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Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR PURIFYING OPTICALLY ACTIVE 1-(2-TRIFLUOROMETHYLPHENYL)ETHANOL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/098935
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for purifying an optically active 1-(2-trifluoromethylphenyl)ethanol, which includes recrystallization of an optically active 1-(2-trifluoromethylphenyl)ethanol represented by formula [1] (wherein * represents an asymmetric carbon) using an aliphatic hydrocarbon solvent. The method can drastically improve the optical purity of the ethanol. [1]

Inventors:
ISHII, Akihiro (())
石井 章央 (())
Application Number:
JP2009/050746
Publication Date:
August 13, 2009
Filing Date:
January 20, 2009
Export Citation:
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Assignee:
CENTRAL GLASS COMPANY, LIMITED (5253, Oaza Okiube Ube-sh, Yamaguchi 01, 75500, JP)
セントラル硝子株式会社 (〒01 山口県宇部市大字沖宇部5253番地 Yamaguchi, 75500, JP)
ISHII, Akihiro (())
International Classes:
C07C29/78; C07B57/00; C07C33/46
Domestic Patent References:
WO2007030359A1
Foreign References:
JP2003226659A
JPH05208927A
JP2002030020A
JP2002187873A
JP2007106702A
Other References:
See also references of EP 2248795A1
TETRAHEDRON: ASYMMETRY (U.K.) vol. 14, 2003, pages 3581 - 3587
TETRAHEDRON LETTERS (U.K.) vol. 28, no. 18, 1987, pages 2053 - 2056
Attorney, Agent or Firm:
HASHIMOTO, Takeshi et al. (EkisaikaiBldg., 1-29, Akashi-ch, Chuo-ku Tokyo 44, 10400, JP)
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Claims:
式[1]
[式中、*は不斉炭素を表す]で示される光学活性1-(2-トリフルオロメチルフェニル)エタノールを脂肪族炭化水素系の溶媒を用いて再結晶することを含む、光学活性1-(2-トリフルオロメチルフェニル)エタノールの精製方法。
脂肪族炭化水素系の溶媒がn-ペンタン、n-ヘキサン、c-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカン、n-ウンデカン、n-ドデカン、石油エーテルのみからなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
脂肪族炭化水素系の溶媒がn-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタンのみからなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1又は請求項2に記載の方法。
脂肪族炭化水素系の溶媒がn-ヘプタンである、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の方法。
脂肪族炭化水素系の溶媒の使用量が光学活性1-(2-トリフルオロメチルフェニル)エタノール1gに対して2mL以上、10mL以下である、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の方法。
再結晶の熟成温度が-20℃以上、+10℃以下である、請求項1及至請求項5の何れか1項に記載の方法。
種結晶を加えることによって再結晶を行う、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の方法。
Description:
光学活性1-(2-トリフルオロメチ フェニル)エタノールの精製方法

 本発明は、医薬中間体として重要な光学 性1-(2-トリフルオロメチルフェニル)エタノ ルの工業的な精製方法に関する。

発明の背景

 光学活性1-(2-トリフルオロメチルフェニ )エタノールは、医薬中間体として重要であ (特許文献1)。光学活性1-フェニルエタノー 類は、対応するアセトフェノン類の化学的 たは生物学的な不斉還元により製造するこ ができる。しかしながら、医薬中間体に要 される光学純度を反応の不斉還元だけで満 させることは困難であり、所望の光学純度 得るには生成物の誘導体化や速度論的分割 よる精製と組み合わせる必要があった。こ 様な精製は工程数の増加に伴う生産性の低 だけでなく、トータル収率の低下や廃棄物 増加をも招いた。よって、この分野におい は不斉還元で得られる生成物の光学純度を 何にして簡便な操作で効率良く上げるかが 要な課題であった。

 本発明で対象とする光学活性1-(2-トリフ オロメチルフェニル)エタノールの光学純度 簡便な操作で効率良く上げる精製方法は未 報告されていない。

 類似化合物である光学活性1-(3,5-ビストリ フルオロメチルフェニル)エタノールの精製 法は既に報告されているが(非特許文献1)、 学活性1-(3,5-ビストリフルオロメチルフェニ )エタノール自体の単なる再結晶ではラセミ 体の結晶が優先的に析出するため光学純度を 効率良く上げることができない。そこで、DAB CO(1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン)との錯体 [光学活性1-(3,5-ビストリフルオロメチルフェ ル)エタノール:DABCO=2:1]を再結晶することに り光学純度を上げている。しかしながらこ 方法では、比較的高価なDABCOを0.5当量用い さらに再結晶後の錯体から光学活性1-(3,5-ビ トリフルオロメチルフェニル)エタノールを 回収する必要がある。

