し、得られた混合液を解 合溶媒を含む有機溶媒相と該有機溶媒を含 環状エステル相とに液-液分離し、その後該 有機溶媒を含む環状エステル相から該有機溶 媒を蒸発させることにより、解重合溶媒を低 減した環状エステルを回収することを特徴と するものである。

 本発明の好ましい態様によれば、前記環 エステルと解重合溶媒との共留出液を洗浄 有機溶媒と混合するに先立って、共留出液 解重合溶媒相と解重合溶媒を含む環状エス ル相とに液-液分離する工程を含み、得られ た解重合溶媒を含む環状エステル相を該有機 溶媒と混合して洗浄する。この解重合溶媒相 と粗環状エステル相との液-液分離は、解重 系からの共留出液の持つエネルギーを利用 て、外部からの追加熱供給を本質的に必要 することなく実施可能である。また解重合 媒と相溶性の低沸点有機溶媒による解重合 媒を含む環状エステル液の洗浄も接触効率 よい液-液混合過程が採用可能であり、解重 溶媒の除去効率も高く、更にその後の低沸 有機溶媒の蒸発による除去に際しても、有 溶媒の蒸発熱の供給という最小限の外熱供 が必要なだけで、全体として、極めて熱効 の高い効率的な環状エステルの精製方法が 現される。また精製操作が殆んど液状で行 れ、固体の処理が減少するので、処理物が 率的にハンドリングされる利点もある。

 以下、本発明を、その好ましい態様につ て、より詳細に説明する。以下の記載にお て、量比、含有量あるいは純度に関して用 た「%」および「ppm」は、特に断らない限り 重量基準を意味するものとする。

 本発明の環状エステルの精製方法の処理 象としての解重合溶媒存在下でのヒドロキ カルボン酸オリゴマーの加熱解重合反応に り生成した解重合溶媒と環状エステルを含 解重合系からの共留出液は、上記特許文献1 に記載されるものと本質的に異なるものでは ない。従って、主として特許文献1の記載を 約して、以下にその概容を説明する。

(環状エステルと脂肪族ポリエステル)
 環状エステルとしては、グリコール酸、乳 、α-ヒドロキシ酪酸、α-ヒドロキシ吉草酸 どのα-ヒドロキシカルボン酸の2分子間環状 エステル、即ち、二量体環状エステルが挙げ られる。例えば、グリコール酸の二量体環状 エステルは、グリコリドであり、乳酸の二量 体環状エステルは、ラクチド(D-ラクチド及び /またはL-ラクチド)である。

 加熱解重合による環状エステルの製造原 としてのヒドロキシカルボン酸オリゴマー 具体例としては、グリコール酸、乳酸、酪 などのα-ヒドロキシカルボン酸のオリゴマ が挙げられる。

 ヒドロキシカルボン酸オリゴマーは、ヒ ロキシカルボン酸の繰り返し単位(-O-R-CO-)を 2以上、好ましくは5以上含むものが用いられ 。すなわち、オリゴマーは、低重合度のも であってもよいが、解重合の際のグリコリ などの環状エステルの収率の点から、融点( Tm)が通常140℃以上、好ましくは160℃以上、よ り好ましくは180℃以上のものが好適に用いら れる。ここで、Tmは、示差走査熱量計(DSC)を いて、不活性ガス雰囲気下、10℃/分の速度 昇温した際に検出される吸熱ピーク温度で る。他方、オリゴマー製造の容易性の観点 らは、重量平均分子量(ヘキサフルオロイソ ロパノール(HFIP)溶媒および分子量標準物質 してポリメチルメタクリレートを用いるゲ パーミエーションクロマトグラフィー(GPC) 定値)が4万以下、好ましくは3万以下のもの 一般的に用いられる。

 各種α-ヒドロキシカルボン酸オリゴマー 、常法に従い、例えばα-ヒドロキシカルボ 酸またはそのアルキルエステル(アルキル基 の炭素数1~4程度)若しくは塩を、必要に応じ 触媒の存在下に、重縮合させることにより ることができる。