 また、本特許出願人自らが明らかにした とであるが、光学活性1-(3-トリフルオロメ ルフェニル)エタノールや光学活性1-(4-トリ ルオロメチルフェニル)エタノールにおいて 、化合物自体の単なる再結晶では光学純度 効率良く上げることができない。前者では 晶が良好に析出せず(表3の参考例3から6を参 照)、後者では光学純度の高い1-(4-トリフルオ ロメチルフェニル)エタノールを得ることが きない(表4の参考例7から10を参照)。

 一方、本特許出願人は、本発明で対象とす 光学活性1-(2-トリフルオロメチルフェニル) タノールの製造方法として、対応するフタ 酸ハーフエステルのラセミ体を光学活性1- ェニルエチルアミンで光学分割する方法を に開示した(特許文献2)。

国際公開2007/030359号パンフレット

特開2007-106702号公報 Tetrahedron:Asymmetry(英国),2003年,第14巻,p.3581- 3587

発明の概要

 以上のように、光学活性1-(2-トリフルオ メチルフェニル)エタノールの光学純度を簡 な操作で効率良く上げる精製方法は見出さ ていない。そこで、本発明は、光学活性1-(2 -トリフルオロメチルフェニル)エタノールの 業的な精製方法を提供することを目的とす 。

 本発明者らは、上記の課題を踏まえて鋭 検討した結果、光学活性1-(2-トリフルオロ チルフェニル)エタノールを脂肪族炭化水素 の溶媒を用いて再結晶することにより、光 的に純粋な結晶が優先的に析出し、光学活 1-(2-トリフルオロメチルフェニル)エタノー の光学純度が劇的に向上することを見出し 。同時に、析出した結晶の化学純度も極め 高く、さらに回収率も高いことを明らかに た。

 上述したように、種々の類似化合物にお ては、化合物自体の単なる再結晶では光学 度を効率良く上げることができないことが かっていた。しかし、本発明者らは光学活 1-(2-トリフルオロメチルフェニル)エタノー に関しては、意外にも、特定の溶媒を用い 再結晶により、大量規模にも有利な、きわ て効率的な精製が達成されることを見出し 。

 特に、脂肪族炭化水素系の溶媒の中でもn -ヘプタンを用いることにより再結晶の効率 格段に向上することができることを見出し 。また、光学活性1-(2-トリフルオロメチルフ ェニル)エタノール1gに対して2mL以上、10mL以 の脂肪族炭化水素系の溶媒を用いることに り、大量規模での精製も回収率良く行うこ ができることを見出した。さらに、室温に い融点(光学的に純粋[100%ee(エナンチオマー 剰率)]なものは30℃から40℃の範囲内にある) 持つ光学活性1-(2-トリフルオロメチルフェ ル)エタノールの再結晶においても熟成温度 -20℃以上、+10℃以下で十分であることを見 し、該温度条件を採用することにより工業 に実施する場合に冷却設備の負担を大きく 減できることを明らかにした。

 この様に、光学活性1-(2-トリフルオロメ ルフェニル)エタノールの工業的な精製方法 して極めて有用な方法を見出し、本発明に 達した。

 本発明に依れば、式[1]
[式中、*は不斉炭素を表す]で示される光学活 性1-(2-トリフルオロメチルフェニル)エタノー ルを脂肪族炭化水素系の溶媒を用いて再結晶 することを含む、光学活性1-(2-トリフルオロ チルフェニル)エタノールの精製方法が提供 される。

詳細な説明

 本発明が従来技術に比べて有利な点を以 に述べる。

 非特許文献1と比べて、錯体を形成するた めの添加剤や、再結晶後の錯体から目的物を 回収する操作を必要としない。

 類似化合物である光学活性1-(3,5-ビストリ フルオロメチルフェニル)エタノール、光学 性1-(3-トリフルオロメチルフェニル)エタノ ルや光学活性1-(4-トリフルオロメチルフェニ ル)エタノールに対しては、本発明で対象と る光学活性1-(2-トリフルオロメチルフェニル )エタノールは、特異的に、脂肪族炭化水素 の溶媒を用いて再結晶することにより極め 高い光学純度且つ化学純度に精製すること できる。さらに、操作が簡便なため好適な 製条件と組み合わせることにより工業的に 施容易である。

 特許文献2と比べて、誘導体化の工程や光 学分割剤を必要としない。

 本発明の光学活性1-(2-トリフルオロメチ フェニル)エタノールの精製方法について詳 に説明する。

 具体的には、以下の様に再結晶を行うこ ができる。

 再結晶溶媒に、精製前の(光学純度がより 低い)式[1]で示される光学活性1-(2-トリフルオ ロメチルフェニル)エタノールを加え、加熱 解し、熟成温度まで降温する。析出した結 を回収し、再結晶溶媒を取り除くことによ 、精製後の(光学純度が極めて高い)該エタノ ールを得ることができる。

 式[1]で示される光学活性1-(2-トリフルオ メチルフェニル)エタノールの*は不斉炭素を 表し、その立体化学はR配置またはS配置を採 ことができる。

 式[1]で示される光学活性1-(2-トリフルオ メチルフェニル)エタノールの光学純度とし は、特に制限はないが、通常は50%ee以上で り、70%ee以上が好ましく、特に90%ee以上がよ 好ましい。

 中でも、精製前の光学活性1-(2-トリフル ロメチルフェニル)エタノールの光学純度が9 0%eeから98%eeの場合に、本発明の「脂肪族炭化 水素系の溶媒を用いた再結晶」の効果は特に 顕著である。このような光学純度の光学活性 1-(2-トリフルオロメチルフェニル)エタノール を、本発明の「脂肪族炭化水素系の溶媒を用 いた再結晶」に適用すると、簡便な操作で、 顕著な光学純度の向上が図れ、精製操作後の 回収率も高いため、特に好ましい実施態様で ある。当然、98%eeより高いものをさらに精製 ることもできるが、精製前の光学純度とし 98%eeより高いものを用いることは必ずしも 業的に容易ではない。

 この様な式[1]で示される光学活性1-(2-ト フルオロメチルフェニル)エタノールの製造 法としては、特に制限はないが、代表的な 例としてスキーム1に示す方法で製造するこ とができる(参考例1と2を参照)。具体的には 鉄(III)-アセチルアセトナートを触媒として 業的に入手可能な2-(トリフルオロメチル)ベ ゾイルクロリドとメチルマグネシウムクロ ドのカップリング反応を行うことにより2’ -(トリフルオロメチル)アセトフェノンに変換 し[Tetrahedron Letters(英国),1987年,第28巻,第18号,p .2053-2056を参考にして同様に行うことができ ]、アルコール系の溶媒中で光学活性BINAP類 光学活性ジアミン類を不斉配位子とするル ニウム錯体と塩基の存在下に水素ガス雰囲 下で該アセトフェノンを不斉還元すること より製造することができる。不斉還元はCatal ytic Asymmetric Synthesis,Second Edition,2000,Wiley-VCH,I nc.に記載された種々の方法を採用することが できる。

 再結晶溶媒としては、n-ペンタン、n-ヘキ サン、c-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン、 n-ノナン、n-デカン、n-ウンデカン、n-ドデカ 、石油エーテル等の脂肪族炭化水素系の溶 が挙げられる。その中でもn-ヘキサン、n-ヘ プタンおよびn-オクタンが好ましく、特にn- プタンがより好ましい。これらの再結晶溶 は単独または組み合わせて用いることがで る。トルエン、混合キシレン等の芳香族炭 水素系の溶媒、塩化メチレン、t-ブチルメチ ルエーテル、アセトン、酢酸エチル、アセト ニトリル、エタノール、水等の、脂肪族炭化 水素系以外の溶媒では、結晶が効率良く析出 せず、極めて高い光学純度且つ化学純度で、 さらに収率良く回収することができない(比 例を参照)。特に、脂肪族炭化水素系の溶媒 中でもn-ヘプタンを用いることにより再結 の効率を格段に向上することができる。

 脂肪族炭化水素系の溶媒の使用量として 、精製前の式[1]で示される光学活性1-(2-ト フルオロメチルフェニル)エタノール1gに対 て1mL以上が良く、2mL以上、20mL以下が好まし 、2mL以上、12mL以下がより好ましく、2mL以上 、10mL以下が特により好ましい。無溶媒また 1mL未満では、析出した結晶の流動性が低く 過等の回収操作が困難になる。2mL未満では 静置析出は問題なく行えるが撹拌析出は必 しも良好に行えない。20mLより多いと回収率 低下する。特により好ましい範囲である2mL 上、10mL以下では、工業的に有利な撹拌析出 が良好に行えて回収率も高い。