 より具体的には、例えば、グリコリドの 発原料として用いるグリコール酸オリゴマ を合成するには、グリコール酸またはその ステル若しくは塩を、必要に応じて縮合触 またはエステル交換触媒の存在下に、減圧 たは加圧下、100~250℃、好ましくは140~230℃ 温度に加熱し、水、アルコール等の低分子 物質の留出が実質的に無くなるまで縮合反 またはエステル交換反応を行う。縮合反応 たはエステル交換反応の終了後、生成した リゴマーは、そのままで原料として使用す ことができる。得られたオリゴマーを反応 から取り出して、ベンゼンやトルエンなど 非溶媒で洗浄して、未反応物や触媒などを 去して使用することもできる。オリゴマー 構造は、環状でも鎖状(直鎖状または分岐鎖 )でも良い。直鎖状オリゴマーは、合成が容 易である利点があり、分岐鎖状オリゴマーの 場合には、比較的低融点となる、という特徴 がある。他のα-ヒドロキシカルボン酸オリゴ マーも、同様の方法により合成することがで きる。

(解重合溶媒)
 解重合溶媒として、下記式(1)
(式中、R 1 はメチレン基または炭素数2~8の直鎖状または 分岐状のアルキレン基を表わし、X 1 は炭化水素基を表し、Yは炭素数2~20のアルキ 基またはアリール基を表わし、pは1以上の 数を表わし、pが2以上の場合には、複数のR 1 は、それぞれ同一でも異なってもよい。)
で表わされ、かつ、230~450℃の沸点(常圧下)と 150~450の分子量を有するポリアルキレングリ ールエーテルが好適に用いられる。

 このポリアルキレングリコールエーテル 、ヒドロキシカルボン酸オリゴマーの解重 反応の極性有機溶媒として用いられ、また 生成したグリコリドなどの環状エステルと もに共留出により反応系から取り出される

 ポリアルキレングリコールエーテルの沸 が低すぎると、解重合反応温度を高く設定 ることができず、グリコリドなどの環状エ テルの生成速度が低下してしまう。一方、 リアルキレングリコールエーテルの沸点が すぎると、ポリアルキレングリコールエー ルが留出しにくくなり、解重合により生成 た環状エステルとの共留出が難しくなる。 リアルキレングリコールエーテルの沸点(常 圧下)は、好ましくは235~450℃、より好ましく 240~430℃、最も好ましくは250~420℃の範囲で る。

 ポリアルキレングリコールエーテルの分 量は、150~450である。ポリアルキレングリコ ールエーテルの分子量が低すぎても高すぎて も、グリコリドなどの環状エステルとの共留 出が難しくなる。ポリアルキレングリコール エーテルの分子量は、好ましくは180~420、よ 好ましくは200~400の範囲である。

 前記式(1)において、X 1 は、炭化水素基であり、その具体例としては 、アルキル基、アリール基等が挙げられる。

 ポリアルキレングリコールエーテルの両末 のエーテル酸素結合基(X 1 及びY)の炭素数の合計が21を超える場合には 極性が低下するため、解重合反応時、ヒド キシカルボン酸オリゴマーと均一な融液相 形成することが難しくなる。

 ポリアルキレングリコールエーテルは、両 端のエーテル酸素結合基(X 1 及びY)がいずれもアルキル基であり、かつ、 れらアルキル基の炭素数の合計が好ましく 3~21、より好ましくは6~20の範囲にあること 望ましい。このようなアルキル基の例とし は、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、 キシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニ 基、デシル基、ラウリル基等が挙げられる これらのアルキル基は、直鎖状でも分岐状 もよい。

 ポリアルキレングリコールジアルキルエ テルとしては、ポリエチレングリコールジ ルキルエーテルが好ましく、その中でも、 エチレングリコールジアルキルエーテル、 リエチレングリコールジアルキルエーテル 及びテトラエチレングリコールジアルキル ーテルがより好ましい。

 ポリアルキレングリコールエーテルの両 端のエーテル酸素結合基のアルキル基とし は、ジブチル、ジヘキシル、ジオクチルな のように、同じ炭素数のアルキル基を用い ことができるが、必ずしも同じ炭素数であ 必要はなく、例えば、プロピル基とラウリ 基、ヘキシル基とヘプチル基、ブチル基と クチル基などのような異種のアルキル基同 の組み合わせでもよい。

 ポリアルキレングリコールエーテルの性質 、式(1)中のアルキレンオキシ単位(-R 1 -O-)の繰り返し数pによっても変化する。本発 では、繰り返し数pが2~8、好ましくは2~5のポ リアルキレングリコールエーテルを用いる。 この繰り返し数pが大きくなると、重付加反 による合成時に重合度分布が広くなりやす 、同一繰り返し単位数のポリアルキレング コールエーテルの単離が困難となる。特に 繰り返し単位数pが8を超えると、高分子量物 のため蒸留による単離も難しくなり、収率も 低下してしまう。