 加熱溶解の温度としては、特に制限はな が、通常は再結晶溶媒の沸点以下であり、2 0℃以上、50℃以下が好ましく、特に30℃以上 40℃以下がより好ましい。

 降温速度としては、特に制限はないが、 常は1時間当り200℃以下であり、150℃以下が 好ましく、特に100℃以下がより好ましい。

 熟成温度としては、-60℃以上、+15℃以下 良く、-40℃以上、+10℃以下が好ましく、特 -20℃以上、+10℃以下がより好ましい。-60℃ り低いと、工業的に実施する場合に冷却設 の負担が大きい。+15℃より高いと結晶が良 に析出しない。-40℃より低いと、光学純度 若干低下する傾向を示す。+10℃よりも高い 回収率が低下する。特により好ましい範囲 ある-20℃以上、+10℃以下では、工業的に実 する場合に冷却設備の負担を大きく軽減で る。

 熟成時間としては、特に制限はないが、 常は0.1時間以上、24時間以下であり、採用 る精製条件により異なるため、熟成中の溶 中の残留溶解量をガスクロマトグラフィー 液体クロマトグラフィー、NMR等の分析手段 より測定し、結晶の析出量が殆ど安定した 点を終点とすることが好ましい。

 本再結晶においては、必要に応じて、降 または熟成中に種結晶を加えることにより 晶をさらに効率良く析出させることができ 。

 種結晶の使用量としては、特に制限はな が、通常は式[1]で示される光学活性1-(2-ト フルオロメチルフェニル)エタノール1gに対 て0.0001g以上であり、0.0002g以上、0.1g以下が ましく、特に0.0004g以上、0.05g以下がより好 しい。

 回収操作としては、特に制限はないが、 常は析出した結晶を濾過し、貧溶媒で洗浄 、残留する再結晶溶媒や洗浄液を乾燥する とにより(必要に応じて、濾過器や貧溶媒は 予め冷却したものを用いることができ、また 乾燥は減圧下に行うこともできる)、光学純 が極めて高い式[1]で示される光学活性1-(2-ト リフルオロメチルフェニル)エタノールを収 良く回収することができる。本発明の再結 においては、光学的に純粋な結晶が析出す ため回収した結晶の化学純度も極めて高い 回収した結晶は、必要に応じて、活性炭処 や蒸留を行うこともでき、また再結晶を繰 返すことにより光学的に且つ化学的に純品 得ることもできる。再結晶溶媒として用い 脂肪族炭化水素系の溶媒は濾洗液の蒸留に り収率良く回収することができ、再利用し も同等の精製効率が得られる。

 実施例により本発明の実施の形態を具体 に説明するが、本発明はこれらの実施例に 定されるものではない。

[参考例1] カップリング反応(仕込みおよび反 応は窒素ガス雰囲気下で行った) 
テトラヒドロフラン500mLに、下記式
で示される2-(トリフルオロメチル)ベンゾイ クロリド417g(2.00mol、1.00eq)と鉄(III)-アセチル セトナート21.2g(0.06mol、0.03eq)を加え、氷冷 で内温を9℃以下に制御しながらメチルマグ シウムクロリドの2.10Mテトラヒドロフラン 液1.14L(2.39mol、1.20eq)を加え、室温で終夜攪拌 した。反応終了液のガスクロマトグラフィー より変換率は98%であった。反応終了液に氷冷 下で1N塩酸670mL(0.67mol、0.34eq)を加え、室温で15 分攪拌し、静定後分液し、水層を廃棄した。 有機層に2N水酸化ナトリウム水溶液250mL(0.50mol 、0.25eq)を加え、室温で2時間20分攪拌し[未反 の2-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリ ドを加水分解し]、さらに10%食塩水溶液250mLを 加え、静定後分液し、有機層を回収した。水 層はトルエン250mLで抽出し、静定後分液し(分 液性が若干悪かったためセライト濾過を行い 、セライト残渣をトルエン100mLで洗浄し)、有 機層を回収した。回収した有機層を合わせて 19 F-NMR(内部標準法)により定量したところ、下 式
で示される2’-(トリフルオロメチル)アセト ェノンが299g(1.59mol、収率80%)含まれていた。 わせた有機層を減圧濃縮し、単蒸留(沸点79~ 85℃/減圧度1.8kPa)することにより、粗生成物27 9gを得た。収率は74%であった。ガスクロマト ラフィー純度は99.2%であった。粗生成物全 を分別蒸留(沸点82~85℃/減圧度1.8kPa)すること により、精製品251gを回収した。回収率は90% あった。ガスクロマトグラフィー純度は99.7% であった。回収した精製品の機器データを以 下に示す。

1 H-NMR[基準物質;(CH 3 ) 4 Si,重溶媒;CDCl 3 ],δ ppm;2.58(s,3H),7.46(Ar-H,1H),7.58(Ar-H,2H),7.72(Ar-H,1 H).
19 F-NMR(基準物質;C 6 F 6 ,重溶媒;CDCl 3 ),δ ppm;103.56(s,3F).