 アルキレンオキシ単位(-R 1 -O-)は、R 1 がメチレン基または炭素数2~8の直鎖状または 分岐状のアルキレン基であれば、特に限定さ れるものではないが、その具体例としては、 R 1 の炭素数が2のエチレンオキシ単位からなる リエチレングリコールエーテル、R 1 の炭素数が3のプロピレンオキシ単位からな ポリプロピレングリコールエーテル、R 1 の炭素数が4のブチレンオキシ単位からなる リブチレングリコールエーテルが挙げられ 。これらの中でも、原料が入手しやすく、 た、合成しやすい点で、ポリエチレングリ ールエーテルが特に好ましい。

 ポリアルキレングリコールエーテルは、2 5℃におけるグリコリドなどの環状エステル 溶解度が0.1%以上であることが好ましい。多 の場合、環状エステルの溶解度が0.1~10%の範 囲にあるポリアルキレングリコールエーテル が好ましい。ここで、25℃における環状エス ルの溶解度とは、25℃のポリアルキレング コールエーテルにグリコリドなどの環状エ テルが飽和状態になるまで溶解させたとき ポリアルキレングリコールエーテルの容積A( ml)に対する環状エステルの質量B(g)の百分率 示される。すなわち、溶解度は、下式で示 れる。

    溶解度(%)=(B/A)×100。

 溶解度が低すぎると、ポリアルキレング コールエーテルと共に留出したグリコリド どの環状エステルが析出して、回収ライン 閉塞などを起こしやすくなるので好ましく い。溶解度が高すぎると、解重合反応で得 れた共留出液から、液-液分離により環状エ ステルを回収する際に、例えば、0℃以下の 度に冷却したり、非溶媒を加えたりして、 状エステルを単離する必要が生じる。

(可溶化剤)
 ポリアルキレングリコールエーテルに対す グリコール酸オリゴマーなどのヒドロキシ ルボン酸オリゴマーの溶解特性(溶解度及び /または溶解速度)を改善するために、加熱解 合系に可溶化剤を含めることができる。

 可溶化剤は、好ましい特性として、(i)環 エステルと反応するおそれの少ない非塩基 、(ii)解重合溶媒としてのポリアルキレング リコールエーテルおよび原料ヒドロキシカル ボン酸オリゴマーの双方と相溶性であり、好 ましくはヒドロキシカルボン酸オリゴマーに 対しより大なる親和性を有すること、(iii)解 合溶媒よりも高い沸点、好ましくは450℃以 の沸点を有すること、などが挙げられる。 のような可溶化剤の具体例として、中でも 価または多価アルコール類が好ましく用い れ、特に下式(2)で表わされるポリアルキレ グリコールあるいは下式(3)で表わされるポ アルキレングリコールモノエーテルが好ま く用いられる。

(式中、R 2 はメチレン基または炭素数2~8の直鎖状または 分岐状のアルキレン基を表わし、qは1以上の 数を表わし、qが2以上の場合、複数のR 2 は、それぞれ同一でも異なってもよい。)
で示されるポリアルキレングリコールが好ま しい。

 ポリアルキレングリコールモノエーテルと ては、式(3)
(式中、R 3 はメチレン基または炭素数2~8の直鎖状または 分岐状のアルキレン基を表わし、X 2 は炭化水素基を表わし、rは1以上の整数を表 し、rが2以上の場合、複数のR 3 は、それぞれ同一でも異なってもよい。)。

 ポリアルキレングリコールの具体例とし は、ポリエチレングリコール、ポリプロピ ングリコール、ポリブチレングリコールな が挙げられる。

 ポリアルキレングリコールモノエーテル 具体例としては、ポリプロピレングリコー モノメチルエーテル、ポリエチレングリコ ルモノプロピルエーテル、ポリエチレング コールモノブチルエーテル、ポリエチレン リコールモノヘキシルエーテル、ポリエチ ングリコールモノオクチルエーテル、ポリ チレングリコールモノデシルエーテル、ポ エチレングリコールモノラウリルエーテル どのポリエチレングリコールモノエーテル; 該ポリエチレングリコールモノエーテルにお いて、エチレンオキシ基をプロピレンオキシ 基またはブチレンオキシ基に代えたポリプロ ピレングリコールモノエーテルやポリブチレ ングリコールモノエーテルなどのポリアルキ レングリコールモノエーテル;などが挙げら る。ポリエチレングリコールモノエーテル 、そのエーテル基として炭素数1~18のアルキ 基を有するものが好ましく、炭素数6~18のア ルキル基を有するものがより好ましい。これ らは、それぞれ単独で、あるいは2種以上組 合わせて使用することができる。

 可溶化剤を使用する場合には、ヒドロキ カルボン酸オリゴマー100重量部に対して、 常0.1~500重量部、好ましくは1~300重量部の割 で使用される。

(加熱解重合)
 ヒドロキシカルボン酸オリゴマーの加熱解 合による環状エステルの製造過程は、以下 工程を含んでいる:
(I)ヒドロキシカルボン酸オリゴマーと、解重 合溶媒とを含む混合物を、常圧下または減圧 下に、ヒドロキシカルボン酸オリゴマーの解 重合が起こる200℃以上の温度に加熱する工程 、
(II)ヒドロキシカルボン酸オリゴマーの融液 と解重合溶媒からなる液相とが実質的に均 な相を形成した溶液状態とする工程、
(III)該溶液状態で加熱を継続することにより 解重合により生成した環状エステルを解重 溶媒とともに留出させる工程、および
(IV)留出物から環状エステルを回収する工程

 本発明の環状エステルの精製方法の前段 として行われる、好ましい態様による製造 法は、脂肪族ポリエステルの解重合を溶液 の状態で行う点に最大の特徴を有する。解 合反応は、通常、200℃以上の温度で行うが 脂肪族ポリエステルの大半が溶媒に溶解し いで融液相を形成する場合には、環状エス ルが留出しにくく、しかも融液相が重質物 しやすい。脂肪族ポリエステルの大半を溶 相の状態で加熱することにより、環状エス ルの発生及び揮発速度が飛躍的に大きくな 。

 前記工程(III)で起る解重合は、ポリグリコ ル酸(ポリグリコリド)を例にとると、基本的 には以下の反応式〔III〕
で示される反応である。

 解重合のための加熱温度は、脂肪族ポリ ステルの解重合が起こる温度以上であり、 常、200℃以上の温度である。加熱温度は、 常200~320℃、好ましくは210~310℃、より好ま くは220~300℃、特に好ましくは230~290℃の範囲 である。

 加熱により、ヒドロキシカルボン酸オリ マーの解重合反応が起こり、グリコリド(大 気圧下での沸点:240~241℃)などの環状エステル が溶媒とともに留出する。解重合反応は、可 逆反応であるためグリコリドなどの環状エス テルを液相から留去することにより、環状エ ステルの解重合反応が効率的に進行する。

 解重合反応時の加熱は、常圧下または減 下に行うが、0.1~90kPaの減圧下に行うことが ましい。圧力が低い程、解重合反応温度が がり、溶媒の回収率が高くなる。圧力は、 ましくは1~50kPa、より好ましくは3~30kPa、特 好ましくは5~20kPaである。

 解重合溶媒として用いられるポリアルキ ングリコールエーテルは、脂肪族ポリエス ル100重量部に対して、通常30~500重量部、好 しくは50~200重量部の割合で使用する。ポリ ルキレングリコールエーテルは、反応系内 混合物が実質的に均一な液相を形成する範 内で解重合反応途中に連続的または分割的 追加してもよい。また、より均一な液相を 成するために、混合物中に可溶化剤を添加 てもよく、また、可溶化剤も、解重合反応 に連続的もしくは分割的に追加してもよい

 上記のようにして得られた加熱解重合系 らの環状エステルと解重合溶媒の共留出混 液から、本発明法に従い精製環状エステル 回収する。

(解重合溶媒と粗環状エステルの液-液分離)
 そのためには、共留出混合液を、直接、後 する解重合溶媒と相溶性を有し且つ環状エ テルよりも低沸点の有機溶媒(洗浄用有機溶 媒)と混合して、洗浄することもできるが、 浄有機溶媒の使用量を低減するために、ま 、加熱解重合系からの共留出液を、解重合 媒相と、解重合溶媒を含む粗環状エステル に液-液分離する工程を含めることが好まし 。

 具体的には、加熱解重合系からの留出物 冷却器(コンデンサー)で冷却して、グリコ ドなどの環状エステルと溶媒とを液状のま で相分離させる。留出液を相分離させると 通常、下層に環状エステル相ができ、上層 溶媒相となる。下層の環状エステル相は、 状のままで分離回収することができる。液 で環状エステルと溶媒とを相分離させるに 、冷却温度を通常85~180℃、好ましくは85~150 、より好ましくは85~120℃に制御する。冷却 度が高すぎると、分離操作の間に環状エス ル相において開環反応や重合反応などの副 応が生成しやすくなる。冷却温度が低すぎ と、液状のままで相分離させることが困難 なる。