[参考例2] 不斉還元(仕込みは窒素ガス雰囲気 下で行い、各仕込み段階で減圧脱気と窒素ガ スによる復圧を繰り返した)
 脱水i-プロパノール100mLに、下記式
で示される不斉配位子を有するルテニウム錯 体{RuCl 2 [(S)-binap][(S)-daipen]}0.09g(0.08mmol、0.00005eq)とt-ブ キシカリウム0.50g(4.46mmol、0.003eq)を加え、50 で1時間攪拌した(不斉触媒溶液の調製)。

 ステンレス鋼(SUS)製耐圧反応容器に、t-ブト キシカリウム4.00g(35.6mmol、0.022eq)、下記式
で示される2’-(トリフルオロメチル)アセト ェノン300g(1.59mol、1.00eq)と脱水i-プロパノー 1.50Lを加え、最後に上記で調製した不斉触媒 溶液を全量加え、水素ガス雰囲気下(1.8MPa)に4 0℃で終夜攪拌した。反応終了液のガスクロ トグラフィーより変換率は100%であった。反 終了液を減圧濃縮し、残渣を直接、単蒸留( 沸点77℃/減圧度0.8kPa)することにより、下記
で示される光学活性1-(2-トリフルオロメチル ェニル)エタノールの粗生成物を273g得た。 率は90%であった。光学純度は97.4%ee(R体リッ )であった。化学純度は96.0%以上であった。

1 H-NMR[基準物質;(CH 3 ) 4 Si,重溶媒;CDCl 3 ],δ ppm;1.49(d,6.4Hz,3H),1.99(br,1H),5.33(q,6.4Hz,1H),7.35 -7.84(Ar-H,4H).
19 F-NMR(基準物質;C 6 F 6 ,重溶媒;CDCl 3 ),δ ppm;103.43(S,3F).

 [実施例1]~[実施例11]、[比較例1]~[比較例15] および[参考例3]~[参考例10]は同様の操作によ 行った。代表例として[実施例5]を以下に示 。光学活性1-(3-トリフルオロメチルフェニ )エタノールと光学活性1-(4-トリフルオロメ ルフェニル)エタノールも光学活性1-(2-トリ ルオロメチルフェニル)エタノールと同様の 法で製造することができ、また各化合物の 製前の光学純度は上記製造品に光学的純品 たはラセミ体を任意の割合で混ぜることに り調整することができる。

[実施例5] 再結晶精製
 n-ヘプタン150mLに、下記式
で示される光学活性1-(2-トリフルオロメチル ェニル)エタノール50g[光学純度95.9%ee(R体リ チ)、化学純度97.7%]を加え、40℃で加熱溶解 た。攪拌しながら30分かけて2℃まで降温し 同温度で1時間熟成した。析出した結晶を予 冷却した濾過器を用いて濾過し、冷n-ヘプ ン25mLで2回洗浄し、減圧乾燥することにより 、下記式
で示される(R)-1-(2-トリフルオロメチルフェニ ル)エタノールを35.6g得た。回収率は71%であっ た。光学純度は100%eeであった。化学純度は100 %であった。

 光学活性(R)-1-(2-トリフルオロメチルフェ ル)エタノールの精製に関わる[実施例1]から [実施例11]の結果を表1に、[比較例1]から[比較 例15]の結果を表2に纏めた。

 表2(比較例1~15)から分かるように、再結晶 溶媒として芳香族系の炭化水素や非炭化水素 系有機溶媒を用いた場合には、目的物を回収 することは困難であり、再結晶溶媒をごく少 量とした場合(大量の操作には困難が伴う)お び、強く冷却した場合には目的物は回収さ たものの、回収率は低い値に留まった。ま 、水を再結晶溶媒とした場合には、均一溶 した状態を経ずに固化し、光学純度の向上 十分なものとはならなかった。

 これと比較して、表1(実施例1~11)では、比 較的穏和な条件での再結晶精製をも含めて、 大幅な光学純度の向上、化学純度の向上が達 成されており、回収率も高い値を示している 。

 また、光学活性(S)-1-(3-トリフルオロメチ フェニル)エタノールの精製に関わる[参考 3]から[参考例6]の結果を表3に纏めた。

 さらに、光学活性(R)-1-(4-トリフルオロメ ルフェニル)エタノールの精製に関わる[参 例7]から[参考例10]の結果を表4に纏めた。