 コンデンサーにより留出物の温度制御を いながら解重合反応を継続すると、溶媒と に留出した環状エステルが上層の溶媒相を 滴となって通過し、下層の環状エステル相 と凝縮する。

 このような相分離を行うには、解重合溶 のポリアルキレングリコールエーテルとし 、両末端のエーテル酸素への結合基がいず もアルキル基であり、かつ、そのアルキル の炭素数の合計が3~21であるものが好ましい 。このような溶媒は、前記冷却温度において 、グリコリドなどの環状エステルと相分離し やすい。

 上層に分離された解重合溶媒のポリアル レングリコール中には、少量(例えば0.1~10重 量%程度)の環状エステルが溶解しているが、 ずれも熱安定性に優れるため、ほぼ全量を 製等の工程を経ることなく解重合反応系に すことができる。この方法によれば、大量 溶媒を回収する必要がなくなり、さらには 反応容器の容積で決定される量を超える溶 を用意する必要がなくなる。したがって、 の方法では、解重合溶媒の損失を最小限に 制することができる。

(環状エステルの洗浄)
 上述の液-液分離工程を経て解重合溶媒相か ら分離された環状エステルは、未だ0.05~2%程 の解重合溶媒を含むものであり、これをそ まま開環重合反応に付すのでは、高分子量 脂肪族ポリエステル(ポリヒドロキシカルボ 酸)を得ることは困難である。そこで、本発 明法に従い、このような解重合溶媒を含む粗 環状エステル液を、解重合溶媒と相溶性を有 し且つ環状エステルよりも低沸点の有機溶媒 で洗浄する。

(洗浄用有機溶媒)
 洗浄用有機溶媒は、解重合溶媒として用い ポリアルキレングリコールエーテルと相溶 を有し、精製対象としてのグリコリド(融点 約85℃、沸点約240℃)、ラクチド(融点約95℃、 沸点約142℃(絶対圧8mmHgの減圧下))等の環状エ テルよりも低沸点の有機溶媒である。その ましい具体例としては、ヘキサン(沸点:約69 ℃)、ヘプタン(沸点:約98℃)などの飽和脂肪族 炭化水素;シクロヘキサン(沸点:約81℃)等の脂 環族炭化水素;ジイソプロピルエーテル(沸点: 約68℃)などのエーテル類;等、あるいはこれ の混合物が挙げられる。なかでも熱安定性 よび解重合溶媒との相溶性に優れる、ヘキ ン等の飽和脂肪族炭化水素あるいはこれら 混合物が、特に好ましく用いられる。

 有機溶媒による洗浄は、必要に応じて機 的あるいはバブリング等による撹拌を伴な 洗浄の効率を高く維持するために、粗環状 ステルの融液状態を維持する温度、好まし は85~150℃、より好ましくは90~130℃、におい 行う必要があり、その温度における洗浄用 機溶媒の蒸発を抑制するべく必要に応じて 圧下で行われる。また洗浄後の、環状エス ルからの蒸発による分離除去を容易とする めに、有機溶媒の沸点(常圧下)は90℃以下、 特に80℃以下であることが好ましい。

 洗浄後の環状エステルと有機溶媒の混合 から、有機溶媒を蒸発除去することにより 状エステルが回収される。この際、有機溶 の蒸発負荷を低減し、且つ環状エステルに 伴する解重合溶媒量をも低減するために、 浄後の環状エステルと有機溶媒の混合液を 旦、液-液分離に付し、上層をなす有機溶媒 相と下層をなす環状エステル相に分離するこ とが好ましい。そして環状エステル相から移 行した解重合溶媒を含む有機溶媒相からは、 蒸留等により有機溶媒が回収され、残留する 解重合溶媒は更に精製回収されるか、あるい は廃棄処理される。

 有機溶媒相から分離された環状エステル からは、環状エステルとの沸点差を利用し 低沸点の洗浄用有機溶媒が蒸発により容易 且つ効率的に除去される。この有機溶媒除 効率は、必要に応じて減圧下での操作とす ことにより、あるいは不活性ガスによるバ リング等の操作により、向上することがで る。

 上記により有機溶媒を分離した精製環状 ステルは、既に塊状重合による脂肪族ポリ ステル(ポリヒドロキシカルボン酸)の製造 適したものであるが、更に精製してより一 高分子量の脂肪族ポリエステルの製造を目 すことも好ましい。

 このような更なる精製の好ましい態様の つは、本発明者らの研究グループが既に提 した2つの円筒をそれらの中心軸が平行とな るように重ね合わせた塔型の結晶精製装置を 用い、該装置の底部から粗環状エステルを供 給して撹拌下に上昇させ、相対的に精製され た環状エステルの降下融解液との向流接触下 に粗環状エステルの精製を進行させ、塔底部 から不純物を排出しつつ精製された環状エス テル融解液を塔頂から抜き出す方法(特開2001- 278877号公報)である。

 本発明者らは、更に上記で有機溶媒を分 した精製環状エステルを晶析に付して、固- 液分離後、精製環状エステルの融液による結 晶の洗浄工程に付すことが、より純度の高い 環状エステルの製造に極めて適していること を見出した。

 上記一連の工程を得た精製環状エステル 、純度99.9モル%以上、残留解重合溶媒量10ppm 以下、残留洗浄用有機溶媒量10ppm以下となり 塊状重合によるより高重合度の脂肪族ポリ ステルの製造に特に適したものとなる。

 本発明法を経て得られた精製環状エステ の塊状重合による脂肪族ポリエステルの製 方法としては、従来法が任意に適用可能で るが、例えば「水およびアルコールを含む ロトン源化合物を開始剤または/及び分子量 調節剤として含む環状エステルを、環状エス テル中の、全プロトン濃度、および水を含む カルボキシル(カルボン酸)源化合物モル濃度 アルコールを含むアルコキシカルボニル(エ ステル)源化合物モル濃度との比(カルボン酸/ エステル・モル比)、を指標として、開環重 することを特徴とする脂肪族ポリエステル 製造方法。」(WO2005/044894A1公報)が好適に適用 可能である。

 以下、実施例および比較例により、本発 を更に具体的に説明する。まず、実施例お び比較例の評価のために採用した分析方法 説明する。

≪分析方法≫
[解重合溶媒濃度]
 環状エステル(グリコリド)サンプル300mg~1000m gに内部標準物質の4-クロロベンゾフェノンを 約40mg添加し、ジメチルエーテル10mlに溶解し 。その溶液を1μl採取し、GC装置に注入して サンプル中の解重合溶媒濃度の測定を行な た。

(GC分析条件)
装置:島津GC-2010
カラム:TC-17(0.25mmφ×30m)
カラム温度:220℃で20分間保持
気化室温度:200℃
検出器:FID(水素炎イオン化検出器)
温度:300℃。

[洗浄用有機溶媒濃度]
 環状エステル(グリコリド)サンプル1000mgに 部標準物質の4-クロロベンゾフェノンを約40m g添加し、ジメチルホルムアミド10mlに溶解す 。その溶液を1μl採取し、GC装置に注入して サンプル中の洗浄用有機溶媒(ヘキサン)濃 の測定を行なった。

(GC分析条件)
装置:島津GC-2010
カラム:TC-17(0.25mmφ×30m)
カラム温度:50℃で5分保持、20℃/分で270℃ま 昇温して、270℃で4分間保持
気化室温度:200℃
検出器:FID(水素炎イオン化検出器)
温度:300℃。

[グリコリド純度]
 低純度(約98モル%未満)のものについては、 記[解重合溶媒濃度]の測定と同様にGC法によ 、それぞれクロロベンゾフェノン約40mgを含 む300~1000mgの純グリコリド試料および不純物 有グリコリド試料を、それぞれGC装置に注入 し、不純物含有試料におけるグリコリドピー クの内部標準ピークに対する相対面積の、純 グリコリド試料におけるグリコリドピークの 内部標準ピークに対する相対面積に対する面 積比をもって、グリコリド純度(重量%)とする 。

 高純度(98モル%以上)のものについては、Van t Hoffの法則(下式(1))に基づく不純物含有に る純物質からの融点降下に基づくDSC純度(モ %)測定を行った:
     T f =T 0 -X 2 ・R・T 0 2 /δH f    (1)
 ここでT f =融解中の平衡融点(K),T 0 =主純物質(グリコリド)の融点(K)、X 2 =液相における不純物の合計モル分率(-)、R=ガ ス定数=8.31J/mol・K、δH f =主純物質(グリコリド)の融解熱(J/mol)。

 測定に当たってはDSC装置(メトラー・トレド 社製「DSC20/TC10A」)を用い、約10mgの精秤した 純物含有グリコリド試料をアルミパン(約40μ l)中に密閉し、70~95℃の温度範囲で2℃/分の昇 温速度で、グリコリド融解ピーク測定を行っ て、上記(1)式における不純物の合計モル分率 X 2 を求め、100-100・X 2 により、グリコリド純度(モル%)を求めた。

(実施例1)
[工程1]
 500mlフラスコにグリコール酸オリゴマー(重 平均分子量約15,000)160g、解重合溶媒として エチレングリコールジブチルエーテル(DEG-DB) 100g、可溶化剤としてポリエチレングリコー #300の88.9gを投入後、20kPaの減圧条件下で260℃ まで加熱して約30時間の解重合反応を行なっ 。生成したグリコリドはDEG-DBとともに留出 せ、冷却機にて85℃まで冷却凝縮した後、 置して液-液分離させ、分離されたDEG-DBは液- 液分離槽からオーバーフローさせ、連続的に フラスコ内に戻した。1時間に1回、分離槽下 に溜まったグリコリドの抜き出しを行った( 約30g/回)。また回収したグリコリドと同量の リコール酸オリゴマーの粉砕品をオリゴマ 融解槽に投入し、220℃に加熱融解した後、 ラスコに添加して解重合反応を継続した。 記操作を30時間継続して、合計1000gのグリコ リドを得た。回収したグリコリド中には、DEG -DBが4,500ppm含まれていた。

[工程2]
 回収したグリコリドを同重量(1000g)のヘキサ ンと90℃で混合した後静置し、液-液分離させ 下層のグリコリド980gを回収した。なお、ヘ サンの沸点(69℃)より高温であるため、操作 密閉容器内で行い、ヘキサンの蒸発を防止 た。回収したグリコリド中のDEG-DB濃度は900p pm、ヘキサン濃度は4,200ppmであった。

[工程3]
 工程2で得られたグリコリドを90℃の条件下 N 2 ガスで5分間バブリングを行なった。バブリ グ後のグリコリド中のDEG-DB濃度は900ppm、ヘ サン濃度は30ppmであった。

(実施例2)
[工程1]
 解重合溶媒としてトリエチレングリコール チルヘキシルエーテル(TEG-BH)を用い、15kPaの 減圧条件下で解重合を行った以外は、実施例 1と同様の操作を行った。30時間の操作で、合 計1000gのグリコリドを得た。回収したグリコ ド中には、TEG-BHが4,500ppm含まれていた。

[工程2]
 実施例1と同様の操作を行ったところ、回収 したグリコリド中のTEG-BH濃度は2,200ppm、ヘキ ン濃度は4,000ppmであった。

[工程3]
 実施例1と同様の操作を行ったところ、バブ リング後のグリコリド中のTEG-BH濃度は2,200ppm ヘキサン濃度は30ppmであった。

(実施例3)
[工程1]
 解重合溶媒としてトリエチレングリコール チルオクチルエーテル(TEG-BO)を用い、10kPaの 減圧条件下で解重合を行った以外は、実施例 1と同様の操作を行った。30時間の操作で、合 計1000gのグリコリドを得た。回収したグリコ ド中には、TEG-BOが3,900ppm含まれていた。

[工程2]
 実施例1と同様の操作を行ったところ、回収 したグリコリド中のTEG-BO濃度は270ppm、ヘキサ ン濃度は30ppmであった。

[工程3]
 実施例1と同様の操作を行ったところ、バブ リング後のグリコリド中のTEG-BO濃度は290ppm、 ヘキサン濃度は30ppmであった。

(実施例4)
[工程1]
 解重合溶媒としてトリエチレングリコール チルデシルエーテル(TEG-BD)を用い、8kPaの減 条件下で280℃まで加熱し解重合を行った以 は、実施例1と同様の操作を行った。30時間 操作で、合計1000gのグリコリドを得た。回 したグリコリド中には、TEG-BDが700ppm含まれ いた。

[工程2]
 実施例1と同様の操作を行ったところ、回収 したグリコリド中のTEG-BD濃度は400ppm、ヘキサ ン濃度は4,200ppmであった。

[工程3]
 実施例1と同様の操作を行ったところ、バブ リング後のグリコリド中のTEG-BD濃度は410ppm、 ヘキサン濃度は30ppmであった。

(実施例5)
[工程1]
 解重合溶媒としてジエチレングリコールブ ル(2-クロロフェニル)エーテル(DEG-BClPh)を用 、8kPaの減圧条件下で280℃まで加熱し解重合 を行った以外は、実施例1と同様の操作を行 た。30時間の操作で、合計1000gのグリコリド 得た。回収したグリコリド中には、TEG-BClPh 16,000ppm含まれていた。

[工程2]
 実施例1と同様の操作を行ったところ、回収 したグリコリド中のDEG-BClPh濃度は4,500ppm、ヘ サン濃度は4,000ppmであった。

[工程3]
 実施例1と同様の操作を行ったところ、バブ リング後のグリコリド中のDEG-BClPh濃度は4,500p pm、ヘキサン濃度は30ppmであった。

(実施例6)
[工程1]
 解重合溶媒としてトリエチレングリコール ブチルエーテル(TEG-DB)を用い、10kPaの減圧条 件下で280℃まで加熱し解重合を行った以外は 、実施例1と同様の操作を行った。30時間の操 作で、合計1000gのグリコリドを得た。回収し グリコリド中には、TEG-DBが10,000ppm含まれて た。

[工程2]
 実施例1と同様の操作を行ったところ、回収 したグリコリド中のTEG-DB濃度は1,500ppm、ヘキ ン濃度は4,000ppmであった。

[工程3]
 実施例1と同様の操作を行ったところ、バブ リング後のグリコリド中のTEG-DB濃度は1,500ppm ヘキサン濃度は30ppmであった。

 上記実施例1~6における工程1~3の各工程の後 の残留溶媒濃度を、まとめて下表1に示す。

(実施例7)
[工程1~3]
 実施例3と同様に工程1~3を実施した。得られ たグリコリド中のTEG-BO濃度は300ppm、ヘキサン 濃度は10ppm未満であり、GC分析によるグリコ ド純度は90.00%であった。

[工程4]
 工程3で得られたグリコリドを装置容積1m 3 のオランダ・ガウダ社製横型多段冷却晶析装 置(Cooling Disk Crystallizer)に連続的に供給し、7 0.0℃まで冷却し晶析を行い、結晶化率25%のス ラリーを得た。

[工程5]
 工程4で得られたスラリーをバスケット内径 24インチの縦型遠心分離機に投入して1600rpmで 16分間、脱液し、グリコリドの結晶を回収し 。回収したグリコリドの純度は99.15%であり TEG-BO濃度、ヘキサン濃度はいずれも10ppm未 であった。

[工程6]
 工程5で得られたグリコリドの結晶を、内径 200mm、高さ5300mmの2つの円筒を重ね合わせた塔 型の結晶精製装置(特開2001-278877号公報に記載 する型式のもの)に20kg/hで投入し、塔頂から15 kg/hで工程1で得られたグリコリド量に基づく 率20%で精製グリコリドを得た。得られたグ コリドのDSC測定による純度は99.90モル%であ 、TEG-BO濃度およびヘキサン濃度はいずれも1 0ppm未満であった。

(実施例8)
[工程1~4]
 実施例7と同様に工程1~4を実施した。

[工程5]
 工程4で得られたスラリーをバスケット内径 24インチの縦型遠心分離機に投入して1600rpmで 3分間脱液した後、1600rpmを維持したまま、バ ケット内のグリコリド結晶重量の30%量の純 99.9%以上の精製グリコリド融液を、バスケ ト内のグリコリド結晶に噴霧し、さらに13分 間脱液し、精製グリコリドを工程1の後のグ コリドに基づく収率25%で得た。得られたグ コリドのDSC測定による純度は99.90モル%、TEG-B O濃度およびヘキサン濃度はいずれも10ppm以下 であった。

(比較例)
 実施例3の工程1で得られたグリコリドを冷 固化したのち、内径37.5mm、高さ1000mmの2つの 筒を重ね合わせた塔型の結晶精製装置(特開 2001-278877号公報)に15g/hで投入し、塔頂から8g/h で純度97%の精製グリコリドを収率53%で得た。 得られた精製グリコリド中のTEG-BO濃度は2,550p pmであった。

 上述したように本発明によれば、解重合 媒共存下でのヒドロキシカルボン酸オリゴ ーの加熱解重合により生成した解重合溶媒 環状エステルとを含む解重合系からの共留 液を、低沸点有機溶媒による洗浄および有 溶媒の蒸発除去、に付すことにより、精製 状エステルを高い熱効率、精製効率且つハ ドリング性で回収する環状エステルの精製 法が提供される。